●エルフの森は緋に染まり
アックス&ウィザーズ。
その辺境にある神秘の森には、エルフが住んでいます。
部外者は、誰も立ち入ることはできません。森の木々が、迷子にしてしまうからです。
そこで幹部猟書家の1人、チーフメイド・アレキサンドライトは、攻略法を編み出しました。
「燃やしましょう」
「「にゃにゃーん!!」」
アレキサンドライトに返事をしたのは、猫の魔法使いたちでした。
進めないなら、邪魔する木々を燃やしてしまえばよいのです。なんて奴だ。
アレキサンドライトの指示を受け、にゃんこ魔道師たちは、森に火を放ちました。
火元は魔術ではなく、火炎放射器を思わせる装着型砲塔です。異世界ではそれを、アームドフォートと呼びます。
「目指すは世界樹より分かれし聖なる木。燃やし尽くしましょう、にゃんこたち」
「「「にゃっはー!!!」」」
メイドに率いられたにゃんこの炎が、エルフの森を蹂躙していきます。
この非道には、普段はのんびりしているエルフたちも、傍観しているわけにはいきません。
「困った連中が来たようだよ」
「このままじゃ、どれが『背比べの樹』かバレちゃうな」
「それは困るよね」
よっこらせ。
弓矢を、あるいは、魔法の発動体である杖を構え。
エルフたちは、木の上から、侵入者たちを迎え撃つことにしたのでした。
●グリモアベース
よいしょ。
タビタビ・マタタビ(若き猫黒騎士・f10770)は、アックス&ウィザーズの地図を広げた。
そして、愛用の指示棒で、今回の目的地を示す。
「この世界には、エルフだけが住む森がいくつもあるんだけど、その1つが幹部猟書家『チーフメイド・アレキサンドライト』に狙われちゃうんだ」
しかし、エルフの森は、『世界樹イルミンスール』から株分けされた聖なる木の力によって迷路と化しており、侵入者を阻む。
「聖なる木は、ここでは『背比べの樹』って呼ばれてるみたいだね。エルフの子ども達は、この木で自分の背が伸びたか確かめるんだって。アレキサンドライトは、それを探しに来たんだ」
別に、成長を記録しに来たわけではない。
問題は、森に入る事自体が難しい上、どれが『背比べの樹』なのかもわからないということ。
ただ、世界樹の力を受け継ぐ『背比べの樹』は、決して燃えることがない。
アレキサンドライトはその性質を逆手に取り、森に火を放つことで、『背比べの樹』を炙りだそうと考えたというわけだ。
ついでにエルフも焼き払い、オブリビオンとして戦力にしようと企んでいる。
「みんなには、エルフさんたちと協力して、アレキサンドライトたちを追い払って欲しいんだ」
人里から隔絶した生活をしているエルフたちは、若干浮世離れしたところがある。
だが、日頃から不思議な出来事には慣れているため、外から来た猟兵たちのこともすんなり受け入れてくれるだろう。
「何しに来たのか説明すれば、すぐにわかってもらえるみたいだね。不思議生活すごい……」
エルフの住居は、木の上に作られたツリーハウス。
日頃から樹上での行動には慣れているため、その力を借りれば、木の上から、敵を一方的に攻撃することもできそうだ。
「頑張って、にゃんこ魔道師とアレキサンドライトを撃退してね! 森がどれだけ無事かは、みんなの活躍にかかってるんだ!」
そしてタビタビは、むん、と拳……肉球を固めたのである。
七尾マサムネ
当依頼は、幹部(猟書家)シナリオです。
通常依頼と異なり、2章で完結します。
また、リプレイは、オープニング冒頭同様、「~です、~ます」調でお届けする予定です。
●1章
エルフの森を焼き討ちに現れたオブリビオン『にゃんこ魔道師』の軍団と戦います。
今回限定で、アームドフォートのような武器を装備しています。
テンションが高いです。
●2章
『チーフメイド・アレキサンドライト』との決戦に臨みます。
ちなみに、その最終目的は、『大天使ブラキエル』の目論む『天上界への到達』の実現だといいます。
その足掛かりとして、今回は聖なる木の力を狙って、エルフの森に現れたようです。
●今回のプレイングボーナス発生条件(1章、2章共通)
森のエルフと協力して、敵を迎え撃つ。
それでは、皆様のご参加、お待ちしております!
第1章 集団戦
『にゃんこ魔道師』
|
POW : 消失魔法~インヴィジブル~
自身と自身の装備、【幻蝶の群れが包み込む魔法攻撃を受けた】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
SPD : 混乱魔法~パニック・パウダー~
【幻覚を見せ互いを攻撃させる幻蝶の鱗粉】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 相殺魔法~キャンセル・コード~
対象のユーベルコードに対し【反属性の盾となる幻蝶の群れ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:熊木
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「にゃっはー!」
オブリビオンの雄たけびが、森に木霊します。
にゃんこ魔道師のアームドフォートから溢れ出す炎が、木々を焼きはらっていきます。
とたたっ、と、小動物たちが逃げ出します。
「この調子で、森の奥まで行くにゃふっ」
はしゃいでいた魔道師の1人が、突然倒れます。
「仲間がやられたにゃ!」
「誰の仕業にゃ!」
「……エルフでは?」
…………。
アレキサンドライトの指摘に、にゃんこたちは互いに顔を見合わせました。
「確かにここ、エルフの森だったにゃ」
すると、木々の間から、次々と矢が飛来します。エルフの射撃です!
「森から出て行け」
「出て行ってくれると、楽でいいんだけどなあ」
「ボクらが」
姿は見えません。ただ、エルフの声だけが、侵入者たちに降り注ぎます。
ですが、そのくらいの恫喝で撤退するアレキサンドライトではありません。
「森での行動には、エルフに一日の長があります。ですが、木がなくなってしまえば元も子もありません。燃やしましょう」
「「「にゃっはー!!!」」」
再び、火炎が、エルフの森へと浴びせかけられるのです……!
セルマ・エンフィールド
魔道師なのに使うのは火炎放射器なんですね……炎魔法のようなものは使わないのでしょうか。
炎魔法は使わないようですが、あの蝶と鱗粉は魔法によるもののようですね。そうなると近付くのは得策ではありませんか。
助太刀に来ました。一緒に行動しても?
弓で敵を狙うエルフ達に同行させてもらい、彼らと一緒に敵の射程外から見つからないようににゃんこ魔道師たちを狙います。
銃ももちろん持っていますが、今回は弓も持ってきました。敵が複数ならば、これで……!
