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怪物の群れで食い潰せ

#アポカリプスヘル #ヴォーテックス・シティ

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#アポカリプスヘル
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#ヴォーテックス・シティ


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 アポカリプスヘル――ヴォーテックス・シティ。髑髏と渦巻の紋章が掲げし、悪と狂気のキング・オブ・キングス「ヴォーテックス一族」が支配する超超巨大都市の一角に彼等は屯していた。

「おい、大丈夫なんだろうな?」
「当たり前だろ、ばーか」

 薄汚れた倉庫街の一角、そこで景気づけの宴――安物の合成酒と合成肉でだが――を行なっていたのは、ヴォーテックス一族直々の命によって行われる、大規模な「人間狩り」の一団だ。

「あの化け物達をけしかけて混乱している間に、オレたちは人間を狩る。楽な仕事よ」
「でもよぉ」
「心配性だな、そのためにアレだって貸し出されたんだろうがよ」

 そういって一団の一人が指差すのは、キャタピラがトゲトゲな通称残忍戦車だ。何台も並ぶその凶悪なマシンに、ニヤリと笑う。

「あれで人間をガンガン狩ってくりゃ、もっと美味い飯にだってありつけるぜ?」
「そ、そうかぁ?」
「そうに決まってらぁ! うら、みんなも景気づけをケチるな! ガンガン飲み食いしちまうぞ!」

 おお! と上がる勢いのある声。士気は上々だ。そんな宴が、欲望の都市の一角で騒がしく夜通し続けられた……。



「こいつらに人間狩りなどさせる訳にはいかんのぅ」

 ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は、そう厳しい眼差しで切り出した。

「今回、おぬしらに頼みたいのはアポカリプスヘルで行なわれようとしておる、人間狩りの阻止じゃ」

 ヴォーテックス・シティを支配するヴォーテックス一族直々の命で人間狩りに向かう一団は、まず景気づけの宴を開いて早朝に出かけようとしている。まずは、この人間狩り達が乗る何台もの残忍戦車にこちらで用意した爆弾をセット、まとめで爆破してほしい。

「レイダー、あの人間狩りの一団を装い、宴に潜り込めばいけるじゃろう。酒が回れば、見分けなどつかん。連中はその程度のヤツらよ」

 ただ、人間狩りに連れて行こうとする生物兵器がいる。それを確実に倒し、ヴォーテックスシティを脱出しなくてはならない。残忍戦車の爆破よりも、こっちの方が困難なのは間違いない。

「とにかく、人間狩りなどさせる訳にはいかん。連中が凶行を行なう前に止めてくれい」


波多野志郎
夜の宴に潜り込め! どうも、波多野志郎です。
今回はアポカリプスヘル、ヴォーテックスシティで人間狩りに向かおうとするレイダー一団と戦い止めてもらいます。

まずは夜の宴に潜り込み、爆破していただきます。爆弾に関しては、こちらから支給しますしご用意いただいても構いません。周りのレイダーに感づかれないよう宴に侵入、爆弾をセットして爆破できれば第一章終了となっております。

それでは、欲望の都市での戦いを存分とお楽しみくださいませ!
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第1章 冒険 『人狩りマシンに爆弾を』

POW   :    喧嘩騒ぎを起こすなどして注意をそらしている隙に、他の誰かに爆弾を仕掛けてもらう

SPD   :    レイダー達に見つからないように隠密行動を行い、秘密裏に爆弾を仕掛ける

WIZ   :    怪しまれないように他のレイダー達から情報を得て、効率的に爆弾を仕掛ける

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

秋津洲・瑞穂
【SPD】

きゅ?
(ちんまい仔ぎつねに変身中)

きゅ。
(明らかに誰かのペットと見えるペット服着用中)

きゅー。
(なお変身中の所持品は装備ごと消えるので爆弾も不可視)

きゅきゅ、きゅ。
(そしてテクテクと隠密行動。SPDのUCは持っていません。
 野生の勘10/ジャンプ20/ダッシュ20/トンネル掘り20で
 こっそり回避しつつ)

きゅーん?
(見付かった場合は誘惑10/礼儀作法10で躾の良いペット風味、
 ダンス20でウケを取る。手をつなぐ10で「お手」もできます。
 食べられたりもしないでしょうが、危なければ逃げ逃げ)

きゅ。
(まーいざとなれば強行突破も出来るから、割合にお気楽です。
 ……根が仔ぎつねだしね……)



●荒野の仔狐は、皮肉に思う

 薄汚れた倉庫街の一角、そこでは景気づけの宴が繰り広げられていた。飲み、食い、勢いをつける――そうでもしないとやっていけない、というのがレイダー達の本音でもあったのだろう。

「きゅ?」

 そんな倉庫の物陰に、その仔狐はいた。もしもレイダー達が気づけば、アレも食えるだろうと狩りでも始めただろうか?

「きゅ」

 あるいは、誰かのペットかと思ったかもしれない。なにせ、この仔狐はペット服姿だったからだ。

「がーはははは! 新入り君の、ちょっといいトコ見てみたい! ほーら――」
「きゅー」

 アルコールハラスメント、略してアルハラに熱中している一団の横を、夜闇に紛れて仔狐は駆けていく。荷物や瓦礫、そんな小さな隙間もスルスルと抜けられる――尻尾を揺らし、迷いなく移動する姿は野生の獣を知っていても訝しむ事はなかっただろう。

 いや、このアポカリプスヘルでは、野生の狐を見る機会などそうはないだろうが――。

「きゅきゅ、きゅ」
「お?」

 ふと、野太い声が頭上からした。それは宴の最中に、明日の人間狩りに使うために最後の用意を整えていたレイダーのものだった。仔狐はそれに気付くと、クルクルとその場で回って見せる。

