7
欲望、代償、トラップ地獄、罠にかかるは猟兵か猟書家か?

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #レプ・ス・カム #フェアリー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ
🔒
#猟書家の侵攻
🔒
#猟書家
🔒
#レプ・ス・カム
🔒
#フェアリー


0




 アックス&ウィザーズ、その世界の人里はなれた場所にある、過去の何者かを葬ったであろう遺跡の中。
 一人のフェアリーが人間には入り込めぬ隙間を抜けて、奥にある安全な小広場にて休息を取っていた。
「ふー、やっとここまでこれたけど……あとちょっとで、お宝の気配がするのよねー。
 なら、万全の状態でトラップとかに挑めるように休んどかなきゃ」
 一息つけるタイミング、侵入者を阻むトラップもあるだろう、となれば疲労状態のまま進めば集中力を欠いて罠に掛かる危険もある。
 それを防ぐには回復の必要があると彼女はフェアリーランドを発動、壷の中にて回復を図るのだが、それを見逃さぬ猟書家の姿がひとつ。
「……ふっふっふ~、なるほどぉ。宝探し、良い響きだねぇ。
 でもまあ、そういうものには代償はつきものだよね」
 スーパーウサギ穴を使いフェアリーの世界に忍び込んだのは猟書家、レプ・ス・カム。
 宝探しだというフェアリーの言葉を盗み聞き、罠や謎の呪いといったリスクがあるのも当然とばかりに手にしたカンテラ輝かせれば、この世界は使用者の意思でも解除できぬ空間に。
 そして更に、怪しく光が広がれば。
 青白き燐光に照らされて、異形の魔物や転がる岩、突如壁から突き出す槍や矢に、落とし穴といった多種多様のトラップが出現。
 最早この世界はフェアリーにとっての安全な場所ではなく、危険極まりない遺跡のトラップ目白押しの異空間へと姿を変えていたのである。
「うん? 何か騒がし……ってえぇぇぇ!?」
 遠方から感じる異変、それに気付いてフェアリーが顔をあげればそこには不気味なモンスターに、転がり迫る岩が見え。
 慌てて空中に逃れれば、何故か張り詰めていた糸が切れ次々に飛んでくる矢の嵐。
「ひ、ひぇえ! 私のフェアリーランドがなんで、どうして!?
 は、早く逃げ……れない、どうしてなの!?」
 身の危険を感じたフェアリーが泣きながら、このフェアリーランドから脱出しようと試みるも解除は不可能、そして更に迫りくる数多の罠。
 逃げ惑い、どうにかして助かろうと奮起する彼女を余所に、猟書家は何かを探し悪夢の世界を走り回っていたのである。


「なんということでしょうかぁ~、せっかくのぉ、フェアリーランドを悪夢の世界にするなんてぇ~」
 大変そうな事態なのに、それを感じさせぬ間延びした口調でノクス・フォルトゥナ(強化人間のマジックナイト・f17760)が猟兵達に説明を始めていた。
 今回彼女が予知したのはアックス&ウィザーズ世界にて暗躍する猟書家、レプ・ス・カムとその毒牙に掛かったフェアリーの一件である。
「どうやらぁ、フェアリーさんは遺跡の宝探しの途中で休憩していてぇ、そのタイミングで入り込まれたようなんですぅ~。
 トラップに気をつけてぇ、心身ともに休もうとしている時に警戒していた罠を連想させる悪夢の世界に改造されてぇ、このままでは罠にやられてしまうかぁ、最後には衰弱して死んでしまうのですよぉ~」
 なんと非道な事であろう、みたいな感じで身振り手振り、珍しくやる気があるように振舞うノクス。
 ジワジワと真綿で首を絞めるように追い込んで、最後には衰弱死、または罠にて殺すというそのやり口に憤慨しているのだろうか?
「まったくぅ、わたしが妖精さんの羽を引き千切る前に殺しちゃおうなんてとんでもない奴ですよぉ。
 虫の羽を千切るみたいにぃ、ぷちぷちっとしてレアアイテムとして保存してみたいのにぃ、それをさせない相手なんて許せませんねぇ」
 違った、完全に自分の欲望がメインであった。
 妖精の羽はRPGとかではよくあるアイテムだし、回復とか強化とかできそうだし、装備品にする事も出来そうな気がする。
 というかノクスが妖精の羽にかける思いはいいんだ、どうやってこの危機を乗り越えるんだと誰かが聞けば、ああ、と思い出したかのように手を打つノクス。
「そうですねぇ、妖精さんがぁ、ピンチになって悪夢化が進んでいますのでぇ。
 逆に楽しくなるように励ませば悪夢が進むのを抑えられますよぉ。お宝探しな事をしていますしぃ、それに関係することだとより効果的かもですねぇ~」
 悪夢のトラップ遺跡と化したフェアリーランド、その中を冒険して脅威を排除し、そして財宝溢れる宝箱を発見する。
 その過程で色々とフェアリーを励まして、悪夢の進行を抑えていけばやがてこの事変を仕掛けた猟書家を見つけることが出来るだろう。
「こんなところですねぇ、どんなトラップが待っているかわかりませんけどぉ、皆さんなら大丈夫ですよぉ~。
 ちゃちゃっと突破してぇ、猟書家を退治してぇ、本当の宝探しに戻してあげてくださいねぇ~」
 そこまで言ってノクスは説明を終了、ふわりと浮かべば彼女の手元に檻のようなグリモアが輝いて。
 猟兵達を遺跡の小部屋、フェアリーランドへと繋がる壷の前へと転送する準備を整えるのであった。


紅葉茉莉
 こんにちは、紅葉茉莉です。
 今回も猟書家を相手とするシナリオ、ターゲットはレプ・ス・カムになります。
 なお、第一章はコミカルな、第二章は第一章のぶっ飛び具合でコミカルかシリアスかが決まりますが、プレイング冒頭ににコミカル描写、またはシリアス描写と記載して頂ければそういった形で描写します。
 記載なければ流れに沿ったものになると思います。

 第一章はトラップまみれとなった悪夢のフェアリーランドを探索し、魔物やトラップを掻い潜り、宝箱を見つける事が目的となっています。
 この際どんなトラップや魔物がいるのか、皆さんの思いつきでトラップの設定とそれに引っかかったり解除したりする方法を是非とも記載下さい。
 皆様のプレイング次第で悪夢の世界のコミカル具合が決まります。

 第二章では猟書家が出現します。この際、戦いでは第一章で皆様が考えたトラップが各所にある中での戦いになります。
 第二章の冒頭でどのようなトラップがどういった場所に仕掛けられているのか、第一章の展開で決まった物を表記しますので、それらも利用して戦いを優位に進めて下さい。

 なお、第一章、第二章共にフェアリーに楽しいことを考えてもらうとプレイングボーナスとなりますがそれよりも罠の設定だ! という方向に突っ走ってしまってもかまいません。
 つまりはお好きに、トラップの設定と解除方法を考え、突破して猟書家を倒してしまえば良いという事です。

 なお、特にトラップの設定をされない場合は転がる岩、粘性の液体がある落とし穴、踏むと壁から槍が突き出す場所、張り詰めた糸が切れると矢が飛び出す穴など。
 典型的なトラップと、よくわからない、不定形な謎の魔物が襲ってくる形になります。

 皆様のアイデア次第で色々と混沌とした形になりますので、是非ともお好きに楽しんで頂ければ幸いです。

 では、ここまで長文を読んでいただきありがとうございました。
 ご縁がありましたら、よろしくお願いします。
88




第1章 冒険 『宝探し』

POW   :    力を使って調べる

SPD   :    器用に調べる

WIZ   :    頭を使って調べる

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

四季乃・瑠璃
コミカル

フェアリーにざっと状況説明。
お宝を見つけた時の事とか持ち帰って称賛された時の事とかを思い浮かべて貰い、悪夢を弱めるよ。
罠の解除?対処?全部爆破してしまえば問題無かろうなのだ!

一般的な罠多数の他、清楚の罠なんてのも
宝探しなんてしてるくらいのお転婆なので、静かに大人しくしてるのが苦手。そんな意識を反映した罠。
清楚ガスなるモノが出て浴びると行動や言動が清楚で大人しい行為しかできなくなるとかなんとか…


緋瑪「あ、なんか兎耳の子が転がって来る大岩に追いかけられてる」
瑠璃「アレ、猟書家…あ、穴に岩と一緒に落ちてった」
緋瑪「死んだんじゃないかな、アレ」
瑠璃「ついでにボムも放り込んでおこうか」(鬼)



