ジュエル・ドミネーター~星獣を支配する者を撃て!~
●スペースシップワールド・ドクトル・アメジストの工房
「ふぅ、ようやく完成したね」
猟書家ドクトル・アメジストは自身の工房にて完成した創造物に対して嘆息をつく。今の今までデスゲームを運営しながらも、工房にて作業に集中していたのはこれを完成させる為だったと言っても過言ではない。
かつて宝石化による巨大生物の支配。その極地ともいえる未踏宙域の怪物達「クエーサービースト」を支配すること。その研究がついに完成し、それを成し得る存在が目の前の蠢く液体生物であった。
「…………」
ドクトル・アメジストが生み出した者こそ、ジュエル・ドミネーター。かつて生前のジュエル・ビーストの研究を進め完成させた、クエーサービーストを支配する為の液体宝石生命体である。
すでに三体のクエーサービーストのデータも入力しており、擬態能力も持つ恐るべき怪物。だがその真骨頂は自らが制御宝珠となり、心臓と同化してクエーサービーストを支配するということだ。
「誕生おめでとう、新たなる猟書家ジュエル・ドミネーター。歓迎するよ」
ブラックタールの性質とクリスタリアンの特性を掛け合わせた人造生命体。まさしくドクトル・アメジストが持てる力を注ぎこんで作り出した最終兵器ともいえる存在だ。
完成した暁にはプリンセス・エメラルドより猟書家として任命されることが決まっていたので、ドクトル・アメジストは新たなる仲間を歓迎する。
「命令ヲ、我ガ造物主ヨ」
だが生まれ落ちた者にとって、造物主たる者の命令こそ最上。ジュエル・ドミネーターは己の存在意義を目の前のドクトル・アメジストに求める。
最初のオーダーこそジュエル・ドミネーターにとって至上目的となるだろう。だからこそドクトル・アメジストは生み出した目的を遂行させる。
「そうだね。未踏宙域で新たなクエーサービーストが出現したって話だ。まずはそいつを乗っ取って、既知宙域に侵略するんだ」
新たなるクエーサービースト「フリシレアンMOS」。最近になって未踏宙域で発見された新種ではあるが、ジュエル・ドミネーターの試運転にはちょうどいいだろう。
おそらくスペースシップワールドが帝国継承軍の脅威を知ることになるだろう。あの銀河帝国すら成し得なかった星獣を従えて侵攻するのだから。
「了解シタ。行動ヲ開始スル」
液体の身体を変化させて壁をすり抜けるように工房を後にするジュエル・ドミネーター。その瞳はもはやフリシレアンMOSにしか向いていない。
己が制御宝珠となって支配する為に。未踏の宙域から大いなる銀河へと侵攻する為に動き出す。
●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「すっごく大変なことになっているんだ!」
そう言って恐るべき予知をしたグリモア猟兵見習いエィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)は大声を上げて説明する。状況は大変なことになりつつあると、義姉の電脳ウインドウを貸してもらって説明をする。
「新しいクエーサービーストが発見されたんだけど、実はこのクエーサービーストは猟書家に乗っ取られつつあるんだって!」
そう言ってエィミーが映し出した巨大な肉の塊のような異形のクエーサービースト「フリシアンMOS」。その体内にはすでに猟書家ジュエル・ドミネーターが侵入している。そして自身が制御宝珠となって支配しようと画策しているのだと言う。
銀河帝国すら脅威としたクエーサービーストが猟書家の戦力として既知宙域に現れれば、恐ろしい被害を招くだろう。直ちに解決しないといけないのだが、一つ問題がある。
「巨大惑星ロボは出撃できるんだけど、接近したらフリシアンMOSを操って逃げるんだー。かといって普通の宇宙船じゃ力不足……だけど、解決策がないわけじゃないよ!」
そして新しい電脳ウインドウに映し出されたのは、巨大惑星ロボ用に開発されていた『惑星破壊級ブラスター』だった。つまり作戦とは感知されない超遠距離から、制御宝珠を撃ち抜くことにある。心臓と同化している制御宝珠を狙えば、弱体化と制御を失い、クエーサービースト相手でも十分な勝機を見出すことができる。
「詳しくはこのブラスターを積んでいる探索艦ノーチラスに搭乗している、凄腕のブラスターガンナーさんに聞いてね!」
この惑星破壊級ブラスターの開発に携わった銃士ノエル・ピットなら、未知の宙域での超遠距離狙撃のコツを聞けるはずだとエィミーは語る。そして未踏宙域にいる探索艦ノーチラスへの転移術式を展開して猟兵達を送り出す。
フリシレアンMOS、そしてジュエル・ドミネーター。強大な敵なれど、クエーサービースト支配による侵攻を防ぐ為に猟兵達は決死の戦いへと挑む。
ライラ.hack
星獣の侵攻を阻止せよ。
どうも皆様こんにちわ、ライラ.hackです。
このたびはこのたびはこのたびはスペースシップワールドのオウガ・フォーミュラとなった、プリンセス・エメラルド麾下の猟書家ジュエル・ドミネーターとの戦いとなります。
まずはジュエル・ドミネーターに支配されたクエーサービースト「フリシレアンMOS」との戦いとなります。敵は制御宝珠の影響もありかなり強力化していますが、「惑星破壊級ブラスター」によって体内の「制御宝珠」を射抜けば、大きく弱体化します。一度撃たれれば気づかれてしまいますが、戦い方は以下の通りになります。
①超遠距離での狙撃を担当する。
②宇宙船で近接戦闘を挑んで接近を阻む。
③弱体化後の攻勢を行う。
フリシレアンMOS撃破後は体内から出てきたジュエル・ドミネーターとの決戦となります。
以下、特殊ルールとなります。
プレイングボーナス(全章共通)……ブラスターガンナーと協力する/超遠距離狙撃のコツを聞く。
クエーサービーストを操り銀河を我が物とせんとする帝国継承軍の野望を阻止してください。
それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『クエーサービースト・フリシレアンMOS』
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POW : MOSウインガル
【翅状の器官を震わせながらの】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【体内の制御宝珠】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : MOSスピモルファ
【制御宝珠からの命令を受ける】事で【星間飛行形態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : MOSブレステルデ
【制御宝珠がクエーサービーストへの命令】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
イラスト:山庫
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●スペースシップワールド・未踏宙域 探索艦ノーチラス
「よく来てくれた猟兵。今回も悪いな」
そう言いながら転移してきた猟兵達を探索艦ノーチラスの艦長ルチル・エーゲストは歓迎する。すでに惑星ロボの開発も進められている中で、クエーサービーストの対抗策もできつつあるが、これからの展開はまさしく異常事態ともいえる。
「エィミー君からは話は聞いている。あれが支配されているなど考えたくもないな」
そう言ってルチル艦長が見つめる画像は、超高性能カメラによって捉えられたクエーサービースト「フリシレアンMOS」の画像であった。今まで見たことのない新種のクエーサービースト。そしてそれが銀河帝国の後継を名乗る帝国継承軍の戦力になるなど悪夢以外何物でもない。
それを阻止する為ならばルチル艦長も協力は惜しまない。それは銀河に住む全人類の総意だろう。そして今回の作戦の要となる人物の紹介をする。
「それで彼がノエル・ピット。惑星破壊級ブラスターの開発にも携わった凄腕のブラスターガンナーだ」
「自分が凄腕なんて呼ばれるなんて恥ずかしいッスけどね」
そう言って癖毛の茶髪をかきながら照れるブラスターガンナーこそがノエル・ピットである。この度、探索艦ノーチラスに搭載して実験も兼ねて未踏宙域を訪れたのだが、タイミングがよかったというべきか。
そんな雑談をしていると、新型のクエーサービースト「フリシレアンMOS」は大きく翅状の器官を震わせる。もしかするとジュエル・ドミネーターの掌握が間近まで迫っているのかもしれない。一刻の猶予もない、速やかな排除こそが脅威を取り除くことにつながる。
「こいつの使い方に関しては任せて下さいッス! あのクエーサービーストを撃墜してやりましょうよ!」
そういってノエルは惑星破壊級ブラスターの元へと案内する。星獣すら視認できない距離からの超遠距離狙撃。その一撃こそ、クエーサービースト支配の野望を砕く一閃となるのだから。
メンカル・プルモーサ
ふむ……これは実現されたら厄介なんてものじゃないな……
ここで始末してしまおう……
超遠距離射撃が必要となれば必要なのは射手もだけど観測員もだな……
迎撃ついでにそっちを担当しよう……
宇宙船に乗せてもらって接近、その後は箒に乗って機動戦だね……
術式装填銃【アヌエヌエ】で牽制射撃を行いながら【アルゴスの眼】で情報収集…
