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書を狩る兵達ー万有、残らず豊穣(巨乳)となれ

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #異端神官ウィルオーグ #パラディン #シリアル #書を狩る兵達

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「ほう……これは見事なエギュレ神の聖騎士(パラディン)。我らが神も讃えていることだろうね」
「……貴方直々に言われるとは、光栄の極みですね」
「名を名乗ると良い。聖騎士の少女よ」
「……アリル・ウィンズ」

 ――とある町の神殿、知識の神エギュレを祀る祭壇の間にて二人は対峙していた。

 挑むは清貧ながらも優凛な威厳を醸し出す騎士の少女。
 濃い茶色の巻き毛を横髪は顎に当たる長さで切りそろえ、後ろ髪を純白の布で纏めたボーイッシュな印象を与える彼女は睨む。
「なぜ、堕ちたのですか?……我らがエギュレ信仰の始祖、ウィルオーグ様」
「決まっているとも、世界に叡智がある限り。いや、豊穣がある限り私はこの好奇心を埋めてみたいのだよ」
 そう、『知識の神エギュレ』の初代大神官は嗤った。

「私は死した後に気が付いたのだ。この世の真理たる豊穣に」
 叡智の信仰者は告げる。骸の海で歪みと共に得た叡智について。
「豊穣……豊かであり、あらゆるものについて『有している』ことこそが真理なのだよ」
「それについては同意です。何事も捨てるより得ることの方が至難。ならば最初から得ていることに越したことはないでしょう」
 けれども、そう言いながら信仰と慈悲に生きた聖者……その歪んだ成れの果ての姿を見てアリルは告げる。
「……だからこそ、持たざる者を強制的に豊穣の権能で有している者にすると?」
「そうだとも、何が悪い?」
「その権能の行使に耐え切れず、持たざる者の七割は死ぬとしても?」
「必要な犠牲さ。皆が豊かなるものになる為のね」
 そう、陶酔しきった顔でウィルオーグは告げる。

「つまりおっぱいは巨乳が至高!貧乳は死すとしてもそれは万有が巨乳になる為の必要な犠牲なのだよ!わかるね?」
 あれぇ!?何かシリアスがいきなりシリアルになっちゃったよ!?
「改めて言おう。私は骸の海で……こことは異なる世界の春画、それを観て悟ったのだ、万有は豊穣なる巨乳と化すことで真に世界は平和となるのだと!」
 そんでもってウィルオーグの背後には「偽神」……もうお分かりだと思うが、全ての女性を巨乳にする権能を有したオブリビオンである。
「……あんまりだよ、こんなのあんまりすぎる……!!」
 その代わり果て過ぎた始祖の姿を見てアリルは最早慈悲の涙をとめどなく流して槍を握る。いざ、豊穣(巨乳)に目を焼かれた信仰心と慈悲の残骸を葬送するために。
「死んでください!お願いします!」
 ……胸当て当てているとはいえ、一向に揺れないぺたーんな胸を張りながら濁った神官へと躍りかかった。

「うん、色々とひどいわね」
 そう白目になりかけながらシャルロット・シフファート(ツンデレの国のアリス・f23708)はグリモアであるタブレットを手にしながら集まった猟兵たちに告げる。
「と、猟書家の一人『異端神官ウィルオーグ』が現出して偽神というオブリビオンを創造したのだけど……なぜかこの『異端神官ウィルオーグ』巨乳に拘っているのよねぇ……」
 何でも、その偽神の力を使ってA&Wに住む全ての女性を巨乳化しようとしているらしい。んでもって巨乳化の際の不可に耐え切れず最低でも七割は死ぬらしい。
「そんなのは看過できないからこうして私が予知したのだけれど、そこにアリル・ウィンズっていうパラディンの少女が現場に駆け付けているのよね。何でも天啓を得てウィルオーグを止めようとしているわ」
 そして本丸である神殿の祭壇の間にまで赴ける以上、猟兵ほどではないが力はある。彼女の協力を得ることで状況を有利に進められるだろう。
「段階としては二つ。巨乳化のため現出させられた偽神を斃すこととウィルオーグとの一騎打ちよ。アリルと協力して上手く解決してらっしゃい」

 と、転移の術式を起動する前にシャルロットは告げる。
「あ、私たち猟兵は敵としてみなされるから巨乳化の処置は受けられないわよ」


黒代朝希
 はい、おシリアルなシナリオです。
 第一章で偽神化した『麗らかな隣人』との闘いを。
 第二章で猟書家『異端神官ウィルオーグ』との戦いを演じてもらいます。
 どちらもパラディンであるアリルとの協力を得ることでプレイングボーナスが付きます。

 アリル・ウィンズ
 元は男爵家の次女の生まれだったが、家にいたままだと政略結婚の駒として扱われざるを得ない状況を憂い、エギュレ信仰の門を叩きパラディンとなった。
 ひんぬーなのは血筋だとか何とか。
 遺失魔術による防壁展開を得意とする。
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第1章 ボス戦 『麗らかな隣人』

POW   :    紅涙の理由
【花咲かす魔法の杖】を向けた対象に、【毒性を増したアネモネ】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD   :    毒を食らわば
自身の装備武器を無数の【毒性を増した鈴蘭】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    不幸な西風
【小型爆弾へと変わるヒヤシンス】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を一面の花畑に変え】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はメルヒェン・クンストです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

備傘・剱
俺は、一切、気にしないからな!
あるもないも、それは、たった一つの個性、気にしたら、負けさ(超サムズアップ)!

