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健全繁盛、出張版! ケモノスク水サンタプレゼント!

#キマイラフューチャー #戦後

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#キマイラフューチャー
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#戦後


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「やあやあ、集まってくれてありがとう!」
 スカイフロア・フィンチバラッド(羽詠う・f29899)は青い翼を羽ばたかせ、きざったく言った。
「今回きみたちに集まってもらったのは他でもない……クリスマスだよ!」
 クリスマス、つまりサンタさん、つまり!
 そこに現れたのは、誰もがみたことのある衣装だった。
 そう。
「スク水サンタだよ!」
 ワンピース型(一繋ぎ型)のノースリーブローレグの水着に、白いファーの付いた赤いコートをラフに羽織っているマネキンが映し出された。
「……うん、いや、元々は普通に猟兵が街にプレゼントを配るっていう、商店街的なノリだったんだけどね」
 スカイフロアは、こうなった原因を話始めた。

 ◇◇◇

 クリスマスのイベントに必要なものは……そう、サンタとトナカイとイベント会場である。
 サンタは猟兵にお願いする事が決定した。
 ならばあとは、残る二つである。

 結果として。

 トナカイは、何故かアルパカ怪人が派遣され、プレゼントそっちのけで住民や子供達に筋肉を見せつけている。
 というかそれがプレゼントだと本気で考えている。

 イベント会場は、何を勘違いしたのか、この冷えた海の側で水着コンテストを開催し始めた。

 しかもそれらがオブリビオンだったのだから手が付けられない。

 ついでに実行委員の一人が獣人の猟兵にスク水を着て欲しい、などというどこから紛れたかわからない突飛な要望をどさくさに紛れて受理し、通した。

 でもクリスマスイベントとしては中止にしたくない。

 なら獣人系猟兵の皆さんに、スク水サンタになってもらってプレゼントを配り、トナカイ改めアルパカ怪人を回収してもらい、水着イベントで優勝して、オブリビオンには意気消沈して骸の海に帰ってもらおう!

 ◇◇◇

「ということなんだ」
 実行委員会全員辞めさせろ、と言うような話だが、ここはキマイラフューチャー、受け入れられている。
 なぜなら楽しそうだから。
「スク水、サンタの上着も、用意してくれるそうだから、まず街でプレゼントを配ってまわって途中で乱入してくるアルパカ怪人を捕まえたら水着コンテストでオブリビオンより高得点を叩き出す。というのが流れだよ!」
 一息に言い切ったスカイフロアは猟兵にあとは丸投げして、グリモアを起動させた。


熱血漢
 クリスマス当日ではないかもしれないし、当日かもしれません。

 大体ゆるゆるなコメディです。

 第一章は、街(商店街なイメージです)でプレゼントを配る章です。

 ですが、スク水サンタです。

 子供相手でも大人相手でも、プレイングからシチュエーションなりを考えます。
 街中イメージですが、風邪を引いて寝ていたり、夜型の生活で寝ていたりするので、枕元訪れる感じのシチュもOKです。

 プレゼントは実行委員会が用意したのもありますし、自分で用意も可です。

 以前熱血漢MSのキマイラフューチャーシナリオで出たNPCでも大丈夫ですが、参加されていないプレイヤー様や他MS様のシナリオNPCなどは反映できません。
 ご了承下さい。

 第二章は、乱入してくるアルパカ怪人を捕まえてください。

 第三章は、水着コンテストです。
 オブリビオンと対決形式です。

 あと寒いです。

 ではプレイングお待ちしています!
 
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第1章 日常 『溢れんばかりのプレゼントを』

POW   :    だれかへ届ける

SPD   :    あなたへ届ける

WIZ   :    みんなへ届ける

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

月守・咲凛
アドリブ他諸々OK。
スク水サンタ猫耳武装ロリエルフという属性チョモランマ。

プレゼントを配るのですね、この格好だと寒そうだから武装ユニット(体周囲のバリア的なエアコン付き)も付けていくのです。
さあ、いっぱい配るのですよー!と気合を入れながら袋から武装ユニットのアームでプレゼントをどっさり取り出して
「おにはそとー!」
道ゆく通行人に投げ付けていきます。
リロードです!プレゼント薄いよ、何をやってるです!
商店街の人から次の袋を貰っては、メリークリスマスだけは何故か言わずに(他意は無し)他の行事の挨拶を掛け声にしながら通行人への投擲を繰り返していきます。



「おにはーそとー!」
 明るい声が響く。
 羽織ったサンタ服を武装ユニットからの推進にはためかせながら、頭に猫耳を付けたスク水姿の月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)が背部展開したアームで大量に抱えたプレゼントを配っていた。
 スク水サンタ猫耳武装ロリエルフ。しかも掛け声が全然違うというおまけ付き。
 属性過多であった。

 ◇◇◇

「プレゼントを配るのですね!」
 と実行委員会に説明を聞いた咲凛は、大量のコンテナに積み込まれたプレゼントの数を見上げる。
 服装は既に手渡された『スク水サンタ』とやらに着替えている。
 前留めをしないサンタ服の内側に、ぺ……押しとやかな胸から健康的な丸いお腹を紺色の布が覆っている。
 結構寒い。
 それに、この大量のプレゼントを配るのは、このままだと非効率すぎる。
「よし、ちょっと準備してきますねー」
「えっ、あ、はい」
 とどこかへ姿を消した彼女が次に現れた時には、スタッフは思わず絶句した。
 ごてごてとその周囲に武装ユニットを展開させた姿で登場していたのだ。
「……」
 ゴウン、と咲凛の背中から伸びたアームがコンテナを一つ掴み上げるのを、呆然と見ているスタッフへと咲凛は、自慢げに胸を張って見せる。
「バリアで周りの空気を滞留させてるから保温性もバッチリなのです」
「あ、はい」
 それよりも、彼女とユニットを浮遊させるブラスターや、バランス制御がとんでもないアームやらの説明が欲しい、などと考えるスタッフなど知っちゃいないと、咲凛はプレゼント配りへと出発したのだった。

