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剣豪は炬燵で丸くなる

#サムライエンパイア #猟書家の侵攻 #猟書家 #真田神十郎 #剣豪 #上杉謙信 #魔軍転生 #ネタシナリオ #炬燵 #トンチキシナリオ #猟兵の食欲全開シナリオ

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 猟書家『真田神十郎』は今、サムライエンパイアで有名な剣豪である碓氷郡右衛門(うすい こおりえもん)を殺害して自らの配下にするべく、クルセイダーの秘術『超・魔軍転生』により、魔軍将『上杉謙信』を憑装した『忠実な家臣団』に必殺の計略を仕掛けていた。
 これにまんまと碓氷がハマってしまい、彼は絶体絶命の危機に瀕していた。

「くっ! このような卑劣な策を巡らせるとは、この、外道め!」
 碓氷は悔しそうに奥歯を噛みしめる。
「何とでも言うがいい! 此度の我は手段を選ばぬ!」
 真田はなりふり構っていられぬと言わんばかりに首を横に振った。
「そして謙信殿の慧眼は恐ろしいですな。まんまと剣豪が策に陥って身動きひとつ取れないとは。かく言う此の我も、危うく謙信殿の策に巻き込まれるところでしたぞ」
 これに魔軍将『上杉謙信』を憑装した家臣団の一体から、謙信の言葉が漏れる。
『神十郎よ、今の私は無敵の存在。誰も私に抗うことは出来ないだろう』
「如何にも! このまま猟兵達を誘き寄せ、一網打尽にしてくれましょうぞ!」
 勝利を確信した真田と謙信が高笑いする。
 その光景に、剣豪の碓氷は絶望的な状況下で助けを求めた。
「誰か! この……魔性の温もりから某を救ってくだされえぇーっ!」
 碓氷はそう叫ぶと、街道上にずらりと並ぶ炬燵(※上杉謙信)の中に潜って動かなくなってしまった……。って、寝息が……。

「これは酷い……、色んな意味でっ!」
 グリモア猟兵の蛇塚・レモン(蛇神憑きの金色巫女・f05152)は頭上のグリモアから予知を投影し終えると、グリモアベースに集まってくれた猟兵達へ今回の任務について話し始めた。
「サムライエンパイアで、猟書家『真田神十郎』の新たな侵略が予知されたよっ! 『上杉謙信』を憑装したオブリビオンの大軍勢の策略に、剣豪さんが引っかかって現在進行系で大ピンチッ! その策っていうのが、予知であった通り……【炬燵型オブリビオンに憑装して、剣豪を温々させて身動きを取れなくさせよう】っていうものだよっ!」
 んんんんんんんんっ?
 猟兵達は一斉に首を傾げた。
 だが、予知の内容通りだった。
「上杉謙信の軍略が、ちょっと斜め上へ向かったみたいだけど、この寒い時期に炬燵があったら、誰だって身体を潜らせて温まろうとするよねっ? そんな抗えない誘惑を利用した下劣な策で身動きを封じた後、真田神十郎が炬燵に潜った人をズバーッと斬り捨て御免しちゃうってわけっ!」
 いやいや、そんなはずはないだろうと訝しがる者もいれば、なんて恐ろしい事を……と戦慄する者と反応は両極端だ。
「上杉謙信が憑装した炬燵型オブリビオンこと『堕落へと誘いしモノ』の大軍勢は、街道の途中にある峠の茶屋付近に布陣して、剣豪さんを温々させて身柄を拘束中だよっ!」
 つまり茶屋の周囲は今、炬燵だらけになっているのか……。
 なんて混沌とした光景なのだろうか。
「このままではお茶と団子と卓上のみかんに籠絡された剣豪さんが、自ら死を望んで猟書家の配下になっちゃうっ! それを阻止するべく、あたいが今すぐ峠の茶屋に転送するから、みんなも適度に温々しつつ炬燵をぶっ飛ばして、剣豪さんを助けてあげてねっ! それじゃ、いってらっしゃいっ!」
 ……いや、自分たちも炬燵に入るんか~いっ!


七転 十五起
 寒い季節、炬燵でみかんを食べて自堕落に過ごす。
 日本の冬の醍醐味ですね。
 なぎてんはねおきです。

 お気付きでしょうけど、これはネタ依頼です。
 そして【シナリオ初心者大歓迎】の内容です。
 判定は普段より緩く行ってゆきますので、低レベル又は低能力値でもご安心です。

●概要
 第一章は炬燵型オブリビオンに憑装した上杉謙信の大軍勢との壮絶な死闘です。
 現在、峠の茶屋の気温は摂氏5度。雪が積もっていて寒いです。
 炬燵型オブリビオン達は、茶屋の中やかまくらの中で猟兵達を待ち構えています。
 その強烈な温々を誘う魔力に抗うのは非常に困難でしょう。
 ただし、炬燵型オブリビオンの攻撃力は皆無です。
 足止めと温々に極限特化されているため、炬燵利用でダメージは発生しません。
 茶屋に注文すれば、温かいお茶やお菓子が堪能でき、備え付けのみかんも堪能できてしまいます。なんて恐ろしい計略なのでしょうか!
 なので、適度に雪景色を炬燵に潜って堪能しつつ、飽きたらユーベルコードでズバーッとぶっ壊しちゃって下さい。
 ただし、あまりにも温々しすぎると、身動きの取れない参加者の皆さまを真田の神ちゃんが十字槍と妖刀村正で攻撃してくるので、長居は禁物です。

 第二章は寒さを我慢し続けていた猟書家『真田神十郎』との直接対決です。
 第一章で温々を満喫した参加者は、その度合によって心身ともに気力がみなぎり、この戦いでプレイングボーナスが発生します。

●プレイングボーナス(全章共通)
 剣豪を守る(本人もそれなりに戦えますが、第一章は炬燵で寝てます)。

『剣豪』碓氷郡右衛門……凄腕の剣の使い手だが、極度の寒がりなのが玉に瑕。

●その他
 複数名の同伴者がいる場合、それぞれの呼び名とID、もしくは【グループタグ】をお忘れなく明記願います。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております!
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第1章 集団戦 『堕落へと誘いしモノ』

POW   :    鉄壁たるぬくぬく
全身を【ぬくぬく超防御モード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    さぁどうぞお入りください
技能名「【誘惑】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ   :    こっちのコタツは温いぞ
【山積みのみかん】【ふかふか抱き枕】【丸くなった猫】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。

イラスト:ゆりちかお

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【訂正】誤:気温摂氏5度 正:気温氷点下5度
テラ・ウィンディア
わーいおこたー!

ヘカテも連れていきたいけどどうすれば…あ!

UC発動
【化術】でヘカテイアを化けさせるけど…(何故かちっちゃい黒ちび子猫と化すヘカテイア

「…私でも何故か判らないのですがこれが馴染みます…」

…ヘカテにゃん!!
「にゃん!?」

【料理】で…塩鍋を作ろうかな
具材は鱈に…白菜に人参に椎茸に…

ヘカテにゃん
「ってテラと話せてるって事は…うっ」
炬燵の上で猫の本能が刺激される!!
「私は冥府の女神っ…凍てつき世界にて…ふにゃぁ」
炬燵の上って暖かいので丸まる

お鍋とご飯食べながら温まる…いいなぁ(ヘカテにゃん撫でつつ…あ、温い…ふかふか

名残惜しいが
【全力魔法・属性攻撃・結界術】
結界で閉じ込め炎で焼き尽くすぞ


カシム・ディーン
アドリブ歓迎
好きにやって良し!

「やだー!メルシーも行きたいー!」(駄々をこねる神機

ええいあほですかお前は!炬燵に入ってのんびりする依頼でお前が入れるサイズはねーよ!

という訳で僕は炬燵でのんびりしにいきます!

