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Shinobis Shows in Snow

#サムライエンパイア #猟書家の侵攻 #猟書家 #獣狩りのアルヴィナ #化身忍者 #風魔小太郎 #魔軍転生

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「退屈だな」
 サムライエンパイア、とある町の片隅にある庵にて。
 窓辺より、雪降る庭を眺めながら、その青年は気怠げに呟いた。その手の中に、乾ききった細筆を弄びながら。
「流石にこう…毎日雪ばかりでは、良い句もなかなか浮かばない」
 文机の上には、所々が墨塗りとなった紙。何か句を書こうとして、諦めて塗り潰した跡。
「…ん?」
 ふと、庭の入り口に人の影があるのに気付く。小さな人影。明らかに幼い子供。町人の子がここまで迷い込んだのだろうか。
「どうしたんだい? こんな処に一人で…おわっ!?」
 外へ出て、声をかけようとする青年。だがその肩を引いて、その身を留めんとする者あり。
「お待ちを、貞明様。かの幼子、尋常の者とは思えませぬ」
 いつの間にか青年…貞明の背後に在った女性が、繊手に見合わぬ強い力で彼の肩を掴んでいた。痛みは与えぬ絶妙の力加減。
「…妖怪だとでも言うのかい? でも、危害を加えてくるような奴なら…緋蓮、君が何とかしてくれるだろう?」
 緋蓮という名らしき女性に、微笑と共に言葉を返す貞明。緋蓮、呆れ気味に首を振り。
「確かに、それが私の務めではありますが。とは言え己の安全を顧みぬ行いは慎んで頂きたく…ッ!」
 皆まで言い切るより前に緋蓮の手が閃く。庵の影へと飛んだ苦無が、瞬時に凍りつき砕け散る。
「…バレてしまっては仕方ないのです」
 その場にあったのは、此方も幼子。苦無を防いだ先の技、氷の術か。
 見れば、庭の至る処にいつの間にか何人もの幼子達が姿を現し。貞明と緋蓮とを包囲していた。
「山葉貞明、首塚の一族の一人。その首、頂くのです」
 最初の幼子が宣言すると共に。その背より伸び出すは背丈より尚巨大な腕。同じく巨腕生やせし彼女達が一斉に、二人を目掛け襲いかかる…!



「皆様、『首塚の一族』のことは覚えておいででしょうか」
 グリモア猟兵、愛宕院・燐樹(紅珠媛・f06887)は、集った猟兵達へそう切り出した。
 首塚の一族とは、かつてエンパイアウォーにおいて、オブリビオン・フォーミュラたる織田信長の本拠であった魔空安土城、その護りを破ったユーベルコードの使い手達の事だ。
 現在オウガ・フォーミュラとしてサムライエンパイアの侵略を企てているクルセイダーも、彼らの力を警戒しているらしく、その本拠である魔空原城は常に所在を変えエンパイア中を飛び回っているらしいとのことだが。
「どうやら彼らは、それへの根本的な対策を取る事にしたようです。即ち、忍びの者を放ち、首塚の一族を暗殺しようとしているのです」
 燐樹のその言葉に、猟兵達にも緊張が走る。
「これを許せば、いずれ来るクルセイダーとの決戦にも障りが生じましょうし、何より人命奪われるを捨て置く訳には参りません。彼らの救援、お願いできますでしょうか」
 猟兵達が頷くのに自らも首肯を返し、燐樹は本題へと入る。

「此度、皆様に救援頂きたいのは、エンパイアのとある町、その外れの庵にお住まいの『山葉・貞明』様というお方です」
 人のあまり訪れぬこの地に隠れるように住んでいた彼を、オブリビオン達が襲撃する予知が見えたとの事だ。
「襲撃するオブリビオンは『雪女見習い』達。本来、そこまで強力なオブリビオンではないのですが…彼女達もまた、『超・魔軍転生』による強化を受けています」
 サムライエンパイアを狙う猟書家のうち何名かが修めたこの呪法、此度の作戦を主導する猟書家もまた修めているらしい。
「彼女達に憑装しているのは『風魔小太郎』。戦闘力の向上のみならず、彼の忍びの技をもまた身につけています」
 それを活かし、正攻法ではない様々な手を用いて貞明暗殺を達成しようとしてくるだろう、と燐樹は推測する。厳しい戦いになりそうではあるが。
「ただ、現地には幕府から貞明様を護衛するべく派遣された忍者の方がおられますので、其方と協力なされると対処も容易になるかと」
 緋蓮、という名のその忍者は、実力こそ猟兵程ではないものの、同じ忍びとして敵の用い得る戦法は熟知している。気をつけるべき点、想定される妨害など、彼女に教授を願ったり、警戒を任せると良いかもしれない。

「貞明様の安全が確保できましたら、襲撃を主導する猟書家の討伐をお願い致します」
 この猟書家の名は『獣狩りのアルヴィナ』。配下とは異なり、強者との正面きっての戦いを好む戦闘狂である。尤も、最優先目標を忘れる程ではないので、貞明の安全には常に気を配るべきだろう。
 アルヴィナさえ倒せば、残る雪女達は指揮を失い烏合の衆となる。殲滅に苦労はしないはずだ。

「説明は以上でございます。それでは皆様、宜しくお願い致しますわね!」
 空間より伸び出た触手がグリモアを描き、以て猟兵達をかの庵へと転送してゆく。


五条新一郎
 幼女強い。
 五条です。

 対猟書家戦、此度の舞台はサムライエンパイア。
 首塚の一族の一人たる青年を、忍者のお姉さんと共に猟書家達から守りきりましょう。

●目的
 猟書家『獣狩りのアルヴィナ』及び配下の殲滅。
 首塚の一族『山葉・貞明』を守りきる。

●戦場
 サムライエンパイア、とある町の外れにある庵。主に庭園が戦場となります。
 幾つか木が生えていますが視界は概ね良好。ただし雪が積もっているので多少足場に注意が必要です。
 庵の裏手には林が広がってます。

●NPC
『山葉・貞明』
 二十代前半の人間の男性。首塚の一族の一員。
 落ち着きながらも何処か浮世離れした性格。戦闘力は皆無。

『緋蓮』
 二十代後半の人間の女性。幕府より貞明の護衛として派遣されている化身忍者の女性。
 冷静沈着な性格。戦闘力はそれなりにありますが、猟兵には及びません。武器は苦無、ユーベルコードは降魔化身法を使用可能。

●第一章
『雪女見習い』との「集団戦」です。
 彼女らはかつての魔軍将『風魔小太郎』を憑装しており、戦闘力の向上と一部肉体の異形化、そして忍びの技を得ています。
 猟兵達との戦闘より貞明暗殺を優先して動きます。

●第二章
 猟書家『獣狩りのアルヴィナ』との「ボス戦」です。
 アルヴィナは積極的に猟兵へ攻撃を仕掛けていきますが、いけると見たら貞明を殺しに動くので注意した方が良いでしょう。
 アルヴィナを倒せば、残る配下は統率を失い混乱します。

●プレイングについて
 第一章はOP公開直後から、第二章は章移行後断章投稿時点からプレイングを受け付けます。
「緋蓮と協力して戦う」ことでプレイングボーナスが得られます。彼女は忍者の手口を熟知していますので、暗殺阻止に力を発揮するでしょう。

 それでは、皆様の決断的なプレイングお待ちしております。
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第1章 集団戦 『雪女見習い』

POW   :    ふぅふぅしてみる
【くいくいと対象を引っ張る動作】が命中した対象に対し、高威力高命中の【凍てつく氷の吐息】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    とにかくふぶいてみる
【全力で吹雪】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    みようみまねのゆうわく
予め【足を魅せる等の誘惑行動をとって赤面する】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アルトリウス・セレスタイト
何にせよ討つか

