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夜で、墓場ときたら……巨大アスレチック?

#カクリヨファンタズム #幽世蝶

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#カクリヨファンタズム
#幽世蝶


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●幽世蝶と大運動会
「同志諸君! キミ達の活躍によって『カクリヨの滅亡』は何度も何度も救われた。その影響か“ごく稀に”ではあるけど、事前に『世界の崩壊するしるし』を感じとれるようになったよ」
 オーレン・ルベライト(銀河系美少年・f15476)は仰々しく腕を広げたのち、立体映像でその“しるし”を表示する。
「この幽世蝶(かくりよちょう)の群生がその前兆でね。不思議な霊力を放つこの蝶々が、グリモア猟兵の予知よりも早く、世界の綻びを感じとるようになったんだよ」
 今回はその幽世蝶を追って、カタストロフを事前に阻止することが作戦目標となる。

 ……ただし、このピンクい少年が伝える仕事である。
 一筋縄であるはずもなく。
「そういう訳で同志諸君、夜の墓地で行われる運動会に参加してもらえるかい?」
 今の流れからのこれである――!

 いやなにオーレンもふざけている訳ではない。ホントに。
「今回の幽世蝶は墓地に向かっているのだけど、その墓地が運動会の真っ最中でね! 墓石を妖力でアスレチックに組み替えてて、さらに骸魂(むくろだま)の憑いた妖怪オブリビオンは参加者に紛れているのさ――“運動のない世界”を作るためにね!」
 それってただ『ぐーたらしたい』だけでは……?
 だが、猟兵も参加者になれば怪しまれずに近づきやすい。
 一般妖怪ならば、“妖怪の姿が見える猟兵”の存在はありがたーいのだ!
 スタッフとしてでも、選手としてでも、一緒にやってくれるなら妖怪達も大歓迎である。

「幽世蝶を追いつつアスレチックを突破すれば、妖怪オブリビオンの周りを飛び交う幽世蝶をすぐに見つけられるって寸法だね。相手も気付いていないだろうから、運動会を楽しんでる風を装いつつ、さりげなーく墓地の外へ引き離してね」
 運動会を楽しんでいる妖怪も“問題発生”となれば即刻中止せざるをえない。
 配慮、配慮と肩身の狭いご時世だが、イベントを純粋に楽しみたい者達の意向に添ってあげたいところ。
「妖怪オブリビオンも一度倒して骸魂を祓えたら元通り! そのまま墓地に戻してあげて大丈夫だよ……かなーり体力勝負になると思うから、僕みたいな頭脳派は無理のない範囲で頼むよ!」
 頭脳派かは知らんけども。
 とにもかくにも……運動会を盛り上げる、骸魂を除霊する。
 両方やらなくっちゃあならないってのが、猟兵のつらいところである。


木乃
 木乃です。カクリヨファンタズムにて大運動会ですよ!
 フォール゚○イズ感覚でお送りします。

『第一章:冒険』
 参加する妖怪オブリビオンを追って幽世蝶はアスレチックに入りこみます。
 飛び石状のステップ。スライドする水平状のハシゴ。
 そしてゴール前には、巨大墓石を縄登り!
 開催されている競技はかなり肉体派寄りな模様。
(妖怪達もそれぞれ特性を活用しているので、ユーベルコードを使ってもOKです)
 大胆かつアクロバティックに突破したり、救護スタッフとして脱落者のサポートしちゃいましょう!

 なお主宰の妖怪からとってMAYUGE(麻桶毛)という種目です。
 SA○UKEじゃありません。違いますって。

『第二章:日常』
 幽世蝶はオブリビオン化した妖怪の近くを飛んでいます。
 周りの妖怪と一緒に日常シーンを楽しみつつ、
 さりげなーく、さりげなーく墓地から離してください。さりげなーく。

『第三章:ボス戦』
 引き離したことに気付いた妖怪オブリビオンと対決!
 倒せば骸魂が離れていき、取り憑かれた妖怪を救出できます。
 祓い終わった後は会場に戻してあげると嬉しいです。

 プレイング受付開始は『12月4日(金) 朝8:30~』です。
 それでは皆様のご参加をお待ちしています!
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第1章 冒険 『迷宮アスレチック』

POW   :    パワーで壁を乗り越えろ!

SPD   :    テクニックでロープを渡っていけ!

WIZ   :    落ち着いて足場を跳んでいけ!

