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猟書家の侵攻~捕食者たちの箱庭

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #レプ・ス・カム #フェアリー

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 虹色に輝く裂け目から、ウサギ耳の少女が顔を出す。
「上手くいったかな?」
 闇に浮かぶ巨大な瞳が主を捉える。雄々しき爬虫類の咆哮が、夜空を揺るがす。
「おーよしよし。いい子にしてた?」
 猟書家『レプ・ス・カム』は、出迎えたティラノサウルスの背に飛び乗る。視線が高くなると、フェアリーランドの様子がよく見える。
 木々の間を背の高い草が埋める鬱蒼とした森。小鳥のさえずりはとうの昔に逃げ去り、辺りには血の匂いが充満している。
 その血だまりの中。二本足で駆け回る小柄な――それでも人間よりは大きい――恐竜たちが、平和な森の住民だったモノを奪い合っている。
「こらこら君たち。お腹がすいてるのはわかるけど、今回のお仕事は『鍵』を探すことだぞ」
 悪夢の主に促され、恐竜たちは食べかけの肉を捨て置き、新たな獲物を求めて森に散る。
「うーん。やっぱり賢くない動物に複雑なお仕事は無理みたいだねー。仕方ない。れっくん、フェアリーランドの中心までごー!」

 ランタンを持った手につつかれ、ティラノサウスルは歩き出す。
 彼に森の中心はわからなかったが、獲物の匂いがする方角に向かうことにした――。


「哺乳類と爬虫類ならどっちがいい?」
 冗談交じりの挨拶を飛ばしつつ。グリモア猟兵ダスク・ドーン(f13904)は、グリモアベースに用意したテーブルにいくつかの資料を広げる。

 様々な世界に侵攻する『猟書家』たち。
 アックス&ウィザーズにて、幹部の1人『レプ・ス・カム』が1人のフェアリーを襲った。
 時計ウサギの力を使うこの猟書家はウサギ穴の力を使って、フェアリーランドを悪夢へと書き換えている。
 悪夢に浸食されても姿を変えない『天上界への鍵』を見つけ出すために。

「そういうわけで、今回はこのフェアリーの作った壺の中にいってもらう」
 フェアリーランドの中は、森に山にと自然豊かな空間。そこにいるのは、鹿や熊など大小さまざまな動物たち。
 現在は猟書家『レプ・ス・カム』の力で、この空間に多数の肉食恐竜が出現して所かまわず暴れて回っている。
 標的にされているフェアリーは、逃げ出すことも出来ず自力でフェアリーランドを解除することも出来ず、このままでは衰弱死してしまうことだろう。

 ダスクは、現地での詳しい流れを説明する。
「現地に着いたら、まずはフェアリーの嬢ちゃんと合流してくれ」
 フェアリーランドの持ち主は、恐竜に怯えて木の上で小さくなっているという。
「時刻としては夜なんだが……、普通に待っても朝になることはない」
 敵の力の影響による明けない夜。闇の中でどれだけ歩いても、また元の場所に戻ってくるだけで終わってしまう。この悪夢を抜け出すには、襲ってくる恐竜を撃退しつつ、猟書家の力を弱める必要がある。
 そのためには、フェアリーを励まして『楽しいことを想像』してもらうのがいい。
 具体的には、ティラノサウルスの餌付けでもしてみればいいんじゃないか、とダスクは言う。

「恐竜を撃退して明るくなったら、猟書家の居場所に向かってくれ」
 空が明るくなれば、フェアリーランドの中心に目立つ儀式塔があるのですぐに場所はわかる。
 猟書家『レプ・ス・カム』は、この儀式塔で動物の骨やら怪しい鉱石などを並べて、『鍵』を手に入れるための儀式を行っている。
 猟書家の周りにも手駒の恐竜がいる。猟兵からすれば大したことのない相手だが一応の警戒は必要だろう。
「猟書家さえ確実に仕留めてくれれば、恐竜の方は好きにしてくれ。無視してもいいし倒してもいい。煮るなり焼くなり現場での判断に任せる」
 恐竜は猟書家の力で生まれた悪夢の一部だ。幹部がいなくなれば消えてしまう。

「それじゃ、準備の出来た奴から声をかけてくれ」
 ダスクは恐竜用の鞍らしき物を手に、転送の準備を始めた。


背腹かえる
 プレイングボーナス(全章共通)……フェアリーに楽しいことを考えてもらう。

●ご挨拶
 背腹かえるです、よろしくお願いします。
 これは幹部シナリオです。このシナリオは2フラグメントで完結し、「猟書家の侵略」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 アックス&ウィザーズ猟書家戦。フラグメントは冒険、ボス戦。

 第1章、冒険『夜襲に備える』。
 フェアリーがいるのは川の近くにある大きな木の上です。
 何事もなければ闇の中からティラノが突っ込んできます。
 (ご希望の恐竜がいればプレイングで指定してください)

 第2章、ボス戦『レプ・ス・カム』。
 幻術と話術で人を惑わす幹部猟書家です。
 近くにティラノなどの恐竜が待機しています。

 それでは、よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『夜襲に備える』

POW   :    体力に任せて寝ずの番をする

SPD   :    罠や警報器を仕掛ける

WIZ   :    地形などを利用して迎撃態勢を整える

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 私ニニ! ちょっぴりお茶目なフェアリーの13歳! フェアリーランドの中で寝てたらすっかり夜になっちゃった! 森のお友達はいないし変な考古学的古代生物がいるしもうタイヘン! 慌てて木の登って隠れてみたけど私飛べるじゃない! もうほんとにドジなんだから! 隠れちゃったら逃げるにも逃げられないじゃない! 私これからどうなっちゃうの!? 早く助けに来て! 伝説の勇者様!