 ◇◇◇

「あけおめー!」
 それからユニットを最適化した咲凛は、抱えたコンテナから自動的に手にプレゼントが落とされるルーチンを組み上げ、怒濤の勢いでプレゼントを配っていく。
「とりっくおあとりーと!」
 なお一度もメリークリスマスとは言っていない。
 サンタとは。
 ともあれ、属性ごった煮ヒロインはキマイラフューチャーの層の琴線に触れたらしく、結構な賑わいだ。
「いきますですよ、たーまやー!」
 咲凛がそう叫んだときだけは、本当に爆発する可能性も、と緊張が走っていたが。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

本山・葵
◎☆

・氷結耐性でもしのげずガタガタふるえる
「寒い寒いさむいぃぃ!!海風がしみるっす!」
「おのれ実行委員会!ノリで許されるレベルを超えてるっすよ!」

・コミュ力を駆使してプレゼントを配って回る、大きいお兄さんが寄ってきたら冷たくあしらう
「メリークリスマス!よい子のみんなにプレゼントっすよ!
商店街のクーポンも付いてるっす、振興に貢献して欲しいっす!」
「おおっと、そういうサービスはやってないっすよ!撮影も禁止っす!」

・UCで雪の結晶を映して盛り上げる
「さあ、もっと盛り上げるっすよ!イッツショータイムっす!」

技能:コミュ力、氷結耐性



 本山・葵(ユートレマジャポニカ・f03389)は渡された衣装に袖を通してみたは良いものの。
「……いやこれ寒くないっすか? いや、寒い寒い寒い!」
 寒かった。なけなしの氷結耐性を貫く海沿いの街の冬の風は、容赦なく葵の肌から体温を奪っていく。
「おのれ実行委員会! なんっすかスク水サンタって、ノリで許されるレベルを超えてるっすよ!」
 バタバタと足踏みをする。羽織るサンタ服は暖かい。いやむしろそこだけ暖かいので、なんか感覚がバグる。
 辛抱堪らず、葵は実行委員会がたむろするストーブの側へと飛び出していった。

 ◇◇◇

 ともあれ、ずっとストーブの側でぬくぬくしている訳にもいかない。
「メリークリスマス! よい子のみんなにプレゼントっすよ!」
 強張る表情筋を動かすのにも慣れてきた。動いていれば結構ほぐれてくるものだな、と葵は商店街のアーケードの下、プレゼントを配り歩く。
「ありがとー!」
「うんうん、来年も良い子にするんだよ」
 満面の笑みでプレゼントの箱を受け取ったキマイラの子供は親のところへと駆けていく。
「キレイー」
「そうねえ、綺麗よねえ」
 と見上げるその親子の視線は、葵のスク水サンタ姿……ではなくその周囲に舞う雪の結晶、その幻影を追っている。
 葵は、眼鏡のレンズから立体映像を映し出し、アーケードとそこまでの空間をスクリーンに、煌めく大粒の結晶が舞う光景を見せている。
「我ながらなかなかの妙案……っと、はいどうぞー、メリークリスマス!」
「メリークリスマス!」
 出来映えに頷き、子供にプレゼントを渡しつつ。
「商店街のクーポンも付いてるっす、振興に貢献して欲しいっす!」
 親への宣伝も欠かさない。
 とそこへ、宣伝に感激した商店街の従業員らしき男性が、腕を広げながら葵へとだらけた笑みを開かせていた。
「じゃあ、良い子のサンタさんには、お兄さんが直々に暖めてあげるプレゼントを――」
「そういうサービスはやってないっす、そこの冷えた電柱でも温めてろっす!」
「はあー! 変態に厳しいメガネっ娘スク水サンタも堪んないッ!」
「うーん……放置っすね」
 歓喜に顔を押さえて床に転がり、勝手に地熱の足しになりだした男を無視して、ワクワクと顔を輝かせる子供達に向き直る。
 そのうち冬の風が頭を冷ましてくれる、と思う。
「さあ、もっと盛り上げるっすよ! イッツショータイムっす!」
 掛け声と共にきらびやかな幻想が仮初めの空に舞い上がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ
◎☆ POW型デース

「チリンチリン! これが世間のクリスマス、なのデスネ? OK! 頑張って協力するデース!」
年に一度の行事を護らねばなりマセーン! ワタシも楽しみなのデース!
言われるがままに用意された衣装を身に着け、獣人を装うためのケモ耳ヘッドセットを装着して参上しマース!
このプレゼントをだれかにお届けすればよいのでありますね? ご要望にお応えして、配布しマース!
ケモ耳スク水サンタ、サイボーグメイドのバルタン・ノーヴェがイベントを盛り上げマース!
(属性過多? ナンノコトヤラー?)



