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悪女の悪銭ぶちまけろ

#デビルキングワールド #プレイング受付中

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#デビルキングワールド
#プレイング受付中


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●3、2、1、(持金が)ゼロ♪ぜロ♪ゼロ♪
「いっぱい出しちゃいましたね~」
 じゃらり。男の両手に握られていた『それ』を女は満足気様子で受取り袋に入れた。
「たっぷりのDをありがとうございますぅ。どろっどろであーんでそーんな願い夢の中でたっぷり叶えてあげましたから、その分対価のDを頂くわたしってとっても」
「お、お、お姉さんの合法的D搾取しゅごいワルれすぅ!」
 悪。男が口にした単語に女の頬は染まり、呼吸の熱と湿り気は高まっていき──。

 プルルルル……。

 女は持っていた絵本をぱたんと閉じ懐にあるスマホに手を伸ばす。
「回収終わりました。全財産らしいですが……ええ、強盗で」
 未だ夢の中にいる男に女はそのまま顔を向ける。
「次は銀行屋さんに強盗してお金持ってきてね♪」
「強盗……ひ、ひひ。俺、悪だぜ……」
「うんうん。すごーい悪です。それじゃあ『もう帰っていいから』ね」
 冷め切った声で女が告げるとふらふらとした足取りで男は去っていく。

「ぜーんぶエンプーサ様のおかげですよぉ。もっともーっとDを集める悪女になりますねぇ……♪」
 女は笑みを深める。
「悪魔ちゃん……悪魔ちゃんにもっとDを……」
 男も笑っていた。

 デラックスメニー銀行スリープタウン支店に強盗が入ったニュースが後日デビルキングワールドの一部のテレビから流れたという。

●グリモアベース
「お金をため込む悪いおなごには悪い手段で強奪タイムじゃー!」
 グリモアベースにグリモア猟兵氷長・霰の声が響く。集まった猟兵を前に彼女は説明を始めた。

 善良すぎる心を持つが故に絶滅寸前に陥った過去を持つ悪魔の住まう世界デビルキングワールド。現在は悪を善行とする「デビルキング法」の下に悪事を行うことで彼らの生活は成り立っている。
 真面目な者達が真面目に悪事を働いている世界に『躊躇なく悪事を働く』オブリビオンが活動している。なんと悪魔達はカリスマ的存在であるとオブリビオンを受け入れてしまい、より一層悪事に手を染めているというのだ。

「わらわが予知したのは夢を喰らうオブリビオンに協力しているおなごの悪魔達じゃ」
 霰の手元にあるグリモアが回転し、グリモアベースの景色が変わる。
 中世ヨーロッパにありそうな豪奢な屋敷。
 大広間のあちこちにクッションが並べられそこに体を横たえる女性達。共に身を沈めている悪魔達に読み聞かせをしているように絵本を開く。
「彼女らは他者の願いを叶えることで堕落と破滅を招く『願望器の悪魔』。今はオブリビオン『夢魔エンプーサ』の命を受けスリープタウンの屋敷に住民たちを招き入れ夢と……この世界にとって大切な『金』を巻き上げている」
 デビルキングワールドで用いられている通貨『D(デビル)』。
「このD。大量に集めればカタストロフ級の儀式魔術を発動させることが出来る。今やスリープタウンで流通している8割のDが屋敷に集められておる」
 これ以上Dが集まれば世界の終わりの引き金は確実に引かれる。
 その上デビルキングワールドの住民たちは一人一人が『猟兵に匹敵する強大なユーベルコード使い』であると霰は付け足し。
 猟兵力でDを回収、否、『強奪』してほしいと頭を下げた。

「夢魔エンプーサは集めたDを自らの部屋に集めているようじゃが、そこは屋敷の最深部。まず屋敷に侵入する必要がある」
 屋敷には多数の『願望器の悪魔』が滞在している。
「正面から殴り込みなんて事をすれば袋叩きにされると思うぞ。そもそも彼女達はデビルキングワールドの住民であってオブリビオンではないのじゃ」
 数多く、オブリビオンを肯定し、力も猟兵に匹敵する彼女達との交戦は避けた方がいいだろう。
「こっそり侵入するかいっそ罠にかかったふりをして願望器の悪魔と戯れるのもありかのう」
 何らかの方法で悪魔を出し抜くことが出来れば今や大富豪と化しているオブリビオンの元に辿り着くはずだ。
「夢魔エンプーサは夢を力とする存在。眠りに落ち無防備なその魂を嬲り拷問し魂を搾り取る」
 目の前に現れた生贄に秘めたる欲望の問いかけ拘束、拷問具で魂を抉り取り、夢に墜ち『現実を忘れたい』と贄が口を開けば覚めない夢への誘う。
 金と欲望が渦巻く屋敷。悪事を働くにはうってつけの舞台だ。

 ぱん。霰は軽く手を打ち合わせ笑う。
「新たな世界では悪事こそ美徳。オブリビオンを倒し残されたDは使い切ってしまえばいいのじゃー!」
 悪銭を一晩で使い切るという大悪事。
 毒々しい色の食事や酒、蠱惑的な踊りにパフォーマンスが繰り広げられる悪魔の宴は願望器の悪魔も大喜びするであろう。
「デビルコーラ一気飲みとか超デビル高級寿司の出前とか……まあ、こう、パーッと騒ぐのは悪じゃ!」

 悪は正義で美徳。悪事は最高でクール。
 新世界デビルキングワールドへの召喚ゲートがグリモア猟兵によって開かれた。


硅孔雀
 ここまで読んでいただきましてありがとうございます。
 硅孔雀です。
 新世界デビルキングワールドでとっても悪いことしちゃいましょう。
 悪い大金持ちから金を強奪する最高にクールでホットでスタイリッシュでバリバリに。

●注意
 デビルキングワールドでは「悪いこと=最高」な価値観です。PCさんのRP的にNGという事項があればその旨の記載があると大変助かります。
 集団戦では「魔界の一般住民」との対峙になります。惨たらしく倒すような描写は出来かねます(個人的な区切りとして切断からそれ以上はNGかなと)。
 斬ったり叩いたり吹っ飛ばすのは魔界の悪魔の悪魔さん頑丈ですので全然OKです。

●構成
 第1章:集団戦『願望器の悪魔』
 魔界の一般住民である悪魔さんの集団がオープニングにありました屋敷の中、外に沢山います。フラグメントは集団戦ですが戦闘ではありません(👑が7と少なめです)
 屋敷の見回りや休憩をしているので自由な発想で悪魔達を出し抜いて大富豪なオブリビオンの元に近づいてください。
 繰り返しになりますが、過度に残虐な交戦を目的としたプレイングは採用できかねます。

 第2章:ボス戦『夢魔エンプーサ』
 屋敷の最深部、根城の部屋には高く積み上げられた金(D)の塔が沢山あります。
 戦闘の際は金が飛び交います。そんな中でのオブリビオン退治です。
 ボスはオブリビオンなので遠慮なくぶっころでOKです。根こそぎ頂きじゃー!

