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メダルこそパゥワー!

#キマイラフューチャー #猟書家の侵攻 #猟書家 #集円竜エンドラゴン #バトルゲーマー

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#バトルゲーマー


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●悪のアジト
 キマイラフューチャーに突如現れた悪の組織、その名も「エンドバンク」。
 そのアジトは、ちょうど銀行の金庫室のようなビジュアルであった。
 そして奥、ギンギラ光るメダルで満たされた浴槽に浸かるドラゴンがいた。
「ゼニャハハハ! お前達に新たな仕事をやるガネ!」
 招集された怪人たちに、ドラゴンが告げた。
 その名はエンドラゴン、金色の竜だ。猟書家の一体でもある。
 エンドラゴンは、ずっしり重い袋を怪人たちの前に置いた。
「この資金を使って、メダルゲームばかりのゲーセンを開くガネ。バトルゲーマーどもを常連客にして、ガッポリメダルをまきあげるんだガネ!」
「はい、ボス」
 怪人の1人が、挙手した。
「なんだネ、かまくら怪人クン」
「ガッポリまきあげちゃったら、常連客も来てくれなくなってしまうのでは……ギャーッ!!」
 怪人の顔面に、エンドラゴンからメダルが投げつけられた。
「それが狙いだガネ! メダルを貸し付けてメダルゲーム無間地獄から逃れられなくして世界征服してやろうって壮大な計画だガネ!」
「なるほどー!」
 そして、エンドラゴンによってメダルゲーム怪人にパワーアップさせられた怪人たちは、喜び勇んで出撃していくのだった。

●グリモア猟兵のアジト(?)
 タビタビ・マタタビ(若き猫黒騎士・f10770)は、キマイラフューチャーに現れた猟書家の対処を依頼した。
「『集円竜エンドラゴン』 が悪いコトを企んでるんだ」
 エンドラゴンは、怪人『冬の思い出トリオ』にメダルを与え、『メダルゲーム怪人』に強化改造した。
 怪人たちにメダルゲームばかりのゲームセンターを作らせ、バトルゲーマーたちを客として誘いこもうとしている。
「このメダルゲームは、ただのゲームじゃない。バトルゲーマーたちの欲望を刺激する、不思議な魔力があるんだ」
 しかも、ゲーム筐体にはイカサマが仕込んであり、最終的には絶対勝てないようになっているのだ。
「でも、一度ここの店のゲームにハマったら最後、貸しメダルをどんなに使ってもゲームをやめられなくなっちゃう。そうやっていつの間にかここの住民を支配してしまおうっていうのが、エンドラゴンの作戦なんだ!」
 そんな世界征服など許されない。
 猟兵たちは、このゲームセンターに急行。インチキの元凶であるメダルゲーム怪人たちを倒すのだ。
「そうすれば、黒幕のエンドラゴンが出てくるはすだよ。こいつを倒せばゲームセンターを潰して、バトルゲーマーたちを解放できる!」
 まずは、メダルの取り立てに逢うバトルゲーマーを助けるところからだ。
「キマイラフューチャーを一度救った猟兵はヒーローだよ。きっとみんな応援してくれるはず!」
 応援パワーで頑張って!
 タビタビもまた、肉球をぽむぽむさせて、猟兵たちを応援したのだった。


七尾マサムネ
 これは猟書家シナリオです。
 全2章で完結します。

●一章
 怪人の運営するゲームセンターへ、メダルを借り過ぎて返済できなくなったバトルゲーマーさんを助けに行きます。
 敵は『冬の思い出トリオ』ですが、全身にメダルを付けたメダルゲーム怪人にパワーアップしています。
 なお、怪人がダメージを受けると、体からジャラジャラとメダルがこぼれ落ちます。拾っておくと良いことがあるかも知れません。

●二章
 ゲームセンターの視察に訪れた猟書家「集円竜エンドラゴン」と対決します。
 エンドラゴンは、周囲を「メダルの数が強さになる」特殊な空間に変えてしまいます。
 このルールは猟兵にも適用されるので、エンドラゴンのため込んだメダルを奪ったり、一章でメダルを確保しておけば、有利に戦うことが出来るでしょう。

●今回のプレイングボーナス条件(一章と二章共通)
 バトルゲーマーの応援を受ける。または、敵のインチキを見破るなどしてメダルを奪う。

 それでは、皆さんのチャレンジ、お待ちしております!
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第1章 集団戦 『冬の思い出トリオ』

POW   :    かまくら怪人・ウェポン
【かまくら兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    みかん怪人・ジェノサイド
【みかん攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    鍋怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【鍋】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 エンドバンクによって運営されるメダルゲーム専門ゲームセンター……「アクシス」。
 人工的な煌めきと喧騒の支配する娯楽施設で、1つの悲劇が繰り広げられていた。
「う、嘘だろ、また負けた……!」
「お前はもうおしまいだゲマ」
 がっ。がっ。
 テレビウムのバトルゲーマーが、メダルゲーマー怪人たちに連行されていく。
「は、離してくれ! 次! 次勝てば借金(メダル)が返せるんだよ!」
「もう限界ゲマ。メダルを返済できないお前には悲しい末路が待っているゲマ」
「なになに、末路って何だあああ!?」
 泣きながら連行されていくバトルゲーマー。
 そんな光景が、ここ、アクシスでは日々、繰り広げられている。
 もはやこの街は猟書家エンドラゴンに支配されてしまったと言っていいだろう……。

 否!

