2
要塞マンション~トラップとオブリビオンつき(作者 七尾マサムネ)
#デビルキングワールド
#プレイング募集中
⊕
タグの編集
現在は作者のみ編集可能です。
🔒公式タグは編集できません。
|
●
「こいつァ、どういうことかのう」
ガラの悪い牛頭の悪魔が、首をかしげている。
マンションダンジョン『悪魔と踊りま荘』の大家を務める、その名もオーヤ氏である。
ここは、管理人室。なぜか畳の部屋。
オーヤ氏の向かいには、行儀よく座布団に座らされた牛ギャングたち。皆どこかに包帯を巻いている。
「最近おぬしらの滞納取り立て率がガックシ下がっとる。職務怠慢ではないかのう?」
「いやいやいや」
牛ギャングたちは、揃って首を横に振った。
「最近、なんかめっちゃ強い悪魔が住み付いて、追い返されちまうんすよ」
牛ギャングたちによれば、それは悪魔ではなく、最近噂のオブリビオンではないかという。
「なら仕方ないのう……なんて言ってられんわ! ワシが直接行ったるわい!」
オーヤ氏は鼻息荒く、牛ギャングを連れて管理人室を飛び出して……きちんと戸締りした。
「なんじゃこりゃあああ!」
管理人室から徒歩0分。
マンションを見上げて、オーヤ氏は驚愕した。
各部屋が適当にくっつきつつも、雄々しい塔のような外観だった『悪魔と踊りま荘』。
しかしオーヤ氏も気づかぬうちに、要塞と化していた。
黒くて丸いバクダン! ロケットランチャー! トゲトゲのついた棍棒!
塔を彩る様々な凶器のせいで、物騒なクリスマスツリーのようになってしまっている。
「オブリビオンめ、気づかぬうちに何してくれとんじゃア」
「オーヤさん、これ、なんすかね?」
牛ギャングが、手近にあった謎のレバーを引いた。
「待て、そんなもん前までなかったぞ!」
「え」
どごぉぉぉぉぉん!!!
牛ギャングは、丸焦げになって飛んで行った。
「ウシ一郎ーっ!」
仲間の散華に、牛ギャングが前に踏み出した拍子に、赤いレーザー光線ぽいものにひっかかった。センサーだ!
「え」
ばこーん!
床が開いて、牛ギャングが落下した。
そこには、足がたくさんあるでかい虫が、山ほど放たれていた。
ヤバい感じで響き渡る悲鳴が、牛ギャングたちとオーヤさんの膝をガクガクさせた。
「ぐぬぬ、こんなに見事に違法リフォームしてくれやがってからに……悪魔的にはちょっとうらやましい!」
オーヤ氏は、一応、お冠であった。
●
デビルキングワールドのご案内ならお任せあれ!
グリモア猟兵、ニャルラッハ・ロードブラウ(散歩する魔王見習い・f31757)が、猟兵たちに依頼を説明し始めた。
「はい! 今回皆さんに解決してもらいたい案件は、『うちのマンションが勝手に要塞化されちゃった件』っす!」
突然やってきたオブリビオンが、いつの間にかマンションの家賃滞納者たちを味方につけたという。
凶暴化した滞納者たちによって、取り立ての牛ギャングは返り討ち。
しかもあろうことかマンションを要塞にリフォームし、一大殺戮拠点に仕立て上げてしまったのだ。
「大家さんはカンカンっす。そこで皆さんには、この要塞を突破して、滞納者さんたちのところに辿り付いて欲しいっす!」
塔のようなマンションの各所には、たくさんのトラップが仕掛けられている。
重量や熱などを感知するセンサーによって起動するその大半が、「爆発が起きるタイプ」と、「謎の虫が出てくるタイプ」に分かれている。
「爆発はともかく、なんで虫なんすかね? もしかして、滞納者さんが虫っぽいんすかね~?」
事情を知るニャルラッハは、意地の悪い笑顔を浮かべている。
「まっ、うまいことトラップを抜けて、滞納者悪魔さんと、入れ知恵してたオブリビオンを撃破してほしいっす」
オブリビオンの正体は、それはもう、雄々しきドラゴンらしい。
「どんな奴が出てくるんすかね。でもでも、猟兵の皆さんなら楽勝っすよね?」
