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欲にまみれたDを奪還せよ!(作者 タイツマッソ
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#デビルキングワールド  #プレイング受付:1月15日(金)9時開始 


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#デビルキングワールド
#プレイング受付:1月15日(金)9時開始


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●獣欲
「オルトレーヴェ様!今回奪い尽したD(デビル)、全部運び込みました!」
「ウム」

 新しく発見された世界、デビルキングワールド。その一地域に一つの屋敷が佇んでいた。そしてその奥、一際広い部屋には色んな物が置かれていた。彫像、絵画、宝石、貴金属……中でも多いのは、この世界における通貨、D(デビル)。それが乱雑に床一面に広げられていたのだ。
 その中心に佇むのは、ウサギ耳にドラゴンの羽という一見かみ合わない特徴を備えた、されど強大な力を有しているだろう女性。彼女こそがこの屋敷の主、『暴獣妃』オルトレーヴェである。
 彼女の前には何人かの狐獣人の少女たちがおり、今この部屋に全てを運び終えた事を報告していた。

「ジャア、サッサト、ココ、デテイケ」
「了解しました!怪しい奴らが来ない様、屋敷内を巡回してますね!」
「イレタラ、コロス」

 片言ながら恐らく冗談ではないその言葉に、狐少女達は速やかに部屋を出て扉を閉める。廊下に出ると、はーっと安堵の息を吐いた。

「怖いねー!今回の略奪も全然容赦なかったし!」
「だね!奪うのも食べるのもそして男を漁るのも全部容赦ないもんね!」
「私達もきっと侵入者なんて許したら本当に殺されちゃうよね!」
「うんうん!でも、でもでもー」

 普通なら恐れて縮み上がるもの。だが。

「「「「そんな欲望ぶっちぎりなところが、悪くて素敵だよねーーーー!!」」」」

 この世界は悪こそ正義。悪に満ち、そして欲望に満ち溢れた存在に、住人たちは引き寄せられてしまうのであった。

●見つめるデビルアイ
「そんな訳で新世界で、怪盗になって『あんたのお宝いただくぜ!』してきて欲しい!……あ、帰らないで帰らないで今ちゃんと説明するからごめんってば!!」

 猟兵たちが帰ろうとするのをピエロの少女、九十九・サイレン(再誕の18不思議・f28205)が呼び止め、やっと説明が開始された。

「新しく見つかったのはデビルキングワールド。で、そこではなんと悪事を是非やろうっていう法がまかり通ってて、それで悪の権化であるオブリビオンが暴れてるとそれを住人が手伝うっていう凄い事態になっちゃってるんだよねー。で、そういう一団の1つが周辺から略奪しまくって、その集めた通貨、Dをアジトである屋敷に溜め込んでるんだ。で、このDが厄介で、大量に集めるとカタストロフ級の儀式魔法が発動できちゃうんだって。幸いボスはただ自分の獣欲に任せて奪いまくってるだけらしくて、儀式魔法を使うつもりは無いみたいなんだけど……強大な力は持ってる奴だから、もし集めに集めまくったDの中で何かしらの儀式魔術が不意に発動、なんてことはあり得ちゃうんだよね。てなわけで、その前に皆にはそのボスの撃破及びその場に在るDの処理をお願いしたいんだよね!

 屋敷はこれもどこかの悪魔から略奪したものらしいくて結構広めの2階建て。ボスがいる部屋がどこかはちょっと読み切れなかったから、皆で探してね。ただ、屋敷内はオブリビオンの獣欲に引き寄せられたこの世界の住人、通称『狐焔神道の見習い巫女』。狐焔神道っていう、性欲と繁殖を教義にしたえっちいとこの子たちで、デビルキング法もあるんだけど、欲望こそ素晴らしい、っていう精神なもんだから、獣欲のまま暴れるボスを尊敬しまくっちゃって協力してるみたいなんだよね。だからあくまで殺さないで、見つからないように部屋を探したり、見つかってもすぐに無力化したり、で穏便に何とかしてほしいかな。強行突破もいいけど、数は結構多いからやめておいた方がいいと思うな。この子たち、集まるとかなり厄介みたいだから。後はまあ、性欲を高めたいとかに満ち溢れてるから、そこを起点に交渉や言いくるめでなんとかするってのもありかもね?
 あとまあ、あえて犠牲になって大量に引き寄せて他の場所を手薄にすることで他の猟兵を助けるってのもありかな。ただし、性欲がやばい子たちばかりだから、ひどい目に合う覚悟が出来ている人だけお願いね!

