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破壊の王が現れた!

#デビルキングワールド

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#デビルキングワールド


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 ブギーキャンサー、知恵の布の下から、無数の蟹脚を伸ばしたブギーモンスター達の国がとある魔界の一角にはある。

「よっす!」
「よっす!」

 海岸にある岩場、そこが彼らの国である。岩穴に扉があるだけ、という住処で慎ましやかに暮らしていた彼らは気付かない――悪事という一大イベントが自分達の元に訪れるなど。

『ふ、平和ボケした連中ですね。デストロイキング様』
「そうだな」

 青白い炎を纏うデビルスケルトンの言葉に、デストロイキングは短くそう答えた。その威風堂々たる悪の貫禄! すっかりと心酔しているデビルスケルトンの群れは片膝をつき、自分達の魔王の言葉を待っていた。

「待たせたな、お前達。略奪の時間だ。思う存分、連中が溜め込んだD(デビル)を奪ってくるがいい! デストロイキングの名において、略奪を許す」
『ハハァ!!』

 一糸乱れぬ動きで一礼したデビルスケルトン達が、動き出す。破壊の尖兵、今、自分達はワルをやっている! その誇りと自覚に満ちた表情だ……骨だが。

 それを見送り、デストロイキングは誰にも届かぬ声で呟いた。

「そうだ、お前達は今破壊の尖兵だ……お前達ではなく、私の行なう破壊の、な」



「あの世界のDは、ただの見せ金で終わらぬから厄介じゃ」

 ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は、頭を掻きながらため息をこぼす。

「今回、おぬしらに頼みたいのはブギーキャンサーの国に略奪しに行くオブリビオンの対処じゃ」

 ブギーキャンサー達は、岩場を住処に小国を築いている。なにせ蟹だ、好む環境も蟹に近いようだ。まずは、このブギーキャンサー達に協力を求めてほしい。

「魔界の住人は純粋じゃ。倒されたり、悪事に勧誘されればひょいひょい協力してくれるじゃろう。その上で、オブリビオンの配下となっている連中の襲撃に対抗するのじゃ」

 襲撃してくるデビルスケルトンは、とにかく数が多い。ブギーキャンサーの協力は、その時心強いものだろう。

「デストロイキングは、もはやその名の通りオブリビオンとして破壊をもたらす存在になっておる。加えて、Dに込められた魔力を利用して儀式を起こし、大破壊をもたらそうとしておるのじゃ」

 そうなれば、丈夫な魔界の住人でもただではすまない。そうならないよう、止める必要があるのだ。

「まぁ、まずは魔界の流儀に則って頼むぞ。ワシはどうにも悪事と言うとピンと来んが……おぬしらなりの悪を見せれば、戦わずに協力してくれるじゃろうからな」


波多野志郎
ワルって何なのさ!? どうも波多野志郎です。
今回はデビルキングワールドでDを略奪しようとするオブリビオンと戦っていただきます。

なお、第一章・第二章の悪魔たちは、普通に殴るだけなら死にません。ですので、存分に戦って問題ありません。ご安心ください。


それでは、まずは皆さんのワルさがいかなるものか、お待ち致しております。
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第1章 集団戦 『ブギーキャンサー』

POW   :    キャンサー・パレード
【蟹脚を蠢かせながらの】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他のブギーキャンサー】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    フィアー・キャンサー
【知恵の布】を脱ぎ、【おぞましき巨大魔蟹】に変身する。武器「【長く伸び敵を切り刻む巨大蟹の鋏】」と戦闘力増加を得るが、解除するまで毎秒理性を喪失する。
WIZ   :    キャンサー・カース
攻撃が命中した対象に【蟹型の痣】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【呪詛】による追加攻撃を与え続ける。
👑7
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

黒田・牙印
ネフラ(f04313)と共闘

・オブリビオンとそいつに唆されたバカ共が略奪しに来るから何とかしろ、と。
クソめんどくせぇが……とりあえずカニ共をこっちに引き込めばいいんだな?

・おう、カニ共。何やら魔王に唆された骸骨共がここを襲撃するらしいぜ。略奪なんてとてもワルいよなぁ。けどよ、もっとワルい事してみねぇか?
要するに、略奪者から逆に略奪し返してやるって寸法さ。ワルにはそれ以上のワルでお返しだ。あ? 俺らが信用できねぇだと? 仕方ねぇな、なら信用できるように力比べでもしようぜ。

・俺は単純明快。突進を怪力で受け止めてびったんびったんで力を示す。どうだ、俺らについてくればワルとしてステップアップできるぜ。


ネフラ・ノーヴァ
牙印殿(f31321)と共に。
どちらに味方すべきかカニ味噌に刻み込んでやろう。
牙印殿が提案する略奪返しだが、皆が簡単に乗っては来ないだろうから、聞き分けの無いカニはUC葬送黒血の炎で脅してみようか。
ああ、焼きガニも美味しそうだが...フフッ。
可能ならカニ達が持っているD(デビル)を見せてもらおう。なに、とったりはしないよ。綺麗ものを眺めてみたいだけさ。



●カニは甲殻類だけど、大きく分けると二種類いるって知ってた?

 ヒュウ……と一陣の冷たい風が、その岩場を吹きぬいていく。ここは魔界の一角、ブギーキャンサー達の小国だった。

「オブリビオンとそいつに唆されたバカ共が略奪しに来るから何とかしろ、と。クソめんどくせぇが……とりあえずカニ共をこっちに引き込めばいいんだな?」
「ふふ、どちらに味方すべきかカニ味噌に刻み込んでやろう」

 ひときわ高い岩場から国を見下ろし、黒田・牙印(黒ワニ・f31321)とネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)は言った。

『ママー、アレなにー?』
『こら、名乗る前に指摘するのは失礼ですよ』

 ブギーキャンサーの親子のやり取りを見送り、なるほどと牙印は納得する。ワニ男である牙印は尻尾の先を揺らしながら、一つこぼす。

「ああいうノリがこの世界か」
「そのようだ」

 元怪力自慢のヴィランであった牙印にとっては、ある意味で懐かしいノリかもしれない。良くも悪くもバカ正直な牙印の提案は、やはりシンプルだった。

「おう、、カニ共。何やら魔王に唆された骸骨共がここを襲撃するらしいぜ。略奪なんてとてもワルいよなぁ。けどよ、もっとワルい事してみねぇか?」

 岩場から降り立った牙印の言葉に、何だ何だとブギーキャンサー達が集まってくる。大小や被っている布の違いはあれど、カニの見分けはワニの牙印にはわからない。ただ、代表するように一体のブギーキャンサーが前に出た。

『ワルい事? そいつは何だい?』
「要するに、略奪者から逆に略奪し返してやるって寸法さ。ワルにはそれ以上のワルでお返しだ」

 どうだい? という牙印の提案に、ブギーキャンサー達は顔を見合わせる。そもそもがまだ襲撃を受けてない状況なのだ、その半信半疑な態度に牙印は鷹揚にうなずいて見せた。

「あ? 俺らが信用できねぇだと? 仕方ねぇな、なら信用できるように力比べでもしようぜ」
『ち、力なら負けない、んだな……!』

 面白そう、と名乗り出たのは一番大きなブギーキャンサーだった。蟹脚を蠢かせながらの突進、その突進が牙印に迫る――その時だ。

『ぐが!?』

 ゴォ!! と黒い血の炎が、突進したブギーキャンサーを飲み込んだ――ネフラの葬送黒血(ブラック・ブラッド・ブレイズ)だ。

「ああ、焼きガニも美味しそうだが……フフッ」

 トン、と軽い落下音と共に、ネフラが降り立った。真っ向勝負に手を出す不意打ち、それにブギーキャンサー達は震撼した。

『不意打ち!? ワルっぽい!!』
『黒! 黒いのもワルっぽいね、いいね!』
「聞き分けの無いカニは、こうなるぞ?」

 ふふん、と笑うネフラに、くそー! とブギーキャンサー達は棒読みで悔しがる。どちらかというと、鮮やかにワルっぽい行動が羨ましかったのだが。

『ま、まだだ、な――ァ!?』

 黒い炎に燃やされながらなおも立ち向かおうとしたブギーキャンサーは、急に持ち上げられてじたばたと暴れる。牙印が、ブギーキャンサーの脚を掴み軽々と持ち上げたのだ。

『げふ、げほ、げぐうう!?』

 びったんびったんと何度も岩の足場に叩きつけ、牙印は目を回したブギーキャンサーを後ろに放り捨てた。確かに魔界の住人は頑丈だ、あれだけ叩きつけて目を回すだけですむのだから。

