3
子供を捧げよ、時を刻むために

#UDCアース #ジャガーノート

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#UDCアース
#ジャガーノート


0




 カチ、カチ、カチ……鳴り響くのは、時計の針が進む音。
 大きな時計塔を囲むように屋台が広がり、食べ物の湯気がたちあがっている。
「さーさ、子供たち。今日は楽しんでいってくださいねー!」
「君たちの大好きなお祭りだ。寒い中でも楽しんでいってくれよ!」
 屋台の間では着ぐるみたちが、子供を見つけては風船を配っている。
 皆が皆、一様に子供たち、そしてその保護者たちへと明るく接していた。
「あと少しでショーが始まるよ!」
「さぁみんな! 舞台の周りに集まろう!」
 着ぐるみたちや屋台の主たちの言葉に、子供たちは中央に作られた舞台へと駆け出していく。
 保護者たちも呆れながら、舞台の周りに拵えられた席の元へ。
「ジャガーノート戦隊によるヒーローショーの始まりだ!」
「みんなー! 今日は、集まってくれてありがとう!」
 マイクを持った司会の言葉に、子供たちは歓声を上げているが、
「……あら、うちの子はどこかしら?」
 保護者の何人かは、我が子の姿を見失っていた。
 しかし、舞台の方へと目を向ければ、
「私たちの舞台を手伝ってくれるお友達の紹介でーす! お名前はなんていうのかな?」
 司会者の隣で元気に名前を答える我が子に、保護者たちは安堵の表情を浮かべるていた。
 カチ、カチ、カチ……そんな彼らの頭上で、時計塔は時を刻み続けている。

「皆さん、集まってくださり、ありがとうございます。
 ……今回は少し、厄介な仕事を頼むことになりそうです。」
 グリモアベースに集まった猟兵たちを前に、一礼したアトは珍しく表情を曇らせていた。
 掌の上でグリモアが輝けば、壁に映るのはお祭り会場のようで、
「ここは、UDCアースの新興住宅地……いつからあるのか解らないほど昔からある時計塔をシンボルに、都会へのアクセスの良さから栄えたベッドタウンです。
 今回、ここで行われている祝祭で、邪神への生贄が捧げられる事が解りました。
 生贄となるのは、お祭りに集まった子供たちとなります。」
 場面が切り替わると、中央の舞台に集まる子供たちの姿。
 舞台の上にも何人かの子供たちがおり、彼らは怪人に捕まっているようだ。
「正確に言うならば、子供たちの精神と自我ですね。
 このショーが進むと、舞台の上の子供たちにはヘッドギアが手渡され、ヒーローたちへと力を送ってくれと頼まれます。
 ヘッドギアはヒーローであるジャガーノート戦隊の被り物に似ているので、子供たちは疑いなく被るでしょう……そして、その精神と自我が抜き取られてしまいます。
 ……ですが、この段階では皆さんは、手を出さないでください。
 でないと、邪神が現れてくれない可能性があります。
 元凶の邪神を顕現させるためです……申し訳ないですが、耐えてください。」
 そう言ってアトがゲートを開くと、お祭り会場から少し離れた所へと繋がった。
「まずは、なるべく舞台の近くへと行って、機会を窺ってください。
 屋台の主や通路を歩く着ぐるみ、そしてヒーローショーの役者たちなどは、全て邪神の信奉者たちです……彼らは子供と、その保護者と思しき者なら、にこやかに中央へと導くでしょう。
 次に、舞台の子供たちにヘッドギアが被せられた時、一気に飛び出してヒーロー……もとい、ジャガーノートたちを退治してください。
 彼らを倒すことで、奪われた子供たちの自我と精神が、元に戻るはずです。
 そして、その後に現れる邪神……子供たちからジャガーノートを生み出す邪神を、退治してください。
 よろしくおねがいします。」


ヨグ
 ヨグです、UDCアースの祝祭の物語になります。
 お祭りで見る屋台の食べ物って、なんであんなに美味しそうに見えるんでしょうね。

 なお、邪神の信奉者たちは戦闘が始まっても手は出しませんし、戦う力もありません。
 何事もなく全てが終われば、待機していたUDCのエージェントたちが信奉者たちを捕らえ、集まった人々の記憶を処理し、もとの日常へと返していくでしょう。
100




第1章 日常 『「祝祭」への参加』

POW   :    奇妙な食事を食べたり、奇怪な祈りのポーズを鍛錬する等、積極的に順応する

SPD   :    周囲の参加者の言動を注意して観察し、それを模倣する事で怪しまれずに過ごす

WIZ   :    注意深く会話を重ねる事で、他の参加者と親交を深めると共に、情報収集をする

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ラハミーム・シャビィット
アドリブ大歓迎!

