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蘇る銀河伝説

#スペースシップワールド #猟書家の侵攻 #猟書家 #無間のサイビア #鎧装騎兵 #侵略宇宙人 #宇宙怪獣 #血反吐

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『グロロロ……』
 激怒怪獣アンガーゴが、赤く血走った双眸を明滅させながら唸った。
『ガオオォン!』
 怪獣暴君ネロディウズは、破壊兵器と化した両腕を振り回しながら吠えたける。
 ここに集ったのはそれだけではない。電光怪獣ジゴボルガス。恒星怪獣クトゥグガー……虚空に向けて咆哮を響かせ、抑え切れぬ衝動に身を焦がすのは破壊の限りを尽くすべくして産まれた暴力の化身、宇宙怪獣の軍勢である。
『QqqQqqrRrRRryyYyYY』
『PPpPrrRrrP』
 そして、闇に浮かぶシルエット。それはかつてのスペースシップワールドにおいて悪事の限りを尽くした邪悪な侵略宇宙人たちの姿であった。地獄宇宙人アビ星人。滅殺宇宙人ギド星人。宇宙伯爵ツェペ星人。宇宙忍者アーカゲー星人……。いずれも古代スペースシップワールド史にその名を残す悪辣な侵略宇宙人である。
『陛下。我ら侵略兵団、既に準備を整えてございます』
 その中において――軍団の参謀役を務める悪辣な宇宙人、謀略宇宙人ボーリャ星人は、虚無を湛えた闇へと向けて恭しく頭を下げた。
 底知れぬ闇を湛えた宇宙の中でもひときわ昏い、宇宙の墓場……その宙域は銀河帝国成立以前の古代スペースシップワールドにおいて伝説に残る激しい戦いが繰り広げられた古戦場であり、彼ら侵略宇宙人軍団の終焉の地でもあった。
『静まれ』
 そして、宇宙の闇の中、厳かに声が響いた。
『跪き、首を垂れよ』
 その瞬間である――。広がる強烈な威圧感に、邪悪の軍勢は獣の一匹に至るまでがその言葉に従い、平伏した。
『聞くがよい』
 虚空の中から闇が立ち上がり、そして歪んだ十字に光が明滅した。
 そこに君臨せし者こそ、かつてのスペースシップワールドに地獄をもたらせし闇の帝王。“無間のサイビア”である。
『かつて余らは、あまねく生命を屠り、あらゆる文明を蹂躙し、いかなる星をも侵略した暗黒の支配者であった』
『だが、余らは敗れた』
『今の余らは敗残者であり、残滓であり、亡霊である』
 自分たちは、歴史の敗北者であった。
 その言葉が呼び起こす敗北の屈辱が、侵略軍団の中に満ち、そして熱を帯びる。
『そうだ。口惜しかろう。屈辱であろう。込み上げる怒りを、迸る憎悪の炎を抑えることなどできまい』
 無間のサイビアは、そして宇宙を仰いだ。
『なれば、吼えよ。その炎で、その爪で、牙で、毒で剣で熱で稲妻で闇で光で怒りで憎悪で呪詛で悪意で絶望でこの宇宙を灼き尽くせ』
 宇宙怪獣が吼える。侵略宇宙人が喝采する。
『そうだ。我らはただ、破壊し、殺戮し、侵略するためにこの宇宙に蘇ったのだ』
『余が汝らに命じるのはただひとつ――滅ぼせ。ここに在る汝らの全霊をもって、我らの復活を叫ぶのだ』
 万雷めいた喝采――そして、侵略者たちは宇宙へと飛び立ってゆく。
『さあ、もう一度始めようではないか。……我らが侵略を』
 かくして――その炎は、再びスペースシップワールドを脅かす。

「ウルトラやべーんだよ!マジで!」
 グリモアベースで周囲の猟兵たちへと呼びかける九条・救助(f17275)は、スペースシップワールドの窮状を訴えた。
「みんな、猟書家の侵略案件っつーのは知ってるだろ?そいつの新しい事件だよ、頼むからちょっと聞いてってくれ」
 救助は手元の端末を操作し、モニターに映像を表示する。
「……“無間のサイビア”。最近スペースシップワールドに現れたってゆー、いわゆる『幹部級』の猟書家だよ」
 曰く。
 猟書家である無限のサイビアは、侵略蔵書『宇宙侵略史』によって、無数の宇宙怪獣や侵略宇宙人たちを従えているのだという。
「奴の目的は、言ってしまえば示威行為っつーやつだ。自分たちの侵略活動の邪魔になる俺達猟兵に協力的なスペースシップを滅ぼして、スペースシップワールドに恐怖と絶望を撒き散らそうって腹積もりなのさ」
 侵略軍団が狙っているのは――スペースシップワールドにいくつか存在する環境保護船のひとつ、ブルースフィア。船内にかつて存在した惑星内の環境を再現し、その星に存在していた自然と生命を保全することを目的としたスペースシップであり、一時期において猟兵たちが休暇を過ごすのに利用したいわゆるリゾート船でもある。
「とはいえ、スペワのひとたちも無力っつーわけじゃない。敵の軍団が襲ってくるなら、攻撃から船を護るために戦闘部隊が打って出る。特に鎧装騎兵のひとたちだね」
 そう。スペースシップワールドの人々も黙って蹂躙されはしない。彼らもまた宇宙を旅するために、鎧装という名の剣を携えているのだ。
 純粋な戦力としては流石に猟兵たちに劣るものの、今回は彼らが得手とする宇宙空間での宙間戦闘が中心となる。彼らと協力することができれば、必ず猟兵たちの助けになるだろう。
 尚、宇宙空間での戦闘にあたっては現地の人々の協力により、高機能性の宇宙服や宙間戦闘に対応したスラスターユニットなどを借り受けることも可能だ。宇宙での戦闘経験がない猟兵でも問題なく戦うことができる。
「ってことで、みんなは船を護る防衛隊と一緒に敵の軍団を迎え撃つってわけさ。ただし、ただ戦うだけじゃダメなんだ。敵の軍団は、猟書家の能力で無尽蔵に召喚され続ける。……だから、みんなは敵の軍団に対処しながら、軍団を操ってる猟書家がどこにいるか探し出して決戦を挑まなくちゃならない」
 つまり、作戦は二段階となる。
 作戦の第一段階としては、敵の侵略軍団と戦いつつ、軍団を統べる猟書家・無間のサイビアの居場所を探ることが目的となる。
 そして第一段階が成功し、敵の居場所を捕捉できたならば――そのまま猟兵たちで攻め込み、猟書家へと決戦を挑むのが第二段階、ということだ。
「ま、簡単に言うと――敵の本体を見つけ出して、叩け。っつーことさ」
 ――説明は以上である。
「無尽蔵の侵略宇宙人に宇宙怪獣。それに強力な幹部級猟書家。激しい戦いになると思うよ。……けど、頑張って勝ってきてほしい。オレからは以上だ」
 ほかに質問はないか、と救助は最後に尋ね、それから一度静かに息を吐く。
「じゃ、よろしくね」
 そして、グリモアが輝いた。


無限宇宙人 カノー星人
 ごきげんよう、イェーガー。カノー星人です。
 侵略です。
 よろしくお願いいたします。

☆このシナリオはプレイングボーナス要項があります。ご確認ください。
 プレイングボーナス(全章共通)……鎧装騎兵や宇宙船乗組員と協力して戦う。
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第1章 冒険 『宇宙亡霊軍団を突破せよ』

POW   :    敵軍団をユーベルコードで蹴散らし、再度召喚されるまでにボスを探す。

SPD   :    敵軍団を速度やテクニックで翻弄し、追いつかれぬうちにボスを探す。

WIZ   :    敵軍団を罠に嵌めるなどし、時間を稼いでいる間にボスを見つけ出す。

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 かつて、戦いがあった。
 あまねく生命を脅かし、踏み躙る闇の力と、あまねく生命を繋ぎ、侵略へと抗う光の力があった。
 そして、とてつもなく大きな戦乱があった。
 戦いの末に星の勇士たちは強大な侵略者たちを討ち果たし、宇宙に平和をもたらしたのであった。

 銀河帝国との長い戦いの中で忘れ去られ、そして現代スペースシップワールドにおいては荒唐無稽な夢物語であるとして一顧だにされなかった古いスペース歴史書の記述である。
『ギュバロロロロロ!』
『ゴグォグォグォゴゴ!』
『バギュラバギュラバギュラ!』
 だが、いまこの宇宙に現れ、そして牙を剥く宇宙怪獣たちの威容は、そこに記された歴史が全て真実であったということを証明していた。

「カッツ兄、いける?」
「当たり前だ。今更怪獣なんかにビビってられるか!それよりイッサ、お前こそしくじるんじゃないぞ!」
 警報のなる格納庫を走り、搭乗型の鎧装へと騎兵たちが向かう。
 カッツ・ミナードとイッサ・ミナードは2機での連携戦術を得意とする鎧装騎兵だ。その名が示す通りに兄弟である。
「ジュード、そっちも遅れんなよ!」
「はい!」
 続いて走る兵士の顔にはまだあどけなさが残る。ジュード・ハマダ少年はチームの中でも最年少であったが、確かな実力を備えた立派な戦士なのだ。
「俺たちも行くとしよう」
「はい。行きましょう、ガインさん!」
 そして更に、幾多の修羅場を潜り抜けてきた歴戦の戦士ガイン・クレイナー、技術士官出身のアース・ラオッゾなどと、部隊を構成するメンバーが続いてゆく。

 チーム・ネオジェネレーション。
 スペースシップワールドの鎧装騎兵たちの中でも古くから続く戦士団、ルトラ宇宙警備騎士団の若手騎士たちで構成されるチームだ。幸か不幸か、彼らはよりによってこのタイミングで、ブルースフィア護衛の任に就いていたのである。
「よーっし……行こうぜぇ!」
 宇宙を埋め尽くさんばかりに押し寄せ迫り来る侵略軍団を前に、チームリーダーを務める部隊長、カール・ライドウは努めて明るく号令をかけた。
 応じて、チーム・ネオジェネレーションの鎧装騎兵たちが発進してゆく。
 それは、半ば死地へと赴く思いもあっただろう。だが、彼らは恐れない。その後ろにか弱き命がある限り、何が相手であろうと一歩も引かないのがルトラ騎士の誇りなのだ。

 かくして、戦いは幕を開けるのであった。
アイ・リスパー
「侵略宇宙人とは許せませんね!」

……あれ、なんか、どこからかヘイトを買ったような気がしますが、気のせいですよね?

「宇宙空間での戦闘であれば、私も負けません!
行きましょう、ティターニア!」

宇宙船の乗組員にメンテナンスしてもらった『小型宇宙戦艦ティターニア』に乗り込み、敵軍団の迎撃に出撃します。

「ティターニア、アイ・リスパー、出撃します!」

【チューリングの神託機械】で電脳空間の万能コンピュータに接続。
宇宙船のコンピュータとの情報リンクを確立し、鎧装騎兵隊と連携行動です。

「いきます、ティターニア、主砲発射です!」

鎧装騎兵隊によって一箇所に集めてもらった敵軍団に『大型荷電粒子砲』の一撃を撃ち込みます。


ビスマス・テルマール
更なる誘い水の為に、猟兵を支援しているスペースシップの破壊を……と言う訳ですか、そうさせる訳には。

●POW
わたし自身も『激痛耐性』と『オーラ防御』で備えオーラ防御を『範囲攻撃』で味方に付与

鎧装騎兵や宇宙船乗組員と協力して
『集団戦術』で『範囲攻撃』の『一斉発射』を行い、敵の集団を牽制し

わたしは頃合いを見て『範囲攻撃』
で、武装の【宇宙南国コロニー産ハワイアンなめろう】を媒介に『属性攻撃(ビーム)』と『貫通攻撃』も含めて、なめろうスプラッシュ・サイクロンで一掃後

敵の集団が再び現れる迄に警戒も含めて『第六感』と『世界知識』と『情報収集』でボスの捜索

また現れたら、同じ感じで皆と連携し敵の集団の一掃を。


ガーネット・グレイローズ
宇宙の亡霊軍団を従える猟書家だと……帝国残党狩りや
未踏宙域の調査だけでも大忙しだというのに。
益々私の仕事が増えてしまうじゃないか!

「夜の女王」に搭乗して出撃
フクロウさんEXの《暗号作成》でブルースフィアへ信号を送る。

――こちらステラマリア号船長、ガーネット・グレイローズ!
宇宙の危機が迫っている、力を合わせて戦おう!

【灰薔薇の旗の下に】を発動、グレイローズ家精鋭部隊の霊を乗せた
シップを召喚。彼らの役目は時間稼ぎだ。彼らも亡霊、多少の無理はきく!
私はネオジェネレーションと共闘。PSDホーネットを
《念動力》で操り、《レーザー射撃》で怪獣を掃射して
突破口を開く。彼等には猟書家の捜索に専念してもらおう。


雨咲・ケイ
今回の相手は宇宙人に宇宙怪獣……、
しかも無限に湧いてくる軍団とは
中々厄介ですね……。

【SPD】で行動。

私は主に宇宙人達を相手にしましょう。
長引くと不利なので、戦闘よりも
サイビアの位置を補足する事を優先し
スピード重視で進撃します。
鎧装騎兵の方々には私の周囲およそ1kmの範囲内に
展開して頂きましょう。
その範囲内であれば私の【光明散華】で援護できますので、
彼らと協力しながらサイビアを見つけ出します。
重傷を負った味方には後方に下がって頂きましょう。
これは負け戦ではありませんからね。

サイビアは護衛を付けていると推測して、
敵の動きが他とは異なる場所を探しましょう。

アドリブ等歓迎です。


播州・クロリア
奪うことしか能のない連中の蠢動というのはとても不愉快なリズムですね
まず私が{舞狂人形}に搭乗して敵の動きを封じ込めます
それを確認したら、鎧装騎兵の皆さんで一斉攻撃を行ってください
({舞狂人形}が肩幅ほどに足を開き、両手で太ももをなぞりながらゆっくりと上体を起こした後{紅焔の旋律}で『ダンス』を始める)
さぁ未来への情熱と生きることへの欲望の炎で燃やし尽くしましょう
(UC【蠱の宴】を発動し敵の動きを阻害し、さらに『念動力』で敵同士をぶつけたり『衝撃波』でまとめて吹き飛ばしたりする)
さて、皆さんに軍勢を抑えてもらっている間に私は猟書家の居場所を『第六感』も駆使して探り当てるとしましょうか



『グロロロロロロォォ!』
『ガオォォォン!』
『ギュルルルルルルル!』
 虚空を揺るがす咆哮!それは破滅と恐怖をもたらす怪獣軍団の雄叫びだ。それはまさに、スペースヨハネの宇宙黙示録に記された滅びの記述――7人の侵略宇宙人がエーテル振動角笛を宇宙に吹き鳴らすとき、星々と生命の三分の一とすべてのスペースシップが焼け、コアマシンは血を吐き出し、666の宇宙侵略軍団を従えた宇宙魔王の降臨によって銀河は滅びる――を彷彿とさせた。
『素晴らしい……。一度は光の勢力の前に滅びた我々が、こうして再びサイビア様のもとに集えるとは』
 その終末めいた光景を仰ぎながら、念動宇宙人ムグレン星人は恍惚とする。
『ですが油断はできませんよ、ムグレン星人。敵の力も侮ってはなりません』
 陣頭指揮を執る謀略宇宙人ボーリャ星人が窘めた。侵略宇宙人が頷きあう。
『その通りです。では、作戦通り参りましょう』
『ええ。――さあ行け、宇宙怪獣どもよ!第一軍団より第三軍団より前へ!』
『バギュラバギュラバギュラバギュラ!』
 侵略宇宙人たちの号令に応じるように、群れなす宇宙怪獣がブルースフィア、そしてそれを護るために出撃した鎧装騎兵隊へと向かって進撃してゆく――!
 しかし、この危機へと介入するのが今回の任務だ。
「宇宙怪獣に侵略宇宙人とは……許せませんね!」
 アイ・リスパー(f07909)は操縦席のモニターに表示された敵情報を確認しながら、機体のコンディションを確認する。――問題ない。メンテナンスも完璧だ。彼女の駆る小型宇宙戦艦ティターニアは、出撃まで秒読みの段階を迎えていた。
「いや、まったくだ。既に滅びた連中だろうに、その亡霊軍団を従える猟書家とは……」
 宇宙船、ステラマリア号――。ガーネット・グレイローズ(f01964)はその艦橋より宇宙に展開する敵軍団の規模を見上げた。敵が7分に宇宙が3分、などという有名な宇宙戦争映画の台詞があったが、今の状況はまさにそれというわけか。
「しかも無限に湧いてくる軍団とは、中々厄介ですね……」
 雨咲・ケイ(f00882)はステラマリア号の甲板に立ち、見上げた虚空の先を睨む。
「奪うことしか能のない連中の蠢動というのは……とても不愉快なリズムですね」
 播州・クロリア(f23522)もまた敵勢の接近をその感覚で捉える――。感じるのは、破壊に飢えた暴力衝動。破滅を望む邪悪で濁った魂の鼓動。――ダラキュです、とクロリアは吐き捨てる。
「敵の狙いは民間のスペースシップ……。我々をおびき出して叩くつもりなのでしょうね。その誘い水の為に、猟兵を支援しているスペースシップの破壊を……と言う訳ですか、そうさせる訳には」
 そして、ビスマス・テルマール(f02021)はフォースセイバーを抜いた。
「まったく……。帝国の残党狩りや未踏宙域の調査だけでも大忙しだというのに。益々私の仕事が増えてしまうじゃないか!」
 ガーネットは大袈裟に嘆いてみせるも、すぐに表情を整えて通信回線を開いた。
「――こちらステラマリア号船長、ガーネット・グレイローズ!ブルースフィア、及び外装騎兵隊。応答願う」
『こちらブルースフィア艦長、フューチャース。……ご覧の通り、現在我々は敵の襲撃を受けています』
『ああ、聞こえてるぜ。こちらチーム・ネオジェネレーション隊長、カールだ。一緒に戦ってくれるのか!』
「当然だ。我々はそのために来た。宇宙の危機が迫っている、力を合わせて戦おう!」
 短いやり取りを済ませ、ガーネットは通信を切り替える。
「皆、聞いた通りだ。手筈通り、協力して戦うぞ」
「了解!宇宙空間での戦闘であれば、私も負けません!行きましょう、ティターニア!」
 そしてアイが出撃した。ティターニアのエンジンに火が入り、推進剤の燃える軌跡を残して宇宙空間へと飛び立ってゆく。
「ティターニア、アイ・リスパー、出撃します!」
「私たちも行きましょう――舞狂人形」
 ぐらり――。揺れるように、クロリアの後ろで巨大な人型が立ち上がった。ジャイアントキャバリア、舞狂人形。コクピットハッチを開いた躯体に、クロリアが舞うように飛び込んでゆく。
「楽しみましょう」
 起動した舞狂人形はスペースシップの甲板部を蹴立て、飛び出した。
「私も行きます!宇宙怪獣たちにも、なめろうのパワーをみせてあげますよ!」
「では、怪獣たちは任せます。私は……宇宙人の方を相手にしましょう」
 ビスマスとケイが続いて甲板を飛び立った。それぞれが虚空を蹴立てて、戦場へと向かってゆく。
「さあ、亡霊退治といこうか。――こちらガーネット。『夜の女王』、行くぞ!」
 そして、戦場に切り込むキャバリアがもう一機。ガーネットの駆る『夜の女王』だ。精神感応力によってマシンを制御しながら、ガーネットもまた敵群へと向かっていった。

