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潜行

#UDCアース

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#UDCアース


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●希望曰く――
 そのような現実は在り得ない。そのような真意を如何様に満たせば好いのか。愚吐愚吐(グツグツ)と煮え滾った前頭葉(なべぞこ)が謳い、騒がしさは他者への影響(ひびき)と化して魅せた。見出された怪奇現象(ポルターガイスト)が啼き裂けて、最早原因不明と名付ける他に無い――どうしてと『彼女』は塞ぎ込んだが、誰が手を引くと謂うのだ――ただ無価値と無意味の狭間、逸らし続けた虚空の彼方側、届ける想いも亡い。
 嫌いだ。嫌いだ。嫌いだ。同じ言葉を食(は)み込んで、別のマイナスを積み上げる。賽の河原だと告げたならば、嗚呼、神様――鎖(くさり)欠けの魂を教えてくれ。

 妬ましい。憎たらしい。離れたくない。
 いとおしい――焦い患ってのとじこもり。
 拠り所は狂っている。

●グリモアベース
「人間。嗚呼、此度は邪神案件だが『人間そのものが原因』と告げても可笑しくはない。某所に在るマンション、その一室で【異常】が発生すると視えたのだ。早々にUDCアースへと向かい『根源』を砕いて終いと知れ」
 ロバート・ブレイズ(冒涜翁・f00135)は集った猟兵(みなみな)の心臓を示した。それが精神を意味するのか、循環を意味するのか判断し難いが。【感情】を表現している事に違いはない。頭をかるく揺らしてみせた。
「騒霊(ポルターガイスト)の園へと身を投げ、その心(み)を以って解決するのだ。如何様な状況でも『自分自身の在り方』に縋り給えよ――宜しく頼む」
 グリモアが輝いて。


にゃあら
 にゃあらです。
 のぞむがままに。

 宜しくお願い致します。
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第1章 冒険 『襲い来る怪奇現象』

POW   :    物理的に押さえ込む

SPD   :    お札など呪術道具を使う

WIZ   :    怪奇現象を起こしている存在へ説得をする

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 密室空間もしくは非日常領域――テーマ・ソングさながらに『怪奇』な貌無(かたちなし)が騒いでいる。此方からは本棚が飛び、彼方からは電子レンジの破裂音。パソコン画面が蒼緑に明滅し、愈々電球が脳味噌(タンパク)の真似事を開始した――それは何者かの泣き声で在り、何者かの憤慨――外骨格は見当たらないが、おそらく人間の『暴走』した末路(マイナス)。来るな。来ないで。でも、構ってほしい。
 矛盾する心臓が逆流し、この壁々は襞の演技が上手だった。

 ふいに出現した鎖状、紫色の面(つら)で如何したのか。
カイ・オー
ここが今回の事件現場か。
邪神案件とは言え、人間が絡んでいるのなら調査が必要だな。探偵としての仕事から始めよう。

問題の部屋に侵入し調べる。【情報収集】だ。
ポルターガイスト現象は【念動能力】で対抗する。【念動力】による【怪力】で飛び回ろうとする物品を押さえ込み、【ハッキング】【カウンター】で電子機器の暴走を制御する。

ポルターガイスト…騒がしい霊と呼ばれているが、人間による超能力現象という説もあるな。抑圧された深層意識が起こす念動の暴走。思春期の少女である場合が多いらしい。
自分を見て欲しい、心配されたいという思いから、自身が被害の中心になり易い。
ここに住んでいたのはどんな人物か。そこから調べようか。



 出会い頭に超常現象(ざわつく)世界観、真逆、戒の羅列も知らないと謂うのか犯罪者(オブリビオン)。今回の事件現場たいへん騒がしく、四方八方からの拍手音(ラップ・クラップ)。邪神案件とは云えども『ひと』の絡まった現実世界、これを調査しなければ原因(まじない)は現れないだろう。いらっしゃいませ探偵さん、地獄に嵌まった感想をどうぞ――不可視の難題(トリック)が如何様な異(もの)でも解けば好い。そうとも説々、不可説と仰ぐにはまだ早い。飛び交ったゴミ箱が汚を吐いた。ポルター・ガイストの自傷感。
 掃除するのは誰なのかと『力場』が展開される。暴れ回る癇癪(なきじゃくり)には親の掌がお似合いだ。みしみしと我鳴り立てた電子レンジ、爆発音が響く寸前に『乗っ取った』火の車、ぐるぐると巡る中身は御し易いだろう?
 思春期の少女は楽園と奈落に焦がれている。深層意識(イマジナリー・フレンド)曰く、その悲しみを殺す方が可笑しいのだ。自分を見てほしい。心配されたい。誰か助けてと絶望(まちがい)に浸る――被害の中心、渦巻く影。

 どんな人物が住んでいた。
 そこから調べようか――寂しげな誰かが、楽しそうに手を繋いでいる。
 のびたオマエに貌は無い……。

成功 🔵​🔵​🔴​

波狼・拓哉
構ってほしいのか、そうでないのかどっちなんですかねこれ
…いやまあ、どちらにせよ押し通って解決するだけなんですけど

つーわけで突撃-
いやなに人由来で起こってるのならやっぱり対面しないとね!
…まあ、無差別巻き込みじゃないとこは評価してあげてるということで

部屋に入ったらポルターガイストの対処
まあ適当に衝撃波込めた弾で当たりそうなの撃ち落としたりくらいでいいかな
ラップ音?実害あります?

