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水底のエトセトラ

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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●ダンジョンについて覚書
 宝を隠すのに良いのはどんな場所?
 陽の光の差さぬ場所。

 あるいは大地深くの洞窟の中。
 あるいは緑が支配する森の中。
 あるいは幾つもの罠を潜ませた大迷宮。

 そしてあるいは、冷たく深い、水の底。

●グリモアベースにて
「ハック・アンド・スラッシュ!ハック・アンド・スラッシュ!」
 大層元気にそう叫んでいる者が居た。誰かといえば自称ファンシーグリモア猟兵、ジャック・ロープだ。叫びながら大槌のような肉叩きを振り回しているその様は周囲の猟兵たちの視線を独り占めだった。

 その視線に気づいたように肉叩きをそっと降ろし、居住まいを正す。こほんと咳払いなどしているが地面に若干めり込んだ肉叩きの存在はなかったことにはならないのだ。

「皆さん、ダンジョンとかお好きですか?お好きですよね。私も好きです」
 だがジャックは鉄の意志で何事もなかったかのように続ける。猟兵たちも突っ込んだら面倒な雰囲気になるのを察して黙して聞いている。

「というわけでダンジョン探索です。しかしただのダンジョン探索とはわけが違いますよ」
 と、言うと?そんな猟兵たちの視線。それに頷きジャックは言葉を続ける。

「なんとですね。このダンジョンが存在するのはとある湖の底なんです」
 なるほど、それは確かに大変そうだ。

「えぇ、なにせダンジョンにたどり着くまでが一つの関門です。泳ぎが苦手な人はいろいろと対策を考えないといけませんね」
 ここで一人の猟兵が手を挙げる。湖の底にあるダンジョンだと、水没していて探索もなにもないのではないか?と。

「それは大丈夫です。予知で見た限りだとダンジョン内部には水は入ってきていないようです。水の潜水を考えなければいけないのはあくまでダンジョンにたどり着くまでですね」

「とはいえ、やはり水の中にあるダンジョンですから水を使った罠なんかも考えられます。中にいるであろうモンスターも水に関係の深いものが予想されます。そのへんも考えて攻略すると良いかも知れませんね」

「それと、ちょっとしたこぼれ話と言いますか。この湖の近くの村では『水に近づくと大蛇に襲われる』という言い伝えがあるそうです。このダンジョンに関係したことか、そもそも信憑性がある話かもわかりませんが」

「そんなところですかね。未知なる冒険と財宝への期待。ダンジョンって良いものですよね」


夢ハルカ
 こんにちは、夢ハルカです。

 今回はオーソドックスなダンジョン探索シナリオです。流れとしましては。

 その一:湖にダイブしてダンジョンを目指す。
 その二:ダンジョン内部の探索。
 その三:ダンジョンボスとの戦闘。

 となっております。性質上、ダンジョン内部も水っぽい罠や仕掛けが多いと思われます。たぶん湿度も高い。プレイングにこんな罠があるかもって予想されていたらそこはかとなく反映されるかも知れません。

 途中参加の場合の場合もなんか描写の裏で頑張ってダンジョンに来てましたって感じになるので遠慮なく来てください。

 それでは、ご参加お待ちしております。
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第1章 冒険 『湖の底へ』

POW   :    とにかく気合、可能な限り全力で息を吸って潜る

SPD   :    素早く泳ぐことで深くまで潜って確認する

WIZ   :    怪しそうな場所に検討をつけてから潜る

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【SPD】(共闘可)
「フィオ姉ちゃん、本当にやるの?」
姉の作戦に呆れながらボートと釣り具の手配をする。

【行動】
ボート漕ぐのはボクだよね。やっぱり。
適当な場所で、おもりをつけた釣り糸を垂らすよ。
明かりが不十分だったらウィザードミサイルを使うけど
多分大丈夫だよね。
フィオ姉ちゃんがダンジョンを見つけたら
ダイブの時間だ…

「先陣切るのはボクだよね」
しぶしぶウェットスーツを着用するよ。
Flying Broom GTSに騎乗し、そのままエンジン全開で
湖に飛び込むよ。
目標は分かっているからフォルマ・ベンダバールで
加速して一気に入り口へ進むよ
(これ防水性能あるよね。宇宙バイクだし)


フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【SPD】(他猟兵と連携可)
「フォルセティ、男の子だから平気よね」
にっこにこ!

■作戦
ボードで湖へ出て影の追跡者を使いダンジョン位置を探索
アタリをつけたら宇宙バイクで飛び込む!

■行動
ボートで湖上へ。
適当な場所でおもりを付けた釣り糸を垂らし、
影の追跡者の召喚でおもりを追跡させる。
湖底までたどり着いたら視覚を共有し
ダンジョンらしきものが見えないか探る

ダンジョンらしきものが見つかったら、直上の湖面へ移動。
「大丈夫、自重で直ぐに湖底だから」
弟を笑顔で送り出したら、自身もウェットスーツを着用し、
Flying Broom GTRで湖にダイブする
ペガサスの翼で速度を速めて一気にたどり着く



●宝探しは魚釣りに似ている

「ねぇ、フィオ姉ちゃん、本当にやるの?」
「大丈夫大丈夫。フォルセティ、男の子だから平気よね」
 湖面に揺らぐ小舟の上で、そんな会話をする魔術師然とした服装の姉妹、否。姉弟。
 弟のフォルセティ・ソルレスティアは控えめにやりたくないと伝えるが、姉のフィオリナ・ソルレスティアにこにこと有無を言わさぬ様子。それにため息を一つ、諦めて、魔法の箒の具合を確かめる。
 不調でもあれば中止できるのに、などと滅多なことを考えながら。しかし、普段から丁寧に調整している魔法の箒に不具合は一つもなく、このときばかりは自分の仕事が恨めしい。

 こうなれば姉が仕損じてしまえばいいのに。と、そちらの様子をうかがう。小舟の舳先近くから、ふんふんと鼻歌を唄いながら釣り糸を垂らすフィオリナ。もちろん、今日の昼餐を調達しているわけではなく、これが彼女の考案したダンジョン探索作戦。釣り糸のおもりを影の追跡者(シャドウチェイサー)に追跡させ、視覚を共有して湖底の様子を直接伺っているのだ。

「んー、この辺には見当たらないわねぇ。フォルセティ、北に30mほど移動させてくれない?」
「はいはい、ボート漕ぐのもボクの役目だよね。やっぱり」
 小声でぼやきながらも、オールを動かし小舟を移動させる。そこでまた釣り糸を垂らし、当てがなければまた移動。それを数回繰り返し、フォルセティが漕ぎ疲れてきた頃。

「あ、あった!見つけたわよ!」
「あー、やっとかー」
「なによ、なにか言いたいことでもあるのかしら?」
「なにもないよー」
「あら、そう?じゃあ、お待ちかねのダイブの時間よ」

 うへぇ。とは声には出さず、されど表情にはありありと。しかしここまで来たらもはや観念するしか無い、と渋々ウェットスーツに着替えるフォルセティ。

「大丈夫、自重で直ぐに湖底だから」
「そういう問題じゃないんだけど……」

 ダンジョンの場所が見つかれば後はそこまでたどり着く方法が問題である。そこでフィオリナが提案したのが、魔法の箒で加速を付けて一気に湖底まで潜ってしまおうという作戦だ。フォルセティはあまりといえばあまりに乱暴なこの案に反対したものの、自分がなにか対案を出せたわけでもなく、ついでに姉の笑顔の威圧感にそのまま
押し切られてしまったのだ。弟の悲哀である。

