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潮騒に寒桜

#グリードオーシャン #七大海嘯 #花落ちる城砦 #青海に爛漫

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●富嶽島にて
「弥三郎のアニキィ!!……奴ら、やっぱり「七大海嘯」の奴らでさァ!!」
 飛び込んできた声に、やおら周囲が騒がしくなる。
「おうテメェら、慌ててんじゃァねェ!!そんで、旗は何だ!」
 銀髪の羅刹、この富嶽島を護り塒とする海賊たちの頭領――弥三郎は、潮に嗄れた胴間声で問う。
「へい、桃色に桜……“桜花”です!」
「“桜花”……ちぃとやべぇですぜ。あの長距離大砲は厄介です」
「ああ、わかってる。ところで、“桜花”の縄張りに入った覚えはねぇんだな?」
「勿論でさぁ!この島の奴らに迷惑は掛けられねぇ、「七大海嘯」の海域にゃぁ俺達の船どれ一つ入った事がありやせん」
「だよなぁ、だったら何で……」
「アニキ、それなんですが……どうやら、「猟兵」が桜花の縄張りの島を解放したって話です」
 ――猟兵。その言葉を聞いて、大広間に集った荒くれの海賊たちが皆一瞬に静まり返る。
「そうか、猟兵の兄さんたちがか……」
「どうしやすか、アニキ」
「どうもこうもねぇ!猟兵は危機に陥った俺達をコンキスタドールの手から助けてくれた恩人だ!あいつらの敵は、俺らの敵よ!」
 弥三郎の上げた太い声に、わっと広間が沸き立った。
「そうと決まりゃあ……てめぇら、戦の準備だ!先ずは――船を改造するぞ!!」

●仇と情
「グリードオーシャンで幅利かせとるらしい奴ら……「七大海嘯」の事は知っとるな?」
 シャオロン・リー(Reckless Ride Riot・f16759)は、自らの呼びかけに応じて集まった猟兵たちを見回すと、そう口を開いた。
 七大海嘯。昨年秋口頃からその存在が報告され始めた、グリードオーシャンの大物であるらしい者たちの事だ。彼らとはいずれぶつかり合うことになるかもしれないという予感だけはあるが、まだその全容は明らかになっておらず、ただグリードオーシャンの島々を支配しており、そしてその支配権を配下のコンキスタドールに任せていること、七大というだけあって彼らに従う者たちは七種類の異なる紋を海賊旗に染め抜いていることだけが明らかになっている。
「秋頃になぁ、「七大海嘯」の“桜花”っちゅー奴らに支配されとった島が見つかってな。そこでは非道な人体実験が行われとってな。首謀者をボコって、島を解放してきてん。それが「七大海嘯」の癇に障ったんやろうけど……アイツら。過去に猟兵達がコンキスタドールから解放したり、揉め事を解決したような、「猟兵と縁のある島」を狙って、大艦隊を率いて攻撃してきよったんや」
 狙われた島は、過去に猟兵が助けた――それだけの、縁しかない。猟兵たちは彼らの島でのトラブルを解決しただけで、支配下になど置いてはいないというのに。かの島民たちは七大海嘯に歯向かうつもりもないというのに、猟兵と縁があったというだけで、現在総攻撃をかけられているのだ。
「今回予知されたんは、「富嶽島」。こっちは昨年の春にやな、島を根城にしとった海賊たちの部下のひとりがメガリスの試練に失敗してコンキスタドールになってもうて、海賊団がまるまる処刑されかけるっちゅー事件が起きたんや。これを猟兵達がコンキスタドールを倒すことで助けとる。……これだけの縁で、“桜花”の奴らは富嶽島に攻撃を仕掛けてきよってん。逆恨みの筋違いもええとこや。せやから、皆には富嶽島に行って、戦いを助けてほしいねんな」
 富嶽島はサムライエンパイアから落ちてきたと思しき島で、この島を根城にする海賊を束ねるは、銀髪の羅刹の弥三郎という。彼らは猟兵に救われたことに恩義を感じ、理不尽な「七大海嘯」からの襲撃にも怯まず徹底抗戦の構えを見せているのだが。
「“桜花”の海賊船は蒸気船でな、武装は長距離大砲やねんけど、これに対抗できるだけの装備が富嶽島の海賊にはあらへんねん。せやから、弥三郎たちは自分たちの船を改造しとるところやねんな」
 長距離大砲を受けても平気な防御型の船とするか、それともこちらも対抗するだけのロングレンジの武器を搭載するか――彼らは少々揉めているらしい。
「せやから、まぁ、行ってアドバイスのひとつでもしてくれるとありがたいんやけど……ああ、深く考えへんでもええねん。防御と攻撃どっちが好きかー、位のノリで言うたってや」
 大艦隊を迎え撃つこととなると、富嶽島からでは被害が甚大になる。島には彼らに護られている島民が多くいるのだ、故に、戦いは海戦となる。
「他にもな、皆が乗り込むことになる鉄甲船を改造したり、こっちの有利なように戦える海域を探したりな? あと戦のための食料を詰め込んだり、歌ったり踊ったり飯食うたり、色々と準備があるやろ。先ずはそれを手伝ってほしいねん」
 いざ戦いとなれば、海賊たちは自らの船に乗り、また猟兵から請われれば猟兵たちの鉄甲船にも乗り込んで戦うだろう。弥三郎はメガリスの力により炎を操るユーベルコードを有しており、また巨大な錨槍――バトルアンカーで戦う。配下の者たちも、メガリスの試練を乗り越えた者であるならばユーベルコードを有している。
「海賊たちはみんな富嶽島を愛して護っとる、荒くれもんやけど気のいい奴らや。戦いの役にも必ず立つやろうな」
 海戦をあらかた制することに成功したならば、艦隊を率いる親玉の乗っている船を発見できるだろう。その船に乗り込み、親玉を倒せば残る艦隊は撤退し、富嶽島も護られる。
「かなりの激戦になるやろうからな。こっちにも味方の海賊の援護が必要になるはずや」
 富嶽島までの転移は自分が受け持つから、頑張ったってや、そう言って。
「ほな、準備ができたら、俺に言うたってや」
 シャオロンは八卦のグリモアを煌めかせ、転移のための門を開いたのだった。


遊津
 遊津です。グリードオーシャンのシナリオをお届けします。
 三章構成で、第一章日常(固定特殊フラグメント)第二章集団戦第三章ボス戦となっております。
 第一章は日常のため必要成功数が5と少なく設定されていますので、ご注意下さい。

 富嶽島を巡る事件についての詳細は、以下のシナリオを参照して下さい。
 「花落ちる城砦」
 『https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=22245』
 また、七大海嘯“桜花”の島を解放した事件の詳細は、以下のシナリオを参照して下さい。
 「青海に爛漫」
 『https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=28431』

 「富嶽島」
 サムライエンパイアから落ちてきたと思われる、その特色を色濃く残した島です。
 この島は海賊たちの根城となっていますが、島民との間にいざこざはありません。
 この島の海賊たちの頭領は羅刹の海賊・弥三郎です。
 「弥三郎」
 銀髪に黒曜石の角を生やした羅刹の海賊です。メガリスの試練を乗り越えたことによって炎を操るユーベルコードを有しており、またバトルアンカーでもって戦います。
 仲間を家族のように大切にし、義理人情に厚い兄貴肌の男で、配下たちからも兄貴と呼ばれて慕われています。猟兵に対してはコンキスタドールから部下と自分の命を救ってもらったこともあり、非常に友好的で、今回の富嶽島への襲撃に関しても「猟兵の敵は自分たちの敵」と勇んでいます。

 「船の改造について」
 第一章のプレイングにおいて、富嶽島の船の改造の行く末が決まります。
 【1】防御重視の改造を行うか/【2】長距離攻撃重視の改造を行うか。どちらかの選択を行って下さい。
 1、2どちらかの数字をプレイングのどこかに書いていただければ結構です。どちらが多かったかによって、第二章以降での味方戦の性能が変わります。同数だった場合はどちらにも対応可能だがどちらにも突出していない、平均的な性能になります。

 「第二章・集団戦」
 大艦隊に乗った集団的との海戦になります。
 “桜花”の艦隊は蒸気船であり、長距離大砲を装備しています。
 敵の詳細については、第二章の追記にて説明致します。

 「第三章・ボス戦」
 大艦隊を指揮するボスとの戦闘になります。
 ボスの船を見つけ出し、戦闘する形となります。
 乗り込んで倒す必要がありますが、ボスは非常に強力なため、味方船による支援も必要となります。
 詳細は第三章の追記にてご説明致します。

 プレイングの受付開始日時は1/14(木)午前8:31~となります。
 注意事項がございますので、プレイングを送信下さる前に一度マスターページを一読下さい。改訂部分もございますので、過去に遊津のシナリオに参加済みの方も改めて御覧下さいますようお願い致します。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 日常 『七大海嘯迎撃準備』

POW   :    港や海岸に防衛陣地を築いたり、鉄甲船を強化したり、島の商船や漁船を戦闘に耐えうるように改造します。

SPD   :    島の周辺の潮の流れや岩礁などの地形を把握したり、島民の戦闘訓練や避難訓練をを行って練度を上げます。

WIZ   :    海戦前に演説で戦意を高揚させたり、酒を飲んだり、宴会を開くなどして島民と猟兵の連帯感を高めます。

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クリスタル・ファイアヘッズ
【アサルトリベルタ】
ここ以前、サジーが来た場所ですか。
サムライエンパイアの匂いがする、風光明媚な場所ですね。

船の改造については、私は遠距離攻撃を推奨します。
理由としては逆に相手の船に近づいたところで私と海賊の動きがお互い邪魔にならないか不安です。練度もどの程度なのか私は知りませんが。

であれば、適切なタイミングで相手の気を反らすために砲撃してもらったほうが私達も戦いやすいのではないでしょうか。フォルティス殿の鬼やらいも上空に陣取りやすくなるのでは?

とはいえ、私も船の改造はどちらかに特化した方が良いと思います。
防御特化でも私達で全力で防衛するようにすれば活路は見いだせる可能性もありますから。


フォルティス・ワーライン
【アサルトリベルタ】
久しぶりにこの島に来るな。
ここの米はそれなりに美味だった気がしたが今はどうしてるかな。

船の改造か。コミュニ、ヨウ、サジー、クリスタル どう思う?

俺の意見としてはわざわざ敵の得意な分野に後になって乗り込む必要はない。がちがちに固めて進軍し、相手に接近して乗り込めばいい。

理由は相手が遠距離で戦いたいなら、相手も同じことをされることを考えるはずだ。その為、こちらが大砲を積んだとしても相手が逆に遠距離攻撃をされていないとは考え辛い。こちらも、時間があればそれの対応も兼ねた船の改造も出来たんだろうが生憎、どちらかしか選べないんだろう?

遠距離攻撃なら、俺がやる。任せてくれ。


コミュニ・セラフ
【アサルトリベルタ】
ここが、サジーとヨウ、そしてフォルティスが以前守った場所ですかに。
ふんむ、サムライエンパイアの匂いがしますに。米が旨いとはフォルティスから聞いていた気がしますがに。それも納得ですに。

船の改造ですかに。

私は遠距離砲撃に特化しても良いと思いますに。
私達が足止めしているところをハチの巣にしてやってもいいんじゃないですかに。

それに、いざ近づくとしたところで相手の大砲がどれほどの威力を持ってるかなんて想定出来てますかに。想定出来てるならその択は選べるとは思いますがに。一発撃たれて一隻全滅は避けたいですに。

ただ、中途半端はよろしくない。やるなら徹底的にどちらかの改造をしてほしいですに。


ヨウ・ツイナ
【アサルトリベルタ】
懐かしいでござるな、フォルティス殿
現地の皆は元気にしているでござろうか。

船の改造については、私はフォルティス殿と同意見でござる。

ただ、そこに一言二言加えるなら存外グリードオーシャンに生きている海賊共は案外たくましく、頑丈でござる。ある程度は頼りにしても良いではなかろうか。それに、彼らも威圧されたままではいられぬでござろう。

遠距離砲撃、防御どちらにせよどちらかに極めて特化するのは重要だとは思うでござる。作戦を立てるにしろ、そちらの方が決めやすい。

いやしかし、この件が終わったらすこし温泉で入りたいでござるな。フォルティス殿もそう思うでござろう?