戦況は『天光』で常時把握
自身への攻撃は『絶理』『刻真』で触れた瞬間終わらせ影響を回避
必要魔力は『超克』で“世界の外”から供給

天楼で捕獲
対象は戦域のオブリビオン及びその全行動
原理を編み「迷宮に囚われた」概念で縛る論理の牢獄に閉じ込める

高速詠唱を幾重にも重ね『刻真』『再帰』で無限に加速・循環
現着次第無数の迷宮を重複展開し数の利を奪う

見えず触れ得ずとも虜囚
抜けるか壊すか、何れにせよ急ぐが良い
破壊の手段も、存在すらも消え失せるぞ

内から外へは干渉不能、逆は自由で対象外へは影響皆無

出口は自身に設定
万一辿り着くなら『討滅』を乗せ打撃で始末

※アドリブ歓迎



「…貞明様。どうやら、完全に包囲されたようです」
 庵の周辺から庭にかけてを見渡す女忍者、緋蓮。どちらに目を向けても、視界にはあの幼き少女――オブリビオンたる雪女達の姿が映る。
「え、でもあっちの道は大丈夫じゃ…?」
 一方の貞明、庭園の一角――現在位置から程近い、生垣の隙間を示し。そこからなら抜け出せないかと問うが。
「――いえ。あちらこそ最も危険な道。逃げ道を一つだけ残し、そこに罠を仕掛けているのでしょう」
 罠を置くなら、敵から一番安全そうに見える場所へ。その論理に従えば、かの道へ逃げ込むはまさに敵の思う壷。
「では、わたしたちと戦いますか?」
「数ではこっちが勝っているのですよ?」
 その思考を理解したか、口々に煽るような問いをかける雪少女達。思考を乱し、判断の誤りを誘おうというのだ。
 だが事実として、この場を切り抜ける術を、緋蓮は見出せずにいた。己一人だけならまだしも、それは任務の放棄を意味する。忍びたる己にとって、死よりも尚受け入れ難き結果だ。
(…どうする…? どうすれば、貞明様を逃がせられる…?)
 あらん限りの知覚と思考を以て、役目を完遂する為の道筋を探る。蜘蛛糸よりも尚、朧で儚いその道筋が、突如、蒼き燐光によって明確さを増す。
「…な…っ!?」
 緋蓮は目を見開く。隣の貞明も驚きの声を上げる。何故なら、彼らの眼前に、いつの間にか一人の男が立っていたからだ。黒と銀の長衣、短い銀髪。そしてその身に纏う蒼き燐光。明らかにエンパイアの者ではない。では、彼は…
「…もしや、猟兵殿…!?」
 思い当たった緋蓮、驚き混じりの声音で確認めいて問う。振り向いた男、蒼き瞳が緋蓮を見返す。
「――そうだ。お前達を、助けに来た」
 そしてアルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)は告げる。己が今、此処に在る理由を。端的に、明確に。
「猟兵…! そうか、僕達が襲われていることを…!」
 貞明もまた声を上げる。彼も首塚の一族の一員として、かつてのエンパイアウォーの折、幕府軍と共に行動していたのだ。猟兵の活躍ぶりは、彼も理解する処である。
「その通りだ――何にせよ、討つとするか」
 首肯を返して、アルトリウスは再度前を向く。この時、彼は既に行動を終えていた。時の原理による詠唱加速、循環の原理による連続再生。『原理』、世界を形作る始原の力。彼の手で操られたそれらは、正しく圧倒的と言える力を発揮する。
「え、あれ、こ、ここどこですか!?」
「わ、わたし達、何がどうなって…!?」
 突如恐慌を来す雪少女達。緋蓮と貞明には何が起きているのか分からず首を傾げるばかりだが、それこそはアルトリウスの形作った原理の迷宮。『囚われた』という認識を以て敵を縛る論理の牢獄だ。
「抜けるか壊すか、何れにせよ急ぐが良い。破壊の手段も、存在すらも消え失せるぞ」
 追い打ちめいたアルトリウスの言葉。そして、それはすぐに証明される事となる。
「ふ、ふええ!? か、からだ、くずれて…!!」
「で、出口はどこですか…!?」
 迷宮内に布かれたるは自壊の原理。雪女見習い達の肉体が、徐々に崩れ落ちてゆくのが見て取れる。アルトリウスはただ冷徹に、その様子を見届けんとする。万一脱出を果たした際の備えもしてはあるが、この状況ならば使う必要もあるまい。
 そうして、然程長くもない時間を経て。その一帯に在った雪少女達は、その全員が影も残さず消え失せていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
成程、確かに猟書家側からしますと、要警戒の相手ですねぇ。
了解致しましたぁ。

まずは『天下自在符』を見せ協力を伝え、護衛に入りますねぇ。
『FSS』を貞明さんの周囲に配置、忍びの技術と無関係の『強襲』を仕掛けて来た場合に備えますぅ。
そして、緋蓮さんに『警戒』と『索敵』を要請、実際の『交戦』を私が行う形で対処して参りましょう。

【乳焔海】を使用、『女神の波動』で緋蓮さんに指定された位置と、出現した相手を焼き払いますぅ。
雪女さん達の『吹雪』も『雪』である以上、『炎』の対象に含めれば防げますし、かなり広範囲を覆える攻撃手段ですから、数への対応も可能ですぅ。

確実に護衛して参りますねぇ。



「間に合ったようで何よりですぅ」
 ひとたび庵へと退いた緋蓮と貞明。追撃せんとする雪女見習い達を牽制しつつ、遅れて入ってきた黒髪の美しい少女が、二人へ声をかける。
「助成、感謝致します。ということは、貴女も…?」
「はい、猟兵ですぅ」
 礼を述べつつ確認の問いをかける緋蓮に、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はその豊満極まる胸元から取り出した割符を示す。天下自在符、エンパイア内での猟兵の自由な活動を保証する証。転じて、エンパイアにおいて猟兵の身分を示す品でもある。得心し頷く緋蓮。
「さてぇ。早速ですが緋蓮さん、索敵をお願いしても良いでしょうか?」
 情報によれば敵は忍びの技を有する者。歴戦の猟兵たるるこるとはいえ、忍道は専門外である。なれば、蛇の道は蛇。同じ忍びに頼るが得策だ。
「承知。感あり次第お伝えします」
 緋蓮も応え、その場から一時、姿を消す。それを見届けたるこるは続けて光盾を展開。己の守りを固めんとする――かに見えたが。
「させませんよぉ」
「あうっ! き、気付かれて――」
 貞明との間に割って入ったその盾達が、彼への強襲を妨げる。仕掛けた雪幼女の悔しげな呻きは、直後に放たれた熱線に呑まれ焼かれた。敢えて忍びの技に頼らず仕掛けた強襲だが、それに気づかぬるこるではない。
「た、助かったよ…ありがとう。この盾、丈夫なんだね」
 冷や汗をかきつつも礼を告げる貞明。安心感の見える様相で、己の身を守った盾を見る。
「はい、私もその盾には何度も助けられてますからぁ。余程の大技以外は止められるはずですよぉ」
 そんな彼に、るこるも微笑と共に頷き――と、そこに。
(夢ヶ枝様。夢ヶ枝様の左後方、天袋の中と、右前方、襖の先。敵の気配が、近づいております)
 何処からともなく緋蓮からの声が届く。敵の存在を察知したのだ。るこるは頷き、その場にて両手を合わせ、目を伏せて。祈りの姿勢を取る。
「…? あの、るこるさん、何を…?」
 徐に祈りだしたるこるの姿に、貞明は困惑げな様子を見せるが。直後、その意味を知ることとなる。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その裁きの理をここに」
「「ぅきゃぁぁぁぁぁぁ!!?」」
 伏せていた目を開き、詠唱を結ぶと同時。後方、天袋の中と、前方、襖の向こう側。幼い少女の悲鳴が同時に響き渡った。
「…い、いきなり何なのです!? まさか『空間から火が噴き出す』なんて…!」
 襖の向こうから転がり出てきた少女雪女が、驚愕と焦りの声で喚きつつるこるを睨む。今しがたのるこるの祈りは、周囲に放った波動によって任意の対象を発火させるユーベルコード。そしてその対象は空間をも含む。緋蓮によって敵がいると判明したその空間へ炎を放ち、以てそこにいた雪女見習いへ攻撃を仕掛けたのだ。
 尚、天袋に潜んでいた雪女の反応は無い。狭い天袋内ゆえ炎から逃れられず、そのまま燃え尽きてしまったらしい。
「ええい、かくなる上は! 皆、囲んで一気に仕留めるのです!」
 業を煮やした雪幼女、周囲の仲間に呼びかければ。庭の縁側を飛び越え、或いは飯炊き場を駆けて。三方から雪女見習い達が一斉にるこる達を目掛け飛び込んできた。
 否、その狙いは全員が貞明。その手に生成した氷の手裏剣を、一斉に投げつける。それも複数。光盾の守りをすり抜け貞明へ命中させんとするのが狙いか。
「そうはいきませんよぉ!」
 だが、るこるの放つユーベルコードは更にその上をゆく。短い祈りと共に放たれた波動は一瞬で庵の全域を走り抜け。放たれた氷手裏剣と、それを放った少女雪女達の全てを、乳白色の炎に包み、焼き尽くしていった。
「す、すごい…」
 あの窮地をこうも簡単に。貞明はただただ、彼女の力に感嘆するばかりであったとか。

成功 🔵​🔵​🔴​

御前・梨
忍者はなんにんじゃ。

あ、いや、失礼。本物の忍者に会ったのは初めてでつい。(まさか、本職の忍ぶ者に会えるとは…いや、ビックリすね)

…まー、とりあえず本職の人にお任せしますかね?

緋蓮さん、でしたっけ?貴女がこの屋敷に忍び込んで…するなら

何処からどうやって行きますか?




お相手さんが仕掛けてきたら…俺は正面から斬りかかりますか。あんまり得意じゃないんですけどね(出来ないとは言ってない)

相手がこっちの隙を見つけ、暗殺に動いたら


……計画通り、悪いけどそれ【演技】なんすよ。


緋蓮さんに暗殺を阻止して貰い、こっちは逃げようとする相手を【逃亡阻止】して、指定UCで【騙し討ち、不意討ち】で仕留めさせて貰いますわ。



「忍者はなんにんじゃ」
「「え?」」
 緋蓮と貞明、二人との合流を果たした御前・梨(後方への再異動希望のエージェント・f31839)は徐に宣った。唐突の駄洒落に、二人は一時、唖然とする。
「…あ、いや、失礼。本物の忍者に会ったのは初めてでつい」
 その様子を見た梨、弁解めいて続けるが。事実、本職の忍ぶ者に会えたことに対する驚きを、彼は感じていた。
(こんな経験できるなら、前線任務も悪くはないかもっすけど)
 本来は後方勤務であった梨だが、猟兵になったことから前線任務へ回されることになった身の上。今回のような経験はあるものの、叶うなら後方に戻りたい…と基本的には思っている。
(この手の任務はそれなりに経験あるっすけど…まー、とりあえず本職の人にお任せしますかね?)
 その後方においての経験も役立つかも、とは思ったが。やはりより専門性の高い者の意見を聞くが得策だろう。梨はそう判断する。
「えーと…緋蓮さん、でしたっけ?」
「あ、はい」
 気を取り直して梨の呼びかけに答える緋蓮。梨は一瞬、彼女の貌を確かめた後に続ける。
「…貴女が、この庵に忍び込んで――するなら。何処からどうやって行きますか?」
「…!」
 その問いをかけた梨の表情に、何かを察したか。答える前に、重い頷きを返す緋蓮であった。

