危険!? 恥ずかしシンドローム
●悪夢の花畑
フェアリーランドあるところウサギあり。今日も今日とてレプ・ス・カムは秘密の抜け穴を使ってフェアリーランドを訪れる。
「今日はここで探すかなー。あぁ、まずはフェアリーランドを私色に染めなくちゃね」
空にペンキを塗るように、レプ・ス・カムはすいすいと手を動かしていく。
そうして世界は悪夢に埋め尽くされていくのだ。
不思議な空間は、あっという間に花畑に早変わり。色鮮やかな景色が広がるが、当然ただの花畑ではない。花粉を撒き散らし、来る者を状態異常に陥れる猛毒の花畑。
「これでオッケー! あまり近づかないようにしてーっと。じゃあ、探索スタートぉ!」
レプ・ス・カムは花畑から離れると、ざくざく土を掘り始める。
外で苦しむフェアリーのことなどお構いなし。それがレプ・ス・カムだった。
●アックス&ウィザーズ・5thラウンド
「早くも花粉の季節です!」
ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は幸いにも花粉症ではない。だからと言って今後も安心というわけではないのだが、それはさておき。
「『アックス&ウィザーズ』で幹部猟書家の『レプ・ス・カム』がまた動き出しました。はい、これまで何度かご案内していますが、やっぱりフェアリーさんが苦しめられています!」
悪夢と化したフェアリーランドの毒気がじわじわとフェアリーの体力を奪っていくのだ。放置すればやがてフェアリーは衰弱死してしまう。
「なのでこれまでと同様、皆さんにはフェアリーランドに向かって頂きたいんです。フェアリーランドに入る前にはフェアリーさんとお話も少しは可能なようですので、楽しいことを考えてもらえるような声掛けをすると、フェアリーランドの悪夢が少し和らぐかもしれません」
病は気から、という言葉がある。それと似たようなものなのだろうか。
「フェアリーランドはレプ・ス・カムが広げた悪夢状態になっていますので、進むには注意が必要です。今回は一面綺麗なお花畑なのですが、どうやらそこにあるお花は花粉をどんどん撒き散らしているようですね。その花粉を吸ってしまうと……なんと!」
なんと!?
「『恥ずかしい』状態になってしまうんです! 私も何を言っているのかよくわかりませんが、とにかく花粉を吸うと色んなことが『恥ずかしく』感じられるという……恐ろしいのか恐ろしくないのかよくわからない状態異常です! 私はなりたくありません!」
実際に体験しなければ、その謎の恥ずかしい状態異常の恐ろしさはわからないのだろう。尤も、花粉を吸わなければいいだけなので、色々な対策は考えられそうだ。
「花粉症の人もそうでない人も、とにかく気を付けたほうがいいと思います! ですが、ちょっと怖いもの見たさに向かってみるというのも大歓迎です! 向かっていただけるだけで助かります! とにかくレプ・ス・カムを倒して、さっさとフェアリーランドを元に戻しましょう!」
沙雪海都
沙雪海都(さゆきかいと)です。
冒険してみました……ネタ的な意味で。
●フラグメント詳細
第1章:冒険『状態異常注意!危険な花畑!?』
花粉を撒き散らすお花畑です。黄色っぽい粉がぶわーって舞ってます。
人によっては見るだけで涙が出てきたり鼻がずるずるしてきたり……?
花粉を吸い込むと『恥ずかしい』状態になります。
普段は気にならない、何でもないことがとにかく恥ずかしく感じられます。
真面目に攻略したい人は対策を考えておきましょう。
対策ができていれば、花粉を全く吸うことなく進むことも可能かと思います。
【恥ずかしさ耐性】という技能がありますね。それも効果を発揮しそうです。
ネタに走りたい人はちょっと吸ってもいいかもしれません。
どういうリアクションするかとか書いておいてもいいです。
花粉を吸おうが「前に進み続ければ」結果はよい方向へ向かうかと思います。
第2章:ボス戦『レプ・ス・カム』
お馴染みの(?)あのウサギさんです。
自分からは言うことが特にないので思い思いの攻撃をぶつけてください。
●MSのキャパシティ
本作については合わせプレイングを解禁致しますが……2人か3人くらいですかねえ。
その時の自分のコンディションによります。それでもよろしければどうぞ。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『状態異常注意!危険な花畑!?』
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POW : 力づくで花を引きちぎる。こんな花なんかに絶対負けない!
SPD : 素早く花を全て刈り取る。こんな花なんかに絶対負けない!
WIZ : 魔法や知恵で花を枯らす。こんな花なんかに絶対負けない!
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
日紫樹・蒼
花粉を吸うと恥ずかしくなるなんて……
あ、いや! 僕は別に、この格好が恥ずかしいなんて思っては……!!
とりあえず、鼻を覆って進みますが、全ての花粉は防げないでしょう
【恥ずかしさ耐性】?
そんなもの、蒼が持ってるはずありません
「気付けば慣れてたけど……そもそも自分の服装が、物凄く恥ずかしかったんだぁぁぁぁっ!!