サジー・パルザン
【アサルトリベルタ】
なんかこの島は見覚えがあるぞ。
どこぞのメガリスか何かを排除したような気がするな。

船の改造?
そんなもん、男は黙って脳筋よ。倒れるにしろ前のめり。
ごり押してごり押して敵に近づけば、後は男と男のかちあいよ。

遠距離攻撃なんぞは弱者の発想。そうだろ?
男は筋肉に斧一丁あればいい。それ以外に何が必要なんだ?

なぁ、お前らぁ!(UC)

それより、俺達は腹が減ったぜ。肉はねえのか?
戦う前にはしっかり腹みたしとかないとな。
戦いは数と筋肉と気合で決まる。シンプルだろ?



●その男たち、再び富嶽島へ降り立つ
「おお、なんだかこの島は見覚えがあるぞ!あの時は確か……メガリスか何かを排除したような気がするな!」
「ほほう、ここが以前、サジーたちが守った場所ですかに」
「ああ、久しぶりにこの島に来るな」
「懐かしいでござるな、フォルティス殿。……現地の皆は、元気にしているでござろうか」
「サムライエンパイアの匂いがする、風光明媚な場所ですね」
 騒がしい集団を、潮の匂いが出迎える。
この島へと初めてやってきたのは、クリスタル・ファイアヘッズ(憑依の守り手・f18277)とコミュニ・セラフ(女傑なる狂天使・f12530)。彼女たちは富嶽島に色濃く残るサムライエンパイアの色彩を楽しんでいた。フォルティス・ワーライン(宇宙を駆けるケントゥリオ・f18278)、ヨウ・ツイナ(絶対守護の女武者・f18276)、そして彼らをまとめるサジー・パルザン(ヴァイキングの生き様・f12550)の三名は、この島の海賊のひとりがメガリスの試練を乗り越えられずにコンキスタドール化した時に海賊たちを助けに来たことがある。
 彼らが来たことに気がつくと、フォルティスとヨウ、サジーの顔を覚えていた島民たちが笑顔で海賊たちの塒へ案内してくれた。あのとき猟兵達がコンキスタドールを斃したことは、島民にとっても恩義である。聞けば島民たちも海賊たちの心意気に倣い、七大海嘯との海戦に勝ったとしても負けたとしても島と命を共にする覚悟であるらしい。これもサムライエンパイアの血を色濃く引くが故であろうか。
 案内された先、岩壁を掘り進めて作られた海賊たちの塒には、慌ただしく人が出入りしていた。その中央で机を囲んでいた海賊たちが、サジーの顔を見て目を輝かせる。
「おお、アンタたちは猟兵の兄さんたち!久しいなあ、また来てくれたか!!」
「ああ、七大海嘯との海戦を始めようっていうんだって? 悪いな、俺達の面倒事につきあわせちまって」
「なァに言ってやがる、水臭いぜ兄さんたちよぅ」
 海賊たちをまとめる頭領、銀髪に黒曜石の角を生やした羅刹の弥三郎が笑顔でフォルティスの肩を叩いた。
「俺達はアンタたち猟兵に命を救われた。アンタらが居なきゃぁ、俺たちは全員処刑されるしかなかったんだ。そうなりゃあ、島の奴らも遅かれ早かれ殺されていたかも知れねえ。アンタたちはおれたちの命と、この富嶽島の恩人なんだ。そのアンタらの敵となりゃあ、俺たちゃぁ迷わず戦うぜ。しかもアンタたちは七大海嘯に支配されてた島を解放したって言うじゃあねぇか。アンタらに非なんかこれっぽっちもありゃしねぇ!」
 しばらくして、彼らの前に飯が運ばれてくる。「肉はねぇのか?」と言うサジーの要望を受けて、囲炉裏に火をおこしての猪鍋だ。島で採れた野の菜に山の幸、そして近海で採れた海の幸をふんだんに使って、海賊の塒は一時小さな宴席と化した。
「フォルティス殿、魚の骨は私が取っておいたでござるよ」
「ありがとうな、ヨウ。……うん、相変わらずこの島は米が美味ぇ。あの時ぶりだが、変わって無い様で嬉しいぜ」
「成程、これがこの島の米ですかに。フォルティスから聞いていましたが、たしかに美味ですに」
 サジーは豪快に猪肉を喰らい、フォルティスとヨウは仲睦まじく魚と米とを口にする。コミュニは興味津々で、そしてクリスタルは静かに鍋の中身を突付いていた。
「戦いの前には、しっかりと腹を満たしとかねぇとなぁ!」
 酒盃を掲げたサジーが弥三郎と肩を組み、笑顔で言う。鍋の残り汁は雑炊にして、皆が舌鼓を打った。
 そこでようやく、フォルティスが弥三郎に問いかけた。
「それで、だ。聞いた話じゃあ、船の改造について揉めてるらしいが」
「ああ、別段揉めてる訳じゃあねぇんだが、困っちまってるのは確かよ。これから戦う七大海嘯「桜花」の船は長距離大砲が主兵装だ。俺達も同じ様に船に大砲を取り付けるべきか、それとも大砲の弾を受けても沈まねえよう防御をガチガチに固めるかってんでな……話が纏まらねぇんで、図面引きの野郎どもはカリカリしてやがる。俺も早いところ答えを出してぇんだがな、迷っちまって仕方ねぇ」
「成程な……コミュニ、ヨウ、サジー、クリスタル。どう思う?」
 フォルティスは仲間たちを振り返った。めいめいに考えた後、最初に口を開いたのはクリスタルだ。
「私は遠距離攻撃に特化するのを推奨します」
「大砲を取り付けるってことだな?」
「はい。理由としては、逆に相手の船に近づいたところで私たちと海賊の皆さんの動きがお互い邪魔にならないか不安なので、というところでしょうか。皆さんの練度がどの程度なのか、実際に戦っているところを見たことのない私にはわかりませんが……であれば、適切なタイミングで相手の気を逸らすために砲撃を行って貰ったほうが私達も戦いやすいのではないでしょうか。……フォルティス殿の「鬼やらい」も、上空に陣取りやすくなるのでは?」
 クリスタルのあとを引き継いだのは、コミュニだった。
「私も遠距離攻撃に特化してもいいと思いますに。私達が足止めしているところを、ハチの巣にしてやってもいいんじゃないですかに?」
「成程なぁ……」
 顎を撫でながら二人の話を聞く弥三郎の後ろで、図面引きなのだろう男たちが帳面に何事か書き付けている。もしかすると、彼女たちの言ったことを一言一句書き留めているのかも知れなかった。
「それに、いざ近づくとしたところで相手の大砲がどれほどの威力を持ってるかなんて想定出来てますかに?」
「ううん、この島を護るためにも「七大海嘯」の奴らとは関わり合いにならねぇようにしてきたからなァ。そう言う細かい所はからっきしよ」
 弥三郎が頭をかく。
「想定できているのならその択も取れるとは思いますがに、一撃撃たれて一隻全滅は避けたいですに」
「……参考になった。兄さんたち、アンタらの意見はどうだ?」
 弥三郎に水を向けられると、今度はフォルティスが言葉を紡ぐ。
「俺の意見としては、二人とは逆なんだ。わざわざ敵の得意な分野に、後から乗り込む必要はない。がちがちに固めて進軍し、接近して相手の船に乗り込めばいい」
 遠距離攻撃なら俺がやる、任せてくれとフォルティスは言った。そしてさらに言葉を続ける。
「向こうが遠距離で戦いたいなら、相手も同じことをされることを考えている筈だ。そうなると、こっちが大砲を積んだとしても相手が遠距離攻撃対策をしていないとは考えにくいんだ。時間があれば、その対応も兼ねた船の改造も出来たんだろうが……そうする時間がないんだろう?」
「ああ、すまねぇな。何せ攻め込まれるのが急すぎた。時間があればよその島に協力を取り付けて物資を融通させることも出来たんだが、そうもいかねぇ。どうしても、この島にある物資だけで強化改造をとなると、な」
 弥三郎の返事を聞き、次に口を開いたのはヨウだ。
「私はフォルティス殿と同意見にござる。ただ、そこに一言二言付け加えるならば。この世界に生きている海賊の皆たくましく、頑丈にござる。近接戦においても頼りにできると考えておるでござるよ。貴殿らも、威圧されたままではいられぬでござろう?」
「おう、勿論よ!」
「サジー、お前はどう思う?」
「あぁん? そんなもん、男は黙って脳筋よ。倒れるにしろ前のめり!ごり押してごり押して敵に近づけば、後は男と男のカチ合いよ!長距離型大砲だがなんだかしらんが、そんなもんは弱者の発想!そうだろうよ? 男は筋肉に斧一丁あればいい。それ以外に何が必要なんだ? ……なぁ、お前らぁ!」
 わぁぁーっと、サジーのユーベルコードで呼び出されたバーサーカー達が声を上げる。
「そんなところだ。意見が割れて済まねえな」
「ふぅん……」
 顎を撫でながら、弥三郎は考えを纏めているようだ。そこへコミュニがもう一度口を開いた。
「よろしいですかに?」
「おう、なんでェ?」
「色々と言わせていただきましたがに、もう一つありますに。……中途半端はよろしくない。防御重視か遠距離重視かどちらかの改造を、やるなら徹底的に!してほしいですに」
「その意見には、私も賛成です」
 クリスタルがコミュニの後を継いだ。
「私も船の改造はどちらかに特化したほうが良いと思います。防御特化にしたとしても、私達で全力で防衛します。そうすれば活路が見いだせる可能性もありますから」
「ふむ、どちらにせよどちらかに極めて特化するのは重要だとは思うでござる。作戦を立てるにしろ、そちらのほうが決めやすいゆえ」
 最後にヨウが念を押す様に言う。それらの言葉にも、弥三郎は噛みしめるように深く頷きながら聞いていた。
「お前さんらの言葉はよぉく聞き届けたぜ。有り難く参考にさせてもらう。……それじゃあ、もう夜も遅い。寝るなり風呂にするなり、ゆっくり休んでくれ」
「風呂か。この島には温泉があるのか?」
「おう、小せえがな」
「それはゆっくりと浸からせてもらうでござる!フォルティス殿もそう思うでござろう?」
「え、あ。い、一緒にか?」
「そ、そそそその、フォルティス殿さえよければでござるがががっ!」
「いいじゃねぇか、別に男湯女湯と仕切りがしてあるわけじゃねぇ!ゆっくりしていきな!」
「私達は休ませていただきましょうか」
「そうしますに」
「寝酒はねぇか? まだ酒が足りねえな!」
 そうして、睡眠を取るものは島内の寝所へ、またある者は温泉へと島民に導かれて別れていく。
にぎやかな島にも、夜の静寂が訪れようとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フォルク・リア
船を眺め
(船、海戦の事は良く知らないんだけどね。
それでも俺なりに言える事を言ってみようか。)

船の改造について【1】
「海の事に関してはそっちの方がプロだ。
俺も考えはあるけど。まあ、参考程度に聞いて欲しい。」
「こっちが長距離砲を積んで遠距離戦を挑んだとしても
元々それを有している相手に一日の長があるだろう。
なら、ある程度防御を固めて
守りながら此方の有利な距離まで近づいた方が良いんじゃないかな?」
「ただ、装甲を厚くすればその分速力は失われる。
一番難しいのはそのあたりのバランスだろうから。
みんなの操船技術や慣れなんかと相談して改造するのが
一番いいと思う。」
と海賊達の話も聞きながら自分の意見を纏めていく。