「チリンチリン! ナルホド、わかりましたデスネ!」
 バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は手を打って頷いた。最近よく耳にするその単語。
「これが世間で今ウワサの『クリスマス』、なのデスネ?」
 違います。
 と訂正できる人材がいれば良かったのだが、不幸にもそこに居合わせたのが。
「そうクリスマスにはスク水サンタ! これこそ王道なんです!」
 怪人がオーダーされて多忙が極まってしまった末に何かしらのスイッチが入ったスタッフだったものだから、悲惨である。
 いまここに、クリスマスの王道はスク水サンタであるとバルタンの記憶回路に刻まれてしまった。
「OK! 頑張って協力するデース!」
 獣人を装うためのケモ耳ヘッドセットを装着。ガンギまった目をしたスタッフに渡されたスク水サンタ姿へと着替え、準備は万端。
「このプレゼントをだれかにお届けすればよいのでありますね? ご要望にお応えして、配布しマース!」
「はい! バッチリです! そのうちアルパカ怪人が来るのでついでにふんじばってください!」
「OKデース!」
 白い袋にプレゼントを詰め込んだバルタンが、スタッフの降る手旗に見送られ、今、出陣した!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ブリッツ・エレクトロダンス
☆(これまでのあらすじ)負債は返済したけどそれはそうとしてカスタム仕様のキャバリアとか買ったもんだから金がない。

は?スク水サンタ?
関係者全員高純度マタタビでもキメてゴキゲンになってスク水キメたのか?

ま、報酬は多いし受けないという選択肢は実質ねえな。
んで?俺の担当は…なるほど、店舗周りか…行き先は…ブリリアントグリーンリー………


は?ブリリアントグリーンリーフ?嘘だろ?

…クソッ、こうなりゃプランはこうだ。
店主他一同に見つからねえようにこっそり侵入、プレゼントをバックヤードに置いて速やかに撤退。
こちとら物理・電子セキュリティに関してはアマチュアじゃねえんだ、警報なんざ鳴らせねぇよ。



「は? スク水サンタ?」
 安っぽい風吹きさらしのテントでパイプ椅子で長机に肘をついて、ゲンドウ座りしている実行委員会の言葉を反芻する。
 ブリッツ・エレクトロダンス(★3:DJ.Blitz・f01017)は嫌な予感が的中した事を嘆きながら、あみだくじをする。
 担当地域をこれで決めるらしい。ふざけた世界だと悪態を付く気ももはや起きない。
 そして引いたその場所は商業区、飲食店が多い通りらしい。
「ん?」
 聞いたことのある通りだった。
「……んん?」
 というか前、依頼で行ったような。

 ◇◇◇

 ブリリアントグリーンリーフ。
 そんな名前の喫茶店を、少し離れた場所路地から覗く不審者がいた。
 スク水に身を包みサンタ服を辛うじて羽織る変態……ではなくブリッツだ。
 少年たちが少し変わった制服で、忙しそうに働いている。のをスク水サンタ姿のブリッツはじい、と覗き見ていた。変質者ではない。
「やっぱ、この時間繁忙期だよな……前より客入り増えてるし」
 イケる。ブリッツはニヤリと笑みを浮かべた。
 狙うは、この忙しい時間帯確実に無人になる休憩室。とある事情から、従業員、特に店主には見られるわけにはいかない。
 ブリッツの動きは素早かった。勝手知ったるもの、裏の搬入口へと辿り着く。人の気配はない。多忙な間にサボるような不真面目な店員はいない。
「……っ、ち、セキュリティ上げてやがる……」
 電子ロックがより強化されている。だが――。
「ハッ、軽いもんだぜ」
 パスコードを入力し、識別信号入りの鍵を差し込まなければ開かない二重ロックを、瞬く間に解除したブリッツは、音を立てないようにバックヤードへ侵入、側の休憩室の扉を開ける。
 まさにその時。

 パシャリ、と音が響いた。

「表から来ると聞いていたはずですが?」
 見られてはいけない人がそこにいた。制服に身を包んだ店主。
 豆芝のキマイラが通路の隅にいたのだ。表の店の喧騒で気配が隠されていたのか、ともかく、忍び込んだ瞬間を捕らえられている。
 というか表から来ると思ってたなら何でここにとも言葉が出ない。
 飛びかかれば、大人の姿のブリッツなら容易くカメラを奪えるだろうが、それをすればもっと厄介になるという直感が働いていた。
「メ……メリー、クリスマス」
「ああ、良い贈り物をもらったよ」
 カメラを揺らした、にっこりと可愛らしい笑みにブリッツは思わず背筋を震わせて、そそくさとプレゼントを渡したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

俵屋・源助
良くわからんが! 皆に贈り物を届けるのだな!任せろ!
すくみず?はこれで良いのだな!うむ! 着るぞ! 小さいな!ぴちぴちだ!
ケモノというのは、こういう耳がいるのか! それともしっぽか!
我は持っていないので、必要なら誰かに借りるとしよう! 若輩者故手間をかける!

掛け声は元気良く!笑顔で! ぷれぜんとを届ける!
我の行いで笑顔が増えるなら!大変喜ばしい!
合言葉のようなものはないのか! なに、あるのか!
めりー? くり?すま?   難しいな!
めりーだ!めりー! ぷれぜんとを配るぞ! 
寒さなど笑顔と運動で吹き飛ばす!湯気が出るほど働こう!



