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天空城の秘宝

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #財宝妖精ブラクテ #天空城 #冒険者

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 アックス&ウィザーズの世界では、浮遊する「天空城」を中心とする空飛ぶ巨岩群が存在する。伝説では「かつて戦乱に明け暮れていた古代帝国が、魔力の暴走により天空に放逐された」と言い伝えられている、群竜大陸に至る道の一つである。

「おい、兄者! どうなってんだ、これ!?」

 そんな天空城の一つ、植物に覆われた天空城を攻略していた冒険者二人組がいた。今の小声で叫ぶという器用な真似をしたのが弟のシン、その疑問に頭を抱えたのが兄のダンである。

「知るか! シュヴァルトが住み着いてるとは夢にも思わなかったし、何だよあの数!」
「声がでかいぞ、兄者ー!」
「お前みたいに器用に小声で叫べねぇよ……」

 漫才のようなやり取りをしつつも、二人は敢えて薄暗闇の細い路地を進んでいく。シュヴァルト――噂でしか聞いた事のないような、恐るべき毒花達に寄生されたドラゴンの群れにこの兄弟は追われているのだ。

 シンとダンは共に銀髪であり、似た中肉中背、黒革の革鎧を装備している。武器もショートソードとショートボウという小回りと手軽さを優先していた。どちらとも、戦闘よりもシーフ技能に優れた冒険者兄弟であった。時折ある罠の発見や解除は、天空城に挑むのにふさわしい技量を備えている。

「ようやくお宝が見つかったと思ったのによぉ……インチキだろ、あれ」

 ダンがそうぼやくのには、理由があった。彼等を追ってくるシュヴァルトにはプラント・イクリプスという能力があり、自らを植物に変え小さな隙間さえ通り抜けられるのだ。森に飲まれた天空城は、まさにそんな空間が山程あるのだ。だから、冒険者兄弟は地下深く、植物に寄生されていない細い迷路に逃げ込んだ……のだが。

「隙間からは来ないだろうが、普通に追ってこられたらヤバいぞ……何とか、逃げねぇと」
「はははははは! あの数から!? 無理だろー!」
「無理っぽいよなぁ、ちくしょう」

 小声で大笑いするシンと小さくぼやくダン。彼等はとにかく逃げるため、より迷路の奥へと進むしかなかった……。



「幹部猟書家が、何やら狙っておるようなのじゃ」

 ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は眉をしかめ、そう切り出した。

「今回、おぬしらに頼みたいのは森化した天空城でオブリビオンと幹部猟書家に狙われる二人組の冒険者を助け、連中を倒すという依頼じゃ」

 無数ある天空城の一つ、そこに冒険者兄弟は挑み財宝を入手する事に成功したらしい。しかし、その帰り道でオブリビオン、シュヴァルトの群れに追いかけられているのだ。兄弟は腕は立つが、戦闘能力ではオブリビオンに及ばない――だからこそ、助ける必要がある。

「シュヴァルトどもより早く合流し、保護する必要があるじゃろう。今は地下の迷路にあえて逃げ込んでおるようじゃが、シュヴァルトはサイズが変えられる。狭いところで囲まれるという状況が起きやすい敵じゃ。早く場所を変える必要があるじゃろう」

 迷路はもちろん、あの天空城の構造は冒険者兄弟が熟知している。合流して話を聞けば、守るにせよ共に戦うにせよ有利な情報を持っている。

「幹部猟書家、財宝妖精ブラクテもシュヴァルトの群れに追わせながら追いかけておるはずじゃ。ヤツが何を企んでおるかまではわからんが、ろくでもない事じゃろう。そうさせぬために、頼んだぞ」


波多野志郎
そう、この世界には天空城はあるのです! どうも、波多野志郎です。
今回はアックス&ウィザーズ世界で、幹部猟書家財宝妖精ブラクテの思惑を打ち砕いていただきます。

第一章は冒険者兄弟ダン&シンといかに手早く合流し、シュヴァルトの群れと戦うか? が重要になります。
第二章はシュヴァルトの群れを差し向けていた幹部猟書家財宝妖精ブラクテとの決戦となります。