「きゅーん?」
「へえ、賢いもんだ。誰かが連れてる賢い動物……って訳じゃないのか? それとも、小さすぎて喋れないのか?」

 仔狐にお手をされて、レイダーは握手するように応える。そして、支給されていた合成肉の干し肉を小さく千切り、仔狐に渡した。

「内緒だぞ?」
「きゅきゅ」
「よしよし」

 頭を下げる仔狐を、レイダーは笑って見送った。ガチャガチャと銃の手入れに戻るレイダーの背中を振り返り、仔狐――秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)は思う。

(「あの優しさを同じ人間に向けられないのね……」)

 あれが夜が明ければ人間狩りに向かう者の優しさだと思えば、生きるためとはいえあまりにも皮肉な光景だった。仔狐に変身した瑞穂は、改めて巨大な鉄の獣――残忍戦車を見上げた。

 ただただ、殺すために造られた兵器。その威圧感は、確かに凄まじい。仔狐からすれば見上げんばかりの存在だ。

「きゅ」
(「まーいざとなれば強行突破も出来るから、割合にお気楽ね……」)

 根が仔狐な瑞穂はそう割り切って、残忍戦車へと爆弾を仕掛けていった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

備傘・剱
此処にいる奴らは、覚悟してる奴、だよな?
狩る覚悟をしてるって事は、狩られる覚悟もしている奴、って事だよな?

ならば、狩られる覚悟、見せてもらおうか
鳥獣技、発動
兎に変身して、暗がりと影に紛れて、車に爆弾設置しまくってやろう
念動力を使えば、爆弾を持ち運ぶのには苦労しないだろうし、地形を利用すれば、見つかる事なく、設置できるだろうぜ

この姿でも、空中移動はできるからな
この体の色なら、暗闇に紛れて移動するも、見つかる事はそうないだろうな

さぁ、車にどんどん爆弾をつけちゃおうね
狩られる覚悟があるのなら、爆破されても覚悟してるのなら、慌てふためくこともないだろうからな、油断はできないぜ

アドリブ、好きにしてくれ


バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ・連携・絡みOK!
なるほど、話はわかりマシタ。人間狩りをするとは許せないレイダー共デース!

正面から爆破するならともかく秘密裡に仕込むのは得意ではないので、ワタシは連中の気を引きマース!

適当な首輪をつけて紛れ込み、度数ガン上げのアルコールを【奉仕】して回りマース。
ハーイ、グラスが空デスヨ。もっと、もっと! オニーサンのカッコイイトコ見てみたいデース!
ア、ワタシはまだ未成年なのでダメデス。ノー! ハラスメントはNGデース!
と、適当な頃合いに因縁を吹っ掛けてUC《ヴァリアブル・ウェポン》!
ガトリングガンを攻撃回数重視でバラ撒いて注目を集めマース!
さぁ、今のうちによろしくデス、皆さん!


セルマ・エンフィールド
【SPD】
……あまり聞きたい言葉ではありませんでしたね。
ですが、聞いてしまった以上は捨て置けません。

本来は狙撃中に身を潜めておくための技術ですが、そうでなくとも使うことはできます。
【狙撃待機】を使用、焦らずゆっくりと身を隠しながら戦車に爆弾を仕掛けていきます。

人間狩り、ですか。故郷を思い出しますね。
吸血鬼に命じられて、同じことをやっていた私に彼らを非道だと非難する資格はありません。
ですが、好き好んでやっていたわけでも、悔やんでいないわけでもない。
過去の罪は消えませんが……他所の世界とはいえ、それで消える命を救うくらいはさせてもらいます。



●お酌をドーゾ

 倉庫街の片隅、そこで行なわれている宴は盛り上がっていた。笑い声と活気、そこに暗さはない。明日、人の人生をいくつも狂わせようと言うのに――あるいは、狂わせるからこそ、彼等レイダーは影を嫌ったのかもしれない。

(「なるほど、話はわかりマシタ。人間狩りをするとは許せないレイダー共デース!)」)

 騒がしい宴の中にあって、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は笑顔のままで思う。

 正面から爆破するならともかく秘密裡に仕込むのは得意ではない、と。だから、バルタンは発想を転換させた。

(「なので、ワタシは連中の気を引きマース!」)

 サイボーグとしての歴戦兵である自分ではなく、家事代行サービスを趣味とするメイドである事を活かそうと考えたのだ。バルタンはいつものメイド服姿に適当な首輪をつけて紛れ込み、レイダー達にお酌していく。ただし、ただのお酒ではない。度数ガン上げのアルコールだ。

「ハーイ、グラスが空デスヨ。もっと、もっと! オニーサンのカッコイイトコ見てみたいデース!」
「おう、悪いな。ネーチャン!」

 景気づけだ、奴隷に給仕させるなんて上も気前がいいなー、ぐらいにしかレイダー達も思わない。酔った頭など、その程度である。

 レイダー達は、その悪酔い確実のアルコールを水でも飲むかのように、飲み干していく。いや、こんな機会は早々ないのだ。質より量、実物よりも空気に酔っている感が強かった。

「おう、ネーチャンもどーよ? 美味いぜ、こいつぁ!」
「ア、ワタシはまだ未成年なのでダメデス。ノー! ハラスメントはNGデース!」

 笑顔のまま、バルタンは内蔵式ウェポンラックから内蔵式ガトリングガンを抜く。サイボーグのバルタンのヴァリアブル・ウェポンだ。まるで手品のような見事さで抜かれた。

「あっははっははっ! すごいな、ネーチャン!」
「ハハハハッ、デショウ?」

 バララララララララララララララララララ! とサーヴィスとばかり巻かれた銃弾で、絡んだレイダーがタップダンスを踊る。撃たれた方は酔いが覚める想いだが、周囲はただの余興としか思っていない。口笛と拍手で、喝采を送った。

(「さぁ、今のうちによろしくデス、皆さん!」)