『ガオオォン!』
『バリバリバリバリ!』
 宇宙に電光が迸る!電光怪獣ジゴボルガス、轟雷怪獣エレキラー、振動怪獣ズナマデンをはじめとする電撃怪獣の群れだ!
『マズい!避けろイッサ!』
『わかってるって!』
 500万ボルトの放電光線を躱しながら、二機の鎧装騎兵が電撃軍団へと相対していた。2体で一対の兄弟機鎧装フレイムロッソとアクアブルを駆るミナード兄弟である。
『ズオォォン』
『だあっ!』
 ズナマデンの突進を回避したカッツ機がカウンター気味に熱線砲を叩き込む。悲鳴をあげる宇宙怪獣。だが、その側面から更にエレキラーが迫る!
『カッツ兄!』
『しまった……!避けられない!』
 咆哮するエレキラーの牙がカッツ機へと迫る――!しかし、その瞬間である!
「ダラキュは……許しません」
『ギュロロロ!』
 衝撃!横合いから叩き込まれた突進に、エレキラーは吹っ飛んだ。クロリアの舞狂人形が割り込んだのだ。機体を制御し、クロリアはすぐさま態勢を立て直す。
「そこです!なめろうフォースセイバーッ!」
『ギュオオオオオン!』
 更に、光が走る!戦域へと飛び込んだビスマスがそのまま加速し、エレキラーへととどめの一撃を叩き込んだのだ。悲鳴をあげて怪獣が爆散する!
「間に合ったようだな」
『あんた達は……』
『カッツ兄、猟兵の人たちだよ!』
「そうだ。これより作戦行動に加わる」
 そして、『夜の女王』――ガーネットのキャバリアもまたミナード兄弟に合流を果たした。
『ガオオォン!』
『味方が増えたのはいいんだけどさあ、敵もどんどんこっち来てるよ!?』
 しかし――咆哮が再び重なってゆく。イッサ機のレーダーは、電撃怪獣軍団に続き高い熱源を備えた火炎怪獣軍団がこちらに接近しつつあるのを察知していた。恒星怪獣クトゥグガー。煉獄怪獣ゲヘナゴン。宇宙火炎竜モエルンガ。燃ゆる躯体を揺らしながら、怪獣たちが攻めてくる!
「大丈夫です。私たちならなんとかできます」
 くるりと舞うような仕草で、クロリアの機体が進み出る。舞狂人形はゆっくりと足を開き、両手で足をなぞるような動作をしながら上体を起こした。――そして、燃えるような律動にその躯体を舞わす。それは、激しい舞踏であった。
「さぁ、未来への情熱と生きることへの欲望の炎で燃やし尽くしましょう」
 その所作一つ一つでもって、まるで魔法をかけるように。ひとつ挙動をする度に、彼女の周囲の空間が熱を帯び、そして広がってゆく。
 【蠱の宴】――。『ダンス』によって紡ぐ旋律をユーベルコードの領域に昇華した、クロリアの技術である。
『グゴゴゴ……!?』
 それは、旋律を解せぬ邪悪な魂たちの動きを縛る戒めとして怪獣たちを抑え込む、一周の特殊領域を形成するチカラとして発現する。火炎怪獣軍団の先頭をゆくゲヘナゴンが、呻きながらその動きを鈍らせた。
「いいぞ。では、こちらで更に追い込もう」
「はい!鎧装騎兵のお二人もよろしくお願いしますよ!」
『ああ!』
『いくぜ!』
 続けて猟兵たちとミナード兄弟が散開する。4人は電撃怪獣軍団と火炎怪獣軍団を包囲するように展開し、そこから攻撃を仕掛けたのだ。
「――我が血族よ、今こそ闇の中より蘇り、来たれ!」
 【灰薔薇の旗の下に/アンダー・ザ・フラッグ】。ガーネットの呼び声に応じて、彼女に従う兵士たちを乗せた戦闘用スペースシップが戦場へと召喚された。兵士たちは一斉に声をあげながら怪獣軍団のもとへと突っ込み、その狙いを引きつけるとともに猟兵たちから注意をそらす。
「お二人とも、タイミングを合わせてください!……いきますよ!いち!」
『にッ!』
『さん!』
 一斉射撃!ミナード兄弟の機体が同時攻撃で怪獣軍団に熱線を浴びせ、タイミングを重ねてビスマスがなめろうブレイカーからの砲撃を放つ。爆ぜる弾頭に怪獣たちが怯んだ。4人に追い込まれるようにして、怪獣たちは次第に密集させられてゆく。
「作戦通りだ。敵がまとまってくれた。ここで一気に仕留めるぞ」
 ひとかたまりになった怪獣軍団をターゲットスコープに捉えながら、ガーネットがトリガーを握る。PSDホーネット。キャバリア躯体の腰部装甲から、レーザー射撃デバイスが顔を覗かせた。
『よし、とどめだ!』
「いきますよ……ご当地パワー出力全開っ!」
 そして、ビスマスはその身に宿したエネルギーをフォースセイバーへと注ぎ込む。
「なめろうスプラッシュ……サイクロンッ!」
 【なめろうスプラッシュ・サイクロン】。フードファイターとしての力を用いることで、食品――特に彼女が執心するなめろう――からパワーを生成。光の刃として放つ必殺のユーベルコードだ!
『ロッソスフィアブラスターっ!』『ブルストリームショット!』
 そしてミナード兄弟の2人もマシンに搭載した最大火力の兵装で宇宙怪獣軍団へと必殺の一撃を仕掛けた!
「……ホーネット!」
 更にガーネットは機体出力を上昇させる。PSDホーネットの砲口から激しくレーザー光が照射され――そして、爆発した。
『ギュオオオオオオオオオン!』
 断末魔めいた咆哮を響かせ、電撃怪獣軍団と火炎怪獣軍団が消滅する!

 ――一方。
『ははははは!はははははは!』
 襲い来るプラズマ光弾!アイは鋭くティターニアの艦体を反転させ、それを躱した。そしてアイはコクピットのモニタに表示されたデータに目を見開く。
「熱源温度100,000,000℃!?まさか!」
『――甘いッ!』
 Blink!同時に鳴るアラート警報!ティターニアへと短距離空間転移能力によって肉薄したのは、地獄宇宙人アビ星人である!
「アビ星人もいたんですか!?」
 アイは以前にもスペースシップワールドでの戦いにおいて、アビ星人の侵略者と遭遇している。その時のアビ星人は板前であったが、今回遭遇した侵略軍団のアビ星人はまた別人である。
『どうやら我々をご存じのようですが――関係ありません。ここで死んでいただきましょう』
 アビ星人は拳を握り、そして近接格闘戦の構えを取った。 
『危ない!』
『むうッ!』
 だが、そこに力強い声が割って入る!迸るレーザー熱線の光が、闇を照らして悪を撃つ!思わぬ横槍にアビ星人が後退した。
『くっ……貴様!』
『大丈夫か、君』
 燃える推進剤の軌跡を描き、一騎の鎧装騎兵がアビ星人とティターニアの間に割り込んだ。チーム・ネオジェネレーションの一人、ガイン・クレイナーの駆る鎧装オーバルフュージョナーである。
「はい、助かりました!」
『ちょうど手を借りたいと思ってたところだ。頼めるか』
「もちろんです!」
『おのれ、小癪なルトラ騎士……そして猟兵ども!』
 協力体制を結ぶアイとガインを、アビ星人は怒りと共に睨めつける。
『落ち着け、アビ星人。今の我々の勢力の前では敵もひとたまりもないはずだ』
『ククク……そうです我々は今やこの世界でも最大の軍団』
 だが、そこに新たな黒い影が訪れた。――暗殺宇宙人シブコ星人。分身宇宙人コンギオ星人。ともに侵略宇宙人軍団を構成する悪辣な宇宙人である!
「増援ですか……さすが侵略宇宙人軍団、卑怯ですね!」
『卑怯もラッキョウもありません。これでこちらが多勢。形勢逆転ですね?』
『さあ、このままなぶり殺しにして――』
 そして、侵略宇宙人たちがせせら笑う。アビ星人はその手の中に再びプラズマ光弾を灯した。
 だが、その時である!
「――そうくるだろうと、読んでいました」
『ヌウッ!?』
『なんだと!?』
 侵略宇宙人たちの死角から、光弾が飛来したのである!アビ星人の腕に着弾して爆ぜた光はプラズマ光弾を打消し、態勢を崩させた。その次の瞬間に、ふたつめの光が宇宙人たちを襲う。三つ目四つ目と続けざまに襲来し爆ぜる光弾。更に数を増し侵略者を狙うそれは雨のように降り注ぎ、侵略宇宙人たちを下がらせる!
 【光明散華】。一部の世界に伝わる武術の中に存在する“発剄”の概念の先に紡がれた、光の氣弾を放つケイのユーベルコードだ。
 ケイは敢えて単独行動をとることで機動力を確保し、戦場を飛びまわりながら猟書家の気配を探っていたのである。――しかし、ただ独りでいたわけではない。索敵行動の中でも、常に味方を援護できるよう同時に注意をはらっていたのだ。
「援護します。そこの敵は倒しておいた方がいいでしょう」
 宇宙服の通信機越しにケイはアイとガインへ呼びかけた。
「おっけーです!それじゃ、ここから逆転ですね。やっつけましょう!」
 応じるアイは一度静かに目を閉じて――再び、開く。その双眸に映し出される0と1の文字羅列。アイはティターニアのコクピット内に電脳領域を展開し、そこへアクセスする。【チューリングの神託機械】。アイは空間を介してデータ領域の万能コンピュータへと電脳を接続した。
「データリンクよし……いけます!2人とも、敵をあつめて足を止めさせてください!あと、すこし時間も!」
『ああ!』
「わかりました」
『おのれ……!まだ勝てると思っているのか!』
『ならば絶望させてやろう!来い、ピラ星人ども!』
『ピラ!』『お呼びですかピラ!』『ブッ殺してやるピラ!』
 激昂する侵略宇宙人が、更なる増援を呼ぶ!徒党宇宙人ピラ星人は邪悪でありながらも比較的戦闘量の低い傾向にある星人であり、他の宇宙人の使い走りにされることの多い宇宙人である。だが、その数は驚異的だ。ひとたび呼べば数十人が一気に集まる!
『随分と数を集めたようだが……!』
「数を集めれば勝てる、というわけではないでしょう」
「はい!万能コンピュータの計算では、私たちの勝率は100パーセントですよ!」
 しかし、猟兵たちは怯むことなく迎撃へと移る!ケイは再び氣弾を放ち、宇宙人軍団を牽制した。アビ星人がプラズマ光弾を放る前に、先手を打って手を潰してゆく。協力する鎧装騎兵も、卓越した戦闘機動で敵を翻弄しながらその動きを制限し、敵群を巧みに追い込んだ!
「よし!いい感じですよ……主砲、発射準備完了です!」
 その一方で、アイはティターニアに搭載した艦砲にエネルギーを充填していた。必殺の大型荷電粒子砲である!その照星を向ける先は、味方が侵略宇宙人たちを追い込み集めたその空間だ。
 ――目標、捕捉!
「いきます、ティターニア、主砲発射です!」
 そして――トリガー!砲口に満ちた光が稲妻の奔流と化して、暗い宇宙を照らしながら迸る!
『グアアアアアアアアーッ!』
 直撃!膨大なエネルギー光に飲み込まれた侵略宇宙人軍団が、悲鳴をあげて蒸発する――!光が消えたその時、そこには一体たりとも敵は残っていなかった。

「まずは第一波がおしまい、でしょうか」
 すこし離れた位置から宇宙人軍団の消滅を見届けたクロリアが、一旦マシンの挙動を停止させた。付近にダラキュ――彼女の言うところの、悪いものの気配は感じられない。
「ですが、すぐに次がきますよ!まだあんなにいるみたいですからね」
 しかし、ビスマスの仰ぎ見た先では未だ宇宙を埋め尽くさんばかりの侵略軍団が蠢いている。そして滅ぼされた敵も、ほどなく復活して戦線に復帰するのだ。油断するわけにはいかない。
「では、一刻も早く猟書家を発見しなくてはな」
 ガーネットが頷いた。そして、広域回線で呼びかける。
「全猟兵及びがチーム・ネオジェネレーションの諸君に告ぐ。今が攻撃の切れ間だ。第二波が押し寄せてくるまでの短い時間だが……今を逃さず、敵本体の捜索を進めるべきだろう」
「こちら雨咲です。現在、鎧装騎兵の方々と協力し、敵を捜索中です。……恐らく、敵は護衛を付けているのではないかと思います。敵の動きが他とは異なる場所や、他と違う行動をとる敵部隊がいたら情報の共有をお願いします」
「こちらビスマスです。そうですね……では、私もそれを念頭において捜索します」
「私も了解しました。……では、探り当てるとしましょうか」
「こちらも了解です!データ収集は任せてくださいね!」
 かくして猟兵たちは侵略の第一波を凌ぎ切り、敵の首謀者である“無間のサイビア”の姿を探して戦域を捜索する。
 だが、次なる襲撃までの時間はそう長くはかからないだろう。邪悪な意志に満ちた新たな怪獣と宇宙人の侵略軍団もまた猟兵たちに迫りつつあった。 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
シャーリーと一緒にジュードに協力して宇宙怪獣の群に立ち向かう。

目的はあくまでボスの捜索。
それはシャーリーに任せ、俺はジュードをサポートして死角を補い合いながら敵の数を減らしていく。
ジュードへの攻撃を鉄鍋の【盾受け】で【かばう】と共に【カウンター】の【シールドバッシュ】で吹き飛ばし、その隙にジュードの攻撃に合わせ【飢龍炎牙】で敵を薙ぎ払う。
宙間戦闘には慣れてないけど【環境耐性】と【足場習熟】で残骸や岩塊を足場代わりに【ジャンプ】して三次元戦闘を展開し、ジュードに遅れないようにする。
長丁場になるけどジュードを【鼓舞】しながらシャーリーがボスを発見するまでの間気力と体力を温存する。


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
ウィーリィくんと一緒にジュードくんを援護しながらボスの居場所を探す
【エクストリームミッション】を発動させて【気合】でパワーアップ!
【乱れ撃ち】+【範囲攻撃】でウィーリィくんたちと協力して敵の数を減らしながら【視力】で敵の出現方向を調べ、その方角を目指していけば必ずボスの居場所を特定出来るはず
もちろん無尽蔵に湧き出る敵に向かって突っ込む形になるけど、【空中戦】で宇宙空間を縦横無尽に飛び回りながら【クイックドロウ】+【弾幕】で敵を退け、ウィーリィくんたちが攻め込む道を拓く
ボクの故郷のこの世界で好き勝手はさせないよ!



