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徒桜に誘われて(作者 幽灯
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#サクラミラージュ  #2章受付【23日9:00~25日23:59】 


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#サクラミラージュ
#2章受付【23日9:00~25日23:59】


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●果たされぬ約束
 はらり、はらりと幻楼桜の花弁が降る。
 賑わう街並みに、ぽつりと一人、男が立っていた。黒い軍服が風に揺られて、切なく揺れる。
 虚ろに、ただ目的もなく歩く。鋭い眼光は、空を見つめ、見る影もない。

 約束を、した―。
 そう、何か大切な、約束を。
 内容までは思い出せないけれど、とても、とても大切な―。
『じゃあ、今度帰ってきたときは―――』
 頭の奥で、誰かの声が木霊する。優しい、愛しい声がする。
 思い出さねば、そう思うのに。どれだけ考えても、悩んでも、彼の記憶は水底に沈んだまま。
 覚えているのは、自分は兵士だった。けれど、平和に興じる人々が、何時までもぬるま湯に浸かっているのが、赦せなくて。
 悔いを抱いていた事はしっかりと覚えているのに。
 どうして。どうして、何も思い出せないのだろう。
『…約束、ですからね?』
 また、声が。けれど、不思議と不快ではない。寧ろ、心地よい此の声の持ち主は、誰なのだろう。

 そうして、影朧は歩き出す。思い出せぬ、優しい思い出を求めて。
(嗚呼、お前は、貴女は、誰なのだ―)

●貴方と交わした約束は
「…報告。…サクラミラージュに、影朧が、現れ、ます」
 何処か、ぼんやりとした様子で神宮時・蒼(終極の花雨・f03681)は言葉を紡ぐ。
 影朧が現れる事自体は、別段いつも通りではあるが、この影朧は、特に弱く、儚いのだという。
 そもそも、影朧は差異はあれど、傷付き生まれる弱い、オブリビオン。
 きっと、余程辛い過去か、未練が残っていたのだろう。
「…無理を、承知で、お願い、します。…どうか、この、影朧の、お願いを、未練を、叶えては、くれません、か」
 目を伏せて、紡ぐ言葉には何処か悲しみが漂っている。
「…どうやら、この、影朧は、叶えられなかった、約束、を、果たそうと、街へ、向かって、いる、よう、です」
 其れが何か。知る事は出来ないけれど。
 勿論、オブリビオンは倒すべき相手。其れが道理。解っている。解っているけれど。
「…此の、影朧は、一度、戦闘を、行うと、無害化、します」
 無害化してしまえば、誰かに危害を加える事は出来ない。けれど、其れは影朧側の都合。
 普通の街を歩く人々にとって、影朧は脅威でしかない。姿を見ただけで、パニックになるかもしれない。
 けれど、其れすらも、無理を承知でお願いしたいのです、と蒼は告げる。
 ―果たされなかった約束。
 こんな姿になってまで、叶えたい、叶えなければならなかった約束。其れは一体、どんなものなのだろう。
「…影朧の、目的地は、郊外の、カフェーの、ようです」
 其処まで影朧を連れて行ってほしい、と、少女は深く頭を下げる。
 そうすればきっと。オブリビオンの、彼の未練を晴らす事に繋がるから。
 其れに。連れて行った後は、好きにカフェーを楽しんで構わないとも言う。
「…此処のカフェーは、いろいろな、甘味が、置いてある、そう、ですよ」
 ふわふわのパンケヱキ、かりかりのワッフル、きらきら輝く果実のパルフェ。
 蕩けてしまうプリン・ア・ラ・モード、雲みたいなシフォンケヱキ。
 きっと、楽しめる事だろう、と。

「…大変な、お願いだと、言う事は、分かって、います。…それでも、皆様なら、叶えてくれると、信じて、います」
 そうして、静かに、蒼は転送の準備を始める。
 果たされなかった、約束。其れは一体、どんな約束なのだろう。
 さあ、行こう。貴方の未練を晴らしに。





第2章 冒険 『はかない影朧、町を歩く』

POW何か事件があった場合は、壁になって影朧を守る
SPD先回りして町の人々に協力を要請するなど、移動が円滑に行えるように工夫する
WIZ影朧と楽しい会話をするなどして、影朧に生きる希望を持ち続けさせる
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●希う道程
 ―約束はきっと果たせないけれど。叶う事ならば、約束の場所へ。
 害意失いし影朧が出した答えは、皆が望んだ言葉。

 けれど、忘れてはいけない。
 幾ら無害化されようが、事情を知らぬ者からすれば、影朧は脅威たるもの。
 目的地が、街の外れにあるとしても、人々は怯え、脅威を排除しようと動くだろう。
 他の影朧と違い、此の今にも消えてしまいそうな儚きものは、少しの悪意に晒されても消えてしまうだろう。
 其れは、決して望むところではない。
 目指す場所は、街郊外のカフェー。
 彼の人の願いを叶える為に。
 今は、街の人の悪意から、怯えから、彼を護る盾と為ろう。

 本懐を果たした時。
 もしかしたら、奇跡が起こるかもしれない。
 そう、願いながら、街を歩こう―。