 第3章:日常『悪魔の宴』
 オブリビオンから強奪した大金を一夜にして使い切る盛大な宴の始まりです。
 あんなにあった金を1晩で使い切るなんて最高に悪(ワル)だぜー!と現地の悪魔さん達も混ざり猟兵の皆様を尊敬する感じのパート。
 詳細は断章にて説明します。

●その他
 どの章からでもご参加いただけます。
 悪=かっこいい世界観でのシナリオですが未成年の飲酒・喫煙描写はNGです。
 文字数の節約やアドリブについてはMSページに記載があります。お手数ではございますが目を通して頂けると幸いです。
 執筆状況についてはタグ、MSページ等にて随時更新いたします。

 それでは、皆様の素敵なピカレスクをお待ちしております!
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第1章 集団戦 『願望器の悪魔』

POW   :    汝が為したいように為すがよい
【飛び出す絵本】から、対象の【欲望を満たしたい】という願いを叶える【願望器】を創造する。[願望器]をうまく使わないと願いは叶わない。
SPD   :    あなたを受け入れましょう
【飛び出す絵本】から、対象の【承認欲求を満たしたい】という願いを叶える【願望器】を創造する。[願望器]をうまく使わないと願いは叶わない。
WIZ   :    いいのですよ、好きなことだけしていても
【飛び出す絵本】から、対象の【癒やされたい】という願いを叶える【願望器】を創造する。[願望器]をうまく使わないと願いは叶わない。
👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●欲望と悪徳が交差する箱庭のような悪魔の屋敷。
 転送ゲートの先にはデビルキングワールド・スリープタウン。
 毒々しいネオンや喧しい騒音は遥か彼方に広がり、目の前には大きな屋敷。
 ──門らしき白い壁には『喧嘩上等』『かかってこいや!』『■■の絵(自主規制)』等がスプレーで描かれていて、ところどころぶち壊されている。

「今日は外から新規4人連れてきたよ~。悪魔悪魔詐欺が成功したんだって~」
「凄いね。わたしなんて悪女らしくスパッツ履いて『スカートの中は実は厚着でした。残念見えません!』作戦を決行したらかえって喜ばれたよ。うう、悪じゃなくて良い行いだった……」
「あはは。つい他の悪魔の願いを叶えたくなるのがあたし達だしねー。Dと悪夢はエンプーサ様に!」
「「「悪女の名と栄光は私達に!」」」
 ある悪魔は清楚系、ある悪魔は蠱惑的、ある悪魔は不思議ちゃん系。

 彼女達願望器の悪魔は猟兵達のには気が付かず、壊れた門から屋敷に入る。
 しかし、兵達は今までの経験からかあるいは無意識の内に周囲の状況を察したのか門やその奥の屋敷へと目を向ける。
 
 監視されているかのような、視線と殺気が猟兵の肌を貫いた。

「ふふふ♪ 今日も見回りの仕事がんばりまーす♪」


※願望器の悪魔の個性は千差万別です。こんな悪魔ちゃんいたらいいな見たいなご指名がありましたら登場させる予定です。
 ただし、皆「客」に対しては友好的ですが「侵入する存在」に対してはかなり警戒心を抱いています。
フェリリアンヌ・カステル


あら、悪女ですって?
いいですわよ。見せてあげますわ、本当の悪女ぱわー、もとい演技力を!

悠々と、余裕ぶって見回りの一人に話しかけますわ
出来るだけ御しやすそうな者だと好ましいですわね
話術を駆使して欺いてやりますわ

――わたくし、ここの主、エンプーサ様に招かれて来ましたの
商取引のためですわ。あなたたちのためにもお洋服などが入用らしくて。
彼女の元までご案内いただけないかしら。

そんな話、聞いてないですって?
まあ、気まぐれなところもある方ですからね
それとも"手順"が必要ですか?
袖の下……よろしくて? あなたたちの求めるDですわ
うふふ、最高にワルでしょう? それでは、案内してくださいますか?



 世界を渡り歩く旅商人フェリリアンヌ・カステル(地獄の沙汰も・f26579)は悠々と、堂々と、デビルキングワールドを闊歩していく。
(「悪女、ですか。ならば見せてあげますわ、本当の悪女ぱわー、もとい演技力を!」)

 屋敷の中。フェリリアンヌは自ら見回り中の願望器の悪魔に声をかける。
「ごきげんよう。わたくし、ここの主、エンプーサ様に招かれて来ましたの」
「あ、あの、お客様!?」
 愛らしい雰囲気の悪魔の声色には緊張感と警戒心が滲んでいる。
「なんでもあなたたちのためにもお洋服などが入用らしくて、商取引のために」
「まあ」
 悪魔は改めてフェリリアンヌの姿を確認する。
 流れる紫の髪、白磁の肌、気品あふれる佇まい。
 自分達にDを捧げるしょぼくれた並み悪魔とは明らかに違うオーラ──金色に違いない──を纏った女性だ。
「で、ですが、今日はそういったお話」「あら、『そんな話、聞いてないです』でしょうか?」
「ひう!」
「気まぐれなところもある方ですからお話が通っていないのも仕方ありませんね。残念ですわ、頼まれたDの回収計画書も出来上がりましたのに……」
 フェリリアンヌの金の瞳はどこか楽しそうに細められ、
「もしかして客人であるわたくしにも"手順"が必要、だったりと?」
 困惑する悪魔へと一歩詰め寄る。
「て、手順?」
「随分可愛らしく袖の下をお求めになる方なのですわね、……あなたたちの求めるD、用意してありますの」
 フェリリアンヌの豊かな肢体を包み込む【ロングコヲト】の膨らみに手を伸ばす。
 袖の下、賄賂。Dが手に入る未来に悪魔が目を輝かせ、ぶんぶんと首を振った。
「前金はいらないですよ」
「あら、Dを持っているか確かめなくていいのですか?」
「貴方みたいな素敵なワルの女性に失礼なこと出来ません」
 緊張も警戒もすっかり解けた様子の悪魔は、しかし、笑みの向こうに隠された彼女の真意を見抜く事はなかった。

「わたくし、見目と金稼ぎの才には自信がありましてよ。彼女の元までご案内いただけないかしら」
「はい、案内します!」
(「"素直"な子を選ぶのもまた才。うふふ、最高にワルでしょう?」)
 悪魔と出会った時からユーベルコード:商売人の話術(ショウバイニンノワジュツ)は発動していた。
 他者との交流、話術──詐欺を成功させるコツは堂々と、自信をもって行うこと。商売人を「信頼」してしまった哀れな悪魔を悪女は弄ぶ。実にワルい。
 求むるものの在処を示す魔眼、額の第三の眼は道案内する悪魔が歩む廊下の奥をじっと見据える。


「素敵な商売が始められそう。ですわね」
 これは本心だ、と金の瞳の商売人は楽し気に歩みを進めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロベリア・アナスタシア
(アドリブ絡み歓迎、暴力・グロ以外で)
……要するに残虐行為を除いた「悪い(イケない)事」をすれば
悪魔達にも歓迎されるのね?それなら大得意♪(ニッコリ)

