ガトリングエンジェル
新たに発見された世界デビルキングワールドの某所。電撃を操る怪力の悪魔フランケンシュタインたちの住まう国。多数の発電所を建造し日々電気を無駄使いするという悪を成していた住民らは、突如周囲の国々へと宣戦布告。
外への興味が薄く内々で平和に暮らしていたフランケンシュタインたちが、なぜ戦争を始めたのか。その答えは、一体のオブリビオンであった。
「女王サマ、準備デキマシタ!」
一人のフランケンシュタインが、そのオブリビオンへと報告する。
大きな白い翼に巨大なガトリング、妖艶な微笑みを浮かべる天使のような女性のオブリビオン『セラフィムブラスター』。降臨して瞬く間に国を制圧した彼女は、その見事な悪っぷりでフランケンシュタインを纏め上げ、戦争へと向かう。
『よぅし、出陣だよ! 破壊、暴力、蹂躙! これに勝る悪徳無し。数多の国を喰らいD(デビル)を巻き上げ、さらなる悪を成すんだ。行くぞ、野郎ども!!』
「ウオオオ! スゲーワルダ!」
「ツイテ行キマス!」
歓声を上げて進みだすフランケンシュタインたち。その様を眺めて、セラフィムブラスターを歪んだ笑みを浮かべるのだった。
●ワルいことしよーぜ
周囲に資料を投影したワン・イーナ(シンギュラリティ・f30274)は、猟兵が集まったのを確認して口を開く。
「んじゃ説明を始めるぜ。世界はデビルキングワールド、最近見つかったトコだ。この世界にあるフランケンシュタインたちの国が、オブリビオンに乗っ取られた」
拡大された写真に写るのは無数の電線、電柱、発電施設。煌々と輝く明かり。
そして、中央の広場で堂々と立っている天使の如きオブリビオン。
「この天使みてーな姿のヤツがオブリビオン。名は『セラフィムブラスター』暴力と破壊とガトリングを好むヤベーヤツ。出現してすぐにフランケンシュタインたちをぶっとばし、悪のカリスマとして君臨。自分の主義を一番の悪だと広めて、戦争する気だ。それだけじゃねェ、D(デビル)っつーこの世界のお金を集めて「カタストロフ級の儀式魔術」をやるつもりなのさ」
写真が切り替わる。次に表示されたのは広大な地図と、別の国らしき写真。
「今から転移しても直接止めるのは間に合わねェ。力づくでやろうにも、悪魔たちは頑丈で一般猟兵並くらいの力があるし、数が多すぎてこっちがフルボッコだ。だから、こっちも同じ手で対抗する……国には国を、だ」
別の国の写真が拡大され、追加で数枚の写真が投影された。
「ここは距離が一番近い国で、それが理由で最初に襲撃される。住民はブラックローブ。国の特徴としちゃァホラー風味っていうのかね。墓地に囲まれた教会とか遊園地のお化け屋敷みてーな? 驚かせたりビビらせたりするやつがワルってことらしい。この国に転移して、ワルを見せつけたり、力づくだったりで協力を得て一緒に戦ってもらうんだ」
続いて、付近の地図が表示され一部が拡大される。そこは障害物のない広野だ。
「戦場はここがいい。大軍を展開できる広さがある、この広野で迎撃するんだ。相手は正面突撃だけだから複雑な策は要らない。乱戦中の隙をついてボスまで進め。途中で親衛隊か護衛あたりとぶつかるかもしれないが強行突破してくれ。ただし、ボス以外は一般悪魔だから殺したりすんなよ。切ったり焼いたりしても大丈夫だが、やり過ぎれば死ぬからな」
互いの軍がぶつかり合うシミュレーションが投影され、相手の最も奥の地点にマーカーが表示される。
「恐らく、この地点にボス……セラフィムブラスターがいる。こいつをぶちのめせば勝利だ。能力も攻撃もガトリング特化。シンプルだが厄介だ。でも小細工や搦め手は無いから、やりようはある。思いっきりやっちまえ」
喋り疲れたのだろう、ワンはふぅ、と呼吸を整える。
「作戦全体を通して一つ注意してほしいんだが、あっちじゃ常に『ワルっぽい』ことを意識してくれ。そうじゃない善良な……例えば正義のヒーローみたいな行動すると『ワルじゃない!』って思われてブラックローブたちが寝返るからな。気をつけてくれ」
片手にグリモアのキューブを浮かべ、ワンは猟兵たちを見渡す。
「慣れない新世界だが、やることはいつも通りオブリビオンをぶっ潰すことだ。さぁいっちょやってやれ!」
グットラック、良き悪徳を!
松六
松六です。新世界来ました。早速依頼です!
今回は国を奪って軍勢を率いてくるオブリビオンを、同じく国と軍勢を率いて迎撃します。
と言ってもやることはいつも通りです。つまりオブリビオンを倒せばいいのです。
第一章は集団戦になっていますが、日常のようなフラグメントです。
国にいる悪魔たちを説得して仲間にしましょう。ワルっぽいことするとチョロいですが、戦ってもOKです。必要成功数が『7』になってますので、ご注意ください。
第二章は通常の集団戦です。敵の大多数は仲間にした悪魔たちが相手取りますので、皆様はスルーしてボスに接近。出てきた親衛隊や護衛――特別に強いとか強化されてる等はない――と戦います。倒して突破してください。ただしオブリビオンではなく一般悪魔住民なので殺しはダメです。頑丈なので斬られた燃えたくらいでは死にませんが、やり過ぎにお気をつけて。
第三章はボス戦です。セラフィムブラスターを倒してください。乱入や取り巻きはいません。
全体を通して注意事項ですが、『ワルっぽい』ことをするとプレイングボーナスがつきます。
『善っぽい』ことをすると判定は失敗になります。悪魔はワルに敏感なのです。
『どちらでもない』場合は通常通り判定します。
それでは、皆さまの冒険の一助となりますように。
第1章 集団戦
『ブラックローブ』
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POW : ダブルブラックローブ
自身の身長の2倍の【巨大ブラックローブ】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD : コールドハンド
【冷たい手による引っ掻き】が命中した物品ひとつを、自身の装備する【知恵の布】の中に転移させる(入らないものは転移できない)。
WIZ : ブラックアウト
【冷たい手で触れることで驚き】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【黒い知恵の布】から、高命中力の【意識を奪うような冷気】を飛ばす。
イラスト:synn
👑7
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ワルいヤツらのゴーストタウン
転移した先にあったのは、ブラックローブたちが闊歩する街中だ。
お化け屋敷のような住居、墓地を模したオブジェ、ランタンのぼんやりとした明かり、実にホラーな雰囲気がある。
ただ、路面にゴミは無くよく清掃されており、住民たちも礼儀正しいようだ。
さて、なんとかしてブラックローブたちの協力を得なければならない。どのような『ワル』を、魅せるべきだろうか。
プリンセラ・プリンセス
連携アドリブ可
プリンセラはA&Wで自国の皇帝代理である。
代理はいずれ外れるのでそれっぽく話す練習などもして、話すこともできる。
そして皇帝とは物語等に置いて強者やボスであることが多い。つまり悪の代名詞のようなものである。
そういう人間から手伝えと言われれば、異世界の皇帝だからといって断れる魔族など居ようはずもない。
悪役に使えるのもまた悪の理想だからである。
【覇気】【威厳】を込めて、悪の皇帝っぽく【演技】して仲間に加わるよう説得します。
「こういうのが得意なのは……やはりセルジョ兄様かしら」
人格を上書きして臨む。
「余はフィルザール帝国皇帝である。魔族よ、悪の道に走ろうというなら余と共に来い!」
普段は静寂に包まれ、時折恐怖に震える悲鳴が響くブラックローブの国は今、珍しく騒がしさに包まれていた。
その喧騒の中心となっているのは、国の一角に存在する噴水のある大きな広場だ。常ならばそれなりの人数しかいない広場は、人々で埋まりかけており、皆の視線は一点に集中している。
誰もが目を向ける先にあるのは、中心となる噴水と、一頭の大きな白馬。
そして、白いドレスを身に纏う一人の少女……プリンセラ・プリンセス(Fly Baby Fly・f01272)である。
(それなりに集まったようですね)
内心が表情に出ないよう気をつけて、視線を周囲へと彼女は向ける。人集めのためにクライムカイザーを連れてきたのが功を奏したようだ。通常よりも一回り大きい白馬は、人目を惹くには向いている。
ブラックローブたちが集っている光景は、ともすれば亡霊の群れの如く、かなりの威圧感と不気味さだが彼女は怯まず意に介さない。
(こういうのが得意なのは……やはりセルジョ兄様かしら)
今から成すことは、何よりもワルっぽさが必要だ。そのためにはプリンセラでは少し合わないだろう。
ならば、合う人格に変えればいい。多重人格者である彼女だからこそ可能な手段である。
兄の人格、その残滓(アバター)をもって己を上書きする。誰にも気づかれず完了すると、一歩前に出て、王笏をカツン、と地に打ちつけ周囲の意識を集めた。
「余はフィルザール帝国皇帝である」
正確には代理だが、いずれ外れるものであり、この世界の者たちにはわからないことだ。
真偽のわからない言葉だが、にじみ出る覇気と威厳は本物だと感じさせる。
気づけば広場は静寂に包まれ、ブラックローブたちはじっと耳を澄まし一言一句聞き逃すまいとしていた。
プリンセラは、いや兄であるセルジョの人格は、恐ろしく冷酷で、野心にあふれる瞳と笑みを浮かべる。その身振りは傲慢で強欲、まるで悪の皇帝のように振る舞ってみせる。
「魔族よ、悪の道に走ろうというなら余と共に来い!」
強く、魅力に満ちた誘い。聞き入った者に衝撃を与え、衝動のままに同意すれば、仕えることに名誉を感じて力が湧きあがる。
「い、行くぞ! 私はついていくぞ!」
「俺も行く!」
「すごい……なんて悪のカリスマなんだ!」
雰囲気と演説に飲まれたブラックローブが、次々と頷き、同行を申し出る。それはまるで波のように広がっていき、多くの住民を取り込んでいった。
演技なれど、覇気と威厳は確かなもの。それによって悪っぽさが増し、まさに悪の皇帝の如く、多くのブラックローブを味方に引き入れることに成功したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
トゥルリラ・トゥラリラ
アドリブ大歓迎です!