「どうだ、俺らについてくればワルとしてステップアップできるぜ」
『で、できるかな? ボクらもワルになれるかな!?』
「ああ、なれるさ。俺らと一緒ならな」

 憧れのメジャーリーガーに出会ったかのように目を輝かせるブギーキャンサー達に、牙印が請け負う。その自信満々なワルな態度に、ブギーキャンサー達はうなずいた。

『ああ、やる! やるよ!』
「可能なら貴殿達が持っているD(デビル)を見せてもらいたい」

 ブギーキャンサーの一体が、ネフラの言葉に体を左右に揺らす。人間で言うなら、小首を傾げたというところか。

『うん、盗られるためにまとめてあるよ? それが何?』
「なに、とったりはしないよ。綺麗ものを眺めてみたいだけさ」
『あ……うーん、仕方ないなぁ。ワルいのに言われたらなー』

 案内するように動き出したブギーキャンサー達に、ネフラと牙印は視線を合わせてうなずき合う。どうやら、信頼は得られたようだ――Dの置かれたひときわ高い岩場へと、彼らはブギーキャンサー達に案内されて向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レッド・マタード
【魔王国】で協力

・まずはキャンサーを仲間に引き込まないといけないのか。とはいえ、俺は勇者であるからワルというのは少し向かない。
さて、どうするか……

・ここは俺が勇者であることを逆利用する。アルテミシアが演説しているところに勇者の剣を見せつけるように現れ、そして彼女の傍で「我が魔王よ」とかしづこう。
これでアルテミシアには勇者すら従えるカリスマや心意気があることを強調できるし、傍にいれば不測の事態にも対応しやすい。事実、俺はアルテミシアを守護することを誓っているのだからな。演技などではないよ。

・不測の事態があったらアルテミシアを「かばう」ことを最優先しつつ【ブレイブバースト】で対処。

※アドリブ歓迎


アルゼブ・アズモリィ
【魔王国】のメンバーに同行
【POW】
おいおい、いくら蟹だからって、悪魔がこんなところでのんびりしてていいのか!?
味方につけるにしても、これは奮い立たせないことにはどれだけ力になるか分からないなあ。

ここは《炎の魔王軍》を使って、配下に蟹たちを追いかけさせてみようか。
よーし、お前たち!あの蟹を真っ赤に焼き上げてやれ!
ほらほら!焼き蟹になりたくなかったら全力で抵抗してみろ!お前たちの力はそんなものか!!
もちろん、彼らを葬ってしまわないようこっそりと加減はする。

蟹たちの闘争心が垣間見えたなら配下たちを引っ込めなきゃな。

あとの説得は【魔王国】のメンバーに任せたぜ!

*アドリブ可


フカヒレ・フォルネウス
【魔王国】にて連携。アドリブ歓迎します。
WIZ

お任せください。偉大なる陛下のため、ワルの先駆けとして参りましょう。
「鮫は死しても蘇るモノ。開幕の鈴の代わりに鮫の鳴き声を届けましょう」

まず、僕からUC《巡航鮫隊》を出動させます。
ブギーキャンサーたちの住処の扉を、小型の鮫の幽霊がノック(破壊)してお邪魔します。
ああ、住民の許可は取りません、住居不法侵入というワルですので。
魔王国の仲間たちを大型の鮫の背に乗せて、悠々と推参させていただきましょう。

此度の口上は皆様に任せ、僕は【悪のカリスマ】を滲ませつつ後方参謀面で不敵に笑っていましょう。
トラブルが起こったら、鮫たちでカバーをする方向でお願いします。


アルテミシア・アガメムノン
【魔王国】で協力
「わたくしはアルテミシア・アガメムノン。魔界を征服する王ですわ!
 皆さんにはわたくしの傘下に入ってもらいます。
 わたくし達と共に覇道(ワル)に邁進してもらいますわよ!
 まずはわたくし達の力とワル、その身で知りなさい!」
(助けに来ただとワルではないのでこの方針で。また一度傘下に入れておけば同様の事が起こった時に対処しやすいという判断です)

魔王国の仲間が力やワルでキャンサー達を魅了します。
自身に向かってくる者には『黄金女帝の威』で行動不能に。
屈して仲間になれば癒してあげてギャップ差で攻めます。
「そろそろ十分でしょう。わたくしに従いなさい!」
名前+さん呼び
アドリブ歓迎です。


ユニ・バンディッド
【魔王軍】アドリブ歓迎
別に暴力だけがワルじゃないよね、魔王様(アルテミシア)それにボク達がDを先取りしてしまっても構わないよね♪。
さあさあ自慢の大鋏!でも理性を失うことでお悩みのお兄さんお姉さん達にぴったり商品だよ!カスタマイズも出来て、今ならなんと贋金もついてきちゃう!。(ブギーキャンサーを対象に【デモン・フェイカー】。手品の様に贋金や贋作武器「巨大蟹の鋏」を生やし着脱式に武器改造。その存在感をみせつつ販売)
ぇ、今宵の鋏は血に飢えている?それならちょうどいい相手が。デビルスケルトンの集団が近づいてきてるんだって!油断してると思わせて騙し討ちしちゃおう♪贋金を掴ませるのもいいね!(ワルの誘惑)



●ワルの刺客! 鮫の幽霊のピンポンダッシュの巻!

「おいおい、いくら蟹だからって、悪魔がこんなところでのんびりしてていいのか!?」
 アルゼブ・アズモリィ(玉座を見据えし悪魔・f31513)は、その岩場にひっそりとある平和なブギーキャンサーの国を見て、そう声を上げた。

 行き交う大小のブギーキャンサー達。そこには穏やかな、魔界の慎ましやかな――退屈な営みがあった。

「お任せください。偉大なる陛下のため、ワルの先駆けとして参りましょう」

 アルゼブの嘆きに、その背後へとフカヒレ・フォルネウス(鮫の悪魔の四天王・f31596)が降り立った。

「鮫は死しても蘇るモノ。開幕の鈴の代わりに鮫の鳴き声を届けましょう」

 フカヒレはそう請け負うと、一歩前へと出た。

「鮫は死しても蘇るモノ。冥途の土産に覚えていきなさい!」

 フカヒレの巡航鮫隊(シャークルーザー・リミテッド)によって背後に召喚されたのは、膨大な数の大小の鮫の幽霊だった。フカヒレは、大きい鮫の背に乗ると命じる。

「さぁ、行くがいい!」

 フカヒレの号令を受けて、小さな鮫の幽霊がブギーキャンサー達の家に突撃(ノック)する。何と、鮫幽霊達はその突撃で破壊された扉を平然と超えて、住居に不法侵入するではないか!

『うわーなんだなんだ!』
『勝手に家に入るのはワルこと……ハ!? ワルいことじゃん』

 わらわらとブギーキャンサー達が、家の外へと出てくる。それを見て、フカヒレは満足げに魔王国の仲間達へ告げた。

「さぁ、参りましょう」

 魔王国の仲間達を大型鮫の背に乗って、進んでいく。集まってきたブギーキャンサー達へまず声をかけたのは、アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)だった。

●魔王軍、ブギーキャンサー達を制圧するの図

「わたくしはアルテミシア・アガメムノン。魔界を征服する王ですわ! 皆さんにはわたくしの傘下に入ってもらいます。わたくし達と共に覇道(ワル)に邁進してもらいますわよ! まずはわたくし達の力とワル、その身で知りなさい!」
『お? いきなりか? いきなり、征服宣言か!?』

 アルテミシアの声に、ブギーキャンサー達が沸く。助けに来ただとワルではない、そして一度傘下に入れておけば同様の事が起こった時に対処しやすいという判断からの宣言だ。

 深謀遠慮がある、さすが魔王と言ったところである。アルテミシアは、巨大鮫の背に立つとアルゼブへ視線を向けた。アルゼブはうなずき、言ってのける。

「味方につけるにしても、これは奮い立たせないことにはどれだけ力になるか分からないなあ」

 アルゼブが言った瞬間、岩場から炎が吹き上がる。炎から現れるのは、アルゼブに付き従う炎の魔王軍だ。

『うわ、何だあれ!?』
『すげー!! 急に出てきたぞ!?』

 まるで見世物に集まる観衆のように、ブギーキャンサー達が集まっていく。その集まったブギーキャンサー達を見て、アルゼブは配下へ命じた。

「よーし、お前たち! あの蟹を真っ赤に焼き上げてやれ!」
『ハッ!』
『熱っ! 熱っ!』

 炎を燃え上がらせ、アルゼブ配下の魔王軍がブギーキャンサー達へ襲いかかる! 蜘蛛の子を散らす逃げ出すブギーキャンサー達、それを炎によって追い回すアルゼブ魔王軍という構図がそこに生まれた。