 巨漢は吠えた。
「良くわからんが!!」
 そもそも巨漢はクリスマスがどうのとかサンタがどうのとか知らないのだから、その派生型(というのも失礼な部類だが)であるスク水サンタを理解させようとしたスタッフは、もっと手前から順を追って説明するべきだったのだ。
 要するに、俵屋・源助(未完の鬼闘士・f13170)はよく分からん催し物だが、なんであれ手伝ってやろうという、なんともおおらかな器量を持っていた。
 その体に似合うとでもいうべきか。
 対して、実行委員会が用意した衣装はいささか器が小さいというべきか。
「これで良いのだな!?」
 仁王立ちになる源助は、少し窮屈に体をよじる。
 入りはしたがパツパツで色々と危なくなっている。
「うーん」
 いささか気圧されるスタッフは、なんというべきかと考えているうちに、源助は臀部の上辺りに開いた穴を指で広げて、フムと考えた。
「成程、尻尾用の穴か! そういう趣向だったな!」
 あい分かったと手を打った源助はスタッフに、ケモノ耳と尻尾を要求すれば、たじたじとスタッフは駆けていく。
「すまん、若輩者故手間をかける!」
 その背中に源助は力強く声をかけたのだった。

 ◇◇◇

 そうして出来上がった、猫耳猫尻尾マッシブ巨漢パツパツスク水サンタ。
 糸を織りかさなて作られる布という特性上、引っ張られると織り目が大きくなるという懸念点があるが、一先ずは大丈夫そうだと判断された。
「おおーでけえ!」
「うぉ……でか……」
 といろんな意味で街行く人々の視線を集めながら、源助はプレゼントを配る。
「めりー! プレゼントだ!」
「メリークリスマス! だぜーおっちゃん!」
「おっちゃんではない! あとその、めり……メリー……なんたらはどうにも口馴染みがないのでな! メリーで堪忍だ!」
「そっかあー! ありがとーッ!」
 腹から響く源助に触発されたように子供は叫ぶ。こういう時子供は叫び倒す。
「……静かにしなさい」
 と母親に駆け寄っては叫び、したためられた子供に豪快に笑った源助は、再び歩を進めた。
 寒さなど、彼の笑顔の前では避けて通るしかないらしく、隆起するその筋肉に温められた空気は時折白く曇るようにすら見えた、という。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』

POW   :    ポージング
自身の【逞しい肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    ポージング
自身の【躍動する肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ   :    ポージング
自身の【洗練された肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。

イラスト:ヤマトイヌル

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 物言わぬ怪人が、プレゼントを持つ人の前で、ポージングを披露していた。
 まるでそんなプレゼントなんて置いて、この素晴らしき肉体を見よとばかり。
「な、なんだお前……っ!? 何がしてえんだよ!」
「……」
 怯える声に、あれ? 違ったかな? とポージングを変える。
 暴れる訳ではない。
 いやむしろ暴れる訳ではないがゆえに、迷惑度で言えば最悪であった。
 例えば今まさしく、一世一代のプロポーズに踏み出そうとしたカップルの横にマッチョアルパカ。
 家族で今晩のケーキを買おうとしている親子のウィンドウショッピングの横にマッチョアルパカ。
 少年達の可愛い制服を目玉にクリスマスフェアを行う喫茶店の店先にマッチョアルパカ。

 ド迷惑だ。

 引きずってでもなにしてでもとりあえず、とりあえずは、まあ、ご退場願おう。

 ◇◇◇

 第二章です。
 アルパカ怪人を、取っ捕まえてください。以上です。

 プレイングお待ちしています!
バルタン・ノーヴェ
◎☆ POW型デース!

「Oh,ナイスポーズ! しかし、サンタがトナカイに負ける訳には参りマセーン!」
プレゼントの配布中、子どもたちの前に出現したアルパカ怪人もといトナカイに立ちふさがり、逃げられる前に【先制攻撃】デース!
UC《ヴァリアブル・ウェポン》を展開しマース!
スク水の隙間からアームドフォードを取り出して、命中率重視で鍛えられない急所を貫きマース!(子どもの目があるので、流血しないゴム弾デース)
「情け無用! 往生してくだサーイ!」
……OK、おとなしくなってくれマスネ? なるまで連射しマス。……OK、動かなくなったら補導しマース。
「メリークリスマス! バルタンサンタをよろしくデース!」



「……」
 バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)の眼前に、サイドチェストによって隆起した胸筋と上腕二頭筋が突き付けられている。
「お姉ちゃん、これ何?」
「トナカイデースね!」
「ええ……角無いよ?」
「でも、トナカイなんデース!」
 バルタンは、理解が出来ないと、どこか擦れた視線をアルパカ怪人、もといトナカイへと向ける子供たちを下がらせて、トナカイに立ちふさがった。
「なんだ、この女! 筋肉のきの字もねえじゃねえか!!」というような勢いで筋肉をぴくぴくと動かすトナカイに、バルタンはヴァリアブル・ウェポンを展開した。
 サンタ服のした、スク水と肌の境目辺りが、ぐお、と盛り上がったかと思うとガシャコン、飛び出すいくつもの銃口。
「どれだけ鍛えても鍛えられない急所、しってマスカ?」
「……」
 え、なにそれ。というようにトナカイたちは次々と困惑させたようにポーズを変更する、さっきまで同じポーズできっちりそろっていたのに、今はバラバラ、突如現れた凶器に逃げ出そうとするよりも早く。
「教えてさしあげマース!!」
 弾き出された弾丸が、『急所』へと狙いを過たずめり込んでいた。後ろで男の子が、ひゅ、と腕を足に挟んでいる。
 でも安心。
 ゴム弾だから。スプラッタなことにはなってないから。
「それはダメだろ!!」と筋肉で訴えかけてくるも、バルタンは意にも返さない。だって、その痛みを味わったことはないし、これからも味わうことはないわけだから。
「情け無用! 往生してくだサーイ!」
 サイボーグの正確無比、速射性も抜群のゴム弾が宙を駆る。物言わぬアルパカ軍団は、次々にその弾丸に急所を打ち抜かれ――。
「メリークリスマス! バルタンサンタをよろしくデース!」
 なんか色々立ち直れなくなってしまったトナカイたちをまとめてふん縛ったバルタンは、彼らを引きずっていく。
 サンタがトナカイを引きずる、奇妙な光景に、その場の男性たちはただただ恐れおののくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月守・咲凛
アドリブ他諸々OK