 そのフェアリーは猟書家の創り出した悪夢の光景に耐えていた、木の上で大騒ぎしながら。
 その周囲を取り囲む恐竜たちは、今はまだ勢いのあるこの世界の主が弱りゆくのを、静かに待っていた――。
リューイン・ランサード
弩羅轟えもんを操縦して参戦。

ティラノサウルスを見ると夏の海を思い出します。
シマドゥ島民が「今夜はトリ鍋にごつ!」とか言いながら、瞬く間に十数頭の群れを首狩って殲滅し、鍋にしていたなあ。

という訳でティラノサウルス対策でUC:シマドゥ島民大暴れを発動。
「退治お願いします。首狩ってトリ鍋にしても、ひえもん取りしても良いですよ。」と依頼。

フェアリーさんには「助けに来ました。怖いのはもう終わりです。」と微笑み、「弩羅轟えもんに乗っても良いですし、頭に座っても良いです。ゆっくり休んで楽しい事を考えましょう。」と休ませて警護。

近づく恐竜はダブルビームライフルの砲撃・2回攻撃・スナイパー・貫通攻撃で仕留める。



「あ! お星さまが光った! 死ぬの!? 私やっぱ死ぬの!?」
 フェアリーの少女は暗い夜空に眩い輝きを見つけて死を覚悟する。
 その輝きはすぐに大きくなり。ドラゴニアン型スーパーロボット『弩羅轟えもん』が、絶体絶命のフェアリーの前に降り立つ!

「助けに来ました。怖いのはもう終わりです」
 リューイン・ランサード(竜の雛・f13950)は、キャバリアの中からフェアリーに優しい声をかける。
「な、なんかよくわからない物から甘い勇者様ボイスが!?」
 突然の巨大人型兵器の出現に、目を白黒させるフェアリー。勇者様ボイス……?
「弩羅轟えもんに乗っても良いですし、頭に座っても良いです」
「乗ります! 乗りまーす!」
 フェアリーは言うが早いか弩羅轟えもんに飛び込んでくる。一先ず、これで護衛対象の安全は確保出来た。
 次は、あいつらだ。
 リューインは周囲を取り囲むティラノサウルスの姿を確認し。ユーベルコードのために意識を集中する。
 このユーベルコードを習得したのは、夏の海。
 リューインは思い出す。あのときは、そう――。

「チェーーーーーストォーーーーーーーー!」
 響き渡るの雄叫び。リューインの思い出の中から、無敵の『シマドゥ島民』が現れる。
「今夜はトリ鍋にごつ!」
「そうそう、そう言いながらティラノサウルスを次々と――」
 森の木々より遥かに高く跳ぶ人の形をしたそれらが、闇の中で次々とティラノサウスルの首を叩き落す。地面に落ちた首が自らの敗北を理解すると、やや遅れて首から鮮血が溢れ、胴体が力なく倒れ伏す。
「トリばかりにごわす!」
「トリの国にごわすか!」
「国取りにごわす!」
 落ちた首には目もくれず。シマドゥ島民はまだ動いているティラノサウルスに狙いを定め――。
「チェストォォォォォォォ!」
「チェストォォォォォォォ!」

「そうそう。こんな感じ――。うん、……うん」
 暗くてよく見えないのは助かったかもしれない。フェアリーの少女にはなかなか見せたくない光景だ。
 宴はまさに最高潮。素手のシマドゥ島民たちが、丁寧かつ迅速にティラノサウスルを解体している。最初の1人が解体を終え、恐竜の臓器と思われる物を高らかと掲げる。
「ひえもん取りもしに!」
 あの時は、シマドゥ島民の気迫に気圧されるばかりだった。今ではリューインも自らの攻撃でティラノサウルスと渡り合えるまでに成長した。
 キャバリアのライフルがティラノサウスルの両眼を撃ち抜き。キャバリアより大きな相手の首をフォースの刃が斬り落とす。
 ――流石に、チェストと叫ぶのはやめておいた。

 いつの間に用意されていたのであろうか。恐竜の肉を満載にした巨大な鍋が、炎の上で躍る。周囲には大量の酒と森の幸も並んでいる。
 戦闘、もとい過激なシーンは終わったかな?
「もう大丈夫ですよ。ゆっくり休んで楽しい事を考えましょう」
 フェアリーの少女を元気づけるため、リューインも森の宴に参加する。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
WIZで判定

ようし、ボクが助けにきたよ!
木の上で大騒ぎしているフェアリーのお姉さんの横にすたっと着地だ♪

木の上からお姉さんと一緒に恐竜さんを眺めてるけど……うーん、お腹が空いてるのかな?
ボクは美味しいけどきっと食べてもお腹いっぱいにはならないよ!

