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ワルい事、しようぜ!

#デビルキングワールド

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#デビルキングワールド


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●王様、今日も悪い事しました。
 良い子すぎて絶滅寸前に陥りかけたことのある新たな世界、デビルキングワールド。
 悪い事をするのはカッコイイ、良い子は悪い事をするという法が通されている世界。
 そんな世界に新たに誕生したとある小国のお話。

「いやぁ、今日も落ちてたD(デビル)を勝手に貰っちまったぜ~」
「かっけぇ~~~俺もやりてぇ~~~」

 こんな台詞は日常茶飯事。悪い事は良いことだ。
 悪い事をすれば世界は綺麗に動き続ける。そう、悪い事は良いことだ!

 落ちてたD(デビル)を交番に届けずそのまま盗む。
 D(デビル)輸送車がちょっと休憩している隙に運転して貰っていく。
 おつりでちょっと多く貰ったD(デビル)をそのまま貰っていく。
 などなど。様々な悪事が今日も行われている。

 このように盗んだD(デビル)が何処へ行くのかといえば、それらは全て王の元へと集められる。
 王とは、悪事を働く悪魔達を統べる王様のこと。この国の王はD(デビル)が大好きで、集めた者ほど良い子の認定を受ける。

 そういや王っていつ出来たんですか? そんな声が聞こえてくるのだが……。

 まさか、オブリビオンが王のように崇められる日が来ようとは……。

●デビルキング法にも穴はあるんだよな。
「話を聞いたときには正直、この世界って穴だらけじゃね?って思ったのはここだけの秘密な」

 グリモアベースでそんな事を口にするのは木々水・サライ(《白黒人形》[モノクローム・ドール]・f28416)。
 新たに見つかったデビルキングワールドの状況を予知したのは良いのだが、世界の情勢とかそのへんに目を向けてたらクソでかため息を付いてしまったらしい。

「で、まあーなんだ。新しい世界の通貨、D(デビル)……だっけ。それを集めるオブリビオンが王として現れたんだ。どうにもその通貨、普通の通貨じゃなくってな。悪魔の通貨って言われるだけあって、集めるとヤバい」

 要約すると、ある程度の総数のD(デビル)を集めるとカタストロフ級の儀式魔術を発動させる事が出来るらしく、そのオブリビオンの目的を止めないとデビルキングワールドは超ド級の悪い事が発生してしまうという。
 悪い事を良しとする世界だとしても、まさか世界崩壊までは導きたくあるまいよ。そう小さく呟く彼は、この世界における注意事項を述べつつ阻止を願い出た。

「この世界は良い子だからこそ悪い事をする、というのが通例。で、あれば俺達も悪い事をして住民達の視線をより集める必要がある。そりゃもう、どでかい悪事をな」

 聞いてるだけで既にデカい悪事が行われてるような気がしないでもないが、そうでもしないと住民達は全く見向きもしないそうだ。しかもこの世界の住民、猟兵にちょっと殴られただけでは倒れないほどの頑丈さを持っているため、武力行使のみでは言うことを聞かない場合もあるとのこと。
 そのため、より悪事を見せつけたほうが勝ちだ!の精神の下、王たるオブリビオンに立ち向かってくれる住民を探し出す必要があるという。

「ま、たまにはワルい事にも手を染めてみようじゃねぇの。あの世界の理論で言えば、俺達も良い子なんだからな」

 ニヤリと悪い笑みを浮かべては、戦場へと送り出すサライ。
 はてさて、どのような悪事が繰り広げられるのか……。


御影イズミ
 閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
 新ワールド出ましたね。楽しそうなので一本出してみました。
 悪い事が合法的に出来るっていいよね!!

 なお現在、MS自身のリアル事情により執筆状況が変わっております。
 MSページを必ずご確認の上、プレイング送信をお願いします。

●第一章 集団戦シナリオ
 集団戦と銘打ってますが、戦闘ではありません。ご注意ください。
 オブリビオンが王の国に攻め込まれようとしているフランケンシュタイン達に声をかけて仲間にしよう!というシナリオ。
 悪事を行われそうでヤバい、こっちも悪事し返したいのに出来ない! そんな状況下です。
 今一度言います。戦闘ではありません。声をかけるだけです。

●第二章 集団戦シナリオ
 オブリビオンの小国にて、配下の魔王軍との戦闘です。めっちゃ大軍です。
 ここでは第一章に仲間にしたフランケンシュタイン達と共に戦うことが出来ます。

●第三章 ボス戦シナリオ
 オブリビオンにカチコミします。悪のカリスマを充分に発揮してます。超キメッキメです。
 そのため猟兵側も悪のカリスマを充分に発揮する必要があります。
 周囲で戦闘中の悪魔達は悪のカリスマに敏感に反応してしまうため、悪っぽくない善良な行動(悪魔的に恰好く悪い行動)を取ってしまうと寝返ってしまいます。
 寝返りが発生した場合は残念ながら失敗判定となります。ご了承ください。

 皆様の素敵なワルいプレイング、お待ちしております。
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第1章 集団戦 『フランケンシュタイン』

POW   :    マッドネスサンダー
自身の【知性】を代償に、【電撃】を籠めた一撃を放つ。自分にとって知性を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD   :    フランケンナックル
【強靭な拳】で攻撃する。[強靭な拳]に施された【電撃発生装置】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
WIZ   :    ファイナルフランケン
【体内を流れる電流】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●カチコミ? 上等ッ!!
「おらぁ!! 国庫狙えェーー!!」
「D(デビル)たんまり入ってる国庫狙ったれェーーー!!」

「させるかぁーーー!! 守れ守れーーー!!」
「連中の脳髄ぶちまけさせたモンこそ良い子じゃあーーー!!!」

 なんかもう、良い子という代名詞を盾にとんでもない台詞が飛び交っている。ある種ヤの人の抗争に近い。

 どうやらオブリビオンの国に属する者たちは、『国一つ潰してD(デビル)奪えば早くね?』という悪い事理論が組み上げられたらしく、一丸となってフランケンシュタインしか存在しない国を襲い始めた。
 とんでもねぇ悪い事を企てるオブリビオンの国だが、D(デビル)を失うわけにもいかないフランケンシュタインの国側も悪い事(肉体の弱点を不意に突く、あれはなんだ!をやるetc...)をもって対抗していた。

 こんな抗争状態に入り込むのは、まあ普通の思考ならば死を覚悟して入るとかそういうものだ。
 しかし猟兵達は良い子なので、悪い事(グリモア猟兵によるテレポート)で戦闘の邪魔をすることが出来る。

 オブリビオンの企みを阻止するために、フランケンシュタイン達と話をしなくては!

