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アルダワ師弟奮闘記、若草萌えて

#アルダワ魔法学園 #戦後

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#アルダワ魔法学園
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#戦後


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 アルダワ魔法学園、とある一室。
「なるほど……伸び悩む学生のために、転校生達の手を借りたいと」
「ええ、はい……」
 上司に対し、苦手意識を隠しきれていないようすで教師が声を絞り出す。
「うん、いいんじゃないかな」
「本当ですか! 良かった、私が教えられる事も少ないもので……」
 と安堵する教師は、しかし、その後に付け加えられた言葉に、笑みを凍りつかせた。
「うん、ついでに君も同行してくるといい」
「……え?」
 死、の文字が頭をよぎり、慌てて弁明する。
「い、いえ、私はもう引退して長いですし……学生時代でさえ振るわない劣等生でしたので……」
「なに、現役の勘を取り戻せば、教えられる事を思い出すだろうし、その丸い腹も少しは収まるかもしれんぞ」
 だが、そんな抵抗は空しく、上司の笑い声に掻き消されるのだった。

◇◇◇

 満仁鰐・番颶(フトアゴ・f29853)は集まった猟兵に言った。
「学生どものケツを蹴り飛ばしてほしいってよ!」
 もちろん比喩的な意味で。
「学生と一対一で動いてくれ。一応の目標は『幻惑の回廊』に巣くう『罠ウサギ』の掃討だが、主目的は学生の能力の向上を図ることだ」
 その為まずは、ツーマンセルを組む学生とのアイスブレイク。
 ついでに学生服の新調を行う。
「元々回廊にある幻惑の罠に加えて、罠ウサギが色んな罠を増やしてやがる。それに対しての対策機能をつけるもよし、本人の長所を伸ばす調整でも構わねえ」
 うまくリラックスさせてくれ、と彼は言う。
「準備ができたらそれぞれ回廊に散って、罠ウサギの巣を潰してもらう。猟兵にゃ朝飯前だろうが、ちゃんと学生の経験にしてやってくれ」
 幻惑の回廊は、幻惑の罠。学生がかかったならそれを止めなければいけないし、発見してもちゃんと解除、回避ができるか見ておく必要がある。
 戦闘のみならず、違う意味で気が抜けない依頼だろう。
「だがまあ、うまくやれるだろ。気楽に頼むぜ!」
 彼はそう一方的に言い切ってグリモアを起動した。


熱血漢
 第一章では、親交を深める為に、制服の新調をします。
 互いにサイズを図ったり、どういうアレンジをしたりするか、というように交流する場面です。
 

 体は頑丈で、力も強い大柄なドラゴニアン。
 防御力に秀でるが、臆病な性質が災いし、十分に発揮できていない。

 一流と言っても十分な器用さによる槍捌きを見せるケットシー。
 自信過剰な点で協調性に難があり、孤立している。

 長年ダンジョンを生き延びたガジェッティアの万能選手な人間。
 悪く言えば器用貧乏で、ダンジョン攻略を続ける事への不安から教師になった。

 みたいなNPCを適当にプレイングから考えて生やします。
 こういうハッキリキャラが良いとかあればプレイングに明記してください。

 第二章は幻惑の回廊に突入。

 第三章はダンジョン罠ウサギとの集団戦。

 第二章三章とも、このNPCとの師弟関係で動きます。

 大枠に添っていれば大体OKです。
 では!

 
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第1章 日常 『オーダーメイド学園服を作ろう』

POW   :    採寸や材料選びに勤しむ

SPD   :    自分で縫製するなどして、お手伝いをする

WIZ   :    自由にして良いの部分のデザインを練る

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

磯砂山・ガンテツ
☆◎

たく、なに怯えてんだ。
っつっても怖いもんは怖いか。
分からんでもない。(ガンテツ自身恐怖心はある。むしろ重要な要素だと思ってもいる)

防御をうまく使いたいのか。重い装備になるのは仕方ないが、だからって動きにくくていいってわけはねえわな。
間接の動きが邪魔されねえように、お前の体にぴったしに作らねえと。
てな訳だ、図るぞ。

全部な。(容赦はない。上も下も全部剥がす)

ほお、ドラゴニアンってのはこうなって…て隠すんじゃねえ。
採寸だ採寸。それとも逆に喜んじまうか?
ま、布の遊びも必要だしなあ(意味ありげにいう)(遅々として進まない)

(どうにか新調)そら、動きやすいだろ?
(何があったか、ガンテツは艶々している)



「防御をうまく使いたいのか」
 赤茶色の髪によく焼けた肌。漁師と傭兵の二足のわらじを履く男が、目の前の学生の体を見て言った。
 磯砂山・ガンテツ(海の男・f31739)は、自分よりもタッパのあるドラゴニアンの学生、名前はリダと言ったか、の戸惑うように逸らされた視線に肩をすくめた。
(気弱か、なに怯えてんだか)
 仕立て屋の更衣室。そこそこの広めの部屋に二人だけ。怯えている対象は確実にガンテツだろう。
 そんなに俺が怖いか? と少し気にしながらも、まずは彼の制服に意識を向けていく。
「重い装備になるのは仕方ないが、だからって動きにくくていいってわけはねえわな」
「えっと、防御に動きやすいように……?」
「ああ、踏ん張る必要があるなら、位置取りと体勢が重要だ」
 だから、間接の動きが邪魔されねえように、お前の体にぴったしに作らねえと。
 とガンテツは店員から借りたメジャーを伸ばして、こう言った。

「全部な」

 ◇◇◇

「あ、あの……これも?」
「おう、上から下までオーダーメイドにする」
 最後の一枚に惑うリダを急かせば、促されるままに脱ぎ去っていく。
(恐怖心は必要だし、俺もない訳じゃねえが……)
「ちゃんと鍛えてはいるんだな」
 睨まれて流されるのも考えものだな。と思いながらも布切れを足から抜き去ったリダの体に感嘆する。
 実用的な筋肉。気弱を補う為に努力自体は惜しんでいないらしい。それと――。
「ほお、ドラゴニアンってのはこうなって…て隠すんじゃねえ」
「だ、だって……そんなに見なくても……」
 ガンテツの視線に気付いたのだろう、掌をそこに広げたリダを睨むが、今度は流されてくれなかった。
「採寸だ、採寸」
 メジャーを伸ばして、リダの体を測る。特殊な繊維のメジャーを要所に巻き付け、数字を記録していく。
「そら手除けろ」
「ぇ、でも……」
「腰回りも必要だろ、それとも逆に喜んじまうか?」
「……ッ、ち……ちが……」
 慌てて隠すのをやめたリダに、ガンテツはメジャーと共に指を触れさせる。
「ぁぅ、……っ」
 柔く少し湿った感触と共に、漏れ聞こえる声にガンテツは、赤面し見下ろしてくるリダを、意味ありげに笑い見上げ返す。
「ま、布の遊びも必要だしなあ」
「……っ、」
 次の測定場所。一ヶ所にかかる時間が延びていき、リダは抵抗を諦めてガンテツの手の感触に身を委ねて――。