●富嶽島へ、新たなる来訪者
 ――ざぁん、ざざぁん。岩肌に波がぶつかり、飛沫となって砕ける音が、フォルク・リア(黄泉への導・f05375)の耳にも聞こえてくる。
フォルクの姿を目にした島民は、その富嶽島では珍しい装いから彼を猟兵だとすぐに判断し、この島の海賊たちの塒へと案内してくれた。硬い岩壁を掘り抜いて作った、天然の要塞。筵が敷かれた大広間の先には、いくつもの富嶽島の海賊船が改造の時を待っている。
今は修理と基礎的な強化を行っているのだろう、海賊たちに支持を出していた銀髪の羅刹――この富嶽島の海賊の親分たる弥三郎が、フォルクが来たことに感づいて振り向いた。
「おお、兄さん。その出で立ちを見るに、アンタも猟兵か。ってこたぁ七大海嘯との戦に来てくれたのかい、ありがてぇ」
「ああ、俺の力で良ければ、ぜひ役立ててほしいと思っているよ」
「猟兵の兄さんの力が加われば、百人力よ!」
 荒波に揉まれ、潮に嗄れた太い声。ばんとフォルクの肩を叩く弥三郎の目は、聞いていたとおり情に厚い男なのだということを雄弁に語っている。
「そういえば、船の改造のことで揉めていると聞いたけれど。どうなんだ?」
「猟兵の兄さんたちにゃあそんなところまでお見通しか。まぁそうだな、揉めてるってほどでもねぇが、まだどうするのか決定が下せていねえ。おかげで、図面引きの野郎どもが此処数日眠れてねぇもんでよ」
 船の改造。七大海嘯が一角「桜花」の船団が持つ長距離大砲に対抗するために、防御を固めるか、それともこちらも匹敵する長距離攻撃を有するか――。七大海嘯との戦は近い。せめてもう少し猶予があったならば他の島を巡って物資を集め、また異なる選択肢を考え出すことも出来ただろうが、戦の時は待ってはくれない。今この島に備蓄してある物資だけで改造を施すには、どちらかを選ぶか――或いは両者の中間をとるしかないのだと。そう語る弥三郎の言葉を聞きながら、フォルクは考える。
(船――海戦のことはよく知らないんだけどね。それでも、俺なりに言えることを言ってみようか)
「海の事に関しては、そっちのがプロだ。俺にも考えはあるけど、まぁ、参考程度に聞いて欲しい」
「おう、何でも言ってくれや」
「こっちが長距離砲を積んで遠距離戦を挑んだとしても、元々その技術を有している相手に一日の長があるだろう。なら、ある程度防御を固めて守りながら此方の有利な距離まで近づいたほうがいいんじゃないかな?」
「ふぅん、成程なぁ。兄さんはそう言う考えか。守りを固めろって言う野郎どもには、そう言う奴らも多くてなァ」
「ただ、装甲を厚くすればその分速力は失われる。一番難しいのは、そのあたりのバランスだろうから……みんなの操船技術や、慣れなんかと相談して改造するのが一番いいと思う」
 いつの間にか弥三郎の後ろには、眼鏡を掛けた一人の海賊が図面を持ってそれに何事か書き付けている。おそらくはフォルクの意見を書き込んでいるのだろう。
「おう、長次。当日舵を握る奴らの調子はどうだ?」
「準備万端でさぁ。ただ、猟兵の兄さんの言うとおりだ。防御を固めりゃあ速度が落ちる。一端慣らし運転をさせた方がよさそうです」
「……そのためにも、さっさとどちらにするか決めちまったほうが良いんだろうが……」
 困ったもんだ、と弥三郎は息を吐きだして、それからフォルクに言った。
「兄さん、アンタ島に来てからまっすぐこっちに来たんだろう、そろそろ昼餉の時間だ。簡単な握り飯程度だが、一緒にどうだい?」
「そうだね、いただくよ」
「アンタさえよけりゃあ、今夜は宴にするつもりよ。なにか食いてぇもんがあったら遠慮なく言ってくれや、あるもんは出すし、ないもんは無ぇ!!」
 そう言う弥三郎と長次の後ろをついて行けば、先程の筵の敷かれた部屋に戻る。其処には大皿に山と積まれた握り飯と、囲炉裏に掛けられてシュンシュンと唸る鉄瓶があった。
「この島じゃあ茶は採れねぇんだが、こないだの交易で良い茶葉を安く仕入れることが出来てよ。さ、どうだい。それとも酒のほうが好みかい?」
「それじゃあ遠慮なく、お茶をいただくよ」
 海賊たちは豪快に、ひとつひとつが子供の顔ほどもありそうな握り飯を腹へとおさめていく。中身は塩昆布と鰹節であるらしい。フォルクも相伴に預かった。
図面引きの長次は握り飯を頬張りながらも、別の海賊と話をしている。これが実りある会議に成ればよいのだが、と、フォルクは鉄瓶から注がれた熱々の茶に口をつけた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木々水・サライ
[アドリブ歓迎]
ふぅん、船の改造か。それならコイツらの出番ってわけか。
(シースルーコートを翻してUC【チビサライ軍団出動!】を発動。めっちゃいっぱい出てくる。)

『らい!』

チビ共はどうやら長距離攻撃重視のようだ。
それなら、でっかい砲台でも付けてやろうぜ。ド派手な花火をブチかませるような奴をよ!

しかし砲台つけたところで使い手の技量がしょぼいんじゃぁ意味ねぇよな。
っつーことで、俺が直々に訓練をつけてやるよ。
ってこら、チビ共は邪魔するな。お前らは合体でもして砲台の装着の手伝いでもしてなさい。

訓練を終えたぐらいにゃ考えもまとまってるだろ、連中も。
飯でも食いながら船の補強がどんな感じになるか考えようや。



●ちいさな働き手たち
 波しぶきが黒い岩盤にぶつかって弾けるざざんざざぁんという波音を聞きながら、木々水・サライ(《白黒人形》[モノクローム・ドール]・f28416)は着物を着た島民の後を着いて行く。やがてたどり着いたのは、天然の岩壁を刳り貫いて作られたのだろうと思しき巨大な洞穴だった。鉄で作られた扉を開ければ、寧ろの敷かれた部屋の中、机の上に船の図面が広げられている。それに向かって何やら書き付けていた頭に手拭いを巻いた海賊が、サライに気づくとその顔に喜色を浮かべた。
「おお、あんた猟兵さんか!おうい、誰かアニキを呼んでこい!」
 そう言われて、手持ち無沙汰に武器を磨いていた海賊が部屋の更に奥へと向かっていく、弥三郎のアニキィ、猟兵の兄さんが来やしたぜ――そんな声が、サライのもとへも聞こえてくる。
「聞いたぜ、船の改造について悩んでんだって?」
「へい。先月行ってきた航海で良い鉄が手に入ったもんで、防御を固めるための装甲もありゃあ、大砲をつけるための砲塔も砲弾も揃ってるんでやすがねぇ、いざどっちにするかってぇと、意見が割れちまって。俺らもとっとと図面を引きてぇってのに」
 海賊が図面をサライに見せる。複雑に書き込まれたその紙の内容は、サライにはせいぜいが船の図面であることしかわからなかったが。
「成程な。そう言う事なら、コイツらの出番って訳だな」
 サライがシースルーコートを翻せば、その裾から小さな複製義体――まるでサライを子供にしたような――が幾体も幾体も現れる。
「「「「「らいっ!」」」」」
 図面にわらわらと群がる子どもたち。やがて彼らは机中に散らばった図面の中から、ひとつの図面に集まる。
「そいつは?」
「こいつは砲台をつける想定で描かれた図面でさぁ」
「成程、チビどもはどうやら長距離攻撃重視みてぇだな。それなら、でっかい砲台でもつけてやろうぜ、ド派手な花火をブチかませるような奴をよ!」
「「「「「さらー!」」」」」
 そこに、銀髪の羅刹――この富嶽島の海賊たちを取りまとめる親分である弥三郎が入ってくる。弥三郎は部屋中を埋め尽くさんばかりに増えた子どもたちを見て一瞬目を丸くするも、サライの姿を見て笑みを浮かべた。
「おう、来てくれたのか、猟兵の兄さん!」
「まぁな」
「アンタはこの島は初めてだろう、夜ンなったら宴を開くからよぉ、良けりゃあ食ってってくんな!何が食いたい? 肉か? 酒か? 出せるもんなら用意するぜ!島にねえもんは出せねぇがな、最近は寝かせておいた猪が食い頃なんだ」
「アニキぃ、歓迎はそこそこにして、船の話をしましょうや」
「おっとそうだった、悪い悪い。で、その様子を見ると、その坊主たちは砲台がつけてぇのか。兄さん、アンタも同意見か?」
「おぅ、どうせならデケェ花火を打ち上げてやれってな」
「成程成程、参考にさせてもらうぜ。この数日で島に来た猟兵の兄さん姉さんたちにも話を聞いたが、意見が割れてる。最後のところは、やっぱり俺達で決めなけりゃあならなさそうだ」
 顎を撫でて考え込む弥三郎に、サライはにやりと唇を吊り上げる。
「ま、砲台をつけるにしろ、使い手の技量がしょぼいんじゃあ意味がねぇよな? っつーことで、俺が直々に訓練をつけてやるよ」
「お? 兄さん、船を動かすのに覚えがあんのかい」
「いや? 俺が言ってんのはこっちの方よ」
 くい、と招くように人差し指を曲げて見せれば、弥三郎の顔が獰猛に笑った。
「面白え、以前は助けてもらってばかりだったが、今回は戦だ、そりゃあ俺達の技量も見せなけりゃあならねえよなぁ!……野郎ども、此処は俺が出るぞ!!」
 わっと海賊たちが湧いた。
「「「「「さららー!」」」」」
「あーこら、チビどもは邪魔すんなっての。お前らは合体でもして、とりあえず船の補強工事でも手伝ってなさい」
「「「「「らい!!」」」」」

 岩盤に掛けられた梯子を伝うと、見晴らしのいい砂浜に出た。サライは黒い刀をくるくると取り回しながら、弥三郎を見る。
弥三郎は巨大な錨槍――バトルアンカーを手にしている。それを剛力でぐるんと振り回し、サライの頭部を粉砕せんという勢いで打ちかかってきた。サライは身を屈めて弥三郎の懐に潜り込み、黒鉄刀でもって弥三郎に斬りつける。それを阻んだのは、吹き上がる茜色の焔。そして弥三郎がその巨体をくるりと回転させると、バトルアンカーがサライの腹を打つ。
「オラオラオラァっ!!」
「ははっ、やるじゃあねーか!!」
「兄さんもなぁ!」
 海賊たちをギャラリーに、サライと弥三郎との戦いは白熱した。勿論、開戦前に大怪我をしては元も子もない為、サライも加減をしている。そして弥三郎との一戦が終われば、彼らの戦いに闘志に火をつけられた海賊たちが我も我もと組手の相手に立候補してくる。
「兄さん、次は俺とやって下せぇ!」
「いいや、俺が先だ!」
 サライと海賊たちとの戦いは、島民が夕餉の時間を告げるまで続いたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『スターフィッシュアーミー』

POW   :    戦法『自己犠星』
レベル分の1秒で【回復する再生能力で粘りつつ、捨て身で銃弾】を発射できる。
SPD   :    作戦『隠忍海星』
【近くに潜伏していた仲間達】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    メガリス銃『スリーディザスターズ』
【氷結呪詛弾】【念力誘導弾】【電撃速射弾】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


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 そして、決戦の日はやってきた。
桃色に桜の花を染め抜いた「七大海嘯・桜花」の大艦隊が、ずらりと並んでいる。
戦いの場所は富嶽島で尤も有利に戦える場所。そこへと大艦隊を誘導したのだ。
開戦の合図として、桜花の船から大砲が放たれる。それはあくまで合図であり、富嶽島の船に当たることはない。
そして、富嶽島の船の改造結果と言えば――議論は激しいものとなったが、防御を固めることに話がまとまったらしく、どの船も大砲の一発や二発食らった程度では沈まないような装甲を纏っている。
「桜花」の船は長距離大砲を主軸として撃ち込んでくるが、富嶽島の船はそれにも関わらず進軍を続ける。
勿論、猟兵たちの乗る鉄甲船にも防御のための装甲は取り付けてあった。
今、ここに。富嶽島をめぐる決戦が、幕を開けたのである――
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・第二章 集団戦 『スターフィッシュアーミー』が現れました。

 防御重視:四票、長距離戦重視:三票と、僅差でしたが富嶽島の船の改造は「砲撃を受けても平気な程度での装甲の強化」に決定しました。
この改造はすでに施されており、富嶽島の船は猟兵の乗る鉄甲船を含めて桜花の大砲にかなりのレベルで耐えられる程度に強度が上がっています。

■戦場について■
 海戦となります。基本的に敵が大砲を撃ってくる中、富嶽島の船と鉄甲船が進軍して近づき、接敵して戦う形となります。
 天候は良好、富嶽島側に有利な地形へと誘導しており、島民を巻き込むことはありません。
 戦場にいるのは敵と猟兵の他、戦闘ができる海賊たちとなります。
 弥三郎の他、大抵の海賊は刀剣で武装しています。ユーベルコードを使える海賊も存在しており、「○○ができるもの」といった風に指定していただければ、そのユーベルコードを持った海賊がいます。(能力は常識の範囲内にとどまります)
 戦場は海の上、もしくは船の上となります。空を移動する事ができれば空中戦も有効でしょう。
 戦闘に利用できそうなものは特にありませんが、具体名を上げて指定していただければ(船の装備など)利用することが出来るかも知れません。(使えそうなものは何でも使う、は曖昧すぎるため、具体名を上げて下さい)