「ほらほら! 焼き蟹になりたくなかったら全力で抵抗してみろ! お前たちの力はそんなものか!!」

 密かに手加減は加えながら、アルゼブはブギーキャンサー達を煽る。それを受けて、一体のブギーキャンサーが立ち向かった。

『やられっぱなしでいわれるか! ボクもワルになるぞ!』

 またたく間に巨大蟹へと変身したそのブギーキャンサーは、巨大鋏で魔王軍を薙ぎ払う! それを見て、他のブギーキャンサー達も続いた。

『やった! ど、どうだ!?』
『オレもオレも!』
『あたいもいくよ!』

 自分の配下に立ち向かおうとし始めたブギーキャンサー達に、アルゼブは満足げに笑みをこぼした。

『よ、よーし! やり返しちゃうぞー!!』

 炎の魔王軍を蹴散らしたブギーキャンサー達が、魔王国の面々へと挑みかかろうとする。しかし、そのブギーキャンサー達の前に立ち塞がったのはレッド・マタード(暴勇の赤マント・f31712)だ。

「我が魔王よ、ご無事か」
「もちろんですわ」

 ガキン! と火花をちらし、巨大鋏を勇者の剣で弾く。それに向きになったブギーキャンサー達は、巨大鋏を連続で繰り出していく。

『こ、の、このこのこのこのこのこの!!』

 段々と理性を失い、その威力は増していった。それを残さずレッドは勇者の剣で弾き、受け流していく。ギン、ギギギギギギギギギギギギギギギギギン! と一歩も譲らぬレッドとブギーキャンサー達。

(「これはまずいな――確かに強い」)

 ただ防御に回っていても、数で押し切られかねない。だからこそ、レッドは攻撃へと転じた。

「降り注げ、勇なる剣よ!」

 ヒュガガガガガガガガガガガ! と降り注ぐ魔法剣の群れが、ブギーキャンサー達を吹き飛ばす! 吹き飛ばされ、仲間を踏み越える理性を失ったブギーキャンサーが出始めた頃、攻防を眺めていたアルテミシアが不意に言ってのけた。

「味方には慈悲を。敵には破滅を」
『ぐ!?』

 アルテミシアの黄金女帝の威(アスタルテ)による滅びの波動に、ブギーキャンサー達が動きを止める。巨大鋏がプルプルと震えて眼前で止まるのを見て、アルテミシアは微笑んだ。

『ぐが、がががががががががががが!』

 文字通り泡を吐いて暴れようとするブギーキャンサーの目の前に、降り立つ者がいた――ユニ・バンディッド(贋作の悪魔・f31473)だ。

「さあさあ自慢の大鋏! でも理性を失うことでお悩みのお兄さんお姉さん達にぴったり商品だよ!」
『うががががががががが……が、あれ?』

 理性を失っていたブギーキャンサーが、不意に正気に戻る。自分の自慢の巨大鋏が、何と黄金に変わっていたのだ! ユニは、怪しい深夜通販のコメンテーターのように続けた。

「カスタマイズも出来て、今ならなんと贋金もついてきちゃう!」
『お、おおお……おおおおお! 格好いい!!』

 ブギーキャンサー達が集まってユニのデモン・フェイカーによって交換された黄金色の巨大鋏に食いつくのを見て、ユニはそんな彼等に近づいて、囁いた。

「ぇ、今宵の鋏は血に飢えている?それならちょうどいい相手が。デビルスケルトンの集団が近づいてきてるんだって! 油断してると思わせて騙し討ちしちゃおう♪ 贋金を掴ませるのもいいね!」
『え? いいね! それいいね!』
『やるやる!』

 ユニの悪の囁きにまんまと乗ったブギーキャンサー達。それを見届けると、ユニとレッドを傍らに従えて、アルテミシアは癒しの波動で彼等を癒やしながら言った。

「そろそろ十分でしょう。わたくしに従いなさい!」

 ブギーキャンサー達は、顔を見合わせる。アルテミシアに従うユニはもちろん、勇者の剣を持つレッドを特に見やる。その強さは、肌で感じた――その勇者が魔王に傅く姿は、確かに魔界を征服するというどでかいワルに説得力を持たせていた。

(「事実、俺はアルテミシアを守護することを誓っているのだからな。演技などではないよ」)

 勇者としていかにワルを演出するか迷っていたレッドにとって、良い成果でもあった。
「上手くいきそうですな」
「ああ」

 もしもの時は鮫の幽霊でフォローしようと用意していたフカヒレの言葉に、アルゼブがうなずく。少なくとも、やる気にさえなればブギーキャンサー達の実力は敵の配下に劣るものではない――その確信が得られたのは、大きな収穫だ。

 そして、彼等も魔界の住人。ワルに憧れる心を持つ仲間なのだ!

「別に暴力だけがワルじゃないよね、魔王様。それにボク達がDを先取りしてしまっても構わないよね♪」
『おおー、だったら案内するよ! Dの集められてる場所!』

 アルテミシアにユニが提案するのに、一体のブギーキャンサーが道案内を買って出る。それを皮切りに、自分も自分も! とブギーキャンサー達は配下になるように名乗り出ていった。

(「いけそうですわね」)

 アルテミシアは微笑み、レッドは視線だけで同意する。魔王国の面々の噂を聞いたブギーキャンサー達が、次々と集まっていく――まさに国を挙げての徹底抗戦がここに始まろうとしていた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『デビルスケルトン』

POW   :    デビルスピア
【槍の穂先】が命中した対象を燃やす。放たれた【槍から伸びる】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ボーンフレイム
対象の【骨】に【炎】を生やし、戦闘能力を増加する。また、効果発動中は対象の[骨]を自在に操作できる。
WIZ   :    デビルファイア
レベル×1個の【青色に輝く魔】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●悪魔の骨がやってくる

 ブギーキャンサーの国が大いに賑わっている頃、デビルスケルトンの軍勢は静かに迫っていた。

 誰もが、声一つ立てない。ガシャンガシャン、と歩く度に骨がこすれる音だけが延々と続いていた。

 そこにあるのは、ワルの急先鋒であるという誇りだけ。ほら、アレだ。軍オタがビシっと軍服とか着て浸っているのに似た空気がある。

『――――』

 しかし、傍から見ればデビルスケルトンの外見もあってまさに悪の軍勢という迫力である。

 ワルとワル、魔界の片隅でそんな激突が起きようとしていた……。
マルコ・ガブリエル(サポート)
『初めまして、わたくしはマルコと申します』
『皆様を苦しめるのであれば、わたくしも情けは捨てましょう!』
『まあ、なんて美味しそう……! 宜しければ、一緒にいかがですか?』
笑顔が魅力的で朗らかな女の子です。実は故郷を滅ぼされて天涯孤独の身ですが、そうした悲壮感を仲間に感じさせることはなく、いつも明るく振る舞っています。
誰に対しても優しく、敵にさえ「できれば戦わず、穏便に事件を解決したい」と考えるような優しい性格ですが、無辜の人々を苦しめる悪い奴には心を鬼にして全力で攻撃をお見舞いします。
美味しいもの、特に焼肉をみんなで食べるのが大好きで、無事に事件解決した後はよく他の猟兵をご飯に誘おうとします。


三条・姿見(サポート)
招集を受けた援軍だ。…俺も力を貸そう。
指示があるならば、そのように。猟兵として務めは果たす。

**
『ある刀を探している。取り戻さなければならないものだ』
ヤドリガミの剣豪 × 化身忍者
年齢 27歳 男
外見 178cm 黒い瞳 黒髪 普通の肌
特徴 短髪 口数が少ない ストイック 天涯孤独の身 実は読書好き
口調 生真面目に淡々と(俺、お前、だ、だな、だろう、なのか?)
偉い人には 作法に倣って(俺、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)
**

主武装は刀と手裏剣。…相手の数に応じて使い分ける。
薬液が効く相手なら、毒や麻痺薬も使用する。

賑やかな場所はどうにもな…だが鍛錬となれば話は別だ。
励むとしよう


エドゥアルト・ルーデル(サポート)
『ヒャッハー!頭ねじ切ってオモチャにしてやるでござる!!』

口調:拙者、名字+氏、~でござる、~ですぞ
属性:混沌・悪

弱きを困惑させ強きを嫌がらせの果に弄り倒す正義なんてどこ吹く風なゴーイング・マイ・ヒャッハー系

シリアスな空気だと破壊するか自分が爆発する
可愛い女の子を見れば興奮する変態
エンジョイ&エキサイティングをモットーに好きなように生きて好きなように死ぬギャグキャラ
オタクらしく戦闘中でも状況に有ったセリフやパロ技を適当にぶっ込みながら戦う様はイカレポンチすぎて敵味方問わず困惑と驚愕させることに定評がある
公言しないが空軍のパイロット