…なんとなーくだけどこっちがそっちを見てますよって意識表示してりゃ、大怪我に繋がることは指してきそうにないんですよねぇ
まあ、こういうのは一番ポルターガイストが激しい所にいるでしょから…適当に部屋に入って探してみますか



 人間の演技が下手糞な誰かに言われたくないと、ラップ音が想像しく鳴いている。構ってほしいのか帰ってほしいのか、両者の思いが衝突した結果、何方が真意か『観察日記』や『夢日記』でも解せなくなっている。渦巻いたエネルギーは逃げ場を失くし、支離滅裂な呆々(ほうぼう)を晒して醜々(しゅうしゅう)縮こまった――どちらにせよ押し通るのが猟兵(オマエ)の務めだ、総じて世界は人類に厳し過ぎる。
 言う事聞く事関係なく、その突撃は塑性を孕んでいた。人が原因(ゆらい)と揺らぐならば対面しての相談が最適解だ。閉じ籠った錯乱者の台詞、来ないで来ないで来ないでよ――嘘吐きは嫌われるとも知らないのか。しかし『無差別』ではない現状は評価する他に無い――飽き飽きするほどに邪神(ほとんど)は混沌なのだ。
 実害はないと騒音(クラップ)聞き流し、縦横無尽(うえきばち)だけを撃ち落とす。床に散らばった土々の悲鳴も、結局のところは幻覚(ふくさよう)に違いない。衝撃を受けた感受性(のうみそ)がぎちぎちと歯を軋ませた。

 其方を見ているとオマエは伝えたのだ。
 ならば彼等・彼女等(ひとり)は膝折れ縋る。

 大怪我に繋がる事はないだろう。経験と勘、人間の性質を『掬い取れば』容易い事。指差し確認を怠るなと先行が告げている――緑色のガラス細工は愛おしい――彼方側の冷蔵庫が嘔吐(は)いて魅せた。無辜は扉一枚、その程度。
 探してみますか……箱の開け方は知っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

茜・皐月
「なにがかなしいの?」

飛び交う物を見つめ少女人格が呟く。

「それともにくらしいの?」

こちらに飛んでくるものだけ【見切り】最小限の動きで避けて呟く。
問。

『人間の感情は理解し難い』

娘人格が口だけ借りて声にする。
少女人格もコクリと頷いて。

「ボクは、わからないから、キミから聞きたいな」

足を止めて、両手を広げて、受け止める姿勢。
人間の感情は他者では理解し難い、まして暴走してる心など、どうして理解できようか。
だけど知りたいと思うから。
大丈夫、大丈夫。
少し血が出たって【激痛耐性】があるから。
全部全部、受け止めて感じたいと思うから。

「ね。キミのこと、教えてほしいな」

微笑み、一つ。
キミの言葉を、くださいな。



 マイナスの坩堝に突っ込んだとんがり帽子、視野に入れた騒物(さわがしさ)は何処までも交差して往く。なにがかなしいの。疑問を塗り混まれても『思念』は応えない。それともにくらしいの。肉らしさを知らないポットでが大笑いして魅せた。熱をおびたティーカップをすらりと躱しつつ、ぐるぐると掻き混ざったホットケーキ・ミックスを見透してみる。問題(ま)を連ねても何かが起きる事はなく、苦渋の臭いだけが蔓延していく――人間の感情は理解し難い――口借りた娘人格に少女(きみ)は頷く。ボクもわからないから……幼げな格好(ポーズ)で止まり、無意識か両腕を広げた。
 キミから聞きたいな。感受せよ。甘受せよと脳髄(かたがわ)が囁いて、荒れ狂う『嵐』へと心身を投げる。渡された歓迎は手ひどいもので、足元から脳天まで的当(まと)と化す。少しくらいの出血は【いたくない】だろうが、嗚呼、揺らされた頭蓋内は何の所為かとフライパンに問う――大丈夫、大丈夫。
 暴走している心など咀嚼する事も丸呑みする事も出来やしない。個人と他人の狭間が軋み、腸(み)を穿り出そうと歌っている……ね。キミのこと。