こんなこともあろうかとボクの【フェアリーランド】に詰めてきた果物をいっぱい取り出すよ!
どさどさどさーと取り出した果物を放り込んで餌付けするね♪
それじゃあ、恐竜さんが果物に夢中になっているうちに別の木の上に避難しちゃえ☆

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



「一瞬何とかなった気がしましたけど! また爬虫類めっちゃ増えてるんですけど! 助けて勇者様!?」
「ようし、ボクが助けにきたよ!」
 木の上で大騒ぎしているフェアリー13歳の前に。より年下のフェアリー、ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)が駆けつける。

「……、……」
 フェアリーのお姫様が駆けつけたのだが、反応は鈍い。
「ボクが来たからにはもう安心! ……アレ?」
「犠牲者が増えた!? ピンチ度が倍に!?」
 勇者様を期待していたのに、やってきたのは自分より小さい子なのだ。そりゃびっくりする。
「大丈夫だよ! ボクこう見えてもすごい冒険者なんだから!」
 レイピアをぶんぶん振ってアピールするティエル。力こぶを作って見せても、マシュマロおいしいそう、といった具合。
「じー……」
 ニニはティエルの振り回してるレイピアやティアラを、まじまじと見つめる。どこかで見たことがあるような……。
 そうだ、聞いたことがある!

 どこかの国のお姫様がお城を飛び出して冒険者してるって!
 もしかしてこの人のことですか!?
 もしかして私が勇者様になってお姫様を助けるパターンですか!?

「わかりました私頑張ります!」
「わ、元気になってくれたかな?」
 すごい大きな声で独り言が聞こえた気がするけど、聞かなかったことにしよう。何はともあれ救出対象が元気になったなら、次は恐竜の対処だ。
 2人の眼下には、苛立ちで地面や木々に爪や牙を立てるティラノサウスルがひしめいている。
「うーん、お腹が空いてるのかな?」
「そうみたいですね」
「ボクは美味しいけどきっと食べてもお腹いっぱいにはならないよ! そんなときはこれ!」
 ティエルは【フェアリーランド】の壺を掲げる。
「おお! それであのナマイキな爬虫類を黙らせようというわけですね!」
「その通り! いけー♪」
 ティエルが壺をひっくり返すと。色とりどりの果物が次々と転がり出す。目の前に飛び出してきた大量の物体と、その強烈で甘い香り。ティラノサウスルたちが一斉に襲い掛かる。
「わ、ものすごい勢いで食べてるよ!?」
「よっぽどお腹が空いてたんですねぇ」
 果実を食べつくすと。ティラノサウスルはティエルの方を見上げ、催促のために低く唸る。
「おかわりですってよ!」
「しょうがないなー」
 ティエルは壺からリンゴを1つ取り出す。それを力いっぱい、投げる!
 ティラノサウスルは飛んできたリンゴに飛び掛かり、空中でキャッチする。
「なにそれすごい!」
「お姉さんもやってみる?」
 ニニもリンゴを受け取り、ティラノサウスルの群れの中に投げ込む。

 暗い森に、フェアリーたちの笑い声が響いていた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロッテ・ブラウ
(今回は正体であるフェアリーの姿で参戦)

深い森の中を幻想的にひらひらと夜空に舞う
無数の蝶の群れ
それは「告死蝶」‐…
忌み嫌われる蝶だけど
そのすべてがボクの目さ

「お待たせ―助けに来たよ」

【蝶の眼】でニニを見つけて
ピンチの瞬間、手を差し伸べ優しい微笑みを向けます

そして迫る恐竜に見向きもせずに一言

「薙ぎ払え『禍津血』」

主の呼びかけに応じて空間を割いて召喚された機体
異形の右腕を思いっきり振るい、敵を吹き飛ばします

キミのいう、伝説の勇者なんて大層な者じゃないけどさ
ボクの仲間(同族)をいじめる奴は許さない!!
だから安心しなよ
絶対助けるからさ♪



 暗い暗い夜の森。
 血の匂いで満ちた闇の狭間で揺れる、捕食者の瞳。
 その瞳に映る、ひらひらと舞う幻想的な蝶の姿。
 不吉の象徴とされ、忌み嫌われる『告死蝶』。

 【蝶の眼】

 数多の凶兆が、森に散る。
 ロッテ・ブラウ(夢幻・f29078)は蝶の視界を通して、小さくも広い仮初の世界を見通す。
 その一角に騒がしい一団と逃げ惑うフェアリーの少女の姿を見つけ、急ぐ。

 少女は必死に逃げていた。救援とはぐれたところを恐竜に見つかり、逃げた。何とか逃げていたが、不思議な蝶に見つかってしまう。
「変な蝶来たんですけど!? これはゼッタイよくない虫ですよ!? これは死ぬパターンですよ!?」
 それが救援であることを知らないフェアリーは集まってきた告死蝶からも逃げようとする。その先には、ティラノサウルスが口を広げて待ち構え――。
「きゃーー!?」
「おっと」
 ロッテは混乱する少女の手を引き、飛ぶ。
「お待たせ―助けに来たよ」
 颯爽と現れたフェアリーの青年。少女を安心させるよう、優しい微笑を浮かべる。
 その後ろで――。
「薙ぎ払え『禍津血』」
 闇を斬り裂き、巨大な影が現れる。異形の腕が、食事直前の大口を吹き飛ばす。
「この感じ! 勇者様! 勇者様ですね!?」
 少女はロッテに飛びつく。普段は姿を変えていることが多いロッテだが、今日は同族の危機とあって、フェアリー本来の姿でやってきていた。
「キミのいう、伝説の勇者なんて大層な者じゃないけどさ」
 少女のピンチに駆けつけつつ、助けても驕らないこの態度! これこそ、間違いない!
「大丈夫です! 勇者様は勇者様ですから!」
 大丈夫らしい。少女を元気づけるために勇者の小芝居に付き合うのはあとにして。まずは周囲の完全を確保することにしよう。