■スターフィッシュアーミーについて■
 メガリス銃で武装したヒトデ頭の集団です。
 舵取りを担当するものと、砲撃を行う者の他、近づいてきた敵と戦うものがいます。
 対応するユーベルコードの他にも、銃や徒手空拳などでの攻撃を用いて戦う可能性があります。
 彼らをあらかた倒すと親玉が見つかるはずですが、現在は彼らの姿しか見つかりません。
 (第三章に進むまでは親玉は発見できません)

■弥三郎について■
 富嶽島の海賊の中でも、最も強く、彼らを取りまとめる立場にあります。
 炎を操るユーベルコードと、バトルアンカーを武器にして戦います。

■戦闘において■
 肉体を○○に変える、などのユーベルコードが選択されていない場合、「自分は〇〇の体であるため攻撃は通用しない」などは採用できません。それぞれのキャラクターの種族の特徴にしたがって描写致します。
 そのような戦法を取りたい場合は、必ずそのユーベルコードを選択して下さい。

 第二章のプレイング受付は1/17(日)午前8:31から開始致します。

 それでは、海戦の始まりです。
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フォルク・リア
「みんなが頑張って出来上がった船だ。
無駄にする訳にはいかない。
今度はこっちが頑張るばんだ。」

古代都市ルベルを発動。
都市から火球、雷撃等を放って船の接近を援護。
接近出来たら敵船に乗り込み
囲まれない様に注意しつつ敵の攻撃に対しては
ルベルの属性魔法と自身の武器で対応。
氷結呪詛弾には炎魔法と
呪装銃「カオスエンペラー」の呪詛弾丸で相殺。
念力誘導弾には此方も念力、【念動力】で軌道を逸らし。
電撃速射弾は風魔法やスカイロッドを使って
周囲の海水で防壁を張り自分達に電撃が届く前に
海中に放電する。

攻撃を防ぐ間に海賊達に砲撃手を倒して貰い
海戦での優位を築き
使役する幻獣(ドラゴン、キマイラ等)
と共に船を制圧していく。



●海上の巨大都市
 ざあざあとむせび泣く潮の騒めきを、富嶽島の海賊船は進んでいく。どぉん、大気を震わせる鈍い音を立てて「桜花」の戦艦から放たれた砲弾が、海賊船の鼻先で海に落ちていく。
「怯むんじゃねぇ、進め!進め!」
 海賊たちの太い声が上がる。長年潮風を浴びて喉から声を張り上げていたのだろうとわかる、潮に焼けたよく響く声だ。
彼らと共に船の上に立ち、フォルクはああ、良い船だ、とひとりごちる。
「いい船だ。みんなが頑張って、出来上がった船だ。無駄にするわけにはいかない」
 ――今度は、こっちが頑張る番だ。
 フォルクは黒杖を手に、詠唱を始める。それは一言一言が力ある言葉。それらを紡ぎ、繋ぎ、織り上げて、その魔法を完成させる。
「“歴史の狭間に埋もれし魔導の都”」
「“幽谷の門を潜りて今、此処に姿を現し”」
「“その深遠なる魔術の神髄を示せ”――!」
 「それ」が現れたのを見て、驚く海賊たちに大丈夫、と微笑みかける。
「それ」は巨大な都市国家――否、その幻影。とうに滅んだそれは、都市の幽霊と呼ぶべきだろうか。術者に莫大な魔力を供給する、広漠な魔法都市、その亡霊は、富嶽島の海賊船団を見送るように海上に聳え立つ。
「すげぇな、これが猟兵の力か!やっぱりとんでもねぇぜ、兄さんよぉ!」
 ヒュウと口笛を吹く海賊たち。古代都市ルベル――その雄大な存在に勇気づけられた海賊たちは、「桜花」の艦隊へと船を進めていく。
 近づいてくる海賊船団に対し撃たれた砲弾は、ルベルから放たれた火球によって、あるいは電撃によって海賊船に届く前に撃ち落とされた。
そして――いよいよ、「桜花」の蒸気船と富嶽島の海賊船が、接舷する。
「乗り込むぜ、野郎どもぉ!!」
「おおおおおおっ!!」
「――先ずは砲撃手を!海戦での優位を築くんだ!」
「おう、わかってるな、テメェら!!」
「了解!!」
 武器を手にした海賊たちが砲撃手たちを優先に切り込んでいく。そんな彼らを援護するのは、都市から放たれたフォルクの使役する幻獣、翼竜たち。その爪でその牙で敵を引き裂き噛みちぎりながら、蒸気船の乗組員、異形頭の船員を血に染めていく。
『七大海嘯に楯突く愚か者共が!!』
 メガリス銃を構えた異形頭の船員たちが駆けつけてくる。彼らに囲まれることの無いようフォルクは一体の翼竜を背にし、呪装銃「カオスエンペラー」を構えた。フォルクを狙う異形頭たちが撃ち出したのは冷気を纏う氷結呪詛弾。次々と豪雨のように叩き込まれるそれに向かって、翼竜とフォルクは同時に動く。
翼竜は口から豪炎を吐き出し、その冷気を削ぎ落とす。フォルクは呪装銃に籠められた呪詛の弾丸で氷結呪詛弾の呪詛を相殺する。竜の炎に飲まれた弾丸はフォルクに届くことなく焼け溶け落ちた。翼竜を己の背に羽ばたかせながら、フォルクは船中を走り回る。彼に向かって放たれるメガリス銃の弾丸は、恐らくは異形頭の念動力によって動いているのだろうカクカクと曲がりながらフォルクへと飛来する。そこへ自らの念動力でもって干渉し、その制御権を奪い。海賊と交戦中の異形頭の頭部を背後からぶち抜く。
「さあ、次は何で来る……!」
 古代都市の亡霊から飛来した幻獣たちが蒸気船の中核、蒸気機関を破壊し始める。異形頭の撃ち放った電撃を帯びた弾丸を前に、フォルクはひらりと身を翻し、翼竜の背へと立つ。横に控えた海竜が巨大な滝の如き波の壁を作り上げ、電撃は全て海中へと放電した。
 その後もメガリス銃による狙撃は続く。この船の乗り手全てが異形頭、フォルクと海賊たちの敵だ。放たれる三種の弾丸を古代都市の亡霊から供給される魔力と幻獣たちの放つ魔法によって防ぎながら、フォルクは船を破壊していく。
やがて、海賊たちの中からこの船の舵取りを討ち取った旨を報告する雄叫びが上がる。ここまですれば、もはやこの船に脅威はない。砲撃手ももう一人たりとて残ってはいないことを確認すると、フォルクは海賊たちに船に戻るように指示する。
 古代都市ルベル――かつてどこかに存在した、亡霊の魔法都市。そこから飛来した幻獣たちの一斉攻撃によって、船はボロボロに破壊され沈んでいく。それらを確認すると、フォルクは翼竜の背に立ったまま新たな船の元へと移動するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木々水・サライ
[アドリブ歓迎]

船の上、か……(※泳げない)
俺落ちたらやべーし空飛んどこ。(UC【着飾る白黒人形】を発動)
衣装がどう見ても相応しくないけど、海の中に落ちるよりマシ。

海賊達には2つ指示を出そう。

1つ、俺が空中戦を仕掛けてる間は大砲で支援。
攻撃主体ではなく、視界を遮るのが主体だ。
砲弾の後ろに隠れて斬りかかるなんて芸当ができるからな。
敵もバカじゃねえから、数発でバレそうだけど。

もう1つは接敵されたら好きに戦えと。
こんな状況に陥らせないようには努力するが、俺一人では限りがある。
そこで訓練の理由がこれだった、みたいに説き伏せておく。

どうでもいいけど、このオブリビオン顔が怖い。
いやコレ顔あるのか?



●水は(海に限らず)天敵なので
「船の上……かぁ……」
 富嶽島の海賊船の上。サライはごくりと唾を飲み込み、震える声で水面を眺めていた。
サライの体、とくに両手脚は鋼鉄製だ。失ったその部分を鋼鉄に置換したのと引き換えに、彼は泳ぐことがかなわない。落ちたらやべーな、と独り言ちて。
「仕方ねぇ、飛んどくか……この格好だと、ちょいと動きにくいんだが、なっ!」
 ユーベルコード【着飾る白黒人形(ドレスアップ・モノクローム)】を発動し、空中に浮かび上がる。姿こそ海戦には似合わぬ紳士的な燕尾服姿へと変わるものの、手にした黒い刃の切れ味は上がるし、何より空を飛ぶことが出来る!落ちない!溺れない!
「海賊の兄さんたち、ちょいと話がある」
 サライはそう言うと、海賊たちを振り返る。
「まず聞きてぇんだが……こっちの大砲で撃てる砲弾はどれだけある?」
 相談の結果防御重視の改造を行うと決定したものの、それでもあるものは使いたい。故に海賊船には砲塔も付いている。ただ、「桜花」の長距離大砲にかなうレンジを持たないものだが。
「まぁ、ある程度近づいて一度に三発ってところですかねぇ」
「ん、わかった。じゃあ、俺が空中戦を仕掛けてる間は大砲で支援してくれ。攻撃主体じゃない、敵の視界から俺を遮るのが目的だ。砲弾の後ろまで隠れて飛んでいくからよ」
 ま、敵も馬鹿じゃねぇから、数発でバレそうだしな。
「それから、もう一つ。接舷されたら、アンタらの好きに戦ってくれよ。努力はするが、俺一人じゃあ限りがあるんでな。そのために訓練したろ?」
「水臭いこと言ってんじゃあねぇですぜ、兄さん!俺達だって十分戦えまさぁ!そっちの方は、任しといて下せぇ!!」
 おおおおおお!!と、船に乗る船員たちから雄叫びが上がった。既に他の猟兵によって一番先を行く船は「桜花」の艦隊と接敵していた。となれば、サライたちも戦わぬ理由はないだろう。
 手近な船に向かって、砲弾が撃ち放たれる。どぉぉん、と、船体を揺らすような重い衝撃が伝わる。それに合わせて、サライは空へと飛び出した。「桜花」の艦からも砲弾が撃ち返される。それは海賊船に着弾するが、分厚い装甲のために船には衝撃しか与えない。
ふたたび、海賊船から砲弾が放たれる。その影に隠れるように飛翔するサライの姿は、「桜花」の艦隊からは目に入らないはずだ。また「桜花」の艦から砲弾が撃たれる。これは狙いを逸れ、着水した。そして三発目の砲弾が海賊船から放たれる――それと同時に、サライは黒鉄刀を抜き、敵艦へと降り立つ!
二隻の船が接舷するまであと僅か。その間にサライがやるべきことは、まず攻撃手を潰すことだ。時速430キロの速度で飛翔する彼は、黒の刃で持って海賊船へ向いていた砲撃手の首を次々と落としていく。それに気づいた戦闘員が三種の弾丸を籠めたメガリス銃を討ってくるが、それを高速で飛翔しながら躱し、時には同士討ちを狙う。またたく間に甲板は異形頭たちの血に塗れ、桃色の海賊旗は赤く濁った。
「にしても……こいつら、顔が怖ぇ……いや、ヒトデだよなこれ? 顔か? 全身じゃねぇのか? なんで人間の体にヒトデの全身がついてんだよ、消化器官とかどうなってんだよ」
 落とした首を蹴りながら、やってきた敵の増援へ向けて黒の刃をくるりと翻せばたっぷりと啜った血がぴ、と散った。
ちょうど海賊船との接舷もなされたようで。わぁぁと海賊たちが雄叫びを上げて乗り込んでくる音が聞こえてくる。
「さぁて、そんじゃあまだまだいくぜッ!!」
 高速飛翔によって異形頭のメガリス銃から放たれる三種の弾丸を躱しながら、サライは敵艦の乗組員を端から黒鉄刀によって血祭りに上げていった。
 戦はまだ、始まったばかりだ――。

成功 🔵​🔵​🔴​

セレン・アキシマ
連携アドリブ歓迎。
SPDでいくよ!