 教えてほしいな――ぼろりと剥がれた壁紙。

 微笑み一つで中を見る。
 キミの言葉を、くださいな――アナタの貌がおそろしい。

成功 🔵​🔵​🔴​

ダーティ・ゲイズコレクター
このめちゃくちゃ具合、悪だわ!悔しいわね!
ついでに私も荒らしてやろうかしら!
何もかも壊したらどうするかしら?
私しかいなくなったら...
私を見るわね
壊せるかどうか、私を見るわね
見てよ
見なさいよ
コッチを見ろ
見ろミロミロミロミロ
もういい
コッチから会いに行く



 悪魔的な現象(ポルターガイスト)がオマエの頭の中を滅茶苦茶(ごちゃまぜ)にしていく。此方側のパソコン画面は物理的にシャット・ダウンし、彼方側の本棚はぐらぐらと倒れていく――嫉妬や恐怖がティー・スプーンに乗った中、この悔しさは猟兵(きみ)だけの宝物(もの)だ――悪! おぞましさと忌まわしさの入り魔じった悪! 世の中を二元論で区別したら、此処までの悪は見つけられない。憑かれた家具達が可哀想で仕方がないのだ。一般的な悪魔(たみ)ならば卒倒ものだろう交差!
 歯を向いて目玉をさまよわせれば『壊せそうな』物体がたくさん。何もかもを砕いて終ったら『如何なるだろう』か。発散する方法を失くしたならば『如何なるだろう』か。ぞくぞくと背中が震えていて、もう、悪い魔王(こ)は我慢出来やしない。

 オマエだけが残ったならば、見違えるほどの景色なのか。

 立て看板がぶん回り、大切そうなアルバムを叩き落とす。其方(もの)の名称をイチイチ確かめている振盪(みそ)はない――ああ。私を見るわね? 壊せるかどうか『確かめようと』するわね? 変換――カラフルな世界(こうさい)をお約束してやれ……コッチを見ろ。ミロミロミロ見ろ……壁の外まで焦げてしまえ。

 もういい――束縛されたいならちゃんと自称(い)え。
 お前はいとおしい双眸(め)と想えた。
 コッチから会いに行く。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】

ぅおっとぉ!?
正直ここまで直球の怪奇現象って、
初めて会ったかもしれねぇや。
あんまり人の物を壊すのは良い気がしないからね、
穏便に済ませたいところだけど……
力ずくに行くにしても、搦め手で攻めるにしても。
何かヒントを掴みながら進みたいもんだよ。

だから……精神を研ぎ澄ませ、サイキックを手刀に宿し。
飛び掛かってくる調度品を飛ばしている不可視の力目掛け、
【魂削ぐ刃】を振り抜いて散らしてく。
そうして力の源を少しずつ減らしていけば、
相手も焦れてくるだろ。
そこから先はアタシと黒幕との我慢比べ。
『激痛耐性』で堪えて手刀を振り続けるよ。

たんこぶだらけになる前に音を上げて欲しい所だけど、あ痛ッ!



 今時主流な愛(I)と叡智(H)が何事かと火(ねつ)を吐き出した。ぅ、と驚いた時点で真っ赤が通り過ぎ、危うくバーベキューの奴(ど)と化すところだった。戸口がガタガタと絶叫してから数分間、此処まで直球な怪奇現象(ポルターガイスト)も現(いま)では珍しい。異厭(いあ)、もしやオマエは初めてなのかと仰天ブリに感心して『窓ガラス』がないた。あんまり人の物を壊したくはないからね――ふりふりとドレスが飛び交った瞬間(びょう)は呆然とする他に知らない――穏便に済ます方法は何処だ。澄まされて往く精神は『泥中』でも花が如く……。
 超越性(サイキック)を模れば『手刀(かたな)』、立ち回りは脳内(イメージ)出来ている。調度品(もろもろ)を投擲(と)ばしてくる【貌(かたち)】を理解し見切り発射(はな)て――引き裂くべきは力の源、負に混じわった中央だ。

 焦れてくるだろ――核の一部が削がれていく。

 我慢比べだと構えを解かず、迫りくる暖房器具(かど)とごっつんこ。あ痛ッ――たんこぶ塗れの予感を胸にしまい、沈黙までを稼ぐが好い。
 ――マイナスが不自然とにじみ出る。

 アタシと黒幕の一対一?
 文字通り黒い幕だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『嗚咽への『影』』

POW   :    嗚咽への『器』
戦闘力が増加する【巨大化】、飛翔力が増加する【渦巻化】、驚かせ力が増加する【膨張化】のいずれかに変身する。
SPD   :    嗚咽への『拳』
攻撃が命中した対象に【負の感情】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【トラウマ】による追加攻撃を与え続ける。
WIZ   :    嗚咽への『負』
【負】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【涙】から、高命中力の【精神をこわす毒】を飛ばす。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 怪奇現象(ポルター・ガイスト)が集合体(あつまり)、化多(かた)まった結果が過去(げんじつ)だろう。拒絶と見せ掛けた『愛してほしい』が悲しみへと禍(ば)けて渦を巻く――嗚咽(かげ)が貌(む)を晒して貴様等を見つめた。
 拳を握った理由は受け止めてほしいからだ。器を毀した理由は直してほしいからだ。負の海を孕んだ理由は慰めてほしいからだ。しかし『これ』を還すのが猟兵(らちがい)の務めである。人間が見当たらないなら殺してやれ。