「ボクの仲間をいじめる奴は許さない!!」
 ロッテの戦う意思をトレースし、禍津血が吠える。食いでのなさそうな邪魔者に、ティラノサウスルも咆哮で応える。
 ロッテが腕をかざすと、蝶たちが優雅な軌跡を描き、舞う。ティラノサウスルたちは、目障りな小さい虫に喰らいつく。蝶は無骨な牙をひらりと躱し、ティラノサウスルを誘導する。獲物が集まったところを、禍津血の爪でまとめて引き裂く。大きいとはいえ、相手はただの恐竜。猟兵であるロッテの敵ではない。
 いくらか群れの前衛を切り崩したところで、戦闘は遠隔操作の禍津血に任せ。フェアリーの少女に振り返る。
「それじゃ、移動しよう。安心しなよ。絶対助けるからさ♪」
「はい! 勇者様!」

 夢見る少女は勇者に手を引かれ。
 蝶の舞う暗い森を冒険する――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒城・魅夜
ふふ、私は勇者などではありませんし、むしろダンピールの悪霊ですが
だからこそ闇の中では頼ってくださいね

妖精さん、ちょっと想像してください
怖い恐竜さんと言えども、きっと眠った姿は可愛らしいですよ、ふふ

動物はお腹がいっぱいなら無暗に襲ってきたりはしないものです
さあ恐竜さん、あなたはたった今、いっぱいご飯を食べたばかりのはず
ええ、血の滴るような兎肉、レプ・ス・カムの肉をね
……まあ、それは私のアイテム「鋼は魂に口づける」
および「誘惑」「精神攻撃」の技能を使った幻なのですけれどね
でも、恐竜さんにはよく効くでしょう、ふふ
さあ、お腹がいっぱいになったら眠くなってきたはずです
私のUCでゆっくりとおやすみなさい



 いろいろあって、フェアリーの少女はまた恐竜から逃げていた。
 どれだけ逃げても同じところに戻ってくるばかり。懸命に逃げたものの、ついに追いつかれようとしたその時――。
 闇の中から鎖が伸び、ティラノサウスルたちを絡めとる。
 恐竜たちの動きを封じ、黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)が舞い降りる。

 透き通るような白い肌を持つ女勇者の登場に、フェアリーのテンションも跳ね上がる。
「お待ちしておりました勇者様! ナイスタイミングです!」
「ふふ、私は勇者などではありませんし、むしろダンピールの悪霊ですが」
 魅夜は自分の取り巻く要素を想い、少女の言う『勇者』という言葉を否定する。勇者には勇者なりの、悪霊には悪霊なりの戦い方がある。鎖を握る手に悪夢の力を込め、勇者を望む少女に優しく語り掛ける。
「だからこそ闇の中では頼ってくださいね」
「わかりました闇の勇者様!」
 能天気なフェアリーは、あんまりわかってなさそうだった。

 さあ、早くこの歪められた悪夢の世界を終わらせなければならない。相手にするべきは悪夢の住民たちではなく、本来の夢の持ち主。
「妖精さん、ちょっと想像してください。怖い恐竜さんと言えども、きっと眠った姿は可愛らしいですよ、ふふ」
「寝てる爬虫類……」
 ぽわぽわと空想の世界が広がってゆく。
 デフォルメされた恐竜たち。柔らかな日差しの中、恐竜たちはのんびりと食事している。そして――。

 フェアリーの想像を元に、魅夜は【滅びの日、最期に舞うもの、紅き翅】を発動する。
「動物はお腹がいっぱいなら無暗に襲ってきたりはしないものです」
 フェアリーの夢と、現実の境界が曖昧になってゆく。
 恐竜たちの、生々しい咀嚼音が響き渡る。血だまりの中に見えるのは、青い衣装に白い兎の耳。彼等を呼び出した者が、彼らの腹の中へ消えてゆく。
 その光景は魅夜が見せる幻。それでも腹が満たされた心地になった恐竜たちは、次第に大人しくなってゆく。
「さあ、お腹がいっぱいになったら眠くなってきたはずです」
 恐竜たちは、眠りにつく。全員分の寝息を確認し、魅夜は恐竜たちに絡みつく鎖『鋼は魂に口づける』を外す。彼らは鎖を通して精神を汚染されていたことにすら、気付いていなかったであろう。
「ゆっくりとおやすみなさい」

 すぴー……、すぴー……。

 恐竜と一緒に、フェアリーの少女も寝てしまっていた。今頃夢の中で恐竜たちと仲良く遊んでいるに違いない。
 もう少し寝かせてあげるとしよう。
 彼女が起きて、元気になったなら――。