さぁ、きょにゅーに対する怒りが滾ってきたら、準備完了って奴さ
全部吐き出す勢いで殴りかかってごらん?
と言うわけで、共闘関係を作って、白虎吼、発動
防御術に優れるみたいだが、たまにはそれを忘れて、がっつりうっぷんを晴らすのがいいさ
と言うわけで、オーラ防御と結界術で彼女を守りつつ、呪殺弾、衝撃波、誘導弾をぶつけつつ、神罰と破魔付きの二回攻撃に鎧無視攻撃を重ねた物を叩き込んでいこう

一言言っておく、乳に貴賤ないのだよ
抉れ無乳にも、病的巨乳にも、一定の需要がある、そういう事なのだよ

即興、好きにしてくれ


ベール・ヌイ
「ヌイは…子供だから…よくわからないけど…巨乳教死ぬべし慈悲は無し」

将来性はあるようでじつはあんまり無い幼狐なヌイです
「ベルフェゴールの加護」を使い、怠惰と再生の悪魔少女に変身し、不死鳥の再生の炎でアリルを治癒しようとします
あとはアリルとともに前に立ち、治癒でサポートしながら一緒に戦います
ある程度の攻撃は不死鳥の炎で燃やし、それでも受けるダメージは「激痛耐性」でたえ、隙をみて相手に『鬼龍殺』を突き立て【不動明王・倶利伽羅】を起動、『限界突破』した竜王の炎で『焼却』しながら締め付けます



「俺は、一切、気にしないからな!」
 転移されて一番槍を貰い受けて早々、備傘・剱(絶路・f01759)は信念の言葉を戦場に轟かせる。
「あるもないも、それは、たった一つの個性、気にしたら、負けさ」
 ……それは、それは凄まじく良い出来の超サムズアップとそれに伴う笑みだったそうな。

「ヌイは…子供だから…よくわからないけど…巨乳教死ぬべし慈悲は無し」
 一方で冥府の底から燃え上がる嫉妬の焔……そう錯覚させるような黒き情念が偽神へとぶつけられていく。
 ベール・ヌイ(桃から産まれぬ狐姫・f07989)。まだ幼い故に無限の可能性と成長性があるように見えるが……その実、あるようでじつはあんまり無い幼狐、らしい。

「アナタたちは一体……冒険者?とにかく私に加勢するという事で良いんだね?」
 突如として表れた猟兵二人に対し、聖騎士(パラディン)として彼らが悪しき者ではないと直感的に理解したのかアリルはすぐさま協力体制を二人と一緒に整える。
「アンタはパラディンだよな?なら守りは任せても良いな?」
「あ、うん。ではまずはこの偽神を打倒さないと……」
「……大丈夫。必ずこの手で葬り去るから」
 と、恨めし気な表情で偽神の豊満な胸部を親の仇を見るかのように凝視するヌイ。
 それと同じとは行かなくとも、アリルも一瞬冷めた目でそのたわわを見つめるのであった。

 で、戦闘開始になったわけですが。
「『ノウマク サンマンダ バサラダン センダンマカロシャダ ソハタヤ ウンタラタ カンマン 不動明王へ願い奉る 御身の力をここに』……!!」
 もうヌイの方はのっけから全力で骸の海に叩き返す気満々だった。なんか手振り足振りの一つ一つに怨念が込められているよ。
「大丈夫、きょにゅーに対する怒りが滾ってきたら、それは準備完了って奴さ。いっそのこと、全部吐き出す勢いで殴りかかってごらん?」
 そこに山火事にガロン単位のガソリンをぶちまけるかのような備傘の言葉でもう駄目だった。
 めっつじんめっそー、とヌイが絶叫する。
「……君、(頭)大丈夫?」
「一つ言わせてくれ」
 アリルのさすような視線に対して堂々とこの男は胸を張って言いやがった。
「乳に貴賤等ないのだよ。抉れ無乳にも、病的巨乳にも、一定の需要がある、そういう事なのだよ」

 ……まぁ、それについて……乳に貴賤などないという事については同意せねばならないだろう。
 巨乳も、貧乳も、美乳も、豊乳も、超乳も、無乳も、普乳も、抉れ無乳も、病的巨乳にも、そのどれでもあるのも、そのどれでもないのも……あるがまま女性の乳はあるだけで素晴らしい。
 つまり自らの好みとは異なる価値観であろうと「それも良し」と笑ってやることの出来る懐の広さ。
 それこそが巨乳と貧乳の狭間にある普遍に至るはずであり……
「そんなことより……将来性をヌイにも……よこして……」
 ――「スゲェ!!人間っていうか知性体ってあんな無表情ままあるだけで般若がバク転しながら逃げるような鬼気迫る迫力を出せるのか!」
 今のヌイの表情を観たらそんなコメントが脳裏に浮かぶだろう。
「ふ……小が大を羨望する……それも乳の可能性のひとつさ」
「どうでもいいけど、さっさと偽神を攻撃してくんない?」
「俺必要?」
「何言って
 ――現在の戦場の光景評価:「へぇー、ガチの地獄変って人間世界にも作り出せるもんなんだなぁー」
「本当だ必要ないかも!」
 ヌイの持つ刀の刀身が倶利伽羅竜王の姿をした炎に変化して偽の神を焼き尽くす様は凄まじいの一言だったそうだ……