くしし、と笑うニャルラッハ。どうやら、ドラゴンの正体も知っているようだ。
「ほいじゃ、皆さんを『悪魔と踊りま荘』の入り口までご案内~。たくさん悪魔を懲らしめてやってほしいっす!」
ニャルラッハが、目的地への扉を開く。
七尾マサムネ
顔は怖くて言動は荒いですが、悪魔の皆さんは善良です。
●一章
塔型の要塞に無断リフォームされたマンション『悪魔と踊りま荘』を突破します。
階段や、空中に浮かんだブロックを使って、上へ上へと昇っていきます。
虫系や爆発系のトラップが仕掛けられているので注意です。
なお、プレイングでリクエストがあれば、各種トラップをご用意できます。
※断章の追加はありません。
●二章
滞納者の悪魔たちの部屋を訪問します。
当然のように抵抗してくるので、力で屈服させましょう。根は良い人たちなので、大人しく改心します。
悪魔はオブリビオンではありませんが、まあまあ強く、変化したマンションの地形に詳しいので厄介です。
●三章
滞納者たちを率いるオブリビオンとの対決です。
その正体は、とても強くとても大きいドラゴンだという話ですが、詳細は不明です。
それでは、皆様のご参加、お待ちしております!
第1章 冒険
『立体迷宮』
|
|
POW | 段差や奈落の向こう側まで味方をぶん投げる |
SPD | ジャンプ力もしくは何らかの飛行能力で段差や奈落を越える |
WIZ | マッピングを行い、迷路の構造を把握する |
👑7 |
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴 |
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
先述のとおり、『悪魔と踊りま荘』は、そもそもダンジョンである。
増改築を繰り返すたび、「こっちのバランスが悪い」とか「今度は反対がでかくなりすぎた」とか調整した結果である。悪魔とは律儀のものなので。
従って、元からまあまあ迷い路。そこにトラップが加わるともう大変。
「ううっ、進めねえです」
「これだから使いっぱしりはいかんのぅ。どれ、ワシが見本を見せたるわい」
トラップに阻まれ、心折られた牛ギャングを、オーヤ氏が押しのけた。
悪魔には心優しいところもあったりするので、「ここは自分にまかせて、みんなは少し休んでて!」と訳することもできる。
オーヤ氏たちがいるのは内部フロア。
奥には階段。しかしそこに辿り付くには、細い板状の一本道を進むしかない。
足を踏み外せば、暗黒の奈落行き。
「フンっ、こんなもん、ちょちょいっと……」
意外な敏捷性を発揮して、進むオーヤ氏。
「どうじゃい、悪魔は度胸! ……はっ」
ぴたっ。
突然オーヤ氏の足が止まった。
道の先に、一匹の魔界ムカデがいたからだ。
UDCアースのムカデを基準にすると、少し大きい程度だが、虫の脅威はサイズではない。
「ひぃぃ、虫は嫌いィィィィ」
オーヤ氏が回れ右した瞬間、足を踏み外した。
「オーヤさぁぁぁぁぁん!!!」
このあと、牛ギャングたちによってオーヤ氏は無事救出された。
黒影・兵庫
へっ!だらしねぇなぁ!悪魔の管理人がムカデさんごときで逃げ出すなんてよぉ!
(「黒影!ここは虫のエキスパートとしてカッコいいとこ見せつけちゃいましょう!」と頭の中の教導虫が話しかける)
あたぼうよ!俺ぐらいになると虫も含めて『動物と話す』ことだって出来るんだぜぇ!
見てな!スマートに解決してやるぜ!
おぅおぅ!ムカデさんよぉ!命が惜しけりゃとっとと道を開けな!
...あん?...て、テメェ!それを言ったら戦争だろうが!
もう謝ったって許さねぇ!
『衝撃波』でぶっ飛びやがれ!
(「ちょっと!マンションが壊れちゃうわよ!?」)
問題ねぇ!無料リフォームだ!ついでに風通しも良くしてやんよ!