スゴイのね!
まるでハロウィンみたいなの!
魔王様が喜びそうなのね!
行動
驚かせたりビビらせる… つまり暴力で脅しても良いって事なのね?
それなら、みんなが望む悪のカリスマを演じる為にも、《狂気の回避術》で技能〈悪のカリスマ〉を強化!
あとはゴミ箱をひっくり返したり、そこら辺にある物を火炎放射器で燃やしたりして進むのね!
襲いかかって来るブラックローブが居るなら、〈第六感/見切り〉で攻撃を避つつ手加減した〈暴力〉で解決なのね!
「スゴイのね! まるでハロウィンみたいなの! 魔王様が喜びそうなのね!」
ブラックローブの国に明るく無邪気な声が響き渡る。薄暗く不気味な雰囲気に似合わない天真爛漫とした空気を振りまいているのは、トゥルリラ・トゥラリラ(鏖殺の堕天使・f31459)。
【地の魔王】に仕える彼女は、この国のことを話せば喜ぶかもと楽しそうに見て回る。が、すぐに成すべきことを思い出す。
「ワルいことして協力を得ればいいのね?」
むむ、と彼女は唸りながらワルいことを考える。
「驚かせたりビビらせる… つまり暴力で脅しても良いって事なのね?」
良い手を思いついた、と言わんばかりの閃き顔のトゥルリラ。
暴力。もっとも単純でわかりやすい、ありふれたワル。困ったらとりあえずで簡単に行えるために、格付けもしやすい。まぁ、思わぬ反撃を受けてしまうこともあるが。
ともかく、やること決まれば即行動。彼女は早速ユーベルコード《狂気の回避術》を発動。超常の力が彼女の内なる輝きを引き出す。
「さあワルいことするのね!」
可憐で無邪気な女の子から突如あふれ出す、思わず敬意を持ちたくなる強烈な悪のカリスマ。さらに彼女はみんなが望む悪を演じるため、手始めにゴミ箱を掴んでひっくり返し、中身をぶちまける。
突然の行動に思わず注目するブラックローブたち。意識に飛び込む悪のカリスマ。それらを気にせず殺戮火炎放射器を構え、散乱したゴミへと炎を放つ。
「燃えるのねー! 消毒なのねー! ……あ」
ちょっとテンションが上がってきて火力を上げた時だった。
「ぬわーっちぃいいい!?」
運悪く射程範囲内にいたブラックローブに引火。火だるまとなってどったんばったん跳ねて転がる羽目になっていた。
「ぜぇ、ぜぇ……危ねーだろがお嬢ちゃんよぉ!?」
とはいえそこは悪魔。火炎放射器でちょっと火だるまになったくらいでは、どうということはないのである。それでも熱いことには変わらないので、トゥルリラへと文句を言う。
「あんなところにいるのが悪いのね」
対して彼女も悪びれることもない。なぜならそれがワルというものだからだ。胸を張る彼女に、燃やされたブラックローブは激昂して手を振り上げ、超常の力で武器を取り上げようと襲い掛かる。
不意打ち同然の攻撃を、トゥルリラは冷静に見切って回避する。さらに攻撃を外してバランスを崩したブラックローブの頭に、中身が空になったゴミ箱をすばやく被せ、手加減したパンチを一発叩きこめば。
「おぶはぁっ!?」
ブラックローブはあっという間にノックダウン。
トゥルリラはダウンを見届けると、火炎放射器を構えなおし、いつのまにか遠巻きに見ていた群衆たちへ、明るく可愛らしい笑顔を浮かべる。
「やるのね?」
「「「ついて行きます!!」」」
かくして、ブラックローブたちの多くが彼女の下に降るのであった。
大成功
🔵🔵🔵
津上・未有
【ダークネス】
皆、各々の方法で説得しようとしてくれているな
我のUC【自称魔王のありがたきお言葉】によって不思議な力をみんなに与えるぞ
悪には悪で対抗する!我らが力を今こそ見せつける時だっ!
フレシアのスイーツは我が【料理】して用意しよう!
ケーキにシュークリームにタルト、好きなだけ食らうがいい!
…え、なんでみんな苦しんでるの?
…毒仕込んでたの!?…いつの間に…
榛名は…力づくで従わせるのか
荒事は我は手伝えないが、怪我はするんじゃないぞ
アリスのUCで舞台は整ったし【悪のカリスマ】を見せつけるぞ
敵は天使という善なる存在だが、我は魔王!悪の化身!
我らに従えば勝利は確実!ついてくるのだっ!
…首ぽろりしてる!?
アリス・セカンドカラー
【ダークネス】
まぁ、今回は魔王陛下も一緒なので真っ当にやりますかね。いや、普段のアレな行動も真面目にはやっているのよ?
“定義(ルール)”(結界術)によりブラックユーモア系カートゥーン的な世界を展開☆世界の“法則(ルール)”を勝手に書き換えるなんてなんて悪いことなんでしょう。
おっと(首が)ぽろりとしてしまったわ。てってってーと追いかけてうっかり自分の頭につまずいて、ピンボールのように跳ねる頭を念動力で操作して運の悪いブラックローブの手の中におさまって驚かせましょ♪
「魔王陛下に従うのだー」
この国ならこういうカートゥーン的なコミカルなワルのが馴染みやすいでしょ?