ミロ・バンドール(サポート)
大人向けな依頼は不採用にしてください

口調はステシの基本通り
強がって一匹狼を気取った態度ですが、連携にはきちんと応え
最善の結果のために努力します
いわゆるツンデレ

基本的な戦闘スタイルは敵の力を削ぎ、次の味方の行動へ繋げるサポート役で
次いで重視する行動が敵の押さえです
技能の各種耐性や改造を活かし、戦場の状況に合わせたスタイルを模索します

一般人等保護対象には耐性技能を利用して盾になり
UCは誰かが望まない犠牲になるときは差し控える傾向

*備考
・精神攻撃にはとても弱い(ヘタレると寝言時の口調)
・ギャグ展開にはよく巻き込まれる(弄られOKです)

※キャラぶれても気にしないので、お気軽に弄って下さい



●骸骨は踊る。そう、二重の意味でね! とワルはドヤ顔でそう言いそう。

 ブギーキャンサーの国へ向かうデビルスケルトンの軍勢は、大きく分けて3つに別れていた。三方向からの同時攻撃――その一つの前に、彼らは立ち塞がっていた。

「初めまして、わたくしはマルコと申します」

 そう一礼して見せたのは、マルコ・ガブリエル(焼肉天使・f09505)だ。ニコリと笑顔のまま、整然と迫るデビルスケルトン達へマルコは続ける。

「皆様を苦しめるのであれば、わたくしも情けは捨てましょう!」

 誰に対しても優しく、敵にさえ「できれば戦わず、穏便に事件を解決したい」と考えるのが、マルコだ。デビルスケルトンに悪意と呼べるものがない事は理解している――それでも破壊をもたらす魔王に力が渡れば、大勢の無辜の民が危険に晒されるのだ。マルコはそれを許すつもりはない。

『どくがいい。天使よ。我らは――ワルだぞ?』

 キリッとデビルスケルトンの一体が返す。それは魔界ではとってもナウなナイスな脅し文句であった訳だが――マルコは退かない。

『そうか、ならばワルとして押し通るのみ……!』

 デビルスケルトン達が、デビルスピアを構えて走り出す。その疾走のタイミングに合わせ、落下してくる人影がいた――エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)だ。

「ヒャッハー! 頭ねじ切ってオモチャにしてやるでござる!!」
『『『何か物騒な事言ってるぅ!?』』』

 エドゥアルトは落下しながら、Sturz KampfFlugzeug(シュトゥルツカンプフルクツォイク)によって召喚した小型の戦闘用爆撃機部隊と共にデビルスケルトン達へ爆撃を敢行した。ドドドドドドドドドドドドドドドドドドォ!! と爆撃に飲まれ、デビルスケルトン達は吹き飛んでいく。

 スチャ! と体操選手のように着地したエドゥアルトは、吹き飛ばされたデビルスケルトン達を見て感心した。

「おう、さすが魔界の住人でござる! 爆撃じゃ九割死くらいしかしないでござる!」
『死んでたまるか! おっかないな!』

 思わず素に戻ったデビルスケルトンの一体が、ボーンフレイムの炎に包まれながらエドゥアルトへ襲いかかる。だが、その槍が届く前に踏み込んだマルコのメイスがフルスイング、そのデビルスケルトンを殴り飛ばした。

『――あ』

 ひゅーん、と頭から落ちたデビルスケルトンは、そのままバタリと倒れる。しかし、ビクビクと動いている辺り、生きているのだろう……いや、スケルトンを生きていると言っていいならば、だが。

「ああ、本当に丈夫なんですね。良かったです」
「いやいやいや、コキュって! コキュって!」

 マルコの正真正銘天使の笑顔に、ミロ・バンドール(ダンピールの咎人殺し・f10015)は思わずツッコミを入れる。あまりにシュールな光景に少しばかり一匹狼も散歩に出てしまったらしい――何にせよ、ミロはすぐに気を取り戻した。

「来い、相手をしてやるぜ」

 魂のジビットを構え、ミロは爆撃を抜けて駆けてくるデビルスケルトンへ鎖を放った。鎖は巧みなロープワークによって蛇のように走り、デビルスケルトンのスピアを絡め取り――地を這わしていた、もう一本の予備の鎖で片足を拘束していた。

『ぬ――!?』

 拘束され動きを止めたデビルスケルトンへ、艶消し処理を施した黒い手裏剣が突き刺さっていく。動きが止まった瞬間、狙いをすまして投擲した三条・姿見(鏡面仕上げ・f07852)の撃剣だ。

「招集を受けた援軍だ……俺も力を貸そう」

 静かに言い放つ姿見に、デビルスケルトンの軍勢は勢いを増して動き出す。数で圧倒する、その覚悟と決意を猟兵達は真っ向から受け止めた。

●ハハハ、圧倒的ではないか――相手の軍は! とワルは観念した

 封刃・写を手に、姿見がデビルスケルトンの間を通り抜けていく。ヒュガガガガ! と突き出される槍、槍、槍。身を低く疾走していた姿見はそのスピアを足場に駆け上がり、一気に跳躍した。

 その空中へ跳んだ姿見へ、デビルスケルトン達は即座に槍を突き上げる!

『馬鹿め! 空中で身動きが取れるか!』
『あ、止め――』

 規則正しいフラグを立てた同族をデビルスケルトンは止めようとしたが、遅い。ガシャン! と槍衾を足場に着地した姿見が、そのまま滑るように岩場へ。封刃・写を振るい、数体のデビルスケルトンを切り裂いた。

 斬られずにすんだデビルスケルトンはそれを追おうとするも、ジャラララララララッ! とミロが放った鎖が槍を束ねて締め上げて動きを止めさせた。

 ――戦いは、猟兵達が優勢に進んでいた。そもそもが四方八方に数が勝る自軍で包囲し、ブギーキャンサー達を圧殺するのが目的だったのだ。個々の実力差が大きい猟兵達とぶつかるのは手が足りない――戦力を分散させる包囲戦術自体が、裏目に出ているのだ。

 そして、その事をデビルスケルトン達が気付いた時には手遅れだった。

「爆ぜろ劫火!」

 姿見が投擲した起爆の術符を結んだ撃剣がデビルズケルトン達に突き刺さり、爆炎が轟く! 姿見の大爆炎符が炸裂する中、マルコが散開しようとしたデビルスケルトンの前へと踏み込み、メイスで薙ぎ払った!

『チッ! 体勢を立て直――』

 せ、とデビルスケルトンが口にするより速く、マルコが言った。

「今ですわ!」

 ジャガガガガガガガガガガガガ! とデビルスケルトン達の足を止めるように、拘束ロープが巻き付いていく――ミロの咎力封じだ。

『馬鹿なぁああああああああああ!?』
「……嬉しそうに言うなよ」

 ワルが罠にハマった瞬間の反応を存分に楽しむデビルスケルトンに、ミロはビシっと裏手ツッコミを入れてしまう。調子が狂うが、どうやらこれが魔界のノリらしい……楽しげで、いっそ羨ましい。

「悲しいけど、これ戦争なのでござるよ!」

 そして、エドゥアルトはニヒルに笑って言うと――動きを封じられたデビルスケルトン達が、Sturz KampfFlugzeugの爆撃により一掃された。

 ――ちなみに、ワルとして存分に戦えたデビルスケルトン達はやり遂げた男の顔で沈んでいった、とだけ記しておこう……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

黒田・牙印
ネフラ(f04313)と共に

・よっしゃよっしゃ。蟹達は目出度く俺らの舎弟になったわけだな。さぁて、気張っていこうぜぇ!

・ま、俺はいつも通り真っすぐ行ってブン殴るだけだな。おう、カニ共……まずは俺とネフラがお手本を見せてやるからよーく見とけ。
炎で燃やされる? それがどうした、この熱さも痛みも俺の胆力を鍛えてくれるわぁ! ああ、華麗にやりてぇ奴はネフラを先生にするんだな。

・【びったんびったん】で投げ飛ばし、カニ達に突撃(轢き逃げアタック)を指示。おい骸骨共、簡単にバラバラになってくれるなよ? お前らには舎弟達のサンドバッグになるっていう大事な役割があるんだからな。さあ、このまま全員ぶちのめすぞ!


ネフラ・ノーヴァ
引き続き牙印殿(f31321)と共に突撃だ。
思いのほか刺々しい骸骨達だな。刺すのも切るのも難しいとなれば、刃をかわしつつUCフェイタルグラップルで背骨を集中的に狙い引きちぎって投げる。さあ蟹達、動きが鈍った骸骨の処理はまかせよう。
おや、乱暴?骨など後でくっつければ治るだろう?
それにしても、「血の気」の無い奴ら相手はいまいち気が高まらないな。
破壊の王とやらが血をたっぷり蓄えていれば良いが。フフッ。



●悪対悪と書くとそれっぽいのに、ワル対ワルって書くとギャグ調になるよね?

