地面は常にぬかるんでいて、雨季には水浸しとなるミズノチには広範にかつ高く根を張る樹木たちが森を形成しており、とある集落から向こうは未開の地となっていた――名目上は。
いかにも山賊の風体をした彼らは金属製の砲台を携行しており、その砲口は気まぐれに火を噴いた。樹木を焼く火炎砲、連射すれば幹を真っ二つにする機関砲と森を傷付けながら侵攻していく。
クロスボウを担ぎ、弓と剣を装備しながら老女エルフがそう言えば、「族長はここで待っていてください」「指示する者が動いてどうするんですか」と若いエルフたちが止めに入る。
現在、侵略をする猟書家の一人「プリンセス・エメラルド」が派遣した幹部「チーフメイド・アレキサンドライト」は、「大天使ブラキエル」のお手伝いとしてエルフの森を焼き払おうとしている。
ねこあじ
ねこあじです。
エルフの森攻防戦シナリオです。
これは幹部戦で2章構成の依頼となっています。
幹部であるチーフメイド・アレキサンドライトが、山賊の大軍を率いてやってきたので撃破していきましょう。
皆さんが到着した時点で既に敵陣営は焼き討ちを開始しています。
なるべく延焼を最小限に抑えるために素早く倒していきましょう。
世間から隔絶した暮らしをしていたエルフたちですが、順応力が高いため、訪れた猟兵たちなどの状況をすんなりと理解します。迅速に協力を取り付けることが出来るでしょう。
森のあっちこっちにいます。
プレイングボーナスは全章共通『エルフ達と協力し、共に戦う』ことです。
プレイングの締め切りはマスターページか、上部タグ、Twitterなどでお知らせします。
採用はなるべく頑張るの方向です。
不採用の時はこちらの体力&時間的都合なので、その時はごめんなさいなのです。
それでは、よろしくお願い致します。
第1章 集団戦
『山賊』
|
|
POW |
●山賊斬り
【装備している刃物】が命中した対象を切断する。
|
SPD |
●つぶて投げ
レベル分の1秒で【石つぶて】を発射できる。
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WIZ |
●下賤の雄叫び
【下卑た叫び】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
|
👑11 |
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴 |
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
緋翠・華乃音
美しい森だな。焼き払うには惜しい。
さて、先ずは地の利を得たいところだ。
協力してくれるエルフから大まかな地形や行動に注意すべき地点の情報を取得しよう。
情報を得てから行動開始だ。
泥濘に脚を取られないよう枝葉や蔦の上を足場に。
微かな炎の匂いと敵の気配を探知して奇襲の用意。
気配の霧散、高度な身体駆動による移動音の消失は意識せずとも行っている。
使用する武装は音の無い拳銃のみ。
“霧隠の狩人”は射程距離は知覚可能な範囲の全て。
一体につき、一射で、一殺。
傲らず、焦らず、過たず。
正確無比且つ枝葉上の素早い機動は宛ら暗殺者
――いいや、狡猾で残忍な狩人の如く。
とはいえ己が能力に過信は禁物。
どんな時も周囲に意識を。
濃い緑と水の匂いに満ちた森。
緋翠・華乃音(終奏の蝶・f03169)が森の中を駆けていると森番のエルフが直ぐに彼を見つけた。
「待て。貴方は一体――」
見つけてくれるように、敢えてそう動いていた彼はエルフへと向き合う。
「助っ人だ」
僅かに浮かんだエルフの怪訝な表情をその優れた視界で捉えた華乃音が間髪入れずに応じれば、エルフはそうかと直ぐに頷いた。端的なやり取りが交わされ、
「この森で特に注意すべき点はあるだろうか」
先ずは地の利を得ることだろう、と判断した華乃音が尋ねればエルフは四時方向を指差した。
「あっちは特に泥炭地帯となっていて、奴らが侵入するとまずいことになる」
「泥炭……?」
「乾くと良く燃える。燃料となる」
成程、と思い至ったように華乃音は頷いた。
「我々は防衛をしながら誘導するつもりだ」
「――では、まずはそれらを撃破していこう」
to be alone.を手に華乃音が言う。
エルフが言を紡げば森が動き出す。足場となっていた根がうねり、跳ねればそれは跳躍の場となり二人は一気に駆けだした。
微かな炎の匂いが流れてくる。徐々に上昇するはずの熱気は、けれども森というある意味において密閉された空間に蔓延しつつある。
樹上の華乃音は敵の気配を察知し、音なく枝と枝を足場に移動した。
枝は揺れず、葉も擦れることのない隠密行動。
「ハッハァァ! ンなに木があっと良く燃えるな!!」
砲弾が放たれ刹那の爆炎。下賤の雄叫びを上げながら進む敵は三体。
華乃音が意識を向ける。銃口を向ける。撃つ。
一拍で事足りた。
(「傲らず」)
敵の存在は既に的となっていて、発砲と同時に着弾する銃弾が山賊を襲う。
「……ぐ!」
がはっと肺の空気が一気に吐き出し倒れた山賊は、一見すれば発作でも起こしたかのように。
「おいおい、どうしちまったってんだァ」
仲間の山賊が不思議そうに声を掛ける――その的に向かって再び華乃音。
一体ずつ。一射で、一殺。
(「焦らず、過たず」)
三つの言の間に、山賊たちが事切れる。
骸の海へと還っていく彼らを意識から外し、華乃音は次の標的へと向かった。
下賤の雄叫びが敵自身の居場所を教えてくれる。狩人にとっては良い獲物だと言えるだろう。
(「美しい森だ。焼き払うには惜しい――」)
仲間の猟兵たちが火を消し、そしてエルフの言葉によって枝葉を広げた樹々が熱気を空へと逃がす。
青の空が垣間見え、直ぐに閉じられる動きをやや遠くから目にする華乃音。
森自体が動けば枝葉の揺音がざわざわと。
その気配に山賊たちも徐々に慣れ、進むことに専念し始める――敵の『慣れ』は暗殺するのにうってつけな慣れであった。
眼下には根に足をとられ、思うように進めていない山賊たち。枝葉の上を移動し、敵の背後へと回りながら正確無比の一射。
霧隠の狩人はその名の如く、静かに忍び寄り覆っていく。
骸を迎える海のように。
大成功
🔵🔵🔵
夜叉ヶ池・鴉暁
うっわぁ力技ー強引ー。確かに効率はいいのかもしれないけどさぁ……。(げんなり気味)
エルフさん達に言って、山賊達を少数に分けて迷わせてもらった後に狼煙でも上げて場所を知らせてもらって、UCの飛翔能力で上からに突っ込んで行って各個撃破に努めようかなぁ。
音速以上出して森の中飛んだら、衝撃波でこっちが森傷めそうだし。
相手の攻撃は受けても危なそうだから、見切って回避していく方針で。【見切り】
いくら身軽だって言っても、金属製の砲台持ってちゃ俺の雷のいい的だよ?