神機
「なーんてね♪」こっそりUC発動
(銀髪の18前後の女の子に変身っ

いいですねぇ…こうしてのんびりするのは実にいい
これで美女がいれば…

「はいどうぞ♪」(何故か現れる美少女?傍に寄りお茶とか御酌
おおご親切に♪
しかし大胆ですねぇ♪お前も美味しく食べちゃいま…ん?(【情報収集・視力】分析開始…結果)

おいこらてめー…!(顔がしっ

「あればれちゃった♪流石ご主人サマ♥」

炬燵堪能したら

攻撃力強化で殲滅



 サムライエンパイア、雪降りしきる街道沿いの峠。
 そこにひっそりと佇む茶屋の周囲は、奇妙な光景が広がっていた。
「わーい、おこたー!」
 テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は街道沿いに乱立するかまくらの列……上杉謙信が憑装した炬燵型オブリビオンの群れに歓喜の声を上げた。
 とはいえ罠なので喜ぶべきではないのだが、現在の気温は氷点下5度。
 今のテラは目の前の炬燵の誘惑には抗えない12歳の女の子だ。
「あ、だが……」
 ずうぅぅん……と茶屋の店全体が揺れた。
 何だ何だと茶屋の女中さんと主人が外へ駆け出すと、そこには体高5mの白銀の機神がそびえ立っていた。
「アイエーッ!?」
「あんれまぁ、でっけぇ傀儡だがやぁ」
「ああ、驚かせてすまない。こいつはヘカテイア。おれの相棒だ」
 テラは天下自在符を茶屋の女中さんと主人に見せた。
 すると2人はすぐさま雪の上で土下座をして平伏した。
「ハハーッ!」
「猟兵さんやったのですねぇ、失礼しましたぁ」
「2人とも顔を上げてくれ。茶屋には迷惑をかけるつもりはない」
 テラの声に茶屋の2人は戸惑いながらも店内へ戻っていった。
「んー、ヘカテも炬燵の中へ連れていきたいけど、どうすれば……あ!」
 テラはユーベルコードでテラの姿かたちを変えることが出来ると思い出した。
 早速、ユーベルコード『魔術の神『ヘカテイア』(バンブツノマジュツヲオサメシカミ)』を発動させた。
「ヘカテイア……ウィザードモード起動……魔術回路……接続……。ヘカテイア……、おれの魔力を持っていけ……!」
 テラの魔力がヘカティアへ吸い上げられてゆく。
 すると、強化された化術によって、ヘカティアの姿がみるみるうちに縮んでゆき、別の生物の姿へ変化した。
「うみゃーん?」
 体高5mのスーパーロボットが、体長25cmの黒い子猫に大変身!
『……私でも何故か判らないのですが、これがしっくり馴染みます……』
 念話でテラへ話しかける黒子猫。
 その姿に、テラの目がキラキラと輝き始める。
『テラ、どうかしましたか?』
「――ヘカテにゃん!」
『は?』
「ヘカテにゃんだー!! かわいーっ!」
「にゃん!?」
 テラはヘカテにゃんを抱きかかえ、思わず頬擦りしてしまう。
「こっちならどこの世界でも一緒にいられるな! ヘカテにゃん、これからは非戦闘時は子猫のままでいてくれ!」
『えええっ? それだと常時ユーベルコードを使用することになるので、テラの魔力が枯渇しますよ!?』
「そ、そうだな……。それはおれがいざという時に全力を奮えなくなってしまうな。うう、せめて今、スマホがあれば、この愛くるしいヘカテにゃんを撮影できたのにな……!」
 本気でテラは悔しがっているようだ。
『それより、寒いので炬燵に入りませんか? 撃退するためにも、まずは接敵しないと』
「あ、ああ、そうだな! 炬燵なんかに負けないんだからな!」
 テラとヘカテにゃんは炬燵型オブリビオンの上杉謙信を撃破するべく、かまくらの中へ入った。

「わー、あーったかーい!!」
『ふう、やっと温まれますね……』

 秒で堕落した。敗北!

 一方、少し時間が遡ってグリモアベース。
『やだー! メルシーも行きたいー!』
 異空間でがっしょんがっしょんと寝転がって駄々をこねるのは、界導神機『メルクリウス』。つまりサイキックキャバリアだ。
 不安定な異空間で巨大が駄々をこねるのは、周りの迷惑にならずとも割と邪魔だった。
「ええい、あほですかお前は! 人間サイズの炬燵に入ってのんびりする依頼でお前が入れるサイズはねーよ!」
 メルクリウスと主従関係を強制的に結ばされてしまったカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は、この駄ロボの言動に手を焼いていた。
『やだー! ご主人サマと炬燵の中でイチャイチャ出来る絶好のイベントなのにー!』
「依頼内容を履き違えてんじゃねーよ! お前としっぽりイチャイチャなイベントなんて僕の方から願い下げですよバーカ!」
 ゲシゲシとサイキックキャバリアを蹴飛ばすカシム。
 クロムキャバリアの某小国家の洞窟内に封印されていたメルクリウスを欲張って発掘した結果がこれであった。
 契約者のカシムの事を病的に愛するメルクリウスは、事あるごとにカシムを自身の虜にしようとアレコレ仕掛けてくるので、カシムは全力で神回避し続ける毎日を送っている。
 なお、メルクリウスの性別は“両性”であり、アバターであるホログラムは何故か雄鶏であった。
「うぅ……酷いよぉ……。ご主人サマがメルシーをいぢめるぅ……! こんなにもメルシーはご主人サマを愛してやまないのにぃ……ぐすんっ!」
「うるせー、知らねーですよ! バ美肉ボイチェンおじさん声で言われてもなぁ!? という訳で僕は炬燵でのんびりしにいきます! お前の席ねーから!」
 そのままカシムはグリモアに導かれて転送されてゆく。
 だが、広がってゆく光芒の中に、メルクリウスの身体がスライム状になってカシムの背後をこっそりと後追いする。
(なーんてね♪ ご主人サマはまだ知らないけど、メルシーは『賢者の石』で出来た界導神機♪ 万物の根源にて万象の根本、その気になれば……ムフフ♪)
 炬燵でのマッタリな時間を心待ちにするカシムの背後に、白銀スライムの恐怖が迫る……!

『はっ……そういえば、テラとこうやって念話が出来ているということは……!』
 炬燵の上で鶏塩鍋の準備をしているテラは、ヘカテにゃんが警戒でフーッと毛を逆立てる姿を見て首を傾げた。
「どうした、ヘカテにゃん? 真田か?」
 紅龍槍『廣利王』を手に取ろうとするテラ。
 だが、かまくらの中へ入ってきたのは、見知った顔だった。
「やっぱり! テラさんの顔が見えたから、お邪魔しちゃいました。クロムキャバリア以来ぶりですかね?」
 カシムが身震いしながら炬燵の中へ吸い込まれてゆく。
「にゃーん……(嗚呼、やっぱり……)」
 ヘカテにゃんはカシムには聞こえないように猫語で呟く。
 テラもカシムを見て槍をかまくらに立て掛け直した。
「あの時はコクピット内のモニタ越しでしか互いの顔を見てなかったからな。改めて自己紹介をさせてくれ。おれはテラ・ウィンディア。見ての通りのエルフだ」
「エルフってことは、アックス&ウィザーズに縁がある感じでしょうか? 僕はカシム・ディーンです。シーフの人間ですよ」
 両者は握手を交わすと、そのまま炬燵の中へ。
『テラ、お知らせしなければならないことが……ウッ!』
 ヘカテにゃんは急に目を閉じて頭を抱えてしまう。
『私は冥府の女神っ……! 凍てつき世界にて……ふにゃぁ~炬燵の上って暖かい~』
 炬燵の上で猫の本能が刺激される!!
「ごろごろごろ……」
 ヘカテにゃん、炬燵に完敗!
 炬燵の中へ潜り込んで、顔だけ出して丸くなってしまった。
 ヘカテにゃんの言葉に首を傾げるも、大した用事じゃないだろうとテラは軽視した。
「お、鶏塩鍋ですか。いいですね。実は帝龍ヴァルギリオスの肉があるんですけど、少し入れてみますか?」
「それは食べていいものなのか!?」
 カシムの申し出にドン引きするテラ。
 だが興味本位で投入することにした。
「ほら、無限に再生して腐りもしない、この竜肉はすごいですよ。食べればパワーもアップします」
「まさかリアルドラゴンステーキ……じゃなかった、ドラゴンしゃぶしゃぶすることになるとはな」
 カシムが茶屋から器を借りてくると、少女と盗賊の鍋パーティーが開催される。
「ふむ、あのオブリビオン・フォーミュラのヴァルギリオスも、今やただの食材とはな……。しかも美味いじゃないか。脂っこくない上に肉の味が濃厚だ」
 しゃぶしゃぶした竜肉を喰むテラは、満足げに頷く。
「塩出汁もいい感じですね。野菜からも旨味が出てて最高です」
 大根や人参、そして長葱に椎茸といった野菜類と一緒に竜肉と鶏肉を食べるカシムも満足げだ。
(鶏肉……う、メルシーを思い出しちまった。いやいや、今は適度に鍋を楽しんで任務をまっとうしないと……)
 首を横に振るカシム。
 その顔の前に、すっと差し出される熱燗。
「はいっ! 御酌致しますね♪」
「へ? あ、ありがとうございます……?」
 お酌をする人物の顔を見た瞬間、カシムの心臓が爆発するかと思うほど高鳴った。
(ヤバい……かなりマブい……!)
 それはカシムの数あるストライクゾーンのひとつを突き抜けていった。
(サラサラと流れるキレイで長い銀髪、水晶のような灰銀の瞳、陶磁器のように白い肌、薄紅色で形の良い唇に気品漂う雰囲気、そして……その胸は平坦! 優勝!)
 まるで棒が衣を纏っているかのようなスレンダー体型の推定18歳前後の童顔少女が、ニッコリ微笑んで熱燗を差し出していた。
「おや? 茶屋の女中さんは1人だけだった気がするが?」
 テラの指摘に少女は思わず目を逸らす。
「い、いましたよ? でも怖くて店の奥で震えてました、ええ、今みたいに!」
 ぶるぶると震える少女の肩をカシムはそっと抱き寄せる。
「大丈夫です。今、ここには悪いオブリビオンが跋扈してますが、カシムさんが来たからには蹴散らしてみせますよ」
 お猪口に注がれたお酒をグイッと飲み干すと、通常比2倍の凛々しさでカシムは告げた。
「……やだ、イケメン♥」
 少女の瞳に♥が浮かび上がる。
「オブリビオンだらけって、私こわ~い!」
 少女もカシムに身体を預け、擦り寄ってくるではないか。
「これこれ、お嬢さん? 子供の前でそんな大胆な……。でも、ひと仕事終えたら、今晩、一緒に僕と過ごしませんか?」
「嬉しい……! とうとう私を水揚げしてくれるですね、ご主人サマ♪」
 少女がカシムに抱きつく。
「好き~♥ もう離さない! 今晩は翌朝まで愛を語り合おうね♥ んん~♪」
 少女はキスをせがむべく口をカシムの口へ寄せる。
「……おい待て」
 だがカシムが少女を引き剥がすと、頭の上から足元まで二往復して見詰めた。
 そして問答無用のベアクロー!
「へびゅッ!?」
 少女の顔が掌底の衝撃でぐにゃりと歪んでしまった!
 賢者の石でなければ大惨事だった。
「おい、なんだお前! 人間じゃないなっ?」
 顔面が陥没した少女へ槍を突き付けるテラ。
 これにカシムは少女の顔面をアイアンクローでガシッと掴みながらペコペコと頭を下げた。
「すません……オブリビオンじゃないんで。どうやらこいつ、うちのメルクリウスっぽいです。おいこらてめー、付いてくるなと言っただろうが?」
「やー! ごひゅじんハマとキシュれきるとおほったのひ~!?」
 銀髪の少女ことメルシー(少女形態)は、ユーベルコード『新しき光『賢者の石』(メルシーヘンシンモード)』で姿を変えたことを白状した。
「そんな機能があったのですか……。クロムキャバリアで言ってたことは妄言ではなかったのかよ……」
「だから言ったじゃーん? イイ仕事するって♪ これならメルシーはいつでもご主人サマを守れるよ♥」
 もう開き直ってカシムの腕にしがみつくメルシーに、カシムは無視を決め込んで鍋を突いていた。
「驚いたな……! これが愛の力なのか?」
「テラさん、これは呪いです……。人間の女の子に! モテたい……!」
 カシムの目が死んでいる。
 その横でメルシーは竜肉をかっ喰らっていた。
「完璧な変身だったのにばれちゃった♪ 流石ご主人サマ♥ うーん、お鍋美味しー♪」
「しかも食事もするのか! ヘカテにゃんとは大違いだな!」
「ヘカテにゃん?」
 メルシーは炬燵の脇から顔を出している黒子猫と目が合った。
『げぇっ! メルシー!? この姿は、その……』
「ちょっ! ヘカテちゃんが猫だー! かわいーっ!」
『やめてくださいこの糞ビッチ! こら気安く抱き寄せないでくだ、あ、そこは撫でられると、うみゃ、駄目です、駄目ですって……うにゃーん♪』
 ヘカテにゃん、本日3度目の秒殺!
「……お前が敵じゃなくってよかったってカシムさんは心の底から思いました。って作文んんん!?」
 カシムが自分の感想にノリツッコミをしなければならないほど、この場にツッコミ役が不足していた。
「お鍋とご飯食べながら温まる……いいなぁ、こういう平穏な時間……」
 テラもヘカテにゃんをもふもふしつつ、鍋パーティーを堪能していた。
 ただし、その炬燵は上杉謙信なんだけどな?