 結局採寸は時間ギリギリまでかかった。

 ◇◇◇

「そら、動きやすいだろ?」
「あ……、でもホントだ」
 体を軽く動かして、新調した制服の動きの阻害の少なさに目を見張る。
 あの時間が、この転校生の悪戯目的ではなかったと知って安心するリダに。
「定期的に測定するのが良いと思うぜ?」
 と妙に艶々したガンテツが耳元に囁いた言葉に、リダは再び顔を赤らめて彼を睨むのだった。
 気弱が少し、改善されているのに、本人はまだ気づかない。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

ゴロウザエモン・サンモト
◎☆
WIZ

私も一般生徒なのでございますが…いや、確かに猟兵ではありますけれども。(だが前科者はこういう仕事で良い印象を稼いでおかないとであるな…)

さて、では比較的動けそうなケットシーの先輩と組ませていただくとしましょうか。
人に指導するなんて柄ではございませんし、あのレベルであれば私が手助けする必要もなさそうでございます。

はあ…『自分は既に一流だから指導なんて必要ない』『君もせいぜい足を引っ張らないようにね』…。

さすがは先輩でございますね。あはは。(乾いた笑い)
ではそんな一流の先輩を惹き立たせるために装飾品のデザインを描かせていただくのでございます。※【アート】





…ヤベー人を選んじまったのである。



「猟兵と言えど、元よりこの学園の生徒なのでございますが……、まあ――」
 点数と印象稼ぎには丁度良いかもしれない。慣習で受け継いだだけの『魔王』の称号のせいで、学園に捕縛、監視下軟禁。という生徒や先生、つまり学園全体からの第一印象が底辺ぶっちぎっていた彼女からすれば、逃す手はない。
「……失敗しないように、比較的動けそうな先輩に当たってみましょうか」
 ゴロウザエモン・サンモト(『魔王』山本五郎左衛門・f27245)は、自らの平穏なる学園生活の為に、鉢巻をしめてかかる意気込みでそのケットシーの先輩が待つ教室へと向かっていった。

 ◇◇◇

「ああ、君が先生の言っていた転校生かい? え? 後輩だって? ふうん……まあ、いいけど。僕より経験の浅い君に教わることがどれ程あるのか。すでに一人でダンジョンに潜りもしてる一流の僕をしても読めない問題だけれども、先生方の頼みとあらば仕方ないからね、はあ、宜しく。くれぐれも、僕の足手まといにはならないようにね、分かったかい?」
(わぁ~)
 開幕ストレートパンチを食らったゴロウザエモンは面食らうのも忘れて、心の中で拍手を送っていた。
 なるほど、なまじっか生き残れているせいで拗れに拗れてるみたいだ。先生も苦労するはずだ。
「え、ーっと、ゴロウザエモン・サンモトと申します。むしろ私こそ勉強させてもらえたらと、あはは」
 湿度1.2度位の笑みでへりくだってみる。多分意固地になったら更に拗れるような気がしたので、基本後ろをついていく方が良さげだ。と自己紹介すれば。
「……はあ、クーリ」
 返事はそれだけだった。ため息付きである。
 もし自分がその態度で過ごしていたら、今頃どんな生活だったか。想像するのも恐ろしい。
 ……その胆力は見習うものがあるかもしれない。
「制服の新調、ね。必要は無いだろうけど、仕方ないから一応聞いておくよ」
「えっと、そうですね……良い機会でしょうから、先輩が……より……、一流の先輩を惹き立たせる装飾のデザインをさせていただけましたら、とぉ……」
 デザインと称して、多少彼の動きの補助や自己強化の補正になるような刻印でも仕込んでみるか、などと考えるゴロウザエモン。
「ああ、そう」
 冷たくあしらうクーリ。
(……ヤベー人を選んじまったのである)
 笑みを張り付けて、彼を仕立てに向かわせるゴロウザエモンは、先行きへの不安を感じずにはいられなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミラン・アレイ
◎☆
じゃあ、おにいさんよろしくね!背高い!(見上げ)
さっそく新しい学生服作ろっか!

ほらほら、脱いでーって、もう脱いだの?!それも全部?!はやー!!

わお、がたいいいねー、めっちゃマッチョ!でもそのポージングはいらいないかな?!
次はわたしの番?あ、そうだねー。え、脱がしてくれるの?ってぐいぐいくるね!嫌いじゃないけど!
じゃあ計ろっか……って、めっちゃ触ってくるね?!計ってくれてるの?ほんとかなー。
まあいいや、わたしも負けずにあちこち触って計っちゃうよー!

はあ……はあ……だいたい計れたし、こんなとこ……かな!!
でも、ちょっと血気盛んすぎるから、ちょっと気を抜いちゃおっかー!
どうやって抜くかは内緒!



「じゃあ、おにいさんよろしくね! 背高い!」
「やったー!! 可愛いー!!」
 ミラン・アレイ(ドラゴンガール・f29182)は挨拶もそこそこに満面の笑みで腕を振り上げたドラゴニアンに、思わず目を丸くしながら見上げる。
「こんな可愛い子に教えてもらえるだなんて……ッ、おれ……しあわせ……」
「えへへ、ありがとー。さっそく新しい学生服作ろっか!」
「作るー!」

 ◇◇◇

 という事で凄くスムーズに場所を移して、採寸。ミランが、よし、とメジャーを準備して振り返る。
「ほらほら、脱いでーって、キュロアさんもう脱いだの?!」
「完璧! どう?」
「わーめっちゃがたいいいね!」
 ぽぽぽい、と衣服を全部脱いだドラゴニアンの彼、キュロアが、その鍛えた肉体全てをさらけ出すようにポージングを決める。
「はやー! でもそのポージングはいらないかな?!」
「むう……まあいいや。じゃあ、今度はミラン先生を脱がすの手伝うぜ!」
「ってぐいぐいくるね! 嫌いじゃないけど!」
 竜というより犬に近いテンションのままミランも服を剥かれて向かい合う。こうするとやはり鍛えた体に比べたミランの華奢がはっきりと分かる。
 ともかく採寸開始である。

