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24時間眠ってられますか?(作者 すぃんたろー
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#デビルキングワールド 


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#デビルキングワールド


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●起きてたら罰金、起床税
「はぁ……私の中で、悪事ってものの概念が壊れそうだわ……」
 集まった猟兵たちを前に、トレイシー・ノックス(インドア狩人・f06024)はまずそう言って盛大にため息をついた。
 デビルキングワールドには小国がいくつもある。今回もそのうちの1つで暗躍するオブリビオンへの対応だということで猟兵たちは集められている。
「あーはいはい、仕事の説明ね。今回行ってもらうのはブギーモンスターたちの国よ。ただし、物凄い働き者のね」
 デビルキングワールドの住人たちは『デビルキング法』によって悪事をカッコいい、欲望は素晴らしいという価値観のもとで日常を送っている。
 この小国はその影響の結果「他人を奴隷のようにこき使うことこそ最高のイカした悪事だ!」と、国内の組織全てがブラック企業化してしまっているようだ。
 残業や休日出勤は当たり前。人によっては徹夜する日数が2桁に至ることすらあるという、いわば社畜の国といった有様だ。
「そんな国で、急に出てきた議員が『起床税』とかいう起きていた時間に応じて税金を支払うって法案を通そうとしてるの。しかも署名活動で結構な支持を集めちゃってるみたいでね……ここまで話せばなんとなく察するでしょ? その議員がオブリビオンなのよ」
 ロクに睡眠も取らずに働いている国民たちを休ませようとする優しい話のようにも思えるが、裏にいるのがオブリビオンとなっては放置するわけにもいかない。この法案が可決することは阻止しなければならないだろう。
「私が見た予知だとね、法案が可決すると、起きている連中からは税収で、寝ている連中からは盗みでD(デビル)が取り放題になる。オブリビオンはそうしてD(デビル)を集める算段よ」
 D(デビル)とはデビルキングワールドで流通している通貨だが、それには魔力がこもっており大規模な術式の触媒にもなるらしい。それが大量にオブリビオンの手に渡れば災厄となるのは、火を見るよりも明らかだ。
「というわけで、今回はまず『起床税』の可決を阻止。その後にオブリビオン本人をぶちのめすってのが依頼内容になるわ」
 依頼に至るまでの経緯を説明し終え、トレイシーはそのまま詳しい作戦の説明に入る。

 まず最初に、オブリビオン議員の信用を失墜させる。
 オブリビオンの邸宅に忍び込んで『起床税』法案可決に向けて集めた国民の署名入りの書類を盗み出すのだ。
 国民たちが信じて名を記した書類を紛失したとなれば、議員の信頼は確実に地に落ちるだろう。

 次に議事堂へと殴り込み、オブリビオンを支持している議員たちの説得。
 説得と言っても、ここは物理でいい。彼らはオブリビオンではなくこの世界に住むブギーモンスターたちだが、社畜をやれているだけあってかなり頑丈なのでそう簡単に死にはしない。
 彼らを全員黙らせることができれば、『起床税』はまず可決しないだろう。

 最後に、オブリビオン本人の討伐。
 法案が通らないことが確定すれば他の国へターゲットを変えるべく逃亡することが予想されるので、そこを待ち伏せて襲撃することになる。
 正体を現して抵抗してくるだろうが、ここは確実に仕留めなければならない。

「盗みに殴り込みに暗殺と、こっちはこっちで悪事のオンパレードよ。けどこの世界では悪事こそカッコいいとされてるんだから、気兼ねなく派手にやりなさい。……オブリビオンを倒したところで、この小国がとんでもない国だってのは変わらないんだけど、まぁそこに干渉するかどうかは任せるわ」
 トレイシーは眼鏡の位置を直しながら、そう締めくくる。
 説明は終わり、ここからは行動あるのみだ。
 オブリビオンの企みを阻止し、彼らにD(デビル)が流れないようにするために。





第2章 集団戦 『ブラックローブ』

POW ●ダブルブラックローブ
自身の身長の2倍の【巨大ブラックローブ】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD ●コールドハンド
【冷たい手による引っ掻き】が命中した物品ひとつを、自身の装備する【知恵の布】の中に転移させる(入らないものは転移できない)。
WIZ ●ブラックアウト
【冷たい手で触れることで驚き】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【黒い知恵の布】から、高命中力の【意識を奪うような冷気】を飛ばす。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●議員たちの憂鬱
「なんということでしょう」
 議事堂の中、『起床税』法案に賛同していた議員たちが集まっていた。
 彼らは既に署名入りの書類が大量に紛失したことを知らせで聞いており、皆一様に青ざめた表情をしている。
 ……いや、青ざめているのは元からかもしれない。彼らは『ブラックローブ』というブギーモンスターの一種であり、低い体温と見たものも恐怖を与える素顔が特徴という話だが、この国の様子だと働き過ぎでそうなってしまったようにも思える。
「この法案が通れば休めると思ったのに……」
「そもそも、この国で休もうなんていうのが無理があったのか」
「休んじゃいけない国で休もうなんて、凄いワルが来たと思ったのに……」
「いや、まだだ。信用は失墜しても、我々が支持して議会の過半数を占めることさえできれば可決はできる。世論を納得させるのに苦労はするだろうが、まだ希望は捨ててはいけない」
「そうだ! なんとしてでも可決して、ぐうたらな明日を勝ち取るんだ!」