ハピバーです!
まだプレゼントを配ってる属性過積載ですが、アルパカさんに悪意がないのも知ってるので手荒な事をする気はありません。
その辺のプレゼント待ちの人達にプレゼントを配って、ここは終わったのです、次の人にプレゼントしにいくのですよ、ほらはやくはやくー、とアルパカさんの手を取って引っ張っていくのです。
きれてるきれてる、だい……だいきょうきん?きれてるーです!
回収したアルパカさんの筋肉を褒めつつ
アルパカさんもプレゼント?を配ってるんだから居なくなる必要はないのです、一緒に配るのですよ。
謎の集団としてプレゼントとプレゼント?を配り回ります。



「ハピバーです!」
 生誕祭、というという部分では似通っているかもしれないが、依然0点だ。
 相も変わらず属性過積載の月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)は、しかし、そのユニットのフィジカルで属性に押しつぶされるのを防いでいる。
「……!」
 とはいえ、その重量感にアルパカ達も無視はできなかったらしい。登場と同時に咲凛へと視線を一斉に向け――。

「――ッッッ!!!」
 ポージングをキメた。

「……えっと……」
 咲凛は、こういう時の常套句を思い出そうとする。
「捻じれ……ホチキス……じゃなくて、ええっと……そう、きれてる!」
「!!!!」
 途端に喜色満面な筋肉をするアルパカ達。ぐぐっと、更にポージングを組み替えていく!
「きれてるきれてる、だ、だい……きょうきん? きれてるーです!!」
「――ッ!!!」
 サンタに大絶賛をもらえてアルパカ達は大興奮だ。皆が皆筋肉を滾らせて、喜びを分かち合っている。
 なんなら、もうこの人に一生ついていく、とばかりなアルパカ怪人に咲凛は手を振り注意を集めて、指示を出す。
「それじゃあ、ここのプレゼント配りは終わったのです。次の人にプレゼントしにいくのですよー!」
 鶴の一声。ばばっと列を作ったアルパカ怪人はRPGの仲間になったように咲凛の後ろへと整列する。
 咲凛が一歩歩けば、アルパカが一歩歩く。ついでにポージングする。
「……」
 なんかサンタとトナカイとかで聞いた絵とは違う気もするけど、咲凛は深くは考えない子である。
「よーし! アルパカさんもプレゼント?を配ってるんだから居なくなる必要はないのです、一緒に配るのですよー!」
 少し楽しくなってきた咲凛は、百鬼夜行ならぬアルパカ行軍を引き連れて、更にプレゼント配りへと繰り出し、大量のプレゼントを全て配り終えることができたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ブリッツ・エレクトロダンス
(これまでのあらすじ)写真を撮られてしまった。そんな訳でデータを取り返すために臨時スタッフ(荒事担当)として働きます。

はいはいはいはい営業妨害だぜ、っと。
(店主から借りてきたブルーシートをアルパカにかける&その上から縄で拘束を仕掛ける)
お前らの勘違いクリスマスプレゼントなんざ今の時期の雰囲気では望まれてねえんだからさっさと帰れってんだよ。

…ああもう、俺はさっさと帰りたかったのにこういう面倒臭いのがいるのほんっとやだ…



「また、迷惑なのが来ましたねえ……来ました、ねえ?」
「ンンー……」
 ブリッツ・エレクトロダンス(★3:DJ.Blitz・f01017)は渋るように、腕を組んで天井を見上げる。そうすれば、完全に店長の姿は視界から消え。
 パシャリ。
「今!? 営業妨害の対応しろよ、店長さんよぉ!」
「だから、有力な助っ人にこうして交渉しているわけじゃないですか」
「……交渉?」
 と問い掛ければ、ローアングルに潜り込んだ店長は己のカメラを指差して見せた。
 脅迫では? と聞けば、笑って否定も肯定もしなかった。