泣きながらUCを発動させ、SDサイズのチビ蒼を召喚
なんか、やたら露出度の高い魔法少女な服を着てます
「うわぁぁぁっ! 見ないでぇぇぇっ!!
羞恥心MAXになったところで、SDキャラが恥ずかしい詠唱台詞と共に毒の【属性攻撃】の【全力魔法】で花を攻撃
花が枯れた隙を狙って、持ち前の【逃げ足】で前進します
●逃げるは恥だが逃げぬのはもっと恥ずかしい
花畑はまるで山火事かというほどに一面から黄橙色の花粉を立ち昇らせていた。風は微かに吹いているのか、ゆったりと花粉が流れる様で見て取ることができる。
「うぅ……本当に花粉だらけ……」
日紫樹・蒼(呪われた受難体質・f22709)は弱々しい声を上げていた。ただの花粉でもこれほどになれば目や鼻をやられそうだというのに、目の前に立ち込める花粉は吸ってしまうと不思議な作用で「恥ずかしい」気持ちになってしまうらしい。
「吸うと恥ずかしくなるなるなんて……あ、いや! 僕は別に、この格好が恥ずかしいなんて思っては……!!」
自分自身に釈明するようにぶんぶんと首を振る。もし普段押し殺していた恥じらいの気持ちがあったら、この花粉の作用でそれが表に出てきてしまうのではないか。
不安は湧き上がる一方だ。だが、このまま立ち尽くしていても仕方ないので、蒼は袖で鼻を覆って前へ進み始めた。
花畑を掻き分ける。舗装された道などない。服が擦れて花が揺れる度に新たな花粉が撒き散らされるので、蒼は戦々恐々としながら進んでいた。
すると突如、背中にぞわっと悪寒のようなものが走り、心が騒めき出した。
「ひっ! な、なんでこんな服……」
羽織にスカート、その上からフリルエプロンと和洋折衷な装い。頭にはフリルカチューシャをつけていた。
男子が身に付けるにはなかなか勇気がいる衣装だ。それを普段は何でもなく着こなしていたが、今になって顔に火が出たような熱さを覚える。
「気付けば慣れてたけど……そもそも自分の服装が、物凄く恥ずかしかったんだぁぁぁぁっ!!」
これが花粉の症状。鼻を覆っていた袖も全ての花粉を防ぐことはできなかったようだ。絶叫しながら身を隠すように体のあちらこちらを押さえて回る。
『うわぁぁぁん! もう嫌だぁぁぁっ!!』
蒼は泣き叫んでいた。恥ずかしくて仕方なく、頭はパニックだった。その強い羞恥心は暴走し、小さな妖精のような蒼を出現させた。
最低限の大事な部分を申し訳程度の布で隠し、腰回りに必要かどうかわからないスカートのような布を巻きつけただけの、やたら露出度の高い魔法少女風な衣装だった。
恥ずかしい衣装に自分の顔がくっついている。それがますます恥ずかしい。そして何より、他者の目が現れたことで余計に羞恥心が加速する。
「うわぁぁぁっ! 見ないでぇぇぇっ!!」
蒼は身を抱きすくめて蹲ってしまった。とにかく誰にも見られたくないし触れられたくない。そういう意味では、この花畑は蒼を隠してくれる。
その頭上では小さな蒼達が横一列に並んでいた。両手の親指と人差し指でハートの形を作ると、
「プリティー蒼きゅんラブラブポイズンビィィーム!!」
「うわぁぁぁんなにそれえぇぇぇ!?」
耳を塞ぎたくなるような恥ずかしい台詞と共に、魔法のビームが花畑へと放たれていた。薄紫のビームは花々を呑み込むと瞬く間に毒素で枯らしていく。色は失われ褐色の大地が帯状に伸びていた。
「花!? ない!? 見られちゃう……見られちゃうよぉぉぉぉ!!!」
蒼の恥ずかしい――と本人が思ってしまっている衣装が丸見えになり、蒼は人目を避けるように枯れた大地を猛然と走っていく。
つまりは逃げる――逃げ足だ。ひょんなことから生かされた技能で、蒼はウサギの元まで駆け抜けるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
黒城・魅夜
恥じらいは必ずしも悪いことではありません
それだけ繊細で純粋な感性を持っている証でもあるのですから
過剰なのは困りますが、ほんの微量の花粉を持ち帰れるのなら
世界は少しだけ優しくなるかもしれませんね、ふふ
妖精さん、そう考えれば多少は楽しくありませんか?
