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竜を崇める者と恐れる者、旗取り合戦の結末や如何に!?

#グリードオーシャン #七大海嘯 #邪剣 #マイ宿敵 #骸うさぎ・バージョン6・96 #骸うさぎリーダー #S19W12

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●グリードオーシャン タッツ島・西の町、町長の家
「旗取り合戦……ですか?」
「ああ。ボスは非常に寂しがり屋で、いつも新しい『お友達』を探している。その狩場……遊び場をどっちの町にしようかと思っていてな」
 この町の町長らしい初老の男性に、屈強な男達はそう告げる。
「明日、正午がスタートだ。西の町、そして反対側の東の町で、ちょうど真ん中の位置にある旗を奪い合え。勝ち取った側には『邪剣』の庇護を与える。うちのボスにも手出しはさせない。だが、奪われれば、それからずっとこの街はボスの遊び場だ」
 男の言葉に町長の背筋が凍る。この男達のボスと呼ばれているコンキスタドール、遊びと称しては町の住人を老若男女問わず惨殺する恐怖の権化とも呼べる存在だ。しかもこちらの言葉が通じないのが更に恐ろしさに拍車をかける。
「長らく同じ島で住んできた者同士で……そんな恐ろしいことを」
 町長がそう言い淀んだところで男の一人が乱暴に椅子を蹴飛ばす。
「これは提案じゃねえ、決定事項だ。ボスの『お友達』にされたくなきゃ、殺す気で奪い合いな」
 そう言い残して男達は去っていった。
「町長、やりましょう」
 ここまで口を開いていなかった町長の相談役が声を掛ける。
「このままではこの町はやつらの玩具にされてしまいます。平和を勝ち取る為にもここはやるべきです」
「むぅ……やはり仕方ないのか」
 相談役の言葉に渋面を見せる町長。
「それに……」
 更に相談役は言葉を続ける。
「奴ら、竜を信仰している危険な連中じゃないですか。あんな奴らに遠慮する必要などありません」

●東の町、町長の家
「町長やりましょう! 我々の安全は我々で勝ち取るべきです!」
「しかし、ここ何十年と上手くやってきたんだ。何かいい方法は……」
 こちらでも、西の町と同じ事を告げられ、町長と町の住人で問答をしていた。
「今更何が出来ますか!? それに、あいつら竜を、竜神様を世界を滅ぼす悪しきものって陰では言っているんですよ! ドラゴニアン達も向こうの町では親の仇みたいな目で見られるんですよ。あんな奴ら、滅んだところで構いやしないでしょう」
「しかしだな……」
 町長はなんとかして場を収めたいところだが、普段我慢していたものが噴き出したのか、住人達は止まらない。

 こうして、タッツ島の住人同士の争いが始まろうとしていた。
「あはっ♪ なんだか面白そうなことが始まりそう、あたしも混ぜて欲しいな♪」

●グリモアベース
「悪趣味。非常に悪趣味ですわ」
 そう話すのはグリモア猟兵の中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)の別人格であるシルヴァーナだ。
「これから話すグリードオーシャンにありますタッツ島、その島が割と特殊な島なのですが、それを利用した悪巧みが行われますわ」
 特殊な島だと言うが、どう特殊かと言うと……、
「二つの文明、アルダワ魔法学園の世界とアックス&ウィザーズの世界の文明を基準にした町がそれぞれある島ですの」
 片方の文明の住人が流れ着いたのか、二つの島が何らかの理由でくっついたのか、原因は不明だが実際にアルダワ世界を基準とした東の町とアックス&ウィザーズを基準とした西の町とが存在するのだ。
「その島を支配したコンキスタドールが、それぞれの文明の違いを突いて争い事を起こさせようとしているみたいですわ。町の人達も表面上はうまく付き合っていたみたいですが、文化の違いで積もっていた不満はあったみたいですわね」
 文化の違い、一番は竜に対する考え方である。アルダワで竜といえば人類と共に災魔と戦った偉大な存在であり、アックス&ウィザーズ世界では世界を滅ぼそうとした帝竜の眷属である。人類の味方と敵、竜に対する考え方が真逆なのだ。
 タッツ島にはドラゴニアンの住人はいるものの、竜はいない為、近年はそこまで争うことはなかったが、火種として燻っていたようだ。
「皆様に行っていただきたいことは、一つはコンキスタドール達の撃破。今回、島には直接接近できないみたいですので、船で向かう事になりますわ。相手も迎撃に艦隊を出すでしょうから、その船ごと撃破してくださいまし」
 こちらの船を沈められるとアウトなので、そのための工夫が必要になりそうだ。
「島に上陸したらコンキスタドール達のボスがおりますから気をつけてくださいませ。相手はどうやら七大海嘯と呼ばれているオブリビオンの部下らく、かなりの手練れみたいですわ。気をつけてくださいまし」
 もしかしたら、住人が何か攻略のヒントを持っているかもしれないので、話を聞くのもいいかもしれない。島に着く頃には昼を回っているからだと思われるので、旗取り合戦に出ている島の住人からも話を聞けるかもしれない。
「あとは、この島の人々のいさかいを止めてほしいですの。理由は分かりませんが、そのことが今後の助けになるみたいですので」
 具体的なものは分からないらしいが、今後のために必要なことなのらしい。
「色々やることがあって大変ですが、この島を助けに行けるのは貴方がただけなのですわ。だから、皆様お願いいたしますわ」
 そう言うとシルヴァーナは猟兵達をグリードオーシャンへ送り出すのだった。


麦門冬
 外は寒いのでPBW日和とも言えますね。そんなわけでマスターの麦門冬(むぎとふゆ)です。グリードオーシャンでコンキスタドールに大変なことを強いられている島を救ってください。
 第1章では島に乗り込むために、まずは集団戦でコンキスタドールと海戦です。『船を守る』あるいは『敵の船を奪う』などのプレイングには、プレイングボーナスがつきます。またプレイングの文字数に余裕があれば上陸後の行動(島の住人から情報収集など)してもよいでしょう。
 第2章はボス戦です。『七大海嘯』に島を任される程の強者であるためか非常に強く、まともにやりあっては『今の猟兵達でさえ』勝機が薄いです。ここまでで島の住人と協力を得られるようなことがあれば、攻略の糸口が見つかるかもしれません。
 第3章はボス討伐後に全容が明らかとなります。勘のいい人は既に分かっているかもしれませんが。

 以下、補足情報です。

●タッツ島
 アルダワ魔法学園の世界とアックス&ウィザーズの世界の文化それぞれを持った町が存在している島です。何故そうなったかを知っている人は現在いません。
 東にはアルダワの文化の町があり、竜は人と共に悪を倒したものとして信仰されています。ドラゴニアンやケットシーもいるようです。
 西にはアックス&ウィザーズの文化の町があり、竜は世界を滅ぼそうとして勇者に倒されたとされています。エルフやドワーフ、フェアリーなどもいるようです。
 昔は文化や種族の違いでいさかいがあったようですが近年は落ち着いていて交易などもあったようですが、見えな不満などは蓄積されていたようです。

●コンキスタドール
 強力なコンキスタドール『七大海嘯』の『邪剣』の配下です。強靭な肉体のほか、水を操るメガリスを使います。その為、単体で水中戦などもいけるようです。

●ボス
 遊ぶように人々の命を奪うようですが、詳細は不明です。知性より戦闘力でボスになったタイプなので、統治などは部下任せです。かなり戦闘力が高いようですが、住人から話を聞ければ、何か攻略法が見つかるかもしれません。

●船
 第1章は船上が戦場ですが、猟兵側、コンキスタドール側、特に武装等で特徴はありません(その場で改造を施す等をするのであれば話は別ですが)。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『メガリスに狂う男たち』

POW   :    ハトウカトラス
自身の身体部位ひとつを【海水の刃】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
SPD   :    ケンカコンフリクト
【粗雑な肉弾戦】による素早い一撃を放つ。また、【水に濡れた服を脱ぐ】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    ウズマキジャベリン
自身に【海水】をまとい、高速移動と【拳から水流のドリル】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●開戦
「進むのならば覚悟を決めよ。これより先は『七大海嘯』、『邪剣』の縄張りである!」
 タッツ島へ向かう猟兵達の前に現れたのは船団。その先頭の船に立っている男が
大声で警告する。
「さあ、これで警告したぜ。だが、逃げるなよ? 逃げちまったら俺達のお楽しみがなくなっちまうからよお」
 薄ら笑いを浮かべ、あるものは船を近づけ、あるものは待てないとばかりに海に飛び込む。『メガリスに狂う男たち』との戦闘が開始される。
サフィリア・ラズワルド
WIZを選択

船を守ります。

『警告!敵意を向けた者、船に近づいた者を排除します!』

【幽冥竜の騎士団】を召喚、空、船、海中で迎え撃ちます、騎士達は幽霊ですから水中とか関係なく戦えるはずです。

島についたら騎士達には跪いてもらって、おばば様には逆鱗を曝してもらいます、敵意がないことを示しつつ情報収集を。
私は竜は人と同じ生き物だと思っています。状況や立場によって善にも悪にもなる、ね?人と似てるでしょう?
あと竜ってプライドが高い個体が多いんですよ、きっとその結果が神様とか世界滅亡だったと思うんですよね。

