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魔王の金で焼肉食べたい(作者 天枷由良
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#デビルキングワールド  #プレイング受付中  #プレイング受付終了目安……1/22(金)23:59迄 


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#デビルキングワールド
#プレイング受付中
#プレイング受付終了目安……1/22(金)23:59迄


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●予知
 じゃらり、じゃらり。
 掬い上げるように大きな手を動かす度、古城の最奥で強欲の音が響く。
 お金だ。金。デビルキングワールドに流通する貨幣、D(デビル)。
 それがたっぷりと収められた木箱を漁って、魔王はほくそ笑んだ。
「クックック……順調だな。未だ大儀式の発動には足りぬが、それも時間の問題よ」
 手を止めて振り返れば、既に封じられた木箱が幾つも積み重なっている。
 相当のDを貯め込んでいるのだろう。魔王は暫し己の財を眺めた後――おもむろに眼鏡をかけると、膝上に置いていた紙を取り、電卓を叩き始めた。
「……今期の収益がこれで……フフフ、人件費が780Dの、人数と時間が……それから……成る程成る程、これなら戦闘員にもう少し還元してもいいかもしれんな……フハハ、突然の昇給に恐れおののく様が目に浮かぶわ………クックック……」
 纏う雰囲気からすれば少々俗っぽい独言だが、それはともかく。
 このまま魔王がDを貯め続ければ、何か良からぬ事が起こるに違いない――。

●詳説
「……と、言うことで。悪事に使われる前に奪ってしまいましょう。魔王のお金」
 予知に解説を交えて語り終えると、テュティエティス・イルニスティア(искатель・f05353)はニンマリと笑いながら言った。
「まるっきり押し込み強盗じゃないかと思われるかもしれませんが、これもデビルキングワールドの為。かの世界の貨幣『D』には魔力が籠められていて、それを多く集めたオブリビオンは“カタストロフ級の儀式魔術”さえも発動させる事が出来るようになるとか」
 その詳細は不明だが、しかし未然に防いでしまえばいいだけの話。
「オブリビオンがコツコツと金を貯めるはずもなし、何某かの悪事でデビルキングワールドの住人たちから巻き上げたものに違いありません。その証拠に……魔王は棲家である古城を『Dで雇った大勢のセントウインたち』に警備させています。後ろ暗いところがなければ、そこまでする必要はないだろうというほどの厳重な守りです。――ああ、ちなみに件のセントウインたちは時間当たり780Dで雇われているようですね。1Dは現世地球の価値に換算して1円ですから、時給780円……」
 割と安く使われている事実に、テュティエティスも暫し言葉を失う。
 さておき、古城そのものが周囲をぐるりと大きな堀で囲まれている事もあって、侵入には少し苦労するかもしれない。だが、間違っても正面突破は厳禁だ。
「警備のセントウインたちもデビルキングワールドの住人。つまり、我々猟兵に匹敵するユーベルコード使いです。一筋縄では通してくれないでしょうし、騒ぎを聞きつけた魔王がDを抱えて逃走してしまうかもしれません。何より、彼らはオブリビオンではないのですから、傷つける理由がありません。侵入は慎重に。そして城に乗り込んだ後も、魔王が居る玉座の間に辿り着くまでは、決して気を抜かないように」
 勿論、魔王自身も油断ならない相手だろうが――猟兵ならば必ず打倒できるはず。
「見事に勝利を掴み取った後は、魔王のお金で勝利の宴を開くとしましょう。そうして魔王が貯めたDを正しい経済の流れに乗せてしまえば、強者だらけの悪魔たちからまたオブリビオンがDをかき集めるのは、とても困難な事になるはずですから」
 ちなみに宴会場はもう押さえてある――と。
 テュティエティスは最後に一言付け加えて、デビルキングワールドへの道を開いた。





第3章 日常 『暴食の宴』

POWとにかく肉だ肉!がっつり食いまくるよ!
SPD流行の波に乗って、ネットでバズった人気メニューを食いまくるよ!
WIZあま~いスイーツは心のご褒美!食いまくるよ!
👑5 🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 魔王は斃れ、その莫大な財貨は猟兵の手に落ちた。
 かくして来たれり宴の時。舞台はデビルキングワールド各地に六十店舗以上を構えている(らしい)焼肉店『恕恕怨』である。実にデビルで禍々しい名前だが、入店した客を出迎えるのは教育が行き届いた店員たちの実に朗らかな声だ。
 その悪魔店員たちもデビルキングワールド住人の例に漏れず根っからの良い子であるから、お冷から特上肉まですぐに無償で提供しようとしてくる。
 しかし、猟兵たちはその尽くを断って宣言するのだ。魔王から奪い取ったDを見せつけて一言「金なら腐るほどある」などと。
 それがどれだけ“ワルく”映る事か。猟兵たちに羨望の眼差しを送る悪魔店員たちは値段が列記されたメニュー表を差し出して、この極悪な富豪=超カッコいい猟兵たちがどれほどの欲望をぶちまけるのかと伝票片手に期待を膨らませている。
 さあ食え、そして飲め。そうして猟兵が豪遊すれば、一所に集められたDは経済の流れに乗って散らばり、デビルキングワールドに安寧を齎すのだ――!
黒瀬・ナナ
へいへーい!とりあえず、メニューに載っているもの片っ端から全部持ってきて!
フッ、お金なら腐るほどあるわよ!(どやぁ)

いやぁ、元々焼き肉は美味しいけれども。
人から巻き上げたお金で食べる焼き肉は悪魔的な美味しさよねぇ。
自分の懐具合を気にせず、好きなものを好きなだけ食べられるってステキ!
お肉おいしい、クッパもビビンバもデザートもおいしい!