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●MAYUGE
 静穏なはずの夜の墓地は、妖怪達が一大イベントで大賑わい!
 墓石・墓標に、卒塔婆・墓碑・仏塔。
 会場となる墓地にあるモノ全てを使った、巨大アスレチックが堂々たる威容で参加者を見下ろす。
 ――“我、越えられし者は疾く挑まれよ”と!
 競技に参加する者だけでなく、祭りじみたイベントに見物客から美味しい気配ただよう出店通り。
 救護用テントまで揃っている辺り、かなり本格的に準備されていた。

 競技説明は以下の通り。
 ひとつ、持ちうるチカラは己の一部とする。存分に活用されたし。
 ふたつ、競技は参加者一斉に行う。スポーツマンシップに則り、正々堂々と挑まれたし。
 みっつ、終了後は互いの健闘を讃え、気持ちのよい幕引きを目指されたし。
 ……ということだ。

 世界崩壊の兆しである、幽世蝶の群生が墓地に入り始めたとき。
「いちについてー、よぉーい……ドン!」
 空に向けられた空砲が競技開始を告げる――!

 補足:マスターコメントにある『飛び石状のステップ/スライドする水平状のハシゴ/ゴール前の巨大墓石を縄登り』以外もプレイングに入れていただいてOKです。
 回転する棒がジャマしてくるゾーンとか、足場が崩れては戻るエリアなどなど……ご自由にエンジョイしてください!
叢雲・凪
【キツネさんチーム】

SPD

「どうもはじめまして ジンライ・フォックスです」
(他の参加者の人たちに向けて奥ゆかしいアイサツ! ニンジャはスポーツマンシップにも通じるのだ)

ダッシュ+ジャンプ+グラップルを用いたニンジャアクロバットムーブで軽やかに駆け抜けていこう!

「ふふふ どうやら誰もボクに追いつけないようだね!」(脇見しつつ)

(そして前方に迫る 【首都圏の地下鉄めいた密度で密集する『スモトリ』ゾーン!。ドッソイ! ドッソイ!と言いながらツッパリ稽古するスモトリに全速力でぶつかり盛大に吹き飛ばされる! この間レース開始から1分!)

「バカナー‐‐‐!!! サヨナラ!!!」(奈落に真っ逆さま)


フォーネリアス・スカーレット
【キツネさんチーム】
 修業時代を思い出すな。鍛錬は大事だ。UCにも道具にも頼らん、あくまで基礎訓練だ。即ち、足場渡りを軽やかに跳び、揺れる足場は左右にボーを大きく振ってバランスを取って渡り、そり立つ壁は走って跳躍し登る。
「スゥー、ハァー」
 呼吸を乱さず、平常心を保つ。呼吸は力だ、酸素を多く取り込み体細胞を活性化させる。スパイダーウォーク、バランスタンク、ボディプロップ、クリフハンガー……全て基礎訓練だ。出来て当然のレベルだ。だが油断はしない。実戦では一度の失敗で終わる。故に、訓練で失敗すれば死ぬつもりでやる。最後の綱登りをクリアして訓練終了だ。
 ……何、競技? 知らん、興味も無い。


家綿・衣更着
SPD
【キツネさんチーム】

仲間達にカクリヨを案内と思ったらこんな催しが!…幽世蝶の動き不思議っすね

出店楽しみつつ選手としてアスレチックに参加
「どーも、狸妖怪の衣更着っす。おいら達も参加させてっす!」
やな顔した妖怪…骸魂付きがいないかさりげなくチェックっす

平坦部は【ダッシュ】で移動し、他の参加者やギミックの動きを【見切り】つつ、【化術】を駆使してアトラクション突破を目指すっす
登攀や持ち上げなどはサルやゴリラになったり、ジャンプするときは巨大兎になったり。有利な姿で進むっす
一方で幽世蝶の動きに注意し追跡対象を確認。注意しすぎて回転卒塔婆に飛ばされたりも

