天籟の剣(作者 犬塚ひなこ
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#アルダワ魔法学園  #猟書家の侵攻  #猟書家  #魔鬼士  #マジックナイト  #災魔の卵 


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●魔鬼士と剣
 アルダワ世界においての東方諸島。
 強くなることを志す魔騎士達が集まる、明月街と呼ばれる場所にて。
 街の中央にあるのは数々の猛者が活躍した『天籟士魂杯』と呼ばれる大きな武術大会が毎年開催されている闘技場だ。
 その入口には、大会で無敗を誇った天籟の騎士が遺した大剣が飾られている。
 天籟の大剣から繰り出されたのは、まるで詩文が紡がれるが如き美しい風。其処に乗せられた灼火と吹雪が混じり合いながら巡る様は人々を圧倒したという。
 魔導障壁で囲まれた硝子ケース収められた大剣は、この街で修業をする魔騎士達の憧れでもある大切なもの。
 剣は今日も闘技場に飾られ、人々を見守る――はずだった。
 明るく輝く月が美しい夜、その事件は起こる。

「これが優れた騎士の剣か」
 闘技場の前に現れたのは幹部猟書家のひとりである、魔鬼士と呼ばれる者。
 大剣が収められたケースには魔導の力が働いているというのに、魔鬼士は易々と障壁を破った。優勝者の遺物である大剣を手にした魔鬼士は其処に災魔の卵を融合していく。
「これでいい。さあ、強き者を呼ぶとするか!」
 魔鬼士が掲げた大剣は禍々しいオーラを纏いはじめた。
 災魔化した剣はそのまま地面に突き立てられる。すると、歪んだ紫色の魔力が猟書家の傍に控えていたミレナリィドール達に伝わっていった。
 ドール達は感情を表さぬまま、それぞれが手にしている錆びた剣に力を受ける。
 魔鬼士は彼女達に命じていく。
「名もなきミレナリィドール達よ、異変を察してここに訪れた者と戦え! 見事に勝ち抜いた者は闘技場へ通せ!」
「はい」
「仰せのままに」
 夜の闘技場に入っていく魔鬼士を見送り、ドール達は入口前に並んだ。
 嘗て天籟の騎士が使った力を宿した人形達は挑戦者を待つ。強き者を求める魔鬼士と戦う資格を持つ戦士を選別するために。

●魔騎士と人形
 それから暫し後。闘技場前に到着したのは、伝説の大剣の魔導障壁が破られたことを察知して駆けつけたマジックナイト達だ。
「何だ、お前達は!?」
「あれは伝説の騎士様の剣ですか?」
 リディとレシャというマジックナイトは即座に武器を構える。地面に突き立てられている天籟の大剣を見遣った彼女達は動揺する。
 そして、ドール達は二人が動く前に先手を取った。
「あなた方の強さを試します」
「魔鬼士様と戦う価値があるかどうかを」
 刹那、ミレナリィドール達は灼風と吹雪が入り混じった魔法剣を繰り出す。
 熱と冷たさが襲い来る中、リディとレシャは気付く。
「この技は……!」
「どうしてこの子達が天籟の騎士様の力を使うのです!?」
 風の力に乗せて炎と氷を同時に放つ技。それは彼女達が学ぶ魔法剣術の最高峰とも呼べる一撃だった。それを何故、この人形達が使えるのか。
 其処にある動揺と戸惑いが彼女達の命運を分けるものとなり、そして――。

●騎士の矜持
「マジックナイト達はオブリビオンに負けてしまうのじゃ」
 それが視えた未来であると語り、鴛海・エチカ(ユークリッド・f02721)は首を横に振る。アルダワの東方諸島で起きる事件のあらましを伝えたエチカは、皆にこの事態を止めて欲しいと願った。
「お主達にはまず、リディとレシャという二人のマジックナイト達の協力をして欲しいのじゃ。街の大切なシンボルである剣が災魔にされておるからのう。下がれと言っても戦いたいと願うじゃろう」
 闘技場前にいるオブリビオン、名もなきミレナリィドール達は災魔化した剣から力を得ており、容赦なく攻撃を放ってくる。彼女達がそれを受ければひとたまりもないが、放つ技の系統はよく知っているらしい。それゆえにマジックナイト達を守りながら助力を得られれば、戦いを有利に進められるだろう。
「しかし、ドール達を倒しても災魔化した剣は戻らぬ。剣は浮遊して、此度の首魁である『魔鬼士』の元に案内するように闘技場の奥に向かっていくだけじゃ」
 魔鬼士は強き者を求めている。
 配下達に勝利した猟兵を認め、戦いを挑んでくるはずだ。そして、リディとレシャも共に戦おうとするので引き続き協力できる。
「魔鬼士は天籟の剣は使わず、己の腕の得物で戦うと見られておる。かなりの強敵であるゆえ、心して掛かるのじゃ!」
 そうすれば件の剣も災魔化から解放される。
 敵は或る意味で騎士道のような志を持っているが、侵略蔵書を有した幹部猟書家だ。気を引き締めて向かって欲しいと願い、エチカは仲間達を送り出した。


犬塚ひなこ
 今回の世界は『アルダワ』
 二章構成の猟書家シナリオとなります。

 今回は各章【4~6名様前後の採用】で早期返却・完結を目指すシナリオです。
 先着順ではありませんが、シナリオの執筆状態や、進行次第でプレイングを頂いても採用できないこともございますので、ご了承の上でご参加頂けると幸いです。

●第一章
 集団戦『名もなきミレナリィ・ドール』
 時刻は夜。戦場は街の闘技場前。
 天籟の剣からあふれる力を得たオブリビオンドールたちとの戦いです。ドール達は錆びた剣を使い、天籟の騎士が使っていた技を繰り出して戦います。
 魔鬼士を倒さない限り、災魔化した天籟の剣への攻撃は無効化されてしまいますのでご注意ください。

●第二章
 ボス戦『魔鬼士』
 闘技場の中央にて待ち受ける幹部猟書家。
 ただひたすらに強さを追い求め、災魔と大魔王の力まで求めた戦士の成れの果て。優れた戦士と戦い、殺すことで更なる強さを求める存在です。

●プレイングボーナス(全章共通)
 マジックナイトの助力を得る。

 今回登場するのは、街の英雄でもあった天籟の騎士に憧れる魔法騎士の少女達。
 リディは男勝りな凛とした性格。レシャは礼儀正しくて少し慌てん坊な子です。二人ともまだ未熟ですが、天籟の技や体系を学んでいるので助力を得られれば心強い仲間となります。
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第1章 集団戦 『名もなきミレナリィ・ドール』

POW ●失敗作の怨嗟
【世界に対する憎しみに支配された状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD ●壊れた人形の唄
【大剣】による素早い一撃を放つ。また、【壊れてパーツを失う】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ ●閉じられた未来と世界
【鳥籠】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


黒鵺・瑞樹
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

アルダワに来るのかなり久しぶりだな。
まさか猟書家関連で来るとは思わなかったけど。

騎士道とは反するだろうが。
できればあらかじめ助力を伝えられたらいいが。
存在感を消し目立たない様に立ち回る。そしてマジックナイト二人とミレナリィドール達の攻防に割り込むようにUC五月雨で奇襲をかける。
一気に破壊できなくとも腕が動かせないように部位狙いはしていきたい。
いくら身軽になるとはいえ、振るう腕を無くして大剣は使えないだろう。
敵の攻撃は第六感で感知、見切りで回避。
回避しきれないものは本体で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らうものは激痛耐性で耐える。


空桐・清導
POWで挑む

烈火の如き声と共に乱戦に中に割り込む
「加勢に来たぜ!マジックナイト!
オレはブレイザイン!ヒーローだ!
憎しみがあるなら、俺が受け止めるぜ。ドール達!!」
超耐久を誇るドールを真正面からぶっ飛ばし、
リディとレシャに声をかける
相手の攻撃は[気合い]で避け、
当たりそうなものは[オーラ防御]する
「道はオレが作るから背中は任せたぜ!」
UCを発動して両手に炎の剣を創る
ドールたちの風をより強大な炎にて焼き尽くして突進
技も何もないがそれを補って余りある出力で道を切り開く

2人を剣の近くまで近づけたら、殿を務める
「爆炎必殺!プロミネンス・ソード!!」
両手で構えた炎剣の出力を[限界突破]
極大な炎として放つ!