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 プレイング受付:12/26 8:31~

 集団戦と銘打ってますが、戦闘ではありません。ご注意ください。
 ちょっとぶん殴る程度であればOKです。ちょっと気絶するだけなので。
 なお悪い事をするとフランケンシュタイン達はめっちゃテンション上がります。

 ※連絡事項※
 世界観的に、悪っぽくない善良な行動は若干判定が厳し目になります。
 ご了承ください。

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エルヴィン・シュミット
悪虐こそが美学?いいね、そういうのは…大好きだ。

早速【ランドストーカー】に乗って抗争のド真ん中に突撃だ!
【30mmガトリングアーム】で両陣営に向かって鉛玉をバラ撒いてやる!
フランケン共にはちょっと位当たっても文句は言わせねえ!
そのまま【大声】でフランケン共に向かって叫び立てる!
『おうテメェらァ!あのクソ野郎共の中身をブチ撒けてぇんならコイツで協力してやるぜぇ!』
そのままの勢いで明後日の方向に【サーマイトランチャー】で【爆撃】!
『もし断ろうってんなら…コイツで奴らもお前らも焼いてやるよ。』
きっちり【恫喝】もさせて貰う。効きそうにないけどな。

『今日の残虐行為手当は…全部俺のモンだ!』



●今日の残虐行為手当は……
「悪逆こそが美学? ……いいねぇ」
 フランケンシュタインの国とオブリビオンの国の戦いを、高台から見下ろす一人の男がいた。その名はエルヴィン・シュミット(竜の聖騎士・f25530)。国民たちの抗争を眺め、どのようにフランケンシュタインの国の者達を従えるか……それを思案していた。
 そうして閃いた一つの方法。それは単純明快なものだった。
「そういうのは、大好きだ」
 大型二足歩行戦闘車両ランドストーカーに乗り込み、一気に高台を駆け下りていくエルヴィン。ついでと言わんばかりに、備え付けの30mmガトリングアームで両陣営に向かって一斉に射撃。闘いの最中で第三の新たな敵として登場することでより悪であることを魅せることはもちろん、己の存在を際立たせることに集中していた。
「なんだテメェ!!」
「何処のモンじゃぁ!!」
 フランケンシュタイン達がエルヴィンに向けて一斉に啖呵を切る。オブリビオンの国の者達も、負けじとエルヴィンに言葉で噛みつきに来た。
 だがそんなことは全く気にせずにエルヴィンはランドストーカーから顔を出し、自前の大声でフランケンシュタイン達へと声をかける。今回の目的はそもそもがフランケンシュタイン達の協力を手に入れることなのだが、いかんせん、悪い事をする子が良い子という世界では、口も手癖も悪くなってしまうものだ。
「おうテメェらァ! あのクソ野郎共の中身をブチ撒けてぇんなら、コイツで協力してやるぜぇ!!」
「なんじゃぁ!! いきなり現れよって、良い子ぶってんじゃねぇぞぉ!?」
「見知らぬテメェなんかに良い子の座は渡せねぇ!!」
 フランケンシュタインの国では良い子頂上決戦でも起きてるのだろうか。それはさておき。
 この様子ではまだ、エルヴィンに力を貸そうと考える者はいないようだ。ならばとエルヴィンは容赦なく明後日の方向へ―――彼は見向きもしなかったが、方向線上にはオブリビオンの国の者がいる場所へ―――サーマイトランチャーを撃ち、爆撃をかましてやった。
「断ろうってんなら、コイツで奴らもお前らも一緒に焼いてやるけどなァ……?」
 にやりと浮かぶ、悪の顔。他者を己のために痛めつけ、更には自分自身よりも立場の低いものへ恫喝する。デビルキングワールドに存在する法律、「デビルキング法」に則るならば、エルヴィンの行いはまさに今"良い子"だろう。
「お、おお……??」
「な、なんか、わけわかんねぇけど……」
「すげぇ、こう、なんか……」
「アイツの言うこと聞いてたら、俺達も良い子になれる気がしてきたぞ……!?」
 ざわざわと、フランケンシュタイン達がエルヴィンの悪事を見ては騒ぎ始める。自分達が悪事を行うよりも更に上位の悪事を持ち出してきた。これはもう、彼の下について悪事の参考を取り入れて敵軍を倒すのが良いのではないか? と考える者まで現れ始めた。
 そして……エルヴィンの最後の掛け声によって、彼らはエルヴィンとの協力(?)をすることを決めたのだった。
「今日の残虐行為手当は……全部俺のモンだ!!」

成功 🔵​🔵​🔴​

尾守・夜野
「…おいおいおいおい!
この国やあの国にはイイコちゃんしかいねぇってか?!」

どっちも悪い事じゃねぇじゃんと悪態つきつつ目についた手近な奴の胸ぐら…掴め…でけぇんだよ糞が!
膝かっくんして体勢崩させ無理やり掴み上げメンチきる
「…よぅ…守るっつー…誰かの決めたルールに従うお利光さんはてめぇか?
守るのも奪うのもルールの上の事だろうが!
何守ってやがんだよ!
んなもの捨ててやりてぇようにやりやがれ
壊してぇなら壊せ
奪いてぇなら奪え
悪だの何だの考えるんじゃなくやりてぇようにやれ!
善悪決めるのなんざあとからでいいのさ」
挑発しつつ悪のカリスマでお送りするのは破壊大好きな俺様
アドリブ歓迎



●守るだけがルールではなく……
「……おいおいおいおい! この国やあの国には、イイコちゃんしかいねぇってか!」
 デビルキングワールド、フランケンシュタインの国に足を踏み入れた猟兵、尾守・夜野(墓守・f05352)。彼はこの国、ひいてはこの世界の実情に笑顔を浮かべていた。
 夜野―――正しくは多重人格のうちの一つ、破壊が大好きだという『俺様』人格の者。フランケンシュタインの国とオブリビオンの国の戦いに、彼はとても"良い"笑顔を浮かべていたそうな。
(でも、どっちも悪い事じゃねぇじゃん……)
 悪い事と聞いて楽しみにしていたが、実情を目の当たりにして少ししょげていた。どっちも自分の考える悪い事とはかけ離れているよなぁ、と呟いたという。
 そうして彼は、若干劣勢となっているフランケンシュタインの国へと向かい……手近にいたフランケンシュタインの胸ぐらをつかもうとしたのだが、夜野とフランケンシュタインの身長差はそれはもう段違い。
「くそっ、でけぇんだよクソが!!」
 げしっと膝裏に向けて回し蹴り。不意を突かれた一人のフランケンシュタインはがくんと倒れ、周囲にいたフランケンシュタイン達も突然の第三者の登場に身構えた。が、夜野は蹴り倒した一人の胸ぐらを掴むと、それはもう大声で説教を始めた。
「誰かの決めたルールに従うお利口さんってぇのはてめぇか?」
「な、なんじゃぁ、テメェ!」
 口答えをしてきたので、ちょっとだけ厳し目にガツンと一発。この程度ではこの世界の住民達は死にはしないため、続けて夜野は喧伝も兼ねて説教を続行した。
「おうおう、デビルキング法だかなんだか知らないが、ルールってのは破るためにもあるもんだろぉ!?」
「は、はぁ!? 何を言ってんだテメェ!」
「悪事を働くのが良い子だってんなら、いっちばんやらなきゃいけねぇ悪い事が残されてるじゃあねぇか!!」
 夜野の喧伝しているそれすなわち、"ルールを破る事"。誰もが悪事を働くという法を遵守しているが故に、頭からスっぽ抜けている一番大事になり得る悪事だ。ざわざわとフランケンシュタイン達は騒ぎ始めたが、それでも夜野の演説は止まらない。
「壊してぇのなら壊せ。奪いてぇなら奪え。悪だのなんだの、ごちゃごちゃ考えるんじゃあなくてよぉ! てめぇらがやりたいようにやれ!! 善悪決めんのは後からでも好きなときにやりゃぁいいんだ!」
 倒れたフランケンシュタインの上で演説する夜野の言葉に、周囲の者達は何処か惹かれる部分があったのだろう。『やりたいようにやれ、考えるのは後回し』というのは、今の状況にとってはまさにピッタリの言葉だ。
「たっ、確かに今はやりたいようにやったほうが相手を押し返せるのでは……!?」
「だったらやってみるしかねぇだろうがよ! オラオラオラァ!! 続け続けェーー!!」
 夜野の説教が効いたのか、それともちょっとした火種となってくれたのか。ともかく、夜野の言葉に目覚めたフランケンシュタイン達は、"ルールを破る"という悪事をもってオブリビオンの国からの猛攻を押し返し始める。
「ははっ、そうこなくっちゃねぇ」
 ニヤリと笑ってフランケンシュタインを見送る夜野の顔には、まさに『悪のカリスマ』が備わっていた……。

成功 🔵​🔵​🔴​

プリ・ミョート
アドリブ歓迎

かっけぇ~~~おらもやりてぇ~~~

はっ。いかんいかん。儀式魔術?が発生するんだったな、さっさと声かけするべ
あんのお、おらたちの仲間さに……ひっ!?
ひいい、悪魔より悪魔らしいべ、くわばらくわばら。
ちゅうわけなら、んだば、《全てはわが策略の内》を起動だべ

ぐわははは! 呪詛のせいで頭が痛むか苦しいか!? それは、おいらのせい! もう夜は寝れんけろー!
ん? 取り除けって?! それなら仲間になってくんろ! 交換条件だべ!

