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激録キャバリア犯罪前線!港湾施設の武装勢力を排除せよ!

#クロムキャバリア #激録キャバリア犯罪前線!

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#クロムキャバリア
#激録キャバリア犯罪前線!


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●サノカティラ市警察の無線交信記録より
『港湾パトロールより本部!応答願います!』
「こちら本部、港湾パトロールどうぞ」
『こちらパトロール!通報にあった停泊中の国籍不明タンカーを捜査中、完全武装のキャバリア及び無人兵器群が多数出現!現在施設保安部隊と合同で避難誘導を行い、現場封鎖に当たっているが数が多い!大至急応援派遣を願いたいどうぞ!』
「港湾パトロール了解。本部より各局、本部より各局。港湾エリアにて所属不明の武装キャバリア起動の報告あり。最寄りの捜査員は至急現場に急行されたし。また本件はゲリラ・テロ事案に発展する可能性があるため各局に対して全体配備態勢を発令する。捜査員においては管轄エリア内の不審車両、不審人物に注意されたし。続けて本部より警備どうぞ。」
『こちら警備担当。』
「既報の通り停泊中の不審船から武装キャバリア出現の報あり、直ちに対キャバリア装備を整え現場に急行されたし。」
『警備了解、直ちに出動を開始する。現場捜査員に現着は30分後と伝えられたし、どうぞ。』
「本部了解。本部より港湾パトロール、そちらに即応部隊を向かわせている現着推定は……。」

●リーサル・エンフォーサーズ
「皆揃ってるわね?オーケー、早速ブリーフィングを始めるわ。」
 イザベラ・ラブレス(デカい銃を持つ女・f30419)はブリーフィングルームに集まった猟兵達を見まわし、説明を始めた。
「今回はクロムキャバリア世界、エルデナント共和国カルノパ州サノカティラ市の港湾施設でオブリビオンマシンおよび量産型キャバリア、無人兵器群の出現を予知したわ。現地は同国内でも有数の経済都市で人口も多く、市街地に侵入されれば大参事は免れないわよ。そこで皆には民間企業のセキュリティ要員としてサノカティラ市警察の捜査に協力する形で出撃してもらうことになるわ。」
 イザベラが手元のタブレットを操作するとモニターに港湾施設の簡易地図が表示された。
「港湾エリア一帯は作業用キャバリアを用いる事を前提とした造りになっていて国内一の面積を誇っているわ。現在市街地へとつながる道路は警察と民間警備会社が封鎖。港湾臨海エリアと隣接している倉庫エリアの主要通路もコンテナや資材で作った即席バリケードで何とか侵攻を防いでいる状態よ。まずはこの倉庫エリアに侵入してきている敵勢力の排除、以降は現地の警察の指示に従ってオブリビオンマシンの捜索、撃破という流れが理想ね。ここまでで何か質問は?」
 イザベラが猟兵達に訊ねると幾人から警察側の戦力についての質問が上がった。
「おっとそうね。サノカティラ市警は対テロ特殊部隊とキャバリアの一個小隊を投入するそうよ。実力は折り紙付きだけど到着には時間がかかるみたい。だから最初の内は警察の支援なしでの戦闘になると思うから注意してね。他に質問は?……無いわね。ではGood hunting Jaeger.(猟兵諸君、良い狩りを)」


マーシャル後藤
 あけましておめでとうございます。マーシャル後藤でございます。
 2021年、記念すべき一発目は初のクロムキャバリア世界シナリオとなります。
 突如出現した武装勢力が市街地に入り込む前に殲滅、無力化し、首魁と思しきオブリビオンマシンを撃破しましょう。

 勿論キャバリア搭乗の他にも生身での参戦も歓迎します。

●第一章
 無人兵器との集団戦となります。
 平均的なキャバリアが進入できる程の大きさの倉庫が棟を連ねる、通称「保管施設エリア」での戦闘となります。
 警察および港湾施設保安部隊は市街地へと繋がる道路の防衛に手を取られているため、猟兵の支援はできない状態となります。
 また、貨物コンテナなどは頑丈である為、遮蔽物としても利用可能です。

●第二章
 量産型キャバリアとの集団戦となります。
 埠頭、荷役場などで構成される、通称「港湾臨海エリア」での戦闘となります。
 キャバリアにはパイロットが搭乗していますが、警察や猟兵からの通信に応答せず、こちらを発見次第攻撃を仕掛けてきます。
 警察の対テロ特殊部隊と市警のキャバリア小隊が応援に駆け付けます。練度の高い戦術行動で猟兵達を支援することが可能です。
 警察は本件の真相究明のためパイロットの身柄確保が必要であると考えているため、パイロットを生け捕りにするプレイングはプレイングボーナスの対象となります。
 また、警察側の支援を受けるプレイング、ガントリークレーンなどの施設ギミックを利用したプレイングもプレイングボーナスの対象となります。

●第三章
 オブリビオンマシンとのボス戦となります。
 オープニングに登場した「大型タンカー」上での戦闘となります。キャバリアなどを搭載していたであろう格納エリアは空となっているため、船内を含めた三次元的戦闘が可能となります。
 警察は第二章に登場した量産型キャバリアのパイロットの確保などで支援が行えません。

 また受け付け開始は一章~三章まで通して断章投下後からとなります。
 それでは皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『HT908T『ファイアー・ワーカー』』

POW   :    デンジャー・アイ
【一時的に出力を過剰供給すること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【頭部搭載型追尾式レーザーキャノン砲】で攻撃する。
SPD   :    スクラム・ブラスト・プロトコル
【敵に飽和砲撃戦を仕掛ける同型機】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[敵に飽和砲撃戦を仕掛ける同型機]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
WIZ   :    ダガーミサイル
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【飛翔剣型炸裂弾頭弾】で包囲攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●保管施設エリアの戦い
「港湾エリアに急行している全パトカーへ!最寄りの銃砲店からありったけのフルメタルジャケットのライフル弾と12番ゲージのスラッグ弾、あと12.7mm弾をしこたま掻き集めてこい!領収書!?署長宛で構わん!責任は俺が取る!とにかく、しこたま、持ってこい!」
サノカティラ市警察の組織犯罪対策部に所属するウィリアム・ハム巡査部長はパトカーに取り付けられた無線に向かって叫ぶ。
現在彼は現場責任者として封鎖線防衛の指揮を取っていた。

というのも第一報を本部に伝えたのが彼のチームであったのだ。
彼らは最近活動が活発化しているギャング組織の資金源調査の一環で港湾エリア一帯の張り込みにあたっていた。
すると見事に網にかかったのが件のタンカーであった。
そして保安部隊とともに臨検を行っている最中に今回の事態が発生したというのが事の顛末である。

彼らが持ち合わせているのは通常装備のアサルトライフル、ショットガン、狙撃銃といった対人装備、そして港湾保安部隊が装備している重機関銃と対物狙撃銃のみである。
余りにも頼りない火力、しかしここを抜かれれば背後の市街地に被害が及ぶは必定という状況である。
不幸中の幸いは、ハム巡査部長を筆頭にサノカティラ市の警察官の殆どが従軍経験者であり、しかも歩兵として対キャバリア戦闘を経験した猛者ばかりであった。
故に容易く抜かれる事なく、持ち堪える事が出来ていたのだ。
「巡査部長!自社倉庫防衛の為出動した民間のセキュリティ部隊が支援を申し出ています!キャバリアも複数保有しているとか!」
「何ぃ!?」
「企業が私有財産を守る為に武装権、自衛権を行使する事は企業保護法で認められてますし、後は暴走しない様に自警団化を防ぐ事も兼ねて建前としてこちらの指揮系統に組み込んだ方がいいかと……」
「……よし、それで行こう。まだ通信は繋がってるな?俺が直接話す。お前は本部と警備部に現状報告だ。」
「はっ!」

『……こちらウィリアム・ハム巡査部長、封鎖線防衛の臨時指揮官だ。現場責任者として貴隊の申し出を受け入れたい。現在保管エリアには砲台型の無人兵器が侵入してきている。今はセンサーや足回りに攻撃を加えて押し留めているが数の多さが問題だ。まずはあの厄介なガラクタどもを何とかしてくれ。あと、緊急事態ではあるが、なるべく、なるべく倉庫に損害を与えない様に気をつけてくれ。でないと首都の保険屋相手に弁護士のドリームチームをダース単位で雇わなきゃならんからな』
ミハイル・グレヴィッチ
SIRDの面々と共に行動

警察と港湾保安部隊の応援及び支援はなし、と。ま、孤立無援なのはいつものこったな。つーワケで、こっちは勝手に好きな様にやらせて貰うとしようか。倉庫に当てるなって話だが・・・一応、努力はするがな。流石に跳弾や流れ弾は責任持てねぇ。気を付けた上で当たっちまったら、それは事故ってヤツだ。

局長からの報告で敵の位置を聞いたら、後はそれに従って効率よく潰していく。敵の動きを分断し各個撃破、UKM-2000Pの掃射で敵を蜂の巣にしてスクラップにしてやる。
あのガラクタ共、それなりに統率と的確な対応はできてるが、所詮機械だな。行動がワンパターンで読み易いぜ。

※アドリブ及び他者との絡み歓迎


ネリッサ・ハーディ
SIRDの皆さんと共に行動

現状は、港に停泊中の国籍不明タンカーに対し警察が臨検を行ったところ、武装したキャバリア及び無人機が出現、現在交戦中の模様です。我々は直ちにこれに介入し、キャバリア及び無人機を無力化するのが目的です。尚、警察は道路の防衛に手一杯な為、各種支援は期待できる状況ではありません。各自独力にて対処してください。

UCの夜鬼を召喚し、現場上空で敵の監視を行います。敵の位置及び規模等をリアルタイムで把握し、無線でSIRDメンバーに伝えます。また、状況に合わせて自身も敵の迎撃に参加、ハンドガン(G19C)にて味方を支援、必要に応じて警察や避難する民間人の援護に周ります。

アドリブ歓迎


灯璃・ファルシュピーゲル
【SIRD】一員として連携

流通の要衝ですか…
社会不安を煽りたい敵にとっては美味しい標的ですね

先ずは指定UCで黒霧と狼達を召喚
敵へ吶喊させ、狼群で攪乱牽制しつつ黒霧範囲を広げ
警官隊への射線遮蔽と敵の得意な集中運用による飽和攻撃妨害を狙う

倉庫やコンテナの影や死角と
黒霧に隠れて移動(忍び足・迷彩・目立たない)しつつ
適宜に狼達を召喚・四方から襲撃させ敵の妨害を継続

同時に味方の攻撃で狙いが逸れてる敵に
静かに接近しUC:ウロボロスアーセナルで無線式の自己鍛造型地雷と
通常爆薬を手早く次々に設置。

敵が態勢を立て直してある程度集結したところを
一気に爆破し確実なダメージを狙う(破壊工作・罠使い)

アドリブ・絡み歓迎


ハヤト・ノーフィアライツ
SIRDの面々と連携して行動っと。

アドリブ連携は歓迎。

無人機、まぁドローンみたいなもんかね。にしても、テロリストにしちゃ随分金を持ってるんだな。
ま、いいか。行くぜ!