「はぁ、わかったよ。先陣切るのはボクだよね」
「そうそう、わかってるじゃない」

 ここまで来たら男は度胸。よし、と気合を入れて魔法の箒に跨る。銘『Flying Broom GTS』Vターボを搭載し、高速性能に優れた、まるで流星のような流線型が美しい、魔法の箒の名を冠した宇宙バイクである。

 エンジンは既に温まっている。後は覚悟を決めるだけ。湖面を滑るように進ませた後、機首を持ち上げ上空へ。十分な高さまで登ったら一度停止し、湖底の目標へと進路を変える。乾いた唇をぺろりと舐めて、浅く呼吸を一回、二回。ええい、侭よとアクセルを撚る。一際大きな声でエンジンが嘶き、矢のように、流星のように湖面へと突き刺さる。

「うん、うまく行ったみたいね。宇宙で使えるからって水中はどうかしらって不安だったけど、問題ないみたい」
 さらりと、弟が聞いたら咎めるようなことを口走りつつ、姉も魔法の箒にて弟の軌跡を辿った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

綿津見神・禮
湖の底の迷宮ですか
「水底の迷宮……どんな迷宮で、なぜ沈んだのか。…うん、じつに浪漫がありますね。」
新しい歌の題材にもなりそうです。一体どんな物語があるのでしょう!本当にダンジョンとは良いものです。

水中なら人魚の出番ですね。【水泳】には自信があるんです。
【波濤の幻想】を使用して水の魔力を纏い、水の抵抗を下げ、水の流れとヒレを使って推進します。このヒレはけして、けして飾りではないんですよ。

無事に入り口を見つけたら、【ロープワーク】を使って水上から迷宮の入口まで紐を張りましょう。
後続の方々の到達が楽になるはずです。ダンジョン内部は水中じゃないみたいですから、人魚の私は支援を重視します。



●人魚は導く
 「水底の迷宮……どんな迷宮で、なぜ沈んだのか。……うん、じつに浪漫がありますね」
 湖面から日光が突き刺さり、きらきらと光る水の中。優雅に鰭をたなびかせ、ゆらりと泳ぐ人魚が一人。まだ見ぬ迷宮に思いを馳せて、たどり着いた者たちがどんな冒険を繰り広げるのか想像の輪を広げ。謡うように微笑む彼女は綿津見神・禮。

 人魚、というか魚の成分が大きなキマイラである彼女は、此度の冒険に自分はうってつけだと考えやって来ていた。さもありなん、来るものを拒む分厚い水の障壁は、しかして人魚を止めることは叶わず、正に水を得た魚とばかりに湖の中を縦横無尽。
 さほども時を掛けることなく、水底に口を開く、神殿のような、遺跡のような建造物を発見する。

「無事発見、です。ふふ、水底に待ち構える迷宮。どんな冒険が、どんな物語があるんでしょう。新しい歌の題材にもなりそうです。あぁ、ワクワクしてきました、ダンジョンって本当にいいものですね」

 さておき、浮かれてばかりはいられない。既に何人かは到達しているかも知れないが、後続のもののために道標を用意しなくては。
 用意していたロープを、迷宮入り口の適当なところにくくりつけ、反対の端を持って進路を一転、水面へと泳ぐ。

 湖面から顔を出し、そういえばこちらの端はどこに止めておこうか、と周りを見渡す。目に入ったのは一艘の小舟。近づいて覗き込んでみれば誰も乗っておらず、釣り竿が放置されているばかり。まさか誰かが落ちたのだろうか。一瞬顔が青くなりかけるが、今日この場にいるのは猟兵だけのはず。ならばこの小舟の主も湖に潜っているはずで、事故で溺れたということではないだろう。

「んー、ではちょっと、使わせてもらいましょうか」
 小舟に上がり、適当なところにロープを結びつける。後は近くに来た者に、ロープをたどって潜るように案内すればいいだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

桑原・こがね
【雷鳴団】で参加!月霞(f00285)とあや(f12190)と3人ね。

雷鳴を轟かせ……るとまずいのかしらね、今回は。
水中で雷を出すのは一人のときは良いけど流石に仲間の近くじゃできないわ。

大きな戦闘はなさそうだけど、一応周りを警戒しながら進みましょう。
というわけでげっかを紐でつないであやと一緒に引っ張って行くわ!
げっかは周りを見張ってね。確認するけど、楽したくて見張りなんて言い出したわけじゃないよね?

いざってときのために、紐はすぐ外すか切るかできるようにしといた方がいいわね。

潜るのは気合でなんとかします!
大丈夫、あたしだから!
団長としてあやには負けていられないわ!


虎熊・月霞
【雷鳴団】のこがね(f03679)とあや(f12190)の二人と一緒にだんじょん探索へしゅっぱぁつ。
 水中だし紫電は出すと危なそうだなぁ……何だか面倒臭いなぁ。やっぱ帰ったらだめ?まぁ引っ張ってってくれるならいいんだけどさぁ。え、紐で?
 まー周囲の警戒はしておくよぉ。別に面倒だからジャナイヨー?警戒はどのみち必要だしぃ?いざとなったら紐を斬って対処しないとねぇ。
 息は気合でまぁ何とかなるでしょ。僕だって泳げない訳でもないし、もしもの時は二人を引っ張っていけるよ。だからこれは体力温存であって決してサボってる訳じゃないんだよぉ?うん、ホントホント。だから二人ともがんばれぇ~。


天道・あや
【雷鳴団】で参加するよ 湖の底のダンジョン!一体どんなお宝があるんだろ!楽しみー!でもダンジョンに行く前にまずは湖の底まで潜らなきゃ!

pow
一緒に行く月寡(f00285)を縄で縛ったあとその縄を腰に付けて歌って鍛えた肺で目一杯息を吸った後湖の底まで団長(f03679)と一緒に月寡を引っ張ってgo!!

待っててね!お宝!あたしがいっちばーん!に見つけるんだから!



●雷鳴は水面に揺れる
 さて、迷宮への道標が示された今、後に続く者たちが考えるべきことは、如何にしてそこまで潜るかということになる。
 ある者は潜水準備を用意して。ある者は魔法を使って。各々自分ができる方法にて湖底へと向かっていた。

 そんな中。ある少女たちが取った方法は。

「え、素潜り?」
「そう、素潜り」
「マジで?」
「大丈夫、歌で鍛えてるから肺活量には自信があるよ!」
「そうではなく」
「大丈夫、あたしだから!」
「説明になってないよね?」

 気合、であった。

 気合。作戦と言える作戦ははぐれないようにお互いの体を紐で結ぶといったことくらいで後は肺活量での勝負を挑みに来ていた。男らしい。三人共年若い少女であったがおそらく今この場において最も男らしい少女たちであった。一人は反対のようだがむしろそっちのほうが正常な反応なのでご容赦いただきたい。

 この少女三人、銀雷の桑原・こがね、電紫幻霧の虎熊・月霞、駆け出し猟兵の天道・あやは雷鳴団という一団だ。その名の通り雷の力を持った猟兵たちである。あやはなんか雷要素ないけどあれだよ、アイドルだし、サウンドソルジャーだし、エレキギターとか使うんだよ。たぶん。
 なお今回は舞台が舞台だけに雷パワーは自重する方向性である。水場で電気を使うと実際危ない。みんな知ってるね。