SPDを選択

子供の精神と自我を利用する邪神カ…
なんともタチが悪いデスネ。
今すぐにでも行動を起こしたい所デスガ、今は我慢… 歯痒いデスネ。

行動
とりあえず屋台を楽しみましょうカ。
ヒーローショーの屋台ナラ、売っているのはヒーローの玩具やお面などデショウカ?
… 25歳の男が一人で買うのは怪しまれそうデスシ、何か言われたら子供の為のお土産と言い張る事にしましょうカ。
ついでに邪神の信奉者がどこにどれほど居るのか〈情報収集〉もしておきまショウ。


四王天・焔
WIZ判定の行動
アドリブや他猟兵との協力歓迎

■心情
ヒーローに憧れる子供達を利用しようだなんて許せないね。
必ず、子供達の無事を確保しつつ、邪神を倒して見せるよ。

■行動
焔は見た目は子供だから、他の子ども達の仕草を【演技】で模倣し
【目立たない】様に気を付けつつ過ごすね。

ヒーローショーの役者たちに関しては【情報収集】で調べておき
『四王神楽唄』を【歌唱】で披露して、皆を感動させておくね。
「焔もヒーローショー見てみたいな、何処か特等席みたいに見渡しが良い席とか無いかな?」
と、ちょっとお願いしてみようかな。

勿論、その際も子供達の無事は常に確認しておくね。
(大丈夫だよ、焔が必ず皆助けてあげるからね)



「子供の精神と自我を利用する邪神カ……なんともタチが悪いデスネ。」
 お祭りの会場を前にし、腕組みをしながら呟く、ラハミーム・シャビィット(黄金に光り輝く慈悲の彗星・f30964)。
「今すぐにでも行動を起こしたい所デスガ、今は我慢……歯痒いデスネ。」
「そう、だよね。ヒーローに憧れる子供達を利用しようだなんて、焔も許せない。」
 苦々しい呟きを隣で聞きつつ、四王天・焔(妖の薔薇・f04438)も気持ちが口からこぼれる。
「必ず、子供達の無事を確保しつつ、邪神を倒して見せるよ。」
「ああ……そのためにモ、上手く潜入シヨウ。」
「うん、焔も頑張るよ。だから、」
 ラハミームの事を見上げ、焔は無邪気な笑みを浮かべ、
「よろしくね、お兄ちゃん!」
「ええ、ヨロシク……怪しさは薄れる、カ。」
 少し戸惑うラハミームと共に、お祭りの会場へと向かっていった。

「お兄ちゃん、早くいこうよ!」
「ハハ……本当に元気デスネ。」
 先に中央へと駆けていく焔が大きく手を振るのに軽く返し、ラハミームの視線は隣の屋台へ移る。
「可愛い妹さんじゃないか、兄ちゃんも大変だな。」
「ええ、そうかもしれませんネ」
 屋台の主も信奉者とのことだが、警戒する様子もなく笑いながらラハミームへと話しかけてきた。
 そこに並んでいるのはヒーローのお面ではあるが……どこか見慣れぬデザインのモノばかり。
「これハ、初めて見るナ。」
「ああ……ちょっと珍しいかもな、ジャガーノートは。あれだよ、ご当地ヒーローって奴さ。」
「フム……せっかくダ、一つもらおうカ。」
「へへ、毎度! そうだ、ヒーローショーも中央でやるからよ、楽しんでいってくれよ!」
「ああ、ソウシヨウ。」
 そのままヘッドギアを模したお面を横被りし、屋台の通りを見渡すラハミーム。
 通路の着ぐるみ、屋台の主などの信奉者たち……結構な人数の彼らが笑みを返してくるのは、
「認められた、カ。」
 そう呟きながら、中央へと向かった。

 中央舞台の脇……敵である着ぐるみを着て休んでた役者たちの前で、焔は歌声を披露していた。
 歌い終え、無邪気に微笑みかけると、
「いいねぇ、良い声だ!」
「良いものを見せてもらったよ。」
「えへへ、どういたしまして!」
 着ぐるみたちの心からの賛辞に、焔も自然な笑みへと変わっていた。
「さーて、これからのショーも気合いれないとな。」
「お嬢ちゃんも観るだろう?」
「うん! 焔もヒーローショー見てみたいな!」
 そう言いつつ見渡すと、控室としておかれた場にはヒーローの姿がない……。
「……そういえば、ヒーローの人たちは?」
「あー……彼らは別のところで待ってるのさ。」
「そうそう! お嬢ちゃんたちが呼べば、彼らは駆けつけてくれるからね! ……悪役の俺たちが言うのもなんか変だけどね。」
「あはは、確かにそうかもね! 頑張ってね、おじちゃんたち!」
 相手に合わせて子供っぽく笑いながら、焔は観客席の方へと向かう。
 まだ席は空いている中、舞台の横の観客席が見やすい席へとついた。
「ふふ、楽しみ……。」
「ここにいましたカ。」
「うん、待ってたよ!」
 遅れてきたラハミームが隣に座り、保護者と共に楽しみに待つ子供のように見せながら見渡せば……ちらほらとだが、観客席には子供たちの姿が見える。
(大丈夫だよ、焔が必ず皆助けてあげるからね。)
 これから行われるショーを楽しみにしている様に、決意を固めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ジャガーノーツ』