とはいえ戦闘に支障が出るのは困りますね
「オーラ防御」で身を固めつつ
鎖を舞わせ「衝撃波」を放って花粉を寄せ付けないようにしながら
ユーベルコードで時間を支配し高速移動で駆け抜けましょう
……誰が貧乳です
私は普通です
あくまで普通であって別に大きくないだけです
それとも大きくなければ問題でもあるのですか
……はっ、少しだけ吸い込んでいたようです
おのれ兎……許しません
●小さきものを貧しいと呼ぶな
フェアリーランドに踏み込む、その前に。
黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は壺を抱えたまま苦しむフェアリーに語り掛ける。
「恥じらいは必ずしも悪いことではありません。それだけ繊細で純粋な感性を持っている証でもあるのですから」
恥じらいの無い者は時として横柄であり傍若無人。自らの行動、姿勢に対して全くの無頓着なのだから。
裏を返せば、恥じる者は常に恥の無いよう自身の立ち居振る舞いを気に掛ける者。その心は純粋で、細やかな部分にも気が届く繊細さを併せ持つと言える。
「過剰なのは困りますが、ほんの微量の花粉を持ち帰れるのなら、世界は少しだけ優しくなるかもしれませんね、ふふ」
魅夜が悪戯っぽく笑ってみせると、フェアリーは苦しい中でも自分を元気づけようとしていることを察し、玉の汗を浮かべながらも笑ってみせた。
「恥ずかしさで……世界が、優しく、なれる、なんて……面白い、ですね……」
「そうでしょう? 妖精さん、もう少しの辛抱ですから、そうやって楽しいことを考えてみていてください」
そう言い残すと、魅夜はフェアリーランドの壺に触れた。
花粉は依然として立ち込めるが、魅夜がフェアリーを励ましたことにより、いくらか発生は抑えられていた。
それでも相応の対策は必要だ。その点、魅夜はまずオーラで防御を固めて花粉のシャットアウトを試みる。
そして鎖を花畑の中に舞わせて衝撃波を起こし、漂う花粉を周囲へ飛散させ道を作り出す。
『時よ脈打つ血を流せ、汝は無敵無傷にあらぬもの』
さらに魅夜は新たに舞う花粉の「時」を吸血し、花粉が魅夜の口や鼻に到達するまでの「時」を奪った。そうして憂いをなくしたところで、体の身軽さを生かし駆け抜ける。
花は鎖で一旦はなぎ倒されるが、しなった茎が起き上がりこぼしのようにぐんと戻ってくる。そうして花粉を飛ばすのだが、その時にはもう魅夜はいない。
魅夜は順調に花畑を進んでいた。この調子なら、レプ・ス・カムの元まで辿り着くのもそう長くはかからない――。
「……誰が貧乳です」
魅夜は急停止し、ドスの利いた低音の声を放つ。手は自然に胸元を覆い隠していた。
誰かの声が聞こえたわけではない。だがどうしてか、そう言わなければならないような気持ちにさせられていた。
魅力とはその者の個性であり、優劣など存在しないはずなのだが――ろくでもない男達はどうしても比べたがる。
「私は普通です。あくまで普通であって別に大きくないだけです。それとも大きくなければ問題でもあるのですか――」
ぐりぐりと捻じ込むような言葉を吐き出す。そして辺りを見回すが誰もいない。
いったい自分は何に向かって反論していたのか――。
「……はっ」
魅夜は我に返る。声は。姿は。
他者の目は、ありはしないのだ。
「鎖で飛ばしていたつもりでしたが……少し吸い込んでいましたか」
悟る。そして湧き上がってくるのは、コンプレックスを掘り起こされ醜態を晒したことへの怒り。
「おのれ兎……許しません」
こうなれば百遍でも叩いてやろうかと怒りを燃やしながら、魅夜はそれすらエネルギーに変えてまた疾走するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ロッテ・ブラウ
麻痺毒の「黒い花」の次は状態異常の花粉を散らす花畑ねぇ♪
しかも珍しい症例『恥ずかしい』とか…
にゃふふふぅ~~ホント興味深いね♪
「ヒュギエイアの杯」で作った甘い解毒ドロップを
口の中でころころ舐めながら
上機嫌でサンプルを採取して回ります
いやぁ~
毒薬作成捗る捗る検体が奥で待ってると思うと余計捗る
どんどん自分のフェアリーランドに放り込みながら
かわいそうな超恥ずかしがっている同族のフェアリーさんも見つけて
一気に距離を詰めて捕縛!!!