流石に船の数がすごいねー、とか言いながら大艦隊を見回すよ。

そして【早着替え】で現在着ているものを全て脱いで海にダイブ。
勿論伊達や酔狂でこんなことはしないよ。
少し敵側に泳いだのちに指定UCを起動。
20m級の鮫に姿を変えて【水中機動】で一気に突撃していくよ。
いくら大砲の射程が長かろうと、こうやって水中から行けば問題なしっとね。

そしてその巨体を生かしての【水中戦】で体当たり、顎で敵船を攻撃したり、尾びれで敵を【範囲攻撃】で薙ぎ払ったりしてあえて目立ち、味方のサポートをするよ。
理性の状態には気を配り、敵味方の区別がつかなくなる前に解除、【水中機動】で後退するよ。



●貪食なりし海の女王
 富嶽島の海賊船団が七大海嘯「桜花」の大艦隊に接敵し始めた。既に先に突撃した猟兵の手によって、一隻二隻と桜の紋を染め抜いた艦が傾き、煙を上げながら海中へと沈んでいく。
「うーん、流石に船の数が凄いねー」
 セレン・アキシマ(とりあえず突っ走る・f26172)は大海原を眺めた。「桜花」の大艦隊に加え、富嶽島の海賊船団もかなりの数になる。セレンが乗るのはそれよりやや少し後方に位置する船だ。
「さぁて、じゃああたしも行きますか!」
 セレンは徐に自分が纏う純白のセーラー服に手をかけた。またたく間に彼女が身につけていた衣服は脱ぎ捨てられ、そしてぼちゃんとセレンは冷たい1月の海の中に飛び込んだ。全裸で。
 誰かが見ていたならば一体どうしたのかと声を上げたことだろう、しかし瞬速の脱衣と海中へのダイブは幸いなるかな、誰にも見咎められることはなく、衣服だけが船の上に残された。
グリードオーシャン育ちのセレンにとって、海の中は得手なるものだ。すいすいと富嶽島の船団から少し離れた場所まで泳ぐと、彼女は自らのユーベルコードを発動させる。
【全てを喰らう大海の王(カルカロクレス・メガロドン)】――少女の白い手はヒレに、二本の足は一本の尾に変わり、そして体全体が膨れ上がる。そこにいたのはもはや快活さを見せる青髪の少女ではなく、全長20メートルは超えるだろう巨大な鮫だ。
どれほど「桜花」の長距離大砲の威力が恐るべきものだろうと、海中を泳ぐ鮫には何の関係もないことだ。時折海の中に役目を終えた砲弾が沈んでくるが、広大な海全体から見ればもはやそれらは塵芥でしかない。
「桜花」の艦は蒸気船だ。海中にあっても富嶽島の海賊船との区別をつけるのは容易い。セレンは蒸気船を見つけて体当たりをぶちかまし、「桜花」の艦を揺らす。海上から聞こえてくるのは、海賊たちが船に乗り込み、戦いを始めた音だ。その援護をするように、次々とセレンは蒸気船への体当たりを続けていく。
鮫としての嗅覚が、流れる血の匂いに敏感になっていく。艦隊から落下してきたものの内、海賊ならば丁寧に船の上へと運び上げ、「桜花」の船員――異形頭ならば、そのままその鋭利な牙が並んだ顎で喰いちぎってやる。鮫の本能が、獲物の味に喜んだ。
セレンが目立つ行動を繰り返した結果、やがて海中を行く一匹の鮫の存在は海賊にも「桜花」の艦隊にも等しく認識されたらしい。これが海賊たちの味方であると――それを悟った異形頭たちがメガリス銃を懐中に向けて放ってくる。ばしゃああんと大きな水しぶきを上げてセレンは海上に跳ね上がり、異形頭たちに喰らいついた。尾びれで敵艦を薙ぎ払ってやれば、海賊たちによって動力部を破壊され尽くしていた船は海へと沈む。そのまま次の艦を狙おうとした時、セレンは自らの身体が上手く動かないことに気づいた。
(やっぱりいたね、水中の斥候……!)
 数人の異形頭達がセレンを囲んでいた。彼らが一斉に放ったメガリス銃の弾丸が自らに命中したのだろうか、じくじくとした痛みを感じる。セレンは身を捩らせながら、水中で鮫に出会った者の末路を異形頭共に教え込んでやることにする。一瞬で距離を詰め、その鋭利な牙で一体一体噛みちぎって、食らいつく。たちまちのうちに蒼い海の中は流れ出した血の赤に染められた。――殲滅だ。
海中を濁らせる血の匂いに、食欲が刺激される。ああ、理性が削ぎ取られてきたのかとセレンは悟る。これ以上を続ければ、海賊たちも関係なしに襲ってしまうだろう。そうなる前に、ただの一匹の鮫に成り下がる前に戦線を離脱していく。離れたところで変身を解除し少女の姿に戻ったセレンは、ぷかりと水面に顔を出した。
 「桜花」の艦がまたひとつ傾き、海の中へと沈んでいくのが見えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

コミュニ・セラフ
【アサルトリベルタ】
集団戦ならば私のUCが光りますに。
敵が密集していればいるほど、私の体力は回復し続けますからに。

サジーは甲板の制圧を行うようだから、私は・・・ハンマーで外から船の中当たりを思いっきり叩いてこじ開けてやりますかに。

うんむ、さすがに銃は痛いですがに。船内なら近づく隙はあるというもの。
船の構造物ごと敵を叩けば奪取の指輪により私も体力回復しますに。被弾したとしても私の筋肉なら多少は回復できますに。回復によるごり押しこそが私の戦い方ですに。頭を吹き飛ばされたらさすがに致命傷かもしれませんがに、狙われる前に敵を叩き潰してやるに!


サジー・パルザン
【アサルトリベルタ】
敵船に近づいてからが俺の番ってわけだ。
全員、武器を構えろ!(ヴァイキングの角笛を鳴らす)
俺達にロープをよこせ、敵船に投げつけて乗り移ってやる。
富嶽島の海賊共はヴァイキング共が敵船に乗る為の援護をしろ。ロープを渡っている間に狙撃してくるだろうからな。

ヴァイキング共が何人乗れるかはわからねえが、最悪俺1人が渡れればいい。それで十分だ。

甲板の制圧を主に行うぞ、他の奴らが乗艦する為に固めなきゃな。
デーンアックスを振り回して手近な奴らから制圧してやるぜ。斧を振り下ろした後が隙ってわけじゃねえ。俺の体、力こそが真の武器よ。倒した敵の死体を掴み盾に使って吶喊して海に叩き落としてやる!


ヨウ・ツイナ
【アサルトリベルタ】
私は、他の者が近づき、あるいは乗船するのをサポートするように戦うでござるよ。

精霊弓・氷華蝶によって敵の砲台を狙いうち、その周囲を凍らすことによってこちらに砲撃されないように援護してやるでござる。
なるべく数多くの砲台を凍らすようにするでござるよ。

サジー殿らが敵の船に乗り込みにいくようでござるな。
精霊弓・雪之蝶に武器を持ち替え、誘導する矢により応戦してきた敵を狙うでござる。

サジー殿やコミュニ殿によって乱戦が始まったら私も富嶽島の海賊と共に敵艦に乗り込むでござる。
狙うは舵取り。後は近場にいるものから撃ちぬいて制圧するでござる。

フォルティス殿と行動したかったでござるが…。


クリスタル・ファイアヘッズ
【アサルトリベルタ】
サジー達は3人で1船を相手にしているようですね。

私は彼らの船とは別の船に乗り込むとしましょう。
ジェットパックを発動して敵船の近くに移動します。また、光学迷彩を使用して敵から身を隠します。

一番敵を巻き込めそうな箇所を探して、手持ちプラズマグレネードを投げます。それによって起きた混乱に乗じてビームミサイルランチャーを船内に撃ち込みます。さすがに、私に気づく敵も出るでしょうから粒子ブラスター(ライトマシンガン仕様)で撃ちぬいてやります。多少の被害はアーマースーツの耐久性とバリアで防御。沈没するまでは破壊しきって差し上げましょう。わざわざ現地民に援護していただく必要はないですから。


フォルティス・ワーライン
【アサルトリベルタ】
フレイム?お前も来たのか、今日は呼んでないぞ?
まぁいい。フレイム!敵船を壊滅させるか。味方船の援護をしろ!

俺は味方の後方上空から、戦況を見極め適切な援護をすることだ。

遠距離からは航宙艦用『タングステン弾磁力加速砲』で敵船を頂く。技術力の差があれば、一撃で潰せるはずだ。

EPイーグル、劣勢となってしまっている味方がいればすぐに報告しろ。
スリップポイント(UC)を使用してすぐに移動して、機銃掃射を行う必要がある。それまでは、味方に近づいてくる敵船を航宙艦用『タングステン弾磁力加速砲』で破壊してやるぞ。



●嵐を呼んだ者たち
 富嶽島の海賊船団と、七大海嘯「桜花」の蒸気船艦隊。両者の先頭はぶつかりあい、そして猟兵たちの活躍により、「桜花」の船のいくらかが既に沈んでいる。
 サジー、ヨウ、コミュニは三人一組となって海賊船の一隻に乗り込んでいた。ヨウは船首に陣取ると、己の弓「精霊弓・氷華蝶」によって敵の砲台を狙い撃つ。ヨウの撃ち出した矢は精霊の祝福を得て、氷点下の爆風を放ちながら遠く離れた砲台まで届くと、その砲塔を凍りつかせる。真冬の海だ。一度凍りついた砲塔は氷を剥がすにも一苦労のようで、ヨウが矢を放つほどに「桜花」の艦から撃ち込まれる砲弾が減っていく。
 やがて、彼らの乗った船は一隻の艦と接触する。サジーが大声を上げた。
「全員、武器を構えろォ!!」
 ヴァイキングの角笛が高らかに鳴らされる。
「俺たちにロープを寄越せ、乗り移ってやる!!」
「おうよ、こいつを使いな!」
 船に積み込まれていたロープに鈎を括り付けると、サジーを先頭に召喚されたヴァイキング達が巨体に似合わぬロープワークで「桜花」の艦へと乗り移っていく。
「海賊ども、お前らはヴァイキングどもが船に乗り移る為の援護をしろ!ロープを渡っている間に狙撃されちゃあかなわねえからなァ!」
「合点承知でさぁ!!」
 サジーとヴァイキング達がロープを使って敵艦に渡っている間にも、氷漬けにされた砲塔を放棄した「桜花」の船員である異形頭たちがメガリス銃を手に集まってくる。それを弥三郎の炎が、海賊たちの矢や銛、そしてユーベルコードが撃ち落としていく。
(ヴァイキングがあのガタイで何人渡りきれるかはわからねぇが……最低俺一人でも渡れりゃあいい!)
「桜花」の艦に乗り移ったサジーは甲板に出ると、デーンアックスを振り回しながら走り始めた。襲いかかってくる異形頭どもをアックスで叩き斬る、斧を振り下ろすと同時、隙ができたかとばかりに四方八方から撃ち放たれるメガリス銃の弾丸。
「舐めんじゃねぇぞぉ!!」
 そう、サジーの体、力こそが真の武器。斧などそれを効果的に使うための道具に過ぎぬ。
殺した死体を盾にして弾丸を防ぎながら雄叫びを上げ、異形頭共に向かってに向かって突貫すると、そのままアックスを振るって死体を増やす。頭を失った船員たちはそのまま冬の海へと落ちていった。
「さぁ……他の奴らが乗り込んでくる前に、甲板の制圧を固めなけりゃあな……!」
 楽しみだ、と言わんばかりにべろりと唇を舌で舐める。後方からはロープを伝って乗り込んできたヴァイキングたちが暴れる音が聞こえる。
「おっと、もう来たか……それじゃあもうひと暴れするとするかァ!!」
 サジーは叫び、デーンアックスを振るいながら甲板に残る異形頭の船員を叩き斬っていく。
コミュニの目の前では、サジーの呼び出したヴァイキング達が今もロープを伝って「桜花
」の艦に乗り移ろうとしている。
 コミュニは海賊船に乗ったまま、人の頭よりも大きなハンマーを手にすると、敵艦の中腹部に向かって一撃を振り下ろした。
ガァン、ガン、ガン、ガン、バリ、バリバリバリ!!力任せに殴りつけ続ければ、蒸気船の中腹部に穴が空き、そこから異形頭の船員がまろび出る。最初に顔を出した一人はコミュニのハンマーと、そして海賊たちのユーベルコード、さらに弓矢を射掛けられて一瞬で絶命した。
船は壊れたところから浸水し、沈み始める。既にそれでその船は使い物にならなくなったと言っていいだろう。それでも空いた穴から中に入ろうとするコミュニ。
「まだまだ中に敵が潜んでいるかも知れませんからに!そいつらを全滅させるのが、私達の役目ですに!」
 沈みゆく船内は阿鼻叫喚の地獄の様相を見せていた。逃げ惑う船員が、それでもコミュニの姿を認めてメガリス銃を撃ってくる。
「うんむ、さすがに銃は痛いですがに。船内なら、近づく隙はあるというもの!」
 コミュニはハンマーを大きく振りかぶると、手近な異形頭を殴りつける。そしてそのまま船の壁を更に突き破った。【群れる羊への断罪】――彼女のユーベルコードの効果は、攻撃を加えた対象の体力がコミュニに吸収されるというもの。それだけではなく、感染するルーンの効果によって周囲八十メートル以内の対象からも体力を吸収し続ける。それだけでなく、コミュニは殴った敵の体力を奪う奪取の指輪の加護をも受けている。殴れば殴るほど、敵を倒せば倒すほど、コミュニの体力は回復し続けるのだ。
(回復によるゴリ押しこそが私の戦い方ですに……流石に頭を吹き飛ばされたら致命傷かも知れませんがに、)
「狙われる前にっ……叩き潰してやるに!」
 ぶぉん、重いハンマーを翻し、コミュニは背後にいた異形頭の頭部を吹き飛ばしたのであった。