砲弾の音が森を劈き、爆発音。
間断なく轟く蹂躙の音に夜叉ヶ池・鴉暁(ぬくたにの里の若君・f22209)は眉を顰めた。
水気を多分に含む鬱蒼とした森の気配が一掃されゆくのを感じる。
「うっわぁ力技ー強引ー」
これが「ドン引き」ってやつなんだねぇと、鴉暁は察しつつ学びつつ。
「確かに効率はいいのかもしれないけどさぁ……あっ、こんにちはー」
鴉暁を見つけやってきたエルフへと挨拶をする。
「こんにちは。貴方は――」
「助っ人だよ。彼らを倒しに来たんだ」
ひらり手を振って鴉暁。『彼ら』は分かりやすくその存在を誇示している――煩い方向へ鴉暁とエルフは同時に目を遣り、直ぐに戻した。頷き合う。
「ここは迷いの森なんだよね? 山賊たちを少数に分断することってできるのかな」
「そうだな。突き進んでくる猪が相手のようなものだ」
容易いことだ、とエルフが応じた。
「はは、山の獣と同じなんだ。あれは悪質でしかないけどね」
そして数が多い。
ならば取る作戦も決定だ。鴉暁は柔く笑みを浮かべた。
「ヒャッハァァ! 突き進め! 燃やせぇぇ!」
砲弾が撃ち込まれた場所に爆炎が上がる。武器の特性だろうか、延焼は直ぐに。
「ひゃっふー!」
テンションの上がっている山賊たちはわざわざ炎場を駆け抜けていく。
過ぎた喧騒の影で紡がれる言の葉と、森の魔術。駆ける山賊たちに根の道や垣根を造って誘導していった。
分断が終了すれば合図として樹々の天辺が僅かに開かれる。
空翔・成神威によって森上に滞空していた鴉暁は、樹々が自ら陽を大地に届ける神秘的な動きに気付き、直ぐにその場所へと向かった。
「この身は雷、この身は空。天翔け地薙ぐ神鳴と成る」
降下は落雷の如く。
けれども森を傷めぬよう加減のなされたそれは、中空で弾ける雷気になった。横薙ぎとして翔けた鋭光は鱗紋刀が纏うものである。
一閃から戻した刃が目前の山賊を斬り払う。
一方で地へと翔けた鴉暁を迎え入れた森は、上の枝葉を閉じていく。
飛翔能力を得ているが故に鴉暁の立ち回りは縦横を駆使したものとなった。
「てめぇ! ナニモンだ!」
「君たちの敵でしかないよね」
山賊の繰り出す山刀をいなし、次いでその首を掻っ切った鴉暁は流れるような動きで次の敵へと。
跳躍した山賊の腰元を狙い刀を繰り出した。
「いくら身軽だって言っても、金属製の砲台持ってちゃ俺の雷のいい的だよ?」
鴉暁の言葉通り、昇雷の如き一刀が敵を裂く。
まるで誘雷されたかのように刃先は次敵を捉え、屠っていくのだった。
成功
🔵🔵🔴
リカルド・マスケラス
「レディ(族長)に怪我をさせる訳にはいかないっすからね。力を貸すっすよ」
森を守るのを協力するっすよ
【仮面憑きの舞闘会】でエルフ達の戦闘力と技能を強化
族長が一番前に出そうなので、ブラックコートを羽織ってもらい、ダメージはリカルドが【かばう】ことが出来るようにしておく
「それじゃ族長、陣頭指揮頼んだっすよ!」
火以外の属性を込めた【属性攻撃】の弓矢や魔法による【一斉射撃】を敵に浴びせ、地の利を生かしつつ【集団戦術】で的を絞らせないように動きつつかく乱。敵の攻撃で森が燃えても水魔法ですぐ消せるようにする
「自分には気にせず、そのままガンガン行っちゃってっすよー!」
強化の代償は【浄化】【破魔】でも使って軽減
長、と呼びかける声も気にせずに族長のエルフが駆ければ、やがて周囲の気配は隠密のものへと切り替わっていく。
「族長、族長ー」
「なんだい、煩いね」
それでも再び掛けられた声に振り返れば、見知らぬ人間がいた。
「あ、こんちはっす。助っ人っす」
「わかった」
視線を向けられたリカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)が軽く挨拶をすれば、軽く了承される。
「ちょ、ちょ、族長、もちょっと警戒するとかナンか無いっすか?」
「なんだい、助っ人だと言ったのはお前さんだろう。二言でもあるのかい」
「ねぇっす!」
族長率いるエルフのチームに加わるリカルドと猟兵たち。
「あ、族長――いえレディ。レディに怪我をさせる訳にはいかないっすからね。これどーぞ」
そう言ってリカルドがブラックコートを族長に羽織らせた。何だか執事サンな気分になった。
訝しげな顔を見せた族長に「前に出るんなら防御力アップ必須っすよ」とリカルドは言う。
「皆さんにもお守りっす!」
リカルドがユーベルコード・仮面憑きの舞闘会を展開すれば、周囲のエルフたちに狐面が装着された。エルフたちの金や銀の髪も藍色の髪へと変化する。
「こ、これは……!」
宿った力にエルフたちも驚きの表情に。そんな彼らにリカルドはアゲていきましょ! と鼓舞した。
「それじゃ族長、陣頭指揮頼んだっすよ!」
森に多くある魔力は水だ。
地の利を生かすべく広範に霧が放たれれば山賊たちが惑う。
「な、なんだ。霧が出てきた……!」
「焼き払っちまえ!」
撃たれた砲弾が爆炎を起こすも直ぐに終息した。蒸気の音が響き、より視界が霞む。
「!?」
発生した蒸気が合図となったのか一斉に魔法の矢が放たれ、次いで敵に突き刺さる矢。
「がっ!」
「ぐわっ!」
「――畜生が! どこにいやがる!」
倒れて行く仲間を見た山賊が周囲に石つぶてを放つも、手応えのない乾いた音が返ってくるのみ。
リカルドの力を借り、エルフたちは元々持っていた隠密の技能も合わせその能力を遺憾なくかつ倍に発揮させていた。
「そのままガンガン行っちゃっていっすよー!」
ブラックコートを通してやってくる痛みとさらに呪縛を受けているリカルドは、掛かる負担をなるべく軽減させながらもエルフたちに力を与える。
負荷を軽減させようと、猟兵仲間の力がリカルドの支えに加わる。
「誘導するまでもなかったね。そのままやっちまいな」
族長の声に応じてエルフたちが動く。
「奴らが通った場所には水を撒きな」
敵を撃破すれば、熱気の残る場所に水を撒きながら次へと向かう。
「なんかやばいんすか?」
不思議に思ったリカルドが問えば、族長は頷いた。
「延焼要因となる土があるんだよ」
「ひぇ」
乾かせば燃料となる泥炭だが、故に敵陣のやり方には油断のできない部分もあり、森の懸念事項でもあったようだ。
「アンタの力、助かったよ」
「わぁ、褒められちゃった、照れるっすね~」
「素直な男は良いモンだが、そのちゃらっとしたのはどうにかなんないのかね?」
「なんねぇっす!」
出会ったエルフにも狐面の分体を与え、森を守っていくリカルドたち。
迅速な対応が凪ぎの時を呼び込んでいく。
大成功
🔵🔵🔵
陽向・理玖
【月風】
あの婆さんすげぇな
いくつだ
あっいや
ご年配は大切にしねぇとな
この森も
あの人位生きてるんだろ?
