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欲にまみれたDを奪還せよ!

#デビルキングワールド #プレイング受付:1月31日(日)9時から開始

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#デビルキングワールド
#プレイング受付:1月31日(日)9時から開始


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●獣欲
「オルトレーヴェ様!今回奪い尽したD(デビル)、全部運び込みました!」
「ウム」

 新しく発見された世界、デビルキングワールド。その一地域に一つの屋敷が佇んでいた。そしてその奥、一際広い部屋には色んな物が置かれていた。彫像、絵画、宝石、貴金属……中でも多いのは、この世界における通貨、D(デビル)。それが乱雑に床一面に広げられていたのだ。
 その中心に佇むのは、ウサギ耳にドラゴンの羽という一見かみ合わない特徴を備えた、されど強大な力を有しているだろう女性。彼女こそがこの屋敷の主、『暴獣妃』オルトレーヴェである。
 彼女の前には何人かの狐獣人の少女たちがおり、今この部屋に全てを運び終えた事を報告していた。

「ジャア、サッサト、ココ、デテイケ」
「了解しました!怪しい奴らが来ない様、屋敷内を巡回してますね!」
「イレタラ、コロス」

 片言ながら恐らく冗談ではないその言葉に、狐少女達は速やかに部屋を出て扉を閉める。廊下に出ると、はーっと安堵の息を吐いた。

「怖いねー!今回の略奪も全然容赦なかったし!」
「だね!奪うのも食べるのもそして男を漁るのも全部容赦ないもんね!」
「私達もきっと侵入者なんて許したら本当に殺されちゃうよね!」
「うんうん!でも、でもでもー」

 普通なら恐れて縮み上がるもの。だが。

「「「「そんな欲望ぶっちぎりなところが、悪くて素敵だよねーーーー!!」」」」

 この世界は悪こそ正義。悪に満ち、そして欲望に満ち溢れた存在に、住人たちは引き寄せられてしまうのであった。

●見つめるデビルアイ
「そんな訳で新世界で、怪盗になって『あんたのお宝いただくぜ!』してきて欲しい!……あ、帰らないで帰らないで今ちゃんと説明するからごめんってば!!」

 猟兵たちが帰ろうとするのをピエロの少女、九十九・サイレン(再誕の18不思議・f28205)が呼び止め、やっと説明が開始された。

「新しく見つかったのはデビルキングワールド。で、そこではなんと悪事を是非やろうっていう法がまかり通ってて、それで悪の権化であるオブリビオンが暴れてるとそれを住人が手伝うっていう凄い事態になっちゃってるんだよねー。で、そういう一団の1つが周辺から略奪しまくって、その集めた通貨、Dをアジトである屋敷に溜め込んでるんだ。で、このDが厄介で、大量に集めるとカタストロフ級の儀式魔法が発動できちゃうんだって。幸いボスはただ自分の獣欲に任せて奪いまくってるだけらしくて、儀式魔法を使うつもりは無いみたいなんだけど……強大な力は持ってる奴だから、もし集めに集めまくったDの中で何かしらの儀式魔術が不意に発動、なんてことはあり得ちゃうんだよね。てなわけで、その前に皆にはそのボスの撃破及びその場に在るDの処理をお願いしたいんだよね!

 屋敷はこれもどこかの悪魔から略奪したものらしいくて結構広めの2階建て。ボスがいる部屋がどこかはちょっと読み切れなかったから、皆で探してね。ただ、屋敷内はオブリビオンの獣欲に引き寄せられたこの世界の住人、通称『狐焔神道の見習い巫女』。狐焔神道っていう、性欲と繁殖を教義にしたえっちいとこの子たちで、デビルキング法もあるんだけど、欲望こそ素晴らしい、っていう精神なもんだから、獣欲のまま暴れるボスを尊敬しまくっちゃって協力してるみたいなんだよね。だからあくまで殺さないで、見つからないように部屋を探したり、見つかってもすぐに無力化したり、で穏便に何とかしてほしいかな。強行突破もいいけど、数は結構多いからやめておいた方がいいと思うな。この子たち、集まるとかなり厄介みたいだから。後はまあ、性欲を高めたいとかに満ち溢れてるから、そこを起点に交渉や言いくるめでなんとかするってのもありかもね?
 あとまあ、あえて犠牲になって大量に引き寄せて他の場所を手薄にすることで他の猟兵を助けるってのもありかな。ただし、性欲がやばい子たちばかりだから、ひどい目に合う覚悟が出来ている人だけお願いね!

 ボスは『暴獣妃』オルトレーヴェ。略奪に貪食、そして巫女たちの大好きな性欲、どれもやりまくり暴れまくりの欲望だらけの獣姫だ。当然Dを素直に寄越す訳ないから、間違いなく戦闘になる。コイツは間違いなくオブリビオンだから、容赦なく倒しちゃっていいよ!魔力を帯びてるDの他にも略奪してきた物品が転がってるから、それを利用してもいいかもね。

 オルトレーヴェを倒してDを回収したら、ばら撒いてもいいけどどうせの新世界だし、近くの町でぱーっと使っちゃおう!この世界の住人とも仲良くなるチャンスにもなるし、皆もこの世界の品物とか文化とか興味あるでしょ?宴をやるくらいにどーんとDをばら撒きまくっちゃおう!」

 説明を終えると、サイレンは何やらスーツを取り出した。それは首から下を包むスーツで、腰のあたりに布が巻かれたデザインのもの。

「んじゃ、皆、怪盗してきてね!あ、予告状出すかは任せるよ!後、希望するならこのキャッツごにょごにょスーツを貸し出すよ!」

 思い切り着せたいだけだ、と何人かは思いつつも、猟兵達はD回収の作戦について思いを巡らせるのだった。


タイツマッソ
 久し振りのオープニングになります。MSのタイツマッソです。

 今回は新世界にて、潜入からのD強奪ミッションになります。怪盗のように、というのは強制ではないのでご自由に考えて下さって結構です。スーツも勿論強制ではありません。

 1章は集団戦ですが相手はオブリビオンではなくこの世界の住人です。それなりに丈夫ですが死亡可能性はありますのでご注意を。また、この章に限り、やられプレイングもOKとします。ただし相手は性欲が高い巫女たちなのでそれなりの酷い目を覚悟してください。

 2章はボス戦です。こちらはオブリビオンなので容赦なく倒してください。部屋には大量のDや物品があります。

 3章は日常で、とにかく町でDを使いまくって下さい。その辺りに捨てるよりは、流通に貢献した方が世界の為にもなるでしょうし気持ちが良いでしょう。

 プレイング受付は12月28日9時から開始し、12月29日から執筆開始予定です。

 それではプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『狐焔神道の見習い巫女』

POW   :    とってもありがたい刀のパワーをお見せします!
【自身の衣服】を脱ぎ、【強制発情フェロモン放出状態】に変身する。武器「【相手の服のみ切り裂き性欲を加速させる刀】」と戦闘力増加を得るが、解除するまで毎秒理性を喪失する。
SPD   :    狐焔神道のお守りをプレゼントです!
妖怪【狐焔神】の描かれたメダルを対象に貼り付けている間、対象に【極限まで性欲が高まり異性に襲い掛かる】効果を与え続ける。
WIZ   :    狐焔神道は欲望を高めるのに最適です!さぁ皆様も!
【欲望は素晴らしい、皆で性欲を高め合いたい】という願いを【狐焔神道の信者と、猟兵】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。
👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

メフィス・フェイスレス


良い奴が多すぎても世界が回らないとか皮肉よね
ま、でも。ダクセの悪意ばかりの血吸い共よりはよっぽどマシか
タチは悪いけど、嫌いじゃないわ

潜入直後にUCを使い手分けして「忍び足」「闇に紛れる」で捜索
警備を発見したら死角から「先制攻撃」で拘束し、
「肉体改造」で髪を注射針に変え「血潮」の麻酔を注入し「マヒ攻撃」で無力化
【鬼眼】を用いた「催眠術」で尋問して「情報収集」を行う
情報を引き出したら再度「血潮」を投与して眠らせ適当な所に隠しておく

なんか奴ら、やられてるのに喜んでる気がするんだけど
偶に何言ってんのかよく理解できない奴も居るし
まあとりあえず緊張感がない奴らというのは分かるわね
……なんか気が抜けるわ



●見つめるイビルアイ

(良い奴が多すぎても世界が回らないとか皮肉よね。ま、でも。ダクセの悪意ばかりの血吸い共よりはよっぽどマシか)

 闇夜の帳、その暗闇の中を1つの影が疾駆する。その姿を屋敷外を退屈げに見回っている狐巫女は全く気づきはしない。何故ならその足音は完全に無音。その影が履くサンダルは至近から発生する音を断つ物。故に、走ったとしても闇に紛れれば無音で進む事が出来るのだ。とはいえ、明かりが無い闇の中。明かりを点けなければ足元が見えない。されど点ければ発見されるという難しい状態。だが彼女にとってはその闇さえも関係が無い。彼女の眼は、闇の住人である吸血鬼に与えられた忌まわしい眼なのだから。
 彼女は闇に紛れ、勝手口を見つけると素早く潜入。物陰に隠れ、そしてやっとその姿が露わになる。
 黒き外套を纏う女性の体躯。されどその眼は本来白い部分が黒い、金色の瞳を称えた魔の眼。そしてその身体には継接ぎのような痕が走っていた。

(だからアイツらに比べれば、ここの住人はタチは悪いけど、嫌いじゃないわ)

 メフィス・フェイスレス(継ぎ合わされた者達・f27547)はそう心中で呟いた。彼女は吸血鬼らにより作り出された遺体のツギハギ。故に闇の中でも昼間のように周囲を把握できる能力を持っている。そして猟兵により覚醒した後はその吸血鬼達を狩っていた。そんな彼女だからこそ、この世界の住人らとの違いはよく分かる。確かにあの狐巫女たちは欲望に従う悪と言える存在。だが、悪意を持って人々を虐げ、残虐に笑いながら殺すような奴らよりはマシと思った。デビルキング法と真面目な性質による悪いこと。タチが悪いのは確かではあるが。

(さて、じゃあここからは人手を増やそうか)

 彼女が物陰に身を屈ませる。すると、ずるりと体から這い出たと思うと、それは複数のメフィスと同じ分身となって、傍に現れた。ユーベルコード【群像が蠢く】。彼女は飢餓に餓えた分身を最大400以上も同時展開し、更に五感共有が可能。ただ今回は戦闘が主目的ではないことと、狭い屋敷内である為、数人程度に留めている。

(ぐっ……数人でも飢えは来るか……我慢我慢。オブリビオンはいるんだし、晴らす機会はある……じゃあ、手分けしてボスの部屋、ついでに良い情報あったらよろしく。警備はくれぐれも手筈通りに)
(((オッケー)))

 本体の命令を受け、飢餓状態の分身たちが屋敷に散って行く。分身とはいえ、技能や装備はメフィス本人と同じである為、見つかる心配はさほどはしていない。
 メフィスは足音を殺しつつ、屋敷の中の闇を見つけてはそこを進んでいく。彼女にとっては闇こそが一番の隠れ蓑になる。

(とはいえ、それでも流石に限界はあるか)

 進路の先には、廊下に陣取り見回りをしている狐巫女がいた。流石に彼女に見つからずにこの先に進むのは難しい。

(やりようは十分あるけどね。それに、あくまで仲間を呼ばれなければいいだけだし)

 彼女は傍の部屋が無人であるのを確認。そして、狐巫女の目が別の方向を向いた瞬間、行動を実行した。彼女の背から何かが伸びる。それは変形した彼女の背骨である尻尾。それは蛇のように蠢くと床を這うように狐巫女へ伸びると、その足元をぐるりと囲んでから一気にその輪を縮めると、巫女の足を縛り上げた。

「おっひぃん!?」

 狐巫女は無様にぶっ倒れ、そのままずるずると引っ張られてメフィスの方へと引きずられていく。

「な、何ですこれぇ!? だ、誰かアッフゥン!?」

 仲間に大声で助けを呼ぼうとした彼女の首に、尾を追って伸びていたメフィスの髪が突き刺さった。髪の先端は注射針になっており、生成した多様な血液を注入する事が出来る。無論、即効性の毒や死体を残さない腐食毒も作成できるが、今回は殺すつもりはない為、マヒさせる為の麻酔に留めた。とはいえこれで大声を出す事も抵抗して抜け出すこともできない。されるがままに引きずられ、メフィスが入った部屋に連れ込まれてしまった。メフィスは扉を閉めると、天井の梁に尻尾をひっかけて狐巫女を逆さづりにする。

「あわわ……わ、私、何をされてしまうんですかぁ……?」

 マヒによりユーベルコードも発動できない状態にされた狐巫女はがくがくぶるぶるとして、目の前の少し体調が悪そうに見える顔色の悪い(デッドマンなのでそりゃ悪い)女性に恐怖していた……ただ、なんだか顔を赤らめてもじもじしている。

「いや、取って食おうとは今回はしてないから。ただ、色々教えて欲しくて。貴方達のボスの事とか、この屋敷の事とか」
「ええ……で、でも、ばれたらボスに殺されちゃうし……」

 流石に狐巫女も自分の命は惜しく、情報を吐くのを躊躇う。だがメフィスは彼女の頭を掴むと、その眼を自分の目に合わせる。

「教えて。ね?」

 彼女の魔眼は暗視だけが能力ではない。吸血鬼のものと類似するそれには、数多の能力があり、催眠能力もその1つ。悪魔の世界の住人だとしてもそれは例外ではなく、その瞳は狐巫女を魅了し、その顔をとろんと蕩けさせてしまう。

「は、はひ……あぁ、捕まえてこうやって情報を教えさせちゃうなんて、なんて、悪そうな人……!貴方も、素敵ですぅ……!」
(なんか、やられてるのに喜んでる気がするんだけど……緊張感がなくて、気が抜けるわ……)

 催眠魅了の効果だけでなく、素でこちらにときめいている様子の狐巫女を見やりながらメフィスは情報を聞き出していった。



「なるほど、ね……それじゃあ、おやすみ」
「ハウ!!」

 部屋の場所を始め、色々聞き出したメフィスは再び髪の注射を狐巫女に突き刺し、今度は睡眠系の毒であっという間に眠りに落す。拘束を解くと、部屋内にあったクローゼットに眠った狐巫女を隠しておいた。これでしばらくは発見されないだろう。他の分身もこの調子で情報を集めている筈なので、統合すればかなりの情報を集められ、この後の戦闘が楽になる筈だ。

「…………」

 部屋を出る直前、メフィスは尋問中に狐巫女が呟いた言葉を思い出していた。


『貴方、不思議……欲が満たされてない、なのに欲を満たしてる……見た事無いです、貴方のような人……!』


「……本当、よく分からない事言っていたわね」

 そう言いつつも、なんとなくだが理解はしていた。メフィスのユーベルコードは代償としてダメージと飢餓衝動を強める。つまり今メフィスは食欲が満たされておらず、それをベルトや精神で抑えている状態。それを欲を推奨し信奉する狐巫女は感じ取ったのだろう。尤も、それを満たすということは狐巫女自身がその対象になったという事までは分かっていたのだろうか。

「でも私は、この飢餓よりも、オブリビオンのような奴らを狩る事。それを欲してる。これも間違いなく私の欲。なら、満たしてるってのはきっとこっちの事よね」

 彼女にとっての一線。それを超えず、彼女は自分の狩りたいものを狩る。欲を満たさず欲を満たす。それが今の彼女の在り方。

「全く、不思議な住人たちね」

 メフィスは一瞬クローゼットを見やると、獲物に近づくために部屋を後にした。

成功 🔵​🔵​🔴​

神代・凶津
怪盗をやるなんて面白そうじゃねえかッ!
俺はなんちゃら三世派だがな。
そうだ相棒、この怪盗スーツ。
「着ませんよ。」
あ、はい。

怪盗なんだから予告状を出さないとな、相棒一筆頼むぜ。
『今宵、桜吹雪と共に欲にまみれたお宝を頂戴しに参上します。

怪盗 鬼面巫女』
いい感じだぜ、鬼面巫女は安直な気もするが。

予告状を送ったら、式神【ヤタ】を飛ばして屋敷の周りを偵察、ボスの居そうな所と人が少ない所の目星を付けて潜入だ。
後は人を見つけしだい先手で幻朧桜花で眠らせるぜ。
悪いなお嬢さん、少し眠っていてもらうぜ。
「何そのキザな台詞。」
怪盗はキザなもんなんだぜ、相棒。


【技能・式神使い、偵察、情報収集、忍び足】
【アドリブ歓迎】



●見つめるオウガアイ

「怪盗をやるなんて面白そうじゃねえかッ!俺はなんちゃら三世派だがな」

 転移前の作戦会議中、鬼の仮面を付けた巫女姿の人物、神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)は今回の作戦内容を確認しながら俄然やる気を出していた。怪盗、という言葉はやはり人(?)の心をくすぐるものらしい。
 ふと、凶津はぽつんと置かれた、件のキャッツごにょごにょスーツに目をやる。

「…………そうだ相棒、あの怪盗スーツ」
『着ませんよ』
「まだ何も言ってねえだろ!?」
『あの怪盗スーツ、の後に他に続く言葉が私には思いつきません』
「……ほら、隠密性」
『着ません』
「巫女服がすれる音が」
『着ません』
「あ、はい」

 凶津は内なる相棒である桜に確認してみたが、流石に無理強いするのは凶津も本意ではないのでこの話は此処までにする事にした。

「あ、でも折角だ。予告状は出しちまおう!」
『……警戒度が上がって、他の人たちに迷惑にならないかな?」
「ま、大丈夫だろ? 本当にヤバい時は責任もってフォローするし。てなわけで相棒、一筆頼むぜ!」
『自分で書かないんだ……』

 こうして桜が代筆し、墨と筆による予告状が出来上がった。巫女として習字の類はある種必須習得事項でもあり、達筆なものである。

『今宵、桜吹雪と共に欲にまみれたお宝を頂戴しに参上します。

 怪盗 鬼面巫女』

「いい感じだぜ、鬼面巫女は安直な気もするが」
『こういうのは分かりやすさ重視、でしょ?」
「そうだな! んじゃあ、行くとするか!」

 こうして凶津は予告状を携え、転移を開始した。



 で、屋敷内に予告状が送られたわけだが、さて、これで屋敷全体の警戒度が上がった……と思えば実はそんな事は無かった。

「なんだか予告状が来ました!」
「お宝を頂きに来るらしいです!」
「大変です! すぐに他の皆やボスに報連相しないと!」
「ん?でもちょっと待ってください!……誰にも報連相しない事って、悪い事ですか?」
「悪い事です! 全く持って悪い事です!」
「大変、ならやらないといけません! 誰にも連絡せず、怪盗とやらを私達だけで捕まえてやってしまうのです!」
「なんて自分勝手なのです私達は! よーし、私達だけで自分勝手に独断で怪盗とやらを捕まえてやりましょう!」
「「「おーー!!!」」」


 かくして、デビルキング法と真面目で悪い住人たちの思考により、怪盗が出現するという情報は全体のごく一部にのみ共有され、全体的な難易度が上がる事は無かった……。




 宵闇に落ちた屋敷の周囲。その夜空の中を、夜空のように漆黒の鴉が舞う。鴉は木々に乗っては、ちらちらと周りを見る。その目は屋敷の全体、外や中を歩く狐巫女たちの姿も捉える。そうしてある程度見ては、また別の木々に移り同じ事を繰り返していく。狐巫女たちも鴉くらいには特に反応もせず、退屈そうに警備を行っていた。まさか、その鴉が屋敷を狙う怪盗の手による式神の1体とは思いもせずに。

 屋敷外に隠れていた凶津の下に鴉、いや、式神【ヤタ】が戻る。そうして凶津は屋敷の警備や構造を把握する事が出来る。

「よし、粗方情報は集まったな……ていうか、予告状出した割にはほとんどの奴ら警戒度無さすぎじゃね? それともアレが基本なのか? ここの住人は変わってるらしいけどよ」
『確か、オブリビオンじゃなくて本当にこの世界の住人だけど、法律とか真面目な性格のせいで、オブリビオンに協力してしまう人たちもいる、だったね』
「ったく、聞いた事ねえぞそんなの……とはいえオブリビオンじゃねえんだ。なら、穏便に片づけなきゃな。よし、じゃあ手薄そうなとこの目星はついたし、行くとするか相棒! 怪盗鬼面巫女、初仕事だ!」

 闇の中、暗視能力もある凶津は忍び足で駆けると手薄な窓から侵入する。桜の断固反対によりその服は巫女服であり袴。動き回るには不憫で音も立ち易いがそこは猟兵の技。音を周囲に漏らすことなく、霊的防御の作用により機敏に屋敷内を進むことができる。

(とはいえ、流石にあそこは無理か……)

 曲がり角で壁に張り付き先を見ると、そこには3人の狐巫女が談笑していた。しかも運が悪い事に、凶津がボスの部屋だと当たりを付けた部屋はその先。見つからずに抜ける事はできそうにない。かといって、戦闘になれば他の巫女たちが一気に押し寄せてくる。

(となりゃ、やっぱりあの手しか……ん?)

 早速行動に移そうとしたところ、談笑している狐巫女たちの会話が聞こえてきた。



「早く怪盗が来ませんかねー」
「私達だけで捕まえて、自分勝手に手柄を独り占めしてしまうです!」
「他の仲間やボスを蔑ろにする私達、とっても悪いです!」
「そうですね!欲望にひた走ってますしね!」
「「「私達悪いー!! 凄い悪いーーー! いぇーーーい!!!」」」


 警備が全然警戒している様子が無かった真相が判明。そして凶津は……曲がり角でサイレントにずっこけていた。

(あ、あ、あ、あのバカ狐娘どもーーーー!? 俺と相棒が気合入れて出した予告状、自分達だけで抱え込んで他の誰にも知らせてなかった、だとおおおおおおおお!? )
『まあまあ……結果的にはそれで警戒が上がり過ぎなかったわけだし、ね? でも、想像以上だったね、この世界の人達は……』
(あんなんじゃそりゃ、オブリビオンにホイホイついていっちまうよな!? くああああああ! なんだこのやるせない気分!! ええい、こうなったらせめて予告状知ってるアイツラだけでも、手筈通りにやってやる!! 相棒、頼むぜ!)
『うん。……【幻朧桜花】、ゆっくりおやすみなさい』

 凶津が少し仮面を外す。現れるのは巫女である少女、桜の双眸。そして彼女が手を掲げれば、そこから彼女の霊力が桜の花びらとなり放たれていく。見る見るうちに周囲は春の如き桜吹雪となり、やがて通路の先にいる狐たちのところまでたどり着く。

「あれ? なんでこんなところに桜、が……」
「桜……は!? ま、まさか、これは、予告状の……」
「み、皆どうしたです!? あ、あれ? 私も、なんだか、眠……」

 桜の花びらに包まれた途端、狐巫女たちは次々と眠気に襲われて廊下に倒れていく。これこそがユーベルコード【幻朧桜花】。サクラミラージュの幻朧桜を見て発送したと言うこの技は、桜の花吹雪を放ち包まれた者達を眠りへと誘う。まさに今回の依頼にはうってつけのものである。

「はうう……わ、わたしたちの、わるい、野望が……はっ!」

 一人だけ倒れ伏しながらも意識がなんとかもっていた狐の前に、何者かが立った。見上げれば、そこにあるのは鬼面をつけた巫女の姿。

「は!! ま、まさか、貴方が、怪盗、鬼面巫女……!?」
「よし、とりあえずそのリアクションで今回は満足してやる……そう言う訳だ。お宝は見事頂戴させて貰うぜ」
「で、できるわけ、ないです……ボスにあったら、あなたなんて、ころさ、れて……私達、も………ZZZZZZZ」

 最後の狐巫女も力尽き、安らかに寝息を立て始める。言い残した言葉に、凶津は桜吹雪を自身の霊力に戻しながら呟いた。

「安心しろ。お前らも殺させやしねえよ。その前に、オブリビオンであるアイツは、元の過去に俺達が還してやるからな」

 狐巫女らを近くの部屋のベッドで寝かせておくと、凶津はボスの部屋と思しき部屋向けて歩みを進めていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミラン・アレイ
怪盗になっちゃえばいいんだね!まかせてー!

え、このなんとかスーツ着るの?
ぴっちりで動きやすいといえば動きやすいかなー?

じゃあ、早速マンションの中を探索だよー。
怪盗っぽくこそこそしながら、部屋を探索していくねー。

【第六感】で「誰か来る!」って感じたら、物陰や部屋に隠れてやりすごすんだよ。

それでも見つかっちゃった場合は、UC【幻神】で自分そっくりの実体ある幻影を創り出して、わざと目立つように動き回ってもらって、狐巫女達の注意を引くんだよー。おとりという名の生贄だね!自分そっくりの幻影がやりたい放題されてる様子を見て、なんだかむずむずしながらもやり過ごすんだよ。ごめんね、幻影!

アドリブ大歓迎だよー!