『レイジングバーストぉぉぉぉッ!』
 閃光!鎧装騎兵ジュード・ハマダ少年の駆るマシン、ジークフリードが最大出力の熱線を放ったのだ。宇宙を裂いて迸る光が、凶悪怪獣ギガストロンを爆破した。
『ほう……。我々の時代よりも多少はやるようになっているらしいですね』
 炎に消える怪獣を見下ろしながら、ムグレン星人は呟いた。
『ですが――鎧装などという玩具に頼らなくてはこの戦場に立つことすらできぬ脆弱な生き物が、我々にかなうなどという希望をもつことそのものが傲慢だといえましょう』
 しかし、ムグレン星人は嘲笑う。
 ――そして。
『無力を教えて差し上げましょう。――このフュージョナイザーで』
 ムグレン星人は手にした奇怪な器具を掲げた。そこから放たれる光が、宇宙怪獣軍団の中へと奔ってゆく。
 鮮血怪獣スカルエンペラー。古代怪獣ガルラ。光を浴びた二体の怪獣は、その身体を不可解なエネルギー光へと変換され、そしてひとつになる!
『行きなさい。宇宙融合獣スカルガルラ』
『ゴォゥゥォオオオオン……!』
『なんだ……!?あの怪獣は!?』
 生み出された融合怪獣スカルガルラは、その強靭な躯体をもってジュードのジークフリードへと襲い掛かった。衝突!轟音!凄まじいパワーに機体のフレームが軋む!
『ぐああああああっ!』
 火花を散らして吹き飛ぶマシンの中で、コクピットがスパークする!態勢を崩したマシンへと向けて、スカルガルラは咆哮と共に再び突撃した!
『ゴォォォ!』
『まずい……やられる!』
 ジュードが死を覚悟したその瞬間である!
「やらせるかよ!」
『ガアアッ!』
 衝撃!――何者かが凄まじい速度で飛び込んできたのだ。盾……否、大型の鉄鍋を構えたその人影は、砲撃めいたシールドバッシュでスカルガルラを吹き飛ばした!
『君は……猟兵か!』
「ああ。間に合ったみたいだな」
 ウィーリィ・チゥシャン(f04298)は振り返り、ジュードの機体へと向けて笑いかけてみせた。
「今からキミを援護するよ!」
 そして、シャーリー・ネィド(f02673)が合流した。
『ありがとう。本当に助かるよ』
「気にするなって。支え合う仲間は力だぜ!」
「ボクたちが一緒に戦うよ」
『ああ、わかった。……なら、一緒にいくぞ!ヒア・ウィー・ゴー!』
 ジュードはコンソールを叩きながら操縦桿を巧みに操り、鎧装の態勢を立て直す。
『ゴウオォォン……』
「まずはあいつからだな」
「うん。やっつけよう、ウィーリィくん!」
『いくぞ!一気にとどめだ!』
「おう!」
 ウィーリィとシャーリー、そしてジュードは、再び襲撃を仕掛けようとこちらを向いたスカルガルラへと真正面から相対する。
『グゴゴゴ!』
 そして、スカルガルラは咆哮とともに襲いかかった!
「まずは勢いを止めるよ!」
 即座に反応したのはシャーリーであった。その手にはシューティングスター。熱線銃が光る。
『グオ……!』
 素早く引かれるトリガー。放たれた熱線が怪獣の勢いを殺ぐ。
「いいぞ、シャーリー。次はこっちだ!喰らい尽くせ、炎の顎!」
 続けざまにウィーリィは引き抜いた大包丁を振るった。刀身に纏うは火。紅蓮の炎!放つユーベルコードは【飢龍炎牙/グリード・ブレイズ】!
『ガアアアッ!』
 炎に包まれ燃え上がるスカルガルラ!そこにおおきな隙が生じる!
「今だ!」
「レイジングバーストォォォォッ!』
 そこへ向かって、ジュードはトリガーを引いた!レイジングバーストは彼の機体であるジークフリードに搭載された高出力の熱線砲である!激しい熱を伴う光を浴びて、スカルガルラが遂に爆発した。
『やった……!』
『フン……猟兵を味方につけましたか。ですが、まだ終わったわけではありませんよ』
 しかし、その光景を見下ろしていたムグレン星人が冷徹に嗤う。
『我々の戦力はまだいくらでも残っているのです……。さあ、行きなさい。宇宙融合獣エレクトロハンター。エンペラーギャラクシオン』
『ギギギギギ!』
『ガギャアアアアン!』
『また怪獣が合体した!?』
「こいつはちょっと骨が折れるかもな……けど、負けてらんないだろ!気合い入れろよ!」
『ああ……そうだよな。……決めるぜ、覚悟!』
 続けざまに襲いくる怪獣の姿に萎えかけたジュードの勇気を、ウィーリィは鼓舞し立ち上がらせる。
「つっても、敵はいくらでも出てくるんだ。俺たちが勝つには、ボスを見つけ出さなきゃならない」
「それならボクにお任せだよ、ウィーリィくん。……敵がどこから出てくるか。それがヒントになるはずなんだ」
 シャーリーはこの戦いの最中、敵怪獣がどの方角から発生してきているのかを慎重に見定めていた。
「ボクが先行してボスを探してくるよ。その間、がんばって耐えてて!」
 彼女は既に愛機ハイメガシャークを戦闘用アーマーとして纏い、鎧装騎兵にも劣らぬ宙間戦闘への適性を得ている。その機動力は間違いなくこの中でトップだろう。彼女が斥候役を買って出るのは当然の帰結とも言えた。
「わかった。ジュードもそれでいいな」
『ああ。シャーリーも気をつけて』
「うん。それじゃ、見つけ次第連絡するね!あとで合流しよう!」
 シャーリーは飛び出した。
 それは無尽蔵に沸き出る敵軍団の真っ只中に飛び込む危険な行為であったが――彼女の機動力であれば、不可能ではないだろう。なによりも、彼女の胸にはいま、強い想いが燃えている。
「ボクの故郷のこの世界で……好き勝手はさせないよ!」
 そう。今のこの世界に生まれた生命が、古代に滅びた侵略軍団などに敗れるわけにはいかないのだ。
 かくして、シャーリーは宇宙を翔ぶ!
『それじゃ、俺たちは……』
「敵を減らそう。いくぞ、ジュード!」
『ああ!』
 そして、ウィーリィとジュードは再び敵を迎え撃つ。
 猟兵たちと侵略軍団の戦いは、佳境へと入りつつあった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鈴桜・雪風
貸与された装備は十全
暗黒の宙海を泳ぐに不足はないとは言え……
「慣れぬ内からはしゃぐものではありませんね。まずは支援に徹しましょう」

敵の主力は宇宙怪獣軍団ですか
前線を支えるに足る力と生命力、ですが
侵攻の本命は高い知能を誇る一部の侵略宇宙人ですね?
目を引く怪獣達の突撃を隠れ蓑に
致命的な破壊工作で後衛を撹乱し、戦線を崩壊させる策と見ました
「ではわたくしの仕事はそちらの阻止。敵のあらゆる手管を推理してみせましょう」
ネオジェネレーションの皆様にも手伝ってもらい
戦況図から導いた推理で撹乱工作を仕掛けてくる宇宙人達を迎撃します
わたくしが手を読んだ以上、『先手を打って迎撃』が可能です
「此れ即ち後の先、ですわ」


ミスタリア・ミスタニア
ハハッ!そうだよな!オレら鎧装騎兵こそが宙間戦闘の主役なんだよ!
とはいえ、鎧装騎兵同士の戦闘や艦載機や戦艦相手の戦いは慣れたもんなんだが、宇宙怪獣軍団ってのはなぁ?
まぁいいさ、宇宙空間はオレら鎧装騎兵のホームだと教えてやるよ!

機動性重視の軽装鎧装でプラズマジェット吹かして突貫だ!
ひよっこ共に、そして怪獣達にオレが伊達に【ソラを駆ける翠の疾風(エース・オブ・エース)】と呼ばれてねぇと教えてやる!
ビットで敵軍団を牽制して、対艦ビーム砲のメガビームランチャーとそれに付いてる対艦用パイルバンカーで大物から順に始末していってやるよ!
あぁ?軽装で胸揺れてるだぁ?何処見てんだ、ひよっこ!敵を見やがれ敵を!


ナイ・デス
……すごい、ですね
ルトラ騎士は、この全てを倒してきた、ですか

……そうして繋がれてきた「今」
過去に侵略は、させられない、です!

最初から、全壊で!
イグニッション、エクストリガー『ブレンホルズ』
そして、リベレイション!
『ブレンホルズ・ジヴィライゼーション』!

【覚悟、激痛耐性、継戦能力】自身を光に分解……破壊して、再生
繰り返し「光」となって、光の翼をひろげ【推力移動】
【第六感】が、再生する私にも通じる攻撃に限定して、あれば反応し回避して
【生命力吸収】する光の【レーザー射撃】を剣のように【なぎ払い切断】

戦い得たエネルギーは、鎧装騎兵へ
聖なる光が傷を癒し、鎧装の【エネルギー充填】

みせつけましょう
光の力を!



『ガギャアアアアウ!』
『グバオオオオオ!』
 虚空に響き渡る咆哮――激怒怪獣アンガーゴ!怪獣暴君ネロディウズ!剥き出しの凶暴性に爪牙を鳴らし、襲い来るのは剛力怪獣軍団である!
《アース!正面から敵だ!》
『わかってる。いくぞ、クロス!』
 それに相対する鎧装騎兵は、電子妖精『クロス』を補助AIとして搭載した機体・ユナイテッドクロスへと登場するアース・ラオッゾである。
『ガオオォン!!』
『いぃーっやァ!』
 アースは操縦桿を引き、搭乗型鎧装の機体を制御しながら鋭く蹴り足を叩き込んだ。反動で後方に下がる機体を更にスラスターで姿勢制御し、搭載火器で牽制。そして追撃の必殺熱線を叩き込む――正面からそれをまともに浴びて、激怒怪獣アンガーゴが爆散した!
「――ハハ、なかなかやるじゃァねえか!」
 次なる標的へと照準を向けるユナイテッドクロスの側面を、プラズマジェット推進の軌跡が通過してゆく――ミスタリア・ミスタニア(f06878)。パワードスーツ・タイプの鎧装を用いる鎧装騎兵である!
『グアオオオッ!』
 接近する敵影を捉え、怪獣暴君ネロディウズが吼える!棘付き鉄球と化した右腕を鎖状の体組織に乗せて振り回し、怪獣暴君はミスタリアを迎え撃った――だが、ミスタリアはその上手をゆく!巧みな機動で棘鉄球を躱し、そして反撃のビームランチャーを叩き込んだ!
『ギイイイイッ!』
「ハハッ!そうだよな!オレら鎧装騎兵こそが宙間戦闘の主役なんだよ!」
 表皮をビームランチャーの火に灼かれ苦悶するネロディウズの側面を抜けるようにすれ違い、ミスタリアは口の端をつり上げた。
『ガアア!』
「おっと――!」
 だが、手負いの獣となったネロディウズはその双眸を赤く染め上げながら反転し、ミスタリアを追う!――仕留め損ねたか。ミスタリアは小さく舌打ちした。
「なるほどな、対鎧装だの対艦載機だの対艦だのの戦闘は慣れたもんだが……宇宙怪獣軍団ってのはなぁ?」
 宇宙怪獣などという、現代スペースシップワールドに存在しない生命体との戦闘について、その知識と経験を持つ者は少ない。希少なスペース古文書の文献を探るか、あるいはごく少数の歴史ある鎧装騎兵団に伝えられている戦闘技法を調べるほかにないのだ。
「……すごい、ですね」
 そして、戦場に至ったナイ・デス(f05727)は、宇宙怪獣のその生命力と強靭さに驚嘆する。
「宇宙怪獣……あまりにも強大で、邪悪な、いきもの」
『グルオオオ――ッ!』
 狂乱するネロディウスの殺気を込めた双眸に、ナイは畏怖すらをおぼえた。
「……ですが、聞いたことが、あります。古代スペースシップワールドで……戦い続けてきた、ルトラ騎士たちの、伝説を」
 しかし。ナイは目をそらさない。彼とて、これまでに幾多の修羅場を乗り越えてきた猟兵であり、そして――今まさに、彼の間近にもその伝説を継いできたルトラ宇宙警備騎士団の戦士がいるからだ。
「……そうして繋がれてきた『今』。過去に侵略は、させられない、です!一緒に、たたかいましょう!」
《――聞こえたか、アース》
『ああ。もちろんだ。……こちらルトラ宇宙警備騎士団のアース!共に、戦おう!』
 ナイの声に応じて、アースが通信を繋いだ。鎧装ユナイテッドクロスが再び火器を起動したのだ。照準の先に、アースがネロディウズの躯体を捉える。
「はい――いきます!イグニッション!」
 次の瞬間、ナイはその身の内に宿す光を爆発的に増幅させた。
「エクストリガー『ブレンホルズ』……リベレイション!」
 【ブレンホルズ・ジヴィライゼーション】!ナイはその姿を変える。ヒトのそれから、黒き竜のカタチ――すなわち、ダイウルゴスへと!
「オイコラ、ひよっこォ!オレを置いて盛り上がってんじゃねえ!」
 そして再び宇宙を駆ける光。ミスタリアはプラズマジェット推進出力を再び上昇させ、加速しながら2人へと合流した。
「いくぞ、怪獣共にここはオレらのホームだと教えてやれ!」
『あ、アイ・マム!』
「わかり、ました……!」
『ギイイィィィッ!』
 傷を負いながらもなお血に狂うネロディウズへと、3人の狙いが収束する。
 アースがトリガーを引き、ユナイテッドクロスが火線を浴びせかける。ネロディウズはそれを躱すように反転するが――
「逃し、ません!」
 交差するように宇宙を奔るダイウルゴス!激突!その躯体が暴君怪獣とぶつかり合う。反動で互いに後退した二体は僅かな刹那睨みあい、そして再び衝突した!
『ガアアウ!』
「負け……ません!」
 鍔迫り合いめいて押し合う2体――だが、ここでダイウルゴスが均衡を崩す。装甲の隙間から、ナイは光を放った。メガスラスター!聖なる光がレーザーとして放射され、その熱がネロディウズの躯体を灼いた!
『ギャアアア!』
 悲鳴をあげてのけ反り怯むネロディウズ――そこに生じたのは、付け入るための大きな隙だ!
「とどめはもらったァ!」
 加速!プラズマ光が尾を引いて、その一瞬を逃すことなくミスタリアがネロディウズへと肉薄する――最接近の瞬間、ミスタリアは杭をぶち込んだ!対艦大型パイルバンカー!極大威力の一撃が、ネロディウズを貫く!
『ガオオオォォォンンン!!』
 そして爆発!その衝撃から逃れつつ、ミスタリアは態勢を立て直す。
「さあ、次だッ!進むぞ、ひよっこ共!」
《いや、少々待っていただきたい、レディ》
「……なんだァ?」
 続けて怪獣軍団との戦いへと向かおうとしたミスタリアを、ユナイテッドクロス搭載の電子妖精が呼び止める。
《いや、大したことではないのだが――先ほどから少々、貴君のバストが煽情的に過ぎてね》
『クロス!?なに言ってんの!?』
 デリカシーの欠片もない発言!補助AIのあんまりな言動にアースはコンソールを叩く!
「バカ!どこ見てんだ、ひよっこ!敵を見やがれ敵を!」
「お、落ち着いてください……。新しい敵が、きます」
 漫才めいたやり取りの最中でも、敵怪獣は襲い来る!吼える怪獣の姿を、ナイは虚空の彼方に捉えていた。
「ったく……ひよっこ!オメーのマシンのクソAIはあとでブン殴るとして、まずは連中をブチのめすぞ!」
《私は精密機器だから、そういうのは勘弁していただきたいのだが――》
『いいから、あの人の言う通りにしろって!』
「ああ。バカ話はまた後だ!こっから見せてやるぜ、オレが伊達に【ソラを駆ける翠の疾風/エース・オブ・エース】と呼ばれてねぇってことをな!」
 そしてミスタリアは再び加速した。その視線の先に捉える敵影。武装を展開しながら、鎧装が翔ける!
「はい。アース、さん。私たちも……みせつけましょう。光の力を!」
『これは……』
《すごいエネルギー量だ。これならいくらでも戦えるぞ!》
 一方、ナイはその身に蓄えた光のエネルギーをアースの鎧装へと受け渡す。出力を上昇させた機体を駆り、アースはナイと共に迫り来る怪獣軍団へと向けて飛び立った。

 ――その頃。
『ギュブブブブ……。猟兵ども、そしてにっくきルトラ騎士どもめ……。ご苦労なことだ』
『フォッフォッフォッフォ……。しかし、奴らとてよもや我々の策には気づくまい』
 猟兵たちと怪獣軍団がぶつかり合う主戦場からわずかに距離を離した宙域を、静かに進む影があった。
 暗黒宇宙人ラミヤ星人。そして宇宙忍者アーカゲー星人。その二つ名の通り、どちらも闇に紛れて活動することを得意とする卑劣な侵略宇宙人である。
『奴らが怪獣どもの対処に追われている間に、我々が密かに後方へと回り込み破壊工作を仕掛けるこの作戦……』
『気付いた時の奴らの驚く顔が目に浮かぶようだ』
 闇に潜んだ二体の侵略宇宙人が、音もなく宇宙を進んでゆく――。目標地点までは、残り数キロメートル。そこにさえたどり着けば、ルトラ宇宙警備騎士団の戦線は崩壊するだろう。侵略宇宙人たちは、悪辣にせせら笑った。
 ――しかし。
『――ムウ、ッ!?』
『な――なんだ。これは!?』
 目標地点まであと僅か――というところで、侵略宇宙人たちは奇怪なものを捉える。
『この宇宙空間に……“花吹雪”だと!?』
 それは、彼らを包み込むように突如として舞った桜の花びらであった。
「やはり現れましたわね」
 そして、その進路を塞ぐように侵略宇宙人たちの眼前へとあらわれたのは――鈴桜・雪風(f25900)である!
『な、なに……ッ!?』
『バカな、どうして我々の作戦が!』
「簡単なことですわ。あなた方の軍団の主力は、宇宙怪獣軍団……。そうですわね。前線を支えるには足る力を生命力をお持ちでしょう。間違いなく、強力な兵隊だといえますわ」
 ふわりと花弁を舞わせながら、緩やかに微笑む。
「ですが、これはたしかに主戦力なのでしょうけれど――そうであると同時に、囮でもある、とわたくしは考えましたの」
『まさか……我々の作戦を読んでいたというのか!』
「ええ。待ち構えていたのは正解だったというわけですわね。……そう。侵攻作戦の本命は、主戦力の怪獣ではなく高い知能と特殊な能力をもったあなたがた侵略宇宙人。目を引く怪獣たちの突撃を隠れ蓑に、こちらの不意を打つ作戦だったのでしょう」
 それは、この宇宙空間において尚冴えわたる彼女の猟奇探偵としての推理であった。
「此れ即ち後の先、ですわ」
『おのれ!しかし、ここで貴様を葬れば同じことよ!』
『たった一人で我々の侵略を止めることができるなどと!』
 しかし、作戦を看破された宇宙人たちは激昂する!ラミヤ星人とアーカゲー星人は、同時に光子シュリケンを構えた!
「ええ、そのようになさると思っていましたわ――カールさん」
『ああ!あんたの言う通りだったな!』
 雪風は合図を送るように片腕を掲げた。――その瞬間、宇宙に電離パルスが爆ぜる!そこから光学迷彩を解除して姿を現したのは、チーム・ネオジェネレーションの鎧装騎兵、カール・ライドウ駆るマシン『ギャラクシースパーク』である!
『なに……ルトラ宇宙警備騎士!』
『この宇宙、お前らの好きにはさせないぜ!くらいな、ギャラクシークロスシュート!』
 すべての手の内を読まれ、策謀の一枚上を行かれた敗北感に困惑しながら、2体の侵略宇宙人は鎧装の放つ光線を浴びて爆発する。
 その様子を確認し終えると、雪風は通信機へと向けて語り掛けた。
「これでこちらは一安心ですわね……こちら鈴桜。伏兵はこちらで手を打ちましたわ。そちらの状況はどうでしょう?」
「――こちら最前線ミスタリア!ハハッ、そっちの読み通りだったってワケか。やるじゃねえか!」
「こちら、ナイ……です。こちらも、順調、です!」
 そして猟兵たちは通信を繋ぎ、互いの状況を確認しあった。
 ミスタリア。ナイ。そしてアースの3人は、前線において怪獣軍団を相手に大立ち回りを続けている。今、ダイウルゴスのレーザー射撃がまた怪獣を一体撃破したところだ。彼らの撃墜スコアは既に20体目をカウントしていた。
「わかりましたわ。こちらは引き続き侵略宇宙人たちを警戒しております。お互い、ぬかりないよう致しましょう」
 そして雪風とカールは敵の伏兵を警戒し、宙域の哨戒を継続する。――敵は悪辣で狡知に長けた侵略宇宙人だ。卑劣な作戦をいくつも用意してきていることは想像に難くない。雪風は既に次なる敵の策を推察し、手を打つべく移動を開始していた。