 ◇◇◇

「あっ、もう……っそこ、敏感だから、優しく……ッ」
「うわあ、ここ、こんなに柔らかいんだ……それに温かい、すげえ」
「ひゃ、ぅ、摘ま、まないで……っ」
「女の子の脇腹すげえー」

 ◇◇◇

「すごく大きいねっ、それに太くて……」
「ぅ、ぁ……っ、良いでしょ? 好きなだけ触って、っいからね」
「こんなのも、ちゃんと入るんだねっ」
「自慢だからねえ、おれの尻尾! 尻尾穴大変だけど……」

 ◇◇◇

「はあ……はあ、だいたい計れたし、こんなとこ……かな!!」
 想定より、色んな場所を詳細に測る結果になったのでとても詳しい、赤裸々な感じのデータが集まった。
 動きやすい服になるのは確実だろう。
 が、ここで一つ懸念を早速ミランは見つけていた。
 血気盛ん。なんというか元気すぎるというか、このままダンジョンに潜ったりなんかしちゃったら、それこそ一人で突っ走っちゃいそうだ。
 良くも悪くもテンション任せという感じがする。
 ミランとの相性が良さそうなのが更に悪い。ブレーキをかけておかないと途中から二人して暴走しそうな気配がしていた。
 流石のミランもそう思った。
「ちょっと気を抜いちゃった方がいいかなー?」
 上腕を掲げてポージングしているキュロアの滾る熱に、ミランは呟いて、念のためドアの鍵をしめるのだった。
 どうやって彼の元気すぎる元気を落ち着けるのかは。
「内緒!」
 らしい。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ブリッツ・エレクトロダンス
☆ようネコ助、これからタッグを組むブリッツだ。よろしくな?

あん?スカした野郎に言われたかねえ?
なら分からせてやるよ…!
(槍がカスるギリギリの距離を維持しつつ、ペイント弾入りの拳銃を発砲。迎撃されるのは前提として、迎撃動作の僅かな隙に麻痺する程度の電撃をねじ込む)

さて、とりあえず採寸だ採寸。
全部脱ぎな、バランスとか測りたいし。
恥ずかしいってんなら俺も脱ぐぞ。

…よし。
とりあえず、採寸したデータを元に、新調した制服にちょっとしたギミックを付加した。
風力操作術式による前方への急加速だ。
間合いに飛び込んだり槍による突撃をするには使えるはずだぞ。



「ようネコ助、これからタッグを組むブリッツだ。よろしくな?」
「はっ、キミみたいな粗野な者がこのボクに気安く声をかけないでくれるかい?」
 落ち着け。
 ブリッツ・エレクトロダンス(★3:DJ.Blitz・f01017)は自分に言い聞かせる。
 俺はこのネコ野郎の教師。良い見本なのだ。
「……ッスー」
 深呼吸、深呼吸だ。……よし。
「……お前の先生様が、挨拶してんだろうがよぉ、ネコ助? 一生ネコ助で呼んでいいってかネコ助? おうネコ助?」
「ボクの名前も知らないのかい? なんて事だ。顔も声も品性が欠けているのに、知識も常識も足りていないだなんて」
「いいから答えろってんだぉん、ネコ助ぇ……?」
「はあ、ラントでいいよ。キミみたいなスカした奴に覚えられるのはこれくらいだろ?」
 なるほどね? 理性が感情とぶつかってる。
 泣くまでぼこすか、泣いてもぼこすか。
「つまり――ぼこして、分からせだ、オラァ!!」
「はっ、単細胞は考えが分かりやすいね!」
 ブリッツが不意討ちで放ったペイント弾を避けたラントは、そのまま鞘を着けた槍で反撃してくる。
 読みも、精度も、反応速度も良い。腕だけなら一流ではある。
 だが、相手を見誤るその観察眼の無さは、事故を引き起こす。
「さて、とりあえず採寸だ採寸」
 例えば、煽った相手に服をペイント弾の塗料まみれにされた挙げ句電撃で麻痺させられて首根っこ掴まれて、更衣室まで運ばれるとかそういう。
 槍の間合いを完全に読まれて、当たるか当たらないかの回避をされて完敗だった。
「もう動けんだろ。全部脱ぎな、バランスとか測りたいし」
「……キミごときに肌を晒せと言うのかい?」
「乙女か、恥ずかしいんなら俺も脱ぐぞ?」
「恥ずかしいなどとは言ってないだろう!」
 あーはいはい、そうだねえ。と言いつつ、ブリッツは埒が明かないので、むしろ自分から素っ裸になってやれば、渋々といった様子でラントも制服を脱ぎ始めた。

 ◇◇◇

 誰が露出魔だ。あ? 脱げないって、ああベタベタだかんな、はいはい。え、パンツも脱がしてほしい? え、どんなプレ――あー! 暴れるな! 分かったっての! はーい、良い子でちゅねー、……あれ、もしかして赤ちゃん言葉で興ふ……あ、怒ってんな、これ。採寸採寸っと。

 ◇◇◇

「……汚された気分だ」
「採寸くれぇで大袈裟な……」
 といったら睨まれた。とにかく、なんとかデータを元に制服は新調できた。
 に加えて。
「んで、ちょっとしたギミックを付加した」
「な、勝手にッ」
「風力操作術式、体全体を風で押し出す奴な。お前なら上手く使えるだろ」
 ブリッツが投げやりに言う。さっきの喧嘩で力量は見えている。間合いに飛び込んだり槍による突撃、使い方は様々。
 出来ることが増える事の利不利に、ブリッツへの非難ではなく思案しているラントは、恐らくブリッツの敗北を回想しているのだろう。
「……使えない、事はない、か」
 一先ず無駄にはならなさそうだと、ブリッツは見下ろすラントの後頭部に少しほくそ笑んでやった。
 気付かれて、苦虫を噛んだような顔をされた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『幻惑の回廊』

POW   :    自ら痛みを得るなど気合いで通り抜ける。

SPD   :    目を瞑って進むなど視覚に頼らず通り抜ける。

WIZ   :    模様を解析するなど要所を見ずに通り抜ける。

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 というわけで一路ダンジョンへ。
 幻惑の罠が仕掛けられた通路を奥に進んで、罠を増設した罠ウサギをとっちめにいくのが、目標だ。
 学生が引っ掛かったなら補助したり、わざと作動させて対処を見たり。
 ただの攻略ではなく、学生の成長に繋がる経験値にならなければ、きっと学生は変わらないだろう。
 それぞれに問題点はある。上手く転がして上げてくれ。
 
 というのが依頼主からの注文だった。

◇◇◇

 第2章

 一章の学生とダンジョンへ進みます。
 お好きにどうぞ。
 プレイングお待ちしております!
ゴロウザエモン・サンモト
◎☆

・鳥たちに【集団戦術】で【偵察】してもらい、罠のありそうな場所の報告を受ける。※【式神使い・動物と話す】
・幻惑に対し【狂気耐性】

上記から幻惑の罠を華麗に退けたように見せつけ有能さをアピール。

そして気づかれないように【早業】でUC発動。
人を迷わせる【迷わし神】を召喚し罠とは別口で迷わせます。

先輩…もしかして私たち別の罠に掛かってしまったのでございましょうか…?
私にはもう何がなんだか…!