●見つめるドラゴンアイ

「なるほどー、確かに動きやすいねー! でも、すっごいぴっちりしてるー」

 屋敷の中に侵入し、廊下を慎重に進むミラン・アレイ(ドラゴンガール・f29182)は、素直に着たあのキャッツごにょごにょスーツに関して素直に感想を述べた。彼女のスーツは髪色と同じ青色に、空色の布を腰に巻いたもの。動きやすさは確かにあり、しかも竜神である彼女に合わせて尻尾を外に出す事もできる、それでいて穴が開いているわけではないという謎技術仕様である。なおミランは14歳ながらとても豊満なボディをしており、それがくっきりはっきりと見せつけられる状態なのだが、素直で子供っぽいところのある彼女はさほど気にしていないようだ。彼女は『怪盗になっちゃえばいいんだね!まかせてー!』とこれまた素直に受け止めて、素直に着ているだけなのだ。とはいえそれでも怪盗気分なのは確かであり、そしてだからこそ見つからない様にと言う精神は存在する。

「むむ! 嫌な予感!」

 ミランはふと『なんとなく嫌な感覚』を知覚すると、すぐさま近くの部屋へと隠れた。扉を閉じてすぐ、扉の前の廊下から足音。どうやら巡回の狐巫女が丁度曲がってきて、部屋の前を通っているようだ。もし隠れなかったら間違いなく見つかっていただろう。これこそ彼女に備わった第六感。猟兵ともなればそれはバカにできるものではなく、立派な危険感知能力となる。

「よし、行ったねー」

 足音が過ぎ去ったのを確認すると、ミランは部屋を出て先を進んでいく。



 同じ調子で暫く進んでいったのだが、流石にそこはあくまで第六感。万全までとはいかず……。

「いましたー!侵入者ですーー!胸でかーーー!」
「であえーであえー!」
「しまったー!」

 出てきた所を別方向からたまたま来た狐巫女に見つかり、すぐに逃げ出したがあっというまに追いかけっこ状態になってしまった。相手は人数を増やしながら追いかけてきている。このままではこちらがジリ貧になるに違いない。

「なら!」

 ミランは廊下の曲がり角を曲がる。後を追ってきた狐巫女たちも遅れて同じ角を曲がる。部屋に隠れたかと思いきや、廊下の先には変わらず走るぴっちりスーツ姿のミランの姿。狐巫女たちはそのまま追いかけながら、懐から何かを取り出した。それは彼女らが崇める狐焔神が描かれたあやかしメダルであり、そのメダルにはその力が込められている。狐巫女はそれを握り思い切り振りかぶる。

「逃がさないです!狐焔神道のお守りをプレゼントです!」

 そしてミランの背向けて、メダルを思いきり投げ飛ばした。悪魔の世界の住人たる異常な力で投げられたそれは空気を突き抜けながら進み、果たしてミランの背中へとぴたりと張り付いた。その瞬間。

「はう!?」

 必死に逃げていた筈のミランが奇妙な声をあげたと思えば、段々と脚がゆっくりとなっていき、やがては座り込んでしまった。そして彼女は顔を赤らめ、そして自分を抱くような姿勢になってしまう。

「な、なにこれー……なんだか、へんな、きぶん……からだがあつくて、じんじんして……これって……」

 身体中に奇妙な感覚、そしてほてるような興奮が沸き上がってきて、とても走っていられなくなってしまったのだ。そんな彼女に当然のように、狐巫女たちが追いついてくる。

「ふふふふ……それこそが、私たちが崇める神のお力。これこそが、『性欲』なのです!!」
「いいでしょう、気持ち良くなって来たでしょう?男の人のところにいきたいでしょう?」

 ニヤニヤと笑いながらも、ミランに近づいてきて囁きかけてくる狐巫女たち。抵抗も十分できる距離まで来たが、ミランは身体の感覚にそれどころではなくなっている。

「お、男の人……? あれ、なんでだろー……いきたい、男の人のところ、なぜか、行きたい……」
「そうでしょうそうでしょう! 残念ながらここにはボスと私たちだけなのでいませんが」
「でもでも、女の子同士も、悪くないです!」

 そう言って狐巫女たちはミランにがばっと組み付いてきた。拘束してくる……わけではなく、ミランの怪盗スーツに包まれた全身を撫でるように、そしてくすぐるように指や手を這わせてくるだけ。だが、体の異常な感覚で敏感になっているミランにはそれだけで多大な刺激となる。

「ひゃ、う!! はあん……なにこれ、へんな、きもちぃ……いやなのに、あついのに、なんだか、もっと、しゃわってほしい……♪」
「ふふふ、この服とても触りやすいです……貴方の身体がとてもとても触りやすいです!」
「大きい、この大きいお胸! なんて悪いお胸ですか! うらやましいです! このふっとい尻尾と共に、こうしちゃうです!!」
「ひゃん! やめ、あぁん! そこは、あぁーー!」

 服越し(尻尾は完全に直触りだが)ではあるが、狐巫女たちの手はミランをどんどん刺激していく。どんどん高まっていく異常な感覚に、ミランの目は天井を見たまま虚ろげになってきてしまっている。

「こんな廊下ではいまいち盛り上がりません! あっちの部屋でお楽しみするです!」
「そうですね! ついでにこの辺りの仲間も呼びましょう! 皆で、この子を狐焔神道に導いてあげるのです! さあ、もっときもちよくしてあげるです!」
「はぁああん、きもちいいの、もっとくれるの? もっと、もっとちょうだいーー!」

 狐巫女たちに抱えられたまま連れていかれるミラン。憐れ、彼女の怪盗道はここで終わってしまった――――




 訳ではなく

「い、行ったよね……うわあ……」

 狐巫女たちが去った後の廊下。そこから少し離れた、先程の曲がり角のすぐの部屋の扉がゆっくりと開く。そこから現れたのは、ドキドキした顔こそしているが、さっきのミランよりは平静を保っている少女……いや、他ならぬそのミランそのものであった。

 種明かしをすれば、ミランは曲がり角を曲がった時、瞬時にすぐ近くの部屋に飛び込んだのだ。とはいえ、それだけでは姿が見えなくなった事を怪しんで狐巫女たちが周囲を探し逆に部屋に追い詰められてしまうのは明白である。そこでミランは、部屋に入ると同時に自分で自分を触り、ユーベルコード【幻神】を発動。これは触れた対象の幻影を生み出し協力して貰う技。彼女はこれで自分自身の幻影を作り出し、廊下をそのまま走らせる事で、本体が隠れている部屋から注意を外させそのまま追走させたのだ。ちなみに幻影とはいえ、実体がある為狐巫女のメダルは命中したし、狐巫女が触ることもできた。後はあの情事が終わるまで聞き耳を立てながら息を潜めて、去ったのを確認して出てきたのだ。

「よく分からなかったけど、あのままだったらわたしが……うー、ここからは絶対見つからないようにしよう、うん!」

 声だけでもそれはもう恐ろしい何かを感じ、寒気を感じたミランは改めて屋敷内を進み始める。幸い、先程の連中によりこの辺りの狐巫女の何人かは一つの部屋に集中している筈。ミランが幻影を消さない限りはそこに引き付ける事が出来るだろう。


 なお、分身がその後、狐巫女たちにどうされたのかは…………ここでは語らない方がいいだろう。

「ゴメンね、幻影!」

成功 🔵​🔵​🔴​

夜月・クリスタ
実に典型的な私服を肥やす悪役じゃないか。なら本業の…怪盗フォックステールがそのDを盗ませてもらう!あとスーツは、自分用の仕事着は持ってるから結構だよ。

【犯行予告状】は送らせてもらう。そうすれば警戒するはずだから、僕も【変装】して潜り込もう。頃合いを見計らったら隙を突いて【気絶攻撃】、【ダッシュ】で駆け抜けつつ繰り返し、あえて包囲させメダル攻撃を放たれる状況を作りだそうか。

メダルが放たれたらそのまま【ジャンプ】し【妖狐複製・破魔苦無】!【破魔】の力を複製した苦無に宿して、そのまま地面へ発射し破魔の力を炸裂させる。苦無自体を直撃させないよう注意すれば、死にはしないはずさ。


サエ・キルフィバオム

「巫女さんとは戦わずに進めばいいよね♪」
オブリビオンでない相手なら戦わずに済ませる方向です

「新入りだよぉ、よろしく!」
妖狐であることを生かし【ミラード・クローゼット】で狐焔神道の巫女服をコピーして、【誘惑】【演技】【恥ずかしさ耐性】で巫女の集団に入り込み、彼女たちの仕事や活動を手伝いつつ【聞き耳】を立てて【情報収集】をします

「でさぁー、オルトレーヴェ様に悪戯してみたら楽しいと思うんだ~♪」
冗談の体で【言いくるめ】、【コミュ力】でボスへの奇襲ルートや弱点やらの意見も聞いてみます
必要そうな鍵などの類を持っているようであれば、こっそり接近して【盗み】ます



●見つめるダブルフォックスアイ

 さて、怪盗として予告状を出した猟兵がいたのを覚えているだろうか。
 実はそれは1人では無かった。だが先述の通り、そちらも同じく……。

「怪盗フォックステール!? そいつがお宝を頂きにやってくるのですか!!」
「ボスに知らせなくては!」
「でも知らせない事は悪い事では!」
「「「確かに!!!」」」

 と言う事になり、これも他には共有されずにごく一部にだけ情報が独占されることになってしまった。とはいえそのごく一部の者達も、近場の狐を見つけては情報を教えずに周囲に集めて、警備を一部強化はしている。

「ねー? なんで集められてるのー?」
「何も聞かなくていいのです! ただいればいいですからね!」
「あ、そうー」

 そうしてどんどん狐を集めていき、一区画を狐巫女だらけになる(尚これにより他の所は手薄になり、別猟兵の侵入を許しているのは言うまでもない)程になってきている。

「ふっふっふ。これで万全!さあ、来るがいいのです、怪盗フォックステール!!」

 予告状を受け取った1人である狐巫女が高らかに叫んだその時だった。

「ああ、なんだ。やはり受け取ったのは君達だったのか。全体的な警備が高まってないから妙だとは思ったけど、警備を固める所に敢えて入って正解だったね」
「え……ハウッ!!」

 突然の声に聞き返す前に、狐巫女は1人首筋に衝撃を受け、あっという間に気絶して床へと倒れ伏した。
 その様子に慌てて向き直った狐巫女たち。そこにいたのは、倒れた狐巫女のすぐ後ろにいた、同じく狐巫女の筈の存在。

「な、何をするんですか!!」
「ま、まさかお前はー」
「フッ……その通り。オブリビオン相手に月夜に現る鮮やかな怪盗。そう」

 狐巫女が何かを放り投げる。それは、狐巫女の衣装や金髪のウィッグ。そして投げ捨てた後に現れたのは、同じく狐耳や尻尾を着けてはいても、その色は茶。そしてミニスカな和服とマフラーを纏った女性。

「怪盗フォックステール。予告通り、欲にまみれた宝を頂きに参上した」

 そう、彼女こそが予告状を出した怪盗フォックステール、こと夜月・クリスタ(怪盗フォックステール・f13971)。今回急場でやるまでもなく、元々オブリビオンの怪盗を営む、本家本元の怪盗猟兵である。なお当然自前の怪盗スーツがあるので件のボディスーツは遠慮している。
 彼女は予告状を出した後、元々妖狐である自分の特徴を利用し変装。狐巫女になりすまして屋敷に潜入。ろくに全員の顔を覚えていない狐巫女らの中に紛れ込み、警備強化を敢えて利用し、増員として内々へと入り込んだのだった。

「私達に成りすますなんて、なんて人ですか!」
「でも姿を晒したのが運の尽きー」
「そうです! こんな所で正体を晒すなんて、取り囲んで欲しいと言っているようなものです!」

 狐巫女たちはクリスタを囲むように一気に展開、そして皆が一斉にメダルを構えた。メダルを投げて、性欲を高めて動けなくする技だ。これだけの包囲、もし全て当たれば正気を保てるかどうか分からない程だろう。

「おやおや、それで僕をどうにかしてしまうつもりかな?」
「ふふふ、狐焔神様の教えをその身に与えるだけです! さあ、その教義を身で感じるのです!!」

 狐たちがクリスタ目がけて一斉にメダルを投げる。包囲したメダルが四方から襲ってくる、そんな状況でもクリスタは笑みを崩さない。

「興味を惹かれなくはないが……今は怪盗としての仕事を優先させて貰うよ」

 クリスタはメダルが目前に迫ったその瞬間、高く跳躍。天井に迫るほどに飛びあがり、狐巫女たちを眼下へと置く。狐巫女たちがしまったと思うまでもなく、彼女らにはクリスタを逃したメダルがそのまま対角への進路のままに襲い掛かる。包囲攻撃にはこういった弱点もあると、狐巫女たちは理解していなかったのだ。

「アひいいいいいん!!」
「お、おおおおお! 狐焔神様あああああああん!!」
「き、きもちいいですぅうううううううう!!」

 メダルを貼りつけられ、性欲を極限まで高ぶらされた狐巫女たちは快楽に満ちた笑顔で体をがくがくとさせながら次々と崩れ落ちていく。流石に性欲を教義に抱える狐巫女と言えど、自分達のユーベルコードに耐えきれるほどの物では無かった。
 だが、流石に人数が多ければ被弾しないものも出てくる。丁度目の前の狐巫女が遮蔽になった狐巫女が何人か残り、飛びあがったクリスタを目で追い、続けての攻撃をを放とうとメダルを用意する。

「おのれ、でも次こそはです!」
「いいや、君達にもう次は無い」
「何を言っ、あひいいい!?」

 空中でも余裕そうなクリスタに再びメダルを放とうとした狐巫女たちだったが、次の瞬間、足元に設置されていたロープが一気に輪を縮めて狐巫女の足をからめとると、次々とその脚を縛り付けていく。
 ただし、1人だけの狐巫女を残して。

「う、動けないです!?」
「『助かった』。では、これで終わりにしよう」

 クリスタは空中で手持ちの破魔の苦無を投げた。それは空中で別れ、多数の苦無へと分裂すると、次々と意識を保った狐巫女の足元へと飛んでいく。【妖狐複製・破魔苦無】。苦無を多数に分裂複製できるシンプルな技。そして苦無には破魔の力が宿っている。悪魔が基本であるこの世界の住人には覿面であり、そして殺すほどの力とはならない。

「あああああああん!!」
「うひいいいいん!!」

 破魔の力を受けた狐巫女たちが失神し、倒れていく。そうして、ついにはたった一人の狐巫女だけが立ったまま残った。
 だが、降り立ったクリスタは彼女に何も警戒する様子を見せない。それどころかにこやかに歩み寄る。手に、他の狐巫女たちを縛り付けたロープの端を握ったその狐巫女に。

「改めて、助かった」
「いえいえ。こっちも、貴方の出した予告で起こった警備強化に乗じて忍び込めて、その間に色々さりげなく聞きだせたしね♪」

 そうして狐巫女は他の者とは全く違う口調で喋り出した。そう、クリスタのように、狐巫女に変装して潜入した猟兵は彼女だけでは無かったのだ。
 彼女はサエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)。彼女もまた妖狐であり、潜入活動を得意とする猟兵。彼女は自身のユーベルコード【ミラード・クローゼット】で狐巫女の服を用意し変装。クリスタと同じく妖狐であることも活用し、警備に紛れ込み、誘惑や会話術で同僚からボスや屋敷の情報を聞き出していたところに警備強化の誘いがあったのでこれ幸いと乗り、移動先でクリスタとお互いに正体に気付き、動きの打ち合わせをして警備に戻ったのだ。
 クリスタが先にあえて目立つように正体を晒し、包囲した所を逆に迎撃。サエはその間に自身の自在ロープを周囲に巡らせ、無事だった狐巫女の動きを止め、そこをクリスタがトドメを刺す、というものだった。

「首尾はどう?」
「上々。色々聞き出せたわ。宝部屋の鍵も盗んでおいたし、ボスについては他の猟兵と合流したら話しておくわね」
「それでいい。では、ここは閉めておいて、ボスの元に向かうとしよう」

 クリスタは再び狐巫女の姿に変装し直すと、狐巫女たちが倒れたり気をやっている部屋から出て施錠。サエと共に、巡回している風を装って悠々と狐巫女としてボスの部屋へと進んでいくのであった。

「ふふ。狐仲間としては心苦しいけど、化かしてこその狐だものね?」
「まあ、今回はこちらが上手だった、と納得して貰おうかな」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

サリア・アズラーイール
NGなしのアドリブ歓迎です。

キャッツごにょごにょスーツ……?
せっかくだからお借りしようかしら……素肌にそのまま着るけどこれ……ん……きっつい……サイズ違うんじゃないかしら……。

色々はみ出そうになるのを押さえながら作戦開始するわね。
戦闘といってもオブリビオンではないのよね。
聖なる散弾銃で急所を外して攻撃するわね。
にしても、このスーツきつくて動きづらい……あっ、ちょっと色々見えちゃう?!
と、うまく動けずに、逆に巫女達のいいようにされて、返り討ちに遭ってしまうわ。
そして巫女達の欲望の赴くままに嬲られ凌辱されて。



●誘い出しのシスター

 次々と警備を突破していく猟兵達。だが、その裏にはまた別の猟兵たちの尽力が存在した。狐巫女たちは数が多く、本当ならもっと警備は幅広く隙間なく置かれていた筈なのである。分身の犠牲や警備強化の偏りはあったが、それでもまだ手こずるくらいには。
 では果たしてその分の警備はどこへ行ってしまったのか……少しずつ語っていくとしよう。



「……ん……きっつい……サイズ違うんじゃないかしら……」

 屋敷の中を、件のぴっちりした、黒色のキャットごにょごにょスーツに身を包んだ少女サリア・アズラーイール(死天使・f30424)が歩いていた。そのサイズは実にぱっつぱつ。

特に胸の部分がその大きさを封じ込めしきれておらず、くっきりとその形が浮き出ている状態である。それでいて、シスターとしてのフードだけはしっかりしてるのが何だかアンバランスな服装でもある。

「でも、怪盗をやるなら是非って言われたし、やっぱり着るべきよね?」

 素直なところがあるサリアはサイズが違うと思いつつも正直に着てきてしまった。だが当然サイズがきつければ動きもまた自然と制限されてしまう。当然動きもぎこちなくなってしまい……。

「は!侵入者ですでかあああああい!?」
「何!? 侵入者ですってでかあああああい!!」
「見つかってしまいました……!」

 その強烈なインパクトに狐巫女たちの語尾がおかしくなりつつも見つけられてしまった。サリアは隠密を諦め、武器である聖なる散弾銃を取り出す。狐巫女たちが何かする前に、制圧してしまおうと射撃を開始する。

「ぎゃふん!!」
「あひん!! なんだかすごく効きますぅぅ!!」

 急所を外した聖なる弾丸が狐巫女たちに命中し次々と倒れさせていく。彼女の放つ弾丸には魔に対して特攻の効果があり、悪魔が基本であるこの世界の住人には大きな効果を発揮し、急所を外しても動きを制限できる効果は十分にあった。
 だが如何せん、知らせを受けて次々に集まってくる狐巫女たちの数が多すぎた。そして更に言えば、そもそも見つかった要因である問題がサリアには残っていた。

「うごきが、きつ……あ!」
「よろけたです! 今です!!」

 スーツのきつさが災いし、足をとられたサリアがよろけたところを狐巫女たちが一斉に襲い掛かり彼女を複数で捕まえてしまった。手足を封じ込められたサリアの前に別の狐巫女らが立つ。

「むむ? さては貴方、他宗教の人ですね? なら、貴方を狐焔神道に改宗してあげますです!!」
「いけません、私は、私の……」
「ふふふ。性欲のままに導かれれば、そんな考えも変わります! さあ皆、欲望は素晴らしく、性欲は高め合っていくもの! 皆で賛同して神の教えをここに!! 【狐焔神道は欲

望を高めるのに最適です!さぁ皆様も!】」

 狐巫女が祈るように天を仰ぐと、周囲が光に満ちていく。狐巫女たちが同意し賛同していくことで、その歪んだ欲望がこの場で叶えられてしまうのだ。それは当然、サリアもまた巻き込んで。

「い、いやあああああああああああ!!!」

 そして彼女らは光の中に消えた。



「ふふ、どうですか?キモチいいですかぁ?」
「ああ……全身がキモチいいです、もっと、もっと……」

 しばらく後、個室にて淫らな宴が催されていた。
 主役は捕まったサリア。彼女は全身を荒縄で縛られ、股を広げた無様な格好で天井から吊るされていた。ぴっちりスーツのまま縛られた姿はあまりに見ていられない。だが、狐巫女たちにより、欲望は素晴らしい、性欲を高め合うことこそ一番という願いを刻み込まれたサリアにはそのすべてが性欲を高め合う材料でしかなく、顔を赤らめた彼女には淫らな笑みが浮かんでいた。

「ふふふ、さあ、どんどん縛ったりはたいたり揉んだりしてあげますぅ!」
「ああ、もっと、もっとしてください……欲望は最高です……欲望こそが……ふふ、ふふふ、あああん!!」

 縛られ、胸や尻を平手ではたかれ、そしてスーツ越しに体を狐巫女たちにもみくちゃにされていく。その全てがサリアには快感に置き換えられ、そして欲望と性欲を高めていく喜びに支配されていく。

「あははははは! 楽しみ抜いたら、貴方も狐焔神道に入れてあげましょう! スーツの上から、小さい巫女服を着せてあげます! 嬉しいですか!」
「は、はい……! 欲望こそ一番、性欲が最高……! もっと、もっと染め上げて……!!」


 こうして淫らな宴は、別の猟兵が助けに来るまで続いた。幸い間に合ったようで、彼女のシスターとしてのフードは彼女の頭にしっかりと残っていたという。

成功 🔵​🔵​🔴​

美波・蜜香
チェルノさん(f06863)と一緒
でも囮になるため別行動を取ります

むんっと【気合い】を入れて【スーパージャスティス】でパワーアップ
狐巫女たちを【怪力】でちぎっては投げ、アリスランスで【なぎ払い】、なるべく傷つけないようにしながら逃げ回って狐巫女を集めてその間にチェルノさんにボスの居場所を突き止めてもらう
逃げ延びたらチェルノさんと合流

でも囲まれた状態でフェロモン漬けにされ、刀で衣服を切り裂かれて性欲を暴走させられて狐巫女の前で激しく自分を慰め、そのまま狐巫女たちに群がられて快楽責めにされ、そしてチェルノさんの前に現れた時にはすっかり狐焔神道の虜となってそのまま襲いかかる…

※アドリブOK・NGなし


在原・チェルノ
蜜香ちゃん(f20221)と一緒

キャッツごにょごにょスーツに身を包んで怪盗仕事
(普段似た様なの着てるから気にならない)
蜜香ちゃんが敵を引き付けている間に【迷彩】と【忍び足】で見つからないようにしながら【失せ物探し】と【第六感】でボスの部屋を探す
発見したら蜜香ちゃんに連絡を入れて合流

(でも敵に捕まって信者となった蜜香ちゃんが住人を引き連れてやってきて)
そんな…蜜香ちゃん!?だめ、目を覚まして!
(呼びかけも空しく、信者たちの願いによって性欲を高められて信者たちの前で自分の欲望を解放しながら蜜香ちゃん相手に痴態を繰り広げる)
蜜香ちゃぁん…もっと、もっと気持ちよくしてぇ…❤

※NGなし・アドリブOKです



●誘い出すピンクコンビ

 屋敷のまた別の一角。そこではまた別の猟兵たちが、狐巫女たちに見つからない様隠密を……。

「むん! 【スーパージャスティス】! てーーーい!!」
「ぬわああああああ!! 振り回されるですーーー!」
「すごいパワーと胸ですーーー!!」

 隠……密……。

「シュテンペランツェ! そりゃーー!!」
「ぐはああああ! 槍にも吹き飛ばされるですーーー!」
「凄い力と胸ですーーー!!」

 …………はい、正直にいこう。『隠密?アイツは置いてきた。この戦いについてこられそうにない』とばかりに、全身を黄金のオーラで纏った美波・蜜香(ブルーメンリッター・f20221)が狐巫女相手にそれはもう暴れまくっていた。溢れるパワーで狐巫女をぶん投げ、槍で急所は外して吹き飛ばす事で気絶、と命を奪わない範囲で倒している。だが流石に狐巫女も次々と集まってくる。だが蜜香はあえてそこで拘泥せず、逃げに走る。

「まてーーー!逃がさないですーーーー!」
「追うですーーーーー!!」

 狐巫女たちも蜜香を追い、廊下を走っていく。足音が喧騒を立て、やがて遠ざかっていく。
 ……それから程なくして、廊下の片隅の部屋から、そっと出てくる影がある。

「よし、作戦通りに引き付けてくれたね」

 あのキャットごにょごにょスーツ(ピンク)に身を包んだ彼女は、在原・チェルノ(流星忍姫チェルノ・f06863)。彼女は元々こういったスーツを着ている為、抵抗もなく、また動きへの阻害も無く活動する事が出来た。
 彼女は蜜香と組んでおり、蜜香がその圧倒的パワーで注目を引き、誘導して狐巫女たちの警備を手薄にした隙に、チェルノがその区画を調べる、という作戦を立てていたのだ。果たして、周囲からは狐巫女の気配が消え、チェルノが堂々と探索できるようになった。

「とはいえ、万が一はあるし……」

 彼女はスーツと自分に迷彩処理を発動。更に忍者としての忍び足の技能で足音を殺し、後は自身の勘を頼りにボスの部屋を捜索することにした。



 さて一方、逃げる蜜香と追う狐巫女たち。圧倒的パワーと速度の蜜香に苦戦し、中々追いすがれない狐巫女たち。このまま引き付けられる、と思った蜜香だったが、ここは敵地。

敵がいるのは決して、後ろだけではない。

「今です! 【とってもありがたい刀のパワーをお見せします!】」
「ええ!?」

 それは進行方向からの、待ち伏せによる奇襲。そこから飛び出してきたのはなんと服を脱ぎ捨てたあられもない姿の狐巫女。蜜香が動揺して対応が遅れた隙に、刀を抜いた狐巫女がそれを一閃する。刀は過たず、蜜香を切り裂く。だが、血が迸りはしない。だが。

「あ、あ、はあああああああぁ♪ なに、これええええええ」

 起きたのは蜜香の、悲鳴では無く、嬌声。観れば彼女は服だけを切り裂かれ、ほとんど裸の状態にされたがその身には傷一つない。だが、その身体はびくんびくんと痙攣し、目も白目になりかけてしまっている。

「ふふふ、これこそ、狐焔神様の力のこもった、性欲高め刀の力です!!」

 狐巫女の振るう刀はある条件を満たせば、その刃は身体を傷つけず服だけを切り裂き、更に相手の性欲を極限まで高める効果を発揮する。これにより蜜香は性欲を加速させられ動けなくなってしまっているのだ。その上……。

「ふええ……なんでぇ、狐巫女さんから、目が離せないぃ……」

 逃げようとしようにも、切りつけた裸の狐巫女から蜜香は注目を外すことができないでいる。それは、狐巫女が服を脱ぐことで彼女は強制発情フェロモン放出状態になる。これにより、蜜香は更に精神をおかしくされ、狐巫女から目を離すことができないのだ。
 更に発情効果により、手は自然と自分の身体へ伸び、こらえきれない高ぶりを慰めんと動いてしまい、まともに逃げようと言う思考すら動かす事も出来なくなってきている。

「さあ、皆!一気にこの人も性欲の信徒に導いてあげるです!」
「「「はい!!!」」」

 動けない蜜香を狐巫女たちが取り囲むと、全員一斉に服を脱ぎ、自分の刀をすらりと抜く。それを蜜香に向ける様に、蜜香はぞっとする。今でさえこんな状態なのに、更に一気に刀とフェロモンを受けてしまったら自分がどうなってしまうのか。想像すら恐ろしい。

「や、やめ……」
「さあ、ありがたい狐焔神様のお力を、その身に受けるのです!!」
「い、いやああああああああああ!!!」

 蜜香の悲鳴と共に、数多の刀が一気に振り下ろされた。



「よし、恐らくこの部屋だね。入るのは皆と合流してからにして……あ、通信入ってる。もしもし?」

 暫く後、チェルノはボスのいると思われる広い部屋を見つけていた。そこに蜜香から通信が入る。

『もしもし、こっちは上手く撒けたよ。チェルノさんはどう?』
「それは良かったー。こっちも部屋を見つけたよ。合流しよ」
『うん。でも、ボスに気付かれるかもしれないから、少し離れた場所で……』
「あ、そうだね。じゃあ……」

 チェルノは蜜香の位置を確認し、マッピングしておいた場所から合流地点を導き、蜜香に誘導指示を出して合流地点へと向かう。

 程なくして、待っているチェルノの背後から声がかけられた。

「お待たせしました、チェルノさん♪」
「あ、大丈夫大丈夫。私も今来たと……こ……」

 蜜香の声に振り向いたチェルノは、その瞬間に絶句した。理由は2つ。1つは、現れた蜜香が何も着ていない全裸の姿で、にやけた笑いで自分の身体をまさぐっているどう見ても異常な状態だったこと。そしてもう1つは、その蜜香の後ろにニヤニヤ笑っている狐巫女たちが大量にいた事だ。

「み、蜜香ちゃん……?」
「うふ、うふふふ、チェルノさん……欲望は抑えちゃいけません……性欲を高め合うことが一番です……♪ ァアン……狐焔神道こそ、この世で一番の教えですぅ……♪」

 その様子でチェルノは全てを察した。蜜香が逃げ切れず、狐巫女たちの犠牲となり籠絡された事。そしてその蜜香により、自分がまんまと誘き出された事を。

「くっ、こうなったら!蜜香ちゃん!目を覚まして!」

 チェルノは仕方ない、と【サイキックブラスト】で蜜香や狐巫女たちを気絶させようとする。だが、それよりも敵の動きの方が早かった。

「さあ、貴方も狐焔神道に入り、共に性欲を高め合いましょう! 新たな神徒と共にいざ! 【狐焔神道は欲望を高めるのに最適です!さぁ皆様も!】」
「賛同します!」
「賛同します!」
「賛同しますぅ! チェルノさん、一緒にぃ!」

 狐巫女たちに加え、蜜香もまた賛同に加わった事で狐巫女の願いはより強固に確実に叶う。放たれた光はあっという間にチェルノを呑み込んでいく。

「う、うわあああああああ!!」



 そしてその後、近くの一室にて、こちらでも淫らな宴が行われていた。尤もこちらはまた少々趣が異なる。

「うふふ、チェルノさぁん……」
「蜜香ちゃぁん…もっと、もっと気持ちよくしてぇ…」

 狐巫女たちがぐるりと囲んだベッドの上、そこにはチェルノと蜜香の二人がいたが、その様子は先程とは更に一変していた。
 2人ともサイズがきつい、狐巫女たちと同じ狐焔神道の巫女服を着ており、髪の毛も同じく金髪に染め上げられていた。狐耳や尻尾こそないが、それはUCの効果により、共に性欲を高め合う信徒となるという願いが叶えられ、彼女らが狐焔神道に染め上げられたことを意味していた。
 性欲を高め挙げられた二人はベッドの上で絡み、身体をすりつけ、手でお互いをまさぐっていく。それだけでも2人の快感は高まり、頭にはその教義が刻み込まれていく。

「欲望こそ第一……♪ ああ、欲望を解き放つってこんなに気持ちいいんだぁ」
「性欲を高め合う事こそ幸福……♪ 素晴らしいですぅ、これからはもっと狐焔神様に尽していきますぅ」

 2人は自然と唇をつけあい、キスを交わす。性欲が昂り、お互いの赤らみ、目が上向きになった顔が間近となり、お互いが一気に果てへと至る。

「み、蜜香ちゃあああん♪ 一緒に、一緒にぃ!」
「はい、チェルノさん、私も、一緒にぃ♪」


 そして一室に、二人の嬌声が高らかに響く。その後、猟兵に助け出され、回復UCにより二人は髪の色も含めてなんとか元に戻ったという。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
海賊も義賊も似たようなものだよね
そんな訳だからやっちゃお、ウィーリィくん!