…【マルチヴァク】と【アルヴィス】でそれを解析してノエルへとデータを送るよ…制御宝珠の位置が最優先だね……
…それに加えてノエル側から必要なデータを聞いてそのデータを収集しよう……
準備が整ったならば重奏強化術式【エコー】で増幅した【連鎖する戒めの雷】を放って足止め、狙撃チャンスを作るよ…
サオササ・テセル
肉声)猟書家…」
宙域と言える場所で私達に戦いを挑む脅威、なら…
SPD勝負で変形高速飛行のクエーサービーストを追い詰める
【情報収集】【世界知識】に【念動力】で浮かせた子機に先んじて戦場を【偵察】させ
【戦闘知識】【学習力】【足場習熟】で常に有利な位置を把握しておく
【空中浮遊】【空中戦】【ロープワーク】による空中機動で敵の注意を引き付けつつ複数の子機との連携・射撃攻撃各種で足止めし
他者の援護に従う
私自身もブラスターガンナーだし子機と自身の役割は【スナイパー】も1つ
どれほど命を削った反応と速さを持っても私の念動力からは逃れられはしない
才堂・紅葉
「ノエルさん。近寄ってきたら何とかしますんで、一発お願いしますね」
宇宙船の船外で近接戦に備えます
まずは一発、制御宝珠をぶち抜いてもらわないと勝負も何もありませんしね
「コード・ハイペリア」
真の姿の【封印を解く】と、奴の突進に備える
突進に合せ、こちらも踏み込んで【グラップル、見切り、ジャストガード】を決める
相手が以下に巨大でも理屈は同じ
勢いが乗り切る前に出鼻を押さえ、衝撃を【受け流し】その【体勢を崩す】のだ
出来る出来ないではない
【気合】あるのみだ
「絶ッ!!」
返しの一撃を乾坤一擲で叩き込む
【カウンター、属性攻撃、重量攻撃、怪力、吹き飛ばし】
「そこです、ノエルさん!!」
後はノエルさんにお任せしましょう
未踏宙域にて飛翔する異形の肉塊。まるで虫の翅が羽ばたくように宇宙の海を舞う巨大なる星の獣、クエーサービースト・フリシレアンMOS。
あれほどの巨体が猟書家ジュエル・ドミネーターの支配されたとあっては空前絶後の危機となるだろう。基本未踏宙域から出ることがないクエーサービーストが既知宙域に侵攻する危険があるからだ。
今だ派手に動くことができないのはおそらく支配が完全ではないからであろう。ならばその隙を狙い、ここでフリシレアンMOSを倒し、制御宝珠ごと葬らなければならない。
「ふむ……これは実現されたら厄介なんてものじゃないな……ここで始末してしまおう……」
「そうッスね。ここで倒さないと大変なことになるッス!」
メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)の抑揚のない言葉に凄腕のブラスターガンナーにして惑星破壊級ブラスターの射手であるノエル・ピットは力強く頷く。実際、かなりの超遠距離でもフリシレアンMOSの姿ははっきりと確認できる。
あれほどの超巨体を操れるとは、ジュエル・ドミネーターの力の一端が伺えるものだろう。だからこそここで食い止める必要がある。
「超遠距離射撃が必要となれば必要なのは射手もだけど観測員もだな……迎撃ついでにそっちを担当しよう……」
「お願いするッス!」
そう言ってメンカルはすでに乗せて貰った宇宙船から出撃し、飛行式箒【リントブルム】に乗って出撃していた。いざとなれば機動戦も辞さない考えだが、まだ気づいていないフリシレアンMOSの観察が先である。
まだ気づいていない段階での攻撃は控え、電子型解析眼鏡【アルゴスの眼】による情報収集を行う。そして集めた視覚情報をハンドヘルドコンピュータ【マルチヴァク】と改造タブレット【アルヴィス】の解析にかけていく。
「制御宝珠の位置が最優先だね……ノエル、から必要なデータはある?」
『大丈夫ッス! これでよく狙えます!』
解析したデータはマルチヴァクからノーチラスにいるノエルの元へと送られていた。必要情報をしっかりと精査して集めて、制御宝珠のある心臓部に当たりをつけていく。
そして相手が気づかない初撃の一撃が惑星破壊級ブラスターから放たれる。ノエルが狙うは、メンカルが割り出した制御宝珠の位置。そのポイントを正確に射抜く惑星すらも焼く光線が放たれる。
肉体を焦がすブラスター光線がフリシレアンMOSの肉体を貫く。そしてその肉体の先から宝石のような欠片が飛び出してくる。おそらくは制御宝珠を射抜いたのであろう、だが巨体に見合うほどの制御宝珠をジュエル・ドミネーターは形成していた。
「……行かせは、しないよ……」
己の制御宝珠を射抜いたノエルのいる探索艦ノーチラスの方へ翅を広げて近づこうするフリシレアンMOSに立ち塞がるメンカル。その身体能力は圧倒的に劣るが、足止めならばできる言わんばかりに能力「連鎖する戒めの雷(ライトニング・チェイン)」を発動させる。
それを重奏強化術式【エコー】によって強化することで展開した無数の魔法陣から同じ性質の存在に伝播する雷の鎖が放たれる。雷は絡み合い肉体を縛り付けて、その場でフリシレアンMOSの肉を焼きながら、その細胞活動を停滞させようと術式を発動し続けるメンカル。
だがメンカル一人の術式で足止めするには、フリシレアンMOSの巨体は大きすぎた。だが機動戦を挑むのはメンカルだけではない。
「猟書家…宙域と言える場所で私達に戦いを挑む脅威、なら…」
肉声でそう呟くのはサオササ・テセル(虚欠片の機精・f15384)。兵器となりし少女は己の存在意義を賭けて、星獣へと挑む。膂力では勝てなくてもスピードによる変形高速飛行ならば渡り合える。
フリシレアンMOSが星間飛行状態になってノーチラスへ一飛びする前にその挙動を潰す。テセルは自身の念動力によって足場となる子機を展開させ、自身の攻撃アドバンテージが取れるように配置させる。
「この先には行くことはできない、よ」
普段はメッセージボードでしか意思疎通ができないテセルの決意に満ちた声。それに呼応するように、空中機動で敵の注意を引き付けつつ、複数の子機との連携・射撃攻撃各種で足止めする。
その射撃は能力「クイックドロウ」によって穴の開いた制御宝珠に撃ち込まれていき、亀裂が増していくのでさすがのフリシレアンMOSも無視することができない。さらにブラスターガンナーの特性を生かし、ノエルの狙撃チャンスを作るのも忘れることはない。
『ナイス援護ッス!』
そしてノエルの惑星破壊級ブラスターが再びフリシレアンMOSの制御宝珠に撃ち込まれる破壊光線。命を削るその光線を受けて星獣の巨体が揺らぐ。やはり排除すべきはあの光線者と定めて動こうとする。
だがそれを念動力による機動戦で先に進ませないのがテセルだ。その巧みな足止めと、いやらしい攻撃はフリシレアンMOSの動きを鈍らせていく。
「ノエルさん。近寄ってきたら何とかしますんで、一発お願いしますね」
そしてメンカルとテセルが足止めをしている先を進んできたフリシレアンMOSを待ち構えていたのは、宇宙船外に出て待機して宙域に張っていた才堂・紅葉(お嬢・f08859)であった。
紅葉自身は遠距離狙撃の技術はないので、近接戦に臨むしかない。とにかく惑星破壊級ブラスターで制御宝珠を撃ち抜いて破壊し続けて貰わなければ、アレは止まらないだろうと思っていた。
「コード・ハイペリア」
そう言って紋章を輝かせて真の姿たる真紅の髪へと変身する紅葉。その宙域で翅状の器官を震わせながら突進してくるフリシレアンMOSを迎え撃つ。
突進に合せ、テセルが展開した足場に踏み込んで柔術を応用したガードで真っ向勝負を仕掛ける。人間サイズに対して、相手は小惑星クラスがあるクエーサービースト。あまりにサイズがある対決だった。
「はああああああああああああああああ!」
だが相手が以下に巨大でも理屈は同じ。紅葉はそう考えて能力「ハイペリア重殺術・乾坤(ケンコン)」を発動させて、相手の巨大さの恐怖に負けずにジャストガードを決める。
少しでも恐怖に慄いていたならば紅葉は押し潰されていただろう。だが勢いが乗り切る前に出鼻を押さえ、衝撃を受け流し、その体勢を崩す。紅葉は出来る出来ないで考えいなかった。やる以上、気合を入れて成功させるのみであった。
「絶ッ!!」
そしてジャストガードした相手の突進を綺麗に受け流し、衝撃を上乗せたカウンター打撃を側面にお返しとばかりに叩き込む紅葉。その乾坤一擲の打撃はいかにフリシレアンMOSの巨体であっても、吹き飛ぶほどの攻撃であった。
その手ごたえを感じて、紅葉はノエルに対して吠える。
「そこです、ノエルさん!!」
承知と言わんばかりに、がら空きになったむき出しの制御宝珠に向けて惑星破壊級ブラスターの光線が三度突き刺さる。宝石が砕け散り、破片が宙空に飛び散る度にフリシレアンMOSの身体が震えて仰け反るのを確認する。
射撃は門外漢であった紅葉もその破壊力に関しては口笛を吹く他なかった。そしてノエルの射撃は着実に効いているという手ごたえもまた感じ取っていた。
このまま攻勢を続ければ倒せると活き込んだが、フリシアンMOSも態勢を整えるべく翅を広げて旋回して取り付いてくる三人を振りほどく。さすがに一直線の直進だけでは突破できないと感じて行動であろう。
それはフリシアンMOS自身の行動か、ジュエル・ドミネーターの指示かはわからない。だが着実にダメージを与え、クエーサービースト撃破への布石は打てた。そのことにノエルを含めた三人の猟兵達はまず先制攻撃の成功の成果を確認するのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
桐嶋・水之江
あら?新種のクエーサービースト?
