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炎上ボーダーライン

#クロムキャバリア #対キャバリア戦 #市街戦

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#クロムキャバリア
#対キャバリア戦
#市街戦


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●鋼鉄と戦火の世界
「ようこそお出でくださいました、皆々様」
 グリモアベースへと猟兵達を招いた神楽火・綺里枝(メイデン・オブ・シグナム・f01297)は一礼してそう切り出した。
「この度皆様に向かっていただくのはクロムキャバリアでございます。オブリビオンが引き起こす争いを、戦禍が拡大する前に終結させていただきたいのです」
 綺里枝が予知した戦場はパルツェシュタインとグライアヴァルトという二国間の国境地帯である。グライアヴァルト軍のキャバリア部隊が突如として国境を侵犯し、付近の街を襲撃して壊滅させる。この事件をきっかけとして数ヶ国を巻きこむ大戦乱が勃発してしまうのだという。
「パルツェシュタインは複数のプラントを擁する学芸に秀でた国で、グライアヴァルトを含む周辺国に様々な技術供与を行っております。今回の侵攻を食い止めることができなければ、パルツェシュタインの最新技術を巡って戦いの連鎖が始まってしまうでしょう」
 もしそうなってしまえば、多くの人命と物資技術が失われ、もはやパルツェシュタイン周辺を平定することは不可能となってしまうだろう。
「幸いにして、パルツェシュタインとグライアヴァルトの関係は悪くありません。侵略首謀者のオブリビオンマシンを破壊すれば現状を維持することはできるでしょう」
 とはいえ、首謀者も被害者と言える。オブリビオンマシンによって正気を奪われてしまっているだけなのだ。侵攻するグライアヴァルト軍のパイロット達も同様である。
 従ってパルツェシュタインの人々はもちろん、グライアヴァルト側の人的被害も可能な限り少なくなるように戦う必要があるのだ。

●破滅への行進
「それでは、具体的な状況をご説明させていただきます」
 国境を破って侵攻してくるグライアヴァルト軍は、大きく分けて二部隊。
 先鋒を務めるのが「MCK04SC-パラティヌス・スローター」で構成される対人掃討部隊である。任務は文字通り、国境付近を占領し人々を殺戮することだ。
 これらのキャバリアもまたオブリビオンマシンと化している。機体だけを破壊し機能を停止させればパイロットは正気を取り戻すだろう。
 第二陣として進軍してくるのは「MCK04N-パラティヌス」部隊である。先鋒の攻撃に対応して出動してくるパルツェシュタイン軍を迎撃し戦闘を激化させるのがその目的である。
「この二つの部隊は、同じ学校の生徒達を無作為に二分して編成されております。つまり、それぞれの部隊に兄弟姉妹、友人、恋人などが分かたれているのです」
 深い絆を持つ者達の死はパイロットの狂気をさらに強め、オブリビオンマシンを強力にする。そのような事態もできるかぎり避けなければならない。
「すなわち、作戦は侵攻第一波を可能な限り速やかに撃破しグライアヴァルト軍のパイロットを保護。その後に第二波を迎撃、最終的に首謀者の機体と交戦するという順序で展開されることになります」
 先鋒部隊との交戦とパイロットの保護を同時に行わねばならないが、首尾よく救出できれば彼らの声を届けることで第二陣のパイロット達の戦意を挫くことができるだろう。

●ペイル・ライダー
 侵略部隊の指揮官機であり首席生徒のパーシアスが駆るオブリビオンマシン、コードネーム「モルス」を撃破して彼を救出することができれば完全なる勝利となる。
「ですが、パーシアス機には第二陣迎撃の際に用いた手も通用しない可能性があります。オブリビオンが彼に施した洗脳は非常に強く、もはや別人になってしまっていると言っても過言ではないのです」
 戦闘中にパーシアスが口にするだろう過激な思想は彼の意思ではない。それはもしかすると、オブリビオンとなる前の機体に染み付いたものであるのかもしれない。
「いずれにせよ、武力を持ってオブリビオンマシンを破壊する他に手段はございません。『モルス』は非常に厄介なユーベルコードを使用するため決して容易ではありませんが、皆様のお力であれば対抗することは可能です」
 モルスのユーベルコードのひとつ、「有機生命根絶機構『冥界への導き』」を封じる最も簡単な方法はキャバリアに乗ることである。この点に関してはパルツェシュタイン軍から貸与された機体と武装を利用することができる。
 説明を終えて、綺里枝は猟兵達を見回した。
「では、参りましょう。終末への運命を阻むために」


中村一梟
 猟兵の皆様ごきげんよう、中村一梟でございます。
 今回はクロムキャバリアより、三連戦のシナリオをお届けいたします。

●第1章
「集団戦」フラグメントです。
 この章では「敵パイロットを殺さず機体を破壊する」および「敵パイロットを救出・保護・避難させる」行動を含むプレイングに対してボーナスが与えられます。
 また、明確に「敵パイロットを殺害する」旨のプレイングがあった場合、第2章におけるすべての判定が不利になります。

●第2章
 同じく「集団戦」フラグメントです。
 この章では「助けた敵パイロットに仲間へ呼びかけてもらう」内容を含むプレイングに対してボーナスが与えられます。呼びかける人と相手の関係性、呼びかけの内容などご希望があればプレイングにてご指定ください。
 なお、このボーナスは1章で「敵パイロットを救出した」数によって適用される数が変動します。プレイング作成の際はご注意ください。

●第3章
 最後は「ボス戦」フラグメントです。
 ギミックや特別なボーナス条件のない純粋な力比べの戦闘となります。

●キャバリアを持っていない猟兵の方へ
 プレイングで指定していただければ、そのキャバリアや武装を使って戦うというリプレイにいたします。
 なお、機体や武装は「ガレージ」の「クロムキャバリア」紹介ページ【https://tw6.jp/html/world/441_world14.htm】に記載があるものに限らせていただきます。
 個々の機体のスペックや特徴については描写できない可能性がありますのでご了承ください。

 それでは、今回も皆様と良い物語を作れることを楽しみにしております。
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第1章 集団戦 『MCK04SC-パラティヌス・スローター』

POW   :    BSフレイムガン&RS-Sグレネードランチャー
【耐熱塗装を施した機体が装備する銃火器】から【対人用の広域火炎放射】か【対装甲榴弾】を放ち、【酸欠と火傷】もしくは【爆風】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    RBXSランスライフル&Sマイン&EPジャミング
【連射ビームと共に対人殺傷用鉄片と妨害電波】を降らせる事で、戦場全体が【情報封鎖されたキャバリアによる虐殺現場】と同じ環境に変化する。[情報封鎖されたキャバリアによる虐殺現場]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ   :    RSレッグガン&RS-Fポイズンソー
自身の【脚部対人機銃を掃射、精密狙撃の精度】を代償に、【複数の対人・対キャバリア用無人ユニット】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【対装甲機械刃と自爆、戦場に散布する毒ガス】で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

テラ・ウィンディア
…あの部隊ってもしかして学園都市って処の人達なのかな
…ちょっと興味があるな(学校はアルダワのをちらっとしってるぐらいだから

それに…モルス…何か聞き覚えがあるんだよなぁ…?

【戦闘知識】
敵の陣形とコックピットのある位置の捕捉

…やっぱりあれやるしかないか
しかも…目が回りそうだな今回は…ヘカテー…フォロー頼みたい(神機と精神と魔力をリンク
UC発動

【属性攻撃】
炎属性を全身と武器に付与

【見切り・第六感・残像・空中戦・盾受け】
飛び回りながら敵の猛攻を回避しながら
【二回攻撃・重量攻撃】
コックピットを避けて切り裂きパイロットを救出
増えた神機の中に取り込んで安全な場所へ

他の神機も複数で一機を襲い搭乗者回収!!