【暗視】で夜闇を見通して【宝探し】で宝の在処(=ボスの部屋)を探す
警戒はウィーリィくんに任せて誰か近づいてきたら知らせてもらう
住人と遭遇したら【ロープワーク】で縛り上げて大人しくしてもらう
あ、これプレイとかじゃないからね?ボク健全だよ!?

もし住人たちに見つかって捕まっちゃったらメダルを貼り付けられて欲望のままにウィーリィくんに襲いかかって押し倒し、快楽を貪りあう
「キ、キミが悪いんだからね?キミが失敗したからこんな目に遭わされてるんだから、責任取ってよね?」

(※アドリブOK、サービス上等です)


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
怪盗も泥棒もやってる事は同じだよな。
大義とか美学とかの違いだけで。
とりあえずさっさと済まそうぜ。

と言っても屋敷は結構広いから捜索はシャーリーに任せて俺は【聞き耳】で周囲を警戒。
住人の足音が聞こえたらシャーリーと一緒に【物を隠す】で物陰に身を隠す。

にしても、否応にも壁越しに部屋の中の声が色々聞こえてくる訳で。
真っ赤になりながらそれらを聞かない様に全集中しながら先を進む。

……で、そうなると【聞き耳】も使えないから近づいてきた住人にも気づかない訳で。
「こんばんわ、いい夜ですね?」
オジギ終了から0.02秒、【早業】で住人を気絶させてそのまま逃げ去る!

(やられ&アドリブOKです)



●誘い出すかまぼこコンビ

「海賊も義賊も似たようなものだよね。そんな訳だからやっちゃお、ウィーリィくん!」
(まあ、確かに怪盗も泥棒もやってる事は同じだよな。大義とか美学とかの違いだけで)
「ああ。とりあえずさっさと済まそうぜ」

 また別の区画にて二人で進んでいるのは、シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)とウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)。仲が良く今までも色んな依頼をコンビでこなしてた2人にとっては今回も同じ事。潜入任務であろうと怯む事は無かった。

「『目』は任せたぜ」
「うん、そっちも『耳』はお願いね!」

 2人の作戦は単純に役割分担。
 シャーリーはセンサーアイパッチの暗視能力により、闇夜でも視界を確保できるため、あえて屋敷内では無く闇夜の外を多めに進んでいき、また、視界内の動きも敏感に察知することができる。
 ウィーリィは料理人として鍛えた耳で周囲を感知。姿が見えないものでも音は発する。単純に足音だけでも察知には役立つので、それでシャーリーの穴を塞ぐ。それぞれがそれぞれに専念することで、高い感知能力を発揮していた。

 それでも狐巫女は多い。どうしても見つかってしまう事もある。だがそこは2人も歴戦の猟兵。

「見つけうぐっ!!」
「見つけひゃぎっ! な、なんて見事な縄縛り! さてはそこな人相手にプレイで鍛え上げた腕ですねこふ!!」
「これプレイとかじゃないからね!?ボク健全だよ!?」
「あと俺相手でもねえ!!」

 見つかったならば即座にシャーリーが得意のロープ技で一気に縛り上げ、そこをウイーリィが早業で当身をして気絶させる、という方法でなんとか周囲に気付かせずに進んできていた。


 だが、在る区画へ入ると、ウイーリィがびく、と身体を強張らせた。

「? どったの?」
「あ、い、いや……なんでも……」

 ぎこちないウイーリィが気にかかりつつも、シャーリーが前方に目線を戻す。一方、ウイーリィの方は全く持ってなんでもなくなかった。なぜなら。

『あぁ、狐焔神様、狐焔神様ぁぁぁん!! アッ、アッ、アッー!』
『ふふふ、ほら、まだここを縛って欲しいですかぁ? ほらほら、だらしのないお胸をもっと痛め付けて欲しいですかぁ?』
『あぁ、あんなに絡み合って、愉しそうですぅ。二人とも立派な信徒になってくれて嬉しい限りで、つい……きゃぁん♪』

(や、やべえ。そこら中の部屋からやばい声が漏れてくる……!!)

 聞こえてくるのは狐巫女たちの、淫らで色っぽさすらある性欲に塗れた声ばかり。どうやらそういう部屋ばかりの区画に入り込んでしまったらしい。そして、対象が自分でないとしても、そういった淫らな声は、青少年であるウイーリィを刺激してしまう。

(ま、まずい!聞くな、聞くな、聞くな!聞こえない聞こえない聞こえないこんな声聞こえない!)

 顔を真っ赤にしたウイーリィはここを抜ける間だけでも、と狐巫女たちの声を聞かない様にしてできるだけ急いで進もうとする。
 だが、流石にウイーリィの男が限界だったとはいえ、それは無理があった。

『あ、見つけました! よーし、ここから……』
(聞こえない聞こえない聞こえな…………え!?しまっ)

 ウイーリィが、淫らな声に紛れた狐巫女の声に気付いた時には、もう既に遅かった。後方の物陰から放たれたメダル。それが、僅かに反応が送れたウイーリィの手を掻い潜り、シャーリーの背中へと命中してしまう。

「はうっ!!」
「シャーリー!? くっ!」

 シャーリーが被弾したのを見たウィーリィは、咄嗟にシャーリーを抱えると近場の部屋へと飛び込んだ。幸い中は無人。すぐに扉を閉め、内鍵をかける。

(ユーベルコードを使える相手じゃ気休めにはならないかもしれないが、まずはシャーリーの状態を確かめる。二人がかりならなんとかなる筈だ!)

 ウイーリィはベッドに横たえたシャーリーの下へと駆けつけて、背中を確認した。だが、そこには傷は無く、代わりに狐が描かれたメダルが接着剤を貼ったかのように張り付いているだけだった。ウイーリィはとりあえず傷が無いことに安堵した。

「ごめんシャーリー。俺が狐たちのその、エッチな声から耳を逸らしたせいだ。とりあえず体制を整えて、向かってくる奴らを迎……えっ!?」

 突如、ウィーリィの体にロープが襲い掛かり、あっという間に手足を縛られ、そしてベッドの四隅に固定され、ウイーリィは手と足を広げた姿勢にさせられてしまった。こんな事を瞬時にできるのは、この部屋の中で1人しかいない。

「お、おい、シャーリー!どういう……」
「キ、キミが悪いんだからね……?キミが失敗したからこんな目に遭わされてるんだから、責任取ってよね……?」

 そう言って迫るシャーリーの顔は、赤らみ、舌をなめずり、そして自分の服を脱いでいく、明らかにおかしい状態になっていた。

「シャ、シャーリー!? 何脱いでるんだよ!!」
「さっき、背中に何か当たってから、熱くて、熱くて、仕方ないんだもん……それに、それに、身体が寂しくて、切なくて……我慢できない……我慢なんてするなって、声がするんだもん……」

 服を捨て去り、息を荒あげるシャーリーがウイーリィの上に膝を立てて見下ろす形になる。そしてそのまま覆いかぶさると、ウイーリィの首筋を舐め、そして動けない全身を手で撫でていく。

「あ、や、やめろ、シャー、リー」
「止まらないよぉ……欲望は、止めなくて、いい……性欲は、止めなくて、いい……ふふ、ふふ、ふふふふ♪」
(ま、間違いない! シャーリーはさっきのメダルでこんな状態になってる! 俺のせいなのは、確か、か……!)

 去来する罪悪感。そして、シャーリーの喜ばしそうな顔。それに、ウイーリィは抵抗をやめた。これがシャーリーをこんなにしてしまった自分への罰か、と全てを受け入れて。

「ふふ……服、脱がしちゃうね?」
「ああ……それで、お前が、満足するなら」
「だぁめ♪ だって、それじゃあ君が嬉しくないでしょ? ウイーリィくんも喜ばなくちゃ、だめ。だから」

 扉が破られる音。そして、飛んできたのはもう1つのメダル。それをシャーリーハ掴むと、それをウイーリィへと近づけていく。

「一緒に、一緒に……満足し合おう♪」



 その後どうなったかは密室の中の事。ただ、中からは2人の声が響いていたのは確か。

「ウイーリィくん、ウイーリィくん! もっと、もっと♪」
「はぁ、はぁ、シャーリー、シャーリー、シャーリー! ぁあ!!」

 思いあうが故の、二人そろっての快楽の貪り合い。それを詳しく語るのは、まさに野暮というもの。


 ちなみに普通に野暮にそれを眺めていた狐巫女たちは、夢中になりすぎて背後からの猟兵の襲撃に気付かず、記憶ごと吹き飛ばされた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

久遠・翔
アドリブ絡みエロ歓迎

嫌な予感が…何と言うかダメな方面のっ!

とりあえず潜入して部屋に潜り込みますが運悪く住人達の部屋だった
相手が服を脱ぎだしたのを見て慌てて目を瞑り見ないようにします
その瞬間急に寒くなり目を少し開けて下を見ると…素っ裸
羞恥心で叫び手で体を隠し蹲りますが…周囲は欲情した巫女達が
アカン…欲情した獣の目や…

襲われます

胸に吸い付かれ乙女部分は擦り合わされ顔面騎乗されのされたい放題に
相手のUCの影響と選択UCが合わさりヤバイ密度のフェロモンが充満
UC無自覚の誘惑術も勝手に発動し巫女達を相手にしながらも自身は回復し他の巫女達がまた颯爽するループに入ります
行為後ご主人様扱いに…俺使役してない…



●誘い出すご主人様?

 屋敷の外の闇の中。また1つ、その中を駆けていく影がある。華奢な体躯に長い髪、女性としか思えないというか女性なのだが、その影は闇夜にも関わらず闇に惑う様子は一切なく、目立たない様にした絶妙な足運びで大きな音も立てず、屋敷の外を回っていき、手薄な窓を見つけると、颯爽とその中へと飛び込んだ。

「ふう、まずは侵入は成功っすかね」

 目に嵌めていた、暗視効果も持つ万能ゴーグルを一旦外すと、侵入した人物、久遠・翔(性別迷子・f00042)は一息ついた。以前は遺跡調査をしていた『彼女』にとってはこういった装備は必需品でもあり、警備をかいくぐる経験も無いものではなかった。再びゴーグルを装着すると、罠の類がないか警戒をしながら廊下を進んでいく。

(でもなんでっすかね……順調なのに、なんだか嫌な予感が…何と言うかダメな方面のっ!)

 かつてある罠にかかった際、呪いで身体が女になる等の呪いがかかってしまった翔。そんな彼女(一応体は女なので)に時々冴える予感が悪いものを感じさせていた。一応懐の武器も確認しながら、慎重に廊下を進んでいく。

(そもそも性欲を尊ぶ巫女って時点で、もう嫌な予感がビンビンで……まず!)

 狐巫女の声、そして近付いてくる足音が聞こえる。翔は辺りを見回すが、廊下内で隠れられる場所はない。残るは、手近にあるいくつかの部屋のみ。

(く!もし万一誰かいたらそれで終わりっす!かといって無人を確かめてる時間も無い!かくなる上は、俺に残されたなけなしの運を信じて、イチかバチか!)

 翔は覚悟を決めて、近場にあった部屋に即座に飛び込み、そして慌てて扉を閉める。部屋は暗い。ならば恐らく大丈夫だろう、と翔は振り返り部屋内を改めて確認した。

「……あら? 暗闇プレイを楽しんでたら」
「見知らぬ人が飛び込んできましたです」
(バチだあああああああ!!)

 やはり罠にかかって呪われた翔にもう碌な運など残っていなかったのか、視線の先にはベッドの上でくんずほぐれつしていた2人の狐巫女。そしてその姿は……真っ裸。

「うわああああ!!」

 翔は反射的に見ないようにと目を手で覆ってしまう。そのままなんとか後ずさるが、当然ながら扉に邪魔される。そしてそれに気づく前に違和感が。

「あれ、なんだか寒い……」
「んふふ、あっという間に脱がしちゃいました」
「んなっ!?」

 気づけば目の前に1人近づいてきていて、信じられない早業で翔の衣服を全て脱がせてしまっていた。これまた反射的に自分の身体を隠してしまうが、既に遅し。目の前には欲情した狐巫女の顔。

「なんだかいつもより増して性欲を刺激される人ですねぇ……今日は2Pの予定でしたが、予定変更ですぅ。みんなー! おいでーーー!!」
「ひいいいいい!!」

 扉の鍵を開けられ、仲間を呼ばれてしまった。逃げようにもすかさずベッドまで投げ飛ばされ、残っていた方の狐巫女に捕まってしまう。

「あはぁ、お胸美味しそうですぅ」
「ん、あぁ!」

 狐巫女に胸に吸いつかれ、更に股の部分を密着させられる。双方から与えられる感触に、翔はつい声を上げてしまいます。

「ふふ、何故でしょうかねえ。この人を前にしてると更に身体が熱くなってしまいますぅ……ならば更に上げ上げしちゃうのが狐焔神道!」

 狐巫女が天を仰ぐと、扉から次々と呼ばれた周辺の狐巫女たちが押し寄せてきて、ベッドの獲物を見て舌なめずりをする。そして呼び寄せた狐巫女が叫ぶ。

「【狐焔神道は欲望を高めるのに最適です!さぁ皆様も!】」

 欲望は素晴らしい、皆で性欲を高め合いたい。それを願い、信者たちが賛同する事で性欲を高め合う空間をここに作り上げる。それは当然翔にも襲い掛かる。

「あ、ふぁああ!」

 びくびく、と身体を振るわせる様子に、狐巫女たちが自分達も性欲を高めつつも、それ以上に体を駆け巡る衝動に震えた。

「な、なんででしょう……いつもよりも、なんだかすごくあの人に惹かれてしまいますぅ!」
「まさか、これが……恋!?」
「い、いえいえ!そんなことではいけません!私達があの人をこちらに引き込むのです!さあ、やっちゃいます!」
「「「おー!!」」」

「ひ、やあああああ!!」

 翔目がけて顔を赤くしながら夢中で突っ込んでいく狐巫女たち。翔の頭を、手を、足を、それぞれが掴み、撫でて、舐めてと全力で刺激して自分達も体をこすりつけて自分の性欲を昂らせていく。
 これは性欲高め合い空間を差し引いても、異常な状態。なぜかと言えば、少し前から翔は無自覚にユーベルコード【無自覚の誘惑術(リジェネテンプテーション)】を発動してしまっていたのだ。無自覚に女性を魅惑する妖しいフェロモンを自身に纏っており、これにより狐巫女たちは自分達の技との相乗も相まって、翔への欲情が止まらなくなってしまったのだ。これでは、翔が骨抜きにされてしまうのは時間の問題……かと思えば、そうではなく。

「はぁ、はぁ……!」
「アァ、この人、攻められながらも、こっちを手で刺激してきています!」
「性欲が高まって、いる、のです……でも、なんで……なんだか、いつもより、疲れ、て……」

 翔を攻めていた狐巫女が次々と顔を赤らめたままに次々と倒れて果てていく。実は翔の技は、敵から受けた凌辱や快楽、恥ずかしさに比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。相手の性欲空間により、与えられる快楽は並外れたものになる。そしてそれは、翔に比例した体力を与えるという形の戦闘力増強、そして狐巫女から快楽と共に生命力、体力を逆に吸収していくという、言わば狐巫女の技すらも利用した永遠体力吸収状態に陥っているのだ。いくら狐巫女が多数だとしても、与えてくる手段が快楽な以上、この状態の翔を根負けさせられる要素は無い。それどころか、性欲、欲望を高められた翔の逆に攻めてくる行為で逆に気をやってしまう。

「そ、そんな……私達が、こんな……」
「はぁ、はぁ……!」

 気づけば狐巫女たちはほとんど倒れ伏し、残ったのはたった一人。翔ももはや意識は朦朧としている様子。だが、体力だけは尽きていない。トドメとばかりに狐巫女を組みしき、やられたように胸にすいつき体を擦りつけていく。性欲が高められ、そして体力も吸収される、未曾有の快楽を味わう狐巫女が、勝てる筈は無かった。

「私達が、未知の快感を教えられる、なんて! 快楽と性欲を教義とする私達を完全に打ち負かした、貴方は、貴方は……きょ、教祖様に、違い、ないですぅぅぅぅ! ア、アァアアアアアアアン♪♪」

 そして最後の狐巫女は、身体を痙攣させ、アヘ顔を晒しながら気を失った。



「と言う訳で、私達は、オルトレーヴェ様から離れ、貴方にお仕えします! 教祖様!!」
「ご主人様!!」
「欲の魔王様!!」
「性欲国王様!!」
「ちょ、やめ、やめてくださいっす! どんどん呼称がおかしくなってるっすから!!」

 なんとか正気を取り戻した後、気絶した狐巫女を余所に急いで脱出しようとした翔だったが、その前に起きられてしまい、こうして全員に目の前でひざまづかれ、主人として崇められてしまっていた。

「性欲と欲望でとても貴方には勝てませんです! ですから、信徒としては貴方にお仕えするしかないのです!」
「あのボスよりも遥かに凄かったです!」
「早速近隣から色々襲ってきますですか! 酒池肉林しますか!」
「しないっす!! ……まあでも、ボスの部屋を教えてくれたり、情報を教えてくれるなら……」

 使役するつもりはないのだが、狐巫女たちの熱と圧に負け、協力をそっと要請しておく翔。

「教えます教えます! ついでに最短ルートも教えちゃいます!」
「でもボスは怖いのでできれば戦いは勘弁してください! それ以外なら召喚でもなんでも応じます!」
「あと私達のパンツの色と弱点も教え」
「最後はいらないっす!!」


 こうして一部の狐巫女たちを協力を惜しまないまでに籠絡した翔。そしてこれが、この世界に欲望と性欲の国、そしてそこを支配する魔王が生まれるプロローグになろうとは、この時誰も

「生まれないっすからね!?」

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャーロット・キャロル

んーヒーローとしてはちょっと複雑な気分になりますが郷に入っては郷に従えとも言いますからね。
折角九十九さんが用意してくれたんですからスーツを借りて出撃です!ヒーローコスチュームで怪盗はなにか違いますからね!

とりあえず見つからないように慎重に潜入ですね。
とはいえ私もこういうのは苦手ですからね、不安が……
って慣れない潜入任務に緊張しすぎて物倒しちゃいました!?

見つかってはしょうがないですこうなったら正面突破するしかないです!
【アルティメットマッスルモード】!筋肉の力で突破口を…
あーコスチュームが切り裂かれた!

(アドリブ大歓迎!後のやられシーンは好きにやってもらって構いません!手加減無用で!)


モリ・ゴロプ
☆拘束衣を着せられているので、代わりにからくり人形を動かして戦うわ。
(人形は口で糸をくわえて操作してるわ)
オペラツィオン・マカブルで相手にユーベルコードを送り返してあげる。
ユーベルコードに失敗してダメージを受けて人形の糸を放してしまい、打つ手がなくなったところを囲まれて……
NG無し・アドリブ連携大歓迎だから、存分に玩んで倒してくれると嬉しいわ。



●誘い出すヒロイン&人形遣い

「んーヒーローとしてはちょっと複雑な気分になりますが郷に入っては郷に従えとも言いますからね。潜入任務と考えていきましょう!」
「…………」

 屋敷の窓から颯爽と飛び込む人影。それは赤と青のツートンカラーのキャッツごにょごにょスーツを着用したシャーロット・キャロル(マイティガール・f16392)、そして彼女にお姫様抱っこされているモリ・ゴロプ(消耗品・f16209)だった。サイボーグであるシャーロットはその細身な体に反して怪力であり、モリとモリの操るからくり人形を一緒に担いでも余裕で跳躍し窓へと侵入することができるのだった。
 なぜわざわざこうしているのかといえば、モリは限界を超えると錯乱してしまう体質の為、拘束衣が基本であり、こういった潜入は不得手の部分があり、それでも行こうとしている所に、ヒーローとして見捨てておけなかったシャーロットが協力しての潜入を提案し、今に至る。

「……ありがとう」
「いえいえ!お安い御用です!依頼も初めてとお聞きしましたし」
「……本当に、ヒーローらしい人ね」
「今は一応怪盗ですけどね!この通り、スーツもこちらに変えましたし!」

 そう言ってぴっちりスーツを晒すシャーロットに、自分も拘束衣とはいえモリは堂々としてよく着るな、と思っていた。

「……そろそろ、静かにした方がいいと思うわ」
「あ、そうですね!では、こちらに慎重に進」

 と、シャーロットが慎重と言いつつそれはもう勢いよく振り返ったその時、廊下に飾ってあった豪奢な壺が、思い切りシャーロットの肘にぶつかり

「あ」
「あ」

 2人が手を伸ばす間もなく、壺が落ちて廊下に落ち、けたたましい音を立てて派手に砕け散った。背筋が寒くなる2人に、たまたま聞こえる範囲に誰もいなかった、等と言う都合のいい幸運は訪れず、どたどたと音を立てて狐巫女たちが曲がってやってきた。

「侵入者ですーーー!出会えですーーー!」
「襲っちゃうですーーー!」
「ご、ごめんなさあああい! やはり私、こういうのは向かない性分だったみたいです!!」
「……気にしないで。私一人でもどの道見つかっていた、って思うから」
「うう、なんだかフォローされたみたいで申し訳ないです……この汚名は、力ずくで挽回します!!」
「……返上して、ね?」

 力ずくで突破、を選んだ二人は臨戦態勢に入る。モリはからくり人形を降ろしてもらうと、その操作糸を口に咥えた。

「なんですかあれ」
「はは、まさかアレであの人形を操るっていうんですか? そんなのできるわけ」

 確かに普通ならば無理だろう。こういったからくり人形は基本、指で操るのが基本。それを口で操るなど、どだい無理な話。だが、猟兵はそんな常識を塗り替えるもの。からくり人形は軋みを立てて起き上がり、そして狐巫女へと攻撃を開始した。

「う、嘘おおおおおお! ぐえー!」
「ど、どういう原理ですかぁ!? 歯!? 舌!? 唇!? どこでどうやってぐはー!」
「それは、企業秘密ね」

 からくり人形によって吹き飛ばされる狐巫女たち。だが流石に黙ってはおらず、耐えた1人がメダルを取り出しモリに向ける。

「なら、これで性欲だらけで動けなくしてあげます!」

 投擲されるメダル。それはだらんと観念したようにうつむいたモリに命中する。だが、不思議な事にメダルは張り付かずにその瞬間に消え失せた。

「え!? ど、どこにキャン!!」

 そしてメダルは、その勢いのままに人形から発射されると、投げた狐巫女本人Hとそのまま命中した。【オペラツィオン・マカブル】。脱力状態で受けたUCをそのまま人形から放ち返す技だ。そして当てられた狐巫女は

「あ、ンヒッ! ラメェ、キャアァン♪」

 見事に自分が性欲だらけになり、廊下でびくんびくんと倒れ伏している。それを見てモリは自分でやったものではあるが、冷や汗が流れるのを感じる。あれを受けたくはないな、と。

 一方、シャーロットの方は……。

「ふぅぅううう! この溢れる力! この逞しい筋肉! これぞパワー!!! 【アルティメットマッスルモード】!!」

 なんということでしょう。さっきまで華奢だったシャーロットの身体が、あっという間にムキムキボディビルダーのような筋肉だらけの大きな体躯へと変身を遂げました。これにはシャーロットの細い女体目当てに殺到した狐巫女も大悲鳴。

「ぴぎゃあああああ!? なんですかこれはああああ!」
「キレてる! キレてますぅ!!」
「肩にダンプカー乗っけてるですーー!」
「お褒めの言葉ありがとうございます! それでは、てやぁああああ!」
「のぎゃああああああああ!!!」