●風と焔と刃の雨
 月夜の騒動は人知れず幕を開けた。
 静まり返った街の中央にはオブリビオンであるミレナリィドール達が並んでいる。誰もが無感情に大剣を持ち、訪れるものを選別しようとしている。
 其処に現れたのは、件の魔法騎士達。
 そして――猟兵である、空桐・清導(ブレイザイン・f28542)と黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)の二人だ。
「加勢に来たぜ! マジックナイト!」
「必要以上に近付くな。あの大剣が力の大本になっているみたいだ」
 清導はリディとレシャに熱く呼び掛け、瑞樹は街のシンボルでもある天籟の剣についての言葉を投げかけた。
 清導の烈火の如き声を聞いた少女達は立ち止まり、警戒を強めた。
「ああ、わかった!」
「はい! ええっと、でもあなた達は?」
 剣を構えた魔騎士少女達から問われ、清導は明るい笑顔で答える。
「オレはブレイザイン! ヒーローだ!」
「通りすがりの猟兵ってところか」
 次いで瑞樹が異変を察して駆けつけたのだと語り、共に戦いたいと願った。猟兵と名乗ったことで騎士達もはっとする。
 イェーガーと言えばアルダワ魔法学園での戦いを見事に勝ち抜いた者。
 リディは頷き、レシャもにっこりと笑った。
「それは頼もしいな。しかもヒーローか!」
「心強いですっ! では私達は援護に入りますね」
「ああ!」
 二人の言葉を聞き、清導は頼んだと告げる。瑞樹も視線で同意を示した後、ミレナリィドール達の方に一歩を踏み出した。
 じっと此方を見つめるドール達は間合いを計っている。
 本来ならば此処でマジックナイト達は破れていたのだろうが、猟兵の介入によって不幸な未来は覆された。
「憎しみがあるなら、俺が受け止めるぜ。ドール達!!」
 清導はオブリビオン達の瞳に宿る世界のへの憎しみや恨みに気が付いていた。
 今は魔鬼士の配下となっているが、彼女達にも過去に何かがあったに違いない。実情を聞くことは出来ないだろうが、憎悪があるのならばそれすら受ける。
 今は真正面から向かうことが言葉の代わりになるだろう。
 そんな思いを持って清導は地を蹴った。大剣を構えたミレナリィドールに向け、彼は真っ直ぐに拳を突き放つ。
 轟、と風を貫くような音が鳴ったかと思うとドールが勢いよく吹き飛ばされた。其処に合わせてリディが遠距離の一閃を放つ。
「見事だな!」
「道はオレが作るから背中は任せたぜ!」
 清導はリディ達に声をかけ、体勢を立て直そうとしている敵に向かっていった。
 だが、相手もやられてばかりではない。
 もう一体のドールがレシャを狙い始めたことに気付き、瑞樹が対応していく。即座に右手に持った胡で敵の一撃を受け、左手の黒鵺で斬り返す。
 そうすれば敵の体勢が揺らいだ。
「思えばアルダワに来るのは、かなり久しぶりだな。まさか猟書家関連で来るとは思わなかったけど」
 ふとした感想を零した瑞樹は身構える。
 それから彼は一気に地面を蹴った。跳躍した彼はマジックナイトとミレナリィドール達の間に割り込みながら、五月雨の力を解き放つ。
 黒鵺がまさに雨のように降り注ぎ、周囲のドール達を穿っていった。
 すると相手は力を溜めはじめる。
「気を付けてください!」
「あの構え、天籟の技に似ているぞ!」
 レシャとリディが呼び掛けたことで、清導は気を引き締めた。刹那、風に乗った灼熱と吹雪が清導達に襲いかかってくる。
「くらってたまるか!」
 事前の注意があったゆえ、清導は相手の攻撃は気合いで避けた。瑞樹も本体で以て受け流し、次のミレナリィドールに狙いを定める。
「――壊す」
 短く宣言した瑞樹は目にも留まらぬ速さでドールを切り裂いた。たとえ一気に破壊できなくとも腕が動かせないように。それによって相手も身軽になるとはいえ、振るう腕を無くしては大剣が使えないだろうという読みだ。
「……くっ」
 瑞樹の狙い通り、片腕を失ったミレナリィドールから剣が落ちた。今です、というレシャの声を聞いた瑞樹はひといきに勝負を付けにかかる。
「骸の海に還るといい」
 瑞樹の言葉が響いた瞬間、一体のドールが消滅した。
 その様子を見ていた清導は拳を握る。
 そして、両手に炎の剣を創った。見ればドール達は再び風撃を起こそうとしている。
「よし!」
「風なら私も起こせるぜ!」
 清導の動きに気付いたリディは、彼に向けて無害な風を送った。渦巻いた風を受けた清導は、腕の炎をより強大な焔に焼き尽くしながら突進する。
 自分には技も何もない。だが、それを補って余りある出力で道を切り開く為に。
「爆炎必殺! プロミネンス・ソード!!」
 両手で構えた炎剣の出力を限界突破させた彼から、熱き声が響く。
 極大の炎が解き放たれ、そして――清導達を狙っていたドールは骸の海に還された。
 瑞樹は構えを直し、清導もまだ残っている敵を見つめる。
「さて、次だな」
「ああ! 道を阻むならとことん蹴散らすだけだ!」
 二人は敵を確りと捉え、それぞれの武器や拳を強く握り締める。
 見据える先には禍々しい気を放ち続ける、天籟の大剣が突き刺さっていた。
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

フォルク・リア
「偉人の象徴たる剣。
奪われた方は心穏やかではいられないだろう。
しかもその力を操ってくるとなれば尚更。
だからこそ助けなければいけない。」

グラビティテンペストを発動
戦いに割って入り。
敵の攻撃を斥力を用いて跳ね返しマジックナイトを守る。
「無事かい?
どうやら厄介な事になっているみたいだね。」

「此処は任せて避難を
…と言っても無理なんだろうね。」
と二人の表情を見て。

「なら敵の技について教えて欲しい。
あれは強力だけど何か破る術がある筈。」
話を聞きながら敵の技の構成を【見切り】
重力嵐を起こし風の力を相殺すると同時に
炎と氷をぶつけてその力を互いに減衰させ
そのまま重力嵐に敵を巻き込み攻撃。
敵の鳥籠も斥力で防御。