とてもいい汗かいたっすね!さて、次は本業っす


木霊・ウタ
キツネさんチーム

心情
世界の滅びを防げるのってのはラッキーだ

骸魂を海へ還して
憑かれてる妖怪を解放してやろうぜ

正体はゴールしたら判るみたいだけど
運動嫌いな奴が運動会に参加してるのは
ちょいと気になる

行動
蝶近くの集団で行動
蝶も綺麗だし

蝶の動きから
大体どいつがオブリビオンか
きっと判りそうだ

必要なら時々そいつに手を貸してやりつつ
(落ちそうなのを支えるとか
共にゴールを目指すぜ

ちょいとしんどいけど
体を動かすのも楽しい
って思ってもらえたら嬉しいぜ
まあダメ元で

そんなのもあって
できるだけUC使わず肉体で挑む
助けるって時には爆炎跳躍とか

何にしても
夜に蝶を追い墓場でアスレチックってシチュエーションを
目一杯楽しむぜ(ぐっ


九十九・静香
【キツネさんチーム】

まあ、なんて鍛えながら進めそうな所なのでしょう
ふふ、筋肉が鳴るというものですわね♪

筋肉令嬢姿に変身しアスレチックに参加しましょう
重い物を持ち上げたりするところは積極的に前に出て◆怪力を振るい障害物等を持ち上げます
「ふう、いけないいけない。いい重みでついスクワットをしたくなりますが我慢致しましょう」

身軽さが必要な所では筋肉は不利……にも見えますが、筋肉はそれすら覆します!
UCで脚力重点強化形態に全身の筋肉を変化させる事で純粋な走力をアップ更に空中の空気を蹴り空を舞う事でジャンプ系の障害もクリア致します

終った後はマッスルポーズを決めます
「良きトレーニングになりました♪」



 ――挨拶。
 それは古くより作法として伝えられ続けてきた“仁義”
 故に、相手が誰であろうと欠かすことがあってはならない。
「どうもはじめまして。ジンライ・フォックスです」
 叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス】・f27072)の奥ゆかしきアイサツ!
 ジェントルにして真摯な態度の凪に、受付の砂かけバb――ではなく、お姉様もリスペクトのスマイルを返す。
 此度は【キツネさんチーム】にてエントリー!(ダブルミーニング)
 家綿・衣更着(綿狸忍者・f28451)はお姉様に元気よく声をかける。
「どーも、狸妖怪の衣更着っす。おいら達も参加させてっす!」
「もちろんオッケー! 飛び入り参加も、猟兵サンもウェルカムよぉ♪」
 砂かけお姉様にスタート地点を教えてもらい、衣更着達は墓地内を歩きだす。

 その道中、衣更着はこっそり視線を巡らせた。
「カクリヨを案内しようと思ったらこんな催しがあるとは! ……こうも混んでると視界が悪いっすね、やな顔した妖怪も見つけにくいっす」
 一般妖怪にとって猟兵の存在は嬉しいものだが、妖怪オブリビオンは違うハズ。
 だが、衣更着とは別に疑問を感じたのが木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)。
「なあ、運動嫌いなヤツが運動会に参加してるって、なんか矛盾してねえか?」
「目的は“運動のない世界”ですものね」
 ホウ、と息を吐く儚げな美少女――九十九・静香(怪奇!筋肉令嬢・f22751)は小さく首を傾げ。
 何故? 疑問符が浮かぶ中、一歩後ろを歩く全身甲冑から「そういうことか」と呟きが聞こえた。
 なにかを察したフォーネリアス・スカーレット(復讐の殺戮者・f03411)に静香達の視線が集まる。
「グリモア猟兵は“競技に出ている”とは言っていない。裏方とて運動会の運営に“参加”しているし、広義に解釈すれば、盛り上げ役の出店や見物客すら“参加中”と言えるだろう」
「じゃあ、この中にいる以外は解ってないっすか!?」
「だからこそ幽世蝶を追うんですね」
 凪の導き出した結論にフォーネリアスは頷き返す。
 漠然とうろついていれば怪しく感じるだろうが、もし『違う目的』での来訪だとわかれば警戒心も薄くなる。
 ……敵に“自分が目的ではない”と思わせるのだ。
「ふふ、でしたら状況を楽しみませんとね♪」
「よーし、目一杯楽しもうぜっ!」
 そびえ立つ墓石の障害物群を前に静香もウタも昂揚を抑えきれずにいた。
 ――それから数分して、

 巨大アスレチック競技《MA・YU・GE》
      開 ・ 幕 ッ!!