指定UCを使用。宇宙バイクを強化。【戦闘知識】を駆使して相手の動きの予測を付けつつ、撹乱に回るぜ。
突撃と【ダッシュ】、【空中戦】を駆使し、緩急をつけた動きで敵陣を引っ掻き回そう。

バイク本体による【踏みつけ】、【怪力】を駆使した格闘、槍による【ランスチャージ】、熱線銃による【クイックドロウ】等
必要に応じて織り交ぜ暴れよう。

何かぶっ放そうとしてる奴にも【カウンター】で一撃を。
どんないい兵器でも、まともに撃たせなきゃ何とかなるさ。


寺内・美月
SIRD共同参加・猟兵間通信網構築
アドリブ・連携歓迎
・特殊火砲類(50㎜、57㎜、84㎜の三種)を用いて無人機を中距離から攻撃。
①50㎜は軌道修正弾薬(所謂追尾弾)を用い、敵の炸裂弾頭弾を的確に迎撃。
②57㎜は頭部レーザー砲を集中射撃、敵主砲を破壊もしくは使用困難な状態に持ち込む。
③84㎜は脚部等の比較的装甲が薄い場所を射撃し、確実に撃破できるなら胴体に数発同時に撃ち込む。
・近接戦闘になった場合は〖司霊〗を用いて突進し緊急対処。
・UC【真鋭憲兵】により、憲兵隊に『HT908T』をコピーさせ召喚。散開している敵を追い立てさせることにより、攻撃の主導権を保持しつつ密集(及び分断・孤立)させる。


馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。
生身参戦。

第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:灰遠雷

はてさて、この世界も初めてだの。防衛ならば手は抜かぬが。
無人…ということは壊してよいのだろうか。よいのなら、わしの出番なのだが(四人の中で破壊担当になってきた人)
視力を活用し、よく見るとしよう。…ああ、なるほど。前で立ち回るより、後ろより射った方がよいの。
ああ、このUC+呪詛+炎&雷属性攻撃で逃がさぬよ。さて、機械に雷はご法度とはいうが。これもそうであればよいな…!

※『特務情報調査局』(SIRD)所属ですが、この『侵す者』で話したことがありません。『侵す者』が一方的に知ってる状態です。



●戦場を覗き込む者
「現状は、港に停泊中の国籍不明タンカーに対し警察が臨検を行ったところ、武装したキャバリア及び無人機が出現、現在交戦中の模様です。」
「我々は直ちにこれに介入し、キャバリア及び無人機を無力化するのが目的です。尚、警察は道路の防衛に手一杯な為、各種支援は期待できる状況ではありません。各自独力にて対処してください。」
ネリッサ・ハーディ(クローク・アンド・ダガー・f03206)は通信機を介して保管施設エリアに展開するSIRD――特務情報調査局に所属する猟兵達に呼び掛けた。
局長という役職に就いているという事もあり、彼女の行動は実に手慣れていた。
「偉大なる深淵の主の下僕よ、我が召喚に答えよ」
そして彼女にはもう一つの顔がある。
それはその血筋に受け継がれし膨大な魔術知識、技術を駆使する魔術師(ウィザード)としての彼女だ。
魔法陣を敷く事なく、二節の詠唱にて呼び出したのは夜鬼。
「夜の魍魎」「ナイトゴーント」とも呼ばれる高位の怪異であり、同時に高い隠密能力と飛行能力を有する存在である。
夜鬼は召喚者たる彼女の意図を察したのか、召喚されると同時に折り畳まれた蝙蝠のような羽を広げ空へと飛び立った。
「これより夜鬼による当エリアの観測を開始します。敵の行動と皆さんの状況は逐一確認していますので、思う存分手腕を発揮してください」

●撃ち抜く者
「思う存分手腕を発揮してくださいと来たか。へへっ、だったら俺の得意分野だぜ」
ミハイル・グレヴィッチ(スェールイ・ヴォルク・f04316)はネリッサからの無線に耳を傾けながら相棒というべき汎用軽機関銃UKM-2000Pのコッキングレバーを操作し立ち上がった。
彼は倉庫のキャットウォークに隣接する明かり取り用の窓から通路の様子を伺っていた。
通路には敵の無人兵器『ファイアー・ワーカー』が群がり、警察と港湾施設の保安部隊が大急ぎで設置したであろうバリケードへと殺到していた。
バリケードは鉄鋼材をワイヤーで組み合わせたであろう障害物、頑丈さに定評のある船舶用コンテナによる防壁の二段構えとなっており、ファイアー・ワーカーはこれを敵と識別できず、味方に折り重なるようにしてこれを突破しようと試みていた。
そしてようやく一機がコンテナの向こうを視認したかと思うと……。
「撃てぇー!」
その後方で待機していた警察官、保安部隊員がウィリアム・ハム巡査部長の号令と同時に行われる一斉射撃により視覚センサーが破壊され、バランスを崩して他の機体諸共転げ落ちる。
「チェコの針鼠にトーチカ……まさか即席のバリケードで『大西洋の壁』をやる奴らがいるとは思いもしなかったぜ」
軍に所属していた過去を持つ彼は眼下の光景をUDCアースの史実で実際に構築された防衛線に喩えて、警察の戦術眼の高さを評した。
そして同時に一つの確信を得ると、仮説を試すべく窓枠にUKM-2000Pのバイポッドを乗せ、ファイアー・ワーカーに銃撃の雨を浴びせた。
「オラオラぁ!かかってきやがれガラクタ共っ!」
UKM-2000Pから放たれる7.62mm弾はファイアー・ワーカーの上部装甲を次々と喰い破り、その威力は正に強烈の一言に尽きた。
「次はジャベリンにも耐えられるような鉄板をつけてくるこったな!」
中には反撃の為に頭部レーザー装置にエネルギーを供給中だった機体がいたらしく、運悪く照射孔を破壊され味方を巻き込み爆散するものも少なくはなく、結果として実害のある反撃を受けず、彼が想定していた以上の数を撃破するに至った。
そして戦闘にひと段落が付いたところで、自らの気づきを共有するべく無線機からSIRDの他メンバーへと呼びかけた。
「こちらグレヴィッチ、あのガラクタ共の行動についてわかった事がある。あいつらは既定の指令しかこなせねぇ。馬鹿の一つ覚えみてぇに突っ込んで、攻撃されたら攻撃し返す。要するに正真正銘の烏合の衆だ。」

●騎兵、罠師、武人
「烏合の衆。なるほど、確かに手応えのない相手だと思いましたが……」
ミハイルの報告を聞いた灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)は最早動かぬ鉄屑と化したファイアー・ワーカーであったものを見やりながら呟いた。
彼女は封鎖線防衛の支援を目的に行動していたが、自身のユーベルコードでカバーする範囲のファイアー・ワーカーは早々に狩りつくしてしまっていたのだ。
封鎖線を離れるにしてもさてどうしたものかと思案していると無線機から通信が入った。
『こちら寺内です。グレヴィッチ様からの報告を聞いて試したい作戦があるのですが、ファルシュピーゲル様とノーフィアライツ様、ご協力いただけないでしょうか?』

「なるほどねぇ。俺はノるよ、ちまちまやってるのに飽きてきた所だったんで…なっ!」
ハヤト・ノーフィアライツ(Knight Falcon・f02564)は倉庫の合間を愛機「グランドファルコン」を走らせ、目につくファイアー・ワーカーを「ファルコン・ショット」の名を冠した熱線銃で撃ち抜きながら寺内・美月(霊軍統べし黒衣の帥・f02790)の申し出に応じた。
彼もまた敵機の動きに疑問を覚えており、ミハイルの報告を受けて納得した一人であった。
『こちらファルシュピーゲル、私も協力します。先手を取られている以上、後詰めが来る前にこのエリアを確保しなければいけませんから』
『お二人ともありがとうございます。それでは敵集団殲滅作戦を開始します、各自行動を開始してください』

ハヤトは美月の号令の直後に彼が放ったであろう砲声を聞き、それを合図に行動を開始した。
「さぁ行くぜ、相棒!退屈させられてたお前さんの、いや俺達の本気を、奴らに見せてやろうぜ!」
スロットルハンドルを捻ると歓喜の唸り声を上げる愛機を駆り、ハヤトは片手に槍を構えて封鎖線に向かおうとするファイアー・ワーカーの集団にランスチャージによる吶喊を仕掛けた。
それは機械の目をもってしても捕捉が困難な電光石火の一撃であり、悉くがその衝撃に吹き飛ばされる。
しかし彼の繰り出したそれは撃破を狙ったものでは無い。あくまでお膳立てであり、可能な限り敵を惹きつける事が彼に課された任務であった。
「ほらほら、鬼さんこちらってな!」
ハヤトを敵と認識したファイアー・ワーカーはレーザー攻撃を行おうとするが味方の合間をすり抜けるように走り回り、さらに槍やブラスターで妨害を行ってくる的に狙いを定められない。
そして十分惹きつけたころ合いで彼の下に灯璃からの通信が入る。
「ハウンドよりファルコン、食卓の準備は整いました。お客様をお通しください」
「ファルコン了解!御一行様をお通ししまーす!」
事前に打ち合わせた符号でのやり取りを終えると、今度はファイアー・ワーカーを挑発するようにグランドファルコンのエンジンを何度もふかす。
そしてファイアー・ワーカーの鎌首がすべて持ち上がったことを確認し、ハヤトはランデブーポイントへと直行するのであった。

ランデブーポイントは封鎖線へとつながる主要通路上、封鎖線からは8ブロック程奥の十字路であった。
灯璃がここを選んだ理由はバリケードがなく、「爆風の抜け道が十分に確保されている」ことであった。
ではファイアー・ワーカーがここに到着するまでの時間を使って彼女が準備した前菜(オードブル)の説明をしよう。
まずは自己鍛造型地雷。ミスナイ・シャルディン効果を用いた貫通破壊力に特化した地雷であり、戦車はもちろん一部のキャバリアやファイアー・ワーカーのような陸戦型兵器の天敵と言っていいだろう。
そしてそれに添えるは指向性爆薬、当然近隣施設への影響を配慮して少ない量で効果的な破壊力を生み出す職人の創意工夫が見て取れる。
『ファルコンよりハウンド!ランデブーポイントを目視した!通過タイミングは5カウント、カウント2で上空に脱出する!』
『ハウンド了解、こちらでカウントを開始します。5、4、3、2』
灯璃は起爆スイッチに手をかけカウントを刻む、そしてハヤトも宣言通りカウント2で上空へと抜け、地上にはまだ駆けるファイアー・ワーカーの集団が取り残された。
『…1、0!発破開始、発破開始!』
カウントの終了と共に連続してスイッチを押すと、ファイアー・ワーカーの足元で地雷が起動、毎秒2500m超の速度で弾頭がファイアー・ワーカーを貫く。
そして指向爆薬はファイアー・ワーカーを次々と吹き飛ばし、行動の可不可を問わず、1か所にまとめ上げた。