 この夜も終わり、決戦の朝が始まる。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『レプ・ス・カム』

POW   :    ミラージュ・ラパン
自身と自身の装備、【自身がしたためた招待状を持つ】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
SPD   :    兎の謎掛け
【困惑】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【鬼火の塊】から、高命中力の【蒼白い炎の矢】を飛ばす。
WIZ   :    素敵な嘘へご案内
【巧みな話術】を披露した指定の全対象に【今話された内容は真実に違いないという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。

イラスト:リタ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ハーバニー・キーテセラです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「あれ? 明るくなってきちゃった? 失敗しちゃった?」
 白い兎の耳をピコピコ揺らすのは、猟書家『レプ・ス・カム』。
 金属とも粘土とも分からぬ謎の材質で出来た塔の元。
 レプ・ス・カムの周囲を、恐竜たちがぐるぐると踊っていた。

「もしかして、猟兵来ちゃったかな? それじゃー仕方ない! れっくん! 予定変更だよ! フェアリーの前で猟兵をいい感じにして『鍵』の方から出てきてもらうようにするよ!」
ロッテ・ブラウ
いい加減に『レプ・ス・カム』と対峙するのも何回目かな?
これだけ相手してりゃ、対策も思いつくし
相手の手の内もある程度予想も…
すこし離れた高台で「禍津血」の「ステルス装甲」を起動
ダメ押しに周囲に結界術と化術でカモフラージュさせて潜伏
『幻想領域』の効果により
聴覚を遮断、視覚を対象の熱や魔力が見えるように変更
狙撃戦特化に身体を作り変え
「RSキャバリアライフル」を構えながら
【招待状】の効果で姿を消した恐竜に冷静に照準を合わせます
聞こえなきゃ怖くも無い

どうせそんな事だと思った♪本命は他の猟兵に任せて
手の内を全部潰させてもらうよ♪ボクも嫌がらせが大好きなんだ♪
思い通りになんてさせないよ♪



「いい加減に『レプ・ス・カム』と対峙するのも何回目かな?」
 ロッテ・ブラウ(夢幻・f29078)は、既に何度もあの猟書家と戦っている。
 この状況であの兎がやりそうなことと言えば――。
 相手のやりそうなことを予測する。それらを潰せる位置に、ちょいと『仕込み』をおいておく。

「おや? どこかでお会いしていましたか? その節はどうもどうも」
 この『レプ・ス・カム』が、ロッテに会うのは初めてである。だが馴染みの仕事仲間にそうするように、気さくに話しかけてくる。
「初めてでないなら話が早いですね。今フェアリーの方々にご協力していただくお仕事をしているもので――」
 兎の耳を揺らしながら自分のペースで言葉を紡ぐ。ロッテは、それが幻覚の一環であることを知っている。
 【幻想領域】の力で聴覚を絶ち、心を惑わす話術を遮断する。聴覚以外の感覚を研ぎ澄まし、敵の追撃に備える。
「――と、いうわけで早速【フェアリーランド】を使っていただきたい所存! おや? お話が通じてない気配! 仕方ないですね。猟兵ならちょっとくらい手荒になっても問題ないでしょう!」
 幻惑が通じないとみるや、レプ・ス・カムはティラノサウスルに跨り正面から突撃してくる。ロッテはその攻撃を真上に飛んで躱す。
「おっと」
 戦いの様子は、高台に潜んだ『禍津血』からよく見える。跳び上がったロッテに向かって飛び掛かってくる、姿を消した何か。禍津血のキャバリアライフルが火を噴き、レプ・ス・カムの招待状が弾け飛ぶと。空中に現れたのは、キャバリアの弾丸に貫かれた哀れな翼竜。
「あれ? プテラくんバレてた!?」
「どうせそんな事だと思った♪」
 隠密を解除したキャバリアを背に、ロッテは笑う。

「むむむ、でも愉快な仲間たちはまだまだたくさん――」
「地面に潜ってるのも服の中にいる小さい奴もバレてるよ♪」
 禍津血が戦場に飛び込む。レプ・ス・カムを乗せたティラノサウスルは飛び退くも。異形の腕が、地面の中にいた恐竜をその姿を現すことも許さず叩き潰す。
「手の内を全部潰させてもらうよ♪ ボクも嫌がらせが大好きなんだ♪」
「あややや……。おねーさんの懐に飛び込んできたところをカプッっとするのもバレてるみたいだし……」
 幻惑や不意打ちが効かないとなると、レプ・ス・カムに使える手は少ない。こんなときは、力尽くでいくしかない。
「仕方ないね! れっくん! ごー!」
 主の号令に、ティラノサウルスが吠える。
「最後は力押しかい?」
 単純な力比べで恐竜とキャバリアで勝負になるはずがない。が、この魔力の感じは――。
「味方に幻覚を見せて強化、かな?」
「イエス! れっくんぱわー!」
 血走った眼の恐竜がキャバリアに喰らいつく。禍津血の腕で暴れるティラノサウルスを抑え。ロッテは、レプ・ス・カムからティラノサウルスにへの魔力の流れを分析する。

「思い通りになんてさせないよ♪」
 ティラノサウルスの目の前で、ロッテの驚かせ力が爆発する!