 飛び交う数多のトラップを前にして逃げ惑うフェアリーだったが徐々に追い詰められていく。
 いつの間にやら罠の刃がすぐ側に、ふと気を抜けば接触しての再起不能コース確定。
「無理無理無理、もう駄目ーっ!」
 自分の人生、もといフェアリー生はここまでか、なんて思いつつ絶叫するフェアリーが諦めかけたその瞬間。
 ドカンと一発、大爆発。そして吹き飛ぶ槍や矢や、迫り来る大岩たち。
 フェアリー狙う罠が吹き飛んで、彼女の命を寸前の所で救っていたのである。
「え、あれ……助かった、の?」
 状況が飲み込めないフェアリーだったが、次の丸太が転がって。
 あわやぶつかる、といったタイミングで何かが投げ込まれて再度の爆発、そしてようやくその爆発が罠ではなくて誰かが行ったものだという事を理解して視線を移せばそこには四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)と彼女の分身体である緋瑪の姿があったのだ。
「ふー、間に合ったみたいだね♪」
「大丈夫? 怪我は無い?」
 こんな状況だが楽しんでいる様子の緋瑪が掌の上で爆弾を弄び、瑠璃がフェアリーの無事を確認。
 突然の事に理解が追いつかないフェアリーだったがこのままでは次の罠が来ると瑠璃が声をかけていた。
「はーい、猟兵のサポートだよ。ピンチってことで助けに来たから私達に任せてね」
「えっ、あ、はい、よろしくお願いします……?」
 とりあえず助けに来たという事がわかれば、そして自分たちの近くにいて貰えれば安全だからと状況説明、後は任せて不用意に飛び回らないでと伝えつつ。
 この先にお宝があること、それを見つけたらどれだけ賞賛してもらえるか、なんて事を伝えて思考を罠からトレジャーハント達成後の事に向けてもらおうとした二人。
 少し混乱しているがフェアリーも二人の指示に従うが、すぐにまた混乱することとなっていた。
「ふっふっふ、どんな罠があろうとも。どこにあろうかわからなくとも。
 罠の解除? 対処? 全部爆破してしまえば問題無かろうなのだ!」
 暴論だった。それは圧倒的な暴力、もとい力任せの解除方法であった。
 緋瑪が手にした爆弾を次々と投げ込んで、どこかに罠のスイッチごと、というかトラップごと吹き飛ばしていたのである。
 アカーン、なんて事をするんだ! とりあえず爆発して吹き飛ばせば、フェアリーも自分たちも浮いているから足場の悪さとか関係ないね、みたいなノリでしおってからに!
「ええええええええええええ!?」
 ほら見ろ、フェアリーもびっくりして目を白黒させているじゃないか、というかお前ら二人が爆破トラップを仕掛けて自分たちで爆発させてるような、ある意味悪夢の体現者じゃねーか!
 だが二人はそんな事は気にせずに、とりあえず罠を次々破壊。
「大丈夫大丈夫、安全には万全の対策をとっていますから」
 危険な映像を流すバラエティ番組のテロップみたいな事を言いつつ爆破を続ける二人、やべぇよやべぇよ、大丈夫なのかこのままで、という風に思考がまた罠側に戻ってきたフェアリーだったがまあ仕方ない。
 しかし一応、というか罠による被害は出ていないので約束は守っているからまあいいか。
 そんなこんなで爆破して、無駄にそこらの罠を発動させながら進んでいけばその衝撃か、遠くの罠まで勝手に動き出したらしく。
「うわぁあああ!? なんでここの罠が動いて……げほ、ごほ!」
 遠くの方で聞こえた悲鳴、見れば色々と仕込みやら調査をしていたのだろう、レプ・ス・カムが煙に飲まれて脱出して。
 無傷で出てきたが、何故かちょっと様子がおかしい。
「ふ、こういう野蛮な事は止めたいものですわ。私、こういう、騒々しいものは苦手ですので」
 髪の毛をなで、埃を落とし急に清楚っぽい発言をしたレプ・ス・カム。
 どうやら清楚になってしまうとかいう謎のガスだったらしく、清楚っぽい発言やら動作を強要されているが苦痛なのだろう、表情はめっちゃ苦しそうで何とか逃げようと踏み出せば、運悪くあった転がる岩のスイッチを踏んでしまう。
「なんですって、いけませんわ、ひとまず逃げますわよ!」
 やっぱり台詞は清楚というかお嬢様っぽく、岩に追われて逃げるレプ・ス・カム。
 そんな彼女の様子を遠くに見遣るフェアリーと瑠璃、緋瑪の三人が顔を見合わせ、何だあの罠、みたいな空気が流れる。
 ほらさ、あれだよ、こんなお宝探しとかしてるお転婆フェアリーだし、大人しくしてるのが苦手なんだろ、多分。
 だからそれを真逆にするガスっていう、意識を反映して苦痛を与えるトラップなんだろう、知らんけど。
 まあ引っかかったのがレプ・ス・カムでよかったけどちょっとマテや、清楚トラップはいいけど、敵より瑠璃に緋瑪さんや、あなた方が引っかかる方がいいんじゃないかな。
 だってほら、とりあえず爆破でトラップを吹き飛ばせばいいなんてやべぇ発想なんだ、世界というか悪夢の本質とか無視するなんてなんてひどい。そんな事をせず清楚に大人しくしてろぉ!
 とツッコミどころは多々あるがまあいいか、一応フェアリーは守っているから、成功だし。
 そんな中、追加の罠でも発動したのか岩だけでなく丸太にまで追われるレプ・ス・カムを眺めつつ。
「あ、なんか兎耳の子が転がって来る大岩に追いかけられてる」
「アレ、猟書家……あ、穴に岩と一緒に落ちてった」
 敵だっての、正体を知らぬまま見てたんか、緋瑪。
 そして相手が猟書家だと冷静に、緋瑪に伝え眺める瑠璃。そんな彼女の見守る中で謎の穴に落ちていくレプ・ス・カム。
「死んだんじゃないかな、アレ」
 その光景を見てしれっと言う緋瑪だが、おいやめろ!
 どこぞのアニメの、サイコパスなコックのカワなサキみたいに、国のトップを見かけないという話題の際に、死んだんじゃないの? みたいな事をいっていた感じに。
 すごく軽く、敵の事を扱うのは止めて差し上げろ!
「ついでにボムも放り込んでおこうか」
 そこへ容赦ない、鬼畜の所業とばかりに爆弾を放り込む瑠璃。
 やめろぉ! ボス戦の前に敵にダメージを与えたり、あわよくば倒してしまおうなんて事はヤメロォ!!

成功 🔵​🔵​🔴​

エアリーネ・シルベンスタイン
普段でしたら商売敵ですが……
猟書家、つまり天上界の情報が絡むなら話は別です。

しかし……
「延々続く通路の途中にある転移罠での無限ループ」(転移前後で様子が変わらないので気づきにくい)
「ディスペル扉を開けてお宝部屋に足を踏み入れると落とし穴」(浮遊魔法強制解除→穴落ち)
「滑る床の突き当りの壁に接触式罠」(滑る→壁にぶつかる→罠発動)

これ自体は地味で時間がかかる以外大きな面倒はないけれど、
対処も慎重に進むぐらいしかなく、複合されると嫌な罠ばかり

フェアリーなら床系の罠には対処しやすそうですし、
一応何か使えるアイテムが出ないかUCを試し(※結果はお任せ)た後
合流優先で動きますね……

※アドリブ他歓迎です


エドゥアルト・ルーデル
コミカル

フェアリーの羽が乱獲されちまうーッ!

一見やばくなさそうで実はヤバい罠があると思いますぞ!そう例えばパイ投げとか!
飛んでくるパイ程度でもフェアリー相手ならトラックに轢かれるぐらいの衝撃はありそうなので立派な悪夢の罠でござるよ!ベタつくと飛べなくなりそうだし
飛んできた方角からパイ投げ機を見つけたら速度を足そうぜ!トレビュシェットパイ投げにモーターを仕込んで時速150kmぐらいは出したいでござるね

そこな名無しフェアリー氏よ聞くが良い、こんな罠だらけにした奴への復讐、したくない?
来る前にヤヴァイソースを持ってきたで怒りの分だけパイに盛るんでござるよ
罠の仕込みをすると楽しくなってくるだろう?



 いかん、ボスがボス戦の前に倒されそうなので取り乱してしまった。
 気を取り直して他の猟兵の動きを確認する事にしよう。
「フェアリーの羽が乱獲されちまうーッ!」
 そんな叫びと共に今回の被害者なフェアリーの前に現れたのはエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)である。
 ちげーよ、乱獲しようとしてるのは猟書家じゃなくて案内したグリモア猟兵のノクスだっての。
 ほらー、そんな事言うから護衛対象なフェアリーがめっちゃびびった顔で見てるじゃないか。
「えっ、あの、その、私の、羽が……」
 めっちゃ涙目になって怯えるフェアリー、トラップとかが増えそうでヤバイ気配である。
 なんて事をしてくれたんだっ!
「待ちたまえ、怯える必要は無いぞそこな名無しのフェアリー氏よ、そして話を聞くが良い」
「胡散臭さがすごくて不安なんですけど」
 安心させようとするがまあ当然、警戒されるわけでして。
 だがしかし、この程度でめげないのがエドゥアルトである。
「実はここに来るまでに、一見やばくなさそうで実はヤバい罠を見つけてきたのでござるよ!」
 オーディエンスな人々が、な、なんだってー、とか叫びそうな衝撃の事実。
 して、そのやばくなさそうで実はヤバイ罠とはいったい何か?
 それは実物を見ればわかるとばかりにエドゥアルトが呼び出したのは誰か知らない人。
 っていうかユーベルコードで呼び出せるからって知らない人、誰なんだあんたは、みたいな人を呼び出すんじゃあない!
 そんな微妙な空気の中、知らない人が歩けば突然飛んできた白い塊、もとい昔のバラエティ番組ではよくあった、投げつけるパイ。
 だがその速度が問題だった。何せ目にも止まらぬ高速、プロ野球選手の剛速球に迫る速度で飛んできたんだから、顔面に受けた知らない人が吹っ飛んで倒れていた。
「そう、拙者が見つけたのはパイ投げトラップでござるよ!
 飛んでくるパイ程度でもフェアリー相手ならトラックに轢かれるぐらいの衝撃はありそうなので立派な悪夢の罠でござるよ! ベタつくと飛べなくなりそうだし」
「いやフェアリーのサイズとか関係なく威力が過剰なんですけど!?」
 まあそうだろうよ、一般人が吹っ飛ぶような威力のパイ投げなんざフェアリーのサイズとか関係なく非常に危険な威力だろうよ。
 あと飛べないとかさり気に死活問題な事を言うんでない。
 ちなみにこんな速度でパイが吹っ飛んできたのは、普通のトレビュシェットパイ投げにモーターを仕込んだからである。事前準備で何処に力を入れてんだ、アンタは!
 そんなツッコミどころ満載の改造トラップを見せ付けながらも目を光らせてドヤ顔でフェアリーに語りかけるエドゥアルト。
「こんな罠だらけにした奴への復讐、したくない? 来る前にヤヴァイソースを持ってきたで怒りの分だけパイに盛るんでござるよ」
 おぃい!? デスソース的なものから、その他危険物になりそうな食品につかってはいけないようなブツを持ち込みおってからに!
 辛いものが好きでそれ系のソースを持ち歩いている別の猟兵も反応しそうだし、何より食品を食べれなくするのでこの後スタッフがおいしくいただきました、ってテロップが嘘になるじゃないか!
 しかしそんなツッコミも届かないんだろうなぁ。
「ほらほら、罠の仕込みをすると楽しくなってくるだろう?」
「た、確かに、わたしのフェアリーランドを無茶苦茶に、された、仕返しは……ふふふ」
 半ば洗脳しているような状況のエドゥアルト、なんて事をしてくれたのでしょう。
 いけない、このままでは事件解決してもフェアリーが危ない思考に染まってしまう、誰か、何とかしてくれよぉ!
 そんなカオスな流れを断ち切るように、凛とした声が聞こえたのはその時であった。
「延々と続く通路に見えて、それは途中で転移罠による無限ループ。
 引っかかって合流が遅れてしまいましたが、何をしているんですか……」
 フェアリーが危ない方向に進んでいる現場に出くわしたのはエアリーネ・シルベンスタイン(びんぼうエルフ・f26709)
 やったっ! 正統派なトラップを探していた探求者なエルフの方だ、これでかつる!
 と言いたいのだが、この方の本質は遺跡荒らしだったりする。
 なので過去に遺跡探査で色々とヤバイ物品を見つけて取り扱う、いわば今回被害者となっているフェアリーの商売敵になる存在、つまり助けに来る事は本来ありえないのだが。
「猟書家、つまり天上界の情報が絡むなら話は別です」
 このエルフ、私情で周りが見えなくなるタイプではなく、冷静に状況に合わせて方針を決めれるタイプであるということだ。
 そんなエアリーネは半ば興奮状態のフェアリーに近づいて。
「とりあえず落ち着いて、はい、パイから離れて」
「はっ!? わたしは、なにを」
 錯乱しつつあるフェアリーを落ち着かせ、何とかまともな世界に引き戻すエアリーネ。
 だがよく見ると、ちょっと衣服が乱れているのだが……何かあったのだろうか?
 その理由を語るならば、延々と無限ループの罠にかかっていた頃より前の事を語るとしよう。
「そう、非常に面倒な罠だったのです……」