あ、化術肉体改造で簡単に治るわよ♪
フレシア・クイーンロゼリー
【ダークネス】
戦争とかなんてワルい…素晴らしい
しかし思慮は足りませんね。ただでさえ住民が強い世界。出る杭は打たれる定めと教えてあげましょう
ブラックローブたちに挨拶し、スイーツを振舞います
恐れ多くも未有様に手伝っていただいた、【毒使い】の毒スイーツです。ワルいでしょう
解毒剤が欲しければ言う事を聞けと脅迫します。死ぬことのないの麻痺毒ですがすごく怖い毒であるかのように振舞いましょう
反抗する者には『エレクトロレギオン』で対応します。力で言う事をきかせるとかワルいでしょう
魔王である未有様の配下として加え、電脳ゴーグルの機能も用いて屈強な配下を多数従える未有様の素晴らしさを称えるプレゼンを行いましょう
茅場・榛名
【ダークネス】
正しい戦術を執れば少数でも勝てると思うんだがな…
まぁ大将が殺られちゃ意味ないしな。
「本当はサボって寝てたいんだけど…やれやれだぜ」
私がやる事は単純。『実力で従わせる』。
“武”に自信のある奴に戦いを挑ませ、勝つ。
あ、何も一対一でやるなんて一言も言ってないから
うちの砲撃支援は来るよ?勝ちを掴む為なら卑怯な手も使う。
『騙して悪いが』ってやつだ。んで、負けた奴は勝った奴に従ってもらう。
「お前、喧嘩は好きか?女相手でも手加減はしないな?」
目には目を、力には力だ。うちの魔王はともかく、
私の部隊に善悪の概念はないんでね。
武力なら任せてくれたまえ
「未有、死ぬなよ。くたばったら殺せないぞ」
国の各所でワルい騒動が起き、ブラックローブたちの間に少々の混乱が見え出した頃。それに紛れるように、誰にも知られず新たに恐ろしい魔王と配下たちが転移していた。
「戦争とかなんてワルい…素晴らしい。しかし思慮は足りませんね。ただでさえ住民が強い世界。出る杭は打たれる定めと教えてあげましょう」
やる気十分、植物系ラスボスのフレシア・クイーンロゼリー(ダンジョン攻略ゲームの裏ボス・f31647)。
「本当はサボって寝てたいんだけど…やれやれだぜ」
肩を竦める傭兵の茅場・榛名(白夜の火狐・f12464)。
「まぁ、今回は魔王陛下も一緒なので真っ当にやりますかね。いや、普段のアレな行動も真面目にはやっているのよ?」
ちょっと疑惑の目を向けられる無邪気で妖艶なアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)。
そして、降臨せし魔王、津上・未有(自称真の魔王・f10638)は、自身が率いる【ダークネス】の三人に向き直る。
愛読書である魔王のすゝめの内容を思い出しながら、読んだ通りに腕を振ってポーズを取り、宣言する。
「悪には悪で対抗する! 我らが力を今こそ見せつける時だっ!」
彼女のユーベルコード【自称魔王のありがたきお言葉】によって、不思議な力が【ダークネス】の面々に宿り活力を生みだす。
「では、行くぞ!」
魔王の号令に、全員が行動を開始する。
まず最初にブラックローブたちを呼び集めたのはフレシアだ。彼女の後ろにはいくつものテーブルと、色とりどりのスイーツが並べられており、甘い匂いが辺りに漂って誘惑している。
「ブラックローブの皆さん、こちら未有様のご厚意によりスイーツパーティをご用意しました。どうぞ召し上がっていってください」
「ケーキにシュークリームにタルト、好きなだけ食らうがいい!」
どう見ても怪しいが、そこは根が善良な悪魔たち。美味しそうなスイーツがたくさんあるのを目にしたのもあって、疑うことなく手を出していく。
「これは……美味い! 手が止まらない!」
「こんなおいしいお菓子は久しぶりだな。いくらでも入るぞ!」
さながら、甘い匂いに釣られた虫のように。その先に待ち受けるものを予想することもなく。にやり、と笑ったフレシアに誰も気づくことはなかった。
そして、その時はあまり時間をかけずに来る。
「うっ……な、なんだ……か、らだが」
「しび、しびれ……あばば」
(…え、なんでみんな苦しんでるの?)
突然倒れ伏し、苦しみだすブラックローブたち。何がなんだかわからない未有。ワルい笑みを浮かべるフレシアは、未有の傍らに控え淡々と種を明かす。
「恐れ多くも未有様に手伝っていただいた、毒スイーツです」
(…毒仕込んでたの!?…いつの間に…)
ブラックローブたちは痺れて声が出せないが、雰囲気で驚愕しているのが伝わってくる。なんてワルなんだ……! と。その視線はフレシア、ではなく未有に向けられていたが、彼女は気づいていなかった。思考が追いついていないからだ。
そんな周囲の状況や魔王を置いといて、フレシアは小瓶を取り出し掲げる。
「こちら、解毒剤です。欲しければ言うことを聞いていただきます。聞かない場合は……ふふふ」
怪しく恐ろしい笑み、獲物を狙う蛇の如く蠢く触手、いつのまに未有の後ろに並んでいる軍勢は、召喚したエレクトロレギオンにソレっぽいガワを電脳ゴーグルで貼りつけたものだ。
毒で動けないブラックローブたちは毒を放置すればどうなるのか、もし拒否したらどのような末路になるかを想像し、恐怖で身震いする。
実際は痺れるだけの麻痺毒で死ぬことはないが、それを知らないブラックローブたちは恐れるばかり。なんて極ワルなんだ……! と尊敬すら抱く。そうなれば、もはや頷いて恭順する以外に道は無かった。
「では、これより魔王未有様の素晴らしさをプレゼンさせていただきます」
なお、解毒して自由になったブラックローブたちはフレシアによる電脳ゴーグルを用いた全力のプレゼンにより、魔王未有の配下となることを喜び忠誠を誓うのであった。
「上手くいったな。いった……よな?」
気づいた時には事が済んでいた未有は、深く考えずに他へと目を向けることにしたのだった。
「榛名は…力づくで従わせるのか」
そうして目を向けたのは榛名の方だ。
傭兵である彼女は、わかりやすく力を示すことにしたらしい。
「荒事は我は手伝えないが、怪我はするんじゃないぞ」
その言葉が届いているかはわからないが、榛名は適当な集団に近づいていく。ローブで顔はわからないが、気配で荒事に自身のありそうな相手を見繕う。
「お前、喧嘩は好きか? 女相手でも手加減はしないな?」
「おいおい、俺と喧嘩をしようってのか? この血濡れのローブ様によ!」
榛名が声をかけたのは、喧嘩慣れしてそうなブラックローブだが、どうやら当たりらしい。血濡れと言うわりにローブは真っ白だが、周りの取り巻きがなにやら囃し立てているので、実力はあるのだろう。
「ああ、そうだ。アンタに売ってるんだ。んで、負けた奴は勝った奴に従ってもらう。買うか?」
「買うとも。俺のワルにひれ伏しやがれ!」
ブラックローブが巨大なブラックローブを背後に召喚する。周囲はすぐに距離を取り、あっという間に円陣が出来上がる。
だが榛名は慌てることもなく、恐れることもなく、片腕を持ち上げて、振り下ろす。
「あ、何も一対一でやるなんて一言も言ってないから」
「え?」
ブォン、とどこからともなく装甲車が来ると、ブラックローブに向けて12.7mm機関銃をぶっ放す。ズドドド、という重低音が鳴り響き目標を滅多打ちにした。
「うわばぁああ!?」
「目には目を、力には力だ。うちの魔王はともかく、私の部隊に善悪の概念はないんでね」
勝ちを掴む為なら卑怯な手も使う。『騙して悪いが』……今回は言ってないだけで騙してはいないが、まあ、ありがちな手段だ。
倒れ伏してピクピクと痙攣する相手に榛名は歩み寄る。
「約束だ。守るよな?」
「は、はい……」
見下ろして、ワルい笑みを浮かべる。顔を上げて周囲を見渡せば、一歩引くブラックローブたちにこんなもんだろう、と一仕事終えて彼女は未有へと顔を向ける。
「未有、死ぬなよ。くたばったら殺せないぞ」
視線の先ではアリスが舞台を整えようとしているところであり、未有が近くで待機しているようだ。
準備を終えたのだろう。アリスが詠唱を開始する。
「私は私を“定義”する。私は世界を“定義”する。私は私の定めた“定義”から外れるモノを排し廃し私の定めた“定義”で上書きする」
超常の力が展開され、世界が書き換わる。不気味なホラーテイストからブラックユーモア系カートゥーン的な世界へと。
「世界の“法則(ルール)”を勝手に書き換えるなんてなんて悪いことなんでしょう」
何が起こったかわからず混乱する住民たちを見て、クスクス、とアリスが小悪魔の如く笑いをこぼす。と、ふと悪戯心が湧いた。
「おっと(首が)ぽろりとしてしまったわ」
ぽろりと。擬音がどこからか鳴り、アリスの頭が落ちる。さながらデュラハンのように。その光景を運悪く(?)見てしまったブラックローブが驚きのあまり固まった。
アリスはてってってーと転がる自分の頭を追いかけ、もう少しで手が届く、というところでうっかり頭につまずいてズッコケる。さらに頭がすっ飛んで壁に柵に電灯にぶつかりポンポン跳ねる。
それをタイミングよく念動力で操作し、運悪く近くにいたブラックローブの手の中に飛び込ませる。
「……え?」
何が起きたかわからず、手の中に収まったアリスの頭を見る。
「魔王陛下に従うのだー」
可憐な笑顔で無邪気に声をかけるアリス。
「…………ウーン」
ブラックローブは気を失った。
さらに、アリスを労っておこうか、と視線を向けた未有も。
(…首ぽろりしてる!?)