大成功 🔵​🔵​🔵​

リューイン・ランサード
引き続き弩羅轟えもんを操縦し、シマドゥ島民の皆さんと共に戦闘継続。
「女首は手柄にならん、恥じゃ。」と島民の皆さん。
了解です。
猟書家は僕の方で対応しますので、引き続きトリ(恐竜)狩りをお願いします。
と、役割分担。

猟書家と乗っている恐竜は姿を消すとは言え、音とか歩く都度に起こる土煙とか飛び散る下草とかまで隠せません。
自分の第六感と瞬間思考力を研ぎ澄ませて周囲に注意を払い、弩羅轟えもんの音センサーや温度センサーと組み合わせて相手の居場所を把握。

ダブルビームライフルとハイパー・バスター・キャノンによる一斉発射・2回攻撃・砲撃・貫通攻撃をスナイパーで撃ち抜き、更に流水剣の光の属性攻撃・貫通攻撃で貫く。



「トリ国の将は女首か」
「女首は手柄にならん、恥じゃ」
 リューイン・ランサード(竜の雛・f13950)は、ユーベルコード【シマドゥ島民大暴れ】で呼び出した皆さんと話し合っていた。
 恐れを知らず、首ドロップに勤しむ彼等。しかし彼等にも流儀があり、何でもかんでも襲い掛かるというわけではない。

「了解です。猟書家は僕の方で対応しますので、引き続きトリ狩りをお願いします」
 役割分担して攻める。とはいえ、レプ・ス・カムとティラノサウルスは一緒に行動している。その上ユーベルコードの力では姿を完全に消してしまっている。
 まずは、弩羅轟えもんに搭載された各種センサーでティラノサウルスの居場所を探り当てる。
「皆さん、あそこです!」
「チェストォォォォォォォ!」
「チェストォォォォォォォ!」
 リューインの号令で、シマドゥ島民が跳ぶ。戦場に雄叫びが響き渡り。
「おおっと」
 レプ・ス・カムの駆るティラノサウルスがシマドゥ島民の攻撃を躱し。凶刃は虚しく地面を抉る。
「む、誤チェストにごわす!」
「女首相手に誤チェストは恥じゃ!」
「ケジメか! ハラキリにごつ!」
 女首相手のせいか、シマドゥ島民の動きが鈍い。ここはきちんと、リューイン自身の手で決めなければ。

「チェ、チェスト―!」
 リューインは裂帛の叫びと共に、トリガーを引いた。本場のシマドゥ島民ほどではないけれど、叫んだ。突然大きな声で叫んでどうしたんだいリューイン君みたいな声が聞こえた気がするけど、叫んだ。
「ええ!? わっ!?」
 光の弾丸が、見えざる敵を捉える。攻撃は凌がれてしまったが、殺しきれない衝撃でティラノサウルスの背から転がり落ちるレプ・ス・カム。
 主から引き剥がされ、戦場の中央にティラノサウルスの姿が浮かび上がる。
「トリじゃ! トリの将じゃ!」
「女首はどうした!?」
「知らぬ! 今宵はトリ鍋にごつ!」
「ならばよしッ!!」
 無敵の勢いを取り戻すシマドゥ島民たち。あちらはもう任せて大丈夫だ。

「さあ、あとは僕の手で猟書家を」
 女性相手にキャバリアは女々か? 否! 兎相手にも全力を尽くす。それがランサード長男の戦い方! 決意を固めたリューインの、ダブルビームライフルとハイパー・バスター・キャノンによる一斉発射。
「もー、乱暴だなー」
 レプ・ス・カムは、手にしたランタンを揺らす。彼女の周囲の光、キャバリアから放たれたビーム兵器の弾幕までの全てが、歪んで消えてゆく。
「ビーム兵器は効かない。でも――!」
 光を歪める防御行動を取っている間なら、相手の居場所が分かる。居場所がわかるなら、流水剣のフォースの刃で敵を斬る!
「チェスト―!」

 リューイン・ランサードの叫びが、フェアリーランド中に木霊した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒城・魅夜
「困惑」に反応する技?
ええ、まあ確かに困惑していると言えばその通りです
この期に及んでもまた自分の立場を理解していないあなたの愚かさにね
「悪夢の滴」たる私の前で悪夢を弄んだ報いは
その身の滅亡だと知りなさい

「オーラ防御」を使って身を守りつつ
「範囲攻撃」「早業」で鎖を舞わせ炎の矢を迎撃しましょう
同時に「残像」をオーラに投影することで私の幻影を作りだし
恐竜さんの気を引きます
そしてその幻影を操作し「誘惑」によって
恐竜さんを猟書家自身の方へけしかけるとしましょう
先ほど夢でお見せした美味しい兎肉です
本当に食べてくださいな
相手が慌てた隙に間合いを詰めてUCを発動
私も自信があるのですよ……性格の悪さにはね、ふふ



 猟兵と猟書家との戦い。時に激しく、時に静かに進行する中。
 黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は、ランタンの灯が造り出す偽りの景色の前にいた。