実に背徳的な【普段着(!)】の儘、敵意を見せずに願望機ちゃんに
会いに行って、『イケない事がシたい』なんて誘惑♪
願望機ちゃん達の思い思いに私の肢体を嬲って貰うの❤

でも、絵本の夢じゃ面白みもなく……。
10分ぐらいで「飽きた」と言いながら起きて、願望機ちゃん本体に
媚薬(UC)を飲ませ、本当の『淫徳』を教えてあげるわ。
凄くイケなくて気持ちいいわよ❤

十分蕩かせたら、「私も貴方の主様の下で悪い事したいな♪」
なんて言い、エンプーサの元まで誘導されるわ♪



「あの……お風呂場……行きます?」
 願望器の悪魔は現れたロベリア・アナスタシア(『快楽』と『影』と『媚薬』を司る美魔嬢・f23913)に困惑していた。豊満な肉体を最低限の布で覆っている女性に声をかけられたと思ったら抱き着かれているのだ。実に背徳的。
「いいわね、イケない事がシたかったのよ♪」
 すりすりとロベリアは太ももと胸の膨らみを悪魔を押し付け、耳元で囁く。
「願望機ちゃんの思うままに嬲ってもらいたいな❤」
「ひう! わ、私の夢の力を見せてあげます」
 悪魔とロベリアは暗がりへと消えていった。

 10分後。密室には女達の湿った息切れ音が木霊する。
「はぁ、はぁ……なんですか」
「……」
「私の願望器、覚えた技も全部見せたのに……」
「……」
(「どれもこれも中途半端。絵本の夢に面白さを感じるわけないわよね」)
「飽きた」
「ひう!」
 起き上がるロベリアの体はバラ色に染まりながらも向ける瞳はどこか冷たい。
「風呂場なら洗い流せるし丁度いいわ。次は私の番、ね」
 悪魔がロベリアの声に反応する前に唇が重ねられる。甘ったるい匂いと、痺れと、水の音。
「私の服を脱がせるレベルに達していない願望器ちゃんにプレゼントよ❤」
 ユーベルコード:魔嬢の即席調合術(クイック・フォーミュレイション)で的確に【魔女のポーションキット】から調合されたそれは、悪魔とロベリア両者の体を蕩かす。
「ぁ、ゃ、体、体熱い……!」
「ワルいことは長く楽しむのが一番……凄くイケなくて気持ちいいわよ❤」
 ロベリアの指が妖しくうねる。
「やだ、やだやだ……ぁ……!?」

 約2時間後。風呂場に木霊していた嬌声はもはや悲鳴へと変わり、尚止まない。
「願望を叶えるほうなのに、ずっとお願いばっかりねぇ」
「も、もう……これ以上は……」
 妖艶な笑みを浮かべ、ロベリアが耳元に顔を寄せると悪魔は涙を流し、のけぞり、バラ色の悲鳴を上げる。
「どう、本当の『淫徳』の味は?」
「しゃいこう、しゃいこうでしゅ!」
「悪い子になったわね。ねえ、私も貴方の主様の下で悪い事したいな♪」
 ロベリアが魅せた淫徳に悪魔は陥落していた。
「エンプーサ様にお会いになりたいのですか。ご案内しま……あ!」
 生まれたての小鹿のように震えながら立つ悪魔の腰に手をまわしながらロベリアは彼女の体重を支え。
「誘導お願いするわね。ふふ、その痴態を皆に見てもらいましょう」
「そ、そんなぁ……」
「大丈夫。願望器ちゃんが受け止めきれない欲望は」
 私が受け入れる、と淫らな魔嬢は囁く。

 二人が案内された場所に辿り着くまでに艶やかな声は屋敷に響き続けたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ
美少女もお宝も全部ぴゅあの物〜♪

UCで土地の支配権を奪ってピュアの領土化〜♪
悪魔ちゃん達は魅了して清楚系も蠱惑的もふしぎちゃんも全員、ぴゅあの信者にしちゃえ〜♪

1番可愛くて胸が大きい子に超濃厚キスでぴゅあの唾液を飲ませてイケない気分にさせてあげるね〜♪
姫冠を使って「全員今すぐここでパンツとブラ脱いで♡もちろんスパッツもね♪」ってお願い(命令)するよ〜♪
脱いだら奪ってぴゅあの宝物入り〜♡

刻淫を刻んで髪も瞳も翼もぴゅあ色に染めてあげるね〜♪
もうぴゅあ無しじゃ生きられないように、邪神の果ての無い欲望と淫魔の姫の神テクニックを、全員の身体に直接教え込んであげる〜♡

じゃ♪皆の元ご主人様まで案内してね〜♪



「かわいい子がいっぱい♪ 美少女もお宝も全部ぴゅあの物♪」
 明るく元気に高らかに純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ(永遠に無垢なる幼く淫らな魔貌の邪神姫【百合淫魔】・f30297)は周囲を見回す。
「これからこのお屋敷はぴゅあのものだからね~♪ 領土の支配権貰っちゃう♪
 皆の信仰がぴゅあの力になるんだよ♪ これから毎日拝んでね♡」
 ユーベルコード:【召喚】純真なる黄金像(サモン・ゴールデンピュアニカ)が発動する。ピュアニカの立つ地に突如として現れるのは魂や感情を捕食し魅了の力を放つ黄金邪神像だ。
「え、なに!?」
 それを見てしまった、感じてしまった悪魔達の脳に刺激が流れ込む。
 目を閉じても、耳を塞いでも、それは脳から入り込み──。

「今日から屋敷もみんなもぴゅあの物、だよ♪」
 ピンクの瞳を潤ませ邪神はくすくすと楽し気に君臨していた。

「それじゃあいただきま~す♪」
 一番かわいいあなたとピュアニカが願望器の悪魔を引き寄せる。顔をうずめてもまだ溢れる豊かな乳房を弄び、その柔らかさを堪能し。
「……ん、あ、その……む、ううっ!」
 唇が重なり舌が侵入する。愛らしい顔から想像もつかないと荒々しさでピュアニカは悪魔を征服する。唾液をたっぷりと流し込み。
「……む、う、ぁ、あっ!?」
「気持ちよくなったでしょ~♪」
「……あ、あつい、からふぁ」
 ぷは、と息を吐きピュアニカは頭上の【幼淫魔姫の姫冠】を撫で、悪魔達を見回す。
「それじゃあ全員今すぐここでパンツとブラ脱いで♡ もちろんスパッツもね♪」
 羞恥に顔を染める悪魔達はそれでも次に訪れる快楽を期待し服に手を伸ばす。
「うわあ、可愛いね ぴゅあの宝物入り♡」

