京の都でごろにゃんご、陰陽師と共に
●サムライエンパイア、京の都
江戸幕府が繁栄をしている時代にあっても、京の都という場所には重要な意味がある。
天皇陛下の住まい、古くからの都、文化の中心地。故に人も、物資も多い場所だ。
そこを一望できる位置に、漆黒の衣装を身にまとった一人の天使が降りてくる。
「私は……どうしても、強い興味を覚えてしまうのです」
彼の周囲には、多数の猫又が同じく宙に浮かんでいた。それこそ、大量に。
猟書家「大天使ロロサエル」、彼は傍の猫又の頭を撫でながら、こう言うのだ。
「猫という生き物の、その愛らしさに」
『ええ、斯様な存在は、かくも人々の心を揺り動かすものでございましょう。しかし』
と、その猫又の背後からすぅと飛び出した白髪の美丈夫が、ロロサエルに向かって頷く。が、しかし、その表情はどこまでも沈鬱だ。
『私が斯様な存在に憑依するというのも、その、幾ばくかの問題があろうと』
「にゃ~ん」
『ああっ、ほら、そんなところで寝転がるなどはしたない。京の都は目の前でございましょうや』
魔軍将「安倍晴明」。彼が今、魂を複製されて召喚され、ここにいる猫又一匹一匹に憑装されているのである。
しかし猫又はもとは猫、気ままでノリがよくちゃらんぽらんだ。今もこうして、空中だと言うのに大あくびをして昼寝に入ろうとしている。
困惑する晴明を猫又の中に押し込めながら、ロロサエルは淡々と言った。
「民草の心がこれなる配下の愛らしさに蕩ければ、都を覆う結界の解除も容易いことでしょう。つべこべ言わずに、行くのです」
『ああ、嘆かわしや、嘆かわしや……』
「にゃ~ん」
その言葉に押し出されるように、晴明の憑依した猫又は眼下の京の都に降りていく。古都に猫の雨が降り注いだ。
●グリモアベース
「サムライエンパイアの京の都が、猫によって骨抜きにされようとしていますよぉ」
阿瀬川・泰史(酒と杯さえあればよし・f02245)はなんとも複雑そうな表情をしながらグリモアベースに居並ぶ猟兵たちにそう告げた。
猟書家の各世界への侵略は、今も続いている。それぞれの世界によって戦況は異なるがどこの世界であっても油断は禁物。オブリビオンの跋扈を許すわけには行かない。
だが、泰史ののっけからの説明は、なんと言うか、そういう危機感を全く感じさせないものであって。困惑顔の猟兵たちに、頬をぽりぽり掻きながら泰史は言う。
「いやまぁ、ただの猫ではなく、猫又なのですが。それも魔軍将『安倍晴明』を憑装したね。後ろっから薄っぺらく慇懃な言動こそ聞こえてきますが、所詮は猫。そのノリの軽さと愛らしさに変わりはないですよぉ」
そう話す彼の瞳は、いつも以上に細められている。こう見えてもふもふした生き物が好きな彼のこと、猫又ももふりたいのだろう。きっと。
だがその猫又はかつての戦でその猛威を奮った魔軍将「安倍晴明」が憑いている。文字通り憑いている。愛らしさに油断していたら、きっと大怪我をするだろう。京の人々や守りにつく人は言うに及ばずだ。
「と、まぁ、そういうことでして。裏には猟書家『大天使ロロサエル』がおります。彼の者の企みを打ち壊し、京の都を救ってきてくださいな」
淡々とそう告げながら、泰史はうっすらと口元に笑みを浮かべた。
戦場となるのは京の都の南のあたり。ここめがけて、猫又が空から次々降りてくるらしい。
「猫又は憑装によって、戦闘力が増しております。具体的には爪が鋭くなったり、筋力が増していたり毛並みがつやつやになったり、もふもふ度が増してケモノっぽくなっていたりします」
武器となる爪、鬼火の妖術に四足の型は変わらないが、戦闘力は増強されている。うっかり怪我をしてしまわないよう注意が必要だ。
とはいえ猫の性質の強い猫又は戦闘にそこまで積極的ではない。お昼寝したり、ネズミを追ったり、するかもしれない。そういう時は程々に遊んで、さくっと倒すのが良さそうだ。
「猫又を減らせば、猟書家はしびれを切らして自ら攻め込んでくることでしょう。さすれば、首魁を直接叩くことも可能ですよぉ」
大天使ロロサエルは武器である日本刀を振るって広範囲に攻撃を仕掛ける他、魔眼や呪言といった術も使いこなすらしい。こちらの行動を阻害したり、遠距離から攻撃を仕掛けてくることもあるだろう。その戦闘力には注意が必要だ。
そこで説明は終わりか、と思いきや。泰史が思い出したように手を叩いた。
「あ、そうそう。京の都には対オブリビオン戦闘を想定して張り巡らせた結界があり、都の陰陽師の方々が結界の補強と防備に当たっています。是非、協力して事にあたってくださいねぇ」
京の都には何百年もかけて施された、強固な結界が張られている。それはオブリビオンであっても作用し、動きを阻害されるほどのものだそうだ。当然猫又も、ロロサエルも、その結界を維持する陰陽師を狙ってくる。彼らと協力すれば、戦闘を有利に進められるだろう。
「そんなところでしょうか。それでは皆さん、頑張ってきてくださいねぇ」
そう話を締めて、泰史が手元のグリモアを回転させる。古都への扉が、今開かれようとしていた。
屋守保英
こんにちは、屋守保英です。
今年の依頼二本目、サムライエンパイアに参ります。
にゃんこさんに取り付いたセイメイさん。
●目標
・大天使ロロサエル×1体の撃破。
●特記事項
このシナリオは「2章構成」です。第2章がクリアになった時点で、シナリオが完成となります。
サムライエンパイアの「骸の月」の侵食度合いに、成功数が影響します。
●戦場・場面
(第1章)
京の都の街中、南のあたりです。
「超・魔軍転生」により魔軍将「安倍晴明」を憑装した猫又が、たくさん京の都に乗り込んできています。
猫又は憑装により大きくパワーアップしていますが、性質は変わっていないためのんびり屋で面倒くさがりです。もふられたらゴロゴロ言います。
都に張り巡らせた結界は敵の動きを鈍らせ、足を止めさせる効果があります。結界の補強や防備に当たる陰陽師と協力することで、戦闘を有利に進められます。
(第2章)
第1章と同じく、京の都の街中です。