半ば恐慌する迫真の演技で先輩に【恐怖を与える】。そして先輩の対処を見守ります。

召喚悪魔に気づけばよし。術を解き迷子状態を解除。
気づかなくとも程々で解除。
この段階ではネタバレはしませんが。

…お手並み拝見である。



「僕が心配しているのは、君が罠を見抜けず足を引っ張ることだよ」
「え、あ、そ、そうであらせられますね」
(鳥からもうオブリビオンまでの道も罠も知ってはいるのでございますが)

「どうせ、幻惑に陥ったならすぐには戻れないだろう? そうなれば僕は置いていくからね」
「承知いたしました。気を付けるのであります」
(……このレベルの罠ならかかっても殆ど影響無い程度に耐えられるのではありますが)

 というわけで、ゴロウザエモン・サンモト(『魔王』山本五郎左衛門・f27245)とクーリ。互いに認識がちぐはぐな二人のダンジョン攻略が開始された!

 ◇◇◇

 と、まあ、ファーストコンタクトの時に受けた不安に反し、攻略はスムーズだった。
 流石はなんとか一人でも生き延びているだけはあって簡単な罠には気付くし、察知しにくい罠も野性的な勘で道を変えて回避する。
「……」
 このままでは、普通に戦って普通に勝って帰ってしまいそうだ。
 なんの意味もなくなる。
「ふうん、ノロマかと思ったけど、案外鋭いね、君」
「で、ございましょう?」
 わざとだろう黙って何もないように回避した罠に、気付いて声をかけたゴロウザエモンにクーリは感心したように言う。少しは認めてもらえたようだ。
「先へ進みましょう」
「……ああ」
 そう言葉を交わし、道を進む。
 進む、進む、進む。
 曲がり、うねり、上がっては下がり、進んで、進んで。
「先輩……」
 さて、聞いていたこの迷宮の全体よりも歩いたのではという辺りで、ゴロウザエモンはクーリに、問いかける。
 クーリ自信も気付いているのだろう。それを認めないとばかりに睨んでくるが、ここで言葉を呑んでいては意味がない。
「もしかして、私たち別の罠に掛かってしまったのでございましょうか?」
「……」
 ゴロウザエモンは頭をかきむしりながら、震えた声を発する。
 もしかしたらもうここから出られないのでは、既に死んでいてそれに気づいていないのでは、いや。
「私にはもう何がなんだか……!」
 ゴロウザエモンは、『至って正常な思考で恐怖に駈られた演技をしながら』クーリにすがり付いた。
「……」
 クーリの顔も強張っている。恐怖を与えて彼がどう動くのか。
 焦りから短慮を起こすか、もしくはゴロウザエモンが放った迷わし神に気付くのか。
「……いや、どうにも、気にかかる」
 焦る中にも冷静さのある声で、クーリはじっとゴロウザエモンを見ていた。
「キミは確かに罠を全部回避していた……僕が言わずとも、僕が道を変える時も納得したようにしていた。なら僕が幻惑にかからず君がかかるはずがない」
 なら、とクーリは、周りを見渡した。
「件の災魔じゃない、気をしっかり後輩。足を引っ張るな、簡単だろう」
 僅かに、だけども信頼が読み取れた。
 パチンと電気のスイッチを切り替えるように、何かが消えたのを感じる。
 ゴロウザエモンが迷わし神の召喚を解いたのだ。及第点ではあるけれど、その存在を推理しい、時間をかければ看破も可能だっただろう。
 見回すクーリが、道の既視感を訴えた。
「ここは……入り口の近くか、時間をとられたな」
「……ですが、すぐに取り戻せるのでございましょう?」
「当然、僕と君だ」
 ニヤリと、やはり傲慢なままの笑みでクーリはゴロウザエモンに笑いかけていた。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

磯砂山・ガンテツ

極細の飛沫、織波イトカゼで罠の場所を確認して後ろをついていく。

幻惑だのなんだの結局どういうものか分からねえからなあ。
いつでも拘束できるように、と思ってたが、流石に慎重だな。なかなかかからねえか。

…ちょっくらイトカゼで作動させてやるとするか。かかるのは俺だ。つっても飛沫に乱反射させて効果は減衰…、こいつ襲われてえほど良い男だったか?幻惑か、くそ……いや、でもやる事は変わらねえか。
凭れかかって、触れて、誘惑して、幻惑にかかった仲間にどう対処するか。