 数刻後。
 桃色の羽を広げた願望器の悪魔達の頬をピュアニカは撫でていた。瞳も翼も邪神たる淫魔の姫より与えられたピンクに染まり、うっとりとした顔で熱い体を主人に捧げる悪魔達。淫魔の姫は一糸纏わぬ悪魔の下腹部に刻まれた刻淫を撫でる。
「ん、ゃ♡」
「すっかりワルだね~」
「最高でしゅ♡ ご主人様なしではもう息もできません♡」
「ぴゅあ色に染まってかわいい♪ 大丈夫、全員の体にたっぷり直接欲を教え込んであげる~♪ もっと気持ちよくなりたいなら皆の元ご主人様まで案内してね~♪」
 悪魔達はエンプーサの存在などとうに過去のものにしていた。あえぎ声をあげながら、足をがくがくと震わせながら、悪魔達はピュアニカを先導する。

 快楽の虜になった一団と淫魔の姫は欲望の海を切り裂きオブリビオンの元へ向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『夢魔エンプーサ』

POW   :    妖艶なる拷問具
【夢魔の魔力】を籠めた【拷問具】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【魂】のみを攻撃する。
SPD   :    秘めたる欲望の問いかけ
質問と共に【対象を拘束する拷問具】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
WIZ   :    覚めない夢への誘い
【夢魔の魔力】から、対象の【現実を忘れたい】という願いを叶える【拷問具】を創造する。[拷問具]をうまく使わないと願いは叶わない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●雑誌の裏広告あるあるバスタブいっぱいの札束の海的な
 願望器の悪魔達の案内で猟兵達は屋敷の奥へと進む。
 屋敷の中でも一際目立つ大きな扉は開かれ──眩い輝きが漏れ出す。

「何かあったの~?」
 キングサイズのベッドで寝ていた夢魔エンプーサが起きたのか、眠たげな声が響く。彼女が身を横たえるベッドに、ベッドに置かれている床に、ありとあらゆる場所にDを積み上げた塔が立っていた。よく観察してみるとシーツの上には紙幣状のDが敷物のように敷き詰められている。
「Dに包まれて一儲けした勝ち組スタイルの夢を見ていたのになんなのよぉ?」
 既に猟兵達の味方である願望器の悪魔達がそっと呟く。
「彼女が夢魔エンプーサさ……エンプーサです。悪夢の中で拷問をするすっごい悪な方……奴です」
 元々悪を貫くには真面目すぎたルキングワールドの住民達を魅了する程にサディスティックな悪役夢魔エンプーサ。

「あら、猟兵? も~折角Dを集めたのに邪魔ねえ こわーいお仕置きが必要かしら」
 エンプーサが唸るように告げると空中に禍々しい拷問器が浮かび上がる。
「Dは渡さない、夜も寝たくなくなる恐怖の悪夢でとことん虐めてあげるわよぉ!」

 カタストロフを引き起こすというDは静かに輝く。
 夢魔エンプーサの野望を打ち砕くため『ワル』な猟兵達は身構え──悪が悪と激突する!

●状況
・猟兵の皆様の行動の結果願望器の悪魔達が屋敷の奥まで付いてきました。戦闘に参加しない代わりに護衛等を考慮する必要もありません。猟兵の戦闘ってどんな感じかな?と興味津々。
・部屋中にオブリビオン『夢魔エンプーサ』が集めたD(デビル)が積まれたり散乱しています。
・Dを奪取する、Dを破壊するのはデビルキングワールドの住民である願望器の悪魔達の目には「ワルでかっこいい行為」だと映り歓声が上がります。
フェリリアンヌ・カステル
◎(エロ×)

お招きいただき、感謝いたしますわ
先日お話した件ですが……なんて演技は、もう必要ありませんわね

先手必勝ッ!
魔剣《ディープ・ブルー》を手に飛びかかり、切り裂きます
おまけに【ウィンター・カース】で特別な呪いを刻んであげますわ
うふふ。寒くて堪らないのならば、そのまま醒めない眠りに就いてもよくってよ?
(属性攻撃、切断)

さて、そちらのユーベルコードは……現実を忘れたい?
まったく馬鹿馬鹿しい話ですわ
わたくしの欲するお金は、今この現実にあるというのに!
さぁDを寄越しなさい!
わたくしが、くだらない魔術なぞよりもっともっと有益に使ってあげますわ!!



「お招きいただき、感謝いたしますわ」
 戦闘態勢に入ったオブリビオンを前にフェリリアンヌ・カステル(地獄の沙汰も・f26579)は対照的に優雅な礼で迎える。
「先日お話した件ですが……」
 勿論フェリリアンヌの演技だ。
 そして、彼女は既に分かっている。
(「なんて演技は、もう必要ありませんわね……!」)

「先手必勝ッ!」
 深き蒼の【魔剣《ディープ・ブルー》】──「暗」と「冷」の魔力を宿す──の刃がキラキラ輝くDのそれを反射して美しく照らされる。【ロングコヲト】がばさりと大きく動いた。
「……なによこれ!?」
『逃れられ得ぬ、冬の苦しみを。貴方に差し上げますわ』
 代金もありますしね、とフェリリアンヌは付け足し剣の切先を突き立てる。
 痛みに叫ぶエンプーサの息が白くなり、引き裂かれ飛び散るはずのオブリビオンの黒い瘴気を纏った血が凍る。ユーベルコード:ウィンター・カース(ウィンター・カース)が与えるのは「冷」の呪い。エンプーサが纏っていたDごと周囲を凍らせるように呪いは広がっていくのだ。
「寒い、寒いわああ!」
「うふふ。寒くて堪らないのならば、そのまま醒めない眠りに就いてもよくってよ?」
 手に剣を構え尚フェリリアンヌは優雅に微笑み金の瞳を細める。額にある第三の眼も楽しそうに部屋の中のDを見つめていた。
 その時であった。
「先手は取られたけど、私のフィールドに飲み込めば……!」
「……あら?」
 フェリリアンヌの目の前がぐにゃりと歪む。顔を上げれば、痛みを耐えながらもいやらしい笑みを浮かべるエンプーサ。
「夢の中なら私の方が強いんだからぁ!」
 エンプーサの絶叫と共に、周囲の景色が一変した。

「そちらのユーベルコードは……成程」
 Dだけではなく宝石が、織物が、美術品が増えていく。金銀財宝に埋もれそうになるフェリリアンヌの体。
『Dの力があればいつまでも夢を見られるのよぉ。あらゆる富溢れる世界、もう、現実には帰れないでしょ!』
 あなたはそれを望んでいる、とエンプーサの嗤い声が響く。
『現実を忘れたい……はっ、まったく』
 にやり、とフェリリアンヌの唇の端は上り。
「まったく馬鹿馬鹿しい話ですわ──わたくしの欲するお金は、今この現実にあるというのに!」
 立ち上がり、もう一度剣を振りかざす。眩しく輝く宝石の像を切り払うと、エンプーサの絶叫が響き渡る。
「商売人の前に虚像を出すとはおふざけが過ぎましてよ。現物を目にし、価値を見定めるのがわたくし!」
 虚構など一銭の価値もない。まったくくだらない魔術だと吐き捨てフェリリアンヌの剣はいくつもの軌跡を描く。