 空砲の合図と同時に凪、もといジンライ・フォックス=サンはロケットスタート!
 両脚を黒雷に変え、ダイナミックなニンジャ・アクロバット・ムーヴにて飛び石! スライダー! 鉄骨渡りを華麗にクリアー!
「アイエエエエエエエエエ!? スゴイ=ハヤイ!!」
 驚嘆するのっぺらぼうの悲鳴を聞き流しつつ、ウタは幽世蝶の動きを逐一確認する。
(「見るたびに色が変わってる、翅がオーロラみたいに見えるのも霊力の影響か?」)
 懸命に羽ばたく様子は“なにか”を探しているようで――幽世蝶はくるくると空中で円を描いていた。
「よそ見してると落ちるっすよ、ウタさん」
 同様に幽世蝶の動きに注意を払う衣更着は、得意の化術で場面ごとに姿を変えていく。
 吊るしロープにはゴリラに。崩落するエリアでは巨大ウサギに。
「へへっ、これくらい楽勝っすべゃあ!?」
 余裕綽々の衣更着は幽世蝶の位置を再確認した直後、クリーンヒットした回転卒塔婆によって後方へ吹っ飛ばされる。
 蝶の動きを気にしながら動くウタ&衣更着と、先頭を走る凪=サンの距離は大きく開いていた。
「ふふふ、どうやら誰もボクに追いつけないようだね!」
 しかし脇見は命取り。
 前方には都市部の地下鉄めいた密集度で待ち構える《スモトリ=サンズ》の姿!
『ドッソイ! ドッソイ!』
 ヨコヅナ級のハリテ=ムーヴの前に凪は全速力で飛び出し、ナムサン!
 ――鮮やかに吹っ飛ばされたァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!
「バカナーーーーーーーーーーーー!!! サヨナラ!!!!」
「凪ィィィィィィィィィィ!?」「凪さーーーーーーーーん!!」
 レース開始からジャスト一分……ジンライ・フォックス=サン、リスタート。
 安全確認は大切。古事記に書いてなくても気をつけようね☆

 夜空を駆る一条の流星と化した凪を見送り、フォーネリアスと静香は着実に進む。
(「鍛錬は大事だ。ユーベルコードにも道具にも頼らん、基礎訓練こそもっとも地力に直結する」)
「……スゥー、ハァー」
 フォーネリアスの脳裏をよぎるは修業時代。
 半球状の足場を軽やかに飛び越え、転がる仏塔を越えるゾーンではバランスをとりつつ素早く渡る。
 呼吸を乱さず、平常心を保つ――どのような戦局においても、平素と変わらぬ挙動を維持することが重要だ。
 そして、前方に分厚いシャッターと化した墓碑が数枚、直列に立ちはだかる。
「まあ、なんて鍛えながら進めそうな所なのでしょう」
 楚々と笑みを浮かべる静香は筋肉の鎧を纏っていた。
 可憐な少女のヴェールをしまい、筋肉と共に障害をはねのけていく姿はまさに“筋肉令嬢”。まさにマッシヴ・プリンセス!
「ふふ、筋肉が鳴るというものですわね♪」
 妖力で多少なり調整されていようが、石塊を持ち上げることは容易ではな。
 い……だが、静香にとっては好都合。
 両腕にかかる重みを堪能しながら、スルリと頭上へ押し上げてみせた。
「ふう、いけないいけない。いい重みでついスクワットをしたくなりますが我慢致しましょう」
「やるな静香。だが、猟兵ならば出来て当然のレベル……だからこそ私も油断はしない」
 実戦において“次”などないのだ――!
 競技そっちのけのフォーネリアスだが、切磋琢磨できる相手はいい刺激となった。
 壁に両手足をつけて足場なき通路を進み、墓石が跳ね上げるジャンプトラップにさしかかる。
「身軽さが必要な所では筋肉は不利……にも見えますが、筋肉はそれすら覆します!」
 “筋肉は全てを解決する”――《怪奇!超脚力空中疾走》で脚力を重点強化した静香はスーパーヘヴィーな肉体で宙を舞う!
 軽快に飛び越えた静香の笑みは、変わらず清楚なものだった。

 不安定な足場を突破し、ついに最終関門へ到達する。
「ちょいとしんどいけど、思いっきり身体を動かすのも楽しいなぁ!」
「ええ、ええ……ボクの体術をもってしても、なかなかのハードワークです……」
「凪さんだけ1.5倍こなしたようなモンっすからね……とにかくこれで最後っす」
 いざ尋常に――勝負!
 高層建築と化した墓石に下りるロープを伝って、キツネさんチームは一斉に登攀を開始。
 疲れきった肉体はどの墓標よりも重くのしかりり、どんな障害物よりも過酷な試練を与える!
(「呼吸は力だ。酸素を多く取りこみ、体細胞を活性化させろ……失敗すれば待ち受けるのは“死”のみ」)
 黙々と縄をたぐり寄せ、上へと進むフォーネリアスの眼が頂上を鋭くねめつける。
 疲労困憊したときこそ、普段通りの動きをこなせなければならない!
 一秒でも長く、地獄を耐え抜いたヤツだけが!
               戦場を制することができるのだ――ッッ!!