 街をそんな理不尽から解放できる存在が、まだいるではないか。
 すなわち、猟兵である!
暇島・しいま
メダルチョコならありがたくいただくんすけどねー
食えないメダルの価値は分かんないっす!
でも美味しそうな怪人がいるって聞いたんで!!

ゲームは好きっすよー
ゲーム機のフレンズを弄って
【指定UC】で名探偵キャラを召喚!
怪人のイカサマを見抜くっす!
見つけたらサイダーガンで撃ち抜くっす!

みかん怪人のみかんはおいしくいただくっす!
んー!ジューシーで喉が潤って
ますます食が進むっすねー(エンドレスバーガー

イカサマだったし、バトルゲーマーさんは返してもらうっす
乱戦になるならバトルフォークでお相手するっすよー

え、メダル取っといた方がいいんすか?
しょうがないっすねー
あるだけ頬袋に詰め込んでおくっす!



 暇島・しいま(もぐもぐライフ・f05777)が、アクシスの店内を見渡した。
「メダルチョコならありがたくいただくんすけどねー」
 お菓子をゲットするゲームも世の中にはあるが、ここはメダルゲーム専門店。見当たらないのが残念だった。
 その代わりと言っては何だが、店員がおいしそうだった。
「じゅるり」
 みかん怪人。付けたメダルが邪魔だけど、皮を剥けば大丈夫。
 鍋怪人も、ふたを開ければきっとおいしい。

 さてさて。
 しいまが、食べ物シールでデコりまくった「フレンズ」を弄ると、ぽん、と名探偵風の衣装を着たゲームキャラが登場した。
『さあ、今日も諸君を真実にご案内しよう』
 ハードボイルドに、きめっ。
「頼もしいっす! 色んな題材のがあって楽しそうっすよね~あっ」
 しいまは、格闘ゲーム風のキャラのパネルが取り付けられたゲーム筐体の前、連行されようとしているバトルゲーマーに駆け寄った。
「待つっす! それはイカサマっす!」
「えっ!?」
 しいまが割って入る間に、名探偵が、筐体をぐるりと観察。
『真実、見たり!』
「あっ」
 名探偵が筐体のカバーを外すと、中からみかん怪人が出て来た。
『絡繰りとはいつもシンプルなものだよ、諸君』
「バレたゲマ」
 わっせと抜け出したみかん怪人を、しいまのサイダーガンが撃ち抜いた。
「あっ、そこ! マナーの悪い客はこうだゲマ!」
 ぶしゃーっ!
 騒ぎを聞きつけたみかん怪人が、自分の頭を絞って汁を飛ばした。
「わわっ、美味しいみかんジュースっす!」
「くそっ、ならこれでどうだゲマ!」
 怒涛のみかんシュート! 表皮を金属のメダルが覆って攻撃力アップ!
 だが!
「んー! ジューシーで喉が潤ってますます食が進むっすねー」
 キャッチしたみかんをデザートに、エンドレスバーガーをもりもり食べるしいま。
「さてと! イカサマだったし、バトルゲーマーさんは返してもらうっす」
「助かったー!」
「くそっ、このままじゃエンドラゴンさまに怒られるゲマ」
 わさっ!
 周りのスタッフたちがスタッフジャンパーを脱ぎ捨て、しいまに襲い掛かる。
 もぐもぐ口を動かしたまま、しいまはバトルフォークで怪人たちを撃退していく。
 じゃりんじゃりん。
 倒されるたび、怪人から散らばるメダル。しいまは、それを片っ端から頬袋に詰め込んでおくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナイ・デス
連行が日々……ですか
既に、連行された人は……いえ。まだ、助けられるかも、ですね

『猟兵(イェーガー)』ナイ・デス
猟書家(オブリビオン)を、倒しにいきます……!

【迷彩】能力を発揮して【忍び足ダッシュやジャンプ】
【地形の利用】などして隠れながら、連行を尾行します
「ダイウルゴス」は召喚していない

まだ助けられる人がいるとしたら、連行される先にいる筈

場所がわかれば、怪人は【暗殺】
黒剣鎧の刃で【串刺し】と同時に【生命力吸収】して静かに始末
【念動力】で、メダルを浮かして倒れた音もさせない。そのままメダル回収

猟兵です。助けに、きました

【レーザー射撃トンネル掘り】で脱出路を

全員逃がせたなら、あとは暴れるだけ、です



 『アクシス』に入店したナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)は、罠にはめられたバトルゲーマー、それを連行していくメダルゲーム怪人を追跡していた。
 『猟兵』として使命を帯びたナイは、すべての感覚と技能が研ぎ澄まされた状態にある。
 既に連行された人はいるはず。こうして怪人たちを尾行すれば、その先に手がかりがあるに違いなかった。
 店内に響き渡る、金属質の音で足音を掻き消し。
 派手なゲーム筐体の陰に隠れながら、怪人たちの後をつけるナイ……。