 鍋パーティーもたけなわとなった頃。
「よし、真田が駆け付ける前に上杉謙信を斃すか」
「お片付けしないとですね。あ、土鍋と食器は返してきますんで」
 カシムは身体を震わせながら茶屋へダッシュで土鍋と食器を返却しに行く。
「カシムが帰ってくるまでに準備を済ませるか」
 ヘカテにゃんを抱えたままテラは炬燵から這い出すと、炬燵を結界で包み込んだ。
「上杉謙信よ、温かな時間を提供してくれたことに感謝する。名残惜しいが、これも剣豪を救うためだ」
「お待たせしました。それでは、謙信は消毒だヒャッハーってことでいいですか?」
 カシムが炎属性のルーン文字をウィザードロッドに宿す。
「ああ、異存はない。では、さらばだ、上杉謙信! 燃え尽きろ!!」
 テラも炎が滾る愛槍を掲げ、カシムと同時に爆炎の必殺魔術を炬燵へ放つ!
 結界の中に閉じ込められた業火が炬燵(上杉謙信)だけを隅々まで焼き焦がせば、後にはかまくらだけが残ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ビスマス・テルマール
碓氷さんの為に「なめろう鍋」の材料をクーラーBOXでガスコンロ諸とも持参して『料理』するつもりで来ましたけど

●POW
炬燵が余りに心地よくて、余り身動き出来ませんね

クロガさん、ルイさん、碓氷さん大丈夫ですか?しっかりしてくださ……

『いヤ、シッカリするのはマスターの方何だが』

『とは言え儂らも鼠が入ってるせいか、妙に抗えんのは、どーしたもんかのー』

さりげなく【クロガ】さんと【ルイ】さんを『オーラ防御』を込めて碓氷さんを守る様に寄せて

折角ですし、お茶や抹茶の和菓子を注文しつつ

頃合い見てUCを『高速詠唱』でドカンと

◎アドリブ絡み掛け合い大歓迎
◎クロガさんは帝竜戦役⑩の雅瑠璃MS ルイさんは、すいMS参照


ドクター・トーマス
SPD 他者との連携OK アドリブ歓迎

ほほう、炬燵か。これは暖かそうじゃのう。
わしも寒さに強い種族とはいえ、温もりは心地よいものじゃ。ふらふらと誘惑されて入ってしまうわい。
近くにある茶屋にお茶とお団子を注文して堪能するとしよう。お代は真田へツケといてもらえるかの?
どこからか鳥の鳴き声も聞こえ、なごむのう。

・・・・ゆっくりとくつろいだら、UCを起動するぞい。
こっそりと【ガジェットショータイム】を炬燵の中で構築じゃ。
あたりの炬燵たちの機能を冷房に切り替えるのじゃ。
いくら外が冷えるとはいえ、冷気を出す炬燵などに用はなかろう。
碓氷君も猫も傷つけず、茶屋にも被害を出さぬ。これがスマートな打開策じゃよ。


ベール・ヌイ
「逆に考えるんだ…おこたに入っていれば…おこたには入れない…」

『料理』で作った鍋を乗せた「おこたcar」に乗って登場し、相手のおこたに横付けしましょう
可能ならば剣豪にのり移るように言って『救助活動』します
うまく救助できなければ第二フェーズ起動
おこたcarから離脱して寒さに『氷結耐性』で耐えつつ、【火鳥乱舞】で周囲を熱して、おこたどころじゃなくします
大丈夫…燃えないように…するのは慣れてるから…
おこたから剣豪がでてきたら救出して、そのまま敵を燃やします
アドリブなど歓迎です


ティエル・ティエリエル
な、なんて卑劣な罠なんだ!
なんとかお侍さんを炬燵の魔の手から救い出さないとね!

【ライオンライド】で呼び出した子ライオンくんに跨って炬燵に突撃だー☆
サムライエンパイアの冬は寒いね!急いで炬燵の中に潜り込んじゃうぞ!
ふふーん、中に入り込んじゃえば外から、猟書家からは見つからないよね♪
安心しきって炬燵の中でライオンくんとゴロゴロしてたけど流石に暑くなってきた!
でも、顔だけを炬燵から出したら真田に見つかっちゃった!?
急いで炬燵の中に戻ったら見た目によらない「怪力」を発揮して中から炬燵をひっくり返しちゃうぞ☆
そのままライオンくんの爪とボクのレイピアでぐさっと炬燵を刺して脱出だー!

※アドリブや連携も大歓迎


ミフェット・マザーグース
今のミフェットはさむくても大丈夫!
なぜなら!ミフェットは着ているから、そう、冬服を!
店員さんに選んでもらった、フワフワのモコモコのあったかいやつ!

厚手の生地はほおんこうかばつぐん!
冷たい風がふいても、ふわふわ生地がウラについたフードをかぶれば大丈夫!
足もタイツでしっかりカバー!てぶくろ、ながぐつ完全そうび!

あっあっ、でもみんなコタツ入ってる
……ミフェットも、ちょっとだけ

WIZ判定
こ、このままじゃダメ!
こんなこともあろうかと用意した……ミルクコーヒー!
芯から暖かくなって、カフェインぱわーで眠気もとんでいっちゃうよ!

これでコタツのホカホカとねむけからみんなを守ろう
焼いてきたチョコクッキーもあるよ!