 そんな事を思いながら、バルタンは銃弾の奉仕を加速させた。

●因果は廻る

 馬鹿騒ぎを聞きながら、黒い兎が残忍戦車の間を跳ねていく。

(「此処にいる奴らは、覚悟してる奴、だよな? 狩る覚悟をしてるって事は、狩られる覚悟もしている奴、って事だよな?」)

 ならば、狩られる覚悟、見せてもらおうか――鳥獣技(メタモルモーフ)で兎に変身した備傘・剱(絶路・f01759)は、物陰へとその小さな身を滑り込ませた。

(「さぁ、車にどんどん爆弾をつけちゃおうね。狩られる覚悟があるのなら、爆破されても覚悟してるのなら、慌てふためくこともないだろうからな、油断はできないぜ」)

 音もなく黒兎の周囲に続くのは、念動力で浮かぶ爆弾だ。本来なら手が入らないような場所でも、念動力を使えば簡単に仕掛けられる。剱はその小さな体で残忍戦車の下に潜り込むと、機械の隙間に爆弾を埋め込むように仕込んでいった。

 それと同じように気配を殺して夜闇に紛れる者がいた――セルマ・エンフィールド(絶対零度の射手・f06556)だ。

(「……あまり聞きたい言葉ではありませんでしたね。ですが、聞いてしまった以上は捨て置けません」)

 人間狩り、それはセルマにとっては苦い記憶を思い出させる言葉だ。

(「人間狩り、ですか。故郷を思い出しますね。吸血鬼に命じられて、同じことをやっていた私に彼らを非道だと非難する資格はありません」)

 ダークセイヴァーの吸血鬼に支配された街で生まれ育ったセルマにとって、それは選択肢のない悪行だった。だが、だからこそレイダー達の笑い声は胸の内をざわつかせる。

(「ですが、好き好んでやっていたわけでも、悔やんでいないわけでもない」)

 自分が助かるために、誰かを犠牲にする。それはただの逃避であり、連鎖を生むだけの惨劇に過ぎない。今、猟兵として活動するようになって、セルマはそれを強く感じていた。

 レイダー達に、その嫌悪はあるのだろうか? その笑い声からは、少なくとも感じなかった。

「――――」

 狙撃手として気配を殺し、丁寧に一つ一つ爆弾を仕掛けていく――セルマは、二つの小さな影が並ぶ残忍戦車から離れていくのを確認した。

 それに小さなうなずきを一つ、セルマも爆弾を仕掛け終わりその場を離れる。廃倉庫の影に隠れ、深呼吸――セルマは手元のスイッチに親指をかけた。

「過去の罪は消えませんが……他所の世界とはいえ、それで消える命を救うくらいはさせてもらいます」

 カチ、というスイッチを押す音が、爆音に飲み込まれた。まるで突然生まれた夕暮れのように、周囲が赤黒く染まっていく。一斉に起爆した爆弾が、残忍戦車の燃料に引火――連続して爆炎が、鉄の獣達を覆い尽くしていった。

 セルマは、その自分達が行なった結果を真っ直ぐに見詰める。その頭上では、耳を翼のように羽ばたかせた黒兎――剱の姿があった。

(「汚い花火だが、お似合いだな」)

 酔いが一気に覚めたという騒動の中に放り込まれたレイダー達を、剱は無感動に見下ろしていた。人の人生を狂わせようとしたのだ、ならば自分がその立場になっても誰にも同情などされない――因果が廻り、ただ返って来ただけの事だ。

 そして、その爆発もまたただの始まりに過ぎない。ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……、と低い地響きが、不意に周囲に響いた。その音に、慌てていたレイダー達も冷水をかけられたようにピタリと動きを止めた。

 レイダー達の表情が、驚きから絶望へと塗り潰されていく。彼らには、この音の意味がすぐに理解できたからだ。

「これは――」

 セルマが音のした方を、振り返る。それと同時、倉庫の壁が破壊音と共に吹き飛び――ソレが、倉庫の屋根を砕きながら姿を現した……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ティラノシャーク・レックス』

POW   :    底無き暴食の王
【サメと恐竜の捕食衝動】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD   :    群れを統べる王
召喚したレベル×1体の【ティラノシャーク】に【もう一つの頭部】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
WIZ   :    サメと恐竜の王
【空飛ぶ殺神ザメや暴食恐竜の群れ】を降らせる事で、戦場全体が【捕食者を頂点とする大怪獣世界】と同じ環境に変化する。[捕食者を頂点とする大怪獣世界]に適応した者の行動成功率が上昇する。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ミーア・オセットです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●陸と海の暴君

『シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』
「逃げろ逃げろ逃げろ! 怒ってる時のそいつは食う相手を選ばんぞ!?」

 レイダー達は、蜘蛛の子を散らすように逃げていく。倉庫を破壊して現れたソレ――ティラノシャーク・レックスは、ただただ不機嫌だった。

 理由は一つ、安眠を妨害されたからだ。人間狩りの猟犬としては過剰戦力のソレは、文字通り陸と海の暴君の合わせ子だ。爆炎に照らされながら、残忍戦車の残骸を踏み砕いて吼えた。

『シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 この怒りを、どこにぶつけてくれようか? ティラノシャーク・レックスは、視線を巡らせる。ただ、目の前にいない本来の飼い主にぶつける事はしない――ならば、外にぶつけるべきだろう。

 ティラノシャーク・レックスは、ゆっくりと歩き始める。人間狩りから人食いへ――皮肉な事に、この暴君は止めるべき障害であり続けた……。
備傘・剱
おー、流石にでかいな
それに、食欲も旺盛、と

つまりは、そういう事だな
こいつは、食う覚悟をしてる、という事は、食われる覚悟も完了しているわけだ
では、両手を合わせて、ご唱和ください
頂きます、と言うわけで、そこの蜥蜴、肉おいてけ!