 なんとか奮い立ってはいるが、彼らは知らなかった。
 集まった議事堂のすぐ外まで、自分たちを『説得』しに来た猟兵たちが迫っていることを……。

 そして、猟兵たちは議事堂へと踏み込んだ。
ニャコ・ネネコ
アドリブ連携歓迎/WIZ

みんな丈夫で、だけど疲れてるにゃ?
そんなみんなをだまらせるには…
にゃ、ひらめいたにゃ!やっぱりこれにゃ!

そう、ぶつりでせっとく!

いや、これってぶつりって言うにゃ?
でも、力のないにゃあがうまくあのひとたちを黙らせるには
やっぱりこの手がいちばんにゃ

みんなー!おいでにゃ!
【ねこのおうこく】で配下のにゃんこやわんこたちを呼び出して
みんなをもふもふのうずに巻き込むにゃ!
そのあと【ねこのもふもふ】の癒しオーラで
ねむらせてあげられればこっちのものにゃ!
のぞむとおり、たっぷり眠らせてあげるにゃ!
ひさびさのきゅうそく、あじわってほしいにゃ。
ゆっくりおやすみにゃ。


フィロメーラ・アステール
「起床税は問題を抱えている!」
一言でいうと!
無自覚なワルが大量発生する!

ワルをする時、ワルやるぞー!って思ってやるだろ?
例えば、うっかり他人にぶつかるのは、迷惑かもしれないけど全然ワルじゃない!
ぶつかってやるぞー!ってぶつかるのがワル!

起床税は起きていると税金を頂く!
でもその把握や回収は大変だ!
大量の未納者が自覚なく生まれてしまう!
そんなの全然ワルくない!

逆に『睡眠税』を導入したら?
「これから寝る! もちろん税金は払わない!」
タダでさえワルな休みがさらにワル!
勇気がいる行い……でも勇気があれば、誰でもワルになれる。
いいと思ったら行動で示そう!

【此方に誘う夜空の存星】で寝たヤツを賛成扱いにする!


●最大の問題点
「起床税は問題を抱えている!」
 議事堂の扉を勢いよく開いて現れたフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は大声で宣言し、議員たちの注目を集めた。
「なんだなんだ!?」
「問題だと!? 一体何が問題だと言うんだ!」
「休みを勝ち取るための我々の法案を妨害するつもりか!」
 口々にそう言ってくる議員たちを見まわし、フィロメーラは語り始める。
「一言でいうと、無自覚なワルが大量発生する! ワルをする時、『ワルやるぞー!』って思ってやるだろ? 例えば、うっかり他人にぶつかるのは、迷惑かもしれないけど全然ワルじゃない! 『ぶつかってやるぞー!』ってぶつかるのがワル!」
 議員たちが、その主張を聞いて顔を見合わせる。
 そう、『起床税』は起きていた時間に応じて税を徴収する法案だ。
 しかし、誰がどれだけの時間起きて活動していたかを把握して回収するのは困難なことで、どうしても把握しきれない者が出てしまうだろう。
 税金を払わない、いわゆる脱税もまた悪事ではある。しかし、そうして把握から漏れ、無自覚のまま行う脱税を悪事と言えるかと問われれば……そうとは言えない気がする。
「けど、だからと言ってこのまま働き続けるのは……」
「だから逆に、『睡眠税』を導入したら?」
 フィロメーラの提案に、議員たちはまたも顔を見合わせる。眠ることに税がかかったりしたら、もっと休むことが困難になるのでは? と。
「これから寝る! もちろん税金は払わない! みんなが働いてるなかで休むっていうワルが、もっと悪いことになる!」
「ああ、確かに! それは凄く悪いことだ!」
 最初から破ることを前提の法案。悪事がイカしている、カッコいいとされるデビルキングワールドならではの提案に、議員たちの一部の心が揺れる。
「けど、それで仕事が回らなくなったら……」
 いかにも社畜らしい反論である。控え目ではあるが、この言葉に同意する議員もこの場には多くいた。
 しかし、フィロメーラは臆さずに主張を続ける。
「うん、それは勇気がいる行い……でも勇気があれば、誰でもワルになれる。いいと思ったら行動で示そう!」
 宣言すると同時に、フィロメーラを中心に闇が展開される。
「な、なんだこれは!? うっ……眠気が……」
 闇に包まれた議員が一人倒れた。やがて安らかな寝息が聞こえはじめ、この闇に包まれたことで心身ともに癒されていることが見てうかがえる。
 それを魅力的と考え迷い立ち止まる議員と、危険と考え距離をとる議員。議事堂内の議員たちの心は割れようとしていた。