なお、全勝共通のプレイングボーナスは「冒険者達と協力する」となっております。

それでは、森の天空城にて皆様のご活躍をお待ち致しております!
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第1章 集団戦 『シュヴァルト』

POW   :    プラント・イクリプス
肉体の一部もしくは全部を【植物】に変異させ、植物の持つ特性と、狭い隙間に入り込む能力を得る。
SPD   :    ダルウィテッド・バース
自身の【切断されると増殖する体質】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ   :    フォール・リユニオン
【花】から【花粉】を放ち、【死者と再会する幻覚】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヴェル・ラルフ
植物が覆う天空城
今度ゆっくり探索してみたいな、なんて

兄弟との合流のために足跡などをたよりに追跡
優れたシーフでも、焦りから跡は残しているかな
周辺はUCで生み出した黒炎の蝙蝠に偵察させる

戦うならば程々に身を隠せる場所がいいかな
シュバルトが植物に姿を変えている様を捉えられれば
すかさずナイフで掌を切り裂き体内を巡る炎で攻撃
基本は炎で相手を攪乱・威嚇し、ナイフで絶つ

相手のUCに発動の気配があれば見切りたい
避け切れないほどの至近距離であれば蹴りで風を起こして対応

たとえ、義姉さんが見えても…
貴女はこの美しい世界にはいないはずだから
ただ、この世界の夕焼けを見せてあげたいなと思うだけ


★アドリブ・連携歓迎


神宮時・蒼
…お宝探索に、危険は、付き物、と言いますが…
…何とも、不幸に、見舞われた、ようで
…ともかく、早く、合流、しな、ければ…

【WIZ】
相手が件の兄弟を追っているのであれば
きっと其方にいるのでしょう
でも、このままでは間に合いませんか
「第六感」を信じつつ、逃亡の痕跡が無いか探りましょう

合流出来たなら、魔竜を討伐しに来た事を告げましょう
宝には一切の興味が無い事も

花粉は「結界術」で防ぎましょう
風の通る道が在れば
「属性攻撃」で風を纏わせた白花繚乱ノ陣で花粉を逃がしましょう
死者と再会…
ボクが、此の身を得た時点で、いなかった”あの人たち”
知らないものを、どう、会えと

…花に、穢された、哀しき竜
…静かに、眠り、なさい


コロナ・グレイティア
・心情
天空の城で冒険ってのは心踊るけど……えーと、りょうしょか?だっけか、そいつが悪さしてるならどうにかしないとな!

・戦闘
冒険者兄弟とは【野生の勘】で探して合流するぞ!

合流した後は、敵ドラゴンは炎の【属性攻撃】を付与したユーベルコード『紅蓮の光杭』で攻撃してやる!
燃やしつつ杭で打ち付けたら、多少はどうにかなんだろ!

・その他
アドリブなんかは大歓迎だ!


御剣・刀也
ふむ。お前ら、本当に元は龍か?
その割りには随分とせこい闘い方しか出来なくなったもんだ
まぁ、いい。来いよ。大将とやるまでの腹の足しくらいにはなってくれよ

プラント・イクリプスで植物の特性を持たれたら、力で斬ろうとしても幹の弾性で上手く行かないので技と速さで斬り捨てる
隙間に隠れてるのがいたら、第六感で不意打ちに注意しつつ、部屋の中の物を壊し、確認しながら進み、現れたら見切り、残像で回避しつつ、カウンターで斬り捨てる
「この程度か。なりは龍でも中身は小物だな。植物のない知恵じゃ、これが限界か。つまらん勝負だ」



●緑深き天空城

 アックス&ウィザースの空に無数に浮かぶ遺跡、天空城。それは、その中の一つだった。

「植物が覆う天空城――今度ゆっくり探索してみたいな、なんて」

 ヴェル・ラルフ(茜に染まる・f05027)は、足元の苔に残った足跡を目印に進んでいく。ただの石造りの城なら決して残らない、植物が蔓延るからこそ残る痕跡。それを確実に、ヴェルは追いかけた。

(「優れたシーフでも、焦りから跡は残しているかな」)