もちろん両方の町を助けますよ、だってそれが正しい事ですから。

アドリブ協力歓迎です。



●海翔ける竜騎士団
「警告!敵意を向けた者、船に近づいた者を排除します!」
 迎撃に向かってくる『メガリスに狂う男たち』に対してそう警告し返すのが、サフィリア・ラズワルド(ドラゴン擬き・f08950)だ。
「おいおい、そっちからこっちの縄張りに入ってきて警告たあ、当たり屋か何かか?」
「それを俺達が言うかね? やってることは変わりねえだろ?」
「ガハハハッ! それは違いねえ!」
 そう言って男達が笑い飛ばす。
「何であろうと俺達にケンカを売ったんだ。無事に帰すわけにはいかねえ。オイお前ら、あの船を沈めたら、あそこにいる女を好きにしていいぞ!」
「さっすが兄貴! 話が分かる!」
「ヒャア! もう我慢できないぜ!」
 兄貴分の言葉に興奮が抑えきれずに海中へと飛び込む男達。
「なんだか勝手に盛り上がっているようですね。おばば様、行きますよ!」
 向かってくる男達に対し、【幽冥竜の騎士団】を使用し、翼を持つ蛇の姿をしたおばば様こと幽冥竜と、彼女が従える竜騎士と竜達の幽霊を召喚する。
「幽霊ですから、空も海も関係ないですよ」
 そう言って、ある程度上空に待機させ、残りは海中へと飛び込ませる。水中でも空のように飛びまわる竜達。
「ああ、何だ? 竜の幽霊か?」
 突然海中に飛び込んできた竜騎士達に最初は男達もたじろいたが、
「水中で多少動けようが関係ねえ! 水中は俺達のテリトリーだ!」
 ユーベルコード【ウズマキジャベリン】で海水の渦を纏い、高速で泳ぐ男たちの機動力は水中を問題なく動ける竜騎士達をもってしても上回る。相性としてはやや不利だろうか。
「まずは一人! いや、二体かぁ?」
 ユーベルコードの力を込めた水流のドリルを拳に纏わせた一撃が乗っている竜ごと穿つ。
「ヒャッハァ! これなら楽しょぐげっ!」
 調子に乗った男が倒した竜騎士の後ろに待ち構えていた竜騎士達の槍に突き刺され、あっと言う間に巨大なウニのごとく大量の槍に串刺しにされてこと切れる。
「てめえっ……!?」
 仲間をやられた男達は頭に血が上るがすぐに気づく。海中にいる竜騎士達は騎乗している竜とセットで数えてもゆうに百騎以上はいると。男達が機動力に勝ろうが、捨て身の戦術でかかれば数で押し切れるのである。
「騎士達を侮るからそうなるんです」
 その戦況を把握したサフィリアはそう呟くのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​


(※島での情報収集パートは戦闘終了後の断章にて描写します)
豊水・晶
船を守りながら戦います。
オブリビオンの中でもコンキスタドールってかなり悪趣味な部類に入るんじゃないでしょうか。遊びに巻き込まれた方々が平穏に暮らしていけるようにここできっちりと成敗しておく必要がありますね。
水中にいる敵は最優先でUC【ミズハリノカリュウ】で船を巻き込みながら敵を殲滅していきます。
私は竜そのものなんですが片方の町の方々は受け入れてくれるでしょうか。まあ、アックス&ウィザーズの龍と一緒にみられるというのも嫌なので誤解が解けるようには動きますが、いたずらに不安や不信感を煽るものでもないですし、情報収集自体はアルダワのほうで行います。
アドリブや絡みは自由にしていただいて大丈夫です。



●竜神舞わせし花吹雪
(オブリビオンの中でもコンキスタドールってかなり悪趣味な部類に入るんじゃないでしょうか)
 船上で豊水・晶(流れ揺蕩う水晶・f31057)はニコニコとした笑顔のままそう思考を巡らせる。支配下にある町を平穏に……無機質な表現をしてしまうならば効率よく回してゆく方法であれば、色々とあったはずだ。だというのに、それぞれの町を直接争わせる様なやり方を行うのは悪趣味この上ない。
「愚か者は飲み込まれて砂となる」
 晶の詠唱と共に彼女が持つ水晶のごとき刀身の剣『瑞玻璃剣』がはらはらと細かく分かれてゆき、まるで水晶の花びらのようになる。
「遊びに巻き込まれた方々が平穏に暮らしていけるようにここできっちりと成敗しておく必要がありますね」
 そんな晶の言葉に応えてか、無数の花びらは海へ船へと、コンキスタドール達に向かって殺到する。
「何だ!? これは!?」
 船に乗っていた男達が疑問の声を上げていたのもつかの間、花びらの刃【瑞玻璃の渦流】に切り刻まりる。
「ぐわあああ!!」
「ふ、船が!」
 そして、それと共に沈んでゆく船。花弁は男達だけではなく、船体をも抉り、穴を開けていた。
「これでこのあたりのコンキスタドールは全滅でしょうか?」
「よくも、ふざけた真似しやがって!」
 戦況を見て、晶がそう呟いたときに、海中より何者かが跳び上がり、甲板へと着地する。その正体は海中を進んでいたメガリスに狂う男たちだ。その全身は花びらに切り刻まれたせいか、無数の切り傷があり、ボロボロだ。
「てめぇ、よくもやってくれたな!」
「手心を加えたつもりはありませんでしたが……なるほど、水流を身に纏って威力を減じていたと」
 男達のユーベルコード【ウズマキジャベリン】が纏っていた海水の流れが男達を倒しきれなかった要因であると明は分析する。少し、自分のユーベルコードは相性が悪かったようだ。
「ああっ!? 何がおかしい!?」
「その手足にでっかい穴を開けた後、俺達をこんな目に合わせた報いを受けさせてやる!」
 自分達を前にして笑顔を崩さない明に苛立ってか男達が拳に水流のドリルを纏わせて殴りかかってくる。
「徒に死期を伸ばすことになったことは申し訳ありません。では、改めて成敗させていただきます」
 そう話し終えた彼女の手には、花びらから元に戻した二振りの水晶剣が握られており、男達の高速の攻撃を回避するとともに、返す刀で斬り捨ててゆく。
「何……だと……」
「満身創痍で精彩の欠いた攻撃など見切るのも容易いです」
 男達が完全にこと切れ、骸の海に帰っていったことを確認すると、島の……西野町がある方へと目を向ける。
「私は竜そのものなんですが片方の町の方々は受け入れてくれるでしょうか。まあ、アックス&ウィザーズの竜と一緒にみられるというのも嫌なので誤解が解けるようには動きますが」
 そう独り言ちた後、彼女は改めて戦況を確認するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

カルロス・エルウラカン(サポート)
確かに使命の為に躍起になる私達は『化け物』かもしれません…あなた達から見れば理不尽かもしれませんが大きな厄災が起こる前に改めて骸の海へ戻って頂きます。

行動
探索の際は痕跡から手掛かりを得る様に努めます。
囮の際は率先して受け持ちます。

戦闘
正念場ですから、少々力押しになりますが私も全力を持って応えねばなりませんね。
隙を見せるので大ダメージを受けるリスクは大きいですが『ジャスティス・ペイン』で身体能力を底上げして【大連珠】を武器として拳に巻き近接戦闘に移らせて頂きます。

その他
もしも、勝利できたのなら勝ったことを喜ぶ前に倒した相手に弔いの祈りをしておきたいですね…。

アドリブ共闘OKです


七星・龍厳(サポート)
『俺に挑むには10年早いな。』
 羅刹の剣豪×マジックナイト、46歳の男です。
 普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、仲間には「フレンドリー(俺、呼び捨て、言い捨て)」です。

行動の基準は戦闘が楽しめるか又は興味を持った事柄に積極的に関わります。
戦闘に関しては戦場で敵の技術を盗み自身が扱えるものに昇華させて戦場を探してる竜殺しです。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


虚偽・うつろぎ(サポート)
世界問わず大歓迎
世界を超えて自爆活動さ
アドリブ連携等ご自由に

登場即自爆
自爆できれば台詞も活躍もいらぬ!
速攻で自爆することが最優先
1歩も動かず即自爆
そう、自爆だ
僕に自爆をさせるんだ!
僕もろとも鏖殺だ
これぞ鏖殺領域なり

ただ自爆するためだけに現れる存在
何かいきなり自爆する怪奇現象
もはや災害である

技能:捨て身の一撃を用いての
メッサツモードによる高威力な広範囲無差別自爆

射程範囲内に敵が1体でもいれば速攻で自爆
自爆することが最重要
なので敵がいなくても自爆するよ
大事なのは自爆までのスピード
有無言わせぬスピードで自爆する
これ最重要だね

捨て身の一撃なので自爆は1回のみ
1回限りの大爆発
自爆後は爆発四散して戦闘不能



●拳と剣、そして自爆
 幻想の世界より顕現した竜がコンキスタドール達の船へと翼を広げ、向かってゆく。
「何だあれは!? 撃ち落とせ!」
 竜に気づいた『メガリスに狂う男たち』は【ハトウカトラス】で体の一部を水の刃に変え、それを飛ばすことで竜を撃ち落とそうとするが、ビクともしない。
 そうこうしているうちに竜から飛び降りてくる二つの影。
「水の刃を扱うメガリスか。面白いもん見せてくれよ?」
 先ほどの竜を呼び出していた七星・龍厳(紅蓮の竜殺し・f14830)と、
「大きな厄災が起こる前に改めて骸の海へ戻って頂きます」
 仮面をつけた男、カルロス・エルウラカン(復讐の仮面・f06567)だ。彼らは船上にいるコンキスタドール達を倒すために竜に乗って『3人で』来たのだ。
「ハッ! たった二人で乗り込んでくるたあいい度胸だ。野郎ども!こいつらを生きて返……」

 ちゅどおおおおおおおおおおおおおおおおおんっ!!!