流されるもまあ、いい。どうにか正気をもたせるもいい。

…殴ってでも正気に戻させろとか俺教えたっけか
ま、まあ、大丈夫だろ。



「え、っと……さっきの罠から考えるとやっぱり、こっちで……、この道……ですかね……」
「……」
「……ぁ、う」
 リダが磯砂山・ガンテツ(海の男・f31739)をチラチラと見ながら、自分の考えを口に出しては、ガンテツの顔色を窺っている。
 いや、彼の考えは正しい。正しいのだが、どうにもこちらを気にしすぎている。
 明らかに間違ったことをガンテツが言ったとしても、それを否定したりしなさそうだ。
「じゃあ、こっちだな?」
「え、はい、です」
 臆病が慎重を生んでいるらしく、考えていたよりも進行はスムーズだ。だが、このままで良いとも思っていない。
 もしガンテツが罠にかかったら殴ってでも止めろと入っているし、逆にリダがかかったら殴って止めるといっている。
(ここは、まあ一肌脱いでやるか)
 ガンテツは、実際のところ、このダンジョンの罠を探査し終わっていた。見えないほどに極細の水滴を先行させてマッピングしている。
(それを使えば……)
「うぉあ!」
「ッ、え!?」
 解除して進んだ筈の罠を再起動し、作動させる事も可能だ。
 ばしゅ、と壁から噴出した霧が、リダではなくガンテツへと吹きかかった。
 とはいえ、水滴の壁で幾らか軽減はしている。意識が完全に飛ぶ事はない。だが。
「あ……ぁ?」
 僅かに影響は出た。
 駆け寄ってきたリダに凭れかかって、その顔を見上げた。
「……お前」
 こうも魅力的だったか? いや幻惑で割増されているのか。
「クソ、罠の影響か……」
「だ、大丈夫ですか?」
 腕に抱かれて、ガンテツは少し笑みを浮かべた。どうせやることは変わらない。
「……なあ、リダ」
 ガンテツはその腕から、胸へと手を這わせた。採寸の時に、弱い場所は知っていた。
「っ、ぇ」
「二人きりだぜ、襲ってくれねえのか?」
 脚を股の間に差し込んで太腿で刺激してやる。分かりやすく顔を赤らめて、身体はすぐに反応してくれた。採寸の記憶が蘇っているのか。
「磯砂山、さ……」
「リダ」
 彼の腕を、ズボンの隙間から自分の臀部に宛がい、彼の下から布を押し上げるズボンを寛げれば、若い滾りが欲を見せている。
 リダの手が、無意識にかガンテツの身体を揉み、その窄みへと指を這わせる。
 その時。
「だ、ダメです……! ご、ごめんなさい!!」
 そんな声と共にガンテツの視界に火花が散った。
「お、ぐッ!?」
「ご、ごめんなさい! 大丈夫ですか?」
「あ、ああ」
 幻惑は解けていた。が、それ以上にフラレたというショックが意外と大きく。
「も、戻ったら……責任取ってくれるまで、か、帰さないですからね……ッ」
 ズボンを直しながら言うリダの言葉に、どこか頼りがいを感じて、ショックも吹き飛ぶのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミラン・アレイ
◎☆
キュロアさんを先行させ、わたしは少し後ろ方から付いて行ってバックアップだねー。すぐフォローできるよう付かず離れずな距離を保つよ。
トラップに引っ掛かるのも経験だよね!多少のダメージや怪我なら、あえて目を瞑るねー。どこにどんなトラップがあって、引っ掛かるとどう言う目にあるのか、身を持って感じてもらうのが、血気盛んな彼には必要だと思うんだ!
大きなダメージを受けそうだな、と【第六感】で感じ取ったら、彼の傍で【オーラ防御】を展開したり、【怪力】で罠を破壊したり、彼を【怪力】で抱えて【空中浮遊】したりと、彼を守るよー。
彼の持ち味の血気盛んさに、慎重さを身につければ、かなり優秀な前衛になると思うからね!



「それじゃあ、わたしは後ろでバックアップだねー?」
 ミラン・アレイ(ドラゴンガール・f29182)が確認するように言うと、ドラゴニアンの生徒、キュロアは両腕を上に曲げ、上腕二頭筋を強調して、自信満々に笑って返した。
「うん! 前は任せろー!」
 なんというか、一つ大人の階段を登った……みたいな、自信がみなぎっている。制服の新調か、別の理由か。
 ともかく分厚い体を更に強化するような制服に身を包むキュロアは、ミランと落ち着く時間を過ごしたにも関わらず、制服の完成とともに、またテンションが急上昇していた。
 といっても、採寸のときのほどではないので、ミランもそれで満足しきってダンジョン攻略がおざなりになるよりは、全然いいかなあ、とダンジョンへと踏み入れていた。
「ふっふー、可愛い女の子を守るおれ……」
(うーん、あと3歩くらい……?)
 勇んで進むキュロアの揺れるしっぽを見つめながら、ミランは彼の歩幅を素早く計算して、タイミングを図る。
 キュロアは、直前に引っかかった罠に似たような、壁に不自然なところがないかと探しながら、勇敢な感じで歩いていく。その時。
「大人になったおれは一あ、じっ!」
 がこん、と床が僅かに凹んだ瞬間に、剣を抜いたキュロアは、ミランへと腕を出して止まるように支持を出す。
「この……っ!」
 そういって切りかかっていく!
 何もない、壁へと。
「あがっ……!?」
(あー)
 心のなかでやっぱりこうなったかー、と首を傾げたミランの目の前で、案の定というか、壁に剣を弾かれ、腕に走った痛みにキュロアはうずくまる。
 多分、その拍子に、床から吹き出してキュロアの顔面にかかった幻惑の霧の影響も抜けたのだろう。
「大丈夫?」
「だ、いじょうぶ――!」
 駆け寄って蹲る彼に駆け寄って、痺れているらしい腕を擦りながら話しかける。はじめから罠の床だとわかっていたミランが一声かければいい話だったかもしれないけれども、回避しなければ行動に支障が出るようなものじゃなければ、特に助言はしないつもりでいた。
 体は丈夫なわけだし、ある程度痛みで学んでいくのもいいと思ったのだ。
「ううー、壁とか天井だけじゃなくて、床もかあ……、って定番ものじゃん!」
「あはは、床がスイッチにってのはよく聞くよねー」
「くう、恥ずかしい……よし、とりもどす!」
「うん、その調子!」
 凹んでいたのも束の間、すぐに元気を取り戻すキュロアにミランは頷いた。
 見栄っ張りなのと、あまり失敗を顧みないのが欠点のようだけれど、見栄を張るために必要なことなら失敗も真面目に考えてくれるらしい。
 自然と前に出て前衛を担ってくれるし、防御はやはり高い。
(慎重さを身につければ、かなり優秀な前衛になると思うからね!)
 そんな確信とともに、ミランとキュロアはダンジョンの奥へと進んでいくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ブリッツ・エレクトロダンス
☆さて、ここからが本番だぞ、っと。
見ての通り、呆れるほどに罠だらけだ。
まあ、罠については俺が解除できるからいいんだが…

ちょっとばかり面倒臭い事になったな。
このゲートをこじ開けるにあたってどうしてもアラームが鳴っちまう。
そうなると騒がしい連中が押し寄せてくる訳だが、俺はゲートをこじ開けつつアラームを止めるのに専念しなきゃならねえ。
そういう訳で、迎撃を頼めるか?ラント。


……
………よし!こっちは終わった。そっちは…上出来じゃないか。
そういうところ、頼れるぞ。
一人じゃどうしても手が届きにくい場面ってのはあるから、こうやって役割分担できるととってもいいんだ。