 むしろ、慌てて走ってこの程度の痕跡のみという事が驚きだ。ヴェルはその痕跡が消えない内に、と小さく呟いた。

「おいで、……僕の一部」

 ボワッ! と無数に溢れ出す黒い炎は蝙蝠へと姿を変えていく――ヴェルの赫々天鼠だ。耐久力こそ脆いものの、この数は探索には向いている。

「行こうか」

 ヴェル自身も走り出す。呼吸をすれば、緑の濃い匂いが優しく肺を満たした。人の造るモノは朽ちたとしても、自然はやがて廻り返ってくる――その証拠のような光景を見ながら、ヴェルは思う。

(「たとえ、義姉さんが見えても……貴女はこの美しい世界にはいないはずだから」)

 ただ、、この世界の夕焼けを見せてあげたいなと思う――それだけだった。

●冒険者兄弟

(「……お宝探索に、危険は、付き物、と言いますが……何とも、不幸に、見舞われた、ようで……」)

 神宮時・蒼(終極の花雨・f03681)は、小さく息をこぼす。天空城の地下、その地下迷路に踏み入りながら、この先にいるだろう冒険者兄弟の不幸に同情した。

「……ともかく、早く、合流、しな、ければ……」

 相手が件の兄弟を追っているのであれば、きっと其方にいるはずです、と蒼は迷路を正確に進んでいく。残された痕跡、兄弟の足跡を頼りに駆けた。

「でも、このままでは間に合いませんか」

 不意に、壁の中を何かが蠢く音を聞いた。蒼はそれがシュヴァルトがプラント・イクリプスによって迷路の植物と建物の隙間を移動している音だと気付く。

 だが、音の方向に法則性がない。どうやら、シュヴァルトはかなり迷い苦戦しているようだ――と、そこまで考えて、蒼はその事に気付く。

「……ああ、狭すぎて……迷路に、出て来ないから……ですか……」

 そう、通路にシュヴァルトは出てこないから足跡に気付かないのだ。どうやら、冒険者兄弟もそれを見越した、痕跡を残してでも気配を消す事と移動速度を重視したらしい。

「……熟練の……冒険者、ですか……」

 不意に、蒼は二つの影に気付いた。よく似た中肉中背の銀髪の男達。間違いない、ダンとシンの冒険者兄弟だ。

「――誰だ!」

 小声で叫ぶシンに、蒼は答えようとして――それより速く、壁の亀裂からシュヴァルトの植物の尾がシンを不意打ちした。それに蒼が結界術で、尾の一撃を弾く!

「うお!?」

 ダンが声を上げて、援護しようとした刹那。魔力で出来た炎の矢が植物の尾を貫き、杭となって消し飛ばした――コロナ・グレイティア(ブレイズブレイヴ・f17954)の紅蓮の光杭(ブレイズ・パイル)だ。

「よし! いたな!」
「え? あ?」

 コロナが、ダンとシンにそう笑う。ヴェルや蒼のように痕跡を追ってきた訳ではない、野生の勘の賜物である。

「……魔竜を……討伐しに……来ました……」
「助けに来てくれたって事でいいのか?」

 蒼の言葉に、ダンは恐る恐る問い返す。それに、蒼はコクンとうなずいた。そのやり取りにコロナが言う。

「そこのところより、連中が来るぞ!」

 ザザザザザザザザザザザザザザザザザ――! と植物と建物の隙間を、シュヴァルトの群れが集まってくる。ヒュガ! とその牙を、爪を、尾を、隙間から繰り出して来る群れに、間に合ったヴェルの蹴りが蹴散らした。

「間に合ったね」
『――ガ――』

 風に弾かれ、体勢を立て直そうと体の一部を戻そうとするシュヴァルト――それらが、ザン! と一瞬にして一気に断ち切られた。

「ふむ。お前ら、本当に元は龍か? その割りには随分とせこい闘い方しか出来なくなったもんだ」

 力ではなく速度で断ち斬って、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)は獅子吼を下段に構え直す。ザザザザザザザ! とまだまだ集まってくる気配に、ヴェルは冒険者兄弟に向き直った。