 この船のリーダー格らしき男が何か言おうとしていたが、遠くの船で大爆発が起こり、周囲の船を巻き込んで木っ端みじんに吹き飛ぶ。
「な、なんだ!?」
 突然の爆発に狼狽する男達。
「向こうへ運ぶだけでいいとは言われたが、なるほど納得の威力だ」
「流石、音に聞こえし自爆のスペシャリストといったところでしょうか」
 龍厳とカルロスもその威力に感心する。爆発の正体は虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)の【ウツロギ】によるものだ。
「せめて彼らが安らかに、彼等が骸の海へと帰れるように」
 カルロスは爆発のあった方角を向き、祈りを始める。
「てめぇ、敵陣の中でよそ見たあずいぶん余裕じゃねえか!」
 カルロスの行動を隙と見てか、腕を水刃へと変えて斬りかかってゆく男達。
「余裕? 違いますよ」
 それらの攻撃に対し、カルロスは振り向きざまにバックハンドブローを放つ。
「ぐおおおおおっ!!」
 その攻撃に生まれた衝撃波に水刃ごと男達が吹き飛ばされる。
「これは余裕ではなく誓約。何者であろうと死にゆく者の安寧を祈ること。それが私の誓約であり、力へと転ずる」
 カルロスの敵であろうと死にゆく者を見捨てておけずに安寧を祈る行為が【ジャスティスペイン】となり、彼の力となる。
「ほう、水は流動性ゆえに様々な形にできるが、確かに衝撃に散らされるのには弱そうだな」
 衝撃波に散らされる水刃の様子を見て、冷静に分析をする龍厳。
「そこのてめぇもずいぶん余裕じゃねえか……っ!?」
「衝撃波ごと切り裂くようなイメージで……こうか?」
 残った男達が斬りかかろうとするが、その時、龍厳の手には水でできた刃を持つ剣が握られていた。
「そら!」
 そしてその剣を振るうと、刃が鞭のようにしなり、高速の切っ先が男たちを襲う。
「ぎゃあああああああああああ!!」
「おっ、うまくいったか」
 龍厳の持っている剣は【ファンタジア・イマジネイション】によって生み出された想像の魔法剣である。ちなみに、最初に彼らを運んできた竜も同じユーベルコードで生み出されたものだ。
「これであんたの衝撃波を叩っ斬れるか試してみたいもんだがね」
「それはこの戦いが終わってからにしましょう」
 強靭な肉体で衝撃波が出るほどの拳を振るうカルロスと、幻想より生まれた無敵の剣を振るう龍厳。二人がこの船を制圧し、次の戦場へ移るまでそう時間はかからなかった。
「ところでうつろぎさんは回収しなくてよいのでしょうか?」
「こういう状況にも慣れてそうだし大丈夫じゃねえか?」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ラモート・レーパー
半身(ラモート・アンゲルス)と連携
(お母さんはこっちよ……)
 海底の母(全長100m)の姿で挑む。会話はテレパスで行う。
 転送時にはこの姿になっており、船の下から泳いでついていく
戦闘になったら黒剣を写し身に渡して、自分はUCを発動。生成した水を膜のように張って船や写し身、味方を守ったり、水を操って水の道を作ることによってサポートに徹する。この姿で戦うこと自体苦手なので近くに敵が言おうとも仲間に知らせたりするくらいで決して手を出さない


ラモート・アンゲルス
対(ラモート・レーパー)と連携
「あれ? 対は? ……いました……」
 お姉さんの姿で戦います。
 転送直後対が近くに気がつき、船内を探し回った結果海面を覗き込んで見つける。
今の対の性質上戦えないので私が頑張らないといけませんね。
戦闘中は船上の場合メイスに変えた白剣で戦い、水中ではUCで人魚に姿を銛に変えた黒剣で戦います。



●それぞれの戦い方
「あれ? 対は?」
 グリモア猟兵に転送してもらった後、ラモート・アンゲルス(生きた概念・f18548)は己が対と呼ぶ存在であるラモート・レーパー(生きた概念・f03606)を探すが見当たらない。
(お母さんはこっちよ……)
 そのレーパーのテレパスを感じ取りながら船内を探すも、見当たらず。結局、海面を覗き込んで見つける。今回のレーパーは全長100mの海洋生物の混じったような
「対よ、こっちだけでは分かりません」
 散々探し回らされた半身に文句を言いつつアンゲルスはレーパーから黒剣を受け取り、彼女が作り出した水の道を駆けて敵船へと飛び込む。
「今の対の性質上戦えないので私が頑張らないといけませんね」
 ユーベルコード【万人の理想像】で白兵戦に適した妙齢の女性の姿になると、『白剣』をメイスへ形状を変化させて殴りかかる。
「威勢のいい姉ちゃんだ! へへ、いっちょ相手してやろ……ぐわっ!」
 待ち構えていた『メガリスに狂う男たち』が【ケンカコンフリクト】で迎え撃つも、ユーベルコードの相性がいいのか、はたまた現在の状況に適応した姿のおかげか、男たちの肉弾戦に難なく対応できている。このまま戦ってゆけば、制圧も時間の問題だろう。だが、
「……対?」
 半身からのテレパスを受けるアンゲルス。向こうの旗色はよくない様子。
「仕方ないですね」
 いったん戦闘を切り上げると、アンゲルスは海中へ飛び込むのだった。

「オラァ! どうしたデカブツ!」
 猟兵達の乗ってきた船の船底部分近く、レーパー相手に男たちが殴り掛かっていた。【ケンカコンフリクト】の効果で服を脱ぎ捨て褌一丁になっている彼らの動きは身軽だ。一方のレーパーは、
(還りなさい、廻りなさい、巡りなさい)
 外部からの攻撃を遮断する空間、それを形成するための液体【原初の海】で自身と船体を包み込み、攻撃を防いでいた。だが、このユーベルコードを発動するには非戦闘行為に没頭していなければいけない。没頭する行為も詠唱を念じ続けるだけでは長く続きそうにない。
「どこまで保つかな? ああ?」
 レーパーの巨体相手に怯むことなく殴り続ける男達。だが、
「対……しっかりしてください」
 水中に適した姿、【万人の理想像】によって人魚の姿になったアンゲルスが黒剣を銛に変形させて、男達を背後から貫いていた。
(ありがとう。お母さんはうれしいわ)
 テレパスで礼を言ってくるレーパーに水中ではあるが、ため息をつくアンゲルス。
「対は非戦闘行為で何か没頭できそうなことでもしていてください。例えば歌……母を名乗っている今なら子守歌などはどうです?」
(わかったわ、お母さんやってみるわね。 ~♪)
 海の中に優しい歌がテレパスで広がる。
「さて、それでは続きに戻りましょうか」
 船の守りはこれで大丈夫だろう。そう確認すると、アンゲルスは再び敵船へと向かってゆくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
うーん…
それぞれの文化や歴史、事情もあるんだろうけどねえ
でも、どっちにしても放っておけない状況だよね

でも、その前に邪魔者をやっつけてから
「逃げるって?冗談はその顔だけにしておいた方がいいよ」
敵がボクたちの船を狙って海中に飛び込んだら船の守りはウィーリィくんに任せてボクは【エクストリームミッション】を発動させて空から真っ直ぐ敵船を目指す
そのまま乗り込み、ブラスターの【乱れ撃ち】+【制圧射撃】で向かってくる敵を押さえ込み、周りの敵をフォースカトラスを振り回して【範囲攻撃】で薙ぎ払い、【船上戦】で乗員が出払った敵の船を制圧する
「さぁ、どうする?泳いで逃げるのなら止めないよ?」


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
別々の世界出身の俺とシャーリーがコンビを組めるのは、自分達と違う世界を知り、認められるからこそ。
それが出来ないと確かに文化の軋轢とかは避けられないだろうな。
けど、それさえ乗り越えればいつかは手を取り合えるって事だよな。
そのためにも、まずは目の前の敵を片付ける!

敵船はシャーリーに任せ、俺は自分の船の守りに就く。
【足場習熟】で揺れる船上でも足場をキープし、【地形の利用】で手摺などを足場に【ジャンプ】して縦横無尽に飛び回りながら乗り込んだ敵を攪乱しつつ時間を稼ぐ。
そして手薄になった敵船をシャーリーが占拠したら乗り込んだ敵を【飢龍炎牙】と【衝撃波】で一気に片付ける。



●空の鮫と炎の龍
「別々の世界出身の俺とシャーリーがコンビを組めるのは、自分達と違う世界を知り、認められるからこそ。それが出来ないと確かに文化の軋轢とかは避けられないだろうな」
 敵船の向こうに見えるタッツ島を眺め、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)はそう口にする。
「うーん……それぞれの文化や歴史、事情もあるんだろうけどねえ」
 相棒の言葉にシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)は舵輪を操作しながら相槌を打つ。
「でも、どっちにしても放っておけない状況だよね」
「ああ、それさえ乗り越えればいつかは手を取り合えるって事だよな」
 そして、二人は敵船へと視線を移す。
「その前に邪魔者をやっつけてからだね」
「そのためにも、まずは目の前の敵を片付ける!」

「逃げるって? 冗談はその顔だけにしておいた方がいいよっ!」
 敵船に対し、挑発を仕掛けるシャーリー。
「言ってくれるじゃねえか! 野郎ども、あいつらに俺らの恐ろしさを刻み込んでやれ!」
 リーダー格の命令で船にいる『メガリスに狂う男たち』の半数ほどが海に飛び込み、残りは船を近づけて接舷からの乗りこみの態勢のようだ。
「うーん……もうちょっと釣れるかなーって思ったけど、まあいっか。それじゃ、行ってくるね!」
「おう、行ってこい!」
 ユーベルコード【エクストリームミッション】でサメ型パワードスーツを装着し、スラスターを噴かせて一気に敵船へと飛んで行く。
「なっ!? う、撃ち落とせ!」
 予想外のスピードで襲撃に来たシャーリーに啞然とするも、すぐさま部下たちに指令を出すリーダー。【バトウカトラス】の力で体を水刃に変えて飛ばしてくる男達。だが、
「史上最大の凶暴すぎる竜巻、戦う覚悟はある?」
 水刃を蒸発させるほどの熱量を持ったブラスターを乱射し、船上を制圧してゆく。
「さぁ、どうする?泳いで逃げるのなら止めないよ?」
「な、舐めるなぁっ!」
 上空からの一方的な攻撃にリーダーの男は船のマストを駆け上がり、その勢いの跳躍でシャーリーに斬りかかる。
「やるぅっ! でもね」
 サイキックエナジーで形成された光の剣『フォースカトラス』を抜き放つと、そのまま斬りかかってきたリーダーを返り討ちにする。
「ク、ソ、ガァァァァァァッ!!!」
 胴を二つにされ、断末魔とともに骸の海へと還ってゆくリーダー。
「これでこの船も制圧完了かな」
 敵船の甲板の上へと着地し、周囲を確認するシャーリー。
「あとは、向こうかな」
 そういうと、シャーリーはウィーリィに向けて合図を送るのだった。

「お、向こうは終わったか」
 シャーリーの合図に気づくウィーリィ。
「てめぇ、ちょこまかと」
「船に乗ってる後続隊が来たら、もう逃げられないから覚悟しておけよ」
 だが、その様子に気づいていない男達は【バトウカトラス】で腕を水刃に変えて、のらりくらりと逃げ回るウィーリィへと斬りかかっている。
「時間稼ぎもここまでだな……よっと!」
 揺れる船をものともせず、危なげなく船の手すりの上へと飛び移るウィーリィ。
「怖気づいて逃げられたり、船の危機に気づかれて救援に戻られても面倒だったんでな」
「てめぇ、一体何を言って……」
 男達もそこまで言って、先ほどの逃げてばかりいたウィーリィと様子が違うことに気づく。彼の手にはいつのまにか大包丁『三昧真火刀』が握られており、その刀身には炎がまとわりついている。
「喰らい尽くせ、炎の顎!」
 ユーベルコード【飢龍炎牙】によって生み出された炎の龍が男達を蹂躙する。
「ぎゃあああああああああああ!!!」
 攻撃を防ぐ間もなく燃やされ、骸の海へと還ってゆく男達。
「こっちはこれで完了……他も問題なさそうだな」
 自分達が担当した以外の船も、猟兵達が制圧したり、沈没したり、跡形もなく吹き飛んでいたりする。
「いや、吹き飛んでいるのはやりすぎだろ」
 誰に対してか分からない突っ込みを入れつつも、ウィーリィは戻ってくるシャーリーを迎え入れに行くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『骸うさぎ・バージョン6・96』