ドロップで対処療法を施した後に約束して悪い笑みを浮かべます
ん、これで一応大丈夫だと思うけど
キミの代わりに敵を取ってくるね
ボクの仲間に手を出したこと死ぬほど後悔させてやるからさ
●用法・用量を守って楽しい毒薬ライフ
悪夢に染まるならそれは夢であり、夢の世界ならどんな不可思議なことも起こる。
「麻痺毒の『黒い花』の次は状態異常の花粉を散らす花畑ねぇ♪ しかも珍しい症例『恥ずかしい』とか……にゃふふふぅ~~ホント興味深いね♪」
ロッテ・ブラウ(夢幻・f29078)は笑っていた。状態異常を引き起こす花粉と言えば貴重なサンプル。今回は希少価値もなかなかのもので、これを逃す手はなかった。
この手の対策には慣れたものだ。ロッテは甘い解毒ドロップを口に放り込むと、悠々と花畑の中へ入っていく。
花粉は吸いこむが、ドロップが効いて心身共に異常なし。
「いやぁ~毒薬作成捗る捗る。検体が奥で待ってると思うと余計捗るね」
怪しげな笑みを浮かべながら、ロッテは自身のフェアリーランドの中に花粉を吸いこんでいく。何を作るにしても素材の良し悪しというのは重要で、その点今回の花粉は、これまでとはまた違った毒薬が作成できそうだった。
そうして花粉を集めながらひゅるひゅると飛んでいくと、
「いやぁぁぁぁ!!」
「……!? なんだろ……」
先のほうから劈くような悲鳴。他にこのフェアリーランドへ来ている猟兵もいるようだからその誰かか、と思って声のするほうへ向かってみると、
「見ないでぇぇぇ!! 恥ずかしぃぃぃ!!」
なんと、このフェアリーランドを作り出したフェアリーが地面でじたばた転げ回っているではないか。花粉を盛大に吸っているようで、訳も分からずただただ恥ずかしがっている。
「ちょっと! これ食べて!」
同族の一大事だ。ロッテは全速力ですっ飛んでいくと、すぐさまフェアリーの口の中に解毒ドロップを押し込んだ。
「むぐ……うぅ……」
ドロップが溶けて効いてくると、フェアリーは落ち着きを取り戻す。しかしフェアリーランドの悪夢化の影響はやっぱりまだあるようで、顔色はあまり良くない。
「何でここにいるのさ」
「実は、壺にもたれて、いるうちに……誤って、落ちて……しまって……」
そして落ちた先が運悪く花畑のど真ん中だった、ということらしい。
「すみません、ご迷惑を……」
「いいよ、気にしないで。ドロップはボク達がアイツを倒してくるまで効いてくれるはずだから、とりあえず大丈夫だと思うけど」
「ありがとう、ございます……」
何か悪いことをしているわけではないのに、フェアリーはしゅんと縮こまってしまった。
同族をこんなひどい目に遭わせているのだ。許すわけにはいかない、と。
「じゃあ、キミの代わりに敵を取ってくるね。ボクの仲間に手を出したこと死ぬほど後悔させてやるからさ」
ロッテはフェアリーに笑んで約束すると、その場を後にし先へと向かう。
しかしそれは清々しいヒーローというよりは、世を混沌の渦に陥れる研究者のような悪い笑みだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『レプ・ス・カム』
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POW : ミラージュ・ラパン
自身と自身の装備、【自身がしたためた招待状を持つ】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
SPD : 兎の謎掛け
【困惑】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【鬼火の塊】から、高命中力の【蒼白い炎の矢】を飛ばす。
WIZ : 素敵な嘘へご案内
【巧みな話術】を披露した指定の全対象に【今話された内容は真実に違いないという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ハーバニー・キーテセラ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●恥知らずなウサギがいた
地面に無数に開けられた大穴は、スーパーなウサギ穴……ではなく、ただの穴であった。
探し物はなかなか見つからない。
「これだけ掘って出てこないとなると……あの花畑の中……かなぁ? うー、嫌だなぁ、あの中に飛び込むの……」
自分が出したものだというのに何たる言い草。これが恥を知らない者の末路なのか。
どうしようか迷っていると、耳がぴくぴく、物音を感知する。
「おや? 花畑のほうから誰か……鍵持ってきてくれませんかぁ? そしてそれを私にくれるといいなー」
もはや意味不明な願望だった。そしてそれは当然叶えられることはなく。
「はぁ……猟兵さんですか。しょーがない……ちょっと憂さ晴らしに付き合ってもらいますよーっと。ウサギだけにね!」
日紫樹・蒼
うぅ、酷い目に遭った……
あの兎が敵みたいだけど……こんな状態じゃ、戦えないよぉ
恥ずかしさMAXで戦闘どころではないので、魔法生物を召喚して代わりに戦わせます
まあ、お約束の如く変な奴しか出てこないのですが
『HAHAHA! I am an USA G.I!!
何故か筋肉マッチョで片耳隻眼の兎軍人が登場
思わず困惑し、攻撃を食らって悶絶する蒼を他所に、回転しながら重火器を無差別連射
『Hey you! Eat this!
「ちょっと! 僕にも当たるって……うわぁぁぁん、殺されるぅ!!