【霜天弓】を使用、降り注ぐ冷気を纏った矢の雨と『スナイパー』の正確な狙いで敵を射抜きます。
「うにゃっふ」
突然、にゃんこ魔道師が、変な声を上げました。
炎を噴射しようとした樹の前に、セルマ・エンフィールド(絶対零度の射手・f06556)が現れたからです。そりゃあ驚きます。
セルマの視線は、にゃんこの手もとに注がれました。
「魔道師なのに使うのは火炎放射器なんですね……」
「詠唱しなくてもよくて便利だにゃ。アレキサンドライトさまはいいものをくれたにゃ」
セルマは、ひとが堕落していく瞬間を目撃しているのかもしれません。
ぶわっ。
セルマにも、アームドフォートからの炎が吹き付けられました。さっ、と後方に逃れると、木の上に降り立ちます。
「もちろん魔法もあるにゃ!」
にゃんこは、大きな結晶のついた杖を掲げると、たくさんの蝶を呼び出しました。
魔法で生み出された蝶は、不思議な鱗粉を辺りにまき散らします。
近づくのは得策ではありません。セルマは、自分と同じく樹上にいたエルフたちに声を掛けました。
「助太刀に来ました。一緒に行動しても?」
弓を構えて見せるセルマに、エルフは短い沈黙のあと、うなずきました。
「猟兵さん、というものかな」
「こんなに都合よく助けが来ること……もあるよね」
セルマは受け入れられました。
「マイペースというか、仙人のような趣ですね」
「そんな大したものじゃないけど……さあ、やるなら、やろう」
セルマとエルフたちは、あちこちの樹の上に散らばって、敵を包囲にかかりました。
セルマは、蝶も炎も届かぬ距離に身をひそめると、標的を見定めます。
見た所、にゃんこたちはエルフを警戒しつつも、狙いはあくまで木々のようです。
(「炎で足場を奪い、こちらを文字通り炙りだそうという作戦ですか」)
そしてセルマは、エルフの合図に合わせて、矢を射かけました。
エルフの狙いがにゃんこたちに向かうのに対して、セルマだけが、空に向かって弓矢を放ちました。
「にゃふふ、どこ狙ってるにゃ!」
勝ち誇るにゃんこをあざ笑うかのように、天から、たくさんの矢が降り注ぎました。
冷気をまとったそれは、正確な狙いで、にゃんこたちを射抜いていきます。
「凄い腕前だ」
セルマの技量を目の当たりにしたエルフたちが、感嘆します。
矢は全て敵に命中して、1本として木や地面に当たっていません。
「この調子で、森を守り抜きましょう。敵のボスをこちらがあぶり出します」
「よし、やろう」
「手早く終わらせられるなら大歓迎だよ」
どうやら、セルマの助けは、エルフたちにやる気を起こさせたようです。
成功
🔵🔵🔴
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風
はてさてー、迷惑な猫ですねー。
こういう森での戦、私に一任されてるんですよねー。忍びですからー。
誰かの故郷を滅ぼさせてたまるか(ここだけのほほん消えてる)
エルフには案内と援護射撃を頼みつつ、結界術で守りましょうかー。
迷い惑っている間に、指定UC+風属性攻撃のついた漆黒風を投擲。これで傷が付いたらいいんですよー。
私はなるべく近場に隠れつつ…不幸は連鎖しますから、エルフの矢がいいところに刺さったり、重火器故障したり足の上に落としたりするんじゃないです?
「はてさてー、迷惑な猫ですねー」
「なっ、どこからか声がするにゃ! エルフの他になんかいる……?」
にゃんこ魔道師たちが感じ取った気配、そして声の主の正体は、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)です。
木々の間から木霊する義透の言葉に、にゃんこは身を寄せ合いました。
とはいえ義透、この森のエルフ並みにのほほんとした声色なので、にゃんこもまだ強気に出られます。
「姿を見せるにゃ! でなきゃ何か攻撃してみろにゃ!」
「まあまあ、そんなに焦らずにー。こういう森での戦、私に一任されてるんですよねー。忍びですからー。……誰かの故郷を滅ぼさせてたまるか」
「ひっ」
最後だけ、義透の口調からのほほんが消えたので、にゃんこたちは震えあがりました。
「さて郷に入っては郷に従えと申しましてー。もしよろしければー、お手伝いいたしますよー」
「それは助かるね」
「森が焼かれたら困るけど、荒事は面倒なんだよ」
そうしてエルフと協力した義透は、言葉巧みに、にゃんこたちを森へと誘います。
ですが、にゃんこたちを待っていたのは、エルフの歓迎でした。
矢です。矢が降り注ぎます。
矢ごと焼き払おうと炎をぶちまけますが、その先にいたエルフは、不思議な力で守られました。義透の結界です。
攻撃は効かず、道には迷うばかり。にゃんこたちが惑わされている隙に、義透は、『漆黒風』を投げつけました。
駆け抜けること疾風の如し。にゃんこたちは、魔道師のローブを切り裂かれます。
「こ、このくらいの傷、我慢できるにゃ」
義透のいるであろう樹上に、アームドフォートが向けられます。
炎が噴射される寸前でした。
すぽっ。
「!?」
エルフの1人が放った矢が、砲口に飛び込みました。
妖精的魔法を宿したそれは、にゃんこに悲劇をもたらしました。
暴発です。
「うにゃーん!!」
アームドフォートが内側から爆発し、にゃんこを吹き飛ばします。
不幸は連鎖するものです。衝撃に驚いた別のにゃんこは、足に武器を落としました。
「痛いー!」
「こっちも痛いー!」
ごちん。にゃんこの後頭部が別の仲間に激突し、お星さまが見えているところに。
さくっ。エルフの矢が刺さりました。
にゃんこたちの間を駆け巡る不幸、偶然ではありません。全ては、義透のもたらした連鎖する呪いなのです……!
慌てたにゃんこたちは、相反する力……すなわち幸運を招く蝶を呼び出しましたが、後の祭りでした。
成功
🔵🔵🔴
ティナ・ルウ
『ティナも一緒に戦う』
人の言葉を喋るのは苦手ですが、何とか彼らに協力したい旨を伝えます。
エルフたちに樹上から矢を射かけてもらって敵の注意を樹の上に引きつけてもらい、クロックアップ・スピードで加速して木陰などから奇襲を仕掛けます。(暗殺+部位破壊を使って自慢の爪や牙で攻撃します)
魔法の鱗粉は風上から攻撃を仕掛けてできるだけ喰らわないようにしますが、防ぎきれない場合は構わずに突っ込みます。(捨て身の一撃)
相手は、猫の姿をしていても、オブリビオン。
エルフたちには、地の利こそありますが、地力の差で、押し負けてしまいます。
「さあ、エルフも死んで仲間になるにゃ!」
ぶわっ。
にゃんこ魔道師のアームドフォートが、赤い舌……炎で森とエルフたちを舐め尽くそうとします。
「はかない一生だった……まだ1000年しか生きてない」
ホントかどうかわからない遺言は、どっこい、ただのぼやきになりました。
飛び込んで来た獣のような影……ティナ・ルウ(人狐・f19073)によってエルフは体をかっさらわれ、炎を脱したからです。
「これは命拾いしたね」
「ティナも、一緒に、戦う」
エルフの住む森を守る為に。
たどたどしくはありますが、ティナの訴えにこめられた熱意は、エルフたちに伝わったようです。
一旦、手近なツリーハウスに身を隠したティナは、エルフたちに作戦を伝えます。
「……それで、後は、ティナが、何とかする」
「なるほど」
「でもそれじゃあキミが危険だけど、いいのかい?」
こくこく。身を案じるエルフたちに、ティナは、力強く頷きました。
「それじゃあボクらも頑張ろう」
「後で採れたての果物をご馳走するよ」
「!」
エルフの嬉しい申し出に、ティナの狐耳がぴこん、と反応しました。
そしてティナたちは、ツリーハウスを飛び出して、敵に立ち向かいます……!
「そんな時代遅れの武器で、文明の利器にかなうと思ってるにゃ?」
アームドフォートVS妖精の弓矢。
射程も威力も、敵の方が上です。けれど、ティナという頼もしい援軍を得たエルフたちは、少しずつですが、相手を押し返していきます。
「悪あがきもここまでにゃ!」
にゃんこたちの注意が、すっかりエルフたちに惹きつけられたところで、遂にティナの出番が来ました。
「燃えろにゃーげふっ!?」
大事な森の木ごとエルフを燃やそうとしたにゃんこが、切り裂かれました。
一撃必殺、ティナの奇襲です!
自慢の爪が閃くたび、にゃんこは急所を突かれ、倒れていきます。
風のようなティナの速さに、にゃんこたちは、狙いを定めることが出来ません。
「どこから来るかわからないなら、どこから来てもいいようにするにゃ!」
にゃんこは虎の子の……猫ですけど……魔法を唱えて、幻蝶の鱗粉をばらまきました。
けれどティナは、猛然とにゃんこたちに飛びかかります。
「なな、なんで鱗粉が効かないにゃ?」
それはティナが、風を読んでいるからです。
鱗粉の来ない風上から攻撃を仕掛けることで、幻惑を切り抜けているのです!