 回想の中、エアリーネは遺跡のように作り変えられたフェアリーランドの通路を歩んでいた。
 その先にはこれみよがしに置かれた宝箱、これは正解かと思って踏み出せば突如足元に口をあける落とし穴。
「ちょっと!? ベタ過ぎる罠ですね、これは。それも飛べなくするおまけつきの」
 落下したエアリーネ、だがこんな事もあろうかと。
 遺跡探検の調査セットなんて持っていたので、咄嗟に取り出した杭を壁に打ち込んで落下を回避。
 こういう時のツールセットの大切さを感じつつ、穴から出れば見つけた宝箱は偽物で。
 浮遊していた者を引き込む重力を穴の底から感じつつ別の通路を進んでいけば、突然足元が滑る氷の床になりなすがままに壁に向かって進んで行き。
 衝突を避けようと手を突き出せば、壁に何かのスイッチがあったのだろう、勢い良く壁の一部が押し出され、元の方向へエアリーネを押し戻す。
 滑る床のせいで踏ん張りきかず、元の場所に戻されるループ地獄に加えて先に語った、転送罠による同じ通路の無限周回と彼女が見つけたトラップは、単体での殺傷力は低いものの時間をとにかく浪費させる代物ばかり。
「地味で時間がかかる罠。それ以外に大きな面倒はないけれど、対処も慎重に進むぐらいしかなく、複合されると嫌な罠ばかり」
 このまま普通に探索していれば、出口に通じる宝箱を見つける事はおろか、フェアリーや仲間との合流も難しい。
 何か使えるものはないのかと、自分のひみつの倉庫につながる魔法のカバン、ぷちぽーたるくんの中身をああでもない、こうでもないとまさぐっているその姿。
 某国民的な青狸っぽいけれど猫型ロボットが、慌てて何かを探すような時と似ている様子でそれっぽいマジックアイテムを引っ張り出せば、それは謎のスイッチで。
 よくわからないけど押してみよう、ポチッとな、としてみればそれは周辺に魔力の波を飛ばし相手をひるませる、いわば防犯ブザーの無音かつ強烈な衝撃を与えるようなものだったが、接触式のトラップを誤作動させるにも十分な衝撃があったのだろう。
 そこらじゅうで知らぬ間に設置されてた爆破物が起動したり、矢が放たれたりして通路内部が大惨事。
「ちょ、何ですかこれは!? というか見えない場所にトラップのスイッチが多すぎです!」
 そこかしこで発動するトラップをかいくぐり、逃げ出した先にあったのは最初に話した無限ループトラップであり。
 延々とそこで時間を無駄に使わされ、その異変に気付いた事でループから脱出。
 面倒な罠を突破して、今まさにフェアリーとの合流を果たした、ということであった。

「とまあ、そんな事がありまして」
「ひ、ひええええ、なんて恐ろしい、飛べる私を飛べなくして、穴の底に落とすなんて」
 ブルブルと震えるフェアリー、ちょっと怯えさせてしまったけどこれは仕方ないことなんだ。
 エアリーネが脅かさないと、最初に爆破物まみれにした流れに加えてエドゥアルトが別の方向でやばい考えに染まっていたんだし、これはフェアリーの思考をリセットする為に必要なことだったんだ。
 しかし、せっかく思考がリセットされたとしてもまた、混沌とした方向へ進むのは止められないのである。
 だってこれは、ギャグに振り切れた流れなのだから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

黒城・魅夜
トラップですか、まあ怖い(くすくす)
ですが「悪夢の滴」たるこの私の前で悪夢を弄ぶ愚かな兎には
自分がこのトラップに掛かっていた方がマシだったと思うような目に
遭わせてあげましょう、ふふ……

では気を付けて進みませんとね
と言っている間にモーニングスターが振り子のように
さらに足元にはトラバサミが
加えて仕掛け連弩が一斉発射されてきました
そしてとどめとばかりにどこからともなくギロチンが?
本当に怖いですね、ふふ
即死でしたよ、……私がエクトプラズムの身体でなければね
ええ、この身体は生半可な物理トラップなどすべて透過し無効です
変化したついでに狭いところに入り込み
「第六感」と「見切り」も使用して宝箱を探しましょうか


ロッテ・ブラウ
【ピュアニカさんと参戦】

デジャブ―っ…えっ?
あはは、実は同じようなフェアリーランド攻略したことがあってさー♪
前の駄目兎は罠にガンガン掛かってズタボロになってたけど
今回のは他の兎と違って少し優秀なのかな?
あれ?もしかしたら気のせいかも?

人間の姿に化けピュアニカさんと並んでピクニック
自分の周囲に【秘された窓】を展開
妖精の姿の時のノクスの眼が怖かったとか雑談しながら
飛んできた矢の嵐や罠を
片手間に罠ストック部屋に回収しながら、ぶらぶら歩を進めます

おっ珍しい触手だらけの変なモンスターもいるね♪
アレも回収しとこうかな?何がどう使えるか分かんないもんね?
こっちおいでーボクのコレクションに加えてあげるよ♪


純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ
コミカル
ロッテくんと〜♪

今回の目的は〜♪レプちゃんを捕獲する事〜♪
可愛くてスタイルもいいうさぎちゃんだからぴゅあの眷属にしていっぱい可愛がってあげたいなー♪今から楽しみだよ〜♡

元々有った罠で全身串刺しにされたり首を刎ね飛ばされたりしちゃうけど神さまだから平気だよ〜♪スライムに変身も出来るしね〜♪

折角だから追加で罠を仕掛けちゃお〜♪
ぴゅあの罠は〜♪ちょっと恥ずかしい感じの奴〜♪
UCで淫魔を召喚して【恥ずかしい罠】属性のトラップハウスを建造〜♪

脚を縛って真っ逆さまに吊り上げちゃう罠(下着見えちゃうかも〜♪)と惚れ薬を混ぜた服を溶かす大量のスライムが天井から落ちてくる罠とぬるぬる触手落とし穴〜♪


ビスマス・テルマール
コミカル

●POW
フェアリーさんに状況説明し
こんな状況なら不安になるのと
お腹も空いてませんかね?

事前に『料理』して持ち込んだ
鮪のさんが焼きをご馳走

鮪には精神安定の食効能がある事や
なめろうについて色々説明し
これで悪夢の弱体を狙えれば

罠は……鮫が地面を泳いで
突っ込んできて服を咲いたりしてくるのとか

金たらいとかが落ちてきたり
バナナの皮が地面から出現してこがしてくるのとか?