なお、兎ではなくUSA G.Iです
大事なことなので、二度言った
最後はレプ・ス・カムに抱き着いて(蒼も巻き込み)盛大に自爆します
●USA G.I is a fantastic beast
「うぅ、酷い目に遭った……」
蒼は泣きじゃくった際に飛び出た鼻水をずるとすする。まだ花粉の毒素が残っているようで、スカートの裾を押さえて足をもじもじさせていた。
「おやおや、何やら花畑で相当悲惨な目に遭ったご様子……楽しんでいただけたかな?」
「楽しくなんて……うぅ、こんな状態じゃ、戦えないよぉ」
動けばひらりとスカートが揺れる。その度に頭が真っ白になるほど恥ずかしくなりそうで、とてもじゃないが動けない。
なので蒼は運を天に任せ、召喚する魔法生物に託すことにした。
『うぅ……今回は、変なのが出ませんように……』
毎度そんなことを呟きながら召喚術を行使しているが、それは俗に言うフラグというものなのだろうか。彼の運は、どの神に愛されるのか――。
「HAHAHA! I am an USA G.I!!」
ぼわん、と煙と共に現れたのは筋骨隆々、片耳隻眼の兎軍人。すぐさま自らの肉体を見せつけるようにポージングでアピールしていた。
「おぅ……凄い人が出てきたよー……というか人でいいんだよね? 一応耳あるからウサギなの?」
「Non, non. I am an USA G.I!!」
チッチッ、と指を振って否定し、兎軍人は再度の名乗りを上げた。彼(?)はウサギではない、USA G.Iなのだ。そこは注意されたし。
「えぇ……何なのこれぇ……」
「おっと、私が仕掛けるまでもなく困惑しちゃったねBoy! というかBoyでいいんですよね? 何はともあれ鬼火発射っ!」
兎軍人につられてか、レプ・ス・カムも言葉に英語が混じる。レプ・ス・カムが召喚した鬼火からは蒼白い炎の矢が発射され、火の粉を散らしながら蒼へ向かっていた。
「ちょ――ふごっ!?」
ずん、と腹に突き刺さる衝撃だった。炎の矢に屈した蒼は膝が砕けてよろめく。
だが兎軍人は召喚主である蒼を労わることもなく。
「Hey you!」
「おぉっと、私かな?」
「Eat this!」
どこからともなく取り出した機関銃をレプ・ス・カムへ向けると、ガガガガと銃撃を浴びせ始めた。
「うわっ、とぅとぅとぅ!? やばいやばいー!!」
蜂の巣になっては堪らない、とレプ・ス・カムは脱兎となって逃げ回った。
レプ・ス・カムが動けば兎軍人も足を軸にして回り、追い続ける。その射線は一気に蒼までも巻き込もうとする。
そこに躊躇などない。何故ならUSA G.Iだから。
「ちょっと! 僕にも当たるって……うわぁぁぁん、殺されるぅ!!」
恥ずかしい、が、死ぬよりマシだ。蒼もレプ・ス・カムと一緒になって逃げ回らざるを得なかった。それぞれが別に逃げれば蒼は巻き込まれずに済んだだろうが、レプ・ス・カムはそれを見越してわざわざ蒼のいる方向へ逃げてくる。
「早く! 止めてよ~!!」
「無理ぃぃぃ!!」
隙に乗じて攻撃、などと言えないこの窮地。レプ・ス・カムは蒼に助けを求めるが、蒼の召喚する魔法生物は決まって言うことを聞いてくれない。
もはや呉越同舟、一蓮托生。ひたすらに逃げて逃げて逃げ延びるしかないのだ。
背後を流れていく銃弾がいつ自分の体を掠めるか。蒼は気が気でなく、レプ・ス・カムとて余裕は無い。
そして無限の時に思えた銃撃戦は唐突に終わりを告げる。引き金は軽くなり、いくら引いてもカチカチと撃鉄の音がするだけ。
「Hmm…」
弾切れだった。替えの弾倉はどうやら持っていない模様。機関銃を地面へ捨てる兎軍人を見て、蒼とレプ・ス・カムは揃って胸を撫で下ろす――それも束の間。
「I am a dynamite!」
叫び、兎軍人は二人の元へ猛ダッシュ。速い。自らに眠る兎の血でも呼び覚ましたか。
左腕で首を狩るように蒼を攫うと、宙で引きずったままレプ・ス・カムを右腕で抱え込んだ。
「わ、ちょ、どこ触ってるんですか変態!!」
レプ・ス・カムの猛抗議も聞かず、兎軍人は激しい光を放ち始めた。なお蒼は抵抗する気力もなく腕の中で吊られたままだ。
「Fire!」
それが兎軍人の最後の言葉だった。目が眩むほどに発光した兎軍人はズドンと爆発、キノコ状の真っ黒な煙を上げる。
「ぎゃあ!」
爆心にいたレプ・ス・カムは濁った悲鳴を上げながら宙へ吹き飛んだ。しなった体は弧を描きながら地面へと落下する。
それと対称的な軌道を辿ったのが蒼だった。
あぁ、今回もだめだった……そんなことを考えながら、後に残された羞恥心に身を任せるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
サカマキ・ダブルナイン(サポート)
【狐型ミレナリィドールの戦巫女×電脳魔術士】
何やら人手が必要そうなのでカッ飛んできたぞよ!!我こそサカマキ・ダブルナインッッッ!!
【一人称】わらわ【二人称】おぬし
【口調】じゃ、のぅ、じゃの、かえ?
(感情オフ時…当機、〜様、です、ます、でしょう、ですか?)