成功
🔵🔵🔴
ルパート・ブラックスミス
敵陣に飛び込むが、エルフたちは射撃を続けてくれ。
なに、【火炎耐性】のあるリビングアーマーだ、火も矢も大したことはない。
青く燃える鉛の翼で飛翔。
大剣の【先制攻撃】で一当てし、敵が此方を視認したならばUC【現を彷徨う幽騎】を「断続的」に起動。
【空中戦】能力で森林内を飛び、隙を見せた順から大剣で【串刺し】。
【残像】だけチラつかせながら始末して回り、【恐怖を与える】ことで攪乱する。
敵はUCで此方の姿を暴きにくるだろうがそこまで折り込み済み。
当方の行動は丸ごと囮、後は【おびき寄せ】られた敵をエルフたちの矢で一網打尽。【集団戦術】の基本だ。
覚悟せよ、害獣。
木の枝に吊るせば鳥の早贄ぐらいにはなろう。
エルフの森は、ほとんど火に包まれずに済んでいます。
ですが、敵の侵攻はまだまだ止む気配はありません。
森の一角、涼しい顔をしつつも、苦戦しているエルフたちがいます。
チーフメイドの指示で、進軍するにゃんこ魔道師たち。そこに、青い炎が飛び込んできたのです。
「にゃにゃっ!?」
炎は大きな剣で、にゃんこを切り伏せます。
敵陣の中で立ち上がったのは、青い炎をまとった鎧……ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)でした。
「不思議な鎧が来た」
「あれは猟兵さんだ。撃ち方やめ……」
「いや、それには及ばんさ」
とっさに味方の射撃を止めようとしたエルフさんを、ルパートは制しました。
確かに、敵の炎を浴びてもルパートの身は燃える事なく、矢を受けても鎧には傷一つありません。
「炎も、大したことはない」
そう言ってのけるや否や、ルパートの姿が消えていきます。
「にゃにゃっ!? 敵が消えたにゃ!」
それは転移魔法なのか、それとも景色と同化するタイプの魔法なのか。
にゃんこ魔道師たちはなまじ魔法の種類を知っているだけに、ルパートが消えた絡繰りを突き止められずにいました。
「にゃっ!」
突然、魔道師の1人が悲鳴を上げて倒れました。剣で刺された痕がありました。
「あの鎧の仕業にゃ!」
「どこにいるにゃ!」
にゃんこたちが警戒する間にも、透明化したルパートは、森の中を飛び回っています。
木々の間、現れては消える影は、まるで幽鬼のよう。
時折、ルパートの姿はにゃんこたちに目撃されますが、それがかえって敵に恐怖を与えます。
「魔道師をあなどってもらっては困るにゃ!」
味方が次々と倒れていく中、にゃんこたちは本職である魔法を行使し始めました。
幻蝶の群れを呼びます。どんな仕組みだろうと、相反する力を発揮するそれで、ルパートの姿を暴こうと考えたのです。
けれど、敵がそうした行動をとることまで、ルパートは織り込み済みでした。
ルパートを仕留めようと迫って来たにゃんこたちを、矢の雨がもてなしました。
「にゃにゃーっ!?」
ここまでのルパートの行動は全て囮。魔道師軍団は、まんまとエルフたちの射程の内におびき寄せられていたのです。
一気に数を減らした魔道師軍団に、騎士ルパートは宣言します。
「覚悟せよ、害獣。木の枝に吊るせば鳥の早贄ぐらいにはなろう」
「ひいーっ」
幽騎からの死刑宣告は、猟書家の後ろ盾を得たオブリビオンたちをも震え上がらせたのです。
大成功
🔵🔵🔵
神咲・七十
アドリブ・連携お任せ
こっちもあっちもとてもまったりした空気で殺伐としたことをやってますね。
・・・まぁ私も殺伐な空気にするのですけどね(お菓子もぐもぐ)
(UC『制約:征服者』を使用。エルフさん達と一緒に隠れながら、効果範囲内の猫軍団の力を奪い取り弱らせたところを、エルフさん達に攻撃して貰って撃破していきます。)
結構色々やったと思うんですけど、それでも空気はゆるゆるふわふわですね。別に構わないですけど。
(今回の猟書家の人のアレキサンドライトもこんな感じのゆるゆるふわふわ何でしょうか?まぁ、おもしろそうだから手に入れたいというのは変わらないのですが、空気ぶち壊しにするのもなんだかな~と思いますね)
エルフの矢が、生い茂る緑の間を飛び交い。
アームドフォートの炎が、森の草木を燃やします。
そんな殺伐とした戦場に、神咲・七十(まだ迷子中の狂食者・f21248)は立っています。
ただし、殺伐を引き起こしている人たちは、意外と殺伐していません。
「あー、木に飛び火してる」
「うにゃー、尻尾に矢が刺さったにゃ」
…………。
「こっちもあっちもとてもまったりした空気で殺伐としたことをやってますね」
七十は、マイペースなエルフとマイペースなにゃんこ魔道師に、生温かいまなざしを送ります。
「……まぁ私も殺伐な空気にするのですけどね」
もぐもぐ。
お菓子を味わいながら、七十も、殺伐の片棒を担ぎに行きます。
森のエルフさんに接触を図ります。一緒ににゃんこをサツバツしましょうと。
サツバツの部分は表立っては受け入れられませんでしたが、にゃんこを追い払う事には賛成してくれました。
聖なる木、そして七十やエルフたちの姿を探して、にゃんこたちが森を彷徨います。
「大人しく出てこないと、この森がどうなっても知らないにゃ」
大人しく出て行ってもどうにかなるコト間違いありません。
「んにゃっ」
進軍するにゃんこが、急にその場にうずくまりました。
いつの間にか、七十の結界に足を踏み入れていたのです。
「こっ、これはヤバい魔力を感じるにゃ!」
後の祭りです。
にゃんこたちは、血液やら活力やらを結界に吸い取られ、よろよろ猫にされていきます。
そこに、エルフたちの反撃が重なります。
得意の矢が雨あられ。弱った魔道師たちは為すすべなく一方的に刈り取られて行きます。
しかも、にゃんこたちから奪った力で、七十の結界は更に強さを増します。ますます激しく、にゃんこの魂を糧にしていきます。
慌てたにゃんこたちは、魔法で、反作用の幻蝶を呼び出します。
お陰で七十の結界からは逃れられましたが、エルフの矢を防ぐことはできないので。ばったばったと倒れました。
死屍累々。
倒れたにゃんこたちの体は、森の肥やしになることもなく、骸の海へとただ還っていきます。
「ありがたいなあ」
「後片付けが大変だからね」
割と平然と、エルフたちが微笑みました。伊達に長生きしているわけではないようです。
結構色々やったはずですが、森の雰囲気はゆるゆるふわふわのままでした。
「……別に構わないですけど」
アレキサンドライトもこんな感じのゆるゆるふわふわ何でしょうか?
七十は色々と思いました。お菓子を食べながら。
大成功
🔵🔵🔵
木元・杏
成長の記録はとても大切な行事
その中でも背比べは、目で見える成長の証
わたしも家の柱で背比べしてる
…最近負けてるのがとても悔しいけど(思い出し、ぎり、と歯軋り)
……(こほん)
背比べの樹、わたしにも守らせて?
透明の大鷹に乗り樹上からエルフさん達に語りかける
エルフさん達の矢と大鷹で連携プレイ
わたしがにゃんこ達を撹乱するから、樹上から矢を放って?
大鷹に乗り、にゃんこ目掛けて突撃
四方八方飛びながら、にゃんこ達を広めの場所に誘導してく
にゃんこが透明になっても物音が聞こえる
第六感を働かせて気配も感じとる
火炎は木に向かって灯る陽光からオーラを放ちオーラ防御
燃えない木…背比べの樹?