鮫さんのサポート目的で

わたしは『第六感』で警戒し『オーラ防御』でフェアリーさんを守りつつ

UCで纏めて力付くで排除し
進軍

バナナの皮で鮫さんが方向転換
高みの見物をしてる猟書家幹部の所に
向かったりする事もあるかも

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎



 なにかこう、フェアリーがおかしくなってきているぞ。
 どうにかこうにか、流れを戻せる者はおらぬのか!?
「今回の目的は〜♪ レプちゃんを捕獲する事〜♪」
 あぁ、ダメだったよ、なんというか別の目的に突っ走ってる純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ(永遠に無垢なる幼く淫らな魔貌の邪神姫【百合神淫魔】・f30297)が欲望をぶちまけている。
 そんな彼女の隣にはピクニック気分で多種多様なトラップを確認しつつ、フェアリーな姿から人間サイズに変化しているロッテ・ブラウ(夢幻・f29078)もいたりして、これはもうだめかもわからんね。
「デジャブ―っ……えっ?」
 おう、なにがデジャブだロッテさんや。
「あはは、実は同じようなフェアリーランド攻略したことがあってさー♪
 前の駄目兎は罠にガンガン掛かってズタボロになってたけど、今回のは他の兎と違って少し優秀なのかな?」
「どうかな~? まあ優秀でもドジでも~、捕獲するのにかわりはないからね~♪」
 こ、こいつら、完全に目的が別になっとる。
 ああもう、それでええわい、とりあえずトラップをどうにかしてフェアリーがゴールにたどり着きやすくすればそれでいいからはようなんとかしなさいっ!
「なるほどなるほど、じゃあトラップを探しますか~。
 そういえば妖精の姿で案内してもらう時、ノクスの目が怖かったな~」
「あはは~、ぴゅあがレプちゃんを狙うようにぃ~、ロッテくんも狙われてるみたいだったね~?」
 おおう、なんてことを。
 フェアリーの羽をもぎたいとかいってた案内人の前でフェアリー羽を見せ付けるだなんて、ロックオンして襲われても知らないからな!?
 そんな中、不意に飛んできた数多の矢が二人を襲う!
「にゃはは~、無駄無駄」
 が、飛んできた矢は唯の物質、抵抗とかそんなものを考えられない物品。
 故に抵抗しないものを吸い込む魔方陣を周囲に展開したロッテにとってはすっ飛んできたトラップなど問題なく、フェアリーランドな中で飛び交うトラップを別のフェアリーランドに転送するという重ね業にて回避して、二人揃って観光気分でぶらぶら進む。
 もうこいつら二人を俗に言う漢探知、トラップを踏み抜いて解除させるTRPGとかのダンジョンMAPでよくある、いや、よくあってはゲームマスターが困る類の突破をさせれば良いのではなかろうか?
 そんな疑念が過ぎる中、不意に奇妙な床を踏み抜いたピュアニカ目掛け数多の槍が繰り出される。
 ちょっとロッテから離れていたのが災いしたのだろう、槍の穂先を魔方陣が吸収する事もできず、哀れピュアニカは多数の方向から串刺しに。
 さらにダメ押しとばかりに繰り出された回転する刃がピュアニカの首を跳ね飛ばす。
 あっ、これ即死トラップやん、というか即死コンボ入ったじゃん、どうすんだこれ。
 そんな空気ではあるが跳ね飛んだ首を体が拾って共にとろけて融合して、元の形を取り戻す。
「わ~、即死確定トラップもあったんだね~♪ けど神さまだから平気だよ〜♪ スライムに変身も出来るしね〜♪」
 おまっ、神って種族を口実に何でもアリなことをしおってからに!
 神だから死なないとか、一応不老不死っている設定はあるけどさぁ!? どこか別の世界だと神を殺す猟書家とかいたんだからな!?
 そんなこんなで片やトラップを回収し、片や被弾を無効化して進むという鬼畜の所業。
 だがしかし、これで終わらないのがこの二人。
「折角だから追加で罠を仕掛けちゃお〜♪ ぴゅあの罠は〜♪ ちょっと恥ずかしい感じの奴〜♪」
「おっ、追加か、面白そうだね、どんなのどんなの?」
 おいぃ!? 探知して発動させて解除してたのに追加で罠を設置とかなんてことを。あと恥ずかしい系とか公序良俗に引っかからない程度の奴でお願いします。
 そんなこんなでユーベルコードでピュアニカのお城という体でのトラップ増設、歩いてる時に足元の紐に気付かないとバシーンって感じで足を縛られて、そのまま逆さ吊りにされる類のよくある漫画的トラップに。
 天井に張り付くスライム(服だけ溶かすタイプ)という都合のいい存在、というかこういうダンジョンに潜むスライムは服だけとかじゃなく骨まで溶かすやべえのが普通だぞ!?
 それに加えて床には落とし穴、中にはうねうね動く触手の海というこれまたちょっと色々と表現の際には注意が必要なものを設置するという恐ろしき行為。
 なんてこったい、やべえトラップが増えやがった。
 その頃、ロッテさんはどこでなにをしてらっしゃるのか?
「おっ、珍しい触手だらけの変なモンスターもいるね♪
 アレも回収しとこうかな? 何がどう使えるか分かんないもんね?」
 おいぃいい!? お前もなんつーモノを見つけてるんだ!
 色々と珍妙な姿形のモンスターがうろついてはいるが、よりにもよって、ちょっといかがわしいトラップが増設されたタイミングでそんなモンスターをみつけてからに!
 あっ、やめろっ、回収してストックするな、それどのタイミングで解き放つつもりだ、というか手懐けるな!?
「こっちおいでーボクのコレクションに加えてあげるよ♪」
 ああ、だめだ、触手モンスターが捕まってコレクションにされちまったぁ。
 いけない、この二人のせいでより一層混沌とした流れになってしまったじゃないかっ!
 どうにかまともな流れにはならぬものか?

 そんな混沌としたフェアリーランドの空気の中に救世主が!?
「トラップですか、まあ怖い」
 くすくすと笑いつつ、絶対怖がってない黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)がやってきた。
 ま、まあ大丈夫だろう、きっと大丈夫。
「悪夢の滴たるこの私の前で悪夢を弄ぶ愚かな兎には、自分がこのトラップに掛かっていた方がマシだったと思うような目に遭わせてあげましょう、ふふ……」
 かなり怖い事を呟きならが、先の二人とは別ルートで宝箱を捜しているが多分、恐らくは大丈夫。
 こういうダークな雰囲気を出す人なんだもの、必ずや混沌とした流れからシリアスっぽい流れにしてくれるはずっ!
 ほら見なさい、警戒して一歩一歩、確実に遺跡っぽく変化したフェアリーランドを進む姿を。
 まさに、TRPGでいう正当な探知しながらの進軍、先の発動させて突破していく漢探知とは真逆のスタイ……カチッ?
 いや、その、警戒しながら進んでましたよね、魅夜さん?
 今の音はモロにトラップ発動のスイッチっぽいんですけどぉ?
「あら、モーニングスターが振り子のように。さらに足元にはトラバサミが」
 ちょっとぉ!?
 普通にトラバサミに足を突っ込んでそれに連動してトゲ付き鉄球が先端に付いた棒がいい感じに天井から振り子状態で迫ってますやん!?
 気をつけて進みませんと、とか言ってたけど普通に発動させてるじゃないか! というかこれデスコンボの予感だぞ!?
「加えて仕掛け連弩が一斉発射されてきました。
 そしてとどめとばかりにどこからともなくギロチンが?」
 動きを止められた状態で実況をアリガトウゴザイマス。
 平然とした態度のままに、大量に飛んできた矢とかに射抜かれ、トゲ付き鉄球とか巨大な刃に襲われて。
 ああ、このトラップって普通に即死コンボだけど吹っ飛んだり体が千切れたりしてないってことはアレだろ、何かこう、こういう物理攻撃とかをどうにかできるユーベルコードを使えるかそんな特殊な体質なんだろ、私は詳しいんだ。
 なにせつい先ほど、神という種族の特徴を存分に主張して、挙句スライムに体を変化させた猟兵を見たのだからな。
「本当に怖いですね、ふふ。
 即死でしたよ……私がエクトプラズムの身体でなければね」
 やっぱりな、そんな事だろうと思っていた。
 多種多様な物理攻撃的トラップを素通りさせた魅夜の体は半透明にゆらめいて、エクトプラズムと変化していたのである。
 不定形なその体は足を挟んだトラバサミも難なく抜けて、飛んできた物理トラップも無効化して。
 そんな能力があったので最初から余裕で、引っかかっても大丈夫と自信をもって進んでいた魅夜は変化したついでとばかりに壁の隙間をすり抜けて。
 通常ルートとは別のルート、壁抜けというチート的行為を用い出口に繋がる宝箱を探して進むのであった。

 …………。
 うん、ま、まあ、ちょっとイレギュラーだったけど流れはなんとかカオスから戻った気がする。
 そんな中、視点を出口探して進むフェアリーに向けてみれば、新たに合流を果たした猟兵の姿があった。
「大変でしたね、フェアリーさん。どうやらあなたを狙うオブリビオンが、フェアリーランドを解除できなくしたらしく。
 出口を見つけないと脱出できない、それに世界そのものを悪夢に。今回は罠まみれの世界にしているんです」
 どうしてフェアリーランドがこうなったのか、事細かく説明していたのはビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)
 あっ、そういや、助けに来たっていうのとか、猟兵の近くにいれば安全って説明はしてたけどこんな事になってしまった原因については詳しく説明してなかったっけ。
 えらいこっちゃな世界にしたヤツはいる、やり返しの準備だー、という感じでのざっくりとした説明はあったけど、なんでどうしてこうなったか、流れは誰もいってなかったものね。
「あっ、はい、ご丁寧にありがとうございます」
「いえいえ。状況が状況ですし、不安だったでしょう? お腹もすいてませんかね?」
 ペコリと一礼してお礼を述べるフェアリーに、そんなかしこまらなくても、といった雰囲気のビスマス。
 こういう時こそ日常的な事を思い出して欲しいとばかりに取り出されたのは事前に調理してあった鮪のさんが焼きである。
「えーと、これは」
「鮪には精神安定の食効能があるんです、色々あって混乱していると思いますが、今はわたしたち猟兵がいるので安全です。
 これを食べて落ち着いてください。そしてさんが焼きの元になる、火を入れる前のなめろうというのは……」
 あっ、いかん、食べ物を勧める所まではよかったけど、そこからなめろう、に関して説明し始めた辺りでビスマスのスイッチが入っちまった。
 立て板に水の如く、なめろうについて淀みなくスラスラと語っていくビスマス。
 かなり困惑しているフェアリーだったが、そのおかげで思考が悪夢から食材に向かっていき悪夢の進行が抑えられてるから、まあいいか。
 そんなこんなで不安を解除したらあとはトラップ解除とばかりに進軍再開……だが見つけた罠がなんだよこれ!?
「鮫が地面を泳いで突っ込んできて……服を裂きそうですねこれ?」
 なんつー罠を見つけてるんだ、ビスマスよ。
 というか鮫が地面を泳ぐって何処のB級鮫映画だよ!? せめて地中を潜行してこいよ!?
 なんで地表をうねりながら進む鮫なんて見つけんだよぉ!?
「あっ、あの天井には金タライが。あそこの地面からはバナナの皮が!」
 なんでや! なんでここにきてギャグいトラップを見つけるんや!
 明らかにコントとかで使われる、上から降ってくるデカイ金タライに、レースゲームで相手をスリップさせての足止めするバナナの皮とか出てくるトラップってどういうこっちゃ!?
 だが色々な罠がある、のならフェアリーは危ない、よなぁ……?
 疑問系な状況だが護衛せねばとビスマスはオーラを纏い、フェアリーを包み込み防御して。
 でも迫ってきたり落下してくるトラップを抜けねばゴールは無いとばかりにユーベルコードを発動。
「なめろうフォースセイバー……ご当地パワー出力全開っ! なめろうスプラッシュ……サイクロンッ!」
 おいぃ!? なんで攻撃的なユーベルコードやねん!?
 こういう場合は防御したり受け流したりするんじゃないのかよ!?
 あっ、はい、力づくで纏めて排除する? そ、そうですか、なら旋風刃を飛ばしてバナナの皮を飛ばしたり、金タライをどこかあさっての方向へ吹き飛ばすのもやむを得ませんね。
 飛んでいったバナナの皮で鮫がスリップして、変な方向を向いて先ほど猟書家が落下して、さらに爆弾まで投げ込まれた穴に落ちていってもこれは不幸な事故なんです。
 何か悲鳴が聞こえたきがするけど、気のせいだろう、多分。
 そんなこんなで何とか無理矢理フェアリーと守りつつ進む一行であったのだが。
「あのー、言いにくいんですけど。そんな回り道をせずとも、ここを壊せばすぐに出口がありますよ?」
 にゅるんと壁の隙間から滲み出てきたエクトプラズム、それは魅夜が形を変えた存在。
 強引に宝箱を探していた一行とは別に壁抜けしながら探した結果、どうやら破壊することで罠を無視して宝箱まで向かえる最短ルートを見つけたのだろう。
 ある意味、バグ利用に近いショートカットルートなんて見つけおってからに!
「あ、そ、そうですか。な、なら、そういうショートカットは利用しちゃいましょう!」
 だが見つけてしまったのなら利用しない手はないとばかりにビスマスが旋風刃で壁を切り裂き道を作れば出口はすぐそこ。
 財宝煌めく宝箱の気配を感じつつ、フェアリーを守りながら猟兵達は宝箱を目指すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『レプ・ス・カム』