店員さんのオススメを聞いたり、他の人達が注文しているのを頼んでみたり。
もうお店を潰すくらいの気合いと勢いで食べ尽くすわね。
あー、お肉に合うお酒も欲しいわぁ。
……わたしもう、ここに住みたい。
焼き肉屋さんの子になりたい。
毎日お肉食べて過ごしたい!


●黒瀬・ナナ(春陽鬼・f02709)
 食べる、という事に貪欲ならば誰もが一度は想像するであろう夢。
 それを叶える権利が手元にあるのだ。躊躇う理由などない。
 ラミネート加工された両面印刷や薄い縦長の冊子を一瞥したナナは一言、
「とりあえず、メニューに載っているもの片っ端から全部持ってきて!」
 堂々と言い放つやいなや、脇に置いていた箱の中身を見せつけてドヤる。
「……フッ、お金なら腐るほどあるわよ!」
「っ!? あ、ああ、あの、少々お待ち下さい!」
 すぐにご用意致しますので――と、もはや悲鳴じみた歓声を上げながら厨房に駆け込んでいく店員。
 その後ろ姿を満面の笑みで見送りながら、早くも戦支度(紙エプロン装着)を済ませたナナは「へいへーい! へいへいへいへーい!」と荒ぶり始めた食欲に首輪を掛けて引っ張る。そうでもしなければお冷をガロン単位で飲み干してしまいかねない。
(「あともう少し! もう少しの我慢よ!」)
 此処まで来て水などで胃を埋めるなどもってのほかだ。
 店内に立ち込める肉の香りにも抗って、加熱される焼き網とは対照的に心を鎮めつつ、待つこと暫く。
 いよいよ卓上に並び始めた肉は、もはや芸術と称すべき細やかなサシが入った超一流品。
「こんなの美味しいに決まってるじゃない!」
 思わずテーブルを叩いてしまいそうになるところ、堪えに堪えて冷静にトングを掴むと一切れずつ網に運んでいく。
 ナナの眼差しは魔王城へと乗り込む時など比較にならないほど、真剣そのもの。
 侮るなかれ、焼肉とは戦いなのだ。油断すれば網に捧げられた上等な肉の最も美味しい瞬間を逃すばかりか、消し炭にしてしまう可能性すらあるのだから。
 ――などとは思いつつも、肉が焼けるのを待つ間に箸を伸ばしたサラダやらナムルなどから既に頬が緩む美味しさ。
 一仕事終えた後だからか尚のこと美味い。自然とバタつく足を理性で御して、いよいよ本命の肉に挑んでみれば――噛んだ瞬間にジュワッと溢れた肉汁が全身の細胞をくまなく活性化させる。
「人から巻き上げたお金で食べる焼肉、悪魔的美味しさね!」
 そんな事を宣えば非難の眼差しを浴びせられてもおかしくないところだが、しかし此処は極悪を是とするデビルキングワールド。他の客や従業員たちから向けられる視線は咎めるどころか称賛や憧れと等しい。
 もっとも、当のナナはそんな事など大して気にしていない。ただただ懐具合を気にしないで済む食べ放題という、魔界の片隅に生じた理想郷を堪能するべく肉を焼いて、食べて、焼いて、食べて――。
「お肉、おいしい!」
 幸せを言葉と表情で炸裂させながら、さらに焼いて、食べる。
 勿論、肉ばかりではない。締めに持ってきそうなクッパを早々に投入したかと思えば、石焼ビビンバが奏でる音を恍惚として聴き入り、アイスクリームやら杏仁豆腐やらのデザート類などを箸休めにしてまた肉へと帰る。
 店員が今日のオススメとして勧めてくるものも当然のように受け入れて貪り、隣のテーブルから牛タン塩の香りと食レポじみた会話が漏れ聞こえてくればそれを追加で頼み、そろそろ終いかと思いきや此処から酒を投入。杯に並々と注いだ液体を豪快に流し込むと、謀ったように焼き上がった肉を纏めて掻っ攫って頬張る。
 一体全体、何処にそんな量が収まるのか。
 なんて、聞いても思ってもいけない。それは乙女の秘密。

「あー……わたしもう、ここに住みたい」
 一頻り堪能した後には、そう呟くのが癖なのかもしれない。
 ともすれば牛一頭丸々頂いたのではないかと思うほどの量を平らげて、至極満足そうな顔で寛ぐナナは夢見心地のまま続ける。
「もう焼き肉屋さんの子になりたい。毎日お肉食べて過ごしたい……!」
 それが実現すればどれほど幸せな事だろうか。
 けれども、仮に現実となったところでナナは満足出来まい。世界にはまだまだナナが知らない“美味しいもの”があるのだろうし、それを考えれば一所には留まっていられない。
 何より、今日と同じ量を毎日消費されては店が保たないだろう。我が事ながら想像して笑うと、ナナはたっぷり頂いた食事の代金を支払うべく木箱に手を添えて――。
「……もう少しだけ食べていこうかしら」
 冗談のような事を呟いたかと思えば、通りすがった店員を呼び止めて本当に追加の注文を始めた。
 それが平均的な一人前を遥かに凌ぐ量であった事は、言うまでもない。
大成功 🔵🔵🔵