見つけたら跳返の符を貼り守る
透明だけど、確かにいる大鷹の背に乗って。
木元・杏(きゅぴん。・f16565)は、このエルフの森のどこかにある『背比べの樹』に思いを馳せました。
成長の記録は、とても大切な行事です。その中でも背比べは、目で見える成長の証。
「わたしも家の柱で背比べしてる。……最近負けてるのがとても悔しいけど」
ぎり、と杏は歯ぎしりしました。
思いを馳せることは、よいことばかりではないようです。
そんな杏の様子を、エルフたちが遠巻きに観察しておりました。
生暖かくもあるまなざしで、杏を見守っています。
「まあ、成長で一喜一憂できるのも、子どもの特権だよ」
……励まされましたか?
「…………」
こほん。
「……背比べの樹、わたしにも守らせて?」
「構わないよ」
「あれはね、長き時を生きる我々にとっては大切な、新たな世代の象徴だもの」
何事もなかったかのように、エルフたちは杏を味方に迎えました。
隠れ家的ツリーハウスで作戦会議を済ませたら、いざ出陣です!
にゃんこ魔道師たちが、木々に炎を放ちます。
「聖なる木はどこにゃー!」
「命が燃える様はテンションアガるにゃー!」
完全に悪党の台詞です。
そこに飛来したのは、大鷹の杏です。『灯る陽光』から発したオーラが、木々を燃やす炎から守りました。
杏は勢いもそのままに、にゃんこの群れに飛び込んで、攪乱します。
「うにゃにゃっ!? 邪魔するにゃ!」
「猫が飛べないと思ってなめたらいかんにゃ!」
四方八方を飛ぶ杏は、にゃんこたちに追いかけられます。
風を切って、木々の間を抜けた杏は、広場のような場所に出ました。
そして、後続のにゃんこが飛び出したところを、エルフたちの矢が出迎えました。
狩人たるエルフの弓矢の腕は折り紙付きですから、肉体派ではないにゃんこたちは次々とハントされて行きます。
ここまでは、杏の作戦通りです。
「にゃっふっふ」
なぜか、にゃんこが不敵に笑いました。
「弓矢が上手でも、標的が見えなければどうしようもないにゃ!」
すると、魔道師たちの体を、幻蝶が覆い隠していきます。
やがてその姿は森の景色に溶けこみ、杏の周囲には、一見、誰もいなくなりました。
ですが、
「音までは消せない」
エルフが杏たちを導いた場所は、草の生い茂る場所でした。
「にゃっ」
「静かにするにゃ」
「お前にゃ」
アームドフォートを構えても、杖を構えても。
何かするたび、何かしら音を立ててしまうにゃんこたちを、杏とエルフが連携プレイで撃退していくのでした。
大成功
🔵🔵🔵
パルピ・ペルポル
にゃんこの皆さん、わたしの迷いの森にようこそ(UC発動済み)
お帰りになるなら道案内でもしましょうか?
ま、せっかくきていただいたことだし。
お帰りになる前にもふもふさせていただかないと。
この迷いの森は燃やしたところで出られはしないのだから。
UCで森を相殺してもその向こうはまた森。またUCで呼び出せばよいだけだし。
エルフの皆さんにはにゃんこが見えたら弓を射掛けるように事前に伝えておくわ。
当然のごとく木々の間に糸を張っておくわ。
それで絡めとったところに穢れを知らぬ薔薇の蕾も投げてきっちり動きを封じてから、気が済むまで思う存分もふもふしてそのまま糸でさくっと切り裂いて退治するわ。
「にゃんこの皆さん、わたしの迷いの森にようこそ」
燃やしやすそうな木々。
その密集地帯に進軍したにゃんこ魔道師を出迎えたのは、パルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)でした。
「ちっこいエルフがいるにゃ!」
「ちっこいエルフがいるね」
「いや、エルフさん、オブリビオンに乗っかっちゃダメでしょ」
ついうっかりにゃんこたちにうなずいてしまったエルフに、パルピがやんわりとツッコミを入れました。
ともかく、です。
「大人しくお帰りになるなら道案内でもしましょうか?」
「聖なる木の場所を教えてくれたら考えてもいいにゃ!」
徹底抗戦の構えをみせる魔道師軍団に、はあ、とパルピは溜め息をつきました。
「ま、せっかくきていただいたことだし。お帰りになる前にもふもふさせていただかないと。この迷いの森は燃やしたところで出られはしないのだから」
「も、もふ……?」
首を傾げるにゃんこたちの元に、別働のにゃんこたちが駆け付けてきました。
「この森、もっと複雑になってるにゃ!」
「何でいきなり……はっ」
にゃんこの1人が、気づきを得ました。パルピを見ます。
勘のいいにゃんこは嫌われそうですが、まあそこはそれ。
「さてはお前の仕業にゃ!?」
「そうよ。ここはもう、群竜大陸の迷いの森と同じ。どうしたってもふもふされるしかないの」
パルピに運命を握られたからと言って、はいそうですにゃと応じるにゃんこ魔道師ではありません。
「我々が魔法使いだってことを忘れてもらっちゃ困るにゃ」
何やら魔法を唱えると、幻蝶が舞い踊りました。
森のあちこちに飛んで行って、パルピのユーベルコードを相殺しようとします。
「こんな幻惑なんて……あれ、また戻って来ちゃったにゃ」
一応パルピの迷路は解けましたが、元々不思議な力を持つエルフの森パワーで、迷い路は健在なのです。
「くそーっ、やっぱり燃やすにゃ!」
「私たちのことも忘れてもらっちゃ困るね」
木々の上から、無数の矢が飛んできました。あらかじめパルピとタイミングを打ち合わせていた森のエルフたちです。
慌てて尻尾を巻いて逃げ出そうとするにゃんこたちですが、その体は糸に絡めとられました。パルピの張り巡らせていたものです。
更に、『穢れを知らぬ薔薇の蕾』に縛られ、自由を失ったにゃんこたちを……パルピはもふもふしました。
それはもう、気が済むまで。
「にゃううう、離せにゃー!」
「なんていい触り心地。ステキだったわ」
すぱっ。
もっふりにゃんこの尻尾を名残惜しそうに手放したパルピは、容赦なく糸でにゃんこを退治するのでした。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『チーフメイド・アレキサンドライト』
|
POW : カラーチェンジ
対象の攻撃を軽減する【赤紫色のボディ】に変身しつつ、【100発/秒で弾丸を発射するガトリング砲】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD : メイドの嗜み
【カラーチェンジした腕】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、カラーチェンジした腕から何度でも発動できる。
WIZ : 掃除の時間
【ガトリングからサイキックエナジーの弾丸】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
イラスト:サカサヅキミチル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠月夜・玲」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「猟兵とは実に手ごわいものと判断しますわ」
あえなく骸の海へと還っていくにゃんこ魔道師たち。
それを見送ったメイド姿の女性……チーフメイド・アレキサンドライトが、いよいよ前線に登場しました。
構えているのは、にゃんこたちが携えていたものより幾分グレードの高いアームドフォートです。
「ここからは1人でお相手する事をお許しくださいな。一騎当千、これもまたメイドのたしなみですので。ご安心を、最善を尽くしておもてなし致しますので」
じゃきん、と構えたアームドフォート・チーフメイドカスタムが、エルフを、森を狙います。
「敵は1人か。でも」
「さっきの猫たちを合わせたよりもずっと強そうだ」
「これは面倒だなあ」
のんびりにこにこ、エルフたち。
しかし、その弓は、油断なく構えられています。割と本気です。
「さあ、大人しく聖なる木へとご案内しやがりくださいな」
「『背比べの樹』は、まあまあ大切なものなんだ。それに手出ししようというのなら……容赦しないよ?」
メイドとエルフ……そして猟兵。
聖なる木、『背比べの樹』を巡る戦いは、今、クライマックスを迎えるのです……!