 かくして、猟兵達と侵略軍団の戦いは続く。 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

天城・千歳
【SPD】
アドリブ、絡み歓迎

成程、あんなものが多数居た状況なら旧帝国で宇宙艦隊や私達ウォーマシン、スターライダー、鎧装騎兵が重用される訳ですね。

サテライトドローン群を戦場を囲う形で球形に展開、広域観測網を形成。
リモート義体はブルースフィアのオペレーター席を借りて、ドローン群及び本体、歩行戦車、歩行工作車のレーダー、各種センサーからの【索敵】【偵察】【追跡】による【情報収集】を行い【瞬間思考力】【戦闘知識】で状況を判断、UCによる演算を行い【誘導弾】の【一斉発射】による【範囲攻撃】での【先制攻撃】を行う。
先制攻撃後はリモート義体の情報支援で鎧装騎兵隊との【集団戦術】で戦う。
【索敵】は戦闘中も続行


ミーグ・スピトゥラス
●POW

宇宙オレ、初メテナノニ、何故カ懐カシイ
ソシテ、宇宙怪獣
初メテ会ウガ、アイツラモ何故カ懐カシク思ウ
オレ、分カル
アイツラ、喰エル
美味イト、DNAガ訴エテイル

ダガ、鎧装騎兵達ニオレモアイツラト同ジ仲間ダト思ワレタラ厄怪ダ
膜ノ様ナ宇宙服トスラスターユニットヲ借リル時、識別用ノビーコンヲ設定シテ貰ウ
後ハ、オレノ行動デ示ス
敵ガ強大デアレ、威圧サレヨウトモ、オレ挑ム
【血反吐】ヲ吐コウガ、【激痛耐性】デ耐エ闘ウ
怒リノボルテージヲ溜メナガラ、ルトラ宇宙警備騎士団ノ援護ヲ待ツ
ソレデ相手ノ注意ガ逸レタラ『バイオミック・オーバロード』
巨大化シテ【怪力】デ捻ジ伏セ、オレサマオマエマルカジリスルヨウニ【捕食】スル


ミスト・ペルメオス
・WIZ

こちらブラックバード。援護するッ!

愛機を駆って参戦。
ヘルム等を介して念動力を活用、機体をフルコントロール。
空間戦闘こそ鎧装騎兵の本領。加えて同じ鎧装騎兵の者達の危機となれば一層力が入る。
出力最大、ドレッドノート・デバイス展開――突撃!
スラスターを駆使し加速しながらの戦闘機動と同時、針路を切り拓くような砲撃を実施。
それだけで突破出来ないのは想定済み、ならばと【サモン・シュラウドレイダー】。
召喚するは異次元世界の住人たちが駆る亡霊宇宙戦艦、および異形の艦載機部隊。
彼らに敵戦力の誘引を頼み、派手に暴れてもらいつつ。
自身は目立たぬよう攻撃を止め、戦線の突破を目指す。

※他の方との共闘等、歓迎です



『ガアァァァグ!』
『ボルボルボルボル!』
『ゲアアアアァァス!』
 咆哮。咆哮。咆哮――。憎悪に満ちた獣の雄叫びが宇宙に交差する。
 恐ろしく光る爪牙。鋭い敵意に爛々と輝く数多の瞳。狂える獣の群れは尚も宇宙を駆け抜け、そして襲い来る!
「グオオオオッ!」
 だが――その脅威へと真正面から文字通りに“食らいつく”、異形の猟兵の姿があった。
(宇宙……オレ、初メテナノニ、何故カ懐カシイ)
 ミーグ・スピトゥラス(f24155)はバイオモンスターであるが、そのルーツは隕石に乗って彼の世界の地球へと飛来した地球外生命体の遺伝子情報である――即ち、彼の故郷は宇宙であると言える。
(ソシテ、宇宙怪獣……)
『ギイイイィイ!』
 暴食怪獣グラットドンがその牙を剥き、ミーグへと襲い掛かる。
 敵は強大だ。そのサイズはミーグの体格を大きく凌駕している。鋭く獰猛な瞳がミーグの躯体を捉え、その腹部に穴を穿つように牙を突き立てた!
「グ、ガ――!」
 激痛に呻くミーグであったが、彼はその痛みを耐える。ごぶ、と体液を吐き出しながらも、彼はその胸中に敵意と戦意、そして、不思議な懐かしさを感じていた。
(初メテ、会ウガ……コイツ、ラモ……何故カ、懐カシク思ウ)
 ぎりぎりと軋む身体に力を込めて、ミーグは呻きながら身を捩った。
(コイツ、ラ、ハ……喰エル)
 ぶづ、ッ。破壊された体組織から、体液があふれ出る。しかし、ミーグはそのダメージの中でも尚足掻いた。鉤爪をそなえた指先が、グラットドンの表皮を掻く。
(コイツラ、ハ……“美味イ”、ト、オレノ、身体ガ……DNAガ、訴エテイル)
 そして――その爪は、突き立てられた。
『ギィィィオオオオオオ!』
「ガァァウッ!」
 ミーグは鉤爪の指に力を込めてグラットドンの肉体を抉り取り、そしてその肉を喰らった。
『ギュボボボボ!』
『ギュオオオオン!』
 だが、怪獣軍団は容赦なく更に苛烈に押し寄せる。飛来するのは宇宙大怪獣ゼグスター。そして円盤怪獣シルバードローメ。どちらも古代スペースシップワールドにおいて多くの犠牲を出した凶悪な異形の怪獣だ!その狙いはグラットドンと組みあうミーグである!
「ギ……!」
 ――3対1の状況に持ち込まれるか。このままでは3体の獣に喰らいつくされる獲物となってしまう。もはや絶体絶命化――否、まだ終わってはいない。ミーグはグラットドンの体組織を食いちぎりながら吼えた。
 そして、その瞬間である――閃光!迸るブラスター熱線が、ミーグへと喰らいつこうとしていたゼグスターへと叩き込まれた。迸るビーム光に貫かれ、ゼグスターが爆発する。
「成程、あんなものが多数居た状況なら旧帝国で宇宙艦隊や私達ウォーマシン……それにスターライダーや鎧装騎兵たちが重用される訳ですね」
 戦闘用リモート義体の視覚センサーから視認した敵の軍勢に、天城・千歳(f06941)は嘆息めいた仕草を見せる。
『ああ。そうやって、俺達はずっと戦い続けてきた。この宇宙の人々の、平和を守るために』
 宇宙を駆ける千歳の戦闘義体と並行するように、プラズマジェットの軌跡を描いて虚空を駆けるのはチーム・ネオジェネレーションの戦いに援軍として派遣された鎧装騎士、ルトラ宇宙警備騎士団のゼロスである。
「はい。こちらも協力は惜しみません。共に戦いましょう」
 千歳の戦闘義体はライフルの筒先を向け、そしてブラスターの光を撃ち放った。シルバードローメの表皮で閃光が爆ぜる。怪獣の躯体がゆらりと浮かぶように動いた。その意識の矛先を変えたのだ。奇怪な頭部が千歳とゼロスを捉えた。
『来るぞ!』
「待ってください。更に敵の反応が新たに複数接近……挟み撃ちにするつもりのようです」
『なんだと!?』
 ――連鎖する咆哮!戦いと血の匂いが呼び寄せたのか、新たな怪獣が千歳たちを狙って迫ってきていたのだ!
『チッ。面倒だがまとめて相手をしてやるしか――』
 ゼロスの搭乗型鎧装が武装を活性化しながらリアクター出力を上昇させる――最悪の場合は包囲されて嬲り殺しか。否、そうはさせてやらない。覚悟と共にゼロスは迫る怪獣軍団の姿を仰いだ――だが、その時である!
「こちらブラックバード。援護するッ!」
 宇宙に鋭く光が疾った!プラズマスラスター機動。加速する鎧装ブラックバードの躯体が、その腕にビームブレードを展開しながら千歳たちへと迫りつつあった宇宙怪獣軍団と交錯したのだ!
「はあッ!」
『ギュルルルルルーッ!!』
『ギャアアーッ!』
 爆散!ビームブレードに断ち切られた宇宙怪獣たちが、呻きながら爆散する!ミスト・ペルメオス(f05377)は敵性の反応消失を確認しながら一度反転し、千歳のもとへと合流した。
『ギィィイーッ!』
「ガァッッ!」
 また、その一方である。
 宇宙怪獣と組みあいながら互いに喰らい合うように牙を突き立てていたミーグとグラットドンの戦いは、猟兵たちの介入で再びバランスを傾けていた。
 そこで優位を取ったのは、ミーグである。
「ゴオオオッ!」
 【バイオミック・オーバーロード】。敵意を向け合う怪獣へと強く向けた怒りが、彼のユーベルコードを励起したのだ!
 みしみしと音を立てながら肥大化する彼の躯体はたちまちグラットドンの体格を凌駕し、そしてその牙で宇宙怪獣の肉体を抉り取るように食いちぎる!
「アアアアアッ!」
 この瞬間、この戦域の食物連鎖の頂点位に彼は間違いなく君臨していた。
『へえ、やるじゃねえか。あの――いや。ありゃ怪獣か?』
「いえ、味方の識別ビーコンが出ています」
『なるほど、怪獣みてえな猟兵ってことか』
 妙なやつもいるものだ。ゼロスはコクピットブロックで唸った。
「戦況は」
 ――そして、ここでミストが通信機を通じて問いかける。
「膠着状態といえます。全体的にこちらが敵を押し込んでいますが、敵の復帰も早い……無尽蔵だと言われるだけありますね」
 千歳は展開した観測機へとアクセスする。彼女の展開した32機のサテライトドローン群は戦闘宙域内に散り、広域観測網を形成していた。
 情報の中継地としては、即席の作戦本部であるブルースフィアのメインルームが使用されていた。情報収集用リモート義体を置いた千歳は、戦闘用義体で前線に出ると同時にそこで情報の集積と精査を行いながらオペレーターとして猟兵たちや鎧装騎兵へ連絡を行っていたのである。
「このままいつまでも戦闘が続くとすればいずれ押し返されていたかもしれませんが……希望は、もう見えています」
 ここで千歳は猟兵たちへ戦闘エリアとなっている宙域のマップデータを送信した。それを受け取り、ミストは戦域マップを開く。
「……これは」
 そのマップの中に、ひとつの座標が要注目エリアとして表示されていたのである。
 それは――ここまでの戦闘の中で猟兵たちや鎧装騎兵たちが収集した調査データを総合して分析した結果算出された、猟書家・無間のサイビアが潜むであろうと推測されるポイントであった。
「小惑星、カージュ・ハカヴァ……」
 その小惑星は、スペースシップワールドに数多ある『居住に適さぬとして放置されたままの大岩塊』のひとつだ。だが、このカージュ・ハカヴァはただそれだけではないのである。
 カージュ・ハカヴァは今まさに暴れまわるこの侵略軍団がかつて滅びた際の最後の戦場となった、いわば彼らにとっての因縁の小惑星なのである。その名はスペースシップワールドの第87辺境銀河区域共通言語での『怪獣の墓場』を意味する。
『なるほどな、たしかに全部のデータがそいつを示してやがる』
「グ、グ……敵、ハ、ソコニイルノカ」
 データを検分する猟兵たちへと、ミーグが問う。
「そのようです。行きましょう。一刻も早く猟書家を倒し、この戦いを終わらせなければいけません」
 ミストはコンソールを叩き、データが示すポイントを目的地として設定する。
『だが、闇雲に突っ込んだって駄目だ。当然敵の軍団も待ち構えてんだろう。そこはどうするつもりだ?』
「大丈夫です。――既に、想定済みですから」
 ごう――ッ。
 銀河の暗闇の中に、巨大な次元孔が開いたのはその瞬間であった。
 ワープドライブゲートめいて開口したその門の内部から姿を現したのは――大型の宇宙戦艦である。
 【サモン・シュラウドレイダー】。それは、ミストの強力なサイキック能力が繋いだ異界よりここに呼び込まれたのだ。
「彼らに敵戦力を引きつけてもらいます。その隙に、我々が本命となって戦線を突破しましょう」
 ミストの思念に従って、戦闘艦が進む。突如戦場へと現れた戦艦に、怪獣たちと宇宙人たちの軍団はたちまち混乱状態に陥った。そして、彼らは戦艦へ戦いを挑むために、決して少なくない戦力を割いてゆく。
『なるほどな、とんでもねえ隠し玉があったってわけだ……。わかった。オレも異論はないぜ」
「アア。……イク、ゾ」
「了解しました。それでは、全猟兵および鎧装騎兵に通達します」
 これならば、戦線を突破し猟書家のもとへとたどり着くのも決して不可能ではないだろう。
 そして、猟兵たちは頷きあった。

 ――かくして。
 猟兵たちは、遂に敵の首魁・猟書家“無間のサイビア”の潜む宇宙の墓標を目指す。
 そして間もなく――決戦は、始まるのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『無間のサイビア』

POW   :    侵略蔵書『宇宙侵略史』
戦闘用の、自身と同じ強さの【侵略宇宙人軍団 】と【宇宙怪獣軍団】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD   :    スーパー超次元殺法
【短距離テレポートを駆使した近接格闘術 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【超高速連続攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    スーパープラズマ光弾
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【両腕 】から【100,000,000,000℃の光弾】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠九条・救助です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『ははは』
 スペースシップワールドに浮かぶ小惑星、カージュ・ハカヴァ。
 それはかつて世界を脅かした侵略宇宙人と宇宙怪獣の軍団が滅びた、古き戦場の地であった。
 巨大な岩塊状の小惑星には、いくつものスペースシップの残骸が墓標めいて突き立っている。
『ははははは』
 その中心に、その侵略者は立っていた。
『はははははははははははははははは。そうか。来たか。ルトラの騎士の末裔どもか?それとも、別の宇宙戦士どもか?』
 歪んだ十字状の発光器官を明滅させながら、闇の支配者“無間のサイビア”は、侵略軍団を突破してここカージュ・ハカヴァへと至る猟兵たちの姿を仰ぐ。
『面白い』
 そして、立ち上がった。
『ボーリャ星人。ムグレン星人。陣形を再編せよ。ははは。よもやこの短時間で余の居所を掴むとは。今世の戦士どものなんと優秀なことか』
 その手の中に、光が灯る。凝縮された熱エネルギーは激しく発光する強力なプラズマとなって爆ぜ、そして渦巻いた。
『ならば、相手をしてやろう。――喜べ、戦士ども。余が手ずから滅してくれようぞ。名誉に思い、そして死ね』
ガーネット・グレイローズ
「ルトラの騎士ではない。灰色の薔薇の血族、と名乗っておこうか」
キャバリアの操縦席から抜け出し、地上に降り立つ。
《念動力》でスラッシュストリングを操り白兵戦闘。
「怪獣、宇宙人退治も仕事のうちだよ。こんな大規模な作戦は久しぶりだけどね」
《瞬間思考力》と《第六感》を頼りになんとか粘ってみるが、
いずれ限界が訪れるだろう…
その前にステラマリア号からメカたまこEXを放ち、
《撮影》《情報収集》させた敵のデータをネオジェネレーションに送信。
奴がUCを使用する直前の予備動作を狙い、半壊した
スペースシップの中から狙撃させる!奴が怯んだ隙を突き、
【烈紅閃】による宇宙カラテの《カウンター》をサイビアに叩き込むぞ!


雨咲・ケイ
さすがは猟書家といったところでしょうか。
単独での力も相当のもののようですね……。
ですが、あなたの相手は猟兵だけではない事を
お忘れなく。

【SPD】で行動。

あらかじめ鎧装騎兵の方々には残骸等の影に
隠れる等して待機していただきます。

私自身は初手で【退魔集氣法】を使用。
高速移動による攪乱で敵の短距離テレポートに
対抗し、辛抱強く敵の動きに隙が出来るのを待ちましょう。
そして敵の格闘術に対し、隙を突いて【グラップル】による
【カウンター】を放ち、動きが止まった所で
鎧装騎兵の方々から集中砲火で
追撃して頂きましょう。

アドリブ等歓迎です。


播州・クロリア
({舞狂人形}に搭乗しながら)
あれが猟書家ですね
しかし雑魚が多すぎて近づけません
引き続き鎧装騎兵の皆さんと連携して露払いするとしましょう
({舞狂人形}が直立し目を閉じて両腕で自分を抱きしめるようなポーズをした後{白銀の旋律}で『ダンス』を始める)
貴方達の咆哮は騒がし過ぎます。少し静かにしましょう
(『念動力』で怪獣の死体を操作し盾にしながら『衝撃波』で迎撃する)
さて、では1週間ほどダンスの時間を捧げましょうか
(UC【蠱の犠牲】発動)
安心してください、舞狂人形
捧げるのは私の時間です
しかし...
猟書家!お前のせいで!1週間!
私はダンスができなくなった!
許せない!絶対に許せない!
償え!命で償えぇ!!


