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荒らしの中で輝いて

#クロムキャバリア

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#クロムキャバリア


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 ここはクロムキャバリアの小国【コークサン】。
 少ないリソースながらも質の良いキャバリアを輩出して名を売り出し始めている国である。
 国内にはこじんまりとした町工場のような棟が立ち並び、一つの技術を磨く職人達の手によって精工な部品と丁寧なラインチェックの通って信念の込めらた機体を造っていた。

 それに目を付けた隣国【ソセランゾ】。
 戦争は数だとばかりキャバリアを量産し、最近急速に国力を増してきている野心溢れる国であった。
 国のブレインに【パク・リー博士】が入ったからはさらに攻勢な姿勢を見せ、コークサンとも交流があった小国を無条件降伏させたのだという。
 その事実が飛び込んで来たことでコークサン国内にはピリピリと剣幕な雰囲気が伝播していた。

「敵は必ずこのコークサンにも攻めてきます! どうするおつもりですか!?」
 早く対策を講じねばと迫るポニーテールの女軍人が、無精ヒゲをまばらに生やしダル気な初老の男性軍人へ怒鳴る。
「落ち着けって……そうなるという情報はまだ掴めていない、無闇に上を説得できるわけないだろう」
 コメカミの辺りをぽりぽりと掻き、事なかれ主義が板についた男性はポニーテールの彼女を諭す。
 長年の平和な時代のせいで日和見精神が染み付いたのだろう。
 納得のいかない顔を隠そうともせずにポニーテールの女性軍人がしぶしぶ座ろうとしたその時、突然部屋が赤く灯りけたたましく警報が鳴り響く。
「ほらぁ! やっぱり来ちゃったじゃないですか!!」
「う、嘘……だろ」
 国境侵害を知らせる敵襲の報に、口に咥えた煙草をポトリと落とした男性は唖然として固まってしまった。
「んもーだから先に手を打つべきだってあれほど! こっちはまだ何も準備できてないのに!! 」
「だ……だ……誰か、助けてくれぇぇ!!!!」

 ポニーテールの彼女に襟首を掴まれ、ぶんぶん振り回される男性の声が画面の中から響き渡る。
「ってことになってるんだって!」
 そういうと、グリモア猟兵の明石・真多子(軟体魔忍マダコ)が動画の停止ボタンを押す。百聞は一見に如かず、拙い説明より動画を見せたほうが楽な現代っ子だ。
「最近色んな国を荒らし回ってる悪い国【ソセランゾ】が【コークサン】に攻めて来たみたい! なんでも、ソセランゾは物凄い数のキャバリアを従えてるみたいで、勝ち目がないと諦めちゃう国もあるほどだとか!」
 真多子が画面を切り替えて、コークサンの国境の映像を出す。
「これが敵の主力キャバリアの【機動闘士】だって。 あの大きさのウェイトではありえないほど素早く動くみたいで、何故かガタガタと風に揺れるような上半身の動きがそれに関係あるのかな? 既存の技術じゃ、大胆な肉抜きでもしてないとあんなに機動力が出せるわけないって驚かれたみたいだよ」
 そんな玩具の車じゃないんだからと真多子が笑い飛ばし、次のデータを表示する。
「そしてこっちの青いのが【パク・リー博士】の息のかかったオブリビオンの乗る指揮官機【運命蒼機】だね。 一番後ろにいるからすぐには手を出せないけど、これを倒せればひとまずは安心できるよ! そういえばこっちはガタガタしてないんだね、なんでだろう?」
 うーんと考え込む真多子だが、細かいことは気にしないとばかりに話を断ち切ると猟兵達に視線を戻す。
「ともかく全部やっつけちゃえば解決なんだし、みんな頑張ってね! 転送後は国境手前の開けた場所に出るから、キャバリアでも生身でも自由に準備して大丈夫だよー!」
 そういうと、真多子はすぐさまキミ達をグリモアで転送し始めた。


ペプシ派
 クロムキャバリアのお話です。
 パク・リー博士による量産部隊が攻めて来たようです。
 小国コークサンを守るためにも一騎当千の活躍をみせてあげましょう!

 【一章】集団戦。
 ソセランゾが誇る主力機による、文字通り数に物を言わせた物量作戦で攻めてきます。
 一応キャバリアですがどうにも軽い音がして怪しいですね……?
 一騎当千の活躍ができればコークサンの被害を抑えられるでしょう。

 【二章】集団戦。
 今の所は白い機体しか見当たりませんね。
 はたしてどこにいるのでしょう……?

 【三章】ボス戦。
 パク・リー博士がちゃんとお金を掛けて(当社比)造ったキャバリアです。
 しっかりと重い音がするので強力ですし、オブリビオンが乗っているので油断なりません。
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第1章 集団戦 『機動闘士『大熊猫壱号』』

POW   :    Vの字斬り
【フォースセイバー】が命中した対象を切断する。
SPD   :    アシッド・ハリケーン
【頭部排気口より強い酸性の嵐】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    (例のBGMに似たような曲)
【勝手に流れ出す何処かで聞いた曲に似た曲】を披露した指定の全対象に【色んな意味でデンジャラスな】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

黒影・兵庫
せんせー!あのロボ見たことあります!ほら!UDCアースの日本の超有名なロボットアニメの
(「ストーップ!見た感じ敵の量産型キャバリアは脆そうね!」と頭の中の教導虫が話しかける)
わ、わかりました!
{要塞蠍}に搭乗後、研磨兵さんに要塞蠍の摩擦抵抗を減らしてもらい
『オーラ防御』でバリアを展開したまま『衝撃波』を使った『ダッシュ』で
敵のガン(「量産型キャバリア」)は、はい!
敵の量産型キャバリアに体当たりによる『重量攻撃』を仕掛けます!
ついでに{錨虫}を『念動力』で操作して敵にぶつけて攻撃します!
(「いいんじゃない?さっさと始めましょ!」)
おー!


塩崎・曲人
アレが敵のキャバリアかぁ……
いや、なんかショボくね?
オレのこの――コークサンの製造工場から無断借よ、もとい緊急事態につき徴発してきたキャバリアより明らかに見劣りするんだが
(【切り込み隊長】)

まぁ良いぜ、自分の目で見て、なんとなく奴らの速さの秘密もわかったし
とっとと蹴散らしてやらァ!
「ヒャッハー!」
……キャバリア操縦は初めてだが、まぁなんとかなんだろ

相手の機体の秘密、文字通りオーバーフレーム部分がハリボテなんだろ?
だからアンダーフレーム部分をシバけば効率的に潰せるって寸法だな
「ついでに半分ハリボテだから安く早く数を揃えられる、と。ハッタリでビビる相手なら有効だったかもなぁ!」



 戦火を目前にした小国コークサン、その国境手前に二つの光が灯る。
 中から現れたのは活発そうな短髪黒髪の青年と、ド派手なトゲトゲオレンジ頭のヤンキーだ。
「あっ! 見てください『せんせー』!! あの遠くに見えるロボット見たことありますよね! ほら、UDCアースのテレビで見たアレですよたぶん!」
『ストーップ! 駄目よ黒影! そういうメタな話はデリケートな話題なの、あまり外でするものじゃないわ!』
 黒髪の青年、黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)は頭の中に入る『せんせー』に向けて子供のようにはしゃいで声を上げる。
 しかし、彼の頭の中にいる『せんせー』を知らないもう一人の猟兵、塩崎・曲人(正義の在り処・f00257)はギョッと一瞬たじろぎながらも、猟兵稼業で慣れているのか察して声を掛けた。
「(多重人格か何かか……?)あー、あのキャバリアって有名なのか? しっかしアレが今回の敵ねぇ……」
 ツンツン頭のヤンキー、曲人はただでさえ目付きの悪い眼を更に細めて訝しむように敵の白いキャバリアを睨みつける。
「えーと、確か有名なはずですけど……何か知ってるんですか?」
 含みのある声でトーンを落とした曲人の言葉に、黒影が首を傾げて答えを待つ。
「いや、オレもそういうのは詳しくねぇんだ。 ただなんか……その割にはショボくね?」
 具体的な理由もなく、ふわふわとした曲人の意見だったが言い得て妙で、あの白いキャバリアを見ていると既視感はあるがどこかズレているような違和感を抱くのだ。
「た、確かに……」『言われてみれば脆そうだし雑なデザインな気がして来たわ』
 当時観た映像ではもっとシャープな輪郭だったと記憶が甦り始め、黒影は激しく同意の意を示して首を振る。
「だろ? 思い入れがあるかもしれねぇけどアレはパチモンだ。 気にせずスカッとぶっ飛ばそうぜ」
「わ、わかりました!」

「よぉし! そうと決まれば、あんな奴ら俺の『要塞蠍』で蹴散らしてやりますよ!

 曲人の言葉で迷いを断ち切った黒影が自身のキャバリアを呼び出し、駆け上って搭乗する。
 射撃兵装の見当たらない蠍のようなそれは、厚い装甲と近接戦だけで突破すると割り切っており、特攻魂を感じる潔さがある。
「ヒュゥ~♪ いいモン乗ってるじゃねぇか。 ま、オレのこの――コークサンかの製造工場から無断拝sy(ン゛ン゛)、もとい緊急事態につき徴発してきたキャバリアも負けちゃいないんだが」
 黒影のキャバリア『要塞蠍』に並び立つ、曲人の一風変わったキャバリア。
 彼が拝借してきたのは下半身がヴィークルアンダーと呼ばれる、バイク形態に変形できるユニットを取り付けた物好きくらいしか乗らない特殊機種。
「(……キャバリア操縦は初めてで、これしか動かせなかったんだがな。 まぁなんとかなんだろ)」
 黒影には自信満々に見せびらかしていたが、真相は彼の胸の内である。

「へへ、そちらも格好良いですね! それじゃお先に失礼しますよ!」
「おっと待ちな、オレから一つアドバイスだ。 さっきオレの眼でざっと見た感じだが、なんとなく奴らの速さの秘密がわかったんだがよ……ズバリ、アイツらのオーバーフレーム部分はハリボテだぜ」
 アンタらの分厚いのと違ってな、と曲人が黒影の要塞蠍をコツコツ叩いて知らせる。
「見かけ倒しのハッタリってことですか!?」
「そういうこった。 だからアンダーフレーム部分をシバけば効率的に潰せるって寸法だな」
「なるほどぉ!」『見た目の違和感の正体はそれね! 道理で不自然にガタガタしてるわけよ』
 見た目のわりに意外と面倒見の良い曲人に対し、黒影が誠意を込めてお礼を言おうとした。
 だがそれを遮るように曲人が言葉を挟む。
「おし、アドバイス料だ。 一番槍はオレが貰うぜ!」
 パチリとウィンクしてハッチを閉めると、ヴィークルアンダー状態のキャバリアをかっ飛ばして白い巨人の群れに紛れ込んでいく。
「あぁ~しまった! せんせー、俺達も負けてられませんよ!」
『作戦はどうするの黒影。 無闇に飛び込むのは駄目よ』
「任せてください! アドバイスを活かして足元を重点に狙います!」
『いいんじゃない? さっさと始めましょ!』
「おー!」

「ヒャッハー! 切り込み隊長MAGATO様参上ォ!!」
 曲人の駆る機体は二足直立状態であるキャバリアが腰を落とすような姿勢で下半身をヴィークル化させている。
 そのため、上半身の腕の高さが丁度良い塩梅に敵機の腰辺りに該当した。
 そのため前後退はバイク同様の操作感で動かし、上半身はデタラメに動かそうとも意外となんとかなっていた。
「オラァ! どけどけどけぇ!」
 案山子のように腕をピンと張り、ダブルラリアットで駆け抜けるだけでバタバタと将棋倒しのように吹き飛んでいく【機動闘士】達。
 プラモデルのようにストンと倒れた拍子に上半身がパックリと外れると、中にはいくつかの機材が張り付いているだけの空洞であった。
「ハッハァ! やっぱりな、スカスカの着ぐるみじゃねぇか! ついでに半分ハリボテだから安く早く数を揃えられる、と」
 敵の中心に飛び込み周囲から怪しい煙を巻かれてしまうが、キャバリアの肩腕を軸にドリフト回転で竜巻を起こして掻き消していく。
「なんだこんなもんかよ、だったらいくら寄せ集めたところで怖かねぇぜ! ハッタリでビビる相手になら有効だったかもしれねぇけどなぁ!」
 勢い付いた曲人はもう止まらない。
 完全に優劣が格付けされた今、量産パチモノ軍団はたじろぎ距離を取る。
 だがそれ以上の速さで切り込んでいく曲人のキャバリア特攻により、クモの子を散らす間もなく倒れ伏せていくのであった。

「俺達も行きますよせんせー、要塞蠍! それでは研磨兵さん! 手筈通りツルツルにしちゃってください!」
 キャバリアの小ハッチからズラズラと今日のビックリドッキリムシが降りて来ると、要塞蠍の多脚に集まっていく。
 小さな彼らが蠍のような脚を磨いていくと、ニスでも出せないような光沢が輝き、きらりんと効果音が鳴り響いた。
 準備が整うと、要塞蠍が足を広げてアメンボのように平たく姿勢を下げる。
「摩擦ゼロヨシ、ダウンフォース確保完了、バリア展開、発進ッッ!!」
 トンッと軽い衝撃波が後方へ広がると、まるで水面を滑るかのように要塞蠍がスイーっと地面を泳いでいく。
 脚の先のそれぞれから衝撃波を放てるようで、不規則そうな挙動からは信じられないほど器用に、そして縦横無尽に戦場を駆けていた。
 そして敵に目掛けてその重厚な装甲とバリアを重ねた体当たりで、敵機のみぞおちを粉砕していく。
『まるでホーミングする巨大ボーリングね。 追いかけられる方には同情しちゃうわ』
 白いピンに見立てたパチモン軍団はカコーンと小気味良い音を鳴らして吹き飛び、腰の結合部が壊れて上半身が外れていく。
「楽しいですねせんせー! 俺のスコアって今いくつくらいになるんでしょう?」
『あら、ごめんなさい数えてなかったわ。 それじゃ今からまた数えてみましょ』
「よーし! そういうとことで、お前ら覚悟しろー!」
 圧倒的すぎる力量差により、遊び感覚でぶちのめされていく【機動闘士】達。
 敵前逃亡を試みようにも黒い悪魔からは逃げられないのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
(機神に乗って飛来)おいなんだこれ…色々な意味でヤバすぎるんじゃないですかこれ!?

「あははー♪面白い子達だねー♪」(雄鶏の立体映像が現れ

お前同様トンチキにもほどがあるわっ!(メルクリウスことメルシーについては七転十五起MSのリプレイ参照(主にジャパニア以降!

【情報収集・視力】
観察して陣形と何より機体自体どうなってるのか解析

【念動力・属性攻撃】
UC発動
状態異常強化
全属性を強化して且念動力でバリア強度も補強
ヴァルギリオスはこうやって使ってましたか
敵陣に突撃して中心でバリアを広げて凍結や燃やす

ってBGMが凄く危ない気がするんですがっ!

【切断・二回攻撃】
突撃して手足は斬って無力化

不殺徹底


テラ・ウィンディア
神機に乗って飛来

なんだか楽しい機体だな
おれUDCアースでこんなキャバリアが活躍してるアニメ見た気がするぞ
(能天気なお子様
【属性攻撃】
炎属性を機体全身と武器に付与
【戦闘知識】
敵の陣形と構造を把握
きちんと助けないといけないしな

【見切り・第六感・残像・空中戦・盾受け】
飛び回りながら敵の斬撃や酸性の嵐を避けるぞ

後は敵が密集しているところに飛び込んで
【二回攻撃・串刺し】
剣による斬撃で切り裂いて更に槍で串刺し
【レーザー射撃・遊撃】
ガンドライドで迎撃

【重量攻撃・砲撃】
ブラックホールキャノンを展開
今回は拡散式でいくぞー!