 最後のアスレチックを越えて頂上に到達すると、スタッフ妖怪達から称賛と共にドリンクとタオルの差し入れが手渡された。
「良きトレーニングになりました♪」
 溢れる随喜を伝えようと、見事なサイドチェストを決めて静香はにっこり。
 フォーネリアスも本番前の“ウォーミングアップ”として満足のいく内容だっただろう。
 ふかふかのタオルで汗を拭いつつ、衣更着は極上の達成感を噛みしめた。
「とてもいい汗かいたっすね! ……さて、次は本業っす」
「幽世蝶はあそこにいるぜ」
 高所に位置するゴールから見下ろし、ウタの指差した先にはオーロラ色の幽世蝶が集まりつつあった。
「……では、参りましょうか」
 凪たちキツネさんチーム、一服ののちに次なる行動へ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

キッテン・ニコラウス
ヨウ(f03063)とイツキ(f13816)と

そういえば一瞬だけやったことあるわF○llGuys
トンパに3回連続落とされてブチギレてコントローラーぶん投げたけど
現実に身体を動かすなら得意中の得意よ!

ってわけで早速飛び石いっちゃいましょう!!
ふふふ、こんなレベルなら簡単簡単
ほーらこんな風に宙返りしたりバク転したり空中3回転捻りしながらいけちゃうわー!!
(ミニスカなのでエグい紐パンがあらわになる)

うわー、流石ねイツキ、私じゃ絶対引っかからない……
じゃあ私お尻の方押すから、ヨウは向こうから引っ張って
押すわよイツキ!大っきなお尻を!胸ぐらい大きいお尻!!

なにへばってるのヨウ、さあキリキリ進みなさい!!


美墨・ヨウ
キッテン(f02704)、イツキ(f13816)と

賑やかだな観客多っ
そのまま「夜は墓場で運動会」みてぇなノリなのな……??

まぁ兎も角アレだ
オメェらはしゃぐのは適度に……

言ってるソバから動きに自重がねぇんだがキッテン!!!?
やめろ馬鹿動き過ぎだ見えるわ阿呆!!!!
(※観客にお見せしてはいけない所を割り入って盾でかばい隠す)

イツキもお前なんでそんな所ハマってんの!!?
キッテンもそんな尻尻連呼すんなや!!(引っ張りだす)(なお目は明後日の方)(見辛い)

や やべぇこいつらフリーダム過ぎる……キッテン庇ってイツキ助けて……やる事が……やる事が多い……!!!

煩ぇよ人の気も知らねぇで!!!!!!


寒島・乙月
ヨウくん(f03063)とキッテンちゃん(f02704)と

ふふん、墓場で大運動会だね!
アスレチックなんのその、こう見えて運動は大の得意!
体力勝負は自信あり、二人にも負けないよ!
んん?
うわキッテンちゃん、その下着はちょっ……とまずい奴じゃ……

き、気を取り直して、飛び石も軽やかに、ハシゴだってバランス感覚抜群!
おっと私天才、ハシゴをくぐることでショートカットできるルートを発見したよ!
向かうところ敵なしって感じだね、これならゴールまでらくしょ……

……

うーん、そっかぁ
まさかハシゴに……胸が……ひっかかるとはね

いや大きくない! そんなお尻おおきくないもん!!
いたっ、いたたた
ちょ、や、優しくして……っ!!