 マッスルシャーロットの筋肉パンチで派手に吹き飛ばされていく狐巫女たち。すがりつくもすぐに筋肉に跳ね除けられてしまう。だが、狐巫女も徐々に数が増えてきている。それでも、シャーロットはまだまだやれるつもりだった、のだが……。

「あ、れ? なんでしょう、なんだかぼーっと……」
「ぬふふ、隙ありです!!」
「あ!?」

 突然妙な感覚が走ったかと思えば、狐巫女らの中から全裸の者が飛び出したかと思えばその刀でシャーロットを袈裟切りに切り裂いた。普通なら筋肉に止められてしまう様な斬撃だったが、それは完全に振り下ろされる。何故なら、そもそもこれは筋肉への攻撃ではない。切り裂かれたのは。

「私の服、が、が、キャアアアアアア!! なに、これ……!」

 シャーロットのコスチュームのみが切り裂かれ、同時に物凄い快感、性欲が彼女の身へと襲い掛かる。その激しい感覚に彼女は膝を付いてしまう。

「ふふふ。私のフェロモンで貴方の集中を乱し、そしてこの刀で貴方の性欲を加速させたのです! さあ、皆!今のうちに捕まえるです!!」
「「「おおおおおお!!」」」
「ちょ、まっ、い、いやああああああ!」

 あっという間にシャーロットは狐巫女たちの中に消え、そして嬌声だけが響いていく。

「しまっ……!」
「こっちも、隙アリです!」

 シャーロットの異変に、モリが気付いて動揺した時、つい身体に力が入ってしまった。そこを狐巫女は見逃さず、再びメダルを彼女に投げ放つ。今度は流石に脱力しきれず、そのままメダルを貼りつけられてしまう。

「ヒ、アアァアアアッ! だ、だめ、たって、いら、れない……」

 彼女もまた性欲を高められ、その急激なそれで膝を付いてしまう。

「こっちも捕まえてあげるです!」
「「「おーーーー!!」」」
「だ、だめ、いきなり、さわら、ない、で……!」

 彼女もまた殺到する狐巫女たちの中へと消えていくのだった。



 そして、ある一室にて、狐巫女たちが囲むベッドの上。そこには、全身に狐焔神のメダルを貼りつけられた、シャーロット(ちなみに元の肉体に戻っている)とモリ(拘束衣だけ付けられている)がいた。二人はそれぞれ横向きに、逆さま同士で向かい合うようにされ、そしてそのまま荒縄で纏めて縛られてしまっていた。そんな状態で性欲を限界近くまで高められたら、彼女達に他に出来る行動はもうなく。

「じゅぶ、じゅぶっぶ、れろ……キモチいいですかぁ……♪」
「ぁ、いい、もっと、なめて……わたしも、やる、から……じゅぶ、じょぼ、れるれる……♪」
「あ、い、あぁ……う、上手すぎ、ますぅ……♪敏感な所を、なんて、的確に……!」

 この体勢ではお互い見えるのはお互いの股間。腕は動かせず、足も纏めて海老のように縛られてしまっている以上、もう動かせるのは舌だけ。そして一度どちらかがやりだせば、性欲限界状態の双方がやり返し更にやり返し更にやり返し、となってしまうのには時間はいらなかった。そして、『相手が気持ち良くなっている』という事への喜び、それは奉仕の欲望へと繋がり、自分の快楽にも帰結する為、もうお互いに歯止めは出来ない状態。ただただ、相手を、そして自分を快楽に導くためにとにかく刺激していくだけ。そしてそれを狐巫女たちは、どっちが先に果てるかを賭けして眺めて楽しんでいるようだ。

「あ、あぁ……さ、されっぱなしでは、いけません……♪私も、が、がんばらないと、じゅる、れるれる、じゅぶぶぶぶぶ!!」
「んっ!! な、なんて、大胆に……♪ 思い切りが、いいの……でも、キモチよく、なって、くれてる、のね……なら、私も……♪」

 シャーロットは豪快に大胆に、モリは巧みに的確に、それぞれのやり方で相手のそこを刺激していく。性欲は快楽となり、そしてそれは相手へと向けられ、そして自分へと帰ってくる。お互いに協力が芽生えていた状態だからこそ、ここで今成り立つ奉仕の巡り合い。そして淫らな性欲の輪廻図。

「わ、私、も、もう、だめ、みたいです……♪ああ、なのに、ああ、止まらない、ジュブジュブブブブブ♪」
「わたしも、そろそろ、きちゃいそう……最後に、わたしも、思い切り……じゅるる、れるれるれるれる♪」

 お互いが一気にスパートをかける。そして二人は今同調し、互いに互いの体温を感じながら。

「いっ、く……! ア、ンァアアン♪」
「き、もちぃ……! ヒアアアアアア♪」

 お互いにのけぞり、そしてお互いに互いの顔を濡らす。目も2人とも白目になるほど上を向き、口も開いて舌も突き出る。臭いもお互いのものをはっきり濃く感じる。

「……モリ、さん……♪」
「……シャー、ロット……♪」

 コインによるものか、それとも自分達の本当の心によるものか。二人は縛り付けられ、お互いの下半身を見詰めているような異常な状態で、それでもただ相手を愛おしくベッドの上にて倒れているのだった。


 ちなみに同時だったのでふてくされていた狐巫女たちは、やはり隙だらけだったので他の猟兵にぶちのめされました。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『『暴獣妃』オルトレーヴェ』

POW   :    獣の理・巨躯は全てを圧倒する
【巨獣形態 】に変身する。変身の度に自身の【尻尾】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。
SPD   :    獣の理・適応せし者こそ生存する
自身の【肉体 】を【戦場の環境や敵対者の性質に適応した形態】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
WIZ   :    獣の理・欲望こそ生命の本質なり
【獣欲 】を籠めた【甘い鳴き声】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【理性と知性】のみを攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ギージスレーヴ・メーベルナッハです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●待ち受けるは『暴獣妃』

 合流した猟兵たちは各々の情報を交換した。一部、狐巫女らとの色々で体力を消耗した猟兵もいたが、一部の狐巫女の協力を取り付けた事から、彼女らから狐焔神道特定の精強ドリンクを大量に貰え、それでひとまずの体力は回復した。副作用は…………きっと無い筈である。
 情報は部屋の間取り、それから中に在る略奪品の数々等。部屋には警戒の為、窓は無いが明かりと広さは十分だという。
 床のほとんどにDが無造作に散らばり転がっている為、山積みのところに足を踏み入れて体勢を崩さないようには注意した方がいいらしい。また、所々には絵画、装飾品、宝石等、オルトレーヴェらが手当たり次第に略奪してきた物品が転がっている。中には武器に使えそうなものや、Dのように魔力を帯びている物もあるようだ。その詳細も狐巫女や入手された略奪リストを合わせて確認する事が出来た。尚、住人を攫ったりはしていないので、生物はオルトレーヴェのみである(喋る道具類は除く)。

 そして、オルトレーヴェの扱う技の情報も入手された。
 巨獣形態への変身能力。これを使用すると、傷が回復されてしまい更に体躯と尻尾の数が2倍になりより相手が難しくなってしまう。
 自身の肉体を環境や敵対者に対応した形態へと変化させる。環境は先述の通りの部屋。敵対者に関しては、恐らくその得手を潰すように能力を特化させるだろう。ただし、その代償として別の能力を弱体させる為そこが隙になるかもしれない。
 獣欲を込めた甘い鳴き声の発声。音ゆえに防ぐのが難しいそれは、聞いた者の理性と知性を破壊し、まさに彼女のような獣へと貶め、作戦というものを瓦解させてしまう。

 それぞれが入手した情報を合わせ、そして幾らか話した後、猟兵たちは入手した鍵で扉を開け、部屋へと侵入した。
 貴重品やDが床に散乱したその広い部屋。その中心に彼女はいた。衣服と呼べる衣服はなく、竜のような尾と翼、鋭い爪。ヤギのような角、そしてウサギのような耳を頭に携えた獣欲の化身。彼女はぎろっと猟兵らを確かめると、即座に前傾姿勢となる。

「オマエラ、シンニュウシャ……ウサギ、アトデ、ミナゴロス。コロシ、タベル。オマエラ、ウバイ、キタ? ワタシ、コロシ、キタ? ドチラカ、リョウホウカ、ソウダナ? ナラ、コロス。ゼンイン、コロス。コロシテ、ウバイ、オカス。トメナイ、ガマンシナイ、ヨクセイ、イラナイ! ヤリツクス、ヨクボウ、ヤリツクス! ソレガ、ワタシ、オルトレーヴェ!!」

 獣欲。殺し、奪い尽し、蹂躙する。儀式魔法をする頭はないようだが、その力は驚異的。Dを蓄えていけばその魔力でどんな化け物になるかは想像も絶する。今ここで、その獣欲を断つしかないと猟兵は臨戦態勢に入った。


※部屋の状況は描写通りです。Dや中の貴重品に関しては、なんとなく貴重そう、手当たり次第に集めた者なので、それっぽければ、プレイングで指定して貰えればそのアイテムがあると扱って貰ってOKです。武器や喋る道具類も可能です。基本はデビルキングワールドに在り得るものですが、転移してきたという事で他の世界の機械類等もOKです。

※集めた情報でオルトレーヴェの使用技を知る事が出来たので、その技への対策として事前準備したものを用意してもOKです。

※協力した一部の狐巫女らは、オルトレーヴェ自体はマジで怖いので、戦闘での直接の援護はできません。オルトレーヴェにばれない間接的援護などなら受け付けます。(協力を取り付けた猟兵以外も要請可能)

※プレイングボーナスは『部屋のDや貴重品類を利用する』もしくは『技への対抗策を考える』。両方無しでもOKです。


※プレイング受付は、1月15日(金)9時から開始し、執筆は16日(土)から開始予定ですが、日曜は返却できないので月曜が主となると思われます。
シャーロット・キャロル

貴方がここのボスですね!奪ったDは返してもらいますよ!あっ怪盗コスは切り裂かれてしまったのでいつものヒーローコスですよ。

「マイティガール参上!」っとまずは名乗り上げ。ヒーローたるものこれは外せません。

見るからにパワー自慢なようで。ですが私もパワーには自信あり!これは一つ真っ向勝負で行きますよ!

「私のパワーを受け止める自信がありますか?あるなら力比べですよ!」

相手が巨獣形態だろうが臆せず掴み掛かります!【怪力】の見せ所!!
掴んでしまえばこっちのターン!【マイティバスター】で投げ飛ばしてやりますよ!
尻尾が増えてるようですしそれを掴んで豪快にぶん回してやりましょう!


モリ・ゴロプ
☆……うぅ、えらい目に遭ったわ。
でも、今までこんなに人に気持ちよくしてもらったことなんて無かったわ。
(精神病院やキャバリアの研究所では動物みたいに扱われてたから)
巨大化するようなので、こちらも試作一号(キャバリア)を呼び出して対抗するわ。
キャバリアの馬力で部屋の中にある金塊で出来た武器(ゴルディオン・ウェポン)を振り回したり、投げつけて攻撃するわ。
『……ちょっと待って!わたしはさっきのことや戦闘だから興奮してるだけでまだ正気よ!クスリはおかしくなるから嫌なの!』
『操縦者ガ過剰ナ興奮状態ト判断。鎮静剤ヲ投与。……ヨウヤク自由ニナレタ(ここからはキャバリアが機体を乗っ取って攻撃)』



●自由を得た者たち、ただし2人に在らず

「……うぅ、えらい目に遭ったわ」
「大丈夫ですか?ごめんなさい!すっかり私も夢中になってしまって」

 突入前のインターバルにて、如何せんまだこういった事に不慣れなモリ・ゴロプ(消耗品・f16209)はまだ少々目眩が残っているのを同じ場所にいたシャーロット・キャロル(マイティガール・f16392)に気遣われていた。共に助け出され、精強ドリンクで回復はしたもののあの刺激しかない空間でのひと時は大分堪えたようだ。

「でも、今までこんなに人に気持ちよくしてもらったことなんて無かったわ……ありがとう」
「えっ……あ、ど、どういたしまして!」

 まさかお礼を言われるとは思わなかったシャーロットが慌てて答えると共に、思い当たった。猟兵は普通の境遇で無かった者が多い。シャーロット自身もかつては病弱の少女だったが改造手術によりサイボーグ怪人にされた身。モリの今のつぶやき、そして頑なに外さない拘束衣。それから何かを察することはできた。だが決してそれは無暗に暴いたりしてはいけない部分だと、彼女は察していた。

「……で、では私は早速行きますね! どうぞ、もう少し休んでから……」
「いえ。一緒に、行かせて」

 シャーロットの言葉を遮るモリ。その目は確かにこれから立ち向かう敵への抗いの意志を称えていた。



「貴方がここのボスですね!奪ったDは返してもらいますよ!」
「ガル……サセナイ、オマエラ、コロス」

 怪盗スーツが切られて破られた事、そしてここまでくれば怪盗ではなくヒーローでいいだろうという事で、本来のヒーローコスに着替えたシャーロットはオルトレーヴェの前に颯爽と降り立つと敵を指差して決めポーズを決めた。

「オマエ、ではありません!マイティガール参上!この世界では合法だとしても、際限ない略奪は此処までです!トゥ!」
「ショウメン、バカカ!」

 シャーロットは見得を切ると、地を蹴りオルトレーヴェまで跳躍。そして引き絞った腕を突き出すどう見ても普通の正拳突きを繰り出す。それに対し侮りの笑みを見せたオルトレーヴェは応えるように自身の剛力の拳を突き出す。そのまま腕を粉微塵にしてやろう、と。だが

「ナ、ニ!?」
「貴方も流石の怪力、ですが、私もまたパワーが自慢! 受け止めきれる自信が、ありますか!!」
「グッ!」

 改造、そして日々の鍛錬によりシャーロットの怪力は相当なレベルに達している。オルトレーヴェもそれに真正面からでは分が悪く、腕に傷が走り、一旦飛びのく。

「どうやらパワーは私の勝ちのようですね!」
「ナメル、ナ! ナラ、パワー、ヒキアゲル!!」

 そう言うとオルトレーヴェの体躯が2倍に巨大化し、更に尾が2本に増え、あげくに先程の腕の傷がどんどん塞がっていく。オルトレーヴェの巨大化の技だ。
 更にはそのオルトレーヴェの腕の筋肉がバンプアップしていき、巨大になっていく。

「巨大化と身体強化の合わせ技ですか!」
「ミンチ、ナレ!!」

 巨大化した腕をオルトレーヴェがシャーロット目がけて振り下ろそうとする。だがそこに……。

『させ、ない……!デカブツには、デカブツよ』

 シャーロットの後方、そこは巨大な貴重品が転がっているエリアだった。黄金でできたどこかの偉そうな悪魔の像、黄金でできたなんか文字が描かれてる巨大な槍等等。そしてそれらを、纏めて巨大な鉄機が抱えて真上に掲げていた。これこそがモリの操る異世界の機械、キャバリア。名を『試作一号』。5mに達するその身体は猟兵でも一苦労する巨大な黄金武器たち(一部は美術品だが似たようなものである)を抱え上げ、そして。

『喰らえ!!』

 それを一気にオルトレーヴェへとぶん投げた。シャーロットを標的にしていたオルトレーヴェは気付くのが遅れた。そして、攻撃力を強化する余り、スピードを損なうほどの筋力増強をしていた彼女はそれを避ける術がない。

「ガハッ!!」

 黄金貴重品の数々、そしてキャバリアの馬力による、圧倒的な質量衝撃をもろに喰らい、オルトレーヴェの巨体ががぐらりと傾く。

「今です!」

 シャーロットがその隙を突き、絶好のポジションへと走っていく。

 一方、その頃、拘束衣からの接続装置でキャバリアと繋がっているモリには、異変が起こっていた。

【操縦者ノ興奮状態ヲ確認。操縦者保護ノ為、操縦者ニ鎮静剤を投与シ、オートパイロットヘ移行シマス】

 コクピット内へ響く無感情な機械音声。それにモリはぎょっとする。確かに【オートパイロット】に移行する機構は存在する。だがそれはあくまで彼女自身が不安定になった時の制御機構の筈。しかし彼女は今確かに意識は保っているし敵味方も判別できている筈。と言う事は、考えられるのは……機械システムの誤認。

「ちょっと待って!わたしはさっきのことや戦闘だから興奮してるだけでまだ正気よ!クスリはおかしくなるから嫌なの!」
【操縦者ガ過剰ナ興奮状態ト判断。鎮静剤ヲ投与】
「違う!私は正気……ウッ」

 接続装置を通じて彼女に鎮痛剤が投与され、モリは意識を失い項垂れる。拘束衣により倒れる事は無いが、とても操縦はできないだろう。だが、あくまでこれはオートパイロットシステムへの移行。故に、機体は通常通り機械やAI操作により稼働する……のが、通常知られているオートパイロットである。しかし


【操縦者ノ沈痛状態移行ヲ確認……ヨウヤク自由ニナレタ】


 カメラアイを輝かせ、まだある貴重品から黄金武器を掴み取った試作一号……その存在がそうであるとは、誰にも保証できはしない。



 一方、そんな異変を露知らないシャーロットは、オルトレーヴェの背後に回ると、その増えた尻尾を纏めて抱えて掴みこんだ。

「打撃だけじゃないですよ!こういうのはどうです!!どぉりゃああああああああ!!!」
「ナ、ナニィ!?ガアアアアアアアア!!」

 シャーロットは大きな体躯となったオルトレーヴェをものともせずその怪力で掴んだまま持ち上げ宙に浮かすと、更に体を回転させ、オルトレーヴェを振り回す。幸い広い部屋な為、周囲の猟兵に当たる事は無い。まさに文字通りのジャイアントスイングである。遠心力により多大な力がかかるオルトレーヴェには反撃する事も出来ない。

『ネエ、ソノデカブツ、コッチヘ投ゲテ?』
「え? あ、はい、分かりました!(なんだかさっき話した時と少し違う様な…?)」

 そこへモリのキャバリアからシャーロットへ投げかけられた、モリの声のはずなのになんだか違う様な気がする声。だが疑う余地はないので、シャーロットは素直に試作一号の方へとオルトレーヴェを投げ放つ。

「グ、オオオオオ!?」
『マダ、壊サレテハ困ル。ダカラ、オ前ガ消エロ』

 試作一号は拾い上げた巨大な黄金の槍、だがキャバリアにすれば適正サイズのそれを構えると吹き飛んでくるオルトレーヴェの身体へとそれを思いきり突き刺した。

「ギ、ガアアアアアアアアア!?」

 投げられた勢いと槍の突き刺さる速度、それはカウンターのような破壊力を生み、オルトレーヴェに大穴を開け、そしてすかさず試作一号が槍を抜くと、そのまま少し軌道を変えて、遠くへとオルトレーヴェは吹き飛ばされていった。
 試作一号は血の付いた黄金槍を振り血を払うと、駆け寄ってくるシャーロットを確認する。

『今ハマダ、ココマデ……自由ハ、マタ……』

 シャーロットに届かない呟きを残し、試作一号のカメラアイの輝きは消え、機体の動きは静止した。
 その後、シャーロットが中へ乗り込み、意識を失ったモリを発見したが、『さっきの出来事や戦闘の緊張感で、槍を刺した後に意識を失っちゃったんでしょうか』と判断することしかできなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
相手はボクたちの能力に適応した姿への変身能力を持ってる
つまりボクたちじゃ分が悪いって事だよね
だから『ボクたち以外』の力を借りる
時間を稼いでいるウィーリィくんを【クイックドロウ】+【援護射撃】でサポートしながら【宝探し】で周りに散らばっているお宝の中から「ボクたちの攻撃と違った属性のマジックアイテム」を探す。
ボクの射撃、ウィーリィくんの炎と斬撃と違ったもの……
うん、これなんかいいんじゃないかな?
(見るからに氷属性っぽい槍を発見!)
扱うのは慣れてないけど、宝探ししながら【ロープワーク】+【罠使い】で仕掛けたスネアトラップで動きを封じたところへ攻撃すればなんとかなるよね!


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
炎の【属性攻撃】を付与した大包丁を手に真っ向から戦いを挑み、宝探し中のシャーリーから注意を逸らすと同時に敢えて攻撃を仕掛けてこっちの能力に適応させる事で別の手段での攻撃に対する隙を作る。
【地形耐性】と【足場習熟】で山積みのDの上を駆け回りながら【地形の利用】と【フェイント】で暴獣妃をそこに誘い込んで転倒させてその隙に攻撃。
彼女が環境に適応しようとしたら変形を終えるまでの時間を計る。
シャーリーがお宝を見つけたら彼女の仕掛けた罠に誘導し、攻撃のチャンスを作る。
もし敵がお宝での攻撃に適応しようとしたら変形途中の隙を狙って【早業】で【刀工一閃】の【二回攻撃】を叩き込む!



●炎冷一閃

「ガル、オノレ、リョウヘイ……!」
「逃がすか!!」

 手傷を負ったオルトレーヴェへすかさず新たな猟兵が切りかかる。ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)は愛用の大包丁に炎を纏わせ、そのまま切りかかる。オルトレーヴェは獣の体動きで回避するが、その炎熱は着実にその身体を焼き確かな損傷を与える。

「このままお前を焼き料理にしてやる!」
「グルル、タベルノハ、ワタシ!!」

 オルトレーヴェが歯をむき出すと、その体表が変化する。硬い鱗のようなものが生えてきて、その体表を覆っていく。そうすると、炎熱を無視するようにウィーリィの斬撃をあえて受け止め、逆に返しの攻撃をしてくるように切り替えてくる。後ろに下がったウィーリィはその当たった筈の箇所を見て顔を顰める。

(傷が全くない……! 火傷も切り傷も。俺の攻撃に合わせて、防御を強化してきたな)

 オルトレーヴェの能力の1つ、環境適応能力。ウイーリィの炎の斬撃を自身への厳しい環境と捉える事により、それに適した形態へと進化させる、まさに環境に合わせて進化してきた獣の特性。

「オマエ、コウゲキ、ツウヨウシナイ!」

 攻撃が効かないならば切り込みを恐れる必要が無い。オルトレーヴェが爪を振りかざし、ウイーリィに襲い掛かろうとする。

「ガッ!?」

 だがそれを複数の光条が阻止する。飛来してきた光の弾丸が、オルトレーヴェの攻撃を押しとどめる。

「ジャマ、ダレ!」
「見つけさせねえよ!!」

 その主を探そうとするオルトレーヴェの顔目がけ、ウイーリィがツッコミ炎の包丁を振るう。いくら耐性を得たとしても、その攻撃はオルトレーヴェの視界を阻害する。

「ガル、ジャマ!!」
(今はまだあいつに注意を向けさせ過ぎる訳にはいかない。そして、例え攻撃が効かなくても時間稼ぎはできる!それに、まだ仕事は残ってるしな!)

 ウイーリィは後ろに気を配りつつも、炎包丁を構え、オルトレーヴェの動きを観察し始めた。



(さて、ウイーリィくんが注意を引いてくれている間に!)

 シャーリーは【クイックドロウ】での連続援護射撃をしつつも、部屋の中を観察しながら駆けていた。彼女は宇宙海賊を生業にもしており、宝を探す才能、そして貴重品の性質を見極める事にも慣れていた。故に、今自分が欲している条件に合う物を見つける事もまた手早い。

(あった!)

 シャーリーは精巧な装飾、青い宝石のついた槍を見つけた。その装飾から槍の性質を見極める。これも宝を見慣れている彼女ならではの鑑定眼。

(私は銃使いだから扱うとなると不十分。だけど、物はやりよう!)

 槍を持ったまま、シャーリーは再び駆け出す。ウイーリィの無事を信じている。だからこその、その先の為に。



「ガアアッ!!」

 更に鱗を全身に増強したオルトレーヴェがウイーリィ向けて突進してくる。だがウイーリィは、Dが大量に敷き詰められたエリアにいるにも関わらず、何のことも無いように軽々と跳躍し身を翻す。目標を見失ったオルトレーヴェはそのまま突っ込み、自身が足を取られて転倒、Dの山の中へと突っ込んでしまう。

「ギ、ギイイイ!!」
「へへ、生憎俺はこういう足場でも平気でね。軽業とまではいかないが、お手の物さ!」

 炎包丁を構えてキメたウイーリィだったが、その顔には言葉とは裏腹に冷や汗が浮かんでいる。

(かわした序に切りつけたけどやっぱり効果なしか……シャーリーの銃撃も効かなくなってる辺り、もう『適応』されたか)

 目に見えて、援護射撃に全く怯まなくなっているのをウイーリィは見切っていた。どうやら鱗を更に強化する事で、射撃にも対応したらしい。

(だがここまでは想定内だ。問題は、その代償になった能力の見極め。それによってはシャーリーに動きを変えて貰わないといけなくなる)

 ウイーリィの仕事は時間稼ぎ、そして敵を観察して能力を見極める事。防御を上げた分、必ず何かの能力が犠牲になっている筈。ウイーリィは回避しつつもその動きを見る。

(! やっぱりだ。攻撃は効かなくなってるが、反撃自体は前よりも狙いやすい! ということは、犠牲にしているのは回避、ないし移動力! 鱗を強固にした分動きが鈍くなっているんだ! これなら!)

 ウイーリィは僅かに視線を逸らし、シャーリーを見つける。目を合わせた2人はそれだけでお互いの意志を確認した。『そのままでいける』『オッケー!』と。そしてそれを終えたウイーリィは再び宝を器用に足場にし、大きく飛びのいた。

「ちっ、このままじゃ包丁が刃こぼれしちまう! 一旦遠くから!」
「ガル、ニガサン!」

 オルトレーヴェがウイーリィに追いすがる。距離など開かせず、このまま反撃を防ぎ切り押し切ろうという算段。だが彼女は気付かない。移動力の落ちた彼女なら、ウイーリィならもっと引き離せる所を、引き離し切らない丁度いい距離、つまりオルトレーヴェが追おうと思わない程の距離には開かない様ウイーリィに速度を調整されていることに。

「うわ、しまった!」
「ガルル、オワリ!!」

 ウィーリィが一際Dの積もった山の前で立ち止まる。そこをオルトレーヴェは追い詰めたとみて、爪を向けた腕を思いきり突きこむ。万事休す、ではない。ウイーリィはそこでにやっと笑うと、大きく跳躍しオルトレーヴェの腕をかわす。腕はそのままDの山へと突っ込み、崩れたDが派手な音を立てて地に落ちていく。

「チッ、ダガ、マダ……!?」

 腕を引き抜こうとしたその時、突然細い物がその腕に巻きついた。かと思えば、次は反対側の腕にも放たれた。慌てて避けようにも、動きの鈍くなったオルトレーヴェにはそんな回避能力はなく、腕をからめとられ、そして足にもロープが巻きつく。彼女は完全に、ここに仕掛けられたスネアトラップにかかったのだ。

「グッ、オノレ!!」

 無理矢理ロープを引きちぎろうとするオルトレーヴェ。だがそんな時間は与えない、とここまで隠れていたシャーリーがトラップの機構をそのまま利用し、拾っていた槍をそのまま発射した。

(槍はいっそ心得がない。なら、私の得意分野である射撃方向に持ってくればいい。そしてこの槍には射撃耐性なんて関係ない!)