 ――鎖状の涙が拭えない。
茜・皐月
泣き虫。紅い目を細めて少女人格は黒を見詰める。
「見えないよ、視えないや」

ヒトリゴト。
先のポルターガイストで受けた傷から滴る血に触れて、手を赤く染める。
邪魔なモノは消してしまおう。見たいものを視る為に。

「影がどんなカタチをとろうと、関係ないのね」

UCを使って、赤い拳を握って、練り上げた呪力を【全力魔法】に乗せて。
影じゃキミの話を聞けないから、涙に触れることもできないから。

「悪いけど、元の場所にお還りいただくのね」

陰のその先を愛したいから、サヨナラ。



 未だフライパンの振盪がなおらない。

 赤と黒が棲(す)り潰されたとして、融合出来るとは思えないだろう。苦労して継ぎ混んだ『盲目性』が正気の沙汰では無いとオマエをたたく。泣き虫(コックローチ)の艶やかな滴(かわ)が悔々悔々(ぶくぶく)と嘆いている――見えないよ。視えないや――ヒトリ語(ご)ちたとんがり帽子、尖りきった先端(こころ)を丸くする方法など発見(み)える筈がない。ポルタ―・ガイストの戯れに『こぼれた』頬肉、呆(ほう)ばった写本(ページ)は楽しそうに非等(ひら)憑いた。
 邪魔なものは消してしまおう。障害(じゃま)なものはなくしてしまおう。モノモノしさを取り除いて『見たい』ものを視る為に――影がどんなカタチをとろうと、関係ないのね――如何して驚かせたいと感じたのか。この柔らかそうな少女(にく)……しゃぶりたいと『鎖』が親近感(おぼえ)ていた。

 赤色の掌(おしいん)、三次元に潜ると握ったのか。

 贄(サクリファイス)――その先を愛したいと対価(きみ)がうたう。その後を抱きたいと退化(かこ)へうたう。悪いけど、元の場所にお還りいただくのね――舐り足りない膨々(ぶくぶく)が破裂した。陰の向こうへサヨナラ売々(ばいばい)。足枷がヤケに締め付けてくる……蒼色の痺れがツゥッと居る。

 ワイングラスが悪酔いしそうだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

カイ・オー
探偵が事件に当たるのに、同情や憎しみは禁物。理性と正義に従うのみだ。
【念動能力】使用。部屋全体に【念動力】の精神力場を広げる。精神力で接触した敵の存在を【情報収集】【コミュ力】【読心術】で正確に認識。出力全開。どう変形し巨大化し荒れ狂おうとも、先読みして【怪力】で抱き締める様に絞り込み握り潰す。
お前を愛しも憎みもしない。ただ、お前の全てを理解してやる。真正面から全身全霊で向かい合い、全力で戦ってやるよ。
だから、言いたい事があるなら全部吐き出しな。俺は探偵だ。お前の動機の謎(ホワイダニット)を全て推理し解き明かしてやる。



 感情に振り回されている時点で吐(ど)二流だと、頭蓋内の平静(しずまり)が唱えていた。探偵が事件に当たるのに『同情や憎しみ』など要らない。絶やさず『積み上げるべき』事柄は理性的な正義もしくは正義的な理性――その奴隷と化す現(こと)で初めて『犯人を指せる』のだ。最もポルタ―・ガイストの原因(癌)は自らで悪事(わるさ)を膨張させたのだが――巨と渦のカラフルさは滑稽にも『がらんどう』に観えた。広がった超越性(エネルギー)は何処か子供(がき)じみていて、掴まずとも『シナプス』に触れてきた。助けてと囁くような暴力性、矛盾の頂と解せるだろう。
 人間の心を読んだ結果が善で在れ悪で在れ、この搾取(しぼりとり)は確かだった。お前を愛する事はない。お前を憎しむ事はない。ただ理解と称される『ミキサー』にかけて、咽喉へと流し込むだけなのだ。真正面から全身全霊、猟兵(ぜんりょく)で戦ってやるよ――動機の謎(ホワイダニット)、深くへ潜れ。

 推理するのは楽しいが、奥々(なかなか)如何して。
 お前は簡単に語ってくる。

 出現位置に『仕掛けた』怪力(らちがい)、蒼くさいマイナスが床に落ち、ボトボトと悲哀を刻んでいく。気付いてほしかった。この縛然(ばくぜん)とした感情に――俺は探偵だ。解決に向けて火を放て。密室殺人と記すべきだが。