そして仕上げを務めるのは作戦立案者である美月であった。
ユーベルコードを発動し、彼が特殊火砲と呼ぶ兵器群の中から命中性、連射力、打撃力に優れた物を大量複製し狙いを定める。
「標的、前方の敵集団の山。制圧射撃、開始」
慢心無く、冷静に、そして徹底的に。
齢15という若さからは考えられない程に武人然とした佇まいはそれが血筋や猟兵などの立場に依らぬ、正に彼の実力その物から自然となせるものなのであろう。
そして砲声が鳴りやんだ頃、突然の砲撃に身をすくませていた警官が恐る恐るバリケードの向こうを覗くと、もはや原型をとどめていない鉄屑の山がそびえ立っていたという。

●破壊の一矢
「ふぅむ、情報局の者たちもそれぞれ動いているようだしのう。どれ、わしの強弓の冴えを見せぬわけにはいかんであろう」
警察の封鎖線から遠くない倉庫の傍のクレーンの上から地上を見やる猟兵、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の四つの人格のうちの一つ『侵す者』はそう呟いて得物たる『灰遠雷』を取り出した。
矢筒を背負わずとも問題のないこの強弓が撃ち出すのは霊力により編まれた雷の矢。
さらにダメ押しと言わんばかりに呪詛と炎の刻印を刻み込み、一体何人張りかと訊ねたくなるような強弓を引き絞る。
「むうぅんっ!」
全身の筋肉、骨、腱から何かが軋むような音を生じさせる中、『侵す者』は納得のいく一矢を放ってみせた。
その直後、一帯に強烈な破裂音が鳴り響いた。
物体が音の壁を超えるとき、つまり音速に達すると破裂音が生じることがある。
この時の破裂音の正体は正にこれなのだが、その音を聞いたものすべてが同じことを連想していた。
(雷……?)
そう、最早それは人が生じさせるものという度を超え、自然現象の模倣の域。
否、自然現象そのものへと昇華されていた。
放たれた矢は直ぐにその数を増やし、地上のファイアー・ワーカーへと一矢たりと外れず降り注いだ。
それは他の猟兵が相手取っていた個体も含めてであり、余計に落雷としか思えないような光景を作り出していた。
「ガッハッハッハ!機械にゃ雷が法度と相違が決まっている故、ためしてみたらこれほどまでに綺麗に射抜いてしまうとはのぉ!ガッハッハッハ!」
彼は自らが射抜いた一体を視力を凝らして見てやれば、その装甲をこぶし大の大きさの穴が底面まで綺麗に抉りぬいているではないか。
そのことがあまりにもおかしくて呵呵と笑うその声は、後日サノカティラ港湾関係者の間で『港湾のカミナリ様』と呼ばれて噂になるのだがそれはまた別のお話である。

●不可解な民間人
「戦況はこちらの優勢、殲滅の完了も時間の問題ですね」
夜鬼による情報収集を進めつつ、自身もG19C拳銃を手にエリア内の捜索を行っていたネリッサは状況の推移に思わず安堵の息を漏らした。
この事件は不可解な点が多い。それは彼女だけでなくこの依頼に集い、今も戦っているだろう猟兵達のほとんどが抱いているものであろう。
これだけの兵器と、その後ろに控えているキャバリアを揃えられるほどの資金力、しかもそれが国家ではなく反社会的組織によるものという可能性が存在する以上、今後もこの世界のどこかで同じようなことが起きるのではないか。
そうした一抹の不安を覚えていた彼女の耳は、ゴソゴソと動く物音を察知した。
「っ!」
意識を瞬時に切り替えG19Cを構える。
物音はこの壁の向こう、目の前の看板には「休憩室」と書かれている事から逃げ遅れた施設職員か、もしくはこの事件に関わっている者か。
ネリッサは音を立てないように注意し入口に近づき、ゆっくりとドアを開けて中に入った。
「ひっ、ひいぃぃ!?」
「落ち着いて、救援部隊よ。あなたは……ここの職員じゃないわね?」
彼女が中に入って見つけたのは一人の成人男性。ひどく怯え、憔悴しきっているのが見て取れる。
職員じゃないと判断したのは彼の風体が一目で見てわかる程に堅気のものでは無かったからだ。
「みんな、みんなおかしくなっちまった。ボスもあいつらもみんな……」
「あなたのボスは誰?」
「ロドリゴ・ラゾ・サンタナムだよ!髑髏の王!俺たちの王様さ!」
(……駄目だ。全く分からない。)
ここまで錯乱している者から情報を聞き出すのはこの状況下では悪手なのはまず間違いない。
このボスの名前や二つ名が示すのが犯罪組織のものであれば地元警察ならばなにか知っているかもしれない。
そう判断したネリッサは彼を落ち着かせると、封鎖線のハム巡査部長に連絡を取り、応援の警察官に彼を保護させたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フォルク・リア
「やれやれ、無人機の撃破と物品の保護か。
両方やらなきゃいけないのは大変だけど。
生身の人間を保護しなきゃならないより気は楽か。」

キャバリアには搭乗せず
コンテナ等に身を隠し移動。
敵の動きを観察し、単独若しくは少数になった敵を狙って
呪装銃「カオスエンペラー」で集中的に狙撃するが。
「機械相手に呪詛は効きが悪いか。なら。」
と切り替えグラビティテンペストを発動。
重力を操り敵の機体中心に対して圧縮する
超重力を生み出し限界まで押し潰し
移動しつつ同様に一体ずつ撃破、殲滅を目指す。

炸裂弾頭弾に対しては軌道と数を【見切り】
グラビティテンペストの重力波と
デモニックロッドの闇魔弾で迎撃。
炸裂弾同士を爆発に巻き込み一掃。



●探求者
猟兵達が保管施設エリアの各地でファイアー・ワーカーを駆逐する中、フォルク・リア(黄泉への導・f05375)は単独で行動していた。
彼は戦士や兵士と言った生粋の戦闘職ではない。「戦闘にも長けた」という前置きが付くが、研究者であり探求者である。
故に正面切ってという戦いではなく、「はぐれ」を狙って確実に仕留めるという戦術をとっていた。
「ふむ、やはり呪詛は効果が薄いか。しかし誘導弾頭への魔弾迎撃は有効……」
そして彼の戦闘は正しく「研究」の延長線上にあった。何が有効で、何が無効か。最適手は、手順の短縮は可能か。
「はぐれ」をみつけてはトライ&エラーの繰り返し。
しかし同時に数を重ねるごとに手段は最適化され、確実にファイアー・ワーカーの撃破数を稼いでいた。
「よし、この個体での研究は終わりだ。次を探すとしよう」
また一つの「研究」の終わりを宣言すると突如、「研究済み」の山の中からファイアー・ワーカーが飛び出した。
恐らく何らかの衝撃で一時的に機能を停止していたのだろう。
「おっと、俺としたことが」
しかし、まるで出かけ先で財布を家に置いてきてしまった事に気が付いたような調子で呟く彼に焦りや驚愕の色は出なかった。
彼はこの戦闘において、これまで戦ったファイアー・ワーカーに行ってきたようにとどめの魔術を行使した。
「押し潰せ、引き千切れ、黒砂の陣風を以て。其の凄絶なる狂嵐の前には何者も逃れる事能わず。ただ屍を晒すのみ。吹き荒れよ、滅びの衝撃。」
その魔術はグラビティテンペスト。
周囲に無機物のある環境であれば行使できる重力操作系のユーベルコードであった。
ファイアー・ワーカーは全方位から迫る超重力に全身を軋ませる。
装甲は割れ、レンズや基盤はショートし、機能が停止してもなお圧縮は続く。
そしてようやく圧縮がおさまったころ、ファイアー・ワーカーがいた場所にはこぶし大の金属球が転がっていた。
「……よし、今度こそ終わりだな。」
その金属球を見てやり遂げたことを確信した彼は次の「はぐれ」を探すため、コンテナの影を行くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カーバンクル・スカルン
委細承知。あーとー、申し訳ないけどせっかく用意してもらった銃弾は使う必要なく終わるかもよー?

さあ、ジュース片手に高みの見物と参ろうか。【置酒高会】、地面から迫り出す壁で集まったファイアー・ワーカー達を一気に閉じ込めろ!

あんたら程度の口径じゃどれだけ撃ち込んでもこの壁は壊し切れないでしょう? 倉庫もコンテナも一切傷つけさせねーぜ。

さあ、本日の食事だ、残さず噛み砕け機械仕掛けのワニ達! 遠隔操作の無人兵器なら手加減せずにぶっ壊しても構わんでしょう?



●捕食者
 弾丸や魔法が飛び交う保管管理エリアでただ一人独特な雰囲気を漂わせる猟兵がいた。
「彼女」のその手にはどこから調達したのか、エルデナント共和国で人気の清涼飲料のパーティー用ボトルが握られており、更にこのエリアでもいっとうに目立つ場所に陣取り、正に文字通りの「高みの見物」を決め込んでいた。
「おー、集まった集まった。さて!そろそろ良いころ合いだろうね」
彼女、カーバンクル・スカルン(クリスタリアンのスクラップビルダー?・f12355)はそう言うとバリケード周辺になだれ込もうとしているファイアー・ワーカーの集団に対して指を向けて「質問をした」。
「さぁ、君たちは何分耐えられる?」
すると同時に呼応するようにファイアー・ワーカーの周囲の地面から四方を閉じるように壁がせりあがる。
突然の事態にファイアー・ワーカー達はレーザーやミサイルを壁に向かって撃ち込んだり、味方を踏み台に囲いからの脱出を図ろうとするも、破壊はおろか脱出すらもかなわない。
「ほらほら、はやく答えを出さないとワニの餌になっちゃうよ?」
そして彼女の言の通り、ファイアー・ワーカーの足元にはいつの間にか5匹の機械仕掛けのワニが現れ、そこが自分の住処であるかのような振舞い、即ち「食事」を開始した。
すし詰めのファイアー・ワーカーは突然の襲撃者に対し満足な攻撃を仕掛ける事も出来ず、一機、また一機と地面に引きずり込まれるように食い貪られ、そして遂に檻の中は静寂を得るに至った。つまり、ファイアー・ワーカーの全滅であった。
「……あ、全部飲み切っちゃった」
意外と持ち堪えたねぇ。と彼女は手に持った空の清涼飲料のボトルを振りながら呟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『オブシディアンMk4』