 ◇◇◇

 店先で入ろうとする客の前に回り込んでは無言でポージングをきめていたアルパカ怪人の頭上に、ブルーシートが舞う。
「はいはいはいはい、営業妨害だぜ、っと!」
 ブリッツが飛び出して、アルパカ怪人の頭の上から覆いかぶさったブルーシートの上から縄で拘束せしめていた。
 早業である。
 ちなみにどちらとも倉庫にあった備品だ。後日請求とかしてこない事は確認している。
「もっとこう、キラキラして、温かそうな、夢に満ち溢れた、そういうのが求められてんだわ」
 女児スク水を着たサンタがいう事ですか? と遠くから聞こえた気がするが無視する。いや、筋肉もりもりのトナカイでもないアルパカ怪人よりは、『ぽい』存在だとは思う。
 ともかく、びしっと指を突き付ける。見えてないかもしれないけど雰囲気的に。
「お前らの勘違いクリスマスプレゼントなんざ今の時期の雰囲気では望まれてねえんだからさっさと帰れってんだよ」
「……」
 きっぱりと言い切った。
 流石に、ここまでされると迷惑になっていたと気づいたのか。ブルーシートの巾着になったまま、筋肉を落ち込ませたアルパカ怪人たちはとぼとぼと帰っていった。
「たく、俺はさっさと帰りたかったのにこういう面倒くさいのがいるのほんっと――」
 前臨時で来てた猟兵の子に似てない? お兄さんかな? みたいな視線にさらされている。ついでに店長が面白そうに眺めている。
 ウチの制服似合うだろうと思いません? わあ、思います。流石店長。という思想誘導の現場を目撃して、ブリッツは心の底から、深い溜息を吐く。
「ほんっと、やだ……」
 肩を落としながら、残る戦場へとブリッツは向かうのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

本山・葵
・怪人から距離を取り、ブラスターで遠距離攻撃する
「あの暑苦しい筋肉と接近戦はゴメンっす!」
「スマートに鎮圧するっすよ」

・UCで素早くマヒ攻撃を行い、怪人を動けなくする
「片っ端から無力化して、あとでまとめて回収するっすよ!」
「あそこにいるっすね、せっかくのクリスマスがひどい絵面になってるっす」
「ブラスターをスタンモードに切り替えて、発射っす!」
「まずは1匹、どんどん行くっすよ!」

技能:早業、スナイパー、視力、マヒ攻撃



「あの暑苦しい筋肉と接近戦はゴメンっす!」

 という訳で狙撃することにした。
「せっかくのクリスマスがひどい絵面になってるっす……しかし目立つっすね……」
 本山・葵(ユートレマジャポニカ・f03389)は、ブラスターから放つビームの威力減衰の許容限界まで離れて、その異様な存在感を放つ筋肉集団に狙いを定めていた。
「え……あの……っ?」
 テレビウムの女性が、何か用があるのか、と黙したままにポージングを見せつけるアルパカにたじろいでいるのを、口唇の動きで読み取る。
「驚かれるっすかね……でも、すぐ回収するので許して欲しいっす……ね!」
 ね、と呟くと共にブラスターから熱線が溢れ出た。
 宇宙空間で頑張れば分厚い装甲すらもどうにかできるようなブラスターの引き金を、葵は躊躇いなく引いていた。
 そして、それは過たずアルパカへと命中し――、爆散……はしなかった。
「ーーっっ、ーーッ?」
 葵もこんな街中で、少しでもかすれば全身火だるまになるようなものを振り回すはずはない。捕縛用の強烈な痺れを与えるスタンモードに切り替えていたのだ。
 それに命中したアルパカは、電気ショックを浴びたように全身の毛を逆立てながら、しかしポージングを決めたままに地面へと倒れ込む。
「まずは1匹、どんどん行くっすよ!」
 なんだ!? 狙撃だ!! くそ、どこからッ!? 早くポージングをするんだ!
 とガヤガヤと(無言で)忙しなく動くアルパカ達を次々と鎮圧し、葵はそれらを一網打尽に縛り上げるのだった。
 制圧までは順調ではあったのだけれど……。
「……はあ、思ってたより、……きついっす」
 結論として、筋肉は重かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『自称・水着コンテスト優勝候補』パスト』

POW   :    こーゆーのもアピールになるから撮っとけよな!
戦闘中に食べた【お祭りグルメ】の量と質に応じて【グラビア撮影していたモブ敵達が興奮し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    誰がNo1か、お前ならキチンと言えるよなぁ?
対象への質問と共に、【指差した空】から【ぬいぐるみ龍『だいうるごす』】を召喚する。満足な答えを得るまで、ぬいぐるみ龍『だいうるごす』は対象を【炎ブレスと噛みつき】で攻撃する。
WIZ   :    今から此処が会場だ!そして俺様こそがNo1だ!!
【猟兵のLv×10の数、水着姿オブリビオン】を降らせる事で、戦場全体が【水着コンテスト会場】と同じ環境に変化する。[水着コンテスト会場]に適応した者の行動成功率が上昇する。

イラスト:ち4

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は百目鬼・明日多です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 そしてアルパカを引き連れたスク水サンタ達を浜辺で待ち構えていたのは、シンプルなステージだった。
 水着姿の少年のオブリビオンがそのステージで仁王立ちし、ステージの前の審査員責には、実行委員会の面々が険しい表情で椅子に腰を掛けている。
 影がトーンや乗算塗りではなく黒ベタクッキリ系で、みな一様にゲンドウ座りをしている。
 ステージに乗れ、乗らぬなら帰れ。とでも言わんばかりだ。
 あ、公開決定おめでとうございます。
 ステージに乗るオブリビオンが声をあげた!
「水着コンテストをはじめるぞ! おれと勝負だ!!」
 ルール説明もなく始めようとしたオブリビオン――パストに、審査員の一人が挙手をした。
「なんだ!」
「ルール説明がなければ、コンテストとは言えないのでは?」
「面倒だ! 任せた!」
「承知いたしました、では――」
 そうして寒風荒ぶ海辺にて、冬の水着コンテストが開始された。