「ええい、まだるっこしいのです!」
「人数では勝ってるのです、このまま叩き潰してやるのです!」
 そしてその直後、数名の少女雪女達が縁側から庵の中へ飛び込んできた。
「のわっと! 強引に攻めてくるっすね…!」
 それを認めた梨、携えた傘を徐に構え――持ち手を引き抜く。そこについてきたのは細身の剣、所謂仕込み傘だ。
「正面からの斬り合いとか、あんまり得意じゃないんですけどね…!」
 そして雪女見習い達へと斬りかかってゆく。得意じゃないとは言ったが、できないとは言っていない。それなりの鋭さを持つ刃が、少女雪女達の身に斬り傷を負わせてゆく。
「い、痛いのです…!」
「お兄さんお兄さん、こっち見るのです」
 白の着物を血に濡らしよろめく雪幼女。追撃せんとした梨だが、その着衣を別の少女がくいくいっと引く。
「うん…ぬおっ!?」
 思わず振り向いた梨だが、直後に全力で跳び退く。その顔へ、少女が放った極低温の吐息が浴びせかかりそうだったからだ。直撃したら顔が大惨事になる処であった。
「梨さん!」
 回避には成功したが姿勢を崩した梨。そんな彼へ貞明が心配げな声を上げる――が。
「その隙、頂いたのです」
 その背後へ、いつの間にか現れた別の少女雪女。その手に氷柱めいた氷の短刀を生成し、貞明の首筋へ突き立てんと――
「――計画通り」
「っ!?」
 淡々と、梨は言う。短刀握る少女の手が、動かない。更に背後へ立っていた緋蓮が、手首を掴んでいた。そして、緋蓮の手が閃けば。彼女の手の苦無が、少女の首筋に突き立ち、崩れ落ちる。
「むう、不意打ち失敗なのです…っ!?」
 察し、一度仕切り直しを図ろうとした少女雪女達、振り向いたその瞬間、振り下ろされた剣の一閃が胸を深く裂き。致命の傷を彼女へ齎す。
「――悪かったっすね。それ、全部演技なんすよ」
 冷徹に、淡々と。梨は告げる。かつての後方業務――暗部の仕事をこなしていた時にも似て。冷たく、無駄なく。残る雪女見習い達も、残さず斬り捨ててゆく。

成功 🔵​🔵​🔴​

月舘・夜彦
【華禱】
エンパイアウォーで倒された者達は他にも居たはずです
今回と同じく他の者達も利用されるものと思った方が良さそうですね

緋蓮殿から分かる範囲の情報を頂いてから向かいましょう
私達猟兵が向かっているとは言え、指揮している者がまだ居ません
緋蓮殿に貞明殿の警護をお願いします

視力と聞き耳により敵の数、物音・戦闘音から敵の位置を把握
倫太郎と情報を共有して戦いに備える

倫太郎の術を合図に駆け出して接近
拘束されている敵を優先して早業の火華咲鬼剣舞
2回攻撃となぎ払いにて、より広く複数の敵を一掃
その後は討ち漏らした敵の追撃

敵の攻撃には触れられないよう残像にて回避優先
躱し切れないものにはなぎ払いの衝撃波にて攻撃を相殺


篝・倫太郎
【華禱】
次から次へと……懲りないな

悠長してる時間はねぇだろうから
緋蓮から手短に警戒する要点を聞いとく

貞明の信も篤く、警護を任されてるなら
そっちを重点に動いてくれ

LoreleiとHoldaを連動し起動
熱探知を利用して敵の位置と距離を掌握
夜彦と情報共有
また、緋蓮に教えて貰った要点は常に警戒

拘束術使用
射程内のすべての敵に鎖での先制攻撃
攻撃と同時に拘束

拘束から逃れた敵は
吹き飛ばしを乗せた華焔刀でのなぎ払いで範囲攻撃
刃先返して2回攻撃と精神攻撃

お前達を焔が焼くぞ
見習い風情に防げるのか?

敵の攻撃は第六感と見切りで回避
回避する事で貞明と緋蓮が危ないようなら
その場でオーラ防御で防いで凌ぎ
咄嗟の一撃でカウンター



「あうっ!」
 雪女見習いの一人が斬り伏せられ、骸の海へと還ってゆく。貞明を守るように立つのは、緋蓮の他に今は二人。藍の髪のヤドリガミと、若草の髪の羅刹。二人の美丈夫。
「危ない処でしたね」
 少女雪女を斬った白銀の刃を振り、血を払い。背後の貞明と緋蓮へ向き直って、藍髪の月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)が告げる。
「ああ、間に合ったみたいで何よりだ」
 朱焔踊る黒塗りの薙刀を携え、若草髪の篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)も続く。
「あ、ありがとうございます…今のは危なかった…」
「私がついていながら…不覚の極み」
 胸を撫で下ろしつつ礼を述べる貞明。一方の緋蓮は沈痛げに。二人の猟兵の介入無くば、恐らく貞明の命は奪われていたであろう、それ程の危機的状況であったが故に。
「結果的に何とかなったんだ、あまり気にすんな。それより次だ」
 とはいえ、落ち込んでばかりもおれぬ。倫太郎の言に頷き気を取り直す。
「手短で構わない、どの辺に特に気を付けておいた方がいい?」
 続いての問いに、縁側を前として布陣する現状なれば、裏側の飯炊き場が最も纏まった戦力を投じ得る場所だろう、と答えを返す緋蓮。
「ありがとうございます。なれば緋蓮殿は貞明殿の警護をお願いしたく」
「ああ、貞明にも信頼されてるみたいだしな。打って出るのは俺達の役目だ」
 現状、指揮官たる猟書家の姿が未だ確認できていない。今は地道に迎え撃つより他に無し、という状況にあるが故。二人の要請に緋蓮が応を返せば、彼らは縁側より庭へ出る。
「次から次へと…懲りないな」
 出迎えるように彼らを半包囲する雪女見習い達を前として、ふと倫太郎が漏らす。それは、他の猟兵達によって確実に数が減っているにも関わらず執拗に襲い来るオブリビオン達ばかりの話ではない。
「エンパイアウォーで倒された者達は、他にもいたはずです」
 応える夜彦の眉間にも皺が刻まれる。サムライエンパイアを狙う猟書家達、彼らを退ける戦いの多くに関わってきた夜彦と倫太郎。かつての魔軍将達の多くが『超・魔軍転生』によって猟書家達の配下へ憑装されている事実。まさに今、己らを見据える雪女見習い達、彼女らへ憑装した風魔小太郎然り。
「今回と同じく、他の者達も利用されるものと思った方が良さそうですね」
「つまり、まだまだ増える可能性ありってコトか…!」
 夜彦の推論にうんざりしたような表情を見せる倫太郎。
「わたし達は止まらないのです!」
「幕府を倒すその日まで!」
 そこへ雪女見習い達が一斉に襲い来る。手に手に氷の短刀や氷柱じみた苦無を携えて。
「そうはいかせません。エンパイアの世は、私達が守り抜きます」
「…ああ。お前達の勝手な願望、叶えさせるものか!」
 白銀に加え蒼銀の刃もその手に抜き、構えながら夜彦。倫太郎も応えるように薙刀を構え、少女雪女達を迎え撃たんとする。
 そこへ降り注ぐ、少女達の投げる氷の刃。倫太郎は薙刀を旋回させて凌ぐと、その勢いのままに地を叩く。
「縛めをくれてやる!」
 その宣言による、目に見える変化は無し。なれど少女雪女達は一斉に身を震わせたかと思えば動きに一気に精彩を欠く。そこへ駆けるは夜彦。構えた二刀に、瑠璃色の炎が宿る。
「舞いて咲くは、炎の華――!」
 踏み込み、刃を広げ身を半回転、両の刃を続けて頭上へ掲げれば、交差、更なる踏み込みと共に振り下ろす。流麗な剣舞に伴う炎が、斬撃と共に少女雪女達へ浴びせられ。その身を焼き滅ぼしてゆく。
「よし――いや、戻るぞ夜彦! 急げ!」
「!」
 快哉を上げかける倫太郎だが、その眼にかけたコンピュータ内蔵ゴーグル、そこへ伝わった情報に気付けば夜彦へ呼びかける。まさに最大限警戒すべき位置へ、敵襲ありと示されていたが故に。

「させるかぁ!!」
 貞明の前に立ちはだかり迎撃の苦無を投げる緋蓮、彼女を追い越し、飯炊き場の方から迫り来た雪幼女達へと二人は肉薄する。
 倫太郎は大きく薙刀を振るい、雪少女らを斬り裂き吹き飛ばす。
「炎の如く、咲き散れ!」
 そこへ更に夜彦が飛び込み、瑠璃色の炎と二刀の斬撃を浴びせる。
「お前達を焔が焼くぞ、見習い風情に防げるのか?」
 全身を炎に苛まれる少女雪女達へ、挑発じみて倫太郎が告げる。
「うー、馬鹿にしてー!」
「これくらいならできちゃいまーす!」
 炎に苛まれながらも立ち上がった雪女見習い達、その手に生成された氷の短刀や苦無を、一斉に倫太郎目掛け投擲。回避を試みんとした彼だったが。
(…まずい、後ろの貞明や緋蓮に当たる!)
 その時、少女雪女達と倫太郎、そして貞明と緋蓮はほぼ一直線の位置関係にあった。即ち回避は不可能。なればどうするか。
(それなら…!)
 咄嗟に己の霊力用いたオーラを形成。その気の流れでもって、氷柱を逸らそうとする狙いだ。殆どはそれにて回避成功、何本かが障壁を貫き四肢を穿つが、動きに障りはない。
「お返しだ!!」
 その場で薙刀を大振りとすれば、強烈な衝撃波がカウンターじみて雪少女達を襲う。斬り刻まれ、何人もの少女雪女達が倒れていって。
「これで、終わりです」
 何とか生き残った少女も、夜彦の剣によって斬られ斃れ。この攻勢からも、貞彦の身命を守ることに成功したのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
WIZ

風魔小太郎……
配下を隕石に変えて特攻させる最低野郎ね。
そんな奴を憑依させちゃ駄目。
真の死霊術で貴女達を救済してあげる

まずは自分もろとも彼女達を【結界術】に閉じ込め
私を倒すまで貞明を殺しに行けなくするわ。
守護霊の憑依【ドーピング】で戦闘力を高め
吹雪は【オーラ防御・氷結耐性】で耐え
忍びの技や異形化した体での攻撃は【第六感・見切り】で回避