という訳でグラビティブラスト放射

一気に殲滅するぞ
基本不殺徹底
乗ってるのは一般の人だろうしな



 既に戦いの幕が切って落とされていた。
 舞台となる小国コークサンは、しかし小国といえども数人でカバーしきれるほど狭くはない。
 抑え切れなくなった前線から抜け出す白い敵機がそぞろに走り出して、コークサンの領地を踏み荒らそうというその時であった。
 突如として国境の上空に二つの大きな光が開き、眩き溢れる粒子と共に巨影が飛び出したのだ。

 現れたる二筋の銀星。
 奇しくも同じ神機の名を冠する神々しい二柱が、太陽を背に後光を纏う。
 その存在感に【機動闘士】達も思わず見上げて足を止めた。

「わずかに遅かった、戦いはもう始まってたんですね! って、おいなんだこれ……色々な意味でヤバすぎるんじゃないですかこれ!?」
 モニターに映る眼下の映像。
 そこには、どこでとは言わないがとても既視感の覚える白いキャバリアの姿。
 界導神機『メルクリウス』を駆るカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は冷や汗を流し困惑する。
 敵機に恐怖したのではない、貧民街出身の彼は所謂『偽物・紛い物』の類への嗅覚が敏感であり、それを察したのだ。
『あははー♪ 面白い子達だねー♪ これってアレでしょ、ガn(ザザザ)』
「こらメルシー! それ以上は言うんじゃない!」
 そんなカジムを茶化すように、彼の肩の辺りに雄鶏のホログラムが現れ口を挟む。
 しかし、その内容が色々な方面に対して非常に危うい発言であると察知したカシムがブンブンと手でホログラムを掻き乱して事なきを得た。

「おっ! そっちもあのキャバリア知ってるのか! なんだか楽しい機体だよなー!」
 もう一機の神機、三界神機『ヘカテイア』を駆るテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)が彼らの通信を聞いていたのか元気な声で会話に混ざり始める。
 苦労人体質なカシムとは対照的に、元気で活発、そして戦地でも笑い飛ばせる余裕があるほど胆力のある娘であることは感じられた。
「実はおれ、UDCアースでこんなキャバリアが活躍してるアニメ見た気がするぞ! 確か題名はガンd……」
「わーわーわー!! ストップ! この話題ストーップ!!」
 天丼なやり取りでテラの言葉をすんでのところでカシムが遮る。
『きゃー♪ カシムったら真面目ぶっちゃってー♪』
「そうだそうだー! 固いこと言いっこなしだぞ」
「ぼ、僕が固いんじゃない! お前らの危機管理能力がトンチキ過ぎるんだわっ!」
 メルシーとテラに振り回され、彼の冷や汗はさらに増すのであった。

「ごほん、それよりも先ずは目の前の敵です! キャバリアの構造次第で無力化の方法も変わって来ますからちゃんと確認しないと!」
「ははは! っと、そうだったな。 今は敵とはいえ、パイロットはきちんと助けないといけないしな」
 カシムが場を引き締め直すと、カラカラと笑っていたテラの眼も鋭く変わった。
 争いを憎んで人を憎まず。
 二人の意見は一致し、この戦争の火種である白い敵機を観察する。
 するとメルクリウスの操縦席の画面に雄鶏が映し出され、それと同時にヘカテイアにも画面が共有される。
『カシム、カシム、すごいこと分かっちゃった♪ あのキャバリア見掛け倒しのハリボテだよー♪』
 画面内では簡易スキャンデータのモデルが回転し、内部構造を透過する。
 そこにはスッカスカのオーバーフレームであることの証明が明かされていた。
「でかしたメルシー! なるほど……腰部分に気を付けて、上半身を吹っ飛ばせば簡単に無力化出来そうですね」

「へ~ハリボテか……あっおれ良いこと思いついたぞ!」
 共有された映像から、テラがにししと悪戯な笑みを浮かべてヘカテイアに槍を抜かせる。
 紅蓮の刀身から火が上がると、それは持ち主の身体までもを侵食して飲み込んでいった。
 それは世が世なら、天に浮かぶ太陽と呼ばれたであろう姿と成る。
「ハリボテっていうなら燃やして正体を見せてもらおう!」
 燃え盛る隕石のようにヘカテイアが急降下していくと、白い敵機の群れの中心へと臆することなく突っ込んでいくのであった。

『あ~カシム先越されちゃったね~♪』
「向こうもやりますね! なら僕はあのヴァルギリオスの力を見せてあげましょう! 頼んだよメルシー!」
 彼の言葉に応えるように雄鶏のホログラムが一時姿を隠すと、メルクリウスの周囲に高エネルギーを収束させたバリア球が広がっていく。
 バチバチと激しく爆ぜ続けるその光球は、触れるものすべてを拒絶せんとばかりに明滅し、中にいるメルクリウスの影を不気味に恐ろしく浮かべていた。
 そして灼熱の火球を追うように彼らも敵の中へ飛び込んでいく。

 ほぼ同時に火柱と雷柱が国境に並び立つ。
 二つの神機の着地の衝撃で、ウェイトの軽い機動闘士はまるで竦み上がるかのようにトンと浮かび上がった。
「そらそら! そんな剣じゃおれの炎は掻き消せないぞ!」
「たしかヴァルギリオスはこうやって使ってましたか……」
 飛んで火にいる夏の虫とばかりに、わざわざ敵に囲まれる位置へ出現した二神へ機動闘士達が斬りかかる。
 だがヘカテイアの星刃剣は相手の剣ごとバターのように焼き斬り、返す刀で上半身を一文字に真っ二つ。
 続けて回転するように槍を振ることで、周囲の敵を一掃していく。
 さらにメルクリウスのバリアへ斬りかかった機動闘士達は、その刀身がバリアへ触れた瞬間、たちまち自身の身体ごと凍り付かせて戦闘不能に追い込んでいた。

 確かに強く、敵う者などいない二機の活躍だが、それでも絶え間なく溢れ出て来る量産機を抑え込むには今一歩及ばない。
『カシム~全然減らないよ~』
「確かに埒が明かない……人命優先だとスピードがセーブされてしまいますから……」
 不殺を貫く以上、どうしても全力を出し過ぎるわけにはいかない。
 じりじりと戦線が押し込まれていくのも時間の問題だろう。
「ならおれに任せな! ブラックホールキャノンで一掃する! そっちは敵を一カ所に誘い込んでくれ!」
「…………!! よし、固さには自信がある、僕達のことは気にせず思いっきりやってくれ!」
 即席のコンビネーションを一瞬で理解し合うと、メルクリウスがバリアを展開しながら大きく旋回し始める。
 バリアに触れれば機能停止することは嫌という程目にしている機動闘士達は、逃げるように円の中心へ集まっていた。
 メルクリウスが派手に目を惹く間にヘカテイアの準備が完了する。
「ブラックホールキャノンを展開、今回は拡散式でいくぞー! グラビティブラスト放射ァ!!」
 砲身を上に向けて連続で放つと、空中に黒い渦がいくつも現れ時空が歪む。
 ビリビリと空気が揺れて強烈な引力がいくつも並ぶ渦へと向かうと、機動闘士の上半身がバリバリ外れて吸い込まれていった。
 下半身に兵装を持たないため、これで一気に敵戦力を潰すことに成功したのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

緋薙・冬香
何か呼ばれた気がするわ
何に呼ばれたかはわからないんだけれども
こう音楽的な何かかしらね?
ま、来たからにはお仕事しましょ

んー、アレって本当にキャバリアなのかしらね?
装備が機動って感じじゃないんだけども
というか白いのは量産しちゃダメでは?

まあ、いいか
とりあえず全部倒した後に考えるわ

【血統覚醒】で戦闘能力強化
ラヴィーネを構えて待機
射程に入ったら【美女の重火器】で仕掛けるわ!
「鉄の雪で全て押し流してあげる!!」
キャバリア級なら狙いには困らないし
接近する前にニードル弾で撃ち抜く

とにかく近寄らせない
必殺技でも射程が届かなければ使えないでしょう?
「私の弾幕、抜けられると思わないことね!」

※アドリブ連携OK


鳳凰院・ひりょ
あれがソセランゾの主力量産機か…
…なんであんなに機動性が高いんだ、ハンパない…(冷や汗

疑問が残る所だが、その辺りは戦ってみればわかる事もあるんだろうな
よし、ここは俺も入手したばかりのキャバリア『ルクス・テネブラエ』で出撃だ
頼むよ光の疑似精霊、闇の疑似精霊、力を貸してくれ!

相手が機動性勝負で来るならこっちも受けて立つ!
一陣の風、疾風怒濤を発動
空中でテネブラエソードの衝撃波を【乱れ撃ち】でガンガン倒してやる!
相手の嵐はUC発動による最高速度で【見切り】回避
どうしてもダメージを喰らいそうなら【オーラ防御】でダメージ軽減狙う

まだ俺にはキャバリアでの攻撃の手数が少ない
だがコークサンを絶対守り切るんだ!


鍋島・小百合子
SPD重視
他の猟兵との連携可

数に任せて国盗りとは質に自信をもたぬ事の裏返しであるのかえ?

「実に目がちかちかする色合いじゃ…おかげで狙いやすいがの」
UC「群制御動陣」発動
94名の女鉄砲兵を召喚し戦闘知識活用にて指揮
敵軍の視認を悟られぬよう戦場の遮蔽物に隠れさせ伏兵として配置
わらわで敵軍の攪乱を目的として切り込み、この身の軽さを武器として伏兵の配置場所へ誘導(なぎ払い、範囲攻撃、鎧砕き、乱れ撃ち併用)
敵からの攻撃には見切り回避を優先
充分に敵を引き付ければ予め配置していた伏兵による奇襲を展開
鉄砲による一斉射撃で敵軍の攻撃能力を奪えるよう手足を集中的に蜂の巣にす(集団戦術、部位破壊、鎧無視攻撃併用)



 猟兵達の活躍により、敵の勢いを完全に削いだエリアは増えて来た。
 だがしかし、それを見越していたのか敵国ソセランゾは更なる増員により他のエリアからの侵入を試み出していた。
 まるで使い捨ての消耗品であるかのように戦線へ投入されていく機動闘士達。
 そこに戦いの美学も何もありはせず、ただ数による単調で無情だが確実な戦法があった。

 地平線を覆い尽くし、圧倒する白い巨壁。
 それを睨み返す、たった三人の猟兵が新たに立ち上がる。
「すごい、あれがソセランゾの主力量産機か………最近俺もキャバリアを知ったけど、どうしたらあんなに機動性が高くなるんだ? ハンパない……!!」
 やや覇気に欠ける優男風の青年、鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)が敵機の動きにたじろぐ。
「ふむ、貴殿の見解ではそう捉えるのかの。 いやしかし数に任せて国盗りとは、質に自信をもたぬ事の裏返しでないのかえ?」
 隣の少々弱気な発言が気に入らないのか、キッと眉間を寄せて女性が反論する。
 高貴な黒髪を流しながらも、男勝りに腕を組んで仁王立ちする鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)だ。
「え、と……確かにそうとも言えますね」
 戦場のせいか声が張っている鍋島の問に、たははと誤魔化すようにひりょがはにかむ。
 すると、さらに反対側からも凛とした綺麗な声が割り込んで来た。
「んー……そもそもアレって本当にキャバリアなのかしらね? 上半身、オーバーフレームって言うんだったかしら、それが不自然にガタガタいっているし。 それにどう見ても装備が機動って感じじゃないんだけども」
 モデルだけあり、アレと指差す仕草がやたら様になっている緋薙・冬香(針入り水晶・f05538)
 白い指先を追っていけば、確かにキャバリアとしてはどうにも違和感のある軽量感のある揺れが目立つ。
「ご、ごもっともです」

 美しい女性二人に挟まれ両手に花な状態のひりょは、二人から色々と意見を投げられたことで段々と不安になり、自身のキャバリアを呼び出し直接比較してみることにした。
 『ルクス・テネブラエ』――純白と漆黒の翼を左右非対称に背負い、天から舞い降りるかのように顕現したひりょのキャバリアだ。
「うーん、確かに俺のと比べると向こうの機体は少し簡素な作りのような……」
 天性の天然な性格ゆえか、ツッコミ待ちかよと思わせる彼の鈍さが場を和ませる。
「あら、思ってたより面白いお兄さんね。 それにお兄さんのキャバリアも。 光と闇が内包してるみたい」
「これが貴殿の……ただの優男ではなさそうだの」
 神々しくも荒々しい、表裏を併せ持つ不思議な魅力を放つ機体に乗りこむひりょへ、女性陣達も彼への初見の印象を塗り替えた。

「二人共、疑問は残るところだけどその辺は直接戦って確かめていこう! ひとまずキャバリアがあるのは俺だけだから、先行して敵の眼を惹くよ! けど俺だけじゃ手数が足りないから後方支援を頼みたいんだ」
 ルクス・テネブラエの両翼が淡く煌めき始めると、重厚なその機体の脚が地を離れ、僅かに浮かび出す。
「ほう、自ら先陣を名乗り出るとは見直したのぅ。 じゃが一人で行かせるわけにはいかないがの。 わらわも共に参ろうかえ」
 最初は怪訝な表情であった鍋島が、今は背を任せるに足りると満足気に微笑みルクス・テネブラエの肩に飛び乗った。
 武者鎧に身を包んでいながらも舞うようにトントンとキャバリアを駆けのぼる彼女の所作に、コックピット内のひりょも思わず目を奪われる。
「そうね、細かい事はとりあえず全部倒した後に考えるわ。 それじゃ私は後方支援の方を受け持とうかしら。 厚い弾幕を作って敵を一機も近寄らせないつもりよ」
 この子でね、と冬香が取り出したのは、小ぶりながらも女性が持つには凶悪過ぎる見た目の武器。
 メタリックシルバーが陽光を反射し、幾つも顔を見せるニードルガンの鋭い矢先、いったい何人の吸血鬼を一度に殺せるのだろうと畏怖させるニードルガトリングガンであった。
「無理させると放熱がネックだけど、とても良い子よ」
「それならば、わらわの砲術に長けた戦女達を置いていこうかの。 わらわが離れる分、貴殿に指揮を任せるのじゃ」
 キャバリアをの肩に乗る鍋島がサッと手を挙げ合図すると、どこに控えていたのかぞろぞろと規則正しく人が集まる。
 その頭数、総勢94の大所帯であり、様々な砲種と弾薬が備えられていた。
「ふふっいいじゃない、これなら良い仕事が出来そうね」
「お、おぉ……(綺麗な薔薇には棘があるってやつかな、頼もしい女性陣だ)」
 流石のひりょもこれには苦笑い。
 しかしこれで戦力は十二分にある。
 手数の問題は心配無さそうだ。
 心強い味方と共に、ルクス・テネブラエは敵陣へと飛び立った。

「相手が機動性勝負で来るならこっちも受けて立つ! それに引き付け役を買って出たからには派手に動き続けないとな!」
 ハヤブサのように空中から急下降すると、眼にもとまらぬ速さでまずは一機を仕留める。
 その着地の衝撃を活かし、鍋島はひりょ機から跳び出し他の機動闘士の背に移る。
「背は預けたからのぅ! 此方はわらわに任せるのじゃ!」
 薙刀を手に、荒波のように揺れる機動闘士の上半身を上手く乗りこなしては、頭の方へ回り遠心力を込めてキャバリアのメインカメラを叩き割っていく。
 視界を失っては自慢の機動力もカカシ同然の棒立ちとなり、後続を邪魔する置物と化していった。
「まったく、実に目がちかちかする色合いじゃ……おかげで狙いやすいがの、それっ!」
 当然すぐに鍋島も狙われ始めるが、源義経の八艘飛びよろしく揺れる機動闘士のへりを蹴っては乗り移り、あれよあれよと視界を奪う。
 少数精鋭での敵陣の攪乱、身軽さを活かした戦術が、敵の単純な物量作戦を遥かに上回り突き刺さっていた。
 そして彼女の狙いはさらに別の所にもあった……

「こっちも負けていられないぞ、頼むよ光の疑似精霊、闇の疑似精霊、力を貸してくれ!」
 鍋島の裏でひりょの駆るルクス・テネブラエも大暴れであった。
 刃渡り3mを超えるキャバリア用の巨大な日本刀・テネブラエソードを振り回し、迫りくる機動闘士をまとめて三機を唐竹のようにバッサリ一文字斬り。
 さらに振り切った剣圧はそれで収まることなく、ドス黒い衝撃波がキャバリアを超えて後ろの機体までもを切り裂いていく。
 見た目以上の間合いを誇るテネブラエソード、そして数を成して群れているソセランゾ軍はいくら機動力があれども逃げ場なく散って行ったのだ。
 だが近付けば危ういと判断したのだろう、機動闘士達は距離を取って口のようなダクトから怪しいスモッグを吹き出し、ルクス・テネブラエを四方から襲う。
「この煙、嫌な予感がするッ! ここで退くわけにはいかない、俺はコークサンを絶対守り切るんだ!」
 精霊の囁きか、ひりょが先んじて異変に気が付くと、色違いの天使と悪魔の大翼を広げて台風のように回転する。
 すると敵の放った酸性の瘴気は逆流し、ソセランゾ軍は自らの毒で苦しみ腐食していくのであった。

「頃合いね、二人共予想以上に敵を集めてくれたわ」
 先陣に出た鍋島とひりょが暴れる中、大所帯を引き連れ射線の通る位置を敷いてい冬香が呟く。
「脚を止めたキャバリアが両翼に展開して、堰をっ切ったように中央から敵が流れてきてるもの。 狙いには困らないしやりやすいわ」
 鍋島の読みは当たっていた。
 視界を塞がれ障害物となった機動闘士を避け、暴れまわるひりょ機との間を通り抜けようとソセランゾ軍が殺到しているのだ。
「さぁ仕事よラヴィーネ、どれだけ数を揃えようと……鉄の雪で全て押し流してあげる!!」
 ズンと据えられたガトリングの持ち手を構えると、けたたましい炸裂音が止むことなく鳴り響き、鉄が空気を切り裂く風が冬香の黒髪を撫でた。
 猪突猛進に前へと進む機動闘士達は真っ向から無数の鉄針を喰らうこととなり、その脚が、その腕が、次々と穿たれ飛び散っていく。
 軽量化の弊害か、彼女の放つニードル弾は内部の機器を貫き後続までもを射抜いていた。
 戦闘を征く機体が倒れたことで、慌てた様に何機か隊列を乱して脇に逸れる。
 それで射線を脱したはずであったが、そうはいかなかった。
「あら残念だったわね。 私の、いえ私たちの弾幕、抜けられると思わないことね!」
 冬香の周囲に控える戦女たちがすかさず撃ち漏らしのキャバリアへ集中砲火し消し飛ばす。
 引くことも逃げることも許さない鉄壁の布陣が、数だけを誇る敵軍を飲み込んでいくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セレーネ・ジルコニウム
【ガルヴォルン】
「オブリビオンが絡んだ侵略行為ですか。
ガルヴォルンとして見過ごせませんね!
私設軍事組織ガルヴォルン、武力介入を開始します!」

ガルヴォルンのメンバーとともに、コークサン国に助力しましょう。

私は『機動戦艦ストライダー』の艦長席で指揮をとります。

「メアリーズさんはストライダーから出撃して敵と交戦してください!
リリー先生(リーゼロッテさん)は、メアリーズさんの援護とストライダーの護衛をお願いします!
ストライダー、長距離ミサイルで援護攻撃開始!」

【ガルヴォルン・フォーメーション】で敵部隊と交戦します。

「ミスランディアは敵兵器の解析を!」

ストライダーの制御AIに敵の弱点を調べさせます。


メアリーズ・エリゴス
【ガルヴォルン】
はて?何故でしょう、あの白いヤツを見てると「えぇい、ソセランゾのキャバリアはバケモノか」と言わないといけない気になりますね?乗機的に
いえ、ある意味バケモノみたいな機体ですが。よく自壊しませんね、あれ

では、大佐さん。ロートガル、出ますよ
前衛は私一人ですか?まぁ問題ないですけど。リリー先生は援護頼みますね
ハァ、情けないキャバリアですね。壊(アイ)しがいも微妙ですよ
数だけは多いですから、それで我慢しましょう
【サイキックプレッシャー】で敵部隊を纏めて押し潰して拘束して、そこを爆撃してもらいましょうか
きひっ!爆撃だけでなく、私も撃っちゃいますけどねぇぇぇ!
曲?私は赤い彗星じゃないですよ?