調理開始、発動、まずは、衝撃波、誘導弾、呪殺弾で動きをけん制しつつ、ワイヤーワークス投擲して、体を縛り、結界術で動きを封じよう
早業と鎧無視攻撃と鎧砕きと料理を合わせて、まずは足や、牙、爪を抜いてしまおうか
あ、尻尾は切り落としてちゃんと後で捌けるようにしておくぞ
オーラ防御も使って、衛生的に、安全に捌いていこうね

さぁ、捕食される気分って、どうかな?

アドリブ、絡み、好きにしてくれ



●覚悟とは――

『シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 倉庫の中を破壊しながら、ティラノシャーク・レックスは荒れ狂う。ティラノレックスとシャークの獰猛な捕食者(プレデター)の本能を受け継ぐその存在を、ワイヤーで崩れかけの倉庫の屋根に飛び乗った備傘・剱(絶路・f01759)が、見下ろした。

「おー、流石にでかいな。それに、食欲も旺盛、と」

 顎を手でさすり、剱は考え込む。ギロリ、とその真紅の瞳に見られても、剱の表情は変わらない。ポン、と手を打って、剱は得心を得た。

「つまりは、そういう事だな。こいつは、食う覚悟をしてる、という事は、食われる覚悟も完了しているわけだ」

 ニヤリ、と口元を笑みの形にして、剱は胸の前でパンと手を合わせる。

「では、両手を合わせて、ご唱和ください。頂きます、と言うわけで、そこの蜥蜴、肉おいてけ!」
『シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 空飛ぶ殺神ザメや暴食恐竜の群れが、剱へと降ってくる。それを、剱はOrthrusを振るって応えた。ズサン! と三枚におろされる殺神ザメ、それごと押し潰すようにティラノシャーク・レックスの尾が剱を襲った。

 ドォ! と壊れていた倉庫の屋根が、更に吹き飛ぶ。宙を舞って落下していく屋根を見送って、剱はワイヤーワークスを投擲した。ギュガ! とティラノシャーク・レックスの体にワイヤーが巻き付き、剱は即座に結界術を展開する。

 動きを封じられる、そうなる前に体からティラノシャークの顔が生え、ワイヤーを食い千切ろうとする。緩んだ瞬間、短い前足でティラノシャーク・レックスはワイヤーを引っ張った。

「オブリ飯の神髄見せてやるぜ。調理開始、だ」

 引っ張られるまま、剱は逆らわない。迫る剱を、ティラノシャーク・レックスは尾の一撃で迎え撃った。

『シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?』

 だが、その尾が大きく吹き飛んだ。オーラを宿したOrthrusが尾を断ち切ったのだ。その尾をワイヤーで回収、確保しながら剱は告げた。

「さぁ、捕食される気分って、どうかな?」
『シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 返ってきたのは、怒りだ。剱へと膨大な数のティラノシャークを召喚、ティラノシャーク・レックスは消しかけていく。

「これは大漁だ」

 ワイヤーを足場に展開し、剱は駆ける。そのまま、ティラノシャークの群れを調理しようと突撃した……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)


緋月・透乃(サポート)
『今日も元気に食べて楽しく戦おうね!』
 人間で22歳の女性です。
いつも元気で、強敵との戦闘、食べる、スリルを味わうことを好みます。

基本的に自分の楽しみのために行動し、敵味方問わず他人の心情等には配慮しません。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用します。
戦闘では真っ正面からの突撃を好み、負傷は気合いで耐えれば良いと考えています。
戦闘以外のことも大体気合いと力でなんとかしようとします。
脳筋です。

武器は主に『重戦斧【緋月】』を使用しますが、他の武器の方が有効そうならそちらを使用することもあります。

クロムキャバリアでも生身で戦います。

不明な点はおまかせします。よろしくお願いします。



●空飛ぶ殺神ザメや暴食恐竜の群れ

「うあああああああああああああああああああああああ!?」

レイダー達は、逃げ惑っていた。ティラノシャーク・レックスは、しっかりと調教を受けている――「残忍戦車に乗っていないモノを襲い、喰らえ」と。

 ティラノシャーク・レックスはその制限をしっかりと守っていた。問題は、その残忍戦車が完全に爆破されて無くなってしまった事。レイダー達は、乗っていないモノに含まれる事になってしまった事だ。

「ひぃ!?」

 アサルトライルフのフルオートで、迫る殺神ザメをレイダーが撃ち殺そうとする。しかし、召喚されたソレでさえ銃弾に耐え抜くのだ。銃弾を受けながら牙を剥くサメ、それを一条の熱光線が撃ち抜いた。

「……は?」
「ほら、邪魔だからとっととどきな」

 そう言って古めのハンドガン、ブラスターを構えて現れたのはグレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)だった。

「ははは、こんな年寄りに何をビビッてんだい」

 空飛ぶ殺神ザメや暴食恐竜の群れが警戒して殺意を向けてくるのを、グレナディンは笑い飛ばす。獣の純粋な殺意さえそよ風のように受け流し、グレナディンは赤く輝くフォースセイバーを構えた。

「ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?」

 言うのと同時、グレナディンが前へ出た。恐竜がその牙で食らいつこうとするのを横ステップで回避、逆手に構えたフォースセイバーを押し付け薙ぎ払う。ヒュガ! と断ち切られた恐竜の体がズレて、ドスン……! と地面に転がった。

『グルァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 そこへ暴走恐竜達が、押し潰さん勢いで飛びかかる。その更に上を取って現れたのは緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)だ。

「よいしょっと!」

 透乃は軽い掛け声に反して、重量級の重戦斧【緋月】を大上段に振り下ろす! ガゴォ! と鱗と肉、骨さえも叩き切り透乃は胸を揺らして着地した。

「えーと、真っ直ぐに行ってどかーんってやればいいんだよね?」
「ま、それで問題ないね」

 振り返って問いかける透乃に、グレナディンはあっさりと答える。レイダー達は「ひ、ひぃ!?」と悲鳴を上げて逃げ出した……サメや恐竜達の時より、必死な表情で。

 それを追うように空を泳ぐ殺神ザメの群れに、グレナディンはブラスターの銃口を向ける。

「こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ」

 ドン! と撃ち込まれたオーラの塊、理力榴弾(フォース・グレネーダー)が殺神ザメの群れの中心で爆発する。直撃ではない、だがその爆風と衝撃は殺神ザメを吹き飛ばし――。