●魔力と均衡
 空に浮かぶ月は街を煌々と照らしている。
 月明かりを受けて鈍い光を反射しているのは、天籟の剣と呼ばれる刃だ。
 フォルク・リア(黄泉への導・f05375)は大剣を中心にして布陣するミレナリィドール達の気配を探り、周辺に満ちている禍々しい力を肌で感じ取る。
「偉人の象徴たる剣。奪われた方は心穏やかではいられないだろう」
 英雄の証は街の皆の大切なものであることは考えなくても分かった。それが今、あのような悪しきものとなっていることは見過ごせない。
「しかもその力を操ってくるとなれば尚更」
 だからこそ、助けなければいけない。
 思いを言葉にしたフォルクは、次にマジックナイト達に意識を向けた。既に到着した猟兵と共に戦う少女騎士達は懸命だ。
 天籟の技を学んでいるゆえ、大剣を取り戻そうと必死なのだろう。
 しかし、あるとき。
 敵が繰り出す攻撃から逃れようとした片方のマジックナイトが体勢を崩した。
「きゃあっ!」
 足が縺れて転びそうになったのはレシャという少女だ。フォルクは咄嗟に詠唱を始め、周囲の重力を操っていく。
 ――押し潰せ、引き千切れ、黒砂の陣風を以て。
 更にレシャを穿とうと動いた敵の周辺には退けるための斥力を。少女の方には体勢を立て直せるだけの引力めいた力を齎し、フォルクは其方に駆け寄る。
「無事かい?」
「はわっ、すみません……。とっても助かりました!」
 フォルクによって助けられたと気付いたレシャは、自分の剣を支えにして真っ直ぐに立った。大丈夫そうだと判断したフォルクは別の敵から放たれた攻撃を斥力を用いて跳ね返しながら、レシャに語り掛ける。
「どうやら厄介な事になっているみたいだね」
「はい……。天籟の剣があんなことになるなんて……!」
 身構え直したレシャはフォルクに頷き、唇を噛み締めた。その表情は切実で、剣への思いが強く感じられる。
「此処は任せて避難を……と言っても無理なんだろうね」
「ええ! 私達は絶対に退きません!」
 答えられることを予想したフォルクが頭を振ると、レシャは強く頷く。少し離れた所にいるリディもきっと同じだろう。
 二人の表情を其々に見たフォルクは、彼女達と共に戦うしかないことを確かめる。
 そして、彼は問いかけていく。
「なら敵の技――いや、天籟の騎士の力について教えて欲しい」
 先程にも放たれていた力。
 あれは強力だが、何か破る術がある筈だと考えたフォルク。その言葉に頷き、レシャは自分が知っている技の発動法を告げる。
「あの力は風に二種類の魔法力を乗せる技なんです」
 炎と氷。
 相反する魔力は普通なら打ち消し合ってしまう。だが、天籟の騎士はそうならないバランスかつ物凄い魔法力を紡いで同時に放ったのだという。
「なるほどね」
「とても強い技なので、打ち破る方法なんて……」
「あの技は君も出来るものなのかい?」
「いいえ……。バランスが難しくて炎だけになったり、氷だけになったりして、威力の出ない攻撃になっちゃうのです!」
 二人は言葉を交わしながら、襲い来るミレナリィドールを相対していった。フォルクは話を聞きながら敵の鳥籠を斥力で防御し、技の構成を分析していく。
 そのとき、ふと思い立つ。
 二種類の魔力配分が重要なら、その均衡を崩せば威力は落ちる。
「それだ。片方だけに留めてしまえばいい」
「え? あっ、そういうことですね!」
 レシャは先程から炎の魔法剣を使っていた。敵の攻撃は其処に氷が混じっているものだが、此方からの働きかけでどちらかの魔力のバランスを崩壊させればいい。
 フォルクは重力嵐を起こし、風の力を相殺する。
 それと同時にレシャが炎の魔力をミレナリィドールの技に重ねた。そうすると敵の攻撃は炎のみになり、それまでの威力が半減する。
 焔の流れを見切り、避けたフォルクは静かに頷く。
「……読み通り」
「やったあ! ではでは、合わせていきますよー!」
 レシャは自分が援護に入ると告げ、フォルクも炎と氷をぶつけてその力を互いに減衰させていく。そして、そのまま重力の嵐に敵を巻き込んでいった。
 一体、また一体とミレナリィドールは倒れる。
「お見事です。アナタこそ魔鬼士様と戦うに、相応し……い――」
 消えゆく間際、最後まで語ることなくドールは骸の海に還されていった。
 頷きを交わしたフォルクとレシャは更に身構え直す。認められたとはいえ敵は未だ多く、突破するには更なる協力が必要だ。
 そうして、闘技場前での戦いは暫し続いていく。
 
大成功 🔵🔵🔵

紬雁・紅葉
僭越ながら
"剣神"の巫女としても放っておけません
助太刀致します

羅刹紋を顕わに戦笑み
先制UCに破魔炎水風属性を乗せ最大範囲展開
強化効果を味方にも付与

天羽々斬を鞘祓い十握刃を顕現

残像忍び足で正面からゆるゆると接敵
射程に入り次第破魔炎水風属性衝撃波UCを以て回数に任せ範囲を薙ぎ払う

敵の攻撃は躱せるか見切り
躱せるなら残像などで躱し
さもなくば破魔衝撃波オーラ防御武器受け等で防ぐ
何れもカウンター破魔炎水風属性衝撃波UCを以て範囲を薙ぎ払う

窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃


私も魔法騎士の心得ある故
剣を奉じる巫女ゆえ
貴女方の気持ちは分かります

故に
合力を

押し通る!

※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※


ベルベナ・ラウンドディー
上手く行くかは兎も角試す価値のある手はあります
魔法騎士の2人は私の行動を上手く利用してやってください
ユーベルコード使用

●団体行動・騎乗・武器受け

キーワードはスピード
バイク騎乗し戦陣を分断、乱戦状態にして引っ掻き回す
そうなれば長射程の技は味方に当たる危険がある、風に乗せた攻撃などそう乱発は出来ません
…速さで勝負するとは言ってません。利用するんですよ
理性を欠いて追いかけ回してくるなら孤立させる。そこを2人に仕留めて貰えばいい
素早い一撃ならなお結構、此方は敢えて直刀で受けます
その速さに釣りだされるのは理性を欠いた人形の方です
同士討ちを期待します 