ふははは、おらもワルだべー!



●これでワルになるべ!
「は~~~かっけぇ~~~……おらもやりてぇ~~~!!」
 悪い事をすることが良い子の証拠なデビルキングワールドに、また新たな"良い子"が一人。その名はプリ・ミョート(怪物着取り・f31555)、人呼んでファッションモンスター。
 フランケンシュタインの国とオブリビオンの国の衝突を眺める彼女は、そのワルさについて憧れを抱いていた。自分を田舎者だと称する彼女にとって、ワルとはある種の上流階級のようにも見えるのだろう。
 だが今はD(デビル)を他国から奪うという悪事によって、危険な儀式魔術が発生する事案が予知されている。悪事を止めるのは心痛むが、とにかく止めなければ世界がヤバい。
 ということで、プリは戦闘真っ只中をぽてぽてと歩いて、フランケンシュタイン達に声をかけ始めた。
「あんのぉ、おらたちの仲間さに……」
「あぁ!? ンだテメェ!!」
「ぶっ殺されてぇのか!!」
「ひぃっ!?」
 あまりの殺気立った声と動きに、思わず飛び退る。国庫を狙われてるとなればそりゃあ、いきなりの声掛けには誰もが敵と判断されてしまうものだ。プリは手を合わせて、くわばらくわばら、と唱え始めた
「ありゃあ悪魔よりも悪魔らしいべ……、くわばらくわばら……」
 しかしこのままではどうしたものか。協力を申し出たり仰いだりしようにも、これだけ殺気立っているのだから言葉を受け入れることはない。今見たとおり、近づくものは誰もが敵と認識しているにも等しい。
 それならとプリはユーベルコード『全てはわが策略の内』を発動させ、髑髏柱を召喚して呪詛を周囲に撒き散らす。プリのいる地点から広い範囲に渡ってフランケンシュタイン達が苦しみ始め、ふらついたり倒れたりする者が現れた。
「ぐっ……あ、頭が痛ぇ……!」
「痛ェ!! くそ、なんなんだこれ!!
「ぐわははは! 呪詛のせいで頭が痛んで苦しいだろー! それはすべておいらのせい! もう夜は寝れんけろー!」
 魔王のような笑い声を響かせ、フランケンシュタイン達を跪かせるプリは、今まさに"ワルの道"を突き進んでいた。国同士の戦いを止めるという悪事を働いたプリは、痛みに悶えるフランケンシュタイン達から殺意のようなものを向けられていた。
「テ、テメェ……! さっさとこいつをどうにかしろぉ!!」
「ん? 取り除けって? ふっ、そいつはできねぇ相談だべ!」
「な、なにぃ!?」
「テメェ、何が条件だ……!!」
 頭痛に悶えながらも、話のわかるフランケンシュタインが出てきた。にやり、とプリの口元(という名前の布の端)が動く。
「それなら仲間になってくんろ! これなら交換条件になるべ!」
「く、く……! 確かにこんな大悪事をやる奴の下につかない理由がねぇ……!!」
 わははは! と大声を響かせるプリ。仲間になってくれると知った後、呪詛の力を解除してフランケンシュタイン達の協力を受け入れた。
 その後、大声で笑いながら戦うプリの姿が見受けられたという。
「ふはははー! これでおらもワルだべー!」

成功 🔵​🔵​🔴​

叢雲・雨幻
悪い事が良い事…成程ね。
そうねぇ…より悪い事を提案する、ちょっと頭を使った”良い事”…なんてのはどうかね。

「いやーちゃんちゃらおかしいねぇ!そんな小さい事で、本当の良い子になれると思ってるとは笑っちゃうぜ!」
【目立たない】様な位置から、迎え撃とうとするフランケンの集団に大声で【挑発】でもして、露骨に大笑いでもするかね。
何か物理的妨害をされそうになったらUCで防ぐよ。

「考えてみなって。奴らをそのまま潰すなんてもったいないと思わんかね?例えば…先んじて精鋭隊で奴らのトップを潰したりしたら…あの全員に絶望を味合わせる事が出来ると思わないかい?やるのはそれからでも…ってね」
ってな具合に引き込もうかね。



●ちょっと頭を使った良い事。
「悪い事が良い事……なるほどねぇ……」
 デビルキングワールドの実情を眺めるのは叢雲・雨幻(色褪せた根無し草・f29537)。今まさに、フランケンシュタインの国が攻め込まれている様子を眺めていた。
 世界についての情報を今一度確認したところ、悪い事をすることが良い子の証拠という法律はまさに今の状況を作り出す決め手となっており、雨幻もどう切り込んだものかと悩んでいた。
 ……が、ふと閃いた"悪い事"はデビルキング法という法律の穴をすり抜ける事が出来ると気づき、ニヤリと笑みを浮かべた。
「より悪い事を提案する……ちょっと頭を使った"良い事"、なんてのはどうかねぇ」
 そうと決まれば悪事を実行。雨幻はすぐさま、目立たないように装いを改めてフランケンシュタインの国へと潜入する。
「おらぁ!! まだ壁薄いぞぉ!!」
「連中、裏口からも忍び込んできやがる!! どうなってやがんだよぉ!!」
 フランケンシュタイン達の怒号が響き渡る。今も尚オブリビオン側の攻撃が止むことはなく、逆に後ろを取られる事が多くなっているためキレ散らかす者が多かった。
 オブリビオンの国の軍隊をフランケンシュタイン達が迎え撃とうとしているそんな中、何処からか挑発の大声が聞こえてくる。
「ちゃんちゃらおかしいねぇ! そんな小さいことで、本当の良い子になれると思ってるとは……笑っちゃうぜ!!」
「な、なんだとぉ!!?」
 目立たないように行動していた雨幻が、大笑いを交えてフランケンシュタイン達を挑発する。何処から聞こえるかわかっていないため、フランケンシュタイン達は困惑と焦りを見せている。
 そこへ雨幻は提案を示す。さらに"良い子"になるためにはどうするか、むしろ自分のほうが悪事を引き立てることに長けていることを伝えた。
「いやぁね、考えてみなって。奴らをそのまま潰すなんてもったいないと思わんかね?」
「はぁ……?」
 何言ってるんだコイツは、という表情がフランケンシュタイン達に浮かんでいる。本当に何もわかっていない様子なので、右舷は更に説明を追加した。
「例えば、ほら。今やられているようにさ。先んじて精鋭隊でも組んで、奴らのトップを潰したりしたら……そりゃあもう、あの全員に絶望を広める事が出来るんだぜ?」
「お、おお……?」
「国を潰すのはそれからでも……って感じさ!」
 はっはっは! と、目立たないことを良いことに雨幻はまた大声で笑う。
 その笑い声はどうも、フランケンシュタイン達には強者の証にも聞こえたようで、彼らはどうしたらいいんだ、と質問をし始めた。今まで彼らは戦いといえば真正面から殴りに行くしか考えてなかったようで、雨幻の言う作戦がよくわかっていなかったようだ。
「あーはいはい、わかったわかった。おじさん1人しかいないから、教えれる人数には限りがあるからね。軽くにはなるけど、しっかりと教え込んでやるから」
 ちゃんと話を聞いてくれよな? と、最後の念押しの一言を残し、姿を目立たせないまま雨幻はフランケンシュタイン達に軽い講義を行ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『アルラウネ大家族』