POW   :    狂々時計(くるくるクロック)
自身の【壊れかけた時計 】が輝く間、【内蔵されたビームブレードや高分子ワイヤー】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
SPD   :    今日は何で遊ぼうかしら?(ヴォーパルウェポンズ)
自身の身体部位ひとつを【今まで取り込んだ機械やメガリス 】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    これが私のお友達(うさちゃんフレンズ)
自身が【親愛や友好 】を感じると、レベル×1体の【犠牲者の頭部の詰まった機械人形】が召喚される。犠牲者の頭部の詰まった機械人形は親愛や友好 を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠中村・裕美です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●島での情報収集
 島の侵入を防いでいたコンキスタドール達を倒し、上陸する猟兵達。この島を支配しているコンキスタドールのボスは強大な敵という話もあり、まずは情報収集をする猟兵達がいた。
「いたずらに不安や不信感を煽るものでもないですし、情報収集自体はアルダワの方……東の町方面がいいでしょうね」
「そうね。その方が私達にもやりやすいだろうし、騎士達やおばば様のことも受けて入れもらいやすいと思うんですよね」
 そう言いながら島を進んでゆくのは晶とサフィリアだ。二人ともドラゴニアンと思われるような容姿をしており、サフィリアのそばには彼女が『おばば様』と呼ぶ竜がおり、その周りには竜騎士の幽霊たちが控えている。東の町方面で情報収集を行うのは妥当な判断である。
「もちろん両方の町を助けますよ、だってそれが正しい事ですから」
「ひぃっ!? な、なんだこいつら!?」
 サフィリアがそのように話していると、この島の住人らしき一団に出会う。ケットシーやドラゴニアンなども混ざっているので東の町の住人とみて間違いないだろう。
「安心してください、貴方達に害を与えるつもりはありません。ほら、おばば様も逆鱗を見せてくれているでしょ?」
 サフィリアの言うとおり、おばば様は自身の弱点をさらけ出し、竜騎士達は跪いて敵意がないこと示す。
「逆鱗……本当に竜なのか?」
「親からのおとぎ話でしか聞いたことがないぞ!」
「もしかして、天から俺達を助けに来た竜神様なのか!?」
 最初は警戒していた住人達だが、本物の竜を目の当たりにしているという実感が彼らの心を大きく沸かせたようだ。
「助けに来たのは合っています。だから、この島で何があったのか、この島を支配しているコンキスタドールのボスはどんな相手なのか教えてください」
 
 晶とサフィリアの呼びかけに住人達は話し始める。島にコンキスタドール達が来た時、島の住人達は腕っぷしの強い連中を集め、島の防衛に当たったが、連中の『ボス』一人だけに皆殺しにされ、そこから島の支配は始まったのだという。
「あいつは……骸うさぎは遊ぶように島の手練れ達を殺していった。いや、本人は本当に遊んでいるつもりだったのかもしれない。遊んだ相手は例外なく首ちょんぱだったがな」
 そこからボスは時々町へふらりと現れては、ターゲットとなった住人と遊び、最後には首を刎ねて帰ってゆく。対象は老若男女関係なくだ。
「それで、その遊びとは?」
「鬼ごっこやかくれんぼ……おままごとなんてのもあったな。どんなにうまく立ち回ろうとしても、結局みんな首を刎ねられたがな」
 方法は光る刃に部下たちも使っていた水の刃だったりと様々だが、殺し方は首を刎ねる方法がほとんどだという。
「首を刈る行為に何か思い入れがあるのでしょうか?」
 相手の行動パターンから何か攻略の糸口が見つかるかもしれない。晶とサフィリアがそう思った矢先、
「アソ……ボウ」
 どこかノイズの混じった子供のような声がする。そちらを見ると、そこには一部機械のパーツがむき出しになったうさぎのぬいぐるみ。それで二足歩行でぴょこぴょことこちらに向かって歩いてきている。
「や、奴の『お友達』だ!」
「アソ……ボウッ!!」
 住人が悲鳴を上げると、ジャキンと鋭利な爪を伸ばしたぬいぐるみが驚くべき跳躍スピードで住人めがけて飛びんでゆく。
「みんな、守って!」
 サフィリアの指示で住人の前に出た騎士が、ぬいぐるみの爪で首を斬り飛ばされる。だが、そこで他の騎士達の槍に貫かれて動きを止める。
「『お友達』とは、どういうことでしょうか?」
 晶が住人がさっきはなった言葉に質問する。
「あれは、奴と遊ぶことになったしまった犠牲者の成れの果てだ」

 ビリィッ、ゴロン。 

 貫かれたぬいぐるみの穴が不意に裂け、そこから何かが転がり落ちる。
「これは……!」
「ああああああああああああっ!! メリナッ!」
 そこにあったのはこの島の住人であったであろう者の生首だった。
「すまないっ! ……守ってやることが……できなくて」
 親しい者だったのだろうか、住人の一人が崩れ落ち、嗚咽を漏らす。
「だから、俺達は犠牲者をこれ以上出さないためにも、島の中央にある旗を取りにいかないといけないんだ」
 そして他の住人がそのような言葉を口にする。
「安心してください。貴方たちは私達が助けます」
 晶が沈痛な面持ちの住人達にそう声をかける。
「頼む! 俺達を、町のみんなを助けてくれ!」
「ええ、ただし西の町の方々も含めてですが」
 その言葉に住人達は一瞬凍り付く。自分達の犠牲にしようとしている相手に思うところがあるのだろう。
「私は竜は人と同じ生き物だと思っています。状況や立場によって善にも悪にもなる、ね? 人と似てるでしょう?」
 その様子に声をかけたのはサフィリアだ。
「あと竜ってプライドが高い個体が多いんですよ、きっとその結果が神様とか世界滅亡だったと思うんですよね。きっと向こうの町のご先祖様がたまたま悪い竜に出会っただけなんです」
 だから、向こうの気持ちも少しだけでも考えてあげてくださいね。そうサフィリアは告げると、晶と共にボスを討つべく『お友達』が来た痕跡をたどりつつボスのもとへと向かうのだった。
(※1章からの情報収集の結果、いくつか情報が得られました。

・ボスは住人達と遊んでは、最終的に殺してお友達にする。
・住人にとどめを刺す際はほとんどの場合『首を刎ねる』場合が多い。
・ボスの武器はユーベルコードであるもの以外に部下のメガリスの力も使える(【ヴォーパルウェポンズ】を使用した際、『メガリスに狂う男たち』の【ハトウカトラス】や【ウズマキジャベリン】の効果を使用できます)。

 その他、断章で得た情報を元に戦術を組み立ててもかまいませんし、他に新しい情報がないか、2章のプレイングでも情報集を行っても構いません(その場でうまく利用できるかは戦闘プレイングとの相性次第ですが)。
 それではプレイングをお待ちしております。)
ラモート・レーパー
半身(ラモート・アンゲルス)と連携
 姿及び状態は前章継続
(分かったわ。お母さんは待っているわ。あ、頼み事しても良いかしら?)
 写し身と別れたら、島の周りをゆっくり泳いだり深海まで潜ったりして待ちましょう。

戦闘
写し身と合流して真の姿を解放。
(力を貸してちょうだい? 私の愛しい子供たち……)
UC【愛しい我が子達】【原初の海】で写し身、子供たち、自分を強化することに専念するわ。


ラモート・アンゲルス
対(ラモート・レーパー)と連携
 お姉さんの姿で動きます
「それでは情報収集行ってきます。頼み事? まあいいですけど」
 UC【万人の理想像】とそれぞれの世界の『私』から聞いた各世界に関する話を駆使して住人から話を聞くことにしましょう。まあグリードオーシャンにおける私においてドラゴンは異世界の生き物でしかないのですが。

戦闘
 UC【主の守護者】【祝福の加護】を発動。前者で敵の影を作り出して味方に、後者で自分、影、子供たちを強化します。
 戦闘自体は信仰の盾で攻撃を防ぎながら、白剣を状況に合わせて変化させ子供たちと連携して戦います。