 ボスは『暴獣妃』オルトレーヴェ。略奪に貪食、そして巫女たちの大好きな性欲、どれもやりまくり暴れまくりの欲望だらけの獣姫だ。当然Dを素直に寄越す訳ないから、間違いなく戦闘になる。コイツは間違いなくオブリビオンだから、容赦なく倒しちゃっていいよ!魔力を帯びてるDの他にも略奪してきた物品が転がってるから、それを利用してもいいかもね。

 オルトレーヴェを倒してDを回収したら、ばら撒いてもいいけどどうせの新世界だし、近くの町でぱーっと使っちゃおう!この世界の住人とも仲良くなるチャンスにもなるし、皆もこの世界の品物とか文化とか興味あるでしょ?宴をやるくらいにどーんとDをばら撒きまくっちゃおう!」

 説明を終えると、サイレンは何やらスーツを取り出した。それは首から下を包むスーツで、腰のあたりに布が巻かれたデザインのもの。

「んじゃ、皆、怪盗してきてね!あ、予告状出すかは任せるよ!後、希望するならこのキャッツごにょごにょスーツを貸し出すよ!」

 思い切り着せたいだけだ、と何人かは思いつつも、猟兵達はD回収の作戦について思いを巡らせるのだった。





第2章 ボス戦 『『暴獣妃』オルトレーヴェ』

POW ●獣の理・巨躯は全てを圧倒する
【巨獣形態 】に変身する。変身の度に自身の【尻尾】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。
SPD ●獣の理・適応せし者こそ生存する
自身の【肉体 】を【戦場の環境や敵対者の性質に適応した形態】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
WIZ ●獣の理・欲望こそ生命の本質なり
【獣欲 】を籠めた【甘い鳴き声】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【理性と知性】のみを攻撃する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ギージスレーヴ・メーベルナッハです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●待ち受けるは『暴獣妃』

 合流した猟兵たちは各々の情報を交換した。一部、狐巫女らとの色々で体力を消耗した猟兵もいたが、一部の狐巫女の協力を取り付けた事から、彼女らから狐焔神道特定の精強ドリンクを大量に貰え、それでひとまずの体力は回復した。副作用は…………きっと無い筈である。
 情報は部屋の間取り、それから中に在る略奪品の数々等。部屋には警戒の為、窓は無いが明かりと広さは十分だという。
 床のほとんどにDが無造作に散らばり転がっている為、山積みのところに足を踏み入れて体勢を崩さないようには注意した方がいいらしい。また、所々には絵画、装飾品、宝石等、オルトレーヴェらが手当たり次第に略奪してきた物品が転がっている。中には武器に使えそうなものや、Dのように魔力を帯びている物もあるようだ。その詳細も狐巫女や入手された略奪リストを合わせて確認する事が出来た。尚、住人を攫ったりはしていないので、生物はオルトレーヴェのみである(喋る道具類は除く)。

 そして、オルトレーヴェの扱う技の情報も入手された。
 巨獣形態への変身能力。これを使用すると、傷が回復されてしまい更に体躯と尻尾の数が2倍になりより相手が難しくなってしまう。
 自身の肉体を環境や敵対者に対応した形態へと変化させる。環境は先述の通りの部屋。敵対者に関しては、恐らくその得手を潰すように能力を特化させるだろう。ただし、その代償として別の能力を弱体させる為そこが隙になるかもしれない。
 獣欲を込めた甘い鳴き声の発声。音ゆえに防ぐのが難しいそれは、聞いた者の理性と知性を破壊し、まさに彼女のような獣へと貶め、作戦というものを瓦解させてしまう。