POW   :    同化花粉散布
対象の【脳】に【花】を生やし、戦闘能力を増加する。また、効果発動中は対象の[脳]を自在に操作できる。
SPD   :    花畑化増殖
【花の種】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【から大量の花が咲き】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ   :    一家大集合
レベル×1体の【アルラウネ・シスターズ】を召喚する。[アルラウネ・シスターズ]は【花】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「国庫を狙え♪」
「D(デビル)を奪え♪」
「国王様が お待ちかね♪」

 アルラウネの大家族が歌を歌う。
 小さなアルラウネ、大きなアルラウネ、様々なサイズのアルラウネ。
 もそもそごそごそ動いては、フランケンシュタインの国の金庫からD(デビル)を奪う。

 オブリビオンに憧れを持ったアルラウネの大家族は、国王であるオブリビオンの願いを叶えようと動いていた。
 D(デビル)を使った悪い事をやるからと、具体的な話は聞いていないが。
 それでも世界で一番の良い子になるために、大家族は動いていた。

 彼女達の攻撃をどうにか押し返そうにも、フランケンシュタイン達の頭では猛攻で押し返すしか思い浮かばない。
 猟兵達の力を得て、頑張って倒さなくては!

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 プレイング受付:即時

 場所はフランケンシュタインの国の入り口付近。
 防壁がある程度で、あとは何もありません。

 敵は凄い数のアルラウネ大家族です。
 なんかもういっぱい。わらわらいます。
 具体的な数は決まってませんが、プレイングに数を書き込むとその数がリプレイに反映されます。

 フランケンシュタイン達と協力してアルラウネ大家族を倒しましょう。
 彼らが出来ることは第一章・フランケンシュタインの項目をご確認ください。

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尾守・夜野
「ひぃふぅみぃ…数えきれんが壮観じゃねぇの
さぁ的は沢山待ってはくれねぇ
…やりてぇようにぶちかましな!」
俺様からの指示?
あるわけねぇじゃん
やりてぇ事をせいぜい貫けってだけだな

という訳で俺様もやりたいようにやる
(…あの国から来たっていってもこいつらも一般悪魔か?
ならもしかして加減…いる…?)
と早くもやりてぇように動けねぇ現実にぶちぎれ
金の加工、公共施設の破壊(変形)という悪事を行う
道路を壁を運ばれるDを【寄生植物】に変えてやろう
殺しはしねぇ大事な養分だからな
ついでに悪臭による公害もサービス
ラフレシア多目にござーい

蔓系で足を止め徐々に自分からは臭い花
気絶するまでそれが続く…中々愉快な光景だろ?



●やりたいようにぶちかませ!!
「ひぃ、ふぅ、みぃ……ふーん、数え切れんが壮観じゃねえの」
 国庫から運び出されるD(デビル)を持っていくアルラウネ大家族に、夜野はニヤリと笑う。
 的は沢山あって、歩いているから待つことは一切なく。好きなようにやれと夜野はフランケンシュタイン達に声をかけた。
「兄さん! 兄さんはどうされるんすか!!」
「あぁ? もちろんやりてぇ事をやんだよ。てめぇら、ぐだぐだしてる暇はねぇぞ!!」
 夜野に後押しされた勢いよくフランケンシュタイン達は勢いよく飛び出し、D(デビル)を持ち歩くアルラウネ大家族に思いっきり突撃してD(デビル)を奪い返す。アルラウネ大家族はフランケンシュタイン達との邂逅で本性を表し始め、ヤクザのような言葉遣いになり始めた。見た目と中身は違うという良い教訓。
「あぁん?? なんじゃぁ、テメェら! 大人しくD(デビル)奪われんかぁ!!」
「じゃーかしぃわボケェ!! おどれらの悪事よりもこっちの悪事のほうが最高だってとこみせたらぁ!!」
 ふと、夜野はそのやり取りの中で周囲を見渡す。フランケンシュタイン、アルラウネと存在する中で、オブリビオンの国の王とやらが出てきていない。アルラウネは見たところ、この世界に存在する普通の悪魔のようだ。
(……あの国から来たって言っても、こいつらも一般悪魔か? なら、もしかして……)
 ―――加減、いる?
 そもそも一般悪魔達は、オブリビオンって最高!かっこいい!と崇め称えるだけであり、猟兵達も同じように悪事を行えば崇め称えられる。それぐらいこの世界の一般悪魔とはチョロい。が、そのチョロさとは裏腹にかなりしぶとい。ちょっと殴った程度では倒れないのだ。
 それを示すようにアルラウネ達は次々に一家大集合と言わんばかりにアルラウネ・シスターズを呼び出し、フランケンシュタイン達に殴られても戻って殴りに来る。力技でねじ伏せるのはどうやら難しいようだ。
 しかもアルラウネ達は夜野にも目をつけているようで、ぺちぺちと攻撃し始める。小さな攻撃なため上手く回避行動を取るものの、殴っても起き上がる相手に夜野の動きは従来よりも阻害され続けていた。
「……」
 早くも自分がやりたいように出来ない現実にぶち当たり、静かにキレ始めた夜野。もうこうなれば、好き放題やってしまえと思ったのだろう。ユーベルコード『【襲】穫祭』を用いて、道を、壁を、そして運ばれるD(デビル)を全て寄生植物に変えてやった。
「なんじゃこりゃあああ!!??」
「うわっ、ラフレシアだ!! 逃げろぉ!!」
 ご丁寧に悪臭で有名なラフレシアの種へと変貌させて咲かせ、フランケンシュタイン、アルラウネ共に一気に飛び退った。
 しかしそれは夜野が許さない。アルラウネ達の足を寄生植物の蔓でしっかりと捕縛し、悪臭を嗅がせるためにラフレシアへと無理矢理近づけさせた。なお、フランケンシュタインに倒れられると後々面倒が起きそうなので、そちらは自由にしておいた。
「ほーら、ラフレシア多目にござーい。気絶するまで悪臭が広がり、足は止められ延々と続く。……なかなか愉快な光景だろぉ?」
 悪意に満ちた笑顔を浮かべ、ラフレシアの周りでアルラウネ達を無理矢理踊らせる夜野。その光景はまさに、デビルキング法に則った良い子であったと誰かは語っていた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

叢雲・雨幻
よぉし来たな。んじゃ、まずは大将までの雑魚散らしだ。
作戦…っつっても難しい事は言わねぇ、こういうのはどうだい?

「派手な黒い影が吹き上がったら、そこに向かって横並びで何も考えず突っ込みな。それでいい」
そう言う、UCで知性を最大限捨てて突っ込めるような指示をフランケン達に出すぜ。
となると俺は真っ先に敵の集団中央に【切り込み】、
「ほーら、おいさんはここにいるよー」
なんて【挑発】しながら自分に注目を集めつつ、攻撃を【見切り】避けながらその内の一体にUCを打ち込み突撃の合図を送るかね。
突撃までに【スモークグレネード】で敵の視界を奪い【闇に紛れる】様に離脱。UCの影は高い位置まで見えるから無問題ってね。