誘惑による赤面で戦闘力増強しようとしたら
『愛の想起・花と鳥の小夜曲』発動。
雪女達の強化は解除され、私だけが更に強化

私を誘惑するとは良い度胸ね。
遠慮なくいただくわ♥

【誘惑・催眠術】で魅了しつつ
幼い体の隅々まで【慰め・生命力吸収】
身も心も蕩けさせるわ♥



 庵の裏側、林の中。表で猟兵達が戦いを繰り広げる中、雪女見習い達の一部集団は、此方に回り込んで攻め込む隙を窺っていた。
「もうちょっとです、猟兵達が戦力を出しきったところで…」
「…あ、あれ…? 何か、様子が変…です?」
 などと話し合っていた彼女達だが。そこに生じた異変に困惑の表情を浮かべる。音が、聞こえない。表からあれだけ響いていた戦闘音が、いつの間にか全く聞こえなくなっていた。こんな急に戦闘が終わるなど有り得ない。となれば。
「…何者です!」
 一人の少女雪女が、氷で形作った手裏剣を投げ放つ。現れたその存在、漆黒の髪と瞳の少女――の姿をしたモノの前で、それは弾けて割れる。
「私は、貴女達を救済に来た者。超・魔軍転生なんて邪法とは違う、真の死霊術でね」
 彼女の語るその言葉に、雪女見習い達の困惑が深まる。この女、恐らく猟兵であろう。それが、オブリビオンを救済するとは…と。
 なれど、その行為は彼女にとっては当然のこと。それが彼女、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)の掲げる目的であるのだから。
(そもそも、風魔小太郎って言ったら、配下を隕石に変えて特攻させる最低野郎じゃないの)
 目の前の少女雪女達、彼女達が憑装せし存在のかつての所業を思い起こし、ドゥルールは内心に嫌悪を示す。オブリビオンの救済を目的とするとは言え、同じオブリビオンに無体を強いる存在は別だ。
「わけの分からないことを言うんじゃないです!」
「一度撤退です…って出られないです!?」
 そんなドゥルールの意思を理解できぬとばかり、彼女から離れようとした雪女見習い達だが。そこで気付く。自分達の今いる空間が、何らかの結界で隔離されていることに。
「ええ、私と貴女達は、私の作った結界の中。ここから出る方法は二つ」
 微笑みながらドゥルールは応える。即ち、彼女を殺すか、受け入れるかだ。
「ええい、面倒なことをしてくれるのです!」
「それならお望み通りに殺してやります!」
 であれば、彼女達の取る行動は一つ。氷手裏剣を放つ者、背から生えた異形の腕で殴りかかる者。数を頼んだ波状攻撃をドゥルールへ仕掛けてゆく。
「大丈夫よ、怖がる必要なんて無いの」
 だがドゥルールの力量は、その攻勢をも凌ぎきり得る程だ。手裏剣は立ち昇るオーラで弾き、背の巨腕や短刀での斬撃は巧みな見切りで躱す。
「むう、埒が明かないです」
「では…こ、これなら…どうです、か…?」
 ただ攻撃するだけでは勝てないと判断した少女雪女達。ならばとばかり、徐に着物の胸元や裾を肌蹴てドゥルールへの誘惑を図る。羞恥心は据え置きらしく、少女達の青白い貌に紅が散る。しかしこれも立派なユーベルコード、彼女達の強化を図る目的も兼ねていたが。
「あら…私を誘惑するなんて、良い度胸ね。では…皆で頂くとしましょうか♪」
 誘惑そのものはドゥルールに通じたが、その反応は少女雪女達の想定外だった。彼女達を『いただく』べく、ドゥルールもまたユーベルコードを行使。彼女の背後に、半人半鳥の少女と、草花と一体化したかのような少女が姿を現す。
「私達の出番かしら?」
「あそんでくれるの~?」
 現れた少女達の問いに、ドゥルールは頷き、少女雪女達を示す。
「ええ、皆であの子達を愛してあげましょう。たっぷりと、ね…♪」
 深い闇の如きドゥルールの瞳が、幼き雪女達を見据える。その瞳を見てしまった少女達の身体から、力が抜けてゆく。
 そうなってしまえば、少女雪女達は最早完全にドゥルールの術中。彼女や呼び出された少女達、その手練手管によって、幼き肉体の隅々までを愛撫され、弄ばれ。身も心も、全てを蕩かされていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

加賀・琴
首塚の一族、ですか
先のエンパイアウォーでは彼らがいなければ、どうなっていたか分かりませんからね
力になれるなら嬉しい事です……首塚というのも親近感がありますし

風魔小太郎を憑装して忍びの技を使い、山葉さんの暗殺を優先する敵達……これは気を抜けませんね
くっ、このままでは例え勝てても山葉さんの安全を確保できるか厳しいですね、なら【神域結界・千本鳥居】です!
邪悪を拒絶し惑わす神域たる結界を敷いて、敵と山葉さんを分断します
山葉さんと緋蓮さんを出口に置いて、私は出口に通ずる道で待ち伏せします
これなら忍びによる暗殺も困難極まるはず、そしてこの道を私が死守すればいいです
弓矢を構え、敵が此処に現れれば射抜きます!



「きゃうっ!」
 少女雪女の胸に矢が突き立ち、致命の傷を受けた彼女はそのまま倒れて骸の海へ還る。その様を見届けるのもそこそこに、巫女姿の女性猟兵は身を翻し、和弓――今しがた少女雪女を仕留めた矢を放てしもの――へ次なる矢を番える。
「くっ、琴殿!」
 視界の先には、雪女見習い達を複数相手取る緋蓮の姿。己では仕留めるに至れぬと踏んでか、苦無を以て牽制に徹している。名を呼ばれた加賀・琴(羅刹の戦巫女・f02819)、緋蓮へと氷手裏剣を投げ放つ忍び雪女達へと、その矢を向け、引き絞り――
「承知!」
 緋蓮の声へ応を返せば、矢の狙いを素早く右へ。彼女の様子を不安げに見守る貞明――その背後へ目掛けて撃ち放つ!
「あぐっ!? き、気付かれ…」
 果たして、その矢は背後より異形の左腕を以て貞明を強襲せんとしていた少女雪女の頸へ突き立つ。驚愕を最後まで言葉にできぬまま、少女は斃れる。
「緋蓮さん、一旦こちらへ!」
 貞明のもとへ駆け寄りつつ、琴は改めて緋蓮の相手取る忍び雪女達へ矢を放つ。必殺のその矢を受け斃れる彼女らを尻目とし、緋蓮も退き合流を果たす。
「忝い。しかし、敵の攻勢、より一層激しく――」
 緋蓮の表情は硬い。他の猟兵達の活躍もあり、敵数自体は減っているはずだが、ここにきて攻勢の圧力は更に増してきている。猟兵相手に長期戦は不利と見て強引に攻める策に出たか。
「ええ。正直なところ、このままでは勝てても山葉さんを守りきることは厳しい状況」
 応える琴も、視界に未だ複数の雪少女達が映る状況に眉根を寄せる。此度の戦、襲撃を指揮する猟書家の撃破以上に、貞明を――首塚の一族を守ることが肝要となる。彼を守れなければ意味が無い。
(先のエンパイアウォーでは彼らがいなければ、どうなっていたか分かりませんからね…)
 一昨年の夏の戦を思い返す。猟兵達が魔空安土城へ乗り込み、オブリビオン・フォーミュラたる織田信長を討つに至れたのも、ひとえに首塚の一族が行使するユーベルコードがあればこそ。琴にとって、この戦はある種の恩返しとも言えた。故に、尚更負けるわけにはいかない。
「地形の虚と連携を以て、目標の暗殺を狙う者達――なれば」
 琴は頷き、胸元より一枚の符を取り出す。何事かと緋蓮が問えば、琴は振り向かずして応える。
「この場を神域たる結界と成し、敵と山葉さんを分断します!」
 そして符を構え、念じる。それを隙と見たか、少女雪女達が一斉に駆け迫る。その背で、異形の剛腕が獰猛に五爪を広げ構える。
「――此より先は、穢れたる邪悪は立ち入れぬ神域! この境界たる結界で、惑い続けなさい!」
 詠唱と共に符が炎を上げて、瞬時に燃え尽きる。直後、緋蓮も、貞明も、雪少女達も悟る。空間の歪みを。そして、視界に広がる光景の変化を。
 雪の庭園を臨む庵の室内であった筈の其処は、一瞬にして、無数の鳥居が立ち並ぶ異空間と化していた。これこそは、正邪を隔てる結界空間。悪しきものを閉じ込め隔離する場。
「そして、今私達がいる、この場所が出口。敵が山葉さんを狙うには、必ずここを通らねばなりません」
 改めて、琴は弓を構える。緋蓮と貞明を背に置いて。
「故に――」
 早速、視界の向こうから駆けてくる影が見える。琴、矢を番えて撃ち放つ。音よりも早く翔んだその矢は、狙い過たずその影――少女雪女を射抜いてみせた。
「この場を守り抜けば、敵の手は最早山葉さんを捉えること叶いません!」
 宣言し、次の矢を番える琴。最早、この場の少女雪女達に、貞明を害することは叶わぬ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ポーラリア・ベル
予め【雪人転身】で真の姿っぽい雪女に変身。
雪女見習いに溶け込んで、いいタイミングでふうって氷の吐息吹いて不意打ちで凍らせるの。
こんにちは。みんな集まってお遊び中?あたしも参加したいな。するね

お色気ポーズは赤面中にふーって氷漬けにして、ずっとみんなに見てもらうの♪
攻撃してきたら吹雪に紛れて【空中戦】避けて、通り抜け際にぎゅって雪のハグして雪だるまに固めてあげるの。
注目が集まってきたら、誘惑行動返しだよ!
雪妖精(11歳)の本気、見せてあげるんだから!(同レベルの足魅せや胸寄せ)
…………
どう?そこの人間さんどう?あたしと見習いさん、どっちが可愛い?
…………
(吹雪で敵を攻撃してなかったことにしようと)