わざわざ向こうから連れてきてくれるなんてご苦労ね
まあ、あんまり暴れ回られると厄介だから大人しくさせましょう
狙撃準備が整うまで敵の目を引き付けるわ
大きな獲物を小さな無数の兵でじわじわ苦しめる蟻さん戦法を使いましょう
人形機兵隊で手駒を大量配備
ウバザメがジェリーちゃんでディフェンス
デミウルゴスがブレスでアタッカー
イカルガがスピードで翻弄するフォワードよ
そして私が乗るワダツミが後方から支援砲撃係ね
あくまで狙撃準備の時間稼ぎがお仕事…スピードアップしてるクエーサービーストを大真面目に追い回し過ぎないように
スタミナ切れで動作が鈍くなるのを狙ってじっくり事を進めて行くわ
星野・祐一
デスゲームを仕掛ける傍らで
厄介なのを作ってたのか…けど思い通りにはさせないさ
[SPD]
俺は狙撃を担当するかな熱線銃の扱いは少し自信があるからよ
ただ超遠距離ってなると経験がなくてなぁ
…と言う訳でこいつの使い方と狙撃のコツ教えて下さいお願いします!(コミュ力
ノエルさんの指導を受けたら本番だ
制御宝珠をセンサー越しに捉えたら(情報収集、視力
動きを【第六感で見切り】誤差修正しながら射抜くぞ
(スナイパー、瞬間思考力、部位破壊、貫通攻撃
後はブラスターを【乱れ撃ち】ながら【ダッシュ】で接近
殴る蹴るの格闘戦で一気にケリを付ける!(力溜め、2回攻撃
クエーサービーストは利用させねぇ観念して出てきやがれ!
アドリブ歓迎
クエーサービースト「フリシレアンMOS」の動きは思った以上に機敏であった。惑星破壊級ブラスターを搭載している探索艦ノーチラスとはかなりの距離があるとはいえ、その距離をあっという間に潰すことも可能にする。
現在進行形で心臓部と同化している制御宝珠を潰そうとする動きはもはや察知している。つまりはあれさえ潰せば、この死地から離脱して帝国継承軍と合流することも可能となるわけだ。
フリシレアンMOSの狙いが定まる。目指すは宙空の彼方にいる、敵性存在。そしてその先にある帝国継承軍の基地までいけばもはや勝利なのだから。
「あら? 新種のクエーサービースト? わざわざ向こうから連れてきてくれるなんてご苦労ね」
そう言って強襲揚陸艦ワダツミの艦橋にてフリシレアンMOSの動きを見て微笑する桐嶋・水之江(機巧の魔女・f15226)。未知に対する興味は尽きることなく、それを己が欲求に従って解明するのは彼女の本懐と言えるだろう。
そしてこのスペースシップワールドにおける未知を妨げる脅威がわざわざ来てくれるというのだ。歓迎しない方が失礼に当たるだろうと水之江は思う。
「まあ、あんまり暴れ回られると厄介だから大人しくさせましょう」
そう言って水之江はフリシレアンMOSが動き出す前に能力「機巧の魔女の人形機兵隊(マリオネットソルダート)」によって、手勢たるキャバリアの複製を大量に作り出す。竜を模した巨大ドローン「デミウルゴス」、海月型支援ユニット「ジェリーちゃん」を従えたキャバリア「ウバザメ」、空中戦能力に優れた高機動キャバリア「イカルガ」だ。
その配置は支援ユニットを所有するウバザメがディフェンスを担当し、強力なブレスを吐くことができるデミウルゴスがアタッカー。そして高い機動力を有するイカルガがスピードで翻弄するフォワードを担うことで攻守をサポートする布陣だ。
「狙撃準備が整うまで敵の目を引き付けるわ」
『了解、こっちも準備するから頼むわ』
水之江がノーチラスに通信を送り、戦闘を開始するのを受けて、ノーチラスにいる星野・祐一(シルバーアイズ・f17856)も準備を始める。傍らには凄腕のブラスターガンナーにしてこの惑星破壊級ブラスターの開発を担ったノエル・ピットもいる。
祐一は水之江にフリシレアンMOSの対応を任せ、自身は狙撃を対応する。熱線銃の扱いならば少しは自信があるからだ。
「デスゲームを仕掛ける傍らで、厄介なのを作ってたのか…けど思い通りにはさせないさ」
これ以上、ドクトル・アメジストの、そしてジュエル・ドミネーターの隙にさせるわけにはいかない。帝国継承軍の野望を撃ち砕く為に、ここでクエーサービーストは墜とさなくてはならない。
ただ近距離戦でのブラスター銃の扱いは長けていたとしても、遠距離狙撃の経験は祐一は乏しい。ましてや超遠距離となるこの狙撃となれば言うまでもない。
「…と言う訳でこいつの使い方と狙撃のコツ教えて下さいお願いします!」
「っていきなり土下座ッスか!?」
そういって教えを乞う祐一に対して、驚きを隠すことができないノエル。その祐一の姿は寸分の隙すらもない、見事なジャンピング土下座であったという。
一方、フリシレアンMOSと自身のキャバリアとドローンを総動員して艦隊戦を挑むは、稀代の魔女・水之江。その戦法は曰く「大きな獲物を小さな無数の兵でじわじわ苦しめる蟻さん戦法」であった。
「さあ、そこを支援砲撃よ!」
ウバザメがジェリーちゃんを伴って突進を阻害し、そこにデミウルゴスの容赦ないブレス攻撃によって態勢を崩す。煩わしいデミウルゴスを狙おうとすれば、スピードに乗るイカルガが邪魔をして肉片を削ぎ落すように攻撃を仕掛けてくる。
極めつけは司令艦であるワダツミからの支援砲撃だ。水之江の号令と共に、星間飛行状態にさせない徹底っぷりはまさしく遅滞戦術そのものであった。
「これでスタミナ切れになってくれれば楽なんだけどね……」
あくまで狙撃準備の時間稼ぎがお仕事ではあるが、スピードアップしながらこちらの手勢を徐々に押してくるフリシレアンMOSに水之江は嘆息する。さすがは星の獣と呼ばれるだけあるとは思う。
スタミナ切れで動作が鈍くなれればとは思ったが、それより先に水之江の戦力が削られるのが先だろう。だが時間稼ぎという目標は成功していた。
『待たせたな!』
水之江の通信から聞こえてくるのは、ノエルからの指導を終えた祐一の声だった。すでに祐一は惑星破壊級ブラスターの操作台座についている。
先の攻撃に剥き出しになっている制御宝珠をセンサーごしに捉え正確に照準を合わせる。さらに能力「バトル・インテリジェンス」によるAIドローンを操らせることで能力向上をも図る。
「クエーサービーストは利用させねぇ観念して出てきやがれ!」
そう言って放たれた光の柱のようなブラスター光線。ウバザメやイカルガを蹴散らすところに突き刺さる光線は、見事に制御宝珠に突き刺さりフリシレアンMOSの身体が仰け反る。
だがここから祐一の真骨頂。向上した身体能力はすぐに制御宝珠の位置を修正捕捉し、第二射を放つ。間髪入れない超弩級ブラスターの連続狙撃。これはノエルすらもできるものではなかった。
「一撃で駄目なら何度でもぶち込んでやるぜ!」
間髪入れずに二発目を制御宝珠に叩き込まれたフリシレアンMOSは何が何だかわからずに混乱の極みにあった。そしてそれは何度も来るということを理解する。
その考えは正解で高速旋回してその場を離れた後に、祐一の惑星破壊級ブラスター光線が飛んでくる。このままこの宙域にいるはまずいと前方を固める水之江の方ではなく後方へと高速移動する。
『くっそ、逃げられたか!』
「でも大ダメージよ。あと少しって感じかしら?」
悔しそうな祐一に対して水之江は笑っている。あの破壊力抜群のブラスターを連続で被弾したのだ。間近で見ていた故にわかるが、制御宝珠の損傷はかなりのものになっていた。
あと何発か撃ち込めば亀裂は全体に広がり、制御宝珠は砕け散るだろう。心臓と同化している故にフリシレアンMOSの死とも同義となる破壊活動は、そのまま勝利へと近づく。水之江はその確信を胸に後を他の猟兵に託すのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
白斑・物九郎
●POW
あーあー、聞こえますかよ?ノーチラスのガンナー共
これより王が直々に前線に立つ
91秒、あのデカブツの動きを止めてやりまさァ
止まったと思ったら撃ちまくれ、以上
……ァ?