●威力偵察
「それでは情報収集行ってきます」
(分かったわ。お母さんは待っているわ。あ、頼み事しても良いかしら?)
「頼み事? まあいいですけど」
 そんなやり取りがあったのは少し前。島に上陸したラモート・アンゲルス(生きた概念・f18548)は西の町を目指していた。
「グリードオーシャンにおける私においてドラゴンは異世界の生き物でしかないのです。ドラゴンと縁のある人が東に行けばいいでしょう」
 ちなみに、自身の半身であるラモート・レーパー(生きた概念・f03606)は島の周りを泳ぎながら待っている。
「おや、さっそく見つけました」
 木立が立ち並ぶ林のあたりに差し掛かったところ、アンゲルスの目の前に現れたのは島の住人らしき男達。
「すみません、あなた達、この島の人達ですよね?」
「なんだお前は!? もしや東の奴か!?」
「いえ、そうではなくてですね、あなた方を助けに来たのですよ」
 アンゲルスの今の姿はグリードオーシャンにいそうな年頃の女性。最初は警戒をしていた住人達だったが、こちらの事情を話してゆくと、態度が軟化していった。
「それで、この島のボスっていうのは……」
「ああ。あれは人の形をしているが、人じゃねえ。おぞましい何かだ。遊びと称して人を刈る。こっちの言うことも聞いちゃくれねえ」
 アンゲルスの言葉に、その時のことを思い出したのか、震えながらも離す住人。
「聞いちゃくれない。本当に、誰のどんな言葉もでしょうか?」
 気になるところがあったのか、つき詰めて訊きだすアンゲルス。
「そうだな……向こうが言う遊びの中、鬼ごっこやかくれんぼ……そういった中での言葉には反応があったような気はする。ただ、どんなにうまくやっても最終的には『お友達』にするために首を切られちまうがな」
「あ、あとは……」
 仲間の言葉に何か思い出したのか、別の住人が口を開く。
「あいつの部下が、さすがにやり過ぎと思ったのか、たしなめるのに『邪剣様はそこまでしろとは望んでいない』と言ったらおとなしくなった時があったな。ただ、それを利用して『邪剣』の名前を出して、あいつを騙そうとした奴もいたが、すぐバレてズタズタにされちまった」
「ふむ……」
 住人達の言葉を聞いてアンゲルスは思考を巡らせる。
(遊びという概念の中でのみ、意思疎通は可能? そしてそうした壁を打ち破るほどに彼女の中で重要、もしくは恐ろしい存在ということ?)
「なあ俺達の話、役に立ったか?」
 立ちっぱなしで話すのもだるくなったのか、木立に背を預けながら住人が問いかける。
「ええ、とても役に立ちました……よっ!」
 アンゲルスはそう答えながら、突如住人達の襟首をつかんで地面へ引きずり倒す。
「いってぇ! いきなり何をするんだ……ッ!!」
 住人が文句を言おうとするが、その直後、さっきまで彼が背中を預けていた樹がスパッと何かに斬られたかのように傾き、そのままメキメキと音を立てて倒れる。
「あはっ♪ 惜しいなあ、捕まえたと思ったのに」
 その木の後ろからひょこっと現れたのは、この島を支配するコンキスタドール達のボス『骸うさぎ・バージョン6・96』だ。
「まあいいや。今度は捕まえるから」
 そういって指先に何かを収納する。あれは、目に見えないほど細いワイヤーか何かだろうか。
「皆さんは逃げてください、そして対、出番ですよ」
 住人達の前に立ちはだかり、『白剣』を構えるアンゲルス。
(わかったわ。力を貸してちょうだい? 私の愛しい子供たち……)
 アンゲルスの呼びかけにレーパーがテレパスで答えると、おぼろげな人影のようなものが沸き立つ。それはレーパーの【愛しい我が子達】で呼び出されたいとし子達であり、レーパーが保有する概念の現身のようなものだ。
「この祝福持って討つべき敵を討ち取れ」
 更にはアンゲルスは【祝福の加護】を自身とレーパーの『子供たち』に施し、戦闘力を上げる。
「もーいーかいっ? もーいーよねっ!」
 もう待ちきれないとばかりに片腕からレーザーブレード、もう片方の腕の指それぞれから高分子ワイヤーを出すと、そのまま突撃する。
「いっくよー!」
 そして彼女の腰にある壊れかけた時計が輝きだし、動きを加速させる。
「いくら早くてもこの光をかわすことは……」
 そういってアンゲルスは白剣から光を放つが、狙った効果が思ったように出ないようだ。
「存在が奪えないほど強固な存在……くっ!」
 超高速で繰り出される機械兵器の連撃にアンゲルスは『信仰の盾』で防ぐのが精いっぱいだ。周りの『子供たち』も加護によって戦闘力が上がっているはずだが、それでも、この物量差相手に互角に渡り合っている。
(七大海嘯の部下とはここまで……いや、損傷は与えている)
 自身の加護に疑念を抱かぬよう、気をしっかり持つアンゲルス。
(ここはお母さんの愛をもっとたくさん注ぐべきかしら?)
 自身の半身や『子ども達』への戦闘支援に徹していたレーパーだったが、ここで更にユーベルコードの出力を上げようとする。その行為にアンゲルスはハッとし、一つの提案をする。
「ここは引きましょう、対。確かに底なしにあなたの愛情をさらに注げば、私達はさらに強くなれる」
(……)
「ですが、万一愛情が尽きた時、対の……『海底の母』の身に何が起こるか分かりません。対の中の一つでも失うリスクは避けるべきです。幸い、島の住人はもう非難したようですし」
 今は集めた情報を他の猟兵達とも共有した方がいいかもしれない。例えば、
「どうやら私達は全員、あなたに捕まったみたいです。ですから、今度はあなたが逃げる番ですよ?」
「あれ、そうだっけ? じゃあ、10まで数えてね」
 今まで骸うさぎの攻撃を受けて生きていた者などいなかっただろう。だが、生きていればこうして攻守交替で時間を稼ぐこともできる。追いかけるつもりがないことに気づかれた後が怖そうではあるが。
「いーーーーち、にーーーーーい……」
「早く捕まえてみてねー!」
 骸うさぎは勢いよく林の向こうへと消えていった。
「情報を他の猟兵にも知らせませんと。対よ、テレパスでいけますか?」
(猟兵はあらゆる世界の言語が通じる。テレパスも、その能力の応用でちゃんと聞いてくれると思うわ)
 こうして骸うさぎに関する情報のやり取りが猟兵間で行われるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


(※今回の情報収集でいくつかの情報が得られました。

・基本的に相手と会話は通じない
・遊び関係であれば、ある程度会話が成立する
・『邪剣』という存在には何か反応するものがあるようです。

 その他、断章で得た情報を元に戦術を組み立ててもかまいません。)
ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
(情報を聞いて)大体わかった。
つまりあいつは普通に戦って勝てる相手じゃないって事だな。

なので、シャーリーと一緒に奴につきあってかくれんぼで遊ぶ。
囮のフェイクとして上着を脱ぎ、予め身軽になっておく。
で、シャーリーの罠に引っかかったところで彼女の銃撃の邪魔にならない様にしながら炎の【属性攻撃】を付与した大包丁の【二回攻撃】でダメージを与える。
そして奴が俺達の首を刎ねようとしたらシャーリーを【かばう】形で前に出てその一撃を【見切り】、【限界突破】させた【早業】で【刀工一閃】を【カウンター】で繰り出し返り討ちにする。
予め首を狙うのがわかっていれば見切りやすい筈!


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
遊んでるヒマはない、って言いたいところだけど今回は遊ばないと始まらないんだよね
だから一緒に遊んであげることにする
「かくれんぼで勝負だよ!まず最初はそっちがオニね!(びしっ!)」
ノリと勢いで押し切って、ボスが数えている間にウィーリィくんと一緒に隠れる
そして隠れ場所の近くに【罠使い】+【ロープワーク】でワイヤーのスネアトラップを仕掛ける
ボスが探しに来たらわざと物音を立てて注意をボクたちが隠れている場所に向けてトラップに気づかれないようにする
引っかかったら動きが止まった瞬間に【クイックドロウ】+【乱れ撃ち】で全力攻撃!
でも動きを止められるのはわずかな間だけ
後はお願いね、ウィーリィくん!



●目には目を
「大体わかった。つまりあいつは普通に戦って勝てる相手じゃないって事だな」
 猟兵間での情報収集を済ませた後、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)はそう結論付ける。高レベルの猟兵でも正面からでは難儀する相手というのがよく分かった。
「遊んでるヒマはない、って言いたいところだけど今回は遊ばないと始まらないんだよね」
 シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)も同じ結論のようだ。だからこそ、相手の隙……行動原理を突くのだ。
「だからさ、一緒に遊んであげないとね」
「ああ、付き合うぜ」
 こうして二人は『骸うさぎ・バージョン6・96』のもとへ向かうのだった。

「誰も追いかけてこないから、これはあたしの勝ちだね♪」
 先ほどの猟兵達と『遊んで』いた骸うさぎだったが、彼女らが来ないのでそう結論付けたようだ。
「誰かいないかな〜♪」
 そして新しい遊び相手を探していると、
「ヘイ、そこのウサちゃん! かくれんぼで勝負だよ! まず最初はそっちがオニね!」
「オッケー♪ じゃあ10まで数えるね!」
 突然現れ、ビシィッと宣言してきたシャーリー。そしてそれに二つ返事で受ける骸うさぎ。
「展開早いなオイ」
「しーっ! うまく行ってるんだから、細かいことは後! さ、隠れて隠れて!」
「さーーーん、しーーーい」
 トントン拍子な流れに思わずツッコむウィーリィに、シャーリーは隠れるよう促す。そして……
「じゅーーーう!! さあ、どこかなー♪」
 数え終わった骸うさぎはあたりを見回す。そして、とある茂みからカサリと音がする。
「そこかなぁっ!」
 ヴンッとウデからレーザーブレードを出して茂みを切り払って、向こうにいる相手の首を狙おうとするが、

 ビンッ!

「おおっ!?」
 不意に骸うさぎの踏み込んだ足元からロープが飛び出し、彼女の足首を縛って吊り上げる。いわゆるスネアトラップだ。
「アハハ、何これ何これ!」
「今だっ!」
 はしゃぐ骸うさぎに向けて熱線銃『シューティングスターを向けるシャーリー。
「見ぃつけた♪」
 シャーリーを見つけるや否や、【ヴォーパルウェポンズ】で水刃のメガリスの力を使い、身体から水の刃を生やして足のロープを切断。その勢いのままシャーリーへとびかかる。
「空中なら、避けられないよね」
 シャーリーはそんな彼女へ向け、【クイックドロウ】で熱線を連射する。
「あはっ♪ そのオモチャもいいね! 欲しいな!」
 その身に海水を纏って熱線の威力を減らした上で突っ込んでくる骸うさぎ。熱された海水が蒸気となってあたりに立ち込める。
「つーかまえたっ♪」
 熱線のダメージも気にせずシャーリーの首を狙って水刃を振るう骸うさぎ。だが、

「予め首を狙うのがわかっていれば、見切りやすいんだよ!」

 蒸気に紛れ、ウィーリィがシャーリーの前に割って入り、鉄鍋で水刃を防ぐ。
「これで終いだっ!」
 目眩しにと脱いだ上着を目の前に広げ、敵の視界を覆うウィーリィ。
「そんなので隠れても無駄だよっ♪」
 目の前の上着を切り裂くが、そこにすでにウィーリィはいない。
「こっちだ!」
 相手の斬撃の動きに合わせ、そのまま大包丁による【刀工一閃】を振るう。刀身に炎を纏わせた神速の一撃は骸うさぎの身体を斬り裂く。
「どうだっ!」
「やったね、ウィーリィくん!」
 確かな手応えを感じる二人。
「あはっ♪」
 だが、
「あははははははっ! 楽しいな楽しいなっ♪」
 体の裂け目から見える機械のようなパーツをバチバチとスパークさせながら高らかに笑う骸うさぎ。
「君達といるととても楽しい」
 そう言って向けた顔、髪の間から見えた瞳は、相手が見えているようで見えていない、ガラス玉のようだった。
「だから、あたしと『お友達』になろっ♪」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