手に触れ勇気づけようと
ああ
森もエルフの人も
…瑠碧姉さんも
絶対守る
覚悟決め
龍珠弾いて握り締めドライバーにセット
変身ッ!
衝撃波飛ばし残像纏い手近な敵にダッシュで距離詰めグラップル
砲台ごと蹴り
他の敵にぶつけるように吹き飛ばし
まとめて倒すッ!
UC展開
木から木へ飛び回り攻撃
森深くへ誘導し迷わせ
ヒット&アウェイ
樹上や森に潜伏しての攻撃はエルフの人のが上手いだろ
てかこんなん聞かせられるか
瑠碧姉さんの耳塞ごうと
攻撃見切り
森の中で刃物とか振り回しにくいだろ
見え見えだ
当たるか
第一瑠碧姉さんがいるなら
そんな攻撃怖くねぇ
泉宮・瑠碧
【月風】
森、が…
ピエリスの森でも、怖かった
…火は、喪う記憶…
今も、樹々が…
悲鳴を堪え
…は、い…エルフは、長寿なので
理玖の手を一度握り
助けますと杖を手に
風の精霊達へ
火を運ばず、森の風の停止を頼みます
木や水の精霊達へ
損傷防止に進路の枝を避け
水上を歩けるよう願います
私もエルフなので、森の移動は問題無く
火は水で空気を遮断して包み鎮火
山賊は発見次第
私は先に砲台の銃口に水球を詰めて暴発防止
後、氷漬けの攻撃で周囲の熱も下げます
…山賊の叫びは、何故か耳を塞がれますが
山賊の数や森の損傷が激しい時は円環命域
味方と樹々へ耐性と治癒を
同族の方は
援護射撃と
矢や魔法で同様に暴発阻止も頼みます
喪った樹々と山賊達へ…安らかに
「ついてくるんだったら急ぎな!」
「族長!」
「族長まってください!!」
猟兵と合流したエルフたち、その長である老女エルフが跳べば周囲の者も慌てて追う。
「あの婆さんすげぇな……」
胆力ある長の行動に、やや呆気に取られた陽向・理玖(夏疾風・f22773)が呟く。
「いくつだ……あっいやご年配は大切にしねぇとな――この森も、あの人くらい生きてるんだろ?」
そう声を掛けた隣には泉宮・瑠碧(月白・f04280)が佇んでいる。
エルフの耳や肌で感じとる森の嘆きに、その瞳は揺らいでいた。オブリビオンが森を焼くという行動に心乱され、散漫となりつつあるそれをどうにかしようとしている最中にも見える。理玖へ応じるのに時を要した。
「……は、い……エルフは、長寿なので」
悲鳴を堪えているのか、震えている。
(「森、が……ピエリスの森でも、怖かった」)
あの時は広範な魔術を軸に森が燃えた。復興と再生の力は行き渡っているだろうか。動物も逃げ惑い、手当てをする猟兵もいた。うしなわれたものはおおきい。
(「……火は、喪う記憶……今も、樹々が……」)
そんな彼女の手に理玖が触れれば――触れた指先は握り返された。冷たく、まだ震えはおさまらないけれど、勇気づけようとした気持ちは感じ取って貰えたようだ。
「助けます」
精霊杖を手に。
助けたい、助けましょう、という僅かな委ねも無い確かな意志が瑠碧から紡がれた。
ああ、と理玖は頷く。
「森もエルフの人も……瑠碧姉さんも、絶対守る」
森の樹々が駆ける猟兵やエルフのために道を開く。
中心部から郊外へと進めば、水気を多分に含む鬱蒼とした森の気配は一掃されていた。
「ひゃっはー! 撃て撃てぇ!」
「誰が一番大きな爆炎を起こせるか、賭けようぜ!」
森を突き進む山賊たちの声を聞き、瞬時にして方向転換する理玖。
「あいつら……! 変身ッ!」
右腕の龍珠を弾き握り締めた理玖がドラゴンドライバーへとセットすれば、装甲が彼を覆い、加速した。
水浸する地面も根も疾風の如き駆けを邪魔することはなく、一瞬にして敵との距離をつめた理玖が手近な山賊へと飛びこんだ。
その頭を掴み払うと同時に蹴り飛ばす。上段向けて放たれた一撃は他の山賊に向けてのもので、二体は見事にぶつかり合った。
「ぐぁっ」
「うわあっ!?」
樹々にぶつかるかと思われた二体は、樹々が避けて地面に倒れ込む。そこへエルフの矢が突き刺さり地面へと縫い止めた。
「邪魔モンか!?」
理玖に向けられる携行型固定砲台へ、まるで吸い込まれるように水球が突入した。
(「水と、氷の精霊よ」)
火の気配は停滞を促す風が遮断する。水の豊富な地で紡がれた瑠碧の、それぞれの精霊へ向けた願いは力として織り上げられた。空中に漂う水が氷となって山賊たちを覆っていく。鋭く太いエルフの矢が射貫き、骸の海へと還していった。
その間にも龍神翔を展開した理玖が次の敵陣へと向かっていく。
敵の砲身を蹴り潰し、七色に輝く眩い龍のオーラを纏って樹から樹へと飛び回れば「待てこの野郎!」と山賊たちが追ってくる。
山刀が投擲されるも瞬間的な風の圧に払われた。
「瑠碧姉さんがいるからそんな攻撃怖くねぇよ」
当たるか、と、あっかんべぇしても龍の装甲に覆われた顔は見えない。
誘導すれば迎え撃つのはエルフの矢だ。
遠距離から放たれる攻撃に、砲身を壊された山賊たちはなすすべもない。
「やいやい、卑怯だとは思わねぇのか、丸腰の奴によぉ!」
これだから、と続く下卑た叫びは瑠碧に届くことはなかった。理玖の手で耳を塞がれたのだ。
「理玖?」
放った自身の声が内に篭って響く。
相変わらず表情は装甲の下だが、僅かに頭を振られた。
(「てかこんなん聞かせられるか」)
それよりも、と再び頭で促され、その状態で眼下の山賊を氷漬けにする瑠碧。
空を切り、敵へと向かっていく矢の気配をその身に感じた。
場の山賊たちを倒してもまだやることはある。敵がやってきた方へと駆ければ燃える樹々。
直ぐに水の術が繰られ、鎮火していく。
「樹が……」
周囲の惨状にエルフの呟きが聞こえた。剥き出しになった泥が可燃物とならないように水が撒かれるが、焼けた部分は戻らない。
「瑠碧姉さん」
「……まだ、生命がそこにあるのなら……」
瑠碧が手を組み、願う。森の動物、樹々を支える生命の精霊の力を招けば――焼けた樹の傷が癒されていく。それは目に見えない内なる部分であったが、エルフや森自身には分かったようだ。
僅かに感じる安堵の気配に、理玖が息を吐く。
「……安らかに」
喪った樹々と山賊たちへと祈る瑠碧。
「私たちも祈りましょう」
とあるエルフが言った。
過去から未来へと生が編まれるように。
「過去なる織姫(パサド・ベガ)の名のもとに」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
箒星・仄々
森を焼き払うとは何という非道
エルフさんをお助けし
聖なる木を守り抜きましょう
エルフさん
森を守るため一緒に戦わせて下さい
こんな策ではどうでしょう?