POW   :    I'm JUGGERNAUT.
いま戦っている対象に有効な【能力を持つネームド個体のジャガーノート】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
SPD   :    You are JUGGERNAUT.
自身が操縦する【子供に寄生する同族化装置(破壊で解除可)】の【寄生候補の探索力・捕獲力・洗脳力・操作力】と【ジャガーノート化完了迄のダウンロード速度】を増強する。
WIZ   :    We are JUGGERNAUTS.
【増援】を呼ぶ。【電子の亜空間】から【強力なネームド個体のジャガーノート】を放ち、【更に非ネームド個体の軍隊からの援護射撃】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


(あれ……なんで、)
 目の前にいるのは、悪役の着ぐるみたち。
(さっき、あいつらに……頭に被らせられて。)
 見れば……ヘッドギアを被らされた自分たちが、着ぐるみたちの足元にいる。
 自分たちは、そんな着ぐるみたちに銃を向けて……。
(俺は……俺たちは、あいつらを倒すヒーロー……ジャガーノート。)
「さぁ、子供たちを返してもらうぞ!」
(これが、俺たち……ジャガーノートだ。)

 ……子供たちの精神は、舞台の上で悪役たちを追い詰めるジャガーノート仮面と呼ばれた者たちの中にある。
 このまま役を演じ続ければ、彼らの意識はジャガーノートとして取り込まれてしまうだろう。
 幸い、このショーは子供たちを取り込むためか、先に彼らと接する悪役の方が子供の受けがいいようだ。
 ……悪役が勝つショーがあっても、良いかもしれない。
ラハミーム・シャビィット
アドリブ大歓迎デス!

フム… やはり戦闘になりマスカ。
仕方ないデスネ…
倒される覚悟は出来ましたカ?

行動
なるほど… 増援デスカ。
まとめてド派手に吹き飛ばしたい所デスガ… 今回は周りを巻き込む訳にはいかないデスヨネ…
それなら範囲を狭めた《呪殺旋風》と〈第六感〉で敵の攻撃を防ぎつつ、隙を見つけて得意の近接格闘術で〈カウンター〉を狙ってミマショウ!
あまり効率の良い戦術とは言えませんガ、これなら周囲への被害は抑えられるハズデス。

スマートでカッコ良く立ち回って、子供達の自我と精神を取り戻して見せマショウ!


四王天・焔
SPD判定の行動
アドリブや他猟兵との共闘歓迎

■心情
子供達の精神が飲み込まれてしまいそうだよ。
そんなことは、絶対に許してはいけないんだから!

■行動
悪役が勝つショーもあってもいいじゃない、
そんなわけで【悪のカリスマ】を見せつけてあげる。

子供達の洗脳を解くべく、【精神攻撃】をメインに使用して攻撃するね。
ユーベルコード(UC)は白狐召還符を使用して戦うよ。
白狐様の上からドラゴンランスで精神攻撃し、
【マヒ攻撃】や【気絶攻撃】も織り交ぜながら
敵の動きを止める様にしながら戦うね。

「皆、意識を取り戻して!ジャガーノートなんかに取り込まれないでね!」



「ここで助けてあげないと、子供たちの精神が飲み込まれてしまう!」
「エエ……やっと、ボクらの出番デスネ。」
 観客席から立ち上がった焔とラハミーム。
「デハ、手筈通りに行きまショウ。」
「うん!」
 2人は頷き合うと舞台へと飛び乗り、ジャガーノートたちと悪役着ぐるみの間に割って入った。

 この時……悪役側はこんな口上を述べていた。
「くっ、よくたどり着いたなジャガーノート仮面よ! まさかこんなに早く来ると思わなかったから準備はできていないが、お前たちを」
「……イイヤ、準備は済んでイル。」
「何!?」
 言葉と共にするりと自然に、ラハミームが間に入る。
 少し遅れて焔も現れ、
「ご苦労様でした。あなたたちの力、使わせてもらうよ!」
「ちょっと待て! お嬢ちゃん、どうい……う……。」
 手にした呪符が蒼く輝くと、着ぐるみたちの意識は落ち、寝息が聞こえてきた。
 観客席の側から少しのざわめきが聞こえてくるが、
「……ナルホド、私タチノ相手ハ、貴様ラカ。」
「そういう事ダ。」
「さぁ、皆さんの力を一つに!」
 呪符が蒼い炎を吹きあげ、その中から大きな白狐が現れる。
 思わぬ派手な演出に、焔がひらりと白狐に乗る頃には、ざわめきが子供たちの歓声に変わっていた。
「サァ、ジャガーノートたちヨ。ボクらを倒せるかナ?」
「……私タチハ、ジャガーノート。」
 手招きをするラハミームに対し、先頭のジャガーノートが片手をあげる。
 それを合図に背後の空間が歪み、亜空間から別のジャガーノートたちが現れた。
「全テ、ジャガーノートトシテ、飲ミ込ム存在。……悪ヲ飲ミ込ミ、正義ニ変エル。」
「やらせはしないよ!」
「正義に抗う悪の力、見せてくれヨウ。」
 2人の台詞が響き渡るとジャガーノートたちが腰だめに銃を撃ち放ち、それを合図に戦いが始まった。