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鳳凰院・ひりょ
アドリブ・連携・キャラ崩壊歓迎
POW

ふむ…、全ての女性を巨乳化…って、またそれは横暴な
双方いい所はあると思うんだよな…あくまでその人の魅力の一つさ
ちっぱいにはちっぱいの良さがあると思う(ちっぱい=ちっちゃいお胸)
夢と希望が詰まっているんだ!多分

アリルさんと連携し相手に接近戦を仕掛ける
守りをアリルさんに任せ、退魔刀での灰燼一閃に全力を込める
アリルさんの防御は遺失魔術によるものか…、まさに絶壁、もとい鉄壁の防御!
アリルさんに敵の攻撃を防いでもらったら、感謝を述べる

「アリルさん、助かりました!
流石絶壁の守り!やりますね!」
とうっかり心の中で思っていた通りに言い間違える
(その後展開はお任せします)


神楽・鈴音
貧乳は死ね?
どうやら、私に喧嘩売ってるみたいね
偽神の胸と一緒に、全部まとめて潰してあげるわ!

まずはUCを自分とアリルに使用
指定する『事象』は敵の使用するアネモネの毒
これで相手の毒は『拒絶』されて『なかったこと』になるから、後はこっちが好き放題できるわね
「偽物の神様なら、その胸だって作りものでしょ!
「ぺったんこに潰してあげるわ……この、賽銭箱でね!

アリルと連携して敵を挟み討ちにしつつ、隙を突いて六尺釘を相手の羽にブチ込み【串刺し】に
そして、動けなくなった相手の胸元目掛け【力溜め】と【呪詛】を込めた賽銭箱ハンマーを【怪力】で叩き込む!
「神職舐めんじゃないわよ、偽神が! そっちが死ねぇぇぇっ!


久遠・翔
アドリブ絡みエロ歓迎


馬鹿なの!?もう一回いうよ馬鹿だろ!?
骸の海でおかしなもん受信してるんじゃないよ猟書家ー!?
…とりあえずいつも以上にきつく晒巻いておこう

そしてこの偽神ってある意味猟書家の被害者じゃん…諸悪の根源さえ倒せばいいならこの神は解放してあげたいっす
ある程度皆さんの攻撃で弱っているなら…アリルさん防壁展開を相手の背後にお願いしますと言って跳躍…若干アリルさんと偽神の目が怪しかったけど気にしない!(誘惑157&女性に好かれる&淫紋のフェロモン)

ボスを抱きしめその妄念を浄化させます
それで無害になった後にUC無自覚の使役術で使役獣化させ回収
下手に骸の海に戻すとまた変な目に合いそうなので…


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
済みません、『豊饒の使徒』としては『豊饒』を悪用されても困るのですが。

まず、アリルさんに協力を申し出ますぅ。
お話を伺う限り『有すること』自体を否定されてはおりませんから、「風評被害の対処に来た」と言えば、ご理解いただけるのではないかとぉ。

そして『FBS』を四肢に嵌め飛行し『FRS』『FSS』を『光の結界』へのエネルギーに回して【耀衣舞】を使用、『光速の突撃』を行いますねぇ。
『光速突撃』を行う相手には『杖を向ける』のも難しく、間に合っても『動ける間に轢けばよい』ですぅ。
アリルさんが気を引いてくれたら『胸の肥大化』という『反動』も許容、上から[重量攻撃]で押し潰しましょう。



「ふむ…、全ての女性を巨乳化…って、またそれは横暴な」
 と、唐突とウィルオーグの目的に対する感想を述べるのは鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)。
「双方いい所はあると思うんだよな…あくまでその人の魅力の一つ。ちっぱいにはちっぱいの良さがあると思うんだよ」
 そうひりょが語る通り、巨乳だけが乳の素晴らしさを体現できるというわけではない。
 寧ろ貧乳故の青い果実のような未成熟さを醸し出す官能は、成熟した巨乳では絶対に体現することは出来はしない。
 ならばウィルオーグが行うそれは貧の可能性とそれらが紡ぐ全ての未来を根絶する暴挙だ。
「つまりアレかな、『夢と希望が詰まっているんだ!多分』、と言う奴かな?」

「貧乳は死ね?どうやら、私に喧嘩売ってるみたいね……」
 また一つ森羅巨乳滅尽滅相の呪怨を巻き散らす貧乳道の体現者が一人、神楽・鈴音(歩く賽銭箱ハンマー・f11259)。
 本来彼女の本体は人間体の武装である賽銭箱に柄を付けたハンマーそのもので、人間体の姿は仮初に過ぎない。
 けどぺったんこなんです。どちらの何がとは言わないけど。
「偽物の神様なら、その胸だって作りものでしょう……ぺったんこに潰してあげるわ……この、賽銭箱でねぇ!」
 熟練の極道の一喝ですら生温く感じるほどの気迫を以て殺意を豊穣の偽神へぶつけ本体の賽銭箱を振り回す。
 それはもう修羅や羅刹が裸足で逃げるほどだったそうな。

