デービースタリオン(作者 ペプシ派
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#デビルキングワールド 


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#デビルキングワールド


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 『デービースタリオン』――それは悪魔たちが己の肉体のみで勝利を競う、何でもありがルールの大レースである。
 ここデビルキングワールドの人気スポーツの一種であり、国籍・種族・年齢・性別にいたるまで全ての制限項目が取り払われた闇鍋状態で行われる賭けレースである。
 そのため勝利者は毎回予想がつかないエンターテインメントであった。

 しかし、今回に限っては少し事情が変わって来る。
 なんとこのレースにオブリビオンが参加するとの情報が入ったのだ。
 奴らはそこらの悪魔とは一線を画す卑劣な妨害をしてくると予想され、噂では他のレース場が銃弾の雨で地形が変わっていたという。
「まぁそんなことより優勝賞金の方が大事デビー」
「そうデビー。 たんまりとD(デビル)が貰えるなら危険なんて些細なことデビー」
「それに参加者も星の数ほどいるんだから、俺達にだってチャンスはあるはずデビー」
 多種多様の悪魔たちがひしめく受付前、そこで顔にセント硬貨のような仮面を貼り付けた『セントウイン』たちが周囲を見渡し語り合う。

 そして、その中で①の仮面を着けたセントウインがハッと気が付いたように頭を上げる。
「そうデビー! スタート前に敵を蹴散らせば勝率が上がるんじゃないデビか?」
 ルールがないのがルール。
 このレースの本質をついた発案に、他のセントウイン達も頷き賛同する。
 試合は始まる前から始まっていたのだ。

「ってことになってるんだって!」
 そういうと、グリモア猟兵の明石・真多子(軟体魔忍マダコ)が動画の停止ボタンを押す。百聞は一見に如かず、拙い説明より動画を見せたほうが楽な現代っ子だ。
「デビルキングワールドで、危険なレースが始まるみたい! しかも中にはオブリビオンが混ざってるみたい!!」
 六本の腕をしっちゃかめっちゃか振り回し、なんとか身振り手振りで状況を説明する。
「オブリビオンに優勝されて賞金を取られちゃうと色々マズイから、頑張って優勝してきて! それと、他の参加者の悪魔たちもかなり厄介みたいだから気を付けてね!」
 ピコンとアホ毛を伸ばし、何かを閃いたようすをみせる。
「あっそうだ! あのセントウインが言っていたみたいに、アタシ達も【スタート前から悪戯で妨害しちゃおう】! ライバルを減らして、もみくちゃにされがちなスタートを上手く切れればレースで有利になれるかも!」
 そういうと、真多子はすぐさまキミ達をグリモアで転送し始めた。


ペプシ派
 悪いことが良いことな世界のシナリオです。
 正々堂々とズルをしてデビスタの優勝を狙いましょう!
 なんとシナリオの最後に表彰があるみたいですよ。
 みなさん一位になれるよう頑張ってみてください。

 【一章】スタート地点、スタート合図前。
 有象無象の悪魔たちが所狭しと並んでいます。(オブリビオンは見当たらないようです)
 手段を選ばず彼らを妨害して、自分だけ有利なスタートにしちゃいましょう。
 悪魔は結構丈夫なので手加減は無用です。

 【二章】レース中盤。
 集団的のセントウイン達があなた達と首位争いをしています。
 どうやら彼らもズルしてスタートしていたようですね。
 奇襲できた先程と違い、今度は彼らも妨害してくるので注意しながら蹴散らしましょう。
 やっぱり悪魔は丈夫なので手加減はいりません。

 【三章】レース終盤。
 ついに残った敵はオブリビオンだけになりました。
 どうやらレース場の天気模様は硝煙曇りのち銃弾の雨。
 いっそう激しい妨害が予想されますので、いかに早くオブリビオンを倒せるかが優勝の鍵なのかもしれません。
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第1章 日常 『魔界のいたずら地獄』

POW正々堂々えげつないいたずらで優勝を狙う
SPD他の参加者と組んで賢くワルく優勝を狙う
WIZ観客席からいたずら地獄を眺め、訳知り顔で解説する
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


チル・スケイル
善悪逆転。卑怯上等。なんですかこの世界。
ついていけるでしょうか…

えー、とにかく妨害ですね。いいんでしょうか…
とりあえず、他参加者に氷魔法を撃って凍らせます…
…だ、大丈夫ですか?
…もっとやれって…えええ…

で、では…大魔砲ラケート・ランティーロを構えて翼で空を飛び、上空から氷の爆裂魔法弾で爆撃。他の参加者を片っ端から氷漬けにします
ついでにコースにも魔法弾をばら撒き、氷塊だらけの私向きコースにします

…本当にこの蛮行が、この世界における善行なのですか…?

参加者の皆さん…生きてますか?生きてますよね??
…心配になって、他参加者の様子を伺います
まあ、凍っていては喋れないでしょうけど。


 血湧き肉躍る悪魔たちが何でもアリと聞きつけ押し寄せた大レース。
 その開幕を今か今かと待ち焦がれ、彼らは律義にもスタートラインへと並んでいた。
 しかし、ここへ転送されてきた一人の猟兵、チル・スケイル(氷鱗・f27327)は困惑の表情を浮かべながらポジションにつく。
「善悪逆転。 卑怯上等。 私の生きて来た世界の常識が通じません、なんなんですかこの世界。 はたしてこの世界の流れについていけるでしょうか……」
 説明こそ耳には入れていたが、実際目にするとやはり面食らう。
 周囲の悪魔たちは、レース中にどんな悪い妨害をしてやろうか等と相談しているのが漏れ聞こえて来るからだ。
 やれ『バナナの皮を捨ててやる』『腕を広げて通せんぼしてやる』など微笑ましい幼稚なものではあるらしいが、それでも悪意があってのことには違いない。
「やはりみんなヤル気なんですね。 であれば私も妨害していいですよね……?」
 そしてこの喧騒に感化されて来たのか、チルの中で警鐘を鳴らしていた罪悪感も徐々に鎮まっていく。
 元来『ナメられたら撃ち殺す』性分であるため、それが『やられる前にやる』へ少しだけ変わるだけなのだ。

「えー、とにかく妨害ですね。 スタート前って本当にいいんでしょうか……?」
 転送前に聞いた作戦では『スタート前から妨害を始めろ』とのことであった。
 しかし周りの悪魔たちは律義に合図を待っているのだ。
 穴だらけのルール上は問題なさそうだが、流石に少々気が引けてくる。
「ですがオブリビオンを放置するわけにもいけないでしょう。 とりあえず、手始めに痛みを感じない妨害から……」
 まだこの世界に芯まで染まっていないチルの良心が手心を加えて、スタート地点の地面を凍らせることから始めた。
 チルが脚に霜が立ったかと思えば、それは周囲へ伝播していきアイスバーンのように目立たないがそれでいてツルツルと摩擦を感じさせない氷が広がる。
 他の参加者にもみくちゃにされない充分な広さになると、遂にスタートの合図がパァンと鳴り響き、怒号の混じる歓声と共に各者一斉に走り出す。

 しかし、チルの周囲にいた悪魔たちはツルンステンとその場に倒れ、群衆の波にモーゼのような穴が開いた。
「……だ、大丈夫ですか?」
 一方、チルは有翼種であるため何事も無く飛び立ち、眼下の悪魔たちへ声を掛けた。
 だが帰ってきた言葉は予想に反し、罵倒ではなく称賛の声。
 チルが仕掛けたトラップであることに気が付いた悪魔たちは口々に『凄い悪戯だ』と褒めちぎっているではないか。
「……もっとやれって、ええぇ……」