●黒い影、曇天に登る。
 国庫が開き、わらわらと押し寄せるアルラウネ大家族。ファミリーという言葉がまさに似合うその軍隊は、D(デビル)をせっせと運び出す。
 彼女達がD(デビル)を運ぶ先を高台から見つめる雨幻は、その行き先を何名かのフランケンシュタインと共に確認していた。
「よぉし、来たな。まずは大将までの雑魚散らしだ」
「しかし兄さん、作戦なんてどうしたらいいんっすか。俺ら、力を使う以外には……」
「ああ、安心しな。難しいことは言わねぇ。……こういうのはどうだ?」
 雨幻が提示した作戦とは、彼が敵陣の真っ只中へ入り込んでぶった切り、隊列を崩したところで突入するという作戦。これ以上ない素晴らしい作戦だが、開始の合図がわからないとフランケンシュタインは言葉を濁す。
「それなら派手な黒い影が吹き上がったら、その影めがけて横並びで何も考えずに突っ込みな。それだけでいい」
「そ、それだけでいいんっすか?? 俺らがかき乱したりとか……」
「なぁに、頭使うよりは力を使うほうが得意だろ、お前さん達」
 ドン、とフランケンシュタインの一人の胸を大きく叩き、後は任せたという言葉を残す。
 すぐさま高台から降りた雨幻は、アルラウネ大家族の集団の中央へと潜り込む。ついでにD(デビル)をたんまり入れた袋を叩き落としたり、その身体に切り込みを入れつつ、一番人数の多い部分へと駆け込んでいく。
 D(デビル)を叩き落されてキレたアルラウネの一人が、ヤクザ並に脅す。そんな中、雨幻は周りに花粉が飛び交い始めるのが薄っすらと見えていた。この花粉は吸ってしまったら危険だと本能的に察知したのか、うまい具合に吸い込まないように回避しながらフランケンシュタインを呼び出す準備を始めた。
「ほーら、おいさんはここにいるよー?」
 フランケンシュタイン達に目が行かぬように周囲へ挑発しながら大家族の海を走って、大きめのアルラウネの足元へと近づき……ユーベルコード『操影術:向かい飛車』を撃ち放った。
「これ、オジサンもヒヤっとするから、好きじゃないんだけどね……っと!」
 大きめのアルラウネの影を踏み、刃のように大きく放出させてその身体を貫く。その動きはまさに、黒い影の龍が空へと登るようにも見えた。それが合図となったためか、遠くにいるフランケンシュタイン達は動き出す。
 しかし普通に殴り込みするだけでは視界が開けているため、先ほどと同じようにフランケンシュタイン達がまた押し負けるのは目に見えていた。
 そこで、雨幻はスモークグレネードを数カ所にぶん投げては視界を奪い、その煙幕に紛れてその場を離脱。その際、ちらりと自分が残した影が何処まで伸びているかを確認。
(影は……よしよし、しっかりと見えてるな)
 曇天へと登った黒い影は未だ消えることはなく、フランケンシュタイン達の行動の指針として残り続けている。それを確認し終えた雨幻はその場を離脱し、フランケンシュタイン達へと任せることに。
 横一列に並んだフランケンシュタインの壁は、雨幻の命令通りに曇天へ登る黒い影を目指してただただ走り続け、アルラウネ大家族という海を押し返したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

プリ・ミョート
こうして猟兵になると、いいなりで悪事働くってチョーかっこ悪いんだべ!
細々したのはフラちゃんたちに足止めお願いして、おらはおらで大量に相手するべ。ひいふうみい、……、二十八、二十九……うーん指じゃ数え切れないべな
こういう時はさらに手足を増やすに限るべ

よし! これで700本以上手足があるべ。流石に数え切れるべよ。ついでに邪魔なのは剪定して、ロケットパーンチ! だべ!!
いい感じのワルになるため、おらの野望さ礎となれ!



●いい感じのワルになるために
 フランケンシュタインの国VSオブリビオンの国。今まさに、D(デビル)を巡っての戦いは、どちらがより沢山の悪事を働けるかで競われており、プリもまたその戦いに参加していた。
 今現在、アルラウネ達が移動している様子を高台から眺めているプリ。フランケンシュタイン達の動きを見て、思ったことを口にする。
「こうして猟兵になると、いいなりで悪事働くってチョーかっこ悪いんだべ!」
 猟兵という職業柄ではグリモア猟兵の予知を聞きつけて現場へ駆けつけるため、ある種言いなりといえば言いなりではある。悪事を働くという点では、デビルキングワールドという世界でなかったらやることはなかっただろう。
「しかし姐さん、姐さんの悪事はサイッコーにかっこいいんで! そのかっこいい姿、見せてくだせぇ!!」
「うーん、仕方ないべなあ。そしたら、あっちの細々としたのぶん殴ってる間にやってやるべさ。ほらほら、行った行った」
「は、はあ。そんじゃまあ、どデカイの期待してますから!!」
 期待してますから、と言われたプリは嬉しさを抑えつつ、やってくるアルラウネ大家族に目をやる。その数はプリが数えても数え切れないほどで、数え始めてからおおよそ30が近づいたところで指が足らなくなったため、数えるのをやめた。
「うーん、指じゃ数え切れないべなあ。まあ、こういうときはさらに手足を増やすに限るべ!」
 そう言ってプリはユーベルコード『疾天伐倒』を発動させる。己の生え変わり、抜けたての手足を合計800本ほどばら撒き、アルラウネ大家族を包囲する。
「ん? 何かしら?」
「なんだろう?」
 柔らかな口調のアルラウネ達は周囲を飛び交う手足に首を傾げる。足は数えるのが難しいからかふわふわと浮いているが、手は休まずに数を数え続けていた。
「よし! これで700本以上の手足があるから、流石に数え切れるべ!」
 ひい、ふう、みい……ともう一度アルラウネの人数を数え始めるプリ。そんな様子を、アルラウネ大家族が見過ごすわけもなく。
「なぁに? 敵?」
「敵? 敵なの?」
 敵なのかどうかと見定めているアルラウネ。そのうち、プリは数えている間に邪魔になった数体のアルラウネに、思いっきりロケットパンチで吹き飛ばす。何のモーションもなく突然動き出した手に、アルラウネはヤクザ並にキレ始めた。
「なんじゃあ、キサマ何処のモンじゃぁ!?」
「囲え囲えーー!! 生かして返すなあ!」
 わらわらとアルラウネ・シスターズを呼び出してはプリを囲って、周囲を花で埋め尽くす。プリも負けじと増えた分だけ数を数え、邪魔になったら増えた手足のロケットパンチや回し蹴りでアルラウネを吹き飛ばす。
 自分に必要なもの、邪魔なものは全て選定して、剪定する。これがプリの考えた、デビルキングワールドで扱う自分なりの大悪事である。
「いい感じのワルになるため、おらの野望さ礎となれ!」
 大きく響き渡るプリの声に、フランケンシュタイン達は遠くからも称賛の声を上げていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐那・千之助(サポート)
「手が要るか?」
入り用ならば、なんなりと。

ダークセイヴァー出身のダンピール
困った人を放っておけない
いつも人への敬意と好意を以て接する
よく言えばお人好し。たまに騙されていることは秘密。
可愛い動物や甘いものに懐柔されやすい

戦闘は前衛、盾役向き。治療も可能。
焔(他の属性は使えない)を黒剣に宿し斬り込んだり、遠くの敵でも焔を飛ばして燃やしたり。
負傷は吸血や生命力吸収で持ち堪える

平和主義なので戦わずに済む敵なら平和的解決
かわいい敵は抱いてもふりたい
想い人がいるので色仕掛けは効かない

物語に合わせて諸々お気軽に、どうぞご自由に。
よき手助けができれば嬉しいです。


リク・ネヴァーランド(サポート)
「大丈夫、“僕たち”が来た!」
うさぎ人の住む不思議の国、ラパンドール王国の元王子様です。
魔法の本の中に王宮を封じ込めることにより、王国と国民を携帯している状態にあります。
本の中から国民や過去助けた愉快な仲間達を召喚したり、剣を用いたりして戦います。