わらわはいわゆる猪突猛進タイプじゃと思う。ユーベルコードも装備も使えるものは何でも使って状況を動かすぞよ。
ボス戦で大物相手に本気を出す時は感情切ることもある。
まぁ相手はどうあれ、損傷は気にせず攻めるぞよ!
探索の時は、機械類があればハッキングの腕が活かせるかもしれんのぅ。日常の時は電子マネーのある世界なら「foxpay」が活かせるやもじゃ。
月夜・玲(サポート)
『さてと、I.S.T起動。お仕事お仕事。』
口調 元気(私、~君、だね、だよ、だよね、なのかな? )
お仕事ついでに研究も出来るんだから、この仕事良いよねぇ
さあ、私の研究成果の実験台になってもらうよ
模造神器という独自の兵器開発を生き甲斐とする研究者
誰にでも気さくに砕けた口調で話しかける
戦いは全て研究の為、楽しみながら戦闘を行う
全ては研究の為、研究と戦闘を楽しめる猟兵生活は結構気に入っている
戦闘スタイルは4本の模造神器から2本を選び、二刀流で敵と戦う形です
UCで遠距離戦闘にも対応したSF剣士
日常ではのんびりと景色を楽しんだり風情を楽しんだり
冒険では考察しながらじっくり進む
あとはお任せ!
●答えの分からぬ問なれば
お気に入りの白い手袋はボロボロだ。レプ・ス・カムは露出した指先でパッパッと煤けた髪の毛を払う。
「うぁ~ひどい目にあったよ……」
熱くて痛い。今すぐ水風呂に飛び込みたい気分だったが、生憎フェアリーランドにそのようなものは無かった。
そしてレプ・ス・カムに休む暇は与えられない。新たな敵――すなわち猟兵がカッ飛んで来たからだ。
「我こそッ!! サカマキ・ダブルナインッッッ!!」
宇宙船でも墜落したかのようにズンと地響きを起こしながら着地したサカマキ・ダブルナイン(ロボ巫女きつねのお通りじゃ!!!・f31088)。土煙の中に浮かんできたシルエットは小さなもふもふ系ミレナリィドールだった。
「うわっ、凄い登場……でも、ちっちゃいから何とかなる……かも? うーんどうだろ」
空から降ってきた敵の実力、レプ・ス・カムは測りかねているようだ。
そして、晴れていく土煙の奥に、またも人影。
「もう始まっているのかな? せっかくの研究成果お披露目の場なんだ、私の手番は残しておいてくれよ?」
背に負う兵装を振るう機会を求め、月夜・玲(頂の探究者・f01605)はフェアリーランドを訪れる。人助けついでに研究のデータ集めもできるこの仕事。猟兵という立場を玲は気に入っていた。
「大丈夫じゃ、敵さんはまだやる気のようじゃからのぅ」
「そうだよ! 何人来たって返り討ちだからね!!」
「なるほど、活きが良くて助かるよ。案山子をただ嬲るのでは十分なデータが取れないからね」
「私を甘く見ないでくださいよ~? では……パンはパンでも!」
レプ・ス・カムが突如声を荒らげた。サカマキと玲は何が来るかと身構える。
「私がだーい好きなパンはな~んだ!?」
「なんじゃそれは……おぬしの好きなパンなど知らぬぞー!」
「そこは『食べられないパンは』とかが来るのではないのかな……?」
出題されたのは謎のレプ・ス・カム好物当てクイズだった。当然二人は知るはずもない。
いったい何がしたいのか。反応に窮する二人だったが、レプ・ス・カムの周りにはぼわっと鬼火が灯りだす。
「ふっふっふー、困惑してますねー? いっけぇファイヤー!」
鬼火は水平に伸びたかと思うと、炎の矢を吐き出した。射掛けられた矢のように炎の矢は真っ直ぐ二人の眼前へ迫ってくる。
「――危ない!」
玲は咄嗟に模造神器を取って前に出た。自分に向かってくるものと、サカマキに向かっていくもの、それらを纏めて一薙ぎで叩き落とす。
「まだまだいきますよー!」
炎の矢は立て続けに放たれていた。ぎゅんと伸びるように勢いよく飛んでくる炎の矢は回避が難しく、矢面に立った玲は二本目の模造神器を掴み二刀流の構えをとって迎撃に回る。斬撃の残像が縦横斜めと無数に走っていた。