 おかしい。
 ――誰も死体(にく)を見ていない。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】

参ったねぇ……
本当に「黒」幕が出てくるたぁ思わなかったよ。
ま、幕って言われるのは不本意だろうね。
何かを伝えたくてアンタらは来たんだろうから。
けどなぁ、悪ぃ。
アンタらの思いは受け取れねぇよ。
何せ縁もゆかりもない恨み、
背負いきれるほど人間出来てないんでね。

だから「災い」招くその「縁」は、手繰らず拒ませてもらうよ。
突き出される拳に『カウンター』で合わせるように手を差し出して、
【災い拒む掌】に思念を吞み込んでいく。
受け止めて欲しいなら、
まずは自分で受け止めてみな。
その負の感情の原因が何か。
堂々巡りかもしれないが、も一度自分で考えてみろよ。
弔いの思念(ことば)くらいは送ってやるさ。



 眸(め)の上の瘤が干渉し始めたならば手繰り寄せ、その幕開けは如何しようもなく暗中だ。模索しようと腕を突っ込んだとして『変異』する事は在り得ない。ああ。参ったねぇ……じんじんと痛んだ『ひたい』を撫でつつも『出遭い』を啄む。本当に【黒】幕が垂れるとは思わなかったのだ。ヴェールを剥いだのは貴様のクセにと『過去(ふてい)』が哭(わら)う。何を伝えたいのか。何を報せたいのか。その所以は骸の海で溺れている――悪ぃ。受け取ってくれと差し出した泥船、四肢を投げるには脆過ぎた。縁もゆかりもない恨みつらみ、つらつらと記されたって『今の人類』には関係がない。背負いきれるほどの『善良』は持ち帰れないのだ――お還りは彼方の次元(とぐち)。
 握り締めた拳はからっぽで、力なく『オマエ』に触れたいと入った。まずは自分で『だいて』みな――掌中(あな)に吸い込まれた精神感応(トラウマ)嘆(いわ)く、盲目性を突き刺したに等しい――原因が何かもう一度、それがダメならもう二度と――差し出した救いの手、哀れにも負感情(ペンキ)は塗り足される。

 自己嫌悪が慟々地獄を巡っている。

 弔いの思念(ことば)くらいは送ってやるさ――発狂(ぜっきょう)――ただの人間の絶望感(ことば)、災(さいわ)いにも思考を辞めた。
 渦巻く箱庭(せかい)に独りだけ、もう苦しまない。

成功 🔵​🔵​🔴​

ダーティ・ゲイズコレクター
こんにちはー!私は凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王、ダーティ!
...
あれれー?おかしいなー?
あなたは悪魔じゃないんだから挨拶を無視しなくてもいいのよ?
私の方を向いてこんにちは、って言えばいいのよ?
挨拶しながら私を見つめればいいんだよ?
ねぇ?
そんなに地面を見るのがいいの?
私より?
そんなに自分の手のひらを見るのがいいの?
私より?
そんなに瞼の裏を見るのがいいの?
私より?
いけないなぁ許されないなぁ駄目だなぁ
目を開いてあげる
私を見させてあげる
あなたは滝のように涙を流しながら
為すがままにされるがいいよ



 挨拶は元気よく発声(おこなう)べきで、悪魔の二色は『口』よりも物を謂うだろう。凶悪極悪劣悪最悪と『あく』を飽き足らず並べ立て、その看板を振り々り『影』を認識(み)た。黙視――すらもなく嗚咽(オブリビオン)は蹲るだけ。あれれ? 悪魔(わるいこ)じゃないなら挨拶を返すべきだ。その膨張體(からだ)は何処までも『人間』の副産物だろう――おかしいな? 何処が可笑しいのかとマイナスが泣く。いないいないバァでもないのだ、貌をあげて『こんにちは』しよう。これでは焦がれ視線(ビーム)も届かない。ねぇ? ねぇ? 善人は地面を見つめるのがお似合いだ。
 掌を泥沼に浸せば『太陽』を見なくても済む。甲を影に漬け混めば『希望』も『絶望』も見なくて済む。瞼の裏側には変わらない『やみ』が映っているのだ――私より? そんなにも『それ』が好いだなんて在り得ないし赦されない。

 駄目だなぁ。
 水溜まりの誘いにもノれないなんて。

 開けろ。抉じ開けろ。今直ぐに開けろと『悪魔』どもがわらわら涌いた。滝のような渦中(なみだ)に濡れつつ、情け容赦なく開瞼器が迫る――為すがままにされるがいいよ――負した精神も真直ぐに強請(む)けろ、まだ感じられない。