 さておき。

「やっぱ帰ったらだめ?」
「何言ってるのよここまで来て!」
「そうそう、後は潜るだけだよ」
「その潜るのが問題なんだけど……」
「あ、もしかしてげっか、泳げなかったのかしら」
「いや、泳げないわけじゃないんだけど」
「いいのよ、隠さなくても。そうね、それだとちょっと不安よね」
「不安なのはそういうことではなく」
「そうだ!それなら私と団長で月霞を引っ張っていけばいいんじゃない?」
「名案ね、それなら泳がなくて大丈夫よ!」
「……もう、それでいいか。泳がなくていいなら、楽できそうだし」

 月霞、陥落。元来能天気で怠惰なところのある彼女はこの問答が面倒になってきていた。たぶんダメだろうけどダメならその時考えればいいや。
 だいぶ駄目な感じの思考になってきていたが、これによってオペレーション・気合が正式に実行に移される運びとなった。マジか。

「それじゃー、みんな息を大きく吸ってー」
 あやが音頭を取って潜水準備。それぞれ息を吸い込む。

「これがあたしの想いの乗った重い一撃!どっかーん!!」
「「えっ」」

 あや、飛翔。後に落下。拳から。
 彼女は考えていた。流石に泳ぎでいくには無理があるのでは?と。どのくらいの深さがあるかはわからないが、想像以上に深かったら息が続かないかも知れないし、泳ぎ着かれてしまうかも知れない。
 ならば、ある程度泳がないで深度を稼いでしまえばいいのではないか。

 ある意味天才的なそのひらめきによって及んだこの凶行。あやの狙い通り、勢いと重量により一撃で湖の深くまで突き刺さり、目を開ければ湖底迷宮が見えるほどまで進むことができた。どんだけ。
 
 その後は気合で迷宮まで泳ぎきり、事前に言っていなかったので二人から割とガチ目に怒られたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

マリアブリレ・ニネヴェマスナガ
クッ……ようじょの非力な身体と女王のドレスがジャマして水中でうまく行動できない。
おまけに眼鏡が濡れて気分も最悪だ。
このままでは、このままでは迷宮にたどり着けぬまま終わってしまう。

しかし、眼鏡女王にはお金と権力とお金がある!
「めがね」と「おかね」は紙一重!
ゆえに、お金があればなんでもできるんだ!!

潜った先で、後ろに向けて5000兆円を射出。
マネージェットの反動で湖の底まで一瞬で行くぞ。



●しずむめがね
 マリアブリレ・ニネヴェマスナガは歯噛みしていた。なぜなら女王のドレスが水を思い切り吸って地獄のように身動きが取りづらいからだ。そもそもなんで湖にそんな格好で来たのかと聞きたいが、なんか女王の挟持とかがあるんだろう。
 しかし真に彼女の機嫌を損ねているのはメガネが濡れてレンズがぼんやりしてしまったことだろう。それも割と予想できてたと思うがメガネを外すという発想は彼女五体その全てに存在する余地が無いのだろう。ハイルメガネ、メガネと和解せよ。

 気分が最悪なのでいっそ帰るまで考えたマリアブリレだがここで帰るのも負けを認めたようで気に食わない。故になんとしても迷宮へをたどり着かねばならぬ。
 しかし女王であると同時に幼女であるマリアブリレには湖底まで泳ぎ切る程の体力はない。しかし、しかしだ。力とは体力のみに非ず。体力、腕力、知力、時の運。何かが及ばないのであれば、他の何かで補えば良い。

 そして、眼鏡女王にはお金と権力とお金がある!!
 「めがね」と「おかね」は紙一重!
 ゆえに、お金があればなんでもできるんだ!!

 ……。

 マリアブリレの脳内ではこれらすべてが矛盾なく一つなぎになっている。
 お金があれば何でもできるのはまだわかるがこの文法だとメガネでも何でもできるということになる。まぁ実際そうなんだろう。彼女の中では。

「というわけでお前に、いや、私に投資してやる!『人類最強の共同幻想(エメラダエクイティ)』」

 召喚されたるは5000兆円。5000兆円!?
 えー、大量の札束を射出した勢いにより一気に湖底へを推進するという目論見だ。
 なお5000兆円が全て1万円札だったとしたら総重量は約50万トン。射出した勢いというかたぶん重みで沈んでいる。大丈夫なの?湖底についたら重みで潰されない?っていうか迷宮も埋まっちゃわない?

 ────なんやかんやでなんとかなりました。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『ダンジョンに挑め!』

POW   :    前衛に立って襲い来る敵の排除。罠にハマって踏み潰す役もあり。

SPD   :    罠の感知や気配察知などを行う。敵との戦闘回避も含む。

WIZ   :    後方支援。保存食やユーティリティツールの準備や回復、アイテムの補充などを行う。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●水面を超えて
 様々な方法で湖を潜ってきた猟兵たち。頭を使ったり力技だったりちょっとエキセントリックな方法だったり。
 手段は違えどみんな無事にここまでたどり着いた。
 だが本番はここからだ。湖底にぽっかりと口を当てる迷宮の門をくぐると、そこは水の下の大迷宮。
 湿った空気は少しかび臭く、壁や床は苔むして、通路の奥から水流の音が聞こえてくる。

 さぁ、ここから始まる大冒険、敵を挫き、罠を超え、剣を手に、勇気を心に進むのだ。
霑国・永一
【SPD】
金目のものがあるかもしれないというのは心躍るもんだ。トレジャーハント、トゥームレイダー。いやぁ、たまらないねぇ

オルタナティブ・ダブルを発動させて分身の方に少し先を先行させながら進んでいくよ。罠に対する囮にもなるからねぇ
大丈夫、囮が死んでも代わりは居るもの……ってやつだ
分身『てめぇ覚えてろよ!』
無論【視力】で前方を確認しつつ、移動は【迷彩】【忍び足】駆使して慎重に行くのはデフォだ。敵はなるべく迂回か、必要あれば分身とか使って【おびき寄せ】て死角からダガー使って【暗殺】して静かに手早く始末しておくかな。【だまし討ち】も併用だ
敵の武器も念の為攻撃ついでに盗んでおこう【盗み】【盗み攻撃】



●迷宮には盗賊を
「金目のものがあるかもしれないというのは心躍るもんだ。トレジャーハント、トゥームレイダー。いやぁ、たまらないねぇ」

 薄暗い通路を歩きながらそうそう笑う男が居た。
 霑国・永一。盗賊の技能を持った多重人格者の猟兵であり、金目のものが好きな男であった。

 迷宮には盗賊がよく似合う。そう嘯きながら、一人歩みを進める。
 否、一人ではなかった。まるで呑気なようでいて、その実些かも気を抜かず、敵を罠を警戒して進む永一の数メートル前方。永一と同じような様子で歩いている影が一つ。同じ様子、どころかその人影は、立ち振舞も、衣装も、顔立ちすらも永一とまったく同一で、ただその顔に浮かべる感情だけが違っていた。

 【オルタナティブ・ダブル】、自身の他人格を分身として顕現させる多重人格者の業である。分身がダメージを負っても本体への影響は無いため、罠探知及び、お取り代わりに使っているのだ。