「さぁDを寄越しなさい!
 わたくしが、くだらない魔術なぞよりもっともっと有益に使ってあげますわ!!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

忌月・カルタ(サポート)
普段の場合、主人格はカルタが握っています
争いごとは好まず泣き虫で臆病、戦闘の際は治療・補助のみを行い味方(場合によっては敵も)のサポートを行います

主人格であるカルタが願った場合もしくは、相手によってカルタが傷つけられた場合ミヅキが前面に出てきます明るく元気な少女ですが、傷つけた相手には一切の容赦なく殺しにかかります(カルタが止めるのでトドメは刺さない)基本的には血染め十字によって具現化した殺意をナイフにして振るいます

UC・技能は好きなように使って貰って構いません





全世界対応/連携・アドリブ歓迎
細かいところはプロフィール参照お願いします



 Dの塔が崩壊する。轟音と頭上のDが降り注ぐ音の中、夢魔エンプーサは怒りに身を任せ叫んだ。
『あんた達なにするのよぉ!』
「ひっ」
 忌月・カルタ(愛され系ご主人様と過保護な娘達・f30657)は怒気に満ちたオブリビオンの咆哮に青い髪を揺らし思わず後ずさってしまう。
(「うう。話し合いでDを返してもらうのは……できないでしょうか……」)
 ぱちり。とカルタが瞬くとおびえていた顔が、目が、怒りの色に変わった。
(カルタ! あんな相手に譲る必要はないよ!)
 副人格の1人であるミヅキはカルタを守ろうと声を上げる。
(ワタシがちゃんと殺すよ!)
「……やり過ぎはダメだよ?」
(カルタのお願いなら手加減してみる、ね!)
 カルタに願われミヅキの意識がよりはっきりと浮かび上る。
 オブリビオンはいら立ちを隠せない様子で拷問器を掲げ、自分を排除せんと向かってきた。
『さっきからうるさいのよぉ! 覚めない夢の中でおぼれちゃいなさぁい!』
 夢魔の力をDの魔力で増幅させる部屋に魔力の奔流が広がる。
(……! あれは)
 魔力で生まれた風を避けながらミヅキはオブリビオンの手の中にある拷問具が形を変えていることに気が付く。鈍い鉄の色に血錆浮かぶ禍々しいそれはまるで。
(「ひび割れ、欠けた……成程、こちらの心を読み取っているのかな?」)
 ミヅキは冷静に状況を分析し手の中に握る『異端聖女の血染め十字』へと自らの想いを込める。目には目を、暴力には破壊を、容赦なき死を。
(はは、そんな殺意じゃワタシは傷つかない! そして、カルタを悲しませるなら──容赦はしないよ!)
 目の前のオブリビオンを屠る。湧き上がる殺意は夢魔の魔力を遥かに超え、風は先程までとは逆に吹き荒れる。
『な、なんなのよう……ぎゃっ!』
 オブリビオンの頬を掠める一陣の風。悲鳴と共に噴き上げる黒いオブリビオンの血。ナイフにまだ残っているそれを軽く払いながら、ミヅキはにぃ、と笑う。
「ミヅキ……殺すのは、だめ、だよ?」
 心優しい主人格のカルタが浮かび上がり、心配そうに声をかける。いざとなればユーベルコード:血塗れた聖女の奇跡(ブラッディー・マリア)で瀕死のオブリビオンを助けようともする彼女の心の優しさは何よりミヅキ自身が理解している。
(Dを返したくなる程度にはおさえておくよ。大丈夫)
 ミヅキはカルタ──愛しき愛溢れる少女を傷つけることなどしない。倒し、屠り、傷口を広げる相手はオブリビオンだけ。

 ナイフが豪奢なシャンデリアからの光を受けキラキラと輝く。
 オブリビオンが再びDの柱に激突し尚その光と悲鳴がやむことはなかった。 

成功 🔵​🔵​🔴​

藤・美雨(サポート)
私は藤・美雨
デッドマンの猟兵さ
キョンシーじゃない、キョンシー擬きだよ

戦う時は近接攻撃を中心に
強化した肉体で怪力で暴れまわったり
装備した刃物でザクザキ切り込むのが好きかな

死んでいるから怪我にはあんまり執着しない
危なくなればヴォルテックエンジンで自分を叩き起こすからね
負傷は気にせず気力で突っ走るのが好きだよ
その方が楽しい!

でも死んでるからといって人生を楽しんでいない訳じゃない
飲食とかは出来るし好きだよ
綺麗なものや楽しいものに触れるのだって大好きさ

他の猟兵に迷惑をかける行為はしないよ
例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動もしない
気持ちよく勝って帰りたいし!

あとはおまかせ
よろしくお願いするね!



 豪奢に飾り立てられた夢魔エンプーサの部屋は今や荒れ放題。
 紙吹雪のように舞う紙幣のDが一枚藤・美雨(健やか殭屍娘・f29345)の頭の上に落ちる。
「綺麗な部屋に沢山のお金。実にいいね!」
 灰色の瞳を細めながら紅に彩られた唇をにい、と楽し気に歪める。
「それじゃあわるーいオブリビオンさんには退場してもらおうかい」
『何をほざいてるのこの女ぁ!』
 夢魔エンプーサが立ち上がる。オブリビオンたるその体を構成している黒い泥をまき散らしながら向かってくる姿に藤は苦笑した。
「接近戦で仕留めたいけどちょっと汚れるのは嫌だなあ」
 得物である刃【お気に入りの匕首】を取り出し、手に取り、ふうと息を吐き集中する。デッドマンである体を負傷することにはあまり執着はしない。
 すでに止まった鼓動はヴォルテックエンジンを通じ、藤の全身にその魂の衝動をエネルギーに変え凍っていた四肢を突き動かす。
 足場を蹴り、空中から夢魔エンプーサよりはるかに高く飛び上がり、シャンデリアの飾りに手を触れる。
「そおら、っと!」
 強化した肉体は片手一つで藤自身の体を支える。空中を自在に飛び回るがごとくオブリビオンを翻弄しながら、一本一本線をなぞるように刃を振るえばそのたびにオブリビオンは絶叫をあげ猟兵の前に倒れ込む。
『がっ! こ、こうなれば……女! お前の望む願いに溺れて、死になさい!』
 ──お前の願いはなあに?
 拷問具がぐにゃりと歪み、その歪みが空間事夢魔エンプーサをのみ込むように広がる。
(「! 魔術の発動?」)
 藤は夢魔エンプーサの気配を探りながら自らを捕えんと広がる歪みを見つめ考える。夢、欲望、願望。
 ──秘めたる欲望、叶えたくない?
 蠱惑的な声色の問いかけに思わず口を開きたくなる。その衝動に身をゆだね──。
「そう。私は──ここで敵を倒したい!」
『なにっ!』
「あは。一思いにやらせてくれるかい?」
 藤の体を拘束せんと動く拷問器の衝撃を跳ね返すのは、ユーベルコード:九の舞(ノナプル)でより強化された力が重なった斬撃だ。
 自分の体を傷つけんばかりに刃が空間を切り裂き、魔力を解き放った夢魔エンプーサを切り刻む!
「が、ぎゃっ、が! き、きさま、自分の体がどうなって」
「美味しい思いが出来るなら腕の一本くらい安い安い! とね」
 太刀筋の輝きと藤の瞳はらんらんと。斬撃と衝撃がもやを払うように、その煌めきはいつまでも続く。