敵陣近くまでご案内いただきます
合図があるまで待機下さいね
ランさんを召喚
上空へ急上昇後
敵陣の真ん中に急降下
ランさんの背を舞台に
山賊さんを聴衆に演奏の開始です♪
もし木が密集している場合は上空で飛び降り
風で浮遊して以下同文です
紡ぐ音色で叫びを阻害
弦を爪弾き魔力を練り上げ
山賊さんの武装や服を水の魔力へ変換
激流が消火
&山賊さんを押し流します
今です!
武装解除した山賊さんたちを
エルフさんたちに倒してもらいます
終幕に鎮魂の調べ
海で穏やかに休まれますよう
神咲・七十
アドリブ・連携お任せ
とてもじめっとしてますね。
確かに案内して貰わない効率的に動きにくそうですし、何より今はあの泥地を歩きたくないです(お菓子もぐもぐ)
(エルフさん達に樹上で案内して貰いながら移動して、山賊達を見つけたらUC『制約:独裁者』を使用。樹上から急降下から山賊を泥地または水浸に落として、機動力を削いだところを大剣の攻撃やエルフさん達に攻撃して貰って倒していきます。)
飛べてると楽でいいですね。
下の方で戦う場合は同じ二の舞にならない様に注意しないといけないですね。(お菓子もぐもぐ)
(さて、後は猟書家の人のアレキサンドライトですね。やりたいことがうまくいくようにいつも通り頑張りますか)
迷いの森へと入れば濃密な緑と水の匂い。猫のひげを撫でつけて箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は微かに漂ってくる火の匂いの方を向いた。
「森を焼き払うとは何という非道……七十さん、早速ですが向かいましょう」
共に降り立った猟兵、神咲・七十(まだ迷子中の狂食者・f21248)へと声を掛ければ彼女は「ん~」と何かに逡巡する声。
「案内して貰わないと効率的に動きにくそうですし、何より今はこの泥地を歩きたくないです」
えーと、と呟いて虚空を見上げる七十。
「すみませ~ん、誰かいませんかー?」
声を掛ければ、直ぐに誰かが近寄ってくる気配――エルフだ。
「貴方たちは?」
こんにちは、エルフさん。と挨拶をする七十と仄々。後は頼んだとばかりに七十は一歩下がってお菓子を口に放り込んだ。
「助っ人です。森を守るため、私たちも一緒に戦わせてください」
そう言った仄々へエルフは頷く。
「助かります、少しでも人手が欲しかったところなのです」
「こんなに根だらけ、泥だらけだと進みづらいですよね。エルフさんたちのように樹上を行きたいのですが」
七十がそう告げれば、エルフが何かを言紡ぐ。森の魔術が作用して樹の枝と枝が渡りやすいように重ねられていった。
森の郊外向けて二人とエルフたちが駆けて行く。
「ここからは二手に分かれます」
「はいっ」
数体ずつ細やかに分散された山賊に対応するため、仄々はアーモンドアイの目旗魚・ランに乗り空へ。
七十はユーベルコードを展開した。
「Vine Quetschen des Blut」
深い夜闇のオーラを纏った七十が跳躍する――着地点は眼下、前方から駆ける山賊だ――彼我の距離を読み取り、急降下の勢いを乗せて山賊を踏んだ。
「ぐぇっ!?」
そのまま泥土に押し込むようにして再跳躍の台とした。踏み切って向かうは後続の山賊だ。
漆黒の大剣で斬り払い、上空へと飛翔する。空中で方向転換をすればエルフたちの矢が山賊を射貫くのが見えた。
それを眺めながら、お菓子をもぐもぐと。
「飛べてると楽でいいですね――次、いきましょう」
視認した山賊へと向かって行く七十にエルフたちが続く。
上空へと上がった仄々もまたランと共に急降下した。
森の魔術で樹々が仄々の行く手を開く。
「さあ、楽しい演奏会にしましょう♪」
ポロロン、ポロン♪
琴のあたたかな音を奏でるカッツェンリート。
「なんだぁ! 遊びにでも来たのか!?」
ちっちゃなケットシーさんよぉ! と山賊の言葉に、他の山賊たちが下卑た叫びを上げ始める。
それでも仄々は音色を奏で続けて彼らの叫びを阻害しながら、魔力を練り上げていく。
「撃ち落としちまえ!」
山賊が放つ砲弾は、しかし仄々のトリニティ・シンフォニーよって水球へと変換され、着弾前にパンと弾けた。
「!? ほ、砲台が……!」
無機物を変換する力は装備していた砲台、山刀などは仄々の水の魔力へと変換され、山賊の意のままに繰ることが出来なくなった。
「それっ、今です!」
「うわわわっ」
魔力でぐっと引っ張り山賊を滑らせた仄々がそのまま押し流すように水を操った。
仰向けになり四肢をばたつかせる山賊へ、エルフたちの矢が突き刺さる。
「やりましたね」
仄々はそう言って、エルフたちに向け手を振った。
「この辺りの山賊たちは片付きましたか」
周囲を見回してそう言った七十は、ひと休みとばかりにお菓子をもぐもぐし始める。定期的に甘い物を摂取しないと渇きを覚えてしまうのだ。
仄々もまた次へと向かう前に鎮魂の調べを奏でる。
「海で穏やかに休まれますよう――」
オブリビオンへ、そして骸の海へと流れていく惨禍に呑まれた「今」へ。
そして「未来」へ意識を向ける七十。
(「さて、後は猟書家の幹部、アレキサンドライトですね。やりたいことがうまくいくようにいつも通り頑張りますか」)
幾度か戦ったチーフメイド・アレキサンドライト。再び甦り、この森の何処かにいるはずの敵は、減っていく配下に、そして猟兵たちの存在に気付き始めたことだろう。
不穏な時間が流れる森に、凪の訪れはまだ見えない。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
月夜・玲
ふーん、世界樹の株分けしたやつ…
私もなんか1本株分けして欲しいなあ…
趣味の園芸今回は世界樹の育て方です!とか無いかな…
無いか…
枝1本貰ったら挿し木で増えない?