「なるほど……増援デスカ。」
 ラハミームが手を翳すと、ジャガーノートたちとの間に黒い竜巻が立ち上る。
 質量を持つほどの呪詛の竜巻が弾丸を飲み込み、その背後から白狐に乗った焔が一気に跳び出す。
「まとめてド派手に吹き飛ばしたい所デスガ……。」
「まずは、あなたたちからだよ!」
 白狐の上から焔はドラゴンランスを構え、増援のジャガーノートを刺し貫く。
「グアアアア!?」
 しかし、それは肉体を傷付けるためではなく、精神へと挫くための攻撃……ジャガーノートたちの数を減らしつつ、その場に留めていく。
「……クッ、早イナ。」
「余所見をしている余裕はないゾ?」
「ナニ……グハァ!?」
 すっかり焔へと目が向いているジャガーノートへと、言葉をかけながら殴りつけるラハミーム。
「周りを巻き込む訳にはいかないノデネ……一人ずつやらせてモラウ。」
「いいぞー、やれー!」
「悪モノさん、頑張ってー!」
 響く歓声を聞けば、すっかり空気は悪役たち、猟兵たちのものとなっていた。
 ちらりと観客席を見てラハミームはニヤリと笑い、
「スマートでカッコ良く立ち回る、悪というのも良いものでショウ?」
「さぁ皆! 意識を取り戻して! ジャガーノートなんかに取り込まれないでね!」
 蒼い炎を吹く白狐と共に派手に戦う焔の声が響く。
 そうして最後に残ったジャガーノートをラハミームは体当たりで吹き飛ばし、
「エエ、子供達の自我と精神を……取り戻して見せマショウ!」
 残ったジャガーノート……子供たちの自我と精神で作られた者たちへと告げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ナイツ・ディン(サポート)
「蹴散らしてやるぜ!」
ナイツは「」、一人称俺、冷静でありつつ好奇心旺盛
ディロ(竜槍/紅竜)は『』、一人称我、不遜な暴れん坊
ローア(竜槍/蒼竜)も『』、一人称私、丁寧な保護者

槍を担いでダッシュで寄って薙ぎ払い、見切りや第六感を駆使して盾受けでダメージを避ける。
目立たないを併用し、ダッシュ、敵を盾にするを使って撹乱もしていく。
小さいから埋もれるとやばいからな。基本的には高めに飛んで戦っていこう。
UCは適宜使っていくぞ。
「小さいからって舐めてると痛い目見るぞ?俺は強いからな。」
援護よりも押せ押せ、アタッカー気質。変身系UCを使った場合は激痛耐性、火炎耐性、、氷結耐性でゴリ押すことも多い。



 観客の子供たちの外で、周囲の大人たちがざわめきだす。
 本来であれば、悪役の着ぐるみたちはあっさり負けるはずだったのだが、
「マダダ……マダ、私タチハ、戦エル。」
 昏倒した着ぐるみたちの代わりに現れた猟兵たちによって、ジャガーノートが劣勢に追い込まれている。
 舞台に呼び出した増援は全て打ち倒され、改めて武器を構えた時……。
「あれ……?」
「ねぇ、砂だらけだよ?」
 子供たちの呟き通り、舞台の上が砂嵐に包まれた。
「クッ、コレハ?」
「ふははははは! 我、降臨せり!」
「ナ、ナンダ!?」
 不遜な声が響き渡ると共に嵐が止み……現れたのは、紅の竜『ディロ』。
 口から炎を吐きながらジャガーノートたちを見降ろし、
「貴様らが正義なら! 我らの力、受け止めてみよ!」
 一気に燃え上がると槍へと変わり、それを担いだのはフェアリーのナイツ・ディン(竜呼びの針・f00509)。
「さぁいくぜ!」
「思ッタヨリ、小サイナ……ダガ、イイダロウ、来ルガイイ!」
「……後悔するなよ?」
 その声は、ジャガーノートの一人の耳元から聞こえてきた。
「喰らいやがれぇ!」
「ナニ、グアアアア!?」
 火炎一閃、横殴りに叩きつけられる燃え盛る槍。
 吹き飛ばされたジャガーノートの輪郭が揺らぎ、ジ、ジジジ……と電子音を響かせて消えていく。
「おおー!」
「やっちゃえー! ドラゴンの妖精さんー!」
 観客の子供の歓声が上がり……その影で、囚われていた子供が一人身じろぎをしていた。
「……戻ったみたいだな。」
 ナイツが殴り飛ばしたジャガーノートに入っていたのだろう……これで、一人。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジェイク・リー
セミロングの光る髪に黒い狼の頭部を模したヘルム、青紫色の肌に魔力で出来た翼、胸部にエメラルドグリーンの光が見える亀裂に腹部は青い焔の様な魔力を宿すアーマー、具足は狼の足を模している。
二の腕部分は竜の頭部を模して、腕の部分に狼の頭部を模し、両方とも口から出てる。