「そういえば一瞬だけやったことあるわ、Fa「それ以上はやめろ!!」
 キッテン・ニコラウス(天上天下唯我独尊・f02704)の言葉を美墨・ヨウ(射干玉・f03063)は即座に遮る。
 ヨウは本能的に危険な香りを察知したのだ。
 というか、書いてる人が更なるチキンレースに挑むことになる。
 不思議そうにキッテンは顔をしかめるが、深くは気にせず。
「あれでトンパに3回連続落とされてブチギレてコントローラーぶん投げたけど、現実で身体を動かすなら得意中の得意よ!」
「あ、キッテンちゃんも? 私もこう見えて運動は大の得意よ、体力勝負には自信ありなんだから!」
 クールな風貌に反して寒島・乙月(乙夜に瞬く金色の・f13816)も溌剌と話に加わる。
 “墓場で大運動会”……どこかで聞いたようなシチュエーションも乙月をワクワクさせた。
 大はしゃぎのキッテンと乙月に、ヨウは本日何度目かの溜め息をこぼす。
「ハァァ……観客多いしめちゃくちゃ賑やかだし、そのまま『夜は墓場でなんとやら』ってぇノリなのな??」
 とにかくスタート地点に行かねば話は始まらない。
 ハメを外し過ぎなければ良いのだが……そう願うヨウの想いは天に届くだろうか。

 両手に花も恥じらう麗し乙女――という誰もが羨むポジションにいるハズなのに、ヨウの表情は曇ったまま。
 ヨウが不安を拭いきるよりも早く、スタートの合図が鳴らされる。
 第一関門は川面に浮かぶ墓石群、序盤とあって難易度はそれほど高くない。
「オメェら、はしゃぐのは適度に――」
「ふふふ、こんなレベルなら簡単簡単♪」
 余裕の笑みを浮かべるキッテンは軽々と越える……だけでなく、
「ほーらこんな風にだって! そーれっと!」
 宙返り・バク転・空中3回転捻り!!
 ダイナミックなパフォーマンスも交えてトばしていく。
 ……問題はミニスカートからどぎつい紐のアレが露わなことだが!
 うっかり目撃した妖怪たちは驚いて次々と足を滑らせる……合掌。
「うわキッテンちゃん、その下着はちょっ……と、まずい奴じゃ……」
「あーあーあー!! 言ってるソバから動きに自重がねぇんだがキッテン!!!?」
 困惑する乙月をよそに、スタートして数秒と経たず脂汗まみれのヨウがキッテンの元へ。
「やめろ馬鹿動き過ぎだ見えるわ阿呆!!!! ちっちぇガキだっているんだからな解ってんのか!?」
 必死にシールドで規制をかけるヨウの努力が実に涙ぐましい。
 そうだね、幼少期の体験が将来の性癖に影響することだってあるんだ……!
 序盤のエリアを越えただけだというのに、ヨウは既にヘトヘトになっていた。
 主にメンタル面が。

 必死に隠し続けるヨウと、気にせず大胆な動きを魅せるキッテン。
 二人のデッドヒート(?)を見守る乙月も、アスレチックを軽やかに突破していく。
 そして次なるステージは腕力が物を言う“モンキーバー”
 いわゆる雲梯(うんてい)、雲はしごと呼ばれるもの。
「き、気を取り直して……いくぞ!」
 乙月は大きく跳ねてバー代わりの卒塔婆を掴むと、勢いを落とさずに手早く前へ。
 絶妙なバランス感覚で前進していく乙月であるが、移動するたび『たゆん、たゆん』と上下する胸が反動をつけて腕と肩に負荷をかける。
(「こ、これは少しマズいかも……ん?」)
 残り数本まで来て、ふと乙月は顔を上げると二つ先のコースが視界に入った。
「おっと私天才、ここから飛んでいけばショートカットできるんじゃ?」
 隙間をくぐり、バーを足場にして、その場からフラーイ!
 ……よし、イメージトレーニング完了。
 向かうところ敵なし、自信満々の乙月は懸垂するようにバーの隙間へ身体をねじ込む――しかし、お天道様は許さなかった。

「…………」

 身体をねじ込むまではよかった。
 よかったんだよ、ホントに? ホントだよ?
 こんなことになるとは思わなかっただけでね? ね??