予想外の姿に思わず気を失いかけたが、どうにか耐えたようだ。ちょっと顔色が青いが。
なお、頭は後ほど、化術肉体改造で簡単に治ったらしい。
いろいろと衝撃はあったが、それでも頑張って魔王として耐え抜いた未有は、悪のカリスマを見せつけるべく舞台に上がる。
ばっと外套を翻し、高らかに説く。
「敵は天使という善なる存在だが、我は魔王! 悪の化身!」
様々な騒動で集まった群衆に、魔王が告げる。
「我らに従えば勝利は確実! ついてくるのだっ!」
一瞬の沈黙。後、爆発。
「魔王様ぁああ! ついて行きます!」
「未有様バンザーイ!」
「最高のワルを見せてくれっ!」
魔王様! 未有様! と称える声が響き渡る。
かくして、魔王未有率いる【ダークネス】はブラックローブたちを支配下に置いたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『フランケンシュタイン』
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POW : マッドネスサンダー
自身の【知性】を代償に、【電撃】を籠めた一撃を放つ。自分にとって知性を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD : フランケンナックル
【強靭な拳】で攻撃する。[強靭な拳]に施された【電撃発生装置】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
WIZ : ファイナルフランケン
【体内を流れる電流】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
イラスト:炭水化物
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ワルいヤツらのハジケパーティ
国へと迫るフランケンシュタインの軍団。バチバチと電気を漏らしながら猛進する軍だったが、広野に辿り着いた時、驚きの光景を目にした。
そこには、ブラックローブたちが揃って迎え撃つ準備を終えていたのだ。
しかし、足を止めるのは一瞬だ。フランケンシュタイン軍団は事前に言われた通り、真っすぐに突撃する。
一方でブラックローブ軍団も、真っ向から迎え撃つ。広野は瞬く間に敵味方が入り乱れる乱戦へと移行していく。こうなっては数の強みは活かせないだろう。
さあ、猟兵たちよ、今がチャンスだ。すばやく戦場を潜り抜け、敵の本陣へと乗り込むのだ。
プリンセラ・プリンセス
連携・アドリブ可
「やはり本場の魔王には敵いませんね」
他の魔王猟兵が集めるのを見る。比較するものではないがちょっと残念に思うのは仕方ないだろう。
「なら一番槍はあちらにおまかせしましょう。こちらは露払いを」
仲間内で集団で組んでいるほうがやりやすかろう。
人格をアベルに変更。
「では前衛は悪魔におまかせして、こちらは支援とまいりましょう。皇軍砲兵、構え!」
UCで呼び出した魔法砲術兵部隊。指示する属性は勿論聖属性。
味方に当てぬよう【援護射撃】【範囲攻撃】【集団戦術】にて最適な砲撃支援を行う。
砲術兵は悪魔に防衛させる。
「味方の悪魔にも効きますからね。近距離は単体魔法で対処してください」
トゥルリラ・トゥラリラ
アドリブ大歓迎です!
キヒヒ!敵味方入り乱れての大乱戦!
アハァ…見ていて心が躍るのね!
まぁ、今回は遊んでいく余裕は無いから、走り抜けるのね!
行動
早くボスの所に行かなければならない… それなら〈魔力貯め〉からの《爆撃雨》の爆風を利用して一気に加速してやるのね!
ついでに敵も吹き飛ばせば一石二鳥ってやつなの!
もちろん死なない程度に威力を抑えてやるから安心するのね!
あれ?これってブラックローブ達も吹き飛ばしちゃうのね?
まぁ、頑丈だしいっか!
ブラックローブ軍団の前線より一歩下がった位置より、プリンセラ・プリンセス(Fly Baby Fly・f01272)は戦場全体を見渡しながら、少しだけ思考にふける。
「やはり本場の魔王には敵いませんね」
小さく呟く。先ほどの、他の魔王猟兵が集めるのを思い出す。比較するものではないがちょっと残念に思うのは仕方ないだろう。
まあ、いつまでも気にしてもいられない。さっと切り替えて、己に課した役目を果たすべきだ。
「なら一番槍はあちらにおまかせしましょう。こちらは露払いを」
仲間内で集団で組んでいるほうがやりやすかろう。そう判断して、こちらは道を切り開くとする。決断したならば、後は実行するのみ。
意識を切り替える。人格をアベルに変更。適した者に出番を譲る。
「では前衛は悪魔におまかせして、こちらは支援とまいりましょう。皇軍砲兵、構え!」
超常の力が行使され、呼び出すのは魔法砲術兵部隊。指示する属性は勿論聖属性。号令の下、部隊が並び、一糸乱れぬ詠唱が魔を討つ力を高め、輝きを増す。
それは当然目立つ。ゆえに何体かのフランケンシュタインが気づき、猪突の如く駆けだすが、防衛を任されたブラックローブたちが押しとどめる。
押しも引くもできないフランケンシュタインを気にすることなく、高まる魔力が最大に達し、狙いを定めあとは命を待つのみ。
「放てッ」
敵味方乱れる戦場の空を、幾つもの聖なる輝きが流星のように走り、降り注ぐ。突然上空から降ってきた攻撃は、フランケンシュタイン軍団を蹴散らし混乱させるが、ブラックローブ軍団へは当たることなく、これを好機と攻勢を強めていく。
「味方の悪魔にも効きますからね。近距離は単体魔法で対処してください」
攻撃の結果を冷静に観察し、第二射の用意を指示しながら、接近しようとして防衛のブラックローブに押しとどめられるフランケンシュタインの迎撃手を命ずる。
そして、戦場に二度目の魔法砲術が放たれ……着弾。再び吹っ飛ぶフランケンシュタインたち。
いや、それだけではない。その中に紛れて、爆発を蹴って跳ぶ影が一人。
「キヒヒ! 敵味方入り乱れての大乱戦!」
トゥルリラ・トゥラリラ(鏖殺の堕天使・f31459)。降り注ぐ魔法、弾ける電撃をものともせず突き進む。
「アハァ…見ていて心が躍るのね! まぁ、今回は遊んでいく余裕は無いから、走り抜けるのね!」
底抜けの笑顔、高揚のままに漏れる笑い声。できるなら遊びたいところだが、今回は抑えて走り抜けることを優先し、両手に魔力を練り上げ溜める。
「キヒヒ… 汚ねぇ花火を咲かせてやるのね!」
激しい連鎖爆発魔法が地面に叩きつけられる。巻き上がる土砂、熱、爆風。それらを蹴り、跳躍して加速する最中に魔力を練り上げ、新たな爆発を生じ蹴り跳び加速を重ねる。時には味方の砲術をも利用して、彼女は戦場を走る。
「ついでに敵も吹き飛ばせば一石二鳥ってやつなの!」
言葉通り吹き飛ぶフランケンシュタインたち。中には果敢にも殴りかかったり電撃を放とうとする悪魔もいるが、纏めて爆発に飲まれ、蹴られ、踏み台にされていくのだった。
「あれ? これってブラックローブ達も吹き飛ばしちゃうのね?」
ふと思い出し、ちらと後ろを見れば爆発で宙を舞い叫び声を上げるブラックローブがいた。
「まぁ、頑丈だしいっか!」
それに死なない程度に威力を抑えてやるから安心するのね! とトゥルリラはにっこり笑顔で新たな爆発を巻き起こし、戦場を荒らしながら本陣へと加速するのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アリス・セカンドカラー
【ダークネス】
ふふふ、私は未有魔王陛下が四天王の一角『腐敗の魔少女』。私のことは親しみを込めてアリス院さんと呼ぶように♪
『不可思議『夜』想曲』で時間を操作する能力を想造し、範囲攻撃でファイナルフランケンの効果時間を一気に消し飛ばして昏倒させましょ♪キンクリキンクリ☆
「私のスキルは不可思議(10の64乗)個、その内の(なんか適当な数字)個も使わせるなんてなかなかいい勝負だったわ☆」
はったりで威圧しつつ、モーゼの如く道を開かせるスキルを想造して悠々と進んでいきましょ♪
それでも襲いかかってくるのは適当にキンクリで無効化しつつイキましょうか。
あ、未有ちゃんは『夜』想曲で強化した結界術で護ってるわよ。
フレシア・クイーンロゼリー
【ダークネス】
私の巨体は目立ちすぎます。敵の進軍ルートから予測した場所に植物系ラスボスらしく【トンネル掘り】で地下道を作っておき、地下から奇襲を仕掛けます。
策略、奇襲とかワルそうでしょう
…予測と敵本陣位置がずれてオブリビオンに奇襲できないのは残念ですが、【怪力】と毒スイーツの状態異常を利用した【範囲攻撃】の奇襲で敵親衛隊を(殺さないように)蹴散らします
「我はラフレシア!偉大なる未有様の配下なり!」
敵の攻撃からは巨体を生かして未有様を【かばい】、【カウンター】を入れます
「くくく…我をここまで追い詰めるとは。ならば『ラスボス変身』の力を魅せてやろう!」
UCも利用した【継戦能力】で恐れず戦います!