「いっぱつでぶっこわーす! 緋迅滅錘衝!!」

 そして、吹き飛ばされた殺神ザメ達を透乃は左腕で振るった重戦斧【緋月】が両断……いや、斬り砕く! ミンチとなった肉が、バラバラと小雨のように降り注いだ。

「このサメとか恐竜とか、お肉美味しいのかな?」
「さてね、酒のつまみぐらいにはなりそうだけど」

 透乃の疑問に、近場に落ちていた合成酒の酒瓶を拾ってグレナディンは笑う。獲物はたくさんいる、試すのも悪くないだろう――女傑二人は、この肉食獣の群れの中を楽しげに進み始めた……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ・連携・絡みOK!

このまま暴れる肉食獣を放置するわけには参りマセーン! ワタシたちが相手になりマース!

試しに開幕【先制攻撃】、ガトリングやアームドフォードで銃撃してみマース!
ただ、この大きさだとメイビー掠り傷デスネー……まあ気を引けるならOKデース!
鮫ドラゴンの攻撃を避けたりファルシオンで【受け流し】たりしながら接近して、顔面目掛けて内蔵式火炎放射器で【焼却】しマース!
上手く視覚嗅覚を害せたならば、その隙にファルシオンを納刀してUC《鉄拳制裁》!
その鼻っ面に一撃叩き込んで【吹き飛ばし】てあげマース!

その後は余力があれば、他の方々のカバーやアシストに回るでありますかな?


秋津洲・瑞穂
(ぽん(ヒト型に戻って)怪獣映画だわねー。

お肉大好き仔ぎつねとしては、捕食者が頂点になっても
あまり違和感がないというか、元々そうだとも思うけれど。

でも、一つだけ異を唱えさせてもらうわね。
「捕食者の頂点たるは、全てを飲み込む災害よ。竜ではないわ」

神獣刀で身を護りつつ、[2回攻撃][鎧無視攻撃]の狐火x188を飛ばす。
小さい相手は[串刺し]貫通させて次の標的も狙いましょう。
逃げ遅れたレイダーがいたら、ついでに援護射撃もしてあげる。

「――どんな獣も大火災には抗し得ない」

ボス竜までの回廊が開けたら集中攻撃。
鎧無視の串刺しで一斉に食い込ませ、
「爆ぜなさい!」
皮が固ければ固いほど、内からの爆発には弱いわ。


セルマ・エンフィールド
こんなものをどうやって飼いならしていたのか……遅かれ早かれ、あのレイダー達も餌食になっていたような気がしますね。

怪獣が闊歩する捕食者の世界……普段と何も変わりませんね。
捕食者が怪獣か吸血鬼かは違いますが、それに抗うことと生きることは私にとって同義です。

【ワームズターン】を使用、両手にデリンジャーを持ち、殺神ザメや暴食恐竜の群れを氷の弾丸で撃ち抜き倒しながらティラノシャーク・レックスに接敵します。

敵の牙や爪を『見切り』、体格差を活かして懐に潜り込んだら「フィンブルヴェト」の銃剣で『串刺し』にし、氷の弾丸の『零距離射撃』を撃ち込みます。



●捕食者へ挑む者達

 倉庫の壁を打ち砕き、ティラノシャーク・レックスが外へと抜け出す。それはフォルムと巨大さに相まってまさに怪獣映画の1シーンだった。

「うん、怪獣映画だわねー」

 ぽん、と人の姿に戻って秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)はしみじみとこぼす。ただ、問題は目の前の光景がスクリーン越しのフィクションではなく現実だと言う事だ。

「こんなものをどうやって飼いならしていたのか……遅かれ早かれ、あのレイダー達も餌食になっていたような気がしますね」

 セルマ・エンフィールド(絶対零度の射手・f06556)もスコープ越しにティラノシャーク・レックスを観察し、呟く。

「怪獣が闊歩する捕食者の世界……普段と何も変わりませんね。捕食者が怪獣か吸血鬼かは違いますが、それに抗うことと生きることは私にとって同義です」

 オブリビオンでなくとも、世界は弱肉強食に満ちている――それでも生きていくのが、命だ。

『シャアア…………』

 ふと、ティラノシャーク・レックスが動きを止める。その巨体の前に立ち塞がった者がいた――バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)だ。

「このまま暴れる肉食獣を放置するわけには参りマセーン! ワタシたちが相手になりマース!」

宣言と同時、ガチャガチャガチャガチャ! とガトリングやアームドフォードを展開したバルタンは、一斉に掃射した。

 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ! とノズルフラッシュが、視界に焼き付く。バルタンの一斉掃射は確かにティラノシャーク・レックスへと届くが、その銃弾と砲弾の豪雨を捕食者はものともしない!