 ダンジョンというのは、やはり侵入者を撃退するという事が作成者側からの思考として、最初に挙げられる。
 だが、しかし、最終到達点を設定しているということはつまり、挑戦者が撃退されず最奥へと達することが可能であるという自己矛盾を孕む存在だ。
 つまるところ、ダンジョンというのは、製作者、もしくは、影響を与えた何者かの意思や無意識によって、その突破を著しく妨害するものでありながら、突破を不可能なようには作られない。
 まあ、元来防衛する誰か、もしくは何かの搬入や出入りにも使う場所なのだから、そういった抜け道というか正解ルートというのは存在してしかるべきものなわけで。
「つまりそういうことだ」
 ブリッツ・エレクトロダンス(★3:DJ.Blitz・f01017)は、閉じ込められた広場でそういった。
「……別の道を探ったほうが良かったんじゃあないのかい?」
 裸の付き合い(半強制)によって微妙な空気感を醸し出すラントが、冷や冷やとした視線が向けられた。
 背後に壁が左右から閉ざされた入り口。そして、目の前に蒸気魔導機関の扉。
「まあ、俺がコレこじ開けるから――」
「……ッ!?」
 と無造作な感じで、端末に紫電を走らせた途端に、アラームが鳴り響く。と同時に天井からボトボトとなにか球体のようなものが落ちて。
「騒がしい連中が押し寄せてくる訳だが、俺はゲートをこじ開けつつアラームを止めるのに専念しなきゃならねえ。迎撃頼めるか?」
 モゾモゾと四足二腕の機械人形が一斉に起動した。
「きみのそういう大事な事を先に言わないのはなんなんだッ!?」
「お前ならやれると信じてるからさ……、ラント」
 というのは嘘で、最初のナメた態度への意趣返しだ。いや、信じているのは嘘じゃないけれど。
「ぅ……、ふ、ふん……まあ、キミ如きに信じられようと、信じられまいとボクの矜持に瑕疵の一つ付きはしないけれどもね」
(ちょろーい)
 まあ、もしピンチなら飛び出す気ではあるけれど。

 ◇◇◇

 アラームが止まり、扉のロックが解除される。結局、ブリッツが迎撃に回ることはなかった。
「よし! こっちは終わった。そっちは……上出来じゃないか」
 振り返ると、肩で息をしながら、地面に刺したやりに体を預けるケットシーの姿。苦い顔でブリッツを睨んでいる。
「そういうところ、頼れるぞ」
「ああ、どうも」
「一人じゃどうしても手が届きにくい場面ってのはあるから、こうやって役割分担できるととってもいいんだ」
「はっ、こそ泥の真似事も役に立つということだね」
 ラントは自分で言っておいて、目を逸らしては心底嫌だというようにブリッツに続けた。
「……分かってるさ、言いたいことは。不意打ちでこういう罠に掛けられたら、ボク一人じゃあ延々戦い続けるしかない」
「そういうこったな、じゃあ行くか」
 荒療治が聞いているらしい。というか、こちらの話を聞かないとまた何か不遇を受けると、無意識に話を噛み砕いてくれている、らしい。
 それも成長か、とブリッツは開いた扉の向こうを親指で指し示した。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『ダンジョン罠うさぎ』

POW   :    ニンジンもぐもぐ
戦闘中に食べた【人参】の量と質に応じて【可愛さをアピールし】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    ヴォーパルスラッシュ
【多くの者の首を斬り落としてきた一撃】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    えげつない多段トラップ
【動きを拘束する罠】が命中した対象に対し、高威力高命中の【性格の悪さがにじみ出ているような罠】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 様々な罠を張り巡らせた巣と化した広場にウサギ達が寛いでいた。

「にんじんもくもく」
「にんじんおいしー!」
「にんじんもくもく」
「もくもくにんげんだー!」
「侵入者だー!」
「侵入者!」
「動きを止めた隙に殺せー」
「罠を踏んだ瞬間に首落とせー」
「にんじん美味しいー」
「にんげんはー?」
「美味しくないー!」
「よしころそー!」

 真っ赤な目に可愛らしい容姿。人の姿になったり兎の姿だったり様々な罠ウサギ達が、君たちに向けて襲いかかってきた。
 生徒と共に彼らを討伐し、成長の証としよう。

 ◇◇◇

 第三章
 生徒と一緒に罠ウサギを討伐してください。

 プレイングお待ちしています!
磯砂山・ガンテツ
リダ、前衛は任せたぜ?頼れる男って所を見せてくれよ。

リダに防御は任せて、補助に専念。UCで敵の動きを止めて、銛槍で潰していく。
可愛い相手だからって手を抜いてくれるなよ。だらしなく撫でてでもみれば次の瞬間、首と胴体がおさらばだ。

拘束の罠ね。リダを縛って楽しむのは俺だけで十分だろ? こんな時に何を言ってんだって?まんざらでもない顔してやがんじゃねえか。

罠はそれごと氷に閉じ込めて動かなくしてやるさ。好きに動けリダ。
コイツら程度にやられるわけ、ねえだろうが?

終わったらさっさと報告して、まずは飯。それから、縛り上げて、約束を履行してもらうとするか?

アドリブ歓迎



「リダ、前衛は任せたぜ?」
「は、はい……ッ」
 緊張の残る返事。
「頼れる男って所を見せてくれよ?」
 磯砂山・ガンテツ(海の男・f31739)は、罠ウサギに囲まれている状況に固まっているリダへと、からかうように声をかける。
 ぎり、と剣を手が強く握る。だがその緊張を解くのを奴らは待ってはくれない。
「くびーっ!」
 ガンテツは飛びかかってきた罠ウサギへと銛槍を構えた所へ。
「――ッ!」
 リダの斬撃が、罠ウサギを的確に切り裂いていた。
「ちゃんとできんじゃねえか」
「も、勿論!」
「可愛い相手だからって手を抜いてくれるなよ」
 防御をリダに任せることにしたガンテツは、水流を操りながらリダへと言う。
「だらしなく撫でてでもみれば次の瞬間、首と胴体がおさらばだ」
「大丈夫、それより罠の方を」
「おう」
 ガンテツは、今も罠ウサギが周囲にばらまいている、下手すれば足首を切断されそうな罠へと水流の槍を突き刺し、その先端を拘束具へと変化させて、その機能ごとに凍結する。
「はっ、縛って楽しむのは俺だけで十分だろ?」
「こ、こんな時になに言ってんですか!」
 罠ウサギの連続攻撃をどうにか捌きながらリダは叫び返してくる。
「まんざらでもない顔してやがんじゃねえか」
「もうー!」
 どうやら緊張は解けたらしい。本番で吹っ切れるタイプだったか。
「いい調子だ、好きに動け、リダ」
 俺がサポートしてやる。とウサギを攻撃しながら、小盾を振るうリダを補助するように水流を操る。
「コイツら程度にやられるわけ、ねえだろう?」
「……うん!」
 力強い返事。
 これは確かにコイツの自信になるだろう。と、ガンテツはそう感じるのだった。