なんの王だって?
――『ワイルドハントの王』
三千世界に嵐を呼ぶ、狩猟の体現者様っスよ
・ビースト進路上のデブリにでも仁王立ちして単身迎え撃つ
・【天候操作】で宇宙塵を嵐の如く呼ばわり敵突進の減衰を図りつつ、直撃の瞬間【グールドライブⅡ】――左腕でブン殴り付け「喰らう」
・敵のWIZコード――制御宝珠の力と態様を左腕に写し取り(情報収集+化術)、「止まれ」という増強命令を発信
・ブラスター射が始まり次第、己のキャバリアに搭乗しどっかへ退避
ミレア・ソリティス
星の獣を堕とし、未来への道を拓くのも、私の役目です。
ミレア・ソリティス、作戦に参加します
超長距離狙撃という事でしたら私より慣れている方にお任せした方が良いでしょう
なので、②を。
UC【コード・テンペスト】を使用。
サブユニットと合体し戦闘機形態に変形、敵に対する前衛及び囮を務めます。
接敵後『MP-01ジャミングミサイル』とUCによる広域の認識阻害ジャミングも組み合わせ索敵機能を阻害し、敵攻撃へは回避を試みます
実態は時間稼ぎなのですが、それを悟られぬよう
対要塞砲『FR-06ノヴァ・バスター』での重力属性砲撃を何発か仕掛け、同時に生じた高重力場での捕縛を狙いつつ、狙撃に繋げます
※アドリブや連携歓迎です
フリシレアンMOSの動きは活発化している。それは探索艦ノーチラスによる惑星破壊級ブラスターの射撃が思った以上に制御宝珠に突き刺さったことに起因するだろう。
その損傷率は無視できるものではなく、喰らい続ければ破壊は逃れられない。だからこそ、積極的に動きつつ狙いを定めないようにするジュエル・ドミネーターの操作があった。
心臓と同化している制御宝珠は破壊されればコントロールどころの話ではない。フリシレアンMOSの死へと繋がる。この戦力を保持して宙域離脱こそがジュエル・ドミネーターの狙いであるのだから。
「星の獣を堕とし、未来への道を拓くのも、私の役目です。ミレア・ソリティス、作戦に参加します」
ゆるぎない決意と共に巨大な高速飛行を続けるフリシレアンMOSに立ち塞がるミレア・ソリティス(軍団たる「私」・f26027)。その意志に迷いはなく、ウォーマシンたる機体に恐れはない。
制御宝珠への超長距離狙撃はミレアが得意とするところではない。故に自身は担当せず、慣れないことはノエルに任せてフリシレアンMOSの足止めに尽力することに決めたのだった。
「サブユニット転送……コード・テンペスト、いきます」
能力「コード・テンペスト」発動によりサブユニットと合体し戦闘機形態に変形するミレア。高速飛翔を可能とし、さらに囮に適したミレアの攻撃形態である。
だが今度はフリシレアンMOSも本気だ。MOSブレステルデ発動により、すべての能力が爆発的に引き上げられてその巨体に似合わない行動をとり始める。
「凄まじいですが、負けませんよ」
対するミレアは出会い頭にMP-01ジャミングミサイルを発射、さらに微弱ながらも広域の認識阻害ジャミングを放ち続け攻勢を保つ。それらがフリシレアンMOSの身体で炸裂した瞬間、組み合わせ波状効果による索敵機能阻害が発生し、ミレアに対する攻撃への狙いが甘くなる。
いわゆる回避行動成功率の向上であるが、敵を倒すには弱い。だがミレアの目的は時間稼ぎなので問題はない。あくまで攻勢の振りは保っておかなくてはならない。
対要塞砲『FR-06ノヴァ・バスター』での重力属性砲撃を何発か仕掛けて身体にダメージを与えようとするも、フリシレアンMOSの巨体には中々損害が与えられない。高重力場での捕縛を動きを抑えるが、もっと強烈な攻勢がなくば難しいとミレアも感じ始めていた。
「あーあー、聞こえますかよ?ノーチラスのガンナー共。これより王が直々に前線に立つ」
そんな中でミレアが抑え続けている戦場の先に通信を放つ一人のキマイラがいた。その威風はまさしく王、堂々たる姿で立ち塞がる白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)であった。
フリシレアンMOSの姿にも動じることはない、巨体に比べれば小さい姿であるにも関わらず、進路上にあるデブリにてクエーサービーストを迎撃せんと仁王立ちで通信を続ける物九郎。
「91秒、あのデカブツの動きを止めてやりまさァ。止まったと思ったら撃ちまくれ、以上」
『わ、わかったッス! ところで何の王なんッスか?』
探索艦ノーチラスにいるノエル・ピットがそう通信で切り返すと、物九郎は獰猛なる笑みを浮かべて敵へ殺意をぶつける。ミレアは頼もしき援軍が来たと心強く思っただろう。
「――『ワイルドハントの王』。三千世界に嵐を呼ぶ、狩猟の体現者様っスよ」
そしてフリシレアンMOSを食い止めるべく、宇宙空間への干渉を始める物九郎。天候を操るように、宇宙塵による竜巻嵐を引き起こしその巨体へとぶつける。そこにミレアが合わせるように対要塞砲『FR-06ノヴァ・バスター』での重力属性砲撃を重ね、敵の突進の勢いの減衰を図る。
さすがのフリシレアンMOSもこの波状攻撃に動きが鈍くなる。そしてその瞬間、物九郎が腕を振りかぶって衝突の瞬間、能力「グールドライブⅡ」を発動させる。
「デッドリーナイン・ナンバーワン・ダッシュ」
その攻撃は強烈な打撃なれど、ダメージを狙うものではない。いわばブン殴り付けて喰らうもの。左腕の刻印(ドライバー)がフリシレアンMOSの肉を喰らい、能力を奪う。
物九郎が奪ったユーベルコードはMOSブレステルデ、制御宝珠がクエーサービーストへの命令を一時的に増強するもの。ならばと物九郎は自身の左腕を制御宝珠の力と態様に変形させて、こう命令する。
「止まれ」
重ね掛けされる命令。増強されたもう一つの制御宝珠の命令により、フリシレアンMOSの動きがついに止まる。ミレアの妨害、物九郎の宇宙塵嵐もあって進撃するという行動が鈍った故の結果であった。
そしてそれを見てミレアは即時離脱をし、物九郎もまた自身のM96式キャバリア【ストームライダー】に搭乗して宙域を避難する。その後に飛翔してくるのはこの時を待っていたノーチラスからの惑星破壊級ブラスターからの光線であった。
『動きが止まればこっちのモンッスよー!』
連射ではなかったが、ついに動きが止まったフリシレアンMOSの制御宝珠を射抜く巨大な超遠距離狙撃。一発、また一発と制御宝珠を砕いていき、その亀裂が大きくなっていく。
そしてついに崩壊の時は訪れる。制御宝珠の亀裂が全体に及び、ガラスの器が割れるように盛大に弾けたのだ。その瞬間、フリシレアンMOSの身体から大量の血液が噴き出す。
心臓部と一体となっていた制御宝珠の破壊はフリシレアンMOSの死と同じであった。その巨体は抵抗することもなく動きが止まる。その様子を見ていた物九郎は王の勝利を確信し、ミレアは冷静に事象を分析する。
「我々の勝利ですね」
そう言ってミレアは死骸となったフリシレアンMOSを見据える。これで猟書家の野望が砕かれたと安堵するノーチラスの面々とは別に、彼女はまだ戦闘が続くのではないかと予感していたのかもしれない。
ジュエル・ドミネーター、かのクエーサービーストを支配しようとした敵がこれで倒れていてくれれば楽であるのにとは思いつつ油断はしない。それこそが猟兵の強さであるのだから。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『ジュエル・ドミネーター』
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POW : ジュエル・キエリビウムJOX