 グライアヴァルトの方角から、黒色のキャバリアが攻め寄せてくる。
(……あの部隊ってもしかして学園都市って処の人達なのかな)
 戦争の火蓋が切って落とされる瞬間を瞳に映しながら、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)はそんなことを考えていた。
 テラの知識にある学校と言えば、異世界アルダワ魔法学園だ。グライアヴァルトの学校軍はそれとは全く形態が異なる。
(……ちょっと興味があるな)
 だからこそ、この侵略を止めなければならぬというもの。オブリビオンが引き起こしたこの戦争はパルツェシュタインだけの危機ではなく、グライアヴァルト存亡の瀬戸際でもあるのだ。
 それに――。
「……モルス……何か聞き覚えがあるんだよなぁ……?」
 この事態の元凶たるオブリビオンマシンの名も、テラの記憶を刺激する。グライアヴァルトへの興味とは違って曖昧な感覚。その正体を掴むためにも、首謀者を前線に引っ張り出さなければならない。
 テラの姿を捉えたのか、パラティヌス・スローターが肩部の砲口を向けてきた。キャバリアを相手取るには火力不足だが、人間を殺すには十分な威力を持つビームが狙いを定められる。
「……やっぱりあれやるしかないか。しかも……目が回りそうだな今回は……ヘカテー……フォロー頼みたい」
 宝剣を握った手をまっすぐに伸ばす。次の瞬間、三界神機『ヘカテイア』がその姿を現していた。
「ウィザードモード……起動! 我招くは嵐の夜! 冥府へ導く魔女達の群れよ! 今こそ狩りの時間だ! 存分にその力を示せっ!!!」
 声と共に、ヘカテイアの心臓部から魔力が溢れ出した。ユーベルコードによって形を与えられた奔流は、ヘカテイアの機体そのものとなって具現する。
 ロックオンした標的の変貌と増殖に、オブリビオンマシンは対応できない。狙いの狂ったビームを易々と回避。降り注ぐ対人殺傷用鉄片もキャバリアの装甲に対しては砂粒のようなもの。
 瞬く間に肉薄したヘカテイアが右腕を振るう。炎へと転換された魔力をまとった手刀がパラティヌス・スローターの両腕と武装を切り裂き、コックピットを抉り取る。
 内部の生体反応を走査――パイロットの生存を確認。衝撃で気絶しているものの、機体の破損に比べれば無傷と言ってもいい。
「よし! 次行くぞ!!」
 テラは次の敵へと攻めかかる。それと同時に、数十体のヘカテイアの分身もまた攻勢を開始した。

成功 🔵​🔵​🔴​

荒谷・つかさ
なるほど、事情はわかったわ。
要するにパイロットを殺さずに、機体だけ破壊すれば良いのよね?
数がいるのが面倒だけれど、ちゃんと丁寧に仕留めるわ。

「XGG00 『機煌炎神』スルト」に搭乗(合身)し出撃
更に【筋肉連結システム】発動
強化されたパワーと装甲を頼りに敵群へ突撃
敵機の攻撃も火炎放射や榴弾砲程度なら気にしない
スルトは炎の精霊を宿すスーパーロボット
砲弾の破片程度は装甲で簡単に弾くし、そもそも火炎や爆炎は力の源
逆に喰らって出力上昇し、「怪力」による力任せに敵機体の四肢と頭(つまりコクピット以外全部)を引き千切り、握り潰し、破壊する
残った胴体部は余裕があれば回収、無理なら丁寧に物陰へ置いておくわね



 荒谷・つかさ(逸鬼闘閃・f02032)が戦場に辿り着いた時、パルツェシュタインのキャバリア部隊もまたそこに到着したところだった。
「なるほど、事情はわかったわ」
 国民皆兵を国是とするグライアヴァルトの人々は幼少期から軍事教練を施されている。学生であっても練度は高く、他国からの増援を待たなければ侵略を食い止めることはできないという話を聞き、つかさはゆっくりと頷いた。
「私達に任せて、あなた達はこの近くの住民を避難させることだけを考えて」
 つかさが促すのには理由がある。今いるパルツェシュタイン軍では戦力不足であること以上に、この争乱の元凶――オブリビオンマシンの思惑に乗らないためだ。
「数がいるのが面倒だけれど、ちゃんと丁寧に仕留めるわ」
 パイロットを殺さずに、機体だけ破壊する。つかさにはそれができるが、彼らにはできないだろう。侵略者から故郷を守らねばならない、という想いが先に立つパルツェシュタイン軍に、不殺の戦いをする余裕はない。
 であれば、二つの国のどちらにも属さぬつかさ達猟兵がやるしかない。
「やるわよ、スルト。――合身!」
 呼びかけに応えて、炎鉄の巨神が立ち上がった。XGG00 『機煌炎神』スルト。燃える街路を踏みしめて、グライアヴァルト軍へと迫る。
 一機のパラティヌス・スローターが砲口を向けた。バシュ、とその破壊力と比べるといささか間の抜けた音がして対装甲榴弾が放たれる。スルトが掲げた腕に着弾、炸裂。キャバリアの鋼の四肢でさえ容易に爆砕するほどの爆発がスルトを赤く染めた。
「スルトは炎の精霊を宿すスーパーロボット。火炎や爆炎は力の源よ」
 が、スルトは無傷――否、爆炎を食らう前よりもさらに出力を上げて猛進する。
「……茶番は、終わりよ!」
 延ばされた両手がパラティヌス・スローターの両腕を掴み、捻る。合金とセラミックスが悲鳴を上げて、対人機兵の腕が武器ごと捩じ切られた。
 間髪を入れず、スルトは脚部を破壊しにかかる。横薙ぎに放たれた手刀が人型機動兵器のパーツの中で最も頑丈かつ繊細な膝関節を粉砕。機体が倒れかかるが、頭部をスルトが掴んだことで転倒は免れる。
 もちろん、頭を掴んだのは支えるためではない。巨神がその指に力をこめるや、キャバリアの頭部が果実のように弾けた。
 一切の武装を失ったパラティヌス・スローターの胴体を、スルトが先程までの猛々しさとは正反対の柔らかさで物陰に横たえる。
 まずは一機。単に壊すよりもよほど手間のかかるが、オブリビオンの企みを挫くためには今しばらくこんな風な戦いを続ける必要がありそうだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

マヤ・ウェストウッド
「安心しな、『人助け』はアタシの稼業だ」
・人型の機動兵器を主戦力とする異世界にカルチャーショックをおぼえつつ、キャバリアがもたらす心理効果について直観的に理解する

・マヤは闇医者である。人の生命を救うためなら倫理道徳をも超越する。機体の搭乗者を救助するためならば、たとえ目前に5m程の巨敵が立ちはだかろうとも、実力行使してでも任務を遂行しようとするだろう