UCで真の姿に変化。八邉鬼衆を具現化させ攻撃に移る。
魔力溜めを行いつつ残像を残すダッシュで距離を詰めたり、迷彩による囮として使う。
早業による連撃を繰り出し、ダッシュと共に居合を繰り出す。
攻撃にはオーラ防御でジャストガードしつつ溜めたエネルギーを衝撃波として撃ち出す。
「ハッ!パチモンに負けるかよ」
子供達を護る意志を強める。

絡み・アドリブOK



「クッ、一人ヤラレタ、カ。」
「ダガ、マダ」
「なんかすごいの出てきたー!」
 ジャガーノートたちの台詞を遮るように、観客席の子供たちが騒ぎ出す。
 それは、舞台の上に現れたジェイク・リー(嵐を齎す者・f24231)の姿を見ての事だった。
「……お前たち、本当は捕えられた子供たちなんだってな。」
 青い焔のあがる鎧、腕には狼と竜の頭部の意匠……ジャガーノートを指さす腕は、まるで彼らに吠え掛かるよう。
 輝く髪の上から被った黒い狼の頭部を模したヘルムの下で言い放ち、その青紫色の肌の背からは蒼い魔力の翼が開く。
「正義の味方ごっこは終わりだ、子供は帰る時間だぜ?」
 身構えて言葉を切ると、胸に走る亀裂からエメラルドグリーンの光が漏れていた。
 一瞬の沈黙と共に、
「そうだー!」
「やっちゃえー!」
 黒を基調とした、悪役としてこれ以上ないほどの威容に、観客席の子供たちは大盛り上がり。
 ジャガーノートたちも気圧され、
「ウ、ウルサイ!」
「勝ツノハ、正義ノ味方デナキャ、イケナインダ!」
 まるで駄々をこねる子供のように叫びながら、ジェイクへと飛び掛かっていく。
 その様に元の意識が戻りつつあることを感じたジェイクは、少しだけ口元を笑みの形に変え、
「ナ、ナンデ……!?」
 ジェイクをジャガーノートたちの持つ剣が貫く……と思いきや、片手で剣を受け流し、
「ハッ! パチモンに負けるかよ!」
「グハッ!?」
 カウンターで撃ち込まれた魔力の篭もる掌底に、ジャガーノートの一人が吹き飛び、消えていった。
 そのまま流れるように、残りのジャガーノートたちへと残像が残るほどの速度で踏み込み、練り上げられた魔力を手刀から居合のように解き放つ。
「……今回は、俺が救済してやる。」
 ジェイクが残心と共に呟いた時には、二つに断たれたジャガーノートたちは空間に溶けて消えていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『Dr・ティック-トックマン』

POW   :    私は勝利も生存も望まない。君達はどうだい?
【敵味方問わず「勝ちたい・生きたい」 】という願いを【"÷"と願いを反転し叶える「反・願望器」】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。
SPD   :    寛いでいき給え、自信作達がもてなすよ!
自身が操縦する【創造主を庇う様に戦うジャガーノート達】の【召喚数・レベル・武装・発狂度に応じた強化】と【自身の、一秒毎に無差別に正気を削る時計音】を増強する。
WIZ   :    君達の死は無駄にしないよ!
全身を【ジャガーノート達の残骸で造った武器・装甲】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【負傷・及び死亡したジャガーノートの数】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ジャガーノート・ジャックです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「あれ……ここは……?」
 舞台の端でヘッドギアを付けていた子供たちが意識を取り戻し、きょろきょろと周りを見渡している。
「僕らは、さっき」
「ええ、君たちはさっきまで、ジャガーノートとして戦っていましたね。」
「ひっ!?」
 頭上から聞こえた声に目を上げれば、白衣の上に乗るのは時計の顔。
 明らかに着ぐるみではない、その異様な姿に子供たちは悲鳴を上げて逃げ出していくが、そんなことはお構いなしに猟兵たちへと顔を向ける時計。
「私への貢ぎ物を奪い取ったのは君たちか。全く、そのせいで今年は新作を作ることができないではないか。嘆かわしい。」
 時計がパチンと指を鳴らせば、現れるのはジャガーノートたち……しかし、今回現れたのは人の外観のままだ。
 ふらりと意志を感じない立ち姿の彼らへ向け、もう一度指を鳴らせばジャガーノートを構成する装甲や武装が張り付けられていく。
 その異様な雰囲気に、舞台を見ていた子供たちも背を向けて駆け出していった。
「仕方がない、有り合わせでお相手しよう。寛いでいき給え、これでも過去の自信作だ、君たちも退屈はしないだろう!」
 銃器を構え、別のものは槍を構え……ジャガーノートたちは猟兵たちへと襲い掛かってきた。
ジェイク・リー
八邉鬼衆を現し、魔と別つ刃へと変える。
(さて、分離できるかどうか)
暗殺と早業、フェイントを織り交ぜた暗殺剣を繰り出す。
魔力溜めを行い、魔力で残像を作り出しつつ迷彩で姿を消して奇襲を仕掛ける。
狂気耐性で対処しつつ受け流しや見切りで回避を行う。
魔力の障壁でジャストガードを行い衝撃波を叩き込む。
「攻めの隙を突くスタイル、ディフェンダー」
後の先、即ちカウンターに前提を置いた攻防一体の型として編み出したディフェンダー。
残像や素早く動き翻弄からの無駄のない暗殺の剣技を繰り出すアサシネーション。
「猟書家相手するなら、UC以外の技や戦術を編み出すしかねえからな」