利発そうな少年といった口調で話し(僕、~さん、だね、だよ、~かい?)、年上の人や偉い人には敬語を使います。戦闘中は凛々しく台詞を言い放つことも多いです。

ユーベルコードは設定したものを何でも使いますが、命よりも大切な魔法の本に危害が加えられる可能性がある場合は本を用いず、自分自身の力で何とかしようとします(他の猟兵と連携が取れそうなら取りに行きます)。



●悪い事をするから『悪事』である。
「へぇ~面白い世界だなぁ~!」
「悪事を行うことが良い子の証、か。確かに面白いのぅ」
 フランケンシュタインとアルラウネ達の戦いを見下ろす猟兵が2人。太陽の光にも似た髪を持つ男、佐那・千之助(火輪・f00454)と不思議の国の元王子リク・ネヴァーランド(悠久ノ物語・f19483)。
 ここ、デビルキングワールドの情報を聞いた時は本当にそんな世界があるのだろうかと考えていたが、現状を見て考えは全て吹っ飛んだ。なぜなら、通常ではありえないほどに悪事で溢れかえり、それを良い子の証拠だと大声で叫んでいる者達が多かったからだ。
 しかし何をしたら悪事になるのだろう。2人にはまずその一言が思い浮かんだ。
 『悪い事』と言っても、その基準は人それぞれ。小さな悪事が大悪事だと捉える人もいれば、些細な悪事はスルーするという者もいる。千之助とリクの悪事の基準も、また違うものだ。
「んん……僕のこれが悪事になるかは、わからないけど。千之助さんは何か思いついたかい?」
「ふーむ。私はどちらかと言うと、平和的な解決を望んでいるのじゃが……この雰囲気ではそうもいかぬのぅ」
 戦争にも等しい2つの種族のぶつかり合いには、既に平和的解決という考えはなさそうだ。フランケンシュタイン側が平和的な国であることは既に聞き及んでいるため、彼らは揃ってフランケンシュタイン達のもとへと駆けつけた。
 フランケンシュタイン達は猟兵達がやってきたことを知っても彼らは最大の悪事を行った者に平服するため、今はまだ協力的ではなかった。しかもアルラウネ達は猟兵である千之助とリクに向けて、明らかな敵意を示している。なので、リクはユーベルコード『梟達ノ庭園』を使って悪意を向けてきたアルラウネ達に鋭い鉤爪を持つフクロウを召喚、突撃させた。
 ぽかん、と。一瞬のやり取りだけだったのだが、フランケンシュタイン達もアルラウネ達も、リクのその動きに唖然とした。状況が飲み込めてない両者の国の者達が止まっている隙に、千之助はリクへとアドバイス。
「リク、ここはおぬしの悪事として取り繕うのが良いかもしれぬぞ?」
「ええと、じゃあ……」
 千之助のアドバイスを受けたリクは、出来る限りの悪い顔を作ってフランケンシュタイン達の前へと躍り出る。これが自分が行った悪事である、と喧伝するためだ。
「『残念だけどその程度の悪意で僕は倒せないよ』……で、いいのかな?」
 リクは少し自信がなさげがなかったが、戦闘中における第三者による荒らし行為はというのはなかなかワルである。……と、フランケンシュタイン達は絶賛の声を上げた。リクと千之助が想像していたよりも、悪事のラインとはだいぶ低いらしい。
「最高の悪事じゃねえか、坊主!!」
「いいねえ、アンタ達!! 面白くなりそうだ!!」
 より凶悪な悪事を行った者についていく。それが、デビルキングワールドの住民達の習性なのだろう、フランケンシュタイン側はリクと千之助についていくことにしたようだ。
 おかげで、オブリビオン側のアルラウネ達は怒り狂ってしまった。D(デビル)を奪うことを目的としている彼女達には千之助とリクの邪魔は遥かに想定外のことであり、D(デビル)を持ち帰る量が少なくなってしまうのでは!? と、別方向の思考へと進んでしまった故に。
「おや? 彼女達はどうやら、怒り狂っておる様子じゃのぅ」
 千之助の視線がアルラウネ達へと移る。可愛らしいアルラウネは抱きしめたいところだが、あいにく彼女達は憤怒中だ。流石にこの状態で抱きしめたら、身体が粉砕されかねない。それどころかフランケンシュタイン達から反感を買ってしまうだろう。
 仕方なく。仕方なく、千之助は心を鬼にしてユーベルコード『迷い火』を発動させ、戦場全体を誘眠効果をもたらす炎で作った迷路で覆う。植物なアルラウネにとって炎の迷路はかなり酷なものであり、先程の不意打ちと合わせて敵の弱点で迷路を作るという芸当は、極悪だ!とフランケンシュタイン達が絶賛の声を上げる。
「うむぅ、出来ることなら彼女達が味方であればよかったのじゃがのぅ……」
「仕方ないですよ、千之助さん。向こうは向こうで、オブリビオンの方がカッコイイって思ってるわけですし」
「なら、私らもオブリビオンに負けない悪事を働かなくてはのぅ。……と言っても、向こうより大きな悪事ってなんなのかえ?」
「うーん、そればっかりは僕に聞かれてもわからないですね―」
 2人の猟兵の言葉は炎の迷路に焼かれ、アルラウネ達に届くことはなく。ただただ迷路を早く脱出しようというアルラウネ達の声が響き渡っていたのだった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『デストロイキング』

POW   :    デストロイキング軍
レベル×1体の【ビューティスパイダー】を召喚する。[ビューティスパイダー]は【女郎蜘蛛】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD   :    デストロイ光線
レベル分の1秒で【背中の魔力角から破壊光線】を発射できる。
WIZ   :    デストロイウェポン
【腹部の巨大な口に取り込んだ物体】から、対象の【全てを破壊したい】という願いを叶える【破壊兵器】を創造する。[破壊兵器]をうまく使わないと願いは叶わない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 D(デビル)を奪って、儀式魔術を発動させる。
 これだけならまだ、ちょっと奪うだけで良い子扱いされるだろう。

 ではそのD(デビル)の持つ力を利用して、カタストロフ級の儀式魔術を発動させたらどうなるか?
 答えは、世界が滅ぶ―――ではなく!!

「国王様さすがーー!!」
「やっぱ国王様ってすげーぜ!!」
「国王様バンザーーイ!!」

 ―――何故か住民達が国王をべた褒めする!!

 そりゃそうだ。
 世界を滅ぼすなんて大悪事は誰もが思いついても誰も行動に移さなかった!
 オブリビオンだからこそそれを思いつき、行動に移せる力量を持つ!!

 だが、猟兵達は止めなくてはならない。
 例え住民達が悪事大好きであったとしても、オブリビオンを王だと崇めていても。
 その世界が滅ぼされることはすなわち、オブリビオンを増やすことにもつながるのだから。

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 プレイング受付:1/22 8:31~
 ※受付日前のプレイングは一旦お返し致します。


 ついにボス戦です。
 今回もフランケンシュタイン達は一緒にいます。

 場所はアルラウネ達の撤退先、国王が控える陣地です。
 ほぼ平地であり、岩が少し周囲に転がっている程度のフィールドです。
 石程度ならありますが、それ以外はほとんど見当たりません。
 悪いことをするとやっぱりフランケンシュタイン達はテンションがおかしいことになります。跳ねます。 

 ※連絡事項※
 世界観的に、悪っぽくない善良な行動は若干判定が厳し目になります。
 ご了承ください。

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尾守・夜野
「最大の悪ってのはなんだ?
世界の滅びなんて
…ちゃっちぃ事が大それた悪事だと?」
背後のフランケンズや奴の呼び出した蜘蛛から見えるように仰々しくパフォーマンスとして小石を拾い握ろうか
「奪う?大いに結構!
暴力?それもありだろう!
…それも嫌がる相手がいるからだ!
世界滅ぶの喜んでる奴らがいる以上!
それ奴らにとっての正義()だからな?!
…正義の邪魔を悪をなしてぇ奴だけ来やがれ!
本当の巨悪とは!
自分の信じる悪(正義)を相手に押し付け押し通す事!
やりてぇ奴だけついてこい!」
握ってぱーん
呼ばれた奴ら含め誘惑し扇動
正義の反対が正義なら悪の反対も悪だから嘘はいってないぜ?