無理か!
それは兎も角、アーマード山賊倒したいから協力したいんだけど良い?
ちょっとこっちの射程に迷い込ませてくれたら、後は一斉掃射のボーナスゲームだから!
木の上で待機しながら、敵の行動を『情報収集』
森の効果で迷わせて貰いつつ、私も『天候操作』をして雲を呼んで森を更に薄暗くして援護
そうして迷ってる敵がこちらの射程範囲に入ってきたら【光剣解放】を起動
970本、光剣の雨をプレゼントだよ
焼き討ちって勢いはあるけど、野蛮だねー
知的にいこうよ知的に!
水と泥の合わさった濃厚な森の匂い。
そのなかを流れてくる硝煙と火の気配に月夜・玲(頂の探究者・f01605)は敵の存在を知る。
「ねえ、誰かいるー?」
ひたすら森の枝葉が広がる虚空を見上げて声を掛ければ、何者かが近づいてくる音。
「私たちがいますが、貴方は――?」
「助っ人だよ、助っ人。アーマード山賊を倒しにきたんだ。協力したいんだけど良い?」
現れたエルフの誰何に応じれば、助かります、とエルフが言った。
「それではこちらへどうぞ」
「!」
エルフが言を紡げば、ざわざわと樹々がざわめく。迷いの森の力が作用され玲はあっという間に樹上の人となった。更に先を見れば枝葉が重なり、移動できるようになっている。
「迷いの森……ふーん、世界樹の株分けしたやつ……」
「おや、世界樹を知っていらっしゃるのですか――世界を知る方なのですね」
移動しながら呟けば、エルフが反応する。
「私もなんか一本株分けして欲しいなあ……って! ほら、趣味の園芸、今回は世界樹の育て方です! とか無いかな」
「趣味の、園芸」
真顔で考え出すエルフに、真面目か、と玲は呟いた。
「枝一本貰ったら挿し木で増えない?」
とか言いつつ、無理か! と玲が問いを撤収すれば、やはり真顔のエルフは考えている。
「芽があれば可能かと存じますが、生育環境によりますね」
「マジか。出来るじゃん趣味の園芸」
迎え撃つ地点に入り、一旦エルフと分かれたSystem[Imitation sacred treasure]を起動させ玲は森の様子を観察していた。
根が動き、幹と枝葉が壁らしきものを造る。魔術的に動く森のあちこちに猟兵やエルフがいるのだろう、時々僅かにその存在を感じた。
天候を操り、まずは霧が。
徐々にそれは厚くなり雲となって森を覆っていく。あちこちで戸惑いの声が上がった。
「さ、さみぃ! なんだこれ!」
「霧か……?」
空の雲がここに作られれば周囲の温度は一気に下がった。元々あまりない判断能力を更に失い山賊が道なりに進んでくるのを感じる。
「射程範囲。――機能解放、光剣よ舞い踊れ!」
一斉に光の剣が顕現し、同時に雲を裂き樹々の合間を縫って放たれる。
970条もの光が雨のように降り注ぎ、山賊たちを刺し貫いた。
「な、なん……ッ!」
反撃の余地を与えずに数多の光剣が山賊に突き刺さる。
こうなれば敵はなすすべもなく骸の海へと還っていくしかない。
「すごいですね――」
射程圏内の山賊たちをあっという間に倒す玲の攻撃に、エルフは息を呑んだ。
「焼き討ちって勢いはあるけど、野蛮だよねー。知的にいこうよ知的に!」
ニッと笑ってこめかみを人差し指で振る玲。
「さあ、この調子でガンガン倒していくよ」
「はい!」
大成功
🔵🔵🔵
木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と
メイドが暴れてると聞いて
暴虐な振る舞いなどメイドの風上にも置けないとうさみん☆も言ってる
まつりん、お仕置にいこう
まずは山賊
延焼に石つぶて、森とエルフさんを傷付けては駄目
灯る陽光からのオーラ(【あたたかな光】をのせて皆を守るオーラ防御
ん、援護に来た
守りは任せて、思いっきりやっつけて
うさみん☆をけしかけ山賊の注意を惹き付け、森の迷路を追いかけっこ
ふふ、つかまえてごらんなさい♪
追いかけっこの定番台詞を口上しつつ、森をあっちこっち
ん、ここ
まつりんやエルフさん達の待ち構えている場所まで来たら山賊に向かいUターン
木々を足場にジャンプして、大剣にした灯る陽光で叩き切る!
木元・祭莉
アンちゃん(f16565)と一緒に!
うん。まあ、メイドはしかたないよね。
(うさみん☆眺め)
エルフさんも、まあ。うん。
(知人のエルフさんたちを思い出し)
ばあちゃん、スゴいね!(のーきんなかま)
今回はヨロシクねっ♪
(と 作戦会議する)
よっし、ゲリラ戦開始!
山賊さんの砲弾を、野性の勘で見切り。
手近な樹上エルフさんのトコに、ぴよんとワープ。
メカたま……じゃなくて、ぴよこ、ひなこ、まっきーかもん!
ぴよこは樹の根元で待ち伏せ。
ひなこは砲弾をビームで迎撃。
まっきーは囮になって誘導。
如意な棒からの衝撃波で、砲弾ごとぶっとばす!
火も消せるよー♪(てかげん)
おいらはココだぜぃ!
ダッシュから懐入って正拳ぱーんち!