 碓氷郡右衛門は凄腕の剣の使い手だが、極度の寒がりなのが玉に瑕な剣豪である。
 そんな彼は今、こたつむりと化して惰眠を貪っていた!
「な、なんて卑劣な罠なんだ! なんとかお侍さんを炬燵の魔の手から救い出さないとね!」
 強い決意を胸に秘め、ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)はユーベルコード『ライオンライド』で呼び出した子ライオンくんに跨った。
「このまま炬燵に突撃だー☆ 炬燵をふっとばしちゃえー!」
 碓氷が寝ている炬燵を体当たりで物理的に吹き飛ばす作戦だ!
 しかし、炬燵の正体は軍神と謳われた上杉謙信。
 この行動を読み切っていた。
『さぁどうぞお入りください』
 ふぁっさぁ~と自然にめくられる掛け布団。
 そこから漏れ出る暖かな空気が、子ライオンくんとティエルの頬を撫でた。
「サムライエンパイアの冬は寒いね! そのまま潜り込んじゃえ☆」
 そのまま頭からダーイブ!
 誘惑に勝てなかった!
 作戦失敗、かと思いきや?
「ふふーん! 中に入り込んじゃえば外から、猟書家からは見つからないよね♪ しかもぬくぬく、これは快適だね☆」
 フェアリーという小さな体を活用し、炬燵の中での籠城作戦だ!
 これは上杉謙信も想定してなかった事態だ。
「お侍さーん、起きて起きて! えいえいっ!」
 ぐーすか寝てる碓氷の足を愛用のレイピアでちくちく突っついてみるが、剣豪は全然起きようとしなかった。
 そこへ、遅れて同じ炬燵へ入り込んできたビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)とドクター・トーマス(驚異の魔導サイエンティスト・f31300)が、まんまと温もりの罠にハマって身動きが取れなくなっていた。
 決して寛いでいるわけではないので、誤解なきよう願いたい。
「参りました。炬燵が余りに心地よくて、余り身動き出来ませんね」
「ほほう、これが炬燵か。確かに暖かいのう」
 炬燵の天板の上には、ビスマス謹製のなめろう鍋がグツグツ煮え立っている。
 ガスコンロ持参という用意周到ぶり。
 しかも事前に煮込んでいたと思われ、もうそろそろ食べ頃だろう。
「クロガさん、ルイさん、碓氷さん大丈夫ですか? しっかりしてくださ……」
『いヤ、シッカリするのはマスターの方なんだが』
 杖先に付属した黒いグラサン針鼠が人語でツッコミを入れた。
 彼はクロガ。帝竜戦役のリリカル島という場所でビスマスと出会った黒水晶杖型魔導武器である。
『ハジメから鍋の準備をする辺リ、炬燵を満喫する気マンマンだろう』
『とは言え儂らもハリネズミ。寒さに弱い鼠の性質が入ってるせいか、この温もりに妙に抗えんのは、どーしたもんかのー』
 今度はトゲトゲブーメラン型魔導武器っぽい白いハリネズミが喋った。こっちはルイ。妙に老人臭い口調が特徴だ。
 これに親近感を覚えたのは、トーマスであった。
「なんだか喋り方が似てると、わしも妙な安心感があるわい」
「そういえば、ドクターはペンギンなのになんで炬燵に?」
 ビスマスの疑問に、トーマスは胸を張って答えた。
「わしも寒さに強い種族とはいえ、この温もりは心地よいものじゃ。ふらふらと誘惑されて入ってしまうわい」
 ペンギンも寒さより温もりを求めるのは、生物として当然のことであった。
「せっかくじゃ、こうして鍋を囲んでおるし、食後の甘味も欲しいのう。これ、女中さんや? みたらし団子と草だんごを3本ずつ、人数分お願いしたいのじゃが」
「あ! ボクとライオンくんの分も!」
 ティエルがひょっこり顔を出して注文すると、また炬燵の中に潜り込んで籠城を再開した。
「中に先客がいたのですか!?」
 ビスマスは思わず掛け布団をめくって中を覗き込む。
 すると、ティエルが両肩を竦めて抗議した。
「ちょっとー! 暖かい空気が逃げちゃうってばーもー! 閉めてよー!」
「あ、これは失礼しました。ごゆっくりどうぞ」
 ビスマスは考えるのを止めて掛け布団を元に戻した。
 ここで更に、他の猟兵がかまくらの前へ転送してきた。
「今のミフェットはさむくても大丈夫! なぜなら!ミフェットは着ているから、そう、冬服を!」
 ミフェット・マザーグース(沼の歌声・f09867)はおニューの冬服に身を包んでご機嫌だ。店員さんがミフェットのためにコーデしてくれたフワフワのモコモコのあったかガーリィコーデ♪
「厚手の生地はほおんこうかばつぐん! 冷たい風がふいても、ふわふわ生地がウラについたフードをかぶれば大丈夫! 足もタイツでしっかりカバー! てぶくろ、ながぐつ完全そうび! これでゆきみちでもミフェットは無敵!」
 かなりの厚着をして寒さ対策を行ったミフェットに、炬燵の温もりの誘惑などいとも簡単に振り切れるだろう。
 しかし、転送された直後、目の前のかまくらの中では今まさに鍋パーティーの真っ最中。その美味しそうなお出しとなめろうの芳醇な香りに、ミフェットの喉がゴクリと鳴った。
「あっあっ、でもみんなコタツ入ってる。おなべもおいしそう……!」
「おお、お嬢ちゃん。こっちへおいで。お鍋を食べれば、もっと身体が温まるぞい」
「しゃべるペンギンさんだ! かわいい!」
 トーマスの姿と喋り方に、ミフェットは目を煌めかせて興味をそそられる。
「……じゃあ、ミフェットも、ちょっとだけ」
「どうぞどうぞ。はい、此方が取皿ですよ。温まっていってくださいね」
 ビスマスに案内され、ミフェットはあれよあれよと炬燵へINッ!
 目の前に差し出されたなめろう鍋に箸を付ければ、体の芯からポッカポカ!
「いただきまーす。ん、んー! おいしー!」
「でしょう? なめろうの可能性は銀河の果てと同じく底が知れません。つまりどんな料理にでも対応してしまうのです」
「なめろう、すごい……!」
 12歳のブラックタール少女のニューロンに、なめろうの可能性が深く刻まれた瞬間であった。
「思い出すのう。水族館でまるごとのイワシを餌として与えられていた日々を……。今では調理を覚えて、色んなバリエーションでイワシを味わう楽しみを覚えたもんじゃ。何もかもが懐かしいのう……」
 UDCアースの水族館で生まれた突然変異種、それがドクター・トーマスであった。その類まれなる知能は、人間すら凌駕して学者の地位を確立し、自身の研究活動のための資金繰りの手段として猟兵活動を行っている。白衣を着ているのは伊達ではない。
「皆様、待たせたなぁ? ほれ、団子だぁ」
 女中さんが注文した団子を天板の上に置いてくれた。
「お勘定はどちらさま持ちで?」
「真田神十郎宛で領収書を切ってくれんかのう?」
 トーマスの言葉に、女中さんが周囲へ叫んだ。
「さーなーだーさーまー?」
「おい待て、今呼ぶな!」
 トーマスのツッコミと同時に、雪まみれの林から赤備えの猟書家こと真田神十郎が姿を表したではないか!
「我が真田神十郎であるぞ! 呼んだか、下女よ?」
「あんのぅ、お団子のお勘定、払ってくんろ?」
「……ぬぅ?」
 女中に勘定を求められた真田神十郎、大困惑。
 猟兵達がいるかまくらの中を覗き込めば、なめろう鍋パーティーでどんちゃん騒ぎ中だ。
「……さすがは謙信殿! 猟兵達と剣豪を一同に集めて足止めとは! だが今は警戒されているであろう。仕留めるのはいささか時期尚早と見た! やむをえまい。団子代くらいは支払ってやろうではないか!」
 真田神十郎はすごく前向きな物事の捉え方をした後に、素直に団子の代金を支払って、再び雪の中へ身を潜めたのだった。
「あのー、真田さんって、意外と天然な性格なのでしょうか?」
 ビスマスの疑問に、〆の雑炊をすするトーマスが首を傾げた。
「さあのう? 盛大に勘違いしておるだけかもしれぬぞい?」
「ちょっとー! みんな足を伸ばさないでよー! ボクとライオンくんのスペースが窮屈で余計に暑苦しいってばー!」
 ティエルが布団から顔を出して抗議する。
 そして、ミフェットは……。
「――くぅ」
 睡魔に襲われて船を漕いでいた。