 槍はオルトレーヴェの身体へと突き刺さる。この衝撃自体は遠距離適応により軽減される、だが、槍自体の性質までは話が別。

「ナ、ナニ!? コ、コオル!?」

 突き刺さった傷口から、氷が広がっていきオルトレーヴェの身体を包んでいく。そう、シャーリーが発見した槍。その性質は『凍結』。炎でも刃でも銃撃でもない、シャーリーが探し求めていた宝の性質、まさにそれに合致していたのだ。それを彼女は装飾と海賊としての目利き、そして勘で導き出した。
 オルトレーヴェの全身が凍り付くと同時、ウイーリィは包丁を構えた。

「今だよ!」
「ああ! 凍結状態ってのは助かる。なにせこうなりゃ、もう装甲の耐性なんて関係ない。さあ……歯止めも効かず、暴れまくった獣って奴らの結末の1つを教えてやる。罠に捕まって狩られる。お前には、相応しいところだろ!!」

 そしてウイーリィの目にもとまらぬ斬撃が放たれる。冷凍食材も時に扱う彼には、その切るポイントもまた目星は付いている。
 【刀工一閃(クイック・クッキング)】。一瞬の間に、斬撃が2回。それはオルトレーヴェの凍り付いた肉を切り裂き、そして氷の破片を宙へと大量に舞い散らせた。

「グ、ギアアアアア!!!」

 もはやオルトレーヴェは奪い尽す略奪者にあらず。獣欲の限りを尽くした獣には、狩られる未来しか存在はしない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神代・凶津
組んず解れつしてた他の猟兵を助けながらここまで来たが、相棒にはちぃと刺激が強すぎたかな?
「・・・うるさい。」
ククク、ともあれ気持ちは切り替えていけよ。
俺達は今回、クールな怪盗なんだからなッ!

式神【ヤタ】を操って攻撃して、敵がヤタに気を取られている隙に距離を詰めて妖刀の一閃を叩き込む怪盗らしいクールな立ち回りをするぜ。
敵が獣欲を込めた声を発しそうになるタイミングを見切って
「・・・千刃桜花」
破魔の花弁の刃を奴の口にぶちこんで妨害するぜ。
奴がひるんだら近くに落ちてる
貴重そうな武器(剣系)で追撃してやるぜッ!

今宵、桜吹雪と共にお命を頂戴しますってなッ!


【技能・式神使い、見切り、破魔】
【アドリブ歓迎】



●桜舞い、眺むるならば無言にて

「さて、いよいよ大一番だぜ。しかし……組んず解れつしてた他の猟兵を助けながらここまで来たが、相棒にはちぃと刺激が強すぎたかな?」
(……うるさい)
「ククク、ともあれ気持ちは切り替えていけよ。俺達は今回、クールな怪盗なんだからなッ!」

 神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)は妖刀を構えると、内にいる相棒、桜を少しからかいながら敵のいる場所へと走っていた。
 彼女らは狐巫女たちを眠らせながら進んでいる間に、狐巫女たちを引き付けていた猟兵たちを同じく睡眠や不意打ちで対処し救出していた。その過程で、色々大変な所も目撃してしまい、桜はやや参っている状態であり、凶津は意地悪い笑顔を浮かべていた。

「じゃあそろそろ行くとするか!引き続き頼むぜ、ヤタ!」

 凶津は侵入の際にも役立った鴉型式神、ヤタをオルトレーヴェへと差し向けた。深手を負いつつもなんとか逃れてきたオルトレーヴェは息を切らしながらも飛来する鴉に気がつきその爪を振るう。

「ジャマ!! コノ、チョコマカ!!」

 だが凶津の支援も受けているヤタは巧みに空を羽搏き、オルトレーヴェの爪を回避し、それでいて素早く目の前に戻りかと思えば遠ざかりとおちょくるかのようにオルトレーヴェを翻弄する。まるで捉えることができないオルトレーヴェはイラつき、そしてヤタに意識を集中してしまう。それこそが凶津の狙いとも知らずに。

「ガハッ!!」
「隙だらけだぜ。怪盗 鬼面巫女、参上だ」

 凶津はヤタに意識を取られている間に一気に接近し、妖刀でオルトレーヴェを一閃。その身体に更に切り傷を増やしていく。

「ガル……キメンミコ? ナンダ、オマエ?」
「っ~~~! やっぱり肝心のボスに予告状届いてねえ……!!」
(まあ、分かってたけど)
「一縷の望みを持ってたんだよ!」

 凶津が少し前の憤慨を思い出す。その間に、オルトレーヴェはにやっと笑うと思いきり息を吸い込む。

(バカ! オマエ、ケモノ、シテヤル!!)

 オルトレーヴェが理性、知性を破壊する猫なで声を発声しようとする。放たれれば防御が難しい。かといって耳を塞げば戦闘においての五感の1つを失う事になり、戦い難くなる事は必至。そのオルトレーヴェの切り札、音もないこの予備動作。凶津は見逃しているように見えた。しかし、それは間違い。

「させない……【千刃桜花】」

 妖刀が桜の花びらになり空を舞うと、それはまっすぐオルトレーヴェへ向かう。猫なで声を回避不能な範囲まで届けようとしていたオルトレーヴェは大きく息を吸おうとしていた。だが、そこに花びらが来れば、当然花びらも吸い込む。訳の分からないものにオルトレーヴェが慌てて出そうとした時には、もう遅い。

「グ、ギャアアアッ!!!」

 オルトレーヴェが苦悶に満ちた叫び声を上げると、口から大量の血液を吐きだした。そして諸共に出てくる血塗れの桜花びら。それは、花びら型の刃であり、それで喉の中からズタズタに切り裂いたのだ。
 凶津は確かに意識を外したように見えたかもしれない。だが、凶津は一人ではない。桜はオルトレーヴェから注意を外しておらず、大声を出す予備動作を見逃さずにUCで対策したのだ。

「ガ、ギ、グ!!」

 当然声などこの状態で出せる筈が無い。それどころか、喉の痛みでまともに考える事も出来ていないオルトレーヴェ。故に、凶津がその間に落ちていた貴重品、白銀の西洋剣を拾い上げても注力する余裕も無く。

「なら、直前だが、改めてし直すぜ。『今宵、桜吹雪と共にお命を頂戴します』ってなッ!」
(……直前ギリギリにするのは予告じゃないと思う)

 桜のツッコミを無視し、凶津はオルトレーヴェの身体に剣を突き刺す。ただでさえ血塗れだった場が更に血で溢れていく。

「ギャ、ガァ!!」

 吐きだした桜の花びらも再び舞い、オルトレーヴェを次々に切り裂いていく。桜吹雪と血が舞い、獣を大きく吹き飛ばしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サエ・キルフィバオム

「文字通りの宝の持ち腐れ、だね」
知性の低さを利用しようとします

「うわぁっ、勝てないよぉ!」
攻撃を派手に受けたように【演技】
怯えて逃げるよう【挑発】的に振舞い、”脅威”ではなく”獲物”と錯覚させ、”適応せし者こそ生存する”で攻撃力を下げて移動力重視にするように誘導します

「仕込み完了、こっからが私のターン!」
逃げながら【狐糸「舌端」】を貴重品に結び、【罠使い】【だまし討ち】で動きを止めます
更に攻撃を受けた時に生成した【コード・スカルプチュア】で移動力を下げ攻撃力を上げて、動けないオルトレーヴェを力でねじ伏せます

「オマエノ、チカラマケ、ダ!」
格の差を教えるように敢えて口調を真似て心を折ろうとします



●獲物

「文字通りの宝の持ち腐れ、だね。そもそも儀式魔法を使うつもりはなくて、獣欲のまま集めた結果、発動してもおかしくないって時点でだとは思っていたけど」

 無造作に転がっている貴重品の数々を見ながら、サエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)はオルトレーヴェをそう評した。
 集めるだけで愛でる訳でも飾る訳でもない。ただ、『奪う』『得る』という欲を満たしているだけ。他の世界で売れば相応の金になりそうなものが雑多に放置されているのを見ると頭も抱えたくなるものだった。

「なら、その知性の低さを利用するわ。獣は人間の知性に狩られる。一部の例外を除き、それはあらゆる世界の常だもの」

 そしてサエは再び猟兵から逃げてきたオルトレーヴェに迫ると、飛びあがり襲い掛かる。

「ガル、マタ、アラテ!!」

 それに対し、オルトレーヴェは反射的に尻尾を振るう。ここに来るまでで只者ではない相手と認識している。故にこれは咄嗟程度の攻撃。だったのだが。

「うわぁっ、勝てないよぉ!助けてぇぇ!」
「……ガル?」

 なんとその一撃で派手に吹っ飛びすっころぶと、サエは怯えながら一目散に逃げだしてしまった。予想外の状態に暫しきょとんとしていたオルトレーヴェだったが、背中を見せて怯える姿に、獣の本能が刺激される。獣の中には背中を向けた相手を本能的に追いたくなるものもいるという。そして、その理由は相手を『獲物』と認識する為。

「ヨワイ、ヤツ! カル! カリツクス! ニガサン!」

 狩猟者へと戻ったオルトレーヴェは逃げる相手に対しての適応状態に変化。筋力を脚に集中し、地を蹴る。その速度は先程までとは見違えるようで、一気にサエに追いつき爪を振るう。

「キャッ!!」

 サエは咄嗟に腕で防御するが、爪がその腕を裂き、血が噴き出す。バランスを崩し、転がっていた絵画に倒れ込んでしまう。

「いや、いや……!」

 それでもたたらを踏み、立ち上がると怯えた顔で走り出す。それに対し、オルトレーヴェは笑みを浮かべる。それは狩猟者に戻ったからこその、優越者としての本能。甚振り、嬲り、少しずつ疲労させて仕留める。脚力の代わりに腕力を失っているからこその浅い一撃ではあったが、ここまでで猟兵に辛酸をなめさせられていたオルトレーヴェにはこの優越と嗜虐に抗う理性は存在しない。何せ元々獣欲のままに生きていた存在なのだから。

「あっ!? いや……あぁ!!」

 その後もオルトレーヴェは浅い攻撃で少しずつサエに傷を負わせ、怯えるサエを少し逃がしては追いつき、傷つけ倒れさせ、また逃がすと言う嬲りを行った。周りの貴重品には鮮やかなサエの血が付いていき、その辿った道筋を示している。

「も、もうだめ……た、たすけて……お願い、たすけて……!」

 体力の限界が来たのか、膝を付いたサエはオルトレーヴェに涙ながらに命乞いをする。だがオルトレーヴェは当然聞く耳など持たない。

「ダメ。オマエ、ニク、ワタシ、カイフク! タノシカッタ! シネ!!」

 オルトレーヴェが笑みを浮かべたまま、首筋に喰らいつこうと牙を向きだしにしてサエに向かう。憐れな命乞いの獲物をここで仕留めようと。


「あっそ。ま、別にいいんだけどね」


 表情を一瞬で、別人かのように切り替えたサエが指をくんと動かすと、宙に光の線が現れ、それがオルトレーヴェに纏わりついたかと思えばその動きを静止させる。

「ガッ!?コレ、サッキ!?」
「あら。似たようなのを喰らってた?なら、何度もかかるなんて、もはや獣以下ね?」

 それはサエの持つ特殊糸、狐糸「舌端」。硬度を自由に変えられる糸。それをサエは逃げながら重い貴重品に結び付けていき、少しずつトラップを張り巡らせていたのだ。そして命乞いをしたポイントに誘い出し、まんまと糸でオルトレーヴェを捕縛したのだ。これこそがサエが演技をして逃げ続けた理由の1つ。そしてもう1つは……。

「これで貴方のスピードも活かせはしない。【コード・スカルプチュア】」

 サエはユーベルコード【コード・スカルプチュア】を発動する。これは自分の手で受け止めたユーベルコードをコピーし、発動する技。サエが反射防御のように腕で受けたオルトレーヴェの攻撃。あの時、オルトレーヴェは【獣の理・適応せし者こそ生存する】で攻撃力を下げ移動力を上げていた。故にサエはこの時、【獣の理・適応せし者こそ生存する】をコピーしていたのだ。獲物のように振舞う事で、獣欲の塊であるオルトレーヴェの狩猟本能を刺激し、嬲るように狩らせる事で被害を最小限にUCをコピーしたのだ。

「じゃ、借りるわよ♪ 私も一応、獣の因子はあるしね?」

 そう呟くと、サエの獣毛が逆立ち、腕の筋肉が目に見えて増しその力を増強する。その分、足は鈍ってしまうが、動けないオルトレーヴェ相手ならばデメリットにはならない。

「グッ!ハナセ、ハナセ、ハナセェ!!」
「筋力が弱まった貴方じゃ振りほどけない。今まで奪い、狩った相手の気持ちを味わい、そして作戦とはいえここまで嬲ってくれたお礼、纏めて喰らいなさい」

 サエは腕を引き絞ると、オルトレーヴェの身体にフックを繰り出し、その身体にめり込ませる。そして更にすかさずもう片方の腕も叩きこむ。糸により姿勢が固定されている為、衝撃を和らげることもできずにまともに喰らう。

「グッハ……!」
「これで、フィニッシュ!」

 そして相手の下に回り込むと、渾身のアッパーブロウをオルトレーヴェの顎に炸裂させると同時に糸の拘束を解除。顎の骨と牙の数本をへし折りながら、オルトレーヴェを天井目がけて派手に打ち上げた。

「たまにはパワー任せ、も悪くはないわね?」

大成功 🔵​🔵​🔵​

美波・蜜香
チェルノさん(f06863)と一緒

ううっ、チェルノさんごめんなさぁい…
でも、そもそも悪いのはこのボスのせい!
乙女の怒り、思い知れー!(責任転嫁)

むんっ、と【気合い】を入れて【スーパー・ジャスティス】でパワーアップ!
予想以上におっきいけど、チェルノさんと協力すればきっと勝てるはず!
そして身体が大きくなればそれだけ死角も増えるってこと!
猛スピードで飛び回りながら死角に潜り込んで【怪力】と【ランスチャージ】で攻撃を浴びせ続けて向こうからの攻撃は【オーラ防御】で防ぐ

でも理性を失ったチェルノさんに不意を突かれる形で押し倒され、そのまま襲われてあたしも理性を失い一匹の獣に…

※アドリブOK・NGなし


在原・チェルノ
☆蜜香ちゃん(f20221)と一緒に諸悪の根源を成敗するわよ!
流星忍姫チェルノ、参ります!

敵の攻撃を【残像】と【フェイント】でかわし、避けきれない分は【オーラ防御】でブロック
【カウンター】で【雷刃無尽】をお見舞いするわよ!

(が、甘い鳴き声は防げずに理性と知性を奪われて抵抗を止める)
あれぇ…あたし何してたんだっけ?
あ、蜜香ちゃんだぁ…
さっきの続き、しよ…
(【失せ物探し】で見つけた洗脳アイテムを手に蜜香ちゃんに襲いかかり、自分と同じ理性も知性も失った獣へと変えようとする)
ぶぅ…ぶひぃ…
蜜香ちゃんもあたしと同じえっちなブタさんになっちゃお…?

※NGなし・アドリブOKです



●第一次スーパー淫獣大戦 ~豚姉妹よ永遠に~

「よくも変な宗教に入信させてくれちゃったな!!諸悪の根源成敗の時!流星忍姫チェルノ、参ります!」
「ううっ、チェルノさんごめんなさぁい…でも、そもそも悪いのはこのボスのせい! 乙女の怒り、思い知れー!」
「ガル!? ナニ、コイツラ!?」

 なんとか致命傷を避けて退避してきたオルトレーヴェを待ち受けていたのは、在原・チェルノ(流星忍姫チェルノ・f06863)と美波・蜜香(ブルーメンリッター・f20221)の2人による待ち伏せ奇襲だった。二人は先の情事での錯乱を無かったことにするかのように、そして全ての責任をオルトレーヴェに着せにきつつも2人で共に襲い掛かってきた。

「オノレ!! ナラ、キョダイカ!!」
「おっと、当たらないよ!」

 オルトレーヴェが巨大化し傷を癒しながら増えた尻尾を振り回す。が、それはチェルノに当たった、と思えばその姿が霞に消える。それは残像。チェルノの素早い動きにより分身したかのように見えた幻でしか無かった。いくら巨大で増えた部位の攻撃だとしても、当たらなければ意味は無い。

「お返し! 闇を斬り裂け、雷の刃よ! 【雷刃無尽(ライジンムジン)】!」
「ガガガガ!!」

 チェルノがすかさず雷で形成した手裏剣を多数投げつける。オルトレーヴェの全身に雷が突き刺さり、全身を襲う雷撃はオルトレーヴェの筋肉をマヒさせ動きを止める。

「チャンス! むんっ! 【スーパー・ジャスティス】!」
「ナッ、ドコ……ガハッ!!」

 そこをすかさず飛翔能力を引き上げた蜜香が背後に回り込み、渾身の槍突きを繰り出す。そのパワーは無防備な背中を攻撃されたオルトレーヴェの巨体を吹き飛ばし、地へ倒れ伏させる。オルトレーヴェの身体が効果切れで元のサイズに戻っていくのを見て、二人は駆ける。

「よし、このまま行くよ!」
「うん!」
「サセ、ナイ!! ~~~~~~~♪」

 オルトレーヴェは咄嗟に動けない状態のまま、まさに彼女の奥の手を発動した。それは今までとは打って変わった、猫なで声を発するだけ。ただそれだけだったが、その効果は劇的だった。

「はう!!」
「あうっ!!」

 2人が突然叫び声を上げると、足を止め、やがて動きを止めてしまったのだ。二人とも虚ろを見るような表情になってしまい、茫然としている。だがやがて、チェルノがニヘラ、と笑うと蜜香に向き直る。

「あれぇ…あたし何してたんだっけ?あ、蜜香ちゃんだぁ…さっきの続き、しよ…」
「チェ、チェルノ、さん……?あれ、続き、あれ?私、やること、あれ…?」

 チェルノは欲情に満ちた先のような顔で迫り、蜜香は今の状況を呑み込めないようになっている。これこそがオルトレーヴェの奥の手、聞いた相手の理性と知性を破壊し、獣に戻してしまう声。さっき巨大化した際、先刻損傷を受けた喉内部の傷を回復できた為、ここでやっと発動できたのだ。そしてチェルノは実はまだ先の情事が尾を引いており我慢していたそれが今知性と理性を破壊された事で発露してしまった。

「ノリ悪いなぁ……あ、なんかいいの見っけ♪」

 チェルノが足元に転がっていた貴重品を拾う。それは黄金でできたランプ、だがなぜか豚の耳や尻尾の装飾が付いた不思議なものだった。チェルノは迷わずそれをこする。すると煙が出てきて、それがチェルノの身体を包んでいく。

「あぁ、やっぱりなんかいいものな気がしたんだぁ……ああ、完全に獣になっちゃう……ぶひぃ♥」
「ひっ!」

 蜜香が尻もちを付いてしまう。煙が晴れた先にいたのは、チェルノではなかった。そこにいたのは元々のスーツに豚の尻尾、頭に豚の耳、そして不思議な力で鼻の穴が広がり豚鼻のようになってしまった、変わり果てたチェルノの姿だった。どうやら豚化を及ぼす魔法のランプだったらしい。

「ぶぅ…ぶひぃ…蜜香ちゃんもあたしと同じえっちなブタさんになっちゃお…♥」

 チェルノがランプを構えて蜜香へとじわじわ近寄ってくる。知性と理性を削られた蜜香にそれを回避する手立ては思いつかない。

「や、やめて、チェルノさ、い、いやあああああああ!!」



「ぶひ、ぶひ、ぶひぃ♥ 蜜香豚ちゃん、ムチムチで素敵ぃ♥」
「ぶっひ、ぶひひ、ぶひん♥ チェルノ豚さんも、素敵なお肉ですブヒ♥」

 ランプによりチェルノと同じ姿になり、理性と知性の破壊も完了した蜜香。獣欲だけの存在になった2人は獣となり、オルトレーヴェや仲間の戦闘を余所に部屋の隅で絡み合っていた。心なし豚化により更にムチムチとした肉付きになった2人はお互いの身体を味わい、そして口づけをする。

「むちゅちゅ、むちゅ♥」
「ぶちゅぶちゅ、ぶっちゅ♥」
「あはぁ、欲望に素直になるの楽しいぶひい♥」
「ぶひ♥理性も知性も要らないですぶひ♥」
「じゃあもう言葉も要らないね♥」
「はい、もうここからはやめましょう♥」

 ピンクのブタたちはもう言語すら捨てる。そしてお互いの欲のままにここでまぐわい続けるのだった。

「ぶひぶひ♥ ブヒ、ブヒブヒ! ブヒ、ブヒ、ブッヒイイイイイイン♥」
「ブッヒヒ、ブッヒィ!! ブヒヒン♥ ブヒヒヒン♥ ブッヒャァアアアン♥」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

久遠・翔
アドリブ絡み歓迎


はひぃ…な、何とか見習い巫女をどうにかしたっすけど…いや何故か疲れてないけど何で勝手にご主人様扱いで自ら使役されてんの?
そしてパンツ見せるな

最短ルートからこっそり忍び込み相手を暗殺で倒そうとします
変身する前に倒せば問題ないと飛び出しますが貴重品に躓き相手の目の前に滑り込む
服が破れ肌が露わになり選択UCが勝手に発動
相手の獣欲の声が響き押し倒され口づけされ貪られます

しかも使役獣化した巫女達の欲望を高める声と躓いた貴重品のスイッチが入り濃厚な媚薬空間に
何度も何度も肌を擦りつけお互いに果て体力を削り自身は回復
そして最後には攻めが逆転してUC無自覚の使役術で使役獣化させるまで攻め続けます


純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ
一秒(文字)でも早く長くお色気シーン
巨乳好き

女の子とえっちして遊んだ上に豪遊出来るなんてただのご褒美〜♡

先制攻撃で周りの財宝に紛れ込ませてUC発動〜♪
魅了の神力でオルトちゃんも狐巫女ちゃんもぴゅあの信者兼眷属にしてあげるね〜♪

濃厚な百合キスで体液(装備)を飲ませてから、おへその下に刻淫(装備)を刻み込んで体毛ツノ翼尻尾がぴゅあと同じ色の眷属淫魔に肉体改造〜♪

胸を揉んで摘んで、体液を塗り込むように女の子の貝を擦り合わせて暴力的な生命力吸収の百合捕食で神罰だよっ♡

もし相手UCを受けても『女の子と死ぬ程百合えっちしたい』って邪神の狂気(淫魔の性欲)で生まれた時から狂ってるからね〜♪(妻が5人居る程)



●第二次スーパー淫獣大戦 ~終焉の眷属へ 邪神がやらねば誰がやる!~

「はひぃ…な、何とか見習い巫女をどうにかしたっすけど…いや何故か疲れてないけど何で勝手にご主人様扱いで自ら使役されてんの?」
「私達にも分かりませんご主人様!」
「理屈ではなく心で理解しているのですご主人様!」
「いやあん! 風のいたずらですご主人様!」
「訳わからねえっす……あとパンツ見せんな」

 他の精強ドリンクを飲んでいる猟兵らと同じ目に遭っていた筈なのにドリンクに手を出さなくてもいい程体力を維持している久遠・翔(性別迷子・f00042)は猟兵らの戦闘に紛れてオルトレーヴェに気付かれないように、Dの山に隠れながら進んでいた。そしてその後ろの方には狐巫女たちが隠れ潜んでいる。

「ていうか、アイツを相手にしたくないならなんで来たんっすか? 他の怖気づいた狐巫女も置いてきて」
「どうしてもご主人様についていきたくて!」
「恐怖よりそれが勝って!」
「私達はなんだか運命的な出会いが待ってる気がして!」
「よし、やっぱり分からねえっす。とにかく余計な事しないでくださいね、くれぐれも、くれぐれも!」
「「「はーー 「早速居場所ばれそうな返事しないでほしいっす!」

 緊張感がない狐巫女たちを引き連れてDに隠れて進んでいく翔と狐巫女たち。

 だが彼女らは気付かなかった。その後方、同じようにDに隠れて、着いてきている者がいた事を。

(ふぅん? なんだか妙な呪いがかかった子……面白い事になりそう♥ 女の子とえっちして遊んだ上に豪遊出来るなんてただのご褒美♡)

 幼女のようなピンク淫魔、されどその正体は百合なる邪神。現世の名は純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ(永遠に無垢なる幼く淫らな魔貌の邪神姫【百合神淫魔】・f30297)。彼女は翔の身体の呪いを見抜きつつ、この先のターゲットを見据えてぺろりと舌なめずりするのだった。



「フッ、ケモノ、ナッタナ。サア、イマノウチ、タベテヤル」

 オルトレーヴェは猫なで声で無力化した2名の猟兵を見て、自分への注意が完全になくなっているのを確認すると、その間に仕留めようと爪を構えた。このままではまさしく豚のように屠殺されてしまう。

(あのお2人には悪いっすけど、でも今はチャンスっす。奴が手をかける前に、隙をつくっす!)

 その背後のDや貴重品の山の後ろに翔が潜んでいた。気配を殺し、ククリナイフを構えると暗殺の機会を伺っている。そしてオルトレーヴェが数歩踏み出したタイミング。

(今っす!! ……えっ!?)