 階段を下り、辿りついたのは、アクシスの地下。
 倉庫のような広い場所には、バトルゲーマーたちが捕まっていた。
「新しい店を開くにあたって、新しいメダルゲームを開発するゲマ」
「もっと凄いイカサマプログラムも付けるゲマ」
 ナイは、強制労働させられているバトルゲーマー、そしてこの場にいる怪人の数と位置を把握すると、行動に移った。
 みかん怪人の背後から、黒剣鎧の手甲から露わにした刃を、刺す。
「……!」
 生命力を奪い取り、静かに始末をつける。悲鳴1つ挙げさせない、鮮やかな暗殺術だった。
 果汁や血液の代わりに、メダルが零れ落ちるが、ナイは念動力でその全てを留めて、音が響くのを防いだ。
 怪人を仕留め、宙に浮かぶメダルを手早く回収すると、ナイは囚われの人々に語り掛けた。
「猟兵です。助けに、きました」
「マジか!?」
「さすが、猟兵はやっぱヒーローだぜ!」
 喜ぶバトルゲーマーたち。
 しかし、この場に敵の気配が近づいてくるのを、ナイは敏感に察知した。
 ナイは、地面にレーザーを照射。人が通れるだけのトンネルを即席で作り出すと、バトルゲーマーたちを避難させた。
 最後のバトルゲーマーの背中が見えなくなるのと、怪人たちが突入してきたのは、ほぼ同時だった。
「猟兵だゲマ!」
「倒してエンドラゴンさまにボーナスもらうゲマ!」
 みかんパワーを発揮し、飛びかかって来る改造怪人たち。
 ナイを取り囲みつつ、メダルで強化したみかんを投げつける。
 だが。
「ゲマっ!?」
 一騎当千の力を発揮したナイによって、その動きは読まれ、反対に駆逐されていく。
 メダルの鎧も、今のナイの前には、まるで意味をなさなかった。
「このメダルは、使わせてもらいます」
 じゃりん。
 ナイの手には、怪人から奪ったメダルが小山を為していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ティエル・ティエリエル
SPDで判定

とりゃー!イカサマゲームセンターのてきはつだー!
バトルゲーマーさんを連れていこうとしているメダルゲーム怪人をレイピアでぷすっと刺して邪魔するね!
イカサマでさせた借金なんて無効だよ!無効!

襲い掛かってくるみかん怪人のみかん攻撃は【スカイステッパー】でぴょんぴょん跳ねて「見切り」で回避♪
止まらない超高速連続攻撃をしてるところを背後からレイピアに風を纏わせた「属性攻撃」でぐさー!
ふふーん、風で吹き飛んでいったメダルは後で全部回収しちゃうよ♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



「とりゃー! イカサマゲームセンターのてきはつだー!」
 勢いの良い声とともに。
 ぷすっ。
 バトルゲーマーを連行しようとするメダルゲーム怪人の腕に、レイピアが刺さった。
「いてーゲマー!」
「オイ何するゲマ!」
 傷口を押さえる怪人と、それを気遣う怪人。
 そして、あ然とするバトルゲーマーの前に現れたのは、ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)だった。
「イカサマでさせた借金なんて無効だよ! 無効!」
「ハア? アクシスのルールブックは俺たちゲマ!」
 びしっ、と指を突きつけ訴えるティエルに、怪人たちが反論する。
「セーフでも俺たちがアウトと言えばアウト、りんごでも俺たちがみかんと言えばみかんゲマ!」
「ええー? そんなのないよ!」
 語尾までゲーム怪人となったみかん怪人が、ティエルに牙を剥いた。
 必殺・高速のみかん攻撃! ゲームセンターを飛び交うみかん群が、ティエルを襲う。
 が、速さには速さ。ティエルは、ぴょんぴょんと空中を跳ねて、みかんを避けていく。
「くそーっ、なら二連だゲマ!」
 片腕に加え、もう一方の腕をぐるんぐるん回して、みかんピッチングマシーンと化すみかん怪人。攻撃の熾烈さが増す。
「負けるな、頑張れ猟兵さん!」
 自由を取り戻したバトルゲーマーから、ティエルに声援がおくられる。
「大丈夫! 相手の攻撃は止まらないんじゃなくて『止められない』んだからね!」
「え?」
 ティエルに言われて、バトルゲーマーが、みかん怪人を見る。
「うう腕がもげそうゲマー!」
 高速攻撃を止められず、半泣きになっている怪人たちの姿があった。
 負荷に耐え兼ねて、メダルに覆われた表皮が割れ、果汁がこぼれ出している。
「で、でも! 下手な鉄砲も数うちゃ当たるゲマ! ……ってあれ?」
 いない。
 標的のティエルは、怪人の視界の中にはいない。
 そしてみかん怪人は、首筋に風を感じた。
「もらったー!」
 怪人の背後に回ったティエルが、風をまとわせたレイピアで一突き!
「のわーっ!!」
 更に、剣先から解き放たれた風が、みかん怪人を吹き飛ばす。体じゅうからこぼれたメダルが、周囲の床に散らばった。
「助かったよヒーロー!」
 感謝するバトルゲーマーに、ティエルはVサインを送った。
 送った後……ヒーロー・ティエルは、ちゃっかりメダルを拾いに行くのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

水元・芙実
そこまでよ!
話は全て調べたわ!
…あなた達、イカサマしてるわね!