 猟兵と猟書家の戦いの場となった、町外れの庵。雪を被った白混じりの庭に、再び雪が降り始める。
「うぅ、攻めきれないです」
「猟兵達が邪魔なのです…!」
 魔軍将『風魔小太郎』を憑装し、忍びの技を得た雪女見習い達。その技を駆使することで、首塚の一族暗殺を成し遂げんとしたが。迎撃に現れた猟兵達の前に、暗殺を成し遂げること叶わず。徒に、その数を減らすばかり。
「囮も不意打ちも駄目なら、どうすればいいですか…!」
「それなら、氷漬けになればいいと思うよ♪」
「そう、氷漬けに――えっ」
 不意に耳に届いた、不自然な一言。少女がその違和に気付くのと、彼女の意識がその肉体ごと氷の中へ閉ざされたのは、同時であった。
「え、あなた何を――って、誰よあなたー!?」
 突然仲間を氷漬けにした、一人の少女雪女の行動。驚愕して彼女へ目を向けた他の少女雪女達は、其処で漸く気付いた。この少女、仲間なんかじゃない…!
「こんにちは、みんな集まってお遊び中?」
 疑念と敵意の視線にも動じることなく、無邪気に微笑んでみせるその少女は、事実、オブリビオンではない。猟兵だ。ポーラリア・ベル(冬告精・f06947)、本来はフェアリーである彼女だが、今はユーベルコードを用いて、雪女見習い達に似た和装の幼い少女の姿を取っている。故に彼女達の間へ混ざり得たのだ。
「あ、遊びじゃないです! お仕事です!」
 一緒にするなと言わんばかりに答え返す少女雪女、だがポーラリアはその笑みを崩すことなく。
「あたしも参加したいな。――するね?」
 より笑みを深めてみせる――その直後。降りしきる雪は一気にその激しさを増し。辺り一帯に、吹雪が荒れ狂い始めた。

「ひぃ!? こ、この雪ただの雪じゃ…!?」
 猛烈な風雪をまともに受けた少女の一人が、そのまま雪に固められ、雪像めいた姿となり果てる。
「な、何なんですかこれー!?」
「雪女が氷漬けにされるとか洒落にならないですー!!」
 混乱止まぬ少女雪女達、一斉に庵を目掛けて突撃。最早形振りなど構っておれぬ。早急に標的を――貞明を討ち取らねば。
「お、おにーさん! おねーさん! わたし達をここに留まらせてくださいです!」
「なんでもしますから! そう、わたし達のこと好きにしてくれても…!」
 無論、当の貞明は身構え、彼を守るように緋蓮が立ちはだかる。そんな彼らへ、少女雪女達は必死に懇願する。恥ずかしそうに未だ膨らみなき胸元や、細い太腿をちらつかせ、己の肉体を代償とするも厭わぬ様を見せつけて。
「ふーん。それじゃあ、好きにしちゃうね♪」
 少女の背後からポーラリアの声。直後、吹き抜けた冷たい風。ポーラリアの吐息が、貞明の誘惑を試みた少女達を、赤面しながら少女の部位をちらつかせた姿のままに氷漬けとした。
「あなたには言ってないでしょー!?」
 その更に背後から、別の少女雪女が氷手裏剣を放ちポーラリアを襲う。だが彼女は軽やかに空中へと舞い上がり、吹雪を目くらましとして氷手裏剣の全てを回避。そしてそのまま少女雪女の側面を通り抜け――る間際にその身を抱擁。
「みんなみんな、真っ白にしてあげる。あなたのこともね」
「え――あ――」
 彼女のもとへ一気に集束してゆく雪。瞬く間に、少女は雪だるま状の雪の中へ閉じ込められた。
「うう、何なんですかこの子…!」
 吹き荒ぶ風雪を必死で凌ぐ雪女見習い達がポーラリアを睨む。結果的に彼女に守られる形となった貞明と緋蓮も、彼女を見る。
「ふふっ、みんなあたしの事が気になる?じゃあ――」
 己が注目されていることを察したポーラリア、自らも先の雪女見習い達同様、胸元を肌蹴てみたり、着衣の裾を捲り太腿を晒してみせる。
「どう、そこの人間さん?」
「え、ぼ、僕かい?」
 急に話を振られ慌てた様子の貞明へ、ポーラリアは微笑みつつ。
「あたしと見習いさん、どっちが可愛い?」
「………」
 貞明、ポーラリアと氷漬けになった雪女見習い達とを交互に見遣る。繰り返すこと数度。だが言葉は出ない。緋蓮、何か沈痛げに目を伏せる。
「………」
 漂った気まずさを誤魔化すように。吹雪が更に激しさを増し、残る雪女見習い達を纏めて雪像と化さしめた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『獣狩りのアルヴィナ』

POW   :    零距離、取ったよぉ!
【瞬時に間合いを詰めて、パイルバンカー】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    躱せるものなら躱してみなよ!
【対猟兵用クレイモア地雷】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    キミも料理してあげようか?
戦闘中に食べた【調理済みの肉】の量と質に応じて【身体能力強化と自動回復能力を得て】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠白石・明日香です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 一時荒れ狂った吹雪が止み、庵から外を見渡す風景が元の見通しを取り戻す。
 其処には、先程まで数多いた雪女見習い達の姿は無く。未だ気配は残るが随分と少ない。だが、先程まで居なかった存在が、庭園の白雪を踏みしめ近づいてきていた。
「ふぅん、随分梃子摺ってるからもしかして、と思ったけど…やっぱり居たね、猟兵」
 青い修道女の衣を纏う、金髪に青紫の瞳の少女。なれどその不敵な言動と、何より片腕に携えた重厚且つ巨大なパイルバンカー。彼女が尋常の存在でないことは明らかだ。
「――ふふ、そうこなくっちゃ。首塚の一族を殺すだけじゃ物足りないって思ってたんだよね」
 猟兵という妨害を前としても、少女の様相には些かの動揺も見えず。どころか、その事実に喜悦さえ覚えているようにも見える。
「やっぱり獲物は強いヤツに限る。それでこそ、食べ甲斐があるってモノだよね」
 それはそれとして、と、庵の奥、貞明へと目線を流す。そこに何か恐ろしきものを感じたか、怯えた様子を見せる貞明。戦闘狂の様相を示す少女だが、彼の暗殺という任務は忘れていないらしい。
「ボクはアルヴィナ、猟書家の一『獣狩りのアルヴィナ』。さあ猟兵達、ボクが纏めて狩り取ってあげるよ!」
 名乗りを上げると同時、その手のパイルバンカーを構えたアルヴィナ。彼女を倒し、貞明を守り切れ――!
御前・梨
… いや〜ああいうタイプとは性格もですけど、…戦い方も合わないんすよねえ

…でも、仕事ですし、真っ正面から殺り合わないとすか


山葉さん、緋蓮さん。もうちょい後ろに下がってください



――後で領収書下さいね?屋敷の修理費はUDCが持ちますんで


指定UCを発動。衝撃波で狙うは猟書家…ではなく、地面のクレイモア。UCの力で爆発の瞬間の時を遅くさせて貰いますわ。

次に高速移動で敵に接近しながら暗記を【投擲】。そして接近し、敵

ではなくパイルバンカーに刀で一閃

これでパイルバンカーは動かさないすよね

そしたら敵をクレイモアの方へと飛ばし、俺はバンカーを盾に身を潜めて、後は…UC解除

獣狩りなら大人しく猪や熊狩ってくださいよ


ディグ・ドリラー
いけねえなあ嬢ちゃん
そんな割とイケてる獲物もちながら、ハートの方が錆びてやがる

まあツエエ奴と殴り会えるってのはわかるぜ
お前のその杭打ち機と俺のドリル
どちらが道を作れるか勝負しようじゃねえか

……って発破かよ!?
お前そいつに愛着とかねえのかよ?
まあそっちがその気ならこっちにも考えがある

地雷っつーのは基本地上方向を攻撃する武器だ、なら地面にもぐっちまえばダメージは受けねえ!

呪いのドリルで穴を掘って掘り進むぜ、嬢ちゃんに向かってな

そりゃ相手も下からの攻撃を警戒するだろうが、のがしゃしねえ

相手の足あたりからドリルを生やして地面にアンカーのように縫い付けるぜ
その隙にドリルの一撃を叩き込んでやるさ!