 それぞれが入手した情報を合わせ、そして幾らか話した後、猟兵たちは入手した鍵で扉を開け、部屋へと侵入した。
 貴重品やDが床に散乱したその広い部屋。その中心に彼女はいた。衣服と呼べる衣服はなく、竜のような尾と翼、鋭い爪。ヤギのような角、そしてウサギのような耳を頭に携えた獣欲の化身。彼女はぎろっと猟兵らを確かめると、即座に前傾姿勢となる。

「オマエラ、シンニュウシャ……ウサギ、アトデ、ミナゴロス。コロシ、タベル。オマエラ、ウバイ、キタ? ワタシ、コロシ、キタ? ドチラカ、リョウホウカ、ソウダナ? ナラ、コロス。ゼンイン、コロス。コロシテ、ウバイ、オカス。トメナイ、ガマンシナイ、ヨクセイ、イラナイ! ヤリツクス、ヨクボウ、ヤリツクス! ソレガ、ワタシ、オルトレーヴェ!!」

 獣欲。殺し、奪い尽し、蹂躙する。儀式魔法をする頭はないようだが、その力は驚異的。Dを蓄えていけばその魔力でどんな化け物になるかは想像も絶する。今ここで、その獣欲を断つしかないと猟兵は臨戦態勢に入った。


※部屋の状況は描写通りです。Dや中の貴重品に関しては、なんとなく貴重そう、手当たり次第に集めた者なので、それっぽければ、プレイングで指定して貰えればそのアイテムがあると扱って貰ってOKです。武器や喋る道具類も可能です。基本はデビルキングワールドに在り得るものですが、転移してきたという事で他の世界の機械類等もOKです。

※集めた情報でオルトレーヴェの使用技を知る事が出来たので、その技への対策として事前準備したものを用意してもOKです。

※協力した一部の狐巫女らは、オルトレーヴェ自体はマジで怖いので、戦闘での直接の援護はできません。オルトレーヴェにばれない間接的援護などなら受け付けます。(協力を取り付けた猟兵以外も要請可能)

※プレイングボーナスは『部屋のDや貴重品類を利用する』もしくは『技への対抗策を考える』。両方無しでもOKです。


※プレイング受付は、1月15日(金)9時から開始し、執筆は16日(土)から開始予定ですが、日曜は返却できないので月曜が主となると思われます。
シャーロット・キャロル

貴方がここのボスですね!奪ったDは返してもらいますよ!あっ怪盗コスは切り裂かれてしまったのでいつものヒーローコスですよ。

「マイティガール参上!」っとまずは名乗り上げ。ヒーローたるものこれは外せません。

見るからにパワー自慢なようで。ですが私もパワーには自信あり!これは一つ真っ向勝負で行きますよ!

「私のパワーを受け止める自信がありますか?あるなら力比べですよ!」

相手が巨獣形態だろうが臆せず掴み掛かります!【怪力】の見せ所!!
掴んでしまえばこっちのターン!【マイティバスター】で投げ飛ばしてやりますよ!
尻尾が増えてるようですしそれを掴んで豪快にぶん回してやりましょう!


モリ・ゴロプ
☆……うぅ、えらい目に遭ったわ。
でも、今までこんなに人に気持ちよくしてもらったことなんて無かったわ。
(精神病院やキャバリアの研究所では動物みたいに扱われてたから)
巨大化するようなので、こちらも試作一号(キャバリア)を呼び出して対抗するわ。
キャバリアの馬力で部屋の中にある金塊で出来た武器(ゴルディオン・ウェポン)を振り回したり、投げつけて攻撃するわ。
『……ちょっと待って!わたしはさっきのことや戦闘だから興奮してるだけでまだ正気よ!クスリはおかしくなるから嫌なの!』
『操縦者ガ過剰ナ興奮状態ト判断。鎮静剤ヲ投与。……ヨウヤク自由ニナレタ(ここからはキャバリアが機体を乗っ取って攻撃)』