POW   :    ミラージュ・ラパン
自身と自身の装備、【自身がしたためた招待状を持つ】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
SPD   :    兎の謎掛け
【困惑】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【鬼火の塊】から、高命中力の【蒼白い炎の矢】を飛ばす。
WIZ   :    素敵な嘘へご案内
【巧みな話術】を披露した指定の全対象に【今話された内容は真実に違いないという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ハーバニー・キーテセラです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 なんだかんだで猟兵達はフェアリーを護衛(?)しつつ、目的である宝箱を見つけていた。
 これでこんな悪夢のトラップまみれな世界なんてサヨナラさ。
 だがしかし! そうは許さぬと宝箱の前に立ち塞がるように、っていうか天井に穴が開いて落ちてきたのは猟書家レプ・ス・カム。
 所々、衣装がほつれたり焦げ付いたり何か歯型がついているのは気のせいではない、多分変なトラップにでも引っかかったんでしょう、誰のせいか知らないけどね。
「そう易々と逃がしませんことよ、このわたくしが……この喋りはなん清楚ー!?」
 フェアリーを逃がさぬと立ちはだかったレプ・ス・カムさん、だが様子が変である。
 なんという事だろう、清楚になってしまうガスで口調が清楚……っぽいというか浴びすぎて動きだけでなくトークも清楚と言い張るしか出来なくなってしまったというのかっ!?
 だがまあ、しばらくしたら効果もなくなるだろうしそれまでの辛抱っていうかもう効果は切れてるようで。
「ああもう、なんなのよこのトラップは!? せっかく追い詰めたっていうのに邪魔して出口まで到着して!
 けどいいわもう、散々に罠にかかったけどそれもこの為だから悪くは無いわ」
 パチンと指を鳴らせばなんという事でしょう、突然何も無い空間から轟音と共に転がる岩が出現して壁をぶち砕けば、そこから何か見えぬ物が飛び込んで。
 砕けた壁を跳ね飛ばした不可視の存在、それが姿を見せればなんと地表を泳ぐ鮫ではないか!
「ふふふ、罠に掛かっている間に色々と仕込んできたからね、罠を利用できるのはそっちだけじゃないよ」
 キメ顔で語るレプ・ス・カム。だがまあうん、こう語っているけれど、多分全部の罠を体験したわけじゃないから仕込みが出来てる罠は限られてるんじゃないかな、恐らくは。
 だがしかし、ある程度の罠をコントロールできるのは確かなようだが体で覚えたやつだけだろう、となれば対処もなんとかなるなる。
 とりあえず現状を確認してみよう、そこかしこにある床のスイッチを踏んでしまえば岩とか丸太が転がってきたり、矢がとんできたりする。
 細い通路で戦えばそこは転送系の罠、何度も同じ場所をループさせられるので壁を壊さねば抜け出せないし、壊した先には滑る床か落とし穴が待っている。
 なお、落とし穴は飛行能力があっても引きずり込む重力装置つきである、こわひ。
 後は定期的にプロ野球選手、速球派のピッチャー並みの速度でデスソースとかが塗りたくられたパイが飛び交うリアクション芸人にはありがたいかもしれない場所があったり。
 普通にデスコンボ、足を止めるトラバサミからの振り子式モーニングスターからのギロチンというどこぞのトラップを仕掛けるゲームの如く、床、壁、天井の三方向からの罠を繰り出す小部屋があったり。
 地表を泳ぐ、バイオなハザードの、水を抜かれてピチピチ跳ねる鮫にも見習ってほしい危険極まりない鮫に、その鮫ですら滑らせ方向転換させる、レースゲームのトラップアイテムな謎のバナナの皮が床から飛んできたりして。
 挙句、見え見えの場所にある巨大な金タライがあったりするギャグい場所に加えれば。
 とりあえず普通なデスコンボ第二段、床のスイッチを押してしまうと大量の矢と槍に襲われて、挙句回転ノコギリみたいな刃で首を切られるという恐ろしき普通の罠。
 それらの近くには、そんな命を奪う為だけの罠とは明らかに性質の違う、天井から落ちてくるスライム(衣服だけ溶かすタイプ)というなんでそういういやらしい展開専用なんだ、って奴に加えて、うねる触手で満たされた落とし穴。
 あとスカートな人には勘弁願いたい、引っかかると足を縛られ逆さ吊りにされるロープとか仕掛けられたりする始末。

 なんだこの罠の混沌っぷりは!? そんな中で仕込みを入れれたのはまあ、ほら、被害にあった奴ぐらいだからさ。
 多分、普通なトラップとか落石系統とか、地表を泳ぐ鮫とかが偶に利用できるぐらいなんだろう、知らんけど。
「あはは、そう簡単には逃がさないよ? 追いかけっこの始まりってやつだね」
 余裕を見せて罠を駆使してやると言ってるがまあうん、多分使える罠であろう。
 適当に引っかかったふりをして、逆に体感してない罠なゾーンで色々やれば普通に被害にあうんだろうなぁ。
 無論、猟兵側も無策で動けば罠の被害にあいかねない、適度に警戒しつつどの罠があるゾーンでどうやって戦うか、その辺りの工夫をして戦うことで有利になるのは明白。
 さあ、罠合戦を終わりにするのだ、様々な罠を利用して、このウサギな猟書家をフェアリーランドから追い出して。
 平和な世界を取り戻すのだ、猟兵よ。

 あ、徹底的にギャグな動きもかまわないし、なんなら自分から引っかかりながらレプ・ス・カムを巻き込む動きも問題ないぜ!
 そういうリアクション芸人な動きっていうのも一つの選択、華麗な罠の利用でも、体を張った動きでも。
 全ての選択肢は猟兵に委ねられているのだから。
ビスマス・テルマール
わたしの性もあるんでしょうけど
猟書家の扱う罠が混沌を極めていますね

ここはフェアリーさんを守りつつ
戦う為にもコレを使いましょうか

●POW
『早業』で『先制攻撃』でUC発射し
鎧装に変形した南瓜砲弾を纏い

強化した『オーラ防御』を『属性攻撃(赤外線センサー)』込め『範囲攻撃』でフェアリーさんごと『かばう』様に展開

罠を防ぎ
相手の動きも赤外線センサーで探り

『第六感』で『見切る』のも頼り【ディメンション・なめろうブレイカー&ジュリンプル・グレネドフォート】での『砲撃』の『一斉発射』対応

可能なら罠を『オーラ防御』で『盾受け&ジャストカード』し猟書家に流す感じで

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
※姿は南瓜行列SDの参照


四季乃・瑠璃
緋瑪「アレは…!」
瑠璃「まさか…」
緋瑪「なんだ、鮫かぁ…」
瑠璃「でも、邪神産じゃなければ今度こそ鱶鰭が」
緋瑪「新鮮な鮫肉も食べれるかも!」
翡翠「……」(陰でこっそりポチポチ)

翡翠がこっそり【高速詠唱、情報収集、ハッキング、罠使い】による探知術式で罠を探知し、術式とスマホで罠にハッキングして乗っ取り。
必死に引っ掛かって仕込みした罠を更に乗っ取って使われるという(えげつない)手を使って相手を嵌める更に罠へどーん。
ついでにデスソース入りのパイは辛味好きな瑠璃が物足りないってザ・ソースに塗り替えられ、キメ顔で高笑いしてるレプの顔にベチャリ。
更に飛翔翼で飛行して空中からボム大量投下でレプも鮫もドカンと


エドゥアルト・ルーデル
レプ・ス・カム氏にフェアリーよ聞くがいい
神は言っている…更に混沌にしろと…

なにってあの後増やしたんでござるよ投擲機を、大量に
食品ロスやコンプラを気にする地の文=サンの為に適当なボールや石にしたら案の定キルゾーンが生まれたんでお互い頭を伏せながら話している訳だ

このままじゃ埒が明かないので強引に話を進めますぞ!センシティブに配慮しつつ体を弄る!なあ…ええやろ?
二人の肉体に電脳魔術でベクトルを付与すれば邪神…【物理演算の神】がお戯れにテクスチャの隙間からスカイダイビングさせますぞ