「ふぅん、何だか弱っちそうなヤツだねぇ」
 侮るような言葉とは裏腹、油断なく相対した猟兵を見据える猟書家『獣狩りのアルヴィナ』。その対手、御前・梨(後方への再異動希望のエージェント・f31839)はぽりぽりと頬を掻く。押しの強そうな性格、正面突破に長ける戦闘スタイル。いずれも、己とは相性が悪い。
(…でも、仕事ですし、真っ正面から殺り合わないとすか)
 なれど彼女は打ち倒すべき敵。気を取り直し、傘を手に身構える。
「そんな傘で、何をするっていうのかな…ん?」
 対するアルヴィナ、侮りよりは興味の滲む声音が、不意に純粋な疑問へと変わる。梨にもその意味は理解できた。地の下から振動。地震か。否。地中から何かが…
「ドリャァァァァァッ!!」
 果たして。両者の間の地面が盛り上がったかと思えば、そこから雄叫びと共に人影が飛び出してきた。その腕、足、そして頭が螺旋を描く円錐形――ドリルとなった彼は、ドリルの悪魔。ディグ・ドリラー(ドリル仁義・f31701)である。
「…え、りょ、猟兵?」
 その豪快な登場に一瞬たじろぐ梨であったが。
「おう、こっから参戦の猟兵だぜ! よろしくな!」
 ニヤリと笑って応えるディグに、なるほどと頷き気を取り直す。因みにディグの語る言葉は『ドリル語』という彼の部族の間でのみ用いられる言葉だが、他者にも理解できるよう、普段はこの通り翻訳の上で発音される。
「へぇ、面白い恰好してるじゃない。これは叩き壊し甲斐があるかな?」
 一方のアルヴィナは物騒な興味を示してみせる。そんな彼女へディグは向き直ると。
「――いけねぇなぁ、嬢ちゃん」
 表情は笑みのままだが、目からは笑いが消えて。何処か残念そうとも、失望とも見える表情。
「そんな割とイケてる得物持ちながら、ハートの方が錆びてやがる」
 示すはアルヴィナの右腕、パイルバンカー。一部では浪漫武器とも言われるそれを、破壊の為にばかり用いる事を指しているのだろうか。応えず、不敵な笑みを向けるアルヴィナ。
「ま、ツエエ奴と殴り合えるってのは分かるぜ」
 分かるんすか、と何処か呆れた様子の梨はさておき。腰を落とし、両手のドリルを唸らせる。
「お前の杭打ち機と俺のドリル。どちらが道を作れるか――勝負しようじゃねえか」
 ディグの挑むような目線に、アルヴィナは笑みを深めて。
「よぉし乗った! それじゃ、勝負といくよぉ!」
 パイルバンカー持つ右腕を引き構え――ず、左手に取り出したのは何やら箱型の物体。その形状に見覚えのあった梨が声を上げる。
「やべぇ!? 山葉さん緋蓮さん、下がって隠れてください!!」
 突然声をかけられた両者、その意味は理解できずとも、梨の様相から只事ではないことを理解したらしい。慌てて庵の奥へと走って。
「この攻撃、躱せるものなら躱してみなよ! いっけーっ!!」
 直後、アルヴィナがその箱型物体を放り投げ。それが地へ落ちると同時――爆発、中から爆ぜ飛ぶ無数のベアリング弾が一帯へと溢れ出し、ディグと梨とを襲う。
 その物体とはクレイモア地雷、人間含む生物の殺傷に特化した兵器である。金属質の嵐は庵の庭へと荒れ狂い、庭の草木や庵の建物自体へも食い込み荒らしてゆく。
「…っ痛ぇ…。流石にとんでもない威力っすね…」
 庵の柱に隠れた梨だが、それでも全身には幾つもの裂傷を負い、少なからぬ流血。そして。
「…お前…そいつに愛着とか無えのかよ…!?」
 より爆心に近かったディグは、全身をズタズタに引き裂かれ滂沱と流血し。それでも、痛み以上に憤っていた。パイルバンカーを携えながら、いきなりクレイモアを持ち出してきたアルヴィナに。
「別にー? 獲物が狩れれば何でもいいよ、ボクは」
 アルヴィナはと言えば全く悪びれずに応え、次のクレイモアを取り出してみせる。
「お前って奴は…! …そっちがその気なら!」
 歯噛みするディグ、だが彼も怒りに囚われてばかりではない。己にも考えがある、とばかり跳躍、ドリルとなった両腕を前に地を掘りそのまま地中へ潜ってゆく。
(地中からの奇襲っすね、それなら俺も手伝うとしましょうか)
 その動きを見て梨は頷く。と、その前に。
「あー…後で領収書下さい、UDCで庵の修理費持ちますんで」
 顔を出した貞明と緋蓮へ、そうとだけ言って。直後、梨の全身が『何か』に包まれる。
「――さあ、仕事の時間だ。■■■・■■■■」
 それは報告書への記述も躊躇われる名称のS級UDC。時を簒奪する怪物。以て、クレイモアより先に決着をつけんとする。
 傘から仕込み刀を抜刀。その勢いのままに抜き打ちの一振り。放たれた衝撃波、アルヴィナが放り上げたクレイモアを捉える。これで爆発までは相応の時を要する。
 踏み込む。UDCの力が尋常ならざる高速にての踏み込みを可能とする。ペンに仕込んだ棒手裏剣を投げる。アルヴィナ、バンカーを以て受けとめる。
 梨、そこへ刀を振るい当てる。今の梨の剣もまた時を簒奪する力を纏い、力はクレイモアのみならず、パイルバンカーにも及んだ。
 続いて、アルヴィナへ斬りかかる動きを見せる。迎撃を試みんとするアルヴィナ。そこに、彼女の足元から生じたドリル。徐々に明らかとなる全容。
「ドリドリドリリィ…!!」
 吼えるディグ。溢れる気合がそうさせるのか、ドリル後が翻訳を介さずそのまま出ている。気付いたアルヴィナ、回避を試みるも、片足のドリルに縫い留められ果たせず。
「ディグさん、こっちへ!!」
 呼びかける梨、示す先は未だ爆発せぬクレイモア。応えるようにディグは僅かな進路変更を経て地上へ出現、勢いで以てアルヴィナを吹き飛ばす。
「――獣狩りなら、大人しく猪なり熊なり、狩っててくださいよ」
 彼女がクレイモアのすぐ傍まで吹き飛んだことを確かめ、梨はユーベルコードを解除。

 直後、クレイモアが発動し。仕掛けた当人である狩人少女の全身を貫き穿ち、引き裂いて。少なからず傷を負わせるに至ったのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アルトリウス・セレスタイト
演説は仕舞いか
では退場しろ

戦況は『天光』で常時把握
自身への攻撃は『絶理』『刻真』で触れた瞬間終わらせ影響を回避
必要魔力は『超克』で“世界の外”から供給

『天冥』にて「命中させた」打撃で先手を取り一撃
これを以て天印起動
ユーベルコードを剥ぎ取られ動けも出来ねば逃れることは叶うまい
更に『再帰』により付与の瞬間を無限循環
重ねて付与し続け封殺する
一つ越えても次は無限にある。速やかに崩れ去るが良い

緋蓮には念の為逃走を阻む準備をしておいて貰う
自身もいつでも捕らえに行けるよう動く備えを

遠慮も要るまい
油断なく討滅を図る

※アドリブ歓迎



「痛たたた…流石は猟兵、やってくれるねぇ…」
 ジャーキーを齧りながらぼやくアルヴィナ。それは只の食事に非ず、ユーベルコードの発動の鍵たる行動。傷ついた肉体が徐々に癒え、活力が漲る。
「――腹拵えは終わりか」
 一方、アルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)は淡々とアルヴィナへ問う。ジャーキーを食べきり、改めて構える彼女を確かめれば。
「では退場しろ」
 冷徹に言い放つ。と同時にアルヴィナは感じる。滾っていた活力が霧散するのを。そして何より。
「…何したのか分からないけど。随分とまあ強い捕縛能力を持ってるじゃない」
 まるで己へかかる重力が数十倍に膨れ上がったかのように、身動きが取りにくい。今すぐアルトリウス目掛け駆け出したいところであったが、それどころではない程だ。
「…ほう」
 一方のアルトリウスもまた感心したような声を漏らす。アルヴィナに対し、原理の力を以て因果を逆転、『打撃を命中させた事実』を付与、それをトリガーとしてユーベルコードを発動。以て彼女の一切の行動、能力発露を封じた――はずであったが。
(それでも完全には封じられないか)
 循環の原理を用い、同じユーベルコードを重ねて付与し続けてはいるが、それでも完全封殺とはゆかぬ。何より、彼の想定では、崩壊の原理によって既にその存在は消滅している筈だが。成程、これが猟書家か。
「――随分と、つまらない戦い方をするじゃない」
 一歩、また一歩。少しずつだが確実に。アルトリウスの方へと歩を進めつつ。アルヴィナが問うように云う。その状況下に於いても絶えぬ笑みは、感心か呆れか。
「生憎と。俺は戦闘に愉楽を覚える質ではない」
 アルトリウスの方はあくまで淡々と返す。何も彼女の流儀に付き合う必要は無い。己は己のやり方で戦うのみだと。
「そのまま黙し、崩れ去るがいい」
 以て、崩壊の原理を更に加速せしめ。かの猟書家の存在を、押し崩しにかかってゆく。

成功 🔵​🔵​🔴​

篝・倫太郎
【華禱】
狩られるのはお断りってな
俺らはお前を還す為にいるんだからよ

緋蓮には引き続き貞明の護衛を任せ
念の為、戦況は常に掌握するよう意識して行動

ダッシュで接近
鎧砕きと衝撃波を乗せた華焔刀で吹き飛ばし
吹き飛ばす方向は注意して
出来るだけ貞明から引き離すようにしとく

吹き飛ばす直前に拘束術・真式使用
好き勝手させねぇのが第一目的
剥がされないよう、拘束は適時重ねる

自由にはさせねぇけど
距離は適度に保つよう立ち回り

敵の攻撃は見切りと残像で回避
回避不能時はオーラ防御でジャストガード
華焔刀と暁想で武器受けして対処
必要なら咄嗟の一撃でカウンター

貞明と緋蓮への攻撃は
射線を遮るようにして確実にかばう

確実の一撃、任せたぜ
夜彦


月舘・夜彦
【華禱】
私達が狩られる前提でお話をしているようですが
私達も貴女を還す為に此処に来たのです
どちらが真か、戦いで決めるとしましょう

貞明殿は引き続き緋蓮殿に護衛を任せます

貞明殿達に接近させないよう倫太郎と共に敵へ駆け出して接近
武器の見た目から威力は高そうですが絡繰りがありそうな物
鎧無視・鎧砕きを活用し、敵本体だけでなく武器にも攻撃を与える
その際には抜刀術『神嵐』
そして2回攻撃にて衝撃波と武器落としで武器を弾いた後、敵を狙う

通常の攻撃は残像にて回避、武器による防御は避ける
敵の範囲攻撃に警戒、視力にて観察して使用する際には
残像にて回避しながら後ろへと跳んで退避
凌いだ後、反撃の早業抜刀術『神嵐』