「馬鹿なの!?もう一回いうよ馬鹿だろ!?骸の海でおかしなもん受信してるんじゃないよ猟書家ー!?」
 馬鹿なの死ぬの?とでも言いそうな勢いで激しく突っ込むのは久遠・翔(性別迷子・f00042)。
 見た目は長い灰色の髪がチャームポイントの可憐な美少女であるが、その起源は強力な呪いを受けて性転換したれっきとした男性である。
 意味が分からないって?大丈夫、君も猟兵なら直ぐに慣れるさ。
「……とりあえず、いつも以上にきつく晒巻いておこう」
 なお、一見するとまな板のように見えるが、実際は晒を巻いて隠しているだけでHカップとかなりの巨乳である。

「済みません、『豊饒の使徒』としては『豊饒』を悪用されても困るのですが……」
 と、素晴らしい豊穣をお持ちなむっちりとした印象を与える少女。彼女は夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)、先程のセリフ通り『豊穣の使徒』という存在である。
 彼女のユーベルコードは全て豊穣の女神の加護によるものという歴戦の豊穣の使徒。
 故にこのような巨乳過激派の暴走を抑えに赴くのもまた必然と言えるだろう。
「申し訳ありませんが、貴方の暴走で『豊穣』を崇める人々が肩身を狭くするようなことは看過できません。力づくでも止めさせていただきます」
 と、ぶるんと胸の豊穣を揺らして宣するるこる。
 あ、鈴音の口元から凄まじい異音が鳴り響いているよ!

「加勢に来たんだね!防御は私に任せてアナタたちは攻撃を!」
 猟兵たちに呼びかけながら遺失魔術による防壁を展開して偽神の毒性植物のユーベルコードを受け止めるアリル。
「了解!アリルはそのまま攻撃を受け止めていて!」
 そう鈴音が叫んだ瞬間、釘――六尺、つまり大体180㎝くらいという大柄な男性の背丈の長さであるが――が偽神の羽に突き刺さる。
 突き刺さった巨大な釘から流れ出すは呪詛。それは偽神を徐々に、しかし確かに蝕んで行く。
「こちらも行きますよぉ」
 と、るこるの武器であるビームの刃を持つ浮遊する戦輪が彼女の四肢に嵌められていく。
 装着されていくたびに加速していくるこるの身体。
 それは彼女のユーベルコードによる光の結界の展開。
 彼女の体に付与されていく光は、彼女を光速へと誘っていく。
「(この戦い、守りはアリルさんに任せた方が良さそうだ)」
 そこにひりょが退魔刀『迅雷』を構え、居合の態勢を取っていく。
「(しかし、遺失魔術か……)」
 恐らくはカクリヨファンタズムのレトロウィザードの遺失魔術と起源を同じくする魔術体系。それらをパラディンとしての護りの力に割り振ったのがアリルの力なのだろう。
「(まさに絶壁、もとい鉄壁の防御!)」
 などととんでもなく失礼なことをこの男が考えているとは露も知らずに、すんげぇ毒のアネモネの攻撃を防いでいるアリル。

 とまぁそのような光景を前に体は少女、心は青年な猟兵は端的に告げる。
「……これ、この偽神ってある意味猟書家の被害者じゃん…諸悪の根源さえ倒せばいいならこの神は解放してあげたいっす」
 とまぁこんなような依頼になぜか縁のある翔としてはなんというか偽神にされたオブリビオンに同情的であり、撃破した後は解放してあげたいと思っていた。
「(下手に骸の海に戻すとまた変な目に合いそうなので…この個体だけでも保護するッス)」

 そして、趨勢はやがて猟兵へと傾き出す。
「神職舐めんじゃないわよ、偽神が! そっちが死ねぇぇぇっ!」
 巨乳恨めしい貧乳ナンボのもんじゃい怨嗟マシマシに絶叫しながら賽銭箱を振りかぶって偽神へと叩きつける鈴音。
「デカけりゃいいってもんあじゃあないのよ!それだけが、それだけが……」
 と、胸をさすって絶句する鈴音。すぐさま我に返り凄まじい音を立てながら賽銭箱を殴りつけるのを再開する。
「そうですね。豊穣は幸いを齎しますが豊穣であることと幸いであることは必ずしも絶対に同一ではないのです」
 どの口で言ってんだ、と言葉にするならそう言っているであろうアリルと鈴音の凄まじい睨みに知らずか知ってか。
 ともかく『豊穣の使徒』は光の結界を自らに付与させ、光速で偽神を切り刻んでいく。
 その二人の猛攻に思わず怯んで偽神は毒性が強まったアネモネを咲かせていき、距離を取ろうとする――
「っと、ここかな」
 サクリ、という瑞々しい音が鳴り響くと同時に偽神の身体が両断される。
 それはひりょのユーベルコード『灰燼一閃』による退魔刀による超高速かつ大威力の一撃。
 それは偽神を骸の海へと返すのには十分な威力であったが、本来ならここまで容易くこの攻撃を加えられるわけではない。
「アリルさん、助かりました!」
 成し遂げられたのは、アリルの防御結界によってアネモネの毒が比較的薄まった地帯を作り出し、その毒を退魔の力で払って行って近づけたからだったのだ。
「流石絶壁の守り!やりますね!」
 次の瞬間、知識の神のパラディンと歩く賽銭箱ハンマーによって吹っ飛ばされたひりょであった。