 サジーとコミュニに続き、海賊たちもまた「桜花」の艦の中へと攻め入っていく。ヨウもまたそれに続き、弓を「精霊弓・雪之蝶」に持ち替えて艦内へと足を踏み入れた。既に至るところで、海賊たちやヴァイキングが異形頭と戦っている。その中を、ヨウはまっすぐに進む。時折遠間から海賊たちを狙っていた異形頭を矢にて撃ち抜き、そして彼女は目指す場所にたどり着いた。
「この期に及んでこの場所を離れていなかったこと、それは称賛に値するでござるが……!」
 そう、船の操舵室。そこで沈みかける艦の舵を取っていた異形頭を、ヨウは打ち抜き、矢達磨にする。
「諸共撃沈を狙っていたのか。わからぬでござるが……生憎降伏の二文字はなきが故!」
 そして誰もいなくなった操舵室で、ヨウは僅かの間一人で恋人に思いを馳せる。
(叶うならば、フォルティス殿と一緒に戦いたかったでござるが……どうしておられるのでござろうか、無事であればよいのでござるが)

 一方、フォルティスは上空にいた。航宙駆逐艦「鬼やらい」の中で、味方の後方上空から戦況を見極め、適切な援護をすることが彼の仕事だ。
既にサジーたちが一隻潰したことは把握している。敵艦が沈み切る前に、彼らは次の獲物へと取り掛かるだろう。
(さて、長距離戦なら俺がやると言ったしな……!)
 敵後方へ固まっている大艦隊の只中へと、フォルティスは航宙艦用「タングステン弾磁力加速砲」を打ち込む。あちらは蒸気船、対してこちらは航宙駆逐艦だ。技術力の差は歴然である。直撃を受けた艦は一撃で沈み。そして第二第三と撃ち込まれた砲撃によって艦隊の陣形は瓦解していく。其処へ海賊船が取り付き、乱戦となってゆくさまをフォルティスは完全に把握していた。その中には、サジーやコミュニ、ヨウの姿もあるだろう。

「サジーたちは三人で一隻を相手にしているようですね……」
 クリスタルは一人、静かに三人とは遠く離れた船に乗り込んでいた。息を潜めるクリスタルの姿は、肘に装着した光学迷彩発生装置によって海賊たちにさえ気づかれることはない。
(わざわざ現地民に援護していただく必要性は、私にはないですから)
 ジェットパックを利用して敵艦の近くまで飛行する。一番敵を巻き込めそうな場所――異形頭の船員が密集している甲板の真上まで移動すると、手持ち式のプラズマグレネードを投げ込んだ。閃光と大爆発。それだけで艦の大半が抉れた。計器類にも甚大なダメージが出ているだろう。もうこの艦はこれだけでおしまいだろうが――船の中から甲板へと更に異形頭が登ってくる。大挙して現れたそれらへと向けて、ビームミサイルランチャーを撃った。もはや艦は半壊していたが、さすがに上空から二度の攻撃を行えば、異形頭たちも敵がどこに――自分たちの上空に――いるということは把握できたのだろう、自身を犠牲にしながらも、クリスタルへと向けてまさに捨て身の攻撃を仕掛けてくる。そこへ降り注ぐ、ライトマシンガン仕様の粒子ブラスターの銃撃。
多少の攻撃はアーマースーツに搭載したバリアと、スーツ自体の耐久性が防いでくれるだろう。
(沈没するまでは破壊しきってさしあげましょう)
 クリスタルはそのまま船の中を低空飛行で進む。動力室へ仕掛けたグレネード弾の爆発によって、もはやこの船は終わったも同然だ。しかし生きた敵はまだ艦内に残っているのだ。粒子ブラスターで丁寧に異形頭の命を奪っていくクリスタルと、海の藻屑となる前に一撃食らわせてやろうとする異形頭。それは、一人で全てを遂行しようとしたクリスタルの一瞬の油断であったかも知れない。彼女の後頭部をめがけたメガリス銃が放たれる。クリスタルはそれに気づくことはなく、アーマーの覆う部分ではない。そこへ。
「――危ねぇぞ、クリスタル!!」
「フォルティス!? ……なぜ来たのですか」
「そりゃあ、お前が“劣勢”だと判断されたからさ」
【スリップポイント】――フォルティスのユーベルコードが彼をクリスタルのもとまで導いた。即座に機銃によって異形頭が血を撒き散らして蜂の巣になる。
「さあ、もうこの船も沈むだろうよ。鬼やらいからの観測じゃあ、もう殆どの敵艦を撃沈させた。あとは、この艦隊を指揮していた親玉を倒すだけだ――」
 フォルティスのその判断に従い、クリスタルはフォルティスを抱えてジェットパックで飛行すると、沈みゆく船を後にしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『光翼のフランソワーズ』

POW   :    破砕するl'or
単純で重い【輝氣(かがやき)の大槌】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    斬り裂くl'argent
【煌氣(きらめき)でできた大鎌による斬撃】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    抹殺のl'alliage
【指先から放つ煌氣(きらめき)の弾丸】が命中した対象に対し、高威力高命中の【輝氣(かがやき)の砲弾】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠神楽火・夢瑪です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


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「ああ、もうっ!なんなんですの、たかが一つの島の海賊たちにこの「桜花」の大艦隊がこうも簡単にやられるだなんて……!あの海賊たち、「七大海嘯」に歯向かうだなんて、命がいりませんの!?」
 「桜花」の艦隊、その殆どが沈められた中、光翼を背負った女がヒステリックに叫んだ。
彼女こそは「光翼のフランソワーズ」。この「桜花」の艦隊を指揮していた、親玉と呼べる存在だ。
「そう、猟兵……彼らが海賊たちに味方を? それなら納得ですわ、そうでなくちゃこんな敗戦ありえるものですか……いいえ、いいえ!まだわたくしは敗けてはおりません!猟兵たちを皆殺しにすれば、この島の海賊たちなど烏合の衆も同じ!それからゆっくりと、この小さな島を支配して差し上げるといたしましょう!」
 彼女はまだ知らない。この富嶽島の海賊たちと島民の覚悟が、生半なものではないということを。
彼女はまだ知らない。その猟兵の刃が、己の喉元に迫っているということを。
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・第三章 「光翼のフランソワーズ」が現れました。

■戦場について■
 「桜花」の大艦隊は、その殆どが猟兵の活躍によって沈められました。
 よって、戦いはフランソワーズとの一騎打ちとなります。
 まだ残っている船員もいますが、彼らは操船で手一杯であり、またフランソワーズが斃されれば同時に海の藻屑へと沈みます。彼らへの攻撃、彼らからの攻撃を心配する必要はありません。
 戦場は海の上、もしくは船の上となります。空を移動することが出来れば空中戦も有効です。
 フランソワーズはその光翼によって空を飛ぶことが可能です。
 天候は相変わらず良好で、戦闘の邪魔になるものもありません。
 戦場にいるのはフランソワーズと猟兵の他、戦闘ができる海賊たちとなります。
 弥三郎の他、大抵の海賊は刀剣で武装しています。ユーベルコードを使える海賊も存在しており、「○○ができるもの」といった風に指定していただければ、そのユーベルコードを持った海賊がいます。(能力は常識の範囲内にとどまります)
戦闘に利用できそうなものは特にありませんが、具体名を上げて指定していただければ(船の装備など)利用することが出来るかも知れません。(使えそうなものは何でも使う、は曖昧すぎるため、具体名を上げて下さい)

■光翼のフランソワーズについて■
 メガリスによってコンキスタドールとなったオブリビオンで、この艦隊の指揮者です。
 彼女を倒せば、戦いは猟兵、そして富嶽島の海賊たちの勝利となり、富嶽島の防衛に成功します。
 彼女は光翼によって空を飛ぶことが可能であり、またその翼は性質上傷つけることが不可能です。
 指定ユーベルコードの他、大槌や大鎌、弾丸や砲弾など、「輝氣」「煌氣」を用いた武装によって攻撃してきます。
 彼女は非常に強いため、味方の海賊の支援がなければ勝利することは非常に難しくなります。

■弥三郎について■
 第三章でも引き続き、彼と彼の配下の海賊たちの助力を得ることが出来ます。
 弥三郎は炎を操るユーベルコードと、バトルアンカーを武器にして戦います。

■プレイングについて■
 キャバリア、及びキャバリア兵器を用いたプレイングは採用を見送らせていただきます。予めご了承下さい。合わせプレイングであった場合でも同様です。
その他、マスターページを一読して下さるようお願い致します。

 第三章のプレイングは1/22(金)午前8:31から受付開始となります。
 それでは、富嶽島に訪れた二度目の敵を、皆様の手で葬り去って下さい。
フォルク・リア
フランソワーズを船上から見上げ
「あれを倒せば戦いも終わる。
しかし、飛び回られると中々に厄介だね。」
海賊達に,遠隔攻撃出来る者には狙撃を行って
行動阻害系のユーベルコードを有する者には
それを使ってもらい自身は呪装銃「カオスエンペラー」や
デモニックロッドの闇の魔弾で狙撃。
「邪魔なその翼、撃ち落とす。」
と不可能な事は承知で此方が下方から弾幕を張り
撃ち落とす事を目的と思わせ。(【だまし討ち】)
グラビティテンペストを発動。
斥力で敵の弾丸を防ぎつつ敵が弾幕に気を取られた隙に
反重力を発生させて跳躍。
近距離から敵の全方位から発生する超重力で攻撃、
押し潰す。
「このまま潰れて貰うよ。
その自慢の光の輝きごとね。」