「うーん、何か忘れているような……?」
 ティエルが雑炊を完食して食休みをしていると、ハッと脳裏に閃いた。
「大変だよ、みんな! これ、罠だった!」
「「な、なんだってー!!」」
 ティエルの衝撃発言に、ビスマスとトーマス、それに寝ていた碓氷とミフェットも起きて一斉に叫んだ。
「そうだよ、みんな! こ、このままじゃダメ!」
 ミフェットはガバッと炬燵から飛び出した。
「こんなこともあろうかと用意した……ミルクいっぱいの缶コーヒー!」
 ミフェットはその場にいた猟兵全員に缶コーヒーを配ると、プルタブを開けて一気に飲み干した。勿論、片手は腰に当てたままだ。
「ぷはぁ! これで芯から暖かくなって、カフェインぱわーで眠気もとんでいっちゃうよ! 焼いてきたチョコクッキーもあるよ! たべてたべて!」
「たしかにこのままでは炬燵で眠りこけて、真田にズバーッと斬られてしまいかねんのじゃ。眠気覚ましは必要じゃな」
 トーマスが戦慄で思わず身震いした。
「では、他の炬燵に誰かが入らぬように細工を仕掛けるとするかのう」
 クッキーをつまみながらトーマスは『ガジェットショータイム』によって、炬燵を改造するガジェットを大量に作成する。そして蜘蛛の子を散らすようにそれらを周囲の炬燵へと解き放った。
 無論、碓氷が潜ってる炬燵も効果が働くわけで……。
「さ、寒い! いきなり冷風が吹いてきたでござるよ!」
 あまりの寒さに、炬燵の布団から飛び出す碓氷。
「周囲の炬燵たちの機能を冷房に切り替えたのじゃ。いくら外が冷えるとはいえ、冷気を出す炬燵などに用はなかろう。碓氷君も猫も傷つけず、茶屋にも被害を出さぬ。これがスマートな打開策じゃよ」
「なるほど、さすがですね。でも、目の前の炬燵は上杉謙信です。やはり倒さねばなりません!」
 そう告げたビスマスは、必殺のユーベルコードを発動させる!
「生成開始(ビルド・オン)っ! クロガさん、この一撃で決めましょうっ!」
 掛け声と共に雲丹型鎧装を召喚したビスマス。
 唐突に轟く謎の電子音声!
『アーユーレディ?』
「出来テルゼ……!」
 クロガの覚悟と共に、雲丹型鎧装が杖と合体!
「クロガさん、スィーアーチン・メイルブリットです!」
「コの一撃で刺し貫いてミせるっ!」
 杖型の魔導兵器から発射された雲丹型光弾が、炬燵の天板をぶち抜いた!
「それ! ライオンくんの爪とボクのレイピアでぐさっと炬燵を刺して脱出だー☆」
 更に、炬燵に潜り込んでいたティエルと子ライオンくんの怪力任せの突撃が、今度こそ炬燵の四脚をへし折ってゆく!
『グワーッ!!』
 哀れ上杉謙信(こたつ)はあっけなく爆発四散!
「とてもきびしいたたかいだったね……!」
 ミフェットはひと仕事やり遂げた女の顔になっていた。
 一行はかまくらを抜け出て周囲を見渡す。
 そこは、一変してジゴクになっていた。
 
「もーえろよ、もえろーよー……。けんしんもーえーろぉ……」

 物騒な替え歌を口付さんでいるのは、銀髪妖狐のベール・ヌイ(桃から産まれぬ狐姫・f07989)であった。
 ユーベルコード『火鳥乱舞』で、根こそぎかまくらごとその他大勢の上杉謙信(こたつ)を焼き払っている真っ最中であった。
「大丈夫……周りには……燃え移らないよ……燃え過ぎないように……するのは慣れてるから……燃え過ぎけんしん……」
 ドヤァ……な顔をするヌイ。
 そんなヌイは、炬燵に潜り込んでいた。
 しかしこれはオブリビオンの炬燵ではなく、自前の炬燵……!
「逆に考えるんだ……おこたに入っていれば……おこたには入れない……」
 炬燵の四脚の代わりに四輪が備わった、その名もおこたcar!
 ヌイはホカホカのお鍋を調理しつつ、ユーベルコードで出来た大量の火の鳥を操り、おこたcarから一歩も動かずにおこたを焼いていたのだ。
 街道沿いがジゴクの如く炎の行列となっている光景に、他の猟兵達は『宇宙の真理を見た猫』のような顔つきになってしまう。
「さあ……剣豪さん……みんな……こっちのおこたへ……」
「かたじけないでござる!」
 碓氷が真っ先におこたcarへ飛び込んだ。
 温もりを求めて、他の猟兵たちも続いて同乗してゆく。
 そこへ現れたのは猟書家の真田神十郎!
「よくも謙信殿を焼き討ちしてくれたな! その剣豪を此方へ寄越せ!」
「寄越せって……言われて……素直に……渡すひと……いないよ……?」
 ヌイは猟兵達と剣豪を乗せたまま、おこたcarを急発進!
「ミュージック……スタート……」
 サブスクからダウンロードした楽曲を再生すると、オーディオから電子音バリバリのユーロビートが流れ始めた。
「頭文字(いにしゃる)J……イェーガーだから……Jだ……」
 馬よりも疾い四輪駆動のおこたcarが、パリピみ満載でマジあげぽよ状態のままガンダでかっ飛ばしてゆく!
 剣豪を救うためには、まずは真田神十郎と距離を取らねばならないからだ!
「コーナリングは……寝返りで……差をつけろ……」
(ギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャ!)
 ヌイが寝返りを打つたびに、タイヤが雪道を刻むように突き進み、華麗なドリフトターンを披露する!
「峠に……四輪駆動車……もうこれは……インコースを攻めるしか……ない……」
 ヌイのおこたcarによる雪の峠攻略によって、真田神十郎と剣豪の距離がみるみるうちに離れてゆき、いつしか麓まで降り立っていく猟兵達であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『真田神十郎』

POW   :    不落城塞
戦場全体に、【真田家の城郭】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD   :    神速十字斬
【両手の十字槍と妖刀による連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    侵略蔵書「真田十傑記」
自身が戦闘で瀕死になると【侵略蔵書「真田十傑記」から10人の忠臣】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。

イラスト:瓶底

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠蛇塚・レモンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 麓まで降り立った猟兵達と剣豪は、すっかり身体が温まって元気いっぱいだ。
 対して、馬で追っかけてきた猟書家『真田神十郎』は、若干バテ気味の様子。
「なんだ、そのふざけた乗り物は! いい加減、我と勝負しろ!」
 あまりのカオスに猟書家もおこである。
「我は猟書家にして日本一(ひのもといち)の兵(つわもの)! 真田神十郎である! 此度の屈辱は、我が武で晴らす!」
 真田の十字槍と妖刀村正、そして侵略蔵書『真田十傑記』を武器に、猟兵と剣豪の抹殺を目論む真田神十郎!
「いざ、罷り通る!」
 凄まじい殺気を放つ真田神十郎!
 一見ガチっぽく見えるけど、炬燵で元気いっぱいの猟兵達達なら、なんかいい感じに戦える気がするぞ!
 さあ、なんやかんやで真田神十郎をやっつけよう!
テラ・ウィンディア
【化術】は継続状態させてくる
「って…あのテラ…私の出番は…?」
流石にこの場でキャバリアは厳しいだろ?
「(がーん)私は一体何しに」
大丈夫!おれはヘカテにゃんに元気を分けて貰うんだよ
「元気…?」
にゃー♪(猫吸い開始!
「にゃあああ!?」
おおお!!力が漲る!…気がする!

【属性攻撃】
全身と武器
ついでに剣豪さんも
これなら寒くないだろ!
【戦闘知識】
真田の動きを冷徹に分析
接近戦を仕掛ける!
【見切り・第六感・残像・空中戦・武器受け】
可能な限り回避して
【早業・二回攻撃・重量攻撃】で剣と太刀での猛攻だ!

基本斬撃は全て記憶に刻み
真田がその領域に踏み込めば
消えざる過去の痛み発動!

斬斬斬斬斬!

真田と他の猟兵の斬撃も再現!


カシム・ディーン
考えてみれば僕はセクシーなのが好みなんだよ!
「あれーおかしいなー?ご主人サマのスマホのゲームで育ってた子は」(一度化けて見せて
てめー何ハッキングしてるんだぁ!?

って猟書家着やがった…!
おいこらポンコツ…てめーその姿で来たなら役に立ってもらいますからね
「もっちろん♪メルシーの底力見せちゃうぞ☆」(己に合うサイズまで縮小した鎌剣ハルペーを掴み…移動力半減…攻撃回数強化