・敢えてキャバリアには乗らず、自前のバイクで敵機を翻弄し、空飛ぶパンジャンドラムから生えた触手で手足を捉え、回転鋸でそれを切り落とすようコマンドする

・敵機に飛び乗り、ハッチを怪力でこじ開けるなどして搭乗者の保護を試みる

・毒ガス等はガスマスクでカバー



 身長五メートルの機械巨人達が撃ち合い殴り合う光景を目の当たりにして、マヤ・ウェストウッド(フューリアス・ヒーラー・f03710)は左目を瞬かせた。
 様々な資源を生産するプラントはこの世界の人々の生活を支える柱だ。その柱を中心に広がる生活圏を走破し、全高十五メートルの建造物を守備、制圧、あるいは破壊するためには五メートルというサイズがちょうどよかったのだろう。「ちょうどいい大きさである」ということは生物にとって最も重要な要素だ。
 瞠目の間に思考を巡らせていたマヤは、背後で動く気配に気づいて振り返った。技術大国らしく軍務とは程遠い格好をした住民達が、マヤと同じようにキャバリア同士の激突を見守っている。
 小さく「助かるのかな」と呟く声が聞こえた。それはマヤにはわからない、この世界の現実を踏まえた言葉だったのだろう。
 だから、マヤはぽつりと呟いた少年を振り返って、笑顔でこう言った。
「安心しな、『人助け』はアタシの稼業だ」
 跨っていた二輪車のアクセルを全開にし、戦場へ飛び出す。
 自ら口にしたように、人助けこそがマヤの行動原理である。己に可能なあらゆる手段でもって、救えるだけの命を救う。だからマヤは闇医者になり、猟兵となったのだ。
「運命の歯車は廻りだす……翔けろ、輪入道(パンジャンドラムス)!」
 声と共に、円柱形の本体に二つの車輪を組み合わせた奇妙な形の無人機が飛び立った。ユーベルコードによって与えられた回転鋸を唸らせ、空中を走っていく。行く先には一機のパラティヌス・スローター。
 グライアヴァルトのキャバリアはパンジャンドラムを即座に撃ち落とそうとはしなかった。他世界から持ちこまれたデータにない機影が脅威になりうるものか判断しかねたのだろう。数秒後、接近してくるそれらが回転鋸と鋲と触手を備えていることを認識して、脚部対人機銃とRS-Fポイズンソーを射出。
 二種類の無人機が空中で激突した。双方の回転鋸が食い合い、どちらからともなく爆裂する。ポイズンソーの破壊によって、周囲には毒ガスがまき散らされた。
 姿勢を低くして降り注ぐ銃弾の雨を潜り抜けつつ、マヤはガスマスクを装着。紫色の毒煙を突っ切ってパラティヌス・スローターに肉薄する。
 自機への誤射を防ぐため、ポイズンソーはマヤの追跡を停止。パンジャンドラムの迎撃へと移行するが……一瞬の遅滞の間に大部分が撃墜されてしまう。
 マヤに先んじてパラティヌス・スローターへ取りついたパンジャンドラムが、入力されたコマンド通りに触手で四肢を拘束した後、回転鋸で切断する。
 マヤは武装を失ったキャバリアに跳び移る。緊急脱出機構のために設けられた隙間を無理矢理こじ開け、コックピットからパイロットを引きずり出した。
 助けるのはパルツェシュタインの人々だけではない。グライアヴァルト軍のパイロット達――オブリビオンマシンのより直接的な被害者といえる彼らもまた、マヤにとっては助けるべき者なのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

月守・咲凛
アドリブ他諸々OK
「ともだちと戦うなんて、ダメなのです」
ポワポワしてますが、やる気です。
ぐーるーぐーるー、どーん!です。
基本的に武器を使わず、機動力で敵機を撹乱しながら背後に回り込んで捕まえて、出力に任せてぐるぐる回転させて敵パイロットの失神を狙います。
敵の攻撃に対しては残像を残しての回避やシールドグレネードの障壁による防御で対処、倒れた敵機への流れ弾に対してもシールドグレネードで対処します。
ぐるぐる回すだけでは無理そうな敵機に対しては、カメラ位置を確認してそこか武装を潰して対処しますが、コックピットブロックに近い位置へ攻撃するくらいなら別の部位を狙って行動不能を狙います。



「ともだちと戦うなんて、ダメなのです」
 ユーベルコード保持者のための最新鋭機「PSS-type B【シーガル】」のコックピット内で月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)は呟いた。
 グライアヴァルト軍は猟兵達を排除しようとする機体と、市街地を蹂躙しようとする機体に分かれるような動きを見せている。どちらにも捕捉されていない位置から急加速。側面を突く形で急襲をかける。
「一ドット掠める所からが始まりです!」
 いち早くシーガルの接近に気づいた敵機が放ってくるビームを躱す。ほぼ光速で射出されるビームを咲凛が回避することができるのは、ユーベルコード『雨の中のサーカス』による予測の賜物だ。
 氷上を滑るような軌道を描きつつ横向きの光雨を残らず躱し、パラティヌス・スローターの後ろに回りこみ捕まえる。そして再びの加速。羽のような光を散らせながら円軌道へ移行。ショックアブソーバーの限界を超える遠心力がパイロットの意識を奪うまで振り回す。
「ぐーるーぐーるー、どーん! です」
 制御を失った機体を放り捨てる。ようやく足を止めたシーガルに向けて攻撃が殺到するのにシールドグレネードを起爆。魔術障壁で防ぐ。
 分割した二班の双方を抑えられてしまったことで、グライアヴァルト軍パラティヌス・スローター隊の消耗は急激に進んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

バーン・マーディ
…ふむ
マーズよ
貴様が反応すると言う事は…やはりモルスというのは…


【戦闘知識】で敵陣の陣形の把握
更にコックピットの確認

…ほう…人を殺す為の兵器か
人を虐殺する為だけの兵装か
…良い(機神から降り

マーズよ…貴様は下がれ
そして刮目せよ
我が叛逆の刃を(UC発動

【オーラ防御】展開し紅きオーラ強化
火炎放射や爆風や毒ガスを防

【武器受け】
魔剣と車輪剣でダメージ軽減

そのまま生身で襲い掛かる
【怪力・二回攻撃】
敵機の手足を破壊し行動を封鎖

無力化すれば他の敵機にも飛び掛かる
どうした?
虐殺するのだろう?
だが我はヴィラン
貴様らの望みを容赦なく粉砕する叛逆の悪である

全機無力化すれば救出作業を行う

尚須らく不殺徹底



 国境の街を見下ろす高台。片膝をついて駐機したキャバリアのコックピットで、バーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)は次々と表示される情報を見つめていた。
「……ほう……人を殺す為の兵器か。人を虐殺する為だけの兵装か。……良い」
 低く呟いて、バーンはハッチを開放し焼けた大気に身を曝した。
「マーズよ……貴様は下がれ」
 主の言葉に応じて、キャバリアが臨戦態勢から待機状態に移行する。愛機の鼓動が穏やかになっていくのを感じながら、バーンは地を蹴った。
「悪とされたる者達よ。正義という暴力に蹂躙されし者達よ。我はバーン・マーディ。我は今ここに宣言しよう。悪には悪の……正義があると!」
 跳躍が落下に転じる寸前、ユーベルコードを発動。くろがねの鎧をまとった姿が紅の流星へと変わり、尾を引いて飛翔。炎と毒煙を一息に突破した。
 標的と見定められたパラティヌス・スローターは、迫るバーンを何と認識したのだろう。砲弾? あるいはミサイルか?
 そのいずれでもなく、そのいずれよりも圧倒的な破壊力をもって、バーンはオブリビオンマシンを強襲した。
「刮目せよ、我が叛逆の刃を!」
 澄んだ音が響いた。バーンの剛腕が振るった魔剣がパラティヌス・スローターの片腕を一太刀の下に斬り落としたのだ。
 反撃。フレイムガンがうねる猛火を吐き出す。建物ごと中の人間を焼殺するための火炎は、しかしバーンに火傷ひとつ負わせることはできない。彼の体を包む深紅のオーラが、熱を完全に遮断している。
「どうした? 虐殺するのだろう?」
 炎の中から飛び出したバーンが、火炎放射器の砲身の上に降り立つ。静かに剣を構える男は機体高の半分にも満たないのに、オブリビオンマシンは振り払うことさえできないでいた。
「我はヴィラン。貴様らの望みを容赦なく粉砕する叛逆の悪である」
 再び刃が走り抜けた。パラティヌス・スローターの腕部と頭部、そして周囲に渦巻く炎が切断された。
 バーンは仰向けに倒れていくキャバリアから飛び降りた。火の消えたここならば、放置しておいても耐熱塗装が施された機体が守ってくれるだろう。
 黄金の柄を握り直し、バーンは次の敵機に向かって飛翔した。