牛ギャングたちによって、担架で運ばれていくオーヤ氏。
目の前を通りすぎるそれを見送って、黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)は、不敵に笑った。
「へっ! だらしねぇなぁ! 悪魔の管理人がムカデさんごときで逃げ出すなんてよぉ!」
すると、頭の中の教導虫が、兵庫を励ました。
(「黒影! ここは虫のエキスパートとしてカッコいいとこ見せつけちゃいましょう!」)
「あたぼうよ! 俺ぐらいになると虫も含めて『動物と話す』ことだって出来るんだぜぇ!」
自信たっぷり。
そんな大口をたたく兵庫に、牛ギャングたちは、怒りを向ける……のではなく。
「頼んます!」
「自分たちの代わりに取り立て成功させてください!」
…天下手に出た。
「おう、見てな! スマートに解決してやるぜ!」
頼まれれば悪い気はしないもの。
さっそく兵庫は、行く手に待ち構える魔界ムカデにガンを飛ばした。
「おぅおぅ! ムカデさんよぉ! 命が惜しけりゃとっとと道を開けな!」
しかしムカデは、兵庫をからかうようにダンスを披露した。
コミカルだが、人によっては生理的嫌悪感を覚えそうな多足ダンスだ。
「命が惜しいのはそっちダロ」
「……あん?」
魔界ムカデが喋った。
さすがデビルキングワールド。一般悪魔がユーベルコードを使えるように、野生(?)の虫でさえコザカシイらしい。
「この見掛け倒しの根性ナシ。さっさとおうちに帰ってママとお風呂に入ってナ」
「……て、テメェ! それを言ったら戦争だろうが!」
兵庫がキレた。それはもう、わかりやすく。
(「落ち着きなさい黒影! これは相手の挑発です!」)
教導虫が諫めるが、今の兵庫は聞く耳持たない。
「もう謝ったって許さねぇ! こいつでぶっ飛びやがれ!」
感情に任せて兵庫が気を溜めると、一気に放出した。
「グギャーッ」
これにはたまらず、魔界ムカデは一瞬にして吹き飛んだ。
ただし、壁に大きな穴を開けながら。
「あ」
牛ギャングたち、口あんぐり。
教導虫が、慌てて兵庫を諫める。
(「ちょっと! こんなんじゃマンションが壊れちゃうわよ!?」)
「問題ねぇ! 無料リフォームだ! ついでに風通しも良くしてやんよ!」
そして兵庫は進む。
『悪魔と踊りま荘』を、更なる新たな姿に造り変えながら。
成功
🔵🔵🔴
ポップ・パックドロップス
はわわ…怪盗ポップのデビュー戦が取り立てだなんて
でも千里の道も一歩から。
賃貸はショバ代を徴収されるものですっ
怪盗ポップ&ドール(ただのからくり人形)華麗に参上です!
ゆ、床が出たり消えたりしてます…
アクションゲームでよく見るアレです、ポップでも知ってますっ
こういうときは出るタイミングを見計らって…ピョン・ピョン・
ピョンですっ
あ、でもポップ思い出しました
絶対避けられない場所に地雷を仕掛ければ確実に爆死させられるって…ということは、対岸に地雷があるかも!?
ほ、本当は嫌だけど…ドールちゃん、先に着地して爆発させてー!!
ごめんね、こんなお願いしちゃって…(半泣き
次はもっと上手くできるように頑張るからね?
高く、高く。
ポップ・パックドロップス(ブギーモンスターの魔界盗賊・f31374)は、目の前にそびえたつリアル・タワーマンションを見上げて、ちょっぴりびくびくしていた。
「はわわ……怪盗ポップのデビュー戦が取り立てだなんて」
だが、ポップへ向けられる牛ギャングの眼差しには、期待がこもっているようだ。
待望の協力者、現る。というわけらしい。
「でも千里の道も一歩から。賃貸はショバ代を徴収されるものですっ。怪盗ポップ&ドール、華麗に参上です!」
「おー!」
「頑張れー!」
牛ギャングたちの声援を受け、ポップは果敢に挑んだ。
しゅんしゅん。
「ゆ、床が出たり消えたりしてます……」
マンション内部に入り込んだポップを待っていたのは、分かり易いトラップだった。
不意打ち型ではないが、かといって難易度が低いわけではない。
「アクションゲームでよく見るアレです、ポップでも知ってますっ」
先行していた牛ギャングたちも、既に挑戦済みだったらしい。ぼろぼろになった仲間を引き上げている。
失敗すれば、自分にも同じ末路が待っている。しかしポップは、覚悟を決めた。
「こういうときは出るタイミングを見計らって……ピョン・ピョン・ピョンですっ」
思い切りが大切。リズムよく、床を跳んでいくポップ。
この調子なら、この階層もあっさりクリアできるだろう……。
だが、ポップは思い出した。『絶対避けられない場所に地雷を仕掛ければ確実に爆死させられる』ということを……。
「もしかして」
ポップは、床を渡り切った先、すなわち、対岸の床に視線を送った。
何もない。
何もないが、それは何もしかけられていないという事と同義ではない。
「下に地雷があるかも!?」
恐ろしい想像だが、無いとは言い切れない。
迷った挙句ポップは、断腸の思いで、決断を下した。
「ほ、本当は嫌だけど……ドールちゃん、先に着地して爆発させてー!!」
からくり人形が、先行する。
すとっ。
どごぉぉぉぉぉん!!