 未だ腑に落ちない応援を背にレースを続行すると、チルと同じように空から追う後続の有翼種の悪魔に気が付く。
「流石に参加者も多種多様で一筋縄ではいきませんね。 で、ではこれでどうでしょう……?」
 先ほど掴んだ参加者の感触から、もう少し手荒な手段も大丈夫だろうと踏んだチル。
 大掛かりなレースにはこれがピッタリだろうと『大魔砲ラケート・ランティーロ』をむんずと逆向きに構え、後方へ発射する。
 そして氷を勝ち割るような破裂音を鳴らし撃ち出された氷魂は、後続集団の中心で破裂四散し、悪魔たちの羽を凍らせて墜落させていった。
 やり過ぎたかと、チラと首を後ろに回して様子を見ると、やはり悪魔たちは歓声を上げていた。
「……本当にこの蛮行が、この世界における善行なのですね……」

 それならばと吹っ切れたチルは、大魔砲を真下に向けて出鱈目に連射する。
 氷魂は次々とレース場の地面を氷つかせていき、さらには氷に柱が反り立ち地上も空中も妨害していく。
 これだけ派手にやっても、後方からは悪魔たちの楽しそうな声が遠ざかっていく。
「参加者の皆さん……生きてますか? 生きてますよね? まあ、凍っていては喋れないでしょうけど」
 だんだんと声が聞こえなくなってきたということは、チルがレース序盤を独走出来ている証拠なのだろう。
 凍ってしまった悪魔には悪いと思いつつも、そのまま優勝を目指して力強く羽ばたくのであった。
大成功 🔵🔵🔵

黒影・兵庫
(「黒影、何度も言うけど、この世界では悪いことが正義だからね?悪役になりきらないとダメよ?」と頭の中の教導虫が話しかける)
もちろん!わかっています!いや、わかってんぜぇ!んなことはよぉ!
(「お、悪役RP開始ね」)
くくく...うじゃうじゃと悪魔どもがこんなに...
どうせこの俺が優勝するっていうのに無駄に集まりやがって
(「さてどうする?」)
無論減らすまでよ!
支援兵の皆さん!悪魔どもを眠らせちまってくだせぇ!
(黒影の影の中から輝きながら儚く舞う蝶が飛び上がる)
眠たい時は頑張らずに眠るのが悪魔ってもんだ!
優勝の夢でも見ながらおねんねしな!


 血湧き肉躍る悪魔たちが何でもアリと聞きつけ押し寄せた大レース。
 その開幕を今か今かと待ち焦がれ、彼らは律義にもスタートラインへと並んでいた。
 しかし、ここへ転送されてきた一人の猟兵、黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)は悪魔たちとは一味違った雰囲気を纏って腕を組んでいた。
『黒影、何度も言うけど、この世界では悪いことが正義だからね? 悪役になりきらないとダメよ?』
 彼の頭の中から響く『せんせー』の声が、この特殊な世界の『ルール』について口を酸っぱくして忠告する。
 他所様の世界で教え子が粗相をしてはと気が気でない親心なのだろう。
 だがそのような心配は無用であったらしく、当の本人は昆虫のように黒く煌めくサングラスを指で押さえながら声を上げる。
「もちろん! わかっています! いや、わかってんぜぇ! んなことはよぉ!」
 そのまま周囲にいる他の参加悪魔達へメンチを切って、ナメられないように大きいな態度を続けた。
「「!?」」
 そして突然の特攻じみたヤンキーの登場に一同は戦慄、このレースに参加したこと自体が不運と踊っちまったんだと理解してしまう。
『お、早速悪役RP開始ね。 しっかりと馴染めているじゃない。 それにしてもこの子、どこでこんなキャラ覚えたのかしら……?』
 ゴクリと生唾を飲み込み緊張する悪魔たちの中、蜂のようにブンブン……もといブイブイ言わせている黒影は止まらない。
「くくく……うじゃうじゃと憐れな小悪魔どもがこんなに……どうせこの俺が優勝するっていうのに、まったく無駄に頭数だけ揃えて群がりやがって」
 さしも自分は違うのだと誇示するように、これみよがしに大きく声を張り上げ周囲へ牽制していく。
 この悪魔の様な蛮行には、彼らの瞳も舎弟のようにキラキラと羨望の眼差しを送り、既に心は屈服させたも同然であった。

『さて黒影、あなたならこれからどうする気?』
 ファーストインパクトは上々、だがそれで妥協するつもりは無いと『せんせー』が教え子へ確認するように問いかけた。 
「無論、振りかからない火の粉まで全て減らすまでよ!」
 寄らば斬るの抜身のナイフのような鋭さで、多感な年頃の不良として満点な答えを返す。
 そして懐をバサリと広げて翻し、着崩したまま蟲を呼び出した。
「おう、そこのチンケな小悪魔共に悪夢を見せてやりなぁ!」
 黒影がサングラスの奥で輝る瞳が振り返り自身の影へと流すと、そこから蝶が飛び立ち広がっていく。
 それらは儚く消えるハラハラとした鱗粉を振り撒き、目を引いた悪魔たちが連れて面を上げる。
 そうしてしまったが最後、鱗粉を深く吸い込んでしまった参加者たちは一つクシャミを上げてそのままバタバタと昏倒していった。
「くっくっく、眠たいと思ったときに寝る、誰が邪魔しようと寝る、それが良い悪魔ってもんだ。 まぁ今回は『眠らせて』やったんだけどな!」

 あまりにも悪い作戦を口にする黒影に対し、観客席からは驚嘆と歓声が響き渡る。
 悪魔的にも相当な邪悪判定だったのだろう。
「今はそのまま自分たちが優勝する夢でもみてるがいいさ。 目覚めた時に、俺が優勝している姿を見た時が本当の悪夢の始まりなんだからな!」
 そう言い残し、邪魔者が誰もいない中で悠々と好調なスタートを切るのであった。
大成功 🔵🔵🔵

ミスツ・シューパリツェ
悪事を思いきりしろだと?
ったく猟兵になんて指示出すんだよ
そんな事言われたら……堂々とやっちまうしかねえよなぁ?

てなわけで手持ちの戦車『暴れ牛』に同化してレースに参加
待機しながら車体から触手を◆トンネル掘りで地中を潜らせながら周囲の参加者の真下に出せるだけ出しておく

で、スタートしたら瞬間に触手を≪撃式≫で射撃状態にし爆発弾を◆一斉発射
周囲の奴ら全て吹き飛ばして触手は即座に回収してスタート!
いやあ周りが不運の事故で爆発なんて驚きだなあ

後は戦車の砲弾やセメント弾で次々容赦なく参加者をクラッシュや固めていく
悪事をやれっていうからなあ、心が痛いなあ

最後はUCで触手を叩きつけて後ろの地形を破壊し後続を断つ


 血湧き肉躍る悪魔たちが何でもアリと聞きつけ押し寄せた大レース。
 その開幕を今か今かと待ち焦がれ、彼らは律義にもスタートラインへと並んでいた。
 しかし、ここへ転送されてきた一人の猟兵、ミスツ・シューパリツェ(バイオモンスターのバーバリアン・f17654)は表情一つ変えずに入った姿勢で立っていた。
 いや変えていないのではない、変えられなかったのだ。
 だがそれはミスツにとって些細な事であり、中に眠る暴力組織幹部としての魂がこの悪事を良しとする世界で動じることなどありえない。
「まったく、俺に悪事を思いきりしろだと……? ったく、猟兵になんて指示を出すんだよ」
 世も末だなと呆れた声で肩をすくめるミスツだが、次第にその声にドスの効いた低さを帯びていく。
「そんなこと言われたらよぉ……堂々とやっちまうしかねぇよなぁ?」
 そのまま流れるようにクックックと喉を鳴らし悪事を企むミスツのやたらと様になる姿に、周囲の悪魔たちは既にドキドキと期待を込めて彼女の一挙手一投足を観察し始めた。