津上・未有
【ダークネス】
…やっぱり、戦いは怖い、な
だが…いつまでも臆する我ではない
…大丈夫だ。我には頼りになる仲間がいるのだから
…我は、偉大なる魔王なのだからな
【悪のカリスマ】は伊達ではないのだっ!
榛名のビークルに一緒に乗るぞ!
うおっとっとっと、だ、大丈夫だ、大丈夫だぞ!
隙を見つつ【禁断の魔具】をぶん投げて援護だ!
…改めて見ると、これ結構えぐいな…流石アリス院さんからもらったオサレ魔具…
…おわっ!なんかブラックローブ達も巻き込んじゃってる!ごめん!でもこれはこれで悪っぽいからいい…のか?ほんとにいいのか?
だが、結果として移動しやすくなったな!
いくぞ、本陣へっ!
※基本不殺です
茅場・榛名
【ダークネス】
戦場は入り乱れているようだな、作戦の第一フェーズと行こうか
先に出したあのビークルで突破を試みよう
なんなら未有も乗るか?乗り物耐性があれば、の話だが。
「私はビークルに乗って近づく敵を撃つ」乗ると言っても天井だがな!
来ないなら友軍に【援護射撃】するし、
来たなら盛大に歓迎しよう、全力の煽り【挑発】でな!
頭は駄目か、なら足狙いだ
「フレシア、背後がガラ空きだ!回り込んでくる敵に注意しろ!」
「フン、拳が銃なんぞに勝てる訳がないだろうが?」
雷属性という私の弱点を突いた連中だが、命中しなければいいだけの事
“ハウンド”の名に恥じない戦をしようじゃないか!
「あの皮付き共を見てみろ。勝ち目はないな」
幾人もの猟兵が戦場を駆ける中、【ダークネス】の面々は異なる一角から突破しようとしていた。
「ふふふ、私は未有魔王陛下が四天王の一角『腐敗の魔少女』」
妖艶な微笑みを浮かべる可憐にして魔性の少女、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)がブラックローブを引き連れ、優雅に現れる。
「私のことは親しみを込めてアリス院さんと呼ぶように♪」
「アリス院さん!」
「キャーアリス院さーん!」
それまでの空気と雰囲気を一切合切ぶん投げて無邪気にポーズと名乗り。合わせてブラックローブたちが声を上げ、戦場らしさはどこへやら。
また、それだけ騒げばフランケンシュタインたちも彼女らに気づく。大声を上げて仲間を集め、一斉に突撃してくる。
「ヤッチマエー!」
「勝ッタゾ! ファイナルフランケン!」
バチバチと電流が漏れる。フランケンシュタインの体内を流れる電気が一時的に増強され、肉体を強化する。見た目からは想像できない俊敏な動作で跳躍し、アリスに肉薄して叩き潰そうと腕を振り上げた。
「『不可思議『夜』想曲』」
不思議なポーズとともに、アリスが呟く。
「あなたたちの時間を消し飛ばしたわ。キンクリキンクリ☆」
一撃も彼女に当たることなく、フランケンシュタインたちは全員、効果時間切れで昏倒した。
「私のスキルは不可思議(10の64乗)個、その内の24684個も使わせるなんてなかなかいい勝負だったわ☆」
無垢な童女のように、妖艶な美女のように、花が咲くようにアリスは笑う。フランケンシュタインたちは慄き、ブラックローブたちがワルだぜー! と沸きあがる。
実際ははったりだが、敵にこれを見抜く余裕も知恵もなく、ただ突然、本当に時間を操ったかの如く味方が倒れ伏したのを見て、恐れおののき、威圧されるのみ。
アリスが一歩前に出れば、敵は一歩引く。
にこにこと笑顔で進みつつ、幾つかのスキルを想造してこっそり併用すれば、フランケンシュタインたちはもはや道を開けるしかなく。さながらモーゼの如くアリスは悠々と進んで、あるいは無力化してイった。
全ては、魔王の道を開くために。
(…やっぱり、戦いは怖い、な)
一方、件の魔王、津上・未有(自称真の魔王・f10638)は表情や態度には出していないが、内心では怯えの色があった。いや、表に出していないだけ彼女は十分立派と言えるだろう。
(だが…いつまでも臆する我ではない)
小さく息を吸い、丹田に力を込め、恐怖と臆病を払うべく思い起こす。
(…大丈夫だ。我には頼りになる仲間がいるのだから)
「…我は、偉大なる魔王なのだからな」
頼れる仲間と矜持こそが、己の足を奮い立たせるもの。胸を張り、両の目を戦場に向け、内にあるモノを吐き出すように声を上げる。
「【悪のカリスマ】は伊達ではないのだっ!」
「未有、乗らないのか?」
「うおっとっとっと、だ、大丈夫だ、大丈夫だぞ!」
ビークルの準備を終えた茅場・榛名(白夜の火狐・f12464)の声掛けに、先の威厳も覚悟も霧散し慌てて未有は近寄っていく。
そのビークルは、国で説得する時に呼び出した装甲車だ。今回の敵陣突破のため続けて使用することとなったのである。しかし、アリスによる結界術の守りに、優れた足の速さもあるとはいえ、乱戦の真っ只中を抜くのは困難であり、ゆえにアリスには事前準備として敵を惹きつけてもらっている。
「私はビークルに乗って近づく敵を撃つ」
ヴァルキリーライフルを手に装甲車の天井に乗る榛名。
「我はここにいればいいのだな!」
未有は銃座から顔を出す。うっかり当たったり暴発すると危ないので、機銃は取り外してあった。
未有の準備ができたのを確認した榛名は、拳で運転席の天井を叩く。返答のクラクションが鳴らされ、装甲車が敵味方入り乱れる戦場へと発進する。
アリスのおかげで密度が薄くなった箇所に、アクセル全開で踏み込む。前方にいたフランケンシュタインが驚き慌てて退く。揺れが激しく、未有は車体にしがみついてなんとか耐えているが、榛名は不変不動の姿勢でライフルを構えた。
視線の先、目標となる本陣付近は奥地だけあって敵は多い。さらに親衛隊だからか、そこそこ優秀らしく装甲車を発見すると瞬く間に仲間を集めて向かってくる。
「歓迎しよう」
先頭のフランケンシュタインの足に照準を合わせる。
「盛大にな!」
トリガー、撃鉄、減音されパシュっという発射音で放たれた弾丸は、さながら猟犬の如く正確に足を捕らえ、炸裂。
「ウ、ウォオオ膝ニ弾ガ!?」
撃たれたフランケンシュタインは勢いを殺せず転んでしまい、後ろから迫っていた者たちが巻き込まれて転び、勢いを止められてしまう。
「フン、拳が銃なんぞに勝てる訳がないだろうが?」
次々と足を撃ち抜いていき、空の弾倉を交換してボルトを引きながら嘲り笑う。“ハウンド”の名の通り、狙えば牙突き立てる狩人。