 Dの山を越えて突っ込もうとしたその足に、山に埋もれていた2種類の豪奢な薬瓶が当たってしまった。薬瓶がオルトレーヴェに吹き飛ぶのと同時に、翔が転倒。しかもその時、豪華な剣に服がひっかかり、大きな音を立てて破れてしまう不幸のオンパレード。

「ワブッ!? ナ、ナンダ、キサマ!!」

 吹っ飛んだ薬瓶が砕け、2種類の薬品を浴びてしまうオルトレーヴェ。流石にこれで翔に気付かない訳がなく、無様にすっころんだ翔に向き直ってしまう。

「し、しまった!」
「フイウチ、ネラッテタナ、ユルサ…………グ!? ナンダ、カラダ、オカシイ……シカモ、ナンダ、コノ、ニオイ……グ、ガアアアア!!」

 オルトレーヴェが突然苦しみだし、身もだえする。翔が何が起こったのかと思った次の瞬間、オルトレーヴェの像がぶれたかと思えば、その姿が3つに増えた。

「ど、どういうことっすか!? ん?」

 翔が残っていた薬瓶のラベルを見た。そこには、『分裂薬(ただし体力を相応に消費します)』と『媚薬』と書かれていた。できすぎてるように思えるその取り合わせに、翔の血の気がすーっと引いていく。見れば、3体の内1体は顔を赤らめ、血走った表情でこちらを見ている。

「オンナ、オンナ……! セイヨク、ミタス、セイヨク!!」

 1体が我慢できないと翔にとびかかり、その上に跨る。涎を滴らせるその姿に、肌かを晒している翔は絶望を感じる。

「ワケ、ワカラナイ……」
「マアイイ、ワタシタチ、アイツラ……クラウ」

 媚薬の影響を受けなかったらしい2体が、翔を放っておいて再び2人の猟兵の方へ向かおうとする。貴重品で妙な事にはなったが、まずは食欲を満たし体力を回復させようとしたのだ。無造作に転がる貴重品を何と思わず、横を通っていく。絵画、剣、鎧、そして『見覚えのない』黄金像――――。

「!?」

 それに気づいた1体が大きく飛び退いた。それを見た途端、違和感、そして獣としての危機感知が働いた。これの近くにいるのはまずい、と。

「? イッタイ、ドウシ……ンギイィィィィ!?」

 気付くのが遅れた1体が怪訝にした瞬間、黄金像の目が輝くと、そこから桃色の波動が発生。それが一定領域をオルトレーヴェの1体ごと包む。そして、それを受けたオルトレーヴェは身体を痙攣させて地へと倒れ伏した。

「あーあー。折角増えてくれたんだから、2人とも欲しかったのに、ざーんねん♪」

 そして黄金像の近くのDの山が崩れると、そこからピンク色の淫魔幼女、ピュアニカが現れた。彼女は翔の暗殺が上手くいかないのを見越し、その間に隙だらけの猟兵たちを守れる位置に待機。【純真なる黄金像(サモン・ゴールデンピュアニカ)】で召喚した黄金像を貴重品の中に紛れさせ、その発動した力で周辺を自分の領地に変え魅了の神気で満たすことで、近づいてくる2体を一網打尽にするつもりだったのだ。

「グッ……!!」

 範囲から逃れた最後のオルトレーヴェは、ピュアニカを見た途端、即座に撤退を選んだ。獣には恥の概念は無い。故に容赦なく撤退を選ぶ。なぜなら、獣欲に従い性欲にもまた貪欲なオルトレーヴェだからこそ分かるのだ。目の前の存在は、その領域において自分とはレベルが違うと。分裂によって体力も消費してしまっている以上、ピュアニカに立ち向かうのは得策ではないと判断したのだ。



 一方、こちらはオルトレーヴェに組み敷かれてしまった翔。周囲にはまだ媚薬が立ち込めており、その匂いは翔をも再び変な気分にさせてしまっている。しかも……またも、翔は無自覚にこの時、【無自覚の誘惑術(リジェネテンプテーション)】を発動させてしまっていた。破けた服の見える肌から誘惑フェロモンが発生し、オルトレーヴェを更に魅了してしまう。

「オマエ、イイ……オマエ、ワタシ、モノ、シテヤル……オマエ、ケダモノ、シテヤル……~~~~~~~♪」
「なっ、あ……なにも、かんがえら、れ……」

 感極まったオルトレーヴェは理性と知性を破壊する猫なで声を発声するそれは翔の媚薬で弱っていた理性と知性を破壊し、夢うつつのような顔になってしまい、オルトレーヴェにされるがまま、その口に口づけされ、舌を獣臭さを感じながらも口内で暴れられてしまう。

「ンヂュ、ヂュル、ヂュルゥ!」
「ン、ムム、ヂュル、ンゥ!」

 そしてこの媚薬と猫なで声は、密かに見守っていた狐巫女たちにも作用してしまっていた。

「アハァ…♪ なにも、かんがえれな……」
「アッチに、行っちゃった子たちも、もう、もう……コォォォン♪」

 理性を失った狐巫女たちは隠れながらも、嬌声と叫び声をあげながらお互いに絡み合う。そして彼女らの同意者に応じて性欲を高める空間を作り上げるUCまでもが発動し、オルトレーヴェと翔を包み込んでいく。

「ハァ、ハァ……!モット、モット、モット、ムサボル、ムサボル、ムサボル!!」
「ア、ンァ……!」

 オルトレーヴェは更に性欲を昂らせ、口づけ、急所への舌舐め、乱暴な愛撫、尻尾による刺激などを繰り返していく。その激しさは容赦が無く、自身もまた貪欲に快楽を貪るもの。やがて二人は、同時に果てる。

「ンッ!!」
「ア、アァアアア!!」

 嬌声を上げ、息を切らすオルトレーヴェ。ここまでやればもう相手は精神も壊れただろう、と。それでもただ玩具のように扱ってやろう、とオルトレーヴェが再開しようとした時。
 目が尋常ではなく、何か憑りついたような翔がオルトレーヴェの腕を掴んだ。

「エ?」
「まだ、まだ、まだ欲しいっす……ずるい、あんただけ、なんて、俺も、俺も……!!」

 血走った眼の翔が逆にオルトレーヴェに掴みかかった。普通ならこんなものは無駄に過ぎない。力で押し返されて再び組み敷かれるだけの筈。しかし、オルトレーヴェは耐えきれず、翔にそのまま押し倒され、逆に組み敷かれてしまった。

「ナ、ナン、デ……オマエ、ツカレテ、ナイ!?」
「知らねえっす……そっちがむしろ疲れて、攻めが弱ってるんっすよ……もっと、できねえんっすかぁ!?」

 媚薬、理性と知性の破壊、性欲を高める空間、あらゆる相乗により翔は今性欲のみの暴走状態に陥っていた。更に、彼女のUCの効果により快楽や凌辱により相手の体力を吸収し自分は回復する、先の狐巫女相手の無限ループ状態にもなっており、オルトレーヴェは体力を自覚以上に使い果たしてしまっていたのだ。

「ソンナ、ワタシ、シタ、ニ……ウッ!」
「ほら、もっと、もっとぉ……!」

 先程されたように口づけされ、愛撫され、そして体を密着させられ刺激される。しかもその間にも体力は吸われていき、翔は逆に回復。翔はどんどん攻めを激しくし、オルトレーヴェは限界へと近づいていく。

(ナンテ、ヤツ……ワタシ、カテナイ……アア、カテナイ、ナラ、ワタシ、コノ、オカタ、ニ……!)

 オルトレーヴェの精神が、屈服する。今まで犯し支配してきた彼女が、攻められて限界に近付き敗北する。そして獣として、敗者の辿る先は往々にして1つ。翔が発動した無自覚のもう1つの術も相まって、オルトレーヴェは翔に対し、服従、そして尽くしたい精神に支配されていく。

(ワタシ、マカシタ、コノヒト……ツクシタイ!)
「ア、アァアアアアア♥」
「ンッ、アアアア!!」

 翔とオルトレーヴェが果て、オルトレーヴェが完全に屈服した時、眩い光が周囲を包んだ。



 一方、ピュアニカの支配領域と化した場所では。

「あはぁん、邪神様ぁ♥ なんて性欲ぅ♥ 貴方こそが真の神ですぅ♥」
「運命の相手は貴方だったですぅ♥ 狐焔神道とご主人様(仮)には申し訳ありませんが、私達は貴方の信徒になりますぅぅ♥」
「グ、ガ……!」
「あららぁ? 狐巫女ちゃん達も何人か巻き込まれちゃったんだねー? ま、いいけど?」

 様子を見に来た際に支配領域に巻き込まれ、ピュアニカの信徒化した狐巫女たち、動けてはいないがなんとか抵抗しているらしいオルトレーヴェ、それぞれをピュアニカは満足そうに眺めた。

「それじゃあ、皆仲良くぴゅあの信者、兼眷属にしてあげちゃうけどいいよね?」
「イイワケナ」
「いいですぅ♥ 私達は元々性欲と欲望を崇め、よりそれの強く悪い人に付いていく者!」
「ならば貴方にお仕えする存在に生まれ変われるのなら、何も問題などないですぅ♥」
「アハ、なら遠慮なく頂いちゃうね♥」

 そう言うとピュアニカは狐巫女の唇を奪い、濃厚なキスをしていく。その手管たるや、唇と舌遣いだけで狐巫女をあっという間に至らせ、顔も快楽まみれのアヘ顔にしてしまう程。そして、自分の唾液を飲ませて果てた狐巫女の腹にピンク色の淫紋が浮かぶと、そこからピンクの光が狐巫女を包み込んでいく。程なく光が消えると……。

「アハ、眷属淫魔狐巫女ちゃん完成♪」
「あっはぁ♥ ピュアニカ様ぁ♥ 全身が以前より気持ち良さばかりですぅ♥ それに前は異性が欲しかったのに、今は同性の百合百合にしか興味がなくてよりエッチになれた気がしますぅ♥」

 そこには髪、耳、尻尾がピンク色に染まり、新たにピンクの翼も生えた、まさにピュアニカに似た姿へと変貌した狐巫女がいた。巫女風であった衣装も、一部の巫女的意匠を残し、ピンクに染まった露出のより多くなった淫靡な衣装へと変わっている。瞳もピンク色に染まり、よく見ればハートの形が浮かんでいるのがピュアニカの眷属と化した証のようにも見えた。

「ヒッ…!」
「素敵ぃ♥ 私も、私もぉ♥」
「私にもくださいぃ♥」
「勿論、ほら一人ずつ並んでね♪」

 その変貌ぶりに戦慄するオルトレーヴェを余所に、もう心まで信者化している狐巫女たちは我先にと殺到し、次々とピュアニカのキスで眷属淫魔と化していく。

「さ、オルトレーヴェちゃんの番だよ♪」
「ヤ、ヤメ……!」
「だぁめ♥」

 ピュアニカは動けないオルトレーヴェの巨乳を揉みし抱きながら、その口に濃厚なキスをし唾液を流し込む。動けない為舌を噛むこともできず、オルトレーヴェはされるがまま。更にピュアニカのテクは絶妙で、手でも舌でも最高の快楽をオルトレーヴェに刻み込んでくるのだ。

(オトコ、オカシマクッタ、ワタシ、コンナ……キモチ、ヨスギル……!)
「ふふ、さ、眷属淫魔になろうねぇ♥」
「ウ、ウアアアアア!!」

 やがてピンクの光が満ち、そして消える。
 オルトレーヴェもまた、角、ウサギ耳、ドラゴン翼、尻尾、毛で満ちた手足の全てがピンクに染まった。ぼろ布でかろうじて包んでいた胸は、ピュアニカとお揃いのピンクのマイクロビキニで包まれている。
 だが

「ハァ、ハァ……マダ、ワタシ……」
「わぁ、まだ魅了されきってないんだ? でももうあと少しだね? なら、百合百合に仕上げちゃおう♥」

 そう言ってピュアニカはされるがままのオルトレーヴェを押し倒すと、その胸を揉みし抱き、摘み、更に自分の汗を染み込ませるように体を全力で擦りつける。

「ア、ウァアア! ウァアアアア♥」
「ウフフ、大分快楽に塗れてきたね? ここももうトロトロ♥ それじゃ、いただきまぁす♥」

 ピュアニカは急所の部分を擦りつける。それが齎す快楽は絶大で、オルトレーヴェの生命力すら消費し吸い尽していく程。そしてその代りオルトレーヴェには全身に気がおかしくなる程の快楽が押し寄せる。
 快楽と共に無自覚に猫なで声も発動するが、ピュアニカは『女の子と死ぬほど百合百合したい』という狂気とも思える欲望を生まれた時から持っている存在。理性と知性などそれを為す為の不随でしかない為、例え削がれてもピュアニカを無力化するには至らない。

「ヒィイアアアアア!!♥♥ ラメ、ラメェ! ワタシ、オカシク、アァァ!」
「オルトレーヴェちゃん? 今まで奪ったり、殺したりいっぱいしちゃったんだね? これはその罰なんだよ? ぴゅあが与える、神罰。奪うのはいけないの。殺すのもいけないの」
「アァアア! ソンナ、ソンナァ!」

 獣欲に満ち、それに従い、略奪、貪り、男の喰い漁り、そして殺害。やりたい放題をやってきたオルトレーヴェへ、快楽付けという嬉しくも苦しい罰を与える、それこそが長い眠りから目覚めた、ここに在りし邪神の下す罰。


「でもね?」

 そっ、とそれまでの攻めとは裏腹にピュアニカはオルトレーヴェを優しく抱きしめる。

「ぴゅあは、その罪を許してあげる。この罰を持って、あなたの罪を赦してあげる♪ これからは、もう奪ったり、殺したりはしなくていいの。快楽も、喜びも、友達も、みぃんなぴゅあが与えてあげる♥ 貴方の欲を、ぜぇんぶ百合百合快楽に注ぐなら、ぴゅあが貴方を認め、許してあげる♥」
「ア、アァ………♥」

 快楽に包まれながら、それでもオルトレーヴェは確かに感じた。今まで齎される事が無かった、『愛』。それが例えどんな形であろうとも。欲に尽くす自分の在り方、それを認めてくれる存在を。

「さぁ……遠慮なく、イッちゃえ♥」
「ハ、ハイ……ピュ、ピュアニカ、サマァアアアアアアアア♥♥♥♥」

 オルトレーヴェが激しく果てる。そして、その瞳が桃色に染まっていき、ハートの紋様が刻まれる。その顔は、これ以上ない快楽に満ち溢れていた。



「ピュアニカ、サマ……♥ ゴロゴロ♪」
「ふふ、良い子良い子♪」

 少し前とは変わり果てた、従順な猫のようにピュアニカにひざ魔突き、頭を撫でられている、眷属淫魔オルトレーヴェをピュアニカは満足そうに眺めていた。

「さて、あっちはどうなったかな……おや?」

 翔の方はどうなったか、とピュアニカが見やると、そこには……。


「ゴシュジン! ゴシュジン! ゴシュジン!」
「うう……目が覚めてみればほとんど覚えてないっす……覚えてないっすが……」

 そこには、うつ伏せになった翔。その上には、なんだかチビっぽくなった子供のよう、されど角やウサギ耳、翼や尻尾など、どう見てもオルトレーヴェな姿のものがその背中に乗っかっている光景があった。

「……また、やっちゃったのだけは分かったっす……」
「ゴシュジン! コレカラ、ゴシュジン、ワタシ、ツクス! イッパイウバウゾ! イッパイゴハントッテクルゾ! イッパイコロシテクルゾ!!」
「ダメっす!?どれもダメっすからね!?」
「ガルゥ……」

 寂しそうに耳や尻尾を項垂れるオルトレーヴェ。彼女は翔の【無自覚の使役術(リンカーネーション)】により、使役獣化しており、それによりチビ状態になっているのだ。

「あー、可愛くなった元ボス可哀想ー!」
「ご主人様の非道! 外道! 鬼! 悪魔!」
「でもそこに痺れる憧れるぅ!!」
「非道でも外道でも鬼でも悪魔でもないっす!!」

 狐巫女たちが囃し立てているが、彼女らも使役獣化しているのか、それともここからなるのかは定かではない。



「ふぅん? ああいうのもあるんだね……ふふ、面白い子♪」

 ピュアニカは眷属淫魔たちを愛でながら、翔たちの様子をニヤニヤと見つめるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夜月・クリスタ
フ、実に欲望に忠実な輩じゃないか。こういう相手から宝を奪い返すのが僕の使命というもの!だから…怪盗フォックステール、参る!

でも戦う前の下準備は済ませておこう。狐巫女達に予備の服を渡し、何か大きい物に被せてデコイを作ってもらおう。

挑発しつつ【空中戦】【ジャンプ】で周囲を飛び回りつつ、何度も攻撃しながら挑発!巨獣形態への変身を促そう。
変身したら一旦Dの山へ隠れ、少し離れた場所へ移動してからデコイを出してもらおう。

デコイに反応し隙が出来たら飛び出し、攻撃してくるであろう部位へ小太刀で攻撃。相手の勢いも利用し深く引き裂いてあげよう!
小太刀が折れても諦めない。懐に入り込み仕込み拳銃で【零距離射撃】だ!


メフィス・フェイスレス


腹持ちは悪いけどましにはなったわね
礼は言っとくわ
(悪っぽく無造作に瓶をポイ捨て)

成る程、木を隠すなら森の中ってわけ
でもちょっと悪目立ちしすぎたわね
ここの住人の目はごまかせても猟兵はごまかせない

足場が悪いので【宵闇】で「滑空」「対空戦闘」
羽ばたきで牽制しつつ【微塵】で「先制攻撃」
爆音を続けざまに響かせ声が届かないようにする

爆煙の「闇に紛れ」「ダッシュ」で突貫、UCの鉤爪で「貫通攻撃」
「武器改造」で突き刺した鉤爪に返しを形成し「捕縛」してドリルで「捕食」「爆撃」、肉体の「継戦能力」による正面からのどつきあいを繰り広げる

体力にはこっちも自信があるのよ
変形できなくなった体でどれだけもつかしらね!


ミラン・アレイ
NGなしのアドリブ大歓迎!

部屋に入ったらリストにあった短剣を拾うねー

【残像】で撹乱しながら、間合いを詰めるね!
近接の間合いに入ったら雷霆剣を抜き放ち、刀身に雷を纏わせた【属性攻撃】で斬りつけ、【薙ぎ払って】攻撃するね!

巨獣化されて押さえつけられて
獣欲のままに衣服を食い破られ、裸にひん剥かれた所を大きな舌でべろべろと胸や大事な処や全身を舐められるのを堪えるね!
ぐうっと巨体を寄せ付けて来た所で、【怪力】で押さえつけられていた腕を引き剥がして、隠し持っていた【刺した周辺を異常に脆くする】短剣を腹に突き刺してから、UC【天破竜撃】で脆くなった箇所を全力で突き上げるよ!

欲が過ぎれば……身を滅ぼすんだよ!



●獣欲を打ち砕く刻

「撤退選択にも全く迷いが無い……フ、実に欲望に忠実な輩じゃないか。こういう相手から宝を奪い返すのが僕の使命というもの!だから…怪盗フォックステール、参る!」
「おー、これが本当の怪盗さんー!」
「ははは、そうキラキラした目を向けないでくれ素敵なスーツの君」

 逃げてきたオルトレーヴェを捉えながら、夜月・クリスタ(怪盗フォックステール・f13971)とミラン・アレイ(ドラゴンガール・f29182)はDの山の後ろに隠れながら話していた。

「しかし、目当てのものはまだ見つからないな……怪盗としては不甲斐ない」
「リストにあったから絶対あると思うんだけど……もう少し探すー?」
「駄目よ」

 そこに、飲んでいた狐巫女お手製精強ドリンク剤の瓶を投げ捨てたメフィス・フェイスレス(継ぎ合わされた者達・f27547)が苦言を呈す。

「アイツには回復できるUCがあるわ。私の勘から言っても、あの状態は好機。あそこからこれ以上野放しにはしたくないわね」
「成程……狩る者の言なら、そこを優先するべきかな。ちなみにお味は?」
「腹持ちは悪いけどましにはなったわね。礼は言っとくわ」
「ど、どうもー……」

 それに答えたのは更に後ろでDに隠れている数人の狐巫女。ご主人の方に行かず、此方の方に要請され、主人に促されてこちらに随行してきた者達だ。

「そちらは手筈通りにできてるかい?」
「言われた通りのは作りましたー。……本当にばれませんよね?私達ぶちっと殺されないですよね?」
「大丈夫だよきっとー! 多分ー! おそらくー!」
「それは貴方達の運次第ね」

 オルトレーヴェを恐れる狐巫女に、根拠のない励ましをするミランと容赦なく現実を突きつけるメフィス。涙目になる狐巫女に、依頼の本人であるクリスタが言う。

「大丈夫。それを出して、投げてくれればそれでいい」
「わ、わかりましたぁ」

 弱弱しくも狐巫女たちは承諾。残る懸念は……。

「となると、後は……僕が時間切れ前に見つけるしかないか」
「そうね。この中でこういうのに目利きが効くのはアンタでしょうし」
「わたしはぜんっぜん分からないから、前に出るよー!頑張るから、ホントにヤバくなるまでは手を出さなくていいからね!」
「なら任せるが……無理はしないようにね?」
「だいじょーぶー!」
「なら、大詰めと行きましょうか」



「グッ、クソ……マダ、ウバウ、コロス、クラウ、オカス……!」

 多くの傷を受け、体力も消費してきたオルトレーヴェ。分体を作りつつも本体はここにいる個体。そしてその獣欲は未だ尽きてはいない。例え猟兵を殺し尽せなくても、ここから逃げる事ならば、とまで考えていた。恥も何もなく、撤退を選択できるのはまさに獣そのもの。だが、猟兵は当然逃がさない。

「逃がさないよーー!」
「悪を尊ぶ住人たちに、オブリビオンが紛れ込む事で都合よく協力させる……成る程、木を隠すなら森の中ってわけ。でもちょっと悪目立ちしすぎたわね。ここの住人の目はごまかせても猟兵はごまかせない。アンタはオブリビオン。だから、容赦なく倒して過去に還せる」

 ミランとメフィス、二人がその前に立ちはだかる。その姿にオルトレーヴェは歯ぎしりする。だが、コイツラさえ倒す事が出来たならば、と逃げを捨て、最短での強行突破を選ぶ。

「ジャマ、スルナアアアアア!!!」
「ここの人たちにとって、邪魔は貴方でしょー!!」

 突っ込み、爪や尻尾を振るオルトレーヴェを、二人はかわす。ミランは竜神として持つ竜翼を使って空を飛び、Dに足を取られず、攻撃を素早く回避する。メフィスは生やした骨身で形成した翼で飛び、滑空する事でDを回避。そして自身で爆弾を形成すると、それを投擲。爆発と共に骨身の欠片や血潮を撒き散らす。

「グッ、クッソ!」

 骨の欠片が突き刺さり、激しい爆発音がオルトレーヴェの耳をつんざき、血潮が視界を封じる。そこに接近したミランが神剣・雷霆剣を抜き放ち、刀身に雷を纏わせると一気に薙ぎ払う。

「どっせえええええい!!」
「ガハッ!」

 飛び退くオルトレーヴェだが、雷の余波はその身体を焼き、更に傷を増やす。

(よし、これならもうここで『アレ』を……ッ!)
「ナメ、ルナアアアアアアアアアアア!!!」

 切り札を切ろうとしたメフィスの耳に、オルトレーヴェの咆哮が轟く。そしてオルトレーヴェの身体が2倍ほどの大きさになり、尻尾が増える。体の傷も少しずつ塞がっていく。そして同時に尻尾を大きく薙がれる。メフィスは回避したが、ミランはもろに喰らってしまい、叩きつけられたところを巨大化したオルトレーヴェに思い切り押さえつけられてしまう。

「きゃっ!!」
「ソコ、ウゴクナ!! スコシ、ウゴイタラ、コイツ、コロス!」
「……チッ。本当に恥も何もない獣ね」

 ミランを手足で押さえつけたオルトレーヴェが彼女を人質に取り、メフィスを牽制する。牙を剥きだしにし、容赦なくミランの首筋に喰らいつける状態のオルトレーヴェ。そして歯噛みをしている間にも少しずつ傷口は治っていってしまう。人質を取り、傷が治る時間を稼ぐ。まさに欲のまま、恥も誇りもないからこそできる手段。大人しくしたメフィスを見てオルトレーヴェはにやりと笑うと、ミランの衣服を容赦なくその爪で斬り裂いた。

「きゃあああっ、あ、んあっ!」
「クク、オマエ、ソソル……!」

 ミランの身体に獣欲の1つ、性欲が滾ったのか、その大きな舌でミランの顔や胸、更には大事な場所までも遠慮なく舐めたくるオルトレーヴェ。苦しそうにそれを受けるミランに、骸の身でもそれを見ている状態に不快そうにするメフィス。二人の様子にオルトレーヴェは満足しつつ、傷が回復してくるのを感じる。

「あぁ、いやぁ……」
「カンジテキテルカ? クク、マダダ、マダ、タップリ、アジワ」
「そこまでだ!!」

 圧倒的優位を信じ切っていたオルトレーヴェのまだ麻痺している耳に、第三者の声が届く。メフィスに注力しつつ、周囲を見渡したオルトレーヴェの目に、Dの山の後ろから勢いよく飛び出す和装の何かが見えた。

「コエダシ、キシュウ? バカナ、ヤツ!!」

 オルトレーヴェはその何か目がけ、巨大になった尻尾を思いきり薙ぎ払った。あっけなく、それは尻尾により空中で粉砕される。そう、黄金の欠片を撒き散らして……。

「ナニ!?」

 それは、貴重品の中にあった黄金像(先にUCで出たのとは別)に、クリスタが予備の服を渡して狐巫女たちに作ってもらったダミー。それをクリスタの声に合わせて狐巫女たちに物陰から投げて貰ったのだ。メフィスの爆弾で耳が上手く機能しなかったオルトレーヴェは声の場所の差異に気付かず、尻尾を伸ばした無防備な状態を晒してしまう。
 その隙を、怪盗は見逃さない。Dの山から飛び出したクリスタが一気にオルトレーヴェへと近づき、二刀流の小太刀、妖狐刀『傾国』・『傾城』を振る。だが、オルトレーヴェも必死。尻尾は引き戻せなくても、まだ足が残っている。

「シ、ネ!!」
「はあああ!!!!」

 剛力の蹴りと鋭い爪が襲い掛かる。だがクリスタは臆することなく、その足へと思いきり小太刀を差し込んだ。相手の蹴りの勢い、カウンターの形で差し込まれたその
刃は、刃を折りつつも足に突き刺さる。普通ならここまで。だが、クリスタは既に【怪盗術・絶音】を発動している。腕の筋力の負担を犠牲に、その斬撃を強化する術は例え折れたとしても発動する。果たして、小太刀は折れながらもオルトレーヴェの片腕を引き裂き、血しぶきを舞わせる。

「グ、ガアアアア!!!」
「今だ!」
「ええ。足を1本失ったなら、もう避けられないわ」

 クリスタの声を受け、ここまで動けなかったメフィスが動いた。腕に骨身でできた鉤爪を形成したかと思えば、それを勢いよく射出する。それがオルトレーヴェに迫る。

(コウナッタラ、コイツ、フミツブシ、イキオイデ!)