【宝石浸食化したキエリビウムJOX】に変身し、武器「【物質分解光線を放つ頭部の水晶体】」の威力増強と、【高速回転しながら、物質分解波動の連射】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。
SPD : ジュエル・マインドミナBVA
対象の攻撃を軽減する【宝石浸食化したマインドミナBVA】に変身しつつ、【無限に変化する外殻が変形した殺戮兵器】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : ジュエル・ヴァギアスEAT
【存在を喰らうという暴食の感情を爆発させる】事で【宝石浸食化したヴァギアスEAT】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:純志
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠エィミー・ロストリンク」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
クエーサービースト「フリシレアンMOS」は制御宝珠の崩壊と共に死を迎えた。心臓と同化していた為に、その巨体を維持できる生命活動が停止したのだから当然である。
だがその様子がおかしいことに気づく。飛び散ったはずの血が制御宝珠があった大穴へと集まり始めているのだから。そしてその先にいる液体上の生物が妖しい光を放つ瞳で猟兵を見つめている。
『ヤッテクレタナ、猟兵。ダガマダ敗北デハナイ』
猟書家ジュエル・ドミネーター。このクエーサービーストを支配しようとしていた新たなる帝国継承軍の幹部は、フリシレアンMOSの血液を吸収して巨大なる身体を形成しようとしていた。
その血液の変化を確かめるように、次々と身体を変化させる。その姿はいずれも見たことのある姿、今までのクエーサービースト、キエリビウムJOX・マインドミナBVA・ヴァギアスEATであった。
『我ガ宝石浸食変形デ貴様等ヲ葬ル。貴様等ハ危険ダ』
そう言って次々と形を変えながらジュエル・ドミネーターはフリシレアンMOSと変わらない巨大な液体の身体を蠢かせる。クエーサービーストと変わらない、その血液を取り込んだ故に起こる変身能力。もはや新たなるクエーサービーストと言っても過言ではないだろう。
フリシレアンMOSの死骸が足場になっている故に安定した戦いはできるであろうが、危険な相手だ。だがその猟兵達に通信が入る。
『聞こえるッスか? あの液体のデカブツにさっきのクエーサービーストと同じ制御宝珠の反応があるッス!』
その声はノエル・ピットであった。さきほど撃ち抜いた制御宝珠の反応をセンサーで感じ取ったのであろう。それがジュエル・ドミネーターの弱点であると教えてくれたのだ。
ならば宝石浸食したジュエル・ドミネーターのそこを壊せばかの巨大液体生物であっても打倒できるだろう。その為にもノエルの惑星破壊級ブラスターが再び威力を発揮する。
かの巨体を倒す為に最後の戦闘を行う猟兵達。千変万化でクエーサービーストを形どるジュエル・ビーストとの死闘が始まろうとしていた。
メンカル・プルモーサ
…危険なのはお互い様だよね……
…そして、存在を喰らう暴食というのもお互い様…
…ヴァギアスEATへの変身を見てこちらは重奏強化術式【エコー】からの【尽きる事なき暴食の大火】を発動…
……ドミネーターへと暴食の炎を喰い尽かせて喰らい合うとしようか……
これで拮抗かそれに近い状態になれば…制御宝珠の位置を解析する時間を稼ぐと共に、こちらへと意識を傾けるように誘導できる…
制御宝珠の位置が判明したら術式装填銃【アヌエヌエ】でマーカーを撃ち込んでノエルの狙撃の助けにしよう…
…反応速度が上がったとしても……不意の一撃なら反応はし辛いだろうし…
狙撃されて気が逸れたら暴食の炎で喰らいにいくよ…
エル・クーゴー
●WIZ
躯体番号L-95
当機は無重力下に於ける射撃装置運用に高い適性を発揮します
最終撃破目標を目視で捕捉しました
これより、敵性の完全沈黙まで――ワイルドハントを開始します
・ノーチラスに同乗、ノエルのブラスター運用に協力
・ノエルによる管制を主としつつ、己の電脳魔術の演算力もブラスターの射角調整等の補助に提供
・宇宙空間にサーチドローン『マネギ』を射出しておき、そいつからの視覚情報も己の電脳世界に巻き取り(偵察+撮影+情報収集)、ジュエル・ドミネーターへ射線を取る為の一助に
・惑星破壊級ブラスター発射時【仮想悪魔疑似顕現「ザミエル」】で命中精度&威力へブーストを(スナイパー+誘導弾+貫通攻撃+焼却)
クエーサービーストの巨大なる死骸が宙空へと漂っている。肉の塊のようなフリシレアンMOSにもはや生命活動は一切ないが、直前に血抜きように吸い取られて干からびた感じになっているのは、巨大化している液体生物のせいでもある。
猟書家ジュエル・ドミネーター。心臓と同化したはずの制御宝珠を撃ち抜かれて破壊されても、今だ生命活動を続ける生命体は、クエーサービーストを操る制御宝珠とは別の核があるということだろう。
そうでなくてはこれほどの巨体を維持することはできない。瀕死の者がすることのない勢いを維持し、その液体宝石は身体を進化させる。
『纏メテ喰ラッテヤル、猟兵』
暴食の感情を爆発させることで大喰らいのクエーサービースト「ヴァギアスEAT」へと変貌するジュエル・ドミネーター。所々宝石に侵食されているのは、かの擬態の影響だろう。
そしてその変身する姿を確かめてメンカル・プルモーサは一つため息をつく。その存在は脅威なれども、常に冷静であるのは彼女の美点でもある。
「…危険なのはお互い様だよね……そして、存在を喰らう暴食というのもお互い様…」
そのジュエル・ドミネーターに発動するのは能力「尽きる事なき暴食の大火(グラトニー・フレイム)」。如何なる存在も燃料にする白色の炎を宝石浸食したヴァギアスEATの身体に放ち、さらに重奏強化術式【エコー】を重ね掛ける。
その宝石部分を燃料として延焼する暴食の白炎。エコーの威力や効果を強化する術式効果も相まってジュエル・ドミネーターの予想以上の広がりを見せる。
『コレハ……ダガ喰ラエバ問題ナイコト!』
「…やっぱりそうなるよね。喰らい合う、というわけ…」
その白炎すらも喰らい尽くそうとするジュエル・ドミネーター。悪食の遊泳者たるヴァギアスEATの性質も完全に再現するその暴食っぷりは延焼する炎すらもその対象である。
だがそれでもメンカルにとっては想定内。白炎の延焼が拮抗かそれに近い状態になれば、制御宝珠の位置を解析する時間を稼ぐと共に、こちらへと意識を傾けるように誘導できる。
「…制御宝珠、アレかな? なら…」
そうしている内に暴れまわるヴァギアスEATの身体から一際光輝く部分を発見するメンカル。暴食の白炎が暴き出した一部分であるだろうが、明らかに他の宝石浸食とは違う色合いだった。
それが制御宝珠だと本能的に察知したメンカルは術式装填銃【アヌエヌエ】の銃弾を撃ち込む。勿論損傷を与えるのもあるが、籠められた術式はマーカーである。それは遥か彼方にいる探索艦ノーチラスからの狙撃を助ける為でもあった。
そしてジュエル・ドミネーターから距離の離れた場所にノーチラスはいる。その艦に搭載されている惑星破壊級ブラスターはジュエル・ドミネーターの方へと向いている。
「躯体番号L-95。当機は無重力下に於ける射撃装置運用に高い適性を発揮します」
そう言ってノーチラスの観測所にて射手ノエル・ピットを手助けする為に乗り込んだエル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)は独白する。ワイルドハントの王をサポートするべく参戦した戦、彼女にとっても失敗するわけにはいかない。