少し邪道でしたかね
私個人の強さでなく巧さで勝負するのは


●其々の戦術
 月夜の闘技場前にて、集うは猟兵達。
 オブリビオンであるミレナリィドールと戦う者達が見据える先には、災魔と化した天籟の大剣がある。其処から溢れている禍々しい気は、距離が遠くともしかと感じられた。
 紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)は一度だけ目を伏せ、英雄の剣が悪しきものに染められてしまった現状を憂う。
 しかし、彼女はすぐに顔を上げた。
「僭越ながら、“剣神”の巫女としても放っておけません」
「街の象徴があのように歪められているのは見ていられませんね」
 紅葉の傍に付いたのはベルベナ・ラウンドディー(単独で一定水準の多面運用可能な偵察・f07708)だ。二人は頷きを交わした後、マジックナイト達やミレナリィドールをそれぞれに瞳に映した。
「ええ、助太刀致しましょう」
「そちらは頼みました。上手く行くかは兎も角試す価値のある手はあります」
 紅葉がリディへ、ベルベナはレシャの方に向かい、オブリビオンを倒す一手を放ちに駆ける。先ず動いたのは意識を集中させたベルベナだ。
 宇宙バイク、PC:MN-009に騎乗した彼は一気に戦場を駆けた。
「お二人共、私の行動を上手く利用してやってください」
「はいっ!」
 ベルベナが魔法騎士達に呼びかければ、返事が戻ってきた。
 刹那、鋭い風が疾走っていく。
 風と錯覚する程の速さで駆けたベルベナの動きは、戦陣を分断するが如く。
 はたとしたミレナリィドール達は警戒を強め、ベルベナへの意識を向けた。そうすることによって乱戦状態へと変え、敵を引っ掻き回す狙いだ。
 その間に紅葉が羅刹紋を顕わにする。
 剣神の鬼巫女に選ばれた由来でもあるムラクモの力を纏い、紅葉は笑む。
 ――八雲立つ、出雲。
 彼女の言葉と共に叢雲が象りし九本の剣が現れ、ミレナリィドールに向かってゆく。
 何本かは避けられてしまったが、其処に九曜紋が描かれていった。
「まだ、これで終わりではありませんよ」
 紅葉は其処に破魔の力と、炎と水、風属性を乗せて最大範囲に展開していった。同時にベルベナやレシャ、リディにも強化効果を付与していく。
 そして天羽々斬を鞘祓い、十握刃を顕現する。
 紅葉の動きに感嘆と感心を覚えながら、ベルベナも駆けていった。
 キーワードはスピード。
 敵は強さを宿したものを選別しようとしている。おそらくミレナリィドール達にとっては強さとは速さと同等であり、素早く動くものを狙う傾向にあるようだ。
 つまりベルベナは常に追われる位置取りとなる。
 だが、それこそが彼の最大の狙いだ。
(おそらくこの状況では、長射程の技は味方に当たる危険がある、風に乗せた攻撃などそう乱発は出来ません)
 ミレナリィドール達は天籟の技を用いているが、熟練の域には達していないはずだ。その力は貸し与えられているだけであり、通常とは違う状況下では使い熟せまい。
「……速さで勝負するとは言ってません。利用するんですよ」
 ベルベナが展開した戦術は見事に巡る。
 速度と精度と強度。自分だけではなく仲間を、或いは理性を失うほどに力を溜めたミレナリィドールの力でさえ利用する。
 理性を欠いて追いかけ回してくるなら孤立させるだけ。そうして、其処をレシャとリディに仕留めて貰えばいい。
「――今です」
「ああ、助かる!」
「わかりましたあ!」
 ベルベナが呼び掛けると、マジックナイト達が一気に攻勢に出た。それによって二体のミレナリィドールが地に伏す。
 紅葉も別の個体を相手取りながら、お見事です、と二人に称賛を送った。
 だが、ベルベナの方には素早いミレナリィドールが迫っている。されど彼は慌てずに天籟の技を直刀で受けた。
 衝撃が身を貫いたが、ベルベナはバイクを更に加速させることで追撃を防ぐ。
「素早い一撃ならなお結構、これも使わせて貰うだけです」
 敵が速いのならば、その速度に釣りだされるのは理性を欠いた人形の方。ベルベナが敵を引き付けている間、紅葉も次の一手に移った。
「参ります」
 お覚悟を、と告げた紅葉は残像を纏う。足音を立てずに正面からゆるゆると接敵した紅葉は薄く笑んだ。
 射程に入った刹那、持てる限りの属性を乗せた衝撃波が解き放たれた。
 見える範囲を範囲を薙ぎ払った紅葉は敵の反撃が来ると察する。紅葉はミレナリィドールが放つ天籟の攻撃を見切って躱し、更なる残像で惑わせていく。
 避けられぬと察した一撃は、破魔を巡らせた障壁で以て受け、武器で弾いて防いだ。
 舞うような剣の流れは美しい。
「わあ、お姉さんの攻撃とっても綺麗です!」
「アタシ達の流派とは違う剣技、すごいな……」
 レシャが紅葉に笑みを向け、リディも素直に感心していた。そんな二人に静かな笑みを向け、紅葉はそっと語る。
「私は剣を奉じる巫女ゆえ。それに魔法騎士の心得もあるので、象徴たるものを奪われた貴女方の気持ちは分かります」
「……ありがとう」
 マジックナイト達を案じる言葉が投げかけられたことで、リディが礼を告げた。心を痛めているのは自分達だけではないと知り、レシャもぐっと拳を握る。
 どうやら紅葉の言葉が二人に更なる勇気を与えたようだ。
「故に、合力を。――押し通る!」
 紅葉は残っているミレナリィドールへ刃を向けた。
 マジックナイト達は違う個体に向かうと告げ、二人で駆けていく。ベルベナも少女達の遣り取りと行動を感じ取り、何としてもこの戦いに勝たねばならぬと考えていく。
 それから暫し後。
 彼らの周囲に集っていたミレナリィドールは一体残らず倒れていた。
「残るは向こうで戦う方達と相対する人形だけですね」
 敵の数はあと僅か。
 紅葉は身構え直し、ベルベナも倒れ伏したドール達を見下ろす。彼女達が骸の海に還り、消えていく様を見つめた彼は緩く息を吐いた。
「少し邪道でしたかね。私個人の強さでなく巧さで勝負するのは」

 そして――闘技場前での戦いは、次第に終わりに向かってゆく。
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

鎹・たから
人々の憧れであり、希望の象徴を汚すことは許しません
騎士の二人も、きっと同じ気持ちでしょう

二人が傷つけられる前にダッシュで飛び込み
手裏剣二刀で大剣の一撃を受け止めます
【早業、かばう

大剣を元に戻すには、あなた達二人の力が必要です
街の英雄の名に懸けて
たからと一緒に戦ってください!
【鼓舞、情熱、勇気

天籟の技のクセなどを聞いて避けつつ
前に出て飛び跳ねることで敢えて注意を惹き、オーラ防御を使用
二人の攻撃の直後に手裏剣を放ちましょう
【暗殺、鎧砕き

失敗作とされた彼女達
たからは、せめてその苦しみから解き放ちたい

トドメや攻撃のタイミングは二人にお任せ
たからが勝手に合わせます
リディもレシャも、立派な騎士なのですから


兎乃・零時
アドリブ歓迎

魔騎士…え、何その剣欲しい…いやマジで欲しいわ…

よっしゃ協力するぜ、二人とも!

まずはドールたちを倒せばいいんだよな…!

そっちが早く動き続けるのを狙うってんなら…さぁ、捉えられるもんなら捉えてみな!

UC!
体を光にすりゃ空中に浮きながら光の速さで動けてあいつの視線を釘付けにできる!
やってやんよ全力でなぁ!!

憎しみだけに支配されてちゃ俺様は倒せねぇぜ
それにお前が固かろうと何だろうと!この俺様に諦めるなんて選択肢は!ない!

マジックナイトの二人に援護して貰いつつ

いっくぞー!!
相手の攻撃や防御が強かろうと!
その攻撃も気合で耐える!

【全力魔法×光属性攻撃×限界突破×串刺し】

全力で蹴り!ぶち込む!