「思いのほか刺々しい骸骨達だな」

 ネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)は、向かってくるデビルスケルトンの軍勢を見てそうこぼした。ブギーキャンサーの国、ひときわ高い岩場の上からそれを見下ろして黒田・牙印(黒ワニ・f31321)も上機嫌に笑った。

「よっしゃよっしゃ。蟹達は目出度く俺らの舎弟になったわけだな。さぁて、気張っていこうぜぇ!」

 牙印とネフラの背後には、ブギーキャンサー達が控えていた。ふざけた調子はない……のだが、明らかに空気に酔っている雰囲気がある。ようはワルを名乗ってやって来る連中を、ワルとして撃退するシチュエーションに酔っているのだ。

 牙印はそれを知りながら、笑みを濃くする。それでやる気になるなら十分だ、と。

「ま、俺はいつも通り真っすぐ行ってブン殴るだけだな。おう、カニ共」
『『『ウイッス!』』』

 ガチガチ、と鋏を鳴らしてブギーキャンサー達は威勢よく答える。それを満足気に眺め、外印は続けた。

「……まずは俺とネフラがお手本を見せてやるからよーく見とけ」
『『『ウイッス! 兄貴!』』』

 ブギーキャンサー達の答えを聞いた直後、外印が岩場から踏み出した。一歩踏み出せば足場はない――骸骨の軍勢へと真っ直ぐに落下する!

『む! 何者だ!』

 デビルスケルトン達は、即座にデビルファイアの魔炎で迎撃した。一発一発は小さな火でも数が揃えば膨大な火力となる。その中を外印は構わず、落下した。

「炎で燃やされる? それがどうした、この熱さも痛みも俺の胆力を鍛えてくれるわぁ!」

 ドォ!! と岩の地面ごと砕く外印のギガテイルによる一撃が、デビルスケルトン達を吹き飛ばしていく。それを見下ろしていたブギーキャンサー達の視線に気付いて、外印は見上げて言った。

「ああ、華麗にやりてぇ奴はネフラを先生にするんだな」

 それに応えるように、ネフラも落下していた。岩を足場に炎をくぐり抜けると、ネフラは右手をゴキリと鳴らし一体のデビルスケルトンを掴んだ。

『あ――ちょちょちょちょちょ!?』

 ワルの演技をする余裕もなく、ネフラは掴んだデビルスケルトンを素手で解体していく――フェイタルグラップルだ。

「おや、乱暴? 骨など後でくっつければ治るだろう?」
『それとこれとは別だからァ!?』

 すっかりとバラバラになっても元気なデビルスケルトンの頭蓋骨を放り投げ、ネフラはブギーキャンサー達へと言った。

「さあ蟹達、動きが鈍った骸骨の処理はまかせよう」
『『『ウイッス! 姐さん!』』』

 次々に我先にとブギーキャンサー達も落下していく。その勢いのまま一気に突撃していくブギーキャンサー達は、集団でデビルスケルトンを蹂躙していった。

『陣形を組め! 槍衾で受け止め――』

 デビルスケルトン達も愚鈍ではない。即座に対応するが、彼らとブギーキャンサーには大きな違いがある――協力者がその場にいるかいないか、だ。

「おっと、させねぇよ」

 デビルスケルトンを掴む端から、外印は軽々と投げ飛ばしていく! 落下してくる骸骨達を出迎えるのは、ネフラだ。掴んでは外し、バラし、放り捨てていく――外印とネフラのコンビネーションで動けなくなったデビルスケルトンンを、ブギーキャンサー達が踏み潰した。

「それにしても、「血の気」の無い奴ら相手はいまいち気が高まらないな。破壊の王とやらが血をたっぷり蓄えていれば良いが。フフッ」

 ネフラが、機体を抱いて微笑む。もはや、この場の戦闘など見ていない。ブギーキャンサーの止めという協力を得た外印とネフラは、文字通り掴んでは投げ、投げてはバラし、デビルスケルトン達を蹴散らしていった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レッド・マタード
【魔王国】で協力

キャンサー達をこちら側に引き込むことはできた。このまま国民になってくれればありがたいが、そのためには次の戦いに勝たねばな。

敵は多勢。こちらも数では負けていないとは思うが、戦況は有利にせねばな……まずはキャンサー達に「これから赤い雨が降る。この雨はお前達の力を増大してくれるものだ。信じて欲しい」と吹き込む。根性論は嫌いだが、気持ちの持ちようはパフォーマンスに多大な影響があるからな。

後は…アルゼブの策が成ったところで俺はUCを発動して戦場へ飛び、赤い雨を降らせ続けよう。目立つように飛べば敵軍の注意を散らすこともできるだろう。
さあ、戦場に赤い雨が降るぞ、大地が紅に染まるぞ……


アルゼブ・アズモリィ
【魔王国】のメンバーと
【POW】
おっ、来たみたいだな、スケルトンどもが!
それじゃあ、ちょっと行ってくるぜ!

単身スケルトンの元へと駆け込み、卑屈な〈演技〉で〈言いくるめ〉てみる。

そこの団体様!力を貸してください!
実は、あの棲家を偵察していたら、奴らがDを溜め込んでいる秘密の場所を突き止めたんですが……
なんせ敵は数が多く、一人じゃ盗み出せる気がしなくて……
お願いです!案内はボクがしますし、分け前は少しでいいですから!

うまくいったら、棲家に向かってスケルトンを案内。
そしてメンバーたちによる包囲が完成したところで戦闘開始!
レブヤ・ベザルで〈なぎ払い〉を駆使して戦うぜ。

オレの演技、悪カッコよかったろ?


アルテミシア・アガメムノン
【魔王国】で協力
魔王国の戦略はアルゼブさんがおびき寄せた先での魔王国PC&蟹さん達による包囲殲滅です。殲滅しませんけれど。
魔王国の下に集った蟹さん達と魔王国の仲間に『軍神の威風』を発動。
「勝利は我等にあり! 勝ちますわよ!」
戦端が開き、デビルスケルトンの軍勢を押し込んだら彼等に声をかけます。
「デビルスケルトンの皆さん! 貴方達が何故負けているか分かりますか?
それはDの強奪などちっさいワルだからです!
わたくし達は魔界制覇を目指す大ワル! 今でしたら貴方達もその大ワルの仲間に入れて上げますわよ!」
と降伏勧告で戦力増強を目論見ます。
オブリビオンに利用された彼等も救うべきこの世界の民なのですから。


ユニ・バンディッド
【魔王国】アドリブ歓迎
まだまだワルいことして、Dを増やしちゃおう♪
[騙し討ち]の事前準備!ボクのD(空飛ぶ金貨達)を使って、ブギーキャンサー達と共に作り上げた財宝の山の中(空洞)に潜むよ。
アルゼブさんが敵を誘った、今こそ黄金色の巨大鋏を振るう時!頑張って!。
ボクはボクでデビルスケルトンを対象に【デモン・フェイカー】。
自慢の[視力]で先読み、ボクの手から生えた財貨「精巧なる贋作のD」で[投擲]や空飛ぶ金貨の[範囲攻撃]で支援。
今回のユーベルコードの目的、デビルスケルトンが持つ財貨「本物のD」を盗むこと。
本物の所有権を[盗み]遠隔操作、大量のDを宙に巻き上げちゃえ♪金貨持ちさんもいらっしゃい~♪


フカヒレ・フォルネウス
【魔王国】にて連携続行です。アドリブ歓迎します。

アルゼブさんの誘導が成功するのに合わせて、敵を包囲するべく鮫を召喚します。
選ぶ鮫は……デビルスケルトンは炎が得意を耳にします。
それならば、目には目を。炎には炎を! 出でよ炎の鮫嵐!
70個を超える焔白鮫(ホオジロザメ)の鮫の群れによって、戦場を赤く照らして差し上げましょう。
地上はユニさんとアルゼブさん、そしてブギーキャンサーたちに任せて、レッドさんとともに制空権を確保いたします。

アルテミシア様の行動を阻害するものがあれば、焔白鮫たちを複数合体させて排除します。
魔王国のために力を発揮しましょう。



●ワルにはワルに対抗するんだよ! それが今の魔界流です!