「まさかここで……胸が……ひっかかるとは、ね……!」
 外枠を押して戻ろうにも戻れず、抜けようとしても詰まって抜けられず。
 公開羞恥プレイに自らハマる乙月の元へ、キッテンとヨウもようやく追いついた。
「イツキお前なんでそんな所ハマってんの!!?」
「うわー、流石ねイツキ、私じゃ絶対引っかからない……」
 今度はキッテンが困惑する側になり、乙月は恥ずかしさをごまかすようにジタバタする。
 うんとすんとも行かない様子をみたキッテンは、
「じゃあ私、お尻の方押すから、ヨウは向こうから引っ張って」
 痛む頭を抑えていたヨウに救出を提案。
さすがにヨウは引っかかるハズがなく、反対側へ難なく移る。
「押すわよイツキ!大っきなお尻を!胸ぐらい 大きい お尻!!」
「いや大きくない! そんなお尻大きくないもん!!」
「どっちもうるせぇな!? 尻尻連呼すんなや!!?」
 そう言いつつ明後日の方向に目を向けるヨウの心労、いかばかりか……。
「いたっ、いたたた……ちょ、や、優しくして……っ!!」
 ※救助活動してるだけです。
 色々と誤解を招きそうな音声だがやましいところはありません。一切ありません!
 一秒でも早く終わらせたいヨウと、お尻側から押し続けるキッテンはなんとか乙月を脱出させた。

 次のインターバルゾーンまで進むも、ヨウはガクリと膝をついて荒い息を吐く。
「や、やべぇ……こいつらフリーダム過ぎる……キッテン庇ってイツキ助けて……やる事が……やる事が多い……!!!」
 なんで体力じゃなくて気力を消費しまくってんの?
 肉体派向けだって言ってたよな? そろそろ胃に穴あくぞ??
「なにへばってるのヨウ、さあキリキリ進みなさい!!」
「煩ぇよ人の気も知らねぇで!!!!!!」
 天への願いは儚く砕け散った……乙月を引っ張るキッテンに急かされ、ヨウはヤケクソ気味に突撃していく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 日常 『ナイト・グレイヴヤード・大運動会!』

POW   :    綱引き・棒倒しなどパワー系競技に参加orお弁当販売のテントでお手伝い

SPD   :    障害物競走・玉入れなどテクニック系競技に参加or運営テントでお手伝い

WIZ   :    借り物競走・早着替えレースなどアイデア系競技or救護テントでお手伝い

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ひらひらモグモグ
 墓地の空を飛ぶ幽世蝶は、ある場所で留まるようになった。
 オーロラ色の冷光に導かれ、真下へ向かうと、キョンシー少女が串焼きを頬ばっていた。

 ……どうやらあの少女が“オブリビオン”らしい。

 長い三つ編みを揺らし、生気の薄い瞳で巨大アスレチックを見上げる。
「なにが面白いネ、自分から汗まみれになるなんて。ルールは緩いけどメンドくさいことの連続だし? ……まあ、運動オンチのアタシには関係ないネ」
 汗臭い。メンドくさい。(おまけに自分は)どんくさい。
 どうやら“運動”に対して、強烈な劣等感や苦手意識を抱えているようだ。
 だが、会話の糸口がない訳ではない。
 この会場内に集った“屋台”の戦利品だろう、屋台料理を両手一杯に抱えているのだから。
 定番のたこ焼きや綿あめ、甘酒、クレープ、ケバブだってあるかもしれない。

 騙すようで気が引けるが……あのキョンシー少女を上手く誘い出せれば、さりげなーく会場の外へ誘導できるだろう。
 ちょうど身体を動かし、小腹も空いてきたところ。
 軽く食事を済ませておこうかとめぼしい屋台を探す。
キッテン・ニコラウス
ヨウ(f03063)とイツキ(f13816)と

いつものことだから気にしなくて良いわよ
っていうかヨウはヘバり過ぎ!そんなんで今からご飯作れるの!?

え、そうよ?
美味しいご飯を作る!出来れば屋台系!
それでオブリビオンの子の前でこれ見よがしに美味しそうに食べる!釣れる!会場の外へ!!
ふふふ、そうでしょそうでしょ天才でしょ!!

あらあらなぁに、料理の腕に自信がないのかしら?
なわけないわよねー、手伝いましょ、イツキ!
さあ、張り切ってメチャクチャ香ばしくて美味しい料理作っちゃうわよー!!

あとヨウ、それだけは聞き流せないからこの一件が終わったら話し合いましょ
二人で
みっちりと


寒島・乙月
ヨウくん(f03063)とキッテンちゃん(f02704)と

ご、ごめんねー……途中お手数かけちゃって
お腹も減ったし、ちょっとご飯タイムにする?

しかし、運動イベントにおいてご飯の補給はかなり重要なウェイトを締めるパート
メニューチョイスは、来るオブリビオンとの決戦を左右すると言っても過言ではない……でしょう?