 お前、目玉を持っていないの?
 ――そんな現実はみつめない。

成功 🔵​🔵​🔴​

アウル・トールフォレスト(サポート)
(基本好きにお任せします)
「今日はどんなところに行けるのかな?」

楽観的で感情豊か、夢見る乙女な性格の少女
年相応に無邪気であり、根本が人でない故に残酷

神出鬼没に出現し、気まぐれに歩き回り、楽しげに爪を振るう
猟兵の役割は理解し依頼も一応遵守しようとするが、それはそれとして楽しそう、面白そうで物事を判断し、それを優先して行動する

バイオモンスターの特徴として、肉体は植物の性質を持つ

戦闘では怪力の発揮や身体の巨大化、鋭い爪での引き裂き、捕食等の野性味溢れる攻撃スタイル
理力の扱いも得意で、体表で自生する蔓や苔植物を操り、防御や隠密に罠等サポートも行わせる



 その影利(えいり)なマイナス感情に純粋性(ストレート)を混ぜ込んだら、昏々とわめく黒も高(そま)るだろうか。神出鬼没な夢見る怪物(おとめ)、面倒事を肥やしにすれば『罵倒』も何れはお伽噺だ。といだ牙は想像以上に柔らかく、あの巨大化・膨張化は何処か幼児に近しい――素敵なものを分けてあげる――ゲル状態の果汁が滴りおりて無理矢理(鯨飲)、何処に口が憑いていると謂うのか。涙を嘔吐(た)らしたのだ、判断する事は容易いだろう。背の高い森(いきもの)には近づいてはいけない、迷信(ことば)を呑まない者は末路(しんか)に導かれた。
 今日はどこに行こうか。昨日はあそこに行ったんだ。明日は彼方に行こうと思う……血肉(せいしん)の底に埋まった種子(たね)、手っ取り早い仲良しさんが生えてくる。巨大(おお)きな角が絡まって、厭(あ)の樹木(みどり)は光輝に等しい。もうひとりじゃないんだ。やった。もう負(ひと)を辞めている。

 キラキラおめめがいったりきたり、たのしい変異にご案内。

 正体(むく)に至ればおままごとだ。
 ――鎖を壊せよ、ただの化け物。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルタ・ユーザック(サポート)
ダンピールの16歳女性です。
ユーベルコードを使える場面では、指定したユーベルコードを使用し、直接攻撃系か精神攻撃系で敵を攻撃します。
一人称は「わたし」(ひらがな)です。口調は「~だわ」や「~だな」の様なものではなく、「○○…。」の様に…で終わり語尾に何もつけない口数少な目のクールタイプの話し方です。
服装・体型・容姿・持ち物などは、ステータスシートの参照お願いします。

上記内容以外は全てNGなど無しでアドリブ・連携などもOKです。
よろしくお願いします。



 普遍と不変を綱渡りして昔か今か。

 負の面が限度無く『現れる』と言うならば、猟兵(らちがい)の貌(さま)も『そう』在るべきだ。成すべき理想と為すべき性質の坩堝、オマエは名前の由来(いみ)を説(は)く。それがこの能力(ユーベルコード)だと示したならば、嫌悪(あ)しきも成程(なっとく)するだろうか――如何様な吸血鬼(しゅぞく)だと突き付けられた。あっちに傾いた脳味噌(よくぼう)が美貌(かたち)を抉ってくる――真っ黒い攻撃(さわり)に「それが……」斬り伏せて、初めましての氷枕。
 数桁のオマエが過去(オブリビオン)を吸い、酸っぱい想いを抱(か)きながら薙いだ。両断された個体から『凍化』され、禍(か)の再生を赦されない――お洒落にキメる必要はない。それは『ひと』の根源的な欲望だ――やけに腹が鳴いている、嗚呼、泣き虫な無貌(つら)に中てられたのか。ぐぅぐぅ蠕動(げんき)なオマエ。

 足元から届いたアイスクリーム、なめらかさは最悪だ。

 踏んでも砕いても汚れない、潔白(ち)の証明だと整っている。
 子供の頃から変わらない。変われない。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『望』

POW   :    目を背けてきたもの
【嫉妬・悲哀・憎悪を込めた視線】を向けた対象に、【負の感情を増幅させる衝撃波】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD   :    嫌いだった世界
【自己を縛る鎖が、破壊衝動のまま】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    伝わらない想い
全身を【他の干渉を拒む鎖】で覆い、自身が敵から受けた【恐怖心】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は春乃・結希です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ポルタ―・ガイストとマイナスのゴミ箱、屑(かす)だらけの受體(じゅにく)が鎖に抱かれた。想いと思いが重(にく)を有し、視離滅劣だと人が嘲(わら)う――気分が悪いと過去がいった。今にも吐き出しそうな蒼(かお)は隠したがっている。
 真紫(しんし)な鎖が荒れ狂い、くるくると膿内(みそ)を掴んで離さない。助けての声も出せずに在れば『もう誰にも届かない』――潜り込んだ君達へ、如何か『これ』を殺してやれ。おはようだ人間、目を逸らす事が大好きなのか?

