●満天
独々と星の真下に広がった、煌めく人間の『いとなみ』は美しいだろう。眼窩(あな)を埋めるように飛び込んできた光景は『万人』を魅せ、悦ばしい日常を演出するものだ。天蓋(そら)に抱擁されたが如く月は笑い、我々の脳裡に『遅延性』の目眩(ふらつき)を齎す筈だ――しかし毒気を持たないまん丸、今は緩やかに眺めるのみ……。
廃棄された世界観に『争い事』は似合わない。物躯差(ぶつくさ)謂う前に飲み干して終え、彼方側の爛れが『呪詛』を生み落とした。
――寂しい。悲しい。そのループ・コースターは腐れている。
ぐるりぐるり、亡霊がないている。
●グリモアベース
「幻想――怪奇に惹かれる人間は少ないが、美しさに曇る眼球は多いものだ。しかし『止まる』事も『留まる』所以も無い。貴様等はUDCアースで『人々の無知』を守らねば成らぬ。真実に気付いた人間は、ただ価値観を殺されるだけだ」
ロバート・ブレイズは常の如くグリモアを弄りながら君達を『み』た。双眸(するどく)開かれた貌(サマ)は邪悪への否定が宿っている。
「先ずは月光の下、日常(ふだん)を謳歌してほしい。満喫していれば『その内』妙な出来事が起こるだろう。その歪を辿れば何れ『UDC』と遭遇出来る。連中の企ては不明だが、全てを骸の海に還せば大団円だろう――嗚呼。気を抜く事はないだろうが、自身の『正しさ』を失うなよ。最悪、貴様自身が怪物と化す……宜しく頼むぞ」
グリモアが輝いて。
にゃあら
にゃあらです。
光の下で。呪いの上で。
宜しくお願い致します。
第1章 日常
『月光の下で』
|
POW : 大地から景色を眺める
SPD : 舟を漕ぎ湖へ
WIZ : 樹上から星達へ手を伸ばす
イラスト:花海ゆうこ
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
語りに語った神様(ものがたり)曰く、その輝きには気狂いが棲んでいる。きらりきらりと降り注ぐ、湖への垂れ流しは何処か『おそろしい』だろうか。天地が驚愕するほどに『秩序的』な光景、嗚呼、天動説が蔓延るのも仕方がないのだ――君達は船を出して彼方を目指しても良い。君達は地に足をつけて天を讃えても良い。君達は樹の上で戯れつつ、星辰を掴んでも良い……これは冷えた心を見つめてくる、反射の柔らかさ。運の尽きだと嘆くのは未だ早い――立ち眩みは誰の所為だ。
ナギ・ヌドゥー
月が綺麗ですね。
しかし月の光は人を狂気に駆り立てます。
特に満月の日は殺戮遊戯にもってこいの夜になる……
なーんて俗説、信じちゃいませんが
オブリビオン絡みになると何が起こっても不思議は有りません。
奴等はいつも知らぬ間に人の心に侵蝕してくる……。
今のうちに正気でいられる贅沢を満喫しておきますか。
湖畔で星辰を眺めながら月光浴に興じます。
……落ち着かない!
寛ぐ事に寛げない。
やはり月光なんて独りでは楽しめないのかな?
この場を真にロマンティックな光景にするには……
オブリビオン共の鮮血で染めなければならないだろう。
愛憎の類の拷問具(ソウル・トーチャー)に訊ねたとして、あの臓物(造牙)は餌食の末路しか記憶していない。皮と肉のはり憑いた骨々がかたりと謳(わら)い、オマエの囁(つぶやき)を反芻している――月が綺麗ですね――祝福(輝き)に満ち溢れた世界のど真ん中、吐き気がするほどに『反射(すいめん)』浮かび揺れている。俗説を信じちゃいないとオマエは告げたが、ならば『狂気』、ずきずきと這入り込む『衝動』を如何に説明すると謂うのだ。過去。忘却。オブリビオンが絡んでいると『予定調和(な)』れば、機械仕掛け(デウス・エクス・マキナ)を捕縛される他にない。奴等はいつも知らぬ間に人の心を冒涜(おか)してくる……正気でいられる贅沢、嗚々、オウム返しの満月が下々を抱擁し――湖畔、あの星辰が落とすのは緑色の崩壊なのか。月光浴、腐れ果てた屍(にく)の気配、つまりはヨク見える『現実』……?