●自由を得た者たち、ただし2人に在らず

「……うぅ、えらい目に遭ったわ」
「大丈夫ですか?ごめんなさい!すっかり私も夢中になってしまって」

 突入前のインターバルにて、如何せんまだこういった事に不慣れなモリ・ゴロプ(消耗品・f16209)はまだ少々目眩が残っているのを同じ場所にいたシャーロット・キャロル(マイティガール・f16392)に気遣われていた。共に助け出され、精強ドリンクで回復はしたもののあの刺激しかない空間でのひと時は大分堪えたようだ。

「でも、今までこんなに人に気持ちよくしてもらったことなんて無かったわ……ありがとう」
「えっ……あ、ど、どういたしまして!」

 まさかお礼を言われるとは思わなかったシャーロットが慌てて答えると共に、思い当たった。猟兵は普通の境遇で無かった者が多い。シャーロット自身もかつては病弱の少女だったが改造手術によりサイボーグ怪人にされた身。モリの今のつぶやき、そして頑なに外さない拘束衣。それから何かを察することはできた。だが決してそれは無暗に暴いたりしてはいけない部分だと、彼女は察していた。

「……で、では私は早速行きますね! どうぞ、もう少し休んでから……」
「いえ。一緒に、行かせて」

 シャーロットの言葉を遮るモリ。その目は確かにこれから立ち向かう敵への抗いの意志を称えていた。



「貴方がここのボスですね!奪ったDは返してもらいますよ!」
「ガル……サセナイ、オマエラ、コロス」

 怪盗スーツが切られて破られた事、そしてここまでくれば怪盗ではなくヒーローでいいだろうという事で、本来のヒーローコスに着替えたシャーロットはオルトレーヴェの前に颯爽と降り立つと敵を指差して決めポーズを決めた。

「オマエ、ではありません!マイティガール参上!この世界では合法だとしても、際限ない略奪は此処までです!トゥ!」
「ショウメン、バカカ!」

 シャーロットは見得を切ると、地を蹴りオルトレーヴェまで跳躍。そして引き絞った腕を突き出すどう見ても普通の正拳突きを繰り出す。それに対し侮りの笑みを見せたオルトレーヴェは応えるように自身の剛力の拳を突き出す。そのまま腕を粉微塵にしてやろう、と。だが

「ナ、ニ!?」
「貴方も流石の怪力、ですが、私もまたパワーが自慢! 受け止めきれる自信が、ありますか!!」
「グッ!」

 改造、そして日々の鍛錬によりシャーロットの怪力は相当なレベルに達している。オルトレーヴェもそれに真正面からでは分が悪く、腕に傷が走り、一旦飛びのく。

「どうやらパワーは私の勝ちのようですね!」
「ナメル、ナ! ナラ、パワー、ヒキアゲル!!」

 そう言うとオルトレーヴェの体躯が2倍に巨大化し、更に尾が2本に増え、あげくに先程の腕の傷がどんどん塞がっていく。オルトレーヴェの巨大化の技だ。
 更にはそのオルトレーヴェの腕の筋肉がバンプアップしていき、巨大になっていく。

「巨大化と身体強化の合わせ技ですか!」
「ミンチ、ナレ!!」

 巨大化した腕をオルトレーヴェがシャーロット目がけて振り下ろそうとする。だがそこに……。

『させ、ない……!デカブツには、デカブツよ』

 シャーロットの後方、そこは巨大な貴重品が転がっているエリアだった。黄金でできたどこかの偉そうな悪魔の像、黄金でできたなんか文字が描かれてる巨大な槍等等。そしてそれらを、纏めて巨大な鉄機が抱えて真上に掲げていた。これこそがモリの操る異世界の機械、キャバリア。名を『試作一号』。5mに達するその身体は猟兵でも一苦労する巨大な黄金武器たち(一部は美術品だが似たようなものである)を抱え上げ、そして。

『喰らえ!!』

 それを一気にオルトレーヴェへとぶん投げた。シャーロットを標的にしていたオルトレーヴェは気付くのが遅れた。そして、攻撃力を強化する余り、スピードを損なうほどの筋力増強をしていた彼女はそれを避ける術がない。