豊水・晶
思っていた以上にどうしようもないのが出て来ましたね。犠牲者の生首を人形に入れて住民を刈るなんて、なんと惨い。これが無邪気に遊んでいるだけというのですから救い様がないですね。
首を刎ねるということに執着しているようですし、戦闘でも気を付けたほうがいいでしょうね。UC【マトイ】で水晶を纏って防御力を強化しておきます。戦場は相手の領域ですし、戦闘も遊びと捉えてきたり突拍子もない行動をしてきそうなので不意打ちには用心します。

アドリブや絡みは自由にしていただいて大丈夫です。


サフィリア・ラズワルド
WIZを選択

ペンダントを竜騎士の槍に変えて掲げます。
各自住民を守れ!あなた達の任務はボス撃破ではなく住民の守護だ!
そう騎士達へ伝えた後、先程のぬいぐるみから落ちた首の前へ、おばば様、死霊術師のおばば様なら少しの間この人をここへ呼ぶことは可能ですか?
犠牲者の霊を呼び出してもらって少しでも情報を貰います。

首に気を付けながら立ち回ります、騎士達は周りにいないけど私は一人じゃない、何よりこの状況に一番怒ってるのはおばば様なんですよ、食べる訳でも埋葬する訳でもないのに許可なく遺体を弄ることは死者への冒涜だって。

『おばば様、理性的にお願いしますね?』

獲物を狙ってる顔になってますよ?

アドリブ協力歓迎です。



●死者の遊びに終焉を
「そう……それは辛かったのですね」
 そうサフィリア・ラズワルド(ドラゴン擬き・f08950)が語りかけるのは一人の女性。先程襲ってきたぬいぐるみに入っていた生首の主。【幽冥竜の騎士団】で呼び出され、死霊術師である『おばば様』によって呼ばれた魂だ。
 彼女からも情報を集めた上で、更に骸うさぎの悪行に対して怒りを打ち震わせていた。
「思っていた以上にどうしようもないのが出て来ましたね。犠牲者の生首を人形に入れて住民を刈るなんて、なんと惨い」
 同じ場に居合わせていた豊水・晶(流れ揺蕩う水晶・f31057)もどこか沈痛な面持ちだ。
「各自住民を守れ! あなた達の任務はボス撃破ではなく住民の守護だ!」
 サフィリアはラピスラズリのペンダントをペンダントに変え、自身が呼び出した竜騎士達に命令を下す。
「これで住民は大丈夫なはずです。あとは、ここのボスだけです」
「ええ、行きましょう」
 こうして二人はコンキスタドール達のボスである『骸うさぎ・バージョン6・96』のもとへ向かうのだった。

「あははははははっ! 楽しいな楽しいなっ♪」
 猟兵達の攻撃で深傷を負いながらも骸うさぎは笑っていた。
「だから、あたしと『お友達』になろっ♪」
「アソ……ボウ」
 そう言って【うさちゃんフレンズ】でうさぎのぬいぐるみを多数召喚する。
「たくさん敵が出てきたみたいですが、大丈夫でしょうか?」
 数が増えた敵に晶が『瑞玻璃剣』を構えつつもサフィリアへ気遣いのことばをかける。
「騎士達は周りにいないけど私は一人じゃない、何よりこの状況に一番怒ってるのはおばば様なんですよ」
 そう言って目線をおばば様に向けると、彼女は燃えるような目で骸うさぎを見ている。
「食べる訳でも埋葬する訳でもないのに許可なく遺体を弄ることは死者への冒涜だって」
「これが無邪気に遊んでいるだけというのですから救い様がないですね」
 おばば様を代弁するサフィリアに晶が相槌を打つ。
「この子達をもっと可愛くして欲しいってことかな♪ 可愛く飾るなら、何がいいかなっ?」
 こちらの会話に反応してから骸うさぎがそのようなことを言っているが、
「おばば様、理性的にお願いしますね? 獲物を狙ってる顔になってますよ?」
 火に油を注ぐかの如くおばば様の怒りを煽るが、
「おばば様にはやってもらわないといけないことがありますから。では、そろそろ行きましょうか」
 ドラゴンランスを構え、サフィリアが骸うさぎへと攻め込み、晶もそれに追随する。
「あはっ♪ 何して遊ぼうか!」
 レーザーブレードを振るいながら問いかける骸うさぎに対し、
「遊びはもう終わりです!」
 首を狙った一撃をドラゴンランスで受け止めるサフィリア。そしてその隙に晶が斬り込む。
「みんなで楽しく、ずっと遊んでいよっ♪ ねえ、みんな」
 その攻撃をかわすと、楽しげに語りかける骸うさぎ。そして、ぬいぐるみ達に同意を求めるが、
「あれ?」
 ぬいぐるみ達が動かないことに気づいた骸うさぎ。
「おばば様、ナイスです! そのまま……理性的にお願いします」
 どうやら、死霊術師であるおばばに、ぬいぐるみの中に、首だけ詰め込まれた人達の霊を呼び出し、動きを封じてもらっているようだ。
「あれれー? どうしちゃったのかなっ♪」
 その様子に少し戸惑う感じもあった骸うさぎだか、
「そっか、花一匁だねっ♪」
 すぐに自分の中で遊びと解釈する。そして、
「勝ーって嬉しいはーないちもんめっ♪ 負けーて悔しいはーないちもんめっ♪」
 歌い出すと共に腰の時計が光り、動きが加速する。ユーベルコード【狂々時計】の力だ。レーザーブレードや高分子ワイヤーをサフィリアや晶におばば様、そしてぬいぐるみ達へと振るう。
「あの子が欲しいっ♪ この子が欲しいっ♪」
「味方にっ!? 作り直してまた操ろうとしてる? こいつはどこまで……」
 骸うさぎの行いにサフィリアは憤慨しつつも、攻撃回数が爆発的に増えた相手には防戦一方だ。だが、そんな猛攻の中、敢えて身を投げ出す者がいた。晶だ。
「ひ、晶さん!?」
 骸うさぎの攻撃に身体のあちこちが切り刻まれる。そして、
「貴方が欲しいっ♪」
 レーザーブレードが晶の首を捉える。彼女の首が飛んだかと思ったその時、

 この時を待っていました。

 声はせずとも、そう晶の唇が動いたように見えた。
「あれっ?」
 晶の首は飛んでおらず、レーザーブレードは首に当たった所で止まっていた。晶のユーベルコード【纏】で身体の所々を水晶で纏ったお陰だ。特に、首は狙われることが分かっていたので、重点的に強化していた。
(これで終わりです!)
 声を震わせられないほど強固に固めたせいか声は出ていなかったが、気合と共に、二振りの水晶剣を振るい、骸うさぎの身体を斬り裂く。
「死者を冒涜する者に鉄槌を!」
 更にそこへサフィリアがドラゴンランスを突き入れる。
「あはっ♪ これでおしまいかな?」
 二人の攻撃が決定打となり、骸うさぎの身体が崩れてゆく。
「また、遊ぼうねっ♪」
 それだけを言い残し、彼女は骸の海へと還ってゆくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 冒険 『いがみ合う島民達』

POW   :    力ずくで止める、鬱積を自身に身で受け止める

SPD   :    島民の気をそらす、怒りの方向を別へ誘導する

WIZ   :    とにかく落ち着かせる、そもそもいがみ合う必要があるのか説く

👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●終わらぬ闘争
「アンタ達……本当にあのボスを倒してくれたのか……」
 どこからか見ていたのだろうか、島民の一人が猟兵達の前に現れ、話しかける。だが、その顔は明るくない。その理由を猟兵の一人が尋ねると。
「あのボスがいなくなってホッとはしている。だが、また新しいコンキスタドールが来るかもしれないと思うと……」
 どういう事かどういう事か尋ねると、
「仲間にあいつらの会話を聞いていた奴らがいたんだ。島に異常事態が起きた時、奴等より上の連中にそれを知らせるメガリスがあるって」
 異常事態、ボスのやりすぎで島民がほぼ全滅する、もしくはそのボスが倒れるような事態があった時などだ。メガリスが異常事態を察知するにはある程度のタイムラグがあるようで、すぐ破壊することができれば島の異常事態も上の存在……『邪剣』に知らされることもないようだが、
「そのメガリスっていうのが……島の中央に立っている旗だ」
 今現在、コンキスタドールの庇護を受けるために島民達が奪い合いをしている旗のことだという。
「すまない。そのメガリスがある限り、俺達はコンキスタドールの呪縛から解放されない。どうか、メガリスの破壊もしてくれないか?」
 そう言って島民は頭を下げるのだった。
 
 一方、島の中央では、タッツ島の島民たちが、東の町の住人と西の町の住人とで大ゲンカとなっていた。
「竜の手先め! お前達にあの旗を渡すわけにはいかない!」
「こっちだって、そっちに渡すもんか! 竜を悪者扱いしやがって! そういうのが昔から気に入らなかったんだ!」
「なんだと!」
 そんなかんじでの罵り合いからの取っ組み合い、殴り合いの大ゲンカがメガリスである旗を中心に繰り広げられていた。自分達の町に守るのに必死だったのが、奪い合いをしているうちに互いに溜まっていた鬱憤が爆発してしまったのであろう。
「世界を滅ぼそうとした悪者に肩入れするなんてどうかしてる!」
「竜は、竜神様はそんなことしない!」
 ともあれ、このままではメガリスを破壊するのに邪魔になってしまうだろう。かといって強引に攻撃ですれば、彼らを巻き込むのは必至である。
 猟兵達よ、この争いを治める、または乗り越えるなりしてメガリスを破壊するのだ!