ビスマス・テルマール
何だか大規模な特撮じみた展開になってきましたが、そう来るのなら

●POW
わたしは真の姿になり【ディメイション・なめろうブレイカー&ジュリンプル・グレネドフォート】を展開

鎧装騎兵の皆さんと『集団戦術』で『範囲攻撃』で『誘導弾』と『属性攻撃(重力)』込めた『一斉発射』の『弾幕』を放ち

足止めしてる内に『早業』でUC発動
関東牛刀怪人を始めとする千葉に関する刃物のご当地怪人達を召喚

『集団戦術』により『空中戦』『ダッシュ』で『オーラ防御』と『激痛耐性』備え波状攻撃で敵陣に『切り込み』『2回攻撃』で『なぎ払い』

『第六感』で攻撃を『見切り』『残像』で回避しつつ

足止めに使った技能群で、皆を怪人達を支援しつつ本体を



「あれが、猟書家ですね」
 ざァ――ッ!キャバリアの躯体が大岩塊の地表へと降り立った。播州・クロリア(f23522)は舞狂人形の中から闇の中に佇む猟書家の姿を捉える。
『よく来た。戦士たちよ』
 墓標の只中に立つ猟書家・無間のサイビアは、猟兵たちの姿を見た。
『ここまでたどり着いたことを称賛しよう』
 その身体に膨大な熱量が生じる。
『その名誉を抱いて死ね』
 そして――渦巻く熱気。しかして、空気を満たすのはその熱量と反比例するかのようにどこまでも冷たく酷薄な殺気。宇宙空間を満たすエーテルがプレッシャーを伴って猟兵たちにまとわりつく。
『ボーリャ星人』
『仰せのままに。サイビア様。――くくく!愚かな宇宙戦士どもめ!貴様らは我々の策にまんまと嵌ったのだ!』
 虚空に揺らめく影!その中から姿を見せる異形の怪人は、策謀宇宙人ボーリャ星人だ!
『ここは我々侵略軍団の怨念が色濃く残るカージュ・ハカヴァ……我々の力がもっとも大きくなる場所なのだ!』
『ガァァァグ!』
『グォォム!』
 岩塊の地を砕きながら、地底怪獣グモッゴンが飛び出す!続けて岩石怪獣ガダイガー!更に鉄鋼怪獣ガイアン!大岩塊に潜んでいた巖鉄怪獣軍団が目を覚ましたのだ!
「何だかヒーローズアースの映画のような展開になってきましたが……」
 ビスマス・テルマール(f02021)は装甲を展開しながら、咆哮する怪獣軍団へと相対する。
「怪獣、宇宙人退治も仕事のうちだよ。こんな大規模な作戦は久しぶりだけどね」
 ガーネット・グレイローズ(f01964)は『夜の女王』のコクピットで肩を竦めた。――他の世界の人々にとってはフィクションのような状況であるが、ガーネットのようなスペースシップワールド出身者にとってそれは歴史に刻まれた疵であり、侵略という名の現実だ。
 ガーネットは機体から降りて白兵戦の構えへと移行しながら、居並ぶ怪獣軍団の向こうに敵の気配を探る。
「では、行きましょう。侵略を止めなくてはなりません」
 そして雨咲・ケイ(f00882)は呼吸を整えた。――体内を巡る氣の流れに意識を添わせ、その身の内に力を高めたのだ。
「しかし、雑魚が多すぎて今のままでは近づけません。先に露払いをするとしましょう」
 舞狂人形が前へと進み出る。コクピット越しに、クロリアの双眸は獣の群れを強く睨めつけた。
「はい。まずは周りの怪獣軍団をどうにかします!」
 それに並ぶように、ビスマスも一歩進み出た。《Lord Bismuth》!その腰に巻かれたガジェットが叫び、ビスマスの武装が展開してゆく。
『グゴゴゴゴ!』
 ズゥ――ン。小惑星を揺らし、重量級の躯体を鳴らしながら巖鉄怪獣軍団が迫り来る。
『ガァァァグ!』
「貴方達の咆哮は騒がし過ぎます――」
 聳え立つ怪獣軍団に立ち向かい、クロリアが機体を繰る。舞狂人形はぴんと背筋を伸ばして直立すると、両腕で自身の躯体を抱きしめるような姿勢をとった。
「少し静かにしましょう」
 そして、流れるような所作。その挙動は戦闘機動ではなく、鮮やかな舞踏である。
『ギィッ!』
 キャバリアの倍はあろうかという体躯をもって、岩石怪獣ガダイガーがクロリアへと突っ込んだ。だが、彼女のステップはその突進を流麗に躱す。
「はッ!」
 しかし、ただ舞うだけではない!舞狂人形が正面に突き出す掌。その勢いが生み出す衝撃波が、ガダイガーの躯体を抑え込む!
「追撃します!」
 足を止めた岩石怪獣を照星の先へと捉え、ビスマスはアームドフォートの砲身に熱を灯す。なめろうブレイカーに充填したエネルギーが閃光となって迸り、岩石怪獣を爆破した。
『まだ終わってはいない!グモッゴン!ガイアン!押し潰せ!』
 だが、敵の怪獣軍団は勢いに任せ更に襲い来る!ボーリャ星人の号令に従って、更に怪獣たちが攻め込んだ!
「数で押し込むつもりですか……それなら!」
 襲い来る怪獣たちの姿に、ビスマスはカードを構えた。『関東牛刀怪人』――異界の怪人の姿を描いた一枚だ。ビスマスはドライバーへとそのカードを通す。
《Global Local Hearts》。叫ぶドライバー。励起する【グローバル・ローカルユニオン】が虚空から怪人軍団の姿を描き出す。
『トーッ!』『刃物怪人組合参上ハモ!』『ところでここはどこハモノ!?』『ムッ!見るハモ!見るからに強そうな怪獣ハモノ!』
 カージュ・ハカヴァの地へと降り立った刃物怪人軍団は困惑する!
「みなさん、あの怪獣たちを抑え込んでください!ついでにあの宇宙人も!」
『メチャクチャ堅そうハモ!?』『あんなの切れないハモ!』
「いいからいくんです!ご当地魂見せてください!」
『ええい、やぶれかぶれハモー!』
 ビスマスに尻を叩かれた怪人軍団はその手に地元名産の刃物を掲げながら、巖鉄怪獣軍団のもとへと駆けこんでゆく!
「今です!こちらで抑えている内に!」
「道が開きましたね……行きましょう!」
「ああ!」
 そこに生じた間隙を見逃すことなくガーネットとケイは前進した。――2人は視線の先に闇の支配者たる猟書家の姿を捉える!
「スゥー……ッ」
 調息。ケイは呼吸を整える。血流に乗せて全身へと氣を巡らせるイメージで、その身体の隅々まで力を行き渡らせた。【退魔集氣法】!
『ははは』
 だが、2人がサイビアの姿を捉えたその瞬間である――Blink!その姿が突如として掻き消えたのだ!
「……ッ!」
 Blink!次の瞬間、サイビアが出現したのはガーネットの真横!即座、鋭く重い拳打が彼女を襲った!ガーネットは咄嗟にステップを踏んで躱しながら、間合いを整える。
『躱したか――面白い』
 サイビアはすぐさま反転する!Blink!再び消失した姿は、一瞬の間を置いてケイの眼前へと現れた。
『貴様はどうだ?』
「くッ!」
 ケイは素早く身を躱し、サイビアの拳打を掠めるにとどめた。鋭い一撃に緊張が走る。
「集氣法をもってしてもこちらを上回っているとは……さすがは猟書家といったところでしょうか」
 特殊能力だけではない、卓越した戦闘技術!武の道を修めたケイの五感をもってしても、格闘術の使い手としてのサイビアは自身と同等以上の技量をもつ――即ち、強敵であると理解できた。
「はッ!」
『その気迫、快い』
 しかし、如何に敵が強いとしても怯むわけにはいかない。ケイは蹴り足を跳ね上げた。しかし、それを叩き落とすようにサイビアは鋭いハイキックで迎撃する。蹴り足が交錯するようにぶつかり合い、そして反動で互いに後退。再び間合いを取りながら、2人は仕掛けるタイミングを伺いあう。
「単独での力も相当のもののようですね……」
「だが、我々は一人ではない!」
 ここでケイと入れ替わるようにガーネットが前へ出た。薙ぐように振るった指の先から延びるスラッシュストリングがサイビアに襲い掛かる!
『く、は。ははははは。はははははははは!……仲間。絆。友情。思い出す。その口振り、笑わせる。かつて余を屠りしルトラの騎士ども――奴らによく似ている』
 Blink!しかしサイビアは再び短距離空間転移によってその姿を消失させる――。
「生憎だな。私はルトラの騎士ではない」
『ならば聞こう。何者だ』
 Blink!再び現れたサイビアはガーネットの正面! 
「灰色の薔薇の血族、と名乗っておこうか!」
 頭部を狙う鋭い指先をガーネットは素早く身を屈めて躱す!
『いいだろう、薔薇の血族――ならば、ここでその花を散らすがいい』
「ぐあ……ッ!」
 ――追撃の蹴り足ッ!強烈な一撃にガーネットの身体が吹き飛んだ。二度三度と岩の上を転がり、その威力の凄まじさを物語る!
『とどめを――』
「猟、書家ッ!」
『……なに?』
 更なる攻勢をかけようとしたサイビアへと、黒く濁った怨念塊が襲い掛かる!――それは、クロリアの励起したユーベルコードだ。
「お前のせいで!1週間!私はダンスができなくなった!」
 【蠱の犠牲】――。踊るという行為に命を燃やす彼女が、それを封じるという代償を払うことで発揮される力である。踊るという行為を封じられた恨みを力へと転換する呪詛の一種なのだ。
『そうか』
「許せない!絶対に許せない!」
『そうか』
「償え!命で償えぇ!!」
 激昂!吼えるように怒りを露わにするクロリアの激情とともに、怨念塊がサイビアへと迫る!
『――くだらん』
 しかして、猟書家は嘲笑う。
『実にくだらん』
 怨念塊はサイビアへと襲い掛かり、呪詛の力を以ってその存在核を蝕むように攻撃した。――サイビアはそれに抗う素振りすら見せない。
『“1週間”だと?その程度の代償で得た力が余に及ぶなどとよくも思えたものだ。余を侮っているのか――斯様な力、精々足止めにしかならぬ』
 そして、振り払う――しかし、次の瞬間である!
「いいえ。誰もあなたを侮ってなどいません」
 怨念塊を振り払ったサイビアの背後で、ケイの声がした。
『なに……、ッ!』
 クロリアの怨念塊へとサイビアが意識を向けていた時間は、ケイが仕掛けるのに十分な隙となっていたのだ!気付き振り向いた時には既に遅い。その手の中に束ねた陽の氣を、ケイはサイビアへと叩き込んだ!
「そして――あなたの相手は猟兵だけではない事をお忘れなく」
『む、う――!』
 インパクト!爆ぜる氣のエネルギーに押し込まれるように、サイビアの躯体が小惑星の地表を後退する!
 ――戦況が、傾き始めた!
「今です!怪人の皆さん!」
『ま、まだ働かせるハモノ!?』
 更にそこで押し寄せる牛刀怪人たち!怪獣軍団を処理し終えたビスマスがこちらへと向かわせたのだ。
 ビスマスの号令に従って、どたどたと駆けこんでくる刃物怪人たちは物量でサイビアを抑え込みに行く!
『ヌウ、ッ!貴様ら――どこの星の者だ!』
『千葉県ハモノ!』『ご当地魂なめたらあかんハモ!』
「よし――今ですよ!」
「ああ、ようやくチャンスが巡ってきたようだな――チーム・ネオジェネレーションの諸君!」
 ここでガーネットが通信機へと呼びかけた。
『おっしゃ、出番だな!いこうぜカッツ兄!』
『調子に乗るな!……落ち着くんだ。さあ、仕事を果たすぞ!』
 呼びかけに応じて顔を出したのは、チーム・ネオジェネレーションの鎧装騎兵たちだ。彼らは猟兵たちの作戦で、カージュ・ハカヴァの墓標めいたスペースシップの残骸の中に潜んでタイミングを計っていたのである。
『ロッソスフィアブラスター!』『ブルストリームショット!』
 ミナード兄弟のマシンが、最大出力のビーム兵装を起動させた!赤と青の光が、膨大な熱量を伴ってサイビアへと注がれる――!
『グアーッ死ぬハモノ!』『千葉の刃物をよろしくハモノーッ!』
『ヌ、ウ――』
 巻き込まれたご当地怪人軍団と共に爆炎に包まれるサイビア!ミナード兄弟が声を揃えて『やったか!?』を叫ぶ!
 しかし――!
『……この程度の、パワーで。余を撃ち滅ぼせるなどと』
 立ち上る噴煙の中で、サイビアは尚も立っていた。
「当然、思ってなどいない!」
 だが、それを予期していたガーネットが既に行動に移っていたのである。サイビアが態勢を立て直すよりも速く、彼女は近接戦闘の間合いにその姿を捉えていた。
『は、は――ははははは!再び来たか、薔薇の血族!』
 その接近の気配に気付き、サイビアは迎え撃つべく態勢を――
『よかろう、もう一度――……なに?』
 ――否。立て直せない!
「償え……償え!償え!償えええええ!」
『これは……ッ!』
 サイビアの四肢には、黒く粘つく呪詛の念がまとわりついていたのだ!一度は振り払われながらも、尚も激情に呪詛を叫び続けたクロリアの怨念塊である!
『侮っていたのは、余の方であったか』
「そうだ、侵略宇宙人。……我々を甘く見たのが、あなたの敗因だ!」
 ガーネットの握り込んだ拳の先が、赤く光を帯びる。エーテル光の輝きだ。そしてその光と共に打ち放たれる拳は宇宙拳法の一種であり、卓越した宇宙カラテの技術が生み出す必殺拳であった!
「いくぞ――穿ち、砕くッ!」
 【烈紅閃】ッ!
 紅色の軌跡を描いてサイビアの胸郭を捉えたガーネットの拳が、その躯体を軋ませながら跳ね飛ばす!
『む、うう――ッ!』
 轟音ッ!!そして衝撃に飛ばされたサイビアの身体は、カージュ・ハカヴァに突き立つスペースシップの残骸へと背中から叩きつけられたのである!
『……よもや、これほどまでとは』
 だが、サイビアは嗤った。
 受けたのは、決して無視できないダメージだ。しかし――まだ、致命傷には至ってはいなかった。スクラップ装甲板へと打ち付けられるようにめり込んだ身体を引きはがす。
『く、く。ははははは。……そうでなくては。そうでなくてはな。』
 愉しむように、サイビアは嗤い続ける。そうして再び小惑星へと降り立ち、猟兵たちへと対峙した。
『……さあ、続けるぞ。余の侵略は、まあ潰えてはおらぬ』
 猟兵たちが目にする猟書家の頭部の明滅する発光器官に、その侵略の炎は未だ燃えている――戦いは、続くのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

鈴桜・雪風
主将格の周囲には、まだ相応の規模の兵力が健在……
サイビアの指揮で十全に動かれると非常に厄介ですね
「では、まずは場を整えましょう。軍団を相手にするなら、戦場そのものを支配せねば」

【浄化結界・桜夜】を起動
敵兵団と我々を取り囲むように桜の巨木(恐らくスペース桜の木的な何か……)が出現
敵全体を弱体化する術を仕掛けます

そして自身は、舞い散る桜吹雪を目くらましにサイビアに接近戦を仕掛けましょう
高速飛翔と射撃攻撃は厄介ですが、相手には軍団を指揮するという縛りがあります
戦場に動きがあれば意識がそちらに割かれましょう
「その一瞬の空白があれば、わたくしには十二分です」
先の奇襲のお返しと参りましょう


ミスタリア・ミスタニア
へっ、あいつがボスか。相手にとって不足なしだなっ!
だが、軍団がまだ邪魔だな
チッ、仕方ねぇな。まずはこいつらをどうにかするか
お、あのスペースシップはまだ辛うじて動力が、コアマシンが生きてるか?
なら、ひよっこ!少しの間の護衛頼むぞ!
スペースシップ残骸の外壁に降り立って、動力ケーブルをメガビームランチャーに接続。まだ死んでない動力からエネルギー供給開始だ!
よし!ひよっこ、間接照準のスポッターもやれ!
【メガビームランチャー・オーバードライブ】っ!チッ、外部動力が不安定だな。鎧装の動力も生命維持分を残して砲に回してやる!
エネルギー充填、ドライブ完了っ!照準データ確認!これで、いっちまえよやぁぁぁぁぁぁ!


アイ・リスパー
「あれが猟書家ですね!
いきますよ、ティターニア!」

【強化外装】でティターニアをパワードスーツとして装着。
さらに宇宙船に通信で呼びかけます。

「整備士の皆さん、例のものを!」

宇宙船から射出されてきた機動戦車オベイロンと【夏の夜の夢】で合体。
パワーアップしたパワードスーツで猟書家と戦闘です!

「この形態の火力、先程までと同じと思わないでくださいね!」

レーザーガトリング、ロケットランチャー、ミサイル、荷電粒子砲などの武装で一斉攻撃です!
これで敵が呼び出した侵略宇宙人と宇宙怪獣を倒しましょう!

「とどめです、行きますよ、ティターニア、オベイロン!」

荷電粒子砲をプラズマブレードモードにして、猟書家へ攻撃です!