 残るパラティヌス・スローターを掃討し、バーンが高台へと戻ってくる。
 破城神機は主の命に背いて、再び臨戦態勢をとっていた。鋼の相貌が南――グライアヴァルトの方角を沈黙のままに睨んでいる。
「……ふむ。マーズよ、貴様が反応すると言う事は……やはりモルスというのは……」
 マーズと同じ方向に目を向けて、バーンは重く呟く。
 新たな敵影が迫りつつあるのが見えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『MCK04N-パラティヌス』

POW   :    RXキャバリアソード/EPキャバリアシールド
自身の【補助CPUを停止、搭乗者への制御負担】を代償に、【力量に応じ近接戦闘力を向上した状態の機体】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【砲火を潜り抜ける運動性と近接武装】で戦う。
SPD   :    RBXSランスライフル
レベル分の1秒で【近接突撃/射撃モードに切り替え】【ビーム】を発射できる。
WIZ   :    EPオプションバックユニットスラスター
【作戦に応じた追加兵装(通常はミサイル)】を向けた対象に、【射撃攻撃を行った後、追撃の突撃】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●グライアヴァルトの学校事情
 軍閥議会が実権を握るグライアヴァルトにおいて、学校は社会の構成員を育てる機関であると同時にキャバリアのパイロットを養成する機関である。
 この国に生まれた少年少女達はおよそ十年と少しの間、寝食苦楽を共にして育てられる。彼らにとって級友は単なる友人ではなく、兄弟姉妹にも等しい絆で結ばれた戦友なのだ。

●国境の迎撃戦
 猟兵達の活躍によって、オブリビオンマシンは一機残らず撃破された。人的被害はパルツェシュタインの民間人、グライアヴァルトの兵士共にゼロ。考えうる限りで最良の戦果だ。
 だが、戦闘はまだ完全に終息してはいない。いまだオブリビオンの支配下にある残り半数の兵士達――MCK04N-パラティヌスの部隊が迫りつつある。
 グライアヴァルトの軍人は戦友を決して見捨てない、とひとりの兵士が言った。汚染されたキャバリアから戦友達を救出するために、彼らは口々に猟兵達の援護を志願する。
「それに、全員で生き残ってこの街の人達に謝らないといけないですし」
 第一波の指揮官を務めていた少女兵はそう言って、悔恨の色を声に滲ませる。
 盟友たるパルツェシュタインに銃口を向けたことは、決して彼らの本意ではないのだ。オブリビオンマシンがある限り、こんな風に誰も望まない戦いが繰り返されてしまう。
 救出したグライアヴァルト軍の兵士達の全面協力を得て、猟兵達はパラティヌス隊の迎撃に挑む。
バーン・マーディ
マーズよ
感じるか…この者達の向こうにある存在を

善かろう
説得は他の猟兵共に任せ我は唯粉砕するのみだ

【戦闘知識】
効率的に撃破できる位置を把握
特に密集陣形を捕捉
敵の癖や動きも見切る
特にコックピットの位置とエンジン部分…破壊すれば無力化できる部分を把握
【オーラ防御】展開
では行くぞ
【切り込み・二回攻撃・重量攻撃・怪力・生命力吸収・吸血】
敵陣に飛び込み容赦なく手足を切り裂き破壊し
そのエネルギーを吸収する
基本搭乗者は一切傷つけず唯機体だけを破壊しつくす

己を中心に敵が密集し我らを壊しに来るのであれば

UC発動

【鎧無視攻撃・鎧破壊】
敵の装甲を貫通して敵のエンジン部分や操作系統を破壊し無力化を図る

不殺徹底



 炯々とした瞳が南方を見据えている。その視線の主は二人。黒騎士バーンと破城神機マーズである。
「マーズよ、感じるか……この者達の向こうにある存在を」
 彼らが見つめるのはパルツェシュタインの南方国境線から進軍してくるグライアヴァルト軍である。対人火器を主兵装とするスローター・タイプとは異なり、対キャバリア戦闘をも考慮した汎用戦仕様の機体達だ。
「善かろう」
 操縦桿を操り、バーンはマーズを跳躍させた。進軍してくる敵機群の内、最も迎撃しやすい地点を通過しようとする一団の前に降り立つ。
「唯粉砕するのみだ。では行くぞ!」
 破壊のエネルギーをまとった刃が唸り、パラティヌスの腕部脚部を斬り飛ばす。先頭の機体が瞬時に倒されたことを気に留める様子もなく、他の機体はマーズへと銃口を向け発砲。銃弾はマーズが掲げた掌が放ったオーラの盾に受け止められ、弾けた。
 十字砲火でバーンの足を止めている隙に、半月状に戦列を組み替えたパラティヌス達が一挙に突撃してくる。
 重装甲大火力のスーパーロボットといえども十分な数の優位があれば押し切れる。ごく合理的な判断だったが、結果としてそれは過ちであった。
「我は選別する」
 バーンの口上と共にマーズが両腕を持ち上げ、額の前で交差させる。
「我に牙剥く者、我に抗うもの、我に刃向けるもの、我を貶めるもの……!」
 破城神機が腕を振り下ろす。と同時にユーベルコードが発動。十字型の光が竜巻となって放たれた。
「須らく等しき神罰を与えん事を!!」」
 光刃は易々とパラティヌスの装甲を穿ち、動力部を貫いていく。
『Cross of Sort(ジュウジノセンベツ)』の猛威が去った後、そこには戦闘力を奪われ動力を停止させられたパラティヌス達が頽れ、その残骸の中心に破城神機マーズが屹立していたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

マヤ・ウェストウッド
「諸君、援護射撃よろしく……アタシにいい案がある」
・今回もキャバリアに乗らない
・救出した兵士たちには援護射撃で敵の注意を惹きつけるよう要請。敵が気を取られている隙に、愛機の宇宙バイクで[ダッシュ]して足下に接近を試みる
・巨大な人型兵器は味方の士気高揚、敵への威圧、火器運用の効率化のメリットがあるものの……弱点も人体の構造と相関すると、闇医者なりに考察する
・Xキャリバーに対戦車弾の生成を指図し、関節部等を[スナイパー]技術で狙撃
・前胸部巧打の本質は『膨大な霊力の浸透』にある。機体胴部を拳で殴りつけ、搭乗者ごと邪気を祓わんとする。敵機には手持ちの呪瘡包帯で[ロープワーク]を用いてよじ登る


テラ・ウィンディア
UC継続
さて…助けられてよかったな。協力してくれる人達には実際に見て貰えばきっと判ってもらえるかな

20機は一波の人達を乗せていくぞ

あんたらは敵討ちに来たんだな!
ならばそれが無意味だと教えてやるよ!
既にあんたらの仲間は助け出した!
次はあんたらを救出する番だ!