 希望はいつしか絶望に、絶望はいつしか恍惚に。
 嫌いだ嫌いだ、嫌いだった。
 ――お願いだから来ないでよ。
 嫉妬・裏切り・離別……寂しさだけが蠢いている。
茜・皐月
〘あそばないの?〙

そう幼女人格が問いかけた気がした。
目の前の負にがんじがらめな人間を、少女人格は無言で見つめる。
〘絶望がスキなんだよ、あそんであげようよ〙
囁く声に答えずに、近付こう。
知りたかったもの、見せてくれてありがとう。
お礼をしてあげる。
人格たちはニコリと笑みを見せて。

「夢の中で遊ぼ」

目を逸らしたいなら、素敵な迷宮に閉じ込めてあげる。
その視線も破壊衝動も拒絶も閉じ込めてあげる。
意識の外から、キミに愛を込めて、終焉を。
【呪詛】も【属性攻撃】も込めた、全身全霊の【全力魔法】を、あげる。

本当は、キミの助けてが欲しかった。でもくれないのなら、せめてここで終わらせてあげる。
彼女なりの、愛のカタチ。



 気分が悪い――むかついた肺臓が曇りガラスのように鳴いて、躁鬱の渦巻きに絡め取られている。盗まれた希望の表裏一体、胎蔵(はら)に帰りたいと望(ぼう)していく。あそばないの……幼女(おさない)言の葉が脳裡(なかみ)を撹拌(シェイク)する。こわい。恐い怖いコワくて外露(つゆ)が漏れそうだ。そんなに見つめないでくれ。無言で観察(み)ないでくれ。負(まいなす)の螺旋が伸びてきた――絶望がスキなんだよ。あそんであげようよ。どうか狂気に遊(いじ)ってほしい。干渉(つなが)った――厭だ。嫌だ。ぼとぼととあっけないキタナラシサ……。
 知りたかった事を教えてくれたんだ。痴れたかったのに吐(つ)いて終ったんだ。お礼をしてあげる――全体的に遅れていたのだ、送り損ねた園々(その)情胎(じょうたい)――夢の中で遊ぼ――望全自失(うしなった)目の前。

 素敵な素敵な迷宮だ、もう誰も見てくれない。

 破壊衝動(たのしみ)も塞ぎ込まれて意識朦朧、さまよう人間は独りわらう。外側からの終焉が牙を剥いて数酷、全身全霊で蔓延した呪詛(まほうのことば)。本当はキミの助けてが欲しかった――真っ暗い盥の底無し、受け止めきれない――彼女なりの、愛のカタチ。あげる。もらったよ。後の祭りさ。
 枕元のきいろなシミ、食べたくなかったから、仕方がない。

 私達の微笑み。おしまいの密室。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カイ・オー
【十の戒めの鎖】。
無数の真紅の鎖を操り、相手の真紫の鎖を絡めとり封じる。
ミステリの世界のルールを具現化した鎖で相手のUCを封じ、防御を破って攻撃するUC。

『第八命題:犯人は罰を受けなければならない』

不干渉は許されない。逃げようと隠れようと閉じ籠ろうと、探偵は犯人を追い詰める。
法や道理は関係ない。君にどんな動機があったとしても、「事件」を起こした「犯人」である以上、罰を与えなければならない。そうでないと、この物語は受け入れられない。

鎖による【鎧砕き】。相手の鎖を粉砕し、【捕縛】し動きを封じる。【怪力】で締め上げてダメージを与える。

怖がらなくていい。謎解きが終われば、君の物語は全て完結出来る。



 円形に描かれた『鎖(しょうめい)』方法、誰にでも理解出来るような『描写』だろうか。紫色の表情(かお)に逆回転(ベクトル)不明、迷々と震えている子供にも教えてやるべきだ――第八命題:犯人は罰を受けなければならない――火の車(まっか)に染まった別の鎖、雁字搦めの二重奏が『世界のルール』を改めていく。恐い? 怖い? それは違う。こわかったのは『被害者』達だ。逃げようと隠れようと閉じ籠ろうと【罪を犯した】人間は地獄に堕ちると鬼が謂う。事件を起こした登場人物、その末路が『つかまる』のは当たり前だ。読者がそれを望んでいる。閻魔もそれを欲している。不干渉は舌を引っこ抜かれる。
 法や道理は関係ない。謎解きのあとで溺死すれば良いのだ。答え合わせのあとで後悔すれば良いのだ。砕かれた真紫(し)の香り、ぎちぎちと鳴き始めた戒めの束。ばきりと悲鳴を上げた望(ぼう)、貌(ぼう)失のラスト・ページ。
 妖精が枕元に置いたのは無数(じゅう)の規則(かせ)。科せられた者は『手錠』に縋っている――怖がらなくていい。完結(ピリオド)だ。

 君の物語(ミステリ)は愛されている。
 最後には抱擁(うけいれ)されるのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】

なるほど、さっきの有象無象は
アンタに引き寄せられたのか。
しかしまぁ個としての力が比べモンにならねぇな。
どしたい、何があったんだ?