大天使ロロサエルが都に乗り込んできます。猟書家としての力が制限されるため、憑装はしていません。
それでは、皆さんの力の籠もったプレイングをお待ちしています。
第1章 集団戦
『猫又』
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POW : バリバリ引っ掻くニャ
【両手の鋭い爪による引っ掻き攻撃】が命中した対象を切断する。
SPD : 猫の本領発揮なのニャ
【両手を地に付ける】事で【四足の型・高速戦闘モード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : これが猫又の妖術なのニャ
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●猫は寝転ぶ
「にゃ〜ん」
「ふなぁ〜ん」
京の街のあちこちに現れた猫又は、ころんと寝転んだりくしくしと毛並みを整えたり、気ままに振る舞っていた。町を侵略しに来たとはとても思えない。
しかしこのままでは、町が猫又に覆い尽くされてしまう。故に町の結界を張る陰陽師たちは、猫又の動きを阻害するために全力を注いでいた。
「くっ、数が多い! 攻め込んでくる様子が無いとはいえ、このままでは……!」
陰陽師隊の隊長が、苦々しい表情で次々降りてくる猫又を見る。と、そこに現れる人影があった。猟兵だ。
「おお、猟兵の皆様! 助かりました、あの猫どもを退治願います、我々は結界の維持で精一杯ですゆえ!」
隊長の言葉に頷いて、猟兵たちは街へと飛び出していく。人間側に動きがあったことに気が付いて、猫又たちがピクリと耳を震わせた。
「にゃ……? 人間が来たにゃ! 遊ぶにゃー!」
途端に立ち上がり、遊びモードに入った猫又たち。容赦なく退治するか、遊んでやってから退治するか、それは各々の選択次第だ。
ナイ・デス
猫と、戦わないといけない……覚悟を決めて、きた、のですが……
思ってたより、見た目は人でした
(イラストよりセイメイパワーでもふもふでも)これぐらいなら、猫と思わず、倒せる、ですね
尻尾が二つあるだけの、完全に猫だと思って、それでも倒すと覚悟、決めてきたのです
だから……
いえ。遊びましょうか。追いかけっこ
「ダイウルゴス」は召喚しない
【第六感】駆使して【ダッシュやジャンプ】
【念動力】で自身【吹き飛ばし】て
聖なる光を体から放って【推力移動】までして、逃げる
鬼火は【激痛耐性、継戦能力】仮初の肉体。再生もする。気にしない
そんな追いかけっこを『生命力吸収光』放ちながら続けて
疲れて眠るように、骸の海へ還しましょう
●猫は走る
「猫と、戦わないといけない……覚悟を決めて、きた、のですが……」
京の街並みに踏み出しながら、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)はふと目を細めた。
前方には何匹もの……いや、何人もの猫又がいる。その身体は魔軍将の憑装によってもふもふ度合いが増しており、個体によっては頭部も変化して獣人とも言える姿になっているが。
それでも、後ろの足で立って、手を器用に使っている。これは、猫と言うよりは人だ。
「思ってたより、見た目は人でした……これぐらいなら、猫と思わず、倒せる、ですね」
そう零して小さく笑い、ナイは猫又に接近する。近づいてくる人影に、何人かの猫又がナイの方を向いた。
「にゃあ?」
「尻尾が二つあるだけの、完全に猫だと思って、それでも倒すと覚悟、決めてきたのです」
猫だと思って、それでも覚悟を決めて戦場に飛び込んだ。しかし相手はそうではなかった。ならば。
「だから……」
「ふっ、その悲壮なほどの決意は見事。なればこの安倍晴明がお相手を」
「にゃぁーん」
猫又の背中から安倍晴明が薄ぼんやりと姿を見せるも、猫又は気ままに一鳴きして、ナイを興味深げに見つめている。
しばし見つめ合ってから、ナイが笑いかけた。
「いえ。遊びましょうか。追いかけっこ」
「にゃぁん!」
「あっえっ、あの、お相手を」
くるりと踵を返して走り出すナイを、猫又が追いかけ始める。いざ戦闘が始まるかと思って身構えていた晴明は、肩透かしを食らった格好だ。
ナイが光を放ちながら、京の街を駆け回る。猫又も素早い相手に興奮し始め、追いかけっ子に夢中になっている様子だ。
「はっ!」
「にゃぁ!」
「あっこら、待ちなさい、猟兵が相手なのでございます、あの憎き猟兵が……ああもう、こういう時に思い通りに動けないのは不便でございますね!」
ただ一人、戦いが始まると身構えていた晴明は、猫又をなんとか御しようと声をかけるが、しょせんは装備品扱い。装備者の動きをどうこうできるはずもない。
と、猫又が鬼火を出現させて、ナイへ向かって投げつけ始めた。
「にゃっ!」
「そう、そうでございます! そのまま彼の者を焼き尽くして」
「気にしない。私はこっちよ」
「ああ、もう!」
しかしナイは全く気にする様子もなく。鬼火をかわし、あるいはその身で受けながらなおも逃げた。晴明は歯噛みする他無い。
と、走り続けていた猫又たちの動きが、とたんに鈍り始めた。疲れたのか、走るのをやめてその場でうずくまる。
「む、む、何でございましょう、何やら随分身体が動かしにくく……」
「うにゃ……」
眠るように目を閉じる猫又たち。その身体が形を失い、光の粒になって消えていく。
「疲れたかしら? そのままおやすみなさい」
空へ立ち上る光を見上げながら、ナイはそっと呟いた。
成功
🔵🔵🔴
エピテ・ミュアー
まあお可愛い猫の方たちですね
倒すのも偲びありませんが
邪悪な想念が憑いているのも事実
せめてその欲を叶えてから安らかに眠り頂きましょう
猫又様たちの前に出てお話をしましょう
遊びたいのですね?ご希望があればお聞きしましょう
ふむ、転がしたりひっかいたり燃やしたりいっそもう寝たい
わかりました、ではその『怠惰』を叶えましょう
UCで怠惰獣を生み出し相手をして貰いましょう