落ち着かない! 強く・強く表現するのは久方振りだろうか。寛ぐ事に寛げない。孤独(蟲毒)の内には楽しめないと嗤うのか。嘲った月の表面が凸凹ふれている。この場を真、美的(ロマン・ティック)に染めるには――鮮血。
目蓋の裏側、眼球の奥、銀色に膨らんだ鮮血の……。
びしゃり。腸で絆(むす)ばれた運の尽き。
成功
🔵🔵🔴
水鏡・怜悧
詠唱:改変、省略可
人格:レイリ
綺麗な場所。今度は、みんなと来たいな。湖畔に座って、絵を描こう。UDCの液体金属は、怖いからロキに預けて、スケッチブックを取り出すよ。UDCは怖いけど、ロキの羽は綺麗だなぁ。湖上で踊る妖精さん。幻想的な絵が、描けるかな。
人格:ロキ
20cmほどの妖精人形に意識を移します。レイリさんからUDCの液体金属をすべて預かり、湖上やレイリさんの周囲を中心として周辺を警戒。羽を大きめに広げ、UDCセンサーにしてみましょう。呪術はあまり得意ではないので、あくまで気休め程度ですけどね。
絵が完成したら見てみましょうか。UDCを絵に描くのは少々心配でしたが、どうやら普通の絵のようですね
眼球の色彩(ぶれ)を認識した場合、月光の類は貴様を如何に導くのか。綺麗だと『認識』した人格(レイリ)は『皆』の輪郭(かお)を想像(おもい)出している。嗚呼、それでも狂気(よわまり)の粘つきがおそろしい。妖精(ロキ)に液体(くろ)を手渡しして、あの玉虫色(あいまい)な世界観をスケッチ・ブックに写していく――彼方、怪物(UDC)は怖いけれど、踊り回る妖精は美しい。蝶々(はね)を広げてかわかして、自分だけが蛹に想えて仕方がない――幻想的な絵(アイデア)に身を委ねようか。描けるかな。描けるだろう……あんなにも宙が赤いのだから。
意識(じんかく)は機械仕掛け、改造(メカニック)の戯れが如く無音の『園』を踊(と)んで魅せた。触覚(センサー)を広げつつもワン・ツーと緑色。くるくると勝手に遊び始めた『自然照明』、貴様等(たじゅう)の証明とも成れば荒ぶる事も仕方ない――得意ではない呪詛(おまじない)。その頼りなさが淡く、泡く気休めになる――完成したら見てみましょうか。こんなにも天が黄金色……。
十字に裂けた超自然(ルナティック)。
――どうやら普通の絵のようですね。
トリック・スターが君達を観ているのか。
好奇心と少年がとりかえっこ、かごめかごめ。
成功
🔵🔵🔴
数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】
月がとっても青いから、って
古い歌もあったねぇ。
こんなに寒い冬の夜なのに、光はなぜか暖かい。
これだけ見事な満月なんて、早々お目にもかかれないだろ。
これで何も起こらずに、終わってくれればいいんだけどねぇ……
アレかな、対価の前払いかい?
これから起こるあれこれの、せめてもの帳尻合わせ。
それだったならいっその事、相手の一人でも居ればねぇ。
ひとり言ちるよに呟いて、思念の網を広げるよ。
こんな素敵な月の夜だ、人狼じゃなくても
騒ぐ輩が居なくもないだろ。
そいつらにちょいとテレパスでお願いするのさ、
「もうちょっとだけ、この時間と風景を堪能させとくれ」ってね。
蒼々と反射(ひかる)貌(サマ)を観察していれば、何れ自分が『何処』に在るのか判断し難く陥(な)る。古く旧くと掘り下げた歌詞(ことば)、音符を辿りつつも猟兵(ひとがた)揺れた――寒い冬の夜に温もりじみた真下、滴った毒素は肌すらも『くるい』に落とすのか。これだけ見事な満月(うさぎ)の棲家、想々脳裡に入れ混む術は無い。内臓物(もつ)、ひっくり返してお団子だ。何も起こらずに『終い』など日常に失礼だと思わないか――疑問符が星辰の如く『簡単』には揃わない。
プラス。マイナス。そのゼロが為に膨れた『帳尻合わせ』と吐くのだろうか。対価の前払いもしくは大火前の静寂。伸ばした掌(おもい)を何者に届けると謂うのか、投擲した網(テレパシー)、おお、彼方では菌類(ミ=ゴウ)が明滅している。
こんな素敵な月の夜だ――暗渠が下にも楽しみは潜む筈だ。暗澹の擬足(うそ)も容易く暴ける筈だ。発かれた死体はドクドクと『いきもの』の真似事が得意だったか――人狼(ウェアウルフ)、噛み応えの感想(ね)を聞かせてくれ。
騒がしい。脳を左右に引き裂かれる傷みなさ。
――もうちょっとだけ。
この時間と風景を堪能させてくれ――願い事は三度。反芻した酸っぱさが後に残るが、貴様の思惟には関係ないのだろう。蝋燭の焔(わずか)を見つめるように、念じて魅せろようんのつき――がらがらと観覧車(シンボル)が異界(もん)開ける。月の裏側にはテーマ・パークが広がっていた?