【情報収集・視力・戦闘知識】
敵の動きと癖
過去の戦闘記録を確認してその差異を分析

メルシー
「ご主人様と意識をリンクさせて…♪」
【二回攻撃・念動力】でハルペーで高速斬撃
必要時は御主人サマを庇


【二回攻撃・盗み攻撃】でメルシーと連携し本を強奪



「考えてみれば僕はセクシーな女性が好みなんだよ! 端的に言えば胸元は豊満が好みだ!」
「お前は何を言ってるんだ?」
 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)の心の底から湧き上がった言葉に、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)はチベットスナギツネめいた軽蔑の眼差しを向けた。
「おれと一緒じゃ不服って言いたいのか? 子供っぽいと言いたいのか?」
 実際子供だけど、テラだって女の子だ。
 目の前で巨乳好きを公言されれば気分が悪くなるのは当然だ。
「別にカシムへ恋慕など抱いていないが、それでもデリカシーがなさすぎないか?」
「待ってくださいよテラさん! 僕はこのポンコツの事を言っているんです!」
 カシムは先程から身体を擦り寄せてくる銀髪美少女を引き剥がそうと必死になっている。
 この銀髪美少女ことメルクリウス……賢者の石で構成されたサイキックキャバリアが変身した存在は、先程からニコニコと含み笑いをしていた。
「あれーおかしいなー? ご主人サマのスマホのゲームで育ってた子は、こんな感じだったよね?」
 メルクリウスの姿が再び変わる。
 その姿は、和装に日本刀を持った直死の魔眼の……。
「おいやめろ! てか勝手に人のスマホをハッキングしてデータ覗いてんじゃねーよ!」
「聖杯突っ込んで第二降臨までして、なおかつレベルMAXまで育てきったくせに?」
「うっせー! 宝具で大体の敵を殲滅出来るから育成が楽なんですよ!」
「ふたりとも、盛り上がってるところ悪いが、そろそろ転送して猟書家を追うぞ」
 テラの言う通り、彼らはまだ茶屋の前にいた。
 彼らのキャバリアである機神シリーズは、世界の壁を飛び越えるテレポート能力を有している。
 グリモアほどではないが、任意の場所へすぐに転移できるなど小回りがきく。
「というわけでヘカテにゃん、よろしく頼むぞ」
『了解しました。それでは、真田神十郎の目の前にジャンプします』
 黒子猫の姿に変化したままのヘカティア(※スーパーロボット)が、権能を発現させて空間を歪ませる。
「ちょっと待て、僕はやっぱり帰りた……」
 オブリビオンとの戦闘には及び腰のカシムは逃げようとする、が。
「どこ行くの? メルシーと一緒にあのサムライをやっつけようね♪」
 メルクリウスがカシムの腕をガッチリ抱えて離さない!
「このクソがああぁーッ!」
 そのままカシムとメルクリウスも、ヘカテにゃんの時空の歪みへ飲まれてしまった。

「……ちっ、猟書家の目の前に来ちまったですよ」
「ほう、転移術か。珍しい妖術を使うのだな?」
 毒を吐くカシムを前に、猟書家『真田神十郎』は不敵に笑みを浮かべた。
「だが、戦場全体を我が真田の城郭で覆ってしまえばそれも使えまい! いでよ! 不落城塞!」
 真田神十郎の掛け声とともに、雪原だった周囲がみるみるうちに入り組んだ城郭へと変貌を遂げ、猟兵達と剣豪の碓氷を飲み込んでいった。
「完全に閉じ込められてしまったな。これではキャバリアでの戦闘には不向きだ」
『えっ! ……あのテラ……私の出番は……?』
 テラの言葉に、ヘカテにゃんは狼狽しだす。
「無理だな。床も壁も天井も頑丈だし、体高5mの姿に戻ったら身動きが取れない。流石に身動きが取れない戦場でキャバリアの運用は厳しいだろ?」
『そ、そんな!』
 そして、がっくりと頭を垂れて失意のどん底にヘカテにゃんは堕ちていった。
 しかし、テラはヘカテにゃんに告げた。
「だが大丈夫! 今のヘカテにゃんにしか出来ない、重要な任務があるんだ!」
『重要な任務、ですか? それは、一体……?』
 期待感高まるヘカテにゃんへ、テラは重々しく答えた。
「ヘカテにゃん、おれに元気を分けてくれ!」
『なるほど、魔力を返還するのですね?』
「いいや、違う! 今のヘカテにゃん……猫のヘカテにしかできないこと、それは! こうだ!」
 テラは黒子猫のお腹に顔を埋めると、そのまま深呼吸を開始!
「これがおれを元気にする方法! 猫吸いだー!」
『こ、これは一体っ?』
「スーハースーハースーハースーハースーハースーハークンカクンカクンカクンカクンカクンカ♪」
『み、みゃあああぁぁぁぁァァァ~!?』
 腹部に感じるテラの吐息の生暖かさが、ヘカテにゃんの神経を逆撫でする!
 身を捩って抵抗するヘカテにゃん!
『テ、テラ! ちょっと、やめてください!』
「ふへへへへ、にゃ~♪ 子猫の姿の今じゃないと、こんな事できないからな! スハスハクンカクンカ♪」
 だがテラはガッチリとヘカテにゃんをホールド!
「ヘカテにゃん、おれは猫を吸うことで、ニャンコニウムという物質を体内に取り込んでパワーアアップできるんだ。だからもう少しの辛抱だ、耐えろ(迫真的威圧)」
『そ、そうだったんですか……!』
 ヘカテにゃんは主の言動にちゃんと意味のあるものだったと驚愕してみせた。
『でしたら、もう少し耐えてみますね!』
「その意気だ、ヘカテにゃん♪ ニャンコニウムは希少な物質だからな、吸える時に吸わないと!」
 テラは此処ぞとばかりにヘカテにゃんの腹に顔を擦り付けて深呼吸を続けてゆく。
(……テラさん、猫、凄く好きなんですね……)
 その姿を傍から見守るカシム。
 当然、テラの話が真っ赤な嘘だと理解していた。
 その横で、もじもじしながら銀髪美少女へ化けたメルクリウスがカシムへ尋ねる。
「……ねぇ、ご主人サマ? よかったら、メルシーのこと……吸う?」
 サラサラの銀髪を手で束ね、カシムに差し出すメルシー。
 その表情は羞恥によって頬が赤い。
 一連の言動は非常に扇情的で、常人であれば此の誘惑に抗えなかったであろう。
 しかし、カシムは知っている。
「お前、性別の半分はオッサンだろーが! 外見は俺の理想でも、お前との絡みはナシ寄りのナシだっつーの!」
「ちぇー! じゃー剣豪さん? メルシーとイチャコラ運動で、身も心もホットにならない?」
「それはもっとやめろ! ここ敵の手中ですよ!? てか倫理観ンンンーッ!」
 カシムはスパーンッとメルシーの頭を引っ叩いた。
 そんな夫婦漫才が続く中、ようやくテラの猫吸いが完了!
「おおお!! 力が、漲る! ……気がする!」
『え、気がするって』
「あ、いや! 漲るぅ! 漲って仕方ないなぁ!」
 ヘカテにゃんの疑念の声に、テラは空元気でごまかした。
「ああ、剣豪さん。寒いなら、おれの力を分けてやろう」
 テラは己の持つ炎の加護を、剣豪の刀や衣服に付与してみせた。
「おお! これは何と温かい! かたじけないでござる!」
 剣豪の碓氷は、全身がポカポカに温まった!
「ついでに携帯カイロのヘカテにゃんを貸してやろう」
『私はカイロじゃないんですが……』
「まぁそう言うな、ヘカテにゃん? 猟書家から剣豪さんを護ってやってくれ」
『そういうことでしたら……』
 猫吸いのしすぎて若干目の焦点が定まっていないテラの言葉を訝しがりながらも、ヘカテにゃんは碓氷の懐へ潜り込んでいった。
「あぁ~これは極楽でござる~!」
 子猫特有の高体温が、碓氷の寒がり体質を緩和してゆく!
「……と、色々とゴタゴタしてますが、肝心の猟書家が何処にいるか分からねーですよ」
 カシムはずっと周囲を警戒しているが、殺気が全く感じられない。
「近寄ってくる気配がない。つまり、何処からか俺たちの死角を突いて急襲してくるのでしょう。おいこらポンコツ……。てめーその姿で来たなら役に立ってもらいますからね」
 メルシーの腰を膝蹴りするカシム。
「もっちろん♪ メルシーの底力見せちゃうぞ☆」
 メルシーはユーベルコードで移動力を半減させ、代わりに攻撃回数を強化した。
「ご主人様と意識をリンクさせて……♪ これでメルシーの感覚は2人分だよ☆」
 メルシーは城郭内部を忍び足で移動しつつ、視覚情報や気配を元に真田神十郎を探してゆく。
 猫を吸ってハイになったテラもまた、その武人としての第六感を用いて警戒に当たる。
 すると、城郭のふすまが僅かに開いているのを発見する。
「そこか!」
 テラが星刃剣『グランディア』と錆鞘之太刀の二刀流で飛び込む!
 燃え盛る斬撃がふすまを斬り裂いた!
 ギィィンッと金属同士がぶつかる音が城郭内に響く!
「ちぃッ! 勘付かれたか!」
 真田神十郎が十字槍で、テラの剣を受け止めていた!
「へえ、この剣圧を耐えるのか! いいだろう、どこまでおれの剣に耐えられるかな?」
 テラは怒濤の勢いで真田神十郎に斬りかかってゆく!
 だが真田神十郎も、妖刀村正でテラへ反撃する。
「私達もいくよ、ご主人サマ♥」
「しくじんじゃねーですよ、ポンコツ!」
 人間サイズまで縮小した鎌剣ハルペーをメルシーが掴むと、ソードブレイカー・カシムカスタムを振り回すカシムと息ピッタリの連携を猟書家へ披露し始める。
 3対1の劣勢でも、真田神十郎は武器を振るって勇ましく応戦!
「まずは貴様の首からだ!」
 カシムの首に十字槍の矛先が薙ぎ払われる!
「危ない、ご主人サマ!」
 それをメルシーがインターセプト!
 メルシーの喉元が掻っ切られてしまう!
 崩れ落ちるようにその場に倒れるメルシー!
「おいポンコツ! 俺を庇って、何してやがるんですか!」
「えへへ……思ったより……傷が深いや……でも、賢者の石は、死なない、から……」
「……そこで回復してろ、メルシー。まさかカシムさんにも情が湧くなんてことがあるなんて驚きですよコイツは……」
 メルシーが脱落したので、侵略蔵書の略奪は難しいだろう。
 しかし、カシムは憎たらしい相棒を斬られたことに対して、一矢報いると誓った。
「城の中で隠れるしか出来ないお前なんて、怖くねーですよ!」
 ソードブレイカーで妖刀村正の剣先を逸らすと、カシムは身を捩って遠心力任せのローリングソバットを真田神十郎の顔面に叩き込む!
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
 ノックバックする真田神十郎!
 そこへ、テラの必殺のユーベルコードが炸裂する!
「これは我が悔恨……我が無念……そして、おれが知る恐るべき刃だ……、とくと味わえ……!」
 テラが振るうは己の剣にあらず。
 それは、テラがかつて、為す術なく敗れた相手の魔技を、その痛みの記憶と共に再現したもの。
 更に真田神十郎から受けた斬撃も全てこのユーベルコードに上乗せすることで『空間に刻まれた斬撃』として顕現させる!
 これぞユーベルコード『悔恨「消えざる過去の痛み」(キエザルカコノヤイバ)』だ!
「おれの喰らった痛みと斬撃、そしてお前自身の斬撃、全部まとめてその身に受けてみろ!」
 真田神十郎の身体が、空間ごと切り裂かれてズタズタになってゆく!

 斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬ッ!!!

「げは……ッ!」
 赤備えの鎧ごと身体を切り裂かれた真田神十郎は、城郭を維持することが出来ず、周囲の景色はまた雪原に戻った。
 そのまま膝を付くと、忌々しげに猟兵達を睨みつける。
「思っていた以上に、厄介なことをしてくれるな! だがまだ終わりではないぞ!」
 再び立ち上がる猟書家へ、猟兵達の第二波が始まろうとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ビスマス・テルマール
意外に憎めない所もあるみたいですが
それとこれとは話は別

尋常に勝負ですっ!

●POW
UCを発動し『激痛耐性』と『オーラ防御』で備えて

城郭の中に真田丸も含んでる可能性も考え

罠も含め『第六感』で警戒し低空『空中戦』で城郭を突破

真田さんを見つけたら【ディメイション・なめろうブレイカー&ジュリンプル・グレネドフォート】の
『一斉発射』の『砲撃』の『弾幕』で牽制し

【ルイ】さんで『怪力』で『属性攻撃(炎)』を込めて『投擲』

真田さんの攻撃に対しては『第六感』で『見切り』『オーラ防御』を込めた実体『残像』で回避し撹乱

かわしきれないのは『怪力』での『武器受け』で対応を

仲間と連携も意識しつつ

●アドリブ絡み掛け合い大歓迎


ドクター・トーマス
SPD 他者との連携OK アドリブ歓迎

血気盛んじゃな、真田よ。じゃが、わしらは多勢。無勢では分が悪かろう?
と、慢心しているのが悪かったのか、こっちに攻撃が飛んでくる。まずい!
待て、待つのじゃ真田、いや真田様! はな、話し合いましょうぞ!
慌てて【縋りつき、懇願する様】を見せて、許しを請わねば死んでしまう!
どうか、どうか槍を納めてくだされ! ご寛恕を、お勘定のように!

※トーマスが真田にしがみつき、命乞いをして時間を稼いでいる。
その間、真田の動きが阻害されている。皆よ、攻撃のチャンスだ。
トーマスの目も言っている。今じゃ、わしごとやれぇ! と。
巻き込んでもよし、紙一重で当てずに彼の寿命を縮めてもよし。



 猟書家『真田神十郎』を追い詰めた猟兵達。
 ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)は、腰元にディメイション・ローカルドライバーを顕在化させると、3種の鎧装を呼ぶカードをスラッシュ!
「意外に憎めない所もあるみたいですが、それとこれとは話は別。尋常に勝負ですっ!」
『Namerou Hearts...tuna! banana! Avocado!』
 唸る謎の電子音声!
「生成(ビルド)! ナメローズマバア!」
 ビスマスの叫びと共に、マグロとバナナとアボカドのエネルギー幻影が彼女自身へ衝突!
 発現した3種の鎧装が混じり合い、赤・黄・緑が混じった極彩色の戦士が爆誕する!
 これぞユーベルコード『トリニティ・ナメローズマバア』!
 対して、真田神十郎は今一度、戦場を城郭に変え、ビスマス達を閉じ込めてしまった。
 だが、ビスマスは冷静だった。
「確かに、真田家の城郭は不落城ばかりでした。しかし、その中に真田丸……出城も含まれているのでは?」
 出城とは、お城を守るお城であり、本拠地のすぐ近くに敵軍を足止めしたり攻撃を受け止めるために建設された砦を指す。
 この出城には、屋根がないのだ。
「つまり、何処かに屋根のない場所ががあるはず!」
 ビスマスは城郭内部の廊下を、鎧装のスラスターを噴射させて高速移動。屋根のない場所を探してゆく。
 だが、何処へ行っても屋根は途切れることはなく、結局、道に迷ってしまうだけであった。
 どうやら、真田丸よりも上田城に構造が近いのかもしれない。
「弱りましたね……。この城郭迷路の何処かに真田さんがいると思うのですが……」
 と、その時!

『ぎゃあああーっ!』

「って、この声は?」
 轟く悲鳴のする方へ駆け付けるビスマス。
 駆け付けたそこには、ドクター・トーマス(驚異の魔導サイエンティスト・f31300)が真田の足元へしがみついてオイオイと泣いているではないか。
「どうか、どうかお願いします! 命だけは、わたくしめだけは見逃してくださいませぇ!」
「ええい、邪魔だ! やはり刺し貫いてくれる!」
「待て、待つのじゃ真田、いや待って下さい真田様! はな、話し合いましょうぞ! どうか、どうか槍を納めてくだされ! ご寛恕を、お勘定のように!」
 今にも真田の神速十字斬による超高速連続攻撃が繰り出されんとする中、トーマスが必至に命乞いをしていた。
 だが、その姿は、白衣を着込んだペンギンが、真田の足元で纏わりついているようにしか見えなかった。
「……何してるですか、お二人とも?」
 ビスマスのツッコミに、真田が槍を構えて言い放つ。
「む、よくぞ我が居場所を突き止めたな、猟兵!」
「いやいや、全然キマってませんから、その姿?」
 ペンギンに絡まれるサムライという構図は、確かに脱力モノだ。
 一方、トーマスは懸命な助命を乞うていた。
「ふふふ、血気盛んじゃな、真田よ。じゃが、わしらは多勢。無勢では分が悪かろう?とか言って誠に申し訳ございませんでした! まさか城郭迷路で猟兵達を分断できるとは、おみそれしました! 私に戦闘力は皆無、むざむざと殺す勝ちもございません! だからどうか、わたくしめの命はお見逃しくださいませ!」
 もう完全にプレイドなど投げ売って、自分だけ助かろうとトーマスはしていた。
 ……傍から見れば。
(あれは……?)
 ビスマスは気が付いた。トーマスはしきりに、チラチラッとアイコンタクトを送ってくるのだ。
(まさか、あれは『此処は俺が足止めする! お前は、俺ごと奴を叩け!』っていう、一度入ってみたい台詞を体現しているのでは?)
 つまり、トーマスの命乞いは演技!
 その正体は、ユーベルコード『縋りつき、懇願する様(イマジャ・ワシゴトヤレェ)』だ!
(トーマスさん……命懸けで作ってくれたこの時間、無駄にはしません!)
 ビスマスは持てる全ての力を真田へぶつけるべく、武装を次々と顕現させる。
「なめろうフォースセイバー! そしてジュリンプル・グレネドフォート展開! 更に! ディメイション・なめろうブレイカーを銃撃モードへ変形!」
「お、おい、待て! 貴様、仲間ごと我を吹き飛ばす気か? 身動きが取れない相手に砲口を向けるのか!」
 青ざめる真田の言葉に、ビスマスは覚悟完了の旨を伝えた。
「当然です! この好機を零しません! 私の持てる武装のフルバーストをお見舞いして差し上げましょう!」
 トーマスのユーベルコードの効果によって、ビスマスの攻撃回数が9倍に跳ね上がっている。
 そのため、普段よりも弾倉マシマシ状態のビスマスは、今や歩く火薬庫同然だ。
「トーマスさん、あなたの犠牲は無駄にしません! どうか安らかに!」
「嬢ちゃんよ、暫し待つのじゃ! いくらなんでも、それは無茶じゃよ……! というか、わしはまだ生きておるからな? だから、わしに向けるなよ? 絶対に向けるなよ?」
 火力全部乗せモードのビスマスに、トーマスは今度こそ本気で命乞いを知る。
 ビスマスは首を縦に振った。
「了解です。ファイアー!」
「いや、話を聞かんかー!!!」
 マイクロミサイルの白い発射煙と硝煙が城郭内で満たされると、大爆音とともに城郭迷路そのものが破壊された!
「グハアァーッ!?」
 真田神十郎は全身に爆薬を浴びて吹き飛んでゆく!
 そこへ、肉薄したビスマスのなめろうフォースセイバー9連斬撃が瞬く!
「トーマスさん、お手柄でした!」
 巻き添えを食らって吹っ飛ばされたトーマスを空中でキャッチするビスマス。
「……もう少し、手加減を知れ……へきょ……!」
 恐怖が臨界点を突破した瞬間、トーマスは白目を剥いて気絶してしまったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ベール・ヌイ
「疲れてそうだね…なら次は君が…怠惰に落ちようか…」