 カージュ・ハカヴァの地において、猟書家・無間のサイビアとの戦いは続いている。
「あれが猟書家ですね!」
 アイ・リスパー(f07909)は宇宙を駆ける。小型戦闘艇ティターニアをパワードスーツ状に変形させた外部装甲を鎧装のように身に纏い、アイは高機動戦闘に対応した形態をとりながらカージュ・ハカヴァへと向かっていた。
「猟書家……へっ、あいつが軍団のボスってわけか。相手にとって不足なしだなっ!」
 アイに並ぶようにプラズマジェット推進の光を残しながら機動するミスタリア・ミスタニア(f06878)は、小惑星の中央に佇むサイビアの姿を捉える。
「いきますよ、ティターニア!」
「出力上げてくぞッ!こっからが本番だ!」
 カージュ・ハカヴァの地に突き立つスペースシップの残骸をすり抜けながら、2人はサイビアのもとを目指す。
『来るがいい。――迎え撃ってくれよう』
 しかし、猟書家は嗤う。接近する2人の姿を仰ぐサイビアは、その手の中に侵略蔵書を開いた。そして――。
『起て。我が軍団よ。恨み、呪い、怒り、狂い嘆き猛り吼えよ』
『ガァアアアァッ!』
『ギュロギュロギュロギュロ!』
 咆哮が交差する。宇宙に響き渡る怪獣たちの雄叫び――!再びその姿を現した侵略軍団が、再び猟兵たちを迎え撃つべくして戦域に展開する!
「チッ、さっきあれだけ遊んでやったっつうのに……また出てきやがったか」
『グアアアアガ!』
 溶岩怪獣マグマーゴは咆哮と共に熱を吐き出した!高熱の溶岩熱線だ!それに続き、電光怪獣ジゴボルガスが電光を放つ!ミスタリアとアイは咄嗟の回避機動でそれを躱しながら、態勢を整えた。
「あれが無尽蔵の兵力……侵略蔵書の力ですのね」
 ――そして、カージュ・ハカヴァの地に再び満ちた侵略軍団の姿を、鈴桜・雪風(f25900)は見ていた。
「主将格の周囲には、まだ相応の規模の兵力が健在……というわけですか。サイビアの指揮で十全に動かれるなら、非常に厄介ですね」
 雪風は思考する。この“事件”を解決するためには、如何なる手を打つべきか――。
「仕方ねぇな。まずはこいつらをどうにかするか!」
「そうですね――では、まず私が飛び込みます!」
 その一方、ブースターを吹かしながら宙を舞うアイとミスタリアは、ターゲットの分散化を兼ねて2手に分かれる策を取った。
「おいおい、真正面からかよ!」
「はい!こちらの計算なら、押し勝てるはずです!」
 アイは推進機の出力を更に上昇させ、加速しながら侵略軍団のもとへと向かった。
「――整備士の皆さん、例のものを!」
『了解!小規模ワープドライブゲート、解放!今からそちらへ送ります!』
 その最中、アイはブルースフィアで待機する整備スタッフへとコールをかける。応じて内部のスタッフたちが素早く作業を開始した。
『機動戦車オベイロン、射出!』
 そして、格納庫でスタンバイさせていた機動兵器を射出させる!小規模ワープドライブゲートを飛びこえ、開いた門から機動戦車オベイロンが飛び出した!その車体は侵略宇宙人を引き潰しながら戦場へと到達する!
「きましたねオベイロン!では、いきましょう!フォーメーション・ミッドサマー!」
 続けてアイは展開した電脳空間の中でコードを打ち込んだ。合体プログラム始動――アイの操る2台のマシン、ティターニアとオベイロンはその形を変え、一度無数のパーツへと分離したかと思えば再度寄り集まり、アイを中心として新たな戦闘形態を組み上げる!
「ビルドアップ!フェアリーズアーマー!」
 【夏の夜の夢/ナイト・ドリーム】――それはアイの呼び出した2台のマシンを合体させることで、戦闘用パワードアーマーを組み上げる戦闘コードである!
「この形態の火力、先程までと同じと思わないでくださいね!」
『グオォォン!』
『バギュラバギュラバギュラ!』
 戦闘形態を移行し火力を増大したパワードアーマーの出力で、アイは怪獣軍団へと切り込んでゆく!無数の兵装が砲門を開き、そこから放たれる光と弾丸が怪獣たちの躯体を叩いた!
「ハッ、なるほどな……そういう算段か。いいぜ、なら前は任せてやる!」
 一方、ミスタリアは推進方向を変えて上方へと逃れる。彼女が目指した先は――林立するスペースシップの残骸の中のひとつであった。
 ミスタリアはスペースシップの残骸に取り付き、そして鎧装付属のデバイスでエネルギー反応を確認する。――微弱ではあったが、ミスタリアはそこにまだ駆動可能なコアマシンの反応を捉えた。
「よし……いいぞ。辛うじてだが、こいつはまだ動力が……コアマシンが生きてやがる」
 続けてミスタリアは、携行した大型ビーム砲から動力ケーブルを伸ばす。そして、スペースシップの残骸へと繋いだのである。
「寝てるトコ悪いな。起きてひと働きしてもらうぜ」
 ガンッ!ミスタリアは裏拳でスペースシップ残骸の壁面を叩く。その衝撃が目覚めさせたか、コアマシンよりビームランチャーへとエネルギー供給が開始される。
「よし――おい、ひよっこ!クソAI!聞こえてっか!」
 更にミスタリアは通信機へと向けて怒鳴った!
《もちろんだとも先輩。こう見えて私は社交的で愛想がいい》
『こちら鎧装騎兵隊、アース!現在、敵宇宙怪獣軍団と交戦中!』
 通信機を介して届く返答は、チーム・ネオジェネレーションのメンバーであるアースと彼の鎧装に搭載されたAI・クロスの人工音声だ。
「それ一旦止めてこっち来い!少しの間でいい、護衛頼むぞ!」
 ミスタリアは彼らへと向けて容赦なく指示を飛ばした。
《実に光栄な申し出だ。いくぞアース。先輩を待たせるもんじゃない》
『無茶苦茶な……!わかりました、すぐ行きます!』
「ああ、一発デカいのカマしてやるからな。喜べよひよっこ。お前に手伝わせてやる!」
 短いやり取りを経て、アース・ラオッゾのユナイテッドクロスがミスタリアのもとへと急行する――。
 それを待つ間、ミスタリアは油断なく視線を鋭く巡らせて、戦況の推移を見逃さぬよう努めていた。

 ――しかし、事態は膠着状態に陥りつつあった。
『グォォォム!』
「わ……っ!」
 突進!砲火の中を潜り抜け、アイのパワードアーマーへと激突したのは岩石怪獣ガダイガーだ!
「私のアーマーを押し返そうっていうんです!?なんてパワーですか!」
『ガオォォォン!』
 ここカージュ・ハカヴァの地は侵略軍団の怨念が色濃く残る邪悪な宙域である――。そこに立つ侵略軍団は、その怨念によって力を増していたのだ!そのパワーは、ユーベルコードを励起したアイのパワードアーマーを相手取って尚拮抗に持ち込むほどである!
「……なるほど。やはりこの場は敵地。いわば敵にとってのホームということですわね」
 ここで、雪風は動き出した。
「そして、この地に色濃く残る怨念こそがその力の源……だとするならば」
 ちり、ん。――涼やかな音色が、宇宙に満ちるエーテル物質を震わせて響く。
「場を、整えます」
 そして、鈴の音に乗ってその霊力が伝播した。
 桜の精としての霊力は戦場全域へと広がりながらカタチを成してゆく――それは、小惑星岩塊より生えるスペースブロッサムとして顕現した。
『……カセイヨシノ、だと?』
 些かの不快感を含みながら、サイビアが僅かに零す。――カセイヨシノとは、かつて星々のあった時代のスペースシップワールドで発達したコスモバイオロジー栽培技術によって生み出された、宇宙環境下に適合したスペースブロッサムの一種である。
『ガ……ア?』
『ギュロ、ギュロロ……』
 突如として出現したスペースブロッサムの咲き誇る姿に、宇宙怪獣たちが困惑の表情を見せる。
「妄執も、怨念も、ここで幕引きと参りましょう。道案内は承りますわ」
 そして、散る桜吹雪は仄かな温もりを降らせる。それは癒しと転生を司る神秘。カセイヨシノの花を介して顕現した、サクラミラージュの幻朧桜がもつ霊力の発露だ。
『ギ……』
 怪獣たちの動きが鈍る。――その肉体を突き動かしていた怨念という情動が、桜の霊力によって削がれたのだ。
「皆様、今ですわ」
「わかりました!押し返しますよ!」
 その瞬間である!アイのパワードアーマーが再び出力を上昇させた。岩石怪獣ガダイガーを押し返し、更に追撃のミサイルを叩き込む!
「よし……こっちも準備完了だ。ひよっこ!クソAI!間接照準のスポッターやれ!」
『りょ、了解!』
 続けてスペースシップの残骸上より、エネルギー充填を完了させたミスタリアがメガビームランチャーを構えた――その照準は、猟書家・無間のサイビア率いる侵略軍団を捉える!
「チッ、外部動力が不安定だな……流石に無茶があったか。しょうがねぇ、こっちの動力も回すしかねぇな!」
 流石に動力源にしたコアマシンが少々年代物過ぎたか。ミスタリアは舌打ちしながらも携えたビームランチャーへと更に鎧装の動力炉を接続する。――これで出力は安定。進路クリア。エネルギー充填、ドライブ完了。
「照準データ確認……これで、いっちまえよやぁぁぁぁぁぁ!」
 そして、トリガー。
 【メガビームランチャー・オーバードライブ】――ッ!経年劣化による老朽化があったにせよ、スペースシップ一隻分のエネルギーを充填した一撃だ。放たれたエネルギーの奔流は、極大威力の光線となって迸り、侵略軍団の宇宙人や怪獣たちを呑み込んでゆく!
『ギャアアア……ッ!』
『ガオオオ――』
『ヌウ……ッ!』
 激流めいて邪悪を押し流す光の奔流は、サイビアの身体もまた呑み込んでいた。激しい熱と光に苛まれ、猟書家の躯体が白く染め上げられる――!
『に、ん、ゲん、如き、が…………は、はは。よくも、やる!』
 だが、その力を真正面から浴びて尚、サイビアは嗤っていた!
「野郎、まだ生きてやがるのか!」
「ですが、もうそこまで余裕はないはず!……とどめです。行きますよ、ティターニア、オベイロン!」
 ここで更に追撃をかけるべく、アイのパワードアーマーが加速した。鉄の躯体が推進剤を燃やし、凄まじい速度で真正面からサイビアへと間合いを詰める!
「プラズマブレードっ!」
 その腕に携えた荷電粒子砲が、形を変える。近接戦闘に対応するプラズマブレード形態だ!アイは正面から斬り下ろすようにプラズマ刃を浴びせかける!
『甘いッ!』
 迎撃ッ!プラズマブレードの刀身へと、激しく発光するプラズマがぶつけられたのである。交錯する二つのエネルギーに、閃光が爆ぜた!
『真正面から余を下すことなど、貴様らにできようものか』
「ええ――そうでしょうね。あなたは、とても強く在りますから」
『……なに?』
 しかし、次の瞬間である――サイビアの側面。死角より届く声。それと同時に、鋭く殺気が迫る!
「ですから、こちらも付け入らせていただきました」
『ム……!』
 プラズマの爆ぜる光と舞い散るスペースブロッサムの花弁を目隠しに、サイビアの間近まで雪風が密やかに詰めていたのである。
 その手には仕込み傘。覗く刀身がぎらりと光る。
「その一瞬の空白があれば、わたくしには十二分です」
『グオ……ッ!』
 閃。昇るように奔った白刃が、サイビアの躯体へと縦一文字の傷を刻みこむ。
「――ここです!」
「はい!」
 そして雪風は後退した。入れ替わるように再び前進するアイが、プラズマブレードの刃を薙ぐ!
『ガ……ッ!』
 刻まれた傷跡から、光が洩れる。プラズマフォトン光子の光だ。それはいわば血液や体組織の役割を成す、サイビアの躯体の大部分を構成する極大エネルギー物質であった。
 傷を負ったサイビアは、態勢を立て直すべく一度後方へと下がる。
『はは、ははは。良い。やはり貴様らは素晴らしい戦士だ。余が全霊をもって滅すに相応しい。貴様らは同じだ。かつて余らを滅ぼせし光の者どもと同じだ。滅ぼさねばならぬ。滅さねばならぬ。尽く灼き尽くし殺し尽くし滅ぼし尽くさねばならぬ』
 既にその躯体には多くの傷が刻まれ、猟兵たちとの交錯によって与えられたダメージは既に深刻な段階にまで達していた。
 しかし――その戦意は未だ尽きることなく、猟兵たちへと対峙し続けている。
 まだ、その意志を折るつもりはないのだ。――かくして、サイビアとの戦いは続くのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
普通に戦って勝てる相手じゃなさそうだね
だからちょっとズルさせてもらうよ!

ウィーリィくんが注意を逸らしている間に【援護射撃】するフリをして移動しながら【罠使い】+【ロープワーク】で極細のワイヤーをボクたちの周囲に張り巡らせ結界を作る
準備が整ったらウィーリィくんにアイコンタクトで合図して挑発してもらい、ボクはジュードくんと一緒に残骸の陰で敵がテレポート攻撃を仕掛けるのを待つ
万が一ボク達の方にテレポートしたらブランダーバスの【零距離射撃】+【範囲攻撃】+【弾幕】+【クイックドロウ】で迎撃
姿を現したら攻撃を受けたところへ罠を発動させて絡め取って動きを封じ、三人で一斉攻撃だよ!


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
【物を隠す】でシャーリーの罠から目を逸らしつつ大包丁の斬撃の【衝撃波】で牽制しながら少しずつ後退し、残骸にぶつかって退路を断たれた状態で奴を挑発し、俺に対し攻撃するよう仕向ける。
「借り物の言葉と力しか振るえない、それが猟書家なのかい?」
危険は承知。決めるぜ、【覚悟】。

奴の殺意を【見切り】攻撃する方向を先読みし(残骸を背にしているから転移する方向は限定されている)瞬間移動したところへ【刀工一閃】を【限界突破】させた【早業】で奴の攻撃を上回るスピードで【カウンター】を繰り出す。
そして動きを止めてシャーリーの罠で捕縛し、ジュード、シャーリーの攻撃と合わせて大包丁の【二回攻撃】を繰り出す!


メナオン・グレイダスト
・SPD
【血反吐】

アレが猟書家であるな。成る程、恐るべき力だ。
…我輩も加勢する。アレを討つには戦力が必要であろう?
(…しかし、この世界に感じる奇妙な感覚。考えるのは後回しにするが…)

かの敵は脅威そのもの、だが…我輩は独りではない。ならばやりようはあるはずだ。

まずはアレの力を削ぐ。全力で挑む。
【グレイダスト・オーバーロード】…!
外套を翼状の推進器と化して飛び回り、近接戦闘に対応する。
装備や能力の不足は否めず、力負けはするだろうが…、
極限の瞬間思考で追随し、手足や胴が砕かれようとその都度、生成・増幅させた灰色砂塵で補って戦い続けてやる。

灰色の魔王を阻むこと能わず。お前が何者であろうと――跪けッ!!