成功
🔵🔵🔴
第2章 冒険
『寂れた遊園地』
|
POW : 絶叫系アトラクションの跡を調査してみる
SPD : 屋内系アトラクションの跡を調査してみる
WIZ : 売店、グッズショップ等の跡を調査してみる
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
伽藍洞――芯の抜けた世界観だけが、月の昇る先を認識していた。ツギハギ遊園地(テーマ・パーク)に誘われた貴様等は、ただ微妙(わずか)な狂気に触れている。所以は解せない現状だが『此処』を探索すれば咀嚼出来る筈だ。
あのジェットコースターは錆びている。この回転木馬は腐っているのだ。痴れたテー・カップの巨大さが無人だというのに戯れていく――屋敷の化け物連中は命を忘れ、売店に並んだ物々は蠅塗れ――もしや動いていると思ったのか?
それならば遊んで観給え。
――お客様、おひとりさまで如何ですか。
顔色が悪くなっているのは、月の光の所為。
遊具(アトラクション)どもが牙を剥いている。
ニニニナ・ロイガー(サポート)
ど〜も~
要請を受けて参りました、UDC職員のニニニナとドビーちゃんっす。
よろしくっすよ〜
そんなわけで、どんな触手がご入用っすか?
長い触手に太い触手、幅広触手に細触手。
鋸歯つきのゴリゴリ削れる触手にヒトデみたいな手裏剣触手、
ドリル触手に粘着触手に電撃触手その他色々行けるっすよ。
あるいは溶解液を吐く触手とかご所望っすかね?
麻痺触手に毒触手に石化触手になんなら自白用の催眠触手とか…
後は耐熱耐冷耐衝撃触手に再生触手なんかもOKっす。
マニアックな所だと按摩触手に美肌ローション触手、電脳アクセス触手とかも便利っすね。
あ、触手本体は見えないようになってるので、
一般人が狂気にとか気にしないで大丈夫っすよ~。
丸眼鏡を外さずに『視た』事を安堵すべきだと月が咆(わら)う。彼方側に着地した触手(ドビーちゃん)が目玉を開いて転がすように戯れている。紅(ルビー)じみた回転木馬が夢の領域(テリトリー)を説き伏せて、ただ可視出来る邪気を手繰って魅せた。ああ、おいで、おいで――勝手に走(むか)った友達(ソウル・フレンド)を呼び戻し、不定形が『アトラクション』に接続(つな)がった。
どんな触手がご入用かと無機物に問い掛ければ『返答』在る筈(わけ)がない。螺子と称される内臓や鉄製だろうか孤(いっこ)の部品(ひかり)――解体寸前ならば『粘性』憑き浸けて施せば好い。少々の臭いが気に成るだろうが、元マスコットも歓喜するに違いない。嗚呼、あの血塗れた女の子は幻視ではないのだ。
ビャーッとジェット・コースターと競争しているのは怪物(みなれたこうけい)、蜂蜜(アルコール)の摂取に限度など痴(あ)らず、あの玉座へと一直線か――魔を付与(ねぶ)った感覚が【如何してか】茫々(ひろ)く茫々(ひろ)く。
職員つかいの荒い奴等だ。
言辞(ことば)が思いつかない。
――バイキングは冥王星行き。
成功
🔵🔵🔴
ノエル・フィッシャー(サポート)
『例え全ては救えずとも、誰一人として見捨てはしない』
・経験値が欲しいから、雑な扱いでもいいので採用してくれると嬉しいな。
・【コミュ力】を有効活用出来そうな状況ならば、それを使うよ。なくても目的達成のために最善を尽くすよ。
・ユーベルコードは所持してるものからいい感じのを使うよ。
・他の猟兵との絡みも歓迎だよ。共闘するのなら、ボクは補助に回して構わないよ。彼が技能を使用するのなら、ボクも同じ技能でサポートするよ。
・もし男なのか女なのか問われたら「見ての通り」と答えるよ。モニターの前のキミにも、だよ。
・他の猟兵に迷惑をかける行為、公序良俗に反する行動はしないよ。
あとはお任せ。好きに使ってね。
青と黄が重なり『遭う』頃、見ての通りだと遊園地(テーマ・パーク)と台詞が被った。同意(いみ)を反芻しつつも王子様(あなた)はよろり、絶叫するマシンの隣で攣ってみせた。その過ちを繰り返さない為ならば『学ぶ』事に『探る』事に躊躇は無いが、しかし『これ』――腐り落ちそうなレールに――身を預けるとは在り得ない。ぶるぶるがたがた震えていないと膝小僧嘘(うた)い、ぶれた青色に白がかかる。心臓を握された如き弩気弩気(どきどき)――それでも往かねば『過去』は暴けぬ。それでも行かねば『神様』は発けぬ。きらり輝いた希望を纏い、異坐異座安全レバーを掴め。
これは無敵の剣なのだ。これはボクがボクの為に残した一筋の光――引き抜かぬよう圧し込んだら、混むような悲鳴(おと)と共に機体(もん)開く――がたごと。がたごと。きしんだ空がボクを迎えている……やっぱ無理!!!