「戦うならば程々に身を隠せる場所がいい。どこかあるかな?」
「……そうか、わかった。誘導する」

 ヴェルの意図を悟り、シンがうなずく。それに刀也は告げた。

「殿は引き受けた、急げ」
「おう! こっちだ」

 シンとダンが駆け出すのを、猟兵達はついていく。執拗に追いかけてくる気配に、植物ごと断ち切りながら刀也は言った。

「まぁ、いい。来いよ。大将とやるまでの腹の足しくらいにはなってくれよ」

●まるで、すがりつくかのごとく――

「ここならどうだ!?」

 冒険者兄弟が誘導したのは、半壊した広場だった。シュヴァルトの群れには手狭だが、人間にならば十分な広さがある。加えて、壊れた瓦礫が遮蔽物となる――ヴェルの出した条件に合致した戦場だった。

「ここならよさそうだね」

 ヴェルは、自分の掌を暮れの鈴で切り裂き――ボォ! と炎を吹き出した。それと同時、広場のあちこちからシュヴァルトの群れが飛び出した。

「燃やしつつ杭で打ち付けたら、多少はどうにかなんだろ!」

 ボボボボボボボボボボボボボボンッ! と炎の杭を生み出したコロナが、それを投擲する! 真っ向から牙を剥いて迫ったシュヴァルトを貫き、内側から燃え上がらせた。そして、もがくシュヴァルトへ、コロナはドラゴンランスを突き出す!

「よっし!」

 ドン! とシュヴァルトを穿ち、コロナは疾走する。その動きを追ってくるシュヴァルトの群れ――それを瓦礫を足場に跳躍、コロナは回避した。

『グルァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 空中のコロナを追いかけるシュヴァルト達、その前を塞ぐように炎が広がった――ヴェルだ。

「させないよ」
「ナイス!」

 炎に躊躇したシュヴァルト達へ、ヴェルは逆手に構えた暮れの鈴と明けの鈴を繰り出し、コロナも紅蓮の光杭を投げ放つ! ザザン! と切り飛ばされるシュヴァルト達の首と穿ち砕かれる頭。燃えていく竜は、最後の抵抗にと花粉を残していく。

「死者と再会……ボクが、此の身を得た時点で、いなかった”あの人たち”……知らないものを、どう、会えと……」

 ヒュオ! と蒼の白花繚乱ノ陣(ハナフブキノジン)が、花粉を吹き飛ばしていった。そのまま風に舞う花弁、夜に瞬く月下香で陣を描いた蒼は言い放つ。

「……何にも、染まらぬ、誠実なる、白。何にも、染まる、無垢なる、白。……舞え、吹き荒れろ……」

 ヒュオ! と黒いシュヴァルトの群れを月花ノ吹雪が飲み込んでいく。切り裂かれ、シュヴァルト達の体が力なく倒れていった。

「……花に、穢された、哀しき竜……静かに、眠り、なさい……」

 蒼の弔いの言葉、それを否定するように残ったシュヴァルト達が姿を現し襲いかかっていく――その眼前に一気に駆け込んだのは刀也だった。

「この程度か。なりは龍でも中身は小物だな。植物のない知恵じゃ、これが限界か」

 つまらん勝負だ、と言い捨て、刀也の獅子吼が閃く。剣刃一閃の鋭い斬撃が、シュヴァルト達の植物に支配された竜身をことごとく両断していった。

「……すっげ」
「これが猟兵……帝竜とやりあったって連中か」

 シンが呆然と、ダンが感嘆しながら呟く――決して、結果ほど簡単な事ではなかったはずだ。しかし、自分達が有利な場所を見極め、誘導し、対策を練った上で対処したのだ。その戦いぶりは、見事の一言だった。

「えーと、後はりょうしょか? だっけか、そいつが悪さしてるならどうにかしないとな!」
「そうだな」

 コロナの言葉に短く答え、刀也はその視線を上に向ける。崩れて穴の空いた天井、猟兵達はすぐに悟った。

「――来るぞ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『財宝妖精ブラクテ』

POW   :    財宝の竜<グランツ>
自身からレベルm半径内の無機物を【合体させ、巨大な財宝竜】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
SPD   :    収集欲<ベギーアデ>
【財宝】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[財宝]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
WIZ   :    竜の眼<アオゲ>
【【竜眼の宝珠】の呪詛】によって、自身の装備する【3秒以上視続けた財宝】を遠隔操作(限界距離はレベルの二乗m)しながら、自身も行動できる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナミル・タグイールです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●財宝を求めるモノ