しらばっくれていたって無駄よ!
例えばこのメダル…何かのユーベルコードが使われているわね!
胴元として勝たなければいけないのは理解するわ。でもここまでの事をするのは経営者として間違っていると断言するわ!

恥ずかしいと思わないの?
あなた達はここに来てくれる人たちの為に働いていたはずよ。こんなメダルで身を固めて強くなったつもり?
お客さんに向き合うならこんなものを外しなさい、見えなくなっちゃうでしょ?

みたいに精神攻撃をしながら相手のメダルを武装解除していくわ。
油断した所でメダルを袋に入れてブラックジャックにして後ろから殴りつけるわ。



「ラスト一回! 一度だけでいいからチャンスを~!」
「何度泣きついても、もう運命は決まってるゲマ。お前は……」
「そこまでよ!」
 バトルゲーマーを今まさに連行しようとしていたメダルゲーム怪人たちを、鋭い声が引きとめた。
 声の主は、水元・芙実(スーパーケミカリスト・ヨーコ・f18176)!
「話は全て調べたわ! ……あなた達、イカサマしてるわね!」
「アクシスは清く正しい娯楽施設ゲマ。イカサマなんてするはずないゲマ」
 しれっ、と言ってのける怪人たちに、芙実は、メダルを突きつけた。
「しらばっくれていたって無駄よ! 例えばこのメダル……何かのユーベルコードが使われているわね!」
「ううっ」
 たじろぐ怪人。押しには弱いらしい。
 それなら、もうひと押し。芙実が畳みかける。
「胴元として勝たなければいけないのは理解するわ。でもここまでの事をするのは経営者として間違っていると断言するわ!」
「いやでもこれは、エンドラゴン様の……」
「恥ずかしいと思わないの? あなた達はここに来てくれる人たちの為に働いていたはずよ。こんなメダルで身を固めて強くなったつもり?」
 びしっ、と芙実が、怪人たちの体を指さす。
 本来とは異なる、メダルに覆われた体を。
「お客さんに向き合うならこんなものを外しなさい、見えなくなっちゃうでしょ?」
 怪人たちは、顔を見合わせた。
 鍋、みかん、かまくら。いずれも、中身はもちろんだが、外見自体がアイデンティティなところが大きい。
「強くなった気がして喜んでたけど……」
「そもそも語尾に『ゲマ』とか付けるの嫌だったしなあ」
 芙実の精神攻撃を受け、メダルを剥ぎ取っていく怪人たち。
 だが、中には抵抗する怪人もいるわけで。
「騙されるなゲマ! 猟兵の話なんか信じたらダメゲマ!」
 かまくら怪人が、かまくらゲートからメダルを排出してきたので、芙実はそこらへんにあった掃除用のモップを拝借してぶっ飛ばした。
「さあ、いらないメダルはこの袋に入れて。私が処分しといてあげる」
 袋はすぐに満杯になった。
「だいぶ体が軽くなった」
「本当の自分になれた気がする」
 怪人は油断していた。
 ゆえに、気づかなかった。背後から、凶器と化したメダル袋、すなわちブラックジャックが迫っている事に……。
「ギャーッ!!」
 怪人たちの悲鳴は、アクシス内の喧騒に呑まれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラモート・レーパー
「そういえば遊んだことほとんどなーい? せっかくだしあっそぼー!」
戦いはUC【降魔】で召喚した三人娘に任せて自分はメダルゲームに興じる。
三人娘たちは何故か某ゲームのコスプレをしているけど自分はよくわかんない。
自分は色々ゲームをしてみるけど、機械オンチなのとUC【厄日】が勝手に発動してプレイしたゲームが壊れて勝手にメダルを放出してくれる
「なんだこれ? また壊れた……」



 ラモート・レーパー(生きた概念・f03606)は、『アクシズ』の店内、ゲームセンター特有の雰囲気……わくわく感に胸躍らせていた。
 ライティングが抑えめで薄暗いのも、そそるポイントである。
「そういえば遊んだことほとんどなーい? せっかくだしあっそぼー!」
 一口にメダルゲームと言っても、スロットタイプのものから、魚釣りにキャラクターものまで、色々あるものだ。
「うーん、この謎深海魚釣りゲーム? がいいかなー?」
「は、離せーっ!」
 早速メダル貸出機に向かうラモートの耳に、悲鳴が飛び込んできた。
 キマイラのバトルゲーマーが、怪人たちに連行されようとしている。
 が、ラモートの行く先は変わらない。代わりに、怪人を取り囲んだのは、美少女三人組。
 容姿も性格も異なる、ラモートの代役たちである。
 いずれも、何やらコスチュームに身を包んでいる。とあるゲームのコスプレらしいが、ラモート本人にもよくわかってない。
「営業妨害のつもりゲマ?」
「悪の……ゲフン、よりよいゲーセン運営のためにも、排除するゲマ!」
 途端に始まるリアルバトル。
「鍋とメダル、ダブルの力を思い知るゲマ!」
 メダルを全身に貼り付け、全くの別物と化した鍋怪人が、三人娘に襲い掛かる。
 格闘ゲームもかくや。派手な戦いが筐体の間で繰り広げられる後ろで、ラモートはメダルゲームに挑戦していた。
 まあ、三人娘が戦っている間、本人は戦えないし、うかつに怪我をすると三人娘もサヨウナラしてしまうので、安全圏にいるのは大事だ。うん。
 というわけで、ラモートは色々とゲームを渡り歩いてみる。
 馬を走らせたり、タワーに挑戦したり、とにかくメダルを押し出してみたり。
 が、いまいち操作がわからない。機械オンチだし。
 そのくせ、メダル排出口からどばどばメダルが出てくる不思議。
 ラモートがプレイしたゲームは、どれも『何故か』勝手に壊れてメダルを吐き出してくれるのだ。景気よく。
「なんだこれ? また壊れた……」
 画面がバグってるのでガチャガチャとボタンを連打していると、怪人店員が飛んで来た。
「お客さーん! もう勘弁してくださいゲマ!」
 普通に泣きつかれた。
「え? もっとやりたい」
「とりあえずメダルはあげますから、ゲームのプレイはお控えくださいゲマ」
 なんか疫病神みたいに扱われたけど、メダルはたんまりもらえたのでよかった。
 ……のかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『集円竜エンドラゴン』