いくら転がされても削られず満足させられる球体の魔物
引っかいても再生する樹木の獣
炎を全て受け止める炎の魔獣
そして遊び疲れた猫たちを安らかに眠りにつかせる夢魔の魔獣
眠った所を◆雷属性◆怪力拳(下半身担当)で一撃で為済ませます
その魂にどうか安らぎあれ
●猫は気ままに過ごす
街の通りの両側に建ち並ぶ家々に傷を付けないよう気を付けて進みながら、ラスボスであるエピテ・ミュアー(欲を崇める教徒にしてボス・f31574)は猫又たちに視線を向けた。
「まあ、お可愛い猫の方たちですね」
「にゃ〜ん」
愛らしい猫又たちを見て目を細めながら、エピテは頬に手を当てた。
小さく、もこもこして、くりくりした大きな目をしている猫又。ああ、可愛らしい。
しかしその猫又のいずれからも、言いしれぬ不気味なオーラが漂っていた。憑装されている、安倍晴明の念だろう。
「倒すのも偲びありませんが、邪悪な想念が憑いているのも事実。せめてその欲を叶えてから安らかに眠り頂きましょう」
そう独りごちながらエピテは猫又に歩み寄る。そして高い位置から見下ろしつつ、自分を見上げる彼女たちに声をかけた。
「猫の方たち、遊びたいのですね? ご希望があればお聞きしましょう」
そう話しかけるエピテの声に、まず反応したのは安倍晴明だった。猫又の背中からすぅっと浮かび上がっては、慇懃無礼に口を開く。
「ふっ、私の願いなど今更言うまでもない、あなた方の――」
「にゃーんにゃーん」
「ふむふむ、転がしたりひっかいたり燃やしたりいっそもう寝たい……」
「えっ」
が、その言葉は憑装する猫又の鳴き声と、その意を汲み取ったエピテの声に遮られる。晴明がまごつく中、エピテがゆっくりと手を掲げた。
「わかりました、ではその『怠惰』を叶えましょう。来たれ、怠惰獣!」
そう力強く話す彼女の周囲に、たくさんの怠惰獣が姿を現した。
いくら転がされても削られず満足させられる球体の魔物。
引っかいても再生する樹木の獣。
炎を全て受け止める炎の魔獣。
そして、遊び疲れた猫たちを安らかに眠りにつかせる夢魔の魔獣。
その多種多様な魔獣たちに、猫又たちは即座に夢中になった。球を転がし、木をひっかき、炎を撒き散らしていく。
「にゃ!」
「にゃー……」
「あぁ、猫又よ、そんな好き勝手に、あぁ」
晴明は戸惑いの声を上げるが、猫又たちは聞く様子もない。そんな意志など、元々無いようなものだが。
「うふふ、そうです。そのありのままの欲望のままに振る舞っていいのですよ」
エピテがゆるりと微笑みながら言えば、やがて猫又たちが夢魔の魔獣のそばに集まり始めた。周りを取り囲むようにして、一人、また一人と丸くなる。
「にゃー……」
「ぷにゃ……」
「あっちょっと、こら、起きなさいませ、起きなさい、ほら」
晴明が焦りながら主の猫又を叩くも、彼女たちはぐっすり夢の中。すっかり眠りに落ちた猫又を見て、エピテは薄っすらと笑みを浮かべた。
「皆さんお休みになりましたね……では」
と、彼女の下半身がぐわんと持ち上がった。太い両脚で大地を踏みしめれば、その場所にいた猫又たちが一斉に踏み潰され、骸の海へ還っていく。
「その魂にどうか安らぎあれ」
世界の外に還りゆく過去を見つめながら、エピテはそっと祈るのだった。
成功
🔵🔵🔴
逢坂・理彦
『安倍晴明』が憑いてるはずなんだけど猫又の気質の方が強く出ちゃったのかな?
それとも陰陽師さん達の結界のおかげかな?とにかくしっかりお礼を言って引き続き頑張ってもらおう。【鼓舞】
一応猫又ちゃん達と対峙するときは【破魔】と【呪詛耐性】は意識しておこうか。
やぁ、猫又ちゃん達。おじさんと遊ぼうか?
ほらおじさんのしっぽふさふさだよー(ねこじゃらしで猫と遊ぶように尻尾でじゃらして)
楽しい?
ふふ、じゃあ、次はー猫又ちゃん達の鬼火とおじさんの狐火どっちが強いか…勝負しちゃおうか?
UC【狐火・椿】
狐火で残った敵は墨染桜で【なぎ払い】っと
●猫は火を出す
結界を維持する陰陽師たちに挨拶と激励を済ませた逢坂・理彦(守護者たる狐・f01492)は、複雑な面持ちで京の都を歩いていた。
「うーん……『安倍晴明』が憑いてるはずなんだけど猫又の気質の方が強く出ちゃったのかな? それとも陰陽師さん達の結界のおかげかな?」
本当だったらオブリビオンとしてその力を振るい、京の町を混乱に陥れていたことだろう。しかし結界のおかげかそうではないのか、猫又たちはあちこちでごろりと転がり、丸まっていた。
「まあ、とにかくだ。しっかりお礼を言って引き続き頑張ってもらおう」
そうこぼしながら理彦は動き出す。手近なところで微睡んでいた猫又たちに向かって、自前の尻尾をゆらゆら、ふりふり。
「やぁ、猫又ちゃん達。おじさんと遊ぼうかー? ほらおじさんのしっぽふさふさだよー」
「にゃ?」
「にゃん!」
尻尾が揺れるのを見て、猫又たちが何匹か顔を上げた。揺れる尻尾に目が釘付け、ちょいちょいと手出しをしたりもしている。
掴みは上々。内心でほくそ笑みながら理彦は猫又に声をかけた。
「楽しい? ふふ、じゃあ、次はー猫又ちゃん達の鬼火とおじさんの狐火どっちが強いか、勝負しちゃおうか?」
そう言って、手元に狐火を灯す理彦。猫又もそれに呼応するように鬼火を作り出した。
互いにぶつけるようにして、狐火と鬼火のぶつかり合いが始まる。それぞれの火はだんだん大きくなり、大きくなり……際限なく大きくなるかと思いきや。
理彦の狐火が、猫又たちの作った鬼火を飲み込んだ。
「あっ」
「にゃ……」
猫又たちが小さく鳴くのと、ドカーンという大音量が街に響くのは、ほほ同時だった。
震える空気と戸板。理彦が再び瞳を開けば、そこら中に猫又が倒れ伏していた。
「あー……ま、仕方ないか」
頬をかきながらため息をつく理彦。結局はこうなるのだ、仕方が無いのである。
成功
🔵🔵🔴
鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
POW
俺は元々猫は好きなんだ
猫又の女の子なんて最高じゃないか!