 三つに別れたデビルスケルトンの軍勢の内、最後の一軍を見てアルゼブ・アズモリィ(玉座を見据えし悪魔・f31513)が言った。

「おっ、来たみたいだな、スケルトンどもが! それじゃあ、ちょっと行ってくるぜ!」

 アルゼブは魔王国とブギーキャンサーの仲間達へそう告げると、デビルスケルトンの方へと走り出す。肩で荒く息を乱しながら、アルゼブはデビルスケルトンの隊列の前へと転げるように駆け込んだ。

『止まれ! 何者だ!』
「そこの団体様! 力を貸してください! 実は、あの棲家を偵察していたら、奴らがDを溜め込んでいる秘密の場所を突き止めたんですが……」

 ペコペコと頭を下げながら、アルゼブは一つの高い岩石を指差す。デビルスケルトン達は、そこがブギーキャンサー達の国だと気付いて顔を見合わせた。

『あの、ブギーキャンサーの国か?』
「はい。でも、なんせ敵は数が多く、一人じゃ盗み出せる気がしなくて……お願いです! 案内はボクがしますし、分け前は少しでいいですから!」
『む……しばし待て』

 まくしたてるアルゼブに、デビルスケルトン達は円陣を組む。デビルスケルトン会議というヤツだ。

『ど、どうする?』
『どこに隠してあるかなんか、知らないしなぁ。いいんじゃないか?』
『あ、怪しくないか?』
『たまたまだろ? ワルい事するなんて、今の魔界じゃ当たり前だろ?』

 ふと、デビルスケルトン達がアルゼブを見る。アルゼブは、それに愛想笑いで返した。

『ま、本当かどうか確かめてからでいいだろう』
『う、嘘だったらやっつけちまえばいいしな……』
『『『――それだ、ワルっぽい!』』』

 答えを出したデビルスケルトン達は再び隊列を組み、先頭のデビルスケルトンが咳払いと共に言った。

『よし、手伝ってやる。案内しろ』

 ――やがて、アルゼブに案内されたデビルスケルトンは突き上げられたD(デビル)の山を見る。おお! と感嘆の声を上げるデビルスケルトン達に、アルゼブが言った。

「どうです? 言った通りだったでしょう?」
『ああ、本当だな! じゃあ、回収しよう。お前の取り分は――』

 Dの山へ我先に、と集まっていくデビルスケルトン達――まさに宝に触れようとしたその時だ。

「――我が意のままに、あらゆるものを模り生み出す。精巧なる贋作。揺らぐ真実。偽りの財貨にかき乱されて、崩れし真作が悪魔の手に堕ちる」

 ヒュンヒュンヒュンヒュン!! とDの山から大量の金貨が、デビルスケルトン達へと叩きつけていく――ユニ・バンディッド(贋作の悪魔・f31473)のデモン・フェイカーによって生み出された偽金貨だ。

『ぐ、何だと!?』
「勝利は我等にあり! 勝ちますわよ!」
『『『おう!!』』』

 そのアルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)の声が鳴り響いた瞬間、ガシャガシャガシャガシャ! とデビルスケルトン達を包囲するように展開していたブギーキャンサー達が姿を現した。アルテミシアの軍神の威風(アンドラステ)に意気揚々と強化されたブギーキャンサー達の姿に、デビルスケルトン達は困惑する。

『な、なに!? いつの間にこんな……!?』

 その瞬間、デビルスケルトン達が燃え上がる。だが、それは同時に彼らの頭上でも出現していた。

「デビルスケルトンは炎が得意を耳にします。それならば、目には目を。炎には炎を! 出でよ炎の鮫嵐!」

 フカヒレ・フォルネウス(鮫の悪魔の四天王・f31596)が召喚した、七十を超える焔白鮫(ホオジロザメ)の群れが、その場を赤く照らし出す。そして、ポツリポツリと赤い雨粒が落ち出した。

「これから赤い雨が降る。この雨はお前達の力を増大してくれるものだ。信じて欲しい」『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』

 レッド・マタード(暴勇の赤マント・f31712)の言葉に、振り始めた赤い雨にブギーキャンサー達は盛り上がる! 根性論は嫌いだが、気持ちの持ちようはパフォーマンスに多大な影響がある――もちろん、ブギーキャンサーを強化する能力はないのだが、レッドからすれば気休めになれば十分だった。

『いた!? 痛い! くそ、おい! これはどういう事――』

 アルゼブを振り返ったデビルスケルトンは、そのままレブヤ・ベザルの薙ぎ払いに吹き飛ばされた。愛想笑いではなく、心の底から悪い笑みと共にアルゼブは言った。

「オレの演技、悪カッコよかったろ?」
『計ったなぁ!!』

 どこか笑顔でそう叫んだデビルスケルトンの声を合図に、戦いが始まった。

●『いやぁ、感じましたね、あの時は。自分が今、ワルの風の中にいるって……』

 デビルスケルトンが取っていた雁行という隊列は、一気に決着をつけたい時に使う陣形である。ようはブギーキャンサーが自分達の動きを読んでいないという前提が、彼等にはあったのだ。

 だが、その陣形を失い完全に包囲された状況はデビルスケルトンからすれば完全に予想外だった。しかも、包囲されただけでなく、内側にはユニとアルセブがいるのだ。内外に敵がいる、最悪な状況と言えるだろう。

「どうしたどうした!? その程度か!」

 レブヤ・ベザルを振るいデビルスケルトン達を、アルゼブが蹴散らした。そこへ、ヒュンヒュンヒュン! とユニの空飛ぶ金貨が追撃していく!

『あれ!?』
『ちょ、それオレのD!?』
「金貨持ちさんもいらっしゃい~♪」

 まだまだワルいことして、Dを増やしちゃおう♪ とユニが遠隔でデビルスケルトンからDを盗んでいるのだ。そんな混乱で内側が荒れていたが、外側の騒動のおかげで意識が向かない。

「さあ、戦場に赤い雨が降るぞ、大地が紅に染まるぞ……」
『ぐ、あああ、あああああああ! いた! いた!?』

 空に浮かぶレッドのレッドレインに、デビルスケルトンの一体が自身の燃える骨を飛ばす。その骨を次から次に、レッドは勇者の剣で弾き飛ばし、切り払っていった。

「進め!」
『『『おう! 力漲るぅ!!』』』

 レッドレインで自身が強化されたと疑わないブギーキャンサー達が、一斉に突撃していく! デビルスケルトン達も槍衾で迎え撃つが、勢いが違う。圧されているそこへ、フカヒレを中心に複数合体させた焔白鮫が襲いかかった。

『ぐ、ううう!!』
「制空権は、我等にお任せを」

 フカヒレの言葉とレッドのうなずきを得たアルテミシアが笑みをこぼす。

「勝利は約束されています。全軍前進!」
『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』

 巨大な鋏が、デビルスケルトンを掴んでは投げ、切り飛ばしていく。骨なので、バラバラになってもすぐに戻るのだが。

『くそ、くそくそくそくそくそ! なんで、こんな――!』

 戦術で負け、戦略で負け、戦力で負けている……デビルスケルトンが歯ぎしりするのも仕方がない。次々に倒されていく仲間達――死んではもちろんいないのだが――に、残り数体となったデビルスケルトン達は、スピアを構えて呆然としていた。

 あまりにも呆気ない、完敗だったからだ。

「デビルスケルトンの皆さん! 貴方達が何故負けているか分かりますか?」
『……ぐ……』

 すべてを合体させた焔白鮫の上に立ち、レッドを隣に従えたアルテミシアの言葉にデビルスケルトンは二の句を告げられない。それを答えと受け取って、アルテミシアは続けた。

「それはDの強奪などちっさいワルだからです!」
『な、何……だ、と……?』

 それはまさに青天の霹靂であった。まさか、Dの強奪以上に大きいワルがあるとでも!? 愕然とするデビルスケルトン達へ、アルテミシアは力説した。

「わたくし達は魔界制覇を目指す大ワル! 今でしたら貴方達もその大ワルの仲間に入れて上げますわよ!」

 オブリビオンに利用された彼等も救うべきこの世界の民なのですから、と微笑むアルテミシアに、カランと一本のスピアが地面に転がった。

 それは次々に、続いていく。それこそが彼等がアルテミシアの降伏勧告に屈した、という証拠に他ならなかった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『デストロイキング』

POW   :    デストロイキング軍
レベル×1体の【ビューティスパイダー】を召喚する。[ビューティスパイダー]は【女郎蜘蛛】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD   :    デストロイ光線
レベル分の1秒で【背中の魔力角から破壊光線】を発射できる。
WIZ   :    デストロイウェポン
【腹部の巨大な口に取り込んだ物体】から、対象の【全てを破壊したい】という願いを叶える【破壊兵器】を創造する。[破壊兵器]をうまく使わないと願いは叶わない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●破壊の王

 自身の配下――駒が敗れていく光景を眺め、デストロイキングは顔の口と腹の口でため息をこぼした。

「今の腑抜けた魔界の者共では、やはりあの程度か……」

 嘆かわしい、とデストロイキングは歩き出す。元よりデビルスケルトンなど、ただの数合わせに過ぎない――デストロイキングが歩く度に生み出されていくビューティスパイダーは、あっと言う間に軍勢へと膨れ上がった。