 ◇◇◇

 そして目標達成の報告と腹ごしらえを終えたガンテツとリダは。
「……え、っと……が、ガンテツ、さん?」
 氷の拘束具でベッドに縛り付けられたリダは、腹に跨がるガンテツに恐る恐る問いかける。袖だけの服は脱ぎ捨て、下着一枚のガンテツが暗い室内でも分かる程に笑っている。
「何って、約束したろ?」
 ――責任、取らせてもらうまで帰してくれないんだろ?
 そんな言葉とともに、リダの新調した制服が、剥がされていく。
 もう少しマトモに、と強く言えない彼はやはりまだ引っ込み思案は直っていないのか、それとも――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ゴロウザエモン・サンモト
◎☆

第一印象よりも全然まともな先輩でございましたね…未熟者に寛容になれれば尚良しでございますが。


【第六感】と【早業】で敵の攻撃を【武器受け】、【カウンター】で敵の頭部を【部位破壊】。
首狙いを注意喚起しながら戦闘続行、敵【集団戦術】の粗を探し集団の動きを調整。先輩に敵が行き過ぎないようにしつつ程々の数で囲ませる。

その上で『援護します!』と叫び、手斧の【呪詛】で程々に敵の動きを鈍らせる。

これなら問題ないとは思いますが、何かしらピンチが起きたらUCの【範囲攻撃】で敵を一掃。

実力を抑えて試すような真似をしていたことを謝ります。

あの…私が悪かったので拗ねないで…先輩は尊敬に値するお人でございましたよ…?



「先輩! そちらへ!」
「分かってるさ!」
 ゴロウザエモン・サンモト(『魔王』山本五郎左衛門・f27245)は、自分を狙っていた罠ウサギの集団から飛び出していった一匹がクーリへと飛びかかっていくのを声で注意すれば、鋭い返事が即座に返る。
 と同時に首狩り包丁の刃と槍が火花を散らしてぶつかり合う。
(まだ増やしても大丈夫そうでしょうか?)
 頭を手戦斧へと換装した小槌を振るい罠ウサギの頭部を破壊しながら、ゴロウザエモンは苦戦する『フリ』をしながら先輩の戦闘を観察する。
 今クーリに飛びかかっている罠ウサギの数は、ゴロウザエモンが調整していた。
 連携の癖や粗を突いて、戦力を分散させれば難しいことではない。
 もし、読み違えてピンチになったなら、即座に助けに入れるよう準備もしているが。
(……流石、対応出来ないと悟れば引いて立て直し、上手くあらせられますね)
 それに周囲が見えている。こちらの相手している数も見ているようで、拙くも連携をとる姿勢があった。
 ゴロウザエモンは少し笑んで、連携に応えれば、罠ウサギの数は見る間に減っていくのだった。
 そして、取り逃しがないかと周囲の警戒を終えた時。クーリが徐に口を開いた。
「……君だけなら、どれくらいで片付いた?」
「えっと……、それはもう!」
「……」
 反射的に数倍はかかった等とへり下ろうとすれば、どうにも渋い面が帰って来た。どうにも、ゴロウザエモンの手を凝視している。
(……攻撃魔法の魔力を見抜かれましたでしょうか)
 それも最上級の魔法を五指其々に紡ぎ、即座に放てるようにしていた。気付かれていたとあらば、誤魔化せないだろう。
「申し訳ないでございます……実力を抑えて試すような真似をしていたことを謝ります」
 と誠心誠意、これは本心から謝ると。
「はあーー……」
 そんな深いため息をクーリは吐き出していた。
「あの……私が悪かったので拗ねないで……先輩は尊敬に値するお人でございましたよ……?」
「……」
 じろりと睨まれた。
「拗ねてない」
 口は尖っている。
 さて、ここで拗ねてますよねというべきか、不自然でもスルーするべきか。
 一瞬迷う間に、クーリがその口を開いて間を割ってくれた。
「君が実力を抑えてるのは、……まあ、途中から勘づいていたよ」
「流石、先輩でございますね! あー……今のは本当でして」
「分かってる、所詮僕が君を侮った事から間違いだったわけだ。……後輩を寄越すだなんて先生も意地の悪いことを考える」
「ええっと……」
 いや、むしろクーリを選んだのは自分だった、という言葉を呑み込む。なんか納得しているみたいだし、意地悪いと言いながらもどこか明るい表情をしているので、悪印象を浮かべたわけではないらしい。
「帰ろうか」

◇◇◇

 ――帰路。
「だが、やはり未熟者と馴れ合うつもりはないよ」
「……でございますか」
 第一印象より全然まとも。ではあるのだが、やはり第一印象、されど第一印象。
 少し改善はした気がするけれど、パーティーにも理解がいるだろうなと、再度思うゴロウザエモンであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミラン・アレイ
◎☆

さー実戦だよ!はりきっていこーね!

連携して戦うことを経験してもらおうかなーって思うよー。
キュロアさんと二人並んで立って、一体ずつ仕留めていくんだよ!

わたしが先行して雷霆剣に雷を纏わせての【属性攻撃】で怯ませた所で、キュロアさんに渾身の一撃を奮ってもらったり、
逆にキュロアさんに先制攻撃かけてもらってから、【薙ぎ払い】の連携を狙ったり、コンビネーションを色々と試してみるよ!

一人よりも二人!1足す1は3にも4にもなるんだよ!もしかしたらもっとかも!!