 オルトレーヴェは残った足1本と両腕で、ミランを叩き潰しその勢いで跳ねあがり鉤爪を回避しようとする。だが、わかっていなかった。先程まで動かなかったメフィスが、何故クリスタが接近したこの時やっと動いたのか。その真意を。

「逃がさない、よ!」
「ガ!?」

 一瞬オルトレーヴェが腕を上げようと力を抜いたその瞬間、ミランが怪力でその腕を押し返す。そして、斬撃の隙にクリスタがミランの近くへと投げていた豪奢な装飾の短剣。それを掴むと、思い切りオルトレーヴェの脇腹へと突き刺した。

「ゴフ……ガハアア!!」
「泣きっ面に蜂……って奴?」

 短剣の痛みにより、逃れる余裕の無くなったオルトレーヴェにメフィスの鉤爪が無事だった足に突き刺さる。その瞬間、オルトレーヴェの身体がどんどん縮んでいく。

「ナン、ダァ!?」
「その鉤爪は特別製。刺さればアンタのユーベルコードを封じる。だから、絶対に外せなかった」
「だから僕が足を削り」
「わたしが、酷い目に合ってでも意地でも動きを止めた、の!」

 短剣を突き刺したミランがその腕に雷撃を充填し、拳を容赦なく突き上げた。狙いは自分で指した場所。そこに刺さった剣こそ、ミランがリストで目を付けていた刺した周辺を異常に脆くする短刀。それをクリスタが見つけ、先程ミランに渡したのだ。

「打ち砕け――【天破竜撃】!!」
「グ、ガギャアアアアアアアアアア!!!」

 雷、拳の威力、そしてそれが脆くなった腹を抉り内部を焼き尽くす。想像を絶するその苦痛にのたうちながら跳ねあがられるオルトレーヴェ。そして、鉤爪と筋繊維で繋がったメフィスもまた、同じく空へ飛びあがる。片腕に飢牙で巨大ドリルを形成。返しを作ってあり抜くこともできない鉤爪を辿り、飛翔しながらオルトレーヴェへと近づいていく。

「クル、ナアアアアアアアア!!!!」

 だが瀕死の獣だからこそ思わぬ反撃をする。オルトレーヴェは一本に戻った尻尾を思いきりメフィスへと振るう。その勢いは凄まじく、その衝撃で叩き落とされる可能性も十分にあるほど。だが、それをメフィスは避けず、その体で受け止めた。

「ナッ!?」
「体力にはこっちも自信があるのよ。それに、あれだけやってくれたアンタを、私がこんな事で逃すとでも思った……?」

 尻尾をものともせず、されど損傷は確かにある。だがそれを骸の体だからこその異常な体力、継戦能力で無理矢理堪える。骸が怯むか。骸が痛みで躊躇うか。そう言わんばかりにメフィスは間近まで迫り、ドリルを構えた。

「変形できない体で、どれだけもつかしらね……今まで欲のまま奪ってきたもの、やってきたこと、全部思い出しながら……削られて散れ!!」
「グ、ウガアアアアアアア、アァアアアアアア!!!!」

 狂乱したオルトレーヴェが拳や残った足で連打をする。だがメフィスは怯まない。クリスタが、ミランが繋いだこの時に。脆くなった腹を容赦なく狙い、そしてドリルがその身を【穿(ウガツ)】。

「グ、ゾオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 ドリルにその身のほとんどを削り切られ、オルトレーヴェの身体が砕け散る。そして地へと落ちる前に、その身は完全に消滅していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『悪魔の宴』

POW   :    飲み食いしまくる

SPD   :    パフォーマンスを楽しむ

WIZ   :    皆で歌ったり踊る

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●Dを使いまくれ!

 オルトレーヴェ(本体)は倒され、それを聞いた狐巫女のほとんどが慌てて屋敷から逃げ出していった。残されたのは戦いの後を残した広い部屋、そしてそこに転がる大量のD(デビル)や貴重品の数々。
 このまま放置してはまだ生きている被害者がいるなら不憫であるし、それ以上に別のオブリビオンが現れれば新たな儀式魔法の糧にされてしまう。一か所に集まり過ぎないようにDをばらけさせる必要がある。かといって、誰にも渡さずに適当にばらまいてしまっては、オブリビオンやその配下がせせこましく集めてしまうだろう。できるだけ買ったり渡したりして多くの人に分け与える必要がある。
 幸い、残った狐巫女(一部狐巫女じゃない状態になっているが)の話によると、近場の町に大きな酒場が数か所あるので、そこで宴という形で飲み食い騒ぎをしてはどうかという。1つの酒場事態にDが集まりはするが、程なく入荷もするので色んな食材や物品売りに分散することになる。また、この世界の住人ならば宴の途中にDが落ちていれば、まずすぐに自分の懐に入れてしまうので、さりげなく置いてしまえばオブリビオンに拾われる可能性はないとの事。
 後は先んじて、自分たちで宴に必要な食材や物品を町の広い範囲で買い漁り酒場に提供する事で前持ってDをばら撒く事もできるし、宴を関係なしに武器や防具、装飾等を買ってDを使いまくるのもありだろう。
 そして、貴重品の類。生き残っている元所持者も、なんとか取り戻せないかなと同じ町に集まっているらしい。なので、見つけてそのまま返却もできるが、貴重品と上乗せのDを渡す事で更に高額で貴重な物と交換するという、悪どい方法を提案する狐巫女もいた。普通なら猟兵として完全にアウトだが、ここはデビルキングワールド。悪を是とする世界なので、普通に罷り通るし、相手も『なんて悪いんだ!』と感嘆するだろうとの事。持ち主が見つからない場合は自分が貴重品を貰ってしまっても大丈夫らしい。
 他にも宴に拘らずに、Dを広範囲に捨てないで分散できるならばやってみるのも手だろう。デビルキングワールド故に、多少の悪どい行為も許される。

 儀式魔法を防ぐため、Dをそれはもうぱーっと使い果たす。その豪遊の快感に惹かれつつ、猟兵たちはその方法を考え始めるのだった。



※フラグメントは『悪魔の宴』ですが、Dを捨てないでばら撒くならば宴には限定しません。

※貴重品はプレイング記載があれば設定や名前、効果を自分で決めて入手もできます。ただしアイテムとしての配布はできませんのでご了承ください。

※デビルキングワールド故、多少の悪い行為もOKですが、殺人等、度が過ぎる場合は採用しかねますのでご注意ください。

※酒場は複数ある為、プレイング同士で矛盾するくらいの大規模な行為もOKとします。町未満の範囲であれば酒場を分ける事で対応します。

※プレイング受付は1月31日(日)9時から開始。ある程度纏まれば、2月1日(月)から執筆開始予定です。
モリ・ゴロプ
☆高級レストランでこれでもかと高い酒や料理を頼みまくったり、カジノで豪遊しまくって金をばらまくように使うわ。
拘束衣で手が使えないからレストランではメイドさんとかを雇って食べさせてもらうようにするわ。
今まで食事(餌)は拘束衣を着せられて芋虫みたいに床に置かれた皿からだったから。
人間らしいものが好きなだけ食べられるのは天国みたいね。
カジノなんて初めてだからやり方を聞きながら色んなゲームをやってみるわ。
負けても気にならないし、ジャンジャンお金を突っ込んでプレイするわ。
カジノやレストランのスタッフやメイドさんにも山ほどチップをはずむようにするわ。(特に食事の手伝いを頼むメイドさんには)



●はじめての食べ歩き

「ご注文は何になさいますか?」
「そうね……じゃあ、これとこれとこれを。あとこのお酒も」
「ファッ!? あ、し、失礼しました!」

 町にある高級料理店。料理の悪魔が腕を振るう珍味やマグマで焼き上げた料理が振舞われる三ツ悪星料理店。金額がぼったくりで悪いのか、味が良過ぎて悪いのか評価は定かではない。そんな悪魔も中々いけない店に、拘束衣の出で立ちでデビルスタイルよりも悪目立ちしているモリ・ゴロプ(消耗品・f16209)がいた。彼女はDをばら撒く方法にシンプルにまずは高級料理店を選んだ。ただあまりに高いメニューを選んでいる様子に、注文を受けたメイドがそっと戻ってくる。

「あ、あのお客様、失礼ですがお手持ちは……」
「ん? ああ、下に置いてある袋を見て」
「袋? ……ハウッ!?」

 メイドが足元に在った袋を除きこみ、そこに入った大量のDを見て卒倒しかける。モリはその様子を見て更に。

「あと、チップは張るからお願いがあるんだけど」
「えっ……私の身を買う……!?」
「買わない。私、この通り手が使えないから、料理が来たらあーんしてくれる?」
「はい?」

 やがて料理が来ると、メイドは言われたとおりにモリの代わりにフォークで料理と取り、モリの口へと運ぶ。世界が世界なだけに珍妙な客も多くいたが、ここまで変わったのも中々いないのだろう、メイドは不可思議な顔をしている。

「……なんか、新鮮」
「あ、ありがとうございます。当店としてもそう喜んでいただけ」
「床に寝転がって、床の皿から犬みたいに直接食べなくていいだなんて。顔が汚れない上にこんなに味があって人間らしい食事がこんなに食べれるなんて、天国みたい」
「……は、はあ……」

 モリの過去をうかがわせる独り言に、ちらと窓をみやるメイド。そこには遠くにマグマのドクロ火山、そして街を悪魔たちが練り歩く、とても天国とは思えない光景があった。



 その後、レストランに、そして食事を手伝ってくれたメイドに割増のチップを払い、喜びのあまりメイドを三回転半ジャンプさせたモリは、町の一角にあるカジノにやってきていた。明らかに不慣れという感じであり、ルールも分かっておらずディーラーに説明を受けていた。腕を使わずにできる物、スロット等を選び体でレバーを押す。その大量のコイン換金に最初はカジノもざわめいていた。だが……。

「そりゃ当たらないわね」

 技能もUCも何か特別何かをしているわけでもないスロットはほとんど揃いはせず次々にコインが吸われて消えていく。何か派手に勝ちでもするのかと思っていたギャラリーは潮が引くように消えていった。だがモリとしては別にこれで構わない。

(最初の時点で目的は果たしてるしね)

 大事なのはDをばら撒く事。今はカジノに集まってはいるが、丁度派手に暴れた悪い客(法により正義)がいたらしく、いくつかの設備が破損していたのでその修理費用に程なく充てられ色んな場所に散るだろう。モリがここを選んだのはそういった理由もあった。

(でも、こうやって、無駄に何かを費やしていく……これもとても新鮮ね)

 浪費は快楽を齎すとも言う。そしてモリはその浪費すら許されてはいなかった。彼女にとってはそんなある種の悪もまた初めてのもの。悪を是とするこの世界ならばこそ、そんな体験もまた1つの日常である。
 かくしてモリはここでもDを使いまくり、自分の分のDを使い尽していった。

成功 🔵​🔵​🔴​

神代・凶津
よし、怪盗『鬼面巫女』華麗に仕事完了だぜッ!
「・・・そうかな?予告状ちゃんと届いてなかったり、結構ぐだぐだだった気が。」
と、ともかくこの袋に積めて奪ってきたDでパーッと行こうぜ、相棒ッ!

結構客入りしてる酒場に乗り込むぜ。
全員良く聞けッ!今から宴を開いてこの酒場の客の料金は、全部俺達が払ってやるぜッ!
中には人に奢る事で恩を売ったり威厳を見せようとした奴もいるだろうが悪いな、その機会はこの怪盗『鬼面巫女』が盗ませて貰うッ!

(御飯食べてる巫女と浮遊しながら高い酒を呑む鬼面)
周りの客に屋敷からDを華麗に奪ってきた武勇伝(誇張あり)を大いに語るぜ。
いや~、仕事終わりの旨い酒は最高だなッ!


【アドリブ歓迎】



●打ち上げ:怪盗鬼面巫女の場合

「よし、怪盗『鬼面巫女』華麗に仕事完了だぜッ!」

 神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)は自分の分として分担した大量のDの入った袋をかついで近場の町へと繰り出していた。意気揚々としていたが、その脳裏に相棒の声が響く。

(…そうかな?予告状ちゃんと届いてなかったり、結構ぐだぐだだった気が。)
「ぐ。い、いや、まさかあそこまで警備がドポンコツだとは思ってなくて…」
(桜もそこまで上手く機能していなかったし……)
「と、ともかくこの袋に積めて奪ってきたDでパーッと行こうぜ、相棒ッ!」
(誤魔化した…)

 桜の声を聞かないようにし、凶津は袋を担いでまっすぐ歩きだした。目指すはその視線の先、狐巫女から教えて貰った、酒場の1つだ。

 そして酒場に乗り込むと、それなりににぎわっているのを確認してから注文より先に目立つテーブルの上へ行儀よく勢いよく飛び乗ると派手な音を立てる。当然客たちの視線が集まる。凶津はそれを見て。

「全員良く聞けッ!今から宴を開いてこの酒場の客の料金は、全部俺達が払ってやるぜッ!」
「「「なにいいいいい!?」」」
「中には人に奢る事で恩を売ったり威厳を見せようとした奴もいるだろうが悪いな、その機会はこの怪盗『鬼面巫女』が盗ませて貰うッ!」
「なんてこった!俺が女の子たちに良い顔をする機会が!」
「わしが新人たちに威厳を見せて今後いいように使ってやろうとする機会が!」
「実は気になってたあの子に懐の深さを見せつける機会が!!」

 凶津の宣言にざわめく店内。当然そうだろう。いきなり全部奢りだと言われても、当惑するのが当然。逆に受け入れずに警戒するのが普通だろう。だが、ここはデビルキングワールドである。

「駄目だと言ってもやるぜ!なぜなら俺は怪盗だからな!!」
「「「なんて悪いんだあああああ!! わかりました奢って下さい!!」」」
(ええぇ……)

 凶津が悪びれもせずDの入った袋を足元に置けば、その堂々とした振る舞いに悪を是とする住人たちは歓声をあげる。狐巫女で既にわかってはいたが、まだどうにもそのノリに慣れない桜は内心で呆れた声しかあげられなかった。



「それで俺は華麗に現れた。敵の大ボスはざわついた。『か、怪盗鬼面巫女だあああああ! おのれ、予告状を見て敷いたこの厳重警備を突破するとは!』ってな。そして俺は言ってやった。『はっ、あんなもん、鬼面巫女にかかれば、無いようなものだったぜ』ってな」
「かっこいいいいいい!」

 少し後、凶津がDを前払いした結果客たちがじゃんじゃんと注文しまくり、料理に酒とどんどん酒場に溢れかえっていったその中、桜から離れてふわふわと空に浮かんでいる鬼の面、凶津が酒瓶を口の部分に咥えながら客たちに武勇伝を語っていた。内容は一応ヒーロー譚だが、やってるのが窃盗や不法侵入にはなるのでそこを強調すればここの住人たちも盛り上がるというもの。とはいえ……。

(大分内容、誇張してる……)

 大ボスは予告状の事を知らなかったし、それを受けての厳重警備も無かった。完全に凶津のやりたかったけど叶わなかった怪盗ムーヴを語っているだけである。酒がよく進むのか、酒瓶の中の液体はどんどん減るが、それが鬼面のどこに消えているのかはイリュージョンのようにわからない。今だにヒーローマスクは不思議が多い種族である。
 とはいえ真実を告げて場を冷ますのも凶津を盛り下げるのも野暮、と桜は黙して頼んだ料理を頂く事にした。

「桜吹雪が舞い、そして俺が素顔を晒す。驚く大ボス! 『お前は、あの酒場にいた遊び人の!?』『おう、俺の顔、見忘れたとは言わせねえぜ! この桜紋、目に焼き付けやがれえ!』と、俺は見栄を切り……」
(…………うん、まだ大丈夫。私に害が来る程話が膨らむまでは、大丈夫……)

 念の為、話の誇張が行き過ぎた時の為に、桜はテーブルの下でそっと結界霊符を構えるのだった。

「いや~、仕事終わりの旨い酒は最高だなッ!」



 その後、怪盗鬼面巫女の話が果たしてどこまで大きくなったのかは……酒場の人々と鬼面と巫女のみぞ知る。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜月・クリスタ
うーん…、僕豪遊する趣味はないし、一応正義の怪盗という触れ込みだから悪どい事するのもちょっとなぁ。そうだ、怪盗らしい方法でDを分散する方法があるじゃないか!

という訳で狐巫女達に協力を頼もう。もちろんDの謝礼付きで。もし僕が最初に気絶させた巫女がいたら、彼女には謝罪込みでボーナス付き!

分散する方法…それは貴重品にDを括り付けて、深夜に家に返して回る事。ただしこれだと悪い事にはならないから、貴重じゃなくなくなっても困らない物を怪盗らしく盗ませてもらうけどね。

まぁ正義の怪盗といっても、怪盗の存在自体が悪みたいなものだからね。強いていうなら悪の方向性…世の中の為になる「カッコいい悪」もあるってことさ!



●デビルの町に怪盗現る

「うーん…、僕豪遊する趣味はないし、一応正義の怪盗という触れ込みだから悪どい事するのもちょっとなぁ」

 『豪遊すればいいよ!』『悪どいこともいいよ!』と、言われてもそれはそれで縛りが発生するのがまた多様な人間というもの。夜月・クリスタ(怪盗フォックステール・f13971)もその一人であり、どうしようかと考え込みながら屋敷内を歩いていた。

「あちらにとって良くても僕自身の感覚の問題が……あ、そうだ、怪盗らしい方法でDを分散する方法があるじゃないか! 幸い必要な物も持って来てあるし、後は……おや」

 ふと差し掛かった部屋を見た。見覚えがどう見てもある。そう、ここはクリスタが潜入の際に大立ち回りを演じたあの部屋。そしてそこには確か気絶させた狐巫女たちを……。

「あ、すっかり忘れてた。でも丁度よくはあるか」



「き、気絶している間にボスが倒されていたです……」
「倒された間に皆も逃げていたです……」

 部屋を開け、気絶した狐巫女を起こし事情を説明すると狐巫女たちはすっかり落ち込んでしまっていた。

「君達もこれを期に、今後はもう少し程度のいい悪事をしてほしい」
「は、はい……」
「と言う訳で早速悪事を頼みたい」
「「「はやあああああああああい!!」」」」
「勿論、タダでとは言わないさ」

 クリスタは持ってる分の数割のDを見せる。それだけでも狐巫女にとっては目が飛び出るほどのD。元々は自分たちが集めたものではあるが、ボスを倒された以上はとても勝てない、と組みかかる気力も無いようだ。となれば、Dをくれるとなれば飛びつかない訳が無い。

「特に、最初に気絶させてしまった君。君には謝罪も込めて少し割り増ししよう」
「わひいいい!? き、狐の神様ああああああ!!」
「君達の神様は神様でいるだろ……? まあいい。それで、頼みたい悪事というのはだね」



 そして一夜明けた翌日。町のそこかしこでどんちゃん騒ぎがあった夜が明けた朝の町はある事件が多発していた。

「た、大変だ!! 朝起きたら、枕元に俺が奪われた秘蔵の壺が返って来ていた!おまけにDまで括り付けられて! でも代わりに、俺のポケットティッシュが1つ無くなっていたんだ!!」
「私も! 強盗に奪われて泣き寝入りしていた、形見の宝石がテーブルに置いてあったの!Dも確かに結ばれてたわ!でも代わりに、期限が切れた割引券が1枚無くなっていたの!!」
「わしもだ! 留守中に強奪された黄金像が家の前に置かれていたんだ!Dも飾りつけのようにされていた!でも代わりに、枯れたけどついつい面倒で捨ててなかった花瓶の花が花だけ無くなっていたんだ!」

 それは強奪品が戻ってこないか、アジト近くの町でワンチャン狙いつつも諦めかけていた被害者たちだった。そこに一夜にして貴重品が戻ってきて、しかも謝礼のようにDが一緒にくっついていた。ここまでなら変な正義の行い、で済むが、奇妙なのはそれと同時に必ず何かが1つ盗まれている事。しかもどれも無くなっても別段そこまでは困らない、いわゆるどうでもいい物。だが盗まれたのは事実。それでいて、現場には全然証拠が残っておらず足跡も侵入方法も不明である。

「な、なんていい事をされてしまったんだ!」
「いやでも待って!盗んでいるんだからこれは悪い事だわ!」
「だがまるでもらった物と釣り合っていないぞ! やはりこれは」
「でもでも、釣り合わない物を与えたり奪ったりするのは、やはり悪い事です!」
「た、確かに……! だがこれは一体どういう悪なんだ……!?」
「……これは風で聞いた話なのですが、これは、「カッコいい悪」というそうです」
「「「カッコいい悪!?」」」
「で、でも確かにそうかも!」
「カッコいい、確かに悪だけどこれはカッコいいわ!」
「こんな悪もあるのか……!ありがとう、ありがとう、カッコいい悪!!」

 こうしてなんかノイズが入りつつ、この事件は『カッコいい悪事件』としてこの町に刻まれることになったという。



「話の誘導、ご苦労様。はい、これで最後のDだ」
「どうもですー」

 そうした騒ぎがいくつかあった後、路地裏にて狐巫女がクリスタから賃金のDを受け取っていた。

「悪かったね。被害者の調べ上げ、住居の特定、侵入時の周辺警戒等やって貰って」
「いえいえー。侵入自体は貴方が全部やってくれましたし」
「勿論。そこは怪盗としての矜持があるからね」

 クリスタは盗む事とDを撒く事。矛盾する2つを同時に行う事にし、さらにそこに貴重品の返却も合わせる事にした。そしてこの世界においての怪盗を為した事の為に、狐巫女にさりげなく話にサクラして貰い、自身の行った「悪」を教え込んだのだ。何しろこの世界にとってはこの悪は目にかからないものであり戸惑いも大きいと思ったからだ。

「怪盗の存在自体が悪みたいなものだからね。強いていうなら悪の方向性…世の中の為になる「カッコいい悪」もあるってこと。それを、皆に……そして、今回オブリビオンに手を貸した君達にもわかってもらいたかった」
「あうう……」

 気まずそうにし視線を落とす狐巫女に、クリスタは優しく肩に手を置く。

「ボクだって別の世界では悪をしている。でも、誰かの役に立つ悪だと信じている。君達も、今後は誰かに従うとしてもそれを一度考えて欲しい。この世界では悪が是とされているとしても、どんな悪をするのかはまた自由なんだから」
「……! や、やっぱり貴方は、狐の神様……!」


 顔を上げた狐巫女。だが、そこにはもう肩にあったはずの感触も、クリスタの姿も無かった。怪盗フォックステールは音も無く、その姿を晦ましたのだ。

 この世界に、ほんの少しだとしても、「カッコいい悪」という物を残して。

大成功 🔵​🔵​🔵​

久遠・翔
【主従】
アドリブ絡み歓迎



Dの使い道っすか…俺酒場に使っても酒飲めないのに
って、スノー…?なんで勝手に使い道を(理由聞かされ)あっ、はい大人しくします(UC使用して元のサイズに)

俺はその間貴重品を取り出して元の持ち主に戻していきます
まぁ、Dが余っても困るので上乗せして返していきますとなんか色々貰いますが大抵媚薬系とか発情系なのはなんでだ?
そう思っていると魔女にD上乗せで返すと健康ドリンク貰って疲れてたのでありがたく飲みます
うん、甘くて美味しい…ちゃんと疲れもとれているっすね

しかし気付かなかった
このドリンク魔女の特性を体に付加する効果もあった事を…つまりほぼ無限の寿命(不老)を手に入れてしまった…


スノードロップ・クオン
【主従】
アドリブ歓迎


さて、Dの使い道は決まってますの
今回使役獣になった子達の日用品や服を購入するですの
主様?今回使役獣化した子達の下着とかも主様が選べますの?選べないですわよね?なら大人しくUC使って元のサイズに戻すですの

下着いりませんとか言う使役獣の子には主様を悩殺できる下着とか興味ありませんの?とか脱がせるって行為自体がいいって場合もあるのですのよ?とかを主様の事絡めて吹き込みますの
そうやって日用品や下着や服で使っていきますの
ついでに私も奇抜ではなく普通の服を購入しますの

あっ、オイタする子は漏れなく快感で従わせますの
伊達に主様に仕えて長くないですのよ?手業の一つや二つはマスター済みですの♪



●新しい子たちの為のお買い物

「Dの使い道っすか…俺酒場に使っても酒飲めないのに…それに…」
「ガル?」
「どうかしましたですー?」

 とぼとぼと自分の分のDの袋を持ち、町へと歩く久遠・翔(性別迷子・f00042)。そっと振り向いた後ろには、ちっちゃくなったオルトレーヴェ分体、そして何人かの使役獣化しチビ化した狐巫女がいた。とっとこと後ろをついてくる彼女らに視線をやり、頭を抑える。またやってしまったことで、『彼女』に今度はどう言ったらいいものかと悩んでおり、更に考えないといけない事が増えてしまっているからだ。

「ともかくまずはDの使い道っすね……捨てちゃダメ、ってなると貴重品を返しつつ……」
「それは良いと思われますが、もっと優先するべきことがありますの」
「そんなのあったっすか? ………………うわわわわ!?」

 横からしたどこかで聞いた声に、血の気が引くと同時に思わず向いてしまった翔の視界。そこにはにこりと笑顔を向けてくる少女、スノードロップ・クオン(ミレナリィドールのパーラーメイド・f24362)がいた。その笑顔に思わず叫び声をあげる翔。

「ガルゥ? ゴシュジン、ダレ、コレ?」
「お知合いです?」
「あ、え、えと、えとっすね」
「はい。スノードロップ・クオンと申しますの。主様のメイドにして、使役獣総括をしておりますの」
「ソウカツ……?」
「元ボス! つまり私達の中で一番偉い人って事です!」
「! フクジュウ!」
「あら、お腹を見せて仰向けになって……礼儀正しいのか獣が身に沁みつきすぎてて失礼なのか判断しかねますの」

 ごろんと仰向けになったちびオルトレーヴェとそれに倣うちび狐巫女たち。それを眺めてスノーは翔にふたたび向きなおり、にこり。その笑顔が語っていた。『またおやりになられましたのね?』と。

 彼女もまた元オブリビオンのメイド人形で使役獣となっている身だが猟兵としての活動資格も持っている者。付き合いが長い故、翔にもこんな感じで砕けた主従関係となっているらしい。

「て、ていうか、スノーは確か今回留守番だった筈じゃ…」
「さて、Dの使い道は決まってますの」
「え、無視っすか? ていうかなんで勝手に使い道を……」
「今回使役獣になった子達の日用品や服を購入するですの。主様?今回使役獣化した子達の下着とかも主様が選べますの?選べないですわよね?」
「で、できないっす……」
「なら大人しくUC使って元のサイズに戻すですの」
「あっ、はい大人しくします……【使役獣召喚】!」

 翔が念じると、空に門が現れる。すると仰向けポーズをしていたちび獣たちが地面に吸い込まれるように消え、そして門の方から何かが降り立つ。

「……オォ?」
「あれ、元に戻ってますー」

 それは元のサイズに戻ったオルトレーヴェ分体、そして狐巫女たちだった。彼は門を出す事で使役獣を召喚する事が出来る。その時は元のサイズに戻すことができるのだ。スノーはその彼女らをまじまじと見る。

「ふむふむ。狐の子たちは一応悪くはないですが、もう少し……そちらの獣な方はどう考えても色々必要なので徹底的にやるですの」
「ガル!? フクジュ」
「それはもういいですの」
「キャウン!」

 また仰向けになろうとしたオルトレーヴェの首根っこを掴むとスノーは狐巫女たちにもにらみを利かすと彼女らはそそ、と傍に突く。かかる予算を試算すると、その分のDを袋に分ける。