「あぁ、やっぱり猟兵?」

 崩壊した天井の穴から降りてきた、財宝妖精ブラクテはむしろ納得したように呟いた。一人、また一人と確認し――その視線はダンとシンの冒険者兄弟へと向けられていた。

「ええ、ええ、でしょう。持っているなら、いただくだけ。その宝は、貴方達が持っていても宝の持ち腐れ。本当に価値を知る者にしか、意味がないのだから」
「……はぁ?」

 シンが怪訝そうに眉根を寄せる。いっそ宝を突き出してやったらどんな顔をするだろうか、と好奇心がうずいたがシンはしなかった。それはダンも同じだ。

「いただくか。寄越せ、でないあたり、渡しても殺すってんだろ?」
「お利口さんだ、正解」

 黄金の骨仮面の下で、ブラクテが笑う。それは財宝に魅入らてた、邪悪な笑みであった。

「抵抗していいよ。したって、殺して奪うだけだから――」

 ガシャンガシャンガシャン! と戦場の瓦礫が次々に財宝に変わっていく――その財宝が巨大な財宝竜になると、プラクテはその頭上に座っていった。

「財宝はすべて、このプラテクのモノ。金歯銀歯一つ、残さずいただくよ」
御剣・刀也
財宝?
俺が持ってるのはこの刀位だ。
こいつは大事な相棒。幾ら金銀財宝を積まれようが渡す気はない。
そもそも、俺は金銀財宝に興味がない。わかったら、さっさと勝負を始めるぞ。

財宝の竜<グランツ>で無機物を合体させ、巨大な竜になったら第六感、見切り、残像で避けつつ、勇気で被弾を恐れず、ダッシュで竜の懐を駆け抜け、竜を足場にしつつ、駆け上がり、プラクテにグラップルで捨て身の一撃を打ち込む
「無機物を取り込むとか言ってたし、俺の相棒はお前ごときに使われたらご立腹だ。だから、俺の拳をくれてやる!」


コロナ・グレイティア
・心情
財宝を溜め込む妖精と、財宝で出来た竜なんて面白いな!
けど、殺させる気はまったくないぞ!

・戦闘
基本は【怪力】と炎の【属性攻撃】を組み合わせて戦うぞ!
敵の攻撃は【野生の勘】で冒険者兄弟や自分が食らったら危なそうなものだけ避ける!
多少は攻撃貰わないと、ユーベルコードにも影響するからな……

冒険者兄弟にも、何かしら奴を気を逸らしたりするのくらいは手伝ってもらうか!隙を作るなら、うってつけだったりしないか?

そんなこんなで隙が出来たら、【捨て身の一撃】でユーベルコード『解き放たれし焔の咆哮』をぶっぱなす!
お宝ごと、燃えちまえ!

・その他
アドリブ等は大歓迎だ!


神宮時・蒼
……妖精、なの、ですか…。…可愛らしく、ありません、ね…
…あ、いえ、こちらの、話、です
…強欲、…欲に、囚われたのか、もともとの、性質、なのか…
…欲に、堕ちた、ものの、末路。…教えて、差し上げ、ましょう

【WIZ】
なるほど、呪いの宝珠ですか
ですが、3秒以上見つめなければならないのは大きな隙になるのでは?
「先制攻撃」で「高速詠唱」「全力魔法」を乗せた翠花魅惑ノ陣で攻撃を
当たれば御の字、外れても妨害にはなるでしょう?
それに、咲いた花は、ボクの力となりますので…
相手の攻撃は「見切り」で回避
冒険者のご兄弟に、被害が及びそうならば「結界術」で敵の攻撃を防ぎましょう