そしてその瞳はメンカルが撃ち込んだマーカーを捉えている。自らが撃破するべき対象を見定めたエルは高らかに宣言する。
「最終撃破目標を目視で捕捉しました。これより、敵性の完全沈黙まで――ワイルドハントを開始します」
「頼もしいッスね! ではよろしくお願いします!」
そう言ってノエルが惑星破壊級ブラスターの発射口にて待機する。エルの役割はノエルのブラスター運用に協力することだ。
狙撃手により高い精度を求める場合には優れた観測手が必要となる。エルはノエルによる管制を主としつつ、己の電脳魔術の演算力もブラスターの射角調整等の補助に提供することによって、より効果的な必殺のスナイプを完成させようとしている。
「マネギ、お願いします」
さらに宇宙空間にサーチドローン『マネギ』を宇宙空間に排出・展開し、複数の目による観測を行うエル。その視覚情報を己の脳内で算出する電脳世界に巻き取り、最適な射線を構築していく。
その情報は随時ノエルの元へと届けられていく。そしてヴァギアスEATとメンカルの白炎が暴れまわる動作の予測すらも終えて、ついに最適のタイミングが導き出される。その瞬間、ノエルは引き金に力を籠める。
「よし、発射ッス!」
「サポートします。CALL>_“ザミエル”」
ノエルの惑星破壊級ブラスター発射の瞬間、エルの能力「仮想悪魔疑似顕現「ザミエル」(ザミエルシステム・ダッシュ)」を発動し、魔弾作成術を操る悪魔「ザミエル」を召喚する。そしてそのブラスター光線に魔弾の性質を付与し、命中精度&威力へブーストする。
その威力はもはや惑星破壊級というのが大言壮語ではない威力までに昇華する。光輝く一条の光線は暗闇の宇宙を斬り裂き、ヴァギアスEATの制御宝珠を撃ち抜く。
『ガアアアアアアアアアアアアアア!』
エルのザミエルの術式効果を受けた惑星破壊級ブラスターの攻撃を受けたジュエル・ドミネーターが苦痛に大声を上げる。いくら巨躯に成長した個体といえども、小惑星を撃ち抜く目的で開発されたブラスター光線の一撃は弱点である制御宝珠を大いに傷つけた。
そして優勢であったはずの暴食の炎はその隙に一気に延焼を広げ始める。メンカルは苦痛に歪んで動きを止めたヴァギアスEATの宝石浸食した身体を焼き尽くしていく。
「…反応速度が上がったとしても……不意の一撃なら反応はし辛い……そして今が、勝機…」
実際にはそうであった。初めて喰らったであろう激痛の感覚、ジュエル・ドミネーターを叩き潰すには好機であるとメンカルは追撃の手を緩めることはない。
だがジュエル・ドミネーターとてそのことは十分理解している。そして自身の変身を解き、白炎に取り付かれている部分を切り捨てることでその追撃の手から逃れることに成功する。
『コレガ、猟兵。ヤハリ、脅威』
切り捨てた部分はメンカルが燃やし尽くしていくが、残った部分はまだ大量にある。すぐに切り離して戦況を立て直したジュエル・ドミネーターの手腕を褒める他ないだろう。
だが制御宝珠は多大なるダメージを負ったし、エルの補助を受けたブラスターの照準はジュエル・ドミネーターへと向いている。故に追撃の手は緩められることはない。その事実にメンカルは、静かに口を吊り上げるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
才堂・紅葉
「さぁて、これで仕上げね。きっちりと仕上げましょうか」
敵は巨大な流体構造
アルダワゴーグルの【メカニック】で【情報収集、戦闘知識】で分析した結果と、事前の情報を照合する
この様子だと、普通にブラスターをぶちこんでも威力の減衰が大きそうだ
一工夫が要る
「大技行くから、みんな距離を開けてね」
真の姿の【封印を解く】と仁王立ち
飛来する攻撃は重力を纏った両腕での廻し受けで【ジャストディフェンス、受け流し】だ
長時間はきついが、「重力水晶」を召喚出来れば十二分
圧縮した重力力場を詠唱弾に籠め
「ハイペリアの鉄槌」
三度引き金を引いて、重力【属性攻撃】で周囲の流体を【吹き飛ばし】たい
「ノエルさん!!」
仕上げはお任せだ
サオササ・テセル
戦闘段階…目標…猟書家」…危険だと思う心があるのなら戦うという選択しか無かったの?生まれてくる命自体に罪はないはずなのに―
いつも通り戦場の【情報収集】は済ましてある。ノエルさんとの情報共有は。SPD勝負で【スナイパー】2手分以上確保しきっちり決めなきゃ。
子機の【スナイパー】1つを本命にビットの【武器改造】で【貫通攻撃】の弾を本命に装填。ビットは飛び回る場所を制限するように機雷の壁を作り出しておき敵の足を止める。敵攻撃は【見切り】【ロープワーク】【第6感】で把握しながら【継戦能力】【各種攻撃+射撃技能】【早業】【戦闘知識】【弾幕】【メカニック】に子機の十字砲火で他参戦者や皆の戦いをサポートする
フリシレアンMOSの血液を取り込み、クエーサービースト級の質量まで増大したジュエル・ドミネーターは決して油断はしていない。目の前に立ち塞がる敵に対してもその脅威度を下げるようなことは一切しない。
猟兵、侮りがたし。その評価はさきほどの宝石浸食したヴァギアスEATの攻撃を捌いたことでより確固なものとなった。並大抵ならばあの大口の牙に太刀打ちできるものではない。
故に今回は攻撃と防御を兼ね備えたマインドミナBVAに変身するジュエル・ドミネーター。その外殻は容易に撃ち抜けるものではなくなるし、変形すれば殺戮兵器とも化す。
「戦闘段階…目標…猟書家…」
そう言いながら宝石浸食したマインドミナBVAを見据えて戦闘態勢に入るサオササ・テセル。すでにその瞳は冷静に戦場に対する情報分析を終えて、この宙域にて迎撃を行える態勢となっている。
これほどの巨体とは思いもしなかったことでもある。だがそれでもテセルにとっては決して分の悪い状況ではない。
「危険だと思う心があるのなら戦うという選択しか無かったの? 生まれてくる命自体に罪はないはずなのに―」
「やっこさんにも事情があるのでしょ。とはいえ、これで仕上げね。きっちりと仕上げましょうか」
ジュエル・ドミネーターに対する疑問が溢れ出してくるテセルに対して、冷静さを保つように才堂・紅葉は諭す。この相手には簡単な小細工は通用しそうもないので、その表情は真剣だ。
心を落ち着かせてアルダワゴーグルごしにジュエル・ドミネーターに対する情報を集めながら整理する。敵は巨大な流体構造、そして目の前で変形していく姿を分析し、事前の情報を照合していく。
「一工夫が要るわね」
あの様子では惑星破壊級ブラスターの一撃であっても、制御宝珠まで届くかは疑問だ。普通にブラスターをぶちこんでも威力の減衰が大きそうだと判断する紅葉。
それはテセルも同意見で、どうにかして外殻を何とかしなければならないと思う。なればこそ先陣を切るのは自分だと意気込む。
「まずは私が。紅葉さん、機会を逃さずに」
テセルは周囲に展開したビットは飛び回る場所を制限するように機雷の壁を作り出しす。そうすることで敵の足を止める効果もあるが、どの道ジュエル・ドミネーターは足を止めての迎撃に切り替えているようだ。
テセルは能力「クイックドロウ」で牽制射撃を行いつつも、子機のビットに別行動をとらせて足場を飛び回る。殺戮兵器は確かに強力ではあるが、足を止めずに動き回れば対応可能なスピードである。
『ダガ、足場ヲ潰セバドウカ』
そう、ジュエル・ドミネーターが狙うのは足場となっているビットの破壊。これによってテセルの行動範囲を狭めて一気に叩こうとする作戦だ。故に一刻の猶予もない。