馬県・義透
引き続き『疾き者』
ここのエルフ…気質が似てるんですかねー?
あ、援護射撃、お願いしますー。防御の結界術かけ直しますねー。
さて、まだ樹上にいますしー。この指定UCに呪詛+風属性攻撃を乗せて投擲ですねー。関節に当たればいいんですがー。
コピーされてもいいんですよー。だって、知られている彼女だと、効力は失くなるんですから。
ま、それは私もですがー。そこからは漆黒風を近接武器として使用するんですよー。
防御は四天霊障での三重属性(氷雪、炎、重力)オーラ防御ですねー。ええ、内部にいる三人の援護ですよー。
そう、燃やさせはしない。ここはエルフたちの故郷なのだから(のほほん消えてる)
チーフメイド・アレキサンドライトが、聖なる木を目指して闊歩する森で。
『疾き者』が表に立ったままの馬県・義透は、敵から離れたエルフと共に、身を潜めていました。
「ここのエルフさん……気質が似てるんですかねー? あ、援護射撃、お願いしますー」
「また手伝ってくれるのかい?」
有り難いなー。
笑うエルフに、義透は防御の結界術をかけ直しました。これで、アレキサンドライトの攻撃力にも抵抗できるはずです。
(「さて、相手の索敵能力はいかほどでしょうかー」)
樹上に身を隠し、アレキサンドライトを狙う狩人の一員となった義透が、気配を殺して機をうかがいます。
アレキサンドライトが、油断なく歩みを進みながら、銃火器を構えます。
「包囲しての攻撃、集団の強みですか。ですが、単騎には単騎の強みがあると教えて差し上げますわ」
メイドのガトリングがエルフを蜂の巣にする前に。
義透が手裏剣を投じました。
全くのノーマーク、加えて死角から飛来したそれは、アレキサンドライトのメイド力(ちから)を以てしてもかわしきることはできませんでした。
膝に肘、可動の要である部位を的確に穿たれ、アレキサンドライトのバック転の体勢が崩れました。
「腕のよい射手がいるようです。ならばメイドとしてリスペクトすることに躊躇いはありません」
受け身を取りつつのアレキサンドライトの反撃は、手裏剣の形をしていました。義透の技をコピーしたのです。
よく見れば、片腕だけが赤紫色に変化しています。超過駆動、その限定解放です。
「ずいぶんと器用なことでー」
義透が声を発しました。もう身を隠す必要はありません。
葉の間から身を躍らせ、アレキサンドライトに切りかかりました。其の手には、握った漆黒風があります。
「メイド服に傷をつけようなどと、全く無粋な。『お掃除』しなくては」
「無粋なのはお互いさまではー?」
アレキサンドライトの反撃が来ます。
『静かなる者』、『侵す者』、『不動なる者』。
『疾き者』に、他の三人が力を貸しました。
氷雪、炎、重力。
アレキサンドライトの至近からの反撃は、三重の無念が混ざりあった力によって防がれました。
防御の残滓。義透は、熱で煌めき、重力で虚空に浮かぶ氷の欠片を突っ切り、アレキサンドライトの胸を貫きます。
微かに開かれた瞳、のほほんの消えた光が、オブリビオンを睨みます。
「そう、燃やさせはしない。ここはエルフたちの故郷なのだから」
義透が離れた瞬間。
エルフたちの一斉射撃が、アレキサンドライトをハリネズミにしました。
颯爽とした中にも怒りのこもった矢でした。
大成功
🔵🔵🔵
ルパート・ブラックスミス
気負わず竦まず。悪くない兵だ、頼りになる。
UC【贄伸ばし絶えぬ火手】。鎧から【炎】属性の鉛ロープを射出。
狙うは【武器落とし】、ガトリングに巻き付け【捕縛】。
そんな隙があるかは、エルフたちの援護射撃に期待しよう。
鉛からの炎で【焼却】しオーバーヒートに持ち込む。
冷却する為に攻撃を中断するか無理に撃って最悪暴発か、というわけだ。
後は敵の身体にも巻き付け、【地形の利用】として【怪力】任せに振り回し叩きつける。
見ての通りの森林だ、当てる樹木には困らない。
多勢に無勢だったな。
エルフたちの力を計り違えた己が無能、死をもって噛みしめるがいい。
ティナ・ルウ
真の姿になるとイラストのように全身が毛で覆われるなど、さらに獣に近い姿に変わります。
エルフたちに食べ物を分けてもらっておなかいっぱいになってパワーアップ(フードファイトワイルドモードと大食い)してアレキサンドライトを迎え撃ちます。
さすがにガトリングガンの弾を防ぎきれるとは思えないので、暗殺と捨て身の一撃に部位破壊を合わせて一撃に勝負をかけます。
最悪でもガトリングガンを操作する腕だけでも持って行くつもりです。
そうすれば、他の方たちが攻撃する助けになりますから。
メイド業務の一環として、森を焼こうと試みるアレキサンドライトに、1つの影が襲い掛かりました。
森にすまう獣……ではありません。ティナ・ルウです。
真の姿を現したティナは、全身を毛で覆い、より獣に近い姿へと変わっていました。
四足で自分を威嚇するティナを見て、アレキサンドライトが、首を傾げました。
「にゃんこ魔道師たちと戦って、確実に消耗しているはずですが……なぜそのように元気なのでしょう」
その指摘も、ごもっともです。ティナの全身には、活力がみなぎっているのです。
エルフたちに食べ物を分けてもらったので、お腹いっぱいです。
全身を構成する細胞の一片に至るまで煮えたぎり、暴れたくてうずうずしているのです。
「ぐるるう……!」
「野生の力に、メイドの力が遅れを取るわけにはいきません」
アレキサンドライトが、ガトリング砲を構えました。
その体の色が変わり始めたので、危険を感じたティナは、毛を逆立てます。
「カラーチェンジ完了。殲滅します」
更に速さを増した弾丸が、ガトリングから発射されました。
ですが、ティナもまた、パワーアップした身体能力を発揮して、対抗します。
さすがに、まともに弾丸を受ければ、今のティナでもただでは済みません。
草木の間を駆け巡って敵の弾丸を避けながら、チャンスを待ちます。
「おっと、森の友人を傷つけるなら黙っちゃいないよ」
ティナを守る為、樹の上から、矢が降ってきます。エルフたちの援護射撃です。
ルパート・ブラックスミスは、そんなエルフたちの戦いぶりと気構えを、頼もしく感じておりました。
「気負わず竦まず。悪くない兵だ、頼りになる」
「そう言ってもらえると嬉しいなあ」
エルフは、ふわりとした口調で、ルパートに応えます。それは、長き時を生きるもの特有の、泰然とした態度でしょう。
引き続きエルフたちに援護を任せると、ルパートはチーフメイドへの攻撃に移りました。
「『掃除』の時間を邪魔することは許されないのです」
ガトリングが、サイキックエナジーの弾丸を放ちました。炎とは異なる弾丸が、ルパート自身である堅牢なる鎧に接近します。
ですが、防御力まで無効化されたわけではありません。ガトリングガンの射出をかわし、あるいは受け止めつつ。
ティナやエルフの援護を受けたルパートは、鎧の隙間から、炎のロープを射出しました。
敵の弾道を避けて飛び交った鉛のロープは、ガトリングガンに巻き付きました。
「これでこちらの業務を封じたつもりですか」
アレキサンドライトは、スカートのすそを翻しつつ、ガトリングガンで矢をはじき返し、あるいはバックステップで矢の直撃を避けます。
その隙に、ティナが、一気に攻撃を仕掛けました。
草むらからアレキサンドライトの死角を突いて飛び出します。傷付くこともいとわない、全力のアタックです。
その気迫は、寸前でティナの気配を感じ取ったチーフメイドをも圧倒しました。
そしてティナの爪が、アレキサンドライトの腕を切り裂きます。