【戦闘知識】で敵陣の陣形と動きを把握
無力化するにはどこを撃てばいいかを確認

その上で30機は
【遊撃・レーザー射撃】による援護射撃
但しコックピットの直撃は避ける

残りはおれと共に突撃

相手の砲撃は【見切り・第六感・残像・空中戦・盾受け】で回避しつつ致命は避けながら飛び込んで機体の無力化を図る
基本的に不殺徹底だ

あんたらを死なせるわけにはいかないからな



 パラティヌス達が鋒矢の形になって街路を突き進む。街で最も広く開けた場所――公園に差し掛かったところで、彼らの行く手を阻む壁が突如として現れた。
「あんたらは敵討ちに来たんだな! ならばそれが無意味だと教えてやるよ!」
 テラが率いるヘカテイアの分身達――前に二十、後に三十。グライアヴァルト軍を食い止め、逆に撃滅することさえ可能な数。
 だが、テラとヘカテイアが築いた鶴翼の陣は包囲殲滅のためのものではなかった。
「既にあんたらの仲間は助け出した!」
 前面に居並ぶ二十機のヘカテイアが一斉にコックピットを開放する。乗りこんでいるのはスローター隊の顔ぶれだった。
「次はあんたらを救出する番だ!」
 宣言と同時に後衛の三十機が射撃を開始。光の雨が降り注ぎ、パラティヌス達の出鼻を挫いた。
「よし、おれに続け!」
 ヘカテイアの本体、そしてテラが駆け出した。グライアヴァルトの兵士達を乗せた二十機がそれに続く。
 たちまち乱戦となった。鋼鉄の武器と武器が激突し、銃弾とビームが交錯する。
「あんたらを死なせるわけにはいかないからな」
 繰り出されたヘカテイアの拳がパラティヌスの頭部を砕き、機能を停止させた。

 キャバリア同士の攻防の下に、マヤと一分隊ほどの兵士が身を潜めていた。
「諸君、援護射撃よろしく」
 マヤの言葉に頷いて、兵士達が銃を構える。だが、その火力はキャバリアの装甲を貫徹できるようなものではない。
「大丈夫だ。……アタシにいい案がある」
 唇の端を持ち上げる横顔の残像を遺して、マヤはバイクを発進させた。後方から放たれる援護射撃の下を高速で駆け抜け、最も手近なパラティヌスの足元に滑りこむ。
(巨大な人型兵器は味方の士気高揚、敵への威圧、火器運用の効率化のメリットがあるものの……)
 人の形をしているということは、その構造上の弱点も人体と共通している。そして、マヤはヒトの体を熟知していた。
 直下を高速で通過するものに対する反応の遅れ――背面にある大きな死角――直立姿勢を保つ要となる関節――それらの要素を貫く軌道で、マヤの構えたXキャリバーから対戦車弾が飛んだ。それは過たずパラティヌスの膝に着弾、関節部を破壊する。
 バランスを崩しよろめくパラティヌス。マヤは素早く宇宙バイクから飛び降り、呪瘡包帯をロープ代わりにしてキャバリアの機体によじ登った。
「超獣技法、大猩猩(ごりら)ノ型……」
 握り締めた拳に霊力が集中する。それは周囲の大気に干渉し、陽炎のような揺らめきを生み出すほどだった。
「ハートに一発、ビートをかますッ! 最大霊圧(マキシマム・ヴォルテイジ)ッッ」
 大きく振りかぶった拳を、マヤはパラティヌスの胸部装甲に叩きつけた。
 炸裂した膨大な霊力がオブリビオンマシンの機体に浸透し、パラティヌスとオブリビオンを分離させる。
 機能を停止したパラティヌスは建物に寄りかかった姿勢のまま動かなくなる。マヤはその機体のパイロットの救出をグライアヴァルトの兵士に任せると、次の敵機の元へと向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

荒谷・つかさ
さてと、誰も殺さずに止められたわね。
早速協力してもらいたいところだけれど、いいかしら?

【虹霓渡りし炎神の巨船】発動
95機もの無人兵器「ムスペル」を搭載した巨大空中戦艦「ナグルファル」を召喚
ムスペルは本来AIによる自律戦闘を行うけれど、戦艦からの遠隔手動操作もできる
ということで救助した人々のうち、機体が足りなかったり負傷で前線へ出られない人達をナグルファルへ乗せ、ムスペルを操作しての協力をお願いする
ムスペル本体は無人機だから、救出のために多少無茶な行動をしても大丈夫よ
私は引き続きスルトで出撃、彼らと連携しつつパワーと装甲を活かした近接格闘で武装及び四肢破壊での無力化を狙っていく



「天を割き、虹を超え、神々の黄昏を齎す巨人の船よ。今、ここに顕現せよ――!」
 九十五機の人型無人兵器を従えた飛行戦艦が空を圧する。キャバリアよりはるかに巨大な敵へグライアヴァルト軍のパラティヌス達は一斉に銃口を上空に向け、攻撃を開始した。
「させないっ!」
 スルトを加速させ、つかさは銃撃の前に立ちはだかった。熱い装甲に任せて強引に突破し、接近戦に持ちこむ。
 応じてオブリビオンマシン達が次々とユーベルコードを発動。搭乗者の負担を顧みぬ速度と機動で肉薄する。
 繰り出した拳は空を切り、反撃のキャバリアソードが叩きこまれる。装甲が悲鳴と火花を上げた。
 スルトが両腕を掲げて防御の姿勢を取った。追撃を加えるべくパラティヌスが左右から迫る。
 そのさらに背後から、無数の火線が飛んだ。つかさが敵の目と攻撃を集中させている間に包囲の陣形を整えた人型無人兵器ムスペルの攻撃である。
 ユーベルコードによって砲火を潜り抜けるほどの回避性能を発揮するパラティヌスだが、それは相対していればの話。後方からの奇襲、それも圧倒的多数による包囲攻撃に対してはその機動性を活かしきれない。
 脚部、そして腕部を撃ち抜かれたパラティヌスが倒れる。ムスペルに対処すべく振り返りかけた機体を今度こそスルトの剛腕が捉え、その武装を粉砕した。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャイニー・デュール(サポート)
『拙者は剣士でござります故!』
ウォーマシンの剣豪×クロムキャバリアです

真面目な性格ですが勘違いや空回りも多く、かつ自分がズレているという自覚もありません
正々堂々とした戦い方を好みますが、それに拘泥して戦況を悪化させたりはしません

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
公序良俗に反する行為は(そういう依頼でない限り)しません

サムライというものに憧れていますが、正しい知識はありません
銃を使うことを嫌っているわけではなく、必要に応じて刀と内蔵兵器を使い分けます
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 大勢は決した。戦闘に耐えうるパラティヌスはもはや数機を残すのみであり、たとえ彼らが猟兵を突破したとしてもグライアヴァルトとパルツェシュタインの間に亀裂を生じさせられるほどの被害は与えられないだろう。
 だが、兵士達はキャバリアを停止させ降伏することはない。オブリビオンマシンによって植え付けられた意志に操られるままに、ただただ戦火を生み出し撒き散らすためにだけ兵士達は戦いを続けようとしている。
 パラティヌスの背部に装備されたオプションバックユニットが鋭い音と共に展開し、ミサイルを撃ち放った。
 白煙の尾を引いて飛ぶ数十発のミサイルの前に、ひとつの影が舞い降りる。
 シャイニー・デュール(シャイニングサムライ・f00386)。人間の少女をそのまま拡大したような機体外観を持つウォーマシンである。独立した意識を備えたキャバリアとでも呼ぶべき彼女は、己の機械仕掛けの頭脳に溢れる想いを、声にして解き放った。
「無駄な戦いは止めるであります!」
 発声と同時に抜刀。次の瞬間、全てのミサイルが両断され虚空で炸裂した。
「止めぬと言うなら……拙者がお相手仕る!」
 宙に咲いた炎の花を背に吠えるシャイニー。その気迫に、闘争しか知らぬはずのオブリビオンマシンがびくりと動きを止める。
「――今っ! 標的視認。レーザー照射します」
 シャイニーの両眼が輝いた。それは比喩ではない。そこに内装された高出力レーザーガンが火を噴いたのだ。
 鋭い閃光に貫かれたミサイルポッドを誘爆の直前に切り離し、身軽になったパラティヌスが突進してくる。三対一。だが、シャイニーは彼らを正面から迎え撃つ。
 なぜなら――。
「拙者は剣士でござります故!」
 四つの剣が交錯した。火花が散り、刃金が悲鳴のような音を奏でる。
 甲高い残響が消えた時、戦場に立っているのはシャイニーのみであった。グライアヴァルトのキャバリアは機体中枢部をことごとく斬り裂かれ、機能を停止して地面に転がっている。
「もう大丈夫でござるよ」
 亀裂の向こうに覗くコックピットに向かって手を差し伸べながら、少女型機械人形は人のような笑顔を浮かべるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『冥導神機『モルス』』