「ガハッ!!」

 黄金貴重品の数々、そしてキャバリアの馬力による、圧倒的な質量衝撃をもろに喰らい、オルトレーヴェの巨体ががぐらりと傾く。

「今です!」

 シャーロットがその隙を突き、絶好のポジションへと走っていく。

 一方、その頃、拘束衣からの接続装置でキャバリアと繋がっているモリには、異変が起こっていた。

【操縦者ノ興奮状態ヲ確認。操縦者保護ノ為、操縦者ニ鎮静剤を投与シ、オートパイロットヘ移行シマス】

 コクピット内へ響く無感情な機械音声。それにモリはぎょっとする。確かに【オートパイロット】に移行する機構は存在する。だがそれはあくまで彼女自身が不安定になった時の制御機構の筈。しかし彼女は今確かに意識は保っているし敵味方も判別できている筈。と言う事は、考えられるのは……機械システムの誤認。

「ちょっと待って!わたしはさっきのことや戦闘だから興奮してるだけでまだ正気よ!クスリはおかしくなるから嫌なの!」
【操縦者ガ過剰ナ興奮状態ト判断。鎮静剤ヲ投与】
「違う!私は正気……ウッ」

 接続装置を通じて彼女に鎮痛剤が投与され、モリは意識を失い項垂れる。拘束衣により倒れる事は無いが、とても操縦はできないだろう。だが、あくまでこれはオートパイロットシステムへの移行。故に、機体は通常通り機械やAI操作により稼働する……のが、通常知られているオートパイロットである。しかし


【操縦者ノ沈痛状態移行ヲ確認……ヨウヤク自由ニナレタ】


 カメラアイを輝かせ、まだある貴重品から黄金武器を掴み取った試作一号……その存在がそうであるとは、誰にも保証できはしない。



 一方、そんな異変を露知らないシャーロットは、オルトレーヴェの背後に回ると、その増えた尻尾を纏めて抱えて掴みこんだ。

「打撃だけじゃないですよ!こういうのはどうです!!どぉりゃああああああああ!!!」
「ナ、ナニィ!?ガアアアアアアアア!!」

 シャーロットは大きな体躯となったオルトレーヴェをものともせずその怪力で掴んだまま持ち上げ宙に浮かすと、更に体を回転させ、オルトレーヴェを振り回す。幸い広い部屋な為、周囲の猟兵に当たる事は無い。まさに文字通りのジャイアントスイングである。遠心力により多大な力がかかるオルトレーヴェには反撃する事も出来ない。

『ネエ、ソノデカブツ、コッチヘ投ゲテ?』
「え? あ、はい、分かりました!(なんだかさっき話した時と少し違う様な…?)」

 そこへモリのキャバリアからシャーロットへ投げかけられた、モリの声のはずなのになんだか違う様な気がする声。だが疑う余地はないので、シャーロットは素直に試作一号の方へとオルトレーヴェを投げ放つ。

「グ、オオオオオ!?」
『マダ、壊サレテハ困ル。ダカラ、オ前ガ消エロ』

 試作一号は拾い上げた巨大な黄金の槍、だがキャバリアにすれば適正サイズのそれを構えると吹き飛んでくるオルトレーヴェの身体へとそれを思いきり突き刺した。

「ギ、ガアアアアアアアアア!?」

 投げられた勢いと槍の突き刺さる速度、それはカウンターのような破壊力を生み、オルトレーヴェに大穴を開け、そしてすかさず試作一号が槍を抜くと、そのまま少し軌道を変えて、遠くへとオルトレーヴェは吹き飛ばされていった。
 試作一号は血の付いた黄金槍を振り血を払うと、駆け寄ってくるシャーロットを確認する。

『今ハマダ、ココマデ……自由ハ、マタ……』

 シャーロットに届かない呟きを残し、試作一号のカメラアイの輝きは消え、機体の動きは静止した。
 その後、シャーロットが中へ乗り込み、意識を失ったモリを発見したが、『さっきの出来事や戦闘の緊張感で、槍を刺した後に意識を失っちゃったんでしょうか』と判断することしかできなかった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