「厄介だね……謎の問いの狙いは、困惑の感情――」
玲は左の模造神器を垂直に振り下ろし、頭と心臓を同時に狙ってくる炎の矢を両断する。そしてすぐさま右の模造神器を薙いで、足を狙う炎の矢を落とさねばならない。
「どうするのじゃ! このままではジリ貧じゃぞ!?」
「困惑を消す……例えば、感情を消すなどすれば、炎の矢は回避できそうだけどね」
「なぬ! それなら……わらわに任せよ!」
策はあり、とばかりにサカマキは目を閉じる。玲の背後で人間味のあるサカマキの気配が静まっていく。
『感情プログラム停止……敵対存在の殲滅を開始します』
「ははっ、まさか本当に感情を消すとは」
口調は実に無機質だった。サカマキは真横に跳んで玲の庇護から抜け出すと、薙刀を抜いてレプ・ス・カムに全速力で詰めていく。
「なっ……炎の矢、出ない!?」
困惑の感情の無い者は狙えない。眼前に飛び込み薙刀を振るうサカマキに、レプ・ス・カムはその場から跳んで逃げるしかなかった。
同時に、玲に襲い掛かっていた炎の矢の雨が止まる。
「さすが……と言っても今の君には響かないだろうね。ならば、私もこの一撃を以て応えよう。最終公式起動、全てを零に!」
玲の手にした二本の模造神器、そして控えるもう二本が輝きを帯び、玲の体に力が流れていく。
右手の模造神器をサカマキに追われるレプ・ス・カムへ向けると、先端に球体のエネルギー体が現れた。
「研究者たるもの、この程度の計算はできなくてはね……そこ!」
玲はレプ・ス・カムから大きく角度を取ってエネルギー体を放った。プラズマを表面に発しながら水平に直進するエネルギー体の行きつく先はフェアリーランドの遥か彼方の虚空――のはずだった。
レプ・ス・カムの速度を凌駕するサカマキが一気にレプ・ス・カムの懐に入り、薙刀を一突き見舞った。レプ・ス・カムは両腕を交差させてガードするも、守りすら破って重い一撃がその体に叩き込まれる。
「ぐぅっ……え――」
急に視界が明るくなった、と思ったら。サカマキに突き飛ばされたレプ・ス・カムに迫ってくるのは、玲が放ったエネルギー体。
サカマキの動き、レプ・ス・カムの動き、攻撃方向、威力までも計算に入れて、レプ・ス・カムの最終着地地点に着弾するエネルギー体を「置いて」いた。
「うぎぃいやあぁぁぁ!!」
光に呑み込まれてレプ・ス・カムは黒いシルエットになった。弾けるプラズマが体を麻痺させ、濃縮されたエネルギーが体をじゅわっと焼いていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ロッテ・ブラウ
魅夜さん(f03522)と合流
魅夜さんと合流出来たのはホント心強いや
えっ?あぁ~コレ?
折角、こんな珍しい毒を準備してくれたからさ
ちゃんと使ってあげないとね♪
「ヒュギエイアの杯」で
「今回の毒をベースにオリジナル毒の生成」と「解毒ドロップを作成」
十分準備した後にお互いの口にドロップを放り込んで戦闘開始
さぁ、かくれんぼの時間だね
悪い兎さんは何処かな?
招待状で姿を消しても広範囲攻撃なら問題なし
ボクも「化術」で姿を消しながら、「暗殺」込み
風上から精製した毒を空中に大量散布!!
毒の効果は「恥ずかしい」「幻覚」「麻痺」あたりかな?
効き具合はその場で検証ということで♪
あれ?魅夜さん?なんか私怨も入ってない??
黒城・魅夜
ロッテさん(f29078)とご一緒に
安らかな夢と希望を守るために
……そして私の個人的な恨みのために
叩きのめしてあげましょう、ふふ
姿を消しても広範囲攻撃なら意味はありません
ロッテさんの毒に合わせて
私も同時に範囲攻撃で呪詛を撒き散らしましょう
あなたが恥を感じられるようにね、ふふ
さんざん暴れ回った挙句全く成果をあげられていない
偉そうなことを言ったにも関わらず何の結果も出せていない
そして無駄に胸が大きい
自分の恥ずかしさに気づきましたか?