ごぉぉぉお――吐き出されたかの如く『わたし』が落ちる。臓腑が反転(おどろいて)鼓動(こどく)と啼いた。嫌だ。嫌だ。わたしだけは死にたくない……?
ボクは怖くなかったよ。王子様(ボク)だからね。
見捨てないと謂うならば『キミ』は如何したのか。
――生餌は汁気の大騒ぎ。
成功
🔵🔵🔴
水鏡・怜悧
詠唱:改変、省略可
人格:アノン
UDCを纏って狼耳と尻尾を象る。
遊園地、か。前に1回だけ行ったこたァあるけどよ……違和感なんざ探せねェぞ。
とりあえずジェットコースターのレールの上を走りながら違和感を探すぜ。勘でも何か見つかるだろ。後ろと足元も気を付けねェとな。
人格:ロキ
引き続き妖精の姿。
その1回も依頼でしたからね。まぁ、ここまで朽ちている時点で異常ですから、経験との差異から探すのは難しいでしょう。
アノンの移動に合わせながら、ジェットコースター沿いの他の遊具を、制御機器を中心にハッキングとメカニックで調査します。電気が来ている部分は少ないでしょうが何か情報が残っているかもしれません。
どろりと獣(UDC)の数字が涌き躰(た)ち、人格と共に肉を抱擁(つつ)み混む。模った耳と尾はオオカミの『貌(それ)』で在り、果たして大神の痕跡を辿れるのか否か。ああ、遊園地――鏡面に触れたのは局外者(アウトサイダー)だったのか、錯乱状態(にんげん)だったのか――違和感を探せと世界に説かれても、問いを解く脳(かず)はない。取り敢えずは『何故か動いていた気がする』ジェットコースターの上。後ろ足下気を付けつつ『前へ』『前へ』と鼻腔をひらく。勘でも何でも見つかるだろ。轢き殺す為に機体(マシン)を繰ったのか? 妙な想像が埋まっている。
朽ちている時点で異常だと緑目(きみ)は認識(い)った。ふれた家々(ミラー)も一度きりで『仕方がない』と思えば『想』だろう。経験との差異から『炙り出す』事は不可能に近い。天地から弄れば国(たね)も見つかる筈――制御装置を中心に円盤(ぐるぐる)投げ飛ばして遊ぶのは如何だ。そんな想像が泳いでいる。
残された情報が『羨ましい』と泣いている。皆に愛されている君達(アトラクション)が『妬ましい』――あなたは誰かと首傾げ、錆びついた餌で釣っていた。
面合わせで左右にぶれる。
成功
🔵🔵🔴
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
さぁてそろそろ本番かい?
それとも開場時間にゃ早すぎるかい?
お代が何か、教えておくれよ。
じゃなけりゃアタシも帰れない。
綺麗な景色を見ただけじゃ、土産話にゃ足りなさすぎる。
こんな闇夜のホラーなんて、いつも以上にリアルだろ。
リアルさを越して本当に化物が出てきかねないけどねぇ。
そんな噂を流したのかい?
それとも自然と「そうなった」?