POW   :    ゼニャハハ!これが喰らって来た《人の業》だガネ!
戦闘中に食べた【貨幣】の量と質に応じて【体内で燃えているエンシェントブレスを放ち】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    どうしたどうした諦めたらここでジ・エンドだガネ!
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【体内に蓄えた貨幣】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
WIZ   :    いずれ怨嗟が世界を包むガネ!
戦闘力のない、レベル×1体の【メダルに心を奪われた一般住民達】を召喚する。応援や助言、技能「【略奪】」を使った支援をしてくれる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠勝堀・円稼です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちの介入により、バトルゲーマーは解放。
 店員に扮したメダルゲーム怪人たちも、だいたいが懲らしめられた。
「ゼニャハハハ! なんともふがいない連中だガネ!」
 めちゃくちゃ長い、黒塗りの高級車に乗って現れたのは、金ぴかドラゴン。集円竜エンドラゴンである。
「申し訳ございませんゲマ、エンドラゴン様!」
「今月の給料なしガネ。来月の査定も覚悟しとくガネ」
「そんなー!」
 怪人の絶望する顔を見てた満足げに笑いながら、エンドラゴンは猟兵たちに顔を向けた。
「話に聞く猟兵という奴だガネ。だが、金の力、メダルの力の前では有象無象だガネ!」
 くわっ!
 エンドラゴンが両の眼を開くと、アクシスの店内を、異空間が飲み込んだ。
 メダルゲーム筐体がふわりと浮かび、周囲にも無数のメダルが溢れる、謎空間。
「ここは、メダルの数が強さに直結する空間。すなわち、メダル長者のこのエンドラゴン様こそが最強となる空間だガネ!」
 高笑いするエンドラゴン。
 全身には、メダルの鎧がまとわれている。鱗の上から、それはもうびっしりと。
「さあ、無様に命乞いするガネ。そうすれば、エンドバンクの戦闘員としてこき使ってやらないこともないガネ。ゼニャハハハ!!」
 哄笑と共に、エンドラゴンの口からメダルがこぼれる。
 メダル空間の決戦、その始まりだ。
水元・芙実
ふーん。
ただの成金じゃない。
大体金本位制とか時代遅れじゃないの?
この世界っていいね本位制とかじゃないの?

とりあえずこのリムジンバスを作ったブラックジャックで破壊するわね。ほら格闘ゲームとかでこういうのあるじゃない、一度実際にやってみたかったの。
あ、直してくれるんだ。じゃあもう一回壊すわね。
みたいな風に繰り返して相手の蓄えを減らしていくわ。ばらまかれてる金貨も小狐達に拾わせておくわ。

でね、金本位制がなんでなくなったかって話をするわね。
単純に金の量よりもサービスやモノの価値の合計が増えて上回ったからよ。
つまりあなたの欲には限界がある。強さにもね。
じゃあ吹っ飛んで(ハイドロボールを口の中に投げつつ)