牽制射撃用の弾ではない、装甲貫通弾を籠めたスナイプ弾を込めた銃に持ち帰るテセル。撃ち込むのは楔、そこは紅葉が狙うべき場所になり、惑星破壊級ブラスターを構えるノエル・ピットの援護にもなりうる。
「そこ!」
マインドミナBVAの宝石浸食した殺戮兵器を潜り抜け、テセルが早撃ちする弾丸。それは移動配置したスナイパービットが撃つ弾丸と十字砲火となり、外殻に明確なダメージを与える亀裂を生み出す。
その先にあるのは弱点たる制御宝珠。仕事は果たしたと言わんばかりにテセルは繰り出される殺戮兵器から逃げる為にロープワークで飛び移ろうとするが、逃がさないとばかりに追尾するジュエル・ドミネーター。
「大技行くから、テセルさん距離を開けてね」
そしてそこに立ち塞がるは、真の姿の封印を解いた紅葉だ。赤い髪となった姿で殺戮兵器の軌道上に仁王立ちする彼女の闘気は漲っていた。飛来する殺戮兵器は紅葉を押し潰して、テセルも殺さんと迫る。
だがその重力を纏った両腕での廻し受けで、難なく受け流しする紅葉。衝撃もなく受け流すのはジャストタイミングなタッチと、勢いを読む状況判断力、そして殺戮兵器に動じないクソ度胸である。
「コード・ハイペリア承認。迷宮の主の権限確認、外部制御及び出力補助ユニット「重力水晶」接続承認……疑似超重力場展開ランク100」
だが長丁場では凌ぎきることは難しい。故にテセルが攻撃している間に召喚した重力結晶のバックアップを受けて、短期決戦へと挑む紅葉。
詠唱と共に能力「ハイペリアの鉄槌(グラビトンハンマー)」を発動させて、圧縮した重力力場を弾に籠めていく。殺戮兵器が迫っても身体を翻すように受け流し、さきほどテセルの十字砲火を撃ち込んだ場所へと到達する。
「食らいなさい!」
紋章による超重力場を増幅した詠唱弾を至近距離に叩き込む。味方に巻き込まない形での三連射はいかにマインドミナBVAの外殻を模倣したとしても、破壊を逃れることはできない。
ましてやさきほどのテセルの攻撃によって亀裂が入った場所。炸裂する3つの重力場の捻じれによって外殻が歪み、露になる制御宝珠。
「ノエルさん!!」
『はいッス! 行きますよー!』
そして仕上げとばかり放たれるは、惑星破壊級ブラスターの一撃。猟兵の演算支援によって底上げされた破壊光線が再び宝石を粉砕していく。
声を発することのないはずのクエーサービーストが苦痛の悲鳴を上げる。それはジュエル・ドミネーターが擬態した証でもある。追撃の狙撃光線は咄嗟に展開したマインドミナBVAの外殻に阻まれて受け止められるが、それでも強烈な破壊は着実に猟書家の生命を削る。
紅葉もテセルも確信していた。マインドミナBVAの形態を解いておらずに守りを固めるのはそれだけ余裕がないということに。あと多くても2~3発で猟書家が沈むことを確信する。
だがそれでも窮鼠と化せば何をしでかすかわからない。勝負は最後までわからないとばかりに二人もまた油断はしない。勝負の行方は最後の攻撃班の手に委ねられることになる。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
桐嶋・水之江
やっと倒したと思ったらまたクエーサービーストが出てきちゃったわね
流石に次は無いわよね?
マインドミナに変身するのね
こうやって見るのも久々な気がするわね
大丈夫、料理の仕方は覚えてるわ
さて、私直々にイカルガで出撃しましょうか
狙撃の準備が整うまでの時間稼ぎと下拵えをするわ
水之江流機巧抜刀術・壱ノ型…超スピードで飛び回って翻弄、飛んでくる殻をバッサバッサと斬り捨て御免するわ
性質も忠実にコピーしてるなら殻が変異した時に耐久性も落ちているはずよ
身を守る殻が無くなれば狙撃で一撃必殺もしやすくなるでしょう
ミレア・ソリティス
敵猟書家を確認……ミレア・ソリティス、戦闘続行します
引き続き【コード・テンペスト】使用後の戦域への認識阻害ジャミングと『ジャミングミサイル』での妨害を続行しつつ、敵への高機動近接戦を。
機体にマウントした『SS-03ペインレス・セイバー』による斬撃で侵食性ナノマシンを付与し「宝石部への侵食・改変」《毒使い/ハッキング/部位破壊》による機能阻害を狙います
敵攻撃は回避を、回避困難な攻撃のみバリア展開で対応します。
必要ならば私自身を囮としたり、至近距離《リミッター解除/重力属性》『ノヴァ・バスター』によるマイクロブラックホール弾頭で敵を拘束、ブラスター照射の為の隙を作ります
※アドリブ他歓迎です。
星野・祐一
よーしやっと出てきやがったな
大きくなったからってどうにかできると思うなよ!
[SPD]
引き続き惑星破壊級ブラスターの狙撃を担当
巨大惑星ロボに加えてEsのセンサーや演算能力を活用(索敵、情報収集
俺も【第六感】を駆使して演算宝珠の場所を急いで特定するぞ
頭とか胸とかが鉄板だとは思うんだがなんか色々変身するから
何処がそれに相当するのかわからん…ノエルさんはどう思う?
歴戦の感とかでこう…わかんないかなー!
特定できたら【瞬間思考力】で狙いを定め
UCを乗せた一撃で演算宝珠を射抜く(スナイパー、見切り、貫通攻撃
捉えた以上もう逃さないぞ
形を変えようが守りを固めようが構わず撃ち抜くぜ
諦めて往生しやがれ!
アドリブ歓迎
防御に優れるマインドミナBVAの宝石浸食形態を維持し続けるのはジュエル・ドミネーターにとっても猟兵の攻撃が苛烈であったからだ。勿論本命は遠くから飛来する惑星破壊級ブラスターであるが、それを正確に制御宝珠に命中させているのは猟兵の手腕による。
体内の制御宝珠を破壊されれば、この液体宝石を維持することができずに自壊するのは明白。さきほどはフリシレアンMOSの心臓が同化していたからこそ、無事であったに過ぎない。
故にチャンスを伺う。猟兵達を倒し、厄介な惑星破壊級ブラスターを破壊する機会を。それさえ達成できれば、ジュエル・ドミネーターにとって勝利も同然なのだから。
「よーしやっと出てきやがったな。大きくなったからってどうにかできると思うなよ!」
だがこの機会を逃すわけにはいかないと星野・祐一は活き込んでいる。巨大化し要塞化した宝石浸食したマインドミナBVAとなってもその気勢は怯むことはなく、逆に燃え上がるほどであった。
惑星破壊級ブラスターの威力はジュエル・ドミネーターを仕留めるには十分な威力を果たしている。ならば祐一がやるべきことはそれを使って狙撃を敢行するのみであると、ノーチラスで砲座に座っている。
「色々変身するから、何処がそれに相当するのかわからん…ノエルさんはどう思う?」
「そうッスねー。二回成功した手ごたえとしては移動している感じッス」
戦闘支援ユニット「Eins(アインス)」のセンサーや演算能力を活用して制御宝珠の場所の特定を急ぐ祐一。凄腕ブラスターガンナーのノエル・ピットの協力も得て、狙撃ポイントを定めようとするがさすがに敵も容易に特定はさせてくれない。
祐一も自身の感覚を駆使して探ってはいるが、如何せん身体を変形させることができる液体宝石生命体であるジュエル・ドミネーター。無駄撃ちをすれば逃げる隙を与えかねないので焦る気持ちを抑えて慎重に探る。
「歴戦の感とかでこう…わかんないかなー!」
「ここは、現場のお二人にお任せッスねー」
そう言ってマインドミナBVAを捉えつつも、狙撃の目を離すことはない祐一。ノエルの期待を込めて戦場にいる猟兵に期待を託す。制御宝珠を露にしてくれるタイミングは絶対に逃すまいと、全神経を集中させる。
「やっと倒したと思ったらまたクエーサービーストが出てきちゃったわね。流石に次は無いわよね?」
そう言ってマインドミナBVAに変身し続けているジュエル・ドミネーターに嘆息する桐嶋・水之江。研究対象としては興味深いものを感じるが、まずは仕留めなければその研究意欲を叶えることはできないだろう。