「こういうことなら、にゃあも得意だにゃ!」
 そんなタイミングで議事堂に新たに飛び込んできたのは、猫の群れを引き連れたニャコ・ネネコ(影色のストレガ・f31510)だ。
「な、なんだ!? 猫!?」
「ゆっくりおやすみ、にゃ!」
 ニャコ自身も含めた猫たちは混乱した議員たちに飛びつき、もふもふオーラ全開で彼らを虜にしていく。
 議員たちは冷え切った手で抵抗を試みるも、猫たちのもふもふな温もりを覆すことはできない。
「あ、ダメ……」
「にゃんこ……もふもふ……すやぁ……」
 猫に群がられた議員たちが崩れ落ち、実に幸せそうな様子の寝息をたてはじめる。
「疲れてるときはねむるのがいちばんにゃ! これぞ、ぶつりでせっとく!」
 微妙に物理とは違うような……というツッコミを入れる気力も、議員たちにはもう残っていなかった。
 単純な殴り合いならば、ブラック労働で鍛えたタフさで乗り越えることもできたかもしれない。
 だが、疲れ切って休みを求めていた彼らは、その欲求こそが弱点となっていた。
 抗いようのない癒しオーラと眠気に、次第に意識を手放していく。

「寝たヤツは賛成扱いにする! さあ、ゆっくりお休み」
「ひさびさのきゅうそく、たっぷりあじわってほしいにゃ!」
 二人がそう宣言する中、議員たちは次々と眠りに落ちていった……。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

黒柳・朔良
休み=寝るという発想がもう、働きすぎて頭が回っていない証拠のような気がするが、私の思い違いだろうか
確かに睡眠は大切だし、休みのときにはぐっすりと寝たいという気持ちもわからなくはないのだが

話し合いで解決……は無理そうだな
選択UCで影人形達をブラックローブ達にけしかけることにするか
確かこの国の悪魔たちはオブリビオン並みの力を持っているんだったな
それに多少荒っぽくしても平気だとも聞いたから、問題はないだろう

それにしても、『起きてはいけない』という法律を作ってしまったら逆に起きて仕事をする者が出てこないだろうか
悪いことを率先してやろうとするならば、法律違反なんてその最たるものだと思うぞ


●『影』は語らず
 眠りの誘惑に負ける議員が続出する中、頑なにそれを拒む議員も存在していた。
「一度支持した法案を撤回するなどできるものか!」
「そうだ! 我々の全員がそんな誘惑に屈すると思うな!」
 自身の身長の2倍ほどもある巨大な分身を召喚して、彼らは臨戦態勢を整える。
 ……この頑固さ故に、彼らはより一層過労の道へと突き進んでしまったのだろう。彼らは冷静に状況を分析することも、自分たちの言動を見つめなおすこともできず、ただひたすらに突き進むことを良しとしてしまっているようだった。
(働き過ぎで既に頭が回らず思考停止してるな……こいつらに関しては、話し合いでの解決は無理そうだ)
 議事堂内の物陰に身を潜めて様子を伺っていた黒柳・朔良(「影の一族」の末裔・f27206)は、そんな彼らを冷ややかに見ていた。
 彼らはきっと、法案が可決したところで働き続けるだろう。朔良の目には、彼らは文句を言い休みたいと言いながら、法を破ってまで働き続けることを美徳としているようにさえ見えた。
(悪いことを率先してやろうとするならば、法律違反なんてその最たるものだからな)
 あくまで自分の主観であり思い違いかもしれないが、そう間違ってもいないだろうと思えるだけのものが彼らにはあった。
 この国の住人はオブリビオン並みの力を持つというし、荒っぽくしても問題ないとも聞いている。話し合いでの解決が望めない以上は……、
「さあ、狩りの時間だ」
 静かに、誰かに聞かせるでもなくそう呟く。それが合図となって、『影』は動き出した。
「我々は絶対に屈しないぞ! たとえ最後のっ……!」
 声高に主張していた議員の一人が、唐突にその主張を途切れさせて倒れた。そして倒れた議員の背後には影が……影の一族が扱う影人形が立っていた。
 そして、影は1体だけではない。机や椅子、柱、そして作り出された分身たちの影から次々と沸き、議員たちへと襲い掛かる。
 主である朔良の能力に伴った暗殺の技術を持つ影人形たちに、巨大であっても主の議員が思考停止してしまっている分身は大した意味をなさず、逆に視界を遮る障害物になっているような有様だ。

(せいぜいゆっくりと休め。目が覚める頃には、もう終わっているだろうからな)
 意識を奪うのを優先し、殺害を目的とした攻撃ではない。話に聞いた通りのタフさならば致命傷にはならないだろう。
 朔良はただ冷ややかに、頑なな議員たちに強制的な『休み』を与えていった。
大成功 🔵🔵🔵