POW   :    ホークナパーム
【油脂焼夷弾】が命中した対象を燃やす。放たれた【高温の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ピアシングショット
【スコープ照準】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【RSキャバリアライフル】で攻撃する。
WIZ   :    マイクロミサイルポッド
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【誘導ミサイル】で包囲攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●一難去って
猟兵達が保管施設エリアの無人兵器ファイアー・ワーカーの殲滅に成功した頃、つい先刻に聞いたばかりの声で通信が入った。
『……あー、テステス。こちらハム巡査部長だ。ドンパチの音がやんだって事はどうやら片付いたみたいだな。こちらでも現在まで施設から抜け出した機体がいない事は確認済みだ。それともう一つ、今しがた貴隊と警察用の交信チャンネルが用意できた。以降はこのチャンネルでやり取りを行う事になるだろうからよろしく頼む。』
どうやら警察側も封鎖線の防衛に成功したらしい。通信によく耳を澄ませば背後からパトカーのサイレンがけたたましく鳴っているのが聞こえてくる。応援部隊が到着したのだろうか?
『それと良い知らせだ。市警の警備部隊が到着した。対テロ特殊部隊の二個小隊、キャバリアの一個小隊の計三個小隊だ。流石に軍隊みたいな大部隊ってワケにはいかんがどいつもこいつも戦場帰りばかりの精鋭揃いだ。冗談抜きでな。』
『こちら警備キャバリア第1小隊、隊長のシェリル・ホプキンス警部だ。貴隊の仕事ぶりはビル……ハム巡査部長から報告を受けているよ。』
ハム巡査部長との通信に男勝りな印象を受ける女性の声が割り込んだ。
自己紹介から彼女――シェリル・ホプキンス警部が警察のキャバリア部隊を指揮しているらしい。
そして猟兵達への印象はとても良さそうだ。
『それとウチの捜査本部長から伝言だ。貴隊に正式な一時的法執行権限が与えられた。早い話がいくら暴れても警察が責任を持つって事さ。まぁ、警察の指揮系統下って制約付きではあるがね。』
羨ましい限りだ、と冗談ではなく本心からそう思ってるような事を言うホプキンス警部。
しかしよくそんな無茶が通ったものだ。猟兵の一人がそう呟くと今度はハム巡査部長が猟兵の疑問に答えた
『それがそうも無茶な話じゃないのさ。小国間とはいえキャバリアを使ったドンパチを世界中が100年近く続けてんだ。それに比例してキャバリアの生産、流通量も増える。そうなりゃキャバリアを使った犯罪を思いつく悪党も出てくるだろって想定で国中の警察が次世代型犯罪の研究を手探りでやってるのさ。市警の上層部もアンタ方の戦い方を教材にしたいって考えなんだろうよ。』
なるほど、つまり警察なりの未来戦略という訳だ。
仮に戦後世界でキャバリアの平和的活用法を見い出せたとしても、それらすべてが犯罪に使用されないという保証は無い。そして犯罪の最前線に立つのは警察であり軍ではない。故に警察も対キャバリア戦闘を意識しなければならないという事なのだろう。
『……おっとそうだ。そっちで身柄を保護してくれた男についての報告だ。とりあえず衰弱が酷かったんで病院に搬送した。それで結論から言えば男は状況的にクロだ。詳しい事は意識が回復してからになるが、ボスがロドリゴ・ラゾ・サンタナムって事ならまず間違いない。サンタナムは密輸専門の犯罪結社「ジョリーロジャー」の親玉、つまり髑髏の王なのさ。』
どうやら猟兵が偶然にも保護した民間人は有名な犯罪結社の構成員である可能性があるらしい。しかし密輸専門という事は目立つ様な行動は避けるはずではないだろうか?
『その通り。存在は知られても足跡を残さない幽霊みたいな連中だったのがここに来てドンパチおっ始めるってのはどうにも腑に落ちなくてな。そういう事で早速次のオーダーだ。真相究明のためにもキャバリアのパイロットは生かした状態で無力化してくれ。その為ならどんな手段を使ってくれても構わない。』
『なんならウチの部隊をこき使ってくれても構わないぞ?むしろ遅参した分の穴埋めはさせてくれ』
いずれにせよオブリビオンマシンとの戦いは避けられない以上、警察の支援を受けて必要以上の消耗は避けたほうが良いだろう。
猟兵達はハム巡査部長からの要請とホプキンス警部からの申し出を受ける事にした。

●ラウンド2-臨海港湾エリアの激闘-
『こちらはサノカティラ市警察だ。武装キャバリアに搭乗している諸君に告げる。諸君は包囲されている。無駄な抵抗はやめ、武装を解除し直ちに投降しなさい。繰り返す――』
警官隊は保管施設エリアの奥、臨海港湾エリアとの境界に陣取り、施設の無線スピーカーからハム巡査部長がキャバリアのパイロット達に投降を呼び掛ける。
ここまでの戦闘でキャバリアが保管施設エリアに侵入してこなかったという状況から、警察上層部はキャバリアを威嚇目的で起動させたと判断し、現場には形式に則った対処をするように指示を出した。
警備部隊と猟兵は最悪の場合、つまり武装キャバリアが抵抗の素振りを見せた場合に備え、いつでも飛び出せるように所定の位置で待機中である。
『諸君は包囲されている。無駄な抵抗をやめ――』
そして大半の予想通りというか、複数の武装キャバリアがスピーカーの設置された鉄塔や、通路を塞ぐ無人のパトカーに向けて攻撃を開始した。
『武装キャバリアからの攻撃を確認!繰り返す、武装キャバリアからの攻撃を確認!』
警察無線から怒鳴るような報告が入る。
それを合図に警官隊は応援部隊が掻き集めてきた対戦車ライフルなどの大口径火器を手に最寄りの建造物に駆け込み、応戦態勢に入る。
そして同時に猟兵と警備部隊に対しても、行動を開始せよとの号令が出た。
これこそがエルデナント共和国警察史上初の対キャバリア戦闘のはじまりであった。
●互角以上の戦い
『ホプキンスより各機へ、作戦開始だ。ギャング相手と言って気を抜くんじゃないぞ』
『『『了解!』』』
シェリル・ホプキンス警部の合図とともに行動を開始する警察のキャバリア小隊。
彼らの機体はどれもが旧式の軍用量産型キャバリアの改修モデルである。
戦場では常に戦術、兵器のアップデートが忙しなく続いている。故にどのキャバリア製造メーカーも軍隊の注文にかかりきりとなり警察用に新型機の製造ラインを開ける手間すら惜しむ有様であった。
そうした背景から生まれたキャバリアに乗る彼らが相手取るのは「オブシディアンMk4」、正に今日の戦場で駆けまわっていてもおかしくない量産型キャバリアの軍団であった。
とは言え乗り手達は歴戦の戦場帰り、練度では決して引けを取る訳もなく。
そして彼らには「猟兵」という心強い味方が付いていた。
フォルク・リア
「生け捕りか。
どうやらさっきみたいにはいかなそうだが。
人間相手ならその方が都合が良い。」
事前に敵機の構造を確認しパイロットの位置を特定。

小隊の隊長に
「今回一緒にやらせてもらうフォルクだ。よろしく。
で、やって貰いたい事だけど。」
隊には敵の目を引き足止めしてもらいたいと告げる。
その間にパイロットの無力化は自分がするとも。
タイミングについては隊側から連絡を受ける。

軽く作戦を伝えてから隠れ移動。
拘束する闇の黒鎖を発動して準備。
敵の位置と数を確認し連絡があれば
機体を透過する影の鎖をコックピットに向けて放ち
魂を拘束する事による【気絶攻撃】を行う。
気絶した相手の確保は隊に任せ
次々とパイロットを気絶させる。



●ニード・トゥ・ノウ

「……陽動、陽動か」
サノカティラ市警キャバリア部隊の隊長であるホプキンス警部はフォルク・リア(黄泉への導・f05375)から告げられた「頼み事」を反芻する様に声に出していた。
『警部、どうしたんですか?』
「先ほどの彼、フォルク氏はどういう戦いをするのか気になってな」
『あー、確かに気になりますね。』
『身軽そうでしたし、やはり白兵戦でしょうか?』
「白兵戦かぁ……」
部下の言葉を聞きホプキンス警部は従軍中に噂で聞いた腕利きの傭兵たちの噂を思い出した。
正に一騎当千の強者であり、生身でキャバリアの軍勢を叩き潰すものもいるのだとか。
「まぁ、何はともあれ私たちが動かなければ氏も動けん。各機、気を抜かず全力で敵を惹きつけろ!」
『『『了解!』』』
彼女の合図と同時にキャバリア部隊は行動を開始した。
「始まったみたいだな」
フォルクは山積みにされた資材の影からホプキンス警部率いるキャバリア部隊と敵集団の戦闘を観察していた。
敵は指揮官を擁していないのか、部隊を発見するやいなや攻撃を仕掛けていた。
しかしその攻撃は実に統制が取れており、まともに攻撃に曝されてしまえば一溜りもないだろう。
対して警察側も負けていない。数で勝る相手に正面から挑むなどという愚を犯さず、部隊をツーマンセルで分散させ、一か所に攻撃が集中しないように立ちまわっていた。
次第に敵のキャバリア『オブシディアンMk4』の注目が警備部隊へと移り、その背後に空白地帯が生じる。
『こちらホプキンス。そちらのオーダー通り、奴さんどもの目は私たちに釘づけだ』
「ありがとう、極めて理想的な状況だ。後はこちらに任せてくれ」
そう告げると彼は敵の背後へと回り込み、手元から垂らした鎖をそのうちの一体に向けて放った。
背部からの奇襲を受けたオブシディアンMk4はそのまま鎖に貫かれるが、コックピット内のパイロットのバイタルサインを含めて
自己診断プログラムは異常を検知することができなかった。
それもその筈、非物質による非破壊の一撃。そしてハッキングや電磁パルスと言った電子的攻撃でもない。
正に未知の一撃、通常の戦場で想定されていないイレギュラーな一撃である。
「――影より現れし漆黒の鎖よ。その魂を闇へと堕とせっ!」
フォルクは鎖から確かな「手応え」を読み取り、そして詠唱する。
すると貫かれたオブシディアンMk4はまるで糸が切れた人形のように動かなくなった。
「これでよし。ホプキンス警部、今みたいな感じで一機ずつキャバリアを無力化していく。パイロットは気絶しているだろうからそちらの人員で保護と搬送を頼みたい」
『恐ろしく手際が良いな。一体……いやニード・トゥ・ノウ(知るべきことだけを知っていればいい)だな。詮索はよしておくよ』
「そうしてくれると助かるよ。向こうはまだまだ多いからな」
フォルクはホプキンス警部にそう告げると次の敵機を無力化するべく駆け出した。
そしてホプキンス警部も部下に指示を出しながら作戦報告書をどのように纏めるか頭を働かせるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アマリア・ヴァシレスク
ふむふむ…確かに密輸組織が大規模戦闘を仕掛けるには何か理由がありそう、です
それを聞き出すためにも、出来るだけパイロットは生かしつつキャバリアを止めるのを狙う、ですっ!

