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HPをゼロにさせるな(作者 鷹橋高希
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#アックス&ウィザーズ  #猟書家の侵攻  #猟書家  #眠りの森の魔女ターリア  #クレリック  #言葉の神シャルムーン 


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●生死司るもの
 目が覚めると、私はまるでベッドのようなキノコの上にいた。周りは鬱蒼と茂った森だ。ここはどこだろう。ヴェルニスの迷宮街だろうか。そもそも何故私はこんなところに――そうだ、棺ごと浮遊する女性が現れて、彼女の言葉を聞いているうちに、眠気と黒い渦が――。
「……群竜大陸!?」
 薄れゆく意識の中で聞こえた彼女の言葉が真実なら、私は群竜大陸に転移させられたことになる。その名の通り、数多の竜住まう――2020年5月の「帝竜戦役」により殆どが討伐され統治されたと聞くが――大陸。私のような信徒が一人で生き残れる場所ではない。
(「群竜大陸で死んで欲しい」と申し上げています)
 それでも私はシャルムーンに仕える身だ。何としてでも生き延びるんだ。キノコから身を起こし、歩き始める。よく見ると、この身を横たえていたキノコも、他のも、目に見えるほどの胞子を飛ばしている。私が目を覚ましたことから即座に死に至るものではなさそうだが、気分としていいものではない。
 それに、私の視界の斜め前には、切り出された石のような直方体の何かが浮かんでいる。青色で、天辺が若干赤い。私が動いても、周囲を見回しても、常に視界の定位置にいようと動いている。これは一体――。
「見つけたぞ、シャルムーンのクレリック! 貴様はここで終わりだ!」
「貴様を殺し、その武勲により故郷に残した女と国を興すのだ!」
「逃げるか? 諦めよ! 絶対不敗の我々から逃れられる者などいない!」
 背後からの声に振り返った。その騎士達は救助部隊ではなく、私の命を狙う彼女の手の者ということになる。そして彼らも傍に直方体の何かを浮かべている。それは私のものより遙かに長く、そして青と赤の割合がそれぞれ違っていた。何故か傷を負っている者の傍のものほど赤色の割合が多いように見えたが、今の私には「それ」が何なのかを考える余裕はない。彼女の言葉通りに死ぬのだけは、何としても免れなくては――!

●あるはずのないもの
「よし、時間だな。じゃあ俺の予知を聴かせるぜ。『そこ』の『月の陣取りゲーム』の話だ」
 グリモアベースに集った猟兵達へ、カグラ・ルーラー(バスバリス・f21754)は、背後に突き立てている己のバトルアックス――「アックス&ウィザーズ」の武器――を肩越しに親指で差して語り始める。
「仕掛けて来やがった猟書家(ビブリオマニア)は『眠りの森の魔女ターリア』。あのスッポンポンに仕える幹部だ。こいつが『言葉の神・シャルムーン』のクレリックを群竜大陸で死なせるために浚ったんで、ボコって助け出せっつう話さ。敵のツラも場所も見えてる……ちょっと見えすぎかもしれねェけどな、今回は」
 カグラの右手の上に浮かぶグリモアには、キノコが生い茂る森を斜め上から俯瞰するように、法衣姿の女性と、鎧に身を包み槍と盾を構える男達。そして、人数分の直方体。法衣の傍のものは短く、鎧の傍のものは長い。
「このクレリックを助けるために騎士をボコるところからだが……場所は『万毒の群生地』っつう毒キノコの群生地だ。クレリックが飛ばされたところのキノコの胞子は『カシカヒトポイズン』っつう毒で、近くの生命体やウォーマシンとかの近い機能を持つ存在の近くに、直方体の形状に集まって浮かぶ特性がある。直方体に集まった時点で菌糸は宿主に伸びていて、宿主の生命力に応じて大きさは様々、生命力の最大に対する割合に応じて青か赤の二色に変色するんだ。ビデオゲームに明るい奴には『ヒットポイント・ゲージ』が出るって言えば解り易いかもな」
 グリモアの映像は騎士を大きく映し、その視線が「ゲージ」に向いている様子を見せる。
「ヒットポイントだけあって、真っ赤になった時には戦闘不能なほどのダメージを負っているはずだ。そしてこいつが重要な特性なんだが、この胞子は強烈な刺激を受けると赤くなる。つまり『ヒットポイント・ゲージそのもの』へのダメージが宿主へのダメージになる。恐らく直方体状の胞子を散らせれば戦闘不能にもできるはずだ。なんたってヒットポイントが『無くなる』んだからな。その特性を知らされているからか、騎士の連中は積極的に『ゲージ』を狙うだろう。クレリックの『ゲージ』は大きくはないが、その分、当たりゃ終わりだ。絶対にやらせんなよ」
 グリモアの視点は毒キノコへ。
「毒キノコの無力化は考えない方がいい。この場所に突っ込んだ時点であんたらも毒にさらされて『ゲージ』を持たされるんだ。そんな余裕は無ェはずさ」
 グリモアは再び騎士を映す。
「自分とクレリックの『ヒットポイント』を守りながら、堅さが取り柄の騎士の『ヒットポイント』を叩き潰せ。そうすりゃ寝るのに飽きた魔女も顔を出すから、倒してエンディングだ。間もなく旅立ちの門が開くぜ。勇者ご一行様の出発だ」
 口でピコピコ言いながら、カグラはグリモアを門に変えこじ開けた。





第2章 ボス戦 『眠りの森の魔女ターリア』

POW ●ようこそ眠りの森へ
戦場全体に、【「眠りの森」 】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD ●醒めざる夢の茨
【棺の中から伸びる「眠りの茨」 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ ●忘却の眠り
【記憶を一時的に奪う呪詛 】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【過去の記憶】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
👑11

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠リミティア・スカイクラッドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●毒を盛ったもの
 猟兵達は自身も生命力を外部から攻撃可能な形の「ヒットポイント・ゲージ」として可視化されながらも、彼らより遙かに弱小な「ゲージ」のシャルムーンのクレリックを負けフラグ騎士達から守り抜いた。

「あなた達には『群竜大陸で死んで欲しい』と申し上げたのですが、今の群竜大陸は『帝竜戦役』後の統治が行き届き過ぎているようですね」

 猟兵達もクレリックも、空間に響き渡るその声を聞く。そして空間に黒い渦が巻き起こり、その渦が戻るように現れる「棺」。棺は茨に満たされ、その茨の中には金色の髪の女性が「本」を抱いて眠っている。
 この場にいる誰もが彼女を知っている。「眠りの森の魔女ターリア」。クレリックをこの地に転移させた者。そしてこの世界の「月」に「毒」を盛った仮初の侵略者。

「わたし達は書架の王が探し求めた『天上界』を探さなければなりません。そのためにあなた達にはここで毒に塗れて死の眠りに就いていただきます」

 ターリアにもこの地の毒は等しく牙を剥き、彼女の「ヒットポイント」が形成される。その「ゲージ」は先程の騎士達をも凌ぐ長さに伸び――棺から放射線状に11本もの「ゲージ」が現れた。その11本には棺の中から溢れ出るように茨が絡み付き、「ゲージ」を完全に覆い隠してしまう。
 茨の総量が棺の容積を遙かに超えていることは一目で判り、それでいて尚も棺からは茨が相対する命を貫かんと沸き上がっている。

「おやすみなさい。次に目覚めることはありませんが」

 万毒の群生地で、「世界を殺す毒」と「仮初の侵略者を殺す毒」が喰らい合う。