 そして何を考えているのか、レースはスタート直前だというのにミスツはその場を離れて去っていく。
 これには興味深そうに観察していた参加者や観客も、まったく先の読めない彼女の行動に困惑し、ざわざわと不穏な空気が流れ始めた。
 しかしその雑音を掻き消すように突如として奇怪な機械音がレース場に木霊する。
「な、なんの音!? あっあれは何だ!」
「鳥か!」
「猫か!」
「いや、戦車だー!!」
 選手待機室の壁をブチ破って飛び出して来たのは、巨大な六門の砲塔を背負う重戦車の姿であった。
 侵食するように青白い触手が戦車の装甲を覆っており、それがいなくなったミスツのものであろうということは、すぐにその場へ居合わせた全員に予想がついた。
「鍛え上げた己の肉体で勝負するはずのレースに機体を持ち込むなんて……なんて悪いヤツなんだ!! すげぇ根性してるぜー!!」
 明らかに反則じみているが、『ルールがないのがルール』である本レースのガバガバ規則によりむしろ拍手喝采の声援が送られる有様。
 そしてミスツ本人は何食わぬ顔で(戦車と同化しているので分からないが)自分のスタート地点へ駐車していた。
 無論、ミスツがこのまま大人しく開始の合図を待つわけもない。
「これだけ騒いでくれりゃ、多少の音も振動も気付きはしねぇだろ、くくく」
 車体側面に侵食していたミスツの身体がグググと地面に向けて伸びていくと、地面を抉るように掘り進みながら彼女の身体の一部が地中へ潜っていく。
 こうして周囲の各参加者の足元にまで分岐してのばしていき忍ばせた。

「さぁて、こいつは開幕の景気づけに俺からプレゼントだ」
 誰にも聞こえない声量でミスツが呟くと、すぐにレースの合図が高らかに鳴り響く。
 それと同時に、スタート場は地雷原のように次々と地面が暴発して選手たちが宙を舞う。
 爆発による刺激でキーンという音だけがその場にいる者達の聴覚を支配し、阿鼻叫喚の声すら届かない。
 鼓膜をやられ前後不覚となった残りの選手たちも、とても走れる状態ではなかった。
「いやぁ、周りで不運な事故が立て続けに起こるなんて驚いたなぁ。 まぁ足元を疎かにしていた方が悪いんだ、先にいかせてもらうぜ!」
 そう言い残すと、ミスツは銃形態の触手達を戻し戦車を走らせていった。

 これで邪魔されず好調なスタートを切ることが出来たが、横に広いコースなだけあってすぐに他の後続が押し寄せて来る。
「背中のこれは飾りじゃねぇんだ、俺に近寄って来たのが運の尽きだな」
 戦車の砲塔が後方へ旋回すると、セメントのような弾が撃ち出されて後続を捉え動きを止める。
 撃ち切ったら触手を伸ばして地面を割り、道を崩すの暴挙の嵐。
 彼女の通った道にはスポーツマンシップを踏みにじった証が残されたのであった。
大成功 🔵🔵🔵


第2章 集団戦 『セントウイン』

POW ●㉕セントウイン
【自身の筋肉】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
SPD ●①セントウイン
レベル×1体の、【仮面】に1と刻印された戦闘用【①セントウイン】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ ●⑩セントウイン
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【厨二オーラ】から【暗黒破壊滅殺光線】を放つ。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 スタート前後に大きな波乱を巻き起こし、前代未聞の悪だくみが交錯する本レース。
 いくつかのグループが他者を出し抜き、既にレース中盤まで走破してきたようだ。
 しかしこの世界の悪魔達もクセモノ揃い。
 中でも今回は『セントウイン』達が徒党を組んで他のレース参加者を蹴落としているようだ。
 徐々にボトルネックとなるレース場の構造により、自ずと猟兵のグループとセントウイン達のグループがぶつかるだろう。
 悪魔の世界はヤルかヤラれるか二つに一つ。
 向こうの妨害を掻い潜り、レースから叩き落してしまおう。
黒影・兵庫
ちっ!雑魚でも少々骨のあるやつがまだ残っているようだな...
(「どうする黒影?この速さじゃ普通の虫じゃ置いていかれちゃうわよ?」と頭の中の教導虫が話しかける)
せんせーよぉ!虫さんたちの底力を侮っちゃあダメだぜぇ!
いけぇ!運転兵!硬貨頭の連中の影を実体化して地面からアッパーパンチを喰らわせて他の連中も巻き込んでの大クラッシュを引き起こせ!
(「なるほど!影なら敵の速度と同じ速さだから問題ないわね!」)
そういうこった!このレース!俺の優勝間違いなしだぜ!
だぁーはっはっはっ!
(腕をクロスして決めポーズをしながら大笑いする)


 他者を出し抜き好調なスタートを切った黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)。
 彼のスタートしたエリアで追い付く者は誰もおらず、独占状態でレース場を走り抜けていた。
 だがしかし、遂に他の参加者が合流してきたようで声が聞こえて来る。
「そこのワルいやつ待つデビー! まさかスタート前に細工する作戦を俺達からパクったんデビ!? 許せないけど尊敬するやつデビー!」
 怒っているのか喜んでいるのか複雑な怒号を放つ、①と書かれた仮面の悪魔【①セントウイン】が声の主のようだ。
 察するに彼らも他のスタートエリアでズルをしたので黒影に追い付けたのだろう。
 それをサングラスに隠した流し目でチラと確認した黒影は悪態をつく。
「ちっ! 雑魚ばかりだと思ってナメていたが、中には少々骨のあるやつがまだ残っているようだな……」
 この世界の悪魔たちは性格のわりにとても強い。
 そのため少しでも油断すればオブリビオン並みの身体能力を発揮してくるのだ。
『どうするの黒影。 あの速さだと対処のために追従できる蟲は限られてくるわよ。 考えていられる時間もあまりないけど選択は慎重にね』
 黒影の頭から声を掛ける『せんせー』が助言する間にも、①セントウインはグングンと差を縮めていく。

「ここで一気にまくるデビー! いでよ、我が同胞たちよ!」
 そして突如①セントウインが天に向かって高らかに叫ぶと、黒影の後方には無数の①セントウインが大挙し呼応する。
「「「デビデビー!!」」」
 呼び出した本人と区別のつかない同じ顔が、ドドドと地ならし圧をかけるように迫っていた。
 ただでさえ基礎能力の高い悪魔がこれだけ揃えばかなりの脅威となるだろう。
 いつもは虫を使い数で攻める黒影が、逆に数で押し込まれようとしていたのだ。 

「せんせーよぉ! 虫さんたちの底力を侮っちゃあダメだぜぇ!」
 それでも黒影は自身の優位を疑わず、反骨心を剥き出しにしながら歯を見せてニヤリと笑う。
「悪の花道ってのは影指す日陰の中なんだぜぇ! 運転兵、そこの硬貨頭どもの頭にヤキ入れてやりな! 本当のワルってやつを教え込んでやれ!」
 黒影がサングラスをクイと持ち上げながら言い放つと、彼の影の中から黒い蟲がワラワラと湧いて飛び散っていく。
『なるほど運転兵を選んだのね。 この子達なら相手がどれだけ速くても影に乗って追従できるわ!』
 合点がいったとせんせーが納得すると、彼女の言う通り運転兵達は①セントウインの影へとそれぞれ入り込んでいった。
「そういうこった! このレース、これで俺の優勝は決まったも同然!」
「なに勝手に勝利宣言してるデビ! 俺達はちっぽけな蟲くらいで止められないデビよ!!」

 抗議する①セントウインを無視し、黒影がビシっと腕をクロスしながら指を立てる。
 右手のサインはくそったれな社会に、左手のサインは明日の自分へ。
 ロックを体現する反骨心を示し、それを合図に影へ潜んでいた運転兵が本性を現す。
 そして①セントウインとまったく同じ姿の影が彼らと相打ちするようにクロスカウンターをキメていき、誰もがその場に倒れていった。 
 もはや燃え尽きた彼らの闘魂では、レース続行は難しいだろう。
「勝った、第2部完! だぁーはっはっはっ!」
大成功 🔵🔵🔵

ミスツ・シューパリツェ
同化してるんだからこれオレの肉体
あいつらと同条件
全く問題ねえな!