そんな存在を利用するなんて大天使許すまじ!
敵の数が多い、だけど…猫の特性を活かせば!
今こそビーストマスターとしての真価が問われる時だ!
(おもむろに懐から猫じゃらしを取り出し)
まずは遊ばせて相手の体力を削ごう
遊ぶときは俺も真剣に遊ぶ
猫は相手が本気で遊んでくれているかどうか、結構敏感だからね
【動物使い】としての経験も利用
遊び疲れた所を獣奏器で相手をリラックスさせる音楽を演奏
油断し切っている所を陰陽師の皆さんに力を借りて相手の動きを封じてもらう
そこを退魔刀による邪念を断つで撃破
ちょっと可哀想な気もするが、京の都を守る為
●猫は遊ばれる
「にゃーん」
「ふふ、あはは」
「……あの」
鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は何人もの猫又に埋もれるようにして、その毛皮に顔をうずめながら喜んでいた。
襲いかかったと思ったらなんか思ったのと違う反応をされたことに、晴明が困惑の面持ちで問いかける。というか若干冷や汗が見える。
「組み敷かれて抵抗しないとはどのような了見でございます?」
「俺は元々猫は好きなんだ。猫又の女の子なんて最高じゃないか!」
「あっそういう……」
ひりょの、自分を組み敷いている猫又の顎をめっちゃ指で掻いてゴロゴロ言わせながらの力いっぱいの言葉を受けて、晴明はちょっと引いていた。
その引いた様が猫又にも伝わったか、両手の力が若干緩む。その瞬間、ひりょが思いっきり身を起こして叫んだ。
「そんな存在を利用するなんて大天使許すまじ!」
「にゃっ?」
「ふぁっ」
ころんと転がりながら不思議そうな顔をする猫又、その背中で潰れそうになる晴明。
彼女らの前に立ちながら、ひりょは鞄の中からあるものを取り出した。赤いふわふわした羽が付いた猫じゃらしと、本物の鳥の羽を使った猫じゃらし。
「ふっふっふ、ここに取り出したるはUDCアース産の高級猫じゃらし」
「にゃ!」
二刀流で鋭く振れば、猫又が何匹も反応した。その視線を切らないように、ひりょは素早く、上下左右に猫じゃらしを振っていく。
「ほーら、わしゃわしゃしゃしゃ」
「にゃぁっ!!」
「あっちょっ、あんまり早く動くと私が、わたくしがぁぁぁ」
すぐさまに反応して鋭く動く猫又。左右に視線を振っては手を出して、ぴょんと跳んで着地しては後方に退いて。それを猫又がとっかえひっかえ、入れ替わり立ち替わりで猫じゃらしで遊ばれている。憑装している晴明には、たまったものではない。
やがて晴明がグロッキーになり、猫又が満足して地面にお腹をつけた頃。ひりょが満足げな顔で額の汗を拭った。
「ふーっ……皆満足に遊べたかな?」
「にゃぁん」
「ぜーはー、な、なんとハードな運動でございますことか……」
猫又が返事を返すのを聞いて、晴明の文句を無視したひりょが獣奏器を取り出した。リラックスできる優しい音楽を演奏すれば、猫又が次々眠りに落ちていく。
「よし、それじゃゆっくりお休み」
「ふにゃ……」
「あっこんなにあっさりと、もし、もしー!?」
晴明が起こそうと声をかけても、猫又が起きる様子はない。これなら安心ではあるが、もう少し念には念を入れて。
結界を維持している陰陽師たちに目配せすれば、術式が組み上げられて猫又を縛った。これで晴明にも、どうすることも出来ないだろう。
「これで身動きも取れなくなったよな。ちょっと可哀想な気もするが、京の都を守る為……ごめんっ」
猫又に謝りながら、ひりょは退魔刀を一息に振り抜いた。横薙ぎに一閃、猫又の邪念と晴明の憑装が断ち切られる。
晴明が断末魔を上げて消滅していくのにいくらか遅れて、猫又たちも満足そうな表情をして世界の外に還っていった。
成功
🔵🔵🔴
ナイ・デス
まだ、ロロサエルはこない、ですか
陰陽師さん達は、結界の維持で精一杯……
本当に?
もしかして、猫又さん達を観察して楽しんでいたり、しません……?