フェアリーランドから始まって竜の大陸、燃えた森、キマフュ、ゆかりちゃん、地の文=サンの背後…そのうち次の誰かの元に着くだろ



「わたしの性もあるんでしょうけど、猟書家の扱う罠が混沌を極めていますね」
 色々なやべぇ罠を確認しつつ、ビスマスがちょっとの反省を述べていた。
 まあうん、鮫とか金タライとか万能なバナナの皮とか見つけたんだし原因のひとつかもしれないが安心したまえ、この罠を喜んでいる仲間もいたぞ?
「アレは……!」
「まさか……」
 地表を泳ぐ鮫を見て緋瑪と瑠璃がとんでもない敵を見つけた、みたいな感じで言葉を交わす。
 この時点では危険な敵に対しての会話だが、次の言葉で全てが台無しになるのだが。
「なんだ、鮫かぁ……」
「でも、邪神産じゃなければ今度こそ鱶鰭が」
「新鮮な鮫肉も食べれるかも!」
 な? 完全に食材としてみてるじゃろ、この二人。
 なお、そんな二人の後ろではスマホ片手に別人格を宿した人形である翡翠さんが何やらポチポチと入力しているが色々と仕込みでもしてるんでしょう、多分。
「罠を喜んでるやつもいるし、何なのよ一体!?」
「わ、私もそう思います、はい」
 そんなぶっ飛んだ二人を眺めて至極まっとうな意見を言うレプ・ス・カムとフェアリーさん。
 命を狙う者と狙われる者という関係なのに、こういう部分で意見の一致をするなんて!
 まあ混沌とさせた猟兵がとんでもねぇ、ってことで良いでしょう。何せほら、この両者の見解が間違いでないって事を証明する人がまだいたんだから。
「レプ・ス・カム氏にフェアリーよ聞くがいい。
 神は言っている……更に混沌にしろと……」
 言ってねーよ、いつどこでどの神が言ったんだよ、エドゥアルトよぉ!?
 そして混沌って何をしでかした、おぬしは。
「なにってあの後増やしたんでござるよ投擲機を、大量に」
 おう、そうか、増やしたのか。
 そして何で伏せながら呟いているんだい、あなたは?
「食品ロスやコンプラを気にする地の文=サンの為に適当なボールや石にしたら案の定キルゾーンが生まれたんでお互い頭を伏せながら話している訳だ」
 ああ、なるほどね、食品ロスをすると色々な団体からクレームがくるし、放映も難しいからそういうものじゃない奴にしたんですね、つまりは剛速球パイが普通に硬球になったり、石になって普通の殺傷力あるトラップに……ってなんてことしてくれたんだ!
 完全に殺る気やないかい!
 そんなこんなでいきなり無差別に飛び交う剛速球に投石というやべぇ投擲ゾーンが発動!
 誰だ、トラップを起動させたやつは!?
「…………」
 あっ、無言で翡翠ちゃんが挙手してる。
 きさまかぁ! さっきからスマホをポチポチして、何か探知してたのはこのためだったのか!
 あとついでにレプ・ス・カムが引っかかった時に透明化するように仕込みを入れていた、見えない落石とか地表を泳ぐ鮫の出現とかもさせたらしく…………。
「いぃいいいやぁあああ!? なになに、なんなのこれぇ!?」
「私も同意ですぅうううう!」
 飛び交うパイとか石とか剛速球、ついでに元気よく地表を泳ぎ回る鮫、あと見えてなかったのに突然出てきた落石とかのもろもろが、折角の仕込をしていたレプ・ス・カムを容赦なく襲う地獄絵図。
 やめて差し上げろ、翡翠さん。
 体を張ってトラップに引っかかったレプ・ス・カムさんの努力を無駄にする、ハッキングからの強引な起動というえげつない行為はやめて差し上げろ。
 ほらみろ、フェアリーさんが悪夢以上にやべぇ混沌な罠の状況を見てレプ・ス・カムの意見にまた同意しちゃってるじゃないか!
 だがしかし、なんだかんだで猟書家だから身体能力は高いらしく、飛び交う飛翔物を間一髪で回避して、なんとかフェアリーを狙おうとしているレプ・ス・カム。
 こういう所で強い部分を見せておかないと単なるギャグキャラになっちゃうからね、仕方ないね。
 しかし、そんな強さを見せるシーンであろうとも混沌とさせるのが今回集まったやりすぎな猟兵達の特徴であり。
 このまま罠を回避されていたら話が進まないというメタい部分に配慮してエドゥアルトが動き出す。
「センシティブに配慮しつつ体を弄る! なあ……ええやろ?」
 よかねーよ!
 そしてなんてやべぇ邪神を呼び出してるんだよ、何かこう、空間に映像の乱れみたいなバグが出現してるじゃねーか!?
 そのままテクスチャが乱れてレプ・ス・カムの体にまとわりついてこう、何故か移動不能になるというえげつないバグが発生。
 足止めされたその瞬間、ぎょっとした顔に飛び込む白い……いや、白くねぇ、赤いぞこのパイ!?
 べちゃっといい音立てながら、顔面に直撃したパイ。
 一瞬の静寂から、手足を激しくばたつかせるレプ・ス・カム。
 うん? デスソースパイってそんなにやばいものだっけ? という疑念が出るがいやまて、あのパイはフェアリーとエドゥアルトが改造してたパイとは明らかに色が違ったぞ!?
 ふと視線を移してみれば、なんということでしょう。
 パイ投げトラップの前には、これでは辛さが足りないと辛さの匠、瑠璃がマイデスソースを追加して、より毒々しい赤いパイにしているではありませんか。
 あと鮫が泳ぎまわって危ないからって、緋瑪が安全な空中から爆弾とか投げつけてレプ・ス・カムごと爆破するという恐ろしき光景なんだが……あれ、おかしいなぁ、飛び交う爆破物とかの影響がすくないっていうか、どこかにワープしてないか、これ?
「ふふ、拙者とレプ・ス・カム氏、二人の間に電脳魔術でベクトルを付与すればテクスチャの隙間ができてしまってな。
 そこから色々な物がスカイダイビングしているのでござるよ」
 なるほどね、そうやってそこかしこにバグワープしているなら仕方ないね。
 バグでのワープだから、本来のマップとかを無視してかっ飛ぶからどこにいくか分からないわけか。
「そうでござるよ。フェアリーランドから始まって竜の大陸、燃えた森、キマフュ、ゆかりちゃん、地の文=サンの背後……そのうち次の誰かの元に着くだろ」
 なるほどなるほど、いずれどこかに……って最後にやばい事を言ってなかったかい?
 地の分の背後って……ヌアーッ!!!!!

 …………ただいま映像が乱れております、綺麗な花畑のイメージを思い浮かべ暫くお待ちください…………

 ひどい事が起こっていた。
 何かこう、混沌としたトラップ多重発動がしていた中、今回の事件被害者でありレプ・ス・カムとも意見の一致をしていたフェアリーは大丈夫なのか?
「大丈夫です、フェアリーさんに傷ひとつつけさせません!」
 叫びと共に『Namerou Hearts Generalnes! Squasharmed!』なんて機械音声が鳴り響き、空中に打ち出された南瓜砲弾が変形、南瓜を模したフルアーマーを装着しながら肥大化したオーラでフェアリーを包み込み。
 飛び交う投擲物とか爆破物、あと地表を泳ぐ鮫とかの軌道を逸らしていたビスマスが叫んでいた。
 すごい、鉄壁の守りである。これならフェアリーさんも安心だね!
「あ、ありがとう……けど、半分以上は皆さんのせいでh」
「気のせいです、これも言葉巧みに揺さぶりをかけてきた、猟書家の罠なのです!」
 あっ、フェアリーから出た至極まっとうな突っ込みを勢いでごまかしたぞ、この人。
 まあ自分も責任の一端があるし、ごまかしておく方が良いだろう、多分聞こえない場所で言葉巧みな話術で三姉妹とかエドゥアルト、あとついでに他の猟兵にも揺さぶりをかけてたことにしておけば全部悪いのはレプ・ス・カムのせいにできるしな!
 まあでも、ここまで戦場っていうかフェアリーランドが危険な事になってるのは容赦なく罠を起動させたり、増やしたりした面々の仕業でもあるのでチラリと飛び回る緋瑪とか映像が乱れてるエドゥアルトを一瞥しつつ、苦笑するビスマス。
 何か言った方がいい気もするが、でも不用意に関わると自分も混沌空間に引き込まれるのを感じたのかぐっと言葉を飲み込んで。
 なんかこう、仕込みの段階から始まって今も罠に嵌められて、爆破されたり石とかボールとかに吹っ飛ばされて宙を舞い、落石に巻き込まれて地面に打ち落とされたレプ・ス・カムを凝視するビスマス。
「あのー、死んだんじゃないですかね?」
「いえ、相手は猟書家、油断はできません!」
 いいえ、油断できないのは猟書家ではなく仲間が増設したり改造したり、起動させているトラップの方です。
 今も追加で発動した罠が色々な物を投げつけてきたが、それをどうにかするのも計算の内。
 オーラの形を自在に変えて、弧を描く形にして。
 くるんと軌道を大きく変えればその先にはぶっ倒れて痙攣しているレプ・ス・カムの姿があって。
「これ以上、フェアリーさんの世界での狼藉は許しません!」
 そうビスマスが叫びながらアーマーに装着した砲塔を向け、飛ばした罠のあれそれと共に放つは、海老の形をした砲塔も加わってのグレネードの一斉発射。
 火薬を使いすぎた特撮の撮影よろしく、大爆発が巻き起こり、空中高く飛ばされて、黒焦げになりながらそのままどこかに飛んでいくレプ・ス・カム。
「ふ、透明化する事も予測して、赤外線センサーで監視もしていましたが……必要ありませんでしたね」
 キリッとした顔でバイザー外し、自身ありげな顔でフェアリーに振り返るビスマス。
 そんな彼女を見るフェアリーはぶっ飛んだ罠とかの影響もあり、どんな顔をすればいいのか分からず苦笑するしかなかったという。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

黒城・魅夜
攻撃を「第六感」で「見切り」ながら
鎖を「早業」「範囲攻撃」で舞わせ「衝撃波」を生み出し
火の矢を迎撃しましょう
舞い散る火花を逆に利用
その閃光が生み出す影を使って
「闇にまぎれ」ながら間合いを詰めます

どれほどトラップが溢れていようと関係はありません
私の影を展開し、そこに触れたものすべてを
虚無の中へ飲み込んでしまえばいいだけのことですからね、ふふ
もちろんあなたもですよ、愚かなウサギ
影の中へと消えなさい

ふふ、このシナリオでもシリアスキャラができる私が
一番のトラップでしたね
……ああ、これは途中で拾ってきたトラップですが
影の中へのおみやげにどうぞ
(沈んでいく猟書家の頭の上からアツアツのおでんを落としながら)


エアリーネ・シルベンスタイン
(例の鍵が見つかった以上、もうあなたは用済みなんですけど……)
そうですか。ならこうさせてもらうだけです
【ミストシーカー】

霧化/実体化可能な「霧の探索者」たちを召喚。
幾人か霧化させ《物を隠す》で私達を覆い隠しつつ、
残りはダンジョン内で霧化と地形耐性を駆使し《情報収集》させ罠を把握します。

そうして得た情報を味方と共有しつつ、
霧化+《物を隠す》で罠を隠したり、
逆に何もない所で意味深に霧化させたりもしてみましょうか

そうそう、
あなたがUCで罠の有無をどう言おうと、霧の探索者は先行させます
信じるか否かじゃないです。
事実先程まで安全だった場所が今は安全じゃなくなる……よくある話ですから