(※ちなみに、島民達の戦闘力ではメガリスを破壊することはできないので、奪い合いの拍子に壊れることはありません)
ラモート・レーパー
半身(ラモート・アンゲルス)と連携
 姿及び状態は前章継続
(ありがとう。それではお母さんからお説教です)
写し身に島民を集めてもらい、島民に対してUCを発動。島民に対し優しく叱る。
(喧嘩はメッ! 親にはそう教わったはずです。それにここはグリードオーシャン。A&Wでもアルダワでもありません。ですからドラゴンどうこうで言い争うのはお母さんが許しません! 
そして今後崇拝したり言い争うならお母さんか貴方達をここに連れてきた子、それか黒のローブを着て角を生やした女の子のことにするようにね?)
最後ににこぱーして海に潜り一旦姿を消す。
黒ローブのお姉さんの姿で対の前に現れ取っ組み合う
「島の皆さん! こっちですよ」


ラモート・アンゲルス
対(ラモート・レーパー)と連携
 お姉さんの姿で動きます
「対、頼まれた通り島民を集めましたよ?」
二章で受けた頼み事で東西の島民を真ん中の海辺に集める。
島民が争わないよう諌めつつ、あとは対に任せ、自分は端で砂糖多めの紅茶を飲みながら倶生神のノートを綴る。
対の話を幼児への説教かと思いながら聞き流して……
「〜♪ はあ!?」
 今後の対策? で対が一人でやるのはまだ良い。けれど勝手に私を巻き込むのはどうなんですか!
 島民の視線が自分に向いたら苦笑いしながら立ち上がり逃亡! 逃げた先で対に出会い取っ組み合う
「巻き込まないでください! この馬鹿対!」


サフィリア・ラズワルド
POWを選択

四つ足の飛竜になって吠えます

竜人は竜の幼体である、私達のいた施設で使われていた言葉です、そして言葉通り仲間は竜になりました、おばば様も相棒の竜達も元は竜人でした、私もいつかは…

私達は実験体でした、簡単に友好で協力的な竜を手に入れるための、でも殆どは狂ってしまって私達がその命を終わらせました、命を弄くった挙げ句に失敗した個体を殺させる……教えてください、人は命をなんとも思わない極悪非道の種族なんですか?

『そういうことで、旗を燃やしますから此方にください』

別に恨んでませんよ、施設の人皆が酷い人って訳じゃありませんでしたし、良人もいれば悪人もいるって私知ってますから

アドリブ協力歓迎です。


シャルロット・シフファート
アンタたち、そもそもそれぞれの『竜』の定義が違っているのよ。
そうユーベルコードで作り上げたホログラムでアルダワの世界における
世界を滅ぼそうとした存在、災魔の頂点に立つ大魔王に立ち向かうべく人間と共に立ち向かった『竜神』。
それとは異なる世界にて世界を滅ぼそうとしたA&Wにおける災魔の王たる存在、『帝竜』の違いを【世界知識】を用いて説明するわ。

「そして、大魔王も帝竜の王既に倒されているわ。私達猟兵の手によってね」
そう言って骸の海に浮かぶ36の世界の真実を伝えるわ。
異なる世界が融合して更に第三の世界に転移したとは思わないものね。
その前提を教えれば諍いも無くなるでしょう。


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
(WIZ)
料理の準備はウィーリィくんに任せて、ボクは島民たちの喧嘩を止める
「旗取り合戦は前のボスが言い出した遊びなんだし、旗をこのままにしてたらまた新しいボスが来ちゃうんだよ?」
どっちの立場でもない猟兵の言葉なら少しは耳を傾けてくれるかな?
ダメだったら無言で【制圧射撃】で空中に熱線銃を連射して黙らせる
「はい、静かにー☆」

ボクたちだって元々はバラバラの違う世界から来たんだよ
当然考え方や価値観だってそれぞれ違う
だけどお互いを認め合い力を合わせればさっきの戦いみたいなすごい力を出せる
すぐに、なんて言わないよ
でもそれは決して無理じゃない

あ、そろそろご飯にしようか
ケンカするとお腹すくもんね


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
(SPD)
喧嘩してる島の人達をメガリスから遠ざける為に、ボスを倒した戦勝会という名目で【華味三鎮】でスープを【料理】してその美味しそうな匂いで島の人達の注意を逸らす。
「あともうちょっとの辛抱だ。こっちの方で並んで待ってな」
「ボスもやっつけたんだしもう旗を巡ってケンカする事もないだろ?」
「それとも、あんたらは奴らを口実に殺し合いをしたいだけだったのか?」

鍋は二つ。
片方はA&W風の、もう片方はアルダワ風の味付けと素材。
「食べ比べてみな。どっちも旨いし普段と違った味もいいもんだぜ?」
【華味三鎮】で双方の島民を落ち着かせたら、あとはみんなの説得に任せる。



●争いの終焉
 タッツ島の中心、旗のメガリスが鎮座する丘では、東の町と西の町、それぞれの住民達が旗を奪い合う大喧嘩となっていた.
「すみません! ちょっと海の方まで来てくれませんかぁーーー!!」
「旗取り合戦は前のボスが言い出した遊びなんだし、旗をこのままにしてたらまた新しいボスが来ちゃうんだよ?」
 住人達の争いを止めるため、ラモート・アンゲルス(生きた概念・f18548)とシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)は声をかけてみるが、街を守るのに必死なのと、互いの町を罵り合ってからのエスカレートのせいか、聞く耳を持たない。
「海に連れて行けないのなら、対に頼まれたことができないのですが、どうしたものでしょうか」
 対……ラモート・レーパー(生きた概念・f03606)に東西の町の間あたりの浜辺に住民達を集めるように頼まれていたのだが、エキサイトしている住民達をどう落ち着かせて連れて来るかは全くノープランだった。
「どっちの立場でもない猟兵の言葉なら少しは耳を傾けてくれるかなって思ったんだけどなあ」
 ちょっと見通しが甘かったかなとシャーリーが次のプラン……熱線銃をぶっ放して注目を集めようとしたその時、

 ーーーーーーーーーーーーーッ!!!

 言葉にできないような甲高い鳴き声……否、咆哮があたりに響き渡る。
「何だいったい……」
「おい、あれ見ろよ……」
 そこにいたのは四本足で立つ一頭の竜。
「教えてください、人とは何なのですか?」
 そう語りかけた声はサフィリア・ラズワルド(ドラゴン擬き・f08950)のものである。ユーベルコード【白銀竜の解放】によって竜へと姿を変えているのであった。
「竜だ! 竜神様が来てくれた!」
「竜だと!? 本当にいたのか!」
 初めて竜を見る住人達はどよめくが、
「竜人は竜の幼体である、私達のいた施設で使われていた言葉です」
 サフィリアが話しだすと、周りはシンと静まり返る。
「そして言葉通り仲間は竜になりました。おばば様も相棒の竜達も元は竜人でした。私もいつかは……」
「竜人? ドラゴニアンとは違うのか?」
「施設? 何の話なんだ?」
「と、とにかく分からんが話は聞いとけ」
 島の外の事を知らない住民達にとって、サフィリアが何を言っているかは半分も分かっていないだろう。だが、その真剣な雰囲気に大半は耳を傾けていた。
「私達は実験体でした、簡単に友好で協力的な竜を手に入れるための。でも、殆どは狂ってしまって私達がその命を終わらせました。命を弄くった挙げ句に失敗した個体を殺させる……」
「……竜神様?」
 だんだんと剣呑な雰囲気なってきて、住民の一人がおそるおそる声をかけるが、
「教えてください。人は命をなんとも思わない極悪非道の種族なんですか? 自分達が良ければ共に島を生きてきた人達を見捨てられる生き物なんですか!?」
「……ッ!!」
 最後のその言葉は島民達の心に突き刺さる。理由はどうであれ、彼らのやろうとしていたことはまさにそういう事だったのだから。
「だが、俺達はそうしないと……」
 反論しようとする者もいたが、後ろめたさがあるのか言葉が続かない。
「旗を燃やしますから此方にください。あんなものがあるから争いが起きるんです」
 サフィリアがそう言って旗のところへ向かおうとしたが、旗がない。
「旗はボク達がいただいたよ!」
 声がした方向を向くと、そこにはサメ型宇宙バイク『ハイメガシャーク』に乗ったシャーリーと、その後部座席でメガリスの旗を抱えているアンゲルスだ。
 サフィリアが住民達に語りかけていた間に旗を奪っていたのだ。
「旗を寄越せっ!」
「そうはいかないよ!」
 我に返って旗を取り戻そうとする住民達だが、シャーリーはバイクのエンジンを起動させると、そのまま海へ向けて走りだす。
「いいんですか? こんなことして」
 後ろに座っているアンゲルスがシャーリーにそう尋ねる。
「どうせ口で言っても納得しないだろうし、海に連れてった方が早いよ。キミも彼らを海に連れて行きたかったなら一石二鳥だよね」
「それはそうですけど、後ろからすごい顔でサフィリアさんも追いかけてきていますよ」
「アハハ、いきなり思いついたプランだから説明してないもんね。住民達が見失わず、かつ彼女に捕まらないように走るから、運転がちょっとだけ荒くなるよ。旗を落とさないようにしっかり持っててね」
「それは彼女にもちゃんと事情を説明すれば……」
「じゃあ、それは任せた!」
「ちょっと!」
 そんなこんなで、シャーリー達と住民達(+サフィリア)の追いかけっこは、彼女達が海に着くまで続くのだった。

「なっ!? これは……!!」
 浜辺に着いたタッツ島の島民達が目撃したのは、沖で沈んでいるコンキスタドール達の船だった。
「あれってあいつらの……」
「もしかしてもうあいつらは……」
「はい、静かにー☆」
 目の前の状況に狼狽える島民達に声をかけるシャーリー。
「これでボク達の話を聞いてくれる気になったかな? あ、旗はもういらないから燃やしてもらったよ」
 メガリスの旗は、浜辺で追いついたサフィリアが放った炎で盛大に燃えている。これで、コンキスタドールの増援がこの島に来ることもないだろう。
「本当にあのコンキスタドール達を……」
「そうだよ。ボク達でやっつけたんだ」
 そう言って自分やアンゲルス、サフィリアのことを指してゆく。
「ボク達だって元々はバラバラの違う世界から来たんだよ。だけどお互いを認め合い力を合わせればこの戦いみたいなすごい力を出せるんだ」
「違う世界……?」

(そう、違う世界です)