ミラーハウスか、お化け屋敷か。
ともかく屋敷型のアトラクションへ踏み込んで、
テレパスを頼りに違和感を辿る。
なんせアタシは人間だ、夜目なんて利くわけがない。
ふらふら、ふらふらゆっくりと、
それでもしっかり歩んでいくよ。
鬼が出るか、邪が出るか……ってね。
回転木馬か自動二輪か、何方が刺激的かと問われたならば『後車』以外には有り得ない。指を差されて只管に『くるくる』廻る道(さま)は何処かリハーサルを想わせてくる。されど繰るべきハンドルが「そろそろ本番」だと惹いてきた。それとも開場時間には早すぎるかい? 疑問符を投擲した虚空(そら)、あのまん丸が贋物(つくりもの)に見えて仕方がないのだ――半透明のチケットがお代の名前を記している。それは『呪われた』結果なのか。ばちんと端々が潰れて――じゃなけりゃアタシも帰れない。美味しそうなホットドッグ、挟まれた肉(アタシ)は微動も赦されず、ずるずると『箱庭』連れ去られた……綺麗な景色がコインと見做(し)て、如何はじけば正解なのか。ひどく現実的な娯楽(ホラー)が曖昧(た)れ、屋敷の中身は武器庫。土産話は機関銃だと大笑いするのかい……。
噂が孕んだ化け物なのか。自然にわいた怪物なのか。ともかく『大胆』に踏み入って『のぞ』け。繋がれ接続(つな)がれ、ヴェールの其方は涙ぐましい。
アタシは人間だ。夜目なんて利くわけがない。
ふらふら。ふらふら。灯りの無い宇宙(バイク)。
しっかりとついた足の裏、出るのは鬼なのか邪なのか。
――ひしゃげた毒虫、生き残れない。
大成功
🔵🔵🔵
珠沙・焦香
薄加(f28576)と。
……何が悲しくて血の繋がった、そんでイカれた弟と連れ立ってボロボロの遊園地に来る羽目になるんだ? しかも夜に。気が滅入りまくって、初めての遊園地にはしゃぐ気にもなれねえよ。とりあえず屋内入ろうぜ、月見たら調子狂いそうだ。
探るったってなあ。おれァ呪いのバケモンみたいなもんだけど、自分以外の化生なんてちゃんと探ったことねえよ。せいぜい歩きながら嗅いで、視て、そんで……【野生の勘】でも頼るかな、最後は。
珠沙・薄加
焦香姉さん(f27564)と。
いいじゃないですか、朽ちた夜の遊園地。いかにも何か吹き溜まっていそうで、とても僕好みです。月が出ているのも素晴らしい。呪うにも狂うにも、こんな良いロケーションはそうそうありませんよ。楽しみだ。
珠沙の狼霊を連れ、姉さんの後ろについて屋内へと歩きます。呪われたこの人狼の身にしろ、怨念そのものであるこの狼霊にしろ、何か嗅ぎつけられるかもしれません。ここに巣食うようなモノなら、僕らにお似合いでしょうしね。
どろどろ。ドロドロ。泥臭くも二匹は世・夜の『溜まり』に迷い込んだ。それとも『這入り』込んだと描写すべきで、何が悲しくて『ループ・コースター』だ。この赤色は誰が解いても『まじない』だろう。重ねてイカれた弟とのデート・スポットだ。スポイトを手繰り寄せても別ける事は出来ない。初めての遊園地だと謂うのに『滅入って』『眼往って』たまらない。とりあえず屋内入ろうぜ――肺臓いっぱいに注ぎ混まれた、月の雫が忌々しい――嘔吐感と称するよりも酩酊感。調子が狂いそうな虚空(そら)波せる……。
いいじゃないですか。荒れ・腐れ・朽ちた遊園地(せかいかん)。いかにも何か吹き溜まり・のたうち、ふれ回る予感(いそう)。位相(かお)の形を確認してまで突っ込みたいのかと『回転木馬』も吐いている。とても僕(きみ)好みの素晴らしさ――呪うにも狂うにもこんな良いロケーションはそうそうありませんよ――送られたのか。送り出したのか。お迎『異』のオオカミさんは血の気が足りないのか。楽しみだ。
バケモン曰く、自分以外の化生なんて『ちゃんと』探ったことねえよ。琥珀に残滓(のこ)った光の下、ただ嗅いで・見て・辿っていく。尋常ではない自らに『潰されて』いない勘(こと)を祈りつつだ。筒状の才に惹かれて依って、最後の最後はいつもと変わりはしない――心身諸共に『返された』ならば連れるべきは道々、後ろを禍(か)ぐのは弟か。
ここに巣食う『もの』が何で在れ、君等(ぼくら)にはお似合いの針の筵。蟲毒症状に苛まれるような感覚と同時、狼霊(えん)が吼えたてる。嫌な気配を味わったのではない。懐かしき『こどく』のショウジョウバエ――見つけたのか。
これでは犬除けに意味など無い。
飼い犬の『まま』では存在(い)られない。怪(かい)狗の『まま』でしか存在(い)られない。罪業(けもの)の絶叫(しずけさ)が蔓延する最中、真下に見えたのは【力の扱い方を知らない不定形】――生まれたて――ハッピー・バースディは流れない。
腕試しに紫煙・私怨でも吸うが良い。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ナギ・ヌドゥー
……遊園地?
どう見ても人間が楽しめそうな所じゃないですけど。
ぼくの遊び相手はどこですかー?
ソウルトーチャーを放ち誰かいるか調べます。
咎ある者を探し連れてくるのだ。
……うっかり跡形も無く喰らったりするなよ?
己の殺意が昂り始めているのは月の光のせいなのか。
……いや、いつもの事でしょう。
遊び相手が見つかるまであのティーカップに乗ってみよう。
意味も無くグルグル回ってれば少しは狂気も治まるかもしれません。
ちょっとアブない人に見えるかな?