奴らに紛れ俺様も前線へ
とりあえず切りにいく



●正義の反対が正義なら、悪の反対も悪。
 国王・デストロイキングが現れ、夜野はその姿を御拝見。彼が呼び出した配下のビューティスパイダー達が小さく見えるが、それは国王という在位を確保しているからでもあるのだろう。
 呼び出されたビューティスパイダー達はわらわらと夜野へ向かって突撃してくるが、彼はそれらを軽々と躱してゆく。どうやら蜘蛛達は王が悪事を行うためには尾守・夜野という存在が邪魔だと言いたいらしく、手足でわしゃわしゃと威嚇ポーズを取っていた。
「世界を滅ぼす、ねえ……」
 猟兵である夜野を前にしても世界を滅ぼすと公言しているデストロイキングだが、夜野は小さくニヤリと笑ってそのマニフェストへの反論を呈した。もちろん、未だに行われるビューティスパイダー達の攻撃を軽々と避けながら。
「なあ、世界最大の悪ってのはなんだ?」
「なぬ?」
「世界の滅びなんて……ちゃっちぃことが、大それた悪事だと言うのか?」
 夜野はそのまま、ビューティスパイダーの攻撃を軽々と躱し、1匹を踏み台にして視界を集める。攻撃を続けていたフランケンシュタイン達も夜野の身軽な動きに視界を奪われ、今や夜野は住民達からの注目の的だ。
 そんな中、彼はゆっくりと足元に転がっていた手に収まる程度の小石を拾い上げる。少しの間だけ手の中で弄り回しつつ、彼は再び演説の声を上げた。
「奪う? 大いに結構! 暴力? それもありだろう!! それも、嫌がる相手がいるからだ!! 世界が滅ぶのを喜んでる奴らがいる以上! それが奴らの正義だからなァ!!?」
 この言葉をよく聞き、しっかり考えて動けと、夜野の演説が響き渡る。まだ熱くなる場合ではないとフランケンシュタイン達は欲を抑えていたが、次の夜野の言葉で大盛り上がりとなった。
「本当の巨悪とは! 自分の信じる悪を相手に押し付け押し通す事!! 正義の邪魔を、悪をなしてぇ奴!! それをやりてぇ奴だけついて来い!!」
 ぐしゃり、と、軽く焼き菓子を握りつぶすように石を手で粉砕した夜野。パラパラと崩れ落ちる砂が先頭にいたフランケンシュタインの身体に降りかかると、堰を切ったように彼らは熱く燃え上がる。
「「「おおぉおーー!!!」」」
「兄さんと共に殴り込めェーー!!!」
「兄さんを守れェーーー!!!」
 フランケンシュタイン達の雄叫びが響き、彼らはそのまま走り出す。ビューティスパイダー達の攻撃や妨害はすべてフランケンシュタイン達に受けてもらい、夜野が突撃する彼らの波に紛れてデストロイキングまで一直線に駆け抜けた。
「な、なんだと……!!」
「正義の反対が正義なら、悪の反対も悪だ。俺は、嘘は言ってないぜ?」
 ニヤリ。再び悪の笑みに染まる夜野の一閃が、デストロイキングを切り裂いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

叢雲・雨幻
さぁってと、いよいよ大将首ってワケだ。
しかし滅ぼす方が称えられるってなると、止めたら顰蹙買うかねぇ…
…いや、物は考えようかもしれんな。

【POW】
「あいつは世界を滅ぼすって言う、とんでもない良い事をしようとしてるわけだ。」
改めて確認するように「滅ぼすことが凄い事」と言う事を強調する。
「…んじゃ、そんな凄い事をやってのけようとしてる奴を邪魔してぶっ飛ばしたら…そいつはもっと凄ぇ奴なんじゃねぇか?」
そんな風に「超ワル行動を邪魔したらもっと超々ワル」みたいなノリの口車で行こうとするかね。
確かに!的な空気になればコッチの物。
跳ねた場そのままにUCを使い【早業】の【切り込み】で”超良い事”をしにいくかね。



●物は考えようとはよく言うもので。
「さぁってと、いよいよ大将首……ってワケだ」
 大群の先にあったのは、フランケンシュタインの国の金庫を狙い、世界を破滅させるほどの儀式魔術を執り行なおうとしている国の王・デストロイキング。彼は物静かに、呼び出したビューティスパイダー達を侍らせて雨幻やフランケンシュタイン達の出方を伺っている。
(しかし滅ぼす方が称えられるってなると、止めたら顰蹙買うかねぇ……?)
 この世界では良い子こそ悪事を行い、より大きい悪事をやった者が褒められるという、特殊な法律が定められている。故に、今目の前にいるデストロイキングはまさに良い子の頂点と言ったところ。
 どうしたものかと雨幻が悩んでいると、ピンと何かを閃いた。倒す敵は良い子であるという、何をしても揺るぐことのない最大の特徴を活かした作戦を。
「兄さん、どうしました?」
 彼はこの作戦を閃いた時、正直どっちに転ぶかで勝敗が決まると考え込んでいた。が、物は言いようという諺が雨幻を後押ししてくれたため、彼はフランケンシュタイン達を集め説明をはじめる。
「なあ、お前ら。あいつは世界を滅ぼすって言う、とんでもない良い事をしようとしているわけだよな?」
「は、はあ。そのとおりです」
「どうしたんですか兄さん、急に強調したりして」
 世界を滅ぼすということが凄いことである、ということをしっかりと強調した上で、雨幻は更に言葉を続ける。悪巧みをする笑顔ではなく、普段どおりの彼らしい緩やかな笑みを浮かべながら。
「いやぁ、なに。……そんな凄いことをやってのけようとしてる奴を邪魔してぶっ飛ばしたら、そいつはもっと凄ぇ奴なんじゃねぇか?」
「……っていうと?」
「ほら、だってあいつは今から『超ワルい事をする』わけだろう? それを邪魔した俺達はもっともっと、超ワルってことにならねぇか?」
「…………。」
 フランケンシュタイン達が無言に陥る。雨幻は一瞬、言い方を間違えたか?と首を捻ったが、それは全く問題なく。理解が進んだ彼らは、雨幻の言葉に共感の意志を示した。
「確かに、確かに!!」
「兄さんの言うとおりだ!! アレ邪魔したら俺ら、めっちゃ良い子じゃん!!」
「やるっきゃねえよなぁ、良い子なんだから!!」
 彼らの士気がより一層上がる。雨幻はここまで上がるとは思ってもいなかったが、上々の勢いを手に入れることが出来たため、そのまま彼らと共に突撃体勢へ。
 突撃がわかれば、ビューティスパイダー達が彼らの行く手を阻む。どうにか攻撃の手をしのいでもらっている間、雨幻は蜘蛛達の背を蹴っては飛んで、蹴っては飛んで、やがてデストロイキングの真上へと到達する。
「こっからオジサンの本気でござーい…なんつってな?」
 デストロイキングの驚きの声が聞こえたのも束の間の一瞬、ユーベルコード『連結:黒雲霧』を使った早業の切り込みは"超良い事"のためにデストロイキングに大きなダメージを与えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アハト・アリスズナンバー(サポート)
「私の手が必要ならば、お貸しします」

無表情、無感情に見える、死んでも次の自分が即座に故郷から転送される量産型フラスコチャイルドです。

一人称は「私」、口調は誰に対しても「です、ます、でしょうか」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。