出発の直前。
木元・杏(きゅぴん。・f16565)は木元・祭莉(まつりんではない別の何か・f16554)に近付いて、こくんと頷いた。
「まつりん、メイドが暴れてるって」
「うん?」
「暴虐な振る舞いなどメイドの風上にも置けないと、うさみん☆が言ってる」
杏が糸を繰れば、うさみみメイドのうさみん☆が『シュッシュッ』とシャドウボクシングの動きを始めた。
「お仕置きにいこう」
『シュッ!』と空を切る音は鋭い。
「うん……まあ、メイドはしかたないよね」
女子力(物理)のカタマリ。それがメイドだ。うさみん☆を眺める祭莉の目は悟りを開いている。
そうして転移をすれば、エルフの長と必死に追っていくエルフたちの姿があった。
「族長!」
「族長ぅぅ!」
「エルフさんも、まあ……うん」
やっぱり悟ったかのような祭莉。少年が今思い浮かべるのは、付き合いのあるエルフたちだ。
(「あとでしんぴてき、っていうのを調べてみようっと」)
神秘の象徴のエルフであるはずだが――否、森の気配は神秘的だ。緑と水、そして土の濃厚な匂いに覆いかぶさっている硝煙の匂い。
魔術的に動く樹々の枝葉が樹上に道を造っている。
「敵を倒したら、敵が通ってきた場所へと向かうんだ。消火活動!」
仲間の猟兵のコートを着こなす森の族長へ、とっとこと近寄っていく祭莉。
「おいら、まつりん! ばあちゃん、スゴいね!」
きゃっきゃと喜ぶ祭莉に、族長は眉を上げた。
「なんだい坊主。やけに楽しそうだね」
「うん、おなかまっぽいから~。のーきんなかま!」
のーきんとは。と不思議そうな表情のエルフたちに、脳筋のことを教えてやれば「あぁ~」と納得の表情が族長へと向かった。
「あんたたちも助っ人に来たのかい?」
「ん、援護に来た。わたしも仲間」
脳筋の、という意味で言ったのかどうかは分からないが、そう言って杏は頷き、エルフたちと合流している猟兵を見た。
その身を蝕む仲間の猟兵の力に、任せてという風に再び杏は頷いて自身の手を開いた。
白銀の光が現われて剣を象る。握れば、はらりはらりと花弁の如くに舞い散る暖陽の彩。
「光よ、皆を守って――」
振れば風に攫われるように光が周囲の皆へと送られていく。
「守りは任せて、思いっきりやっつけて」
「今回はヨロシクねっ♪」
微笑む杏とにぱっと笑う祭莉は、エルフたちと共に作戦会議をしていった。
「変な森だが突っ込むぞォォ!」
「ぶち込んだれ!」
突き進む山賊たちが砲身をぶん回して撃てば、爆炎が起こり生木がその熱に破裂する――はずだった。
バンッ! と虚空で爆炎が起こり、まるで逆風があったかのように炎が返ってくる。
「ぎゃ!」
「何事だ!?」
「アッ俺のターバンむしられた!」
次々と上がる山賊の悲鳴に紛れ、一体のターバンをむしり取ったうさみん☆がピョンピョン跳び回り、逃げ出した。
「つかまえられるものなら、つかまえてみなさい♪」
クルクル回ってあっかんべえの動きをするうさみん☆と杏。
「待ちやがれ!」
「ふふふ、こっちよ~」
思考力があまりない山賊は容易く引っ掛かり、少女とお人形さんと追いかけっこ開始となった。
「まぁてぇ、こいつ!」
ビシッと石つぶてが行なわれるも、弾くように光が遮断する。
一方、祭莉。
対峙した山賊の砲撃に耳を立て野生の勘で避けては、瞬時に樹上のエルフの元へとテレポートする。
「メカたま……じゃなくて、ぴよこ、ひなこ、まっきーかもん! あたっく!」
雌鶏と向日葵、狼の戦闘用ロボが祭莉のテレポートと同時に現われ、白銀色のまっきーが樹々を駆け抜けていく。
見つけた山賊の足元を「や~いこっちこっち」という風にくるくる駆け回り、相手を獰猛な熊としたかのように誘導していった。
縦横無尽に駆け回っていた杏とまっきーが交差した瞬間、杏は大きな樹の周囲をぐるりと一周し反転。
迷いの森が枝葉を重ね、たんっと踏み切る杏を助力する。
「ぴよこ!」
祭莉の合図と杏の駆けに合わせ、ぴよこが待ち伏せていた樹の根本から飛び出して敵の頭に体当たり!
仰け反る山賊めがけ跳躍した杏が、大剣にした灯る陽光を虚空で振るえば急降下の態勢となる――そのまま遠心からの加速に重心を乗せ、山賊を叩き斬る。
「まつりん!」
「おっまかせ!」
後続の山賊に対応するのは祭莉だ。大地に剣と山賊を叩きつけ身を屈めた杏の上を砲弾が飛んでいく。
ひなこがキラキラと輝き、ヒマワリビームで砲弾を迎撃。
そして祭莉が如意みたいな棒を振って衝撃波を放てば、誘爆が起こり森に爆発音が響き渡る。その左右を狙い、更に如意みたいな棒を振った祭莉が風圧で一部の火を掻き消した。
更なる延焼を引き起こしかねない状況であったが、二人が立つ戦場は、あたたかな光が今を生きるものすべてを守っていた。
「ひ、ひぃ……!」
向かってきた爆風に目をやられ、爆炎に後ずさりをした山賊一体を数歩詰めた杏が斬り伏せる。
もう一体を狙い駆けた祭莉が滑りこむように山賊の懐へと入った。
「ばいばい!」
アンバーナックルを握りこんだ正拳突きが敵腹を穿つ。その衝撃に山賊の体組成は潰され、一瞬で溶けるように骸の海へと還った。
「ちッ、一旦退け!」
他の山賊たちがそう叫べば、エルフの矢が次々と追い仕留めていった。
辺りの撃破を終えれば再び索敵と。双子とエルフたちが森を駆けて行く。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
レテイシャ・マグナカルタ
アドリブ歓迎
●事前準備
ポノからエルフ特有の挨拶の仕方なりを教わっておく
少なくとも襲撃とは別口なのをわかってもらうためだ
●戦闘
敵が機動力を持ってるならそれを奪うのが最善だ
エルフに協力してもらって、魔法で相手を惑わせてもらう
根が無い場所にも木々の根が張っているように見せかけるんだ
そこをオレはホバリングしながら根を跳び回っているように見せかける
拳銃なんかで牽制しながら戦って、敵が罠の位置を踏むように誘導するぜ
狙い通り深い水たまりに堕ちたら空中からその頭を蹴り飛ばして森を傷つける武器を奪うぜ
リーチの長いこん棒代わりにして他の敵に空中から殴り掛かりにいくぜ!