大きく重いガトリングを支える腕、その1つを奪い取ることこそ、ティナの狙いだったのです。
「片腕でもガトリングガンくらい、扱えなければメイドとは言えません」
アレキサンドライトが、涼しい顔を装います。
ですが、だらり、と垂れ下がった片腕を見て、ティナは、自分の攻撃が上手くいったことを確信しました。
無事な片腕に力をこめて、ルパートの束縛を解こうとするアレキサンドライト。
ですが、ガトリングが、突然燃え上がりました。
ルパートの鉛から発せられた炎が、その砲身を焼却し始めたのです。
「どこまで耐えられるかな」
「耐えて見せましょう、メイドの誇りにかけて」
ルパートによって高められる熱エネルギーと、ガトリング砲の耐熱性がぶつかり合います。
ですがその熱はアレキサンドライトにも及ぶ勢いで、ガトリング砲を徐々に赤熱化していきます。
「どうする? このまま根競べを続けて、ガトリングの暴発を招くか?」
「…………」
静かな戦いですが、先に根を上げたのは、アレキサンドライトの方でした。
オーバーヒートを回避するため、白い蒸気を噴出させつつ、攻撃を停止したのです。
排熱に移るアレキサンドライトを、ルパートは逃しません。
火のロープを、敵の体にも巻き付け、拘束します。
そのまま振り上げると、地面に叩きつけます。
それでもガトリングを手放す事のないアレキサンドライトの体を振り回し、辺りに生えた木々にぶつけていきます。
ここは森林です。当てる樹木には事欠かないのです。
受け身を取りつつも、アレキサンドライトの体は、少しずつ損傷しています。
「多勢に無勢だったな。エルフたちの力を計り違えた己が無能、死をもって噛みしめるがいい」
一方的に攻撃を受け続けるアレキサンドライトに、ルパートの言葉は厳しく響いたに違いありません。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
セルマ・エンフィールド
前章に引き続きエルフ達と隠れながら木の上にいます。
狙撃を防がれないようにするには敵の気が緩んだ隙を狙うのが楽です。なので無理に狙わず機を待つ方が成功率としてはいいのですが……あちらは放っておけば森を焼くつもりですし、そうも言っていられませんね。
「フィンブルヴェト」を手に敵を狙撃するのによいポイントに案内してくれるようエルフ達にお願いします。
【凍風一陣】の弾速は手持ちで最高、そうそう防がれるつもりもありませんが……打てる手は打っておきましょう。
エルフ達にも遠距離から矢で一斉に攻撃してもらうようお願いし、敵がそれに気を取られている隙を見逃さず『スナイパー』の技術で撃ち抜きます。
木元・杏
メイド…最善を尽くしてのおもてなしとは流石。
メイド道を知り尽くしている、強敵(ごくり)
エルフさん達、わたし達も目一杯のおもてなしを全力でお受けしよう
そしてまあまあ大切な背比べの樹を…まあまあ?
ん、守ろう
メイドにはメイド
いでよ、くーるびゅーてぃ(CB)
疑うまでもなくメイドは最強
更にうさみん☆とのツインズ、最強が二倍
肉弾戦で参る!
うさみん☆が目潰しすればその隙にCBが華麗にキック
CBに対象が移ればうさみん☆がパンチ
連携プレイでダメージ与えつつガトリング砲の攻撃の邪魔をする
メイド達が注意を引き付けてる間に、エルフさん達、射て?
ふふ、メイド達の熱き闘いは素敵
是非エルフさん達も着てみるといい(拳握り力説
「……どこに行きましたか」
アレキサンドライトの視界から、エルフと猟兵が消えました。
攻撃もやんでいます。
チーフメイドは、警戒態勢を取ったまま、しかし前進します。
「奇襲の構えですか。ならば森ごと燃やしてしまえばよいだけのことです」
それを樹上で聞いていたセルマ・エンフィールドは、厄介を覚えました。
森を人質に取られては困ります。
狙撃を防がれないようにするには、敵の気が緩んだ隙を狙うのが楽です。
無理に狙わず、機を待つ方が成功率は高くなるというものですが、アレキサンドライトが森を焼き払うというのであれば話は別になってきます。
そこでセルマは、エルフにお願いして、よい狙撃ポイントへと案内を受けていました。
フィンブルヴェトを携え、敵が攻撃に移らぬかうかがいながら、狙撃準備を整えます。
射手にとって、手数が多いことが最善とは限りません。
一発で、確実に、敵を仕留める。それに越した事は有りません。
それを成功させるためにも、セルマは、エルフたちの力を借りるのです。
「私はメイド。いかなる状況でも他者をもてなすのが使命でございます」
そう断言するチーフメイドに、木元・杏は見入っておりました。敵ながら、決意と 覚悟に満ちた勇姿に。
「メイド……最善を尽くしてのおもてなしとは流石。メイド道を知り尽くしている、強敵」
ごくり。
「エルフさん達、わたし達も目一杯のおもてなしを全力でお受けしよう。そしてまあまあ大切な背比べの樹を……まあまあ? ん、守ろう」
ばっ、と、やる気に満ちて振り返った杏に、エルフたちが「おー」と拳を振り上げました。
「さあ、パーティの時間と参りましょう、我が演出をご覧ください」
セルマたちをもてなそうと、アレキサンドライトの炎の宴が始まります。
ガトリング砲が、破壊の音を奏でて駆動します。
「そうはさせないよ」
エルフたちが、反攻に出ました。
身を隠した樹上から、矢を一斉に射かけたのです。
セルマにも、その矢がただの矢でないことがわかります。
ユーベルコードには及ばずとも、聖なる木の加護、そしてエルフ自体の妖精魔力が宿っていますから、オブリビオンに対しても足止めの効果は確実でした。
「この程度の矢でメイドボディが傷つくとしてもたかが知れていますが……自慢の衣装が汚れてしまうのは我慢なりません」
メイド服はメイドの魂。
アレキサンドライトの狙いが、セルマたちのいる樹上に移りました。
吐き出される炎弾が、森を焼き払う寸前。
一発の銃弾が、アレキサンドライトを撃ち抜きました。
セルマの手持ちで最速を誇る弾丸でしたから、さしものメイドの動体視力をもってしても、その弾道を捉えることなど無理な相談でした。
セルマの弾丸は、容赦なくメイド服はもちろん、メイドの体躯をあっさりと貫通しました。
それだけでは終わりません。
弾痕から氷気が迸ったかと思うと、アレキサンドライトの体を、瞬く間に凍てつかせたのです。
一陣の風の如き一射。セルマの狙撃は確実に、アレキサンドライトの命にも届くダメージを与えたのです。
それはセルマの技をコピーする暇など与えないくらい、鮮やかでした。
「そちらが守るのなら、こちらは燃やすまでのコト」
アレキサンドライトのガトリングが、セルマたちをロックオンします。
こうなれば、メイドにはメイド、です。杏が、最後のダメ押しの援軍を呼び出します。
「いでよ、くーるびゅーてぃ」
杏が両手を掲げると、空から光が降り注ぎました。
擬人化うさみみメイドさん、降臨です。
メイドさんの力は、杏の心の力の写しです。ですが、メイドさん最強説、疑う余地はないので、実際、最強です。
そうして呼ばれたCBの肩に、小さきうさみみメイド・うさみん☆が乗りました。力が合わされば、二倍にも三倍にも。
メイド大戦がはじまりました。
「チーフの名に恥じぬ戦いを披露いたしましょう」
アレキサンドライトの蒼かった体の色が、変化しました。相手も本気です。
速さを増した炎弾が、乱射されました。
けれど、杏のメイドさんたちもさるもの。
メイド流の体さばきで弾雨を切り抜けると、肉弾戦を仕掛けます。