 突如、アクシスに広がった異空間。
 無数のメダルに彩られたその場所で、水元・芙実は、エンドラゴンに冷たい視線を浴びせた。
 メダルで煌めく悪趣味ドラゴンに。
「ふーん。要するにただの成金じゃない」
「ハア!?」
 ガンを飛ばしてくる竜を、芙実は、ふんっ、と鼻で笑ってみせた。
「大体金本位制とか時代遅れじゃないの? この世界っていいね本位制とかじゃないの?」
「それだガネ! この世界の連中に、貨幣経済の素晴らしさをもう一度教えるべく、『エンドバンク』は日々活動しているのだガネ……って何やっとるガネーッ!?」
 ぼこんべこん。
 エンドラゴンの演説の向こう。
 芙実は、一緒に異空間に取り込まれていたリムジンバスを殴りつけていた。先ほどのブラックジャックで。
「ほら格闘ゲームとかでこういうのあるじゃない、一度実際にやってみたかったの」
「ああナルホド、知っとるガネ。ゲームは趣味だし……じゃないガネ!」
 エンドラゴンは、自らのまとったメダルを、リムジンバスに水流の如く浴びせた。
 すると、車体はメダルを飲み込み、再生を果たしたではないか。
「ゼニャハハ、メダルが力になるとは、こういう事だガネ。思い知ったガネ!」
「あ、直してくれるんだ。じゃあもう一回壊すわね」
「コラァアアーッ!?」
 芙実が壊し、エンドラゴンが直す。
 不毛?な共同作業の隙に、こっそり小狐が飛び回り、宙に浮かんだメダルを回収していく。
 破壊と再生の輪廻がしばらく繰り返された後、エンドラゴンは荒い息を吐いていた。
「フーッ、フーッ……!」
 一方、芙実の表情はすっきりである。ストレス解消にはちょうど良かった。
 それに何より、エンドラゴンは車修復のため、メダルの蓄えを放出してしまった。
「でね、金本位制がなんでなくなったかって話をするわね」
「するの!?」
「単純に金の量よりもサービスやモノの価値の合計が増えて上回ったからよ。つまりあなたの欲には限界がある。強さにもね」
 言うべきことを言い切った芙実は、振りかぶったハイドロボールを、エンドラゴンの口の中に投げ込んだ。
「んぐっ!? これは……」
「じゃあ吹っ飛んで」
 ぼふん!
「ンギャァァァーッ!?」
 エンドラゴンの中で弾けた水が、衝撃とともにその体内で炸裂した。
 小狐たちが集めたメダルの力も相まって、その威力は、すさまじかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

暇島・しいま
メダルパゥワー!
この溜めたメダルが役に立つんすね!
(ほおぶくろじゃらじゃら)

ウロコのそのメダル、食っちまったらどーなるんすかね?
【指定UC】発動! おいしくなーれっす!
食べにくい部位はクック・バットでドカンと殴って
ばりばりもぐもぐいただきまっす!
敵のメダルを減らしていくっすよー!

ドラゴンの邪魔もしてやるっす!
移動は空飛ぶまな板で自由自在
いざという時は豹の足でびょーんと飛ぶっすよ
ドラゴンの口を怪力のビックフォークでざくっと貫いてやるっす!
これでこれ以上メダルは食えないし
炎のブレスも吐けないっすよね!
タイミングよく口を塞げば
自分の炎でブフォア!?ってなるかも??



 エンドラゴンと対決する暇島・しいまは、ほっぺたをぷにぷに持ち上げていた。
「この溜めたメダルが、今こそ役に立つんすね!」
 しいまの頬袋に詰められたメダルが、じゃらじゃらと小気味の良い音を奏でる。
「そんな所にため込んでいるとは……貴様、出来る奴だガネ!」
「褒められたっす! で、ウロコのそのメダル、食っちまったらどーなるんすかね?」
 しいまの瞳が、エンドラゴンのメダル鱗を凝視した。
「食っ……食べ!?」
 たじろぐエンドラゴンに向け、しいまはどでかい大砲を形成した。
「ほい出たデリシャス砲! おいしくなーれっす!」
 メダルの力を得てパワーアップした砲撃が、エンドラゴンを直撃した。
 もくもく。
 煙の中から、ぎらりと瞳が光る。
「ゼニッ、このくらいのエネルギー……メダルアーマーの前では無力だガネ!」
 かぷっ。
 エンドラゴンの口上を聞き流して、しいまがかぶりついた。
「ふっくらモモ肉、ジューシーっす!」
「いてて! まさか今のは、ただ単にこちらを美味しくする光線なのだガネ!?」
 尻尾が手のようにこちらを追い払おうとしたので、しいまはクック・バットでドカンと一発。
 大人しくさせたところで、ばりばりもぐもぐ。
「ん~尻尾は珍味って感じっすね!」
「め、メダルごと喰われてるガネ!?」
 流石のエンドラゴンも、これにはあ然。だが、すぐにパワーダウンに気づいて、反撃する。
「食われたら、食い返してやるガネ!」
 ぐわっ、と大口を開けて、しいまを追いかけるエンドラゴン。
 異空間のあちこちに、アイテムの如く浮かんだメダルを食らって、パワーアップしながらの追撃である。
 だが、空飛ぶまな板に乗ったしいまは、ひらりひらりと爪や尻尾をかわす。
「そっちが大砲なら、こっちはドラゴンの真骨頂! ブレスで丸焼きだガネ!」
 エンドラゴンの口が膨れる。吸収したメダルの力を、体内で凝縮。炎として放つ構えだ。
「おっと、そうはさせないっす!」
 まな板の進路を反転、エンドラゴンの頭上から、しいまはビッグフォークでアタックを仕掛けた。
 ざくっ!
 いい音を立てて、ドラゴンの口が上から貫かれた。
 口の開閉を封じられたエンドラゴン。
 しかし、既にチャージし終えたブレスをキャンセルすることはできず。
 行き場を失った炎は、エンドラゴンの体内で炸裂した。
「ブフォア!?」
 鼻の穴から、炎と煙が噴き上がった。勢いよく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラモート・レーパー
「ん? 黒幕出たの?」
 控えるようにまでしか言われてないのでそのままレバガチャダイパンして遊んだ結果、レバーが千切れたりボタンがめりこんだ筐体が数台
「強度が足りない! クレームだ!」
 叫びながら真の姿を解放。
キマイラ民はその姿の名前を知っている。オブリビオン【ネームロスト】、神出鬼没の亡霊は失ったものを求めて今日も彷徨う。(ネームロストである間はモールス信号による発声かジェスチャーで意思疎通を行います)
指定UCを発動し、周囲の筐体やメダルを取り込む。身体の一部を筐体のゲームに出てくる磁石や武器に変えて敵のメダルを奪いつつ攻撃を加えていく。