「この大きさだとメイビー掠り傷デスネー……まあ気を引けるならOKデース!」

 振り回される尾、薙ぎ払いの一撃をバルタンは跳躍して回避。ゴォ! と通り過ぎる尾が近くの倉庫を一撃で崩す横で、瑞穂が跳んだ。

「お肉大好き仔ぎつねとしては、捕食者が頂点になってもあまり違和感がないというか、元々そうだとも思うけれど――でも、一つだけ異を唱えさせてもらうわ」

 カチャ、と背の神獣刀を抜き、瑞穂は鋭く言い放った。

「捕食者の頂点たるは、全てを飲み込む災害よ。竜ではないわ」
『シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 ヒュオ! と殺神ザメの群れが、瑞穂へと群がっていく。しかし、そのサメは空中で炎に穿たれ、ことごとく焼き落とされていった。

「――どんな獣も大火災には抗し得ない」

 ドドドドドドドドドドド! と円錐状となった大量の狐火がティラノシャーク・レックスに突き刺さる。だが、ティラノシャーク・レックスは止まらない。その巨体を活かし、配下を引き連れ突撃した。

「大きいというのはそれだけで強さですが……戦いはそれだけで決まるものでもありません」

 スカートの中から二丁のデリンジャーを抜いたセルマが、素早く暴食恐竜の群れへと駆ける。牙が、爪が、尾が、セルマへ迫るがそれを紙一重で見切り、かわしていった。攻撃を掻い潜れば、死角へと潜り込める――ワームズターンによって巨体への特攻を得たセルマは次々に氷の弾丸で暴走恐竜を撃ち砕いていった。

●捕食者VS対抗者

 夜の廃倉庫街に、激しい戦闘音が鳴り響く。その中心にいるのは、ティラノシャーク・レックス。陸と海の暴君の合いの子、強欲の捕食者だ。

『シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 それを中心に溢れ出すティラノシャークの群れは、ただ怒涛のごとく荒れ狂う。それをバルタンは壊れた倉庫の壁を足場にかけて、内蔵式火炎放射器を展開して焼き払っていった。

「今デース!」
「任せて」

 バルタンがファルシオン風サムライソードを振るい殺神ザメを受け流し、瑞穂が答えた。炎の中へ、瑞穂とセルマが背中合わせで迷わず踏み込み――ロンドを舞うように、二人同時に回転した。近場のティラノシャークを瑞穂の神獣刀が切り飛ばし、遠くの敵をセルマのデリンジャーによる氷の弾丸が穿っていく!

 まさに、バレットダンスだ。彼らはティラノシャーク・レックスが生み出す群れを焼き払い、切り飛ばし、撃ち抜きながら弛まず前進する。

「くそ、くそくそ! 化け物達が!」

 逃げるレイダーは、その光景を見てそう言った。味方であれば、猟兵達のその戦いも心強かったかもしれない。ティラノシャーク・レックスの暴虐さえも、笑って見れたかもしれない。

 だが、どうだ? アレが自分達に向けられると思った瞬間、おぞましい暴力のぶつかり合いにしか見えなかった――化け物、そう呼ぶしかない程に。

「――っ!?」

 その時、一体の暴走恐竜がレイダーへと牙を向けた。カチカチ、と空になったアサルトライフルの引き金をレイダーは狂ったように引き続ける。既に弾は撃ち尽くしている……その事に頭が回らないほど、恐慌に陥っていたのだ。

 ――だが、その暴走恐竜の牙がレイダーに届く事はなかった。瑞穂の狐火が、暴走恐竜の頭部を消し飛ばしたからだ。

「とっとと逃げなさい」
「……っ」

 レイダーは息を飲み、武器を捨てて一目散に走り出した。瑞穂はそれを一瞥もしない。ただ、ついに目の前が開けティラノシャーク・レックスへと道が出来た事を確認するだけだ。

「――!」

 ヒュガガガガガガガガガガガガガン! とすかさず瑞穂は狐火をティラノシャーク・レックスへと撃ち込んでいく。多くがその体表を削るだけで終わった、しかし――少なくない狐火が、皮膚を穿ち肉まで届いた。

「爆ぜなさい!」

 ズドン! と一つの大きな爆発音となって、突き刺さった狐火が一斉に破裂した。外皮は強くとも、生物である限り肉の内側まで炎に強い事はありえない――そう読んでの、瑞穂の渾身の一撃だ。

『ギ、ガ、ガ、ア、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 苦痛に叫びながら、それでもティラノシャーク・レックスは前へと出た。それは慣れない痛みからの暴走か、あるいは捕食者としての意地か……その両方か。

 赤い瞳の軌跡を夜闇に刻みながら、高速でティラノシャーク・レックスがその口を開けた。飢えのまま喰らい尽くす、その本能の一噛みはただ素早く獰猛だ。

 だが、それを許さない者がいた――バルタンだ。

「六式武装展開、鉄の番!」

 ジャラン! と換装式チェインハンマーを豪快に振るい、バルタンはティラノシャーク・レックスの鼻っ柱へカウンター気味に叩き込む! ティラノシャーク・レックスの巨体がのけぞり、地面から足が引き剥がされる――あまりの強打に浮かされたのだ、この質量差で。

 のけぞった先――夜空に、一つの影をティラノシャーク・レックスは見つけた。フィンブルヴェトを手に跳んだセルマが、銃剣「アルマス」を捕食者の顔へと突き立て――降り立つ。

 そして、セルマはすかさず引き金を引いた。零距離で放たれた氷の弾丸はティラノシャーク・レックスの頭蓋骨を撃ち抜き、その小さな脳を破壊した。

『シャ、ア、ア? ア、アアア、ア……』

 一歩、ニ歩、三歩、と地面に降り立ったティラノシャーク・レックスは歩を進めた。もはや、脳の指令ではなく肉体に刻まれた本能だけで動き……やがて、自身の終わりを理解したのか、地面へと崩れるようにその巨体を横たえた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『グラトニーアント』

POW   :    異常発達した大アゴ
【鉄筋コンクリートをも噛み砕く大アゴ】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    超濃縮蟻酸
【頭】を向けた対象に、【体内で作り出された蟻酸を吐きつける事】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    巨大アリの大軍
【フェロモンを周囲に撒き散らす事で仲間たち】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●暴食の群れが、目を覚ます

 ――その廃倉庫が放置されているのには、一つの理由がある。それは、このヴォーテックス・シティを支配する一族の者が、ある生き物を『飼育』する場として使っているからだ。