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
※『リリー先生』など別称を好む
※アドリブ絡み大歓迎、常識ツッコミ役
【ガルヴォルン】と傭兵契約

よし、『ナインス・ライン』出るよー

…うーん、実に粗製乱造っぽいガワ
【瞬間思考力】を駆使して奴さんの実態探ろうか
『コード・テスタロッサ』の生体電脳と『ジオ・アライアンス』で
各種計測値から中身分析っと…ストライダーにも情報提供するよ

んで解析効率化も兼ねてオペ14番【ソーラー・キャバルリー】開始

とりあえずは『ウインド・ミル』駆使して味方を防御
ストライダーには3枚1組を艦橋中心に複数配備
流石に空母は全部覆えないし適宜移動させるよ
そして弾幕で薙ぎ払うっ

メアリーズさーん、手応えどう?
…大佐(セレーネ)がマジメ、だと



 いくら地平線を覆い尽くす大軍勢を率いた敵国ソセランゾといえども限界はある。
 幾度もの猟兵による妨害によって、その数は見てわかるほどに目減りしており焦りが見えていた。
 そしてこの最後の手薄なエリアへ、残る戦力の全てを終結させてぶつけて来たのだ。

「皆さん戦闘配備はもうよろしいですか。 先の通り、本案件はオブリビオンが絡んだ侵略行為です、もちろんガルヴォルンとしては見過ごすわけにはいきませんね!」
 コークサン国境上空を悠然と漂うワダツミ級強襲揚陸艦ストライダー。
 その艦内へ戦場には似付かわしくないほど幼い少女、セレーネ・ジルコニウム(私設軍事組織ガルヴォルン大佐・f30072)の声が響く。
「ええ当然ですね大佐さん。 早く壊(アイ)したくて身体が疼きっぱなしですもの。 ロートガルのエンジンも興奮で打ち震えていますよ」
 初めに応えたのは、ピッチリと肌に密着したパイロットスーツで肌のラインが鮮明な金髪の女性、メアリーズ・エリゴス(生体CPU・f30579)。
 既に戦闘空域に侵入しているため、彼女は真紅の愛機ロートガルに搭乗していた。
「よし、ナインス・ラインもいつでも出れるよー。 というか、メアリーズさんエンジンが震えてるって本当に大丈夫なの!?」
 戦意が溢れすぎているメアリーズとは別の格納庫で、大人びた銀髪の女性リーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)がたまらずツッコム。
 量産機ベースのリリー先生の機体は通常のカタパルトで機体チェックをしていたので互いの状況は通信頼りだったのだ。
 ガルヴォルンのかしまし三人娘が戦闘前だというのにワイワイと気を許していると、場を締めるように再び艦内放送が響く。
「ごほん、では機動戦艦ストライダー格納機、全機戦闘準備完了。 これより私設軍事組織ガルヴォルン、武力介入を開始します!」
 メアリーズとリリー先生のやりとりをいつものことであると流すと、艦長席に座す幼いキャプテンセレーネが艦長帽のツバを直して号令を掛けるのであった。

 戦況を見守るように大空を遊泳していた巨影は、突如下降を始めてオープン回線を開きながら軍事介入の旨を機械音声で繰り返す。
 深海へと獲物を狙うクジラは、その見た目の重圧感だけでも敵を圧倒するに足りるシンボルで、特攻の勢いを乗せていたソセランゾ軍の士気を削ぐのに十分であった。
「メアリーズさんは現高度からストライダーを出撃、敵機と接敵次第交戦してください! ストライダーはこのまま最終防衛ラインを敷きます!」
 セレーネ艦長の許しが出ると、待っていましたとばかりにストライダー上部の第七ハッチがゆっくりと開かれて、真紅のキャバリアが腕を組みながらせり上がる。
「あら、前衛は私一人ですか? まぁ問題ないですけど。 リリー先生のバックアップに期待しますね」
 重装甲な全高を無理やり支えるために、ヤケクソのように取り付けられた無数のスラスター。
 常人ではまともに動かそうものなら明後日の方向へ飛んでいきそうなトンデモキャバリアを優雅に浮かび上がらせると、メアリーズの駆るロートガルはストライダーを降りて敵陣中央へと突っ込んでいくのであった。

「はいはいバックアップねー。 なんて言う間にも、もう敵と遭遇しそうだね……これはアンサーヒューマンとしての腕、いや頭の見せ所だね」
 わざわざ母艦が敵陣の真上を通り過ぎたのは、ただの伊達や酔狂ではない。
 格納庫内にいるリリー先生が、愛機ナインス・ラインをストライダーに接続し艦底部の観測機から敵の情報を得るためだったのだ。
 前線との接触は一瞬であったが、彼女の愛機に搭載されたAIのジオ・アライアンスおよびストライダー側に搭載されたユニットのミスランディア、この三つの脳を並列的に動かすことで各種計測値から中身の分析まで一気に行う事が可能となっていた。
「えっうそ!?……うーん、やっぱり何度確認してもそうなるかぁ。 いくらなんでもこのガワは粗製乱造に特化し過ぎでしょー」
 まばたきでもするほんの一瞬、彼女に必要な時間はそれで充分であった。
 そしてストライダーの艦長席と前線に飛び込んだロートガルにも共有されたその解析結果には、なんと敵主力機の上半身はスカスカのハリボテであるという秘密が暴かれていたのだ。
「なるほど、ソセランゾだけに粗製乱造というわけですね!」
「えぇい、ソセランゾのキャバリアはバケモノか、というよりもゲテモノですか。 よくこんな空洞構造で自壊しませんね、アレ」
「そうそう国名とかけたダジャレで……って大佐!(ビシィ) メアリーズさんも既に前線なんだから集中! モノマネしてる場合じゃないよ!」
 純粋天然とマイペースに挟まれ、一般常識枠のリリー先生は大忙し。
「あっすいませんつい。 リリー先生解析ありがとうございました。 それでは引き続きメアリーズさんの援護とストライダーの護衛をお願いします!」
「大佐がマジメ、だと……!! それともう準備できてるよ!」
 瞬間的に思考を巡らせていたリリー先生は、既に解析が終わった彼女の愛機をストライダーからの接続を外し、カタパルトデッキから艦橋に躍り出ていた。
「メアリーズさんお待たせ! ちょっと遅れるけどアタシのウインド・ミルをいくつか増援で送るね!」
 艦橋カタパルトの射出板に脚部を固定したまま、ナインス・ラインから丸鋸のような飛行砲台が放たれる。

「ストライダー着艇、ここを我々ガルヴォルンの最終防衛ラインとします! 絶対に敵をコークサンに入れないでください!」
 前線での仕事終えたストライダーが、敵機の射程圏外に艦体を横着けして陣を構える。
 その身を前哨基地として、敵への最後の防波堤としたのだ。
「ストライダー全砲門弾込め用意、長距離ミサイルでロートガルの援護攻撃します! 撃ち漏らしはリリー先生の残ったウインド・ミルで対処を! これよりガルヴォルン・フォーメーション開始です!」
 幼い少女の声であろうと、凛と張って気を引き締めてくれる号令はリリー先生とメアリーズの士気を上げる。

「ふふ、あれだけお膳立てしてもらったからには、たぁっぷりと壊(アイ)してあげませんとね」
 通信から聞こえて来る頼もしい声、それを脳裏に焼き付けるとメアリーズは操縦桿を全開に押し切る。
 すると、高高度から加速し続け激しく着地した赤い稲妻が、空気を揺らし大地に立つ。
 その衝撃で既に13機もの機動闘士が吹き飛んでおり、頼りないオーバーフレームが剥がれて正体を現していた。
「ハァ、それにしても情けないキャバリアですね。 これでは壊(アイ)しがいも微妙ですよ……まぁ幸いにも数だけは多いですから、一先ずはそれで我慢しましょう」
 狙わなくても当たるほど数だけはいるため雑にロングビームライフルを放ち、敵陣に一直線の黒く焦土となった線を描く。
 突然の奇襲と圧倒的なキャバリアの性能差をみせつけられたせいか、機動闘士達は威嚇するように謎のBGMを流し始める。
 ライフルの射撃跡がバチバチとプラズマ化した音が混じり上手く聞き取れないが、どうも赤い何かが来る!的な音楽のようだ。
「はぁ、私は赤い彗星じゃないですよ? 人違いじゃないですかね。 それに今更そんなこけおどしされても、ハリボテなのはバレてますし」
 敵のあまりの情けなさに、ピリッとした空気がメアリーズの周囲に流れる。
「やはりこの程度では我慢できませんねぇ! 纏めて押し潰してあげますよぉ!!」
 先ほどまでの彼女とは空気が変わり、張り詰めたプレッシャーが広がって敵を飲み込んでいく。
 すると、敵のパイロットはたちまち心を委縮させて動きを止めていった。

 この展開を始めから想定していたのだろう。
 ストライダーの長距離ミサイルが次々落とされていき、心を拘束され棒立ちしていた機動闘士達が殲滅されていく。
「着弾確認! メアリーズさんの反応は!?」
「アタシのウインド・ミルがバリアを張ってるから無傷よ! って、あぁぁメアリーズさんまで暴れ出した! あんまり動かないでぇ!!」
「きひっ!爆撃だけでなく、私も撃っちゃいますけどねぇぇぇ!」
 目の前で敵が爆破されていくことに感化され、火が着いてしまったのかメアリーズのロートガルからミサイルが乱射される。
 それに振り回されてミサイルの軌道修正や追加のウインド・ミルを派遣して、敵陣も味方陣営も描き乱していくのであった。

 そしてメアリーズが治まるころには、ロートガルの他に国境で立っているものはいなかったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ロードランナー』

POW   :    コンバージョン・ウェポン
【各機体ごとに異なる多様な対キャバリア兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    モードチェンジ
自身の【汎用性に優れた形態のスタンディングモード】を【膝を下ろして機動力重視のヴィークルモード】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
WIZ   :    ハルダウン
レベルm半径内の、自分に気づいていない敵を【身を隠しながら対キャバリア兵器や対人兵器】で攻撃する際、ほぼ必ず狙った部位に命中する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 敵の主力量産機は猟兵達の大活躍によって全て撃沈した。
 ほとんどの猟兵が気が付いたが、ソセランゾの量産の秘密はオーバーフレームをハリボテにすることで費用を安くすることだったのだ。
 今まではその圧倒的な数で威圧することにより、交戦することなく無血勝利してきたというのが真相だろう。

 しかし、強力な猟兵の前ではあまりにも無力であった。
 いまでは戦力となるあの白い機体もいない。
 いざ敵将を討とうと青いキャバリアへ近づこうとしたとき、突如笑い声が響き渡る。
「ふふ、ふふふ、ふぁっはっはっは!! これで勝ったつもりか憎き猟兵共! お前らの倒した機体をもう一度よく見てみるのだな!!」
 その声に従い視線を下に向けると、なんとキャバリアの下半身だけが立ち上がり、ボロボロの装甲を脱ぎ捨てる。
 なんとそこにはアンダーフレームだけで動く、新手のキャバリアが隠されていたのだ。
「今までは動きにくい足枷をしていたようなものよ! これが本当の我が軍の主力、ロードランナーであぁぁぁる!!」
 青い機体の男が言う通り、今まで以上に機敏な動きでこちらを翻弄し、コークサンへの侵略への脚を速めていた。
カシム・ディーン
いやちょっとまって…
意味あるんですかそのハリボテ!?
「あるんじゃないかなご主人サマ?ほら、私達が倒した気になってたわけだし?」
色々な意味でふざけてるな!?
取り合えず…ぶっ壊します!

【情報収集・視力】
敵の動きと機体構造からの搭乗席の位置と無力化するのに適した部位
更に隠れてる機体も捕捉

更に
【属性攻撃・迷彩】
光属性を機体に付与
光学迷彩で存在を隠し
迷彩で各センサーの捕捉を封

【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
ハルペーで切り裂き
更に武装を強奪

敵が集まった処で
一気に殲滅してやる!
【スナイパー・属性攻撃・念動力】
炎属性を強化
更に無力化する為に足る部位を狙い
カドゥケウスを構え
UC発動
ミサイルは念動力でも操作


黒影・兵庫
({要塞蠍}に搭乗したままで)
げっ!?まだ動けるやつこんなに沢山いるのか!
(「まぁ体当たりだけじゃ倒せる敵の数にも限度があるものねぇ」と頭の中の教導虫が話しかける)
ここは虫さんの力を借りるほかないですね!
(「それが要塞蠍の本来の運用方法よ?まぁいいけど」)
素早い連中にはこれが一番!光学兵の皆さん!光の刃で焼き払ってください!
(要塞蠍の周りに『念動力』で浮かせた芋虫からレーザーブレードが敵に向かって『一斉発射』される)
よーし!俺たちも『衝撃波』を使った『ダッシュ』で体当たり攻撃で加勢しましょう!
(「だから!黒影は危険なことしなくていいの!あーもう!」)
攻撃は最大の防御です!せんせー!
いけいけー!



 敵の青い指揮官機の声が響くと、倒れていた残骸からまるでゾンビのように下半身がのそりのそりと立ち上がる。
 殻を割るように現れた新しい姿は、剥き出しのアンダーフレームだけで構成された斬新すぎる機体のロードランナーであった。

「え……いやちょっと待って、さもパワーアップみたいにしてるけど意味あったんですかそのハリボテ!? オーバーフレームが無い分、むしろパワーダウンしてますよね!?」
 白銀のキャバリア、メルクリウスを操るカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)が冷静にツッコム。
 彼の言い分はもっともだろう。
 元々量産速度を重視するために性能を犠牲にしているソセランゾの開発志向なのだから、脱いだところで元の出力が上がるわけではないのだ。
『そうとも言い切れないんじゃないかなご主人サマ? だってほら、私達はみんなすっかり倒したつもりになってたわけだし? 現に今だって敵に囲まれちゃってるよー』
 彼の乗るキャバリアの意思が具現化し、ホログラムとして投影された雄鶏の『メルシー』がモニターを(手羽先でビシリと)指す。
 メルシーの言う通り、周囲は既に敵の海。
 敵を集めて一網打尽にするという作戦が仇となり、自分たちが集中砲火を受ける配置に誘導されていたのだ。
「色々な意味でふざけてるくせに、ちゃんと数でゴリ押す作戦としては理にかなっているんですね……」
 カシムの顔に焦りが見え始めた時、ドドドと地ならし接近してくる重量級キャバリアが合流する。
「げぇっ!? まだ動けるやつこんなに沢山いるのか! そこの銀色のキャバリア乗りさん大丈夫ですか! 俺達だけじゃ手が足りません、協力しましょう!」
 大きな蠍のような黒いキャバリアからオープン回線で叫ぶ黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)だ。
 その巨体を支える多脚戦車型の脚部は、車体の軽いロードランナー達を撥ね退けメルクリウスの隣に並ぶ。
『まぁ体当たりだけじゃ倒せる敵の数にも限度があるし、四方が囲まれていると流石に戦い難いものねぇ』
 彼の頭の中にいる『せんせー』が、無駄にしぶとい敵に嫌気をさすように声を渋る。
 性能差は圧倒的でも、決して無敵ではない。
 無茶な孤軍奮闘を黒影にさせたくはないのだ。

「渡りに船です、こちらこそよろしくお願いしますね」
 思わぬ助っ人にカシムの瞳が勝機を見出し輝きだす。
「はい! 俺の機体は頑丈ですから多少ヘイトを稼いでも問題ありません! なので虫さんの力を借りて突破口を開きますね!」
『というか、元々それが要塞蠍の本来の運用方法よ? まぁいいけど』
 無鉄砲な黒影を気遣うせんせーをよそに、自ら切り込み役を買って出た黒影は、すぐにキャバリアから虫を放つ。
「へへっ! 素早い連中にはこれが一番!」
 本日のビックリドッキリムシは強力LEDライトよりもビカビカと眩しい蛍のような虫さん達だ。
「光学兵の皆さん! 光の刃で焼き払ってください!」
 黒影の号令一つで規則正しく整列し、蛍のお尻からレーザーブレードのような光の刃が束ねられた。
 味方が近くにいるためにこれでも出力を絞っているようで、自身の周囲に張りつかせて身を守るつもりらしい。
 眩すぎる光度も相まって、敵は黒影へ一斉に注目し狙い出す。

「彼のあの光……!? よし使えそうですね! その光を乱射することは出来ますか?」
 隣で光の剣を振りかざす黒影を見て、カシムが何か思いついたように声を張る。
「えっ!? 出来ますけど危ないですよ?」
 戦友に配慮したつもりが、むしろ全力を出せと無茶な提案に黒影も困惑する。
 仲間にも誤射する可能性がある以上、その考えは毛頭なかったのだろう。
『そうだよー光を避けるなんて神業で大変だよご主人サマ?』
「なぁに、光には光。 こうするんですよ!」
 カシムがメルクリウスを操作すると、機体全体が七色の光沢を纏ったかと思うとすぐに周囲の景色に溶け込んでいく。
『光学迷彩だねー! さっすがご主人サマ!』
「ええ、そういうことです。 光の属性を纏えば、同じ光りの攻撃が来ても反射できるでしょう」
「なるほどですね! それなら俺も虫さん達に全力を出してもらうようにお願いしてみます!」
 カシムの説明に合点がいったと黒影が頷くと、一気に広範囲を焼き払えるように虫の隊列を組み直し始める。
 そしてメルクリウスの光りのコーティングは仲間の攻撃を防ぐだけではなかった。
 光学迷彩により姿を隠すことにより、互いの役割分担をさらに効率化させてくれたのだ。
「さぁ、僕達は彼の代わりに情報収集と奇襲です! 行きますよメルシー!」
 カシムとメルクリウスは空気の揺らぎすら残さず空を掛け、戦場をかき乱しに掛かるのだった。