アドリブOK


ラハミーム・シャビィット
アドリブ大歓迎です!

彼からはどんなクランケヴァッフェを造り出せるのか、インスピレーションが湧き出てクル… これもUDCメカニックとしての業と言うやつデショウカ?

行動
個性的な頭部だろうと、流石は邪神デスネ… あの時計音はかなり危険デス。
気は乗りまセンガ、《呪詛の加護》に頼る事にシマショウ。
強化された〈呪詛耐性・狂気耐性》で時計音から身を守りつつ、〈呪詛〉を込めたカース・オベリスクハンマーで時計頭の邪神に対して〈捨て身の一撃〉を仕掛けてミマスネ!

邪魔をしてくるジャガーノート達の攻撃は〈第六感〉で予測して、〈残像〉を作り出して回避をしてミマショウ。

子供達を狙った罰は受けて貰いマスヨ!



「お前が元凶か。」
 ジェイクの怒気を込めた言葉と共に周囲に現れる黒い影は、ジェイクの内の人格たち。
 八邉鬼衆と呼ばれる彼ら、彼女らが笑みを残してジェイクの手の中へ集まり、魔力の刃へと姿を変えた。
「次はないと知れ。」
「おお、君はなかなか強い感情を持っているな。私も欲しいくらいだ。」
 しかし、刃を構えたジェイクの言葉もどこ吹く風……時計頭の邪神は手を叩きながら、ただ感想を述べるように話していた。
「これも、UDCメカニックとしての業と言うやつデショウカネ。」
 その横で見ていたラハミームだが、興味は邪神そのものへと向いていた。
 指を鳴らすだけでジャガーノートを顕現させている……それだけの力を持つUDC。
「……あんな彼からは、どんなクランケヴァッフェを造り出せるのか、インスピレーションが湧き出てクル。」
「はっはっは、そこの君とは意見が合いそうだ。私の身体は生憎と、使わせるわけにはいかんがね。」
 パチンと邪神が指を鳴らすと、急に時計塔の針の進む音が耳に障りはじめた。
 カチッ カチッ カチッ……一秒ごとに視界が揺らぎ、脳を直接揺らすかのように。
「くっ……これも、彼の力デスカ。」
「そのようだな、手早く終わらせるぞ。」
「はっはっは! 君たちの力を見せてくれたまえよ!」
 一気に駆け出した2人に対し、邪神はジャガーノートたちをけしかけてきた。