「大丈夫、囮が死んでも代わりは居るもの……ってやつだ。目減りしない駒ってのは便利でたまらないねぇ」
『てめぇ!後で覚えておけよ!』
「お前が消えるまで覚えててやるよ」

 もとが自分とはいえ関係が良好とは限らないのか。がなり立てる分身にへらへらと返事を返す。

 しばらく言い合いながら迷宮を進むと、怒鳴り声に誘われて現れたモンスターが分身と戦い始める。
 その少し前に気配を察知して気配を消して潜んでいた永一はそのままバックスタブ。心臓を貫かれた半魚人のような音を立てて倒れ伏す。
 感慨もなさそうな様子で獲物のナイフを引き抜くと、適当に血を拭い、鞘に収める。半魚人がが取り落とした、三叉の槍を拾い上げ。

「ドロップアイテムゲット、と。まぁあんまり価値もなさそうだけどな。本命のお宝はどこかなぁっと」

 再び通路を歩き出す。その姿は、淡々としながらもこの冒険を楽しんでいるようだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

桑原・こがね
【雷鳴団】で参加!引き続き月霞(f00285)とあや(f12190)と3人!

いやー、びっくりしたけどなんとかなって良かったわ!
気を取り直して探索と行きましょう!

あたし知ってるわ、罠って一回かかると効果なくなるんでしょ?
あたしが先頭で全部踏んでいくから、2人はどんどんついてきて!

あれ、何探してるんだっけ?大蛇?
いるのかなー。蛇のオブリビオンかー。

途中で敵が出てきたら、みんなで力を合わせて突破!
全員の準備が整ったのを確認できたら号令をかけるわ!
今度こそ……雷鳴を轟かせろォ!


天道・あや
【雷鳴団】で参加! ダンジョンに到着っ!引き続き団長(f03679)と月霞(f00285)と一緒にどっか……んは怒られたからどかーん(小声)と奥へGOGO! POW 前団長、真ん中私、後ろ月霞の順番でダンジョンを正面突破!とりあえず何時でも罠や敵が攻めてきても大丈夫なように【サウンドオブパワー】でパワーアップして進む!


虎熊・月霞
【雷鳴団】の二人(f03679)(f12190)と参加するよぉ。
 まずは――って今ずぶ濡れなんだよねぇ。少し乾かしてから行こうよぉ、あわよくば休憩なんかは……無いよねぇ。うん分かってたぁ。

【POW】
隊列は先頭こがね、中列あや、殿は僕で進んでいくよ。罠の解除はこがねに任せておいてぇ、後方からの強襲は僕が気を付けておくよ。――っていうかこがね、罠の解除とか出来るのかな?自分で行くって言ってたから大丈夫とは思うけど……なーんか嫌な予感。うん、何かあったら動けるようにしとこ。



●今こそ雷鳴響かせ
「はぁ、ひどい目にあった」
「いやー、ごめんごめん。ごめんってー」
「いやー、びっくりしたけど、まぁなんとかなって良かったわ!」

 かしまし、かしまし。薄暗く、湿っぽい迷宮の中であろうと、少女が三人集まれば華やかなトークの場である。
 彼女たちは雷鳴団。湖に突入する際のムーブで多少行き違いがあったものの、その程度のトラブルで彼女たちの絆が断ち切られることなどないのである。

「はぁ、まぁいいけどねぇ」
「ごめんねー、次からはちゃんと相談してからやるね!」
「場合によってはやめる選択肢も入れてほしいんだけどねぇ」
「それはともかく!早く行きましょう!なんだっけ、大蛇のオブリビオンを探すのだったかしら」
「一応の目的は財宝ってことだったはずだよ……あー、その前に、今ずぶ濡れだし、ちょっと乾かしてからいこうよぉ」
「えー?のんびりしてたら他の人に先越されちゃうかもよ?」
「別に競争してるわけじゃないんだし……それに、罠とかもあるらしいからねぇ。ついでに作戦なんかも考えておこうよ」
「ふむ、一理あるわね。それじゃ、作戦タイムよ!」

 入口を潜ってすぐの場所で車座になり簡易な焚き火を起こして話し合いを始める少女三人。ちなみに作戦タイムを提案した月霞は、もっともらしいことを言ってあわよくば休憩したいという一心だったとかなんとか。まぁ、話し合うことは悪いことではないので、内心がどうあれ提案自体は妥当であろう。

 閑話休題。

 話し合いの結果、前衛こがね、中衛あや、後衛月霞のフォーメーションで進むこととなった。前後に直接戦闘に優れた人材を置き、中衛はどちらのサポートにも入りやすい、理にかなった陣形だ。
 問題は、迷宮を進むということは、先頭を行くものには罠への対処も求められるということだが……。

「それにしても。こがね、罠の解除とかできたんだね。意外って言ったら悪いけど」
「え?できないわよ?」
「は?」

 思わず後方の警戒を緩めてこがねの方を凝視する月霞。こがねも一旦足を止め、したり顔で言葉を続ける。

「ふふふ、難しく考えすぎなのよ。いい?罠っていうのはね、一回発動させてしまえば効果がなくなるのよ」
「普通は一回でも発動させたらダメなんだけど……えっ、まさか」
「そう、つまりこういうことよ!!」

 月霞が嫌な予感を覚えた刹那。ニヤリと笑ったこがねが、通路に設置されていた、スイッチらしきものを思い切り踏み込む。
 かちり、と何かが動作するような音がしたと思った瞬間、壁の文様に紛れるように巧妙に隠されていた穴から、こがねへと向けて矢が射出され、こがねはそれを当然のような顔をして切り払った。その早業、正に雷鳴のごとし。

「えぇ……」
「おー!さっすが団長!」
「ふふ、ありがとう!ね、来るとわかってる罠なんてどうとでもなるのよ!」

 明らかに床のスイッチの場所までわかってたけどわざと踏む意味はあったの?などと思うが面倒なので口にはしない月霞。言ったところでこの二人が盛り上がり出したらもうこの方向性で突き進むしか無いのだ。
 つまりこのパーティーの進行を止めるものはもう何も居ない。本来ならトラップで止まるものなのだがこがねのフィジカルがそれを許さない。極まった脳筋は道理を殴りつけて引っ込ませるという好例だ。よいこは真似をしないように。

「よーし、それじゃあ最初からパワーアップ使ったほうがいいよね。【サウンドオブパワー】行くよー!」
「あら、いいじゃない。やっぱりBGMがあったほうが盛り上がるわね!」
「これ、敵に位置を教えてるようなものじゃ……来るとわかってる敵なんてどうにでもなるっていいそうだね……」
「ふふ、月霞もわかってきたわね!早速来たわよ、前方に宙に浮いた魚みたいなやつ!」
「オッケー!どっかーん、とGOGO!!」
「やっぱりこうなるのか……はぁ、休みたい」
「気合十分ね!それじゃ……今度こそ、雷鳴を轟かせろォ!!」

 水底の迷宮は静寂とともに。しかし、今日ばかりは雷の如き轟音が響いていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

綿津見神・禮
「わぁ…水中にこんな空間があるなんて……!」
わくわくしますが警戒が必要です。
このダンジョンは水中だというのに水没してません、
つまり水中に在るもの、として設計された可能性があります。
罠としては周囲に潤沢にある水を使用した物、たとえば水に押し流されるトラップ。
もしくは水にぬれた体に効果的な電撃を利用したり、凍てつかせたりする魔法的な物も考えられますね。
ここは【溟海の加護】で身に雷属性を纏って進みましょう。