「Dを拾う手が減った、程度に思っておくか。では、破壊して奪うとしよう」

 ここから先の戦いは、魔界のノリは突いてこれないのでお留守番だ。過去からの破壊者、オブリビオンであるデストロイキングは、笑みと共にブギーキャンサーの国へと行軍を開始した……。
ネフラ・ノーヴァ
引き続き牙印殿(f31321)と共に。先頭は任せるよ。

やれやれ、最初からオブリビオンが顔を出していれば手間はないというのに。
敵の蜘蛛どもが巨大化した牙印殿に群がるだろうから、UC血天鵞絨で鉄馬車と幽霊達を呼び出して立ち向かわせる。さあ、蜘蛛どもと踊れ。
デストロイキングとの距離が縮まれば、牙印殿の背を借りて跳び超え、不意の一撃を狙う。
その腹の口、刺剣で上下を縫い止めてやろう。フフ、自分が破壊される気分はいかがかな?
さあ、血の花を咲かせるが良い。


黒田・牙印
ネフラ(f04313)と共に

・さて……ここから先はカニも骸骨も関わるのは遠慮願いたい、猟兵とオブリビオンの領域だな。
おう、デストロイキング。俺も昔は破壊者として活動してた時期があるんだ。どっちが破壊王に相応しいか試してみるか?

・てめえみたいに誰かをだまくらかして事を成し遂げようって奴は気に食わねぇんだ……その半端さに怒りが収まらねぇぜ。
【UC】で巨大化し、ネフラの肉壁になるように突き進む。うざってぇ蜘蛛はブン殴ってふっ飛ばすぜ。

・一息で飛び込める距離になったら一気に走って「怪力」でデストロイキングに組みつき、ネフラの不意打ちが十全に活きるようにする。
その後はベアハッグで潰してやらぁ!


フカヒレ・フォルネウス
【魔王国】アドリブ歓迎 WIZ系です

敵も味方も数が多く、総力戦となりましょう。
これだけ多くなると下手な鮫を送り込んでも邪魔になりましょう。
そしてデストロイキングは強大な存在、半端な鮫では時間稼ぎにもなりません。

ゆえにここは、支援に徹し味方の助けとなりましょう。
UC《全てはわが策略の内》、これまでの戦いで発生した力をもとに、四天王の力を発揮します。
「これが僕の策略、魔王国四天王の力です」
僕の力は鮫だけにあらず。髑髏柱によって呪詛をかけ、戦場にいる敵すべてをを弱らせて差し上げます。
さあ、破壊される時ですよ、デストロイキング!

事後はアルテミシア様の傍に控えて、遠距離攻撃が来た時の壁になります。


アルテミシア・アガメムノン
【魔王国】アドリブOK
ごきげんよう、デストロイキングさん。
貴方のお陰で我が国の戦力を増強することが出来ましたわ!
お礼に貴方の好きな『破壊』をプレゼントいたしましょう。
貴方自身にね!(用済みなので処分します、みたいなワルを演じます)

魔王国の皆さん、蟹さん、そして先程投降した骨さんに『軍神の威風』を発動。戦力を高めます。

さあ、まずはあの蜘蛛たちを駆逐しなさい! 貴方達には容易い事です!

と蟹達と骨達を指揮してデストロイキング軍を壊滅させましょう。

支持率(?)に関わってくるので表には出しませんが、オブリビオンなどに魔界を自由にはさせないと考えています。


ユニ・バンディッド
【魔王国】アドリブ歓迎
あはっ♪ブギーキャンサーにデビルスケルトンの、Dがいっぱい♪
仕上げの【ゴーイング・マイウェイ】略奪目標(D)を横取りして消費する、ワルだよ♪。すべてはこのときのために…って四天王のフカヒレさんが言ってたよ!ボク、補給担当だけど普通の悪魔だもん(功績なすり)
D、通貨の中でも金貨を魔力ごとユーベルコードの代償にして、どんどん浪費・行動成立させていくよ♪。ほらほら早く止めないとなくなっちゃうよ。
「金貨以外のD」を両替の魔術カードで金貨に、[視力]で敵の動きを[盗み]先読みによる回避、錬成ダガーをレーザー[投擲]し破壊光線を相殺行動。
あ、ごめんね?手がすべちゃった♪[咄嗟の一撃]


アルゼブ・アズモリィ
【魔王国】のメンバーと
【POW】
はっ、いよいよお出ましになったな!
そんなにDが欲しけりゃくれてやるよ!
D(デビル)じゃなく、D(デストロイ)をな!!
『威勢のいいことだ。後になって無様な姿を見せてくれるなよ』
へへっ、まあ見てなって!

俺の前方に《岩の魔人》を召喚する。
行くぜ!力比べだ!
スパイダーで壁を築くなら、コイツの一殴りで吹っ飛ばせるか試してみよう。
それでうまく行けば、そのままデストロイキングに接近させ体当たりをお見舞いだ!

もし魔人が負けて破壊されるなら、その後ろからオレも一気に詰め寄って〈鎧無視攻撃〉で攻める。

そいつに気を取られてオレを忘れちゃ困るぜ!

*アドリブ可
*『』は喋る武器の声


レッド・マタード
【魔王国】で協力

・手勢は自分で増やせる、か。さすがはキングを自称するだけのことはある、と言っておこう。
が、真の王には決して至らぬよ。お前には我が魔王アルテミシアにある「人望」がないのだからな。

・さて、キャンサーとスケルトンも我が軍に入った。なれば、士気を上げるのが得策。
「アカゴリラ」を召喚し、乗り込んで突撃する。大きくて強い者が共にあれば自然と意気も高揚するものだ。

・UCで蜘蛛を蹴散らしつつキングへ接近。アルゼブの魔人と息を合わせて攻撃を試みる。
そのまま組み付いて動きを止められれば仲間の攻撃が十全に活きるはずだ。
可能であればUCで作った剣を一点集中してキングに突き立てよう。



●大乱闘

 ビューティスパイダーの軍勢と共に、デストロイキングが練り歩く。それはまさに魔王の行進と呼ぶのにふさわしい光景だった。

「あはっ♪ブギーキャンサーにデビルスケルトンの、Dがいっぱい♪」

 積まれた金貨をベッドにはしゃいでいたユニ・バンディッド(贋作の悪魔・f31473)が、その光景に笑う。ユニからすれば、あの魔王の行進も貯金箱の行列にしか見えなかった。

「敵も味方も数が多く、総力戦となりましょう」

 フカヒレ・フォルネウス(鮫の悪魔の四天王・f31596)の言葉に、レッド・マタード(暴勇の赤マント・f31712)が前へ出る。ブギーキャンサーと一部のデビルスケルトンの軍勢の前へ――止まったデストロイキング達へ、レッドは告げた。

「手勢は自分で増やせる、か。さすがはキングを自称するだけのことはある、と言っておこう」
「ほう?」
「が、真の王には決して至らぬよ。お前には我が魔王アルテミシアにある「人望」がないのだからな」

 レッドの言葉に、デストロイキングは視線を奥へと向ける。そこに立っていたのは、アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)だ。

「ごきげんよう、デストロイキングさん。貴方のお陰で我が国の戦力を増強することが出来ましたわ! お礼に貴方の好きな『破壊』をプレゼントいたしましょう。貴方自身にね!」
「そうか、少しは骨のある魔王も現代にでいて喜ばしい事だ」

 用済みなので処分します、みたいなワルな空気をまとうアルテミシアとデストロイキングの間で、緊張が高まっていく。それは魔王と魔王、同格だと互いに認めるからこその覇気のぶつかり合いだ。

「さあ、まずはあの蜘蛛たちを駆逐しなさい! 貴方達には容易い事です!」
「――やれ」

 両軍から、鬨の声が上がる。それはまさに地面を揺らすほどの激突だ。その両軍が拓いた戦端の最前線で、アルゼブ・アズモリィ(玉座を見据えし悪魔・f31513)がレブヤ・ベザルを手に言い放つ。

「はっ、いよいよお出ましになったな! そんなにDが欲しけりゃくれてやるよ! D(デビル)じゃなく、D(デストロイ)をな!!
『威勢のいいことだ。後になって無様な姿を見せてくれるなよ』
「へへっ、まあ見てなって!」

 ブギーキャンサーとビューティスパイダーの先陣が、真っ向から衝突する。ここに、ブギーキャンサーの国の命運をかけた戦いが、幕を上げた。

●破壊王の名にかけて

 巨大化したブギーキャンサーが振るう大鋏を、ビューティスパイダー達が糸で封じていく。だが、切れなくとも鈍器となったそれはビューティスパイダーの群れを薙ぎ払っていった。