何より死体が残らないオブリビオンとは違い、死骸となったフリシレアンMOSからは素材が取れる。よりサンプルが確保できるとなれば、マッドサイエンティストである水之江のテンションも上がるというものだ。
「マインドミナに変身するのね。こうやって見るのも久々な気がするわね」
巨大惑星ロボの素材確保の為に討伐に赴いた日々を思い起こす水之江。その日々があったからこそ、ジュエル・ドミネーターが変身したマインドミナBVAを見ても怯むことはないと言えるだろう。
宝石浸食した姿ははっきりとかの個体とは違うと認識していても、攻撃方法は同じだ。つまり対処方法というのもそのまま応用できると確信する。
「大丈夫、料理の仕方は覚えてるわ」
そして今まで強襲揚陸艦ワダツミにて艦隊戦の指揮を執っていた水之江であるが、今度は空中戦能力に優れた高機動キャバリア「イカルガ」に搭乗して宙空へと飛び立つ。狙いは勿論、狙撃の準備が整うまでの時間稼ぎと下拵えだ。
その高速性に優れる空中機動にてジュエル・ドミネーターが繰り出してくる殺戮兵器を避け続けるイカルガ。水之江は敵を殺すのに最適な形に変形してくる外殻にも対応して、その攻撃を機敏に対応していく。
「甘い、すぱーんすぱーんよ」
そうして能力「水之江流機巧抜刀術・壱ノ型(ミズノエバットウジュツ・イチノカタ)」を発動させ、飛んでくる殻をバッサバッサと斬り捨て御免していくイカルガ。水之江が組んだプログラムによる神速の連続斬りが炸裂し、次々と斬り落としていく姿は圧巻だ。
それに加えて超スピードで飛び回って翻弄してくるのだからたまらない。ジュエル・ドミネーターも水之江を撃墜しようと外殻を殺戮兵器に変えて襲い掛からせてくるが、それこそが彼女の狙いであった。
「性質も忠実にコピーしてるなら殻が変異した時に耐久性も落ちているはずよ」
そう、ジュエル・ドミネーターは一刻も早く水之江を倒そうとして攻撃に意識が偏り過ぎていたのだった。水之江が本体を攻撃しようとしなかったのも功を奏したのか、次々と外殻を繰り出して自身の守りが薄くなっているのに気づけない。
身を守る殻が薄くなり、ノーチラスで狙撃の機を伺う祐一とノエルの感知センサーが制御宝珠を特定させるのには十分であった。そして薄くなった守りを一気に貫けるほど、惑星破壊級ブラスターの威力は高められているのだ。」
「この一撃雷で終わりにしようぜ…!」
そして瞬間思考力を最大に高めた祐一の惑星破壊級ブラスターの一撃が発射される。己の能力「冬雷(トウライ)」による超高出力の照射ビームエネルギーを流し込んで威力を高めて、一気に開放して制御宝珠を撃ち抜く。
その位置は狙いすましただけにドンピシャで、砕かれた宝石が宙へとばら撒かれる。だが一撃で仕留めるはずの祐一の一射はまだジュエル・ドミネーターを倒し切れていなかった。
『オノレ……ココマデ、カ』
僅かに纏わせていたマインドミナBVAの外殻が制御宝珠を守り切ったのだろう。辛うじて完全崩壊を逃れたジュエル・ドミネーターは逃げの一手を放つ。身体をマインドミナBVAからキエリビウムJOXに変えて宙空へ飛び立ったのだ。
もはや猟兵を倒すことは叶わない。ならば最後に散々破壊してくれたノーチラスの惑星破壊級ブラスターを破壊してくれんと決死の突撃を敢行してくる。高速回転しながら、物質分解波動の連射してくる速度の上がった小さな尖兵に、さすがの水之江のイカルガも退避するの手一杯だ。
「敵猟書家を確認……ミレア・ソリティス、戦闘続行します」
だがノーチラスへの軌道の最終防衛ラインとして立ち塞がるのはミレア・ソリティスだ。引き続き能力「コード・テンペスト」によるサブユニットと合体した戦闘機形態を維持している。
すでに敵の攻撃を看破しての戦域への認識阻害ジャミングを展開し、さらにジャミングミサイルを放つことで攻撃妨害を継続。徹底的に遅滞戦闘を繰り広げる意気込みで、自身もまた高機動近接戦に挑む。
『邪魔ヲスルカ。ナラバ排除スルノミ!』
広範囲に威力強化した物質分解光線が頭部の水晶体から放たれる。連射される物質分解波動もまた喰らえばミレアであっても一たまりもないだろうが、それをさせない機敏な動きを発揮するのがテンペストモードの彼女だ。
認識阻害ジャミングも併用して敵の攻撃を凌ぎ続け、機体にマウントした『SS-03ペインレス・セイバー』による斬撃を叩き込む。そこから入り込んだ侵食性ナノマシンを侵入させ、頭部宝石への侵食・改変を行っていく。
「この手のジャミングは得手です」
『小癪ナ……』
これで頭部機能障害を狙えれば御の字であったが、ジュエル・ドミネーターの自浄能力で駆逐されていく。それでも攻撃の囮になるには十分な働きであり、敵の動きを鈍らせる仕事をミレアは果たしていた。
直撃すると致命傷となる物質破壊光線を回避し、物質分解波動をバリアで緩和しながら懐へと入り込む。そして撃ち込むは、対要塞・大型目標用の大型ランチャー『ノヴァ・バスター』の至近距離射撃だ。
『グッ……!』
撃ち込まれた弾頭はマイクロブラックホール弾で、炸裂すればさすがの巨体であっても足を止めざるを得なくなる。強烈な触手がミレアを撃ち落とそうとするも何とか回避して、危険領域を抜ける。
そう、すでにミレアは仕事を果たしていた。ブラスター照射の為の隙を作り、祐一が構えた惑星破壊級ブラスターの銃口は制御宝珠を捉える。
「捉えた以上もう逃さないぞ。諦めて往生しやがれ!」
ほかの猟兵のバックアップも重ね掛け、自身の冬雷の能力も加えたブラスターの一射。水之江やミレアが食い止めた働きに応えるべく、猟兵達の死力を尽くしてダメージを与えた制御宝珠への必殺の一撃は放たれる。
形を変えようが守りを固めようが構わず撃ち抜く惑星破壊級ブラスターの光線。頭部の水晶体を貫き、その中にある制御宝珠を貫き、その破壊の光は貫通して後ろの宇宙にまで飛んでいく。
『馬鹿、ナ……コンナ……我……ガ……』
制御宝珠は完全に貫通され、亀裂は全体へと行きわたる。そして次の瞬間、粉々に砕かれた時にジュエル・ドミネーターの生命は終わりを迎えた。キエリビウムJOXの宝石浸食した姿は元の液体へと返り、形を維持できなくなったその姿は元のフリシレアンMOSの血液に戻っていく。
そして制御宝珠を失ったジュエル・ドミネーターは暗い宇宙の空の中で霧散していく。最後は無念と言わんばかりの瞳の色を宿し、仮面がひび割れて消失していった。
「やったッス! 惑星破壊級ブラスターの実験も大成功ッスよ!」
「ああ、よかった。それに猟兵達は相変わらず凄まじいな」
祐一の銃座を譲って勝利を見届けたノエル・ピットは、歓喜に包まれている。さらに惑星破壊級ブラスターがクエーサービーストにも大いに有効だと証明出来てご満悦だ。これで惑星ロボの兵器開発も進んでいくだろうと展望は明るくなる。
そしてノーチラス艦長のルチル・エーゲストは猟兵達に多大なる感謝を送る。いつも助けて貰うのは心苦しくもあるが、頼もしくもある。これで未踏宙域の帝国継承軍の干渉も弱まることにもほっと一息つけたことも要因だろう。
こうしてドクトル・アメジストが生み出した幹部ジュエル・ドミネーターの侵攻の一手は猟兵達の活躍によって止められた。だがまだ戦いは始まったばかりだ。これからもクエーサービーストの戦いは続き、帝国継承軍との激戦は続くであろう。
だがルチルは思う。決して我々は負けないであろうと。猟兵達と共にあれば、決して勝利するという確信を胸に、未踏宙域の空を眺めていた。
大成功
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