強力な攻撃だろうと弱点を突こうと、命中しなければ意味がなく、まして射程に圧倒的な差があれば、それだけで決着がつくこともある。
そして、それは敵も理解はしているようだ。このままでは、と考え、距離を詰める手段を実行する。
「ファイナル! フランケン! スローイングッ!!」
「行クゾォオオ!」
隣にいた仲間を掴むと、全力でぶん投げたのである。強化された身体能力を活かし、何人ものフランケンシュタインが空に投げられ、砲丸と化して装甲車を急襲せんとする。
大雑把な投げだったため、撃たれたりコースを逸れたりしてどこかに落ちていった者もいるが、それなりの数が降り注ぎ拳を構え。
「我はラフレシア! 偉大なる未有様の配下なり!」
「「「!?」」」
大地がめくりあがり粉塵を巻き上げ巨大な影が現れ、飛来するフランケンシュタインを叩き落とす。
粉塵が晴れて姿を見せたのは、トンネルを掘って地下道を作りながらあらかじめ進んでいた、フレシア・クイーンロゼリー(ダンジョン攻略ゲームの裏ボス・f31647)である。さすがに敵本陣は無理だったが、奇襲としてはこの上なく見事に決まり、突如現れた巨体に敵陣は動揺が走る。
あとフレシアはイイ感じにワルく決まったとテンションが上がっていた。
「フレシア、背後がガラ空きだ! 回り込んでくる敵に注意しろ!」
榛名の警告にフレシアは周囲を見れば、落ちたフランケンシュタインが回り込もうと走り出している。巨体であるために、懐に飛び込まれれば危うい。
「甘いわ!」
触手を振り回してなぎ払い、あるいは掴んで放り投げる。その怪力は凄まじく、捉えれば逃しはせず、追撃の毒スイーツを口に放り込んで殺さずに無力化する。
そうして生まれた隙を見逃さず、装甲車は走り抜けようとするも、気合の入ったフランケンシュタインが知性を削り、全力の電気を込めた一撃を叩きこもうと飛びかかるがフレシアがかばうことに成功。電撃が体を焼くが、その間に装甲車は走り抜けたのを見届け、彼女は猛る。
「くくく…我をここまで追い詰めるとは。ならば『ラスボス変身』の力を魅せてやろう!」
ビキリ、と表皮にヒビが入り、裂けるように割れた。脱皮のように内から無傷の表皮が表れ、樹木の内側から大樹が生えるように新たな形態へと姿を変える。より巨大に、より触手の数を増やして、フレシアがラスボスの力を魅せつける。
その光景にフランケンシュタイン軍団は恐れ震え、追いついてきたブラックローブ軍団が沸き、感動の声を上げた。
「あの皮付き共を見てみろ。勝ち目はないな」
装甲車の屋根から後方を確認し、榛名はライフルを構えなおす。
ガクンゴトンと揺れに耐えていた未有も振り返り、戦場を確認すると、我も援護だ! とアリスより献上された【禁断の魔具】を取り出した。
「フハハハハ! 我が本気を見せる時がきたようだな!(ぽちっ) あ、なにこれ、なんかわからないけどこれはヤバい(ぽーい)」
奇妙で奇怪な作動音を鳴らし始めたことに危機感を抱いた未有は、即座に放る。
放物線を描いて乱戦を始めた両軍に飛び込んだオサレ魔具は、周りを巻き込んで機能を解放した。
「ム? 何ダコ、チョ、キャアアア!?」
「待て、ま、そこはダメー!?」
それは筆舌に尽くし難く、どんな言葉でも形容することのできないなんかエグくてヤバい恐ろしいナニカだった。
「…改めて見ると、これ結構えぐいな…流石アリス院さんからもらったオサレ魔具……おわっ! なんかブラックローブ達も巻き込んじゃってる! ごめん! でもこれはこれで悪っぽいからいい…のか? ほんとにいいのか?」
口に手をあてて思わずうわぁ、となっている未有。榛名は無言で目を逸らすことで応えるのであった。
「だが、結果として移動しやすくなったな! いくぞ、本陣へっ!」
あえて考えないことにした未有は本陣の方に向き直る。死んでないし。結果はOKだし。
ともかく、かくして猟兵たちはオブリビオンが待ち受ける本陣へと辿り着くのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
第3章 ボス戦
『セラフィムブラスター』
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POW : 銃撃の使徒
自身の【翼】を代償に、【空飛ぶデビルガトリング】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【魔力弾の銃撃】で戦う。
SPD : セラフィムブースト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【デビルガトリング】から【銃弾の雨】を放つ。
WIZ : スマイルガトリング
自身が【微笑んでいる】いる間、レベルm半径内の対象全てに【デビルガトリングの掃射】によるダメージか【セラフィムの加護】による治癒を与え続ける。
イラスト:hoi
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ワルモノのガトリングエンジェル
清らかな白い翼、美しい肢体、慈しみを浮かべる笑み。天使そのものと言っても過言ではない姿でありながら、恐ろしい禍々しさを感じるのは、四門のガトリングのせいか。
彼女こそ元凶、オブリビオン『セラフィムブラスター』である。
「フン、なるほど。邪魔したのはお前らの仕業ってワケ」
風貌に反して出てくる言葉は荒々しく、清らかな鈴のような声でありながら悪意に満ちている。
「いいねぇ。そうでなくちゃ戦りがいがない! さあ始めようぜ!」
ガトリングが回転し、翼が羽ばたく。猟兵を睨みつけ、敵意を叩きつける。
「破壊! 暴力!! 蹂躙!!! これこそ最高の悪徳だッ!!!」
戦いの火蓋は切られた。オブリビオンを撃破するのだ。
トゥルリラ・トゥラリラ
アドリブ大歓迎です!
破壊・暴力・蹂躙!
確かに聞き心地が良い言葉なのね!
彼女が遊び相手じゃ無かったなら、仲良くなれたかもしれないのね‥
まぁ、結局壊しちゃうからあまり変わらないか。
行動
空から降るガトリングの弾幕はかなり厄介だけど、《狂気の回避術》で強化された〈第六感/瞬間思考力〉で弾道と着弾地点を予測して、〈見切り〉で回避すればなんとかなりそうかも?
一瞬でも隙を見せたら殺戮火炎放射器で思いっきり燃やしてやるのね!
キヒヒ… これじゃ対空砲火じゃなくて対空放火なのね!