そう軽口は叩くけど、動けば鎖にやられるだろう。
だからポルターガイストの真似事さ、
アタシは動かず頑丈そうな調度品を
次々『念動力』で明後日の方向に放り投げる。
鎖がそれを追いかけてる間に、
探査の思念を飛ばさせてもらうよ。
理性が無くても「こころ」はあるだろ。
そこの奥底を探り当て、『優しさ』をもってノックする。
嫌いと言ったはいいものの、結局アンタはこの世界を「望んだ」だろ。
こうして蘇ってるのがその証左。
望んだ世界を壊す前に、その鎖で自壊しちゃくれねぇかな?



 助けて。誰か助けて。因果も解せない餓鬼(おこさま)が、希望と絶望を履き違えていた。なるほど。先程までの有象無象(こうしゃ)は誰かさんに『惹かれて』やってきた騒霊(ポルタ―・ガイスト)なのだろう。聾した真似事も下手糞なぐるぐる鎖(まき)、個としての『力の差』が比べ物にならないとは【現実(にんげん)】か――どしたい、何があったんだ――世界が嫌いだった。他人が嫌いで自分が嫌いだった。人間が嫌いで神様も嫌いだった。何もかも、目や耳や脳(ほし)に繋がるのが厭だった。ぎゅるぎゅると悲鳴をあげた紫が『破壊衝動』を吐き散らす……その調度品は如何様な『名称』だったのか。オマエに訊ねようとしても嘔悦(おえつ)の他もれない。
 軽口を叩いて瘤を撫でよう。目の上に垂れた『ヴェール』とやらを剥ぎ取れば好い。明後日の方向に投擲した物質(オブジェクト)。本日届けられた【思念(おもい)】は誰の為に紐解かれる――理性がなくても『こころ』はあるだろ。
 渦中に飛び込んだ腕(かいな)の弄り、因果を探せないならば『あかんぼう』に成れば好い。おぎゃあおぎゃあと泣いている望(オマエ)、嗚呼、其処に在ったのかと『戸』を叩き――結局アンタはこの世界を望んでいた。

 望んだ世界を壊す前に、自壊しちゃくれねえかな。

 蘇っているのが証左、そうさ※※は潜りたがりな優しさに震えている。がらりと地に落ちた紫、刹那だけの人間性……眼球がいとおしくも空を知った。
 ヤケに大きな瞳(まる)型、掻っ攫われた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ダーティ・ゲイズコレクター
指と指の間からチラチラとのぞき込むようなあなたの視線、感じました
その視線は何でしょうか?私を見ているのですか?
それとも私じゃなくて、これから自分の身に降りかかる未来を見ている?
んーんーんーんー
抱きしめてあげます
『怪力』だからぼきぼきっとしちゃうかも
でも、まぁ燃やしたり、いたぶられるよりはいいでしょ?



 優し気な世界(くうかん)は瞬時として吹き飛んだ。育まれる事も進む事も拒んだ結果、既に死んでいるとも理解出来なかったのか。いつしかの汚物を再確認するべきだ。いつしかの食卓を再認識するべきだ。そこに生き物の『気配』はないだろう? 嫌だ。嫌だ厭だ。きらいなんだ――それでも指と指の隙間は閉ざせない――あなたの視線、感じました。ぞくぞくと背骨を『舐られた』気持ちの悪さが『魔王』の坐を教えてくる。違う。違うんだ。そこには調度品だけが並べられている……柳の囁きに耳を傾けただけなんだ……私を見ているのですか? それとも未来を見ているのですか? あのふたつ目は自棄でまんまる愛らしい――んーんーんーんー……身に降り掛かった最悪。
 妬く災とでも記すべきだ。嫉く災とでも刻むべきだ。べきばきと折られた精神(こころ)の底、わいてきた渇望(かわき)は何だろうか。蔓々と絡み憑いたのはオマエなのかキサマなのか、玩具(がらがら)と近寄っている襞肢(なまあし)……燃やされるよりはマシだ。弄ばれるよりはマシだ。しかし死にたくはない。

 抱きしめてあげます。
 悪鬼の極まった身に『絞』まる。

 血と肉と骨がひっついた。全身から嫌な音が漏れ、愈々意識がもっていかれる。いかれた思考回路(しわくちゃ)が妙な恍惚を得、その海へと投げてくれ――潜行したお前に言ってくれ、逝きわかれた双眸(めのたま)。
 最後まで。最期まで。見つめていたのはどちらさん。
 ――もう離さないで。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月02日
宿敵 『望』 を撃破!


挿絵イラスト