POW   :    RXキャバリアソード『死の運命』
攻撃が命中した対象に【命中箇所から広がり続ける死の呪い】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【生命力・エネルギー枯渇による衰弱の呪い】による追加攻撃を与え続ける。
SPD   :    対生物戦殲滅機構『死の眠りの神』
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【機体全身】から【生命力やエネルギーを奪う死の閃光】を放つ。
WIZ   :    有機生命根絶機構『冥界への導き』
自身の【機体全身】から【死滅の波動】を放出し、戦場内全ての【キャバリアに乗らぬ有機生命の生命活動】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は槐・白羅です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●Mors ex machina
 ふわり、と鋼鉄の重さを感じさせぬ様で、それは戦場に降り立った。
 鋭角的な青黒色のキャバリア。その手には冴え冴えとした青い剣が握られている。
『哀れなるものどもよ』
 声が響く。洗脳から解放され救出された学生達にとっては馴染みのある声。
 グライアヴァルト第四兵学校首席、パーシアス。オブリビオンマシン「冥導神機『モルス』」に魅入られた青年だ。
『私は汝らの過去にして未来、隣人にして敵であるもの。何人たりとも我が手から逃れること能わず。故に、我は汝らに等しく我が祝福を授けん』
 しかし、声はパーシアスのものであっても、彼の言葉ではなかった。
『則ち、死』
 喋っているのはモルスだ。オブリビオンと化したキャバリアが、パーシアスの口を使って己の意志を示している。
『命あるもの、すべからく死すべし』
 その存在は殺意と呼べるほど強烈ではない。それは自明の理を諭すが如く、淡々と結果だけを出力する、まさしく機械仕掛けの死。
『違いは、来るべき時がいつか、ただそれだけだ』
 静かに、冷たく、死が猟兵達に迫り来る。
テラ・ウィンディア
やっぱりかー…
あいつ…確か白羅の乗ってたモルスと同じだよな

来るべき時がいつかか
少なくとも…今じゃねぇよなぁっ!

機神に向けてヘカテイアの意志
「モルス…死は確かに万物への宿業…ですがそれは強制的に行われるものではありません。貴方はそれを知っていた筈なのに…」

【戦闘知識】
モルスの動きと性質
過去の共闘の記憶も含めて把握

【属性攻撃】
炎を機体と武器に付与
UC起動!
【見切り・残像・空中戦・盾受け・第六感・リミッター解除】
高速機動の中
ぶつかり合いながらも直感と見切りも駆使しての回避を試
避け切れないのは盾で受け


【二回攻撃・早業・串刺し】
槍で串刺しにしてからの剣での斬撃から

【重量攻撃・砲撃】
ブラックホール砲発射!



(あいつ……確か)
 戦場に降り立った死の名を持つオブリビオンマシンの姿に、テラは記憶を掘り起こす。
 以前遭遇したことのある青黒の機体。その記憶を刻んでいたのは、テラ自身だけではなかった。
 ――モルス……死は確かに万物への宿業……ですがそれは強制的に行われるものではありません。貴方はそれを知っていた筈なのに……。
 操縦桿を通じて、ヘカテイアの意志が伝わってくる。失われたものを歎き、悔やむ声。
 その声なき声よ伝われと、テラはモルスに戦意を叩きつける。
「来るべき時がいつかか。少なくとも……今じゃねぇよなぁっ!」
 ヘカテイアの機体を通じてテラの魔力が権限、キャバリアの全身を炎が包む。
「リミッター解除……グラビティリアクターフルドライブ……!」
 灼熱の流星と化してヘカテイアが飛翔。瞬きの間にモルスへ迫る。
「――なっ!?」
 テラは思わず悲鳴じみた声を上げる。剣と槍、その両方が受け流された。過去の経験から導いた、互いに高速格闘戦を選択するという予想。モルスはそれを覆したのだ。
『俺達グライアヴァルトの戦い方を教えてやる」
 平坦な声がした。モルスのパイロット――パーシアスの声だ。彼の存在こそ、テラの経験にはない要素。
『飛べ、冥導神機』
 目前からモルスが消えた。否、ヘカテイアに倍する速度で上空へと舞い上がったのだ。テラもそれを追い、機体を上昇させる。
『我は死の眠りなり』
 オブリビオンマシンの全身から閃光が放たれる。進行方向から降り注ぐそれを、ヘカテイアは躱しきれない。掲げた盾を通じて、掠めた装甲からエネルギーが奪われていく。
「……くっ……、ブラックホールキャノン……起動……!」
 なんとか敵を射程に収め、テラは引き金を引いた。だが『ギガスブレイカー』が発射されると同時、モルスの攻撃が直撃。急速にエネルギーを失った機体は失墜していく。
 逆さまになった視界の片隅にマイクロブラックホール砲が青黒の機体を掠めていく様を見届けながら、テラは落下していった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

バーン・マーディ
成程…マーズよ
貴様が気にしていたのは奴か

残念ながらあれに乗っているのは猟兵ではない
故に正気でもないだろう
故に倒すしかないが良いのか(ほんの僅かに悲しみの気配

…そうか
ならば力を尽くせマーズよ

UC発動
【オーラ防御】展開
破壊のオーラ強化
【戦闘知識】
モルスの動きと乗り手の癖も把握
【運転・武器受け・切り込み】
高速機動の中オーラでダメージを抑え
攻撃は軍神の剣で受け止めながら距離を詰め

【カウンター・怪力・二回攻撃・鎧無視攻撃・鎧砕き・生命力吸収】
生命を啜るのが趣味か?
良い
我も同感故…返してもらうぞ(剣で貫きエネルギー吸収

攻撃を受け止めてのカウンター
装甲ごと切り裂く猛攻

我らは死の宿業に叛逆せん!!!