ひとまずは警官隊の人を保護しつつ攻撃がしやすいように【怪力】で港にある貨物コンテナを使って簡易的なバリケードを作成、です
これなら、私以外にもキャバリアより小回りの効く警備部隊の人達が【地形の活用】をしやすいはず、です
戦闘では警官隊に続いて、レーザーライフル(スナイプモード)での【スナイパー、援護射撃、レーザー射撃】…です
可能なら【カウンター】でナパームを迎撃しつつ、【部位破壊、武器落とし】で武装や脚を狙って無力化していきたい、です



●本心からの人助け

「怯むな!撃ち返せーっ!」
建物内にハム巡査部長の怒号が響く。
窓際に並べられた対物ライフル、対戦車ライフル、重機関銃の銃口が一斉に火を噴く。
最前線の警備部隊や猟兵達を支援するための拠点ではあるが、敵のオブシディアンMk4も反撃してくる。
「巡査部長!側面からこちらに接近する敵機あり!9時方向!」
「抜かれただと!?」
部下の報告を受けハム巡査部長は双眼鏡を手に取り、その方向を見るとミサイルポッドとキャバリアライフルをパージして随分と身軽になったオブシディアンMk4が数機突撃してきていた。
そして彼はその機体らが自分たちの攻撃を受けて撃破された「はずの」機体である事を見抜いた。
「しまった偽装か!各員十字砲火(クロスファイア)に備えろ!反撃準備!」
「駄目です!間に合いません!」
万事休す、ハム巡査部長の脳裏をその言葉がよぎった正にその時だった。
「そうはさせません、ですっ!」
巨大なライフルを担いだ人影が一つ、迫りくるオブシディアンMk4の前に躍り出た。
「ア、アマリア嬢ちゃん!」
ハム巡査部長が驚きの声を上げた。その人影は警備部隊の支援に向かっていたアマリア・ヴァシレスク(バイオニックサイボーグ・f27486)であった。
彼女はサイボーグ由来の怪力を活かしてバリケードの作成などを行い、わずかな時間で現場警官たちと友好関係を築いていた。
「嬢ちゃん!そこは危ないぞ!」
「いえ!あのキャバリア達はここで止めます!」
アマリアはそういうと担いでいたレーザーライフル「EMLR-01X」をスナイプモードへと変形させ、迫りくる敵へと向け構える。
時を同じくしてオブシディアンMk4もナパームランチャーのハッチを開放し、警官隊が立て籠もる建物へと焼夷弾を発射した。
「まずは足でなく兵装、ですっ!」
そしてアマリアはそれを見越してか、照準をナパームランチャーに合わせて引き金を引くと青い一条の光線がオブシディアンMk4に向けて射出。
それは発射直後の弾頭を含め一瞬で貫き、そして誘爆させることに成功した。
さらに周囲にまき散らされたナパームに引火、一面に炎が燃え広がり後続機を含めた全機のセンサー系を狂わせ文字通りの立ち往生状態を生み出す。
そして動きを止めたところにすかさずレーザーによる追撃を行い、脚部の破壊に成功した。
「……マジかよ。じゃなかった、助かったぜアマリア嬢ちゃん!」
余りにも現実離れした光景に言葉を失いそうになるハム巡査部長であったが、気を取り直してアマリアに感謝の言葉を伝えた。
「皆さんもご無事で何より、ですっ!」
そして伝えられた彼女自身も、人助けができたことを誇りに思い笑顔にサムズアップを添えて応えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミハイル・グレヴィッチ
SIRDの面々と共に行動

ふん、今度はデカブツが相手か。手荒く楽しくなってきやがった。
そんじゃ、キャバリア狩りと洒落こむか。

敵キャバリアが市警のキャバリア小隊と交戦して気を取られている隙に、遮蔽物を利用して敵キャバリアの側背、RPG-7V2の必中距離50mまで接近、UCを使用。パイロットは生かしておけってオーダーだからな。狙うのはキャバリアの足関節。ここを吹き飛ばして擱座させちまえば、後は煮るなり焼くなりご自由に、ってヤツだ。
こちとら軍にいた時からこの手の裏方にゃ慣っこだからな。手柄は市警のキャバリア連中にくれてやる。ま、無事にこの騒ぎを収めるコトが出来たら、酒の一杯でも奢ってくれ。

アドリブ歓迎


ネリッサ・ハーディ
SIRDのメンバーと共に行動

密輸業者と髑髏の王…確かに、この様な乱暴な手にでるのも腑に落ちませんね。しかしこれもオブリビオンマシンの影響と考えれば、辻褄は合います。もしかしたら、これはいわゆる陽動で、別の場所で別の目的があるのかもしれませんが。
いずれにせよ、まずはこの場を鎮圧するのが先決です。
UCの炎の精を召喚し、敵のキャバリアに向けて四方から突入させ、フレア替わりにして攪乱を行います。同時に、炎の精で頭部のカメラや兵装の弾薬を焼いて損傷及び誘爆を狙います。とりあえず乗員は生存した状態が望ましいですから、あまり極端な誘爆はしない所、マシンガンの類の弾薬を誘爆させるに留めましょう。

※アドリブ歓迎


馬県・義透
【SIRD】メンバーと一緒に。
ちょっと高い位置におる。
む、人が乗っておるのか。なら、さっきのは都合が悪いか。わしだとなおさら(破壊の権化)
…仕方なし、交代ぞ。

『侵す者』→『静かなる者』
一人称:私 冷静沈着な霊力使いの武士
武器変更:白雪林

…そもそも、弓で相手する、というのがあれですがね。
さて、では相手を動かさないようにすればいいのですね。
これは私の力、私だけが扱えるUCなれば。包囲されようと、それを止めて撃ち落としてしまえばいい。
連携重視で二回攻撃と制圧&援護射撃を駆使しましょうか。


こちらの人格は面識あったりします。


ハヤト・ノーフィアライツ
アドリブ連携歓迎。
SIRDのメンツと。

指定UCを発動。
小型ロボット軍団83機を招集。灯璃嬢と連携し、警備部隊にも協力を要請、包囲網を敷く。
数の利を活かして徹底した撹乱を行い、敵の突出、分断を誘う。隙を作った
奴から順番に叩かせよう。

【戦闘知識】と【集団戦術】の技能を活かして適時指示を出しつつ、自身は光学【迷彩】を貼りながら
敵キャバリア、及び兵装へ【ハッキング】。

たまには頭脳派アピールしとかないとな、っと。

兵装をロックしつつ、キャバリアの動力停止、または低下を目論む。

大体手筈が整ったら、自身も戦列に加わる。
バレるか失敗したら、【早業】で攻撃をかわしつつ、【怪力】で普通にロボット軍団と殴り込みだ。


灯璃・ファルシュピーゲル
【SIRD】一員で連携

密輸屋が商品に乗っ取られたんだとしたら
…笑い話にもならないですね

(情報収集・戦闘知識)で敵味方の動きを把握しつつ
指定UCでMHD型爆薬発電機応用のEMP爆弾を搭載した
大型無人輸送機を作成

ハヤトさん(f02564)の動きに呼吸を合わせ
敵群へ降下爆撃し敵のセンサー系統に圧力を掛け
牽制すると同時に敵の電子防御機構を一時的なダウン・低下を狙い
ハッキングを支援。

敵がうまく弱体化・混乱してきたらUC:オーバーウォッチを発動
動き回りながら敵機のスコープやミサイルポッドと
関節部の動力ラインを狙撃(スナイパー・鎧無視攻撃)し
兵装と機動力を確実に潰すよう戦います

極力生かして無力化

アドリブ歓迎


寺内・美月
SIRD共同参加・猟兵間通信網構築
アドリブ・連携歓迎
・現地警察隊との無線を構築し、共同して効率的な火力発揚が行えるよう環境を整備
・自身としては特殊火器を一部変更(50・57・120㎜)し火力を発揚
①50㎜は油脂焼夷弾及び誘導ミサイルを迎撃
②57㎜は無装甲・軽装甲部位を攻撃。主に武装の接続部や、センサー等の精密機器に対し連発能力を遺憾なく発揮
③120㎜は操縦席を除く重装甲部位を攻撃。機関部を優先的に破壊し、敵機を戦闘不能状態に追い込む
・タンカーにも注意を向け、敵増援等が確認され次第すぐさま報告する
・負傷兵の早期治療用にUC〖治療レーザー月光〗を、前線崩壊時の対処用にUC〖誘導レーザー霊光〗を準備



●イェーガー・サポートB
「よぅし、それじゃあまずは援軍を呼び出そうか。ファルコン・フォース、スクランブルだ!」
ハヤト・ノーフィアライツ(Knight Falcon・f02564)がそう言うと、その呼び声に応じて総勢83体の人型ロボット軍団が召喚された。
「ファルコンからハウンド、こっちの準備は完了だ。」
『ハウンド、了解。警備部隊へ、これより敵行動の妨害を目的としたEMP攻撃を開始します。該当エリア内への進入はこちらからの合図を待ってください』
ハウンドのコードネームで応えた灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)は警備部隊への通達と同時に事前に保管施設エリアに用意したUAVを無線操作で射出した。
UAVはオブシディアンMk4の頭上に接近すると急降下を開始、これに気が付いたオブシディアンMk4はこれを迎撃するためにキャバリアライフルをUAVに向けて発砲を開始した。
『爆弾投下!カウント3…2…1、弾着、今!』
次の瞬間、爆弾内に生じたガスが圧縮されプラズマ化。これにより瞬時に小規模ながら電磁パルスが発生した。
爆弾の輸送をしていたUAVはこの電磁パルスの影響で制御を失い海面に墜落、オブシディアンMk4は対電磁防御が施されていたのか、多少動きを鈍らせるにとどまっていた。
『EMP攻撃成功。エリアへの進入を開始してください』
灯璃の合図とともに飛び出したのはホプキンス警部率いるキャバリア部隊、対テロ特殊部隊のアルファ、ブラヴォー小隊。そしてハヤト麾下のファルコン・フォースであった。
「まだ動ける敵機を優先して叩け!一機に対して複数機で対応するんだ!」
彼はロボットに指示を出しつつ、光学迷彩に身を包みながら行動不能に陥ったオブシディアンMk4へのハッキングを行い、完全に機能停止するように追い込む。
『こちらブラヴォー小隊!EMP影響下から逃れたと思われる複数の敵機と交戦中!応援を求む!』
すると無線通信で応援要請が入る。背後では銃撃音、無反動砲の発射音と思しき騒音が鳴り響いている。
キャバリア小隊と違い彼らは生身だ。数で押されてしまえば一溜りもないだろう。
『こちら寺内、貴隊への火力支援に入ります。もうしばらく持ち堪えてください!』
『かたじけない!』
警察との通信網を構築していた寺内・美月(霊軍統べし黒衣の帥・f02790)は音の方向から自分が最も近い事を悟り、駆け出していた。
そしてもう一人の猟兵がそこに合流した。
「おや竹内殿。どうやら向かう先は一緒のようですね」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)はクレーンを物見やぐらのように使い戦況を把握し、いち早くブラヴォー小隊の危機を察して行動を開始していたのだ。
「馬県様。はい、その通りです。」
「なるほど、では私は敵の足止めを。とどめは竹内殿にお任せします」
「承知しました。」
言葉を交わし終えると馬県はコンテナや資材を足場に駆けあがり、敵を捉える。
「機械に弓で挑むこと自体、なにか間違っているような気もしますが……」
そう言いながらも白雪林に霊力の矢をつがえて撃ち放つ。放たれた矢はオブシディアンMk4の足元や関節へと迫るも鉄騎相手には分が悪かった。
しかしそれは「弓矢」であれば、という前提下での話である。
矢の当たった個所が徐々に凍結していく。その結果、ブラヴォー小隊を襲っていた機体も動きが鈍くなる。
「い、一体何が!?」
「応援に駆け付けました!これより120mmの調節照準砲撃を開始します!」
驚き事態を飲み込めないブラヴォー小隊員に到着を告げる美月。
そして宣言通り複数の120mm砲を複製し、その砲門をすべて正面へと向ける。
「眼と耳を塞いで口を開けろ!」
その合図と同時に砲が火を噴く。その光景は圧巻の一言に尽きる。
爆風を生じさせ突き進む120mm砲弾はオブシディアンMk4の四肢をもぎ、瞬く間に無力化していった。
「……すごいな。」
「あぁ、全くだ。」
そう呟いたのはブラヴォー小隊の隊員たちであった。
爆風が過ぎ去った後に見たもの、即ちコックピットユニットを残して残骸と化したキャバリアを目の前にしてしまえばそれ以上の言葉を紡げなくなるのも当然といえよう。