※アドリブ他歓迎です



「ぅゎぁぁぁぁああああああああ!?」
 空中高く吹っ飛ばされて、黒焦げになったレプ・ス・カムが落下してきた。
 だがね、そんな彼女を追撃する人も普通にいるわけで。
「こちらに来ますか、ならこうさせてもらうだけです」
「いや来たというか吹っ飛ばされただけだからね!?」
 倒れてるレプ・ス・カムに冷たく言い放つエアリーネ、まあそうだろう。
 だって目的地はもう見つかったんだから、この猟書家は用済みなんだしなんかもうボロボロだしで相手をする意味もないからってそんな目で見るのはヤメロォ!
 猟兵のせいでひどい目にあって、ここに飛ばされただけの相手に対して容赦ない目を向けるのはやめるんだ!
 必死で自分の仕業ではないと言い張ってるじゃないか、レプ・ス・カムが。
 そしてエアリーネさんや、一体あなたは何をしでかしてくれるのでしょうか?
「ふふ、確かトラップに仕込みをした、と言っていましたね? だったら、こういうのはどうでしょう?」
 倒れた猟書家を見下ろしながら呼び出したのは霧、しかもそれらは実態を得ることも何かを隠すことも可能な霧の探索者。
 ゆらめき、エアリーネの姿を隠し、さらにはいかにも、な怪しい床のスイッチまでもを包み込むその霧は罠も猟兵も等しく隠す、ある意味こんなトラップマップにとってはやばすぎる効果を発揮する代物であった。
「あ、ちょ、私の透明化したやつまで隠す!?」
「はい、あ、あの辺りは何かありましたっけ、もしかしたら何もない場所にも霧があったり?」
「そういうトークで困惑させるのは私の能力なんですけど!?」
 霧を広げたエアリーネに対してツッコミするレプ・ス・カム。
 そこへ揺さぶるようにして、何も無い場所にもそれっぽく霧があったりするかもなんて揺さぶれば自分の能力をやり返されたなんて叫ぶ猟書家さん。
 まあうん、普通のシリアス展開なら中々に激しい、力と力ではなく知力と知力、騙しあいな展開だったんだろうが残念だったな、このシナリオは既にカオスに支配されている!
 なにせここにくるまでのトラップ発見な仕込みの段階で何故かレプ・ス・カムに攻撃が飛んだり、とんでもねぇトラップが大量に見つかったりしたんだからな。
 あ、大丈夫です、正統派なトラップを見つけたエアリーネさんのことじゃないですよ、あと他にもシリアスな罠を見つけたりシリアス展開していた人の事を言っているわけじゃあありません。
 ちょっとフリーダムな人が周りに多かったから、混沌としているだけなんです、だからギャグい展開になっているのも仕方ないんです。
「くっ、だったら、普通の罠に沈んでもらおうかな!」
 いけない、こんな流れでは自分がやられるとばかりに指を鳴らすレプ・ス・カム。
 その音に呼応して普通のトラップ、どこからとも無く火矢が飛び、霧の中へと撃ち込み隠れた猟兵を燻り出してやろうとするもその試みは防がれる事となる。
「おっと、そういうシリアスな空気ならば私の出番ですね」
 くすくすと笑いつつ魅夜が振るう鎖が音を立て、衝撃波を生み出して飛来した矢を弾き落として鏃と触れ合い火花散る。
 ほんの一瞬、鎖がぶつかるその刹那。
 生じた閃光によって生み出された影を操り身を隠し、またエアリーネの呼び出した霧に隠れた魅夜を見つける事は困難で。
 舌打ちしながら見つけてやるとばかりにランタンから生み出した鬼火の塊を各所に浮かべ、霧の中に影を探すもその影は魅夜ではなく、彼女が生み出した影であり。
 次々と放たれた炎の矢が射抜くも手ごたえなし、周囲を照らせば似通った影が多数霧の中にてうごめいて、全方位からレプ・ス・カムとの距離を詰めていく。
「ちっ、厄介ね。けどこれならどうかな?」
 パチンと指を鳴らしてみれば、既に仕込みを終えていたであろう罠が起動。
 転がる丸太が通路の奥から姿を見せて、霧ごと押し潰さんと迫り来るもそれらが届く事は無い。
 今まさに霧の中に潜む影、そこに丸太が触れた瞬間丸太は何も無かったかのように、影の中へと飲み込まれその役割を果たす事無く消えていたのだから。
「なっ、まさか、こんなギャグ展開なのに消滅させに……」
「どれほどトラップが溢れていようと関係はありません。
 私の影を展開し、そこに触れたものすべてを虚無の中へ飲み込んでしまえばいいだけのことですからね、ふふ」
 いやぁああ、ギャグい展開なのにシリアスな方向に急激に舵をきったから敵が流れに乗り切れていないじゃないか。
 ギャグい被弾前提な空気の中で明らかにやべぇシリアスな攻撃が炸裂、スッと近づく影から延びた鎖がレプ・ス・カムに巻き付いて。
「もちろんあなたもですよ、愚かなウサギ。影の中へと消えなさい」
「うわぁあああああああ!?」
 虚無い世界へご招待、影の中へと引きずり込まれるレプ・ス・カム。
 抵抗しようにも先に受けたダメージとか不意打ちみたいな感じで抗いきれず、影の中に沈んでいくのはギャグい空気だったからね、仕方ないね。
「ふふ、このシナリオでもシリアスキャラができる私が一番のトラップでしたね」
 ああそうだよ、一番の予想外なシリアス展開だったよ。
 ギャグい空気だったから被弾前提で敵も動くのに、こんなギャグい空気に出来ない攻撃とか洒落にならないぜ。
 なんとかこう、ちょっと最後ぐらいはコミカルにできませんかねぇ?
「……ああ、これは途中で拾ってきたトラップですが。影の中へのおみやげにどうぞ」
 そんな事を言いながら、沈み行くレプ・ス・カムの頭上からアツアツおでんを落としていく魅夜。
 ヤッタァ、最後の最後でギャグい展開だぁ! って喜んでる場合じゃねぇ!
 普通に飲まれたらここでレプ・ス・カムが終わってしまって、シナリオが終了じゃないか!
「くっ、こんなので消えてたまるか! これで脱出……あぢゃぢゃぢゃぢゃ!?」
 あっ、何とか転移能力で影から抜け出し、フェアリーランドの別の場所への出口を開いていたレプ・ス・カム。
 だが脱出より先にアツアツおでんが命中して、めっちゃ良いリアクションな中で追加の言葉が投げかけられたのはその時で。
 影を覗き込むようにしてエアリーネが顔を出し。
「あ、言い忘れてましたけどこのフェアリーランドのそこかしこに、霧の探索者は向かわせましたので」
「なんですって!? あとやっぱアツッ!?」
 信じるか否か、なんてのは関係なし、真実と嘘を入り混ぜた情報で相手を混乱させるのは基本とばかりに呟くエアリーネ。
「事実先程まで安全だった場所が今は安全じゃなくなる……よくある話ですから」
「くっ、そんなことがあってたまる……アッチャー!?」
 実際に安全地帯が霧に飲まれ、潜んだ魅夜の力によって影に飲まれている状況。
 こんな事が脱出した先にも待ち構えているかもね、なんて言葉をお土産に、影から消えるレプ・ス・カムをエアリーネと魅夜は見送って。
 脱出先でどんな混沌とした展開になってしまうのか、シリアスに若干針が戻ったが、きっとギャグに戻るのだろうな、なんて思いつつ、二人は顔を見合わせて悪戯っぽく笑うのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘× グロ×
コミカル・お色気
WIZ

猟書家のレプ・ス・カム様ですね。
私はドゥルールと申します。
悪夢なんて現実でお腹一杯。
醒める事の無い幸福の夢に貴女を御招待です♥

守護霊の憑依【ドーピング】で戦闘力増強。
『龍虎狂乱』で更に6倍の強化!
衣服と理性を捨てた私は
野獣の如く【第六感・見切り】で罠を察知し
大岩を【怪力】で砕いたり
落とし穴を【ダッシュ・ジャンプ】で飛び越え
相手を押し倒し【騎乗】

アオォォォンッ♥♥

理性が無いからこそ
巧みな話術に惑わされる事なく
本能のままに彼女を【慰め・生命力吸収】
フェアリーも楽しい事(意味深)考えちゃうでしょ♥

約90秒後

短時間ながらも存分に堪能し
満足げに眠るドゥルールであった★



「ひ、酷い目にあったわ……」
 影に飲まれつつ脱出、ただしおでんの汁でびしょびしょにされたレプ・ス・カム。
 トラップにひっかけられるわ、他の攻撃を受けるわで良い所なんて全くなかったが何とか猟兵から逃れたと安心するが、既に迫る追っ手が居た。
「猟書家のレプ・ス・カム様ですね。私はドゥルールと申します」
「早っ!? もう見つかった!?」
 丁寧な自己紹介を始めたドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)の姿を認め、慌てて透明にしてきたトラップを起動、近づかせぬと落とし穴やら丸太、地表を泳ぐ鮫などが不可視のままに動き出す。
 さあ、どこにどんな罠が潜んでいるかわかるまい、という感じで守りを固めたはずではあったが……。
「悪夢なんて現実でお腹一杯。醒める事の無い幸福の夢に貴女を御招待です♥」
「ちょっと何言ってるかわからないんだけど!?
 あと罠が一気に動いてるから、どこに何があるかわからないけどそれでも近づいてくるの!?」
 何かこう、やべぇ目つきで動くドゥルールに凄まじく嫌な気配を感じたレプ・ス・カム。
 近づけば見えぬ罠に見える罠、それぞれが動いて無事に接近できるわけがないと指を鳴らせば見える罠として矢が飛び交い、そして見えぬ何かが壁に激突、破壊する。
 見える矢を良ければ先ほどの壁のように、突然押し潰されるぞと実演して見せたのだが相手となるドゥルールはそんなもの何処吹く風、急に様々な霊たちをその身に纏えば衣服が破れ、映像とか文章で表示すると全年齢対象作品では怒られる部分には纏った霊がまるで衣装のように張り付いて。
 女の子が変身シーンの際に謎の光でいけない部分が隠されているのと同じように、表示できぬ部分を隠したドゥルールの瞳から理性が消えて。
「アオォォォンッ♥♥」
 獣の咆哮、むしろケダモノの咆哮とも言うべきちょっとヤバイ気配を感じた叫び。
 衣服も理性も代償に投げ捨てて身体能力を跳ね上げたドゥルールは見えぬ罠を飛び越えて、何か近づいてきた気配には渾身の右フック。
 ぐにゃっとした感触は軟らかい肉を殴ったものであり、吹っ飛んだそれは地表を泳ぐ鮫であり不可視の丸太にぶつかったのか、巨大な何か同士がぶつかり潰れる鈍い音。
 そのまま一気にレプ・ス・カムに飛びついて、押し倒せば完全なマウントポジション。
「いやいやいや!? ちょっと無茶苦茶だから、あっ、矢が飛んで……」
「オォォォン♥♥」
 見えぬ矢が飛んできたぞ、なんて言って警戒させようとしたレプ・ス・カム。
 だがね、既に理性なんて吹っ飛んだ相手には言葉で惑わす効果なんて全くなくて、自らの欲望のままに体を押し付けてくるドゥルール。
 そのままなんやかんやで生命力吸収を開始、もうやめて! ここまでの攻撃でレプ・ス・カムのライフは残ってるかもしれないけど、メンタルなポイントはゼロ寸前よ!
「いやぁああああ!? なんやかんやで辱められるぅううう!」
「…………い、今、何かこう、酷いことがおこっているような?」
 全力でなんやかんやされてるレプ・ス・カムの絶叫が聞こえたフェアリーが身震い、いけない、あっちに近づいてはいけないと方向転換して出口に向かうその時に。
 制限時間を迎えたのか、レプ・ス・カムから離れたドゥルールは丸まって満足げに眠り、被害者であるレプ・ス・カムはこれ幸いとドゥルールの周囲に追跡困難になるように、と適当な丸太で囲み、全力で逃げるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロッテ・ブラウ
馬鹿正直に罠だらけの場所にいるのも危ないし
自分のフェアリーランドである「秘された窓」の中の世界で
外部の様子をうかがう複数の窓を設置
「特等席」で高級な紅茶を口にしてアフタヌーンティーと洒落込みながら
この大惨事をリアルタイムに録画しながら楽しそうに眺めています

ボクの今回のオーダーは捕獲協力だからね
頃合いを見計らって良い感じにボロボロになった駄兎を捕獲しちゃうぞ
集めに集めた色々な罠をボタン一つで適時投入さ♪
にゃはは~今だ!!GOGO!!触手モンスターくん!!

