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酔刃(作者 朱凪
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#サムライエンパイア  #猟書家の侵攻  #猟書家  #『刀狩』  #妖剣士  #プレイング募集中 


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●鬼と化す
 男は真面目な行商人だった。
 旅路を安全に往くため刀の扱いには長けていたが、人格者であり不義に刃を振るうことなどない男だった。
 あるとき薬の代がないと告げた浪人風の男に刀を渡された。売って金にしてくれと。
 それよりも妻のために薬が欲しいのだと。
 受け取れぬと断った男だったが、妻の命を武士の誇りで贖うのだと、そう言われて押し切られた。
 だから──その刀を売り払うことができなかった。
 いつかあの浪人風の男に再びまみえたなら、なにかの対価とこの刀を交換しよう。
 妻の命も武士の誇りも、喪うべき者ではない。そう思った。
 男は、そう思ったのだ。

 けれどそれが悲劇を招き寄せた。
 血塗れの家屋の中で、男は不意に我に返った。これはどうしたことだ?
 なぜ、己の家族が血溜まりに伏せているのか?
 なぜ、己の手には血塗られたあの刀があるのか?
 己が──やったのか?
 嗚呼。己が──やったのだ。
 薬に。そう。薬に人血が佳いのだ。人血はそのまま飲めば催吐作用がある。だから多量に集めて、固めて、それをすり潰して粉末にして──嗚呼、嗚呼、そうだ。
 なんという所業。
 なんという悪鬼。
 薬? そんなどこぞの誰かをも知らぬ者を助けるもののために己は、己が血族を皆殺しにしたのだ。
「は──は、はは」
 ついぞ、嗤いが零れた。
「ははは……ははははははッ! あはははははは!」
 そして男は、鬼と化す。
 頬を伝うひと筋の涙を忘れたようにへらり薄い笑みを口許に刷いて、男は血腥い家屋へ背を向けた。
「佳い、佳い」
 唄うように、行李を背負いつ、歩き出す。
「人を呪わば穴ふたつや云うてな。もうボクはボクを呪うてしもた。さあ、欲しがりや。ふたつ以上の数え方はみぃんな『たくさん』や、ボクの呪いを分けたげよ」
 誰に聞かせるでもなく嗤いながら、男は目覚め始める村の方へと足を向けた。

●『刀狩』の遺志
 語り終えた憩・イリヤ(キミガタメ・f12339)はひとつ肯いた。
「これは猟書家の幹部だった『刀狩』の『仕掛け』がまだ働き続けてしまってる……ってお話なの。鬼と化した男のひとの名前は弥平。彼が手にした刀にオブリビオンが憑依して弥平を操って──最終的には正気を失くさせることで優秀な配下とする……それによって『江戸幕府の転覆』を図る──それが、クルセイダーの目論見なの」
 イリヤはただ顔を歪めた。この戦いを終えても弥平の家族は戻りはしない。
「それでも、このひとはまだオブリビオンじゃないの。戦って、正気に戻してあげることはつらい事実と向き合うことになっちゃうけど……イリはやっぱり、死なせるわけにも、いかないと思うの」
 壊れ切ったように嗤い刃を振るい他者を呪う弥平を無力化したなら、その刀へ憑依したオブリビオンが姿を現すだろう。猟兵が声を掛けたなら、弥平も改めて己の意思で武器を手に取り、怒りと恨みの矛先をオブリビオンへと突き付けるだろう。
「……その感情の強さは、……猟兵にも匹敵するくらい、だと思うの」
 元より力のある妖剣士ではある。
 それでも、一般人が埒外の存在である猟兵に肩を並べるほどの、憎悪。
「一緒に戦えば、戦闘自体は有利に運べると思うの。そこは……みんなに任せるの」
 場所は朝を迎える村へと続く一本道。
 猟兵達はいつもどおり、まずはかわるがわる弥平へと襲い掛かることになるだろう。
「迎え撃つのはまずは鬼で、その後は鬼を生んだ狂気なの。甘くみてると、手酷い怪我をしちゃうかもしれないから、」
 そう言ってイリヤは猟兵達を送り出す。
「──どうか油断しないでね」