 超重力の衝撃で傾いだ機体をモルスのパイロットが立て直すのを見て、バーンはマーズを飛び立たせた。
「成程……マーズよ、貴様が気にしていたのは奴か。……残念ながらあれに乗っているのは猟兵ではない。故に正気でもないだろう。故に倒すしかないが良いのか」
 破城神機の抱いた感情を示すように、駆動音がわずかに低くなった。
「……そうか、ならば力を尽くせ。マーズよ、破壊の神としての力を見せるが良い」
 バーンの声とユーベルコードに応じて、マーズが破壊のオーラを噴き上げた。
「今ここに叛逆の刃を突き立てん!!」
 大剣を掲げ迫るマーズを、モルスが死の眠りの閃光で迎え撃つ。万物を分解する波動と万象に停止をもたらす光が激突し、相殺されていく。
「生命を啜るのが趣味か?」
 モルスを追いながら、バーンはコックピットで呟いた。ユーベルコードによる高速飛行にも関わらず、モルスとの距離は思うように縮まらない。それはモルスがマーズとは逆方向に移動していることの証左であった。
「良い。我も同感故……返してもらうぞ」
 バーンはさらに機体を加速させた。モルスは正確に狙点を定めるため全速力を出せないのに加え、正面を向いたままという推進力を完全に活かせぬ姿勢を取っている。二機の距離が近づいていく。
「我らは死の宿業に叛逆せん!!!」
 オーラが閃光と対消滅した瞬間、マーズは刺突を繰り出した。切っ先が装甲を突き破る手応え。だが、剣を通じて敵のエネルギーは流れこんで来ない。
 マーズの剣はモルスの肩部装甲を貫通し、砕き散らしていた。しかし、その刃は敵機に突き刺さってはいない。激突の直前、モルスは後退から前進に転じていた。相対速度の急激な変化によってバーンの目測を誤らせ、致命傷を回避することに成功したのである。
『砲撃によって敵戦力を削ぎ、白兵戦で仕留める。それがグライアヴァルトの戦闘教義だ』
 損傷していないほうの腕部をモルスが向けてくる。次の瞬間、その掌部から閃光が放たれ、マーズの全身を覆うオーラを消し飛ばした。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

カシム・ディーン
事前
パーシアスについての戦闘記録と戦い方
且グライアヴァルトの戦闘教義を徹底調査

おいメルシー
モルスって他の同型より超戦闘特化だったか?
「そんな事ないよご主人サマ?でもあのモー君異様に上手いね」(鶏の立体映像が答え

何が「私は死」だ
逆にモルスを使いこなしてやがりますね

時間はかけられねぇか

UC起動
三倍速はまだ使わず

【属性攻撃・念動力】
念動障壁展開
この障壁こそ此奴の真の力!
死の光なんぞ効きません!

こそり機体に生命属性付与

【空中戦・戦闘知識・情報収集・視力】
飛び回りながら常に動きと癖と狙いを冷徹に分析
情報との差異把握
常に活路を狙

【スナイパー・切断・二回攻撃】

好機を見出し三倍速で超高速斬撃攻撃で切り捨て!



 猟兵の操るキャバリアと切り結ぶモルスの姿を前に、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は低く唸るように呟いた。
「おいメルシー、モルスって他の同型より超戦闘特化だったか?」
「そんな事ないよご主人サマ? でもあのモー君異様に上手いね」
 彼の声にそう返答を返すのは、メルクリウスのコックピット内に投影された鶏の立体映像――それをアバターとするこの機体の意思そのものである。
「……何が『私は死』だ」
 吐き捨てて、カシムはグライアヴァルトの戦闘教義やパーシアスの記録と眼前の戦いとを比較し、分析していく。
 ――グライアヴァルト軍においては、キャバリアそのものは汎用性が高くシンプルな機体を採用し、武装によって差別化・役割分担を図っている。先刻からパーシアスが見せている戦い方は砲撃で敵戦力を圧迫し近接戦闘で駆逐するという集団戦法をたった一機で行っているものであり、オブリビオンマシンのように理外の性能を持つ機体でしか実現できない、いわば「チート行為」のようなものである――。
 分析を続けるカシムに、メルシーが警告を発した。他の猟兵を振り切ったモルスがこちらに向かってきている。
「時間はかけられねぇか」
 カシムはメルクリウスを飛び立たせた。ユーベルコードによって加速、オブリビオンマシンを迎撃する。
「この障壁こそ此奴の真の力!」
 生命力を拡大転換した障壁をサイキックキャバリアが生み出し、死の閃光を防ぐ。次の瞬間、速度をさらに上げたモルスが突進してきた。
「加速装置起動……メルクリウス……お前の力を見せてみろ……!」
 カシムもまた、機体をさらに加速させた。通常の三倍の速度に到達。モルスとの距離がたちまちゼロになる。
 二つの機体が目にも止まらぬ速さですれ違った。メルクリウスは剣を振り抜いた姿勢、対するモルスは剣を振り上げたまま。
 斬り飛ばされたモルスの装甲が地上へと落ちていく。砲撃から近距離戦闘へ移行する一瞬。本来であれば仲間と分担することで隙を生じさせず、一気呵成に攻め立てることができただろう。だが、今のモルスとパーシアスに仲間はいない。超常の性能を持つが故に生まれた刹那の間隙を、カシムは見事に突いてみせた。
 そして彼は確信している。この一撃がモルスを攻略する糸口になることを。後に続く仲間達がオブリビオンマシンを討ち破ってくれることを。

成功 🔵​🔵​🔴​

渚波・レンカ
あれがオブリビオン……人類の敵……

司令部『レンカ、まずは歩く事だけ考えて』

初めての実戦にもたつき、そうこうしている間に右腕を圧し折られる。更に頭部にも深刻なダメージを負い、沈黙するが機体が勝手に再起動し機体内に埋め込まれた刻印(ドライバー)が暴走。

序号機『ウオオオオオオオオオオオオ…!!』

素手で獣のような戦い方をし始める。捕食に成功した場合は刻印の能力で融合する事で機体を補い、再生し、敵のUC(POW)を放ちながら捕食し続ける。

※ほんの少し前までただの学生だった為に実戦経験は全くのゼロ。戦い慣れてない点が目立つ。機体と痛覚が共有されている。



「あれがオブリビオン……」
 渚波・レンカ(クリューヱリヲン序号機・Cruel Angel・f32002)の目の前にモルスが着地した。
「人類の敵……」
 ごくり、と喉が鳴る。損傷してもなお濃厚な死の気配をまとうオブリビオンマシンに、戦いとは無縁の生活を送ってきたレンカは戦慄を禁じ得ない。
(レンカ、まずは歩く事だけ考えて)
 それでも、覚えさせられたキャバリアの操縦方法を必死に思い返しながら彼女は機体を一歩踏み出させ、不慣れな動きながらも銃を構える。
 ――が。
「っ、あああぁぁ!」
 引き金に指をかけることで精一杯のレンカでは、モルスの動きには対応できない。突き出された蒼色の切っ先が銃把を握るジャイアントキャバリアの腕を斬り裂き、機体と同調しているレンカ自身にも肉を裂かれる痛みを味合わせる。
「痛っ……痛いよぅ!」
 右腕を押さえ、レンカはコックピット内で喚く。流血しているわけではなくとも、その痛みは本物。戦闘経験があるわけでもない彼女には耐えられない。
 操縦桿から手を離し、シートにうずくまるレンカ。それに連動して無防備に立ち尽くしたキャバリアの頭部に、モルスがもう一度刃を突き立てた。
「ァ――っ!!」
 絶叫。貫かれた装甲の隙間から体液を噴出させる脳無き巨人に背を向け、モルスが剣に染みた返り血を振り捨てる。
 ――オオオォォ。
 その時、血の底から響くような声がした。
「ウオオオオオオオオオオオオ……!!」
 その主はレンカのジャイアントキャバリア。己の血に反応し、機体に組みこまれた魔術装置が暴走を起こしているのだ。
「ウオオオオッ!!」
 立ち上がった巨人が咆哮した。その顎が数度上下し、モルスの剣から流しこまれた衰弱の呪いを噛み砕く。
 オブリビオンのユーベルコードでさえも喰らい、脳無しの巨人は自己修復の糧とした。傷ついた腕がたちまち再生し、拳が振るわれる。
 巨人の拳が突き立った箇所から、モルスが繰り出したものと同じ『死の運命』の呪いが広がっていく。反撃の蒼い刃を、ジャイアントキャバリアは伏せて躱した。
 四つん這いの姿勢で巨人が疾走。迎撃を潜り抜けてモルスを組み伏せ、その胴部前面装甲に幾度も拳を叩きつける。
 装甲が軋み、歪み、亀裂を生じさせていく。モルスはブースターを全開にしてジャイアントキャバリアを跳ね飛ばした。
 再び獣の体勢で着地した時、巨人の刻印(ドライバー)が機体内の魔力を消費し尽くしてしまい、レンカのジャイアントキャバリアは今度こそ完全に停止したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