●イェーガー・サポートA
「フォーマルハウトに住みし荒れ狂う火炎の王、その使いたる炎の精を我に与えよ」
ネリッサ・ハーディ(クローク・アンド・ダガー・f03206)がそう詠唱すると幾つもの火球のような物体「火の精」が現れた。
そしてそれらはまた意識を持っているかのように動き出し、オブシディアンMk4へと群がった。
対するオブシディアンMk4もこれらに反撃を行うが、全く手応えを見出せずにいた。
逆にそれは周囲の火の精の注意を引いてしまい、合体され従来以上の脅威に成長させていた。
『EMPの次は火の玉か……結構何でもありなんだな』
「職業柄、様々な脅威に備えてますので」
『職業柄かぁ……。うん、わかった。それ以上は聞かないでおく。』
ホプキンス警部は彼らがもしかして、ではなく「もしかしなくても戦場で噂になっている強者達の正体じゃないか?」と気が付き始めていた。
しかしこんな事が上層部に伝われば「だったら彼らを正式に雇い入れればいいじゃないか!」などという無茶ぶりが現場に飛んでくるのは火を見るより明らかであった。
なので彼女は自らの気づきを胸の奥底にこっそりしまって置く事を決意した。
『よし、各機は所定の行動を開始せよ。手負いが一番恐ろしいのは戦場と同じだ、気を抜かずにしっかりと惹きつけろ』
『『『了解!』』』
彼女の号令と共に警察側のキャバリアが動き出す。
敵のオブシディアンMk4は火の精の影響でカメラ・センサー類がオーバーヒートを起こし、中には弾薬類への誘爆を起こしている機体がいた。
しかし、そのような状況にあろうとオブシディアンMk4の中に逃走を図る様な機体は存在しなかった。
『こちらミハイル。敵の背中が良いカンジにがら空きになったのを確認した。んな訳で俺も動かさせてもらうぜ』
ミハイル・グレヴィッチ(スェールイ・ヴォルク・f04316)は無線を通してそう告げると物陰から飛び出し、担いだRPG-7V2をオブシディアンMk4の脚部に向けて発射した。
その弾頭は狙いを外すことなく突き刺さり、タンクキラーの名に恥じぬ威力を以て対象を擱座させるに至った。
「確か昔取った杵柄って言うんだったか?こういうのは得意なんでね」
『……ミハイル氏はもしかしなくても特殊部隊出身だったりするのか?』
「ん?まぁそうだな、特に隠すようなことでもないが。俺の経歴はそういうものだな」
『そうか!いやぁ良かった!特殊部隊なら何でもありでも納得がいくものな!うん!』
「……あー、そうか。何となく察したぜ。」
次々とオブシディアンMk4の脚部にロケット弾を撃ち込みながらミハイルはホプキンス警部の心境を察した。
(確かに猟兵の戦い方って十人十色っていうか、個性色強いもんな。)
そう思いながら、次々とMk4の脚部にロケット弾を撃ち込むミハイルであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

カーバンクル・スカルン
おーおー、派手に始まりやがった。そんじゃ、私も派手にやるとしますかねー?

でも、自分の技術を簡単に見せるのも癪だし……絶対に再現できないやつでやるとしますか。

【高速組立】でカタリナの車輪を大量複製。一斉に突撃させて相手キャバリアの武装を引き剥がしたり、轢き飛ばしてやりましょう。あんな金属の箱、手足と肩のやつがもげれば大したことないって。

で、ダルマになったら胸部にあるらしいコクピットに近づいて、抵抗のために出て来たところをぐるぐる巻きに捕縛して本部に連れ帰る。もちろん、私が引きずるんじゃなくてカタリナの車輪によるデリバリーでね!

……さあ、異世界の技術に震えるがよいさ



●ホイール ホイール アンド ホイール
車輪。
それは人類史においても最古の発明の一つに数えられ、今日の生活において決して欠かすことの出来ない道具である。
しかし、カーバンクル・スカルン(クリスタリアンのスクラップビルダー?・f12355)の用いる「カタリナの車輪」は車輪というにはあまりにも異質に過ぎた。
大きく、ぶ厚く、重く。そして刺々しすぎた。
言うなればそれは拷問器具であった。
「さてさて、それじゃあいっちょ派手に行こうか!全輪、一斉突撃!」
彼女が号令をかけると90に及ぶ車輪は甲高い摩擦音を唸らせ、文字通り地面を削り飛ばしてオブシディアンMk4へと吶喊を開始する。
接近する車輪群を察知した機体が迎撃のためにキャバリアライフルを放つが、相手はスクラップビルダー特製の車輪である。直撃弾で吹き飛ぼうがすぐに体勢を立て直し、進撃を続行した。
故に、最早それは「蹂躙」であった。
物量に任せた突進はオブシディアンMk4の鉄の巨体を押し倒し、その四肢を踏み砕く。
車輪が過ぎ去った後に残るのは無傷のコックピットユニットのみ。そしてそれもまた車輪が丁寧に破壊すると、中から飛び出たパイロットを車輪の骨組みに括り付け、警官隊の下へとピストン輸送を開始するのであった。
その光景を目の当たりにした警官隊をはじめとする警察側の人員はあまりの奇怪さに目が点になったのだという。
そして後日、警察上層部の会議でこの車輪型ドローンを開発しようという話が持ち上がり、ボビンにロケット推進機を括り付けたような珍妙な自律兵器が出来上がるのだが、それはまた別のお話である。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『モノアイ・ゴースト』

POW   :    バリアチャージ
【バリアを纏った】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【支援機】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    パルス・オーバーブースト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【オブリビオンマシン】から【光学兵器による一斉攻撃】を放つ。
WIZ   :    ゴーストスコードロン
自身が【敵意】を感じると、レベル×1体の【支援キャバリア】が召喚される。支援キャバリアは敵意を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●悪意の出港
『当エリア内の武装キャバリアはすべて鎮圧した。繰り返す、当エリア内の武装キャバリアはすべて鎮圧した。各捜査員は至急パイロットの身柄を確保されたし。』
最前線に立つホプキンス警部が警察無線に呼び掛ける。
猟兵達の活躍により大量の量産型キャバリアは概ね大破、警察側のオーダー通りパイロットの生け捕りに成功した。
皆ボロボロになりながらも警官隊、警備部隊ともに欠員はゼロ。
猟兵の全面的なサポートを受けていたとしても初のキャバリア犯罪出動としては十分以上の成果と言えた。
報道規制が解かれたのか現場上空を民間ヘリが飛び、地上でも確保されたパイロットの搬送や現場鑑識が行われ先ほどまでの緊張が嘘のような光景が広がっていた。
しかし猟兵達は未だオブリビオンマシンが姿を現していない事もあり、未だ気の抜けない状況である。
そしてハム巡査部長も警察内でまだ事件が解決していないと確信している一人であった。
彼は数人の部下を連れてタラップからタンカー船内に進入する。
『こちらハム巡査部長、身柄を確保したパイロットは全員重度の衰弱状態にあり、即時の聞き取りは不可能。またパイロットの中に首謀者と思しきサンタナムを確認できず。未だ船内に潜んでいる可能性があるためこれよりタンカー内の再捜索に入る。』
そして彼の通信から30分もしないうちに事態は急変した。突如としてタンカーが離岸を始めたのだ。
『おいおいマジかよ……全警察官へ!全警察官へ!まだ終わってねぇ!タンカー船底にヤバそうなキャバリアと大量の予備機が居やがった!あいつらこの船ごととんずらこいて他の場所でもドンパチやる腹積もりだ!あとどういう訳か船のコントロールが効かねぇ!』
ハム巡査部長の焦った声が無線機から流れる。
「ヤバそうなキャバリア」、これこそがオブリビオンマシンに間違いないだろう。
『ホプキンス警部からキャバリア部隊!直ちに乗船し――ぐぁっ!?』
警備部隊が咄嗟に動き始めるが、それを封じるかのような狙撃が警察のキャバリア部隊を襲った。
狙撃元に目を向ければいつの間にかタンカーの甲板上に一機のキャバリア、正しくはオブリビオンマシンがこちらに視線を向けていた。
お前たちはお呼びでない、そう言っているかのように。
『ぐっ……すまない、今動けるのは…君たちだけのようだ。無理難題を、承知で頼む。あのタンカーを逃がしてはダメだ。何としてでも、阻止してくれ……!』
警察と猟兵達をつなぐ無線チャンネルからホプキンス警部の苦しそうな声で通信が入った。
「言われなくてもやってやるさ」と、猟兵の誰かが無線に答えた。
タンカーが離岸を始めてからまだ間もない。
キャバリアの跳躍か、保安部隊の高速艇と機材を使えばタンカーへの進入は無理なく行えるだろう。
猟兵達はこの騒動に決着をつけるため、オブリビオンマシンの待ち構えるタンカーへと乗り込む決意をするのであった。