まぁ、釣られて誰かやって来る事に期待しますよ。
遊園地――月光の彼方側に茫々(ひろが)った貌(サマ)だ。されど如何様な角度(しや)でも人が楽しめるとは思えない。想いを手繰れば愉しめるかもしれないが、果たして祝福(ことば)は届くのだろうか。ああ。ぼくの遊び相手(おともだち)はどこですか。疑問符を塗り多くりながら獣(ソウルトーチャー)を放し飼い。何者か・何物かが『存在(い)ない』かと血肉(はな)を動かす。咎あるものを連れてくるのだ。罪あるものを追い立てるのだ。罰受けるべき邪悪(もの)を荒らすのだ――うっかり跡形もなく喰らったりするなよ? たれさがった涎に釘を刺した。
ぐつぐつと昂(たぎ)っている殺意、その原因は月光(いよう)に中てられた嚢(せい)なのか。袋詰めの骨汁が謳い、いや、いつもの事でしょう。腐敗した世界観(テーマ)が思惟(みそ)をつついてくる――くる。くる――遊び相手が見つかるまでティーカップの加減なしだ。意味なくグルグル回っていれば少しは狂気も治まるだろうか。紅茶(ち)の底に固まった砂糖、ちょっとアブない人(あなた)。
釣られて誰かがやってくる。吊られた誰かがやってきた。
降りるのにも一苦労だ、その餌咳(耳石)。
成功
🔵🔵🔴
第3章 集団戦
『蠱毒の好餌』
|
POW : 断末魔の呪詛
自身が戦闘不能となる事で、【自身にとどめを刺した】敵1体に大ダメージを与える。【嘆きの声や命乞い】を語ると更にダメージ増。
SPD : 餌の芳香
【『蠱毒の好餌』に対して恐怖や絶望】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【邪気】から、高命中力の【残忍性を高める波動】を飛ばす。
WIZ : 蠱毒の汚染
自身が【死の苦痛】を感じると、レベル×1体の【邪悪化の汚染】が召喚される。邪悪化の汚染は死の苦痛を与えた対象を追跡し、攻撃する。
イラスト:塒ひぷの
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
からころ。からころ。アトラクションが動き出す。
狂気(うら)からの顕現は実に美味しい呪いだろう。
邪悪と化した汚染(ぶっしつ)の鋭さ、その疑挫つきはグロテスクか。蟲毒に戯れていた彼女等嘆(いわ)く、この世界観(テーマ・パーク)は最悪だ。
怖い。何が。恐い。何が。猟兵(それ)と出遭ったのは運の尽き、異常な速度で回転した精神(ほうかい)――びちゃびちゃと中身(いたみ)が吐(も)れる――腐れている亡霊の鳴き声が蔓延(の)びた。断末魔(いやだ)……!
死にたくない。何もやっていない。殺さないで。
殺さないで。何も知らない。死にたくないよ。
貴様等の底、残忍性(さつい)が生じている。
水鏡・怜悧
詠唱:改変、省略可
人格:アノン
正しさとか、殺す理由とか、知ったこっちゃねェよ。オレは殺したいから殺すんだ。
UDCを纏い、狼耳と尻尾を象って獣人のような姿になる。
最初からボロボロじゃあ殺し合いは楽しめそうもねェが、何も考えずに殺してイイってならそれはそれで楽しいからな。あいつら何か美味そうだし。呪詛だか何だかも纏めて千切って引き裂いて喰らい尽くしてやる。ヒャハハハハ
人格:ロキ
妖精モードは解除。意識の内よりアノンの様子を探ります。……いつも以上に抑えが効きませんが、いつも通りとも言えますね。呪詛はUDCが分解するでしょうが……攻撃が敵以外に向くようであれば意識を揺らして気絶させましょう。
蠕(にく)に生えたかの如く人格(こころ)が動く。その濁り切った眼球とギラ憑いた双眸が出遭った瞬間、世には救いなどないと残虐性(けもの)が謳う。詩の意味を知らない数字(にんげん)の不協和音(ルナティック)、知ったこっちゃねェと牙が疼いた――オレは殺したいから殺すんだ。単純な基盤(のう)が赤色に溶け込んで餓鬼、嬉々と振り向いた先には『悦ばしい餌』。ぬたりと現れた尾と耳がおどり、全部々々『喰らいたい』と傷(のろい)を舐り厭う――絶望(最下)、もう這い上がる事は出来ないのだ。ボロボロとこぼれた恐れが耐え難さを流してくる。
何も考えなくていい。皺を伸ばして定めれば両爪、毒素だとか呪詛だとか『そのような』マイナスは引き裂いてやれ。この天に掲げた内造(はらわた)の艶、滅多躯々(ぐちゃぐちゃ)と収めて終えよ――いつもより抑えが効かないのは『中てられた』所為――哄笑(ヒャハハ)と狼(聾)して黄金の裏。いつも通り。
分解した『香り』が至福だったクセに。
美味しそうだ。美味しいのだ。髄に染みる【涙(類)】ない咀嚼音(ココチ)。群れた蟲毒を憎怖(臓腑)に留め、波ち気狂(きれ)る寸前――緑色の眩暈(シャットアウト)――液風呂(あか)たまりに腐(伏)せた。
誰に向けられた、虚の飢え。
成功
🔵🔵🔴
ナギ・ヌドゥー
邪気から放たれる波動を受け止め身の内に抑え込む!