「それじゃぁ光学兵の皆さん! 敵を滅茶苦茶にしてやりましょう! 遠慮は無用です! 俺も遠慮無用で行きますよ!」
 虫達には自身のキャバリアの周囲でランダム射撃を命じ、我慢できなくなった黒影もキャバリアによる突進を始めた。
『って、だから! さっきも言ったけど黒影は危険なことしなくていいの! 虫達に任せなさい! あーもうこの子ったら!』
 結局無茶な操縦で暴れ出すやんちゃな黒影に頭を抱えるような声をこぼすせんせー。
 彼女の教育の苦労はまだまだ続きそうだ。
 そして、そうこうしているうちに多脚戦車の脚部が、アンダーフレームしかない小型の敵を次々と踏み潰していく。
 まるで大型トラックにスクラップへ還られていく自転車のような蹂躙っぷりだ。
 さらにそれだけでは収まらず、彼の周囲に揃った蛍のような虫が敵を貫通するレーザーを放って移動するため、草刈りでもするように端からロードランナーが消えていく。

 その時であった、突如光線が曲がって黒影の後ろから飛び掛かる敵機を焼き払ったのだ。
「おぉ~!! これがさっき言ってた策ですね! ありがとうございます!」
「どういたしまして。 っといっても、僕達だってこれで終わりじゃないですよ!」
 光学迷彩で姿を隠していたメルクリウスが顔を出すと、その手には大きな鎌が握られていた。
「取り合えずまずは……思いっきりぶっ壊します!」
 陸戦型であるロードランナーの脚を狙うように、大鎌を地面スレスレで回転するように薙ぐ。
 しかし機動特化の敵機たちは易々とそれを跳んで避けてしまった。
「今更逃げようとしても無駄ですよ、解析した行動パターンは予想よりも単純だったみたいですからね!」
 彼らの機体の動力は脚二本に頼るのみ。
 つまり、跳んだら後は重力に任せて落ちるのみなのである。
 回転する大鎌は止まることなく、さらに上方へ振り上げると空中にいたロードランナーたちは脚部を真っ二つに斬られていった。

「僕の方は片付きましたよ!」
「俺も敵を追い込みました! いよいよ大詰めですね!」
 二機の活躍により、この一帯のロードランナーは既に大敗。
 残るは一角に残された部隊のみであった。
「よし、カドゥケウスで一気に殲滅してやる! ミサイルもオマケだ持ってけぇ!」
「攻撃は最大の防御ってやつですよね、せんせー! 俺も続きます! いけいけー!」
 メルクリウスがミサイルパーティと銃弾の雨を撃ち込み、要塞蠍が収束させた虫達による極太ビームをぶっぱなし、敵はきれいさっぱりいなくなったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

塩崎・曲人
これまでの半分の資材で作れる新兵器!
なるほど?画期的なアイディアじゃん?
「でもこれ、オーバーフレームのジェネレータで賄ってた推進機とか無理くり積んでるから出力余裕ねぇし腕部強度の関係で火力も微妙だな?後どう見ても旋回性が悪い」
マジで数だけが頼みの安かろう弱かろうロボじゃねぇか

ってーことでその辺徹底的に突いてイジメましょうねぇ~
まず初動
アクセル全開で加速して敵の群れに突っ込む
攻撃は耐えろ
極短時間だ

格闘距離に入ったら乱戦の時間だ
のたのた一生懸命振り返ろうとしてるはご苦労だが
こっちは上半身回転し放題でどこでも撃ち放題だぞ?
「ついでにテメーらの最大の弱点を教えてやる……軽いから体当たりに弱いんだよ!」


鍋島・小百合子
WIZ重視
他の猟兵との連携可

あの目が痛くなる鎧の下にこのようなものを備えていたとはのう!
カサカサと虫のように這いよるわ

「開けた場で存分に這いよる虫の動きを止めねばな」
UC「戦場迷宮陣」発動
薔薇の意匠に彩られた罠の迷宮を戦場内に作り、できるだけ多く虫共をその中へ閉じ込める
わらわは外蓑を羽織り、隠密重視(目立たない、忍び足、闇に紛れる併用)にて迷宮内を暗躍
虫に捕捉されぬよう物陰の死角に隠遁
こちらを捕捉できずにいる虫や迷宮内の罠にかかった虫を不意討ちで仕留めていく(接近戦では薙刀による鎧砕き・乱れ撃ち・切り込み、もしくは長弓での遠距離狙撃(視力、スナイパー、鎧無視攻撃、目潰し)でそれぞれ対処)



 一面に崩れ落ちる白いキャバリアの骸達。
 量産することで頭数を揃えるソセランゾの電撃作戦が、猟兵達の強力な一点突破により牙城を崩されたのだ。
 しかし、そこでただでは終わる気がないソセランゾ軍。
 なんとキャバリアの中からさらにキャバリアが現れたのだ。

「なんと! あの目が痛くなる鎧の下にこのようなものを備えていたとはのう! 道理で泥船のように揺れると思うたわ」
 生身で5mの巨人とやり合っていた鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)が、敵の主力機の正体を目にして驚愕する。
 機械に疎い鍋島には、まるで貉か狐に化かされたような衝撃だったのだろう。
 思わず整った麿眉にツバを付けるような仕草をしていた。
「はっはっは。 こりゃつまり、これまでの半分の資材で作れる新兵器ってわけか! なるほど、画期的なアイディアじゃん?」
 キョトンとしている鍋島の横に、滑ったギャグでも見せられたように乾いた笑いを零す塩崎・曲人(正義の在り処・f00257)が並ぶ。
 現代知識もあり、機械弄りにも心得がある曲人からすれば、ソセランゾ軍の開発思想はあまりにも滑稽だったのだろう。
 しかし話についていけない鍋島が、どういうことかと曲人に視線をやると、彼はあえて聞こえるように声を張り独り言で解説を始める。
「でもこれ、オーバーフレームのジェネレータで賄ってた推進機とか無理くり積んでるから出力余裕ねぇし腕部強度の関係で火力も微妙だな? 後どう見ても旋回性が悪い」
「おおばぁ……じぇね……?」
 が、しかし鍋島はカタカナ英語にとても弱かった。
 余計に困惑して眉をひそめる彼女を横目で見ていた曲人は、慌てて言葉を崩して説明する。
「あー……あれだ、荷車で運んでたものを背負って歩いてる感じ、か? 同じ荷物量でも、こいつ等はもう手一杯で余力がないしフラフラってことだ」
「おぉなるほどのぅ。 確かにカサカサと虫のように無様に這いよるわ。 貴殿の言う通りならば、こやつ等には質を警戒する必要はなさそうじゃな」
 意外と面倒見の良い曲人の話に、合点がいったと鍋島が手を叩く。
 しかし彼らの話している間にも周囲は一面ロードランナーだらけであり、質は悪くとも数で押す気のようであった。

「おっと、駄弁ってる暇はもうなさそうだな。 アンタはキャバr(ン゛ン゛)、いやその身一つで闘うんだろ? オレがコイツで突っ込むから下がってな」
 喧嘩魂に火が着いたのか、いかにもチンピラらしく握り拳をパキパキ鳴らして曲人がコークサンからくすねたキャバリアに乗りこむ。
 下半身がヴィークルアンダータイプのバイクモードであるそれは、ソセランゾ軍のロードランナーとは違い質の良さに定評のあるコークサン製であるためガッシリと安定感がある。
 転倒にも強く乱暴な運転でもビクともしない、粗野な人間にピッタリな機種なのだ。
「ほう、正々堂々男らしいのぅ。 ここは貴殿の顔を立てて、わらわは下がろうかの」
 ほほほと口元を隠し、鍋島は上機嫌に笑いながら一歩退く。
 もちろん彼女は戦いの全てを任せる気などさらさらないのだが、それでも悪い気はしなかったのだろう。
 だがここにはある勘違いが起こっていた。
 曲人は別に男らしさを見せつけようと見栄を張ったわけではない。
 相手が弱いと分かったから、策も無くオラついて馬鹿正直に突っ込むだけなのだ。
 嗚呼チンピラ根性よ。
「ってーこと、でその辺徹底的に突いてイジメましょうねぇ~♪」
 回線を開いていないコックピットの中で、曲人の本音が零れるのであった。

 鍋島が品定めでもするように見つめる中、曲人のバイク型キャバリアが初速からフルスロットルで走りだす。
「行くぜぇ! アクセルは全開から絶対離さねぇ! エアバックの代わりにお前らの身体で受け止めろやぁ!!」
 勢いついてウィリーのように前輪が浮かんだ状態で大きく目立つと、鍋島を囲んでいたロードランナーもつられて追いかける。
 今まではソセランゾのハリボテを着るために二足であったが、曲人に追い付くためにヴィークルのように脚を畳んで加速する。
 そうやって曲人の両サイドから小突かれ車体をぶつけ合うが、それでも彼は止まらない。
「む、男同士の戦いに水を差すとは無粋な輩どもめ。 開けた場で存分に這いよる虫の動きを止めねばな、それっ」
 ヴィークル状態の体勢を低くしたロードランナーを虫と称し、軽蔑した眼を向ける鍋島が畳返しのように地を叩く。
 すると、大地が捲れ返っていき巨大な壁が幾重にも張り巡らされていく。
 薔薇の意匠で彩られている、戦場にしては華やかな壁は曲人のキャバリアと走行を妨害する敵機を分断する。
 壁に勢いよく押し上げられて跳ね上がったのだ。
 墜落の衝撃で粉々に砕けた破片が後方に散らばっているのが曲人の目に映る。
「おっ、なんか分からねーけどツイてるな! ざまぁみろ!」

「さて、お膳立てはしたのだからわらわも動くとしようかえ。 背を低くしようとも人より大きいのであれば探すのに苦労しないからの」
 迷宮で曲人の姿も見えなくなったため、鍋島がついに動き出す。
 畳んでいた上等な外套を取り出すと、笛を奏でる牛若丸のように頭から羽織り目元まで隠した。
 迷宮が作る暗がりでは、ロードランナーのコックピットから見下ろし影になる鍋島の姿を発見しにくくなるという寸法だ。
 また武道の心得として足音を消す重心移動法により、彼女の気配は影も形もかき消えるだろう。
「しかし虫というても風情の無い鳴き声じゃの。 迷宮を響き渡って位置が筒抜けになっておるのぅ」
 ヴィークル形態のギャリギャリと地を削る騒音、そして質の悪いエンジンの吹かした黒煙が軌跡となって鍋島を導く。
 ほどなくして、労することなくロードランナーの後ろについた。
 すぐに身を隠し迷宮の壁の角から頭を出して様子を伺う。
 どうも敵機は数が売りなだけに流石に孤立はしていない様で、その場には三機が密集して壁を崩そうと試みている所であった。
「ひぃふぅみ、これならば赤子の手をひねるより容易いのぅ。 そのまま大人しくしておれ」
 背負っていた長弓へ静かに弦を張ると、排熱のためかハッチを開けていたロードランナーの操縦者を一人射る。
 銃声とは違い音もなく仕留めるそれは、仲間の異変に気付かせるのを遅らせ、二射目を許してしまう。
 この程度の距離ならば当然とばかりに喉笛へ命中させて貫かせ、叫びも上げさせない。
「これでふたつ。 おや、もう一つは殻を閉じておるのかえ。 ならばこれでどうじゃ」
 隠れていた壁の薔薇のレリーフを触れると、ガコンを花弁の一枚が押し込まれる。
 そして内部のカラクリ仕掛けが作動し、残る一機のハッチ付近の壁がせり出て叩き割った。
 衝撃音に紛れて急接近していた鍋島は、せり出た壁を伝って駆け上がると刀の長く鋭い刃を突き立てる。
 救援を呼ばせる隙も与えない手際の良さ。
 そうして彼女は、迷宮に分断された敵を討っていくのであった。

 一方曲人は、逆にド派手なラフファイトを繰り広げている。
 鍋島の迷宮がリングとなり、互いに離れず着かずのインファイト距離を保てていたのだ。
「おいおいどうした、のたのた一生懸命振り返ろうとしてるはご苦労だが……」
 曲人のキャバリアが相手を轢き飛ばしながら突っ切り、キャバリアの腕を使って強引にUターンを決める。
「こっちは上半身回転し放題でどこでも撃ち放題だぞ?」
 吹き飛んで体勢を立て直そうとする敵機を狙い、無慈悲にもまた転げさせて行動不能にしていく。
「ついでにテメーらの最大の弱点を教えてやる……軽いから体当たりに弱いんだよ!」
 オーバーフレームを搭載し、バイク部分も重厚で安定した重心。
 対するロードランナーは軽量化でスカスカだ。
 体当たり攻撃で車体がベコベコになってくのは敵機の方。
 そして曲人は大きく気合いを入れて叫ぶと、大胆なテールスライドでまとめて敵を吹き飛ばしていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
あーはっはっはっ!成程なーっ!ハチャメチャだけどいい戦術だ!
知ってるぞ!上半身なんて飾りなんです!偉い人にはそれが判らないって奴だな!あれ?足だったっけ?

【戦闘知識】で敵陣の動きと更に機体の性質も把握
物量には物量だよな?
【属性攻撃】
炎を機体と武器に付与
UC発動
50機
【レーザー射撃・重量攻撃・遊撃】
ガンドライドとブラックホールキャノンによる重力波砲とビームによる制圧射撃
残りと本体
【見切り・第六感・残像・空中戦・盾受け】
高速で飛び回りながら突撃
敵の攻撃は飛び回ったり避けたり盾で受けつつ
【二回攻撃・早業・串刺し】
突撃して槍で串刺しにしては剣に切り替えて連続斬撃で暴れまわる

尚コックピットは全部避不殺


カイ・ザァド
悪しき政治に民が苦しむ声がする
救えぬ民に嘆き悲しむ国家の声がする
そして何より、過去の恐怖に怯える皆の声がする!
悪しき政治を断ち切るため、民草の笑顔を紡ぐため、今こそ戴冠の時!
皇帝猟兵カイ・ザァド!!ここに見!!参!!

有象無象が集まったとて無意味!! 我が眼からは逃れられぬ!!
指定UCにて合体後、EP『Libra』にて敵の密集位置を確認、55mの巨体を生かし、遠方の敵までターゲットロックオンだ!!

「食らうがよい!! カイザァアアア!! ブレストォォ!! バァーーストォォ!!」

悪しきキャバリアのみをターゲットとし、『制圧射撃』の衝撃波で広範囲の敵を吹き飛ばす!
防御はオーラ防御と盾受けで受け止める!



 あまりにも見掛け倒しで貧弱なソセランゾ軍のキャバリアであったが、しかしあっけなく倒されていたのは策のうちであった。
 猟兵達は戦場で一騎当千の活躍を誇ったが、それは敵の中心となることを意味する。
 寄って来る敵を薙ぎ払って疲弊した所で、白いキャバリアの中から二の矢を放ってきたのだ。

 そしてその猟兵の一人、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)とその乗機の三界神機『ヘカテイア』が、ロードランナー達に四方を隙間なく囲まれている所であった。
 敵はオーバーフレームの無い変則的なキャバリアとはいえ、無視できない脅威である。
「あーはっはっはっ!成程なーっ!ハチャメチャだけどいい戦術だ!」
 孤立無援の四面楚歌。
 そんな絶望的な状況に在ろうと、彼女の笑顔が絶えることはない。
「知ってるぞ! 『上半身なんて飾りなんです! 偉い人にはそれが判らない』って奴だな! あれ、足だったっけ?」
 どこで得た知識かは知らないが、テラはハリボテから露わになったロードランナーを指差しモノマネをする。
 それに反応し、つい敵指揮官機の青いキャバリアが釣られて何か言おうとしていたが、グッと堪えて威厳を保っていた。
 そしてこれ以上テラの言葉に惑わされないように、手下のロードランナー達に号令を掛けて一斉に襲い掛からせたのだった。

 一度にこれだけの数が矢継ぎ早に次々と上から下から仕掛けてくれば、いかに堅牢なキャバリアとはいえ一機の性能には限度がある。
 あわや少女の乗る機体も一貫の終わりかと思われたその時、大空漂う雲を突き抜け地上に降臨する影がある。
 それらは12のキャバリアであり、テラを守るように周囲のロードランナーを潰しながら衝突。
 摩擦熱の赤みが引いていくと、そこには白銀 あまりにも見掛け倒しで貧弱なソセランゾ軍のキャバリアであったが、しかしあっけなく倒されていたのは策のうちであった。
 猟兵達は戦場で一騎当千の活躍を誇ったが、それは敵の中心となることを意味する。
 寄って来る敵を薙ぎ払って疲弊した所で、白いキャバリアの中から二の矢を放ってきたのだ。

 そしてその猟兵の一人、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)とその乗機の三界神機『ヘカテイア』が、ロードランナー達に四方を隙間なく囲まれている所であった。
 敵はオーバーフレームの無い変則的なキャバリアとはいえ、無視できない脅威である。
「あーはっはっはっ!成程なーっ!ハチャメチャだけどいい戦術だ!」
 孤立無援の四面楚歌。
 そんな絶望的な状況に在ろうと、彼女の笑顔が絶えることはない。
「知ってるぞ! 『上半身なんて飾りなんです! 偉い人にはそれが判らない』って奴だな! あれ、足だったっけ?」
 どこで得た知識かは知らないが、テラはハリボテから露わになったロードランナーを指差しモノマネをする。
 それに反応し、つい敵指揮官機の青いキャバリアが釣られて何か言おうとしていたが、グッと堪えて威厳を保っていた。
 そしてこれ以上テラの言葉に惑わされないように、手下のロードランナー達に号令を掛けて一斉に襲い掛からせたのだった。