「さあ、そこのお姉さんも素敵な夢の世界にご招待だよ!」
 景気のいい掛け声と共に、色とりどりの炎が舞う。兎の声だけを残し、周囲の景色が恐竜の似合う太古の平原へと変わってゆく。
「『困惑』に反応する技?」
 魅夜は、どうしたものかと悩んでいた。レプ・ス・カムは、幻の向こうから攻撃を仕掛けてきている。相手は自分の優位を疑っていない様子。なのだが――。
 レプ・ス・カム自慢の幻覚ではあるが、『悪夢の滴』の前では少し騒がしい大道芸程度のものでしかない。
「ええ、まあ確かに困惑していると言えばその通りです」
 この感情を端的に表すなら、『困惑』に間違いない。残念なことに、この困惑はレプ・ス・カムの攻撃からくるものではない。レプ・ス・カムの生み出した悪夢の中は、魅夜にとっては自分の庭と同じ。どれほど策を用いようとも、全ては魅夜の手の上での出来事に過ぎない。
「この期に及んでもまた自分の立場を理解していないあなたの愚かさにね」

 ティラノサウルスは、咆哮と共に魅夜へと飛び掛かる。魅夜は、正面からきた素直な一撃をオーラの盾で受け止める。防御のために動きを止めた魅夜を、多数の鬼火が取り囲み炎の矢を放つ。
 炎に照らされた魅夜は陽炎の中に消え。再び浮かび上がった獲物の姿が、ティラノサウルスの瞳の上で踊る。
「おや? れっくんどうしたの!?」
 レプ・ス・カムは慌てる。魅夜の幻を追ううちに、ティラノサウルスは本来の主の指示から外れ、魅夜の誘導の元に動いていた。
「先ほど夢でお見せした美味しい兎肉です。本当に食べてくださいな」
 腹を空かせた恐竜は、目の前に転がる肉は誰のものであっても大差ない。よく知る匂いへと真っ直ぐに突撃する。
「参ったね。れっくんがこんな浮気者だと思わなかったよ!」
 レプ・ス・カムは味方だった者からの攻撃を躱し。敵の幻覚で動くティラノサウルスへ、レプ・ス・カムは自ら炎の矢で攻撃せざるを得なくなる。しかしこの判断は、既に魅夜に上書きされた悪夢の中。
「私も自信があるのですよ……性格の悪さにはね、ふふ」
 ユーベルコード【緋色の弔花は悪夢の深淵に狂い咲く】。レプ・ス・カムがティラノサウルスだと思い込んでいたものが、彼女の目の前で鎖となって解ける。恐竜の咆哮は呪われた金属音へと変わり、哀れな1体の標的へと殺到する。
「『悪夢の滴』たる私の前で悪夢を弄んだ報いはその身の滅亡だと知りなさい」

 108本の鎖が、愚かな兎の血を啜る――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい

あらあらあら?透明化したカムたんを感応能力(結界術/第六感/読心術)で捕捉しつつも敢えて背を向ける。
奇襲で致命傷負った私の前で勝ち誇るカムたんの前でぼふんと煙となって消えてぼふんと新たな姿と眷属増し増しでリポップする。
てのを5回程繰り返せばカムたんの逃走を防ぐ包囲網は完成するでしょう。そしたらいつものごとく化術神罰でカムたんを擬似ふた化させておいしく捕食し、快楽で蹂躙しながら搾り取ってエネルギー充填よ♡
えっちなのうみそおいしいです♡
え?なんでって?視力に頼らない感知能力持ちに透明化なんて意味ないわよ?
恐竜達も異形の眷属達が“かわいがって”いるわ♪



 アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)は、敵に背を向けて逃げていた。
「あらあらあら?」
 それはもう、全力で逃げていた。後ろから迫るのはユーベルコードの力で姿を消した恐竜たち。多数の恐竜に追われつつも、的確に背中を向けて逃げる余裕を見せるアリス。途中何度か噛みつかれてひどい目に遭っていたが、【不可思議な『夜』の軍勢】で復活しつつここまで逃げてきた。

「とうっ!」
 逃げるアリスの真上から突如現れたレプ・ス・カムの、強烈な兎足キックが炸裂する。恐竜の方にばかり気を取られていたアリスはカムちゃんの生足ご褒美キックをモロに受け、地面に倒れ伏す。
「ありゃ? あっさり潰れちゃったね。あんだけみんなにやられてたらこんなものかな? それにしても――」
 周囲には、レプ・ス・カムの恐竜でもフェアリーの動物でもない奇妙な生き物が徘徊している。
「変なのがいっぱいになっちゃったね。リポップの設定間違ったかな?」
 レプ・ス・カムは、ランタンの蓋を開けて悪夢の設定をチェックする。
 勝ったつもりになって呑気に揺れている兎の尻尾。そこに、いつの間にか復活したヤツが飛びつく!
「ひゃ!? 何!?」
 お尻の辺りを、何かすごくよくないものが這い回ってる気がする!
「カムたんのおいしいエネルギーでアリスちゃんの復活よ♡」
 レプ・ス・カムが振り返ったそこには、復活したアリスと大量の取り巻きたちが溢れていた。アリス自信の見た目の大きさはさほど変わっていないが、アリスの中の不可思議な『夜』が恐ろしい程に膨れ上がっている。