 絶叫の後の静寂。その場に立つのは一人の猟兵。
「あー気持ちよかった! 気持ちよく勝って狩って帰るのは」
 実に楽しいと黒髪を靡かせ藤は笑った。 勝者を祝福するかのようにDは宙を舞い、降り注ぐ。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜


うわ羨ましっ!
そりゃアタシもDってか金が欲しいよ。
他の奴も勝ち組になりたがるのはしょうがないだろうね。
素直に答えて拷問具から抜け出し、
バスタブいっぱいのDを奪い取ろうと飛び掛かるよ!
……あしらわれる程度に手加減してね。

いいよいいよ、その札束がダメならこっちにも考えがあるよ!
デビキン政府にお願いして、新しくD札刷ってもらうもん!
でもそうすりゃインフレになるかもねぇ、
札束が紙束になるかもねぇ?

もちろん口から出まかせ、でたらめさ。
けれども『コミュ力』を駆使して『言いくるめ』、
本気でそうなりそうに信じさせる。
価値が減るのもDの破壊みたいなもんだろ?
そうして慌てた所を、お仕置きの電撃って寸法さ!



『いい加減にしなさぁい!!』
 拷問器を振るう夢魔エンプーサを躱しながら数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は感嘆交じりに声を上げる。
「うわ、羨ましっ!」
『は、凄いでしょ。じゃあ夢に沈んじゃいなさい!』
 夢魔エンプーサが拷問器を掲げる。黒い雲が生まれたかと思うと巨大な暴風と化し、部屋を飲み込む。
「!?」
 全てが黒に覆われ何も見えない。数宮は夢魔エンプーサの気配を探る。
「……っ!」
 暗闇の中から伸びる無数の黒い糸──拷問器が変化したそれが数宮の足を縛ったのだ。
『随分欲深いのねえ。秘めた欲望の分だけ縛られてなさい。欲望の金の海にいつまでも!』
 数宮は黒い奔流の中を見回す。
 僅かに見える無数の金貨、財宝、豪華な寝具にシャンデリア。
「そりゃアタシもDってか金が欲しいよ。他の奴も勝ち組になりたがるのはしょうがないだろうね」
『へ?』
 しゅるり、と糸が解ける。
「金が欲しいかって聞かれたらああそうですって答えるしかないってこと……さ!」
『ちょ、ちょっと素直すぎじゃ……!』
 自らの欲望に対し正直な心で告白する数宮の前に拷問具はあっさりと解けた。
「そういうわけでDは奪い取らせてもらうよ!」
 呆然とした夢魔エンプーサの瞳に、数宮の姿が映し出されて──。

「こらちょっと逃げるんじゃないよ!」
『超スぺシャル紙幣だけは渡さないの!』
 数宮は両脇にDの詰まったアタッシュケースを抱えた夢魔エンプーサを追いかけては強奪を企てる。軽くあしらっていた夢魔エンプーサも拷問器で足止めができない以上数宮との持久戦に持ち込まれ、ぜえぜえと息を吐きながら逃げる。
「はあ、まったく……いいよいいよ、その札束がダメならこっちにも考えがあるよ!」
 追走の足を止め、腕を組みながらニヤリと数宮は笑った。
『な、なに』

「デビキン政府にお願いして、新しくD札刷ってもらうもん!
 ──あ、でもそうすりゃインフレになるかもねぇ、札束が紙束になるかもねぇ?」

『……あ、あ!』
 夢魔エンプーサの脳裏に浮かぶのはインフレに困る人々の嘆き。両手いっぱいに紙幣はあっても買うものがない。
 ──このDに、価値がなくなる?魔力なくなっちゃう?
『そ、そんなの嫌よ、せっかく貯めたのに!』
(よし乗ってきた!)
 数宮が口から出まかせに紡いだ言葉に乗せたのはユーベルコード:罪暴く言の葉(ディテクティブ・ロイヤー)、言いくるめに更なる説得力を持たせオブリビオンの精神は削られていく。
『Dが只の紙切れになるなんて』
 びゅうびゅうと吹き続ける風が徐々に弱まっていく。
(ビンゴ! Dの価値が無くなれば秘めた力ってのも消えていく……上手く思わせたね!)
 輝いていたDの光を消したのは夢魔エンプーサ。そして、次にDを光らせるのは。
「──あたしの拳、ってね!」
『あ、な、ぎゃああああ!!!』
 電撃を纏った数宮の拳。青白い光に応えるかのようにDはキラキラと猟兵を照らした。

成功 🔵​🔵​🔴​

純・ハイト(サポート)
勝つ事を考えて、自身を含めて全てを駒として考えて手段を択ばずに、使える物全て使って任務に参加して戦う。
エレメンタル・ファンタジアはトラウマはあるが、トラウマよりも敵は全て殲滅と考えているために問題無しに使える。
主にユーベルコードの力で軍隊を操り戦闘を指揮して戦うが、他のユーベルコードが有利に動くならそっちを優先して使う。



 フェアリーの純・ハイト(数の召喚と大魔法を使うフェアリー・f05649)はその黒い瞳で部屋を見渡す。
 穴が開き、ヒビがはいった床に散らばるのは硬貨のD。豪華なベッドやソファーは中身が裂け羽が舞い散っている。
『おのれ……おのれぇ……!』
 うめき声をあげそれでも立ち上がろうとするオブリビオン夢魔エンプーサ。その姿を見下ろす純は口角を上げた。
「戦闘を続行する意思はあるようだな」
『はっ、はは……なめるんじゃぁ、ないわよ!』
「それでこそ殲滅させる価値がある。では、始めるか」
 どこまでも余裕有り気な純に対し怨嗟の絶叫を上げながら襲い掛かるオブリビオン。
 彼女の狂気を食らうかのように新たな狂気が生まれようとしていた。

「どうした。怒りに身を任せるのはいいがかすりもしない」
 夢魔の魔力が篭められた拷問具の攻撃を躱しながら純は笑う。
 猟兵を捕えんと拷問具は姿を変え、狂気を振りまく凶器となって襲い掛かるが純にかすり傷を負わせることすらできない。
『なによぅ!』
 空中を舞いながら純は部屋の中央へと躍り出た。オブリビオンの攻撃で先程確認した以上に部屋は乱雑に、更に硬貨が散らばっている。
「利用しない手はないな」
 純は精神を集中し、高らかに声を上げた。