「でも、トラップが多いなら宝箱も期待できます。楽しみですね。」
あ、でも宝箱とみせてトラップと言うのもよくあるお話です。
【第六感】も頼りに、【野生の勘】も研ぎ澄ませて。
慎重に、慎重に進みましょう。



●水竜、雷魚
「わぁ…水中にこんな空間があるなんて……!」
 迷宮の通路をゆらゆらと泳ぐ影が一つ。黒鱗の人魚、綿津見神・禮だ。
 かの人魚は、その身に魔力をまとい、まるで水の中を魚が泳ぐが如くに、空中を泳ぐ。その魔力は、彼女の一挙手一投足、否、一投鰭とでも言おうか。動作をするごとに、ばちばちと、剣呑な音を立てて紫電を放つ。その姿はまるで、雷嵐を呼ぶ龍のようですらあった。もっとも、本人の気質は、荒ぶる龍とは程遠いものなのであるが。

 禮が雷の魔力を纏って泳いでいるのにはもちろん理由がある。この迷宮は、水底にあってなお、水没しない姿を見せている。つまりは何らかの要因で湖に飲まれたのではなく、もとより水中にあって然るべきと設計された迷宮なのだろう。
 ならば、仕掛けられた罠は潤沢な水を利用したものが予想されるし、内部に居るモンスターも水場に適応した種が多いだろう。
 水属性には雷属性。といった話ではないのだが。実際、水棲モンスターには電気が効果的というのは聞いた話ではあるし、鉄砲水くらいならば雷で弾けさせることができる。

「順調順調。というにはちょっと罠が多いですかねー。でも、トラップが多いなら宝箱も期待できます。楽しみですね」

 人魚は進む。水の中のごとく、宙を泳ぎ、水泡のように、紫電を引いて。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジュディ・スカリー
財宝か。少し貰って帰れればいいかな。

こういうのは静かにすばやくが基本だよね。
罠にも敵にも極力会わないようにひっそり行動。
罠なんてのは大体人が歩くことを前提にしてるんだし、無し踏みでいくらでも避けられるでしょう。

敵を見かけても、自分からは不要に攻撃したりしない方針。
小石でも投げて注意を引けば、比較的安全に通れるんじゃないかな。
それこそ無し踏みで上を通ればより安全だと思うし。
一応戦闘の備えはしておくけどね。

さて、何事もなく無事に通れれば一番だけどうまくいくかな?


ヨー・リドット
罠だけしかないならちょいやばいかなーと思ったけど、敵もいるんだな?
なら、きっと成立するはずだ。俺の考えた作戦が!
……が、がんばって考えたし、作戦って括りでいいはずだ、多分。

【POW】使用
作戦そのイチ!
まず自然の力を纏った【オーラ防御】で、守りを固める!

作戦そのニ!
ずんずん進む! 罠を踏んでもオーラで弾いていくぜ!
この時点で作戦もなにもない気がするが、気にしない! 気にしないぞ!

作戦そのサン!
罠でダメージを受けたり疲れてきたら、オーラが消えちまう!
だからそんなときは、敵を探して【生命力吸収】で敵を倒して回復するぜ!

回復したらまた作戦そのイチから繰り返す!
いくぞっ、探索に必要なのはフィジカルだぜ!



●迷宮の歩き方
「財宝か。少し貰って帰れればいいかな」

 仄暗い迷宮をゆっくりと歩きながら、ジュディ・スカリーはそんなことを呟いた。
 離れたところからは派手な音が聞こえてきたが、彼女の周辺は水底そのもののように静かなものだ。小声で発せられたその言葉は思いの外通路に響いたような気がして、ジュディは思わず足を止め、口を紡ぐ。

 迷宮を進むときは、静かにすばやくひっそりと歩くのが定石である。
 下手に音を立てて、敵に見つかるのは一番避けたい。逃げ場の少ないこの場所で戦闘になれば、最悪多数のモンスターに囲まれてしまうだろう。

 故に、先程の呟きが察知されては居ないかと。ジュディは息を潜めて、聞き耳を立てて、こちらに近づくものは無いかを確かめる。幸い、そう言った物音は聞こえなかった。
 小さく息をつき、ジュディは再び歩きはじめる。周囲への警戒は怠らず、しかし必要以上に慎重になりすぎず、静かに、すばやく足を進める。
 その歩みは軽やかと言ってもいいほどだったが、その足取りの割にはあまりにも無音だった。
 【無し踏み(ネバーステップ)】。空を蹴り進むことで宙を舞う技だ。その特性により、地に足をつけずに進むことで、無音の進行を可能としていた。そして、地に足をつけないということは、床に仕掛けられている大半の罠を回避できるということだ。
 流石に踏破するまでずっと宙に居座ることはできないが、罠への警戒を十数歩ごとに抑えられるだけでも、かなりの時間短縮になる。

 そうして、迷宮を進むことしばし。そう遠くない地点から、何やら騒がしい音がジュディの耳に届く。
 どたばたと、かけずるような音。何かがぶつかる金属音。

(誰かが戦ってる?)

 まず、間違いはないだろう。となれば自分はどうするか。自分の方針からすれば、戦闘があるところに近づくのは躊躇われた。

(かと言って、知らんぷりするのもね)

 少し離れて様子を見るくらいなら、すぐに巻き込まれるということはないだろう。劣勢であれば、加勢することも考える。一応、戦闘の準備もしてあるのだ。

 そう決めれば後は早い。相変わらずの音を立てない足取りで、戦闘が繰り広げられていると思しき場所へと進む。

 が、少し遅かったようだ。

「これで最後だぜ!!」

 ジュディがその場に駆けつけたのと、宙を漂うクラゲのようなモンスターが枝葉の生えた樹木のような剣で叩き切られたのは、ほぼ同時であった。

(おや、余計なお世話だったかな)

 音を立てずに接近したため、モンスターと戦っていた彼、樹木のような様相をしたシャーマンズゴーストは、ジュディに気が付いていないようだった。
 このまま声を掛けるか逡巡するジュディ。このタイミングで声をかけたら、戦ってるところを見物してたかのように思われるかもしれない。

 なんて、考えてるうちに、樹人のようなシャーマンズゴースト、ヨー・リドットは動き出す。とはいえ、そのまま通路をあるき出すのではなく、通路に転がっていたモンスターの亡骸をある程度一箇所に集め出す。

(剥ぎ取りでもするのかな。あんまり価値のあるアイテムとかは持ってなさそうなモンスターだけど)

 転がっているモンスターは先程切り捨てられたクラゲの他には大きな魚のようなものばかり。武器などはもちろん持っていないし、体の部位が高値で取引されるということもないだろう。
 ではなんのために。と首を傾げるジュディ。まさか、食べるわけでもあるまいし、と考えるが。……その、まさかであった。

「よし、こんだけ残ってれば十分だな。いただきまーす!」

 モンスターの亡骸に向けて両手を合わせるヨー。しかしそのままモンスターにかぶりつく、などということはせず、そのままの姿勢で静止している。まるで瞑想でもするように。
 すると、モンスターから淡い光のようなものがふわり、と浮かび上がる。ホタルか、はたまたたんぽぽの綿毛のようにしばしふわふわと漂った後、その光はヨーの体に吸い込まれていった。