引き続き戦車のセメント弾や砲弾で◆吹き飛ばす
近くに来たのは触手《殴式》の◆怪力拳でぶっ飛ばす
あとは酒瓢箪から酒気をばらまいて酔わせたり酩酊させとくか

そういや悪っぷり(◆悪のカリスマ)に惚れたとかでついてきた黄金像の悪魔がいたな
よし、ならお前も空からの突進と重みで何人か沈めてやれ!
オウロ『凄い悪い、素敵!流石でかいし触手だしどう見てもラスボスの人!いってきまーす』
だから俺はラスボスじゃなくてバイオモンスターだ!

25円の筋肉攻撃は跳ね兎を取り込んだ触手ので跳ね返しUCで能力吸収
カウンターで筋力引き上げ触手《殴式》◆暴力でぶん殴る!


 他者を出し抜き好調なスタートを切ったミスツ・シューパリツェ(バイオモンスターのバーバリアン・f17654)。
 彼女のスタートしたエリアで追い付く者は誰もおらず、独占状態でレース場を走り抜けていた。
 だがしかし、遂に他の参加者が合流してきたようで声が聞こえて来る。
「そこの暴走戦車止まるデビー! まさか己の肉体を使わない悪い奴がいるとは思わなかったデビ! 尊敬するほどあくどいけど、筋肉を軽視するとは許せんデビー!」
 ドシドシと質量を感じる足音を響かせ近付いてくるのは、顔に㉕と書いてある筋肉モリモリマッチョマンの変態、もとい悪魔。
 どうも筋肉に対して並々ならぬ思い入れがるようであり、ミスツのズルに一言どころではない文句があるようだ。
 このままでは、因縁をつけるこの悪魔がどこまでも追って来るに違いない。
「けっ、何言ってやがるんだ。 俺はコイツと身体を同化させてんだ、つまりこれは俺の肉体の一部ってことだ! お前らと同条件、全くのフェアーな立場だぜ問題ねぇだろ!」
 追って来る悪魔に対し、ミスツは開き直ったように屁理屈を捲し立てる。
 相手の脳筋悪魔『㉕セントウイン』は確かにそうかもしれないと思い始めたが、それでも売った喧嘩を下げるわけにはいかない。
 逆上した㉕セントウインは身体を真っ赤に滾らせ、闘牛のように暴れ狂う。

「はぁ、ったく。 これだから鉄砲玉みたいなド低能とは会話したくねぇんだ。 お前にはこっちの『鉄砲玉』と話し合うのがお似合いだぜ、ほらよ」
 戦車と同化しているミスツは、その背中に備えた砲塔を㉕セントウインへ向けると、巨大な『お年玉』をプレゼント。
 身体能力の高い悪魔なだけあり、相手も超反応で受け止めるが流石に押し返されて大きく後方へ流された。
「むがー! 偽りのパワーには負けないデビー!!」
 しかし㉕セントウインも負けじと受け止めた砲弾をミスツへと羽子板よろしく投げ返す。
「そんなにパワーとやらが見たけりゃ見せてやるよ」
 対するミスツも触手を拳のように丸めて砲弾を叩き返しラリーの応酬。
 だが進行方向的にもミスツに利があり、最期には㉕セントウインがダメージを負ってしまった。
「おっとすまねぇな。 傷口には酒ぶっかけるのが一番だぜ、それが一番しみるからな……くくく」
 ダメ押しとばかりにミスツが後方に向けて瓢箪をぶちまけると、㉕セントウインがギャァと苦しむように悲鳴を上げる。
 さらに血中へアルコールが混じったのかフラフラになっていた。

「ムキー! こうなったら奥の手デビ! 筋・肉・巨大化ァァ!!!」
 このままでは不味いとなりふり構わなくなった㉕セントウインは、己の身体を巨大化させてミスツの戦車を掴もうと手を伸ばす。
 大きくなったことで歩幅が増し、今にも鷲掴みにされてしまうだろう。
「しつこい野郎だな、いちいち相手してたらキリがねぇぜ。 おうそういや丁度良い奴がいたな。 オウロ、お前が相手してやれよ」
 ミスツが声を掛けると、戦車の中からオウロと呼ばれた黄金像が現れ空へ飛び立つ。
「人を足蹴に扱うなんて凄い悪い、素敵! 流石でかいし触手だしどう見てもラスボスの人! いってきまーす」
「だから俺はラスボスじゃなくてバイオモンスターだ!」
 ミスツの話も聞かずに跳び出した黄金像は、㉕セントウインの弁慶の泣き所を一撃。
 たまらず片足を抱えた隙に、ミスツの引き絞った触手のムチによる足払いでもう片方の足を宙に浮かせる。
「しまったデビー!!」
 大きくなった彼が道を塞いだおかげで、更なる後続の心配はなくなっただろう。
 それを確認したミスツは先を急ぐのであった。
大成功 🔵🔵🔵

チル・スケイル
そうか…悪を行う事こそこの世界の流儀
ならば遠慮や容赦は、むしろ無礼
私も依頼達成のため、力を尽くしましょう

魔法により、氷竜様の霊と融合。
脚に装備した冷気放射杖から猛吹雪を噴射、そのまま加速しながらセントウイングループの周囲を飛び回り、合体前に冷気で凍結させます
もちろん凍りついた悪魔は置き去りにして、全力のスピードで次の悪魔グループを襲撃します

すべてのセントウインを引き離したところで、ダメ押し!
空中で180度方向転換し、そのまま狙撃!杖からの氷魔法弾で、敵を完全に固めます!

結局のところ、私のすべき事はあまり変わりません
依頼を達成します。妨害者は排除します

もののついでです。優勝、狙いましょうか


 他者を出し抜き好調なスタートを切ったチル・スケイル(氷鱗・f27327)。
 彼女のスタートしたエリアで追い付く者は誰もおらず、独占状態でレース場を走り抜けていた。
 だがしかし、遂に他の参加者が合流してきたようで声が聞こえて来る。
「そこの空飛んでるヤツ、待つデビー!! この大空を飛んでいいのは俺達以外にいてはならないんデビ! 妨害しまくるそのワルさは尊敬するけど、それとこれとは別なんデビよ!」
 自前の羽でレーズ場の障害を無視しながらズルして進行するチルが、声に気が付き振り向く。
 そこには先ほどのエリアでは見かけなかった、⑩と書かれた仮面を被る小柄な悪魔達の集団。
 一見すると羽は無いが、黒いオーラのようなものを纏って浮遊しているようだ。
「そ、尊敬……? そうか、悪を行う事こそこの世界の流儀。 ならば下手な遠慮や容赦はむしろ無礼。 待てと言われて待つ悪はいないし、私も依頼達成のために全力を尽くしましょう」
 先ほど暴れに暴れて悪行を積み重ねてきたチルが、ようやくこの世界の常識に慣れて思考を研ぎ澄ます。
 邪魔な良心は捨て去り、⑩セントウインへ決別を言い放つとチルが更に羽へと力を込めた。