「……ここがエルフの森……緑が凄いな」
育ったアポカリプスヘルとは真逆の、緑に覆われ、濃密な水と土の匂いに満ちた場所を見回すレテイシャ・マグナカルタ(孤児院の長女・f25195)。
びっしりと交差した根の下は泥と水。荒野とはまた違った意味でまともに歩けそうにない森だ。
「誰かいるか?」
敵の気配を探りながらもレテイシャが樹上へと向かって声を掛ければ、直ぐに近づいてくる何か。
枝葉を揺らし樹上へと姿を見せたのはレテイシャと同じ金の髪。けれども耳は長く、エルフだと分かった。男だ。
「見ぬ風体だが、貴方は?」
警戒が滲む声を受け、レテイシャは両腕を軽く広げた。
「猟兵だ。名はレテイシャ。この森を助けるためにきたんだが、ここは迷いの森なんだろう?」
だから、と紡ぐ。
『あなたと出会えて良かった』と。その言葉を聞いたエルフの男は目を瞠った。
「/laetitia ad concursio.//. 随分と古い言葉を知っている」
「挨拶の一つだって教えてもらったんだ」
――出発前にレテイシャが尋ね、株分けされた世界樹を守るエルフならまだ使っているかもしれない、と教えられた言の紡ぎ。
「私の名はホルト。レテイシャ殿、我等が友よ、森を案内しよう」
それすなわち山賊との邂逅となる。レテイシャは頷いた。
「ヒャッハァァ! 焼いてしまえ!」
「だれが大きな爆炎を上げるか賭けようぜ!」
「嫌だね!」
樹々へと砲撃し、爆炎を起こす山賊たちは火へと飛びこみながら先へと進む。
幹を蹴り、枝と枝を跳躍しては気まぐれに砲弾をあちこちへとぶっ放した。
「そこまでにしとくんだな」
樹々の根を駆けるように現れたレテイシャ――彼女の姿を見て山賊たちのテンションは爆上げとなった。樹上から降りてくる。
「女だ!」
「姉ちゃん、ちょっくら遊ばねぇか?」
山刀を手に寄ってくる山賊たちをじっと見たレテイシャは、ホルスターから抜いた改造拳銃身で敵を撃つ。直ぐに身を翻した。
「おいおいおい姉ちゃんおいたが過ぎるぞ!!」
ドラゴニアンの翼と尾を振れば喰いつくように追ってくる。
霧が徐々に深くなる。
地面を覆う樹の根、延々と続くかと思われたその地面が急にひっくり返った――否、何かに足を取られた山賊の背にぶつかった山賊が前方へと転がる。
「ぐげ!」
続き上がった水飛沫に、ここが地面ではないことに山賊は気付いた。ホルトたちの幻術だ。迷いの森が樹々を動かし山賊を誘導した場所は水浸の広がる森。根が本来の場所へ、沈むように戻っていく――水の下に。
「よっしゃ、武装解除だ。いただくぜ」
山賊と携行型固定砲台を掴み、肉体強化によって力任せに引き剥がしたレテイシャがその砲身を奪い抱えた。
「こ、この女!」
山刀を振るう山賊であったが踏ん張る場所が当然ないため、へろへろな一刀となる。
「じゃあな」
棍棒よろしく砲身で山賊を殴って撃破したレテイシャは翼を羽ばたかせ次の溺れている最中の敵へ向かっていく。
「突撃だ!」
自身の腕で固定した砲身で穿ち、突き飛ばす。体組織の千切れる音や破裂する音が聞こえたが、その時既に山賊は骸の海へと還っていく最中にあった。
飛翔し、空中から敵へと向かっていっては罠に掛かった山賊を力技で倒していく。そんなレティシャの姿は――、
「うちの族長のようだな……」
ホルトの声に、「これのーきんって言うんだよな?」と覚えたばかりの言葉を披露する一人のエルフが彼女へを声を掛けた。
「れ、レテイシャさーん。索敵いってきます」
少し遠くの樹上で告げてきたエルフに、レテイシャは大きく手を振るのだった。
大成功
🔵🔵🔵
四宮・かごめ
※アドリブ連携OK
(しゅたっ)
忍者推参!主命により、助太刀至すでござる。にんにん。
すぐ近くにいるエルフ達に共闘を持ちかけるでござる。
依頼するのは主に弓や魔法などの遠距離攻撃。
足場は彼等の戦い易いようにさせるでござる。
それがしは前衛。
ぴょんと一跳びした後は、竹把台明神で空中をアクロバティックに跳ね回り、
湿地に一度も足を踏み入れないでござる。
砲台の射線から外れるように跳んで、敵を撹乱。
忍装束の迷彩も活かして敵の頭上に飛び込み、
鉈で攻撃したり、UCで一気に斬り伏せたり。
刃物で応戦してきたら
此方も鉈で軽く受けた後、横っ飛びであっさり退避。
金属音を頼りに、エルフ達に遠距離攻撃を撃ち込んで貰うでござる。
「知恵無き者かと思ったが少しは考えたようだ」
森を駆ける山賊が踵を返し、フェイントをかけるように戻っていく。
直ぐに追おうとするエルフだったが、彼らは樹上を、迷いの森の造る枝葉の道を行っていたため即応できなかった。重なった枝葉が僅かに引っ掛かる時間の隙を、山賊はついたのだった。その姿が造られた樹上の道に隠れる。
「ここはそれがしにお任せを」
しゅたっとその場に降り立った四宮・かごめ(たけのこ忍者・f12455)が一度胸を叩くようにして軽く礼を取る。
「貴方は――」
「忍者推参! 主命により、助太刀致すでござる。にんにん」
「そうか、とてもありがたい。敵は下を駆けているのだが、枝葉を退くのに少し時間が掛かりそうだ」
「なればその時間とやら、それがしにお任せを」
そう言ったかごめは自身の片脚に力をこめ、足元の枝葉を押せば抜け出せるほどの隙間が出来た。するりと抜ければ根の張る大地が見える。
真っ直ぐに落ちたかごめが虚空で跳躍した。
竹把台明神が一時的な足場となり、山賊たちのいる方へと跳ぶかごめ。音なく迫る忍びに敵陣は気付かない。
するりと飄風鉈を抜いた彼女は一度大きく跳躍した――着地点は敵陣ど真ん中。
一体の山賊の頭から背を叩き斬り、その背を蹴るように方向転換した。真後ろの首を刈り飛ばす。
「!」
「エルフか!?」
彼らが気付いた時には既に三度目の鉈が振られており、発生した辻風が彼らの足を、そして彼我の距離を開かせた。
「仕留めろ!」
砲弾が放たれ、咄嗟に上と避けたかごめ。
半ば同士討ちといった形で爆炎があがった――駆け上る熱気を樹々が避け、青の空が、陽の光が森に差し込んだ。
「援護はお任せを!」
と、水の魔法が場に満ちて更に追撃のエルフの矢が山賊たちに突き刺さった。
(「次」)
ざざざと揺れる頭上の枝葉とは別に、茂みを掻き分ける音を拾ったかごめは再び跳躍。
虚空を蹴って滑るように移動すれば次の敵チームを見つける。騒ぎには気付いていたのだろう、山刀を抜きかごめを迎撃する山賊。
「にんにーん」
ガッ、キン! と重厚な刃がかち合い、互いに横へと払ったのち、かごめはそのまま山賊たちの間合いから抜けた。
彼女を追うように放たれた矢と魔法が山賊を射貫く。
地面擦れ擦れで再び竹把台明神を踏み切ったかごめは、跳躍の勢いに乗せた剣刃一閃・臨で敵を斬り上げた。
辺りの山賊を倒せば、エルフたちが延焼している先を指差した。
「彼らがやってきた方向へと我等は向かいます」
消火へと向かうのだろう。かごめはこくりと頷く。
「かごめ殿は如何ないますか」
「至悪の根を断ち切るため、索敵を」
まだ山賊はいるだろうし、指示をする敵を見つけなければいけない。
ご武運を。互いにそう言い合って、森のエルフと忍びのエルフが別れた。
森を守るための戦いは様々な意味でまだ続くのだ。
成功
🔵🔵🔴
城島・冬青
【橙翠】
アヤネさん逆です
逆
村が焼き討ちにされるのダメ絶対!