 一度にこれだけの数が矢継ぎ早に次々と上から下から仕掛けてくれば、いかに堅牢なキャバリアとはいえ一機の性能には限度がある。
 あわや少女の乗る機体も一貫の終わりかと思われたその時、大空漂う雲を突き抜け地上に降臨する影がある。
 それらは11のキャバリアであり、テラを守るように周囲のロードランナーを潰しながら衝突。
 摩擦熱の赤みが引いていくと、そこには白銀の様々な機種、そして一人のロボットヘッドが立ち並んでいた。
「お? なんだなんだ、燃える展開だなー! こういう時はお約束のアレを言わないとだよな! 『だ、誰だお前は!?』」
 ヒーローショーを鑑賞するようなテンションでテラが喜び台詞を叫ぶ。
 すると、ロボットヘッドが赤いマントを翻してテラへと振り向く。
「怪我はないようであるな。 そして『誰だ』と問われれば応えるが定め、タァッ!」
 騎士のようなロボットヘッドが空高く跳び上がると、残る11機のキャバリア達も追従する。
 そしてキャバリア達が各々の12星座のシンボルを共鳴するように輝かせると、その姿を変形させていく。
「おおー! あれってまさかのあれか! お約束のあれが見れちゃうのか!」
 既に何かを察したテラは、その光景に大興奮。
 敵をそっちのけで変形シークエンスに釘付けだ。
 いや、敵も食い入るように彼らの動向を魅入っていた。
 攻撃しないのもお約束という奴なのだろう。
「悪しき政治に民が苦しむ声がする、救えぬ民に嘆き悲しむ国家の声がする、そして何より、過去の恐怖に怯える皆の声がする!」
 白銀のキャバリア達は人の部位を模した形に成ると、ロボットヘッドの元へと繋がっていく。
 その全貌が明らかになると、そこには全高55mの超巨大ロボットの騎士が仁王立ちしていた。
「悪しき政治を断ち切るため、民草の笑顔を紡ぐため、今こそ戴冠の時! 皇帝猟兵カイ・ザァド!! ここに、見!! 参!!」
 満を持して現れたのは、カイ・ザァド(猟兵皇帝・f30942)そのひとだ。

「おおー!! かっこいいぞ皇帝猟兵!! ならおれも負けていられないな! 大きさには物量で対抗だ! ウィザードモード……起動!!」
 目の前で型破りなロボットヘッド含むキャバリア12体合体の興奮が冷め止まないテラは、その熱意を己の機体に向けて解き放つ。
「我招くは嵐の夜! 冥府へ導く魔女達の群れよ! 今こそ狩りの時間だ! 存分にその力を示せっ!!」
 彼女の言葉がヘカテイアに届くと、その蜃気楼のように輪郭が僅かにブレていき、その錯覚は真実へと変わる。
 気がつけば戦場を埋め尽くす総勢50機のヘカテイアが武器を携え立ち並んでいたのだ。
「なんと! ただの少女ではなかったようであるな。 ならば我が戦友として背を預けよう! いざ参る!!」
 強大な力を見せたテラを友として認めたカイ・ザァドは、大きく轟く低い声で開戦の合図を叫ぶのであった。

 数で圧倒していたはずのソセランゾ軍。
 しかし数を増やしたテラのヘカテイア群により形成は逆転。
 そして超巨大キャバリアのカイ・ザァドには、非力なロードランナーが束になっても敵わないだろう。
 勝敗は誰の眼にも見えていた。
 しかし戦いは終わらない。
「全機散開、一気に叩くぞー! ガンドライド射出、ブラックホールキャノン召喚! 敵を打ち上げろー!」
 無数のヘカテイアが容赦なく浮遊砲台を飛ばし地上を絨毯爆撃すると、慌てて跳ね回るロードランナーを重力波で中空へ引っ張り上げる。
 飛行能力を持たない彼らの機体は、その両足をバタバタともがきながら為す術無く駆動部を超重力により潰され無力化されていく。

 それでも数の多いロードランナー達、幸運にも被害を逃れた外周部の者は一目散に逃げだしていく。
「むん! 例え天道の目が曇りが見逃そうとも、我が眼からは逃れられぬ!!」
 ビガンとその両目を光らせたカイ・ザァドは、♎のシンボルを灯して全速力で散っていく敵機を漏れなく捕捉する。
 天高くそびえる白金の城には、上から戦場を全て見通せてしまうのだ。
 そしてガコンとカイ・ザァドの胸部クリスタル周辺が開くと、高エネルギー反応によるキィンとした音が鳴り響く。
「食らうがよい!! カイザァアアア!! ブレストォォ!! バァーーストォォ!!」
 赤熱する極太のビームが蛇のように地を舐めると、カイ・ザァドが身体を回してビームが弧を描く。
 外周にいたロードランナー達は、一機たりとも逃れられず飲み込まれていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
WIZ

今度は下だけ?!
凄く小回りが利くようにはなってるみたいだ…厄介だなぁ…これは

よし、前の戦闘での敵キャバリアの残骸を媒体に固有結界・黄昏の間を発動だ
媒体には事欠かない

風の疑似精霊に指示を出し自分達の周りに風の防御壁を形成させ不意の攻撃に備える
最悪に備え【オーラ防御】も使いダメージ軽減試み

相手の足を止めたい
という事で【多重詠唱】で水の疑似精霊も召喚し敵集団の足元を凍結させ身動きを封じる
足さえなんとか出来ればこっちのもの…だと思う、たぶん

続けてさらに火と地の疑似精霊を召喚し多数の火球と岩弾を生成し敵を【乱れ撃ち】で一斉攻撃
大盤振る舞いだ、遠慮せず受け取ってくれっ!


緋薙・冬香
うーん、何ていったらいいのかしらねぇ
本当にコメントに困るんだけど
個人的には無言で張り倒したいんだけど……張り倒しますか
正確には刺し貫くって感じだけど

あの大きさを見失っても気づかないってことは無いでしょう
というわけで死角からの攻撃に注意しつつ
【美女の花言葉】で仕掛けるとしましょう
味方には当たらないようにするには最前線で仕掛けるしかないか

ま、私好みの展開ね(笑)
「さぁ、鉄の雪で撃ち砕いてあげる!」
基本的には定点射撃
迎撃が間に合わないようなら空中に【スカイステッパー】で退避するわ
それでも攻撃が当たりそうならシュピーゲルの障壁で衝撃を逸らせる方向で
何のための携行型かって話よね

※アドリブ連携OK



 前衛として敵陣に乗りこんだキャバリア乗りと、後方支援の火力担当のスナイパー。
 彼らの活躍により、コークサンへ攻め込むソセランゾ軍の白い機体を殲滅することに成功した。
 そして前衛として身体を張っていたルクス・テネブラエを駆る鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)が互いの状況wあ認しに戻って来た。
「やっと終わったね、助かったよ! 怪我とかないかったかい?」
 白と黒の羽を散らしながら舞い降りるキャバリアのコックピットハッチが開くと、ひりょが飛び降りて声を掛けた相手に駆け寄っていく。
「ええ、もちろん見ての通りよ。 あなたが頑張ってるところを特等席で楽しませてもらったもの」
 ほら、と緋薙・冬香(針入り水晶・f05538)が腰を据えているニードルガトリングガンを白く細い指で優しく撫でる。
 前線に立つひりょを支援していた頼もしい白銀の騎士様だ。
「はは、俺よりも頼もしいみたいだね。 むしろ心配されちゃったかな?」
「そんなことないわ。 言ったでしょ、楽しませてもらったって」
 屈託なくはにかむひりょ。
 そんな彼を冬香はふふと、目を細めて笑みを浮かべていたその時であった。

 前方に広がるソセランゾ軍の残骸たち。
 それが下半身だけ立ち上がり、中からアンダーフレームだけの新たな機体が現れたのだ。
 その異変に、精霊の声を聴いたひりょが逸早く察知する。
「そんな、倒したはずなのに! 今度は下だけ復活した!?」
 思わず目を疑う光景。
 文字通り型破りな捨て身のキャバリアに、多少知識のあるひりょは度肝を抜かされたのだろう。
「しかも凄く小回りが利くようにはなってるみたいだ……厄介だなぁ、これは……」
 今までは着ぐるみを着ていたようなものなのだから、その分身軽になったのだろう。
 ひりょは真面目に敵を脅威を捉えて戦慄している。
 一方、冬香はソセランゾ軍の第二陣を冷ややかな目で見つめていた。
「うーん、何ていったらいいのかしらねぇ。 本当にコメントに困るんだけど……」
 そもそも量産目的なら要らないガワも作る必要無かったのでは等、天然なひりょとは対照的にリアリストな考えを巡らせていた。
 モグラ女子として己の身体と美に向き合い突き詰める彼女にとって、敵の作戦はあまりにも馬鹿馬鹿しいのだろう。
「個人的には無言で張り倒したいんだけど……張り倒しますか。 といっても、正確には刺し貫くって感じだけど」

 男女間の異なる温度差を見せた所で、冬香が口火を切る。
「そうね、今度は攻守交替してみようかしら。 あなたが支援で私が飛び込む、それでいいわよね?」
 愛銃に腰掛けながら、どうかしらとひりょへ上目遣いで問いかけた。
「ええ!? 勿論腕前を信じてないわけじゃないですが、だ、大丈夫なんですか?」
 冬香の提案にこれまた度肝を抜かすひりょ。
 本日は彼女に翻弄されっぱなしだ。
「私にとってはまだまだ大きな的だけれど……あなたの相棒にとっては小さい的になってしまったでしょう? 近接でやり合うには少々やりにくいんじゃないかしら」
 的を射た指摘に、ひりょはウッと心のダメージ音を漏らす。
「…………わかりました! 背中は俺が全力で守ります!」
 深く目を瞑り一時思案したひりょだったが、カッと見開き決意を秘めた視線を返して男を見せる。
 そんな彼を満足そうに見つめ返すと、冬香はラヴィーネを担いで敵陣へ跳び出すのであった。

 眼前に広がる地平線を埋め尽くすロードランナー達の大群。
 それに臆することもなく冬香は駆ける。
 障害物の影を縫って身を晒さないように移動してはいるが、接近すれば囲まれるのも時間の問題だろう。
「もっとも、こっちはあの大きさを見失っても気づかないってことは無いでしょうけど。 だからこそ、相手が死角へ来ない様に意識しないとね」
 射線を外れた敵からの攻撃は、生身で単身乗り込む冬香には致命傷だ。
 しかし、後ろには彼がついている。
「ちょっとわがままだったかしら? ふふ、でも付き合ってもらうわ。 私好みの展開だものね!」
 
 冬香が敵と接敵するのが見えたころ、ひりょはルクス・テネブラエの中で力を集中させていた。
「受けた恩は必ず返す。 俺の信条に背かない為にも、そして彼女のためにもここは頑張りどころだぞ……!!」
 ひりょが広角モニターで遠方のロードランナーが脱皮した抜け殻を捕捉すると、精霊たちの力を送り込む。
「元素の疑似精霊たちよ、目覚めろ!」
 ひりょの言葉が届くと、残骸は応えるようにグラグラと揺れ動き、スッと宙に浮かび始める。
 それが光りに包まれていくと、呼びかけていた疑似精霊へ変換されていった。
「よし、と。 わざわざ媒介を用意してくれたことにはソセランゾに感謝だね」
 上手くいったとひりょが喜ぶと、彼は精霊に再び呼びかけ冬香の手助けを請う。
 するとまずは水の精霊が散って、ロードランナー達の関節や駆動部を凍結させて動きを鈍らせていった。
「足さえなんとか出来ればこっちのもの……だよね、たぶん。 後は頼んだよ!」
 緊張した面持ちで、ひりょはモニターを見つめるのであった。

「…………!! 敵の動きが変わった、流石ね!」
 敵の猛攻を掌から展開する障壁シュピーゲルで凌いでいた冬香が、物陰から顔を出す。
 後方支援が来たからには、もう彼女に怖いものはない。
「これなら目を瞑ってたって当てられるわ! さぁ、鉄の雪で撃ち砕いてあげる! くらでもいらっしゃい!」
 携行しているニードルガトリングガンを構えると、上空から装甲の薄い部分を狙い撃っていく。
 先ほど様子を伺っていた際に、ロードランナー達は戦車のように上部装甲が薄いことは調べが付いていたのだ。
 鋭い鉄針が走行を貫くと、動力部を直撃、たちまち全焼して冬香より遥かに大きな鉄の塊が沈んでいく。
 しかし、そんな結果を見るまでもなく、空中を蹴って走る彼女は止まらず獲物を仕留め続けていく。
 撃った時点で当たると分かっている自身があるからだ。

「動いたか……! なら俺も続くぞ!」
 前衛が好調なことを確認すると、ひりょは次の精霊に語り掛ける。
 相手は鉄を形作る火と地の精霊だ。
 彼らは無数の残骸を燃え盛る隕石に変えると、冬香の死角や射程外の敵を次々押し潰していき、余波の熱波と衝撃が後続を彼女へ近づけさせないようにしてくれた。
「大盤振る舞いだ、遠慮せず受け取ってくれっ!!」
 大空から降り注ぐ隕石地獄、地上は足を止めれば剣山のように刺される針地獄。
 二人の即席ながらも息の合ったコンビネーションで、敵は阿鼻叫喚で指揮系統を狂わされ、またもや大敗するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セレーネ・ジルコニウム
【ガルヴォルン】
「あれが敵の機体の真の姿ですか。
ならば、私もキャバリア、スティンガーで出ます!
近接フレームで出撃準備をお願いします!」

ストライダーの艦長席から立ち上がり、格納庫に向かいましょう。
【近接フレーム】に換装したスティンガーに乗り込み、メアリーズさん、リリーさんの援護に出ます!

「セレーネ大佐、スティンガー近接フレーム、発進します!」

カタパルトから射出され、そのまま敵機に接近。
スティンガーの近接武装である実体剣、ビームブレード、ビームダガーなどで攻撃です!

「メアリーズさん、リリーさん、この程度の敵、私に任せてください!
って、きゃあっ!?」

近接武器の射程外からの攻撃!?
どこからですかっ!?


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
※『ナインス・ライン』搭乗&呼称継続
※アドリブ絡み歓迎、ツッコミ役
【ガルヴォルン】に随伴

…うん、上半身抜きで仕上げる技術力はスゴいよ
おかげでキャバリア共通規格の完成度も再確認したし
でもさ、最初からコレじゃダメだったのかねー…
ガワの費用で手持ち火器揃えれば十分威圧できない?

ま、貧乏性はこの辺で…お仕事再開っと
…ん、大佐ソレ近接仕様?

やれやれ…救援兼ねて突っ込むよ
囲めばイケると思うなら甘いさ
メアリーズさん距離取ってっ
あ、ついでに大佐も退かしてね♪

オペ2番【ファンタズマ・スフィア】開始、攻撃力重視
『ドゥームズ・レイ』他の【弾幕】と粒子爆縮で全方位薙ぎ払うっ
物陰等に伏兵が居ても全部砕けば関係ないよね♪


メアリーズ・エリゴス
【ガルヴォルン】

あの、初めから偽装なしの方が安上がりで数増やせたのでは?
まぁそんな機体で戦闘続行しようだなんて、死んでもしりませんよ?
きひっ!だって、コクピットと脚だけの機体で簡単にコクピットに直撃しちゃいますらかねぇぇ!

大佐が出ましたか……ハァ?接近フレーム?
相手は下半身だけですよ?人殺し避けるなら脚しか斬れませんよ?なんでそんな縛りプレイを?
まぁ好きにしてください、私は【オーバードーズ】して、壊(アイ)していきますから
って、あぁぁ!「ん?」ではないです!念動誘導ミサイルで大佐への攻撃迎撃したのに気づいてないんですか!
大佐!どいてください、邪魔ですぅぅ!
退かないなら強制的に退かしますよぉぉ!



 爆撃、暴走、何でもありのハチャメチャなコークサン国境防衛線。
 ガルヴォルンのかしまし三人娘の協力プレー(?)により、敵国ソセランゾの主線力大隊を殲滅することが出来た。
 しかしこれで終わったと思われたその時、青い指揮官機が現れそれと同時に破壊した機体が起き上がる。
 下半身だけのそれらは、脱皮するようにオーバーフレームを脱ぎ捨てると真の姿をガルヴォルンに見せつけた。

「えぇっ!? 新手の反応多数! モニターに出します、メアリーズさん、リリー先生確認してください!」
 ガルヴォルンを象徴する旗艦・ストライダーの艦長席でセレーネ・ジルコニウム(私設軍事組織ガルヴォルン大佐・f30072)がオーバーリアクションで帽子を落としながら仲間達へ情報を送る。
「これが敵の機体の真の姿ですか……」
 落とした帽子を被りなおし、ゴクリと唾をのむ。
 アンダーフレームだけで動く掟破りのキャバリアがその目に写されれていた。

 しかしこの事実に驚いていたのは、一般常識に欠ける大佐のようだ。
「あの、初めから偽装なしの方が安上がりで数増やせたのでは……?」
「……うん確かに。 でも上半身抜きで仕上げる技術力はスゴいよ。 おかげでキャバリア共通規格の完成度も再確認したし。 でもさ、最初からコレじゃダメだったのかねー……ガワの費用で手持ち火器揃えれば十分威圧できない?」
 送られて来た情報をモニターで確認すると、メアリーズ・エリゴス(生体CPU・f30579)もリーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)も呆れた様に指摘する。
 元から大した戦力になっていない上に、防御力もてんで無いハリボテをわざわざ用意する意味とは……?
 量産目的のキャバリアなのにどこか矛盾している設計思考に、二人共疑問を抱く。
 だがそれを聞いていたのか、青い指揮官機がオープン回線で反論してきた。
「う、うるさーい!! 我が祖国ソセランゾの威厳を見せるために、わ、ざ、と、用意したのだ!! 国という面子の大切さを貴様ら一般猟兵ごときではわかるまい!!」
 彼女らに図星を突かれたのか、やたら大声で喚き散らす。
 俗に言うムキになっているという奴だろう。
「きひっ! でもそれって結局無駄ってことに変わりはないですよねぇ?」
「ぐぅ……」
 メアリーズのトドメによって、ぐうの音しか出せない指揮官機であった。

「まぁそんな機体で戦闘続行しようだなんて、死んでも知りませんよ?」
 ガルヴォルンメンバーで唯一前線に立っていたメアリーズが、鎮まっていた『ロートガル』の眼に再び火を灯す。
「だってコクピットと脚だけの機体なんて、簡単にコクピットへ直撃しちゃいますらかねぇぇ!」
 相手がまだ立ち上がるのは、壊(アイ)が足りなかったから。
 彼女のグルグルと狂気渦巻く瞳には、眼前の敵が誰であろうとどうであろうと変わりはない。
 等しく皆を壊(アイ)すべく、彼女は手当たり次第に暴れ出した。