 ◇◇◇
 第三章。

 ルールは、審査員である実行委員会5人が、どちらの水着姿が優れているかを決めて発表し、勝敗を決めるという一対一方式です。
 ステージにあがり、アピールして、パストよりも魅力的だと評価されれば、パストはそれにショックを受けてダメージを追い、最終的に骸の海に帰ることになります。

 勝負は『水着の魅力』ではなく『審査員の提示する判定』に依存します。
『審査員への事前の、もしくは審査中の干渉等』は禁止されていません。

 ではプレイングお待ちしています!
月守・咲凛
アドリブ他諸々OK
アルパカ隊と一緒に会場入りなのです。
水着コンテスト……?つまり戦いなのですよね?
ならやっぱり火力がいちばん大事だと思うのです!
皆さんもそう思いますよね?私、一斉射撃するの得意なのです!
うしろでポーズを取る筋肉の群れを背景に、審査員の人たちに火力をアピールなのです。
あれ?こんなところに良い的が。
UCで呼び出した大量の武装ユニットのガトリングとミサイルで『的』(パスト)を撃ち抜いていくのです。
マッチョの人もやっちゃえです!きんにくの力を見せる時なのです!
ついでにアルパカ隊にも指示を出して火力増強なのです。
何気にあざと可愛さアピールも入ったりしますが、本人は無意識にやっています。



「水着コンテスト……? つまり戦いなのですよね? ならやっぱり火力がいちばん大事だと思うのです!」

 月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)の言い放った言葉に、ゲンドウ座りする審査員は、呟いた。
「……勝ったな」
 なんの事はない、メカニックゴテゴテ装備を着けた美少女がドストライクだっただけらしい。
 というわけで、アルパカ怪人を引き連れてエントリーした咲凛は、堂々と物騒な台詞を突き付けて、ついでに武装ユニットの砲口をパストへと突き付けて。
「あ、こんなところに良い的がっ!」
「……へ? えっ、いや待」
 聞く言葉などなく。咲凛は大量のガトリング銃とミサイル弾を打ち放ち。
「さあー! マッチョの人もやっちゃえです! きんにくの力を見せる時なのです!」
 更にアルパカ怪人達をけしかける!

 しっちゃかめっちゃかである!
「――ッ」
 弾丸と爆薬にパストが吹き飛んでいくのを筋肉で雄叫びを上げるアルパカ怪人達が追いかけていく。
 咲凛が何気なく審査員にウインクをする。
 その直後、ステージはパストへと追い討ちかけたミサイルの爆風に包まれて、吹き飛んでいた。

 ◇◇◇

 ボロボロになった元・ステージにて。
 点をやらねば殺されるという恐怖によって4つと、性癖直撃の1つ。白星5つ獲得により、咲凛の勝利。

大成功 🔵​🔵​🔵​

本山・葵
◎☆

・コミュ力を駆使して審査員の心をつかむ
「自分、見た目はナイスバディのブロンド美女っすからね、
そこんところちゃんと判定に加味して欲しいっす」

・(SPD対策)UCで回答に成功させて速やかに攻撃を終わらせる
「ちょっとズルイけど秒で回答させてもらうっす」

・様々なグルメツールを素早く投げつけて攻撃
「大人しく負けを認めて帰れっ!」

技能:コミュ力、早業、投擲、串刺し、一斉発射



 こんなこともあろうかと、用意されていた予備ステージ。
「自分、見た目はナイスバディのブロンド美女っすからね。そこんところちゃんと判定に加味して欲しいっす」
 笑みを浮かべた気さくな態度で、ステージに上る。
 本山・葵(ユートレマジャポニカ・f03389)は、輪郭が隠しようもないスク水サンタ姿で、その肢体を惜しげもなく審査員へとアピールしていた。
 形の良い胸部。
 締まった腰つき。
 丸く大きいけれど安定感のあるお尻。
「スタイルグンバツパツキンチャンネー……」
「え、なんの呪文っすか?」
「あ、いや……なんでも」
「うん? 誉められてるっぽいっすから、ありがとっすー」
 二へっと笑うと審査員の背後にほわほわと花が舞った。
 葵は、自負に劣らずめちゃくちゃ魅力的である。何故か。本当に何故か、大抵イベントごとではオチ要員にされる傾向にあるけれども、それを置いておいて、魅惑のボディを持っている。
 思春期の男子が見れば垂涎モノであろう。審査員の視線も釘付けだ。明らかにパストに欲情めいた目を向けていたショタコン疑惑審査員も、思わずまじまじと見てしまう。
「でもなんか残念オーラがなぁ……」
 何故か、何故なのかオチ要員ではあるがッ!
「ん゛んッ」
 葵は、聞こえた台詞を断ち切るように咳払いをした。
 そして、取り出したるは――光線銃。
 審査員とパストの脳裏に「まさか」と過る少し前の爆発。
 そして葵は、それをまず、一番左端の審査員へと。
「てなわけで、どっちが良いっすか!? はい、さん、に、いち――!」
「ふえ、あ、え――き、君!!」
「は、え……っ」
「よし、次っす! 秒で答えてもらうっすよ! はい、さん――」
「ちょ、え……お前、コンテストって」
「次っすー!」

 ◇◇◇

 審査時間計15秒、プラスアルファ。
 白丸5個獲得により、葵の勝利。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ
◎☆ POW型デース!