「あぁ!! この暗黒の力を身に宿し、破壊神をも超える(当社比)潜在能力を持つと噂される俺を無視する気デビ!? もう怒ったデビ!」
 どうも厨二病的思考を持つ傾向にある⑩セントウイン達は、相手にされなかったことによりプライドを傷つけられて逆上。
 纏うオーラを更に増大させて加速し、やたらと派手に動きながらチルを取り囲んでいく。
「この速さ、少し侮っていました、ならば! 氷鱗継ぐ我が身に、貴女の氷雪を巡らそう。 吹雪と共に、彼方へと至らん!」
 羽を掴まれそうになったチルが銃を掲げて叫ぶと、ふいに熱気溢れる空気が凍り付き粉雪がチルへと集まる。
 それらは周囲の⑩セントウインを氷像へと変えて墜落させながらも、チルの羽を氷で覆い強化した。
「不味いッ!! みんな離れろデビー!!」
 強化されたのは翼だけではない。
 手にしていた銃も冷気を帯び、それをチルの両脚に装着することでジェット噴射のように冷風を噴射する。
「判断が遅いッ!」
 この氷竜の力を宿したチルの形態の機動力はパワーアップした⑩セントウインを遥かに凌駕し、逃げる隙も与えずに半数を凍り付かせて地面へ叩き落としていった。
「ひぇぇ!! 仲間たちが地面で粉々になっていくデビ!? 怖いデビ! 悪過ぎる奴デビ!!」
 悪魔たちは丈夫なのでくっつければ元に戻るが、それでも畏怖の感情を植え付けるのには十分すぎるほどに冷酷な攻撃。
 後ずさりする悪魔たちを置いて、チルは一気に前進していった。

 十分にチルが離れたところで、⑩セントウイン達はこそこそとスクラムを組んで相談していた。
「ほっ、これで俺達は無事デビね。 こうなったら奴がゴール寸前で油断した隙に寝首をかくデビ」
 正攻法では敵わないと諦めた彼らは、性懲りもなくセコい作戦を練っていた。
 そんな作戦を知ってか知らずか、前方にいたチルが急に身体を反転させる。
「……へ!?」
「言ったはずです、情は捨てると。 結局のところ、私のすべき事はあまり変わりません。 依頼を達成のため、少しでも不安要素のある妨害者は全て排除します」
 冷酷無比である彼女の言動通り、迷いのない銃口が悪魔たちを正確に捉える。
 そして、一塊に集まっていた⑩セントウインはまとめて氷山のように固まり、仲良く地上に墜ちて砕けるのであった。
「さて、もののついでです。 このまま優勝、狙いましょうか」
大成功 🔵🔵🔵

ギルティナ・エクスキューション(サポート)
わ…私はギルティナと申します…
鞭のヤドリガミでして…その…人を様々な方法で苦しませ追い詰めることが得意…です…
それと…人から情報収集したりとかも…

戦闘はあんまり得意じゃないですけど…
鞭をふったり針を投げたり…最低限はなんとか…

あ…それとですねぇ…
人体の構造とかに結構詳しくてですねぇ…壊す方は勿論ですけどぉ…治す方もちょっとだけ自信が…あるかも…
やりすぎても…治してしまえばまた…やりすぎれますから…

あぁ…最後に私の趣向の話なんですけどもぉ…
女の人が大好きでしてぇ…
味方にいても張り切っちゃいますし…敵にいてもいっぱい張り切っちゃいますから…
いえ、男の人も普通に相手できるんですけど…やる気が…ねぇ…


 悪魔たちは皆が頑丈でしぶとい生態である。
 そのことをどこで聞きつけたのか、どこからともなくレースに乱入していた猟兵がいた。
 ギルティナ・エクスキューション(有罪死刑執行人・f14284)、彼女は拷問鞭のヤドリガミであり悪人を罰することを生き甲斐としており、当然この場にも罪を分からせるために馳せ参じている。
「こ、このレースには……ズルをして優勝を狙う悪い悪魔が……い、いるらいいですね」
 悪いことが良いことであるこのデビルキングワールド。
 そこら中に罰を与える対象がいるこの世界は、ギルティナにとって忙しい世界となることは間違いないだろう。
 それを思ってか、彼女は小刻みにフルフルと声を震わせながら、期待に満ちた瞳でレース場の後方に振り向き悪魔たちを待ち受ける。
「ひ、一つ不満があるとすれば……噂の悪魔さんが女性ではないこと、でしょうか」
 やや物足りなそうな声色が加わるが、それでも彼女の嗜虐性が衰えることはない。
 まだかまだかと待つギルティナの手の中で、ビシリとしなる凶悪な鞭が物語っていた。

「デービデビデビ! 他の奴らを出し抜いて独走するのは楽しいデビ! これぞ悪デビー……って俺達がトップじゃなかったデビ!? お前誰デビ!!」
 ほどなくして姿を現した、顔に①と書かれている『①セントウイン』が驚く。
 表情の読み取りにくい仮面だが、オーバーリアクションな身体が代わりに感情を剥きだしていた。
「あぁ……そ、そんなに驚かなくても……大丈夫です、よ」
 対するギルティナは獲物を見据えるようにダウナーな雰囲気を纏い、目の前の悪魔を品定めする。
 悪いことを誇り、率先して他者を蹴落とす腐った性根(この世界においては立派だが)。
「な、なるほどぉ……あなたは黒、ですね。 断罪すべき……お方の、ようです」
「デービデビデビ! その通り、俺達は悪デビ! お前も中々見る目があるデビね」
「は、はい……ありがとうございます。 なので……あ、悪魔さん達を……お仕置きすることにしたんです」
 冗談ではないことを示すように、ギルティナは手にした鞭をバシンと地面に叩きつけて威嚇する。
「ひぇっ! ビックリしたデビ! そっちがやる気なら俺達も容赦しないデビ! 相手が女の子だろうと『俺達』で袋叩きにしてやるデビよ!」
 そう言うと、①セントウインは全く同じ容姿の複製体を次々と呼び出しギルティナを取り囲んだ。

「デービデビデビ! 悪く思うなデビ! 勝つためには手段は選ばないデビ!」
「わ、悪く……? いえ、むしろ……張り切ってきてるんです。 こんなに沢山いたぶることが……できるんですから」
 ギルティナの口の端が悪魔のように吊り上がる。
 その微笑を浮かべたまま鞭を一振りすると、前方にいた①セントウインたちが派手に吹き飛んでいった。
「デビ!? どうなってるんデビ!? いくらなんでも強すぎるデビよ!」
「あらぁ……不思議なことはないですよ。 先ほど、『ひぇっ』って【おそれ】ましたよねぇ? おかげで……【おそれ】の化身となった鞭が、悪魔さん達を罰してくれているんですよ」
 見れば確かにギルティナの鞭が怪しく禍々しい瘴気を纏っており、それがしなる度に畏怖の感情が湧き上がって来る。
「ま、まだ数では俺達の方が有利デビ……って、ひぃぃ!! お前ら逃げるなデビ!!」
 虚勢を張って前に出る本体だが、あの鞭が振るわれる度に苦悶の声を上げて吹き飛ぶ同胞たちを見て、分身体が散っていく。
 残された本物の①セントウインは、腰を抜かしてその場へとへたり込んでしまった。
「ゆ、許して欲しいデビ!! 命、命だけはぁ!!」
「べ……べつに……殺したい訳じゃないんですけど……」
 目的は懲罰、拷問にかけて罪を自覚させること。
 悪魔達にそれが出来るかは分からないが、分かるまでみっちりギルティナの鞭が振るわれることだろう。
成功 🔵🔵🔴