「ん? 黒幕出たの?」
 ゲーム筐体から流れるものとは違う、生々しいバトル音。
 ラモート・レーパーが、ようやく振り返った。
 ラモートの周りには、レバーが千切れたり、ボタンががっつりめり込んだりした筐体が幾つも。
 怪人から「控えるように」としか言われなかったのをいいことに、そのままレバガチャダイパンして遊んだ結果である。
 黒幕ことエンドラゴンは、何やらお怒りの様子。
「いつまで遊んでるガネ! 猟兵なら少しは戦うガネ!」
「やかましい! お前がオーナーだな! おい強度が足りないぞ! クレームだ!」
 叫びながら、ラモートは、真の姿を解放した。
 キマイラ民ならば、その姿の名前を知っている。
 【ネームロスト】……神出鬼没の亡霊は、失ったものを求めて今日も彷徨う。
「そんな奴知らんガネ!」
 ぺっ、と、真・ラモートの存在を一蹴したエンドラゴンに、ラモートは抗議した。
 ……モールス信号で。
「ええと……何言ってるかわからんガネ!」
 仕方ない、レベルを合わせてやろう。
 ラモート、もといネームロストは、コミュニケーション手段をモールス信号からジェスチャーに切り替えた。
「何々、『プレイヤーの操作であっさり壊れる筐体は耐久テスト不足だ』ガネ?」
 こくこく。
 どうすればそんな複雑な内容をジェスチャーで表現できるのか、というくらいの文章だったが、エンドラゴンには通じたらしい。
 すると、ジェスチャーでも活躍した触手が、周囲のメダルや筐体に伸びる。それらを次々取り込むと、ネームロストの体の一部が、更に変化していく。
 ゲームに登場する磁石や、釣り竿などの武器だ。
 それはつまり、ゲームの数だけ、ツールを扱う事ができるということを意味していた。
「無断プレイは許さんガネ! すぐに出禁にしてやるガネ!」
 ネームロストの種々雑多な攻撃を、かわしていくエンドラゴン。
 ただしそれは、蓄えたメダルを消費しての成功だ。
 加えて、ネームロストにツールで吊り上げ、押し出し、磁力で引き寄せられるたび、メダルは奪われ、パワーダウンが進行する。
 反面、ネームロストの方は、まきあげたメダルの力でパワーアップ。みるみる実力差が逆転、追い詰められていくエンドラゴン。
「全く厄介な奴だガネ! ……んん? 『ケチくさいこと言わんともっと景気よくメダル出せやクソ運営』だと!?」
 もはや正解なのかどうかすらわからないネームロストの挑発で、エンドラゴンは冷静さとメダルをすっかり失っているのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
WIZで判定

ようし、メダルで強さが決まるならボクが横取りしちゃうよ♪
さっき拾ったメダルは壺の中にしまってあるからね!どんどん増やしちゃうぞ☆

召喚された一般住民達は背中の翅で飛びながら踊るように避けていっちゃうね♪
エンドラゴンの体表の周りに張り付いたら【フェアリーランド】でくっついてるメダルをどんどん吸い込んで行っちゃうよ!
いっぱい吸い込んでメダルの鎧がなくなったら風を纏わせたレイピアの「属性攻撃」&「貫通攻撃」でぐさぐさっと行っちゃうぞ☆