違う?……わかりました
では……陰陽師のユーベルコードは、寿命を削ると、聞いています
少し回復してから、また猫又さん達との追いかけっこ、戻りますね
『時与えの光』で陰陽師さん達に【エネルギー充填】
疲労は激しい、けれど
私は、死なない、ので
大丈夫、です
【念動力】で仮初の肉体を動かして、猫又達のところへ
最初と同じように【生命力吸収】する光を放ちながらの追いかけっこ
遊ぶうちに、私は疲れがとれて
猫又さん達は、疲れて眠るように骸の海へ
セイメイさんは【浄化】の光に苦しみながら
●猫は戯れる
猫又がどんどんと眠りについて動かなくなり、消えていく中。ナイは結界を張る陰陽師の傍に戻って様子を見ていた。
「まだ、ロロサエルはこない、ですか」
まだ大天使が降りてくる様子はない。つまりまだ、猫又に対処しなくてはならないということだ。どちらにせよ、まだ町に猫又はたくさんいる様子。結界を維持する陰陽師たちも負担は大きいようだ。
「陰陽師さん達は、結界の維持で精一杯……本当に、そう、ですか?」
結界を張る陰陽師の一人に、ナイがそう声をかける。この状況を楽しんだり、猫又を見ることに意識を持っていかれていないか、と。果たして、彼らは素早く頭を振る。
「そ、そんな事はありませんとも。猫又の愛らしさに骨抜きになって、観察して和んでいるだなんて、そんなことは」
「……わかりました。少し回復してから、また猫又さん達との追いかけっこ、戻りますね」
そう言うや、ナイがその身体からまばゆい光を放った。聖なる光が当たった陰陽師の、術によって削られた寿命が回復し、その身体に力が満ちていく。
先程より随分楽になった陰陽師は目を見張った。ナイがそれと引き換えに、随分と疲弊していたからだ。
「回復、しましたか?」
「は、はい。しかし貴女様は大丈夫ですか? 疲労の色が濃いように見えますが……」
慌てたように陰陽師がナイに声をかけるが、彼女は気にした様子はない。いつものように表情を変えず、ゆっくりと立ち上がった。
「……私、ですか? 私は、死なない、ので、大丈夫、です」
そうして彼女は再び、念動力で身体を宙に浮かせる。猫又が集まるところに行けば、彼女の姿を見つけた猫又が目を輝かせた。
「にゃぁん!」
「さあ、またおいかけっこ、です、よ」
「むっ、懲りずにまたやってきましたか。二度同じ手を食うわけには」
そうして身体から光を放ち、追いかけっ子を始めるナイ。晴明は二度も同じ手を食うものか、と言うものの、猫又自身はそんなこと気にしない。ナイから逃げるように一目散。
そうして走り回っているうちに、ナイは体力を吸収して回復、引き換えに猫又は疲労して眠り、そのまま骸の海へ。
「ふにゃあ……」
「く、食っている、ですと……!?」
「これで、私の回復も、できました。問題なし、です」
晴明の信じられないと言いたげな声が残る中、ナイは疲れの取れた身体を元いた場所に戻しに行った。
成功
🔵🔵🔴
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風
京の都は(悪霊的な意味で)苦手なんですけどねー。放っても置けませんしー。
結界強化お願いしますかー。
猫ですかー。性質がそうかわらないなら、ねこじゃらしで相手しましてー。
ねずみ型おもちゃも投げましてー。遊びましょうかー。
火は…まあ、内の三人が三重属性(氷雪、炎、重力)結界術で弾いてくれますからねー。
相手が疲れたら【四天境地・風】でさくっと。
え?私は忍びですから、利用できるものは利用しますよ?(真顔)
●猫は狩る
猫又が次々と倒されていく中、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)はゆったりと歩きながら、結界を張る陰陽師の方にチラと視線を向けた。
「京の都は苦手なんですけどねー。放っても置けませんしー。結界強化お願いしますかー」
悪霊でもある彼はこの土地とは随分相性が悪い。しかし身動きを封じられるどころか、少々動きづらい程度に収まっている辺り、猟兵という存在の埒外の力を思い知らされる。
「うーん、多少動きづらい気もしますがー、まあ許容範囲内でしょうー」
そうして彼は駆け出した。その動きの素早さ、身軽さはさすが忍者というところ。屋根の上に飛び乗ると、そこでくつろいでいた二匹の猫又を見つけた。
「猫ですかー。性質がそうかわらないなら、ねこじゃらしで相手しましてー。ねずみ型おもちゃも投げましてー。遊びましょうかー」
「にゃあん!」
「にゃっ」
ネズミの模型を投げたり、猫じゃらしを取り出したりと遊ぶ体勢の義透。猫又の瞳がきらりと輝いた。
そして義透と猫又は屋根の上で遊びだした。転がり落ちないよう体勢を変えながら、猫じゃらしを振ってネズミを掴んでは放って。
「ふふふ、可愛いですねー。ほらほらー」
柔和な笑みを浮かべながら猫又と戯れる義透。と、猫又の一匹がネズミの模型に向かって鬼火を吐き出した。
「にゃん!」
「おっと、駄目ですよー燃やしたりしちゃー」
「にゃあ……?」
その炎を遮るように義透は手を突っ込んで、ネズミの模型を取り上げる。彼の手の周辺に結界が張られ、炎が弾かれていたのを見た猫又が首を傾げた。
そのまま遊んで、猫又は疲れて夢の中。まどろむ猫又を見た義透がゆっくりと立ち上がる。
「ふにゃ……」
「にゃあ……」
「寝ちゃいましたかね―、それじゃ、おやすみなさい」
義透が棒手裏剣「漆黒風」を投じると、それらが解けてオニバスの花びらに変わる。鋭く尖った花びらが猫又の首を掻き切って、眠りのままにその生命を骸の海へ還した。
「え? 私は忍びですから、利用できるものは利用しますよ?」
そう微笑みながら誰に言うでもなく言った義透の手の中で、漆黒風が小さく輝いた。
成功
🔵🔵🔴
アーネスト・シートン
猫さんを倒さないといけないのでは…前語撤回。
なんだ、猫人間モドキじゃないですか。
すいませんね。全体的に見てしまう癖があってね。
火を出すのですか…厄介ですね。
こうなれば、またたびを撒いてしまいましょう。
猫なら、これに引っかかってくれるはずです。
引っかかった場合は様子見てから滅竜銃で息の根を止める。
引っかからなかった場合は、UC使用。貘さん、今回もお願いします。あとで、野菜あげますので。
そして、眠ったら、滅竜銃で息の根を止める。「来世はまっとうな猫になってくださいね」
アドリブ歓迎
●猫は身体をこすりつける
京の町に飛び込んだアーネスト・シートン(動物愛好家・f11928)は最初、どことなく悲しげな表情をしていた。
「猫さんを倒さないといけないのでは……ああいえ、前語撤回」
しかしその表情は猫又を見たら、すぐに吹っ飛んで真顔になる。もっと猫らしい、四足歩行の愛らしい猫又を想像していたのが、目の前にいるのは猫人間。それは真顔にもなろうというもの。
「なんだ、猫人間モドキじゃないですか」
「にゃあ?」
気持ちがっくりした様子のアーネストが、首をかしげる猫又の前で小さく頭を振った。腰のホルスターに収めていたリボルバー型の滅竜銃を取り出す。
「すいませんね。全体的に見てしまう癖があってね……さて」
それを眼前に構えながら、アーネストは猫又を睨みつけた。明確な敵意。猫又がそれに反応して、鬼火をアーネストへとぶつけにかかる。