●夜に光を、憎悪に救いを
 闘技場前に冷たい夜風が吹き抜けていく。
 街の中央に強さの象徴として飾られた大剣は今や、災魔と化していた。月光を受けて鈍く光る刃からは邪悪な力が溢れている。
 兎乃・零時(其は断崖を駆けあがるもの・f00283)は周辺に満ちていく禍々しい力を感じ取りながら、興味深そうに剣を見つめた。
 布陣しているミレナリィドールに隠れて見え辛いが、存在感ははっきりと分かる。
「あれが魔騎士の大剣か……」
「人々の憧れであり、希望の象徴なのですね」
 少年の隣には、此処に来るまでに合流した鎹・たから(雪氣硝・f01148)がいた。
 街のシンボルでもある剣は今、途轍もない力を周囲に振り撒く邪剣となっている。
「何その剣欲しい……いやマジで欲しいわ……」
「だめですよ、零時」
「わ、分かってるって。この街の人達の大事なものなんだろ!」
 思わず本音が零れてしまった零時に首を振り、たからは身構えた。零時も気を取り直し、大きな魔法帽子を被り直す。
「大切なものを汚すことは許しません」
 騎士の二人も、きっと同じ気持ちだろうと考えたたからは、戦う少女達に目を向けた。他の猟兵に助けられながら果敢に動く魔法騎士達は真剣だ。
 彼女達に呼び掛けるべく、零時は大きく手を振った。
「よっしゃ協力するぜ、二人とも!」
「たから達も、あの剣を取り戻すために戦います」
 同じくたからも自分達が猟兵だと伝えながら、マジックナイト達の元へ駆ける。そうした理由は敵のミレナリィドールが彼女達に攻撃を仕掛けようとしていたからだ。
 たからはレシャの方へ。
 零時も素早く駆け、リディの前に飛び込む。
 二人は彼女達が傷つけられる前に割り込み、それぞれに斬撃を受け止めた。
「きゃあっ、大丈夫ですか!?」
「平気です。それよりも、次の一撃に注意してください」
 手裏剣二刀で以て敵の大剣を受けたたからは、一気に刃を押し返す。散った炎と氷の残滓がたからを襲ったが、そんな痛みなど無視すればいい。
 零時は真正面から受けたと思わせて、放つ光でドールの狙いを眩ませていた。
「お前、なかなかやるじゃないか!」
「任せとけ! まずはドールたちを倒せばいいんだよな……!」
「ああ、頼んだよ!」
 リディから力強い言葉を向けられ、零時は笑みを返す。レシャの方はたからに任せておけばいいと感じた零時は、反撃に移っていった。
 虚ろな瞳の奥に世界に対する憎しみを宿すミレナリィドール。
 どうやら彼女達は速く動く者の方に反応するようだ。先程に零時とたからが割って入ったときに、攻撃を此方に向けたのもそのせいらしい。
「そっちがそうやって狙うってんなら……さぁ、捉えられるもんなら捉えてみな!」
 零時は体を光に変え、空中に浮遊した。
 ドールが自分を追ってくることを確かめ、彼は光の速さで駆けた。そうすればミレナリィドール達が一斉に零時に意識を向ける。
「零時、みんなの視線を釘付けですね」
「どうだ! このままやってやんよ全力でなぁ!!」
 たからも光の零時を見上げ、自由自在に夜を飛び回る彼の軌跡を瞳に映した。
 その間に、と思い立ったたからはマジックナイト達の様子を確かめる。果敢に戦って入るが二人は一般の戦士。その呼吸は荒く、魔力を随分と消耗しているようだ。
「うう……」
「大丈夫かい、レシャ。アンタは体力がないんだから無理するなよ」
「いいえ、リディさん。私も騎士ですからっ!」
 共に支え合う少女達の傍についたたからは、今のうちに少し休息を、と告げた。そして、たからは励ましの言葉を掛けていく。
「大剣を元に戻すには、あなた達二人の力が必要です」
「でも、皆さんの方がお強いです……」
「悔しいが、アタシ達の力じゃ――」
 首を振る少女達に対し、たからは違うと伝えた。
 天籟の技や体系を学ぶ騎士だ。自分達の知らないことを知っているというだけで十分に力になり、心強いのだとたからは語る。
「街の英雄の名に懸けて、たからと一緒に戦ってください!」
 鼓舞に込められたのは情熱。そして、勇気を与える言葉だ。はっとした騎士達はすぐに笑みを浮かべ、其々に剣を構え直した。
 たからが微かに双眸を細めたことで、少女達は力強く笑う。
 その最中、零時は敵を引き付け続けていた。
「憎しみだけに支配されてちゃ俺様は倒せねぇぜ!」
 敵からは憎悪を感じたが、零時は怯みなどしない。たとえ相手が固かろうと何だろうと、少年にとっては難などではない。
「この俺様に諦めるなんて選択肢は! ない!」
「その意気です、零時」
 高らかに宣言する声を聞き、たからはぱちぱちと拍手をした。レシャとリディも零時の心意気に背中を押されたらしく、たからと共に剣を振るっていく。
 そうして、リディがたからに技の癖を伝える。
「天籟の剣は三つの魔力を同時に練るんだ。一瞬、どうしても剣を振る前に集中しなきゃいけないときがある!」
「わかりました、その瞬間に隙があるのですね」
「どんな隙だって見逃さねえ!」
 たからは地を蹴り、一気に前に出る。零時も光を散らしながら敵の周囲を素早く舞っていった。狙うのは、マジックナイトから伝えられた一瞬。
 敵の隙ができるタイミングが分かったならば、後は此方の番。
「いっくぞー!!」
 零時は吶喊する。相手の攻撃や防御が強かろうと、気合いがあれば進める。敵が剣を振る前に。その魔力が紡がれる直前に。
 光は鋭く翔け、そして――。
「これが俺の全力! ぶち込むぜ!!」
 威勢のよい声と共に光は辺りを眩く照らし、ミレナリィドールを骸の海に還した。
 これで一体が倒れる。
 跳躍することでもう一体の相手の気を引いたたからは、レシャとリディの動きに機をあわせた。刹那、二人の振るった魔法剣から雷撃と水撃が放たれる。
「流石です」
 リディもレシャも、立派な騎士だ。
 そう感じたたからは間髪容れずに手裏剣を投擲した。失敗作とされ、この闘技場に訪れる者の選別として倒される――つまりは、使い捨てられることを運命づけられた彼女達はとても悲しい存在だ。
「たからは、せめてその苦しみから解き放ちたいのです」
 その思いを反映するかのように、たからの手裏剣は一撃で少女人形を葬った。くるりと宙で舞い、着地したたから。彼女によって散らされた魔力の残滓が散る様はまるで、灰の雪が降っているかのように見えた。

 やがて、闘技場の前に布陣していたミレナリィドールはすべて倒れる。
「あなた方こそ強き者です。どうぞ、お通りください……」
 最後の一体はそのように告げてから、跡形もなく消滅していった。
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第2章 ボス戦 『魔鬼士』

POW ●災魔の邪眼
【敵の攻撃を見切った鋭い突き】【敵の回避を見切った力強い振り下ろし】【敵の反撃を見切った荒々しい薙ぎ払い】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD ●災魔の鎧躰
全身を【流れる災魔の血を活性化させ、禍々しい闘気】で覆い、自身が敵から受けた【攻撃への高い耐性を得る。また、戦闘時間】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
WIZ ●侵略蔵書「大魔王の侵略」
自身の装備武器に【侵略蔵書から溢れる大魔王への恐怖】を搭載し、破壊力を増加する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は九頭竜・聖です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●戦士の成れの果て
 闘技場前に集っていた配下達はすべて倒れた。
 すると、地面に突き立てられていた災魔の大剣が浮かび上がる。
 禍々しいオーラを纏いながら浮遊する剣は、まるで猟兵達を導くかのように建物の入口を潜り抜け、闘技舞台の中央に向かっていった。
 その後を追った猟兵達を迎えたのは、此度の事件の首魁――魔鬼士だ。

「よくぞ来た、強き者達よ!」
 月が照らす闘技場の舞台には闘気が満ちている。天籟の大剣は魔鬼士の頭上高くに浮遊しており、彼を倒さなければ触れることも出来ないようだ。
 鎧兜の奥にある災魔の邪眼を光らせ、魔鬼士は猟兵達を舞台上に招く。
「お前達は強い! 故に、倒す価値がある!」
 そして、魔鬼士は腕に宿らせた得物を鋭く構えた。
 ただ、戦いを。熱き闘争を。
 彼が求めるのは強さのみ。強き者を倒し、更なる強さを追い求める。この騒ぎを起こしたのも実力を持つ者を誘き出すためだったのだろう。
「さあ、来るが良い! その強さを見せ、そして――この力に破れて散れ!」
 その言葉と同時に侵略蔵書から溢れる力が彼を覆った。
「猟兵さん、私達は後方支援に徹しますっ」
「頼むよ! アタシ達も最後まで戦うから!」
 猟兵達に付いてきていたレシャとリディは後方に下がり、此方の援護に回ると告げてくれた。その間にも敵の気迫が戦場に巡っていく。
 
 この街の平穏と、嘗ての騎士の強さの象徴である剣を取り戻すために――。
 猟兵達よ、今こそ己の力を示すときだ。
 
空桐・清導
POWで挑む
攻撃を5倍、攻撃回数を半分にする

2人の援護もあって攻撃は捌けてるけどキツイ
だが、負けられねえ!
こいつに世界を滅茶苦茶にされてたまるか!

「誇りある騎士の武器が、
いつまで利用されてんだ!
力を貸せ天籟の大剣!」
その声に反応するように天にある剣から風が吹いて清導を包む
「借りるぜ、アンタの力!超越…変身ッ!」
風を光に変換して取り込み、増幅させて再変換
光から現れたのは騎士のような鎧となって剣を携えたブレイザインだ!
「リディ!レシャ!力を貸してくれ!
この一撃でケリをつける!」
光と風、炎と氷
全てを剣に収束させる
「受けろ!絶技!森羅万象!!」
収束した全てを見切りも反撃も不可能な巨大な極光として放つ!