…欲に塗れて、良い事なんて、ありません、のに


ヴェル・ラルフ
そんなに金銀財宝がほしいの?
この世界の景色の方が美しいと思うんだけどな
なんて、思っても言わない
相容れないから戦うんだもの

強化されてしまう前に
地獄の炎を片足に纏わせて
衝撃波にのせて【残照回転脚】で焼却
高温ならば熔けてしまうものもあるだろう
宝が減れば敵は怒りを感じるだろうか

初撃の後は近接攻撃に切り替えて
如意棒【残紅】で応戦
落ち着いて敵の攻撃を見切って受け流す
敵の勢いと力を利用してカウンターでなぎ払い

財宝だけを追い求めると足元が疎かになるのかな
…それにしても、そんなに執着する宝ってなんだったんだろう
ふたりの兄弟に、あとで教えてもらおうかな

★アドリブ歓迎



●財宝の妖精

 ガシャリ、と財宝の竜が鎌首をあげる。それを見て、ダンが悲鳴を上げた。

「何じゃ、ありゃあ!?」
「敵……だよな、あれはさすがに」

 シンが恐る恐る問いかけるも、答えは返らない。それこそが答えのようなものだった。神宮時・蒼(終極の花雨・f03681)は財宝の竜を従えるブラクテの姿に、小さく呟く。

「……妖精、なの、ですか……。……可愛らしく、ありません、ね……」
「そういう問題か!?」
「……あ、いえ、こちらの、話、です」

 シンのツッコミに蒼も、さらりと流す。問題は別の場所にある、その自覚があるからだ。

「財宝を溜め込む妖精と、財宝で出来た竜なんて面白いな! けど、殺させる気はまったくないぞ!」
「別にそっちの都合は聞いていないけど?」

 コロナ・グレイティア(ブレイズブレイヴ・f17954)の宣言に、財宝の竜<グランツ>が牙を剥く。ガゴォ!! と石床を砕きながらうねる財宝の竜を飛び越えて回避し、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)は言い捨てた。

「財宝? 俺が持ってるのはこの刀位だ。こいつは大事な相棒。幾ら金銀財宝を積まれようが渡す気はない。そもそも、俺は金銀財宝に興味がない。わかったら、さっさと勝負を始めるぞ」

 刀也の言葉を否定するように、財宝の竜が再び襲いかかる。それを獅子吼を鞘に収めた刀也は、竜の頭を蹴って駆け出した。

(「そんなに金銀財宝がほしいの? この世界の景色の方が美しいと思うんだけどな」)

 肩をすくめ、ヴェル・ラルフ(茜に染まる・f05027)は思う。思っても、口にするつもりはない。何故なら――。

「相容れないから戦うんだもの」

 ドォ!! とヴェルの地獄の炎を纏った蹴りによる爆風、残照回転脚がブラクテを襲う。その爆風を防いだのは、とぐろを巻いた財宝の竜だ。

「強欲、……欲に、囚われたのか、もともとの、性質、なのか……欲に、堕ちた、ものの、末路。……教えて、差し上げ、ましょう」

 そこへ、蒼が杖で描いた陣術――翠花魅惑ノ陣(トヨホクノジン)を重ねた。ミシミシミシ、と竜の財宝の体が軋みを上げる。

「グランツ!」

 プラテクの声に、財宝の竜が猛る。その尾を横一線に薙ぎ払うと、ダンとシンの冒険者兄弟に届く寸前にコロナが受け止めた。

「おい、大丈夫か!?」
「大丈夫だ! それより何かしら奴を気を逸らしたりするのくらいは手伝ってもらえるか?」

 コロナの言葉に、弟は兄を振り返る。ダンは考え込む事しばし、重々しくうなずいた。

「わかった。ちょっと時間を稼いでくれ」
「任せろ」

 コロナが受け止めた竜の尾を振り上げた拳で殴打し、刀也が答える。拳に伝わる硬い感触、それをしっかりと確かめて刀也は言う。

「まずはあの竜を倒さないとな」
「おう!」

 コロナはうなずき、炎を両の拳に宿した。冒険者兄弟が動き出すのを一瞥し、財宝妖精ブラクテは隠し持っていた金細工の財宝を周囲に展開させる。

「仕方がないね。なら、お互い力づくって事で――やろうか」

●強欲の末路

 ゴォ! と財宝の竜が、唸りを上げて猟兵達へと襲いかかる。その牙を残像を残し、刀也は横へステップ。紙一重でかわしていく。

(「面倒なのは竜だが――」)

 プラクテの位置取りが、上手い。財宝の竜の巨大さと妖精の体の小ささを理解した位置取りは、どの角度からでも財宝の竜によって庇われる。加えて、財宝の竜自体が周囲の無機物を財宝として変化させている事が大きい――ただ破壊しても、次の財宝の竜を再構築されるのだ。