「……ほら、大丈夫。怖くないっすよ……」
 そして、骸の海へと還っていこうとする偽神を抱きしめるのは翔。
 その抱擁は骸の海へと還っていくはずの偽神を翔の力として変容、還元していく。
「……これで良しっすね……さぁ、皆さん次はあの猟書家……」
 言いかけて止まった。なんか他の三人(ひりょは意識を失っている。無茶しやがって)の視線が自らに集まっている……主に胸の所に。
「……」
 ……胸元観たら晒解けてポロリしているじゃん。
「……手酷い裏切りッ!!」
 と、大量の吐血を吐いて倒れ伏す鈴音。
 自らよりあるかもしれない……と畏敬の眼差しを向けるるこる。
 んで、そこらのアイドルがセイウチに見えるほど華憐な仕草で胸元を隠す翔。
 んで最後に気絶しているひりょ。

「……なぁ、猟書家で君たちの敵である私が言うのもなんだが、本当にそんな猟兵で大丈夫か?」
「知りませんよっ!!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『異端神官ウィルオーグ』

POW   :    第一実験・信仰に反する行動の規制
【論文】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    第二実験・神罰の具現化
【自身や偽神に敵意】を向けた対象に、【天から降る雷】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    第三実験・反教存在の社会的排除
【名前を奪う呪詛】を籠めた【蝶の形をした黒い精霊】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【縁の品や周囲からの記憶など、存在痕跡】のみを攻撃する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠クシナ・イリオムです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アリス・フォーサイス
すべてのもの(男)が豊かさ(巨乳)を追い求めるわけじゃない。そんなことをしたら、血の涙をながす人もいるってこと、理解してもらいたいな。

UDCアースにあるぺたんこ同好会秘蔵の同人誌をばらまくよ。ぼくは中身を見てないけど。

どう?知識の神の神官様。まだ世界は未知がいっぱいだって思わない?

今だよ!アリルちゃん!キミのスタイルなら今のウィルウォーグくんには効果ばつぐんのはず。


備傘・剱
貴様か、神秘にして神聖なる乳に穢れを落とした奴は…
巨乳しか認めない貴様を神が許しても、俺が許さん!

敵の攻撃の隙を与えん!
青龍撃、発動、全兵装、完全起動

高速移動しながら水弾、誘導弾、呪殺弾、衝撃波、ブレス攻撃に頭の上の一足りないによるダイス攻撃に神罰をつけて攻撃しつつ、接近、接近後は全兵装を零距離射撃でぶち込みつつ、爪とフォトンガントレットで鎧砕きと鎧無視攻撃を重ねて叩き込むぜ
オーラ防御で攻撃を防ぎつつ、結界術で動きを封じてやる

乳とは!
天然の恵み!
自然の魂!
それを貴様の欲望は穢したのだ!
その罪、万死に値する!

貴様の乳に対する愛は、間違ってる!
貧乳だってステータスだ!

アドリブ、絡み、好きにしてくれ


鳳凰院・ひりょ
アドリブ・連携・キャラ崩壊歓迎
SPD

くっ…、先制攻撃でも受けたのか?
少しの間意識が飛んでいたんだが…(
どうやら今回はアリルさん以外にもぺたん娘がいるようだ
口は禍の元…にならないように気を付けなければ…(既に遅し

今回の首謀者、そもそも巨乳属性に目覚めたが為にこんな事になっているわけか…、なら、その体に刻み付けてやればいいか

ライオンライドでライオン召喚
騎乗し接近戦へ
雷はアリルさんに防御をお願いしよう
完全に防いでしまえば問題ない
退魔刀に「ペタン娘もいいものだ」属性を付与し敵に斬りつける
その身に刻んでおくといい

しかし助かったな、守りが硬いから
いや、硬いって胸の事じゃ…クレーターより将来性あるよっ(自爆


ベール・ヌイ
「論文ごと…燃やし尽くす…」

『ベルフェゴールの加護』を使った状態のままで戦います
アリルさんに前にたってもらい、いったん後ろに下がり、背中の獄炎の翼を「限界突破」した火力で燃え上がらせならが「空中浮遊」します
その後、タイミングをみて【不死鳥ノ特攻】を起動
全てを「焼却」するために「捨て身の一撃」となって突撃、相手の論文は獄炎で燃やし、それでも受けるかもしれないダメージは「激痛耐性」で耐える
全ては巨乳教…もといオブリビオンを燃やすために

「滅尽…滅相…」


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
さて、後は此方の元凶ですねぇ。
それでは、始めましょう。

『FBS』を四肢に嵌め飛行、ウィルオーグさんの『上』に移動しつつ『FRS』と『FSS』の[砲撃]を降らせますねぇ。
彼の性質からしますと、飛ばしてくる『論文』の内容は『豊かな胸を賛美するもの』でしょうから、『他を否定する内容』でない限り、私にはまず通じません。
『乳姫アレンジ』の衣装にある通り、一般基準では相当常識外れのサイズですからねぇ(遠い目)。

そして『真上』を取り、或る程度動きが止まりましたら【重豊躰】を『乳』に集中させる形で発動、『300t強』に肥大化した胸でそのまま落下し[重量攻撃]、押し潰して差し上げますぅ。


神楽・鈴音
随分と下らない教義を掲げてるみたいじゃない
で、胸のない私と一緒に、私の器物まで消そうってわけ?

消されては堪らないので、こちらもUCで対抗
相手の繰り出してきた黒い精霊を、UC効果で呪詛を浄化することで無力化
「精霊だかなんだか知らないけど、『霊』の類である以上、私の前では無力なのよ!