「OK! バトルの時間デース!」

トナカイ()をそこらに投げ捨てて、オン・ザ・ステージ!
審査員にアピールするのがルールなのデスネ? 
ならば、ワタシの性能を存分に披露してみせマース! オープンコンバット!
UC《ヴァリアブル・ウェポン》展開!
ファルシオンを右手に、左手にはパイルバンカーやチェインハンマーを換装して使い分け、
片っ端からあたり一面に無差別攻撃(攻撃回数重視)のダンスを披露しマース!
盛り上がってきたところで内蔵している銃火器類をフルファイア!

「いわゆる演舞、というものであります!」
ラストは審査員に向かって武器を突き付けるポーズでフィニッシュ! ドヤァ、であります!



「OK! バトルの時間デース!」
 バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)が全武装展開状態でその台詞を放ったその瞬間には、審査員席は既に十m程離れた位置に避難していた。
 パストは、武装展開スク水サンタに二度見したまま固まっている。
 ということはつまり。
「思いっきりダンスしてモ、OKって事ですネー!」
 ファルシオンを右手に、左手にはパイルバンカーからチェインハンマーへと換装し、その攻撃範囲を拡大。
 離れた位置までなら、攻撃が吹っ飛んでいっても問題ない。
「バ、バトル? コンテストなんだけッぅおああ!?」
 言葉など聞くはずもなく、頭をスイカ割りのごとく粉砕しそうな鉄球が迫るのをどうにか避けたパストへと、更に剣が、杭が、容赦なく襲いかかる。
 何が驚異かと言えば、このバルタン。パストを狙って攻撃している訳ではないがゆえに、狙いが一切読めない読めないのだ。
 避けた先に剣が落とされたと思えば、てんで別の方向が破壊され、時折全体攻撃みたいな鉄球が頭蓋を砕きに来る。
 ステージ上にいれば絶えず遅い来る暴虐。だが、ステージから避難すればすなわち、コンテストの棄権を意味する。
 こんな状況でもコンテストを重視するパストは。
「でハ、フィナーレデース!」
 近接武器に変わって換装された重火器を見て、己のフィナーレを悟る。
「フルファイア!」
 直後、爆風が会場を包み込んだ。

 ◇◇◇

「いわゆる演舞、というものであります!」
 ドヤァ……。と渾身のどや顔とやりきった感を満載にホクホクで、審査員席へと銃口を突き付けたバルタン。
 満場一致。白星5つでバルタンの勝利。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ブリッツ・エレクトロダンス
☆(これまでのあらすじ)帰りたかったけど店長のプレッシャーがヤバい。あと追加で圧をかけられてこんな姿になった。
Q.こんな姿とは?
A.スク水クロヒョウケモショタ

あの野郎…。
どうして俺がこんな年齢かつこんな姿にならなきゃいけねえんだよ理不尽だよこの野郎…

Q.アピールどうする?
A.めっちゃ恥じらうスク水クロヒョウケモショタ。そもそもアピールにすらなってねえよ。

Q.そんなんで点取れると思ってるの?
A.そもそもこれを仕掛けたバカオブリビオンの審査の時に裏工作(ハッキング)して点数落とすから問題ねえ。具体的にはやや微妙な感じに照明の光量を下げたりとか。



 ブリッツ・エレクトロダンス(★3:DJ.Blitz・f01017)は嘆いていた。
 己の境遇をひたすらに嘆いていた。
「ああ、そういえばこの後水着コンテストでしたね」
 という店長の言葉に実はバックレようかと考えていたブリッツが、どう答えるか迷ったその一瞬で勝負は決していた。
 スク水クロヒョウケモショタで参加することになった。

 ◇◇◇

「な、なんだよ、あんまりジロジロ見んじゃねえよ……ッ」
 焦げ臭いステージに立ったブリッツは、食い入るように見つめられる視線に、居心地の悪い思いをしていた。
 ケモショタになったため新しいスク水を着たのだが、さっきまで無かったデカイ名札が胸に縫われている。『ぶりっつ』とあった。
「ぅ……」
 なんかもう、なにも言わずに食い入るように全身を五人の男に見つめられるという状況に、恥ずかしさが加速する。
 あんまり凝視されたくない所に明らかに視線行ってたりするし、視線の粘度が上がってくるし。
(てか、なんでなにも言わねえんだ……オブリビオンの奴も全然動かねえし、てかめっちゃ警戒してるし)
 なんなんだ……?
 まあ、俺が点数低くても、アイツの審査の時に設備ハッキングして操作するからいいけど……。

 ◇◇◇

(平和だ……)
 他参加者がハチャメチャやったので、癒されている最中だった。
(そう、こういうのだよねコンテストって)(爆発に怯えないで良いって良いな)(恥ずかしがって可愛いなあ)(慣れてないのか、手が隠したらダメだけど隠したい、ッていう風に前で揺れてるのがまた)(むしろ動いて膨らみが強調されちゃって……膨らみ?)(あ、男の子か。なんだ……ボーイッシュだと思ったら)(男の子が女児用スク水でもじもじしてる)(あ、ふーん。そういうのもあるんですねえ)(成る程ね、興奮してきた)
 だんだん癒しから離れてきた辺りで採点が入る。

 ◇◇◇

「……えぇ?」
 審査員の端末をハッキングした所、ブリッツは満点で身の危険を感じたので、裏工作するより逃げる身支度を整えることにする。

 ◇◇◇

「……なんだこれ」
 パストは、呆然と呟く。
 全戦全敗。というか大体吹っ飛ばされていた記憶しかない。
「帰ろ」
 なんか心に色々傷を負ったのでコンテストとかもう忘れて、退散していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年01月03日


挿絵イラスト