●ハム巡査部長からの通信
『あぁ、操舵室から一部始終見ていたよクソッ……。あぁわかってる、悪態ついてる場合じゃねぇな。』
『俺たちの装備は拳銃とこの無線機だけだ。要するに丸腰って訳だ。だから戦闘はアンタらに任す他に無ぇ。そこで代わりにアンタらを情報でサポートする』
『このタンカーだが軍事転用を想定した設計になったスーパータンカーだ。全長は約700メートル、ただの商船じゃねぇ。本気で沈めるならそれこそ艦隊規模のつるべ打ちが必要になるタフな船だ。つまり、どれだけドンパチやろうが簡単には沈まねぇ。』
『次に船の構造だが、かなり改造が施されてやがる。オイルタンクを廃して甲板から船底までが吹き抜け構造だ。作業員用のキャットウォークやエレベーターは勿論だが、キャバリア用の昇降機や整備ハンガーなんてのもありやがる。密輸船どころかこれじゃあまるで強襲揚陸艦だ。』
『あ?なんで船に詳しいかって?これでも大学の出でな、先攻は船舶工学だ。……とにかくだ。船のコントロールはこっちで何とかしてみる。だからあのキャバリアは任せたぞ。』
フォルク・リア
「ただのタンカーじゃなかったか。
それでも戦う分には願ってもない。
オイルなんか積んでたらやり合ってる間に
諸共吹き飛びかねないからね。」

保安部隊に協力願いタンカーに乗り込み
敵を射程内に捉えたら広範囲を巻き込んだ
【範囲攻撃】で冥雷顕迅唱を発動し
周囲を雷で満たし敵を包囲。
【早業】【高速詠唱】を伴い
敵が攻撃行動に移る前に隙を見せない【2回攻撃】
で再度冥雷顕迅唱を発動し攻撃。
支援キャパリアが召喚されたら
雷を纏い雷弾を操り攻撃しながらその間を駆け抜け。
または雷の力を爆発させて跳躍し
囲みを抜け敵本体を目指す。
本体を確認したら攻撃を躱し素早く駆け寄り
周囲の雷を集め突き上げる様に
【全力魔法】の冥雷顕迅唱を放つ。



●雷の檻、人雷一体
「しかし中々に大きな船だな……」
フォルク・リア(黄泉への導・f05375)は保安部隊の協力を受けてタンカーに乗り込み、オブリビオンマシンが待ち受けているだろう格納庫へと向かいつつもこの世界の造船技術の高さに声を漏らした。
「いやいや、感心するのはオブリビオンマシンを倒した後でいくらでもやれるな。」
やや圧倒され気味の思考を猟兵としての思考に切り替える。
これまでの戦闘からオブリビオンマシンは無人兵器が投入された事から本来は前線に出ない後方支援タイプ、もしくは指揮官タイプのキャバリアだと考えられた。
であれば直接的攻撃に加え電子的な手段を用いた戦闘、それこそハム巡査部長の報告にあった予備機を稼働させた人海戦術を取ってくる可能性も考えられる。
「であれば取るべき手段は一つだな」
頭の中で一つの結論を導き出すと、視線の先に捉えたオブリビオンマシン『モノアイ・ゴースト』を前に詠唱を始める。
「上天に在りし幽世の門。秘めたる力を雷と成し。その荒ぶる閃光、我が意のままに獣の如く牙を剥け」
その直後、彼の周囲から雷球が現れさらに頭上に雷雲が立ち込めた。
敵の接近を察知したモノアイ・ゴーストは支援機による迎撃を開始するために信号を発信、その信号に応じた支援機はフォルクを目指して吶喊を開始する。しかしフォルクに焦る様子は見られない。
「無駄だ」
直後、彼の頭上の雲から雷撃が放たれ支援機に次々と直撃する。さらに周囲の雷球がオブリビオンマシンとその周囲の支援機に向け移動を開始する。
雷球は次々と支援機を巻き込むように放電爆発を起こし活動可能な機体数を減らしていく。更に半永続的な放電はオブリビオンマシンの行動範囲を狭める檻の役割も果たしていた。
その好機を見逃さないフォルク。とどめの一撃を放つためモノアイ・ゴーストとの距離を詰めるべく一気に駆ける。
狙いは零距離からの集中的な雷撃による攻撃であった。
対するモノアイ・ゴーストは機動力、支援機の数の利を活かせない状況からやむなく光学兵装の使用を選択する。さらには活動可能な支援機に徹底した迎撃指令を発動しながら。
しかしフォルクを捉えることは叶わなかった。
数で囲もうとすれば雷球の放電爆破。
跳躍したところを狙い撃とうとすれば雷球の爆発を利用した軌道変更。
彼はまさに雷を駆使した戦術、否。雷と化したからこそ可能な動きでモノアイ・ゴーストを翻弄、人馬一体ならぬ人雷一体で追いつめていく。
「これで……、とどめだ!」
モノアイ・ゴーストの頭上へと移動したフォルクは頭上に雷雲と雷球、さらにこれまで放ってきた雷をまとめ上げ、モノアイ・ゴーストに全力で叩き付ける。
最早自然界で生み出されるどの雷すらも凌駕する熱量を帯びたその一撃は、間違いなくモノアイ・ゴーストに確実なダメージを与えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カーバンクル・スカルン
タンカーの中に隠し球でしたか。それじゃあこっちも続いての異世界ビックリメカいきましょうかね。

まーずーはー、拘束から行きましょう!バリアをまとっているとはいえ自分から突っ込んできてくれている輩を逃すほど私はノーコンじゃないんでね!

キャバリアをボディ・サスペンションで拘束したらタンカーのクレーンで吊し上げてもらって……機械仕掛けのワニの真下まで連行してもらう。

さて、そのバリアは私渾身の力作の噛み付きにも耐えることが出来るかなぁ? 私は当然、「耐えられない」に一票だけど。

クレーンが外れて、落ちて来たキャバリアをワニが噛んだら回転機構にエレクト・コードまで作動! 出し惜しみは無し、もってけドロボー!



●アングラー&イーター
「よーし、それじゃあ本日の大一番、早速行ってみようかぁ!」
カーバンクル・スカルン(クリスタリアンのスクラップビルダー?・f12355)は両腕に巨大な鎖を持ち、気合いを入れるように叫ぶ。
その先端には巨大な釣り針が付いており、鎖分銅の要領で振り回し、オブリビオンマシン『モノアイ・ゴースト』と対峙していた。
「さぁ来ーい!」
彼女が挑発するように声を上げるとモノアイ・ゴーストは後部スラスターの出力を上げ、突進時の威力向上を狙ってだろうか船内を旋回しながら速度を上げていく。
さらにそれに呼応するように複数の支援機がモノアイ・ゴーストの随伴護衛にあたる。
「あぁ!?おいコラ、そんなシラケるような事をするんじゃあないよ!そういうやつにはこうだ!」
相手が反応しないものと知りながら非難を浴びせる彼女は振り回していた釣り針を速度を上げて突っ込んでくるモノアイ・ゴーストへと投擲した。
モノアイ・ゴーストの随伴機はその身を挺して釣り針を防ぐために前方に移動してきた。
しかし、釣り針の質量、遠心力により得られた十分な加速、そして彼女の精確なコントロール力が合わさった一撃は随伴機の装甲を貫通し、その奥のモノアイ・ゴーストを絡めとった。
「これぞキャバリア引っ掛け一本釣りだぁーっ!」
声高らかに鎖を引っ張り上げるその姿はまるでベテラン釣り師のそれである。
そしてその鎖を船内クレーンのフックにさっと引っ掛けると、操作盤で移動させる。
「さぁここから第2ラウンドだよっ!まぁこのラウンドも私の勝ちで終わるつもりだけどね!」
クレーンが向かう先には先の戦いで姿を見せた機械仕掛けのワニ、それも先のものより一、二回りも大きい個体が待ち構えていた。
先の戦いでは数で勝る無人兵器を跡形もなく食い散らかした兵器である。オブリビオンマシンと言えども噛み付かれればただでは済まないだろう。
誰もが勝負はついたと確信したその時だった。
突如モノアイ・ゴーストは鎖が貫通した随伴機に向けて射撃を行い始めた。
「ん?一体何を……あっ!?」
突然のオブリビオンマシンの奇行に眉をひそめた彼女であったがそれが何を意味するのかを理解してしまった。
随伴機をワニに食わせる気なのだと。
鎖に貫通された随伴機の身が半分ほど消し飛んだところでモノアイ・ゴーストはクレーンの接続された梁へ向けて射撃し振動を与え随伴機をワニの直上へと落下させる。
「あぁダメだってそんなぁ……」
モノアイ・ゴーストの目論見通りか、ワニは条件反射的に随伴機に喰らい突き、破壊を開始する。
そしてそのスキを突いて脱出するモノアイ・ゴーストであったが、初撃の釣り針による損傷は無視できないものであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミハイル・グレヴィッチ
SIRDの面々と共に行動

ふん、やっと本命のお出ましか。要はあのキャバリアをぶっ壊せばいいんだろ?それにしても、このタンカーは頑丈だって話だが・・・本当にちょっとやそっとじゃ沈まねぇんだろうな?こんなトコで水泳するハメになるなんざ御免だぜ?

如何に強力とはいえ、相手は単機だ。こっちは奴が他の味方に気を取られている隙に、船内の立体構造を利用して移動、背後を射撃できるポジションにつく。
やれやれ、船内駆けずり回る羽目になるとはな。しんどいぜ、まったく。
背後を取れたら、UCのRPGでクルティカルな部分を狙って発射。
ちょいと早いが、俺達猟兵からバレンタインプレゼントだ、受け取れ!

アドリブ及び他者との絡み歓迎


ネリッサ・ハーディ
SIRDの面々と共に行動

目標はオブリビオンマシン。かなり強力と思われます。フィールドはタンカー内部。上手く地形を利用すれば、こちらにも十分勝機はあるかと。尚、タンカーのコントロールは敵が掌握していますので、速やかに目標を制圧する必要があります。

敵オブリビオンマシンに対し、こちらは牽制射撃を加えつつ、隙を見てUCの黄衣の王を召喚。黄衣の王の触手でオブリビオンマシンの拘束を試みます。

またチャンスがあれば、操舵室のハム巡査部長の救助を行います。無論、操舵室周辺及び経路に敵が潜んでいる可能性も否定できませんから、慎重に進み、周囲に敵が居た場合、これを排除して制圧します。

※アドリブ・他者との絡み歓迎


馬県・義透
【SIRD】
引き続き『静かなる者』

最後まで弓矢で相手しますか。私がすることは変わらず。
味方に守りの結界術を張りつつ。後方より関節狙いの【四天境地・『雪』】による援護&制圧射撃ですね。
数が増えようと、数多に分裂するこの矢から逃れること、叶わず。
…私に近づくと、四天霊障による三重属性(風、炎、重力。内部の三人の援護)のオーラ防御が待っていますよ?