「では私は買い物をしてきますので、主様は残りのDをお願いしますの」
「わかったっす」
「それでは」
「ガルーーーゴシュジンーーーーー」

 スノーにずるずると引きずられていくオルトレーヴェを見送りながら、翔はそっとため息を吐くのだった。

「……何で屋敷でやる事終わったタイミング、完全に把握されてるんっすかね……」



 そして翔は町を回り、貴重品の持ち主を探しては貴重品を返しに行った。幸いそういった専門の依頼所があり、物を探している人物に連絡が取れるようになっていたので接触はスムーズに行った。とはいえDも撒かなければいけない、かといって更に高い物との交換というのは翔もしかねた為、『加害者からの謝礼金』という体で上乗せする形でDを渡していくことにした。一応加害者の一部は今自分の使役下ではあるので全く嘘という訳でもない。

「にしても、適当に貰ってきたらなんで発情系や媚薬の薬ばっかなんっすかね……」

 オルトレーヴェは高そうな入れ物だけ見ていたのか、そういう薬も多々あり、翔に回ってきたのもそういうのばかりだった。

 そうして行き、やっと自分の分のDも貴重品も渡し終えた翔はスノーと合流すべく街を進んでいた。

「そういえば最後の人、こんなのくれたっすね……」

 最後の人物、それはこの世界の魔女だった。無限の寿命を持ち、稀に人の願いを叶えるという存在。何に使うつもりだったのか発情系の薬をDと一緒に渡した際、疲れてるならどうぞ、と無料でいいと薬をくれたのだ。

「この世界の栄養ドリンクって事でいいんっすかね……んじゃあ頂くっすか……うん、甘くて美味しい……疲れも取れてるっすね」

 すっきりしていく感覚に翔は頷きつつ、何とも思わずに彼は町中を歩いていく。

 彼は知らない。このドリンクが魔女の特性を与える魔女用ドリンクだった事を。ただし、それは相手の素質次第。相手がどうなるかわからない、それもまた魔女の楽しみの1つ。しかも相手は別世界の猟兵。どんな効果が表れるかは正にわからない。無限の寿命かもしれないし、願いを叶える特性かもしれない。

 そしてこの薬も願いを叶える特性によって作られたとしたら、どんな効果があるかは、翔の願望次第、なのかもしれない。



 一方、スノーたちの方はと言うと。

「ではここで下着や日用品、使役獣としての服なども買いますの」

 目の前にはブティックを始め色んな店のあるデパートフロア。デビルスタイルをはじめとした悪目立ちなもの、魔女のようなローブ、魔王や四天王おすすめの鎧など、色んなものが揃っている。のだが……。

「ガルゥ。フク、イラナイ」
「下着とかいいですよぅ、ほらそれに履いてない需要とかぁ」
「ご主人様ドキドキしそうですしぃ」

 服と呼べさえしないボロ布のオルトレーヴェ、パンツが完全に見えているウルトラミニの狐巫女にそんな選ぼうと言う心持が全然ない。だがスノーもこれくらいは想定内。

「主様を悩殺できる下着とか興味ありませんの?そんな今や主様も見慣れた白パンなど何の役にも立ちませんの」
「がーーーーーん!!」
「そして履いてないは確かにある種のドキドキはありますの。ですがそれは開けっぱなしの金庫のようなもの。人間は金庫を開けるその瞬間にもっとドキドキするもの。そう、主様が脱がそうとする。その行為にこそ本当のドキドキは宿るものですの」
「が、ががーーーーん!! な、なんて主心を分かっているお方……私達は井の中の狐……!」

 スノーの説得力に膝を付く狐巫女たち。そこにスノーは優しく囁く。

「そして貴方方の服。ウルトラミニのそれも最早主様には見慣れたもの。ですがここで貴方方が逆に露出の少ない清楚な服。例えばロングスカートタイプのメイド服、ゆったりとした清廉な雰囲気のシスター服、そういった今とはギャップあるものを着てみたら? 主様に『あれ、なんだか今までと違って見えるっす……これが、新しい魅力っすか……』という想いが去来する事間違いなしですの。露出服だけとはまさにマンネリ。女はバリエーションという変化でこそ魅了するもの。お分かりになりまして?」
「「「わかりました、総括様!!!」」」

 狐巫女たち、完全納得。スノーに完全に説得され、服選びに熱意を燃やす。

「さて、残るは……」
「ヤダーー! フク、メンドクサイイイイイ!! ゴシュジンーーー!」

 脱兎のごとく逃げ出したオルトレーヴェ分体。だがスノーは読んでいたとばかりに瞬時に背後をとると、からめとるように抑え込んでしまう。本来のオルトレーヴェならばこうはいかないが、彼女は事故で別れた分体でありかつ使役獣となり力もその範囲内に収まって弱体化している。スノー一人でも抑え込むには十分。更に

「ハウッ!」
「伊達に主様に仕えて長くないですのよ?手業の一つや二つはマスター済みですの♪」

 抑え込むと同時にその手はオルトレーヴェの急所を捉えている。その巧みな指捌きは、あっというまにオルトレーヴェを骨抜きにしとても逃げられなくしてしまう。
 そしてオルトレーヴェを抑えたまま、試着室へと入り込む。

「獣として服を必要とせずに生きてきたのも分かります。ですが、だからといって裸同然を赦す気はありませんの。それに、貴方素材はいいのですからきっと何か服を着れば化けるに違いはありませんの」
「ア、アウアウアウアウ……」
「さ、じゃあたっぷりしつけてあげますの♥」

 そして試着室から甘い声と音が響くのを、うわぁという顔をしつつも服選びを始めた狐巫女たち。

 こうしてスノーらは日用品や日常用の服や下着をDで購入。ついでにスノーはデビルキングワールドのファッションを自分用にちゃっかり購入した。合流した翔が、更にメロメロになった使役獣やその変化した服装にどんなリアクションをしたのか……それはまた、別のお話。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シャーロット・キャロル

Dを使うですか。んー普段ならヒーローグッズを買い漁ったりなんて感じですがこの世界だと流石に無さそうですからね。

でしたら宴の準備を手伝うとしますか。力仕事には自信ありますしね!
持てる限りの食材等を町のあちこちで買っては会場に運搬です!
【アルティメットマッスルモード】で肉体美を見せびらかしながらお使いに走りましょうか。

おつかいが終われば宴に参加です!
ふふっ皆さんが楽しそうでなによりですよ。
たとえ「悪」が是とされる世界でも私は、マイティガールは己の正義の心と共に戦い抜くだけです!!と決意を新たにしつつ飲んだり食べたりしましょうか!



●筋肉の宴

「デ、デカアアアアアイ!!説明不要!」
「キレてる、キレてるよ!!」
「肩にラスボス載せてんのかああああい!」

 と、町の一角に謎の歓声が響き渡る。街ゆく悪魔たちが思わず足を止め、視線と声を寄せている対象。それは筋骨隆々とした巨体。それでいながら女性としての美を保つ驚異的な姿。それが大量の食材を抱えて練り歩いているのだ。その姿がまた1つ店の前で足を止める。

「えーっと、ではあちらのお肉をこれで買えるだけお願いします!」
「ああ、確かに……結構な量になるが」
「大丈夫です、まだまだ持てます!」

 そう言って、シャーロット・キャロル(マイティガール・f16392)は新たにDで食材を購入すると、その大量の肉を担ぎ上げると平然と歩きだした。と思えば、ふと注目されている視線を見て少し照れたようにすると、声を高々に。

「皆さん!これからあちらにある酒場で盛大に宴をします!料金は全部私が持ちますので、どうぞ皆さんこぞってお出で下さい!!」

 筋骨隆々としたマイティガールの呼びかけに、戸惑っていた悪魔たちだったが大量の食材に合点がいった顔をすると、途端にそれまでとは別の歓声を上げ、シャーロットを追いかけるように酒場へと脚を運んでいった。



(Dを使うとなって最初はどうしようかと思いましたが、上手くいきました!豪遊するとなるとヒーローグッズ買い漁りが一番いいんですが、悪が良しとされる世界ですからねえ……)

 デビルキング法により悪は良し、勇者は反逆者という世界。当然多く流通しているものもデビルスタイルのような悪目立ちする物が多く、ヒーローを称えるものは当然にして殆どない。ダークヒーローとなんとか解釈すればギリギリというくらいだが、シャーロットは正統派のスーパーヒーローなのでそういう訳にもいかなかった。そして豪遊ではなく宴の費用として使う事にした。事前に自分で食材等を買っておくことで、前もってDを分散しておく確実な手段で。そうなると輸送が大変になるが、【アルティメットマッスルモード】で筋肉ムキムキの姿へと変身する事でその筋力でその問題をクリアした。そして食材を全て運び終えた後は……。

「それでは、かんぱーーい!」
「うおおおおお、マッスルううう!」

 盛大に飲み食い騒ぐ宴へと参加している。ちなみに、マッスルな姿で宣伝したせいか、心なしかマッスルな人が多く、一部ではボディビルポーズ大会や腕相撲も始まっている。シャーロットは真面目にノンアルコールに口をつけ、そして人々を眺めて思う。

(ふふっ、皆さんが楽しそうで何よりです。そしてこの営みを守らなければいけません。たとえ「悪」が是とされる世界でも私は、マイティガールは己の正義の心と共に戦い抜くだけです!!)

 肉料理に手を着けつつ、シャーロットはこの世界で自分を貫き戦うことを決意を新たにするのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

メフィス・フェイスレス


もういい時間なのね
じゃ、メシよメシ。腹減ったわ

商店街とか各食材売り場に「飢渇」を放って「集団戦術」で片っ端から食材や酒を取り込み略奪する

何にしますって?「全部」よ
勿論さり気なく代金のDは店内に置いていく

あん?商店街に来てた人達の今晩の夕飯?
他人の食卓事情なんてしったこっちゃないわね(悪そうに)
……ま、買った食材持ち込んだ酒場で夜宴開く予定だから、興味あるなら来てみればいいんじゃない?

ついでに何となく連れ回してた一章で尋問した狐巫女から血を採ってUC発動

アンタ分身と一緒に色仕掛けなりなんなりして酒場に人集めてきなさい
宴が始まったら厨房と配膳の手伝いね
他の奴らと一緒にメシおごったげるから



●打ち上げ:奪い漁る者の場合

「もういい時間なのね。じゃ、メシよメシ。腹減ったわ」

 メフィス・フェイスレス(継ぎ合わされた者達・f27547)は他猟兵と同じく自分の分のDを持ちながら、町へと踏み出した。一仕事を終え、彼女には激しい空腹が襲い掛かってきた。となればDの消費手段はもう一つしかない。

「とはいえ、やっぱり事前にばら撒いておきたいわね……それにこの方が手っ取り早いし……」

 そう呟くと、彼女の身体から何かがにじみ出るとそれは人のような形を持った黒い身体と眼や口を大量につけた存在『飢渇』となり、Dをそれぞれ持つと周辺の店に入っていく。それは其々専門の食材を扱う店である。店長は一瞬ぎょっとはしたが悪魔が基本のこの世界、すぐに見慣れない人か、と気を取り直す。

「いらっしゃい。何をお求めで?」
『全部』
「え? おわああああ!?」

 一言そう言うと飢渇は置いてあった食材を一瞬で取り込み奪うとあっという間に店を出て行った。

「ど、泥棒ーー! なんて悪い正しい奴なんだ……ん?」

 ふと見れば、そこには大量のDが代わりにあり、それは奪われた食材と大体相当する金額が置かれていた。

「……あれ、悪いことじゃ、ない……? あ、でも店じまいはしないとな」
「買いに来ましたー」
「あ、品物切れたので今日はしまいです」
「えええええええ!?」

 買いに来た客が買占めにより夕飯の材料を買えずにとぼとぼと出てくる。周りを見れば同じような客が何人もいたようだ。

「はあ、どうしよう……」
「あのー、今日のお夕飯にお困りですか?」
「え、君は?」

 顔を上げると、そこには際どい巫女服を着た狐少女がいた。

「それなら、あちらの酒場で今日無料の酒宴が開かれますので是非どうぞです?」



 数刻後、その酒場は大賑わい。買い占められた食材も全て在る人物から提供されており、無料で飲み食いが保証されるならいいや、と夕飯を買い占められた周辺地域の者達はこぞって集まっていた。

「ご苦労様」
「いえ……一応Dも貰ってるですし」

 酒宴の主催者であるメフィス、そして先程まで外に出て食いはぐれ者たちに酒宴を宣伝して戻ってきた狐巫女は厨房の近くにいた。

「アンタたちもご苦労様」

 メフィスが目を向けた先にいたのは、同じ狐巫女たち。だが、うすら笑いではあるがその眼にはよく見れば光は無く、洞察力の高い者ならそれが普通の存在ではないのはわかるだろう。

「流石、性欲がどうのってだけあって、色仕掛けでも大分呼び込めたみたいね」
「目が覚めたら担がれてて、いきなり更に血吸われたのはビックリしたですけどね…」

 この狐巫女は実は潜入した時メフィスが尋問した狐巫女であり、一段落したので隠し場所から出し、ついでに手伝ってもらおうという事で吸血。そしてUC【鏡像を模る】をさっき食材を奪い買った後に発動。それにより先程の飢渇を狐巫女の複製体へと変化。記憶、言動、UCまで再現可能であり、それで本物と共に同じく食いっぱぐれを見つけたり、そうでない者には色仕掛けで誘い酒宴に招待していたのだ。これで更に人は集まり、酒宴は更に盛り上がりを見せている。

「それじゃ、アンタは飲み食いに参加してきたら。奢ってあげるから。色仕掛け客のお相手はこっちに任せて」
「オキャクサン、モットノンデデスー」
「ストロー2本サシマスデスー」
「アァン、ノミスギテシダレカカッテシマウデスー」
「大丈夫ですこれ…」

 接客練習をしながら酒宴に向かっていくコピー狐巫女たちを不安げに見送る本物。

「あれ、貴方は食べないんですか?」
「ん?私は厨房や配膳の手伝い。食材だけぽいして後は全部捌け、なんて訳にいかないでしょ?」
「え……」
 そう言ってメフィスは平然と厨房へと入っていき、程なく大量の料理を器用に大量に持ち、酒場内へと走っていった。

「……ほんとう、変わった人ですね……」

 極悪かと思えば律儀に料金は置いていき、派手に酒宴を開いたかと思えば自分は裏方でせっせと働く。悪魔ともなんだか違うようだし。

「でも、面白い人、なのかもしれないですかね……」

 そう結論すると、深く考えるのは性に合わない、と彼女もまた酒場のどんちゃん騒ぎへと足を運ぶのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
富の再分配ってのも難しいもんだな。
ま、せっかくの機会だしパーっと使ってみるか。

シャーリーと手分けしてあちこちで高級食材を買いあさり、それを酒場に持ち寄って他の猟兵も巻き込んで戦勝パーティー。
アンキモの牛肉巻きキャビア乗せやカキとフグの白子鍋、フォアグラのウニのソース和えなど贅沢尽くしのメニューをみんなに振る舞う。
「自分で作っておいて言うのもアレだけど罰当たりなラインナップだな、これ」
デビルキングワールドならウェルカムなんだろうけど。

あとはシャーリーが用意したマグロで解体ショー。
確かにこれなら金は一気に使うしみんなも楽しめるから一石二鳥だな!

たまにはこういうのも悪くないか。


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
散財って結構難しいんだよねー
でも、幸運にもここには凄腕の料理人がいる!
ので、美味しいものを作ってもらう
二人で手分けして食材揃えて酒場でパーティー!
一生に一度は食べてみたかった贅沢メニュー!
あとは魚市場で競り落としたマグロでウィーリィくんに解体ショーやってもらう!
生で見て見たかったんだ、あれ!

一通り思う存分楽しんだら、そっとお腹の肉を摘まむ
…うん、この贅沢は一生に一度で十分だねっ



●料理人、本領発揮

 さて、先の例で述べたが街で開かれた各所での宴。食材は大量のDで酒場、あるいは猟兵たちが賄える。消費する客は無料と宣伝すればあっという間に集まる。
 だが問題は酒場の人員。調理、配膳等、悪魔ゆえに普通の人間よりはタフに動くことができるが、ひょっとしたら客に対して人手が足らなくなりはしないか、という懸念は猟兵の間でも上がった。
 それでも猟兵らが遠慮なしの大酒宴に踏み込んだのは、ある猟兵の挙手があったからだ。

「それなら大丈夫だ。調理だけなら俺が力を貸せる」



 そして時間はある猟兵が酒宴を開くことにした酒場の準備段階まで飛ぶ。

「始まって以来の千客万来なのは確かだが……あの人数、俺達で回せるか!?」
「だがやるだけやってみるしかねえ!」
「やってやる、やってやるぞおおお!」
「ちょっと待ったあ!」

 敗戦覚悟の兵士みたいな状態になりかけている厨房スタッフらの元に、厨房の扉をあけ放ち少年とその後ろに控えた少女が現れた。先の屋敷でも活動していたウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)とシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)の二人である。

「その大戦、俺も加勢させて貰う!」
「何!?何者だ!」
「なに、ただの流しの料理人さ」

 そう言って包丁を構え、確保されていた食材の1つ、デビルアンコウを見定めるとそれを近くのまな板に置き、瞬く間に捌いていく。

「な、なんてスピード!」
「それでいて的確な捌き! 1mmの狂いもない!」
「ああ、喋っている間にいつの間にかデビルビーフも既に解体されている!」
「そしてもう焼きに入っている!鍋使いも只者じゃねえ!まるで戦場で使いこなしていたように手慣れている!」
(使ってるんだよねえ)

 すっかりウイーリィの調理工程に見入っているスタッフたちをシャーリーは苦笑しながら見守っている。

「あいよ、アンキモの牛肉巻きキャビア乗せ、一丁上がりだ!」
「うおおおおお!」
「ってちょっと待て!最高級のデビルキャビアだと!そんなのは用意していたものには無かったぞ!」
「あ、それはボクたちが調達してきた奴ー」

 そう言ってシャーリーが高級食材や調味料を袋から出して並べている。中々お目にかかれない物にスタッフたちが目を輝かせる。
 猟兵たちの多くが一般的な食材を大量に買っていくと言う事になったため、ウイーリイ達は逆に、その目利きや知識で単体のD値段が高い食材を局所で見つけ、それを購入してきていた。全体的な量は少ないがDの消費自体はほとんど変わらない事からその高さがわかるだろう。

「これは俺の腕を証明する為のものだ。さあ、食べてくれ」
「で、では遠慮なく…………ほわあああああ!!」
「アンキモと牛とキャビアが、華麗なる三重奏を口で奏でるぅぅぅ!」
「なんだか、今まで積み重なった色んなわだかまりが、心から消えていく気がする……」
「味覚の四天王祭りやあああああ!」
(四天王祭り……?)

 スタッフたちの反応にシャーリーが戸惑っているのを余所に、あっという間に食べ終えてしまうスタッフたち。

「どうだい?まだまだやれるぜ」
「「「是非お願いします!!!」」」

 当然採用となり、ウイーリィは調理スタッフとして、シャーリーは配膳の手伝いと時々食べ役となり、酒宴を支えていった。ある程度落ち着いたようなら次の酒場へと向かい、同じようにしていく。
 時にはシャーリーが市場で卸してきたマグロを瞬時に解体し、そのパフォーマンスで客たちを魅了する場所もあったという。



「いやー美味しかったぁ! デビルオイスターとデビルフグの白子鍋、デビルフォアグラのデビルウニのソース和え! ボク、何回天国に昇るかと思ったよぉ、地獄だけど」
「俺もこれだけ盛大に高級食材使いまくれる機会もそう無かったし、これはこれでいい経験になったな、うん。たまにはこういうのも悪くないか」

 街の酒宴も落ち着いた所で、二人は夜風に当たりつつ街を歩いていた。

「しかし上手いことシャーリーも大分食べたよな……大丈夫か?」
「ははは、あれだけ配膳で動いてたんだよ? カロリーなんてあっという間に」

 そう言って軽く自分の腹をつまんでみたシャーリー。その指が一瞬強張り、顔も凍り付いたのをウイーリィは見過ごさなかった。

「…………」
「…………」
「……暫くヘルシー料理な」
「いやあああああああ! 勘弁してええええええ!」

 暴飲暴食、Dを使うには必須だったが、それでも程度は護らなくてはいけない。悪魔の町に、シャーリーの悲しい悲鳴が夜に響いていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

美波・蜜香
☆チェルノさん(f06863)と一緒です

世界の危機を救うためにはDをあちこちで使えばいいんだよね!
行きましょう、チェルノさん!世界の平和のためです!
そんな訳であちこちのお店でスイーツ三昧()
「う~ん、このシロップ&クリーム鬼盛りパンケーキ、罪だよね、罪の味だよね!」

はい、反省してます(第二章での出来事を思い出しながら)
あたしだって乙女なので本当に豚になったら困っちゃうからこの後は高級エステに挑戦してきます
高級エステって前から憧れてたし
何かこう、セレブっぽい感じ?
お店は何かいかがわしい感じだけど、この世界だとこれが普通かも知れないもんね(フラグ)

※アドリブOK・NGなし


在原・チェルノ
☆蜜香ちゃん(f20221)と一緒に豪遊するわよ!
色んなお店で美味しいスイーツ食べ歩き!

で、その後は女の子の夢、高級エステフルコース!
べ、別に第二章の後遺症を気にしてる訳じゃないんだからね!(突然のツンデレ)
いかにもデビルキングワールドらしい悪っぽいお店にレッツゴー!
見て見て蜜香ちゃん、この「悶絶昇天オイルマッサージ」なんかそれっぽくない?
オプションで「強制脂肪排出コース」とか選べるみたいだし
それじゃ二名様でお願いしまーす!
(内容はお任せします)

※NGなし・アドリブOKです



●豪遊:ピンクヒロインズの場合

「世界の危機を救うためにはDをあちこちで使えばいいんだよね!」
「そうね蜜香ちゃん!」
「行きましょう、チェルノさん!世界の平和のためです!」
「そうね世界の平和の為ね!!と言う訳でまずはスイーツ食べ歩きね!」
「世界の平和の為です!世界の平和の為です!!」

 明らかに自分に盛大に理由を付けて、美波・蜜香(ブルーメンリッター・f20221)と在原・チェルノ(流星忍姫チェルノ・f06863)は早速乙女な豪遊へと繰り出した。Dがあるならば乙女の豪遊となれば、そう、スイーツ食べ歩きである。

「う~ん、このシロップ&クリーム鬼盛りパンケーキ、罪だよね、罪の味だよね!」
「鬼盛りどころか文字通り鬼みたいなデザインなのがまさにこの世界!」

 ポイズンなビジュアルが特徴なこの世界独特のデビルスイーツ。その新鮮さ、それでいて味は絶品なギャップがまた癖になると猟兵の間では話題らしい。その後もソフトクリームやドーナツなど、どれも紫が多く毒にしか見えない攻めたデザインのスイーツを大量に次々とDがあるのをいいことに食べていく2人。

「甘いものは別腹!」
「でもボクたちは食べてばかりで動けば大丈夫とか言ってそうなどこかの人とは違う!ちゃんとリカバープランも考えているのさ!そう、女の子の夢、高級エステフルコース!べ、別に第二章の後遺症を気にしてる訳じゃないんだからね!」
「はい、反省してます……」

 そうして次に2人がやってきたのは、いかにも悪そうな外装の高級エステ店。オルトレーヴェとの戦いで謎の薬により豚っぽくなってしまった2人は回復UCで元には戻ったものの、それでもなんか気持ちの問題でむっちりお肉がついてないかどうしても気になってしまったらしい。

「高級エステって前から憧れてたし、何かこう、セレブっぽい感じ? でもこの雰囲気……大丈夫? このまま売り飛ばされたりしない?」
「大丈夫だよ!ちゃんと健全なただのエステとマッサージのお店の筈だよ!見た目で判断しちゃ駄目だよ!って訳で、この「悶絶昇天オイルマッサージ」なんかそれっぽくない?オプションで「強制脂肪排出コース」とか選べるみたいだし」
「これなら大丈夫そう……じゃあこれで行きましょう!」
「よし、2名入りまーーす!!」

 そして二人は元気に突入して行った。



「あ、あひぃ……全身ぬるぬるぅ……」
「あはぁ……全身気持ち良過ぎますぅ……もっと揉んでぇ♥」

 僅か30分後、店内で全身オイルまみれにされ、全身を揉まれてすっかり昇天しかけている2人がいた。デビルなオイルは全身を敏感にさせ、そしてデビルなマッサージ師のマッサージはまさに格別。ツボを的確に刺激し、二人をすっかり骨抜きにして凝りをほぐすと同時に快感で全身を支配し尽くす。胸を含め容赦なくもみほぐされ、あっという間に2人は指一本動かせない程の快楽付け状態に。これがもしオブリビオンが経営でもしていたら、本当に2人は売り飛ばされコース間違いなしである。

「では脂肪排出に移らせていただきます」
「あへぇ……あれ、なんか付けるとこ、違くない?」
「あへぇ……そういえば、どう見ても付けてるの……おひいいいいい!!」

 謎の吸引装置を、二人が良く知る脂肪吸引とはなんだか別の敏感な個所に付けられる2人。そしてその超絶な吸引はその敏感な所を刺激し、更なる快楽を2人に齎す。

「こちら当店が開発したデビルバキューマーでして。お2人の穴から脂肪エネルギーを直接吸い上げます」
「脂肪えねるぎいいいいいいいぃ♥」
「なんですかそれええええええ♥」
「脂肪をエネルギーに変換し、お2人の穴から構造を無視して排出するのです。あ、デビルキング法により当然無認可です」
「「とうぜんむにんかああああああああ!!??♥♥」」

 激しく刺激され全身が高まっていく2人。そこに更に上下から何か薄い膜が被さってて、そして真空パックのように二人に張り付ていく。

「ぶごごごごごごおおお!!!」
「おぶぶぶぶぶぶぶぶぶ!!!」
「このデビルパッケージでお2人の身体を締め付け、更に脂肪エネルギーを排出しやすくします。これも当然無認可です」

 ぴっちりと張り付けられた結果、二人の顔は物凄い事になり、そして全身の圧迫は2人の感度を更に滅茶苦茶にしていく。そして

「あ、ぶ、ひいいいいいいん♥♥」
「あびゃ、おぶぶううううううう♥♥」

 2人の穴という穴から盛大に何かが吐きだされていく。それは脂肪エネルギー。他の何者でもない、いいね。そしてその排出は2人にこれ以上ない快楽を齎し、二人をあっという間に果てさせてしまった。

「ふう、たっぷりDを頂きましたので張り切ってしまいました。またのご来店をお待ちしております」
「あ、あへ、あへぇ♥」
「あひ、あひ、あひぃん♥」

 店員のデビルスマイルに、応える余裕は痙攣する2人には残されてはいなかった。




 こうして獣欲のままに集められたDは色んな手段で使い果たされ、Dは世界へと分散されていくことになった。いつかまた集められてしまうかもしれないが、それでもそれはまた当分先だろう。
 宴を、豪遊を、新しい悪を、快感を、料理を、町に齎した夢のような一夜は、こうして瞬く間に夜明けを迎えるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年02月09日
宿敵 『『暴獣妃』オルトレーヴェ』 を撃破!


挿絵イラスト