 不可思議な眷属たちが恐竜を取り込み、あれよあれよという間に恐竜の卵が産み落とされる。
「雄のはずのれっくんが卵を!?」
「片方の親が夜の眷属なら相手はどんなイキモノでも“かわいがって”あげられるのよ♪」
「もしかしてその『どんなイキモノでも』には私も含まれていますか!?」
「YES」
「でも女の子同士でそういうのはいけないと思いますよ!」
「あら、じゃあカムたん男の子になる?」
「なりません! お断りします!」
「じゃあわたしが男の子になるわね」
「どう答えても結果が変わらないパターン!」
「変わるわよ。カムたん×アリスかアリス×カムたんは完全に別ジャンルよ」
「世間一般ではそれを変わらないっていうんです!」
「もう、仕方のないカムたんね。違いが分かるように両方でかわいがってあげる♪」
 逃げるはずが、ずるずると夜の罠の深みに嵌っていくレプ・ス・カム。

 えっちなのうみそおいしいです♡

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
WIZで判定

お腹がいっぱいになった恐竜さんのところから逃げ出したらうさぎのおねーさんが襲い掛かってきた!
ふふーん、ボク知ってるよ!おねーさんの言うことはぜーんぶ出鱈目だってね♪

でも、フェアリーのおねーさんが騙されないようにお口にチャックしてもらうよ☆
うさぎのおねーさんがおしゃべりをしている間に【妖精姫のいたずら】で服の中にもぐりこんじゃうね♪
ボクのこちょこちょ攻撃の前でおしゃべりなんてできるかな!

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



 2人のフェアリー、ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)と、フェアリーランドの主ニニ。
 暴れる恐竜の群れにめいっぱいのごはんを食べさせてピンチを切り抜け、フェアリーランドの中心を目指す。

 気合十分で飛び回る2人。そこに、猟書家『レプ・ス・カム』が降ってくる。
「見つけたよお嬢さんたち! いろいろひどい目にあったけどフェアリーさえ捕まえちゃえばこっちのもの!」
 何度も猟兵に遅れを取ったが、今回の目的は『天上界への鍵』。この2人さえ押さえれば任務完了なのだ。
「ふふーん、ボク知ってるよ! おねーさんの言うことはぜーんぶ出鱈目だってね♪」
 ティエルの決めウインクで星が舞う。兎なんかの嘘に絶対騙されないという強い自信に満ち溢れている。
「も、もしかして私のスーパー話術が効かない!?」
「そうだぞ! 全部お見通しだぞ!」
 ニニもティエルに続く。
「うう、嘘も幻覚も通じないんじゃ私の負けです。降参します」
 やけにあっさり敗北を認めるレプ・ス・カム。これはそう、嘘ですね。
「分かればよろしい!」
 あっさり騙されて相手の降参を信じるニニ。
「待ってニニおねーさん! 嘘だよ!」
「え? 嘘なの?」
 ニニはティエルの顔とレプ・ス・カムの顔を交互に見る。
「本当です! 降参します! 証拠にこの大事なランタンをあげますから!」
 レプ・ス・カムのランタンは幻覚の術を使う際の重要アイテム。それを渡すという行為は、強力な幻覚に陥らせるための罠。
「信じる! ランタンもらう!」
 あっさり騙されて相手の降参を信じるニニ、再び。

 いけない。あのおねーさん何でも信じる人だ。フェアリーのおねーさんが騙されないようにするには、うさぎのおねーさんのお口にチャックするしかない!
 レプ・ス・カムは、もう1人のフェアリーの方を向いている。ティエルはその無防備な背中に飛び込み、【妖精姫のいたずら】を始める!
「ボクのこちょこちょ攻撃の前でおしゃべりなんてできるかな!」
「ふぁ!? 何か入って!?」
 レプ・ス・カムは、背中で這い回るフェアリーを追い出そうとする。背中に手は届かないので、頑張ってごろごろと転げまわる。
「ハッ! ティエルちゃんさまが突撃している! 私も続け―!」
 ティエル1人でも大変だったところに、もう1人追加。
「まっへ! わらいすぎてくるし――」
 笑い過ぎて肺活量が足りなくなったレプ・ス・カムが必死に暴れる。ごろごろと転がるうちに、手にしていたランタンを岩に叩きつけ、盛大に割ってしまう。
「しまった! 私のスーパーウサギ穴が!?」
 割れたランタンから時空の歪みが発生し、瞬く間にレプ・ス・カムの身体が飲み込まれ、消えた。


 こちょこちょと暴れ回っていたフェアリー2人は、いらずら対象を失って放り出されて――。
「わわわ!?」
「あぶなーい!?」
 ティエルとニニのおでこが、いい音を立ててぶつかる。
「いたたた……。わっ、大丈夫?」
「大丈……ハッ!」

 ティエルちゃんさまの顔が近い! すごく胸がどきどきする! この胸の中にあるのはひょっとしてひょっとして!?

「……何?」
 いい感じに暴走しそうになったニニは、胸の上に小さな鍵を見つけて現実に帰ってくる。
「鍵……、だね?」
 ティエルは、その『鍵』をまじまじと見つめる。

 猟書家は『天上界への鍵』を探しているのだという。
 この輝く鍵の正体は――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年01月04日
宿敵 『レプ・ス・カム』 を撃破!


挿絵イラスト