「呼応せよ! 呼応せよ! 幕開けの時間だ同士達!
眠りから目覚め、我が軍の力を示そうぞ!」

 部屋を震わせたその瞬間、ユーベルコード:幻神大戦・不可思議(サクセンメイ・ゼングントツゲキ)が発動した。

『はは、何よ仲間って……!?』
 夢魔エンプーサはその気配に気が付き振り返る。今、自分と対峙している忌々しい猟兵は1匹だけのはず。
 なのに、なのに。
『どうして……こんな、数がいるのよぉ!』
「いっただろう。我が『軍』だと。お前の集めたその硬貨の輝き、利用させてもらうぞ」
 純とオブリビオンの間には無数の硬貨が散らばっていた。無機物である硬貨が次々と妖精へと姿を変え、指揮官である純の元に集まる。
 膨大な魔力を求めてオブリビオンが蒐集したそれが皮肉にも自身を引き裂く牙へと変貌していく。
「これより戦闘を開始する。全軍、突撃!」
 光り輝くDの力を受け継いだ妖精が線を描きながら鋭く、空を引き裂き魔力を抱いた矢のように突き進む。
『そんな。そんな。こんな所でぇぇぇ!!!!』
 衝撃は一瞬屋敷を突き抜ける。その次に巨大な光と熱──オブリビオンが集めたDを遥かに凌駕する魔力の渦の中心に純は立っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニケ・ブレジニィ
戦闘が終わったのを確認してから、ユーベルコード『桜の癒やし』で『夢魔エンプーサ』の魂を[慰め9]て鎮め、転生出来るよう[祈り8]ます。
「… もう鎮まりたまえ、あなたの名を忘れないように私は憶えておいてあげるから。」

戦闘後の宴会に参加します。
この世界のご馳走やスイーツの数々を遠慮なくいただきます♪

リプレイのために、このキャラクターを自由に扱っていただいて、全く問題はありません。



 夢魔エンプーサは嘆く。
 光に焼かれるオブリビオンの視界に、不意に桜色が映った。
『え』
 ぬくもりが崩壊するオブリビオンの手を包み込む。
「大丈夫」
 猟兵たちの手で討ち取られ、消えていくオブリビオンの手を取ったのは猟兵ニケ・ブレジニィ(桜の精の王子様・f34154)だった。

 オブリビオンの手を優しく握るニケ。その頭部に咲き誇る桜が風に舞う。
「これで終わりではないよ。私がここにいる。だから、あなたが歩む道は消滅ではなく転生」
『転生?』
 オブリビオンは首を傾げた。
「私は桜の精霊。傷つき苦しむその魂を鎮め、転生へと導く存在」
『わたし生まれ変わるのぉ?』
 そうだとニケは答え祈りを込める。いつの間にか部屋に吹く風に桜の花びらがひらひらと混じっていた。
 ニケは唄うように言葉を紡ぐ。
「その魂が慰められ、次の生は祝福に満ちたものに」
『ふぅん。じゃあ次はもーっと綺麗とか最強になっちゃったりする?』
「そう。望み、未来を希望すれば受け入れられる」
 あは、あははは。オブリビオンの笑い声があがる。
『んじゃもうDはいらないわねぇ。思いっきり散財してDを使ってもいいわよ』
 光に溶けていく面積が増え、しかし、オブリビオンはもう怒りや悲しみをみせることはなかった。
「……もう鎮まりたまえ、あなたの名を忘れないように私は憶えておいてあげるから」
 桜色の奔流が勢いを増す。
 ニケのユーベルコード:桜の癒やしでDの魔力が桜へと代わり、オブリビオンを包み込む。
 ざあざあと花びらが音を立てながらオブリビオンの輪郭を包み込み。

「行きましたか。……オブリビオン、その魂に安らぎと、未来への希望を」
 オブリビオンの転生を祈るニケの力に導かれ、桜の花びらは舞い続けた。



 静寂の後、部屋には魔界の住人である願望器の悪魔が雪崩れ込む。
 主人であるオブリビオンが倒され、残されたDをどうするかと議論が始まり──。

「ニケ様にデビル果物盛り入ります~!」
 金の皿の上に盛り付けられた瑞々しい果物達。色とりどりの衣装を纏う願望器の悪魔が甲斐甲斐しくニケの口元へと運ぶ。
「甘いです。こんな素敵なものを一人で食べるなんて悪、ですね」
 この世界での作法を理解したニケは果物を食べながら屋敷の広間を見回す。
 いつの間にか屋敷には近くで商売を営んでいるという悪魔達が自慢の商品を持ち込み売り込みを始めていた。
「この世界にはどのようなご馳走が」
 ニケが口を開くとテーブルの上に次々に料理が並ぶ。
 アラザンが発光するケーキを取り分けてもらい、ホラーチックなティーカップに注がれた真っ赤な飲み物を一口飲む。ニケは口に広がる甘さを堪能する。
 悪魔の世の宴はこうして始まった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『悪魔の宴』

POW   :    飲み食いしまくる

SPD   :    パフォーマンスを楽しむ

WIZ   :    皆で歌ったり踊る

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「「猟兵の皆様ばーっとDを使い切ってください!」」
 夢魔エンプーサによるD収集計画は猟兵達の活躍によりオブリビオンの撃退をもって終わりを迎えた。
 残されたのは部屋を埋め尽くさんばかりに積まれたD。それはカタストロフ級の儀式魔術を発動する鍵となる。
 悪魔の世界でDが集まった。危険。ならばDを再び市場へと流す必要がある。
「宴だ宴!」「歌って踊って食べつくせ!」
 夢を搾取されオブリビオンにDを捧げていた男たちも加わり宴会が始まる。
 暴飲暴食も酒池肉林もデビルキングワールドに生きる住人達にとっては憧れの『悪』である。
 悪魔らしく派手で華美で華麗な宴を!



・屋敷内で宴が始まります。屋敷にため込まれていたDを散在して贅沢というワルな行為を楽しめます。
・オブリビオンを倒しその力を見せつけた最高にクールな『ワル』である猟兵の皆様を悪魔達は尊敬しています。
 希望することがあれば大体のことはきっとできます。
 Dを纏めて焼却処分した方が早くない?と提案されたらさっすが猟兵様はワルっすねー!みたいなノリでOKが出るかと思います。
鬼河原・桔華
●POW

悪魔らしく派手で華美で華麗な宴なぁ…
ま、文化風習は違えど無礼講には変わりねぇだろ
ただ私としちゃあ、どんちゃん騒ぎしねぇと楽しめねぇ性質なんでな
どうせ一夜中で派手に使わねぇとならねぇ泡銭だ
『あやかし百鬼夜行捕物帖』で招集をかけた舎弟らもご相伴に預からせて貰うぜ?

ついでだ
悪魔どもに私らの流儀ってもんを魅せてやろうじゃねぇか
お床側で出口に近い上座の中心に総長の私、その左右には片腕の善童と妙童、下座には古顔から順に新顔といった並びだ
夜会にはもってこいの着物姿に洒落込んで、異国のワルってもんを酒坏を交わし合いながら教えてやろうじゃねぇか

野郎ども、今夜はは無礼講だ
朝まで飲んで踊って騒ごうぜ!