守ってくれる者がいなくなったウィルオーグの頭を、【力貯め】で【怪力】を込めた賽銭箱ハンマーの一撃でカチ割ってやるわ!
「神職の私に霊で対抗した時点で詰んでるのよ! 女を胸で評価したこと……巨乳になれなかった、全ての女性に詫びながら死ぬがいいわ!!


久遠・翔
アドリブ絡み歓迎


て、敵からツッコまれた…悲しい
と言うか見ないでくださいっす!?(胸元隠して)

無自覚に相手を誘惑(技能158)しながら晒を整え武器を構える
UC雷光一閃の準備に入るが雷が放たれそれを回避しながら一気に疾走
あと少しでって所で勝手に選択UC発動
相手の精霊が当たり晒が消え胸が開放状態となりバランスが崩れ胸で相手の顔を挟むようにして倒れそのまま地面を滑っていきます

正面は胸で包まれ後頭部は地面で削られ天国と地獄を両方味わい途中から濃厚なフェロモンで痛みまで快楽に書き換えられ昇天しながら相手を骸の海に帰します

終わった後アリルさんに謝罪します
こんな終わり方ですみませんと…(誘惑158勝手に発動)



「ううむ何と残念な事か!これは君たちを打倒し、その遺骸を材料として偽神を作り直さねばならないようだ!」
 論文、雷、黒き精霊を従えて汚濁と共に蘇った異端神官にして猟書家、ウィルオーグ。
 その威容は汚濁に歪められても始祖としての貫禄はゆるぎない。
 それはかつての在りし頃に神敵を打ち滅ぼすために振るった叡智の奇跡を振るわれると同じ事である。
「故に豊穣、巨乳――
(ここから先は他の正統派の異端神官ウィルオーグと生前のウィルオーグ始祖のイメージが凄まじく残念なことになる為自主規制させていただきます。あらかじめご了承ください)
「あんまりだよ……こんな歪み方、あんまりだよぉ……」
 ほら見ろ、滂沱の涙を聖騎士の少女はとめどなく流しているじゃん!
「いや、アンタも相当残念っスよ!?」
 そうツッコミを入れたのは晒を巻き直した久遠・翔(性別迷子・f00042)。そのたわわな第八段階目(つまりはHカップ)の胸部を押さえつけながら布切れを巻く光景はもうなんか凄い。語彙力が喪失する。
「と言うか見ないでくださいっす!?」
 と、強くたわわな胸を押さえつけてくにょんと柔らかそうな胸が形を変えてもう駄目だった。
「滅尽……」
「滅相ォォォッ!!」
 静謐に静かに怨念を燃やしながら――
 全てを焼き尽くすかのように爆発させて――
 森羅万象巨乳滅尽滅相を唱えたのはベール・ヌイ(桃から産まれぬ狐姫・f07989)と神楽・鈴音(歩く賽銭箱ハンマー・f11259)だ。
「論文ごと…燃やし尽くす…」
「随分と下らない教義を掲げてるみたいじゃない!で、胸のない私と一緒に、私の器物まで消そうってわけ!?」
 怒気だけで神殿を震わせながら、起伏の無い猟兵二人はそれぞれの武器を構え、巨乳教を悉く滅ぼし尽くしていく。

「くっ……何だこの怒気と怨念は……というか、先制攻撃でも受けたのか?少しの間意識が飛んでいたんだが…」
 やがてその爆発した情念に目を覚ましたのは鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)。
 体を起こした際に目に入ったのは純粋なまでにある感情を膨れ上がらせた二人のペタン娘の姿。
 それですべてを察したのかひりょは思わず呟いた。
「どうやら今回はアリルさん以外にもぺたん娘がいるようだ。口は禍の元…にならないように気を付けなければ…」
 ――不死鳥の炎と浄霊する彼岸花が
(あまりに凄惨な光景のため自主規制しています。ひりょは猟兵という究極生命体ですので規制が終わった後に万全の状態で戦闘に移りますのでご了承ください)

「貴様か、神秘にして神聖なる乳に穢れを落とした奴は…」
「ウィルオーグ君。すべてのもの(男)が豊かさ(巨乳)を追い求めるわけじゃないんだ」
「さて、後は此方の元凶ですねぇ。それでは、始めましょう」
 そんなこんなでツッコミ、妬み恨み、天然と続いてきたわけであるが、ここに貧も巨も全てを内包して豊穣だと謳う猟兵たちがいる。
 アリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)、備傘・剱(絶路・f01759)、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。
 以上の三人はそれぞれが奉じる巨と貧の境界、豊穣の使徒としての信念を掲げて叫ぶ。
「巨乳しか認めない貴様を神が許しても、俺が許さん!」
 ――備傘・剱は、たとえ世界や人類、神が巨乳しか認めなくなったとしても、それを是正する赫怒を叫びながら。
「全ての女性が巨乳になる。そんなことをしたら、血の涙をながす人もいるってこと、理解してもらいたいな」
 ――アリス・フォーサイスは、知識欲という無限にして無たる知性体が持つ最大の特権を欲する気質を以て多様性のために理解を告げながら。
「もう一度言いましょう。豊穣の使徒として豊穣の悪用と強制は見過ごせません。ここで止めさせていただきます」
 夢ヶ枝・るこるは豊穣の使徒として、豊穣を以て世界を歪めようとするオブリビオンを斃す使命を宣しながら。