●熱き闘志
 対峙するのは此度の首魁、魔鬼士。
 月明かりに照らされた舞台は力と力を示し合うための絶好の戦場となる。
「さあ、強者達よ! その力を見せてみろ!」
 魔鬼士の言葉が響いた瞬間、彼の周囲に先程よりも激しい闘気が巡った。その一瞬で戦いが始まりを迎えたことを感じ取り、清導は身構える。
 先手を取ったのは魔鬼士だ。
 鋭い金属槍で以て突きを放った彼を中心にして轟音が巻き起こる。清導は両腕を組むことで風の直撃を受け止め、後方のマジックナイト達に呼び掛けた。
「二人とも、もっと下がってくれ!」
「ああ!」
「はいっ!」
 そうしなければ瞬く間にリディとレシャはやられてしまう。彼女達もそのことに気付いているらしく、清導の言葉に素直に従った。
 どうやら彼女達は回復魔法も心得ているらしく、清導の元に癒しの風が届いた。
 その援護もあって攻撃は捌けたが、これを何度もくらうとなると厳しいだろう。
「キツイな……だが、負けられねえ!」
「その心意気、強さに満ち溢れているな」
 対する魔鬼士は不敵な笑みを浮かべていた。強き者を倒すことで強さを得たい。そういった思いが感じられたが、魔鬼士のやり方は間違っている。
 ただ強者と戦うだけならば真っ当だ。
 されど相手は侵略蔵書の力にまで手を付け、大魔王の恐怖を身に纏っている。
「こいつに世界を滅茶苦茶にされてたまるか!」
 清導は魔鬼士に向けて強い視線を差し向けた。その眼差しは宣戦布告の如く、激しい熱と気合を宿している。
 その思いに呼応した機械鎧が光を満ちさせていく。
 戦場が眩く照らされた瞬間、清導は地面を大きく蹴りあげた。その動きに反応した魔鬼士も一気に動く。
 繰り出される突き。それを見切って避け、側面に回り込む清導。
 だが、かなり危うい状況だった。
 敵の強さを実感した清導は頭上に目を向けた。その先にあるのは天籟の剣だ。清導は魔鬼士からの攻撃を受け止めながら、其処に呼び掛ける。
「誇りある騎士の武器が、いつまで利用されてんだ! 力を貸せ天籟の大剣!」
 一瞬、空気が揺らいだ。
 偶然か、それとも必然か。その声に反応するように天から風が吹いてきた。はっとしたレシャとリディも魔力の風を起こし、清導の身を包んでいく。
「リディ! レシャ! 借りるぜ、アンタ達の力!」
「頼んだぞ、ヒーロー!」
「お願いします、ブレイザインさん!」
 二人の声を受け、清導は風を光に変換して取り込む。更にその力を増幅させて、再変換していき――。
「超越……変身ッ!」
 刹那、光から現れたのは騎士のような鎧となって剣を携えたブレイザイン。
 光と風、炎と氷の力を収束させた彼は全てを剣に集わせた。
 たった一撃で全てが決するとは思えないが、最初から全力で向かうのが自分なりの強さの流儀でも。
「受けてみろ! 魔鬼士!」
 鋭く眩い輝きを纏った一閃が振り下ろされ、月夜の闘技場が光に包まれた。
 清導たち猟兵と魔鬼士の闘いは未だ始まったばかり。
 そして此処から、激しい戦闘が巡っていく。
 
大成功 🔵🔵🔵

ベルベナ・ラウンドディー
天籟の技は強力な反面
放つ直前の隙が致命的なようでしたね



●読心術・早業・咄嗟の一撃

POW
此方の行動を見切っての攻撃?
つまり見切らずして攻撃の成立がない、予備動作が必要と。
なら見切られ攻撃に転じる切り替え時、ユーベルコードを叩きこむ
此方の攻撃も回避も反撃も全てエサです

天籟の剣を使わないのは腕の獲物に自信があるから
そこから突く薙ぐ降ろすの攻撃に強く限定されれば対策も打てます
貴方は強さしか見ていない
弱点の観念が薄すぎる


まぁ私も私で体術などと強さに欠けますが…
魔法騎士2人に準備の暇を与え、
例えば別々の3種の攻撃要素を集中させれば似たことも出来るでしょうよ
支援攻撃に【衝撃波】で叩きこむことも想定します 


●三つの力
 宙に浮かんでいる天籟の大剣を見上げ、ベルベナは先程の戦いを思い出す。
「天籟の技は強力な反面、放つ直前の隙が致命的なようでしたね」
 すると後方にいたマジックナイト達が首を振った。ミレナリィドールや彼女達はそうだったが、熟練の域に達した者は違うという。
「伝説の騎士様にはそんな隙はなかったらしい」
「私達は未熟なので隙が出来ますが、騎士様はすごかったらしいのです!」
「その高みを目指すためにアタシ達は修行してるんだ」
「なるほど……」
 ベルベナは彼女達の声を聞き、納得する。ミレナリィドール達は均衡した魔力を同時に紡ぐことは出来たが、ただそれだけ。
 元の剣技は卓越したものであり、自分は本当の技を目にしたわけではないようだ。剣技の完全な習得を目指す少女達の中にあるのは憧れと誇り。
 彼女達が怖じ気付かずに此処まで来たのも、誇りの象徴を取り戻すためだろう。天籟の剣も技も、マジックナイト達にとっては汚されてはならないものだ。
 そう感じたベルベナは魔鬼士を見据えた。
 少女達に援護を任せ、ベルベナは禍々しい闘気を放つ敵に向かっていく。
 どうやら相手は此方の行動を見切る実力を持っているようだ。だが、それならばベルベナにも考えがある。
 先程に少女達が語った伝説の騎士に隙がなかったと言われるように。見切られた攻撃に転じる切り替え時にユーベルコードを叩き込めばいい。
 刹那、魔鬼士に流れる災魔の血が活性化された。ベルベナを狙った一撃が解き放たれ、空気ごと巻き込むような轟音が巻き起こる。
「強さを極める為に得た、この災魔の血の力――受けるがいい!」
「武器なんぞ、ましてや災魔の力なんて使ってんじゃねえ!」
 しかし、ベルベナとて敵の動きを読んでいた。普段とは違う荒々しい声をあげながら跳び膝蹴りを放った彼は一気に反撃に入った。
 此方の攻撃も回避も反撃も全て餌。そう示すように繰り出された一撃は鋭い。
 魔鬼士もそれに対抗し、両者の視線が交錯した。
 その間も天籟の剣は妖しく浮遊しているのみ。魔鬼士がそれを使わないのは己の力と得物の扱いに自信があるからだろう。
 ベルベナは分析を続けていく。
 其処から突く、薙ぐ、降ろすの攻撃に強く限定されれば対策も打てるはずだ。
「貴方は強さしか見ていない」
「強さを求めることの何が悪い?」
 ふとした拍子にベルベナが語りかけると、魔鬼士は不敵さを感じさせる問いを返してきた。その言葉に対し、ベルベナは思ったままのことを告げる。
「弱点の観念が薄すぎる」
「どういうことだ?」
「まぁ私も私で体術などと強さに欠けますが……」
 今です、とベルベナは後方の二人に呼び掛けた。先程の戦いでも連携したのでマジックナイト達も慣れたものだ。
 刹那、十分な準備の暇を与えて貰っていた魔法騎士達が一気に動く。
「くらえ!」
「これが私達の協力攻撃ですーっ!!」
 リディは炎を、レシャは氷を。そして、ベルベナは衝撃波を。
 修行中の彼女達が完璧な天籟の技を打てずとも、こうして三人で三種の攻撃要素を集中させれば似たことも出来る。
 ベルベナとマジックナイト達の攻撃は戦場に迸り、魔鬼士の身を大きく穿った。
「ふむ、なかなかだ!」
 僅かに体勢を崩した魔鬼士は満足そうだ。
 おそらく今の攻撃の中に強さを感じ取ったのだろう。更なる気迫が敵の周囲に満ち、禍々しい力が増幅していく。
 ベルベナは魔法騎士達に気を付けるよう呼び掛け、続く戦いへの思いを抱いた。
 
大成功 🔵🔵🔵

黒鵺・瑞樹
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

強いから倒す価値があるんじゃない。
戦う価値があるんだと思う。
彼はその望みの果てにどこへ行くんだろう?