冥き殺戮衝動の波動は己が一部
その程度の邪気など喰らい取り込んでやるまで!
恐れるな、厭うな。
オレは哀れな呪詛を解放しに来たのだ。
アンタ達を救う方法はたった一つの真実。
それを理解できれば絶望無き世界へ還れる。
咎狗無明縛――ソウルトーチャーを放ち問う
『蠱毒の好餌』への最後の祝福とは何か?
真実に到達できぬ者は呪獣の贄となる。
喰われるか、吸血されるか、生気を抜き取られるか……
餌として苦痛と絶望に悶える事になる。
真実を答えられた者へは、オレが直接その祝福が授けるさ。
痛みも恐怖も感じる間もない一瞬で……
死の安息を贈ろう!
残忍性(にんげん)――その大波(カタマリ)を身に受け、真面で『在る』方が可笑しいと埒外(じんがい)は常々認識せねば成らない。絶望・恐怖を与えているのは月の光でも腐れたお馬さんでもなく、ただ無邪気(ておくれ)に謳う眼球(しせん)――抑え込む。漏れ、爛れ、溢れた殺意(おもい)を不定的に、一時的に喰い屠(と)める。此れは全部々々『オレ』の一部分だ。この程度の本性で『マイナス』を吐き出す愚物(偶像)では亡い――恐れるな。厭うな。真逆、涙の理由までも【忘れた】筈がないだろう、最早『二度』と出口は現れない。
彼方側のコーヒー・カップは酸味だけを含んでいた。此方側のティーポットは如何様な覚を注いでくる。哀れな憐れな呪詛(ことば)には解放という真意が不可欠だろう。「アンタ達を救う方法はたったひとつ」――一粒の柘榴が美味だと謂うならば、如何して吐き気を訴えているのか。絶望無き世界は隣人だと覗き込んでくれ。
真実――血と肉と骨だけが理解していた。
到達しなければ獣(のろい)の餌だ。好き少女等の頭部には質問(かんたん)が禍かって逝た。喰われたくない。吸われたくない。抜き取られたくない――死にたくない……? 光だ。光が見えた。その光はひどく暗って魅入る……痛みも恐怖も感じない。苦しみも悲しみも在り得ない――笑顔(ねむたいよ)。
死の安息を贈ろう!
――枕に着いた、そのころがり。
眩暈は治まった。
成功
🔵🔵🔴
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
幽霊の正体見たり枯れ尾花、だっけ?
いやはや、今回は逆だったみたいだねぇ。
アンタらがここに居合わせたのが、
どんな定めか知らないけれど。
お門違いのその恨み、無理矢理散らしてやろうじゃないさ!
役者はそろった、思念は撒いた。
あとはアンタらを滅すだけ。
滅するためにゃ、電撃の『属性攻撃』ぶっ放す。
お月さんにも見せるよに、『範囲攻撃』で盛大にね!
そうすりゃ静電も満ちてくる。
思念と静電が辺りに満ちりゃ、
ここらはアタシの【超感覚領域】の只中さ。
苦痛からの怯えも攻撃の意思も、アタシへの「敵意」だろ。
悉くを、電撃が撃ち斃すだろうさ。
そもそもアンタら、
蘇ったのが「運の尽き」なんじゃないか?