「…っはははは!」
 先の猟兵の攻撃を凌ぎ、アルヴィナは快活に、だが獰猛に笑う。その眼光は正しく肉食獣、狩猟生物の眼だ。
「いやあ、皆やるモノだねぇ! 流石にクルセイダー様が手を焼くだけのコトはある!」
 そして新たな猟兵の気配を感じれば、其方へ向き直りつつ。
「――それでこそ、狩り甲斐があるってモノだよ」
 眼を細め、鋭い視線を現れた二人の猟兵へと投げる。
「――私達が狩られる前提でお話をしているようですが」
 二人の片割れ、月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)は落ち着き払い、淡々と応え。
「狩られるのはお断りってな!」
 その言を引き継ぎ、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)が宣言する。両者の意思は一つ。即ち、彼女を骸の海へ――叶うならば、全き過去へ還す事。
「だろうね! 大人しく狩られる獣なんている筈がない!」
 右腕に巨大なる鋼鉄――パイルバンカーを構え、笑うアルヴィナ。腰を落とし、今にも駆け出さんと構えるを前とし、夜彦と倫太郎もまた動く。
「緋蓮殿! 貞明殿をお願いします!」
「いざって時は俺らを呼んでくれ!」
 両者其々の言葉で、護衛に当たる忍びへと呼びかけるが早いか、各々の得物を構え。自ずから駆け出し、猟書家を目掛け征く。
「いいねいいねぇ! 守る為に立つ獣が一番強いんだ、それを狩るのはまた格別の――っ!」
 その行動もまた猟書家の心を沸き立たせたか。いよいよ狂的と見得る程に笑いながら駆け出そうとし…突然の衝撃、そして爆風に踏鞴を踏む。
「人を獲物扱いするのもいい加減にしろってんだよ!!」
 薙刀を振り抜いた姿勢の倫太郎が吼える。その一振りは、銘とは裏腹の苛烈なる風の衝撃を、かの猟書家へと叩き付けていた。本来ならば一気に吹き飛ばし護衛対象たる貞明から引き離すつもりだったが、いずれにせよ次の手は既に打ってある。
「っくぅ、良いタイミングでぶつけてくるじゃない…って!」
 態勢を立て直したアルヴィナだが、左腕の違和感に気付く。絡みつき、引っ張られるかのようなその感触。目にこそ見えないが、感覚で分かる。見えざる鎖のような物体が、己の身を戒めていると。
「好き勝手はさせやしねぇ…!」
 左手で鎖を引くような仕草を交え、唸るが如く言い放つ倫太郎。先の衝撃波を放つと共に発動したユーベルコードが、己と彼女との間を繋ぐ不可視の鎖を形成したのだ。そして。
「その武装。如何にも物々しき有様。――封じさせて頂きます」
 倫太郎よりも更に前へ。肉薄するは夜彦。鞘に収めたままの霞瑞刀、その柄を握る。鯉口を切る。鞘内を走り、蒼銀の光が煌めいて。
「――奪え、嵐」
 やや傾いだ横薙ぎの剣閃、振り抜いた刃は、猟書家までは未だ三尺余り足りずと見えたが。なれどその斬撃、ユーベルコードの働き以て、遣い手の見据えた先へ――猟書家のもとまで届き。
「のわっとぉ!? やけに抜くタイミングが早いと思ったら…!」
 アルヴィナ、咄嗟に右腕の巨鉄以て身を庇う。なれど夜彦にとっても其は想定内。振り抜いた刃、その柄へと今一方――直前まで鞘にあった手を添えて。両の手以て確と握り込み、刃を返せば。
「これで、終わりではありませんよ…!」
 今一歩の踏み込みと共に、逆薙ぎ一閃。鉄杭を先とは逆方向より打てば、その衝撃、重厚なる鋼鉄絡繰をも弾き。アルヴィナの身が開く。
「わわ…っ!? 思ったより重い!?」
 守りを崩され、焦りを隠せぬ様子のアルヴィナ。好機。夜彦、振り抜いた刃を、流れに従い大上段へ。
「何方が狩る側か――何方が真か。決すると――」
 掲げた霞瑞刀を、更に一歩の踏み込みと共に唐竹と振り――そこで気付く。猟書家の傍らに在る箱型の物体に。そして同時に、後ろから倫太郎の声が飛び込む。
「下がれ夜彦ぉ!!」
 その声は紛い無き警告。目を見開いた夜彦が、踏み込んだ足で逆に飛び退くのと、アルヴィナの表情が焦りから凶猛の笑みと変ずるのは、同時であった。
「狩りってのはね――こういう手も使うんだよっ!!」
 吼えるが早いか、箱型物体が爆裂する。黒銀色の小球体――無数のベアリング弾が爆ぜ飛び出して、庵の庭を荒れ狂う。庵の中にて戦いを見守っていた緋蓮、咄嗟に貞彦を庇い身を隠す。
「…夜彦殿、倫太郎殿…!」
 鉄の暴風の過ぎ去った後。再び顔を出した緋蓮と貞彦、彼らが見たものは。
「…や、夜彦…ッ!」
 薙刀の柄を支えとして立つ倫太郎、咄嗟に展開した闘気の障壁と得物にての防御は間に合ったものの、その傷は決して軽くなく。
「…ぐ、ぅ…っ…」
 更に爆心地に近く在った夜彦は、最早膝をつく身。纏った夜色の旅装は無残に裂け、その全てに赤黒き色彩が滲む。足元に滴るものも幾つか。なれど意識は明瞭に、視線は明確に。眼前の猟書家を見据える。
「…あの距離で喰らって、まだその程度で済むんだねぇ…」
 そのアルヴィナも、感嘆の声を禁じ得ず。かねてより範囲攻撃への警戒を怠らず、そして咄嗟の回避行動。それらが無くば確実に仕留めていた、と猟書家は舌を巻く。
「でもまあ、もう動けはしないみたいだね? じゃ、遠慮なく狩らせてもらおっか」
 だが、身動き侭ならぬ傷であることは確か。改めてアルヴィナ、右腕のパイルバンカーを構え、夜彦を狙って――
「させるかぁぁぁぁっ!!」
 そこへ飛び込むは倫太郎、未だ絡む鎖を引きつつ薙刀を振りかぶり、致命の一撃を阻止せんとする。
「――来ると思ったよ!!」
 だがそれはアルヴィナの想定内。引かれるを逆に利して倫太郎の方へと踏み込み、右腕の破壊鉄杭の引鉄を引き――
「――え?」
 猟書家たる少女の口から、呆けた声が漏れる。爆発的勢いを以て繰り出されるはずの鉄杭が、何の反応も示さぬ。そして。
「っらぁぁぁぁぁぁ!!」
「きゃぁぁぁっ!?」
 振り下ろされた倫太郎の薙刀、衝撃波纏うその一撃をまともに受け、アルヴィナが吹き飛ばされる。
「――私の剣を、其で受けた代償、です」
 その間に呼吸を整えた夜彦、力を振り絞り得物を構える。先の彼のユーベルコード、その真の効果は挙動の抑制。以て敵の攻撃を、直撃なればユーベルコードをも封じる斬撃を受けた杭打機構は、最早まともに作動できぬ状態にあった。
「…任せたぜ、夜彦!」
 倫太郎の声の後押しを受け、柄を握る手に力を籠める。吹き飛んできた猟書家が間合いに入るまで、一刹那。
「今一度――何方が真に狩る側か。決させて貰います!」
 全力全霊にて振り抜いた刃が、猟書家の身へと深く食い込み。刻み込んだ傷もまた、深く、深く。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘NG
真の姿で背中に黒炎の翼
POW

皆に平等に笑顔を振りまく修道女も
半吸血鬼の私を化け物と呼び、石を投げた

嫌な過去を思い出すわね……
アルヴィナ様は猟書家。救済すべきオブリビオンなのに

真の姿と守護霊の【ドーピング】で超強化して【ダッシュ】
無数の【残像】で相手を包囲し
本体は【ジャンプ】で頭上から襲いかかる

この程度の小細工は見切られ
串刺しにされるだろうけど
『永劫火生』で更に強化されて復活。
【念動力】で彼女を引き寄せ【怪力・捕縛】で抱きしめ
【吸血】しつつ【呪詛】を注ぐ【マヒ攻撃】

化け物なんて言わないで。私も半分はオブリビオン。
貴女達の友であり、第2の骸の海

全身への愛撫と
濃厚なキスで【慰め・生命力吸収】



 黒の炎にて形作られた翼を広げ、一人の少女が庵の庭へ降り立つ。真の姿を現したドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)だ。
「ふぅん、キミみたいな猟兵もいるんだ」
 その気配に、他の猟兵と異なるものを感じたか。興味深げな様子を見せるアルヴィナ。彼女の修道女を思わせる装いを見て、ドゥルールは眉を顰める。
 皆に平等に笑顔を振りまく修道女。だがドゥルールに対しては違った。半分は吸血鬼であるが故に化物と呼び、滅ぼされるべき怨敵と罵り、石を投げた。
 猟兵でありながら人類を敵視するドゥルール、その敵意の源泉。ダンピールたる彼女への偏見、迫害。その過去を嫌でも思い出させられる。
(…いけない。彼女は違うのに)
 頭を振り、過去ではなく今を改めて見据える。アルヴィナは人間などではない。猟書家である。即ちオブリビオン。ドゥルールにとっては救済すべき対象。故に。
「――アルヴィナ様。貴女のことも、救済して差し上げますから」
「救済…?」
 ドゥルールのその言葉を訝しむ暇もあればこそ。彼女は一気にアルヴィナ目掛けて駆け寄ってくる。それも、複数名に分身した上で。
「…やる事は同じってコトかな!」
 目的は違えど手段に差異は無し。そう判じ、アルヴィナは右腕のパイルバンカーを構える。本物のドゥルールは誰か。挙動、視線、足回り。そして気配。全てを探り、確かめること数刹那。
「――そっちか!!」
 だがアルヴィナの狙いは、前に展開する分身の、そのどれでもなく。徐に視線を上向け、其方目掛けてバンカーを作動。爆発音と共に鉄杭を撃ち出した!
「ぁぐぅ…っ!!」
 そして鉄杭は、見事にドゥルールの胸を捉え、撃ち貫いた。掲げられたパイルバンカーの上、華奢な四肢が力無く垂れ下がり――
「悪いけど、この程度の小細工で騙されはしないよ。じゃ、キミもボクの養分に――」
 そこまで言って、アルヴィナの表情が驚愕に変わる。ドゥルールの肉体が、一瞬にして灰と化して崩れ落ち。その一瞬後、背後から抱き締める感触…!
「申し訳ありませんけれど…私も、この程度では死にませんから」
「な…!? く、離せ…っくぁぁっ!?」
 振り解こうとするアルヴィナだが、真の姿を現した上で守護霊を宿して力を高めたドゥルール、その全開の膂力を前に逃れること叶わず。もがく間に首筋へと鋭い痛みが走る。そして吸い出される感触と、注がれる感触。血を吸われ、呪詛を注がれ。肉体が力を失ってゆく。
「ぅ…く、な、何なんだよ、キミは…」
「私は貴女達の友。第二の骸の海。さあ、どうか、私の中へ――」
 抗おうとする動きを、全身への愛撫と、顔を振り向かせての濃厚なる接吻にて封じ込める。その生命を、存在を、己の中へと吸い上げてゆく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
成程、外見に惑わされてはいけない相手ですねぇ。

『FSS』を『FCS』により自動操縦にした上で貞明さんの護衛に配置、緋蓮さんに『残る配下への警戒』をお願いして、アルヴィナさん相手に集中出来る状態を作りましょう。
そして【万華】を使用、全身を『雷』に変換しますねぇ。
相手が『パイルバンカー』を当てる為間合いを詰めて来ても此方は『雷の速度』、後方や上方への退避による回避も、『懐』に入り抜けての『雷撃による[カウンター]』も可能ですぅ。
後は、可能な範囲で『相手の死角』に回ることを意識しつつ、『FRS』の[砲撃]と『FBS』の斬撃、体による『雷撃』を集め、ダメージを蓄積させましょう。


ポーラリア・ベル
【真の姿】さっきみたいな雪女の少女姿で裾をめくって忍者っぽくしてみるよ。

ほわぁ、見習いさんの師匠は忍者……忍者の襲撃だったのね!
ふふー、ポーラも忍者してみるよ!
【属性攻撃】【アート】で作った氷の手裏剣や苦無を【怪力】で投げたり
氷の【残像】で攪乱するの!
くれいもあ!?確かUDCの絵本で、爆発して弾をいっぱい飛ばすとかゆー…!
それなら忍法【凍結地獄】の術!(UC)
ポーラの装備、山葉おにいちゃんや緋蓮おねえちゃんの表面、地形をつるっつるの氷にして、弾が当たってもつるって滑らせて通過させるよ!
攻撃には向かないから、くれいもあは味方に…任意で起爆できる奴、お願い!
距離を詰めたら思いっきり凍らせてあげる!