捕まえた後は…
今まで散々苦労させられたし色々と情報をゲロって貰わないとね


蒼・霓虹
【情報収集】で事情を把握して、あらあら。

『混沌を極めていた……と言うナレーションが入りそうですね、霓虹さん』

[POW]
猟兵になって最近虹龍としての力も運気も戻ってきた所ですし

【幸運&激痛耐性&オーラ防御】で保険の為に備え【高速詠唱】でUC発動

《彩虹(戦車龍モード)》さん【操縦】して【悪路走破&推力移動&空中浮遊】で罠の坩堝に飛び込み運試しつつ【第六感】で敵の気配を【見切り】

【高速詠唱】で《虹三葉「レインボークローバー」》を【範囲攻撃】の【弾幕】として放ち【切り込み】いれたり

敵に急接近して
直前で避けすれ違いに彩虹さんの【ブレス攻撃】しつつ罠も御見舞いを

〔アドリブ絡み掛け合い大歓迎
『』は彩虹の〕



 もう既に、体力的にも精神的にも限界近いレプ・ス・カム。
 おかしいな、この世界に来た目的は、そうそう、探し物だったんだ。
 だが探し物が出来るような状況にはなく、様々なトラップに襲われ猟兵にも襲われてもうだめかもわからんね。
 そんな酷い状況を眺める者が二人ほど。
 一人は殺人鬼と思わしき人物たちと一緒にホテルとかに閉じ込められて『こんな危険な場所にいられるか! 私は自分の部屋に戻らせてもらう!』な感じで自分のフェアリーランドに引きこもってたロッテ。
 ドラマとか小説とか漫画とかアニメとかでは死亡フラグびんびんに立つ行動ですが、安全な自分のフェアリーランドだし、万一何か妙な動きが発生しても大丈夫なように外部の様子を探る窓もあるしで安全だね!
「あらあら、あちらでは引き篭もられている方もいますが……」
『混沌を極めていた……と言うナレーションが入りそうですね、霓虹さん』
 安全圏で見物していたロッテとは別に、罠だらけの場所に姿を見せたのは龍……みたいな装飾を施された戦車。
 搭乗して情報収集をしていた蒼・霓虹(彩虹駆る日陰者の虹龍・f29441)が言葉を発せば、虹龍の人格を持つ戦車、彩虹が言葉を返していた。
 うーん、この防御力。
 片や安全圏からの見物、片や戦車に乗って身を守るという猟兵に対して、猟書家のレプ・ス・カムはというと……。
 身体能力が高いとはいえ生身、ついでに今まで多種多様な攻撃とかトラップに引っ掛けられて満身創痍、なんというか、風が吹けばそのまま倒れてしまいそうなほどボロボロなんだよなぁ。
 つまりこの二人が来たという事は明らかにオーバーキルになるんだが、そんな事情は関係ないという事で。
「行きましょう、彩虹さん」
『運試し、というやつですね、霓虹さん』
 キャタピラ音が止むと同時に浮遊するは戦車の彩虹、そして車両全体にオーラを纏えばそのまま一気にレプ・ス・カム目掛けて突撃開始。
 何か途中でスイッチを刺激したのか矢とか槍、あと落石のトラップが起動した気がするが関係ないとばかりに罠の坩堝、その中心に居たレプ・ス・カムに突撃を続行。
「ちょ、自分だけ身を守って突撃とかひきょ……あぎゃー!?」
 至極当然なツッコミをする前に、虹色の三つ葉クローバーが展開されて魔力の砲弾を撃ち込まれ、ふわりと浮いた瞬間に戦車に跳ね飛ばされて吹っ飛ぶレプ・ス・カム。
 くるくると回転して飛んでいったその先には、元々このフェアリーランドにはなかった窓が開いていて。
「うーん、この香り、最高だね」
 窓の中ではロッテがアフタヌーンティーとしゃれ込んで、シンプルながら細やかな装飾のされたカップを片手に紅茶を楽しみ、また窓から見える光景を普通に録画していた。
 まさに特等席、如何に映像内の人々が襲われ死に直面しようとも、自らに死の危険は決して迫らぬ視聴者として、安全にホラー映画を楽しむかのような立ち回り。
 特権階級ともいうべき形でこの惨劇をリアルタイムで楽しみながら録画するロッテだが、何も観客としてみているだけが目的ではなくて。
「さーて、そろそろかな。良い感じにボロボロになった駄兎を捕獲しちゃうぞ♪」
 もう限界、ならば捕獲できそうとばかりに謎のボタンをポチポチ。
 なんやかんやで飛び出した数多の矢がレプ・ス・カムの衣服を射抜き、壁に標本のように固定して。
「にゃはは~今だ!! GOGO!! 触手モンスターくん!!」
 一瞬の硬直、その機を逃さず捕獲用にと取り込んでいた何かこう、体の各部位から触手とか生やしてるなんとも言えないモンスターが投入されて、固定されたレプ・ス・カムを縛り上げ捕獲していたのである。
 しかしなんだ、何故か無言なのが気にならないかい、ロッテくんよ?
 それを黙秘と取ったのか、自身のフェアリーランドにモンスターを回収しながらレプ・ス・カムを引き込んで。
「あれあれ~、だんまりかな~?
 けど今まで散々苦労させられたし色々と情報をゲロって貰わないとね、さ、吐いた吐いた」
 チッチと指を振り、黙るならまだ別の罠があるよとばかりにボタンの上に手を翳すロッテ。
 だがしかし、次に発生した惨劇は彼の予想を遥かに上回るものであったのだ。
「…………オロロロロロロロ」
「うわーっ!? 吐けとはいったけどそっちの意味じゃなーい!?」
 うむ、無言だったのは今までのダメージとか、最後の最後でボロボロになって耐えられない程の状況下で、派手に回転して込み上げていた吐き気を必死で我慢していたんだな。
 映像的に詳細に表記するとアレなんで、口からこう、キラキラと光るエフェクトが漏れ出したという事にして話を続けよう。
 限界迎えた状況で、急停止させられて三半規管がくるって、さらに触手に締め上げられて腹部圧迫とかされて吐け、みたいにスイッチになる事を言われたら吐いてしまっても仕方ないね!
「ちょっと、フェアリーランドが汚れるっ! ああもう、触手モンスターくん、早くぺっ、して、ぺっ!」
 食べてはいけないものを拾い食いした犬に、すぐ吐き出すように促す飼い主が如く。
 このままだと自分のフェアリーランドが優雅な空間から後片付けが大変な、ちょっと酸っぱい匂いの漂う空間に改造されてしまうとばかりに触手モンスターにレプ・ス・カムを外に出す様指示するロッテ。
 ぽいっと窓から投げ捨てられたレプ・ス・カムがべちゃっと地面に落下する、その一連の流れは戦車に乗っていた霓虹も見ていたらしく。
「あらあら、せっかく捕まえたようですが思わぬ反撃ですね」
『巷で聞かれる死亡フラグ、とも取れる行動でしたので、止むを得ないと思います、霓虹さん』
「何冷静に分析してるのー!? ちょっと、こっちは大惨事なんですけど!」
 今度は此方が安全圏といった場所で見ていた霓虹と彩虹がのほほんと言葉を交わせば、キラキラと光る演出で表現される、まああれだ、逆流したモノに襲われてたロッテが抗議の声を上げていた。
 そんなクレームを受けながら。
「あ、聞こえていましたか。いえ、ちょっとそう思っただけですので」
『はい、そういうことで。では終わらせましょう』
 クレームをこれ以上言われぬようにと話の流れを敵の殲滅に向けなおし、戦車である彩虹を操縦する霓虹。
 必死で掃除を始めたロッテには目もくれず、倒れて痙攣するレプ・ス・カム目掛けて最後の突撃。
「彩虹さん、準備は良いですか?」
 そう叫んだ霓虹が取り出したカードを専用のスロットに投入すれば、彩虹の魔力が高まって。
 キャタピラの駆動音がより大きくなったと思えば加速、急接近と共に砲身をレプ・ス・カムに向けていき。
「フォーチュンMAX起動っ! 強襲「猟機戦龍・彩虹」っ!」
 至近距離から主砲の一撃、爆発に自身を巻き込む強烈な一発と共に巻き上がる巨大な爆煙。
 その中から飛び出す様に出てきた戦車、彩虹が停止して、爆煙が収まれば。
 後には巨大なクレーターだけが残り、猟書家、レプ・ス・カムの姿は跡形もなく消滅していた。

 …………
 ……
 
 戦いは終わり、猟書家の力がなくなったのだろう、罠だらけのフェアリーランドも元の姿を取り戻していく。
 そんな中、最初に見つけた出口に繋がる宝箱付近に集まった猟兵たち、その視線の先には宝箱の底にある一本の鍵が合ったのだ。
 この鍵が何の鍵か、今はまだわからない。
 ただ、レプ・ス・カムが求めた何か、つまりは猟書家が求めた何かであるのなら、何らかの意味がある物であることは明白であり。
 フェアリーから鍵を受け取った猟兵たちはその使い道がわかるまで厳重に保管し、その時を待つのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年01月31日
宿敵 『レプ・ス・カム』 を撃破!


挿絵イラスト