派手な爆音ともに、ドールちゃんが吹き飛んだ。
慌てて駆け寄ったポップが、役目を果たしたその体を受け止める。半泣きで。
「ごめんね、こんなお願いしちゃって……次はもっと上手くできるように頑張るからね?」
悲しみを胸に。
ポップは、更なる上層を目指すのであった。
成功
🔵🔵🔴
アユーブ・ムイ
さて、記念すべき猟兵としての最初のミッションだ。
体術使いで、忍者修行も囓っていてね、身のこなしにはそれなりに自信があるんだ。
駄目押しで降魔化身法も駆使して、
「ジャンプ力もしくは何らかの飛行能力で段差や奈落を越える(SPD)」にチャレンジしようか。
落っこちそうになったら、得物のトンファーを縁に引っ掛けて凌いだりしてさ。
とはいえ俺は駆け出しだ。罠なんかを解除する方法があるなら、自分の身は顧みずに積極的にトライしていくとするか。
三章に出てくるドラゴンなんかは、俺の手には余りそうだしな。
美味しいところは先輩方に任せて、俺はここ(一章)に全力を尽くすとしよう。
アユーブ・ムイ(人間のヴィジランテ・f31794)、記念すべき猟兵としてのファーストミッションは、要塞化したダンジョンマンションへのアタックとなった。
元々の増改築、そこに来てオブリビオンや滞納悪魔による要塞化。
もはや複雑怪奇というほかないデザインとなったマンションへ、アユーブは果敢に挑んだ。
アユーブが見上げた塔、壁に内部へ続く扉を見つけた。
ただし、そこに至るまでの階段がない。あるのは、壁の凹凸くらい。
しかしアユーブは、体術使い。加えて、忍者修行も多少かじっている。身のこなしには自信がある。
ボルダリングの要領で上方へとひょいひょいと進んだアユーブは、とりあえずのゴールである扉へと体を滑り込ませた。
塔の内部は、空洞だった。奈落とも言う。
次のフロアへ続く階段は、これを跳び越えた向こう側にある。
ならば、これを突破するよりほかない。アユーブは、これも試練と割り切って、奈落との対決に臨んだ。
アユーブは、壁をつたって、階段が設置された向こう岸を目指す。
妖怪に悪鬼、幽鬼の力までもその身に借りて、弧を描いた壁を、軽快に渡り歩いていく。
「爆発とか虫のトラップがあるらしいけど、ただの奈落にそんなもの仕掛ける余地はないような。……おっと」
着地した途端、足が滑った。ミスとも言えない誤差の範囲内だったが。
ちょうど、届くか届かないかのところに、壁のでっぱりがある。
アユーブはほとんど無意識に、手にしたトンファーをひっかけ、くるりと身を回して落下を逃れようと……。
「!」
寸前で、アユーブは直感した。
「こいつは罠だ」
わざわざ奈落を用意したのなら、突破できないよう、壁にもとっかかりなどない方がいい。にも関わらず、ご丁寧に用意されているというのなら……。
幸い、壁にはわずかな亀裂があった。アユーブは、それにつま先を差し込んで足掛かりとすると、でっぱりから逃れた。
すると。
どぉおおおおん!