「にゃぁん!」
「おっと……火を出してくるのですか。厄介ですね」
飛び交うそれを転がって避けながら、アーネストは懐に手を突っ込んだ。そこから取り出した袋を破り、中身を道路にぶちまける。
「ほーら、マタタビですよー」
「ふにゃっ……!」
その袋の中身は、粉末状にしたマタタビだった。
猫にマタタビ。間違いなく喜び、ごろんごろんと転がってしまう組み合わせ。その理由は近年解明され、マタタビに含まれる成分を身体に付け、蚊を寄せ付けないようにするためだと言う。
猫又も猫なれば、その効果は発揮される。すぐに猫又は戦闘そっちのけで、地面にごろんごろんと転がり、身体をこすりつけ始めた。
「引っかかりましたけど……念のため。貘さん、今回もお願いします。あとで、野菜あげますので」
引っかかったことに安堵しつつも、アーネストはユーベルコードを発動させる。召喚された獏が眠りの波動を放つと、猫又はすぐに眠りに落ちた。
「ふにゃあ……」
動きを止め、寝息を立て始める猫又。その頭に、アーネストは銃口を突きつけた。
「来世はまっとうな猫になってくださいね」
引き金が引かれ、乾いた銃声が鳴り響く。頭を撃ち抜かれた猫又は、安らかな寝顔のまま世界から消え去っていった。
成功
🔵🔵🔴
クルル・ハンドゥーレ
わー、お猫さまやー!いっぱいー!
お猫さまはもふり倒し愛でまくるもの、例外はなーい!(手をわきわき)
ん?セイメイ?見えへん見えへん、知らへん子やねえ(真顔)
陰陽師さんたちにはお疲れ様です、こっち引き受けるー、と挨拶しとく
猫好きな人もおるやろし、はよゆっくりできたらええねえ
WIZ
こっちもUC幻月夜行で
お猫さまをそそるようなキラキラしたぎんいろの炎をたっぷり召還
フェイントと見切り駆使して、
その眼前にヒラヒラくるくる、お猫さまの気を最大限に引きまくる!ついでにもふるんも忘れへん
そうしていっぱい遊んでもろて……お眠になったところで、範囲攻撃+マヒ攻撃+暗殺で。
ごめん、今度はほんまにゆっくり遊んでな?
●猫は眠る
猫又の数もあとは数える程度。残り僅かな猫又が結界の傍までやってきたところで、クルル・ハンドゥーレ(逆しまノスタルジア・f04053)は目をキラキラと輝かせた。
「わー、お猫さまやー! いっぱいー! お猫さまはもふり倒し愛でまくるもの、例外はなーい!」
「にゃぁん」
愛らしい、可愛らしい。猫耳人間な猫又も全身モッフモフ獣人な猫又も。等しく猫だ。愛らしいものだ。
そしてその背後からゆらりと立ち上る安倍晴明には目もくれない。全く一瞥もくれてやらない。
「……あの、もし」
「ん? セイメイ? 見えへん見えへん、知らへん子やねえ」
「ええ……」
わかりやすくスルーされてしまい、がくりと肩を落とす晴明だ。猫好きの前には全くの無力である。
ともあれ、猫又に立ち向かうべく彼女らの前に立つクルルである。後方の陰陽師たちに視線を送りつつ手を振った。
「あ、お疲れ様です、こっち引き受けるー」
挨拶をすれば、相手も手を掲げ返してくる。きっとあの人らの中にも猫好きは居るだろう。早く結界維持の仕事を終え、ゆっくりさせてあげなくては。
かくして、戦いの火蓋は業を煮やした晴明によって切られる。
「え、ええい、無視されたままというのは業腹でございます。行きなさい!」
「ふにゃあ!」
「おっ、早速やる気やんな? それならこっちも、いっちょ遊んだろか!」
猫又たちが鬼火を繰り出し、クルル目掛けて投げつけてくる。それをかわしながら、クルルもその両手から炎を生み出した。
それは歪に光り、銀色をして。陽光を受けてきらきらと輝くその炎に、猫又たちは目を奪われていた。
「にゃあ……!」
「ほーら、キレイやろ? キラキラしとるやろ? たくさんあるんやでー」
「ああっ、やはり完全に無視されている……アウトオブ眼中にございますな……!」
炎を一つ一つ操りながら猫又の気を引いていくクルル。当然、晴明には全く言葉も意識もかけてやらない。
かくして、銀色の炎による猫又とクルルの遊びが始まった。踊る炎に手を伸ばし、クルルの膝の上に寝転がりながらちょいちょいと手を出し。クルルはすっかり表情が蕩けている。
「にゃーっ!」
「あはは、ほーれほれ。うーんいいもふもふやなー! 最高ー!」
猫又をしっかりもふることも忘れない。そうして猫又と散々遊んだところで、猫又たちが一様にあくびを零し始めた。
「ふにゃ……」
「あっ、よもや遊び疲れてしまわれたのですか、もし、もしー!?」
「ん、お眠なん? それじゃ……バイバイやね」
晴明の呼びかけに応じることなく、その場に丸くなる猫又たち。それを確認すると、クルルは薙刀を取り出した。それを一閃、刃に麻痺の呪力を乗せてその生命を刈り取る。
「ごめん、今度はほんまにゆっくり遊んでな?」
身体が崩れ、光となって消えていく猫又たちを見送るように、クルルは空を見上げた。その視線の先には、黒い衣をまとった天使の姿。
「あの天使さんやっつけたら、またどっかで遊んだるよ……きっとね」
天使が降りてくる。クルルは改めて、手の中の薙刀を強く握った。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『大天使ロロサエル』
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POW : 月閃乱撃
【日本刀による隙無き連撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 月呪審判
【三日月の如き刃】【朧月の如き羽】【月蝕の如き呪言】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : 月焔邪視
【魔眼や呪言】を向けた対象に、【精神や身体の内側から蝕む焔】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠筧・清史郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●天使は降りる
京の都の只中に、天使が降りてきた。
羽の根元は白く、先端に向かうにつれて墨のように黒く。髪も衣も黒に染まった天使が、その美麗な表情を崩さないまま口を開く。
「ああ、あれ程にいた猫又たちが全滅させられてしまうとは。その強さに結界の術、興味を覚えずには居られない」
嘆くように言いながら、大天使ロロサエルは鞘から日本刀を抜き放った。その白銀の刃が光を反射し、怪しいほどに輝く。
「ならば私の力で、その結界を手ずから破壊して差し上げましょう。術の解析は殺した後からでも出来ますからね」
ロロサエルの握った日本刀の切っ先が、結界を維持する陰陽師へと向けられる。彼らを守るため、ロロサエルを倒すため。次なる戦いがここに幕を開けた。
●特記事項
・大天使ロロサエルは安倍晴明の憑装をしていません。(猟書家としての力に制限がかかるため)
・陰陽師の維持する結界術はロロサエルにも有効です。陰陽師をサポートできれば、戦闘を有利に進められます。
鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
WIZ
あいつが、大天使!