アレキサンドライトの上がった防御力も、瞳にまでは及びませんでした。
「!!」
うさみん☆の目潰しが決まります。その隙に、CBのキックが炸裂しました。
「確かに、メイドが集まれば可能性は無限大。ならば、その繋がりを断つまでです」
アレキサンドライトは、CBに狙いを定めました。
先の戦いで負傷した腕を鞭打って、ガトリングを連射です。
メイドの連携プレイが、チーフメイドのメイド力を押し返していきます。虎の子のガトリングも、ムダ撃ちになったり、そもそも狙いを定められなかったりしています。
反対に、木の枝を渡り歩いたうさみん☆のパンチが炸裂します。
メイド対メイドの戦い。
「メイド、話には聞いていたけど、凄いな」
チーフなメイドの方に矢を射かけつつ、エルフたちは感心しました。
「ふふ、メイド達の熱き闘いは素敵。是非エルフさん達も着てみるといい」
拳をぐぐっ、と握り、おすすめ力説する杏。
「着て……みる?」
「あの子なら?」
エルフたちが、森一番の美人を振り返りました。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
サジー・パルザン(サポート)
『いつか、命果てるまで。』
人間のバーバリアン×海賊、27歳の男です。
普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、戦闘中は「粗暴(俺、てめぇ、だ、だぜ、だな、だよな?)」です。
勇猛なヴァイキングであり、死を恐れず自身の信念の為に戦います。
敵が攻撃するタイミングで相打ちを狙うことすらある程で、防御より攻撃を。やられるならやり返すといった直情的な人物です。煽りに弱く、自身の筋肉と武器を信じて正面から戦うことを好みます。
敵の数が多ければユーベルコードのヴァイキングの行進を。
強敵であれば巡り合わせに感謝しつつヴァルハラ・アウェイツを行います。
1人のメイドが、エルフの森を蹂躙します。
その名は、チーフメイド・アレキサンドライト。
にゃんこ魔道師団を束にしたより遙かに強い強敵を前に、サジー・パルザン(ヴァイキングの生き様・f12550)は闘志を燃やしておりました。
「猟書家、だったな? メイドでチーフ、そんな強敵に出会えるとは。これも神々の導きか」
クリムゾンウルフバードを掲げたサジーは、アレキサンドライトの銃火の中に突撃しました。
ヴァルハラの神々への呼び掛けとともに、サジーの肉体が大きく、強じんに変わります。神々の加護のお陰です。
「さあ、ここは戦場! メイドも戦士も等しく命を賭ける時間だ!」
「恐れを知らぬ戦士、ですか。愚かですが、その分強い」
「愚か、だと!?」
犬歯を剥き出しにするサジーに見せつけるように、アレキサンドライトもまた、機能を解放しました。
ボディを赤紫色に変化させ、サジーの斬撃をかわしたのです。
「安い挑発に乗っていただき感謝しますわ」
「誇り高きヴァイキングを愚弄した代償は高くつくぞ!」
アレキサンドライトのガトリングが、再び火を噴きます。
その火勢は、先ほどより速く、強力でした。サジーは、身をもって思い知ります。
かといって、退くことなどサジーの頭にはありません。
炎には炎。炎熱を宿した剣を振るってガトリングの砲火を弾き、前進します。
勇猛ではありますが、反面、向こう見ずとも言えます。
「猟兵さんだけを傷つけさせはしないさ」
奮戦するサジーを放っておけなかったのでしょう、森のエルフたちが加勢しました。
サジーの猛攻に手いっぱいとなっているアレキサンドライトに向け、木の上から得意の矢を浴びせかけます。
狙撃を受けたアレキサンドライトが、後退します。
ですが、エルフの射撃は、すぐに止んでしまいます。
「うーん、このままだと戦士さんにもあたってしまうかも」
「エルフよ、ためらうことなどない!」
エルフの迷いを吹き払ったのは、他ならぬサジーでした。
力強い言葉で、エルフに訴えます。
「流れ弾など、この筋力ではじき返して見せよう。さあ撃て!」
気合一発。
更に膨張したサジーの筋肉を見せつけられたエルフは、再び森を侵略する敵へと攻撃を開始します。
「さあ、その強さ、俺にもっと味わわせてくれ!」
エルフの矢の雨降りしきる中。
サジーは、強敵との戦いに、ますます猛るのでした。
成功
🔵🔵🔴
アウル・トールフォレスト(サポート)
(基本好きにお任せします)
「今日はどんなところに行けるのかな?」
楽観的で感情豊か、夢見る乙女な性格の少女
年相応に無邪気であり、根本が人でない故に残酷
神出鬼没に出現し、気まぐれに歩き回り、楽しげに爪を振るう
猟兵の役割は理解し依頼も一応遵守しようとするが、それはそれとして楽しそう、面白そうで物事を判断し、それを優先して行動する
バイオモンスターの特徴として、肉体は植物の性質を持つ
戦闘では怪力の発揮や身体の巨大化、鋭い爪での引き裂き、捕食等の野性味溢れる攻撃スタイル
理力の扱いも得意で、体表で自生する蔓や苔植物を操り、防御や隠密に罠等サポートも行わせる
アウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)は、エルフの森の中に身を潜めております。
「さあ、森もエルフも等しく焼き払って差しあげましょう」
聖なる木を求めて侵略を行う、猟書家が1人、チーフメイド・アレキサンドライト。
エルフたちの矢は、そのガトリングから放たれる弾丸によって、撃ち落されてしまいます。
「これで仕舞いですか? 掃除のし甲斐がありません」
「お掃除されるのはそっちだよ?」
突然、森に新しい声が響きました。
とっさに、アレキサンドライトが身を引いた時には、メイドエプロンが引き裂かれていました。
それは、樹の上から突然襲撃を仕掛けた、アウルの爪の仕業でした。
「エルフの森を焼く、なんてそれだけ聞いたら楽しそうだけど、とりあえずエルフは守らないといけないしね?」
「猟兵の援軍ですか。では早速ご挨拶を」
アレキサンドライトは、構えたガトリングのレバーを引きました。
弾丸の属性がチェンジします。
「サイキックエナジーの弾丸です。存分に味わってくださいませ」
威力を増した射撃が、アウルに逆襲します。
ですが、アウルは鬼ごっこを楽しむ調子で、森を駆け抜けます。
「うん、やっぱり森はいいね、なんだか調子がいいみたい」
アウルの笑い声が、森に木霊します。
その肉体はバイオモンスター。植物の性質を持つがゆえに。
自然の力に満ちたこの森は、アウルにとって、環境のいい戦場と言えるのかもしれません。
「逃げるのならば、森ごと焼き払うまでですわ」
アレキサンドライトのガトリング、その砲口が、アウルから森全体へとターゲットを変えました。
木に身を隠したエルフの気配が、ざわっ、とざわめきます。
アウルも猟兵ですから、エルフや森を傷付けさせるつもりはありません。
土を蹴って、再びアレキサンドライトに接近したアウルの瞳は、赤く輝いていました。
その身に打ち付けるサイキックエナジーの弾丸は、身に宿る混沌によって弾き散らされています。
「あなたが木々を燃やすなら、こっちはそれより早く爆発させてあげるだけだよ」
「これは……!」
きらり、輝く胞子が、アレキサンドライトにまとわりついた瞬間、でした。
エルフたちが矢を浴びせかけました。それを起爆剤にしたように、アウルの胞子が爆発。メイドを飲み込みました。
「あっはは! 森には楽しい罠がいっぱい。世にもカオスなテーマパークだよ!」
アウルの笑い声が、アレキサンドライトの傷ついた体に打ち付けます……!