「ごちそうさまでした。うん、気力充実、元気百倍ってな!」

 時間にして数分だろうか。どこか神秘的ですらあったその光景が、ヨーの食後の挨拶で終わり、その言葉どおり、ヨーは戦いの後だと言うのに消耗した様子はなく、むしろ活力に溢れた様子であった。そして、そんなヨーの様子とは逆に、モンスターの亡骸はまるで搾り取られたように干からびていた。
 
「さーて、充填も済んだし、探索再開だぜ!待ってろよ財宝!」

 モンスターの生命力を吸収し、気力を回復させたヨーは、先程吸収したそれと似た光を体に灯らせる。しかしそれは吹けば飛んで消えてしまいそうな先ほどのものとは違い、燃えるようにはっきりとしたオーラであった。

「いくぞっ、探索に必要なのはフィジカルだぜ!」

 光を燃やしたまま、通路を駆け出すヨー。前だけを見て全力疾走するその姿は勇ましくはあったが、警戒もなにもあったものではなく。数歩足を進めたところで床に仕込まれていたスイッチを踏み込んでしまう。
 それに連動し、すぐさま天井から槍が突き落とされる。が、その槍はヨーの体を貫く以前、体に纏う光に触れた時点で砕かれる。先程生命力を補充したばかりのヨーのオーラ防御は万全であった。

 そのまま勢いを落とすことなくヨーは迷宮を駆けてゆく。時折罠を踏み越えて、敵と鉢合わせれば、生命力の補充の時間と打ち倒す。
 決して技巧を用いた手法ではないが。確実に迷宮の奥へと進んでいた。

「……あの方法は私には無理だねぇ」

 そして、そんなヨーの背中を見送るジュディ。自分にはできない方法だけれど、彼にはあの方法が最適なのだろう。
 そんな事を考えながら、彼女もまた、自分にあった方法で迷宮の探索を再開する。

 迷宮を進む方法に、これと決まった正解はないのかも知れない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『水の大蛇』

POW   :    水の身体
【液体の身体により】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
SPD   :    口からの水弾
レベル×5本の【水】属性の【弾丸】を放つ。
WIZ   :    身体の復元
【周囲の水を体内に取り込み】【自身の身体を再生】【肥大化を行うこと】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は宇冠・由です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●水底に住まうもの
 あるものは技巧を凝らして、あるものは力を奮い、あるものは魔術の粋を見せ。
 辿った道は違えども、猟兵たちはたどり着く。
 水底の迷宮の、更にまたその奥底に。

 そこにあるのは金銀財宝。あるいは魔法の武具、呪具、巻物、他にもたくさん。

 けれどもまだまだ終わりではない。

 そう、迷宮の奥底には、そこにある宝には。それを守るものもつきものだ。

 さぁ剣を取れ猟兵たちよ。立ちふさがるのは水の大蛇。かのものを打倒し、その手に名誉を財宝を勝ち取るのだ!
虎熊・月霞
【雷鳴団】こがね(f03679)とあや(f12190)の三人で挑戦するよぉ。
だんじょん最奥、佇む水の大蛇。うん、ここの主だよねぇ……あれ倒せばごーるかなぁ?んじゃーサクッと倒しちゃおー。

まぁどーせこがねが突撃始めるだろうし援護に回ろうかなぁ。水の蛇だし雷は効きそうだよねぇ、僕の紫電と合わせて結構いけそう?逆に物理攻撃はあんまり効かなそうかも?近付いて殴る時は気を付けないとねぇ。
あやが歌で援護してくれてるし、どんどん攻めて行ってもいいかもねぇ。僕が言わなくてもこがねはガンガン攻めて行くだろーけどぉ。まぁ合わせて一緒について行こう。一緒ならどうにかなるよ、きっとねぇ。


天道・あや
【雷鳴団】最後まで団長(f03679)と月霞(f00285)と一緒に! いよいよ奥までとう…ちゃく!ってあれがお宝を守るボス!で、デカイ…!でも団長と月霞が一緒ならどんな相手でもどっかーんと倒せる筈!待っててねお宝!今ぱぱっとスネーク倒して手に入れてみせるから!

【Anata ni okuru uta!】で召喚した歌を【サウンドオブパワー】を込めて歌って大蛇を足止め!そして二人をパワーアップ!


桑原・こがね
【雷鳴団】で参加!引き続き月霞(f00285)とあや(f12190)と3人!

おっ、あれがこの洞窟の大将ね。
せっかく団員二人と来てる事だし、見得を切ってから始めましょうか。目立ちたい気持ちが抑えられないし。ちょっと待っててね。

ここは地の果て水の底
財宝守るは水の蛇
天下に轟く名に賭けて
退治てくれよう雷鳴団!

よしよし、おまたせ。いやー、これやっとくと体のキレが違うのよね!

さーて、水。水かー。刀、通じないかな?
銀雷で戦いましょう。雷はよく通すでしょう、きっと!
こう、突っ込んでいって、バリバリって!
よーし、雷鳴を轟かせろォ!



●その雷鳴は戦の号令
 潜り潜りて水の底。そこにまします水の蛇。その正体ははてさて何というものか。神か悪魔かそれともまた違うところにあるものか。命を持った川の流れのように身動き一つするごとにごうごうと音を響かせるそれは、しかし明確な敵意を持って猟兵たちを迎え撃つ。

 いっそ神々しいとまで言えるその威容に相対するのは猟兵たち。その先陣を切ったのは、若々しく、けたたましく、そして、稲妻のように輝かしい少女たちであった。

「いよいよ奥までとうちゃく!ってあれがお宝を守るボス!で、デカイ…!」
「だんじょん最奥、佇む水の大蛇。うん、ここの主だよねぇ」
「ふふん、大将だけあってなかなかの迫力ね!でも私達雷鳴団の敵じゃないわ!」
「いやぁ、普通に手強そうじゃない?」
「大丈夫!団長と月霞が一緒ならどんな相手でもどっかーんと倒せる筈!! 」
「あやまでそんなことを……まぁあれ倒せばゴールみたいだし、サクッと倒しちゃお」

 輝き、轟き、雷鳴団。稲妻のように湖を貫き、閃光のように迷宮を突き進んできたこがね、あや、月霞の3人。今もまた、その名に恥じぬ思い切りの良さにて、水の大蛇へと突撃する!