さて後方支援についてくれるというのだから、できれば他の猟兵への支援が望ましいかな。
俺の戦い方は隠密が主となるから派手に戦ってくれる人が居ると助かるんだが。
存在感を消し目立たないようにしてからの、UC五月雨及び飛刀の投擲による奇襲。
さらにその隙を縫って接近しての直接二刀での斬撃。
二段構えの奇襲だがどこまで通用するか…。
敵の攻撃は第六感で感知、見切りで回避。
回避しきれないものは本体で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らうものは激痛耐性で耐える。


●隠密奇襲
 闘技場の舞台に立った瑞樹は双刀を握り直す。
 右手には胡、左手には黒鵺という普段通りの二刀流で挑む彼は、身を隠していた。
 魔鬼士は他の猟兵を見ている。
 その間に自分は夜の闇に紛れて奇襲を行う心算だ。
「猟兵さん、大丈夫ですか?」
「静かに」
「はわ、ごめんなさいっ」
 マジックナイトのレシャが語り掛けてきたので、瑞樹は首を横に振る。緊張した面持ちのレシャは敵の気迫に押されているようだ。
 その緊張を解してやるために、瑞樹は彼女へとやってほしいことを伝える。
「さて、後方支援についてくれるというのだったか」
「はい!」
 こくこくと頷くレシャに向けて語りながら、瑞樹は更に闇に身を溶け込ませた。
「それなら、できれば他の猟兵への支援が望ましいかな。こっちは大丈夫」
 瑞樹が隠れる心算なのだと察したレシャは、わかりました、という旨を視線で告げ、別の猟兵の援護に向かった。
 そして、瑞樹は静かに戦場の様子を窺う。
 見据える先にいる魔鬼士は派手に戦っていた。彼は強き者を求め、それらを倒すことで更なる強さを得ようとしている。
「強いから倒す価値があるんじゃない」
 瑞樹は魔鬼士の考えを肯定することは出来なかった。確かに強さは大切なものであり、弱ければ何も得ることが出来ないだろう。
 真っ直ぐに視線を向けた瑞樹は、更に独り言ちる。
「強いからこそ、戦う価値があるんだと思う」
 ――彼はその望みの果てにどこへ行くんだろう?
 その言葉も疑問も敵に伝わることはないが、今の瑞樹がすべきことはただひとつ。
(派手に戦ってくれる人が居ると助かるな)
 戦場に飛び交う衝撃を躱し、瑞樹は駆けていく。存在感を消し、限りなく目立たないようにしてからの跳躍。
 そして――黒鵺を複製した彼はいっきに五月雨の刃を降らせた。
 更には飛刀の投擲による奇襲が行われ、魔鬼士が貫かれる。相手はそれらを腕の得物で弾き、鎧で以て受けていた。
「流石は強者を求める相手だな」
 瑞樹は魔鬼士の頑丈さに感心しながら、身を翻す。隙を縫って接近、其処からの直接二刀での斬撃が相手に見舞われた。
「誰の攻撃かと思えば、隠れていたとはな!」
 それがお前の強さか、と問われているような眼差しが鎧兜の奥から感じられる。
 瑞樹は何も答えぬまま、敵と距離を取った。二段構えの奇襲は成功したが、相手はもう自分を認識している。
 敵の攻撃は第六感で感知した瑞樹は、咄嗟に一撃を回避した。
「強さの価値観は違うが、お相手はしよう」
 魔鬼士を見つめ、自分なりの宣言をした彼は二刀を構え直す。
 回避しきれないものは本体で受け、カウンターを叩き込むタイミングを見計らう。それでも喰らうものは耐えてみせると決め、瑞樹は再び五月雨の刃を操作した
 魔鬼士が求める強さ。
 己が抱く強さの意味。
 言葉にはしない、其々の価値観が戦場でぶつかりあってゆく。
 
大成功 🔵🔵🔵

朱赫七・カムイ
私は強くなりたい
強くならねばならない
未熟な神…其れは言い訳
未だ私は『私』よりずっと弱い

強さとは?
立ち向かう勇気
救いたいと云う覚悟
守りたいと願う心
強さを倒せばより強くなれるのか?


受け止める刃は重い
踏み込み切りつけど物足りない

カグラの結界とリディ達の力でまた守られている
今度は私が

カラス?
見守るのみだった神の声が聴こえる
私に戦い方を教えてくれるの?
揺らぐ権能の扱い方

厄を約して見切り
災を約し絡め捕縛し
幸を約しなぎ払い
貫通させ切断する
恐怖など些事である

喰い裂け、喰桜

優しさだけでは守れない
カグラ
私は守れる神に成る

嘗て師であったなら
何時までも弟子に遅れをとってはいけない
あの子の、君の神だと胸を張りたいんだ


●神斬
 月夜に満ちる闘気からは災いが溢れている。
 対峙するのは強さを求める騎士。鋭く尖った戦槍を差し向ける魔鬼士は此方を強者として認め、迎え撃つ心算でいるようだ。
 猟兵達を倒すべくして、魔鬼士は戦槍に侵略蔵書から溢れる大魔王への恐怖を与えていった。そうすることで周囲に巡っていた禍々しさが増幅されていき、得物が振るわれるだけで轟音が鳴り響いていく。
 朱赫七・カムイ(約彩ノ赫・f30062)は、彼が持つ強さへの執着に意識を向けた。
「私は強くなりたい。強くならねばならない」
 根源たる思いは違うだろうが、カムイも力を求めていた。
 うまれたばかりの未熟な神であるから――というのは、言い訳に過ぎない。
 未だ自分は『私』よりずっと弱い。過去を識った今、どうしても比べてしまう。
 前と今を違うものだとは断じられない。
 そして、カムイは強者を求める騎士を前にして自問していく。
 強さとは。
 立ち向かう勇気か、救いたいと云う覚悟か。或いは、守りたいと願う心なのか。
 魔鬼士のように、強き者を倒せばより強くなれるのだろうか。
 繰り出された槍撃から放たれる衝撃波を受け止めたカムイは、地を踏み締める。果敢に攻撃に耐えながら、浮かんだ疑問の続きを導き出していく。
 答えは、否。
 続けて魔鬼士はカムイに狙いを定め、巨大な得物を大きく振るった。
「お前の強さも見せてみるがいい!」
「――!」
 咄嗟に受け止める刃は重い。戦槍と喰桜が衝突することで火花が散ったが、カムイは身をかわしてから踏み込み直す。
 桜がひらりと舞うように刃を切り返し、反撃として斬り付け返した。
 されど物足りない。
 先程からずっとカグラの結界と、リディとレシャ達の力が守護として巡っていた。また守られている、と感じたカムイは刀の柄を握り締める。
「今度は私が……、カラス?」
 そのとき、不意に声が聞こえた。これまで援護に回るだけだった鴉神がカムイに語りかけてきていた。
 それは彼にしか聞こえぬ言葉だが、はっきりと伝わってくる。
「私に戦い方を教えてくれるの?」
 カラスが翼を広げると、黒い羽根が舞った。裡に揺らぎはじめたのは、嘗て宿していた権能の扱い方。
 習うより慣れろと語るが如く、カラスは月夜に飛び立つことでカムイを導く。
 厄を約して見切り、災を約し絡めて縛る。
 幸を約してなぎ払い、其処から貫き通して――斬る。
 ほう、と唸った魔鬼士がカムイの力に興味を示していた。再び狙い定められた槍撃がカムイに迫ってきていたが、恐怖など些事である。寧ろ、そのようなものはない。
 身を引き、風の如く身を翻したカムイは刃を差し向ける。
「喰い裂け、喰桜」
 厄災の黒桜が齎す神罰が巡り、不運が標的を捉えていく。魔鬼士の強さを崩壊させるが如く、迸る罰の力。
 更に力は巡りはじめ、朱桜に約された幸運と再生の力が魔法騎士達の身を癒やす。
 その様子をカグラはじっと見守っていた。
 過去と現在。
 変わらぬものと、変わったもの。重なり合った二つの力が桜となって舞い上がる。
 優しさだけでは守れない。たった今、そう識った。
「カグラ、私は守れる神に成る」
 共に往く友へ語り掛け、カムイは朱砂の太刀を強く握り直す。
 嘗て師であったなら、何時までも弟子に後れをとってはいけない。己が強さを求める理由はたったひとつ。
「あの子の、君の神だと胸を張りたいんだ」
 それゆえに――。
 此処で証明する強さこそが路を拓く力と成る。カムイの眼差しはただ真っ直ぐに、続く未来を映し出していた。
 