「対!」
(ありがとう、連れてきてくれて。それではお母さんからお説教です)
 テレパスによる、頭に直接語りかけて来るような声をかけてきたと共に、海から巨体を出してきたのはレーパーだ。
「何だあれは!?」
「巨人よりもでかいぞ!」
 突然の出現に慌てふためく島民達だったが、
(ああ……愛しく愛らしい子よ……まずは落ち着きなさい)
 ユーベルコード【大いなる母】で島民達を落ち着かせる。島民達の敵意を鎮静させる目的もあったが、ここまで追いかけっこをさせられた上、コンキスタドールが全滅している事実を見せられた状態なので、彼ら同士で争う気配はもうすでにないようだ。そして彼女はお説教を始める。
(まず、喧嘩はメッ! 親にはそう教わったはずです。それにここはグリードオーシャン。アックス&ウィザーズでもアルダワでもない異世界なのです。ですからドラゴンどうこうで言い争うのはお母さんが許しません!)
「ま、待ってくれ! アックス&ウィザーズ?」
「アルダワっていうのも昔話で聞いた気はするが……異世界?」
 レーパーの言葉に疑問を投げかける島民達。

「やっぱり、ここの島民達は異世界とここの認識について理解が浅いところがあるわね」

 そう言って現れたのは金髪縦ロールの少女、シャルロット・シフファート(ツンデレの国のアリス・f23708)だ。
「事情は聞かせてもらったけど、アンタ達、そもそもそれぞれの『竜』の定義が違っているのよ」
「定義が違う?」
「どういう事なんだ? さっきの異世界ってのと関係があるのか?」
 シャルロットの言葉に疑問を投げかける島民達。
「いい質問ね。私の講義が聞けるなんて滅多にないんだから、これから話す内容はよく覚えておくようにね」
 そう言って彼女が出したのはホログラム投影器。ユーベルコード【偽典星造・漸進せよ人の承たる鋳の証】で作り出したものだ。
「まずは大まかに、この世界の他にもいくつも世界があることを教えてあげましょう」
 そう言ってホログラムで映像を空間に映しながら、シャルロットは島民達へ説明を始めた。
 この世には36以上の世界が存在していること、そしてそれらの世界の一部が島としてグリードオーシャンに落ちて来ること。
「そして、この島はそうして落ちてきたふたつの世界がひとつになっているみたいなのよ」
 そこからさらに、そのふたつの世界について、特に『竜』の立ち位置についてを細かく説明する。
 つまりはアルダワの世界における世界を滅ぼそうとした存在、災魔の頂点に立つ大魔王に立ち向かうべく人間と共に立ち向かった『竜神』と、アックス&ウィザーズの世界にて世界を滅ぼそうとした竜の王たる存在、『帝竜』。
 それらの情報を彼女のあらゆる世界に関する知識を総動員し、島民に分かりやすいように説明していった。
「そして、大魔王も帝竜の王も既に倒されているわ。私達、猟兵(イェーガー)の手によってね。何か質問があるかしら? あるようなら、後でもいいから訊きに来なさい」
 そう言って彼女は講義を締め括る。
「俺達とあいつらの竜が別物……」
「色々な世界が……か」
 自分達がそれぞれ別の世界をルーツに持っていたこと、互いの祖先に関わっていた竜が別のものであると、シャルロットの講義で理解はしたようではあるが、その事実がまだ受け入れきれていない者もいるようだ。
「最初はどうなるかと思いましたが、優秀な先生が来てくれたおかげで説得も何とかなりそうですね。幼児達も義務教育を受けられる段階になったというところでしょうか」
 アンゲルスは住民達の様子を眺めつつ、端で砂糖多めの紅茶を飲みながら倶生神のノートを綴る。椅子とテーブルがどこからでてきたかは後々判明する。
「まあ、私のやる事はもう済んだので、高みの見物としましょう。〜♪」
(みなさん、わかりましたか?)
 そして再びレーパーのお説教が再開する。
(そして今後崇拝したり言い争うならお母さんか貴方達をここに連れてきた白い子、それか黒のローブを着て角を生やした女の子のことにするようにね?)
「はあ!?」
 だが、最後の言葉に鼻唄まじりに様子を見ていたアンゲルスが声を上げる。無理もない。今後島で争いが起きるようなことがあれば、その鬱憤の矛先を自分達に向けていいと言っているようなものなのだから。
 そして当のレーパーは最後ににこぱーと笑顔を振りまき海に潜り姿を消した。
「どういうことだ?」
「言い争うならって、今のやつで言い争うようなこともないんだが……」
 住民達がよく分からないといった感じで困惑していると、
「島の皆さん! こっちですよ」
 黒いローブを纏った白い羅刹のような少女の姿をとったレーパーがアンゲルスの横に立っていた。
「あ、あはは……どーもー」
 一斉に住民達の視線がアンゲルス達に集まり、苦笑いしながら立ち上がるアンゲルス。
「巻き込まないでください! この馬鹿対!」
 そしてガッとレーパーの襟首を掴む。
「馬鹿じゃないよ! 崇拝の対象にしていいとも言ったからプラマイゼロだからいいじゃん!」
「そこが馬鹿だって言っているんです! そんな簡単に崇拝してもらえるなら世の中で宗教戦争なんて起きませんから!」
 そこからは取っ組み合いの大喧嘩だ。そして、住民達は置き去りにされてポカンとしている。

「第三者からしてみれば、アンタらも、アイツらのケンカもさして変わりはないと思うぜ」

 そんな住民達に声をかけたのはウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)だ。
「ボスもやっつけたんだし、もう旗を巡ってケンカする事もないだろ?」
 そしてそう話す彼のそばにはふたつの大きなスープ鍋があり、それぞれの鍋から美味しそうな匂いを漂わせている。この場に食事ができるようテーブルや椅子をセッティングしたのは彼であり、説得の一助になればと、こうしてスープを作っていたのだ。
「この匂い、うちでよく出るスープに似てるが、もう一つのはなんか違うな」
「本当か? 俺もそう思ってはいたんだが、もう一つの方は……」
「あともうちょっとの辛抱だ。こっちの方で並んで待ってな」
 スープについて疑問に思う住民達にウィーリィは並ぶように促す。
「ケンカして、走ってきて、最後に難しいお話も聞いたりして、お腹もすくよね? そろそろご飯にしようか」
 そう言ってシャーリーも配膳を手伝う。
「食べ比べてみな。どっちも旨いし普段と違った味もいいもんだぜ?」
 完成したスープを住民達に配り、ウィーリィはそう声をかける。二種類のスープをそれぞれ食べ比べる住民達。
「う、うまい! うちで飲むスープみたいだとは思ったが、それを更に美味くした感じだ。アンタ、プロの料理人か何かか!?」
「もう一つのスープも美味い、味付けも新鮮だが、具材も面白い。普段スープに入れない具なんかも入っていて、これらもスープに入れると美味いもんなんだな」
「具材の種類だけじゃないな。同じ具材でも食感が違う。まさに味の新境地開拓だ!」
「まさか、スープにこの具材を使うとはな。新しい方もなかなかいける」
 などと料理に舌鼓を打っていると、徐々に、スープと互いの感想に違和感を覚える。
「ちょっと待て、その具はうちでもよくスープに入ってるぞ。新しい方ってそっちじゃないのか?」
「いや、そっちはうちでよく食べるやつだ。え? え?」
「おいアンタ、これはどういうことなんだ?」
 それぞれの住民で『いつものスープ』と『新しいスープ』の認識が違う。
「まあ、皆まで言うな。ちゃんと順を追って説明してやるから」
 そのこと尋ねられたウィーリィは、解説を始める。
「このスープは、片方はアックス&ウィザーズ風の、もう片方はアルダワ風の味付けと素材で作ったもの……つまりはアンタ達の先祖がいた世界の味を再現したものだ」
 だから住民によって、東の町の者と西の町の者とでスープの認識が違ったのだ。
「スープの作り方だって違うんだから、先祖が認識していた『竜』だって別物で当然だろ?」
「ッ! そう言うことだったのかツ!!」
 ここにきて、住民達はシャルロットの話していた説明を舌、そして胃を以て全身で理解することができた。
「その……悪かった。アンタ達の信仰する竜神様を悪く言って」
 西の町の住民だろうか、そのように謝る者が出て、
「いや、俺達もすまなかった。勝手に決めつけてしまったみたいで」
 東の町からもそうした言葉が出てくる。この様子であれば、もう争うことも無いだろう。
(みんなのお陰もあって島の住民達は仲良くなれた、俺の料理はあの一皿に近づけただろうか)
 かつて争いに疲弊した人達がたった一杯のスープで笑顔になるのを見て、彼は料理人を志した。そして、そのスープを目指して研鑽を重ねて編み出したユーベルコードがウィーリィの【華味三鎮】だ。
 あの境地に到達出来ているかは分からない。だが、今は互いに謝り合い笑顔を取り戻した人々を見て、今回はそれで好しとするのだった。

「ウィーリィくん、すごいでしょ。美味しいスープも作れて、みんなをあんなに笑顔にして。良かったら食べて食べて」
 スープを持ってきたシャーリーがそう言って座ったのはサフィリアの隣。サフィリアも今は人の姿となって人々の様子を眺めている。
「やっぱり人は極悪非道だって思ってる?」
 シャーリーの問いは、旗を奪う際、島の住民達にサフィリアが言っていた言葉に対してだ。
「いえ……本当にそこまでは思っている訳ではないですよ。施設の人皆が酷い人って訳じゃありませんでしたし、良い人もいれば悪い人もいるって私知ってますから。……ただ、同じ島の人同士で争っているのを見て、いてもたってもいられなくなったと言うか……」
「そっか」
 サフィリアの返答にシャーリーは笑顔を見せる。
「この島の人達は大丈夫だよ。そりゃすぐに、なんて言わないよ。でもそれは決して無理じゃない。ボクはそう思ってるよ」
「ええ、そうですね」
 笑顔で食事をしている住民達の様子にサフィリアは少し顔を綻ばせる。
「おかわりならまだあるぞー! まだ食べたいやつはいるかー!?」
「あ、ボクもう行かなくちゃ! じゃあね!」
 そう言ってシャーリーはウィーリィの元へ駆けてゆく。その様子をサフィリアは静かに見送る。
「願わくば、この島の争いが今日で最後になりますように」
 その願いが本当になるかはまだ分からない。だが、誤解が解け互いへの理解が深まった島民達であれば大丈夫だろう。
 そう確信めいたものを胸に、サフィリアは自分にも配られたスープが冷めないうちに食べてしまおうと、スプーンを口へ運ぶのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月07日


挿絵イラスト