 幸い、2人とも呪詛や狂気に対する術を持ち、ジャガーノートたちと相対した頃には時計の音が気にならなくなっていた。
「っと、ここで止まっていられマセン。」
 ジャガーノートが突き出した槍がラハミームの残像を貫き、その時にはすぐ後ろを駆けている。
 そして、残像の背後でジェイクの張った魔力障壁が、槍を弾き飛ばしていた。
(さて、分離できるかどうか。)
 思考は一瞬……その間にも、流れるような動作で魔力の刃を突き出し、ジャガーノートを刺し貫いた。
「……ほう?」
 とさ……と意識のない人が落ちる音と共に、興味深げな邪神の呟きが響く。
 ジェイクの刃はジャガーノートの素体である肉体に傷をつけることなく、力を与える繋がりを断ち斬っていたのだ。
「なるほど、考えたものだ。」
「試すのは初めてだがな……うまくいって良かったぜ。」
「はっはっは! だが、この数を全て救えるかね?」
 邪神の周囲にいたジャガーノートたちが一斉に、ジェイクへと武器を向ける。
 突進、そして襲い来る銃弾……しかし、それが貫くのは魔力で生み出された残像で、
「……攻めの隙を突くスタイル、ディフェンダー」
 槍の穂先のすぐ横から姿を現したジェイクが斬りつけ、ジャガーノートたちへと魔力を流し込んでいく。
「後の先をとる戦い方だね、なかなかやる。」
「これからも猟書家相手するなら、UC以外の技や戦術を編み出すしかねえからな。」
 そう言ったジェイクをさらに銃口が狙うが、オベリスクの形をしたハンマーに吹き飛ばされた。
「余所見をしている余裕はありませんヨ!」
「忘れてはいないとも、君とは語り合いたいと思っていたところだ。」
 ラハミームの手にしたハンマーは、UDCを元に作られたクランケヴァッフェ……別の生命体を元にしたモノ。
「お断りシマスヨ……これは、あなた方のようなモノと戦うための力デス。」
 ツルハシのような形に変え、一気に邪神へと飛び掛かるラハミーム。
「弄るために道具へと変えるあなたとは、言葉を交わす気はないデスネ! 子供達を狙った罰は受けて貰いマスヨ!」
「……やれやれ、嫌われたものだ。」
 グシャリと……避けることもなく、その時計の頭をオベリスクが刺し貫き、殴り飛ばす。
 ガチ、ガチ、ガチ……合間にギシギシという雑音が混ざる時計の音が、邪神から響き渡る。
「くっ……この音の発生源ハ、」
「その通り、この私だよ。」
 さらに耳障りになる音にラハミームが距離をとると、邪神は何事もなかったかのように立ち上がってくる。
 しかし、その顔の時計は一部のバネが弾け、歯車が喰い込んでいた。
「やはり人間は面白い……もっと、君たちの力を見せてくれたまえ!」
「ちっ……多少は人に寄せてると思ったが、こいつも根っからの邪神かよ。」
「デスネ……。」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

零井戸・寂
◆ケンタッキーと

挨拶はいらないよな"ドクター"
ハルは何処だ?

……此処にいないし
教える気もないなら別にいい

もう用はないから早く消えろよ

《――Ready,Player?》

覚悟なんてとっくの昔に出来てる
お前も好きだろ、ゲームの時間だ
ただし今日はお前のフィールドじゃない
僕のフィールドだ

具現化するゲームは「協力型FPS」
ジャガーノート達とドクターの攻撃をフィールド適応性を駆使し凌ぐ


お前手下はいても
協力者(トモダチ)なんていないだろ?
僕はいる
お前が連れてったハルもそうだった

今日は一人?
そう見えるよな
そう油断するのを待ってた
ケンタッキーの銃で頭をブチ抜いてやる

……借りはそのうち返すよ
そう
ありがと


ケンタッキー・マクドナルド
◆糞眼鏡(f02382)と

(パーカーのフードの中に潜んで
糞時計に聞こえない様に眼鏡に唸る)

お前糞野郎
ヒト嫌いの俺にこンな真似させるからにァしっかりノシ付けろよ

(――正直この眼鏡があの糞時計とどンな因縁持ってよォが俺にァ関係ねエ
だがまァ ケジメって奴ァ何事にも大事だ
それにテメェの面に泥塗った奴はブチのめす気概は"協力者”として買ってやる)

【インスピレーション・フルカスタム】
眼鏡が会話で稼いだ時間使って武器を製造
俺様直々作成のカスタム・ガンだ
有り難く使やがれ!!

忘れんなよ貸しイチだ
――ケ、無利子にしといてやらァ



「おい……お前糞野郎。」
 パーカーを羽織った零井戸・寂(PLAYER・f02382)の耳元から、罵る声がする。
「ヒト嫌いの俺にこンな真似させるからにァ、しっかりノシ付けろよ?」
「……ああ。」
「ぜってェだからな?」
 そう唸る声を最後に、声は聞こえなくなっていた。
 次に聞こえた時計の針の音に顔を上げれば、邪神の頭の時計がこちらを見ている。
「ほう、君は……。」
「挨拶はいらないよな"ドクター"。ハルは何処だ?」
「ハル?」
 怒りを込めた零井戸の放った名前に思い浮かぶものがないのか、訝し気に呟くが……すぐに手を打ち、
「あぁ、思い出したよ。そう……君が叫んでいたね、その名前を。」
「何処にいる、と聞いている。」
「さて、ね?」
 ガチッ、ガチッ……と、耳障りに鳴る秒針の音。
 その邪神の態度にギリリと奥歯を噛み、
「……此処にもいないし、教える気もないなら別にいい。」
 零井戸が隣に浮いたドット絵で描かれた黒猫の電子妖精を掴めば、手の中でタッチペンのようなロッドへと変わる。
「もう用はないから早く消えろよ。」
 それを一振りすれば、上空から降ってくるのはコイン型の電子データ。
《――Ready,Player?》
 響く電子音声と共に、周囲に壁や柵などの障害物が構築されていく。
「はっはっは……そう、君に施した力はそれだったね。」
「お前も好きだろ、ゲームの時間だ。ただし、今日はお前のフィールドじゃない……僕のフィールドだ。」
「……驚いたよ、あの時の私よりも使いこなせているじゃないか。」
 ぐるりと見渡し、腕を広げて言い放つ邪神の喜びの声。
 それはまるで、子供が自身の力を上回った事を知った親のように。
「そのための覚悟なんて、とっくの昔に出来てる。」
「素晴らしい。ならば、君の覚悟には応えなければならないね。」
 パチンと邪神が指を鳴らせば、周囲に現れるのは銃を持ったジャガーノートたち。
 すぐに零井戸へと狙いを定め、撃ち放つ音が響く。