●富嶽島海戦~終わりの始まり~
 光翼をその背に背負った女、フランソワーズを船の上から見上げ、フォルクは海賊たちへ向かって声を張り上げる。
「みんな、もう少しだ。あれを倒せば、戦いも終わる……!」
 おおおおおおっ!!潮に焼けた男たちの雄叫びが、船上だけでなく海の上に響き渡る。
『うふふふふっ、わたくしを倒す、ですって? 出来ないことは言うものではありませんわ、半端な希望を見せるとより絶望も深くなりますのよ!!』
 艦から飛び降りたフランソワーズはその背の光翼で持って蒼空を舞いながら、眼下の海賊船へと向かって五指を広げる。その指先の一本一本から降り注ぐ煌く弾丸が次々と船へと突き刺さり、そして其処へ向かって輝く砲弾が撃ち込まれる。「桜花」の長距離大砲を防げるように装甲を分厚く改造した船も、真上から立て続けに撃ち込まれる砲撃にはひとたまりもなく瓦解していく。急ぎ近くの船に飛び移る海賊たち。誰も欠けていないことを確認して胸をなでおろすと、フォルクは苦い顔で呟いた。
「ああも飛び回られると中々に厄介だね……皆!遠隔攻撃が出来るものは狙撃を、それから行動阻害が出来る者を集めて、彼女の動きを制限する!」
「「「おうよっ!!」」
「――おぉらァァァッッ!!」
 弥三郎の炎がフランソワーズへと撃ち込まれた、それを彼女はひらりと身を翻して避ける。そのフランソワーズの足に、じゃらりと鎖が幾重にも巻き付いた。一本ではない、同じ種類ではない、それはこれを放った者が一人ではないことを示している。
「よしっ……全部掛かった……これで一時、あの女の動きは封じやしたぜ……!」
「ぐっ……今、あっしとあの女を繋いでまさぁ……!あっしもここから動けやしやせんが、あの女もこれ以上動き回ることは出来ねえ筈……!」
「よくやった、てめぇら!!」
『く、ぅぅっ……このわたくしに、このような辱めを……許しませんわよ……!!』
「許さないのはこちらのほうだ。――まずはその邪魔な翼、撃ち落とす」
『うふふふふっ、そんなことができますかしら!』
「やれるさ。……今から俺がそうするんだからな」
 フォルクは黒杖を掲げ、己の魔力をそれに喰らわせて、闇色の魔弾を放つ。
――出来ない。フランソワーズの背負う光翼は、物理的にも魔術的にも、いかなるユーベルコードを用いようとも破壊することも、彼女の体から外すことも、そして拘束することも不可能。それは光翼。ユーベルコードですらない。ただの光を断つことがどうしてできようか!そもそも、この光翼を仮に切り裂くことが出来たところで、彼女の飛行能力を妨げることは出来るはずがない、そう、出来るはずがないのだ。
――けれど、フランソワーズは唇に笑みを保ちながらも、背中に流れる冷や汗を止めることが出来なかった。
(不可能、不可能、不可能ですわ……)
 ――けれど、相手は猟兵だ。もし、目の前の猟兵にならば、その不可能を可能にすることができるとしたならば?
不安は頂点に達する。フランソワーズは叫んだ。
『ああ、不愉快ですわ!この鎖をお離しなさい、離しなさいったら……!!』
 五指を向けるは、不安の源たる猟兵――フォルクの乗る船だ。
煌めく弾丸が船へと降り注ぐ――それよりも先に、フォルクがその力ある言葉を紡ぐほうが先だった。
「“押し潰せ、引き千切れ、黒砂の陣風を以て”!」
 発生した斥力――反発し合う力によって、弾丸は海賊船へは届かない。
「“其の凄絶なる狂嵐の前には”“何者も逃れる事能わず”!“ただ屍を晒すのみ”!」
 黒杖から放たれた闇色の魔弾が、上空で海賊たちのユーベルコードに動きを止められたフランソワーズの視界を遮る。
その魔弾を放つために莫大な魔力を黒杖に喰わせながら、フォルクは詠唱を完成させる。
「“吹き荒れよ、滅びの衝撃”……!!」
 海の水がざざざぁとひとときその体積を減らした。それは大海の中にあってはほんの一滴、誰にも認識できない程度のものだ。フォルクのユーベルコード【グラビティテンペスト】によって海水は重力と斥力を操る微粒子に変換される。反重力によってフォルクは甲板を蹴り、上空のフランソワーズの元へと跳躍する。
「このまま潰れてもらうよ。その、自慢の光の輝きごとね」
 黒杖を突きつける。次の瞬間、フランソワーズを飲み込んだのは全方位からの超重力。
上にも、下にも、右にも、左にも、どこにも逃げ場など無い圧縮する力が、フランソワーズを包み込む。
『ああッ……ああ、あああああああ!!!』
 絶叫を上げるフランソワーズ。全身を押し潰されるが如き超重力から開放された瞬間、フォルクは黒杖で彼女を強かに殴りつける。その勢いのまま、フランソワーズは真っ逆さまに海へと落ちていった。ばしゃんと、波しぶきが上がる。
「言っただろう、その翼を撃ち落とすってな」
 フォルクは黒杖を肩に担ぐと、制御した重力でゆっくりと海賊船へと降り立つのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木々水・サライ
[アドリブ歓迎]

烏合の衆、ね。
今からテメェはその烏合の衆と相手をするわけだが?

戦闘はUC【無謀な千本刀の白黒人形】を発動させ、紅、蒼、翠、琥珀、灰のどれかで相手の弾丸を弾く。
弾いた刀は攻撃には転化させずに、砲弾の的になるように弾いて空中に飛ばしとくか。

なるべくなら黒鉄刀と白銀刀は手に残しておきてぇ。
黒鉄刀の闇を用いて闇に紛れつつ、戦闘知識をフル活用で斬りかかるぞ。

ああ、そうだ。海賊共。
闇ばらまくから、お前らもこの闇を有効活用しな。
海賊なら、カトラス構えての闇からの奇襲は余裕だろ?

烏合の衆呼ばわりされたんだ。
カラスのような黒い闇に紛れて、たっぷりお見舞いしてやれよ。
お前らのその怒りってのをな!



●富嶽島海戦~タチムカウ~
「烏合の衆……ねぇ……」
 闇を撒き散らす黒い刀をとんと肩に担ぎながら、サライは眉を顰める。
「今からテメェはその烏合の衆と相手をする訳だが、よぉ。……烏に目ン玉穿り出される覚悟ってのは決まってんのかよ」
『まあ、野蛮なこと……!』
 フランソワーズが光翼を翻し、サライの乗る船へと向かって手の甲を上にまっすぐに手を突き出した――その五指から、煌めく弾丸が発射される。
「来やがったなァ……!!」
 サライは紅の刃を抜いた。血のように赤いその刃で、最初の弾丸を弾き返す。それを空中に放り投げ、次に蒼玉刀――蒼い雫滴る刃で、同じ様に。翡翠の輝き放つ刃で。琥珀の刃で。空中に放り投げられた刃は、弾丸に「当たった」と見倣されて。続いてフランソワーズから放たれる輝ける砲弾の直撃を食らう――否、そのために、サライが、海賊たちには支障の出ない場所に放り投げておいたのだ。その誘導どおりに、砲弾は命中した。
刀身から闇を溢れさせる刃、黒鉄刀を抜くと、サライは海賊たちを振り返る。
「あア、そうだ……お前らよぉ。今から「闇」ばらまくから、お前らもこの闇を有効活用しな。海賊なら、カトラス構えての闇からの奇襲は余裕だろ?」
 エンパイアの特色を色濃く残す富嶽島の海賊たちが持つ刀剣は刀が殆どだったが、その意味を誤解する海賊たちなど此処に一人も居はしない。
「烏合の衆呼ばわりされたんだ。カラスみてぇな黒い闇に紛れて、たっぷりお見舞いしてやれよ。お前らの、その怒りってのをな!」
 ――おおおおおおっ!!
海賊たちの雄叫びが陽が落ちかけて、朱に染まり始めた大空に響いた。
空中を飛び、サライはフランソワーズの乗る「桜花」の船に乗り移る。彼の手にした黒鉄刀からは闇が溢れ出続け、彼の後ろに続いて接舷し突撃をかけてくる海賊たちの姿がかき消される。
「この近さなら、お得意の砲撃は出来ねぇだろ!!」
『ええ、ええ、全くその通りですわね。ですけれど――』
 黒の刃でもって斬りかかる。フランソワーズの手の中が煌めきに満ち、次の瞬間には彼女の手の中にあった大鎌の柄によって、刃が受け止められる。
『わたくし、こういうことも出来ましてよ?』
 ぎりぎりぎりと刃が軋り合う。サライが逆の手に白銀の刀を持ってフランソワーズの両目を狙えば、くるりと踊るように翻ったフランソワーズが再び大鎌の柄で白銀刀を弾いた。
サライの頭の中、コンピュータ並みの演算を可能とするその頭脳の中からその瞬間瞬間の最適解を導き出し、黒の刃が、対になる白銀の刃が、闇を撒き散らしながら閃く。フランソワーズの手には大鎌が一本。対してサライの手には黒鉄刀、白銀刀の二刀。サライが使い続けているユーベルコード【無謀な千本刀の白黒人形(レックレス・モノクローム)】は相手の武器より自分の武器の数が多ければ、という条件の元で正しく効果を発動するもの。効果は確かに出ている。出ているのだ。ただ、フランソワーズは七大海嘯「桜花」の大艦隊を統べていた者。彼女が、単純に強いのだ。けれどサライの演算結果は、このままの鍔迫り合いを良しとしていた。何故なら、何故なら――
「おおおお、らぁぁぁっ!」
 黒鉄刀でもって斬りかかる、既にそれが撒き散らした闇によって甲板の上は夜よりもなお黒い闇に満ちている。フランソワーズは大鎌を翻し、サライの黒鉄刀を受け止めて――
――ずぶり。
『……え?』
 彼女の胸から、刃が生えていた。それは既に船に乗り込んでいた、海賊の刃だった。
『そん、なっ……もう、ここまで……来ているなんてっ!!』
 ごう、と炎が渦巻く、それは富嶽島の海賊を纏める羅刹、弥三郎の炎で。
「喰らいやがれェェッ!!」
 フランソワーズの体が燃え上がる。そこへ向かって骨を砕くか如き勢いでぶちこまれるバトルアンカー。何もかも、サライは知っている。一度彼ときっちりと手合わせしているからこそ、彼の実力が信用に値するものだと理解している!
『ぐ、ぅ、うぅっ……こんな、こんな……!!』
 フランソワーズが大鎌を滅茶苦茶に振り回す。それは闇の中で風を切るばかり。サライが黒鉄刀によって撒き散らした闇に徐々に目を慣らしていった海賊たちには、闇はもはや恐れるものではない。
 背後からフランソワーズの心臓を刺し貫いた刃が引き抜かれ、飛び散った鮮血が甲板を濡らす。その赤もこの闇の中では見ることはかなわない。
『わたくしに、このような……!』
 大鎌の描く軌道を読み、サライは叫ぶフランソワーズに肉薄する。今だ闇を溢れさせる黒鉄刀でもって、今度は正面から心臓に刃を。正確な演算によって導き出された太刀筋は、肋骨の間を綺麗に滑って心臓を貫いた。
「は、どうだよ。お前が「烏合の衆」って呼んだ奴らの刃の味はよぉ?」
 びしゃりと返り血で顔の半分を真紅に濡らしながら、サライは皮肉めいて笑った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヨウ・ツイナ
フォルティス殿の『船底プラズマ放射砲』を集中砲火させるには蒸気船の足を止める必要があるでござる。そして、内部の火力を上げてコミュニ殿のサポートもする必要があるでござるな。弥三郎殿、配下の者をお借りしたい。艦内の制圧と、船周辺の機動力になっている装置…外輪装置かプロペラかはわからぬがそれを破壊していただきたい。私は艦内の制圧に向かう、そちらはお願いしたい。

艦内では通路の曲がり角などの出会い頭に氷刀・胡蝶を使って早業を披露してくれる。目指すは石炭などが保管されている機関室でござる。

制圧したらば、可能な限り燃料をくべてくれるでござる。過剰な蒸気が煙突から噴出するでござろう。さぁ、撤退するでござるよ。


フォルティス・ワーライン
航宙駆逐艦『鬼やらい』を蒸気船の上空まで移動させるぞ。
そして航宙艦用『船底プラズマ放射砲』のエネルギー充填を行う。奴が空中に来るようなら航宙艦用『対空対地パルス機銃』で叩き落してやる。こちらはエースパイロットだぞ。

海底まで見えるようなプラズマの照射で焼き尽くせば、力尽きるとは思うが問題は相手の機動力の高さだ。さすがに大人しく当たってはくれないだろう。

奴を蒸気船に固定しろ。そして全員急いで脱出するんだ。俺が奴を浄化してやる。

俺達の敵が迫りくる浄化の炎(航宙艦用『船底プラズマ放射砲』)から逃れられはしない。お前たち『桜花』ですらその例外ではない。この狼煙を宣戦布告と捉えろよ。


クリスタル・ファイアヘッズ
『船底プラズマ放射砲』なら、跡形もなく残らないでしょうね。元々は地上の構造物を全て溶かす為の代物ですから。

私は『光翼のフランソワーズ』とやらが空中に逃げてしまわないように叩き落とさねばなりませんね。

常に光学迷彩発生装置とジェットアーマーを起動し、空中に待機。目標が上空に出るようなら、ビームナイフによる攻撃か手持ちプラズマグレネードを吸着させ蒸気船の甲板にたたきつけるようにします。フォルティスさんの『鬼やらい』とは常に連携を取り合い、誤射されないようにしましょう。

コミュニさん、甲板の一部です。はがしてきたのでこれを煙突の中に入れてください。(強引略奪)

さぁ、逃げますよ!


サジー・パルザン
こまけえこたぁ、しらねえな!
フォルティス、奴を叩き潰せばいいんだろうが。海賊共、奴が空に出ないように足止めをしろよ?

敵のUCなど使わせるものか、こちらを見ろ!(毒気抜き)
さぁ、やり合おうぜ。怖いのか?俺から手だしてやるぞ?ルーンアックスを奴に投げつけて動きを封じてやる。寒さに弱いのか?筋肉が足りねえ!ひ弱すぎるんだよ!ハチェットも投げつけて食らわせてやる。デーンアックスでさらにたたきつけてやる。コミュニ、あとはお前の出番だろう。

やべえ、さすがにあの火力に巻き込まれたらたたじゃ済まねえぞ。
フォルティスに誤射される前に全員、海賊船に戻れ!可能な限り離れろ!