『はアッ!』
『ぐあああああああッ!』
 衝撃!鎧装騎兵ジュード・ハマダの搭乗型鎧装、ジークフリードの機体が吹き飛ばされ、背面部からスペースシップの残骸へと叩きつけられる!
『それで終わりか、今世のルトラ騎士』
 Blink!空間を裂くテレポート能力!無間のサイビアは続けてジュードの眼前へと迫る!
『くッ……!こいつ、強い!』
 しかし、ジュードは咄嗟にペダルを踏み込みながら操縦桿を素早く倒した。緊急回避!強引な機動で辛うじて側面に逃れる。サイビアが薙ぎ払った蹴り脚は鋭く疾り、その余波でスペースシップの残骸が真っ二つに裂けた。
「アレが猟書家であるな……成る程、恐るべき力だ」
 メナオン・グレイダスト(f31514)はその暴威に息を呑む。デビルキングワールドに君臨する魔王のひと柱である彼の目からしても、サイビアの戦闘力は驚異的だ。
「ああ、まともじゃないぜ」
 ウィーリィ・チゥシャン(f04298)はサイビアの姿を仰ぎ、そして睨む。
「うん……普通に戦って勝てる相手じゃなさそうだね」
 シャーリー・ネィド(f02673)もまたそこに並び、敵の戦力を分析していた。
「……我輩も加勢する。アレを討つには戦力が必要であろう?」
「ああ、助かるぜ」
「うん。力を合わせていこう……大事なのは結束(ユナイト)だね!」
「うむ。かの敵は脅威そのもの、だが……我輩らは独りではない。ならばやりようはあるはずだ」
 猟兵たちは頷きあい、そして頭上に浮かぶサイビアを仰ぐ――しかし!
『――では、どうするというのだ?』
 Blink!彼我の距離を零へと縮める空間転移の力が、サイビアを瞬時に猟兵たちの目前へと至らせる!プラズマ光を纏うサイビアの腕が、シャーリーを狙った!
「ッ!」
「退け!」
 だが、そこにメナオンが割って入る!爆ぜる閃光!プラズマが襲いかかり、その肉体が弾ける!
『手応えが浅い――何者だ、貴様』
 だが、サイビアは訝しむ。
「……我輩は」
 砕けたメナオンの破片はざらと音をたて灰色の砂塵と化す。そして逆回転映像のようにその砂粒は寄り集まってメナオンの身体を再構成したのだ。
「灰色の、魔王……」
『ほう――砂袋風情が、随分な名乗りをあげるものだ』
 ざッ!メナオンは素早く下がり、サイビアとの間合いを開いた。
「だあッ!」
 その時である――側面!風を切る刃が裂帛の気合と共にサイビアを襲う!ウィーリィの大包丁だ!
『賢しい!』
 しかし、サイビアは刃へと向け手刀を振り上げた。ギィンッ!ぶつかり合う大包丁とサイビアの腕が衝撃で互いに弾かれる。
「くそ、流石に軍団の親玉なだけあるな……!」
「だが、我輩らはやらねばならぬ。勝たねばならぬのだ」
 間合いを開いたメナオンとウィーリィは、サイビアから視線を外すことなく次なる一手のタイミングを測る。サイビアは黒く殺気を湛えながら、静かに嗤った。
『やってみるがいい。……できるものなら』
 殺気が再び膨れ上がる。襲いかかる強烈なプレッシャー……だが、猟兵たちはそれに耐え、真っ向から対峙する。
「ゆくぞ。まずはアレの力を削ぐ」
「ああ。いくぜ!」
『ははは。はははははは!』
 そして――交錯!
 真正面から飛び込んだメナオンは、その躯体を半ば砂塵と化しながらサイビアへと襲い掛かった。【グレイダスト・オーバーロード】。メナオンはその精神をより戦闘に適したかたちへと変えながら喰らいつくようにサイビアへと仕掛けてゆく。
 負けじとウィーリィも刃を振るった。メナオンが注意を引く一方でウィーリィは素早くサイビアの死角へと回り込み切先を跳ね上げる。
 しかし、いずれの攻め手もサイビアに致命打を突き入れるには足らない!その膂力と戦闘技術、そしてテレポートと織り交ぜた超次元殺法は苛烈であり、付け入る隙を見せないのだ。
「く……ッ!」
 サイビアの腕がメナオンの頭部を掴んで握り潰す。爆散する砂塵――!だがメナオンはすぐさま破片を再構成して踏みとどまる。
「ッおお!」
 踏み込んだウィーリィが大包丁を振り上げた。サイビアは蹴り脚で刃を弾き、そして嘲笑う。
『ははははは。もはやエアダクトの宇宙鼠ではないか』
「流石に……強い」
「はァ……はァ……なめやがって……!」
 サイビアは高い戦闘能力をもつ、猟書家の中でも屈指の実力者であるといえた。追い立てられるように押し込まれたウィーリィとメナオンの背に、スペースシップの残骸が冷たく触れる。
「だけど……、そうは粋がってもさ、アンタだって、フォーミュラの手下なんだろ」
 しかし、ウィーリィは一欠片たりとも恐れることなく挑発めいた言葉を投げかけた。
『なんだと?』
「アンタの自慢の軍団だって、『侵略蔵書』ってやつが無きゃ呼べないんだろう?……借り物の言葉と力しか振るえない、それが猟書家なのかい?」
 わかりやすいまでにあからさまな侮辱――見え見えの挑発だ。乗ってくるかどうかは、ウィーリィの賭けでもあった。
『は、はは』
 僅かな沈黙を置いて、サイビアが笑う。
 そして。
『気に入った。貴様は念入りに殺してくれる』
 殺気が、膨れ上がった。
 Blink!サイビアの身体が消える。そして、その姿は続け様にウィーリィの眼前!
「……見えた!」
 だが、ウィーリィは躱す!怒りに鈍った技は、その拳筋を鈍らせていたのだ。素早い身のこなしで身体を低め、サイビアの拳を避けたウィーリィはその手に力強く大包丁の柄を握る!
「おらァッ!!」
 同時に、白刃が閃く――【刀工一閃/クイック・クッキング】!包丁の刃が、サイビアの躯体を捉えた!
『グ、オ……!!』
 傷口から散る火花。衝撃に呻き、サイビアの躯体が揺らぐ!
「今だ――シャーリー!」
「うん!準備バッチリだよ!」
 その時である!スペースシップの残骸の影から、シャーリーが飛び出した!その指先にはサイキックを束ねた超光子フォトンワイヤー!シャーリーが指を引いたその瞬間、サイビアを囲むように光の糸が結界めいて張り巡らされた!
 ――猟兵たちはあらかじめ示し合わせていたのだ。それもすべてサイビアをこのトラップエリアへと誘い込み、その動きを止めるための作戦だったのである。
『ム、ウ――!余を罠にかけるか!』
「まともにやりあって勝てるなんてはじめから思ってないからね!だからちょっとズルさせてもらったよ!」
 シャーリーは糸を繰り、光糸結界を狭めた。サイビアの身を拘束するように、ワイヤーがその躯体を戒める!
『小賢しいッ!』
 だが、サイビアはその全身に内包したプラズマフォトンのエネルギーを高める。並のワイヤーであれば2秒で蒸発するその膨大な熱量が、シャーリーのワイヤーに抗おうとしているのだ。
「そうは……させん、ッ!」
 ざ――ッ!パワーを高めるサイビアへと、纏わるように砂塵が襲い掛かった!
『貴様――砂袋ッ!』
「灰色の魔王を阻むこと能わず。お前が何者であろうと――跪けッ!!」
 咆哮!気迫とともにメナオンはその肉体を構成する灰色砂塵でサイビアを責め苛んだのだ。荒れる砂塵がサイビアを怯ませ、その戒めの結界の中へと押し止める!
『グ、オ……――!』
「このまま一気に決めるぞ!……ジュード!お前もいけるか!」
 ウィーリィは刃を握るその手に再び力を込めた。そして、宇宙を仰ぎ見ながら叫ぶ!
『ああ――いけるッ!』
 応じる声と共に、鋼の機体が降下する。――ジュード・ハマダの鎧装、ジークフリードだ!
「来い、詰めを任せる!」
「よし……合わせていくぞ!」
「うん!」
『ああ!』
 ウィーリィが走った。入れ替わるようにメナオンが退き、駆け抜けるウィーリィがすれ違い様にサイビアへと再び斬閃を叩き込む!
『ヌ……ッ!』
「ボクの生まれたこの世界、侵略なんてさせないよ!」
 続けざまに銃を抜くシャーリーが引き金を引いた。スターボースプラッシュ!爆ぜるように広がる光の散弾が、サイビアの躯体にぶち当たって炸裂した。
『そうだ……俺も戦う!鎧装騎兵として、ルトラ騎士として!』
 ジュードは操縦桿を押し込み、ジークフリードの出力を上昇させる。開かれる砲門へと、光が満ちる!
『レイジングバーストォォォォォ!』
 そして――閃光!
『グ、オオオオオオオオッ!』
 激しい熱と光の中に飲み込まれながら、サイビアが苦悶に呻く――そして、爆発!
「どうだ!」
「……まだ油断はできぬ」
 立ち上る爆炎――猟兵たちは、その炎が弾ける光景を、固唾を飲んで見守る。
 しかし――その中に、影が揺らめいた。
 炎と煙の中、立ち上がる漆黒の躯体。輝く頭部の発光器官。
『ハ……ァ、ッ!は、はは、はははははは……ははは!』
 宇宙を震わすように響く哄笑。
 数多の傷を負いながらも尚、侵略者は立つ。
『戦士たちよ。……余は、歓喜している。驚愕している。激怒している』
 そして猟書家・無間のサイビアは、猟兵たちへと対峙しながら、嗤った。
『塵芥に等しき者共がよくも余をこうも押し返す。見事だ。だが、赦さぬ』
 サイビアの頭部の発光器官が、その激情を示すように更に強く光を讃える。
 小惑星が揺らぎ、宇宙を満たすエーテル物質が震える。――手負いとなりながらも、サイビアは一層その戦意を高めていた。
『貴様らは、必ずや余が手ずから殺す』
 かくして、戦いは佳境へと入ってゆく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ミスト・ペルメオス
・SPD

…アレか。
やるぞ、ブラックバード…!

引き続き、愛機たる機械鎧を駆って戦闘。
ヘルム等を介して念動力を活用、機体のフルコントロールも継続。

敵が如何に強大な力を誇ろうと、ここまで来て今更怖気づくことはない。
やることは何も変わらない……アレを討てば済むことだッ。

鎧装騎兵の本領、空間を自在に飛び回る超高速戦闘。
敵が繰り返す空間跳躍は厄介そのものだが――巨大なエネルギー反応、捉えられない訳ではない。
射撃武装で弾幕を張り牽制、掻い潜られればビームブレードで応戦。
機体の片腕・片脚程度は覚悟の上、カウンターを仕掛ける。斬撃と至近からの射撃を叩き込んでやる!

【“黒い鳥”】が、容易く墜とされると思うな…ッ!


天城・千歳
●プレイング
【SPD】
アドリブ、絡み歓迎

短距離転移と組み合わせた近接格闘は確かに強力ですが、転移時に発生する空間歪曲と重力変化を観測された場合、転移直後を狙われるんですよ

サテライトドローン群を戦場を囲う形で球形に展開、広域観測網を形成。
リモート義体はブルースフィアのオペレーター席を借りて、ドローン群及び本体、歩行戦車、歩行工作車のレーダー、各種センサーからの【索敵】【偵察】【追跡】による【情報収集】を行い【瞬間思考力】【戦闘知識】で状況を判断、UCによる演算を行い【誘導弾】の【一斉発射】による【範囲攻撃】での【先制攻撃】。
先制攻撃後はリモート義体の情報支援で鎧装騎兵隊との【集団戦術】で戦う。


ミーグ・スピトゥラス
●WIZ
アイツ、強イ
オレ、判ル
デモオレ達、負ケナイ

ダガ、マダ敵ガ多イ
アイツノ前ニ行クニモ面倒
ダカラ、オレ、アイツラヲ一網打尽ニスル
敵ガ態勢ヲ直ス前ニ、オ前タチハ進メ
オレモ後カラ追イツク

行クゾ、『破壊光線』!
一発撃ツト腹ガ減ルガ、【空腹耐性】デ耐エル
食イ貯メテタエネルギーヲ搾リ出シ、【限界突破】シタ連続発射デ陣形ヲ崩ス

ム、アレガ「無間のサイビア」カ
飛ブノナラ、オレモ翼ヲ広ゲテ飛ンデ、同ジ土俵ニ立ツ
ミーグ・ウイング!
更ニ腹ガ減ルガ、戦イガ終ッタラ、マグロ食ウ
沢山食エルカラ、オレ踏ン張ル
【空中戦】ヲシナガラ、光弾ヲ破壊光線デ迎撃スル
【怪力】デアイツヲ捕マエタラ、【零距離射撃】ノ破壊光線ヲ食ラワセルゾ



『ギュロロロロ!』
『ガアアアアッ!』
『バギャラララ!』
 咆哮が連鎖する。カージュ・ハカヴァに蔓延る侵略軍団は、激戦を経て尚そこで蠢いていた。
『……』
 そして――その首魁である無間のサイビアもまた、健在である。
「……アレか」
 駆動する機体のモニタ越しに、ミスト・ペルメオス(f05377)は闇の中佇むサイビアの姿を捉えた。
『こちら天城です。ブラックバード、こちらでも敵の反応を捉えました』
 ミストは天城・千歳(f06941)からの通信を受け取りながら機体を加速させる。それに並行するように、千歳の本体であるウォーマシン躯体が機動ユニットのブースターを吹かしながら飛んでいた。
「撃破目標……“無間のサイビア”は、前方およそ2800メートル先です」
「了解しました。では、仕掛けましょう」
 千歳は戦域全体を囲うように展開した情報収集用サテライトドローンによる観測結果を、データ集積拠点として定めたブルースフィアのメインルームへと集積して状況を判断する。構築した広域観測網は現時点においても有効だ。ドローン群は強力なエネルギーをもつ猟書家の反応を間違いなく捉えていた。
『ガァァァウ!』
『ゴゴゴゴゴガガガガガ!』
 だが――2人の行く手を阻むように、蠢く侵略軍団が炎を噴き出す!
 獄炎怪獣インフェルガー。電磁怪獣バリガンド。榴弾怪獣グレナガン!長距離攻撃の手段を持つ怪獣の群れが一斉にその火力を向けたのだ。炎の壁が遮るように、猟兵たちの進路を阻んだのだ!
「ち……ッ!」
「どうやら、この軍勢を退けなくては敵の元にはたどり着けないようですね」
 ミストと千歳は巧みに機体を繰り、弾幕めいて襲い掛かる怪獣軍団の攻撃を躱す。だが、敵の猛攻は彼らの足を止めるに十分な勢いをもって苛烈に攻め寄せていた。
(なら、強引にでも突破して――ッ!)
 吹き上がる炎を眼前に捉えながら、ミストは覚悟を決める――しかし、その瞬間であった。
「ガアアアアッ!」
『ガァアアアアアアアウゥゥ!?』
 響いたのは咆哮と、断末魔めいた悲鳴!獄炎怪獣インフェルガーが、食いちぎられた喉笛から燃ゆる血液を噴き出しながら斃れて絶命する。
「仲間割れ?――いえ、あれは!」
「識別ビーコンを確認しました。先ほども共闘した猟兵ですね」
 追撃!インフェルガーの躯体を蹴飛ばし、ミーグ・スピトゥラス(f24155)は続けざまに電磁怪獣バリガンドへと襲い掛かる!
「聞ケ!オ前タチ!」
 そしてミーグは、ミストと千歳の姿を仰ぎながら叫んだ。
「オレガ、コイツラヲ一網打尽ニスル!オ前タチハ進メ!オレモ後カラ追イツク!」
『ガギャアアアアアッ!』
 ミーグは更にバリガンドの身体を蹴って跳び、グレナガンへと鉤爪を突き立てる。
「了解しました。――先に行っています」
「必ず合流しましょう!」
 怪獣軍団を相手に立ち回るミーグの暴威を見下ろして、2人は頷いた。推進剤の燃える軌跡を残しながら、ミストと千歳は機体を加速させてサイビアのもとを目指す。
「アア……。任セロ!」
 ミーグは怪獣軍団へと対峙しながら、その身に蓄えたエネルギーで体内の光線ぶくろを活性化させる。
『バギュラバギュラバギュラ!』
『ギュルルルルルゴゴゴ!』
 ――ミーグの眼前には邪悪な怪獣軍団が集う。だが、ミーグはそれに物怖じすることなく真正面から対峙した。
 開いた顎の内側に、膨大な熱量と光が収束する。
「行クゾ……【破壊光線/ハイパービーム】ダッ!!」
 そして――迸る閃光。それは体内のエネルギー変換器官を稼働させて放つ、ミーグの必殺光線だ。その閃光は凄まじい破壊の力を伴いながら、怪獣軍団を呑み込んでゆく!

『――来たか』
「見えた……やるぞ、ブラックバード……!」
「こちら天城。ブラックバード及び、鎧装騎兵隊ネオジェネレーション各位へ。これより、作戦の最終段階へ移行します」
『ああ!』
『いくぜ!』
 一方――ミストと千歳は、その有効射程距離へとサイビアの姿を捉えていた。千歳からの通信を受け取って、鎧装騎兵隊の機体もサイビアとの交戦距離へ至る。
『侮るな。鋼を纏わねばこの宇宙に立つことすらできぬ脆弱なヒューマノイドどもめが』
 しかし――Blink!サイビアの姿が瞬間的に掻き消える。
「空間転移能力ですね。厄介な……データ解析、急ぎます!」
 ブルースフィアのメインルームにて、情報解析の役目を負った千歳のリモート義体はドローンから送られるデータを精査しながら叫ぶ。
『滅せよ』
「く――ッ!」
 Blink!眼前――!ブラックバードの正面に再出現したサイビアは素早く蹴り足を繰り出した!だが、ミストは咄嗟に操縦桿を倒して機動する。サイキック能力が敵意と殺気を敏感に感じ取り、彼に緊急回避を行わせたのだ。
『逃がさぬ』
 Blink!Blink!Blink!サイビアの躯体は再び消え、そして現れ、また更に消失する!連続した短距離空間転移を自在に繰り返しながら、サイビアはブラックバードの躯体を追う!
「ぐあ……っ!」
 ガァンッ!対応し回避動作を繰り返したミストであったが、サイビアの高速戦闘能力がブラックバードの機動性を上回ったのだ。遂にサイビアへとその躯体を捉えられる!強烈な打撃に装甲を砕かれ、ブラックバードの片足が千切れ飛んだ!
「流石、猟書家は伊達ではないということですか……!」
 コクピットの中で、ミストはモニターを睨む。――画面に表示されるアラート・メッセージ。戦闘継続は困難。撤退を強く推奨。制御AIが赤く警告文を躍らせる。
(敵が如何に強大な力を誇ろうと……ここまで来て今更怖気づくことはない!)
 ミストはアラートを一切無視して、操縦桿を押し込む手に力を込めた。
(やることは何も変わらない……アレを討てば済むことだッ)
『余を敵にした時点で、汝らの死は必定であったのだ。――すべてを諦め、滅びの運命に身を委ねよ』
 しかして、サイビアは更なる追撃のためにその手の中へとエネルギーを収束させる。プラズマフォトンの光が爆発的に膨れ上がり、激しく熱を帯びた。
『そうは――いくかよ!』
『ゼロス、俺もいくぜ!』
『ムウ――!』
 だが、その時――サイビアの身体で、光が爆ぜた!
「そのまま攻撃を続けてください!」
 千歳のナビゲートを受けた鎧装騎兵たちが、サイビアへの攻撃に参加したのである。
『――賢しいッ!』
 サイビアは腕で払いのけるように光を散らす!Blink――!そして同時に、その躯体を消失させた。再び空間転移の能力を用いて猟兵たちに逆襲を目論んだのだ!
「きた――ミストさん!カールさん、ゼロスさん!今送る座標に照準を!」
 その瞬間――ブラックバードとネオジェネレーションの鎧装のコクピットモニターへと、データが送信される!
「わかりました――こちらでも反応は掴んでいます!」
『いくぞ!ギャラクシークロスシュート!』
『ワイドゼロストリーム!』
 ドレッドノート・デバイスが照準し、虚空の一点へとブラックバードは銃口を向ける。追随するように、鎧装騎兵たちが火砲の筒先を定めた――奔る閃光!重なるように光が迸る!
 ――Blink!
『……なに、ッ!』
 そして――サイビアが再出現したのは、まさにその光が交差する空間であった!
『グ、オ……!よ、もや……余の動きを、見切ったというのか!』
「ええ、そうです」
 火砲の光に晒されながら困惑するサイビアへと向けて、千歳は静かに囁いた。
「空間転移と組み合わせた近接格闘……あなたの『超次元殺法』は確かに協力ですが――転移時に発生する空間歪曲と重力変化を観測された場合、転移直後を狙われるんですよ」
 千歳は展開した広域観測網によって、サイビアの空間転移に伴う空間異常を捉え、そして解析していたのである。その観測の結果として――彼女はサイビアの空間転移を見切ることに成功していたのだ。
『よもや……!』
「――驕ったな、猟書家」
 揺らぐサイビアへと、再びブラックバードが詰める。その腕が携えるのは、高出力のビームブレード!
『貴様……!』
「【“黒い鳥”】が、容易く墜とされると思うな……ッ!」
 ――交錯!
 急加速したブラックバードの機体が、光刃を薙ぎ払う!横一文字、サイビアの身体へと剣閃を刻んだ!
『ガ、……グア、ッ!』
「これで、終わらせます――!」
 追撃の好機を逃すまいと、ここで千歳のウォーマシン躯体がトリガーを引いた。ブラスターライフルが咆哮し、伸びる光条がサイビアを撃ち抜き追撃する!
『オ、オ……!』
 衝撃に投げ出されたサイビアの身体はきりもみ回転しながら慣性に従ってカージュ・ハカヴァの地表へと落下する――
「ウオオオオオオオオオオオッ!見ツケタゾ、ムゲンノサイビア!」
 だが、そこへサイビアを追って、更に獣の咆哮が響いたのである!
「ミィィィグウイングッ!!」
 ――ミーグだ!
 怪獣軍団との死闘を経てサイビアの追撃へと移行したミーグが、ここへたどり着いたのだ。
「オ前、倒ス……ソレデ!戦イガ終ッタラ……、マグロ、食ウ!」
『戯言、をォッ!』
 ミーグは肉体組成を変化させ、その背に翼を広げていた。その両翼ではばたきながら、加速するミーグがサイビアへと迫る。しかしサイビアは手の中にエネルギーを収束させ、迎撃のプラズマ光弾を放った!
「ガアアアアアッ!」
 だが、ミーグはその光へと向けて再びその口腔より破壊光線を放つ!光と光がぶつかり合い、対消滅するようにエネルギーは打ち消し合った。その間隙を見逃すことなく、ミーグはサイビアとの間合いを詰める!
『グオ……!』
「オオオオッ!」
 そして――掴んだ!互いに掴み合う至近の間合い。サイビアの姿を目の前に捉えたミーグは、自らの限界を超えるようにもう一度体内のエネルギー変換器官を稼働させる!
「落チロ……!」
 爆発的な閃光。
 残ったエネルギーから搾り出すように、ミーグは更なる破壊光線を吐き出したのだ。
 爆轟めいた光の中に押し流されるサイビア――。その姿はエネルギーの暴圧に押しつぶされるようにして小惑星の岩盤へと押し付けられ、巨大なクレーター上のくぼみの底へと押し込まれる!
 ――しかし。
『……よもや』
 破壊光線の光が途絶えた時――土塊を握りつぶし、砂礫を引っかきながら、窪みの底でサイビアは立ち上がった。
『余を、ここまで追い詰めるとは』
 明滅する頭部の発光器官――。幽鬼めいて揺らめきながら佇むサイビアの周囲で、空気が再び熱を帯びる。
 此処に至るまでの戦いで、サイビアはもはや重篤なダメージを刻み込まれていた。だが、既に致命傷を負ったようにも見える姿でありながらも、そこに膨れ上がる熱量は憤怒と憎悪の激情と、熱く煮え滾る殺意を示す。
『褒めてやろう、今世の戦士たちよ。……しかし、赦さぬ。余をここまで追い立てたこと……許しはせぬ』
 サイビアは猟兵達と鎧装騎兵たちの姿を仰ぎながら、再びその両手にプラズマフォトンの光を灯した。
「ググ……マダ、生キテルノカ」
「ですが、既に限界のはずです。……みなさん、このまま畳みかけましょう」
「了解……。ブラックバード。もう少しだ。もう少しだけ、やるぞ」
 交錯する視線――。そして再び戦意が相まみえる。