「そう簡単にいくか。」
 横へと跳び、生みだされた壁の裏に入る零井戸。
 生みだされたゲームは協力型FPSの世界であり、壁は全ての銃弾を通さない。
「ふむ、では二手に分かれなさい。」
 邪神の声にジャガーノートたちは分かれ、零井戸の隠れた壁の端へと駆け寄るが……片方の壁の端に寄った者たちの足元で手榴弾が炸裂し、ジャガーノートたちは地面に縫い付けられたように体が動かない。
 フィールドに生みだされた武器によって致命傷を与えたと判定された場合、助け起こされない限り一定時間後に特定のスポーン地点へと強制移動させられる。
「しかし、距離があるこちら側には届きません。構わず行きなさい。」
 反対の壁の端からジャガーノートたちをつっこませる邪神だが、壁の反対側から零井戸が跳び出すのが視界の端に映る。
 それと同時に、壁の裏で炸裂するのは仕掛けられた爆弾だった。
「動きは解りやすくて助かるよ。」
「はっはっは、そうだろうとも。」
 起動スイッチを捨て、ハンドガンを持ちながら言う零井戸へと同じ物を向ける邪神。
「私は、勝つために戦う気はないのでね。」
「……本当に、不愉快な奴。」
 お互いの手から放たれた弾丸は、正確にお互いの武器を弾き飛ばしていた。
 それも、横に同じだけ……ゲームで規定された動きで。
「お前、手下はいても協力者(トモダチ)なんていないだろ?」
「はっはっは。君たち人間には必要だが、私には要らないものだからね。」
 2人ともすぐに武器へと飛びつかず、言葉を交わしていた。
「ああ、だから人間の僕にはいる。お前が連れてったハルも、そうだった。」
「だが、今日は一人のようだね。」
「……一人?」
 零井戸がつぶやくと同時に、邪神へと向けられる銃口。
 あまりにも無造作に向けられたそれに、邪神は反応することもなく……頭の時計の針を止める軸が貫かれていた。
「な……どこ、から……。」
「そう見えるよな……そう、油断するのを待ってた。」
「ったく、話がなげェんだよ糞眼鏡。だが、俺様直々作成のカスタム・ガンは良く効いたようだな。」
 零井戸のフードから現れたのは、小柄なフェアリーのケンタッキー・マクドナルド(神はこの手に宿れり・f25528)。
「ふ、ふふ……はっはっは。まさか、そんな簡単な手に引っかかるとは。」
 嗤っている邪神の身体は、声を残して溶け消えていた。
「次に会うのが楽しみ、だ……。」
「ケっ! 俺は会いたくねェよ!」
 さっきまで邪神のいた場所へ叫び返すケンタッキーの下で、零井戸が一人佇んでいる。
 そのままそちらへ目を向け、口には出さずに、
(――正直、この眼鏡があの糞時計とどンな因縁持ってよォが、俺にァ関係ねエ。だがまァ、ケジメって奴ァ何事にも大事だ。)
 ふわりと飛んで、まだ硝煙のあがるカスタム・ガンを撫でている。
(それに、テメェの面に泥塗った奴をブチのめす気概は、"協力者”として買ってやる。)
「……借りはそのうち返すよ。」
「あァ?」
 上からかけられた零井戸の声に見上げれば、静かに見下ろす目に浮かぶのは感謝の念。
「忘れんなよ、貸しイチだ。」
「そう。」
 普段見せない素直な目に、思わずケンタッキーは目を逸らして言い放っていた。
「……ケ、無利子にしといてやらァ。」
「ありがと。」

 こうして、無事に子供の犠牲を出さず、邪神は討ち取られた。
 残る信奉者たちは、待機していたUDCの職員たちの協力で速やかに捕らえられ、祭に参加した人々には記憶処理が施され……次の日には、何事もない日常がもどっていた。
 ただ一つ……シンボルの時計塔の針だけは、もう動くことはない。
 少なくともここには、邪神はいないのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年01月24日


挿絵イラスト