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



 ティエル・ティエリエルは、怪人のボス……大物感を醸し出してシンプルに強そうなエンドラゴンに立ち向かっていた。
「そんな小さな体じゃ、メダルをため込むのも限界があるガネ!」
「ふっふーん、それはどうかな?」
 ティエルが抱えているのは、壺。
 中には、先ほど拾ったメダルがたんまりとしまってある。
「猟兵どもがあがこうと、もうこの街は『エンドバンク』の支配下だガネ! 見よ!」
 エンドラゴンの咆哮が、ティエルの鼓膜を震わせる。
 すると、辺りにキマイラやテレビウムたち……バトルゲーマーたちが現れた。
 メダルと欲望に心を支配されてしまった、一般市民の皆さんだ。
「頑張れエンドラゴンさまー!」
「そしてもっとメダルを貸してー!」
 バトルゲーマーたちの声援を受けたエンドラゴンは、ふふん、と鼻息荒く、ティエルへの攻撃を開始した。
「メダルのパゥワーでパゥワーアップした爪! 牙! かわせるガネ?」
 ティエルを追いかけ、仕留めようと迫るエンドラゴン。
 が、その思惑とは裏腹に。
 ティエルは、背中の翅で華麗に飛び回る。戦場に散らばるバトルゲーマーたちを踊るようにかわしながら。
 ついでに、空中に浮かんだメダルもゲットして。
「そんな小金を集めて何になるガネ。こっちは億万長者だガネ! ゼニャハハ……!」
 勝利を微塵も疑わず、高笑いしていたエンドラゴンが、目をぱちくり。
「あれ……どこに行ったガネ?」
「ここだよ♪」
 ティエルの声は、エンドラゴンの頭の後ろから響いた。
「えいっ」
 ぴとっ。
 エンドラゴンのうなじにティエルが壺をくっつけると、みるみるメダルがその中に吸い込まれていくではないか。
「なななっ、せっかくのメダルが~!!」
 慌ててティエルを捕まえようと身をよじるエンドラゴンだが、壺は、一度吸い込み始めたら止まらない。
 鎧を形作っていたメダルは、あっという間に壺に吸い込まれ、本来の鱗が露わになっていく。
 それにともなって、エンドラゴンにみなぎっていたパワーがダウン。しかも、大事なメダルを奪われたことで、精神的ダメージも少なくない。
 反対に、壺に集めたメダルの力で、ティエルはパワーアップ!
「返せ! 獲ったメダルを返すガネ!」
「イカサマしたメダルでしょ? 返さないもんね!」
 エンドラゴンに、ティエルはレイピアを突きつけた。
 メダルの鎧を剥がされ、防御力を失ったエンドラゴンの体は、烈風の突きを受け、すっかり蜂の巣にされたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナイ・デス
メダル長者、ですか
メダル……金貨?ふむ

群竜大陸の財宝「ダイウルゴスの彫像」は、金貨1950枚の価値がある、とされています
そして、領主の私が操る「ダイウルゴス」は、その彫像を約千体、変形合体させたもの
総額、わかりますか?

「ダイウルゴス」召喚。そして、分離
彫像千体、従えて

195万枚、です

『リベレイション』

黒剣、彫像千体
ついでに【念動力】で周囲金貨も集め一緒に融合
真の姿の「光」が、鎧で覆われた姿に

人の業も、喰らいましょう

【覚悟激痛耐性継戦能力】敵のブレスを、受ける
破壊され再生する繰り返し、吸収するよう強くなって

骸の海へ、還る時、です

【推力移動】最高速度で、真っ直ぐに
【限界突破】光の拳を、叩きつける!



「メダルが、メダルが足りんガネ~!!」
 ナイ・デスは、再びパワーを取り戻そうと周囲のメダルをかき集めるエンドラゴンを見て、何か閃いた様子だ。
「メダル長者、ですか。メダル……金貨? ふむ」
 異世界は群竜大陸の財宝、「ダイウルゴスの彫像」は、金貨1950枚の価値がある、とされている。
「そして、領主の私が操る『ダイウルゴス』は、その彫像を約千体、変形合体させたもの……総額、わかりますか?」
「そんなもん……たくさんだガネ!」
 意外と大ざっぱな勘定のエンドラゴンの前に、ナイは答えを、現物にて示す。
 異空間を切り裂いて召喚されたのは、エンドラゴン以上の巨体を誇る竜だった。
 そしてその竜身が、即座に分離。一体あたり50cm程度の彫像が、軍勢を為す。その数、千体。
 さすれば先ほどの問いの答えは、
「195万枚、です」
「なんと!? 欲しいガネ! 換金したいガネ!」
 瞳を欲望でギラつかせるエンドラゴン。
「そうは、いきません。『リベレイション』」
 ナイの胸の前に、黒剣が浮かぶ。
 そして、従えた彫像千体。加えて周囲のメダルも集合、その全てを融合させた。
 光と化したナイの体が、鎧で覆われていく。その姿は、竜人の如く。
「おおっ、これが195万枚の姿だガネ! なら、その全て奪って吸収してやるガネ!」
 エンドラゴンが、むしゃぶりつかん勢いで、真化したナイに襲い掛かる。
 エンドラゴンにとって、今のナイは、金貨の塊に見えているのかもしれない。
 金竜の口が、ありったけのメダルの力を注ぎ込んだブレスを放出する。
 欲望に満ちたエネルギーの奔流が、ナイを飲み込んでいく……!
「さあ、財宝とやらを寄越すガネ!」
「ブレスから、凄まじい業を、感じます。なら、人の業も、喰らいましょう」
 消し飛ばされたはずのナイの鎧は、しかし、すぐさま再生される。
 そして、再度破壊され、復活し。それを繰り返すたび、強じんさを増していく。
「なんという……やはり欲しいガネ!」
「骸の海へ、還る時、です」
 雄々しき竜翼から生み出された推力が、ナイを瞬く間に最高速度へと導く。
 そして竜の正面から、真っ直ぐに、光の拳が叩きつけられた!
「このエンドラゴンさまが……いや、金貨195万枚分の力に敗れるなら、本望かもしれん、ガネ……!」
 腹部に大きな空洞を穿たれたエンドラゴンが、ナイの眼前で、爆ぜて砕けた。
 途方もない数のメダルになって。

 かくして。
 ゲームセンターを舞台にした「エンドバンク」の貨幣経済復活計画は阻止された。
 しかし、人々の心に欲望がある限り、奴等は再び現れるかもしれない。
 負けるな猟兵、そして、頑張れキマイラフューチャーの人々!

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年01月29日


挿絵イラスト