『……ギチギチ』

 大地を揺るがす轟音と共に、『ソレら』は目を覚ます。地上であれほどの気配を放っていた捕食者の気配が消えた事に気付いたのだ。

『ギチギチ……!』

 そして、『ソレら』は動き出す。捕食者が倒れた死んだ、ならばその屍を喰らってやろう、と。その思考は、一瞬にして同族の群れに共通思考となった。

 そう、『ソレら』――グラトニーアントの群れが、動き出す。廃倉庫街の地下、素としている下水道から地上へと。

 暴食の蟻は、目につくものすべてを食い荒らす。敵味方の区別など無い、その標的はもちろんこのヴォーテックス・シティを脱出しようとしている猟兵達も含まれていた……。
備傘・剱
人の狩った獲物を横取りしよう、ってか?
自然界じゃ、当然だわな
なら、その習わしに従ってやろうじゃないか

まずは、確保した肉に結界術を張り、近づいたら神罰が下る様にしておくぞ
そして、一足りないを設置して、近づく敵の迎撃を命じる

そして、俺は青龍撃、発動!
高速で動いて、誘導弾、衝撃波、呪殺弾、ブレス攻撃で弱らせ、接近してきた奴を鎧無視攻撃をつけた爪で切り裂いてやる
オーラ防御を前面に展開して思いっきり体当たりしてやれば、吹き飛ばす事位もできるだろうぜ

群れで寄ってたかって奪うのはいい手だな
それが通じる相手なら、なおさらだぜ
俺には、通じないが、な

所でよ、この蟻も食えるんだろうか…

アドリブ、絡み、好きにしてくれ



●蟻地獄を抜けて

 地響きの正体は、アスファルトさえクッキーのように砕くグラトニーアントの群れだった。それを瓦礫の上から見下ろし、備傘・剱(絶路・f01759)はこぼす。

「人の狩った獲物を横取りしよう、ってか?」

自分達が倒した恐竜や殺神ザメの死骸を喰らっていくグラトニーアントに、剱は言い捨てた。

「自然界じゃ、当然だわな。なら、その習わしに従ってやろうじゃないか」
『ギチギチ……!』

 死骸だけで飽き足らず、すぐにグラトニーアントの群れは生きている者――剱にも狙いを定めた。満たされぬ飢えに突き動かされるように襲いかかってくるグラトニーアント達に、剱はすぐさま結界術を展開した。

『ギチ――!?』
「排除しろ」
 バチン! と結界に触れた巨大蟻が、弾かれていく。結界による神罰は、侵入者を許さない――そして、吹き飛ばされたグラトニーアントを剱の命を受けた妖怪一足りないが、ダイスで止めを刺していく。

「天よ、祝え! 青龍、ここに降臨せり! 踊り奏でよ、爪牙、嵐の如く!」

 ぞぶり、と空気中の水分が剱に青龍の牙と爪を与えていく。瓦礫の足場を蹴った剱は、そのまま青龍撃(バレットスピーディング)による高速起動でグラトニーアントの群れへと突っ込んだ。

『ギ――』

 反射的に酸を放とうとするグラトニーアントへ、剱は爪を振るい衝撃波を繰り出して弾く。ジュア! と酸を浴びせ返されたグラトニーアントへと、すぐさま剱は高圧の水弾を放ち破壊した。

「群れで寄ってたかって奪うのはいい手だな、それが通じる相手なら、なおさらだぜ――」

 次の瞬間、グラトニーアントの群れが一斉に襲いかかってくる。津波が如く迫る巨大蟻の群れへ、剱は構わずブレスにより一撃を天へと放ち――その衝撃で一気に吹き飛ばした。

「俺には、通じないが、な」

 そして、剱は構わず走り出した。一直線へ、前へ――飢えた巨大蟻の群れを真っ向から打ち砕き『道』を作るそのために。

「所でよ、この蟻も食えるんだろうか……」

 オーラの障壁で押し返しながら、剱はこぼす。その疑問を解消しよう、とは少なくとも今は思えなかった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋津洲・瑞穂
アリだー!……って何の冗談だったかしら。

数を減らしておいた方がいいだろうけど。
一遍に出ては来ないから時間も掛かる、不測の事態だって起きる。
敵地でそれはよろしくない。

とはいえ、抵抗力のない住人ばかりが餌食になるのもちょっとね。
ここはアリさんの技を逆利用させてもらいましょう。

狐火で退路を拓きながらジャンプ20/ダッシュ20で逃走。
ときおり人気のない場所で多めに斃して仲間を呼ばせる。
それを要所要所で繰り返して、アリさんの群れを誘引していくわ。
もちろん都度消火して、火事にはさせないわよ。

シティから離れて横槍の危険がなくなれば、狐火のなぎ払い20で
消し飛ばして逃げる。山火事くらいは許容してもらいましょ。


バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ・連携・絡みOK!

「フー」文字通り一息つきまして、「これでフィニッシュ! お疲れ様デース!」

ティラノシャークを倒して安心……というのも束の間で、アリ!? ヤベー連中が出てきマシタヨ!?
余力とか温存とか言ってられマセーン!
UC《フルバースト・マキシマム》! 内蔵兵器も換装武器も片っ端から【一斉発射】!
速射連射掃射デェェェス!!

遠いならガトリングガンやグレネードランチャー!
近づかれたらチェインハンマーやパイルバンカー!
逃げ遅れた人がいれば【救助活動】して、早く逃げてハリーハリー!
ここがイェーガーの、ブリンガーのガッツの見せ所であります!
現状打破するまで、全力でファイトでありマース!