「これだけ多くなると下手な鮫を送り込んでも邪魔になりましょう。そしてデストロイキングは強大な存在、半端な鮫では時間稼ぎにもなりません」

 フカヒレはその戦況を見て、素早く判断を下す。アルテミシアの軍神の威風(アンドラステ)によって自軍は強化されているものの、場数と量でビューティスパイダーの群れが勝っていた。加えて、デストロイキングさえ健在であれば、いくらでも量産できるのだ――遠からず、すり潰されてもおかしくはない。

「ゆえにここは、支援に徹し味方の助けとなりましょう」

 フカフレの宣言と同時、ガガガガガガガガンッと髑髏柱が召喚される――四天王としてのその能力は、敵を弱体化させる呪詛を放つ。均衡が崩れ、ビューティスパイダーの群れが先陣から脱落し始めた。

「ふん、器用な真似を」
「これが僕の策略、魔王国四天王の力です」

 その隙に、ユニがビューティスパイダーの群れの中へ駆け込んだ。倒れた敵の懐からDを奪っていく――だが、その動きにデストロイキングは顔をしかめた。

「貴様、何故Dを消費する!?」
「略奪目標(D)を横取りして消費する、ワルだよ♪ すべてはこのときのために……って四天王のフカヒレさんが言ってたよ! ボク、補給担当だけど普通の悪魔だもん」
「おのれェ! そこの四天王ォ!!」
「――はい?」

 完全にユニに罪をなすりつけられたフカヒレへ、デストロイキングは腹の口から取り出した爆弾を投擲した。デストロイウェポンによる爆弾は、自身の作戦を台無しにしようと考えたフカヒレへの怒りがこもっている。周囲ごと爆破される――そこへ割り込んだのは、レッドとアルゼブだった。

「伏せろ!」

 アルテミシアを守るようにフカヒレとデビルスケルトンが動く。それと同時に、レッドの勇者の剣が縦に、アルゼブのレブヤ・ベザルが横に、デストロイウェポンの爆弾を切り刻む!

 ドォ! と爆発する中、レッドがアカゴリラに乗り込み――。

「いでよ魔人! 破壊しろ!」

 ――アルゼブの岩の魔人(ロック・フィーンド)によって召喚された岩でできた魔人が前進した。

「行くぜ! 力比べだ!」

 アカゴリラの拳と岩の魔人の拳が、ビューティスパイダー達を蹴散らしていく。それでもなお、デストロイキングには届かない。それだけの量なのだ。

「ふん――お?」

 ふと、デストロイキングは視線を上げる。そこに、二つの人影が迫っていたのだ。

「めえみたいに誰かをだまくらかして事を成し遂げようって奴は気に食わねぇんだ……その半端さに怒りが収まらねぇぜ」

 黒田・牙印(黒ワニ・f31321)がバイオミック・オーバーロードで巨大化、そのままビューティスパイダーの中へ着地した。ドン! と地面を砕き、砕かれた岩が舞い上がる。その牙印の肩へ、ネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)が降り立った。

「やれやれ、最初からオブリビオンが顔を出していれば手間はないというのに」
「貴様らは……別の世界の者か」

 自分達を囲むビューティスパイダーの群れに、ネフラが言い捨てる。デストロイキングの問いに、牙印は口の端を持ち上げて笑った。

「おう、デストロイキング。俺も昔は破壊者として活動してた時期があるんだ。どっちが破壊王に相応しいか試してみるか?」
「――面白い」

 ニヤリと笑い返したデストロイキングが、腹の口から巨大なガントレッドを生み出す。それを見て理解した牙印は、渾身の力を込めて拳を振るった。

 拳と拳が、激突する。金属の激突音に似た轟音を響かせ、牙印とデストロイキングの衝突が地形を変えるほどの衝撃を撒き散らした。

●破壊の先に求めるモノ――

 ――総力戦。その二つの魔王の軍勢による戦いは、そう呼ぶのにふさわしいものだった。

『オ、オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』

 レッドのアカゴリラとアルゼブの岩の魔人を先頭に、魔王国軍が突き進んでいく。その動きに、恐れはない。ただ、魔王というワルに付き従う者として、ブギーキャンサー達もデビルスケルトン達も敵へと挑んでいった。

「勝利は約束されています。全軍前進!」

 この場では、まさにアルテミシアは勝利の女神――否、勝利の魔王だった。魔王の指示の元、一つの意志によって統率された彼等はビューティスパイダーの群れを切り崩していった。

「――なるほど、ならばそこから墜とす!」

 牙印と足を止めて殴り合っていたデストロイキングは、大きく後方へと跳んだ。その背にある魔力角――繰り出される破壊光線が、アルテミシアを狙って放たれる!

「おっと♪ さーせないよー」

 そのデストロイ光線を、ユニはアルテミシアに当たるものだけを選んで錬成ダガーを投擲して相殺。ガガガガガガガガガガ! と外れた破壊光線が地面を穿つものの、アルテミシアには届かない。

(「オブリビオンなどに魔界を自由にはさせませんわ」)

 支持率(?)に関わってくるので表には出さず、アルテミシアは空中のデストロイキングを見やる。攻撃に晒されても、小揺るぎもしない――それだけの信頼が、仲間達へとあるのだ。

「さあ、破壊される時ですよ、デストロイキング!」

 フカヒレの宣言と同時、魔王国軍が一気呵成に攻め込んでいく――デストロイキングが着地した時には、ビューティスパイダーの群れはすり潰されていた。

「ならば――!」

 再び、デストロイキングの足元からビューティスパイダーの群れが溢れ出す。だが、既に猟兵側は『準備』を終えていた。

「さあ、蜘蛛どもと踊れ」

 ネフラの血天鵞絨(ブラッド・ベルベット・ボール)によって召喚された鉄馬車と幽霊達が、現れたばかりのビューティスパイダーの群れを殲滅する。生み出す速度より、明白に潰される速度が勝っている――その瞬間、牙印がデストロイキングへと一気に間合いを詰めた。

「ここから先はカニも骸骨も関わるのは遠慮願いたい、猟兵とオブリビオンの領域だ――!」

 ミシリ、と牙印のベアハッグが、デストロイキングの巨体を締め上げた。初めて、デストロイキングが苦痛に表情を歪める。

「が、あああ、ああああああああああああああああああああああああああ!!」

 ガンガンガン! とデストロイキングが牙印に肘を落とすが、バイオミック・オーバーロードによって更に体が大きくなっていくだけだ。ミシミシミシミシ、と肋骨と背骨が軋みを上げる中、それでもデストロイキングは吼えた。

「舐める、な、あああああああああああああああああああああ!!」

 ガシャガシャガシャ!! とガントレッドが変形していく。肘部分についたパイルバンカーが装填、牙印へと振り下ろされ――!

「そこまでだ」

 その腕を、レッドのアカゴリラが抑えた。ベキリ、と肋骨の折れる音を響かせながら、デストロイキングは腹の口を開いた。

「穿けェ!!」

 だが、そこからデストロイウェポンが生み出されるより早く――牙印の背から降りたネフラが血棘の刺剣が突き刺され、その口が閉ざされる!

「フフ、自分が破壊される気分はいかがかな? さあ、血の花を咲かせるが良い」
「ま、だ、だあああああああああああああああああああああ!!」

 なおもあがく破壊の王は、背の魔力角を輝かせる。ゼロ距離で放たれるはずだったデストロイ光線を、岩の魔人が角を掴み自らを犠牲にして防いだ。

 ドォ! と鈍い爆発音。その砕かれた岩を足場に、アルゼブが跳んだ。

「そいつに気を取られてオレを忘れちゃ困るぜ!」
『行け!!』

 アルゼブがレブヤ・ベザルを繰り出す。突き刺さる刃、それと同時にレッドも唱えていた。

「降り注げ、勇なる剣よ!」

 破壊の王を貫いていく飛翔する魔法剣、レッドのブレイブバースト。デストロイキングの力が緩んだ、それを感じた牙印は渾身の力を両腕に込めた。

「が、ああ、あああああああああああああああああああああああ!!」
「――終わりだ、破壊者」

 ボキン! と背骨が折れる音が、戦場に響いた。その音が合図であったように、戦場が潮が引いたように静寂に包まれる。ボロボロ、とデストロイキングの体が崩れていき――。


「……み、ごとだ。異世界の、破壊、者よ……」

 お前達の勝ちだ、とデストロイキングの言葉を残し、破壊の王は崩れてかき消えていく。それを見届け、アルテミシアはフカヒレに小さくうなずいた。

「勝鬨を!」
『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』

 魔王の命を受けた四天王の宣言に、静寂が破られる。上がる喝采、破壊の王と新たな魔王達の戦いの幕は、熱気とともに終わりを告げた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月02日


挿絵イラスト