第2章 ボス戦 『『凶刀』絶姫』

POW ●遊んであげましょう
【凍てつく炎】【修羅の蒼炎】【呪詛の黒炎】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD ●貴方、斬るわ
【殺戮を宣言する】事で【剣鬼として最適化された構造の躰】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ ●私は刀、刀は私
【刀、又は徒手での攻撃】が命中した対象を切断する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠四辻・鏡です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●凶刀、降り立つ
 重い音を立てて地に跳ねた刀。
 それがじわりと青白い光を帯び──そして“それ”が現れた。
 『刀狩』の遺志を継ぎしオブリビオン。あるいはかの遺志などまるで関係なく血を求め肉を刻み骨を断つ、彼女の名は絶姫。
 絶姫の身体がオブリビオンとして顕現すると同時に、弥平の身に刻まれていた傷が消え行った。毀傷はすべて彼女が負ったものとなったか、あるいはただの気まぐれに癒しでもしたものか。
「つまらない、つまらない」
 鈴を転がすような声音で、絶姫が言う。
「怨嗟が足りぬ。怨恨が足りぬ。狂気が足りぬ。悔恨が足りぬ。己が血族を斬り刻んで未だ、鬼如きにすら成り切らぬとは」
 そして彼女は、すらと自らの刀を抜く。
「仕方がない。直々に私が斬ってあげましょう。より靭い憎悪を持つ者を“造り”に行きましょう。然すれば良い手駒となるでしょう」
 彼岸花揺れる漆黒の髪を躍らせて、少女は告げる。
「左様なら。お休みなさい。永久の夢を」
 その鋭利な白刃に気付くものもあっただろう。
 彼女は造られた鬼ではなく──生粋の人“喰い”鬼の化身であると。
 
回々・九流々々(サポート)
『僕だってやれば出来ます。はい』
 愉快な仲間のオブリビオンマシン × 四天王、7歳の女です。
 普段の口調は「コーヒーカップ(僕、~様、です、ます、でしょう、ですか?)」、酔った時は「くるくる(僕、~様、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


●奇跡が如き取り合わせ
「行きますよ!」
 ひょいと現れた少女は妖刀に憑依していたオブリビオン・絶姫が相手でも揺らがない。鮮やかな色彩の髪を揺らして『界転装躯リトル・リトル』へと作動させる。
 それはオブリビオンマシン。オブリビオンとして蘇ったキャバリアだ。
 そして彼女は、回々・九流々々(くるくる・f21693)はユーベルコードを発動させる。コヲヒイカツプは止まれない。対象を乗せて高速回転することで、攻撃を遮断する技。
 そう。九流々々は元より戦う気などない。
 身に覚えのない場所に放り出されたならまずは攻撃を防ぐ。その間に──次の攻撃の案を練るなり、あるいは誰かを護るための時間稼ぎをすることができれば重畳。
 傷付かず、傷付けさせない。
 それはひとりであれば意味のない行動。けれどその場に他の猟兵たちが駆けつけてくることを彼女は知っている。
 だからこそ、彼女はそれを選ぶ。
「小癪ね。──斬るわ、貴女」
「いいえ、できませんよ」
 絶姫がキャバリアに捕まれ強制的に乗り込まされたのは、メルヒェンかつグロテスクな機体。いかにもサムライエンパイアの世界観には在り得ぬ形だったけれど。
 乗った者は酔う。そんなささやかでありながらも非常に不本意な結果を与えるそれに、けれど絶姫は適応した。速度と反応が飛躍的に向上するユーベルコードは、九流々々のそれを、打ち崩す。
「そうね。今はできないわ。けれど、止まったときが貴女の最期よ」
 高速回転に適応し、絶姫は細腕とも呼べる己が右手を変形させていく。長く、しなやかに。回転が止まったならすぐにも九流々々の身を刻むことができるように。
「あー、じゃあ根競べですね」
「そうね。貴女が止まるか、私の寿命が尽きるか」
 娘は、わらった。
 