「あ、ちょっと待って」
「えぇ、このタイミングで?」
「どうしたの団長?」
「いやー、せっかく3人で来たんだし、他の人も居るし、ちょっと見栄張って置きたいなーっていうか、目立ちたいなーっていうか?」
「それ今じゃなきゃダメ?ほら、あの蛇もめっちゃこっち見てるよ。めっちゃ赤い目してるよ。攻撃色だよ」
「そこをなんとか!割とモチベに直結するのよ、こういうのは!」
「まぁまぁ、月霞。団長もこう言ってるし、ちょっとくらい良いんじゃない?」
「私じゃなくてあの蛇が待ってくれるかどうかなんだけど……まぁ、そこまで言うなら」
「ありがと月霞!さすが自慢の団員ね!」
「いいから、早くすませちゃって。他の人も何事かって顔してるから」
「はーい!」

 そんなこんな。いい笑顔で抜刀しつつ、大蛇の前へと歩み出るこがね。
 こほん、と咳払い一つ、意気揚々と刀を振り上げ、大蛇にその切っ先を向ける。

「さぁさぁ、ここは地の果て水の底
 財宝守るは水の蛇
 天下に轟く名に賭けて
 退治てくれよう雷鳴団!」

 朗々と、大河のような水の大蛇が鎮座していてなおまだ余裕のある大部屋に、隅から隅まで響き渡るような大声。しかしがなり立てるようでもなく、発した言葉の一から十までもれなく拾える明朗とした綺麗な声で。それはなるほど、大敵を前に大義を掲げて立ち向かう見事な大見得であった。

 雷鳴団を含め、幾人かの猟兵が大部屋に侵入しても、最奥に鎮座したその赤い瞳で猟兵たちを睨めつけるのみだった大蛇も、その見栄を見て聞いて、彼女たちを明確に脅威だと判断したのか。鎌首もたげて、侵入者を葬らんと動き出す。
 なにかを丸呑みにするように大口を広げ、しかし動作はその真逆。喉奥から吐き出される水の弾丸。幾筋にも別れて広範囲を貫くそれは、まさしく雨の如くだった。
 石畳をえぐるほどの火力、もとい水力。砕けた瓦礫が飛び上がり、水煙が巻き上がる、目を背けたくなるその惨状。命のロウソクの炎が掻き消されてしまうよう。

「よしよし、言いたいこと言えてスッキリしたわ!いやー、これやっとくと体のキレが違うのよね!」

 しかししかして雷鳴団。雷が雨にまいるなんてことはありえないのだ。身のこなし一つで弾雨を切り抜けたこがねは、能天気にもそんなことをのたまった。

「気は済んだみたいだねぇ。それじゃ、今度こそ始めようか」
「おっけー!本番はいりまーす!」

 団長が攻撃にさらされたというのに欠片も心配する素振りを見せない二人。しかしそれは薄情などではなく、こがねに対する信頼なのだろう。

「私はみんなのアイドルだけど、今日だけは特別に一人の為に歌っちゃうよー!まぁ一人じゃないけど細かいことは気にしない!いくよー、今日のナンバー、【Anata ni okuru uta!】!!」

 あやが唄い始める。それは、どこにでもあるような応援歌。しかしその曲は毎回違う、その場に最も適した音楽をその場で奏でる綺想曲。
 今回に置いてのそれは、アイドルらしからぬロックナンバー。エレキギターの旋律が聴くものの心を高揚させる。それはまさしく雷鳴の名にふさわしいと思える曲であった。

「今回は一段と激しい曲だねぇ。うん、ちょっと柄にもなくガンガン行こうって気分かな。こがねは言わなくても行くだろうし」

 その曲を聞いて、ある意味一番影響を受けて居るのは、あるいはこの月霞かもしれなかった。よく言ってマイペースたばからず言えば怠惰気味の彼女が、珍しくやる気の光を目に灯らせていた。
 刀を手に、大蛇へと向けて駆ける。対する大蛇は、先程の弾雨を放った大口をそのままに、月霞を飲み込まんと躍りかかる。
 その動きは激流の如き勢いであったが、その図体が仇となりどうしても大ぶりとなる。紙一重で噛みつきをかわした月霞は、すれ違いざま、大蛇の横腹に刀を突き立てる。だが、文字通り水に突き立てたように、なにかを切ったという手応えはない。しかし───。

「ま、予想通りだよね」

 大蛇に突き刺さした刀から、一瞬視界が焼けるような強烈な閃光が放たれる。刀から大蛇の全身へと伝うように紫電が走り、さしもの大蛇もたまらぬと言った具合にその身を捩らせる。
 【紫電閃刃】一撃を見舞った相手に、更に電光の一閃を放つ技である。

「何となくいつもより威力があったような。あやの歌のおかげかな」
「へへー。もっと褒めていいのよ!」
「良いわ、褒めてあげる!雷鳴の威力が上がるなんて、私達の相性は最高ね!」
「そうだね、団長の言う通り、敵じゃなかったかもしれないね」
「あら、油断はダメよ!効果は抜群でも、まだ倒せたわけじゃないんだから!」

 こがねの言葉通り、水の大蛇は痛手を負ってなお健在。むしろ、手傷を負ったことで怒りを薪に敵意をさらに増大させる。
 だがしかし、その様子を見てなお、三人の少女の心は挫けることなく、大蛇の敵意に呼応するように、士気を高めていく。
 
「さぁ、まだまだあたしのライブは始まったばかりだよ!そうそうにダウンしちゃダメなんだから!」
「やれやれ、やっぱり見た目通りタフだなぁ。まぁ、みんな一緒ならどうにかなるよ、きっとねぇ」
「ふふふ、みんなやる気満々ね!よーし、いくわよ!雷鳴を轟かせろォ!」

 雷鳴団、ここにあり。猟兵たちとと大蛇の戦いはは、かくして輝かしい雷とともに幕を開けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

霑国・永一
【SPD】
ははは、やっぱりお宝は容易くは手に入らないよねぇ。
で、あれば……『俺様が本気を出すしかねぇよなァ?』
狂気の戦鬼を発動、【見切り】【フェイント】【ダッシュ】【逃げ足】を駆使しつつ、水弾を回避しつつ死角より衝撃波を叩き込み続けるようにする。攻撃時は【早業】も使用
基本は弾丸を放つ口を狙うが、口狙いが難しいなら狙う場所は問わない
相手の攻撃に合わせて妨害するように攻撃ぶつけられるなら最高だ
「そうだ!来い!俺様を愉しませろよな!!でなきゃお前の命、すぐ盗んじまうぜ!!ハハハハッ!!」

撃破出来てたら宝は技能使って【盗み】たいなぁ。俺、トレジャーハンターじゃなくてシーフだしねぇ。



●影渡り、鬼は笑う
「ははは、やっぱりお宝は容易くは手に入らないよねぇ」
 迷宮の奥底で、水の大蛇がのたうち回り、稲妻きらめき、水弾が降り注ぐ。まるで御伽話のようなその光景に、霑国・永一は圧倒されていた。

 わかってはいたが、迷宮のボスというものは、なんとも度し難いものだ。その有り様が規格外、およそ人間が相対して良いものではない。
 然るに、ごく普通の、ちょっと盗みが得意なだけの青年である永一が、まともに戦えるものではない。

 それ故に。

『俺様が本気を出すしかねぇよなァ?』

 雰囲気が、変わる。
 普段の気怠げな、あるいは飄々とした態度は消え去り、口角を釣り上げ歯列をギラつかせるような表情に。丁寧だった物腰は、粗暴で乱暴なものとなる。

 鬼が居た。永一のナカに住まう鬼。普段の永一が、物を盗むとするならば、その鬼は、命を盗む存在だった。

『ハハハハッ!俺様がぶち殺してやるぜ!!愉しませなァッッッ!!!!!』

 鬼が駆ける。その手にナイフを握り、目の前の宝を、大蛇の命を盗まんとして。
 投げかけられたその叫声に、大蛇は大儀とばかりに口を開く。放たれるのは驟雨の如き水の弾丸。しかし鬼にはかすりもしない。盗みを纏い、狂気に塗れた鬼の身体能力は、常人のそれとは比べ物になりはしない。放たれたのを見てから躱すような、とても尋常とは思えぬ身のこなしで大蛇へと肉薄する。
 水弾が当たらぬと見るや、大蛇はその巨体にて永一を押しつぶしにかかる。尾を鞭のように振るう。