加賀・琴
彼女が狩猟家幹部、獣狩りのアルヴィナ……
武器はあの杭打機ですか、流石にあれを喰らうのは拙いですね。となれば間合いを取って……っ!?
弓矢で牽制しつつ本命の一射を放つ隙を伺っていたら、懐に飛び込まれ……っ!
咄嗟に弓矢を手放して、身体を捻りながら後ろに転がるように避けます
無様に見えようがなんだろうが感と見切りでなんとか反応できましたが、弓を拾ってる余裕はないですね
緋蓮さんに山葉さんの護衛を任せ、腰の影打露峰に手をかけて居合いの構えを取ります
接近戦を得手とする相手に、弓使いが居合を挑むことになるとは……ですが、今はこれが最善手ですか
敵の攻撃に合わせて、相打ち狙いで居合による【斬魔一閃】を放ちます!



「…ふふ、まさか、ボクがここまで追い詰められるなんてね…!」
 明確に衰弱した様子の猟書家アルヴィナ。だがその表情は未だ力強き闘争の精神が宿る。即ち。
「まだ、負けてはいない…! ここを突破して、任務を果たさせてもらうよ…!」
 対するは三名の猟兵。夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は彼女のそんな様相にぷるぷると小さく身を震わせて。
「あれだけ弱ってて、この闘志…見た目の様子に惑わされてはいけなさそう、ですねぇ…」
「これが幹部猟書家、というわけですね…仕留めたと確信できるまで、油断は禁物ですね」
 加賀・琴(羅刹の戦巫女・f02819)もまた、緊張の面持ちで目の前の猟書家を見据える。一方。
「ほわぁ、見習いさんの師匠は忍者…忍者の襲撃だったのね!」
 緊張感に欠ける声を上げるポーラリア・ベル(冬告精・f06947)。その姿は変わらぬ和装姿――と思いきや、裾を捲り上げてその真白い脚を露わとしている。忍者のつもりだろうか。
「…忍者でもないしあの子達の師匠でもないんだけどね、ボク」
 呆れたようなアルヴィナの反応。師匠がいるとすれば、彼女達に憑装していた風魔小太郎ではないだろうか。まあ忍者の襲撃、というのはある意味間違ってはいない。
「ボクはあくまで猟書家で…猟師だからね!」
 そして駆け出す。得物の重さ、衰弱の度合い。どちらからしても考え難い程の速度で以て、一気にるこるへと肉薄し。その手の鉄杭を叩き付けんとする!
「っ! 大いなる豊饒の女神、その象徴せし欠片の一つを我が身へ――!」
 なれどるこるは奉ずる女神へ祈りを捧げる。直後、その身は眩く輝きながら人の形を失い。迸る雷光となって、一気にアルヴィナの懐を駆け抜ける!
「あばばばばば!? こ、これ…雷…!?」
 それは当然の如く、アルヴィナの身へと感電によるダメージを齎す。そのまま雷光は走り抜け、庵の縁側まで飛翔。そこで元のるこるの姿を取り戻す。
「このような技まで…猟兵の方々というのは、凄まじい力を持つのですね…」
 驚嘆を隠せぬ様子の緋蓮に対し、少し照れたような反応を見せるるこるであったが。
「ですが、それでも限度がありますのでぇ…緋蓮さん、貞彦さんの護衛、よろしくお願いしますねぇ」
 猟兵との戦いを優先している様子の猟書家だが、いつ貞彦を狙いに来るか分からない。それに、先の見習い雪女達が未だ残っている可能性も高い。それ故の要請であった。
「勿論です。皆様は、かの異郷の者と対するに全力注いで頂ければと」
 請け負う緋蓮に、るこるは笑みと共に頷き。己の有する浮遊兵器、防御光盾を貞彦の保護に残して、再度雷と変じて猟書家のもとへと向かう。

「ふふー、ポーラも忍者してみるよ!」
 相変わらず緊張感の無いポーラリアの声音、しかしてその攻撃は本格的。己の魔力にて次々と氷の手裏剣や苦無を生み出し、アルヴィナ目掛けて投げてゆく。更に薄氷を以て作り出した分身が四方八方へ駆けてゆき、守る猟書家の防御を撹乱する。
「その得物、近づけさせるわけにはいきませんね…!」
 逆方向からは琴が弓を構え、立て続けに矢を放つ。細腕に似合わぬ膂力は、常人には引く事すら叶わぬ強弓を以ての連射を可能とする。
「くぅ…っ、右から左からちまちまと…!」
 パイルバンカーの大きさを利してその身を守るアルヴィナだが、苦無や手裏剣、矢が少しずつ、だが確実にその身へ突き立ち、傷を与える。それでも致命には遠い。必殺の一撃を叩き込む必要がある。
(しかし、守りに徹しているせいか隙がありませんね…何処で撃ち込んだものか)
 弓を続けざまに射ちながら、琴は思案する。本命の一射を撃ち込むべく、隙を探っていたが――その思案が、寧ろ己の隙を生じてしまっていた。
「そこだっ!!」
 そしてそれを見逃す猟書家ではない。琴が気付いた時には、アルヴィナが既に目の前へと肉薄、その杭打機を振りかぶっていた。
「零距離…! 殺ったよぉ!!」
「く…っ!!」 
 琴は咄嗟に弓矢を手放し、地へ自ら倒れ込みそのまま転がりゆく。すぐ直上を通過した致命の杭打を見送り、転がって距離を取る。
「むう、無様なコトするね…!」
 その行動を評するアルヴィナの表情は何処か苛立たしげに。追い詰められ、精神の余裕を失いつつあるようにも見える。
「ええい、こうなったらこれしかないか…!」
 攻めあぐね、削られ続ける状況を打開せんと、取り出すは箱型の物体。それを目にしたポーラリアが声を上げる。
「あれ…『くれいもあ』!?」
 その形状、そして用途を、彼女はUDCアースで読んだ本にて知っていた。あれが爆発すれば、自分達は勿論、緋蓮や貞明も危険であると。対処が必要だ。
「よーし、それなら…!」
 何やら出鱈目な印を組みだすポーラリア。そこに突っ込みを入れる余裕もなく、アルヴィナは箱型物体――クレイモア地雷を投擲。着弾、爆発、ベアリング弾が一気に飛び出して――
「忍法、凍結地獄の術ー!!」
 それと同時にポーラリアもまた忍法――正しくは彼女の元より有するユーベルコード――を発動する。凍てつく大気がポーラリアを中心に迸り。貞明は一瞬、鋭い寒気が走ったのを感じ身をぶるりと大きく震わせた。それを見た緋蓮は驚く。貞明も、そして己も。その着衣の表面が凍り付き、つるつるの摩擦なき状態と化していた。
 そしてその効果は即座に理解される。飛来したベアリング弾は、彼らの肉体を穿つことが叶わぬまま、表面を滑り――そしてそのまま、明後日の方向へ飛び去っていった。
「え、ええ…!?」
 その結果に、アルヴィナは頓狂な声と共に驚愕の表情を見せる。無理もない。広範囲無差別攻撃として放ったこの攻撃で、誰一人に対しても一切の傷をつけることが叶わなかったのだから。
 ポーラ自身も、そして琴も。着衣を凍結させることで、ベアリング弾の全てを滑らせ、一切傷をつけられぬままにやり過ごしてみせたのだ。
「く、そ、それならもう一回…きゃぁぁぁ!?」
 再度試みんと、次なるクレイモアを取り出したアルヴィナの、その手を雷光が通過。それで以てクレイモアがアルヴィナの手の中で爆発、彼女自身へとベアリング弾を叩き付け、全身の傷を更に深めるに至った。
「うまくいきましたねぇ。それでは皆さん、一気に決めますよぉ!」
 元に戻ったるこる、その頭上に集まった浮遊砲台群から砲撃を、浮遊戦輪を飛翔させての斬撃を、共にアルヴィナへと浴びせ。
「悪い子は氷漬けになっちゃえばいいよっ!」
 よろめくアルヴィナを、ポーラリアの手が捕らえ。一気に注ぎ込んだ氷の魔術を以て、彼女の肉体を一気に氷で包み、閉じ込めてみせ。
「禍つを断ちます…!!」
 駆け迫る琴の手には、鞘に収めたままの刀。己の実家たる神社に奉納された御神刀の影打。まさか、接近戦に秀でる相手に己が近接攻撃を仕掛けることになろうとは。内心苦笑はするが、今の状況ならば十二分に好機と言える。
 柄に手をかける。引き抜けば、清浄なる白光が溢れ、鞘走る。狙うは、凍り付き動けぬ猟書家。
「――斬!!」
 鞘走りの速度に、己の膂力と、腰の捻りを乗せて。振り抜いた刃は、氷ごと猟書家の身を斬り断ち。崩れ落とせしめた。
「ボクの、負けか…。狩るべき相手に、逆に狩られるとか…ザマぁない、な…」
 砕けた氷の中から漏れた声音を残して。狩猟少女の猟書家は、骸の海へと還っていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年01月29日
宿敵 『獣狩りのアルヴィナ』 を撃破!


挿絵イラスト