アユーブが通過した直後、でっぱりが爆発した。
「危ないとこだったな」
爆風の余波にぼさぼさの髪を撫でられながら、アユーブは一息ついた。
この先のドラゴンが本当に強敵だとしたら、お役に立てるかわからない。
その分トラップを踏破して、道を切り開くのが自分の役目だと、アユーブは、心に決めていたのである。
大成功
🔵🔵🔵
メナオン・グレイダスト
・SPD
うむ、この集合住宅も見事な迷宮だ。
灰色の魔王による迷宮攻略を始めよう。
複雑な構造に加え、仕掛けられた厄介な罠。迷宮はこうでなくてはな。
多少の高低差や床抜け等の罠は、外套を翼に変じて飛ぶことにより対処可能と判断。
破壊を伴うものや、邪魔者には…【グレイダスト・ギフト】を行使することで対応。
自身を強化することで爆発などのダメージを軽減、あるいは瞬時に察知することでの回避を試みる。
邪魔者が出てくれば…グレイダスト・ギフトを与え、それを介することで肉体を一時的に支配する。
邪魔をするどころか我輩の先を進ませ、罠の有無を確認させて道を拓かせる。
罠があれば? 勿論、犠牲になってもらおう。
※共闘など歓迎
メナオン・グレイダスト(流離う灰色の魔王・f31514)は、現在進行形で要塞化が続く『悪魔と踊りま荘』を臨んでいた。
「うむ、この集合住宅も見事な迷宮だ。では、灰色の魔王による迷宮攻略を始めよう」
メナオンをまず出迎えたのは、シンプルに複雑な構造だった。
高低差のあるフロアを抜けて、平坦な廊下が現れたと思えば、床が抜ける。が、翼に変じた外套が、メナオンを安全地帯へと送り届ける。
トラップにつぐトラップ。油断も隙もない。
けれど、メナオンは、むしろ上機嫌だ。
「迷宮はこうでなくてはな」
そんなメナオンを次に待ち受けていたのは、床一面に、色の異なるパネルが配置されたフロアだった。
これは、パネルを順序正しく踏んでいかなければ、爆破か落下がお見舞いされるという寸法であろう。
規則性などなく、どう進んでも爆破するのでは? 刹那、脳裏をかすめたその考えを、メナオンは即座に否定した。
「悪魔というのは、律儀な存在だ。罠を仕掛けるからには、それを解くための方法もしかと用意しているはず」
結論から言えば、メナオンの推測は正しかった。
メナオンは、数度のトライ&エラーの末、法則を看破した。
エラー、というからには、数度の爆破に見舞われた。
だが、メナオンは自身をナノマシン・インプラントで覆う事により、爆発の熱と衝撃をしのぎ切ったのである。
挑戦を繰り返すうち、直前に察知する事さえ可能になったので、爆破を食らったのは、最初だけであった。
メナオンが螺旋階段を上った先には、新たな刺客が待っていた。
魔界ムカデだ。
大家のオーヤ氏を襲ったものとは違う個体のようで、かなりの巨体でもって、通路を塞いでいる。
「邪魔者か。ならば、我輩が祝福を授けよう」
「!?」
メナオンが手を掲げると、魔界ムカデにグレイダスト・ギフトが与えられた。
肉体を強化と同時に支配された魔界ムカデは、くるりと回れ右。
メナオンの水先案内人となって、索敵と罠探知をさせられる羽目になった。
「ムカムカ」
「む、どうした」
魔界ムカデが、何か訴えるように振り返った瞬間。
壁の左右から顔を出したガトリングガンが、魔界ムカデに弾丸を浴びせかけた。
「ギャーッ!!」
「危ない所であった」
銃撃がやんだところで、メナオンは、すたすたと進んでいく。
魔王らしい、涼しい顔を作って。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『ブギーキャンサー』
|
|
POW |
●キャンサー・パレード
【蟹脚を蠢かせながらの】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他のブギーキャンサー】の協力があれば威力が倍増する。
|
SPD |
●フィアー・キャンサー
【知恵の布】を脱ぎ、【おぞましき巨大魔蟹】に変身する。武器「【長く伸び敵を切り刻む巨大蟹の鋏】」と戦闘力増加を得るが、解除するまで毎秒理性を喪失する。
|
WIZ |
●キャンサー・カース
攻撃が命中した対象に【蟹型の痣】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【呪詛】による追加攻撃を与え続ける。
|
👑11 |
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 |
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
猟兵たちの助けを得て、牛ギャングとオーヤ氏(復活した)は、居住区画へとたどりついた。
どんどんどん!