よくも猫又達を戦いに駆り出してくれたな、許さないぞっ
一応相手の攻撃には【呪詛耐性】や【激痛耐性】で対抗してみるつもりだけれど、それだけでは心許ない
陰陽師の方々の結界術が頼みの綱になりそうだ
その分陰陽師の方々は俺が守り抜く!
周囲の無機物を対象に固有結界・黄昏の間を発動
【多重詠唱】にて地・風の2疑似精霊を召喚、視線及び音への対策とする
・地の疑似精霊→陰陽師を囲う岩の壁
・風の疑似精霊→陰陽師の周囲に風の断層
俺は疑似精霊の維持をしつつ光陣の呪札での【乱れ撃ち】
接近戦が可能なら【破魔】を付与した退魔刀で迎撃
自分がわざと姿を晒す事で陰陽師に注意を行かせないようにしよう
馬県・義透
引き続き『疾き者』
殺させてたまるか。
さて、陰陽師たちには、結界強化してもらいつつ。
念のため、こちらからも防御用の結界張っておきますねー。
UC発動、羽狙いの風属性攻撃での援護射撃を。
刃は四天霊障による三重属性(氷雪、炎、重力)オーラ防御で弾きまして。
…悪霊を、どうやって呪うというのです?『私たち』にとって身近なものなのに。
私自身は、漆黒風を近接武器として使いましてー。第六感と戦闘知識、見切り活用の懐潜り込んでの近接攻撃ですねー。
ええ、私の間合いって、遠かったり近かったりしますのでー。
ナイ・デス
ようやく、きましたか
あなたとは……遊びは、なしです
【覚悟、激痛耐性、継戦能力】精神、身体の内側から焔に蝕まれても
私は、死なない。私は、死ねない
私は、『いつか壊れるその日まで』
過去から、今を守ります!
体内から光。蝕む焔のではない、聖者の光を溢れさせて
光の【推力移動ダッシュ】
両手から【生命力吸収】する光の【レーザー射撃】を、剣のように【なぎ払い】
触れたところを、今に生られなく、在れなくしての【切断】にかかります
斬られても再生する、止まらない
けれど、ユーベルコード封じは……受けても死なないけれど、再生が遅くなるから
使われたら【第六感で見切り】避ける
クルル・ハンドゥーレ
アドリブ歓迎
御大出現、言うわけやね
さてさて、猫さま下僕に猫傷付けさせた大罪、償ってもらわんと
UC残照で召還した戦士で陰陽師を護衛・サポート
それでも攻撃当たりそうなら、かばう
Deus ex Machina ――異形の鋼の式神の防御、よう見とき
召還戦士や陰陽師にも協力してもらい、無理のない程度でなるべく敵の気を逸らしてもらう
此方への攻撃は見切りとカウンターではねかえす、毒使いとマヒ攻撃+鎧無視、破魔つきで
当たるゆう確信が油断や
そんな邪な視線いらへん、オマケつきで返品や!
武器受け・迷彩・ジャミングも駆使し攻撃回避
当たっても耐性で踏ん張る
こちらからの攻撃は反撃に使用技能+フェイント織り交ぜ確実に殴る
●天使は笑う
遂に姿を表した大天使ロロサエル。空を舞う翼ではなく、自らの足でこちらに歩いてくる天使を睨みつけながら、ひりょは呪札を手に握った。
「あいつが、大天使! よくも猫又達を戦いに駆り出してくれたな、許さないぞっ」
「御大出現、言うわけやね。さてさて、猫さま下僕に猫傷付けさせた大罪、償ってもらわんと」
クルルも霊符を手に持ちながら、その琥珀色の瞳を見開いて敵を見る。隣でナイもその手を強く握った。あれだけの数の猫又をけしかけ、町に放ち、そうしてやってきたのだ。一片の容赦もしてはやれない。
「ようやく、きましたか。あなたとは……遊びは、なしです」
彼もその思いは同じだった。許さない、殺させるわけにはいかない。
「そうです。殺させてたまるか」
義透も常に浮かべる穏やかな笑みを消していた。口角を下げて陰陽師の前に立ちはだかる彼に、彼の仲間に、ロロサエルは流麗な表情を崩すことなく口を開いた。
「私は、興味を覚えずにはいられません。何故、そこまでして彼らを守ろうと出来るのです? 縁もゆかりもない、愛らしさもない、その陰陽師たちを」
その言葉に、猟兵たちの後方に立つ陰陽師がう、と声を漏らした。言われればその通り、彼らと縁などありはしない。ただこの現場に、ちょうど居合わせただけである。
ただ、そんな質問は愚問に過ぎた。義透が再び口角を持ち上げながら言う。
「理由なんて、あるようでないものなんですよー」
「私は、死なない。私は、死ねない……私は、『いつか壊れるその日まで』過去から、今を守ります!」
ナイもその言葉の後を継いだ。縁があるから守るのではない、彼らが今を生きる人々だから守るのだ。ひりょも力強く宣言する。
「確かに、ここで出会っただけの人たちだ、話もそんなにしていない。けれど、過去に今を生きる人が殺されるなんてこと、あってはならない!」
「そやねぇ。守りたいからってんは、少しちゃう。あんたが敵やから殺す。それだけや」
クルルも同意しながら思いを発した。敵だからこそ殺す。世界の敵、今を生きる人の敵だから。物事はシンプルだ。ロロサエルが嘆くように額を押さえる。
「おお、なんと野蛮な……よろしいでしょう、私もあなた達を敵と定めて殺しましょう」
そう言いながら彼は日本刀を抜き放った。そのまま斬りに来るか、と思ったが違う、その瞳が怪しく輝いている。