…何を狙ってこの騒ぎを起こしたのか。オブリビオンマシンによる洗脳なのか。
そこが気になりますから、極力生かす方向で。

アドリブ歓迎


灯璃・ファルシュピーゲル
【SIRD】一員で参加
(情報収集)で敵味方の動きを把握し
無線で情報展開・連携に努め、特にハヤトさんとは密に連携し
互いの死角をカバーする

はた迷惑な火遊びはここまでにして貰いましょう

敵視認と同時に(スナイパー・先制攻撃・鎧無視攻撃)で
頭部視覚ユニットを狙撃。敵の初動を妨害し味方を支援

敵が支援機を出し始めたら指定UCを使用
黒霧で煙幕を展開させつつ狼を支援機に吶喊迎撃させ
ボスとの連携阻害を狙い、同時にハヤトさん達の
ボスへの攻撃を邪魔させないよう援護

敵が飛翔攻撃を開始したら(見切り)で回避しつつ
UC:オーバーウォッチを使用し味方の攻撃で動きが鈍った瞬間に
光学兵器の砲口集束部を狙撃し破壊を狙う

アドリブ歓迎


ハヤト・ノーフィアライツ
アドリブ連携歓迎っと。
【SIRD】の面々と参戦だ。

おうおう、物騒なこって。対艦装備をブチ込んでもいいんだが…後始末が大変だな。
じゃあ、だったらコイツだ!変…身…ッ!!
指定UCを使用しつつ、真の姿を解放。
自身の3倍の鉄塊も素手で砕く、力と技のヒーローへ。

【戦闘知識】で敵共の動きの予測を立て、灯璃嬢と味方と連携しつつ殴り込む。
【ダッシュ】と【空中戦】、更に【迷彩】も駆使して空陸に渡って敵陣をかき回しつつ、
【早業】、【怪力、武器受け】で防御と回避。

【戦闘知識】で要所を見極め、【怪力、グラップル、2回攻撃、鎧無視攻撃】を駆使して攻撃を叩き込む。
予備機とやらがいるなら【投擲】して質量弾に使ってもいいな。



●懲悪の鉄槌

タンカーへと乗り込んだSIRDの面々。
ここでオブリビオンマシン『モノアイ・ゴースト』を取り逃すことは新たな戦乱と悲劇の原因となるだろう。
何としても逃走を食い止め、そして不可解な点がいくつもある今回の事件の真相を究明する必要があると局長ネリッサ・ハーディ(クローク・アンド・ダガー・f03206)は意を決した。
「各員へ、本作戦の最終目標はであるオブリビオンマシンはかなり強力と思われます。しかし船内の地形をうまく利用すれば勝機は十分にあります。また船のコントロールが敵の支配下にあることから短期決戦を心がけるように。――それでは作戦を開始してください。」
その言葉には確かな力があり、それに呼応するようにSIRDのメンバーは動き出した。
まず最初に動いたのは灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)。
「目標確認、攻撃します」
セミオートライフルHk477K-SOPMOD3を構えモノアイ・ゴーストの視覚センサーに照準を合わせると同時にバースト射撃でマガジン全弾を叩き込む。射出されたFMJ(完全被甲弾)は寸分の狂い無く頭部ユニットの中心、視覚センサーのレンズに次々と突き刺さる。
異変を察知したモノアイ・ゴーストは反撃しようとするがセンサー破損、さらには灯璃がユーベルコードで発生させた黒霧の影響によりターゲティングがままならない状況に陥る。
すぐさま残存の支援機全機を稼働させ索敵能力を向上させるが、その僅かな間は彼女を見失わせるには充分であった。
「へっ、目を潰されても目を増やせば良いってか。まぁそのせいで灯台下暗しになっちゃ意味が無ぇがな。」
RPG-7V2を背負ったミハイル・グレヴィッチ(スェールイ・ヴォルク・f04316)はキャットウォークの上からその様を見てほくそ笑んだ。彼の言葉通りモノアイ・ゴーストが展開した支援機は円形状に一定間隔で展開し索敵と他の猟兵達との散発的な戦闘を行っており、その結果としてモノアイ・ゴーストに随伴する機体は無く、周囲数十メートル地帯はブラインドスポットと化していた。
彼はキャットウォーク上で助走すると安全柵の先の鉄骨へと危なげなく飛び移り、支援機の索敵を避けながらモノアイ・ゴーストへと慎重に接近する。7kg近い装備を背負いながらも軽業師のように動けるのは厳しい訓練を乗り越え数々の戦場を経験した歴戦の猛者故であろうか。
「よっと……。それじゃあちょいと早めのバレンタインだ、受け取りなぁ!」
遂にモノアイ・ゴーストの背後を取ったミハイルはRPG-7V2を撃ち放った。先の戦いでその破壊力を存分に発揮した対戦車ロケットは噴進音を響かせてモノアイ・ゴーストへと迫る。
だが一方のモノアイ・ゴーストも、二度の奇襲を許すほど軟な相手ではなかった。音感センサーで探知したか、すぐさま身をひるがえし回避行動をとる。
「嘘だろオイ!?」
たった数十メートルの距離で秒速295メートルで接近するロケットを避ける事は流石のオブリビオンマシンと言えども叶うものでは無いが、その直撃を特徴的なレーダードームで受けることで致命傷を避ける事に成功し、さらに周囲の支援機が発射元を探知し反撃のチャンスを得る。
正に万事休す、ミハイルがモノアイ・ゴーストの怪しく光る銃口を目の前にして悪態をつこうとした、その時だった。
「そうはさせません!」
後方から射掛けられた矢が冷気を放ちながらモノアイ・ゴーストの兵装に直撃し、その先端から凍結を開始させる。
そして銃口を凍結させたことで逃げ場を亡くしたエネルギーが暴発を引き起こした。
「グレヴィッチ殿、今のうちに後退を!」
「すまねぇ、助かった!」
射手、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)はミハイルがモノアイ・ゴーストから離れたのを確認するとさらに追撃を続ける。
「今の攻撃でこちらの攻撃の性質を知られてしまったかもしれませんが、寧ろ好都合ですね。」
そう判断した彼は敢えてモノアイ・ゴーストから狙いを外し、その周囲めがけて射掛けた。先の戦いでオブシディアンMk4相手に用いた戦術である。
モノアイ・ゴーストは凍結攻撃を回避するために後ずさる。光学兵器を封じられ、機動力で振り切ろうとも視覚を支援機に頼る状態では十全に活かすことを出来ない。故の後退であった。
しかしそれこそが彼の、いや彼ら「SIRD」の策略であった。
「The Unspeakable One,him Who is not to be Named……」
名状し難き者、そして名づけざられざる者。それらはどちらも古き神々の一柱、その化身を指す言葉である。
ネリッサはオブリビオンマシンを相手取るにあたり、召喚出来る中でも最上級の存在を呼び出した。
「『黄衣の王』よ、眼前の敵を貪り尽しなさい」
彼女の背後から現れた巨大な影、黄色の衣の下にはその素顔を隠す仮面、そして無数の触手がうごめいていた。
黄衣の王と呼ばれた存在はネリッサの頼みに応えるようにモノアイ・ゴーストに向けて触手を伸ばし、その四肢を絡めとる。
それは猛獣を締め上げる大蛇の如く、科学技術の粋の結集ともいえるキャバリアのフレームに悲鳴を上げさせていた。
モノアイ・ゴーストは何とか逃げ出そうとスラスターの出力を上げるが、生物として規格外の膂力を振り切る事はかなわない。
ならば直接召喚者であるネリッサを攻撃しようと支援機を集合させるべく信号を発するが、なぜか応答するものがない。
『皆さん、支援機の撃破完了。残存勢力はオブリビオンマシンのみです。』
「了解、そしたらいよいよ俺の出番だな!」
灯璃から支援機撃破の報が入る。彼女はモノアイ・ゴーストの索敵から逃れた後、黒霧から狼を呼び出し支援機を各個撃破していたのだ。
そしてその無線に応えたハヤト・ノーフィアライツ(Knight Falcon・f02564)はバッと飛び出すと同時に手足を大きく広げて構える。
「変身!」
その掛け声と同時に彼の五体がまばゆい光に包まれ一瞬にしてハヤトの姿が変わる。
頭部からつま先までを正義の装甲に包み、その首元には正義の心を表す燃えるような赤のマフラー。
それはハヤト・ノーフィアライツという猟兵の真の姿である。
「さあ、やろうか。…貫いてやるぜ。俺の正義って奴をな!」
それは己に言い聞かせているのか、それとも目の前の敵に向けて放ったものか。
拳をかかげて宣言したハヤトは目にも止まらぬ速さでモノアイ・ゴースト目がけて一直線に駆けだした。
「ファルコオオオオオン!」
当のモノアイ・ゴーストは四肢を絡めとられ死に体を晒している。間違いなくこの一撃がすべてを終わらせるだろう。
「――ブレイクッ!」
厚さ5メートルの鉄塊すらも砕きかねない尋常の外の破壊力を生み出す真の姿と化したハヤトの拳。
勢いののった拳はアッパー気味に繰り出され、コックピットユニットを四肢から引きはがすかのように吹き飛ばす。
宙を舞ったコックピットユニットはある程度の高さまで浮き上がると、重力に引かれて船底に音を立てて落下した。
その一部始終を見守っていたネリッサは無線機に向かって言葉を発した。
『……オブリビオンマシンの活動停止を確認。状況終了です、皆さんお疲れ様でした』

●エピローグ
「アンタら大したもんだよ、いやまったく大したもんだ!」
その後オブリビオンマシンの制御から解放されたタンカーは機能を停止。警察の捜査の為、再度サノカティラの港へと曳航される中でウィリアム・ハム巡査部長は猟兵達をほめたたえていた。
オブリビオンマシンから救出されたパイロットは警察の調査で「ジョリーロジャー」の首領、ロドリゴ・ラゾ・サンタナムであることが判明した。
例に漏れず衰弱しており、警察ヘリに複数の捜査官の警護付きで病院に緊急搬送された。
「という訳で現状は聞き取りすらも怪しい状況だ。書類から判明するものも出てくるだろうが偽造文書がほとんどだろう、肝心の動機が分からない以上大きな進展は恐らく望みが薄い。国外の犯罪組織事案ってのもある以上中央のお偉いさんや同盟国を巻き込んだ事態に発展す……あぁすまん、これはオフレコにしておいてくれ。とにかく今言えるのは……そうだな、こんな事件金輪際ごめん被るって事だな。」
肩をすくめ、ため息を吐きながらそう語るハム巡査部長であったが、その目には炎が宿っていた。
その目が見据える先は遥か水平線の先。
果たしてオブリビオンマシンはどこから来たか、何者が、何のために?
その真相を解明するにはもうしばらくの時間を要することになるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年01月24日


挿絵イラスト