オーヤ氏(包帯ぐるぐる巻き)が、ドアを荒々しくノックする。
「おう、いるのはわかっとるんだ! いい加減滞納しとる家賃払わんかい!」
すると。
がちゃり。ロックが外れる音がした。
「出てきよったか。勝手にマンション改造してくれおって。それも滞納分に上乗へぶっ」
突然開いたドアにオーヤ氏が弾き飛ばされて、反対側の壁にめりこんだ。
かさかさかさっ!
中から飛び出したのは、知恵の布を被ったブギーモンスター。ブギーキャンサーだ。
愛らしいデザインの布の下からは、沢山の足……蟹足がのぞいている。見ようによっては、虫のようでもある。
すると、次々隣室の扉も開いて、他のブギーキャンサーたちも現れる。
「払うもんかガニ」
「滞納こそ悪の道だガニ」」
たくさんのブギーキャンサーに、圧倒される牛ギャングたち。
「ぶ、物理でくるつもりなら、こっちも黙っちゃいないぜ」
棒や銃のようなものを取り出す牛ギャングたち。
だが、ブギーキャンサーたちは逃げ出した!
「ま、待てー!」
追いかける牛ギャングたち。
しかし、要塞化されたマンションの地理には、ブギーキャンサーたちの方が詳しい。
迷路を使って牛ギャングを撒きつつ、隠し通路から飛び出しての奇襲。
更には、各所に取り付けられた爆発系トラップや虫トラップが、牛ギャングを返り討ちにする。
逃走行為自体が、ブギーキャンサーの罠だったのだ。
家賃不払いこそ正しい悪と信じるブギーキャンサーたち……彼らからきっちり取り立てられるのは、もはや猟兵しかいないのだ!
ポップ・パックドロップス
こ、ここはオーヤさんのシマですよっ
他人のシマで、しかもシノギを妨げるとは…中々やりますね
家賃怪盗ポップ&ドール、徴収開始ですっ
登場は怪盗の見せ場…高笑いしつつ現れます
怪盗ポップ&ドール、滞納家賃を頂きに推参したよ!(段ボール箱に乗って
押してダメなら引き倒すだけですっ
迷路内の丁字路に段ボールとかゴミ袋とか置いて塞いじゃうよ☆
しばし待ち伏せしていればカニさん達はどけようとするでしょう…
そうしたら強襲開始、ドールちゃんのバレエで蹴散らすとようかな!
優雅に華麗に、豪快に! ふわっと跳躍してから片脚立ちで大・回・転!
ポップも予告状を投げて相手の知恵の布を破きつつ、落ちたお財布をUCで回収&納金ですよっ
マンション内を縦横無尽に逃げ回るブギーキャンサー……家賃滞納者たちを、ポップ・パックドロップスが追いかけていた。
「ここはオーヤさんのシマですよっ。他人のシマで、しかもシノギを妨げるとは、中々やりますね」
弱気を見せていられない。家賃怪盗ポップ&ドール、徴収開始だ!
「はーっはっはっ!」
突如、フロアに響く高笑いが、ブギーキャンサーたちの足を止めた。
「な、何ものガニ」
「姿を見せるガニ」
おろおろ。
笑い声におののき、周囲を見回すブギーキャンサーの前に、スポットライトを浴びた影が現れた。
「怪盗ポップ&ドール、滞納家賃を頂きに推参したよ!」
ばばーん!
シルクハットのポップとドールが、華麗に参上した。
……段ボール箱に乗って。
「怪盗!? でも、家賃は払わんガニ!」
かささっ。再び逃走するキャンサーたち。
「おっと、牛ギャングからは逃れられても、怪盗からは逃げられないよ☆」
押してダメなら、引き倒すだけ。
キャンサーが進行する先、丁字路が待っている。どちらに行けばいいかは、キャンサーたちも熟知している。
ポップを罠にはめようと、右側に曲がった瞬間。
「ガニっ」
ぼふん!