セルマ・エンフィールド
レイダーにもう戦力は残っていないでしょうし、これで終わり……ではないようですね。

この大きさの蟻の群れ、維持するには相当数の食糧が必要なはずですが……まさか、人間狩りというのは……

……奴隷として働かせることもあるそうですし、実際のところは分かりませんが、そうであるならば。
一匹たりとも生かして残しません。

【炎氷殺界】を使用、身に纏う熱気と冷気、両手の「フィンブルヴェト」と「ラグナロク」による氷の弾丸と炎の弾丸の『乱れ撃ち』による『弾幕』で接近を許さず仕留めます。
鉄筋コンクリートをも噛み砕く大アゴも、近寄れなければなんの脅威でもありません。

隠れた者も身に染み込んだ『スナイパー』の技術で逃しません。



●悪食の軍勢

 ――時は、しばし巻き戻る。

「フー」

 文字通り一息ついて、ティラノシャーク・レックスが倒れたのを見届けてバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は仲間達を振り返った。

「これでフィニッシュ! お疲れ様デース!」

 その時だ、廃倉庫街を揺るがして巨大蟻が大量に這い上がってきたのは。

「アリ!? ヤベー連中が出てきマシタヨ!?」
「アリだー! ……って何の冗談だったかしら」

 秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)は言いながら、小首を傾げた――なかなかに余裕がある。ちなみにその元ネタである某RPGでも脈略もなく唐突に現れた巨大蟻の群れに村が襲われるのだが。

「レイダーにもう戦力は残っていないでしょうが、これで終わり……ではないようですね」

 セルマも改めてフィンブルヴェトとラグナロクを構えた。グラトニーアントが倒れた恐竜やサメの肉を食らう姿に、セルマは思う。

(「この大きさの蟻の群れ、維持するには相当数の食糧が必要なはずですが……まさか、人間狩りというのは……」)

 脳裏をよぎったのは、最悪の答えだ。それをセルマはすぐに振り切り、眼前に意識を戻す。

「……奴隷として働かせることもあるそうですし、実際のところは分かりませんが、そうであるならば……一匹たりとも生かして残しません」

 ――その時だ、倉庫街の奥から衝撃が駆け抜け、グラトニーアント達を粉砕していく。その『道』を見て、バルタンが叫んだ。

「余力とか温存とか言ってられマセーン!」

 迫るグラトニーアントの軍勢、それに向かいバルタンは内蔵兵器も換装武器も片っ端から展開――フルバースト・マキシマムを放った。

「速射連射掃射デェェェス!!」

 ガガガガガガガガガガガガガガガガガ! とガトリングガンの銃弾が外骨格を穿ち、グレネードランチャーが爆発試算させる。それを見た瑞穂とセルマは、同時に駆け出した。

●徹底的な退却戦

(「数を減らしておいた方がいいだろうけど。一遍に出ては来ないから時間も掛かる、不測の事態だって起きる。敵地でそれはよろしくない――」)

 倉庫街の路地を駆けながら、瑞穂は思う。ここは逃げの一手が正解、そのはずだ。だが――。

「とはいえ、抵抗力のない住人ばかりが餌食になるのもちょっとね。ここはアリさんの技を逆利用させてもらいましょう」

 瑞穂は瓦礫を足場に跳躍すると、無数のフォックスファイアでグラトニーアント達を燃やしていく。だが、敵の外骨格は弱まった火であれば弾いてしまう――仲間を盾に、屍を踏んでグラトニーアントは迫ってきた。

『ギチギチ!』

 仲間を呼ぶフェロモンを出しながら、傷ついたグラトニーアント達が追ってくる。数という絶対的優位、それを本能で理解しているからだ。

 だが、それこそ瑞穂の目論見だ。

「ほら、こっちよ」

 その誘導に、グラトニーアントが近づいてくる刹那――セルマが動いた。

「逃しません……あなたたちは、ここで殺す」

 炎氷殺界――炎と冷気を纏う真の姿へと変身したセルマは、フィンブルヴェトとラグナロクの二丁のマスケット銃で氷と炎の弾丸を乱射。グラトニーアントを穿ち、凍らせ、内側から燃やしていく!

「ヘーイッ!」

 そして進軍の止まったそこへ、バルタンが換装式チェインハンマーを叩き込んだ。硬い金属を破砕するような音と共に、脚を止めたグラトニーアント達が粉砕された。

「ひ、ひいい!?」
「早く逃げてハリーハリー!」

 逃げ遅れたレイダーへ誘導し、バルタンは改めて内蔵式ガトリングガンをガシャリと構えた。

「こっちデース!」

 ガガガガガガガガガガガン! とグラトニーアントを引きつけながら、バルタンは後退する。その時間を稼ぐため、瑞穂は狐火を放って炎の壁を生み出した。

「こっちよ」

 路地から路地へ、それはただの逃亡ではない――正しく、勝つための撤退戦だった。

「鉄筋コンクリートをも噛み砕く大アゴも、近寄れなければなんの脅威でもありません」

 セルマはフィンブルヴェトから氷の弾丸をラグナロクから炎の弾丸を撃ち込み、的確にグラトニーアントを撃ち倒していく。

 瑞穂が誘導、セルマが狙撃、バルタンが近距離遠距離状況によって撃ち分ける――廃倉庫街から出る手前ほどで、明確にグラトニーアントの数は減っていた。

「ここがイェーガーの、ブリンガーのガッツの見せ所であります! 現状打破するまで、全力でファイトでありマース!」

 パイルバンカーで一体のグラトニーアントを突き刺し止めを刺しながら、バルタンはもう片方の手でグレネードランチャーを撃ち続けた。残り少なくなったグラトニーアントは追撃を諦め後退しようとする――だが、それを瑞穂の狐火が許さなかった。

『ギチギチ――!』
「山火事くらいは許容してもらいましょ」

 瑞穂の最大火力が、グラトニーアント達を飲み込んでいく! その炎の中から必死に逃げようとする巨大蟻達を、セルマは冷静に狙っていた。

「逃がすとでも?」

 狐火へと、セルマのラグナロクの狙撃が放たれる。炎の中で逃げ惑うグラトニーアント達は、迷いながらその炎の狙撃に撃ち抜かれて倒れていった。

 残ったグラトニーアントも、もはや群れとして機能していない。それを見届け、猟兵達はヴォーテックス・シティから離脱した……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年01月21日


挿絵イラスト