エルフの皆さんと協力して敵をボコるんですよ
アヤネさんを抱えて空から登場
とーう!!
こんにちは
ピンチに駆けつけた猟兵です
お手伝いに来ました
話しかけて協力をお願いします
えーと、こんな感じでいいんですかね?アヤネさん
私は空が飛べるので木々の間に隠れて攻撃していきましょう
エルフさんの協力で道に迷った山賊を空から一方的にぶっ飛ばしていきます
上空から衝撃波で容赦なく蹴散らしたり
空から急降下してその勢いのまま斬りつけます
森の中は火気厳禁!
飛んでくる刃物はダッシュと残像で回避
まぁ当たらないとは思うんですけど慢心は厳禁
避け損ねたら武器受けで直撃を防ぎます
アヤネ・ラグランジェ
【橙翠】
エルフの森を焼く、んじゃなくて守るのネ
わかってる
冗談よ
現場まではソヨゴに抱っこしてもらって
上空から失礼
協力するネ!
君たちは敵の足を止めて
僕らが上から殲滅してやる
頃合いを見てソヨゴの手を離し
降下
UC発動
森の中を触手をからませて敵の上を移動しながら攻撃する
アサルトライフルを連射して薙ぎ払う
ソヨゴが攻撃するタイミングを見計らって援護射撃
残念ながら身軽さでは僕らが上だネ
ソヨゴに遠距離攻撃を仕掛けてきた敵は優先して倒す
舌打ちしつつ
木の上でしっかり足場を確保してエイミング
僕の目の前でソヨゴを狙うってのは殺してくれって言ってるようなものだネ
戦闘後にソヨゴに
大丈夫?怪我はない?
と心配そうに声をかける
着いた世界はアックス&ウィザーズ。緑に溢れる場所が多い世界だが、エルフの森は更にといった場所。
緑と水、土の濃厚な匂いが満ちていた。
「ええと、今日はエルフの森を焼く――」
「アヤネさん逆です、逆……!」
森に入って開口一番、アヤネ・ラグランジェ(十二の結び目を解き放つ者・f00432)の言葉に慌てて城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)が止めに入る。
「――んじゃなくて守るのネ。わかってる」
冗談よ、と、からりと告げたアヤネに冬青は安堵の息を吐いた。
「森と村が焼き討ちにされるの、ダメ、絶対! それでは早速エルフの皆さんを探しに行きましょう」
きっと戦場にいますよねと言いながら冬青はアヤネを抱えて飛翔する。
爆発音がした方向へと飛んでいけば現場へと向かうエルフたちと会うことが出来た。
自身の存在を知らせるように、とーう!! と声を放って降下する冬青。
一斉に仰がれるが、冬青に抱えられたアヤネが樹上を移動するエルフたちにひらりと手を振った。
「上空から失礼」
「こんにちは! ピンチに駆けつけた猟兵です。お手伝いに来ました」
「そうですか――助かります」
強張っていた顔をにこやかに変化させ、エルフの一人が応じた。同じ森に入った者でも、悪意のあるなしの差は大きい。こうやって声が掛かればなおさらだ。
「こんな感じで良かったみたいですね、アヤネさん」
「そうだネ。それじゃ作戦開始といこう」
君たちは敵の足を止めて、僕らが上から殲滅する。そのような作戦を告げればエルフが頷く。
種族特性があるとはいえ、すんなりと違和なく受け入れる様は猟兵たちにとって不思議なものであったが、世界樹の存在が作用しているのかもしれない。
「分かりました。お手並み拝見と致しましょう」
数人いたエルフたちがそれぞれに付き、言を紡いで枝葉を重ねていく。同時に樹々が揺れ動き、山賊たちが徐々に分断されていくのが分かった。
「では、アヤネさん」
「うん」
一度しっかりと手を握りあって、健闘を祈る二人。
手を離したアヤネはそのまま降下した。眼下には山賊の姿。
「UDC形式名称・ウロボロス術式起動」
地の影、幹の影から異界の触手がアヤネを絡めとった。虚空にその身を据えたアヤネが引鉄に指を掛ければ、耳を劈く銃撃音が空を裂き、連射されるアサルトライフルの銃弾が敵に撃ちこまれていく。
「ぎゃっ!」
「エルフどもが来やがったのか!」
「応戦だ!!」
上がる爆炎に一度幹側へと身を引いたアヤネが軽く跳躍すれば、地の影から彼女を渡すようにウロボロス。
熱気を抑えるように水の魔法がエルフたちから放たれた。
一方、黒蘭の花弁を纏い飛翔する冬青はその機動力を見事に発揮させていた。
縦横に飛び回って山賊へ斬撃を放つ。的となる時間は与えずに、振られる敵の山刀も冬青の速度にはついてこれなかった。
「森の中は火気厳禁!」
山賊を斬り伏せて冬青が言う。
「畜生が!!」
やけになった山賊が山刀を投擲すれば、呆気なく衝撃波で阻害された。
その様子に気付いたアヤネが舌打ちをする。樹上にいた彼女が構えを改め、広げていた照準の枠を一点に。山賊をヘッドショットした。
「僕の目の前でソヨゴを狙うってのは、殺してくれって言ってるようなものだネ」
そしてエルフたちと共に横たわる山賊たちを骸の海へと還していく。
「この辺りの山賊たちは倒せたみたいですね」
「ええ」
樹上へと立った冬青が辺りを見回して言えば、近くのエルフが頷いた。
「我々はこの先の消火へと向かいます」
山賊が通ってきた場所は燃えている。早急な鎮火が望まれ、冬青は頷き返した。
「ソヨゴ!」
「アヤネさん」
駆け寄ってくるアヤネの声は心配そうなものだ。
「大丈夫? 怪我はない?」
そう言いながらも自身の目で確かめたいのだろう、視線を走らせている。
「あはは、切り傷はありますが枝葉が当たっちゃったやつなので、大丈夫ですよ」
刀傷や火傷はありません、と冬青。回避と攻撃を繰り返す、飛翔能力を活かした一撃離脱は彼我の速度が段違いだった。
「なら、良いのだけど」
と、言いながらも切り傷に絆創膏を貼るアヤネ。
「アヤネさんは、怪我は大丈夫ですか?」
「うん、僕も大丈夫」
炎からはエルフたちが守ってくれたし、と。そう言ったアヤネを再び抱える冬青。
「では次ですね。山賊たちを探しながら、彼らに指示するボスも探さないと」
「そうだネ」
飛翔し、索敵へと向かう二人。
あちこちに戦いの痕が残っていた。きっと猟兵とエルフが共闘した場でもあるのだろう。
凪の時はチーフメイド・アレキサンドライトを討つまで訪れることはない。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
パサド・ベガの族長につく老女エルフは、ヤーガと名乗った。彼女の背後には数人のエルフが控えており、他のエルフたちは森郊外へと消火や動物の救助に向かったとのこと。