第3章 ボス戦 『セラフィムブラスター』

POW ●銃撃の使徒
自身の【翼】を代償に、【空飛ぶデビルガトリング】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【魔力弾の銃撃】で戦う。
SPD ●セラフィムブースト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【デビルガトリング】から【銃弾の雨】を放つ。
WIZ ●スマイルガトリング
自身が【微笑んでいる】いる間、レベルm半径内の対象全てに【デビルガトリングの掃射】によるダメージか【セラフィムの加護】による治癒を与え続ける。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 コース中盤で悪魔たちを一掃した猟兵チーム。
 これでキミ達を邪魔する者はいなくなったと思われたその時、突如目の前に銃弾の雨が降り注ぎ足を止めざるおえなくなった。
 何事かとキミ達が振り向くと、後方の遥か上空から天使の様な姿が降りて来る。
 デビルキングワールドで堕天していない白き翼は特に目立ち、すぐにその姿を捉えることができた。
「聞きなさい、猟兵達よ。 私の名はセラフィムブラスター、故あってD(デビル)が必要なのです。 このレースの優勝賞金は私が手にするべきであり、貴方達にはここで退場してもらいます」
 上位者気取りであるのか、上から目線でものを言う天使。
 ここまでの苦労を水の泡にさせないためにも、このオブリビオンを打倒しゴールへと急ぐのだ!
黒影・兵庫
(銃弾を『衝撃波』による迎撃と『オーラ防御』で防ぎつつ敵に向かって怒鳴る)
あぁ!?何ぬかしやがる!優勝賞金は俺のもんに決まってんだろうが!
(「黒影!あいつオブリビオンよ!」と頭の中の教導虫が話しかける)
アンタ、オブリビオンか!なら遠慮はいらねぇな!
(UC【神虫擬き】を発動し巨大な虫に変身すると敵に向かって『ダッシュ』し体当たりと同時に敵を『捕縛』しようとする)
捕まえたら地面に押し付けて、そのままゴール手前まで摩り下ろしてやる!
あぁ腹が減ってしょうがねぇ!さっさと終わらせて賞金で食いまくってやる!
(「貯金もしなさいよ?」)
やだね!悪魔は宵越しのDは持たねぇ!
(「アンタは人間でしょうが」)


 長く激しい蹴落とし合いが続いた、血で血を洗う熾烈なレース。
 それが遂に終わりを迎え、ゴールへのストレートコースへと入った瞬間であった。
 耳をつんざく破裂音の連続が響き、黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)は瞬時に足を止めて振り返る。
「地を這う憐れな猟兵よ、止まりなさい。 優勝賞金は私のものです。 潔く諦めないのであれば、我が銃弾によって裁かれることになります」
 天を仰げば、その言葉と共に無数の銃弾が黒影のすぐ後ろをハチの巣にしていく。
 もし脚を止めていなかったら、穴だらけになっていたのは道路ではなく彼だっただろう。
「あぁ!? 何ぬかしてやがる! 優勝賞金は俺のもんに決まってんだろうが! ぽっと出のアマがナマ言ってんじゃねぇ!」
 硝煙が燻り鼻をくすぐる地上から、黒影が天にツバを吐きながら抗議する。
 本レースの目的がオブリビオン退治であることを少し忘れてやいやしないかと心配になるが、頭の中の『せんせー』の忠告が入って軌道を修正する。
『気を付けて黒影! あいつは今まで相手にして来た悪魔とは違うわ! あれが私たちの本来の目標だったオブリビオンよ!』
 彼女の進言により黒影がハッと我に返る。
 そして、その目にはレースに燃えていた光と異なる、闘争本能に目覚めた狩猟者の瞳に切り替わった。
「へぇ、アイツがオブリビオンだったのか! くくく、ならもう手加減も遠慮もいらねぇよな!!」
 非殺傷にしなければならなかった悪魔達とは違い、オブリビオンはまごうことなき黒影の『獲物』。
 彼の中で抑えていた衝動がふつふつと沸き立ち、今にも爆発しそうになっている。

「ふむ、先程と様子が変わりましたね。 少しでも危険を感じる不穏分子は、直ちに排除します」
 黒影の表情にドス黒い何かが潜んでいると見抜いたのだろう。
 セラフィムブラスターはその銃口全てを彼に向けて全弾放射する。
 今度こそハチの巣になるかと思われたその時、黒影の周囲を黒いオーラのような繭が覆い、豪雨のように容赦なく降り注ぐ銃弾をことごとく弾く。
「これは……いや、あり得ぬ。 私以外に神に近しい気配を感じるなどと……」
 優勢だったはずのセラフィムブラスターの表情に焦りと陰りが見え始めた。
 自分は上位者であり、一方的有利な存在であると慢心していたのだから。
 しかし、その関係が今崩れ去ろうとしている。
「いつまでも上から見下ろす立場でふんぞり返れなくて残念だったなぁ! 『もどき』とはいえこれで俺も神虫、お前とタイマン張れるってことよぉ!」
 黒い眉から姿を現した黒影は、今までと全く異なる姿へと変態していた。
 それはまるで昆虫が成虫へと成るように、彼の身体を大きく強く、そして神々しく輝かせていたのだ。

 神虫擬きとなった黒影は大きな二対の翅を羽ばたかせると、瞬きも終わらぬうちにセラフィムブラスターの背に回りこむ。
「くっ! 小癪な!!」
「そんな大きな銃じゃ振り向けねぇぜ! 最初に見た時から頭が高いと思ってたんだ、一度くらい地面に擦り付けてみろってんだ!」
 距離を取っていれば問題なかったセラフィムブラスターの武器だが、間合いという弱点を突かれて身動きが取れない。
 その隙を逃さず、黒影が八本の腕でセラフィムブラスターの翅と脚を掴むと、そのまま真っ逆さまに急降下。
「やめろっ貴様っ!! がぁっ!!」
 大きくなった黒影の身体とセラフィムブラスターの武器を合わせた体重、そして目にもとまらぬスピードが合わさりレース場の道路を粉々に粉砕。
 地響きで観客達が跳び上がった。
「おっと、そういえば優勝を譲れとか言ってたな。 しょうがねぇ、途中まで手伝ってやるぜ! ほらよぉっ!」
 残忍な笑みを浮かべた黒影が、そのままセラフィムブラスターの頭を押さえつけたままコースを爆走。
 彼女の頭を擦りおろし続けていった。

「ふぅこんなもんか」
 パッパッと手の埃を払い落とすと、気が済んだ黒影が元に戻る。
「あの姿になったせいで腹が減ってしょうがねぇ! さっさと終わらせて、賞金で喰いまくってやる!」
『もう! いつまでも子供じゃないんだから、少しは貯金することを覚えなさいよ?』
「やだね! 立派な悪魔は宵越しのDは持たねぇのさ!」
『まったくこの子は……アンタは人間でしょうが』
 地面に突き刺さったセラフィムブラスターを背に、朗らかな会話で締めなら黒影達はゴールへと急ぐのであった。
大成功 🔵🔵🔵

チル・スケイル
…強敵!(話している場合じゃない)

…(長距離からの高速連射。弾道に対して直角に避けるのが定石)
…(その動きを予想して、偏差射撃で仕留めにくると思われる)

…(そうはさせない。襲来する弾丸を魔法で射撃し、氷漬けにする)
…(『硬さ』に特化した特製の氷。これで敵弾を防壁に変える)

…(遮蔽物のある場所は得意。今度は空飛ぶ銃を狙撃し、また氷漬けに。氷で塞ぎ暴発を狙う)

敵が翼も武器も失った所で、ゴールに向かいましょうか


 長く激しい蹴落とし合いが続いた、血で血を洗う熾烈なレース。
 それが遂に終わりを迎え、ゴールへのストレートコースへと入った瞬間であった。
「この気配……強敵!!」
 耳をつんざく破裂音の響きが連続し、チル・スケイル(氷鱗・f27327)は瞬時に羽ばたきを止めて振り返る。
「我らが神聖なる領域を無断で飛び交う猟兵よ、止まりなさい。 私に断りなく羽を広げるだけでなく、あまつさえ優勝まで狙うとは捨て置けません。 直ちに退かぬのであれば、我が銃弾にて制裁を与えます」
 チルよりさらに上空を舞い降りる大天使のような姿をしたガトリング使いがこちらを見下ろしていた。
 彼女は自らをセラフィムブラスターと名乗り、その名の通りチルの真下の地面にはチルの影に沿った銃痕がびっしりと空いていた。
 いつでも始末できるぞ、という脅しなのだろう。
「…………(これは悠長に会話に応じてくれそうな敵ではありませんね)」
 少しでも不審な動きを見せれば、再びあの銃弾の豪雨が降り注ぐだろう。
 上を取られている以上はチルの地理的不利が否めず、次の一手が生死を分けることになるだろう。