「あぁっ! メアリーズさんがまた孤立戦闘初めてしまいました! 仲間のピンチを見捨ててはガルヴォルンの恥、こうしてはいられません! 私もスティンガーで出ます!」
 ストライダーから一部始終を見ていたセレーネは、いてもたってもいられなくなり艦長席をほっぽり出してハンガーへ向かう。
 艦長が席を放置とはいかがなものなのだろう……?
 しかし情に厚いドジっ娘にそんなことは関係ない。
 試作型キャバリアの『スティンガー』に乗りこみ艦内AIにフレーム換装を高々と命じる。
「弾の準備時間が惜しいです! 近接フレームで出撃準備をお願いします!」
 キャバリアのウェポンラックに近接装備を引っ提げただけの簡素な装備に切り替えると、ストライダーカタパルトに機体がせり上がった。

 先の戦闘時からカタパルトデッキに出ていたキャバリア『ナインス・ライン』内部。
「ま、貧乏性はこの辺で……お仕事再開っと」
 リリー先生が慣れてますともといった表情で手元に視線を戻す。
 前線に一人出ているメアリーズが独断先行でおっぱじめてしまったため、再度彼女の機体を守るためにサポートする必要があるのだ。
 そうしてウインド・ミルを飛ばそうとしたとき、後方のカタパルト搭乗口が上昇する音が耳に入る。
 眼をやると、見慣れた機体がそこにあった。
「……ん、大佐ソレ近接仕様? 近接戦闘なんてやったことあるの? あれって……」
「リリー先生、メアリーズさんが危ないんです、その話は後で! 時間がありませんセレーネ大佐、スティンガー近接フレーム、発進します!!」
「あ……いっちゃった」
 やたらと行動力だけはある艦長は、話を遮り戦場へ飛び立つ。
 残されたリリー先生は唖然としながらその後姿を見つめていた。
「運動神経良くないと大変だよって教えてあげようと思ったんだけどなぁ。 大佐って運動音痴だったような?」
 メアリーズのような薬物によるブーストや、リリー先生のような視神経から何まで手を入れた改造人間状態でもなければ多対一など生き残れないだろう。
「やれやれ……うちのドジっ娘様も手が焼けるね。 私も救援兼ねて突っ込むよ」
 艦を放り出した家出娘を追うように、リリー先生もカタパルトから出撃したのであった。

 カタパルトで飛ばされ風を切るスティンガー。
「近接の鉄則は先手必勝! 速度を乗せたまま叩き斬ります!」
 セレーネが己を奮い立たせるかのように叫ぶ。
 そのままウェポンラックから日本刀のような細長いキャバリアブレードを抜かせると、戦場に飛び込んだ瞬間にロードランナー達の脚部をなます切りにしていった。
 しかしロードランナー達がわらわらと詰め寄って来ると、リーチのある得物ではコックピットを傷つけてしまうため取り回しが悪いと判断。
 すぐさまビームダガーを両手にそれぞれ握ると、飛び掛かる敵をばったばったと切り伏せる。
 高い計算能力が敵の動きを、その軌跡を、行動の全てを予測できてしまうのだ。
 ……というのは、あくまで彼女セレーネの主観である。
「どうです私にだってこれくらい出来るんです! メアリーズさん、リリー先生、この程度の敵、私に任せてください!……って、きゃあっ!?」
 呆気なく彼女の無双伝説の幻想は終わりを告げる。
 機体後方で、直撃こそ免れたが爆発音が上がったのだ。
「視覚外からの攻撃!? い、いったいどこからですかっ!?」

 時はすこし戻り、セレーネが飛び出した頃の前線。
「大佐が出ましたか……ハァ? 接近フレーム?」
 味方の識別反応が増えたことで、メアリーズがレーダーを一瞥して声を上げる。
 我らが艦長殿は身体を弄っていないピュアなのである。
 おまけに運動音痴もプラスして、機体性能だけでは近接戦闘なんて命知らずもいいところだろう。
「相手は下半身だけですよ? 人殺し避けるなら脚しか斬れませんよ? なんでそんな縛りプレイを?」
 下手なのに縛りプレイの二重苦三重苦。
 流石はドジっ娘艦長。
「まぁ好きにしてください、私はこのまま壊(アイ)していきますから」
 後方にはリリー先生も着いているのだからと、再び暴れまわろうと目を離しかけたその時。
 敵陣に突っ込んでいったスティンガーが早速後ろを取られているではないか。
「って、あぁぁ! マイクロミサイルポッド発射! 念動誘導で確実に当てます!」
 言わんこっちゃないと、慌ててメアリーズがセレーネのカバーに入る。
 放たれた無数の弾頭は、オーバドーズによる多感なメアリーズのサイキッカー能力と相まって百発百中の精度で敵機を撃ち落とす。
 その爆発音に驚いたのか、スティンガーがこちらに振り向き不思議そうにしていた。
「何キョトンとしてるんですか! 私が迎撃してなかったらどうなってたと思ってるんです!」

 そうして今に至る。
 セレーネが間一髪という危機を脱したところで、後続のナインス・ラインに乗ったリリー先生も戦場に着地した。
 だが先ほど飛んで来たスティンガーで奇襲は既に対策されており、すぐさま着地点にロードランナーが集まって来る。
「おっと、囲めばイケると思うなら甘いさ」
 深海よりも深い群青に染まるずんぐりと重量感のあるキャバリアが、その装甲表面を淡く緑の光りを灯し輝き始める。
「アレ使うよ、メアリーズさん距離取って! あ、ついでに大佐も退かしてね♪」
 圧縮されたエネルギーが臨界を迎えるように、せつなく苦しい音を上げて光はさらに強まっていく。
「大佐! 危ないですどいてください、邪魔ですぅぅ! 退かないなら強制的に退かしますよぉぉ!!」
「え、ちょちょっと、まってくだ……ひゃぁ!」
 通信を受け取ったメアリーズは、血相変えてスティンガーの首根っこを鷲掴むと高出力の各部スラスターを吹かし戦線を離れる。

「オペ2番ファンタズマ・スフィア開始、攻撃力重視、粒子爆縮で全方位薙ぎ払うっ! どれだけ数がいようと、物陰等に伏兵が居ようと、全部砕けば関係ないよね♪」
 遂に臨界を超えた光は戦場を突き抜け全てを包む。
 緑色の粒子は触れるものすべてを侵食していき、辺り一面枯れ木一つ何も残らない荒れ地と化すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『運命蒼機『壱式小熊猫』』

POW   :    壱式試験システム
【危ないシステム音】【未来予測】【リミッター解除】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    安っぽいマシンガン
【銃口】を向けた対象に、【マシンガン】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    機体サイズの割に大きすぎるミサイル
【腰に収まりきらないサイズのミサイル】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠月夜・玲です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 敵を誘い、第二陣で囲む作戦も途中までは上手くいっていた。
 計算外だったのは猟兵が強すぎたことだ。
 粗製乱造の量産機では全く歯が立たなかったのである。
「ぐ、お、おのれ~猟兵共!! 我がソセランゾの底意地を見せてやろう!!」
 遥か後方の安全地帯から物見雄山を決め込んでいた青い指揮官機は、目の間で起こったことに心底衝撃を受けながらも心は折れない。
 今までの量産機とは違いどっしりとした駆動音で駆け寄って来ると、こちらを指差し喚き散らす。
「ふぅはははは!!! この機体だけは私の身の安全のために強化されているのだ! さらに! パイロットの質も違う! そこいら一山いくらの庶民とは違い俺はオブリビオンとして覚醒したのだ!」
 やたらユニークな人間じみた動きでキャバリアが高笑いする。
 どういう構造なのだろうか?
「さぁ来い猟兵共! 俺様の運命蒼機が成敗してくれるッ!!」

 これが最後の機体だ。
 やたらと口だけはデカイ敵を成敗してやろう!
カイ・ザァド
「口だけは大層デカいようだが!! 実力が伴っていなければただの張りぼてである!! その虚飾にまみれた力、剥ぎ取ってやろうぞ!!」

 引き続き合体状態を維持! 堂々と55mの巨体を生かした【重量攻撃】の【切り込み】で【串刺し】にしてやろうぞ!!
 マシンガンなどは【オーラ防御】に加え【念動力】で盾を操り【盾受け】で鉄壁の体勢で受けつつ、【スナイパー】で突撃だ!!
 我がLibraからは逃れられん!! 
 

「カイザァっ!!」
「スパイラルウゥゥゥゥ!!!」
「アタックウウウウウゥゥゥ!!!」

 貫通し! 背後に爆発を背負う! 無論、パイロットの位置は外すぞ。


鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
WIZ
前回に引き続きキャバリアで参戦
とうとうボスが出てきたか!

さっきまでとは流石に違うようだ(機体の性能や構造的にも)
コミカルな感じの相手だが決して油断はできないな!

え、あんなでっかいミサイル、どこから出したっ!
慌てて飛行しミサイルを回避
【空中戦】の適性もあるから姿勢制御も何とかなると思うけれど…
万一に備えて【オーラ防御】でのダメージ軽減も視野に入れておく

序盤はテネブラエソードの衝撃波を乱れ撃ちで打ち出して空中からの遠距離攻撃
勝負に出るタイミングで黄昏の翼を発動
それまでに自分及び味方の食らったダメージ分、能力を底上げし一気に畳み掛ける
テネブラエソードでの接近戦で勝負!



 非常にしつこいソセランゾ軍を壊滅させた猟兵達。
 息をつく暇もない連戦が続いたが、その疲弊の瞬間を狙うように敵指揮官機が前に出る。
 その青い機体はやたらと偉そうにふんぞり返ると、こちらを見下すようにこれが最後の戦いの幕開けであることを喚き散らした。

「とうとうボスが出てきたか!」
 散々量産機を薙ぎ倒して来た鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)が声を張る。
 散っていったロードランナー達をゴミのように踏みつけ迫って来る気迫に、ひりょも緊張感を増していく。
 じっと互いの間合いを見極めるように距離を詰めると、青い機体の造形が細部まで鮮明に捉えられた。
「(ゴクリ)今度の奴、さっきまでとは流石に違うようだ……!!」
 ハリボテマシン達は重量が軽く、安っぽい駆動音が特徴的であった。
 しかし目の前の敵はズシリと、ちゃんとキャバリアらしい覇気を感じる。

 ひりょが今にも仕掛けようとしたその時、地が揺れ砂埃が舞い風が舞う。
「口だけは大層デカいようだが!! 実力が伴っていなければただの張りぼてである!! その虚飾にまみれた力、剥ぎ取ってやろうぞ!!」
 突如空気を割らんばかりの大声量がひりょの頭上から響き、彼のキャバリア『ルクス・テネブラエ』の中にまで伝わって来る。
「な、なんだ!? って、おお!? すごい……! すごく強い! すごくでかい! すごいロボットだ!!」
 ひりょの見上げた空を覆う白い巨躯。
 そう、彼こそがこの戦場で最大級のキャバリア、カイ・ザァド(猟兵皇帝・f30942)だ!
 白く輝くボディに傷も汚れも負わない、全高55mの誇り高き無敵のスーパーロボットなのである。
「ひぇ! き、貴様こそ図体ばかりデカイハリボテだろう! 我がソセランゾの誇りに比べれば小さい小さい!」
 カイ・ザァドの作る影にすっぽりと覆われながらも、青い機体の口は減らない。
 そんな相手をギンと睨み付けるとカイ・ザァドが口を開く。
「どうした、声が震えているぞ。 その誇りとやらはメッキであったのであるか?」
「…………!!!!!」
 返す言葉も無いのか、声にならない声を押し殺して悔しそうに指揮官機が震えた。

「はは、よし! 頼もしい味方も来てくれたしこの戦いを終わらせよう! それと、敵はあんな感じだけど決して油断はできないみたいだよ」
 張り詰めていたひりょの緊張の糸が解れいつもの調子に戻ると、上を見上げて戦友に語り掛ける。 
「助言痛み入る。 しかし心配無用なのである! 我は敵を前にして一切の油断はしない!」
 敵から目を離さず戦闘体勢を崩さないカイ・ザァド。
 そんな彼を見ていると、先ほど敵に感じた覇気の様なものは所詮偽物の虚勢であるとひりょは気付く。
「それを聞いて安心したよ。 いや、勇気をもらったと言ってもいいだろうね。 だからこそ、俺の機体は小回りが利くし敵の引き付け役を買うよ!」
 本当の勇ある者とはどうあるべきか、それを教えてもらったひりょが男の目つきに変わる。
「承知したのである。 我が分身であるCancerも共に征かせる、我は彼奴めを確実に仕留めよう!」
 真の男同士が絆を繋ぐ。
 今、二人の戦士が、平和な国を脅かす巨悪へと立ち向かう!

 まず先陣を切ったのはひりょと彼の愛機のルクス・テネブラエ。
 白と黒のコントラストが光る翼を広げて地を蹴ると、まるで慣性などに囚われないような機敏な動きで運命蒼機へと近付いていく。
「俺はこっちだ! 当てられるものなら当ててみるんだね!」
「ぐぐ、小癪な! まずは貴様からハチの巣にしてくれるわ!!」
 敵は手にしていた安っぽいマシンガンを置き撃ちするようにバラ撒いていく。
 威力はともかく連射速度はそこそこのようで、最初は容易に避けていたひりょも接近するごとに厳しくなっていく。
「くっ……これ以上は厳しいか!?」
「今こそ我が分身の出番なのである!」
 遂にルクス・テネブラエの翼へ弾がかすめた時、彼の後ろを追従していたカイ・ザァドの巨大盾Cancerが身を挺してひりょを守る。
「助かったよ! ありがとう!」
 仲間の作ったチャンスを活かし、盾を蹴ってさらに加速すると風を切るテネブラエソードに空気の渦が巻き上がる。
 それをマシンガンに向けて一閃すると、風刃が飛び武器を真っ二つに切り裂いた。
「どうだ!」
「ぬぅわははは! 甘いわ! 俺様のビッグマグナムを受けるがよい!!」
「しまっ……!?」
 敵の主兵装を奪ったと思った、しかし隠しダネが内蔵されていたようで、股間から明らかに入りきらない巨大ミサイルが現れる。

「我がLibraは全て見通しているのである!」
 カイ・ザァドのレーダーユニットは既に熱源を感知しており、ひりょに命中する前に動き出す。
 手にしていた大剣LEOを擲つと、回転した刀身が発射直後のミサイルをちょん切ってそのまま大地を割る。
「ふぅぐぅお!? わ、我がビッグマグナムがぁ!!」
 運命蒼機は爆風にあおられながら股間を押さえて飛び跳ねる。
 飛ばしたのはお前だろう。
「し、しかし! これであのすばしっこいのは火の中だ! やったか!?」
 敵の期待とは裏腹に、燃え盛る爆炎から姿を見せたのは白と黒の翼で自身を覆うルクス・テネブラエの姿。
「翼よ、今こそ顕現せよ!」
 ひりょの声と共に翼を大きく広げると、オーラと共に火がかき消える。
「うむ。 必ずや打ち勝つと信じていたのである。 それでこそ勇気ある戦士の姿のであるな」
 ひりょを救ったカイ・ザァドは、満足そうにそう呟いた。

「さぁこれ以上の小細工は無駄なのである! 我が覇道でそのひねくれた悪を打ち砕いてやろう!」
「俺もやられた分はしっかり返させてもらうからな!」
 二人が声を合わせて叫ぶと、カイ・ザァドの巨体が地を離れる。
「カイザァっ!」
 彼の真紅のマントを身体の前に翻す。
「スパイラルウゥゥゥゥ!!」
 そしてそれを巻き込むように身体全体を回転させると、超巨大な螺旋削岩機のような形態となった。
「ダブルゥゥゥ!!!」
 その回転にルクス・テネブラエが加わり、白と黒の二重螺旋が渦巻いていく。
「「アタックウウウウウゥゥゥ!!!!」」
 二人の戦士が息を合わせて運命蒼機に飛び掛かり、そのまま抉って貫き通す。
 そして貫通した二人が離れた場所に着地すると、後方で空に伸びる爆炎が立ち昇った。
「お、おのれ猟兵どもめぇぇぇ!!!!」
 コックピットは外したが、それでもこじ開けた大穴は致命傷だ。

 この決定的な勝利の炎を背に、カイ・ザァドとルクス・テネブラエは堅い握手を交わすのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

塩崎・曲人
一番安全なのは、そもそも戦場に出てこないことなんだが
雑魚の数を揃えても、指揮官を替われる人材が居ないんじゃこうなるわなぁ
「後はテメーをボコるだけってんなら遠慮もねぇ!ハナから全開で行くぜオラァ!」
(怒髪天モード)

相手の火器は取り回しが良いが小口径で貫通力が微妙、と
ンなら対処は決まってんだろ
「被弾は恐れず突っ込んで、回避できない間合いでデカくて痛い一撃をブチ込む!」
(近接ブレード振りかぶりつつ)
戦争はDPM(単発火力×リロード)だぜ博士
あ、よく考えなくても今は数でも勝ってんな

実のところ、無策でヒャッハーしてるわけじゃねぇ
デカくて痛い攻撃はどうしても無視がしづらい
つまり仲間が隙を狙う囮に最適なのよ


鍋島・小百合子
SPD重視
他の猟兵との連携可

ここまでやられても凝りもせずに攻めてくるとは大した度胸じゃ
減らず口をその蒼いきゃばりあごと叩き斬ってくれるわ

「我が駿馬の早さについてこれるか!」
UC「鎧装馬騎乗」発動
召喚した鎧軍馬に騎乗、人馬一体となりては敵きゃばりあに向け突撃
小回りの良さを活かしては馬を操り、薙刀による鎧砕きの勢いで咄嗟の一撃をすれ違いざまに叩き込んでいく(なぎ払い、切り込み、騎乗突撃併用)
一撃離脱を意識して立ち回る
敵からの砲撃には回避を重視、間に合わない場合は薙刀を風車の如く回し武器受け防御
他の猟兵と連携する場合は遊撃を担当し敵の動きを攪乱す