キャンサーの体を、何かが受け止めた。
よく見れば、それは、ゴミ袋。しかも、滞納者たちが籠城中にためこんだゴミがたんまり詰められている奴だ。
「早く進むガニ」
「押すなガニ」
わちゃわちゃ。
先頭のキャンサーがまごまごしている間に、他のキャンサーたちが長蛇の列をなす。
蟹だまりのできたところに、ポップが強襲を仕掛けた。
「ガニーっ!?」
キャンサーたちが宙を舞う。
その中心には、バレエを披露するドールの姿があった。
優雅に華麗に、豪快に! ふわっと跳躍、片脚立ちで大・回・転!
「撤退、撤退ガニ!」
難を逃れたキャンサーの知恵の布を、予告状が切り裂いた。
「わわ、被り物が~……って、あれ? 財布がないガニ!?」
「ふっふっふ、お探しのものはこれかな?」
しゅしゅっ。
ポップは、自分の手もとに転移させた財布を、得意げに振って見せた。
「おのれ~」
怒りに燃えるキャンサーは、残りの布を脱ぎ捨て、巨大蟹の本性を露わにして……。
……が。
「徴収されたら観念するガニ」
根は善良な悪魔。
最後は大人しくお金を払うのが彼らの流儀だったので、ポップは内心安堵したのだった。
成功
🔵🔵🔴
純・ハイト(サポート)
勝つ事を考えて、自身を含めて全てを駒として考えて手段を択ばずに、使える物全て使って任務に参加して戦う。
エレメンタル・ファンタジアはトラウマはあるが、トラウマよりも敵は全て殲滅と考えているために問題無しに使える。
主にユーベルコードの力で軍隊を操り戦闘を指揮して戦うが、他のユーベルコードが有利に動くならそっちを優先して使う。
純・ハイト(数の召喚と大魔法を使うフェアリー・f05649)は、ダンジョン化・武装化を施された『悪魔と踊りま荘』内部を浮遊・進軍していた。
作戦目的はもちろん、家賃滞納悪魔……ブギーキャンサーたちの取り立てである。
「そちらがマンションの地理を生かして抵抗するというのなら、こちらは数で対抗するまで」
ハイトが率いるのは、精霊軍とフェアリー軍の兵隊。
いずれも精鋭。未開の敵地を制圧するにしても、申し分のない練度を持つ戦士たちだ。
加えて、個々がハイト同様小型であるため、立体的な迷路と化したマンション内でも、スムーズな進軍を可能にした。
「頼もしい!」
「やってくれ!」
家賃取り立てに失敗した牛悪魔のギャングたちが、ハイトの出陣を見送った。
が、ブギーキャンサーたちもの家賃滞納という悪事を貫くべく、抵抗を続けた。
侵攻してくる兵に対し、いかんなくトラップを発動。
落とし穴に地雷。時には生理的嫌悪感を呼び起こす虫攻めを行い、ハイトの攻略隊に抵抗する。
しかし、精鋭の名は伊達ではない。不意打ちなどで送還されながらも、戦力を保ったままで、ブギーキャンサーたちを追いつめていく。
「こいつは強いガニ」
「大悪魔、いや、魔王級では?」
先頭に立ち、マンションを我が領土の如く征圧していくハイトの姿は、キャンサーたちにとって大いに恐れられるものとなった。
「アイツがボスガニ」
「なら、アイツを倒せば、他の連中は有象無象ガニ」
意外と頭が回るらしい。
キャンサーたちは、呪印の力を発動すると、物陰からハイトを狙い撃った。
「これで防衛戦は、こっちの勝ちガニ!」
が。
敵の狙撃は、ハイトに読まれていた。
正確には、斥候として放っていた兵が、危機を報せたのである。
蟹型の呪印が刻まれたのは、ハイトの胸ではなく、通路の壁。
そうとは知らず発動させた呪詛が、通路を侵食する。
……トラップのたんまり仕込まれた通路を。
「ギャーッ!!」
キャンサーのいた床が爆発した。
更に、爆弾は、連鎖的に誘爆。ハイトの軍ではなく、自分たちを巻き込んで被害をもたらした。
「さあ、家賃を払うのだ」
「降参ガニ」
自分の被っていた布を白旗代わりに振ると、キャンサーたちは、ハイトに家賃を手渡していったのであった。
成功
🔵🔵🔴