基本的には手が必要なら貸す、といったスタイルでユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず突撃します。
ただ、アリスが関連してる場合は積極的に突撃し、アリスの敵を排除するように動きます。

その他の部分はマスターさんにお任せします



●伏線はとても大事。
「良い子だから悪いことをする世界で暴れるオブリビオン……確かに悪い事といえば、オブリビオンは的確ですから間違いないですよね」
 ぐびぐびとどぶろくに入った日本酒を飲みながらデビルキングワールドにやってきたのは、アハト・アリスズナンバー(8番目のアリス・f28285)。手が必要なら貸すと言ったスタイルの彼女は、悪になるならやっぱり戦場で酒飲み乱入ではないかと思って日本酒を飲んでいたのだが、フランケンシュタイン達からは若干引かれている。
「あ……ええと……姉さん??」
「なんでしょうか」
「それ、何飲んでるんっすか……??」
「日本酒ですけど」
 はて、なにか悪いことでも? と首をかしげるアハトだが、フランケンシュタインには若干わからぬ。彼らから見ればただの飲兵衛が戦場にふらふらやってきただけにしか見えないのだから。
 アハトはそれならと軽く説明。酒を飲んで戦場に現れる奴なんて、戦場を把握した上で相手に優位を取ることが出来る『悪』そのものの良い子だと言いくるめも交えつつ。―――とはいうものの、本人はただ酒が飲みたいだけなので、本当に言いくるめも言いくるめである。
 が、その言いくるめはフランケンシュタイン達にすっぽり収まった。まさかの収まりにアハトも一瞬混乱したが、味方と信じてもらえたので良しとすることにした。
「ほう、小娘ごときが良い子を語るだと? ただの酒飲み風情がわしを越えようとは!」
 無礼千万、と言わんばかりに笑い始めたデストロイキング。その周囲には、彼が呼び出したビューティスパイダーの群れ。蜘蛛達ももれなく笑う仕草を取っており、見事に小馬鹿にされている。
 それだけ酔っているのならむしろ倒しやすい。言葉を発することはなく、ビューティスパイダーの群れがアハトに襲いかかるため、飛びかかってきた。
 ……だが、むしろ、アハトの本領発揮はこれからだ。酒飲みだからこそ使える戦闘方法が、彼女の動きを瞬く間に変えてゆく。
 ユーベルコード『酒地撃臨』は、相手の力を込めた酔拳によるカウンターを繰り出す。酔えば酔うほど強くなるという酔拳は、まさしく日本酒を飲んでいる彼女にはふさわしい攻撃手段だろう。
「それっ」
 ビューティスパイダーの腕を叩き落とし、相手の攻撃手段を封じ込める。何匹も飛びかかってきたところで、酔いに酔った彼女の酔拳は的確にビューティスパイダーの攻撃手段を封じ込めていた。
「うおおおーーー!!?」
「姉さんすげぇーー!!?」
「酒飲んでたのはこういうことだったのか!? すげえ、尊敬するぜ!!」
 フランケンシュタイン達が盛り上がる。あの日本酒がこんな伏線だったとは! 酒飲んでるのにすげえ動きしてる!などなど、感心する者達がアハトを褒めちぎっていた。
(……そういうことにしておきますか)
 別段こういう流れを考えていたわけではなく、ただただ日本酒を飲みたかっただけなのだが、なんか勝手に褒めてるので何も言わないでおこうと誓ったアハト。
 真実とはこうやって、葬られるものなのかもしれない……。

成功 🔵​🔵​🔴​

プリ・ミョート
なんちゅーワルそうなやつが現れたべ! うでがでけえし口もでけえし、態度まででかいべ!
とりあえず高台にのぼって……んっしょ。はっはっは! 我が名は魔王国暗黒四天王が一人! ファッションモンスター! めちゃつよ!
プリ・ミョートとは名乗らずにめちゃくちゃに思わせぶりな行動を取って、名を名乗れ!って言ってもらうのを狙うべ
有能な四天王って結構スカウトされるらしいべよ

命令さえもらえれば能力にブーストがかかるべな。そうなればこっちのもんだべ。ぶっとばすべ
名乗りたくて内心うずうずだけんども、そこは忍耐だべ!



●有能な四天王って結構スカウトされるらしい。
「なんちゅーワルそうなやつが現れたべ! うでがでけえし、口もでけえし、何より態度がでかいべ!!」
 デストロイキングのその姿と態度のデカさに驚くプリは、あんな巨体どうしたら勝てるんだろうかと思考を巡らせた。あっちがドデカい悪を成すなら、こっちも相応の悪を成さなければならないが……世界を壊すなんて大きい悪事、亮平という身分では難しいだろう。
 ならばもう、力で叩き伏せるしか無いと判断したプリはどこか良い高台はないものかとキョロキョロ。フランケンシュタイン達が彼女の行動の意味に気づいたようで、せっせと高台を準備し……そして、彼女は演説を開始した。
「あー、あー。マイクテス、マイクテス、だべ」
 ご丁寧にフランケンシュタイン達がマイクを提供してくれたので、それを使ってデストロイキングに向けての声明を上げる。結構大音量なので、聞く人によっては大迷惑だから悪である。
「はーっはっはっは! 我が名は魔王国暗黒四天王が一人! ファッションモンスター! めちゃつよ!」
「なぬ……!? ファッションモンスターだと!?」
 その名は耳にしたことがある……と言った様子の表情を見せてるが、デストロイキングはファッションモンスターの存在を知らない。むしろ暗黒四天王の一人の方に反応が出ている。
 プリはその反応が良い反応だと判断したのか、自分が四天王の一員であり最強であること、デストロイキングという存在よりも位が高いということを主張し、相手の精神を揺さぶり続けた。彼女の目的は只一つ、『名を名乗れ!』の反応をもらうことである。
 揺さぶれば揺さぶるほどデストロイキングの反応が良いのだが、名を名乗れ、とは言わない。どうしようかなあと悩んでいるところで、ユーベルコード『バトラーズ・ブラック』の効果でも使って殴るか、と考えた。
(でもこれ、命令もらわなきゃ発動出来ないんだべ……)
 そう、このユーベルコードの弱点は命令されなければ発動が出来ないこと。周りには命令してくれるような仲間がいないし、フランケンシュタイン達は姉さんと慕ってくれているため、なんだか頼みづらい。
 どうしようかと悩んでいると、フランケンシュタインの一人が悩みに気づいて話を聞いてくれた。彼らは猟兵達を格上に見ているため、あまり命令口調はしたくはないらしいのだが、今回だけは特別だということで命令を行う。
 命令の内容は―――ずばり、デストロイキングを討伐しろ。ただそれだけ。
「了解だべ! それなら、ちゃっちゃと倒しちゃうべな!」
 『バトラーズ・ブラック』が作り出した闇が彼女を包み込むと、彼女の力があふれる。今ならどんな動きでも、卓越した力として扱えそうだ。
(うー。それにしても、早く名乗りたい……いやいや、我慢だべ)
 卓越した能力を用いて重い一撃で殴ったり、早業で翻弄したり、残像で攻撃を避けたり、戦闘知識を活用して弱点を突きながらデストロイキングをボコボコにするプリ。名前を名乗らないだけでこんなにもどかしいものだとは思ってなかったようで、殴る蹴るの回数がどんどん増えていった。


●D(デビル)は大切に。
 そして、猟兵達の活躍もあってデストロイキングは倒れ、消滅する。
 フランケンシュタインの国庫を狙っていた者はすべて倒されたため、フランケンシュタイン達の国は平和が訪れた。
 とはいえ良い子になるためには悪事を行わなければならないため、絶対の平和というものはこの世界には訪れない。
 それでも世界が滅ぶよりはマシなのが、この世界の平和というものなのだろう。

 これにて、一件落着。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年01月25日


挿絵イラスト