「破壊・暴力・蹂躙! 確かに聞き心地が良い言葉なのね!」
色白の肌を興奮で赤く染め、トゥルリラ・トゥラリラ(鏖殺の堕天使・f31459)はにんまりと笑う。
「遊び相手じゃ無かったなら、仲良くなれたかもしれないのね…」
「いや、今からでもなれるよぉ? お前が……」
ほんの少し残念そうにするトゥルリラに、セラフィムブラスターが語り掛ける。
「塵の一粒でも残ってたらなッ!!」
翼が空を打ちセラフィムブラスターが超加速。ガトリングを構えて狙いを定める。
殺意を向けられてもトゥルリラはマイペースを崩さず、無邪気に呟きをこぼす。
「まぁ、結局壊しちゃうからあまり変わらないか」
狂った笑みを浮かべて、彼女は青い瞳を細めた。
「そぉら血煙になりやがれ!」
セラフィムブラスターがトリガーを引く。四門のガトリングが火を噴き、腹の底に響くほど咆哮し、跡形も無くす暴力を叩きつける。トゥルリラが居た場所が何度も爆破されたかのように破裂し、砕けて粉塵が舞い上がった。
わずか数秒の掃射を終え、消えたか、とセラフィムブラスターが首を傾げた時。
「無様に空振りでもしてろなの!」
横から届いた声にすぐに顔を向ける。視界に映るのは無傷のトゥルリラだ。
それを確認した瞬間、獰猛に笑い、セラフィムブラスターは高速で飛びガトリングをぶっ放す。
トゥルリラもすでに反応している。未来予知のように直感で飛行軌道を理解し、一瞬の思考で着弾地点を予測して弾道を見切り、暴虐の嵐を踊るように回避する。
攻撃を外したセラフィムブラスターは、翼を用いて慣性を殺しつつ旋回、再び掃射するために飛来する。
そして、殺人鬼は刹那の隙を見逃さない。
「そらそら、踊ってばかりじゃバラバラになっちまうぜ!!」
数度の掃射、数度の旋回。高速だからこそ発生する大きな慣性。どれほど抑えようとも、瞬間的に速度が落ちるものだ。
掃射を終え、何度目かの旋回を行おうと慣性のかかるわずかな間に。殺戮の魔手が伸びた。
「な、っああああ!?」
ぼう、と大量の炎が手を広げセラフィムブラスターをつかみ取る。肌を翼を焼く業火に悲鳴を上げながら加速して地面を転がり、急いで消化するが、その姿は無残なものだ。
「キヒヒ… これじゃ対空砲火じゃなくて対空放火なのね!」
炎を漏らす殺戮火炎放射器を構え、狂った笑いを明るく響かせるトゥルリラは、とても愉快だとセラフィムブラスターを見下ろすのだった。
成功
🔵🔵🔴
フレシア・クイーンロゼリー
【ダークネス】
「我は未有様が配下、植物系ラスボス、ラフレシア!」
『ラスボス変身』でパワーアップし増えた触手の【怪力】と【トンネル掘り】の応用で【地形破壊】。
土砂を巻き上げ視界を遮る事で敵の攻撃を阻害しつつ、穴を掘り未有様や仲間を隠し、敵の攻撃や土砂から仲間を【かばう】。
さらに【怪力】で岩を投げ、飛行する敵をけん制。
「破壊、暴力、蹂躙こそ最高の悪徳。全くその通り、故にそれ以上の破壊と暴力にて蹂躙しよう!」
言葉と裏腹に本命は自身の寄生触手を破壊し荒れた【地形の利用】して気づかれないよう伸ばし、その攻撃手段、デビルガトリングを奪う事
「口先で騙し、抵抗できなくなった敵を蹂躙する。実にワルいでしょう?」
津上・未有
【ダークネス】
いよいよ決戦の時か…
ふっ、天使如きが大いなる悪である我らに勝てる道理はないっ!
さあ、蹂躙してやろう…ククク…フハハハハ!
…といっても、我自身は弱いからな…
とりあえず我自身は【闇に紛れる】、もしくはフレシアが掘った穴の中に隠れるぞ
そして【魔王の軍勢】で悪魔たちを沢山召喚するっ!戦闘はお前たちに任せるぞ!
ククク…我自身は隠れ、戦闘は部下任せ…これぞワル、だろう?
だが、アリスもフレシアも榛名も結構無茶するからな…
最低1体ずつはあいつらの元に悪魔を憑かせて、サポートさせることにしよう
…戦闘慣れしてない我自身よりも、悪魔の方が頼りになるだろ
足を引っ張らないよう、ずっと隠れていよう
アリス・セカンドカラー
【ダークネス】
あは♪わかりやすくていいわね☆
真の姿『夜(デモン)』の封印を解く。リミッター解除、限界突破。
戦場を『夜』で覆い、結界術で仲間達をかばう。
出口は『夜』空に浮かぶ紅の双月の片方。さて、あなたに辿り着けるかしらね?
術者を倒せばいい?ふふ、この迷宮が私そのものよ、『夜』の世界をそのガトリングで破壊し尽くせる?
まあ、弾丸はすべて『夜』に呑んで(捕食して)エネルギー充填して継戦能力を確保。加護も略奪して無力化するわ。
さて、皆の見せ場も終わったしそろそろいいかしら?
『夜』に覆われ、『夜』に堕ち、『夜』に溶けて消えてしまいなさい。魂すら略奪し捕食し蹂躙してあげる♡
ふふ、ごちそうさま♪
茅場・榛名
【ダークネス】
あんたが総大将って訳か。ならお互い弾がなくなるまで
撃ちまくろうじゃないか。射撃、装填、その繰り返しだ。
お前ら、狩りをするぞ!死んでも運んでやらねぇからな!
「殺していいのは殺される覚悟のある奴だけだ。
お前にその“覚悟”はあるかな?」
…とはいえ、相手は上空から撃ってくるのか。
気をつけろ、隠れたつもりでも奴には『見えてる』かもしれんぞ!
敵の大将を狙いたいのはうちらだけじゃないって事だ
「恐れるな、恐れさせろ!」
んじゃ、私も前に出て壁になりながらライフル射撃だな。
あいにく私は逆境に強いタイプでね、追い込まれる程
強くなる狐の恐ろしさ、とくと味わってもらおうか…!
「見よ、狂戦士の実力を!」
プリンセラ・プリンセス
連携・アドリブ可
「あれが今回の黒幕ですね」
複数のガトリング相手に接近戦はまずい。
かといって射撃戦でもあちらに分がある。
「ならば近づかずに攻撃するしかありませんね」
切り替えるは長兄ヴィルヘルム。
ガトリングエンジェルを中心に円を描くように移動。【見切り】【オーラ防御】【フェイント】にて偏差射撃を回避しつつ【早業】【クイックドロウ】で抜き放つは騎士剣。
遠近法を無視する必殺の斬撃覇竜閃空次元断。
【二回攻撃】による二段斬り。
斬撃であれば走りながらでも放つことが可能。そして遠近法を無視する為威力も気にしないで済む。
「あれが今回の黒幕ですね」
炎を振り払い、なんとか立ち上がりつつあるセラフィムブラスターを遠方から見つめるプリンセラ・プリンセス(Fly Baby Fly・f01272)。
相手は飛行能力と複数のガトリングを備えており、遠近両面において分が悪い。取れる手段と想定するリスクを考え、彼女は戦術を決める。
「ならば近づかずに攻撃するしかありませんね」
剣を握りしめ、飛び立つ前に距離を多少詰めておくかと踏み出そうとした時。彼女はセラフィムブラスターに近づく者たちを見つけ、止まる。わずかな思案の後に、プリンセラは身を潜めるのだった。
一方、どうにか立ち上がったセラフィムブラスターの前に近づき、仁王立つのは津上・未有(自称真の魔王・f10638)率いる【ダークネス】、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)と茅場・榛名(白夜の火狐・f12464)だ。
「クソ、よくも焼きやがって……あ? 何だ、お前ら」
セラフィムブラスターが問いかけ、睨みつける。その形相と視線にちょっと内心で怯みつつも、よくぞ聞いたと未有が応える。
「フハハハハ! 我こそが! 真の魔王未有なのだ!」
何度もこっそり練習したポーズを決め、彼女は宣言する。
「ふっ、天使如きが大いなる悪である我らに勝てる道理はないっ! さあ、蹂躙してやろう…ククク…フハハハハ!」
未有は上半身を後ろに反らし、真上を向いて大きく笑う。
それに対しセラフィムブラスターは、にやぁ、と口の端を釣り上げた。
「蹂躙、ねぇ? いいじゃないか……やってみろォッ!!」
天使のような微笑みと、破壊の意思に満ちた怒声で返答する。四門のガトリングが【ダークネス】に向けられ、銃身が回転し魔力が満ちる。あとはトリガーのみと、指をかけた瞬間。