「ベルフェゴールの加護」を使い、怠惰と再生を司どる獄炎の悪魔少女(自称)に変身します。
そして背中にはやした炎の翼で『空中浮遊』をし、上空から【ベルフェゴールの矢】を起動
矢を真田に放ちハリネズミにしながら不死鳥の炎で味方の傷を癒します
10人の忠臣が召喚されれば、同じようにベルフェゴールの矢でまんべんなく串刺しにしていきます
アドリブなど歓迎です


ティエル・ティエリエル
WIZで判定

ようし、ミフェット(f09867)と一緒に猟書家をやっつけちゃうぞー☆
ふふーん、おだんごをおごってもらったけど容赦しないよ♪

おこたcarでぬくぬくしてたから元気いっぱい!しかも、子供は風の子!元気も2倍だ!
ミフェットのお歌でパワーアップしてさらに倍の倍!4倍だー♪
元気一杯でテンションが上がったので呼び出された忠臣を含めてまとめて【お姫様ビーム】で薙ぎ払っちゃうよ♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です


ミフェット・マザーグース
こんな寒い山のコタツでともだちと会うなんて、ぐうぜん!
せっかくだから、ティエル(f01244)と一緒に戦うね
ぶじにお仕事おわったら、焼き立てパンケーキを一緒にたべよー!

UC【嵐に挑んだ騎士の歌】
〈歌唱〉で猟兵のみんなを〈鼓舞〉してUCで強化するよ!

♪ごうごうと風が吹きつけ 顔にぶつかる雪の粉
身を切るさむさにへこたれず 立ち上がるもの
そのカラダには コタツのあたたかみと 寒さに負けないせいぎの炎!



 もはや真田神十郎は満身創痍。
「なんだ、この状況は……?」
 真田は虚無感に苛まれていた。
 此処までのトンチキな出来事の連続は、猟書家でなくても頭を抱えたであろう。
「疲れてそうだね……なら次は君が……怠惰に落ちようか……」
 ベール・ヌイ(桃から産まれぬ狐姫・f07989)はおこたcarを駐車すると、そのまま垂直方向へ浮遊したではないか。
「怠惰と再生を司どる……獄炎の悪魔少女……それがヌイ……」
 ヌイの背中に青白い炎が出現し、ユーベルコードを起動するための魔力を全身に満たし始めた。
 その足元……おこたcarでは、ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)とミフェット・マザーグース(沼の歌声・f09867)が目配せをしている。
 2人は友達同士であった。
「こんな寒い山のコタツでともだちと会うなんて、ぐうぜん! せっかくだから、ティエル、一緒に戦って?」
「勿論だよ♪ ようし、ミフェットと一緒に猟書家をやっつけちゃうぞー☆」
 ミフェットは人差し指を、ティエルは左手で繋がりあって意気投合!
「ぶじにお仕事おわったら、焼き立てパンケーキを一緒にたべよー!」
「やったー☆ 約束だからね!」
 少女2人のモチベーションが爆上がり!
「……ヌイも……焼き立てパンケーキ……食べたい……」
 上空から響く声。お腹の音も鳴り響いた。
 ミフェットがヌイを見上げて答えた。
「うん! おこたをかしてくれたお礼に、一緒に食べようね!」
「いえーい☆ 3人合わせて『焼き立てパンケーキ同盟』だヒャッホーッ♪」
 ティエルはおこたcarから元気よく飛び出した。
 そして寒空の中をぐんぐんスピードを上げて飛び回る!
「おこたcarでぬくぬくしてたから元気いっぱい! しかも、子供は風の子! 元気も2倍だ!」
「焼き立てパンケーキ……負けられない戦いが……ここにある……」
 ヌイの背中の青い炎が、次第に大きくなってゆく。
 睡眠欲と食欲が刺激され、なんやかんやで戦闘力が跳ね上がっている証拠だ!
 対して、真田神十郎は堪ったものではない。
 女子会同然のムードで倒されたとすれば、猟書家の名に傷が付くと考えた。
「我を愚弄する気か! ならば! 今こそ侵略蔵書を紐解く時なり!」
 真田は赤き表札に金の十字が描かれた侵略蔵書のページを捲る。
「この書の名前は『真田十傑記』! 我が瀕死の時、この侵略蔵書をから10人の配下を召喚出来るのだ! そして、配下達は我と同じく十字槍と妖刀村正で襲い掛かる!」
 侵略蔵書が輝きを放つと、忽然と戦場に出現する真田十傑の面々!
 猿飛佐助!
 霧隠才蔵!
 三好清海入道!
 三好伊左入道!
 穴山小助!
 由利鎌之助!
 筧十蔵!
 海野六郎
 根津甚八!
 望月六郎!
「彼らこそが十傑……真田十勇士なり! さあ、ゆけ!」
「「ハハーッ!!」」
 十勇士達は素早い身のこなしで、パンケーキ同盟達へ襲いかかった。
 すかさずミフェットが同盟メンバー2人のサポートに入る。

 ♪ごうごうと風が吹きつけ 顔にぶつかる雪の粉
 身を切るさむさにへこたれず 立ち上がるもの
 そのカラダには コタツのあたたかみと 寒さに負けないせいぎの炎!

 ユーベルコード『嵐に挑んだ騎士の歌』の歌声(おこたVer.)が、ティエルとヌイの戦闘力を増強!
「ありがとう、ミフェット! ミフェットのお歌でパワーアップしてさらに倍の倍! 元気4倍だー♪」
 テンションがブチ上がったティエルは、ユーベルコード発動に必要なテンションを満たした。
「うーー、どっかーん! 今ならビームだって出せそうだよ☆」
 風鳴りのレイピアの切っ先を由利鎌之助に向けると、そこからお姫様の気合が入った謎のビームが発射された!
「サヨナラー!」
 哀れ由利鎌之助は謎ビームを浴びて爆発四散!
 なんてあっけない!
「ほらほら、どんどnいくよー☆」
 ティエルは立て続けに筧十蔵に穴山小助、更に根津甚八まで爆破してしまった。
 このフェアリー、ノリノリで大暴れである。
「おのれ、よくも我が配下を!」
 怒り猛る真田。
 そんな猟書家へ、遂にヌイのユーベルコードが炸裂する!
「勇気も怒気も復讐心も全てを亡くす……。これはベルフェゴールより承りし怠惰に至りる矢……」
 ヌイの周囲に顕現するは、420本もの『ベルフェゴールの矢(タイダニイタルユマイ)』だ。
「この矢で感情全て……消し飛ばしてあげる」
 ヌイが右人差し指をくいっと前へ突き出すと、残りの十勇士たちは一瞬で剣山か、はたまたハリネズミかと言われそうなほどに矢を一身に浴びてられた。
 すると、怠惰属性の矢は、射抜いた対象の原動力となる感情をゼロにしてしまう。
 もはや十勇士達は廃人同然、生ける屍となって、その場所で貼り付けになってしまった。
「キミも怠惰になろうか……」
 残された矢はおよそ100本。
 その矢尻の全てが真田へ向けられていた。
「……もはやこれまでか。だが、最期まで抗ってみせようぞ!」
「そう、無駄だけど頑張って?」
 ヌイの冷酷な死刑宣告が雪山に木霊した。
 降り注ぐ怠惰の矢雨を、真田は十字槍と妖刀村正を振り乱して払い落としまくる!
 その気迫は、篤い友情を感じたクルセーダーへの忠義を垣間見えさせた。
 だが、ティエルの『お姫様ビーム』が真田神十郎の腹へ青天の霹靂めいて突き刺さると、そこへ一気に怠惰の矢束が次々と射抜いた!
 ミフェットの歌声で強化されたユーベルコードの威力は凄まじく、遂に真田神十郎は膝を付き、そのまま前のめりに崩れ落ちる。
「……無、念だ」
 失われる感情よりも先に、猟書家の肉体が滅んで消失していった。
 十勇士たちも侵略蔵書の消失によって姿を消していった。
 猟兵達の勝利だ!

 こうして、猟書家の真田神十郎の企みは無事に阻止することが出来た。
 剣豪の碓氷は奉行所へ匿われる事になったので、もう安全だ。
「それじゃ! 約束どおりに? いってみようー!」
「うん☆ 焼き立てパンケーキだー! バターとメープルシロップ増し増し♪」
「焼き立てパンキーキ……じゅるり」
 ミフェット、ティエル、そしてヌイは、おこたcarに入りながら、焼き立てパンケーキを目指してサムライエンパイアを爆走してゆくのであった。
 天板に乗ったお鍋のお出しを一滴も零さぬドリフト技術を多用しながら……!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年12月30日
宿敵 『真田神十郎』 を撃破!


挿絵イラスト