『そうだ!来い!俺様を愉しませろよな!!でなきゃお前の命、すぐ盗んじまうぜ!!ハハハハッ!!』

 氾濫した大河の濁流にも等しいその攻撃を、有ろう事か永一は正面から受け止めにかかる。手にした獲物は決して大きくはないナイフ一本。そして、水竜そのものである水の大蛇の体を、物理的な要因で受け止めるのはあまりに無謀。普通に考えれば自殺とも取れるその行為。

 しかし。

 その鬼は普通ではなかった。

 大蛇の尾が振るわれるのに合わせ、手にしたナイフを叩きつける。技巧もなく、只々力任せにしか見えないその一撃は。
 大蛇の尾を刳り、砕き、切り裂いた。

 体を削られた大蛇は散らされた水を掻き集め体を修復する。しかし、明らかにサイズが一回りには小さくなり、動きには精細が欠けていた。

『ハ、ハハハハハハハ!残念だったな力比べは俺の勝ちだ、さぁ命をよこしな!ハハハ!ハハハハハハハ!!』
 いまだ戦い続く迷宮の最奥に、鬼の哄笑が木霊していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(共闘可)
「バイクの点検していたら出遅れちゃったよ!」
フィオ姉ちゃんと一緒に水の大蛇と戦うよ

【行動】()内は技能
持ち込んだFlying Broom GTSに騎乗
(騎乗)しての戦闘は得意だよ

フォルマ・ベンダバールで戦闘力を上げて大蛇と対峙
「まずはボクからだね!」
(先制攻撃)でクラロ・デ・ルーナを大蛇の目に叩きつける

フィオ姉ちゃんのアイギスの盾の発動後に
(高速詠唱×全力魔法)でカラミダド・メテオーロを叩きつけるよ
「全部蒸発しちゃえー!」

大蛇の攻撃は(見切り)や(騎乗)でハンドルを切って回避するよ

財宝は何があるのかな。
「やっぱり持ち帰るのは魔法の道具かな」


フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(他猟兵と連携可)
「やはりバイクで潜航するのは良くなかったわね」
バイクのメンテに手間取ったけど、最後の戦闘には間に合いそうね

■作戦
弟と連携しながら先制攻撃→UC相殺→高火力UCのコンボ攻撃で大蛇を倒す

■行動
Flying Broom GTRに騎乗し水の大蛇と戦う[騎乗]

弟の先制攻撃に対する反撃に備え
即座にアイギスの盾を展開して水弾を無効化する
[先制攻撃×高速詠唱]

オートフォーカスで水の大蛇をロックオンしながら
フォルセティのUC発動の後、間髪入れずに
[高速詠唱]でバベルの光を[2回攻撃]にして大蛇を貫く

敵が動かなくなるまでは気を抜かず戦闘態勢を維持



●魔法の箒。箒星
「やはりバイクで潜航するのは良くなかったわね」
「だからやりたくなかったのにー!バイクの点検していたら出遅れちゃったよ!」
「まぁまぁ、間に合いそうだし良いじゃない」

 そんなことを言い合いながら、迷宮最奥の大部屋に、魔法の箒に跨って飛び込んできた二人の姉妹、いやさ姉弟。
 フォルセティ・ソルレスティアにフィオリナ・ソルレスティアだ。魔法の箒と言う名の宇宙バイクで湖に飛び込んだは良いものの、やはりと言うかなんというか、機械に水が入り込んでいないか点検するはめになっていた。
 それにだいぶ時間は取られたが、迷宮自体は魔法の箒で文字通り飛び抜けて来たので、決戦にはなんとかギリギリ間に合った。

「って、もうぼろぼろじゃないか!」
「あら、楽ができていいじゃない」
「そういう問題じゃないんだけどなー」
「いいからいいから、とにかく作戦通りに行くわよ」
「はいはい。それじゃ、まずはボクからだね。クラロ・デ・ルーナ!」

 雷撃で穿たれ、打撃で砕かれ、水の大蛇は満身創痍となっていた。しかしそれでも迷宮の主としての有り様はまるで揺るがず。しかし、まったくの意識外から飛び込んできた新たな闖入者へすぐさま意識を向けるには、些か消耗が過ぎていた。
 月明かりの名を冠したフォルセティの魔術。輝くエネルギー波を、大蛇は躱せない。だが、だからといってそこで終わるほど、迷宮の主というのは伊達ではない。躱せなくとも、同時に侵入者を斃せれば良い。そういった意思を感じさせるように、この戦闘で幾度目かになるかもわからない水弾を、姉弟目掛け放つ。
 着弾はほぼ同時。石畳が捲れ上がり、水煙が一面を覆う。一瞬の静寂。猟兵たちも、視界を奪われ、攻めあぐねる。

 水の大蛇はその隙に、戦闘中に飛び散った水を掻き集めて体の修復を図った。その瞳に、水煙の奥に、光り輝く何者かの存在が映る。

「うーん、ボロボロだったし、あれで仕留められるかなって思ったんだけどね。そう甘くはないか」
「でも回復し始めたってことは限界が近いのよ。さぁ、どんどん畳み掛けるわよ」

 並び立つ魔術師二人。その眼前に展開された光の盾、フィオリナの防御魔術、アイギスの盾が水弾を余さず受け止めていた。
 その姿を認識し、再攻撃をしようとする大蛇。しかし、回復の最中に別の行動を取るのにはどうしても一瞬の遅れが生じる。そして、その遅れは、フォルセティの鍛え上げられた高速詠唱で次の魔術を開放するのに十分すぎる隙となる。

「『悠久に揺蕩う無限の星屑よ。星柩満ちて此へ集うは漆黒の紅炎』!全部蒸発しちゃえ!【カラミダド・メテオーロ】ッ!!!」

 それは、星を砕く災い。いかなる国、いかなる世界、いかなる種族に等しく破壊を齎す天よりの打撃。
 フォルセティが開放した莫大な魔力は、灼熱を纏う巨大な隕石となり、水の大蛇を押しつぶした。

「よーし、決まったね!」
「油断しない!仕留めたと思った瞬間が一番危ないのよ」

 誰がどう見ても決定的な一撃だったが、そもそもが実態など無いような相手。全身を砕いても倒しきれたと確信するには至らず。故に、フィオリナはダメ押しを畳み掛ける。

「貫け、バベルの光よ!!徹底的に、確実にね!」

 フォルセティに負けず劣らずの高速詠唱。しかし、それは攻撃魔法ではなく、空間魔法。水底と、どこか遠くの点を繋げるゲートを生成。そこから解き放たれたのは、何もかもを白く染める光の奔流。
 それは叡智の光。天高く鎮座する人工の星から放たれる高出力レーザー。砕かれた瓦礫がガラス化するほどの超高温により、今度こそ間違いなく、水の大蛇は一欠片も残さずに蒸発した。

 ────無茶をしないでいただきたい。

 斯くて、水の大蛇は退けられ、後はお楽しみのお宝見分。
 そこにあるのはなんなるか。数えきれない金貨の山か、偉大な魔道士の残した魔法の品か、物語に伝わる英雄が奮った大業物か。

 そして何よりかけがえのない、水の底での冒険譚(アドベンチャーログ)

─完─

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月27日


挿絵イラスト