魔王(音)――柳が微笑しつつも満月の下、その正体が枯れ尾花(なに)なのか『理解』する事は容易かった。たらりと多(た)れ鎖(さ)がった小腸の結び、繋げたとしても彼女等(オブリビオン)は二度と治らない。いやはや、今回は『逆』だったみたいだねえ。定めも運命(サダメ)も知らないが、蟲(こ)の蠕童を踏み潰さねば成らない――お門違いにスレ違い、その感情は本当に『うらみ』なのか……無理矢理散らしてやろうじゃないさ! 坂道を転がり落ちていけ、芋虫にはめまいが似合いなのだ。
舞台上(デウス・エクス・マキナ)。役者は揃った、思念(セリフ)は撒かれた。巻くべき相手(もの)も脳味噌の内だ。あとは過去(アンタ等)を滅ぼすだけ――来ないで。来るな。痛いよ、苦しいよ――血涙(たすけて)の一も染み込まない。
お月さんに魅せてやれ、痺れるような貴様の名を。
――静電気だ。道化でも詐欺でもないだろう。
此処からは埒外(オマエ)の領域(テリトリー)だ。全てを抱擁するかの如く『光』が溢れ、苦痛からの怯え、あの死にたくないへと駆け廻る――敵意は悉く撃ち斃す、そうとも好き餌、もう絶える以外に選択肢はない。
蘇ったのが『運の尽き』なんじゃないか? 加工された人類の最果て、貴様ならば想い出せるのでは――熱し、打ち、強く、溺死(うみ)へ。
成功
🔵🔵🔴
珠沙・焦香
薄加(f28576)と。
呪いって大概「こう」だよな。キンキン啼く声は一丁前。物心つく前から聴き飽きてる声だぜ。
べつにそれが悪いって言ってんじゃねえよ、喚くのがお前らの性分で仕事。こいつはもう仕方ねえ。それじゃおれの仕事は、テメェらが鳴き止めるようにさぱっと捌いてやることだ。
恐れで澱んだ頭も腹もブチ撒けてけ。呪い呑み込むのは慣れてんだ、嘆きは全部押し付けて来りゃいいさ。【忿怒熾伽羅】──だから、とっとと灼かれて、還っちまえ。 もう喚かなくて済むように。
あー……そんでめんどくせえから一度しか言わねえぞ、愚弟。 全部こっちに合わせろ。お前の手札なんざ知らねえんだよ。
珠沙・薄加
焦香姉さん(f27564)と。
中々どうして、悪くないですね。痛みに歪んで恐れに良く醸された呪いです、溶け込んだ邪な香りも申し分無い。ただ残念ですが、無念ですが、僕は貴方を還します。殺す?死なせる? いえいえ……貴方という呪いを解りたいから、呪詛の爪牙で貴方を解いてみるだけのこと。そして僕は貴方の中身と叫びを憶え、貴方達は海へと還って行くのです。
もちろん、喜んで。普段の狼霊に加えて【大口】を喚び、適宜身の丈を変容させつつ姉さんと僕の死角を補うように立ち回って攻撃させます。庇う優先度? 姉さん側を重点的に、当然でしょう?
善悪の二元を問い掛けるような喚き声、吐ン裂(ざ)く勢いの呪いが孤独だ蟲毒だと表現している。大概が『こう』なのは日々の積み重ねで解き易く、一丁前のキンキン声は禁忌と称するよりも普段通りだ。オマエは物心つく前から『聞いて』いる――琥珀に光が宿ったとしても、果たして蜂蜜の甘さは暗黒性だろう。謳い方を忘れた隷属(ぶき)がかたかたと臓物を鳴らして往く――べつにそれが悪いとは『言っていない』。喚くのが性分で仕事だと譚々(おはなし)、呪詛塗れの獣がわいた。こいつはもう仕方ねえ。赤子が癇癪を起こすのは当たり前なのだ。ならば赤子の死骸が啼くのは如何に……さぱっと捌いてやることだ。彼方に溜め込まれた濁流がドバドバと世界に送り混まれる――ああ。面倒だ。実に。愚(じつ)に。【一度しか言わねえぞ】――全部こっちに合わせろ。
明王の報せを耳にしつつも包を解放しないとは何事か。見つけた。見つけた。何を視憑けた。中々どうして『遊園地』のクセに悪くない『珈琲』だ。泥々の黒に赤いチョコレート、その糖度を確かめている暇は無いが、恐れに良く醸された呪(もの)です。融け込んだ邪神の想いは複雑怪奇。嗚呼、何処が複雑(むずかしい)と吐くのだろうか。これは弱肉強食(ピラミッド)型のダンス・マカブル――残念と無念のお隣に『回帰』の二文字――殺さないで。死にたくない。いいえ、いいえ、爪牙の禍々しさは『獣の知恵』だと教えた筈だ。あなたの中身と叫びを憶え、波音(さよなら)の欠片が手招いて在る……もちろん、喜んで。痛みが歪んでいる。
加羅繰れ、空狂れ、澱んだ頭(おつむ)が絶望(よ)んでいる。
塵芥(はい)の滓が地を揮い、拷問(獄)の熱を孕んで魅せた。垂れ下がった唯一のイトも斬れ切れ、儚くも救済(シャボン)は空と爆ぜる。全部。何もかもを『呑む』貌(サマ)は巨釜――血の池針山、ただ灼かれて還(い)け――もう喚く必要はないと仏様(化物)が告げる。嫌だ。厭だ。もうゲヘナの面など視たくない……女の子の握り拳、大口(もん)。
兄弟姉妹をかばうのは絶えず膨らんでいた絶対だ。霊体の牙が最期(のろい)を喰らい、往くべき『場所』へと送っていった。しかし彼女等は如何転倒したと謂うのか。開いた石ころはもう閉ざされない――飼われた腐肉の向かう先を記してくれ。
髄の々までも器の上だ。
――十字に裂けた月が啜る。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