 ヒリヒリと張り詰めた空気が二人の間を満たし、じっと見つめ合う。
 その間もチルは頭の中をフル回転させて、戦況を二手三手先をシミュレーションしていた。
「…………(敵の攻撃は十中八九あの大きな機銃。 長距離からの高速連射は弾道に対して直角に避けるのが定石、ではありますが……弾数の多さから追尾することを考慮する必要があるでしょう)」
 チルの脳内で、もう一人のチルを動かし結果を確かめる。
 相手は少し銃身を傾けるだけで弾道を大きく変化させられるため、安全地帯から悠々とこちらの動きを見て偏差射撃で仕留めに来るだろう。
 射撃精度の高さは先ほどの影への撃ち込みで、嫌というほど承知している。
「…………(どうやら、『避ける』という選択肢はなくなったようですね。 ですが黙って射られるつもりはありません。 避けられないのであれば『防ぐ』までです)」
 頭の中で繰り広げられた疑似戦闘を終わらせると、チルは覚悟を決めた瞳でセラフィムブラスターの鈍く光る機銃を睨み付けた。

 敵の銃口がチルを捉えていながらも、彼女は手にした狙撃杖を素早く構える。
 これを反抗の印として、予想通りセラフィムブラスターが両手のガトリングをフルバーストで撃ち放ってきた。
 チルの狙撃杖は連射能力では二丁のガトリング砲に全く太刀打ちできない。
 しかし、彼女の武器に込められた銃弾は普通のそれとは異なり氷の魔法弾である。
 相手の銃声とほぼ同時にカウンタースナイプで敵初弾へ正確に狙い撃った。
「…………(『硬化』に特化した特製弾、これが命中すれば急速に膨れ上がり特製の氷が形成されます。 分厚い氷壁がこちらへの射線を遮ってくれるでしょう)」
 チルの想定通り、彼女の目の前に巨大な氷の壁が現れてセラフィムブラスターの弾丸を飲み込んでいく。
 砕け散るまでにはまだ十分な時間を要することだろう。

 しかし敵も判断が素早く、正面では難しいと判断したのか翼の生えたガトリングが両脇から飛び出しこちらを狙っていた。
「…………(遠隔操作ですか、なるほど。 遮蔽を逆に利用して、一方的に安全な射撃方法を選んできましたか。 ですがそれは悪手でしたね)」
 チルは考えるよりも先に動いていた腕で瞬時にガトリングへと照準を定めると、撃たれるよりも先に氷の弾丸で仕留める。
 連射の熱よりもさらに冷たい氷が、完全にガトリングの機能を止めて沈黙させる。

 そこでしばらく止めていた息をハァと吐き出し、新鮮な空気を肺に入れる。
「ふぅ、こんなに痺れる狙撃は中々ありませんね。 さて、これで敵は翼も武器も失ったようですし、ゴールへと急ぐとしましょうか」
 悔しくて声も出ない様子の天使(羽はない)を無視して、チルは氷を蹴って大きく羽ばたきレースを続行するのであった。
大成功 🔵🔵🔵

ミスツ・シューパリツェ
ようやく大ボスの登場か!
お前みたいなのがいると思ってコイツをとっておいた甲斐があったぜ!
来い、零桜花!(キャバリア零桜花が飛来し、同化する)
そうはいかねえな!オブリビオンにやる金はねえ、賞金は俺が頂く!
オウロ「依頼云々じゃなくてお金頂く気だー!悪-い!」

こっちもガトリングみたいな真似はできらぁ
触手≪撃式≫を展開して●一斉発射
敵の攻撃は●推力移動で回避
これが俺の身体にしてキャバリア、零桜花の強力スラスターだ!

デビルガトリング攻撃はUCで対魔力弾頭をカウンターで一斉発射して相殺
その間にオウロに翼を減らした敵に突進させる
それで攻撃が途絶えたらUC解除
推力移動で接近し●力溜めの触手≪殴式≫でぶっ飛ばす


 長く激しい蹴落とし合いが続いた、血で血を洗う熾烈なレース。
 それが遂に終わりを迎え、ゴールへのストレートコースへと入った瞬間であった。
 耳をつんざく破裂音の連続が響き、ミスツ・シューパリツェ(バイオモンスターのバーバリアン・f17654)は瞬時に戦車を乗り捨てて物陰へ身を隠す。
「……手応えがありませんね、逃げられましたか。 しかし、怯えて震える憐れな猟兵よ、これ以上の無駄な足掻きは苦しむだけです。 大人しく我が弾丸に裁かれなさい」
 ミスツが触手の目を物陰から出すと、頭上の遥か上に天使の羽を広げて舞い降りるガトリング持ちが映る。
「おうおう、物騒なもん持ち出してきやがったな。 向こうにいたころじゃお目にかかれなかった代物だぜ。 さしずめ、ようやく大ボスのご登場ってとこか!」
 見どころのあるやつがいなくて張り合いの無かったミスツが、面白い奴が来たとばかりにやる気を見せ始めた。
 まずは敵の装備を確認すると、先ほど撃ち放ったのであろう二丁の大きなガトリング砲。
 その威力は凄まじく、今ほど乗り捨てた戦車がベコベコになっていたほどだ。
 前世込みで死線を何度も乗り越えた経験のあるミスツ、彼女のこういう時に戦車を捨てる等の瞬時の判断力は流石というべきか。
「戦車は直さなきゃ動きそうもねぇな……チッ、派手にやってくれたじゃねぇか。 まぁいいぜ、お前みたいなのがいると思ってコイツをとっておいた甲斐があったってもんだからな!」
 とっておきだぜ、とミスツが呟き手元の端末を操作する。
 そして物陰から飛び出して身体を晒し、天に向かって高らかに叫んだ。
「来い、零桜花!!」

 地上から仕留め損ねたりゅへいの声が上がる。
「愚かな猟兵ですね、しかし自ら死にに来ることだけは賢明とほめてあげましょう」
 襲撃してきたオブリビオン、セラフィムブラスターは今度こそ引導を渡そうとミスツへガトリング砲を向けると、銃口を回して激しく苛烈に火を噴いた。
 だが、対するミスツは逃げも隠れもせずに仁王立ち。
 その顔に一切の諦めも無く、その目は真っ直ぐにセラフィムブラスターを見据えていた。
 それは間違いなく狩る者の眼、勝者の眼差しである。
 そして突如風を切り裂く衝撃波が空を走り、一瞬にして視界を防ぐ土埃が二人の視線を遮った。
 渦巻く暗闇から光る紅白の鋭い瞳、黒艶に映り込む白い影、絶えず形を変えて蠢く触手の塊。
 土埃から雄々しく現れたのは、これが、これこそがミスツの虎の子触手同化型キャバリア『零桜花』である。
「ふん、多少の延命に過ぎませんね。 優勝は依然私のものです、猟兵ごときには不相応であると……」
「そうはいかねえな! オブリビオンにやる金はねえ、賞金は俺が頂く!」
 拡声器のように響くミスツの声で遮ると、黄金像のオウロも続いて声を張る。
「依頼云々じゃなくてお金頂く気だー! 悪-い!」