成功
🔵🔵🔴
神咲・七十
アドリブ・連携お任せ
結構重要な木だと思うのですが、まぁまぁ程度の認識なんですね・・・
もう、好きにやりますか(お菓子もぐもぐ)
(UC『万花変生』を使用。樹上からエルフさん達に攻撃して貰って接近し、大剣と尻尾の攻撃と地面から木の根を出して攻撃していき)
さっきまでのゆるふわが嘘のようですね
まぁ、やりたい事的にそっちの方がいいですが
(近接攻撃で戦闘をして力を削り取っていき、タイミングをアレキサンドライトの足元の地面から強大な口のような植物を出し、アレキサンドライトを丸呑みにさせて地面に引きずり込み)
これでいけるかな?
(そのまま口のような植物に隷属させる力を付与して、アレキサンドライトを隷属させようと)
神咲・七十は、一見のんびりでも結構マジメな戦いを繰り広げるエルフたちの様子を見ておりました。
「聖なる木の苗木、結構重要な木だと思うのですが、まぁまぁ程度の認識なんですね……」
もぐもぐ。
マイペースにお菓子を食べながら、七十が、樹上のエルフたちに援護を頼もうとしますと、「皆まで言うな」といわんばかりの頷きが来ました。
意志疎通も、年の功という奴でしょうか。
「お菓子より素敵な弾丸をお贈りいたしましょう」
進撃してくるアレキサンドライトに、エルフの矢が射かけられます。
さすがに猟兵の力には及びませんが、それでもアレキサンドライトの速度を落とす事は出来ました。
その間に、七十はユーベルコードを発動しつつ、漆黒の大剣で樹の上から切りかかりました。
とっさに避けるアレキサンドライトですが、背後から伸びて来た七十の尻尾が、メイド服を切り裂きます。
休む暇は有りません。
地面から飛び出した樹の根が、アレキサンドライトの足に巻き付こうとします。やむを得ず、ガトリングを地面に向けて、根を破壊します。
「このままでは、大天使ブラキエルさまに申し訳が立ちませんわ」
「さっきまでのゆるふわが嘘のようですね」
アレキサンドライトは、ガトリング砲を盾や鈍器のように振り回し、七十の攻撃をしのぎます。
ですが、刃が火花を散らすたび、アレキサンドライトの力は削り取られてきます。
やがて、アレキサンドライトの背中が、大きな樹の幹にぶつかりました。
「メイドをここまで追い詰めるとは、見事と言いましょう……」
抵抗を試みたアレキサンドライトが、エルフの矢に視界を遮られた瞬間でした。
足元の土が噴き出しました。下から現れたのは、巨大な口でした。正確には、巨大な口のような器官を備えた植物です。
ばくん。
深淵を思わせる口の奥に、アレキサンドライトは飲み込まれました。そのまま、地面へと引きずり込まれて行きます。
メイドパワーでしょうか、くぐもった声がわずかに響きました。
「……これでいけるかな?」
ぺっ。
隷属の力を注ぎ込んだ後、七十は、植物にアレキサンドライトを吐き出させました。
「どう? あなたのご主人様は誰?」
「それは、神咲様、です……」
意志を失った瞳で、七十を見つめるアレキサンドライト。
ですが。
「はっ、私は何を。危ないところでした」
アレキサンドライトは、本来の主を思い出したようでした。
それでも、七十のお陰で十分な隙が生まれたので、エルフたちは喜び勇んで矢をお見舞いしのでした。
成功
🔵🔵🔴
パルピ・ペルポル
よい感じにもふ分も摂取したことだし。
いやそっちが客なんだからおもてなしするのはこっちでしょうよ。
招かれざる客はお引取りくださーい。
一騎当千というならば、万の敵はどうかしらね?
と予め作ってあった徳用(巨大)折り紙を本来の大きさに切り分けて折った千羽鶴ならぬ万羽鶴を取り出して、有為なる写しで増やしてけしかけるわ。
その隙に以前折ったネズミとか金魚とかピラニアとか猫とかキリン(実物大)とか象(実物大)とかを引っ張り出してこれも増やしてけしかけるわ。
折り鶴やネズミのいくつかに穢れを知らぬ薔薇の蕾を仕込んでおいて、それで敵を拘束したらエルフの皆さんに一斉攻撃してもらうわ。
かさり。
大きな葉の陰から姿を現したパルピ・ペルポルの顔は、ふくふくと血色がよくなっておりました。
にゃんこ魔道師をもふもふして、よい感じにもふ分を摂取した結果です。
「いやそっちが客なんだからおもてなしするのはこっちでしょうよ。招かれざる客はお引取りくださーい」
べーっ、と舌を出して見せるパルピに、アレキサンドライトは表情1つ動かさず、しかしほんのりと不機嫌を露わにしました。
「客である前に私は1人のメイド。もてなされる前にもてなすのが礼儀です」
すとっ。
アレキサンドライトの足元に、矢が刺さりました。お断りの印のようです。
「あら、フラれちゃったみたいね。そっちが一騎当千というならば、万の敵はどうかしら?」
パルピは、用意しておいた千羽鶴ならぬ万羽鶴を、空に投げ上げました。
徳用(巨大)折り紙を、本来の大きさに切り分けて折ったものです。
折り鶴の群れは、パルピの力で複製されて、大群に変わりました。森の空を埋め尽くす勢いです。
アレキサンドライトが、ガトリングを斉射します。弾幕を張って折り鶴を撃墜していきますが、何せ数が尋常じゃないので、なかなか空は晴れません。
その隙に、パルピは、こちらも折り紙で作られたアニマル軍団を野に放ちました。
ネズミ! 金魚! 猫! キリン! そしてピラニア!
徳用折り紙を利用して作られたアニマルズは、実物大です。もちろん、これもパルピのユーベルコードで写して増やして、大軍団結成です。
象(実物大)が、その長い鼻でアレキサンドライトを薙ぎ払いました。
「動物を手なずける程度、メイドにとっては朝飯前です」
アレキサンドライトは、片腕の色を変えました。カラーチェンジの限定発動です。
パルピの転写の力を複製するつもりです。……ちょっとややこしい。
メイドエプロンの中に入れておいたものを増やして反撃しますが、持っていたのはキャンディだけでした。
「おもてなし精神が裏目に出ましたか……おや」
ぽん。
折紙アニマルズの中に仕掛けられた『穢れを知らぬ薔薇の蕾』が、茨を生やしました。
しゅるる。あれよという間に、メイドボディを拘束してしまいます。
「メイドを縛り上げて何をしようというのですか」
「もちろん、この森から出て行ってもらうのよ。さあ、エルフさんたち!」
パルピの号令一下、木々の間から、たくさんのエルフアローが飛び出しました。
エルフたちとアニマル軍団の総攻撃が、遂にアレキサンドライトにとどめを刺したのです。
「おもてなしは、失敗です」
アレキサンドライトは、潔く自分の負けを認め、消えていきます。
地上に降り立ったエルフたちが、お礼を言いました。
「お陰で『背比べの樹』は護られたよ」
「せっかくだから一目見ていくと良いよ」
エルフたちに案内されたのは、森の奥。
他の木々に混じって何気なく立っている一本の樹でした。
太い幹には、幾つも線が刻まれています。ほとんどが古いものです。エルフたちの背比べの印です。
「ボクらの意図をくんでくれているのか、治す事の出来るはずの傷も、残してくれているんだ」
「さすが、聖なる木」
そしてエルフたちは、もしまたこの世界に大きな危機が訪れた時、この聖なる木の力を貸してくれることを約束してくれました。
「そんな日は来ないで欲しいけどね」
面倒くさいから。
そう言ってエルフたちは、それぞれのツリーハウスに帰っていくのでした。
大成功
🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2021年01月20日
宿敵
『チーフメイド・アレキサンドライト』
を撃破!
|