 突如現れた大迷宮、そしてその中を爆走しながらソセランゾ軍を蹴散らす猟兵達。
 数を分断し敵の強みを完全に殺して撃退した彼らは、勝ち誇りながら迷宮を後にする。
 当然、彼らの他に出て来るものはおらず、敵の指揮官機はその事実に打ちのめされわk

「お、おのれ~!! こうなれば俺様自ら出てやろう!!」
 配下がいなくなったのであれば仕方がないと、敵の青い指揮官機が遂に猟兵達の前に現れる。
 常に後方で自分の身の保身だけを考えているかのように、じっと動かなかった彼だが、このまま負けて帰るわけにもいかないのだろう。
「ふむ、ここまでやられても凝りもせずに攻めてくるとは大した度胸じゃ」
 今までの態度はともかく、おめおめと逃げ帰らなかったことだけは評価する鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)。
 仲間の死を無駄にし、背を見せる恥を晒したならば、その情けなさに鍋島が激怒したことは間違いない。
「あっ! 貴様はあの迷宮を作った女だな! 姿を見せたが最後よ! 貴様さえやれば俺様の安全は間違いなし!」
 今回の敗因は小細工で負けたからだと、女々しい言い訳をしつつ運命蒼機が鍋島を指差し激昂した。

「安全ねぇ……一番安全なのは、そもそも戦場に出てこないことなんだがな」
 コークサン産のキャバリアのハッチから顔出し、頭をポリポリと掻きながら塩崎・曲人(正義の在り処・f00257)がかったるそうに口を挟む。
 彼のキャバリアは度重なる連戦と粗雑な運転により、外装が所々ベコベコになっており、オイルを返り血のように浴びて錆色に染まる。
 しかしかえってそれが初陣ながらも歴戦の風格を漂わせていた。
「はん! 今回は少々押されはしたが、我が祖国にはこの何倍もキャバリア部隊が揃っているのだ! 今に待っていろ!」
 ここで時間稼ぎをして増援を待つ気なのだろうか。
 やたらと数だけを誇る指揮官機だが、そんな彼を憐れそうに見つめて曲人が言葉を返す。
「はぁ、あのなぁ……どれだけ雑魚の数を揃えたところで、指揮官がこんなのしか居ないんじゃこうなるわなぁ」
「これ以上は何を言っても無駄じゃ。 彼奴の減らず口をあの蒼いきゃばりあごと叩き斬ってやるまで直りはせんわ」
 呆れて目を覆う曲人に、鍋島が話し合いの不毛さを説く。
 バカは死んでも治らないとはいうが、はたして敵機もそうなのだろうか。
「はは、なるほどな。 確かに後はヤローをボコるだけってんなら遠慮もねぇ! だったら、ハナから全開で行くぜオラァ!!」
 そう叫びながら曲人が目を覆っていた手で、髪を掻き上げるようにどかしていく。
 すると今までただ悪いだけだった目付きがさらに鋭く怒りに染まり、掻き上げた髪が立ち上がって怒髪天を衝く。
「ぐぅおおお!! 貴様ら俺様をバカにしているだろう!! 許さん!!」
 コミカルな動きで怒りをアピールする運命蒼機が、対抗するように頭を真っ赤にして湯気を上げるのだった。

「悪いが今回は置いてくぜ! アンタは後ろから着いてきな!!」
 曲人はハッチを閉めると、キャバリアの下半身をヴィークルモードにして砂煙を巻き上げ走り出す。
 怒りで口が悪くなっているのか、鍋島をまるで挑発するかのように言い残していった。
 しかし、気位の高い彼女がそう言われて黙っているはずもない。
「言うたのぅ!! 戦に遅れたとあれば名が廃る、貴殿こそ我が駿馬の早さについてこれるか!」
 売り言葉に買い言葉、鍋島が口笛を鳴らすと鎧を着こんだ巨大な軍馬が現れる。
 一般的な騎馬よりも一回り二回りも逞しいその鎧軍馬は、鎧を背負っているとは思えない程に軽快に動き彼女の側へ寄った。
 よく飼いならされているのか戦場の音にも驚くことはなく、勇敢で賢さを感じさせた。
 鍋島の方も鎧を身に着けながら、軽々と自身の身体を持ち上げ巨躯の馬に跨り駆け出す。
 目指すは曲人のキャバリア。
 そしてその先である。

「ぶわははは!! バカはお前らの方だったな! 真正面から来るとは狙ってくれといっているようなものよ!」
 馬鹿正直に突っ込んで来る曲人のキャバリアを見て指揮官機が高笑い。
 そして悠々と盾を構えながら、手にしていた安っぽいマシンガンを乱射する。
 しかし、それでも曲人はブレない退かない止まらない。
「ヒャッハー!! んなもんでオレをやれるかよォ!!」
 既にボロボロであった彼のキャバリアの装甲に傷が増えていく。
 いかに重装といえど、徐々に削れていけば中からアンダーフレームが見え始めた。
 だが幸いにも駆動系には届く前に間合いを詰めている。
 一切の迷いを怒りで捨て去ったおかげなのだろう。
「被弾は恐れず突っ込んで、回避できない間合いでデカくて痛い一撃をブチ込む! オレの作戦は最初から最後までこれ一択だ!!」
「ひぃぃぃ!! く、来るな! 来るなぁぁぁ!!!」
「ウォラァァ!!」
 曲人のキャバリアが大きく腕を広げると、加速し続けた威力を乗せた全力ラリアットで運命蒼機の盾をかち割った。
 速度と質量は正義なのである。
「へっ、戦争はDPM(単発火力×リロード)だぜ博士。 あ、よく考えなくても今は数でも勝ってんな」
 そう呟いて、曲人は後ろに視線を送った。

 実のところ、彼は完全に怒りで我を失っているわけではなかった。
 自らが弾避けとなり、仲間のために隙を作っていたのである。
 そして今、曲人のキャバリアによって大きく仰け反った運命蒼機の目の前に鍋島の影が舞う。

 鍋島の乗馬能力は、自称するだけあり凄まじいモノであった。
 本来の素質以上に馬の力を引き出し、なんと車輪駆動のキャバリアに追従していたのである。
 キャバリアの踏み締めた轍を的確に通り、馬の跳躍力を伸ばしながら操る手腕。
「好機じゃ! 空を駆けよっ!!」
 そして人馬一体の呼吸のあった体重移動で、今まさに敵指揮官機へ飛び掛かっているのである。
 手綱を離し、両手にしっかりと握った身の丈ほどもある大薙刀を振りかざす。
「その腕、貰ったぁ!! まずは一本っ!!!」
 曲人がぶつかり、運命蒼機が隙を見せてからの一連の動作はまさに一瞬。
 敵が鍋島に気が付いたころには、マシンガンを持っていた腕が宙を回転していた。
「あがぁぁ!! き、貴様、俺様の、俺様の腕が!?」
 切断面からバチバチと行き場を失った電気が爆ぜる。
 その瞬きを背に、鍋島は油断せずにすぐさま距離を取った。

 盾も武器も失い取り乱す運命蒼機。
 それを挟み打ちするように曲人のキャバリアと鍋島の鎧軍馬が囲む。
「アンタ良い腕してるじゃねぇか! あんなに早いとは正直たまげたぜ!」
「貴殿も中々の食わせ者じゃの! さぁ、終わりにするかえ!」
 互いの能力を称えあうと、二人同時に敵機へ詰める。
 曲人はキャバリアの腕を広げた上半身をミキサーのように回転させ、鍋島は大薙刀を風車の如く振り回して回転の力を溜める。
 そして両者が運命蒼機にすれ違うと、青いキャアバリアは声も無く崩れ落ちるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
えっとさ…オブビリオンってそういうのじゃないぞ?
過去の存在が暴走して蘇ったもんだ
だから…一般人がそうなるのは…多分違うんじゃないかな?(思い込んでるか変なの憑いてるのかな?
後おれのヘカテイアと何か響きが似てるな!(ふるふるする神機

所で…ブルーな運命なのかザブング…(ry

【属性攻撃】
炎を機体全身に付与
【戦闘知識】
動きから戦い方とか癖とか一応搭乗席の位置を確認

UC発動
【見切り・第六感・残像・空中戦・盾受け】
飛び回りながら
【レーザー射撃・遊撃】
ガンドライドで射撃で牽制
【二回攻撃・早業・串刺し】
槍で串刺しにして更に剣で切り刻み
【重量攻撃・砲撃】
最後にブラックホールキャノン発射!
耐えろよー!!


黒影・兵庫
({要塞蠍}に搭乗したまま)
自分の機体だけ金掛けるなんてセコイねー!あーやだやだ!
(「指揮官だから簡単に倒れちゃまずいし、そりゃお金はかけるでしょ。アイツの場合はやり過ぎだけどね」と頭の中の教導虫が話しかける)
そんな上司についていきたくなんかないってーの!
もしかして部下に嫌われてない?
ま、いいや!それじゃあその機体の性能チェックしてやるよ!
(UC【煉獄蛍】で要塞蠍に着火し人肌温度にした後、『衝撃波』の『ダッシュ』で敵にぶつかり燃え移らせる)
何度まで耐えられるかな?
まずは鉄が溶ける温度までいってみようか!


カシム・ディーン
本当にいい加減にしろよお前!この世界どころかこの物語が消されたらどうするんですか馬鹿野郎!
「あっはっはっ!確かゲームだったかな?それともザブ…」
こらー!
後あのゲーム難易度高すぎだ馬鹿野郎
兎に角UC発動
【戦闘知識・情報収集・視力】
動きと癖と戦闘経験からの構造解析を行う
一応搭乗席の位置も把握
UC発動
おいメルシー
あれいくぞ
「あれだね♪了解♪」

【属性攻撃・念動力・二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み・スナイパー】
超絶高速機動で襲い掛かる
念動光弾で射撃を放ちながら接近
ハルペーで連続斬撃から安っぽいマシンガンの強奪

一応パイロットは不殺
オブビリオン言ってるけどこの世界だと機体の方の可能性が高いですしね



 既に他の猟兵達にボコボコにされたのか、ふらふらと千鳥足で青い指揮官機の運命蒼機が現れる。
「く……こ、この程度ぉぉぉぉ、ふんっ!!」
 グッとキャバリアの腹筋(?)に力を入れて胸を張ると、運命蒼機が快復した。
 どういう構造になっているのかは不明だが、やたらと人間じみた動きで肩を回し快調であることを見せつける。

「うわ……あいつ自分の機体だけ回復機能まで付けて金掛けるなんてセコイねー! あーやだやだ!」
 無残に散っていったソセランゾ軍の残骸を踏み締めて悠々と自身だけは生き残る敵を軽蔑しながら、黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)がこれみよがしに口を開く。
 向こうのわざとらしい『効いてないアピール』も鼻につくうえ、共に戦場に出ていれば救えた部下は数えきれないだろうことも腹が立つのだ。
『まぁあれでも指揮官だものね。 簡単に倒れちゃまずいし、そりゃお金はかけるでしょ。 だけどアイツの場合は流石に露骨過ぎよ』
 上に立つ者としての立場も理解する『せんせー』が口を挟むが、そのせんせーをもってしても敵指揮官はそれに相応しくない振る舞いと評価したようだ。
「そうですよねー。 俺だったらそんな上司についていきたくなんかないってーの!」
 散々にソセランゾ軍の指揮官をこき下ろし、言いたい放題の黒影。
 ちなみにこの会話はオープン回線なので当然敵も聞いている。
「…………貴様! おい貴様ぁ!! 人が黙っていれば好き放題言いおってからに! 教育がなってないんじゃないのか! 第一、俺様はあの大軍を指揮していたのだぞ! お前も見ただろうが!」
 怒りからか泣いているからかコックピットの中は分からないが、震えた声で運命蒼機が言い返す。
「ふーん、でもその部下達に全然士気を感じなかったなー。 もしかしてあんた部下に嫌われてない?」
「(ドキッ)ばばばば、バカを言うな! 俺様は”あの”オブリビオンに覚醒したんだぞ! みんな崇め称えておったわい!!」
 明らかに図星なのだが、バレバレの嘘と大きな声で誤魔化した。

「えっとさ……オブビリオンってそういうのじゃないぞ?」
 黒影達の会話を聞いていたテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)、困惑しながら『ヘカテイア』に乗って舞い降りる。
「まずオブリビオンってのは過去の存在が暴走して蘇ったもんだ。 だから……一般人がそうなるのは……多分違うんじゃないかな?」
 テラが言葉を続けるごとに運命蒼機の青い顔がさらに青ざめていく。
 気のせいかもしれないが、滝のように冷や汗のようなものがキャバリアの頭部から滴り落ちる。
「というか中にいるお前は、本当にオブリビオンなのか?」
 その言葉がトドメとなったのか、キャバリアの硬かった表情がぐにゃりと曲がり、まるで焦燥した人間にように困り眉を作る。
「あた、当たり前だ馬鹿者! 俺しゃま、俺様が嘘をついてるとでも言うのか!」
 運命蒼機の声は上ずり、噛み噛みで発音も怪しい。
 よほど動揺しているのだろう。
 そんな敵機をモニター越しに、テラが訝しんで目を細め睨み付ける。

「おいメルシー。 奴の解析結果はどうだった?」
『はいはーい♪ 呼ばれて飛び出てじゃじゃーん♪ ご主人サマのメルシーだよ!』
 黒影、テラ達とは離れた場所から、油断なく慎重に敵指揮官を調べているカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)と『メルクリウス』のコクピット内に出現する雄鶏のホログラム。
 その丸っこい雄鶏はもったいぶったように悩むポーズを取りながら首をひねる。
『うーんと、うーんと、こんなん出ましたけど!』
 バッと雄鶏が両手の羽を画面に向けると、運命蒼機の内部構造が3D映像で回転する。
「こっちはハリボテじゃないんだな……ん? こいつコックピットが見当たらないぞ?」
 見ると確かにコックピットらしきものは影も形も無い。
 そもそも生命反応が探知されていないのだ。
「もしかしてメルシーみたいな機体なのか? あるいは意思があるってことはそれ自体がオブリビオンなのかもしれないな」
『ええ!? もしかしてご主人サマはあっちに浮気したくなっちゃったの!?』
「違うわ、うるせぇっ!!」
 捨てないで~とすり寄るホログラムを鬱陶しそうに払いのけると、話を戻す。
「ともかくこれで手加減する必要はなさそうだな!」
 そう言うと、敵機の近くにいた黒影とテラのキャバリアに解析結果を共有したのであった。

「お、なんだこのデータ……なんだお前、中身のいない逆ハリボテだったのか!」
「生命体ですらない奴のためにやられたなんて、部下が浮かばれないですねせんせー」
 モニターに通知された情報を見て、テラも黒影も敵の正体に気が付いた。
 遂に暴かれてしまった敵の秘密。
 なんと憑りついたオブリビオンを利用し人件費までケチっていたのだ。
 恐るべしソセランゾ軍の節約術。
「きゃー恥ずかしー/// てめぇらこの野郎! 秘密を知ったからには生かしておけねぇ!!」
 もう隠す必要はないと逆切れした運命蒼機は、怒りで顔を真っ赤にして猟兵達へと襲い掛かる。
「お、やる気ですか? それじゃあその機体の性能チェックしてやるよ!」
「ようは憑りついたやつを追い出せばいいんだろ? 我慢比べと行こうぜ!」
 敵が動き出したのに合わせて、二人のキャバリアも戦闘態勢に移る。
 テラの言葉に合わせて、作戦は我慢比べだ。
 まずは黒影の『要塞蠍』が先に使用した蛍を使い自身を炎上させる。
 黒い重装が調理用の鉄板の如くジュウジュウと音を上げ、白い水蒸気が立ち昇る。
 続いてテラもヘカテイアの全身を炎で包み込む。
 ゆらゆらと陽炎が揺れて、機体の輪郭を曲げて実体を捉えきれない。

「はん! 今更お前らが燃えたくらい怖くないわ! 近付かなければいい話よ!」
 遠距離から猟兵の動きを封じようと、手にした安っぽいマシンガンを構えた。
 その時、運命蒼機の後方から忍び寄る白銀の光沢。
「加速装置起動……メルクリウス……お前の力を見せてみろ……!!」
 コクピットのカシムが呟くと、隣にいた雄鶏が光り輝く。
 一瞬で間合いを詰めたカシムの駆るメルクリウスが敵指揮官機をすれ違う。
 そしてソニックブームが後を追って運命蒼機の身体を揺らすと、手にしていたマシンガンが真っ二つに切断されていた。
「はへ……? 俺様の銃はどこいった……?」
 キョトンとした指揮官機が視線を前に戻すと、カシムのキャバリアの手に大鎌が握られている。
「気が付くのが遅すぎるんだよ、そのまま踊ってろ!」
 敵機がカシムの存在をようやく認知した時には既に遅かった。
 メルクリウスが念動光弾を運命蒼機の足元に連続で放ち続けたのだ。
「あばばばば!! やめやめろ!!」
 逃げる暇も無く、タップダンスのように脚を上げてはジタバタ無様に踊らさせられてしまったのだった。

 その隙を突くように、黒影の燃え盛る要塞蠍が突進する。
「まずは一発目ぇ!!」
 気迫のこもった叫びと共に運命蒼機へキャバリアごとぶつけると、重量差で相手が転がり吹き飛ぶ。
「痛っつぅ!! 熱っつぅ!! 火が、火が!!」
 ジュウジュウと熱された要塞蠍が触れたため、耐熱加工されていない運命蒼機はたまらず悲鳴を上げる。
 ゴロゴロ転がって自らの身体に燃え移った火を消化しようともがいていた。
「さぁて、何発耐えられるかな?」
『こっちは鉄の融解温度くらいどうってことないわ。 どんどん盛り上がって燃え盛りましょ』
「はい、せんせー!」
 その後も相撲の稽古だってもっと優しいと思える突進の連続攻撃。
 逃げるにもメルクリウスが目を光らせており、身体の火も消しきれない。
「なかなかしぶといなぁ。 ならこれでどうだ!」
「あぎゃぁぁ!!」
 要塞蠍の両腕の鋏が運命蒼機をガッチリ掴む。
 じりじりと目の前の熱源に焼かれて、生き地獄のような拷問で悲痛な声が轟いた。

「ナイスキャッチだ! あとはおれがやるぜ!」
 テラのヘカテイアがガンドライドによる射撃で、黒影とオブリビオンの周囲に円を描きながらさらに炎上させる。
 ついでとばかりに燃え盛る槍を運命蒼機の背中に突き立て、黒ヒゲ危機一髪のように剣を刺す。
「これだけ熱したんだ、そろそろ我慢の限界だろ?」
 テラの言葉通りもはや口を開ける余力も無いのか、オブリビオンは沈黙している。
 あとは詰めの一手だろうとテラが判断すると、一旦距離を取る。
「憑りついたんなら吸い出さないとな! リミッター解除……グラビティリアクターフルドライブ……! ブラックホールキャノン……起動……! ブラックホールキャノン発射!!」
 運命蒼機の頭上にマイクロブラックホールを浮かぶ。
 周囲の全てを貪欲に飲み込もうと、黒よりも黒い漆黒の闇が手を伸ばす。
「あびゃびゃびゃびゃびゃ……あっ」
 必死に踏ん張っていた敵機であったが、シュポンという音と共に何かが抜け出し虚空に飲み込まれていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セレーネ・ジルコニウム
【ガルヴォルン】
「敵の親玉が現れましたね!
頭さえ叩けば勝負は決します。
大将が前面に出てきた段階で勝負は決まったも同然です!」
『セレーネよ、ブーメランという言葉を知っておるかな?』

え、どうしました、ミスランディア?
ブーメランくらい知ってるに決まってるじゃないですか。
機械のくせにボケたんですかね?