「器用だよね、こうなると……」
「やっぱ、一撃に賭けるしかないよなぁ」

 残紅で財宝の竜の尾を受け流すヴェルに、コロナが続ける。財宝の竜を抜けた先、そこを突くのが確実だ――そう判断した、その時だ。

「こっちだ!!」

 シンの呼び声に、猟兵達は視線を向ける。腕を振ってこっちへ来いと告げるシンに、猟兵達は迷わず動いた。

「逃がすとでも!?」

 プラクテが言い捨て、財宝の竜を駆けさせる。その牙が、真っ直ぐにダンへと迫る――はずだった。

「頼むぜぇ! 兄者、みんなぁ!!」

 シンは動かない。もうすぐシンへ財宝の竜の牙が届く――そう思えた刹那。

「よっし!」

 ダダダダダダダダダダン!! と連続した破壊音と共に、二本の柱が交差するように倒れてきた。それはダンが発動させたトラップだ、弟に牙が届く直前、柱に潰され財宝の竜がその動きを止めた。

「チィ!」

 この遺跡のトラップを利用したのか、とプラクテが判断を下すよりも早く――跳躍したヴェルの残照回転脚がプラクテの周囲の瓦礫を完全に吹き飛ばした。

「財宝だけを追い求めると足元が疎かになるのかな」
「く――!?」

 財宝の竜の材料となるべき無機物が吹き飛ばされた、それをプラクテが悟る。同時、コロナが叫んだ。

「ばくねぇぇぇぇつっっっっ!!!!」

 コロナの解き放たれし焔の咆哮(ドラゴブレイヴ・バースト)による炎の衝撃波が、動きを止めた財宝の竜ごと、プラクテを吹き飛ばす! 小さな体が爆風に煽られ、壁に叩きつけられる――プラクテはすぐに自らの金細工へとその視線を向けようとした。

「……神代より、語り継がれる、翆の花。……大地へ、無限の如く、咲き誇れ」

 だが、その竜の眼<アオゲ>の三秒が許されない。蒼の翠花魅惑ノ陣による陣術を受けて、プラクテが壁に押し付けられた。がらんがらん、と金細工が、床に転がる。それを必死に視線で追おうとしたプラクテに、蒼は哀れみを込めて囁いた。

「……欲に塗れて、良い事なんて、ありません、のに」
「うる、さ――!?」

 蒼の言葉絵を、プラクテが否定し切る前――刀也が全力で駆け込んでいた。

「無機物を取り込むとか言ってたし、俺の相棒はお前ごときに使われたらご立腹だ。だから、俺の拳をくれてやる!」

 振りかぶる拳。質素にして簡潔、鍛え上げられた刀也の正拳突きが繰り出される!

「天武古砕流、無手術奥義!覇王武皇拳!!」

 刀也の覇王武皇拳が、壁ごとプラクテを破壊した。小さな体は、その一撃に耐えきれない。黄金と粒子となって、強欲たる財宝妖精は消滅した……。

 ――終わった、と猟兵達と冒険者兄弟は視線を合わせ、笑った。同じ冒険を乗り込めた仲間へと向ける、会心の笑みだった。

「……それにしても、あんなに執着する宝ってなんだったんだろう」
「ああ、多分こいつだ」

 ヴェルの何気ない疑問に、ダンはバックパックへと手を伸ばす。取り出したのは、拳大の水晶だった。

「やるよ。今回、助けてもらった分だ」
「おいおい、兄者。いいのか? ただ働きになるぞ?」

 軽い調子で投げてよこすダンに、シンも笑って文句を言う。その声色も表情も、不満の色は一切なかったが。

「命あっての物種だ。助けられた恩を返さない方が、冒険者の仁義が通らない」
「ま、それもそうか」

 冒険者兄弟は笑い、植物に覆われた天空城を見た。

「この景色が見れたってだけでも、冒険者冥利に尽きるしな」

 まだ見ぬ地へその足で訪れ、その目で確かめる――それが冒険者の本質であるべきなのだ、と冒険者兄弟は笑って言った……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月01日


挿絵イラスト