「幽世に過ぎ去りし耀きよ!」
魔眼だ。察知したクルルが自身のキャバリアであるDeus ex Machinaを呼び出す。同時に召喚されるのは古の戦士を乗せた幻影の船。それらが陰陽師に向かうロロサエルの視線を切った。
「来たれ、Deus ex Machina――異形の鋼の式神の防御、よう見とき」
「これはこれは、なんとも力のある式であること」
クロムキャバリアに乗り込みながら、船から飛び降りるいにしえの戦士たちに陰陽師を守らせるクルル。その数の多さと、キャバリアの大きさに、ロロサエルは目を細めた。
なるほど、人数が多くなれば視線を一所には定めにくい。呪も与えにくいというものだ。
他方では義透が陰陽師に声をかけながら、棒手裏剣を手に握っている。
「陰陽師の皆さんー、結界の維持と強化に注力してくださいー。守りの結界は私も張っておきますのでー」
「感謝します!」
陰陽師の足元に広がる光。それが結界となって陰陽師を呪いから守っていく。
彼らに守りを施すのは義透だけではない。ひりょも自身の領域を展開して周囲の無機物を疑似精霊へと変えていく。
「場よ変われ! 地の疑似精霊よ、風の疑似精霊よ、陰陽師を守って!」
地の精霊は岩壁を作って陰陽師への視線を遮り、風の精霊は空気の断層を発生させて音を遮断する。陰陽師たちがなにか言ってもこちらには届かなくなるが、安全が優先だ。
その手厚い、手厚すぎるとも言える守りに、ロロサエルの表情が歪む。
「おのれ……私を殺そうとしながらも、ここまで手を尽くしてくるとは」
「言いました、過去から今を、守ると」
彼の言葉に反しながら、ナイは地を蹴った。全身から癒やしの光を放ち、ロロサエルの視線によって全身が呪いの炎に包まれながらもすぐに癒やし、両手から放たれる生命力吸収の光をブレード状に発しながら肉薄した。
ロロサエルが日本刀をかざしながら彼を迎え撃つ。
「おお、眩しい眩しい。眩しすぎて儚く見えてしまいます」
「私は、死なない。私は、死ねない」
日本刀が振るわれると同時に降り注ぐ漆黒の羽。羽が触れても、呪言を聞いても。日本刀の刃だけはナイは全力で回避した。いくらか攻撃力は下げられてしまったが、ユーベルコードが封じられるよりはいい。
「くっ、全ては当てられませんでしたか。残念無念」
「当たるゆう確信が油断や。そんな邪な視線いらへん、オマケつきで返品や!」
そしてロロサエルの視線が側方に向いた時、そこにはクルルのキャバリアがいた。向けられた魔眼の呪を、術式を編んで跳ね返す。そこに毒やら麻痺やら破魔やらを上乗せしたカウンターだ。ロロサエルが返される呪の強さに目を見開く。
「なんと……!」
「生憎私も陰陽師や、呪い破りに呪い返しはお手のもんや!」
この呪い返しにより、ロロサエルの動きが一気に鈍った。陰陽師が結界維持に注力できるようになったことも大きいだろう。みるみる足取りが鈍り、視線や言葉にこもる呪も弱まってきた。
「くっ、なんと与しにくい……呪いに対して抵抗のある者がここまで多いとは!?」
「……悪霊を、どうやって呪うというのです? 『私たち』にとって身近なものなのに」
歯噛みするロロサエルに、義透が肉薄する。棒手裏剣を小刀のように握りながら振るえば、その切っ先が彼の身体に傷をつけた。
切られたロロサエルの身体が傾ぐ。しかし踏みとどまった彼が、まだ負けられぬと目を向ける先はひりょだ。
「音を遮断しようとも、視線を遮ろうとも、やりようはいくらでもあるのですよ!」
術が邪魔なら、術者を攻撃する。鉄則だ。呪いを受けて身を焼かれるひりょだが、なんとかこらえて呪札を放った。
「くっ……皆の笑顔を守りたい。だから俺は戦うんだ!」
「むっ……!」
嵐のように放たれる光の刃。その刃を追いかけるようにしてひりょが退魔刀を抜き放つ。大地を蹴って切り結べば、ロロサエルも日本刀を振るって応戦した。
「どうしたのです、苦しそうではありませんか? 楽になりたいのでしたらしてさしあげますよ」
「誰が!」
苦しい表情を浮かべるひりょにロロサエルが笑みを浮かべながら言えば、力強く言い返したひりょが刀を上にかち上げた。ロロサエルの日本刀が跳ね上げられ、明確な隙が生まれる。
そこに飛び込んでくるのは、義透とクルルの二人だ。
「よう止めた。そこや!」
「隙ありですねー」
クルルがDeus ex Machinaで一撃を加え、義透が棒手裏剣を何本もその身体に突き立てる。ロロサエルが口から血を吐き出した。
「ぐはっ……!」
「これで、終わりです……今に生られなく、在れなくしてあげます」
そしてナイが、トドメとばかりに生命力吸収の光を放つ掌底をロロサエルの胸に押し当てた。彼の光がロロサエルの命を、最後の一滴まで吸い尽くす。
「くそ……こんなところで……クルセイダー……」
力を失って崩れ落ちたロロサエルは、クルセイダーの名を呼びながら消えていく。道の向こうで猫又が一匹、京の町の外に向かって駆け出していくのが見えた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