「悪魔らしく派手で華美で華麗な宴なぁ……」
 鬼河原・桔華(仏恥義理獄卒無頼・f29487)は自身に生える角を触りながら考えんでいた。
 幽世の世界に生まれ育った鬼河原の知っている文化と風習は果たしてここデビルキングワールドの住民に受け入れられるだろうか。
(「私としちゃあどんちゃん騒ぎしねぇと楽しめねぇ性質なんでな」)
 酒や食事を持った住民たちがあちこちで宴会の席を作っていく様子を鬼河原は目を細めて観察し、笑う。
 顔を赤らめ歌い踊る住民たち。鬼河原の知る『無礼講』はしっかりとこの世界にもあるのだ──どんちゃん騒ぎしねぇと楽しめねぇ性質の私と実に相性がいい!
「ならばド派手に騒ごうか。どうせ一夜で使わねぇとならねぇ泡銭だ」
 精神を集中し、ユーベルコード:あやかし百鬼夜行捕物帖(アヤカシヒャッキヤギョウトリモノチョウ)を発動する。集まる鬼河原の舎弟の妖怪達とその部下達。そして珍しい一団が来たと興味深げな視線を向けるデビルキングワールドの住民たちを見回し、鬼河原は口を開いた。

「野郎ども、今夜は無礼講だ。朝まで飲んで踊って騒ごうぜ!」

 宴会場を願望器の悪魔達は忙しそうに往復する。
「下座? からじゃなくて総長さんのいる所からお酒とか出すんだって!」
「ずらっと並んでいてかっこいいけど、大変~!」
 宴会場に並んだ座卓には妖怪たちが座っていた。
「お酒の用意ができました~!」「200年物のデビル酒です~!」
 鬼河原の左右、片腕の善童と妙童の近くから酒や料理が置かれ始める。
「随分赤くてきれいな酒だ」
 頭蓋骨を模したグラスに深紅のデビル酒が注がれる。酒に映り込む鬼河原の藍色の髪はふんわりと夜会巻きにされ、煌びやかな金細工が施された簪が映えている。
「あねさん素敵ですー!」
 部下の妖怪達がそう鬼河原を呼んでいるのを覚えたであろうか、あねさんあねさんと言いながら慕ってくる悪魔達に鬼河原は笑顔を返し、グラスを大きく掲げ美酒を飲み干した。
「焼け付く喉越し、地獄に流れる溶岩の風味。いいねえいいねえ。こういう酒は一気に喉の奥に流し込むっていうのがワルの流儀ってものだ!」
 総長に続いて部下の妖怪達も歓声を上げながら酒を飲み干す。豪快に始まった酒宴にワルの精神を感じ取った悪魔は黄色い声を出しながら色とりどりの酒瓶を運び込む。
「綺麗な異国の洋服に美味しいお酒の組み合わせ、ワルの象徴って感じで素敵です!」
「ん、そうかい。夜会にはもってこいの着物を選んで良かった」
 夜に華を添えるように四季の花がデザインされた絵羽模様の着物に釘付け状態の悪魔に悪戯っぽく鬼河原は笑いかけ、手招きをする。
「いい機会だ。異国のワルの証を伝えるため酒坏を交わし合い、といきますか!」
 無礼講だ!
給仕をしていた悪魔達を席に招き、酒を振る舞い、酒宴は続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黄・威龍
●SPD

隣が随分と賑やかになってきたな
喧騒を肴にして、こっちも楽しもうぜ

有り余るDをいっそのこと燃やしちまおうとも思ったが、それだけでは味気ねぇ
ならちょっとばかし頭を使って、悪魔も俺も楽しみながらDを消費する手立てを考えてみた
酒や料理を摘みながらダイスの出目を使った博打で夜通し楽しもうって奴だ
ここがミソなんだが、勝負に負けたら賭け金を奪うのではなく燃やしてしまうってルールだ
金が尽きてもDで賭け金はいくらでも補充できる
朝まで手元に残ったDが持ち帰れるDだとすれば、悪魔たちもノリ良く付き合ってくれるだろうさ

Dを燃やすのは死者のために金を燃やす『冥幣』って風習に倣ってでもあるが、その辺は黙っておくか



 悪魔達の宴は続く。酒が注がれ、皿ががちゃんとなれば明るい声色の野次が飛ぶ。
「隣が随分と賑やかになってきたな」
 賑やかな酒席の様子を黄・威龍(遊侠江湖・f32683)は自身の青い瞳で捉えていた。喧騒を肴にするのもいいと中身の酒を飲み干し、さてこの宴会でどうDを使えばいいか考えを巡らせ──。
「──そうだ。金を使って場を熱くするいい方法があった」
 そして、黄・威龍はデビルキングワールドの住民達に声をかける。尊敬する猟兵に声を掛けられ興奮気味の住民達に口を開く。
「有り余るDをいっそのこと燃やしちまおうとも思ったが、それだけでは味気ねぇ」
「え、ええ、そうです」「パーッと使うのがいいです!」
「だろう、ならちょっとばかし楽しみながらDを使える遊戯をしようと思ってな」
 目の前の皿や料理を黄・威龍を片付け、卓の上にばちんと良い音を立て黄・威龍は手を置く。その掌の中に置かれていたのは──。
「賽子、ですか?」
「ああそうだ。出目を当てる博打で大勝負」
 やるか?と武侠がニヤリと笑えば、悪の気配を感じた住民達は勿論と返答をした。

「さあ声出せ! 金はあるか!」
「丁!」「半!」「ゾロ目に千だ!」
 猟兵が賭け事を始めたという話はあっという間に酒席中に広がった。悪魔達が集まり生まれた喧騒の中心にいた黄・威龍は、生傷が残る己の肢体を晒しながら不正がないこと証明しツボに賽子を入れる。
 そして。
「──はは! 今回も親の勝ちだ!」
 場に並んだ賽子の目は六六六。悪魔の数字を6度出した猟兵黄・威龍が掛け金を集める。
 傍に控えていた女性の悪魔がライターを渡し、楽し気に集めたDに火をつける。
『賭けは賭けでも勝負に負けたらその場でDは燃やす。どうだ、金が尽きてもDはいくらでも補充できるだろうさ』
 朝までに手元にDが残っていたら悪魔達の取り分になる。しかし思い切って燃やすのもまた一興。紙幣のDは魔力を帯び、その炎の色は赤や青は勿論、緑や紫と花火のように表情を変え、宴会場にさらなる熱を添える。
 どっと沸く宴会場。次に誰がDを一番燃やせるかと悪魔たちはノリに乗った様子で博打を続けようとしていた。
(「死者のために金を燃やす『冥幣』に倣ったんだけど……ま、そういう話は今は必要ないか」)
 猟兵の旦那、次の賽子はどんな目を出すんですかいと悪魔に聞かれた黄・威龍はそこで考えるのを一度止める。火柱が上がるほどDを巻き上げる。そう答え、笑った。

 今は朝まで、終わらない宴と熱を。
 燃え上がる狂騒の燃料Dはいくらでもある──宴は、続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年10月14日


挿絵イラスト