コノカ・ハギリガワ(サポート)
『やるわ。私に任せなさい!』
 サイボーグの鎧装騎兵×戦巫女、18歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
出身世界:スペースシップワールド

性格:勇敢
戦場では積極的に前線に切り込み、敵の注意や攻撃を引き受けます

・戦闘
勇翠の薙刀を主に使って戦います
また、エメラルドアームから発生させた障壁で仲間を庇います

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


キア・レイス(サポート)
大得意 隠密・潜入・暗殺・遠距離攻撃・籠絡
得意 偵察・探索・支援・制圧・集団戦・時間稼ぎ
不得意 目立つ・コミュニケーション・ボディタッチ・格闘戦
特技(アイテム装備時)ピアノ演奏・歌唱・二輪車操縦

幼い頃から吸血鬼に飼われていた奴隷
吸血鬼の魔力を少量ながら持ち一部UCはそれを元に発動している
現代火器による戦闘と斥候・諜報・盗賊行為が得意な他、色香を使った誘惑が得意技
反面普通の人と関わったことが少なく踏み込んだ会話が苦手、他に不用意に身体を触られると不快感を覚え一瞬身体が動かなくなる

アドリブ歓迎
UCや装備品の説明文は読んで頂くと書きやすいと思います
また一部UC使用時の口調は覚醒時を使用してください



 オブリビオンマシン、モルスが高々と剣を掲げる。その深い蒼色の刃金が振り下ろされようとした時、一人の猟兵がその前に立ち塞がった。
「師匠直伝の力、見せてあげる」
 翠緑の光の刃を手にしたコノカ・ハギリガワ(勇を示す翠・f06389)だ。彼女は己の三倍以上の体躯を持つキャバリアと相対しても一切の恐れを見せることなく、蒼い死神を正面から睨みつける。
『死の運命の上で踊れ』
 パーシアスの口を借りたモルスが冷厳な声で告げて、剣を振り下ろす。それがコノカを間合いに収めようとした瞬間、飛来した銃弾がモルスの腕から肩にかけて着弾し、体勢を崩させた。
「完璧なタイミングね。感謝するわ」
 コノカが言葉を投げるのは上方。そこには建物の屋上で片膝立ちになり銃を構えるキア・レイス(所有者から逃げだしたお人形・f02604)の姿がある。
「邪魔さえなければ外さない、それが難しいのだがな……」
「安心して、敵の攻撃を引きつけるのはやるわ。私に任せなさい!」
 キアの射撃に合わせ、コノカが飛びかかった。彼女が振るう薙刀は光の斬撃を放ち、キャバリア用の巨剣と真っ向から打ち合う。
 斬撃の応酬の最中にも、キアが放つ銃弾が次々と襲いかかる。ユーベルコード『ホークアイ』による狙いは正確無比で、モルスが攻撃を仕掛けようとする瞬間を撃ち抜き、オブリビオンマシンの戦力を削っていく。
「刻み断つわ」
 そして、銃弾の直撃によってモルスの機体が揺らぐや、コノカが放つ翠色の一閃が装甲に傷を与えていく。
 ユーベルコードを駆使する猟兵の戦力はキャバリアを相手にしても決して見劣りしていない。コノカとキアの連携は着実にモルスへと損傷を蓄積させていき――そしてついに、機械の巨人を打ち倒す時が訪れた。
 コノカの光の刃がモルスの装甲を深く抉る。そうして生じた亀裂にキアの撃ったグレネードが吸いこまれるように飛びこみ、炸裂した。
 低くくぐもった爆発音と共にモルスの右前腕部が裂けて砕けた。火を噴いてオブリビオンマシンの片腕が落下する。
 モルスは堪りかねたように後退していった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

マヤ・ウェストウッド
「坊や、『死』を語るにはちょっち若過ぎやしないかい?」
・マヤは闇医者として数多の死に対峙してきた。それ故に、学生たちの生命と『死』という概念の尊厳をダブルで冒涜する敵に義憤を抱く
・手ごろな機体を学生たちから借りて戦いに挑む。持ち前の[勇気]と[運転]で操縦技術をカバー。人体に準じた構造ならばこれまでの[戦闘知識]も活用できよう
・相手が呪いを使うのならば、装備品の[呪詛耐性]で対抗。そもそも当たらなければどうという事は……。[野生の勘]で回避運動を試みる
・機体が擱座しようとも、脱出して果敢に挑む。UCは不利であるほど身体能力を向上させる。死の波動には、倫理ガン無視の[医術]でバイタル維持を試みる



 撃破された機体の中から損傷の少ない部品を選んで繋ぎ合わせたキャバリア――いわばパラティヌス・リペアード――を疾走させながら、マヤは怒りに燃えていた。
 闇医者として数多の死に対峙してきた経験を持つ彼女には、パーシアスの体を借りてオブリビオンマシンが発するその言葉のすべてが学生達の生命と『死』という概念の尊厳を冒涜するものに思えてならないのだ。
「……追いついたよ」
 パラティヌス・リペアードのセンサーがモルスを捉える。彼女はすぐさま銃口を向け、引き金を引いた。
 横合いからの銃撃を、モルスが建物を盾に躱した。数秒後、二機は互いを剣戟の間合いに納める。
 パラティヌスのランスとモルスの剣が打ち合う。衰弱の呪いによって残存エネルギーが急速に減少していく中でマヤはキャバリアを駆りオブリビオンマシンに食らいつくが、操縦技術の練度の差は埋めがたく、徐々に彼女は競り負けるようになっていく。
「くっ!」
 勘に任せて跳び退いたパラティヌス・リペアードの頭部を切っ先が掠める。呪詛がセンサーに干渉し、モニターが一瞬ブラックアウト。その間にニの太刀が両腕を斬り落とした。
「――脱出するっ!」
 内部からハッチを吹き飛ばし、マヤは機体の外にまろび出た。
『みんな、いつかは死ぬ。命も、世界も』
「坊や、『死』を語るにはちょっち若過ぎやしないかい?」
 オブリビオンマシンの鉄仮面を見上げ、マヤは挑むように告げる。その語気とは裏腹に、呪剣のすぐ傍らに身を曝したことで呪詛に蝕まれつつある彼女の頬からは血の気が失せていた。
 マヤが立ち続けていられるのは装備に施された呪詛への耐性と、あらかじめ口に含んでおいた生命賦活剤の効力のためである。だがそれも、オブリビオンマシンの力の前では長くは持たないだろう。
『なぜ、死に抗うのか。逃れ得ぬさだめを否定するのは無為にすぎる』
「――ふっ」
 返事の代わりにマヤは跳んだ。あえて呪いに浸されることで発動したユーベルコードにより、その脚力は増大している。モルスが迎え撃つ間もなく、彼女はオブリビオンマシンのコックピットハッチへと到達。Xキャリバーを連続で発砲し、ハッチを吹き飛ばす。
「別に、アンタの為なんかじゃないよ。アンタが嬉しそうにしていると、アタシの気分がいいからそうするのさ!」
 操縦席に半ば拘束された状態のパーシアスを引きずり出し、再び発砲。全く装甲が施されておらず、最も機体中枢に近い部分に銃弾を受け、ついにオブリビオンマシンはその機能を停止した。
「生きてること以上に嬉しいことなんてないだろう?」
 救い出されたパーシアスは、マヤの言葉に弱々しく頷いて答えるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月01日


挿絵イラスト