「さー実戦だよ、キュロアさん! はりきっていこーね!」
「うん、張り切ってくぞ!」
 やや、ややハイテンションな二人が罠ウサギ達と相対する。
 互いに剣を握り、並び立つ。キュロアはバスタードソード、ミランは細剣。剣とは言えどその機能は別物で。
「だから、役割分担してこーね!」
 飛びかかってきた罠ウサギの攻撃をかわすと、キュロアがすかさずそのウサギを剣の腹を叩きつけて吹き飛ばす。
 その隙にミランは、様子を伺う罠ウサギへと肉薄し、バチリと火花散る剣から走る雷電に彼らの動きを止める。
「そこだあッ!」
 その硬直を逃さず、キュロアの豪快な斬撃のフルスイングがウサギ達をまとめて吹き飛ばす!
「うん、いい感じ!」
「へっへー! どんどん行く――」
「じゃあ、一回下がってー」
 突っ込んでいきそうになったキュロアに声をかけて、罠ウサギから二歩ほどの距離を離す。
「うえっ? ……なんで?」
「慎重に、呼吸を合わせてこ?」
 キュロアの突貫にミランが合わせる形でも討伐はできそうではあるけれど、キュロアから連携の感覚を掴んでもらわないといけないし、その案は却下。
「一度リズムは切って、もう一度スタート合わせるよー」
「あー! なるほど、おっけー!」
 ミランの言葉に素直に頷いて、キュロアは罠ウサギの攻撃を捌きながら、飛び退く。
 互いに息を合わせ、今度はキュロアが先に前へ出る。
 大上段からの振り下ろし、一気に攻勢へと出たキュロアへと罠ウサギの意識が固まるその瞬間に、ミランが彼に群がろうとした罠ウサギを迅雷一閃――薙ぎ払う。
「うぁー」
「やられたーっ」
 となんとも可愛らしい悲鳴と共にポンポンと煙に包まれて消えていく罠ウサギ達を、次第に息を合わせる時間も少なく、連携を繋げていけるようになった二人が次々と撃破していく。
「なんだか、いつもより全然動きやすいよ!」
「でしょ? 一人よりも二人! 1足す1は3にも4にもなるんだよ!」
 背中をあわせて周りの罠ウサギを、一閃したミランは連携の大切さを実感してくれているらしいキュロアに、少し息を弾ませる。
「もしかしたらもっとかも!?」
「うん、すっごく分かる!」
 キュロアは疲労を見せながらもそれ以上の高揚が手にとるように分かる声でそう返し、罠ウサギの巣を掃討していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ブリッツ・エレクトロダンス
☆よしラント、一狩り行くぞ?
たかがウサギ、されどウサギ。
油断すれば首を跳ねられるから気をつけろよ。
俺が先行して引き付けるから、後は頼んだ。

(そう言うとブリッツは吶喊して罠うさぎに短機関銃で掃射を仕掛ける!
 だが迂闊だったか、隙を突かれて首を跳ねられ………あれ?切断面がなんか妙にワイヤーフレームっぽいような…
 否、これはブリッツではない!ブリッツが呼び出しておいたバーチャルアバター「1/1フルスクラッチブリッツ」、つまり偽物ブリッツである!)

奴らが混乱してる隙に一気に刺し込め、ラント!
(本物ブリッツは自動拳銃で援護射撃!)



「よしラント、一狩り行くぞ?」
 胡乱げなものを見る目で見てくるラントにブリッツ・エレクトロダンス(★3:DJ.Blitz・f01017)は声をかけた。
 巣に入る前に、ちゃんと作戦相談をしたのだけども、ラントが言い出すのを待っていたせいで、またぞろ黙って勝手に作戦を立てていた。と勘違いされたらしい。
 少し前なら「作戦? キミの愚策に乗る位なら一人で突っ込んだ方が生き残れるだろうさ」くらいは言っていただろうに。
「たかがウサギ、されどウサギ。油断すれば首を跳ねられるから気をつけろよ」
「分かっているさ、資料は頭にいれている」
「頼もしいことで、そんじゃ」
 ガチャン、とブリッツは短機関銃のセーフティを外し、構える。
「いくぞ、ォルルァアアアアッ!!!!」
 雄叫びと共に猛襲! 弾丸をばらまきながら罠ウサギの只中へと突っ込んでいく!
 ブリッツが放つ弾丸の嵐、近づけば瞬く間に蜂の巣にされてしまいそうな弾幕を気が狂ったかのように叫びながら張り続けるブリッツに、罠ウサギがどう対処するのか。
 動きが単調なので、体の小さい罠ウサギが普通に潜り抜けてその首をかき斬っていた。
「――」
 ラントが息を呑む。ブリッツの千切れた頭部が転がり、力の抜けた体が重力に従って崩れ落ちる。
「ころしたー!」
「ばっさりー!」
「んー?」
「どしたー?」
「どしたのー?」
「なんか、……てごたえが?」
「あれ? なんか断面、緑の線以外何も……?」
 そのリアルさに、息を止め、最悪の状況が頭に浮かんだ瞬間。
 ラントは、駆け出していた。
 ブリッツの死体なんて蹴飛ばす勢いで捨て置き、罠ウサギへと突貫!
「おま、お前ー! 俺の死体蹴っ飛ばしてんじゃねェー!」
 ついでに隠れていたブリッツが飛び出して短機関銃を拾ってはばら蒔いていく。

 そう! そこで調子のって突っ込んだ挙げ句あっさり首切られて死んだのはブリッツ、ではなく、ヴァーチャルアバター『1/1フルスクラッチブリッツ』だったのだ!

 獲物を狩ると一度わいわいと喜ぶ罠ウサギの習性を利用して生んだ隙に、ラントが一気に切り込んでいく。
「にせものー!」
「にせものがいるぞー!」
「いや、俺がホンモノだボケェ! 蹴散らせラント!」
「偽物のくせに指図しないでくれるかい?」
「ネコ助ァ!!」
「うあー!」
「やられたー!」
 微妙に緊張感のない戦いの末に、ブリッツとラントは罠ウサギの巣を壊滅させることに成功したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​


 アルダワ魔法学園、とある一室。
「転校生達に指導を受けた生徒たちは、どんどんと頭角を現してきているようだね」
「ええ、私も肩の荷が下りた思いです」
「そうかそれは良かった、では次の君の担当なんだがね――」
 安堵する教師は、しかし、その後に付け加えられた言葉に、笑みを凍りつかせた。
 渡された資料には、またしても問題生徒達の名前が並んでいて。
「うん、今回の件は君の提案のお蔭だと言っていいだろう、だからその手腕を買ってだね」
「いえ、その……」
 またしても、死、の文字が頭をよぎり、慌てて弁明する。
「じ、じつは私も、そろそろ教師も引退しようかな、なんて……」
「何を! 異動希望で、残留希望を出したばかりだろう――期待しているよ?」
 そんな抵抗は、やはり空しくも上司の笑い声に掻き消されるのだった。

最終結果:成功

完成日:2021年01月26日


挿絵イラスト