「我は未有様が配下、植物系ラスボス、ラフレシア!」
「!? チィ!」
セラフィムブラスターと【ダークネス】の間の地面が粉砕され、土砂を巻き上げながら巨大な影が顕現する。すばやく飛び上がったセラフィムブラスターはトリガーに指をかけたまま、突然奇襲してきた存在を見下ろす。
いくつもの触手を操り、キャバリア並みの大きさを誇る植物系ラスボス、フレシア・クイーンロゼリー(ダンジョン攻略ゲームの裏ボス・f31647)。
「破壊、暴力、蹂躙こそ最高の悪徳。全くその通り、故にそれ以上の破壊と暴力にて蹂躙しよう!」
振り回される触手が地面を砕いて粉塵を巻き起こし、掴んだ大岩を放って攻撃する。
大雑把な攻撃は当たれば強力だが、セラフィムブラスターは容易く回避してみせる。しかし、それこそが狙い。フレシアに集中している隙に、土砂と粉塵に紛れて作られたトンネルに未有は飛び込み隠れ、アリスと榛名はそれぞれに散開していた。
そして、隠れることに成功した未有は急ぎ魔王の軍勢を召喚する。
「来い、我が闇の軍勢よ!」
超常により闇が溢れ、たくさんの可愛らしい悪魔たちが現れた。
「行け、戦闘はお前たちに任せるぞ!」
命令を受けた悪魔たちは闇を生み出し、それに紛れて地上に出たり、別の穴から外に出ていく。それを見届け、未有は笑みを浮かべる。
「ククク…我自身は隠れ、戦闘は部下任せ…これぞワル、だろう?」
誰かに向けたものではない虚空に呟いた言葉を、まだ移動していなかった悪魔が耳にし、ちょっと微妙ッスね、と生暖かい視線を注ぐ。心配事に意識を向けている未有は気づかなかったが。
「だが、アリスもフレシアも榛名も結構無茶するからな…最低1体ずつはあいつらの元に悪魔を憑かせて、サポートさせることにしよう」
このような正面戦闘ともなれば、彼女の出来ることはあまりない。時折響く戦闘音に若干怯みながらも追加の悪魔を召喚し、思わずため息が出る。
「我自身は弱いからな……戦闘慣れしてない我自身よりも、悪魔の方が頼りになるだろ。足を引っ張らないよう、ずっと隠れていよう」
後はただ、無事を祈るのみだ。
そして、地上ではセラフィムブラスターが二門のガトリングを翼ごと分離、遠隔操作して魔力弾をばら撒き、可愛らしい悪魔たちを牽制。自身もまた残り二門を使い、空中から猟兵たちへ掃射していた。
「ヒャッハー! これだ、これぞ戦争だ!!」
昂揚する感情を抑えることなく、セラフィムブラスターが雄たけびをあげ、撃ち続ける。が、咄嗟に翼をかかげ防御姿勢を取り、着弾、衝撃。
「あぁ?」
「殺していいのは殺される覚悟のある奴だけだ。お前にその“覚悟”はあるかな?」
硝煙が燻るヴァルキリーライフルを構え、榛名が問う。
「覚悟ぉ? フン、要らねぇよンなモン。死ぬのはお前らだからなッ!」
セラフィムブラスターが凶笑で答える。
「ならお互い弾がなくなるまで撃ちまくろうじゃないか。お前ら、狩りをするぞ! 死んでも運んでやらねぇからな!」
榛名が駆けだす。銃弾の雨が降る。悪魔たちの生み出す闇、巻き上がる粉塵、フレシアの触手に時に身を隠し、時にかばわれ、果敢に撃ち返す。すばやく正確に、ライフルの引き金を引くたびに敵は翼で防ぎ、身を翻す。
闇雲に攻めているのではない。敵は上空にいるため、地上がよく見える。ともすれば隠れた未有か、隠れ場所が『見えてる』かもしれない。迅速に弾倉を交換し、ボルトを引いて初弾を薬室に送り込む。敵の目を引きつけるため、榛名は再び射撃を開始した。
「恐れるな、恐れさせろ!」
「あは♪わかりやすくていいわね☆」
妖艶な天使のように、無邪気な悪魔のように、アリスは笑い、準備を終えて真の姿『夜(デモン)』の封印を解く。制限が外れ、限界を超えて、超常の『夜』が戦場を覆い隠す。
異常な空に、セラフィムブラスターは困惑を露にする。
「なんだ、こりゃあ……?」
「出口は『夜』空に浮かぶ紅の双月の片方。さて、あなたに辿り着けるかしらね?」
『夜』の迷宮上空に輝く、アリスの瞳のように紅く妖しい二つの月。まるで見下ろすように存在する月を見上げ、セラフィムブラスターは忌々しいと舌打ち。
「小賢しいッ」
「術者を倒せばいい? ふふ、この迷宮が私そのものよ、『夜』の世界をそのガトリングで破壊し尽くせる?」
「全部ぶっ壊せばいいだろうがよ!!」
嘲るように挑発するアリス。怒るセラフィムブラスターは分離させたガトリングを近くへと呼び戻し、纏めて破壊しようと上空で構える。
だが、それこそが罠。準備は終わりあとは仕上げに移っていくのみ。
「さあ、行きますよ!」
触手を振りかぶるフレシア。掴んでいるのは……いや、乗っているのは榛名だ。応、と頷く彼女を、フレシアは触手のしなりを最大限に利用し敵に向けて放り投げる。
風切り飛ぶ榛名に気づき、セラフィムブラスターはガトリングを急いで構えなおし撃つ。多少狙いが甘くとも、四方向からの弾幕の網でバラバラにしてやろうと考えるが、それを不意の一撃が阻んだ。
「妄念、執念、因業。全て断ち切りなさい」
身を潜め機を伺うプリンセラが、長兄ヴィルヘルムに人格を切り替え参る。その手に持つ騎士剣を目にも止まらない早業で抜き放ち一閃。
「覇竜閃空次元断!」
神速の切り返し一閃。振るえば刃が伸び距離を無視して二度の斬撃が空のガトリング二門を切断した。
まさかの伏兵にセラフィムブラスターは驚愕し、それでも残り二門を撃って落とそうとする。魔力弾がカーテンのように広がり、飛び込む榛名に牙を突き立てようと待ち受ける。
「見よ、狂戦士の実力を!」
それがどうした。追い込まれた狐こそ強く恐ろしいぞ、と彼女は怯まない。さらにアリスの結界術が保護し多くの弾丸を『夜』が呑むことで弾幕は薄くなり、榛名は傷つきながらも突破、セラフィムブラスターへ肉薄、回し蹴る。
「ぐ、ざけんな!」
翼で防御するが、それは同時に視界も塞いでしまう。ゆえに、追撃に対しセラフィムブラスターは一手遅れをとった。
榛名は片手でヴァルキリーライフルを保持し、ハンドガンD.E.をもう片手で抜くと二丁の銃を至近距離で連射し叩き込む。
セラフィムブラスターは防御を解く暇がなく、苛烈な攻撃の圧力に距離を取ろうと高度を下げ、榛名は撃ち尽くすとすばやく離脱、可愛らしい悪魔たちにキャッチされた。
しかし敵が立て直す隙はなかった。高度を下げた瞬間に地面を貫いて触手が現れ残っているガトリングに絡みついた。
「な!? 放しやがれ!」
無理矢理引き抜こうとするが既に遅く。触手はガトリングに寄生し操作権を奪取、本体であるセラフィムブラスターから分離して地面を転がっていく。
「口先で騙し、抵抗できなくなった敵を蹂躙する。実にワルいでしょう?」
ワルい笑みを浮かべて見下ろすフレシア。屈辱に怒るセラフィムブラスターだが、できるのは殺意に満ちた視線を叩きつけることだけだ。
そして、幕引きの時が来る。
「さて、皆の見せ場も終わったしそろそろいいかしら?」
アリスが指揮者のように腕を掲げた。
「『夜』に覆われ、『夜』に堕ち、『夜』に溶けて消えてしまいなさい。魂すら略奪し捕食し蹂躙してあげる♡」
武器を失い翼を無くし、もはやどうにもならないセラフィムブラスターは『夜』に闇に食われていく。
「ああ、クソ。ここまでか……もっと暴れたかったが。まっイイ戦争だったな」
消滅しきる最後まで、セラフィムブラスターは笑い続けた。
「ふふ、ごちそうさま♪」
アリスはスカートを摘まんでわずかに持ち上げ、優雅に礼をする。あとには何も残らず、戦いの跡だけだ。
かくして戦争は終わりを告げ、ブラックローブとフランケンシュタインはそれぞれの国に戻る。両国の関係は、これから緩やかに元通りになっていくだろう。
ただ、活躍した猟兵たちが『最高のワル』として、両国で語られていくことになるのだった。
成功
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