 猟書家・無間のサイビアと猟兵たちの戦いは、かくして終局を迎える。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ソラスティベル・グラスラン
【血反吐】

もうっ、しょうがない子ですね、ナイくんは!
あの子の危機に遅れて参上
暁の勇者ここにあり!

盾を構え【盾受け・気合い】で壁となり、
大戦斧で雑兵を討ち払い、彼の再生の時間を稼ぐ

ちら、と迫る軍団の奥を見やる
――あれが此度の、討つべき『邪悪』というわけですね?

よくぞ呼んでくれました、ナイくん
ならば今一度わたしは、あなたの操り手となります
闇を掃う清浄なる一振り、【光束ねし綯剣】!

【勇気】を胸に、只管に宙(ソラ)を流星の如く駆け抜ける
剣が導く道を辿り、立ち塞がる者すべてを切り捨て
剣から伝わる彼の想いに応え敵を討つ

ええ、貴方が望むなら、この戦場を光で満たしましょう
なぜならわたしは、『勇者』なのだから


ナイ・デス
【血反吐】1章で融合変身してそのまま戦い、なんやかんや大ダメージ受ける
【覚悟激痛耐性継戦能力】再生する。まだ戦える


ソラ(f05892)と合流
ソラは、宇宙は不慣れと思って、私一人で……いえ
ソラ、一緒に、戦いましょう……!

私は、剣になります。ソラを守る、ソラの剣に

【限界突破】ソラの勇気が、剣(私)を輝かせる
【推力移動】光を放ち、ソラの機動を補助
【念動力】がソラへの攻撃を押し返すようにして、威力を軽減し
【切断鎧無視攻撃】剣は敵を断つと同時【生命力吸収】活力をソラへ
そして

闇の軍勢は、とても多い……ですが、ソラ
この地に眠るのは、闇だけでは、ありません

墓標めいた、残骸達

光も、ここに

鎧装騎兵に、願う
光を!



『殺せ!殺せ!』
『サイビア様に立てつく愚かな者たちを許すな!』
『ガアアアアアウ!』
『バギャアアアアアス!』
 小惑星カージュ・ハカヴァを揺らし、侵略軍団は進撃する。
 サイビアの肉体は既に限界を超えていた筈であったが、ここに至っていまだにその戦力は衰えを見せなかった。――無尽蔵とも言える戦力が、再び鎧装騎兵たちや猟兵たちへと押し寄せる。
『くそッ!どんだけやりゃあいいんだよ!?』
『カッツ兄、落ち着いて!』
 それを迎え撃つチーム・ネオジェネレーションの鎧装騎兵たちは、次第に焦燥を隠せなくなりつつあった。
 士気が下がりつつある――。
 猟書家・無間のサイビアを倒さない限り、敵の軍団は無尽蔵に増え続ける。猟兵たちであればまだしも、そうではない人々であるスペースシップワールドの鎧装騎兵たちにとって、無限に補充され続ける無数の怪獣軍団と戦い続けなくてはならないことの負担は、その精神と肉体を摩耗させるに十分だったであろう。戦いの終結が近づきつつあることを差し引いても、彼らの疲労はピークに達しつつあった。
『ガァァグォッグ!』
 響き渡る宇宙怪獣の咆哮――!衝突音!小惑星を揺らして駆ける激怒怪獣アンガーゴが、ナイ・デス(f05727)の駆るダイウルゴスへと激突したのだ!
「く、ッ……!」
 ダイウルゴスの装甲が砕けた。ナイは励起するユーベルコードの力で、破損した鎧を繋ぎとめる。
 ――まだ、戦える筈だ。諦めるわけにはいかない。小惑星の表面を埋め尽くさんばかりにひしめく邪悪の軍勢。それに対峙しながら、ダイウルゴスの中心でナイは静かに息を吐き出した。
『グバオオオオオ!』
 咆哮――!エーテル物質を震わせてその存在を誇示するのは怪獣暴君ネロディウズだ!暴君は小惑星の岩盤を踏み鳴らしながら疾駆する!
「ダイウルゴス……!」
 ナイの思念波はダイウルゴスの機体へと浸透し、その意志を伝える――しかし、その躯体の示す反応は、ひどく鈍い。
 本来であれば、ナイの意志を受けて回避機動をとるはずだったダイウルゴスの機体はひどく重たく、ほとんど無抵抗に敵の攻撃に晒された。刃物のように尖鋭化した片腕を振り上げ、怪獣暴君がその腕をダイウルゴスへと叩きつける!
『ガオオオォォンッ!』
「あ……」
 衝撃に揺れる機体。その中心で、ナイは苦悶の声を漏らす。ダイウルゴスの躯体は既にダメージを受け過ぎていたのだ。サイビアの展開した侵略軍団の猛威へと立ち向かい続けた結果である。もはやナイのダイウルゴスには、指先一つ動かす力すら残されていなかった。
『ガォォォグ!』
 とどめとばかりにネロディウズが棘鉄球と化した片腕を振り上げる。
 ダイウルゴスの目を通じて、ナイは溢れんばかりの殺気に満ちた怪獣の姿を目の当たりにしていた。
 ――半ば死を覚悟するような思いで、ナイはぎゅっと目を閉じる。
「……ソラ」
 そして――彼の唇は、ほとんど無意識の中で誰よりも大切に思うその魂の片割れの名を呼んでいた。

 その時である。
「はああああああああああッ!!」
 ――光が、爆ぜた。
 スペースシップワールドでは見ることのできない、蒼く染まる空――その色を彷彿とさせる、空色の雷刃。
 その稲妻をこの地へと呼び込んだ、その刃の銘は――サンダラー。神竜がその身を変じたと伝承される、アックスアンドウィザーズ世界の神具のひとつである。
 そして。
『ガアアアアアアアゥウゥゥゥ……!』
「……一人でこんな場所までくるだなんて、水臭いですよ!」
 電光の刃に両断された怪獣暴君が爆散するその炎を背に、半壊したダイウルゴスへと振り返る雄姿。
 そこに立つ者こそ――勇者ソラスティベル・グラスラン(f05892)その人であった。
「……ソ、ら」
「しょうがない子ですね、ナイくんは!」
 そして、ソラはその手の中で大戦斧の柄を回し、迫り来る侵略軍団へと向かいあらためて対峙する。
「……すみ、ません。ソラは、宇宙は不慣れと思って、私一人で……」
「もう、っ!そんなこと気にしなくてもよかったんですよ、ナイくん!どんな場所だって、わたしたちが力を合わせれば負けたりはしません!」
『な、なに……!?』
『バカな、ネロディウズがこうも簡単に!』
 突然の闖入者に、軍団を構成する侵略宇宙人たちが困惑した。あからさまに狼狽えた様子で、ソラへと相対する。
「……」
 しかし、ソラは軍団の侵略宇宙人たちを半ば無視しながら――その先で佇むより深く濃密な闇の気配へと視線を定めた。
「――あれが此度の、討つべき『邪悪』というわけですね?」
 彼女の向けた視線の先。群れなす侵略軍団を超えた先に佇む者――それこそは、軍団を率いる猟書家、“無間のサイビア”である。
「はい……。そう、です。……この、世界に、地獄をもたらす、者……。闇の、支配者」
「なるほど――よくぞ呼んでくれました、ナイくん」
 ――ソラはその双眸の奥で瞳を細めた。
「即ち、あれは世界を滅ぼす闇の者、ということでしょう。そうであるならば、わたしが……勇者が、ここに来ることは必然だったのだとおもいます」
「……はい!」
 ソラと言葉を交わすナイは、その身体を光らせた。
 ナイ・デスの躯体は、瞬く間に実体を失い、そして光の粒子へと変じた。――その光は、ダイウルゴスを離れ、そしてソラの手元へと再び集まりだす。
「ならば今一度わたしは、あなたの操り手となります――ナイくん!」
「はい――!ソラ、一緒に、戦いましょう……!」
 光が、収束する――!
 かくして、光の粒子となって解けたナイ・デスの肉体は、ソラの手の中で再び収束し、眩く光を放つ聖剣として再構築された。
「闇を掃う清浄なる一振り、【光束ねし綯剣/クラウ・ソラス】!」
 輝く剣を掲げながら、勇者は立つ。
『ルトラ六騎士にも匹敵するエネルギー反応だと……?き、貴様……一体何者だ!?』
 策謀宇宙人ボーリャ星人は驚愕とともに叫んだ。
『「勇者です!」』
 ソラとナイの声が唱和する。
「私は、勇者……勇者、ソラスティベル・グラスラン!」
『私は……ナイ。ソラの剣……ナイ、です!』
 暁の勇者、ここに在り。溢れる膨大な光の力に、侵略宇宙人たちがたじろぐ。
『フン……小賢しい。所詮ヒューマノイドよ』
『そうだ!我々が血祭りにあげてくれる!』
 しかし、その中から2体の宇宙人が突出した。宇宙の貴族とも呼ばれる宇宙伯爵ツェペ星人。そして宇宙の暗殺者の異名をとる滅殺宇宙人ギド星人だ。ツェペ星人は血を吸い取る牙を開きながら、ギド星人は槍のように鋭いその両腕で。ソラへと襲いかかる。
「はあッ!」
『『グアーッ死ぬ!!』』
 瞬間、光が迸る!クラウ・ソラスの刃が、その一振りで2体の侵略宇宙人を撫で斬りにしたのだ。
『なに……!?』
『ソラ!このまま、前へ!』
「はい!行きましょう、ナイくん!」
 ソラは開いた翼で流星めいて宇宙(そら)を駆ける。激怒怪獣アンガーゴを斬り伏せ、恒星怪獣クトゥグガーを貫いた。策謀宇宙人ボーリャ星人もまた驚愕に貌歪めながら光と共に塵と化す!
『ば、馬鹿なアッ!』
 そして念動宇宙人ムグレン星人が爆散する!
『そこまでだ』
「く、ッ!?」
 だが——2人の進撃を、強烈なプレッシャーが止めた。
『勇者。……そうか、勇者か。実に不遜な名乗りだ。あの愚かなルトラ騎士どもを思い出す』
 膨れ上がる熱量。そして、桁外れの膂力。——無間のサイビアが、ソラの剣を押しとどめ、押し返したのだ。
『滅せよ』
 閃光。サイビアの内包するプラズマフォトンエネルギーが激しく燃え上がり、爆ぜながらソラへと襲いかかった。
「!」
『ソラ!』
 ソラは咄嗟にオーラ防壁を構築。ナイはそこに思念波を重ね補強するが、サイビアのプラズマ光弾の威力はそれを上回る。砕けた防壁を突き破り、プラズマ光がソラの身体で爆ぜた。膨大な火力にソラは押し返される。
「なん、て、力……!」
『諦めよ。余はあまねく宇宙を地獄へと堕とす闇の支配者である』
 プラズマが燃える。その威力の前に、ソラの身体が弾かれた。墓標めいたスペースシップの残骸へと背中から叩きつけられる!
『諦めよ勇者。ここには闇と絶望しかない』
 そしてサイビアは再び侵略蔵書を開いた。カージュ・ハカヴァの地に、再び侵略軍団が立ち上がる!
「また、軍団を!」
 ここにきて更なる戦力か。ソラは敵の強大さに歯噛みする。
『まだ、です。まだ、負けていません……闇の軍勢は、とても多い……ですが』
 しかし、その背中をナイが支えた。
『ソラ。この地に眠るのは、闇だけでは、ありません』
 聖者としての力が励起する。クラウ・ソラスの刃が光を放った。
 それに呼応するように、墓標めいて眠る無数のスペースシップの残骸に光が灯る。
『……なんだと?』
「これは……」
『光も、ここに』
 それは残留思念であった。ここに残るスペースシップの残骸は、かつてこの地においてサイビア率いる侵略軍団と戦った当時の宇宙戦士たちのものだ。その魂は滅びて尚、世界を護る意志を残していたのである。
『鎧装騎兵の、みなさん!』
 そして、ナイは更に呼びかけた。
『光を!』
『……光か』
『よし、俺たちもいくぞ!』
『光を……束ねよう!』
『先輩たちの光、お借りします!』
 その声に応じるように、戦域へと展開していた鎧装騎兵たちがその魂を燃え上がらせた。そこに宿る希望は光となって、クラウ・ソラスの刃へと集う!
『ソラ!』
「ええ。貴方が望むなら、ここを光で満たしましょう」
 束ねた光を、ソラが掲げる。
 そして再び翼を開き、勇者は翔んだ。侵略軍団が恐れ、惑う。
『光の、者……!』
 対峙するサイビアは、憎悪と共にその姿を睨む。
『赦さぬ……!希望を集め光を束ね闇を屠り悪を討ちそして余を弑する者!我らの天敵!その存在を赦すわけにはいかぬ!』
 閃光。流星群めいて落ちるプラズマ光弾の雨がソラを襲う。
『はあッ!』
 だが、激しく光を放つクラウ・ソラスの刃はその悉くを切り裂いた。
『余の力を上回っているというのか……!何故だ、何故矮小なヒューマノイド風情が余の力に及ぶ!』
『なにも不思議ではありません、サイビア。……なぜならば、ソラは』
 まっすぐ、前へ。赤く染まるソラの双眸は真正面にサイビアの姿を捉え、そして翔ける!
「はい!なぜならわたしは……『勇者』なのだから!」
 そして、光が爆ぜる。
『ぐおおおおおおおおお、ッ!ひ、光……!光が……!余を……!』
 膨れ上がる光に呑み込まれ、サイビアは叫んだ。
 ここに至るまでの猟兵たちとの交錯の中で、その躯体の損傷は既に限界を越えていたのである。
 もはや抗う力はそこに残されていなかった。
『ひか、りが……』
 爆ぜる。
 爆発的に膨れ上がる光が、宙域に満ちて宇宙を照らした。
 その光こそ、古代スペースシップワールドで行われた大怪獣戦乱の再演であり、戦士たちの紡いだルトラ銀河伝説が甦った瞬間であった。

 かくて、無間のサイビアはここに滅ぶ。
 静まり返ったカージュ・ハカヴァに、戦士たちの歓声が沸き起こった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年01月28日


挿絵イラスト