「良いだろう、来るがいい猟兵!私の得た豊穣の叡智とそれによってもたらされる人類と世界への繁栄……それを阻ませはせん!」
 そう叡智と真理を司る信仰の始祖、その汚濁の果てが三つの奇跡を振るって猟兵へと挑む。
 ……こうしてみるとやっぱかっこいいんだけどなぁ……何でああなったんだろう……

「では、まずこれから行こうか……ユーベルコード、『実証』――」
 具現化するは莫大な霊力を秘めた紙束。そこに書かれているのはウィルオーグが書き記した叡智の証。
 すなわち、論文である。
 膨大な枚数を誇るはウィルオーグが骸の海で得た豊穣の叡智。すなわち巨乳に関する遍く学術的論文である。
「『第一実験・信仰に反する行動の規制』」
 やがて巨乳に類する律、すなわちルールを指定する異界法則が三人の猟兵、アリス、ヌイ、るこるに対して殺到する。
「けれど……実際巨乳に関するルールってどんなのかな?」
 持ち前の好奇心が疼いたのか、それとも情報妖精として得意な性質である物語捕食者(テイルズイーター)たる性(サガ)の本能によるものか。
 アリスはあえて論文の嵐の中へと飛び込むことで強化された身体能力を用い、紙一重で論文との接触を避けて『論文』という『物語』を喰らっていく。
「ある程度、彼が指定したルールに対する予測はつきます」
 そこに追いついたのは『FBS』を四肢に装着することで高速機動と立体的な移動を演じ、砲撃によって自身に接触する前に論文を薙ぎ払ってきたるこる。
「彼の性質からしますと、飛ばしてくる『論文』の内容は『豊かな胸を賛美するもの』でしょう」
「フム、さしずめ接触させた対象が巨乳を賛美しなかったら肉体を巨乳へと変容させていく、というところかな?」
 何!?と、三人の視線が集まった。シャルロットが言ったでしょう?猟兵は敵だから巨乳化は受けられないんだってば。
「後、そんな急激な肉体の変容を行ったら肉体が持たないですぅ」
「ああ、成程!だから七割は死亡するわけか!いや、良く三割は生き残れるね。いや『生き残れるだけ』かな?」
「ええ、ですがともかく『他を否定する内容』でない限り、私にはまず通じません」
 と、そこで目を僅かに伏せて頬を染めるるこる。
「……『乳姫アレンジ』の衣装にある通り、一般基準では相当常識外れのサイズですからねぇ」
 ボォォォ、とそこで隣から何かが燃え盛るような音が聞こえた。
「……全てを焼却……巨乳死すべし。慈悲は……ありません」
 ヌイだった。怠惰と好色の悪魔の加護を用いた彼女は悪魔少女に変身することで怠惰の力と不死鳥の炎を操れるため、その不死鳥の炎を自身の身体に纏うように付与することで攻防一体の焔の鎧を作り上げた訳だが――
「……燃えてない?燃やして再生を繰り返しているように見えるけど」
「私にもそう見えますぅ……」
「……正義とは……理不尽に対して沸き上がる怒り……それを理不尽に対してぶつけること……」
 そうメラメラと限界突破した火力の不死鳥の炎がヌイの身体を焼き、再生していく。
 その限界突破した火力は業火を越えた獄炎。それは巨乳のみを豊穣として世界を歪める叡智の論文を一瞬で灰燼と化す。
「……ただ、安らかに……息絶えてください……」

 ヌイの情念から具現化した炎によって論文が焼き尽くされる光景。それを観てウィルオーグは感嘆の声を漏らす。
「成程、怒りとは信仰心と同じくらい奇跡を起こせるものなのだねぇ……さぁ、次だ」
 そう言ってウィルオーグが指を鳴らす。次の瞬間、雷雲が神殿の遥か上へと展開されていく。
「――『第二実験・神罰の具現化』」
 銘を告げた瞬間、天から降る雷が屋根を焼き焦がして二人の猟兵、ひりょと備傘へと文字通りの雷速で迫ってくる。
「敵の攻撃の隙を与えると思ったか?与えん!」
 そう言って迫る備傘。しかし流石に雷の速度には逃れらない――
 そう悟ってアリルは遺失魔術を使って雷を自らに引き寄せようとした。
 その結果、『ギリギリのところで神罰の雷が外れ、アリルの防壁展開によって誰も傷つけることはなかった』という状況に至った。
「……面白いものだね。『確率上成立しうる後僅かに足りない確率』、それを具現化させるという代物かな?」
「これを、『一足りないの妖怪』という」
 その備傘の答えに言いえて妙と返すウィルオーグ。
「……ああなってもやっぱ本質は頭脳派ってことだろうなぁ……それが巨乳属性に目覚めたが為にこんな事になっているわけか……」
 その光景を見てそう呟いたのはひりょ。
「なら、その体に刻み付けてやればいいか。貧乳も悪いもんじゃないって」
 瞬間、ライオンを召喚して騎乗。
 退魔刀を以てウィルオーグを切り付けようと迫っていく。
「アリルさん、お願いします!」
「任せて!」
 遺失魔術を切り替え、目には目をという風に雷属性の魔術を行使して神罰の雷を引き寄せて受け止めていくアリル。
 その防護支援に助けられながら退魔刀だけでなくライオンも駆使して斬撃を繰り出していく。
「乳とは!天然の恵み!自然の魂!それを貴様の欲望は穢したのだ!その罪、万死に値する!」
 そして攻勢に移ったのはひりょだけではない。
「『天よ、祝え!青龍、ここに降臨せり!踊り奏でよ、爪牙、嵐の如く!』――『青龍撃(バレットスピーディング)』!!」
 空気中の水分を凝縮し、形成された青龍の爪と牙。
 そこから放たれるの真空の刃と高圧の水弾を以てウィルオーグに傷を与えていく。
「貴様の乳に対する愛は、間違ってる!貧乳だってステータスだ!」