大成功 🔵🔵🔵

鎹・たから
力を追い求めた成れの果て
愛なき強さは、ただの暴力です

たからはあなたをほろぼします
英雄の剣をこの街に取り戻しましょう

この身に悪鬼を降ろします
どのような代償も払う、勇気と覚悟があります

レシャとリディの援護
味方を信じて斬り込みます

素早く駆けて攻撃を残像で躱し
オーラの防御で大ダメージを防ぎます
【ダッシュ

二人の支援が
きっとたからを助けてくれます
不安などひとつもない

少しでも隙を見つけられた時
セイバーで敵の腕等、身体部位を切り裂きます
相討ち覚悟、たたっ斬る勢いで
【2回攻撃、暗殺

たとえ一撃で仕留められなくても
深く傷を負わせられれば
必ず勝機はあります

英雄の魂が息づくこの街に
悪は蔓延りません!


●強さの証
 轟音と共に緋色の衝撃が戦場に散る。
 災魔の血と力が宿る鎧躰と邪眼を用い、侵略蔵書から溢れる大魔王への恐怖をも纏って戦う魔鬼士。彼も元は騎士だったのかもしれない。
 だが、鬼となった彼は最早――力を追い求めた成れの果てだ。
「愛なき強さは、ただの暴力です」
 たからは繰り出される戦槍の一撃を避け、高く跳躍する。
 空中でしなやかに回転した彼女は魔鬼士を見下ろし、着地と同時に宣言した。
「たからはあなたをほろぼします」
 跳躍の最中に見遣ったのは英雄の剣。皆の大切なものを餌にするようなことをしてまで、強き者を求めた魔鬼士の所業を赦してはいけない。
「あの剣を、この街に取り戻しましょう」
「ああ、絶対に!」
「はい……!」
 たからの声に応えるようにしてリディとレシャが強く頷いた。
 魔鬼士がその身を鬼としたのなら、対抗策もある。たからは己の身に悪鬼を降ろし、この戦いへの覚悟を示した。
 それはどのような代償も払うと決めた、勇気の証。
 レシャとリディが紡ぐ風と癒しの援護がたからを包み込んでいく。彼女達や共に戦う味方を信じて、たからは一気に斬り込みに駆けた。
 たからが纏うマガツの力の群れ。その気配に意識を向けた魔鬼士は薄く笑む。
「お前も鬼を宿しているのか」
「はい。ですが、あなたと同じではありません」
 この力は生まれた時から、ずっとずっと一緒にあるから。
 鎧の奥から睨めつけられる視線と、たからの眼差しが重なった。次の瞬間、素早く駆けて接敵した彼女に向けて、魔鬼士からの突撃が放たれる。
 しかし、その一撃は空を切ることになった。
「……残像か」
 たからの本体は側面にあると気付き、即座に身構え直した魔鬼士だが、その周囲には禍々しい闘気が満ちている。其処に隙はない。
 たからは一閃を放ち返そうとしたが、すぐに動きを止めた。戦槍が自分の方に薙がれると知り、咄嗟に防御陣を張り巡らせることに変えたのだ。
 大きな衝撃がたからを襲ったが、そのおかげで大打撃は防げた。
「たからさんっ!」
「大丈夫だ、アタシ達が支える!」
 マジックナイト達の声を聞き、たからはこくりと一度だけ頷く。二人の支援が自分を助けてくれると知っているから、不安などひとつもない。
 そうして、其処から猟兵達と魔鬼士の戦いは激しく巡ってゆく。
 たからは魔鬼士の隙を窺い、硝子のつるぎを振るいあげた。狙うはたったひとつ、敵の腕部。玻璃の花が鋭い軌跡を描きながら振り下ろされ、敵の身を切り裂く。
「真正面からくるとは命知らずだな!」
「こうすることが、たからなりの礼儀です」
「はは! 良いな! まさに倒す価値がある!」
 たからは相討ち覚悟で向かい、魔鬼士も全力で受け止めて反撃に入った。力では押し負けると分かっていたが、たからとて圧される心算はない。
 たとえ一撃で仕留められなくても深く傷を負わせられればいい。
 必ず勝機はあるのだと信じて、たからは戦い続け――そして、決着の時が訪れる。


●繋がる志
 闘技場の舞台に光や焔、風が舞っていく。
 魔鬼士の闘気、猟兵それぞれの力、魔法騎士達の懸命な援護。それらが混ざり合い、戦いは激化していった。しかし、均衡が保たれていた戦いにも転機が訪れる。
 僅かではあるが、魔鬼士の呼吸が乱れていた。
 本人は押し隠しているようだが、それを見逃さぬ猟兵達ではない。
 瑞樹は自身が持つ黒鵺の刃を高く掲げ、其処に力を注いでいく。すると幾つもの刃が複製され、月夜の空に舞い上がっていった。
「喰らえ!」
 五月雨の如く降る刃が魔鬼士を貫く。
 それによって相手の体勢が大きく揺らいだ。はっとしたレシャとリディが猟兵達の背を見つめ、声を張り上げて呼び掛ける。
「お願いします、皆さん!」
「この戦いに決着を付けてやろう!」
「ええ、これで終わりにしましょう」
 その声に応えたベルベナは鋭い衝撃波を解き放ち、魔鬼士が体勢を整え直す動きを阻害していった。そして、仲間達に目配せで合図を送る。
 魔法騎士達と仲間の動きを察知したカムイは舞台を駆けてゆく。
 祝災の厄倖をその身に纏い、喰桜を振るう。そうすれば、厄災の黒桜と約倖の朱桜が混ざりあい、戦場を彩った。
「力を求めたそなたに、この力を――」
 カムイの一閃が魔鬼士を貫く。その一太刀はこれまで彼が揮っていたものとは違う、あらたな力となって深く巡っていった。
「う……ぐ、何という力だ! だが、まだだ!」
 魔鬼士は戦槍を構え直そうとしている。されど、たからと清導がそうはさせない。
 素早く駆けた二人は双方から敵を穿った。清導が腕を殴り抜き、たからが得物を蹴り上げる。振るわれるはずだった槍はその手から離れ、空中に舞った。
「英雄の魂が息づくこの街に、悪は蔓延りません!」
「この一撃でケリをつける!」
 たからが振るった透明無垢な硝子剣。清導が全力集わせていった光が戦場を鋭く照らしていき、そして――。
「絶技! 森羅万象!!」
 其の力がひといきに解き放たれ、魔鬼士の身体は眩い光に包まれた。

 光が収まったとき、災魔は消え去っていた。
 それまで禍々しい気を纏い、浮遊していた天籟の剣もゆっくりと落ちてくる。強さを求めた騎士は骸の海に還され、此度の事件も収束していくのだろう。
 レシャとリディは急いで天籟の大剣の元に駆け寄り、ほっとした様子で触れる。
「ありがとうございました、皆さん!」
「アンタ達のおかげで、アタシ達の……いや、この街の誇りが取り戻せたよ」
 二人は大切そうに剣を抱え、猟兵達に礼を告げた。
 本来ならば二人は死を迎えていた身。猟兵達は今、彼女達を、ひいてはこの街の人々みなを守ったことになる。
 それぞれに笑みや言葉を返し、猟兵達は天籟の剣を見つめた。
 月明かりは優しく、街を照らしている。

 誇りも強さも、最初から存在していた。
 たとえ持ち主が滅びようとも、剣と技を通して連綿と受け継がれた志はきっと――。
 ずっと、変わらず此処に在り続ける。
 
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年01月16日
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