コミュニ・セラフ
私は『光翼のフランソワーズ』とやらが『船底プラズマ放射砲』に焼き尽くされるまで足止めすることですに。

サジーにもらったこのチャンス、空中に逃がすつもりはないに!怪力を持って敵の足を掴み 絶対に 逃さないに!ヨウが恐らく煙突に細工をしているみたいなので、私もろとも煙突の中に突っ込んでやるに!何かしてくるならもう片腕で黙らせてやるに。
煙突の様々な仕組みを破壊して、エンジンルーム間近まで引きずってやるに。私にとってこれぐらいはへでもない。私の耐久力をなめるでないに(阻止不能の耐久力)

クリスタルにもらった甲番の一部を煙突に突っ込んだら・・・。あとは逃げるに!クリスタルも急ぐに!



●富嶽島海戦~天からの一撃~
「とうとう出てきやがったな、あのひょろっちい女が親玉か」
 斧を構え直したサジーの言葉に、ヨウは注意深く光翼のフランソワーズから感じる圧力を感じ取りながら言った。
「サジー殿、なれどあやつはこの大艦隊を指揮していたもの。見た目通りの強さとは思わないほうが良いでござる」
「あの女の纏う気配、確かに只者ではありませんに……どうしますかに?」
 そこへ、上空に位置どった航宙駆逐艦「鬼やらい」の中にいるフォルティスから全員に通信が入る。
「――鬼やらいの「切り札」を使うぞ。だが、それには問題がある。まずはあの女を船に釘付けにしてくれ。照準をきっかり定めないといけないからな」
「了解しました、フォルティスさん」
「はっ、こまけぇこたぁ俺にはわからねえお前の分野だが、フォルティス――要は、奴を叩きのめせばいいんだろうが!」
 そう言ってサジーは振り返る。そこには富嶽島の海賊たちが、頭領である弥三郎を筆頭に揃っていた。
「お前ら!あの女が空に出ないようにしろ!出来るな!?」
「任せろ、足止めに長けた奴が何人かいる!」
 バトルアンカーを担いだ弥三郎が部下たちを振り返る。おおおおおっ!!海賊たちの雄叫びが、大海原に響き渡った。
「弥三郎殿、私からもお願いがあるでござる。配下の者をお力をお借りしたく」
「おう、なにをすりゃあいい」
「艦内の制圧に人手が必要にござる。それと、船周辺の機動力となっている装置……外輪装置かプロペラ式かはわかり申さぬが……」
「ありゃあ外輪蒸気船でさぁ」
 眼鏡を掛けた海賊が口を挟む。ヨウには見覚えがあった。最初にこの島に出迎えられた日、机に向かって難しい顔をしていた図面引きの男だ。
「成程。それを破壊していただきたいのでござるよ。私は艦内の制圧に向かうゆえ」
「おう、わかった。俺たちは外からあの艦を壊しゃあいいんだな?」
「左様にござる。ただし、あの親玉を船からは出さぬようにのみ念頭に置いておいていただきたく!」
「任しときな!他でもねえ、あん時俺たちを助けてくれたのもあんたらだった……そのあんたらが言うことだ、しっかり担ってやらぁ!そうだな、テメェら!!」
「おぉぉぉぉぉおおおおおおっ!!」
 海賊たちが吠える。その声を背に、彼らは駆け出した。たったひとつの目的へ向かって、自らが負うべき役目を、果たすために。

 ヨウは艦内を、海賊たちを引き連れて走る。
船を動かすために働いている、親玉たるフランソワーズが前線に出ようとも手を休めてはいられない船員たち――その全てがコンキスタドール、オブリビオンの異形頭だ。
「はっ!」
 通路の曲がり角、出会い頭の一閃。折れぬことなき氷の刀身を持つ「氷刀・胡蝶」が閃けば、その名のごとくに氷の蝶が舞う。切り飛ばされた異形頭の、その切断面は白く凍りついていた。
ヨウについてきた海賊は、みな船の作りに詳しい者たち。彼らが常日頃乗るサムライエンパイア式の船とは勝手が違うが、どんなところにどんなものがあるかはヨウよりも彼らのほうが詳しい。
「船員は皆コンキスタドール!鏖殺してしまって構わぬでござる!」
「了解でさぁ!」
 怒涛の海賊たちの刃とユーベルコード、そしてヨウの刃とが異形頭の船員たちを切り裂き、血の海に沈め、そして其れさえも凍りつかせる。船内にキラキラと白い氷の結晶が舞った。
「姉御!そこが機関室ですぜ!!」
「承知いたしたっ!!」
 胡蝶が翻り、扉が斬り裂かれる。そこから雪崩れ込んだ海賊たちによって、機関室にいた異形頭の船員たちは瞬く間に制圧される。ばさり、と逃げ出そうとした最後の船員を背後から斬り捨てると、ヨウは海賊たちに指示を出す。
「それでは……ここにある石炭の全て、全てこの炉に焚べてしまうでござる、手伝ってはいただけぬか!」
「力仕事なら任しときなぁ!!」
 小気味良い海賊たちのいらえが返る。フォルティスの「切り札」の為に。ヨウの仕事は、まだ続くのだった。

 甲板のフランソワーズにアックスを叩きつけたのはサジーだった。輝ける大鎌を振りかぶり、光翼のフランソワーズはそれを受け止める。
「さぁ、こちらを見ろォ!!ぅおおおおおおおっ!!」
 雄叫びを上げ、殺気と凶悪な視線を放つサジー。
『なんて野蛮な殿方ですこと……!!』
「この海でその痒い喋り方はやめてくれよなぁ!!オラオラオラ、行くぞぉっ!」
 怒涛のごとき勢いでアックスを振り回すサジー、その首を刈らんと振りかざされたフランソワーズの大鎌が、彼女の手の中で光とともに消えた。サジーのユーベルコード【毒気抜き】の効果が発動したのだ。
「なんだ、怖いのか? 俺から手を出してやるぞ、これでお前は正当防衛だ!!」
 ルーンアックスをフランソワーズに投げつける。フィヨルドの氷で出来た魔法の斧は、フランソワーズに突き刺さり、胸から血を噴き出させた。その血がルーンアックスの冷気の効果で凍りついていく。
『ぐぅ……ぅっ……!!』
「ハーッハッハッハ!!どうした、寒さに弱いのか!? 筋肉が足りねえ!!ひ弱すぎるんだよ!!」
『く……ここは、一度……!』
 甲板から空へと舞い上がろうとするフランソワーズ。しかしその体はある程度上昇したところで何かにぶつかったかのように止まってしまう。海賊たちの足止めのユーベルコードが、彼女を甲板の範囲から外に出さないように拘束していた。
そして、甲板の外には光学迷彩で姿を隠し、ジェットアーマー飛行するクリスタルがいる。フランソワーズが甲板の外に出ようとするたび、クリスタルのビームナイフは彼女を甲板に叩きつけた。
『生意気ですわ!たかだか小さな島しか支配域を持たない海賊の分際で……!』
「そりゃあ違うなァ!あいつらはあの島を支配なんざしてねえ、護ってんのさ、お前らみてぇなコンキスタドールからなァッ!!」
『お黙りなさい……!!』
 起き上がったフランソワーズはその手を煌めかせる。ユーベルコードによる大鎌こそ封じられたものの、彼女にはまだ武器がある。煌氣によって即席で作り出された両手剣によってサジーに突きかかるフランソワーズ。しかしその一撃はサジーの斧に阻まれる。
「テメェの相手は俺だ、さぁ、やりあおうぜ!」
 サジーは更にフランソワーズへ向かってハチェットを投げつけ、それをまるで目隠しのように使ってデーンアックスでフランソワーズの腹部を薙ぎ払った。
『が……ぁああっ……!!』
「さぁ、コミュニ!後はお前の出番だろう!!」
 サジーに追いついたコミュニが、フランソワーズの足を掴み上げる。
『きゃああっ!!何をなさるの!』
「そんなことより、もうすぐ死ぬ心配をするといいですに!」
 コミュニはそう言って笑うと、フランソワーズの足を掴んだまま跳躍し、煙突の中へとフランソワーズを叩き込んだ。いくら海賊たちとクリスタルが上空を固めているとは言え、彼女には光の翼がある。飛んで逃がすわけにはいかない、故にフランソワーズを掴んだまま、コミュニ自身の体もろとも潜り込んだのだ。
今、機関室ではありったけの石炭が焚かれている。その熱された蒸気の出口である煙突からは、過剰と言っていいほどの熱い蒸気が噴出している。その中を、コミュニごとフランソワーズは落下していく。
『ぐぅ、ぅぅぅぅうううううああああああああああ!!!!』
「く……これは、ちとキツイですかに……!」
 熱された蒸気に焼かれ、フランソワーズは絶叫を上げた。ユーベルコードの力で痛みと熱に耐性を得ているコミュニですら、「熱い」「痛い」という感覚が消えたわけではない。
二人分では狭すぎる煙突の様々な部分をハンマーで破壊しながら、コミュニはフランソワーズを拘束したまま機関室まで落下していった。
「コミュニ殿!無事にござるか!」
 機関室で石炭を焚いていたヨウがコミュニへと駆け寄ってくる、彼女とともにフランソワーズを煙突の中に詰め込んでいると、上からクリスタルの声が降って来た。
「コミュニさん。甲板の一部を剥がしてきました。これで、蓋をして下さい」
 落下してくるもはや瓦礫と呼んで差し支えなくなったそれで煙突に蓋をする。これでフランソワーズが飛んで逃げることはもう出来ないだろうと考えてのことだ。
「クリスタル、フォルティスの「切り札」はいつになるに!?」
「恐らくはもうすぐでしょう。ですから、脱出を」
「了解したに!ヨウ、逃げるに!クリスタルも、急ぐに!」
「承知にござる、海賊の皆、今から急いで撤退いたすでござる!」
 フランソワーズを熱された石炭の中に埋ずめると、彼女たちは海賊たちを引き連れ、急いで機関室から船の外を目指すのだった。
 甲板の上でも、サジーが大声を上げる。
「あの火力に巻き込まれたら、ただじゃあすまねぇぞ!!誤射される前に、全員海賊船に戻れ!!可能な限り、この艦から離れろ――!!」

 蒸気船の上空に浮かんだ、航宙駆逐艦「鬼やらい」にて。
フォルティスは計器を見つめていた。サジーが海賊たちに避難を呼びかけた声は、フォルティスのところまで通信を介して届いている。ヨウ、コミュニ、そして彼女たちが連れていた海賊も蒸気船から離れたようだ。
そして漸く、計器が「切り札」のエネルギー充填が終了した旨を告げる。
「クリスタル、避難は済んでるか!あとはお前だけだ!」
「少々お待ちを。3メートル、2メートル、1メートル……危険区域から離脱。離脱に成功しました、フォルティスさん。武運を祈ります」
「任しておけ、俺はエースパイロットだぞ……!」
 切り札――航宙艦用『船底プラズマ放射砲』。「鬼やらい」の船底から放たれるそれが、彼らの「切り札」だった。海底まで見えるほどのプラズマの照射で焼き尽くせば、コンキスタドールも絶命するだろう。しかし問題だったのは、相手――フランソワーズの機動力の高さだ。流石に大人しく当たってはくれないだろう。故に皆の力が必要だった。
「俺達の敵が、迫りくる浄化の炎から逃れられることはない――お前たち「桜花」すら、その例外ではない……!」
 いずれくる「七大海嘯」との大きな戦いへの予感を確信に変えながらも、フォルティスはそのスイッチを押す。
「この狼煙を、宣戦布告と捉えろよ――!!」
 船底プラズマ放射砲が「鬼やらい」から放たれる。それは真っ直ぐ下にある蒸気船へと吸い込まれていった。海水が蒸発するほどの熱と閃光が蒸気船に直撃する。其れはまさに、天からの一撃――。

 光が収まり、海の水が戻ってきたとき、そこにおよそ船と呼べるものは存在していなかった、あったのはただ、海に浮かぶ焼き焦がされた船出会っただろう残骸の破片たち。フランソワーズも絶命し骸の海に還った事が誰の目から見ても確信できる状態だった。

「俺達の、勝ちだ……!!」
 サジーが角笛を吹き鳴らし、海賊の頭領・弥三郎が拳を突き上げて叫ぶ。
富嶽島の海賊たちは勝利の雄叫びをあげた。

 こうして、富嶽島を襲った二度目の災難――七大海嘯「桜花」との海戦は、富嶽島の、そして猟兵たちの勝利として、終わったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年01月26日


挿絵イラスト