「そうよ貧乳だってステータスなのよぉぉ!!」
「(……大丈夫かな今回の依頼)」
 そう絶叫して賽銭箱ハンマーを振りかぶる鈴音と今までの出来事を見て心中で不安を漏らす翔。
「なら、これはどうかな。――『第三実験・反教存在の社会的排除』」
 その二人を迎撃するべく召喚したのは名前を奪う呪詛を籠めた蝶の形をした黒い精霊。これに振れた場合、対象の縁の品や周囲からの記憶などの存在痕跡を消去していく。
 神職としてその性質を直感的察したのは鈴音。しかし理解をしてもただ不機嫌そうに鼻を鳴らして告げる。
「精霊だかなんだか知らないけど、『霊』の類である以上、私の前では無力なのよ!」
 このユーベルコードに対する絶対的な相性差を。
「未練がましいのは嫌いなの。あるべき場所に還してあげるわ!――『冥符・葬送曼珠沙華』!!」
 瞬間、彼女の本体である賽銭箱ハンマーが消えた。
 ヤドリガミという種族は本体である器物を破壊されない限り、肉体がいくら破壊されようと復元する。
 それはつまり、器物を破壊されたら死ぬという事だ。
「いや違う、これは……」
 しかし、汚濁に蘇った始祖は気が付く。窮地に追い込まれたのは自分の方だと。
 こんな巨乳狂いになってもウィルオーグは知識の神信仰の始祖。故にその聡明な頭脳瞬時に理解した。
 召喚した痕跡を消去する精霊が残らず消え去っていることに。
 代わりに舞うのは深紅。つまりは彼岸花の花びら。
「この彼岸花の花びらは無数の霊的存在を浄化、浄霊する力を有しているの。『精霊』というならその力には逃れられないでしょう」
「……なるほど、私の所有するユーベルコードを読み切って絶対的な相性のユーベルコードをぶつけた、か」
 そう苦笑するウィルオーグ。やがて彼岸花の花びらが集まり賽銭箱ハンマーへと変容する。あの時、賽銭箱ハンマーは消えたのではなく瞬時に彼岸花の花びらへと変えて周囲に拡散したのだろう。
「それでも少しは気が付くはずだが……」
「それは俺の力っすね。さっき確率を操作したのを見て咄嗟に――」
「私が『本体が突如消失したことに驚愕して花びらに気が付かなかった』という因果を紡いだわけか……」
 久遠・翔は因果を限定的に捜査することが可能な猟兵である。
 ……尤も、普段は謎のふしだらな展開に巻き込まれると振り回されているらしいのだが……
「ともかくこれで詰みっすね」
 ――両手に携えたククリナイフが切り裂き。
 ――退魔刀が破邪の属性を込めてまたも切り裂き。
 ――青龍の牙と爪が真空の刃と高圧の水弾で貫き。
 ――四肢に装着した光の戦輪が舞い。
 ――情報妖精がウィルオーグの存在そのものという物語を喰らって行き。
 ――纏った不死鳥の炎が猟書家の身体を焼き。
 ――賽銭箱ハンマーがその身を砕いた。

「さて、これで終わったけど……効いているかな」
「ん?何の話?」
 そんなひりょの独り言。それを聞いた鈴音がどういう意味かを問いかける。
「退魔刀に「ペタン娘もいいものだ」属性を付与したから、骸の海へと還っていく時に貧乳も悪いモノじゃないと気が付かせたかったんだけど……」
「どう?知識の神の神官様。まだ世界は未知がいっぱいだって思わない?」
 ……UDCアースにあるぺたんこ同好会秘蔵の同人誌をばらまくアリス。
 それを観てあの猟書家涙を流してやがる。
「ふっ……至ったな、ウィルオーグ」
「その真の無限の可能性に気が付いたときに、また会いましょう」
 と、謎の頷きをしながら備傘は目を閉ざし、るこるは豊穣の使徒として見送っている。
 そんな様子を見ながら、この天然ちゃんは思わず呟いちゃったぜ。
「しかし助かったな、守りが硬いから」
 あ、すげぇ。宇宙破壊地雷を踏まれたら人ってこんな顔をするんだ。
「いや、硬いって胸の事じゃ…クレーターより将来性あるよっ」
「……滅尽」
「滅相ォォォッ!!」
 へぇー、猟兵ってこんなになっても死亡せずロストしないんだ。

「アリルさん。こんな終わり方ですみません……」
 最後に翔がアリルに頭を下げる。
 たゆん、と戦闘中に晒が解けたことによってその豊かなお胸が揺れて、アリルは世の無常さを理解したそうな。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年01月19日


挿絵イラスト