「さあ、武装を換装する暇はありません!
このまま近接フレームで敵と対決です!」
『って、待つのじゃ、セレーネ!
敵から熱源反応じゃ!
……さらに後方からも超強力エネルギー反応じゃと!?』
「きゃあああっ!」

敵が放ったミサイルに吹き飛ばされ、リリー先生の光刃に焼かれ、ボロボロになった機体でメアリーズさんと共闘です。


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
※『ナインス・ライン』搭乗&呼称継続
※アドリブ絡み歓迎、ツッコミ役
【ガルヴォルン】に随伴

へーえ?
そっちが底意地ならアタシもカードを切るかね

『フレア・ヴェンデッタ、戦闘モードを起動します』
主腕を畳んだら脇に偽装した格闘用の副腕を展開
手先に背部のヒートソード双振りとコンテナの中身を接続

…5号【ミカヅチ】起動っ
大将の機体はそこそこ重いみたいだし、
中身見たいから、ちょっくら切開させてよ♪

光刃発射っ…って大佐?
あーもう、何また突っ込んでるのさ
射出直前に【瞬間思考力】で姿勢微調整っ

どうにか敵へ当てたけど、大佐の機体も頭掠ってる…
はいはい、消火弾食らったら向かってっ
メアリーズさんにも鎮静剤用意しないとねえ…


メアリーズ・エリゴス
【ガルヴォルン】

あぁ、よかった。マトモな壊(アイ)し甲斐のある敵が出てきて
くひっ!大佐が邪魔で足引っ張られてますけど、それを考慮しても私とロートガルに付いて来られますかぁぁぁ!
うふ、うふふっ、ひひっ!今の避ける!未来予測ですか!楽しいですねぇ!
そのシステムと、強化人間で人工サイキッカーの生体CPUたる私のどちらが上か、楽しみですねぇぇぇ!
【デッドエンドラヴ】で私の殺意(アイ)の念動力を首に提げたサイコマテリアルで増幅し、サイコ・コントロール・システムの不可解な現象で機体から放つことで蒼いのを拘束しますよぉぉぉ!!
さぁ、私の、私達の愛を受け取ってくださいねぇぇぇ!!
ガルヴォルンの一斉攻撃ですよ!


支倉・燐華
【ガルヴォルン】

遅れましたが増援です。ストライダーの艦内に転移してきたか、今までマシントラブルで出撃遅れていたかしました
大佐、発進許可を……大佐?え、前線に出てる?指揮官が?
……大丈夫でしょうか、この部隊?
ともあれ、誰か発艦許可を……はい、支倉燐華、ギムレウス・カスタムで出ます
発進しましたが、足の遅い機体なのでとても前線に間に合いそうにありません
なので、ギリギリ射程内に入ったら砲撃態勢を取ります
最大望遠ですが、精密射撃は厳しいですね
ストライダーのレーダーで多少補正をかけてもらいますが、どこまでいけるか
味方誤射にならないよう祈りましょう
警告通信を入れて、【ロングレンジファイア】です!



 熾烈な戦いを幾度も繰り返し、敵国ソセランゾ軍の指揮官機である運命蒼機はかなりの痛手を負っていた。
「ぜぇ……ハァ……今のは、今のはマジで逝きかけた……」
 色々あったらしく焦燥している敵機。
 息を切らして俯くと、足元の綺麗さっぱりとした大地に違和感を覚える。
「ん? ここに見覚えが……おぁ!? ここはあの緑のビカビカがいたエリア!!」
 彼の踏み入れてしまった場所は、なんとガルヴォルンのかしまし三人娘が大暴れした戦闘区域だったのだ。

 時を挟み、ガルヴォルンの旗艦ストライダーの内部。
「いえ、四人娘でございます。 私は留守番ですが……」
 布地の少ないメイド服の少女、支倉・燐華(戦闘侍女・f31277)が呟いて訂正する。
 メイドとして艦内で色々とやることが多い中、さらに自身のキャバリアの整備もしていたのだが、なんとここの艦長が席を放り出してしまったために仕事が増えていたのだ。
 出るに出れず、今やっと整備が間に合った所である。
「まぁ、これもお仕事ですから」
 どこかでドジを踏んでいるちびっ子は、後で彼女に深くお礼をしても罰は当たらないだろう。
「では早速私も馳せ参じましょう。 それでは大佐、発進許可を……大佐? え、前線に出てる? 指揮官自らが?……大丈夫でしょうか、この部隊?」
 艦内のどこかをうろついているのかと思っていたが、まさか艦外にいるとは燐華の想像を超えていた。
 そういうところだぞ艦長殿。
 ともあれ発進許可の下りた燐華はハンガーに移ると、愛機の『ギムレウス・カスタム』へと乗り込むのであった。

 時を戻し、運命蒼機がのこのこ現れた最前線。
 カモが葱を背負ってきたとばかりに、強者に飢えた狂人の眼に留まる。
「あら、あらあらあら! あぁ、よかったぁ。 マトモな壊(アイ)し甲斐のある敵が出てきて……くひっ!」
「ひぇっ!」
 返り血に染まった夜叉の如く真紅のキャバリア『ロートガル』に乗ったメアリーズ・エリゴス(生体CPU・f30579)が目を輝かせ……いや赤く濁らせ殺気を放つ。
「先ほどは大佐のお守りで溜まってましたからねぇ。 たぁっぷりと壊(アイ)してあげますからねぇ!」
 ロートガルのメインカメラが怪しく光ると、睨み付けられた敵機は身体を震わせ青い顔をさらに青ざめる。
「お、おま、お前らなど、所詮は雑魚を相手にいい気になっているにすぎん! 俺様が底意地を出せば、出せばなぁ! ちょちょいのちょいよ!!」
 虚勢を張って彼女の殺気を押し返そうとするも、昂ったメアリーズの気持ちは抑え込めない。

「へーえ? そっちが底意地ならアタシもカードを切るかね」
 未だに群青色の機体色に淡く緑がかった光が残る『ナインス・ライン』のリーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)が意地悪そうな声色で割り込む。
「あばば……き、貴様はあの緑のビカビカ!!」
 放熱が完全ではないリリー先生のキャバリアに気が付くと、運命蒼機は残り香のように漂う緑の光から後ずさる。
 部下のロードランナー達を一瞬で消し飛ばされたのがトラウマだったのだろう。
「あれでまだ奥の手があるというのか!? こ、こけおどしもいい加減にしろ!」
 あれ以上などあってたまるか、むしろあってくれるなと願いを込めて指揮官機は叫んだ。
「ま、その真偽は見てのお楽しみってことで♪」
 メアリーズも大概だが、リリー先生も新しい玩具を見つけたといわんばかりに小悪魔的な笑みを浮かべて機体を弄る。

「痛たた……メアリーズさん投げ飛ばすなんて酷いで……あぁ! 遂に敵の親玉が現れたんですね!」
 接敵していた二機の後ろから、遅れて『スティンガー』を操るセレーネ・ジルコニウム(私設軍事組織ガルヴォルン大佐・f30072)が現れた。
「……ん?(コレなら勝てそうだな)」
 次々と対面する強敵に震えあがっていた運命蒼機だが、幼い少女の声に緊張の糸を緩める。
 彼女の機体こそ立派だが、他の二機のような殺気や寒気は感じない。
 むしろ安心感すらあるマスコット枠のような癒しだ。
 しかしアレでもセレーネはガルヴォルンの大佐にしてストライダーの艦長殿である。
「さぁ後は頭さえ叩けば勝負は決します。 大将が前面に出てきた段階で勝負は決まったも同然です!」
 敵を前にして既に勝った気でいる彼女だが、流石に黙っていられなかったのかコックピットの中でもう一人の声がツッコム。
『……セレーネよ、ブーメランという言葉を知っておるかな?』
 スティンガーのサポートユニット『ミスランディア』が呆れた声色になっていた。
 それもそうだろう、何度も強調するが彼女こそこのガルヴォルンの指揮官なのだから。
「え、どうしました、ミスランディア? ブーメランくらい知ってるに決まってるじゃないですか。 機械のくせにボケたんですかね?」
『違う違う、そうじゃ、そうじゃないのじゃ……』
 なぜあんなにも頭脳明晰なのに……そうミスランディアの心の声が聞こえるが、彼女はセレーネのドジっ娘ぶりに諦めたようだ。

 セレーネ達の夫婦漫才に痺れを切らしたのか、メアリーズが動き出す。
「もういいですよねぇ! 私が、壊(アイ)してあげますよぉぉぉ!!」
 開幕の挨拶代わりだとばかりにマイクロミサイルポッドを全弾放ち、相手を包囲するように操作する。
「逃がしませんからねぇぇ!!」
 その傍らにロートガルを走らせると、爆炎の中を突っ切り隠し腕からビームサーベルを薙いで確実に相手を狙った。
 狂気に染まりながらも、的確で冷酷な判断能力。
 しかしそれで終わるような容易い敵ではなかった。
「(キュピュィーン)見えたっ! とうっ!!」
 運命蒼機は怪しい効果音を鳴らして何かを察知すると、爆炎で隠されていたロートガルの位置が分かっていたかのように飛退き難を逃れる。
「ふ、ふぅ……危ねぇぇぇ! 自己保身のための装置がなければ即死だった……」
「うふ、うふふっ、ひひっ! 今のを避ける! 未来予測でもしたんですか? 楽しいですねぇ!」
 昂る感情をビームにぶつけて思いっきり薙ぐと、周囲の硝煙が掻き消えロートガルのメインカメラが鋭く光った。
「そのシステムと、強化人間で人工サイキッカーの生体CPUたる私のどちらが上か、楽しみですねぇぇぇ!!」

「相手は面白い装置積んでるみたいだね。 ならこっちは……」
『フレア・ヴェンデッタ、戦闘モードを起動します』
 ナインス・ラインから機械音声が流れると、主兵装を握っている腕を背中側に畳み込む。
 そして脇腹の装甲だと思われていた部位が展開すると、主腕より一回り小さな副腕が現れた。
 大型ライフルの反動を殺すためにずんぐりとした主腕とは対照的に、取り回しやすく機敏な操作が可能に見える。
 それがおもむろに背中のハンガーから双振りの巨大なヒートソードを握った。
「よし、接続確認っと。 それじゃ5号ミカヅチ起動っ! 大将の不思議な装置に興味あるし、ちょっくら切開させてよ♪」
 メアリーズのだまし討ちでダメなら、正面からの真っ向勝負と決め込んだのだ。
『機体温度が上昇(ザザッ)構造材の劣化……』
 ヒートソードの温度が目に見て分かるほどに上昇していく。
 赤熱を通り越し、もはや輝いているそれを大きく振りかざす。

「メアリーズさんが闘い始めちゃいましたね! こうなったらもう、武装を換装している暇はありません! 艦長として、大佐として、援護に行きませんと! なのでこのまま近接フレームで敵と対決です!」
『って、待つのじゃセレーネ! 周りをよく見るのじゃ!!』
 幼いながらもストライダーの艦長を任されたセレーネには、責任感でミスランディアの声は聞こえていない。
 仲間想いゆえに逸る気持ちが先行してしまったのだ。
 先ほど痛い眼を見たはずのスティンガー格闘フレームを突撃させると、ヒートソードを構えていたリリー先生の前に躍り出てしまう。
「光刃発射っ……って大佐?」
『だから言ったじゃろうに!! 後方から超高エネルギー反応じゃ!!』
 ミスランディアの叫び声と共に、コックピット内を赤色灯が真っ赤に染めてけたたましいアラームが鳴り響く。
「へ?……きゃあああっ!!」
 ようやく事態に気が付いたがもう遅い。
 セレーネの悲鳴が木霊する。
「あーもう、何また突っ込んでるのさっ!」
 しかしリリー先生は神経まで手を入れた改造人間状態の身体であり、セレーネとは見えている時間の感覚が異なる。
 すんでのところで副腕の角度を上昇させると、光の刃はスティンガーの頭をかすめて飛翔していった。
 幸いにも頭部のアンテナが落ちたくらいで、致命傷にはいたらないようだ。

「(キュゥーン)ははは、馬鹿め! 俺様にはこの装置がある限り当たらなっ……なんで!?」
 迫りくるナインス・ラインの飛ぶ斬撃。
 しかしそれはメアリーズと同じように徒労となるはずであった。
 行動を予測した運命蒼機が大きく跳躍して飛び越えようとしたのだが、お察しの通り角度の変わった斬撃が命中したのだ。
「あ、当たった……大佐にもだけど」
 いかに行動を予測する装置であっても、我らがドジっ娘殿の予測不能な行動までは計算できなかったようだ。
『ほれ目を瞑ってないで、上を見るのじゃ』
「あ゛あ゛あ゛ぁ!! リリー先生燃えてます! 私のスティンガー燃えちゃってますっ!!」
「はいはい、消火弾撃つから大人しくまっててくださいね大佐ー。」
 それでもやはり仲間の手を焼かせるのは艦長殿らしいというところだろう。

 忘れられた彼女を覚えているだろうか。
 場面は少し離れてストライダー。
「カタパルトでも思ったほど飛距離を稼げませんでしたね」
 移動砲台というよりは、辛うじて動ける砲台といった砲戦特化のギムレウス・カスタム。
 それが重すぎて戦線に追い付けなかったのだ。
 それもこれも誰かさんが艦を放置しているからなのだが。
「仕方ありません、ギリギリ射程圏内ですのでここから援護に入りましょう」
 アンカーを打ち込み、ギムレウスの姿勢を固定する。
 レーダーで味方の位置を確認しながら、コックピット上部から吊るした望遠レンズで地平線を拡大していった。
「1……2……おかしいですね、大佐の反応がありません。 どこに行かれてしまったのでしょう?」
 スティンガーは先ほど頭部の識別反応を示すアンテナが切り落とされているため、距離の離れた燐華には判別がつかないのだ。
「ですがリリー先生様の炎が上がっていますし、敵はいるようですね。 あれを目印といたしましょうか」
 偏差射撃と誤差を加味して繊細に微調整をすると、ゆっくりとトリガーを握りしめる。
「ターゲットインサイト、ロック。 あとは味方に誤射しないことを祈りましょう。 ファイア!!」
 その味方をターゲットに含めたまま、長距離砲撃が放たれた。

「あ゛り゛が゛と゛う゛こ゛さ゛い゛ま゛す゛~!」
 消化弾によって鎮火したセレーネが情けない声を漏らす。
 一歩間違えば真っ二つだったのだから仕方も無いだろう。
『安心しとるところ悪いのじゃが、また高エネルギー反応じゃ』
「えぇぇ!!」
 セレーネ悲鳴が、燐華の長距離砲撃によって上書きされる。
 燃え盛る敵もろとも爆風で吹き飛ぶと、メアリーズの方へと流されていった。

「きひっ! なるほどぉ、絶対避けられる、というわけではないんですねぇ」
 リリー先生のまぐれ当たりを目にしたメアリーズは眼の色を変えてやる気を出す。
 他がやれて自分にできないはずがないのだ。
「だったらそのシステムと、強化人間で人工サイキッカーの生体CPUたる私のどちらが上か、楽しみですねぇぇぇ!」
 彼女の闘争心に火が着くと、首の赤いネクタイをギュッと握りしめた。
 ただの装飾ではなく彼女のサイキック能力を増幅させるサイコマテリアであり、機能を解放すれば負担がある。
 それでもメアリーズは承知の上で壊(アイ)を優先したのだ。
「さぁ、私の、私達の愛を受け取ってくださいねぇぇぇ!!」
 メアリーズが狂気に満ちた気迫を放つと、不可思議なオーラのようなものがロートガルからぶわっと一気に溢れ出す。
 この時、飛来したセレーネのスティンガーがクッションのように着地していたので物理的干渉が可能なようだ。
「? な、なんだか助かりました!」

 溢れ出たメアリーズの殺気は、黄泉へと引きずり込む手のように地を這いずり運命蒼機の脚を掴む。
 燐華の爆撃で、初動が遅れてしまったのだ。
「やぁっと捕まえましたぁ!! さぁガルヴォルンの一斉攻撃ですよ!!」
 彼女の音頭でタイミングを図ると、ガルヴォルンのかしまし四人娘の集中攻撃が敵を襲うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月05日


挿絵イラスト