成功 🔵🔵🔴

黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

憎悪なんてよっぽどのことがなければ長続きしないよ。
ただただ悪戯に心も体力も消耗するだけ。
生きるための繋ぎならともかく憎悪だけで生きる事は難しい。
そうやって作った鬼なんて、手駒としても長続きなんてしないさ。

存在感を消し目立たない様にし、隙を見てマヒ攻撃を乗せたUC菊花で攻撃を仕掛ける。
代償は寿命。誰かが傷つくより自分が。
誰かの為に戦う、そのために生まれた道具である俺は、守るべき「人」が傷つくのは好まない。
敵の攻撃は第六感で感知、見切りで回避。
回避しきれないものは本体で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らうものは激痛耐性で耐える。


●刃の性
 回転する他の猟兵のオブリビオンマシン──根競べのそのさ中。
「憎悪なんてよっぽどのことがなければ長続きしないよ」
 場にそぐわぬほど穏やかな声音と共に、蔭より煌めいた碧眼。娘の命を刈ることに執心していた絶姫を、漆黒の刃と厚い鐵が幾多と襲った。
 菊花。名のとおり花弁の如く黒鵺・瑞樹から四方八方、九度繰り出される攻撃に絶姫の身は裂けて血が散り、『凶刀』の忌み名持つ姫は根競べを放り出してひらり舞った。
「ただただ悪戯に心も体力も消耗するだけ。生きるための繋ぎならともかく、憎悪だけで生きる事は難しい」
 そうやって造った鬼なんて、手駒としても長続きなんてしないさ。
 ひょうと諸手の刃の血振りをして、瑞樹は隙なく敵を見据える。
 絶姫はうっそりと顎を上げて彼を見た。彼の放つ気配に、知る。
「貴方も命を削るのね」
 「……」応える義理はない。知れていたとて構いはしないが、暗殺者の武器である以上情報を秘匿するのはもはや息をするより当然のことだった。
 菊花は彼女の言うように、寿命を代償とする。ただし──一点。味方を攻撃すればそれを避けることができるユーベルコードだ。
 けれど瑞樹はそれを望まない。
──誰かの為に戦う、そのために生まれた道具。
 その矜持が、確かに彼の中には息づいている。だからこそ、守るべき『人』が傷つくのは好まない。ただそれだけのこと。
 瑞樹は絶姫の持つ見事な刃文の刀を見遣った。あの刀も、誰かの為に戦うために生まれたはずだ。しかしオブリビオンの娘はわらった。
「棄てる命ならば斬らせて頂戴な。貴方を斬り刻むわ」
 みしり、みしりと音を立てて既に長かった絶姫の腕が更に細く長く伸びる。剣鬼として力を振るうことのできる最適化を目指して変貌していく。
「貴方が手数を増やすなら対応してみせましょう。貴方の寿命と私の寿命、どちらが長いかしらね」
「っ!」
 風を斬る音だけが聴こえた。咄嗟に避ける、その爪先があった場所の道が大きく穿たれ土塊が散る。鞭がしなるが如く跳ねた刃の切っ先が瑞樹の左胸を狙い、『黒鵺』の腹で彼はそれを打ち払う──、
「さぁ、さぁ、さぁ。逃げてばかり? 違うでしょう? 貴方の刃は、斬るためのものでしょう?」
「──どうやら、救うべきは弥平だけじゃないみたいだな」
 刻まれていく傷。走る痛みは奥歯で殺し、『凶刀』を見据えた彼の碧眼が、再び輝く。
 
成功 🔵🔵🔴