 割って入られたことに自尊心を傷付けられたのか、ムッとしたセラフィムブラスターは再度ガトリング砲を放つ。
 だが、ミスツの零桜花はその重鈍な見た目に反してスラスターによる回避を行い、無駄弾をたっぷりと吐かせることにある。
「くくく、そんな調子じゃ優勝賞金の前に破産するんじゃねぇのか~?」
 遠回しに下手くそだと煽られたセラフィムブラスターは、もう頭に血が昇り手段を選ばなくなっていく。
 この場で当たらないのであれば、挟み打ちで何が何でも当ててやるとばかりに、ガトリング砲に羽を渡して遠隔攻撃を仕掛けて来たのだ。
「目には目を、弾には弾をだ! 全部撃ち落としてやるぜぇ!」
 零桜花の両腕を砲撃形態に変化させると、二丁のガトリング砲に真っ向から弾の撃ちあい押し付け合い。
 弾同士の跳弾が四方八方飛び散ってコースは悲惨な状況になっていた。

「おっと、アンタには特別に黄金弾のプレゼントだ、行ってこいオウロ!」
 遠隔操作によって手薄になったセラフィムブラスター本体に、黄金像が弾丸のように回転して頭突きをぶち込む。
 しかし流石にオブリビオンなだけはあり、両手をズタボロにしながらもそれを受け止めていた。
「不発弾か、しゃーねーな。 だったら俺が尻ぬぐってやるぜ!」
 オウロに気を取られて動きを止めていた隙に、零桜花が急接近する。
 そして片腕を拳に変えると、最期のダメ押しにオウロを叩いてセラフィムブラスターを貫いたのであった。
大成功 🔵🔵🔵

桑原・こがね(サポート)
あたしを見ろォ!
登場は雷鳴と共に、派手に演出していきたいわね!
名乗りを上げて注目されたいわね!
囮役とかも嫌いじゃないわ。

こそこそしたり駆け引きするのは苦手だし、何事も正面突破の力技で解決したい!

戦うときは大体斬りかかるか、武器を投げつけるか、雷出すかのどれかね。徒手空拳も心得が無くもないわ!

さーて、雷鳴を轟かせるわよ!


 長く激しい蹴落とし合いが続いた、血で血を洗う熾烈なレース。
 ゴールへのストレートコースには最後の門番とばかりにオブリビオンが現れて、猟兵達の行く手を阻んでいた。
 しかしそれのどれもが惨敗に終わり、セラフィムブラスターは悔しそうに膝をつく。
「おのれ、猟兵共め……所詮は地を這う下劣な存在だと侮ったばかりに後れを取るとは。 こうなればゴール事吹き飛ばし、全てを有耶無耶にしてくれよう……!!」
 天使の翼を持つ彼女のプライドにかけて、これだけは使いたくなかった奥の手。
 コース下に仕込んでいた爆薬の起動装置に向けてガトリングの銃口でゆっくりと狙い定めたのだ。
 この世界において卑怯だろうが悪いことだろうが正攻法になるためお咎めなしとなり、これでオブリビオンが優勝賞金を握ることができるだろう。

 だがそんなことは彼女の仕える神が許しても、名誉に賭けて決して許さない一筋の稲妻があった。
「そこのオブリビオンちょっと待ったァ! あたしを見ろォ!」
 雷鳴のように突然レース会場に鳴り響く、カラッとした大声がセラフィムブラスターの意識を引っ張る。
 既にトリガーへかかっていた指をピクリと止め、何事かと思わず振り返った。
 瞬間、カッと視界が白に染まりあまりの眩さに目を瞑る。
 眼が慣れて徐々に見開くと、目の前には雷光のように明るい髪色の少女が胸を張って立ちはだかっていた。
「だ、誰だお前は……!?」

「よくぞ聞いてくれたわね! あたしこそ『雷鳴団』の団長にして銀雷と称される桑原・こがね(銀雷・f03679)その人よ!!」
 どーんと自信満々に言い放つと、会場にいる観客席に向けてこれみよがしに雷鳴団長章をかざして注目を惹く。
 どうやらここぞという見せ場を狙い、絶好の売名チャンスに乗りこんできたようだ。
 そしてその作戦は見事にはまり、わっと悪魔達も立ち上がって声援を送り出す。
「あたしは逃げも隠れもしないわ! もう一度言うわ、『逃げ』も『隠れ』もしない真っ向勝負であなたを成敗してあげる!!」
 こがねは挑発するようにあえて強調してセラフィムブラスターに宣言すると、銃を持った相手に対してわざと刀を引き抜き斜に構えた。
 そこまで距離は開いていないとはいえ、まだ近接武器で踏み込める間合いではない。
「ぐ……貴様、私を愚弄しているのか! 多少傷を負っていようと油断さえしなければ貴様ら猟兵などに負けはしない!」
 顔を真っ赤にしたセラフィムブラスターは、起爆装置に向けていた銃口をこがねに向け直す。
 そして互いの得物の間合いに気が付くと、薄らと見下したように微笑を浮かべ迷わず引き金を握りしめた。
「ふふ、やつらはいつでも始末出来る。 まずは貴様の減らず口から閉じてやろう。」

 今までにない程大きな炸裂音が幾重にも重なり鳴り響く。
 二丁のガトリング砲が焼け付く勢いで回し続け、相手が消し炭になるまで止めるつもりはないとばかりにトリガーを引き絞っていたのだ。
「そうこなくっちゃね! さーて、ここからがあたしの腕の見せ所ってところね!」
 先の宣言通りこがねは迫りくる銃弾の豪雨に対し、退きも隠れもせずに悠然と立ち続ける。
 そのまま構えた刀を稲妻が空を走るが如くに素早く振り殴り、身に降りかかる弾の全てを弾いていった。
 鋭く手入れされた美しい刀身と、回転する鉄の塊が音速を超えてぶつかり合い、迸る火花が白い閃光を瞬かせていく。

 まるで地上に発生した稲妻だ、雷鳴がバチバチと鳴り響いているぞと、いつしか観客席の悪魔たちの口から零れて伝播していった。
 それが一つになっていくと、雷鳴コールが会場をまとめていく。
「よしッ! 会場も温まって来たわね! みんなの期待に応えるためにも、本物の雷鳴を聞かせてあげようじゃないの! 轟けェ!!!」
 度重なる弾丸逸らしによって帯電した刀で一閃すると、線のように真っ直ぐ飛び交う弾丸を伝って銀色に輝く雷が奔って昇る。
 あまり一瞬の出来事により反応できなかったセラフィムブラスターのガトリング砲にまで導火線のように辿り着いた銀雷は、中に眠る銃弾の火薬に引火。
 オブリビオンが自らの獲物の炎に包まれて消え去るのであった。
「よっしゃー! 『銀雷』はだてじゃないっての!」
成功 🔵🔵🔴

 ○レース結果
 ついにレースに潜んでいたオブリビオンが倒れ、猟兵達がゴールへと辿り着く。

 最初にゴールテープを切ったのは、唯一飛行能力を持っているチル・スケイル(氷鱗・f27327)。
 コースに残していった氷柱が他の参加者の脚を緩めたのが大きかっただろう。

 惜しくも2位に着いたのは黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)。
 ゴール直前まで障害物を薙ぎ倒す変身形態により、一歩前に出れたことで地上派としてはリードしていたようだ。

 健闘した3位の猟兵はミスツ・シューパリツェ(バイオモンスターのバーバリアン・f17654)。
 最後の攻撃で吹き飛んだオウロを回収しに行くのにやや手間取ったものの、マシンの性能により追い上げを見せてくれた。

 4位は桑原・こがね(銀雷・f03679)。
 オブリビオンを始末して観衆の応援に応えた後、堂々とゴールへと入った。

 5位はギルティナ・エクスキューション(有罪死刑執行人・f14284)。
 後続の悪魔たちの全てを相手取り続けて、拷問ショーを開催。
 悪いことが好きな悪魔たちは、ある意味ここが一番盛り上がっていた。
 ゴールはついでだったらしい。

最終結果:成功

完成日2021年01月16日
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