動揺して声が出れば位置はまるわかり
心の傷口をえぐるように「鋼は魂に口づける」を使い
精神攻撃で恥ずかしさの追加ダメージ
UCでとどめです
●恥ずべきは己という過ち
見知った顔がいるというのは、それだけで安心感がある。
「魅夜さんと合流出来たのはホント心強いや」
「私も、またこうしてロッテさんとご一緒できて嬉しいですよ」
飛びながら、駆けながら、二人は共に戦える喜びを分かち合う。
「……ところで、それは?」
魅夜はロッテの背中に目を向けた。背負っているのは何やら角張った包みだった。
「えっ? あぁ~コレ? 折角、こんな珍しい毒を準備してくれたからさ。ちゃんと使ってあげないとね♪」
結び目を解いてロッテが包みから取り出したのは二つの小瓶。片方には八分目ほどまでキラキラした粉末が入っており、もう一つには丸いドロップが詰められていた。
「毒、ですか……なるほど」
「こっちは解毒ドロップだからさ、戦いの前に舐めておいてよ」
「ありがとうございます」
魅夜は差し出した手にドロップを乗せてもらうと、指先で大事に口の中へ運んだ。スッと鼻に抜ける爽快感と仄かな甘みがあるドロップだった。
ロッテもドロップを一つ口の中に放り込む。そうして戦いの準備を進めていると。
「……見えてきましたね」
レプ・ス・カムだ。猟兵達の戦いはすでに幕が開いていた。服のあちこちが破けてボロ雑巾のような状態になっているレプ・ス・カムだったが、まだ立ち上がろうとしている。
「良いタイミングでしたね。安らかな夢と希望を守るために……そして私の個人的な恨みのために、叩きのめしてあげましょう、ふふ」
魅夜がふと見せた笑みは怪しげで、恐ろしい。
「うぁ~もう最悪だよー!」
ランタンはどこかへ吹き飛んだ。整えた髪もぼさぼさだ。レプ・ス・カムの災難はロッテと魅夜の到着で、まだまだ続く。
「しょーがない、見つかりませんように~っと」
レプ・ス・カムは招待状を取ると、姿をすぅっと消していく。やり過ごせれば僥倖だがそこまでは望まない。ひとまず相手の目から逃れられれば、不意打ちの一発くらいは叩き込める。
「消えましたね」
「うん、消えたね」
消えゆく様は見ていたが、消えてなおその場に留まるほどレプ・ス・カムも愚かではないだろう。ならばどこか――物音などを頼りに探し出すという方法もあるにはあったが。
「さぁ、かくれんぼの時間だね。悪い兎さんは何処かな?」
ロッテは探す素振りを見せながら、さりげなく風上に立った。そして化術により姿を眩ませると、同時に小瓶の栓を抜く。
「そーれっ! たっぷり食らいなよ!」
両手で思い切り宙に小瓶を放り投げた。口の開いた小瓶は回転しながら毒の粉を撒き散らす。花粉をベースにあれこれ調合したオリジナルの毒は、風に乗って広範囲に広がっていく。
「『恥』がどういうものか、あなたも体感してみるといいでしょう」
毒の粉の広がりに合わせて、魅夜は円形に呪詛の念を放った。呪詛が毒の粉に絡み、黒紫の光沢を帯びる。
二人の行動はどちらも範囲攻撃に意識を置いたもの。消えたレプ・ス・カムがどこに居るかはわからないが、「どこかには居る」のだから、可能性のある範囲を全て塗り潰す範囲攻撃ならば逃げられはしない。
二人が共同で放った猛毒はすぐに効果を発揮して、
「ふぎゃっ!?」
悲鳴と共にレプ・ス・カムが姿を現した。足が縺れて転んだようで、うつ伏せ状態で膝から立ち上がった右足はぴくぴく痙攣していた。
「な、なんですかこれは~……」
足の形はそのままでごろんと横に転がった。そして横目に見るのは、同じく姿を現したロッテのにんまりとした顔だ。
「さてさて、どういう効果が出るのかな~?」
「いや、ちょ……そんなに見ないで……うぁ~うぁ~」
固まった足が邪魔で一回転できないのか。左右にごろんごろん転がって、その度に大きな胸がぐにゅっと潰れてまた戻る。
「ひぅ~鍵は全然見つからないのに偉そうなことばかり言ってしまって~。猟兵には全然太刀打ちできませんし~」
「そして無駄に胸が大きい」
「そうですぅ~胸も結構成長が早くて~……そんなにじろじろ見ないで~」
若干の誘導が入った気もするが……レプ・ス・カムは素直に己の恥を自覚しているようだ。
「なるほどなるほど……『恥ずかしい』に加えて『麻痺』に……『幻覚』も入ってるかな? いやぁ良いものができた♪」
「そうですね。……ついでに胸も縮めばよかったのに」
「あれ? 魅夜さん? なんか私怨も入ってない??」
ロッテが魅夜の横顔を覗くと、修羅の如き眼差しでレプ・ス・カムを睨み下ろしている。
あ、これはいけないスイッチを押しちゃってるな、と察したロッテはすっと静かに身を引いてレプ・ス・カムの末路を見守ることにした。
「……自分の恥ずかしさに気づきましたか?」
「はいぃ~うあ~死ぬほど恥ずかしい……」
「死ぬほど、ですか……なら、本当に死んでみてはどうでしょう?」
しゃら、と手にした鎖を両手でびんと張り、魅夜は詠唱を始めた。
『悠久たる太古より果てなき未来に至るまで、汝は存在することなし』
存在の根源すら失わせる鎖は生を得たかのように魅夜の手の中から飛び出すと、転がるレプ・ス・カムの胸元を抉るように、ずぶっと刺さった。それまで動き続けていたレプ・ス・カムは急に硬直し、口だけが金魚のようにぱくぱく動いている。
「い、や、ぁ……胸、は……ダメ……はずか……死ぬぅ……」
「どうぞどうぞ。そして……もう二度と、現れないでください」
「あ……あ……」
レプ・ス・カムは末端から粒子となって崩れていく。
それは彼女が生み出した花畑に舞う花粉よりもなお儚く、空へ散っていくのだった。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2021年01月22日
宿敵
『レプ・ス・カム』
を撃破!
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