さすがキッテンちゃん!
ヨウくんの手料理なら私達も美味しいしオブリビオンもきっと引きつけられる
一石二鳥! 頭いい! 才女!
よーし、二人でヨウくんの料理を手伝っちゃおう!

ん、なに、なんか二人で仲良くてずるい
このあと、二人で……?
……あっ、もしかしてこれ、何かロマンス始まるやつ……!?(ホワーォ!)


美墨・ヨウ
キッテン(f02704)、イツキ(f13816)と

い 生き残った……(ゼェハァ)
おかしいな軽いアスレチックじゃなかったのか?
親父のスパルタ武術修練並みのキツさだったが??

突っ込む気にもならねぇ……疲れた 飯食おうぜ飯、腹減ったわ

いや待てなんで俺が飯作る流れ???(舌の根も乾かないうちのツッコミ)

発想が外道か??
要らんところで父親の血が濃……なんでもねぇ聞き流せ
つーか連れ出すのぁ必要でも別に俺が作らんでも……

あァ゛??
馬鹿野郎誰が日頃テメェに飯と弁当作ってやってっと思ってんだオウコラやってやらぁ!!!
おう手伝え手伝え 旨いの作るからよ
さて屋台飯ならやっぱ焼きそばは外せね……

あっ帰ったら死ぬな俺



 肩をいかり肩にするキッテン。
 申し訳なさそうにうなだれる乙月。
 すでに疲労困憊のヨウ。――三者三様の様相でそれぞれ向き合う。
「い、生き残った……おかしいだろ、なんでこんな疲れてんの俺? 軽いアスレチックじゃなかったのか? 親父のスパルタ武術修練と同レベルのキツさなんだが??」
「ご、ごめんねー……途中お手数かけちゃって」
「いつものことだから気にしなくていいわよ、イツキ。 ヨウもはしゃぎ過ぎだし」
「……ツッコむ気にもならねぇ」
 グチをこぼすヨウに、乙月はさらに小さくなっていく。
 そんな乙月をキッテンは労るが、ヨウの気苦労にはあっけらかん。

 ツッコミ疲れ中のヨウはふと空腹感に襲われた。
 普段以上に消費が激しかったかもしれないが。
「……飯食おうぜ飯、腹減ったわ」
 そのまま休憩時間に入ろうとする――だが、そこに無慈悲な“待った”がかかる!
「っていうかヨウ、ヘバり過ぎ! そんなんで今からご飯作れるの!?」
「いや待てなんで俺が飯作る流れ???」
 今まさに『休憩しよう』と提案されたにも関わらず、認識するよりも早くキッテンは次の作戦について切り出した。
「え、そうよ? 美味しいご飯を作る! 出来れば屋台系!」
 美味しいご飯をオブリビオンの前でこれ見よがしに食べる!
 オブリビオンの子が食欲をそそられ興味を持つ!
 そのまま一本釣りかーらーのー、会場の外へGO――☆ 
 ついでにヨウの料理でお腹いっぱいになっちゃう、という寸法DA!
「さすがキッテンちゃん! 運動イベントにおいてご飯の補給はかなり重要なウェイトを締めるパート。ヨウくんの手料理なら私達も美味しいし、オブリビオンもきっと引きつけられるよね!」
 才女! 名軍師! キャッキャと盛り上がるキッテンと乙月。
(「発想が外道か?? 要らんところで父親の血が濃い……いやなにも言うまい」)
 そして二人を見つめるヨウの沈黙……もう閉口するしかないのだろう。
(「……これが育児疲れに苦しむ子育てママの心情か」)
 このまま現場放棄したくなるが“その後”の被害レベルは想像がつかない――警鐘を鳴らす本能には逆らえず、
「つーか、連れ出すのぁ必要でも別に俺が作らんでも」
 口ごもりながら意見を挟むヨウに、キッテンは「あらあらなぁに?」と口元に手を当てニンマリ。

「もしかしてヨウ……料理の腕に自信がないのかしら?」
 その言葉、ヨウが聞いたらどう思います?
「あァ゛??」
 ――逆鱗に触れるに決まっとろうが!!
「馬鹿野郎だぁれが日頃テメェに飯と弁当作ってやってっと思ってんだオウコラやってやらぁ!!!」
「なわけないわよねー、手伝いましょ、イツキ!」
「よーし、二人でヨウくんの料理を手伝っちゃおう!」
 いいように乗せられた気がしないでもないが、乗り気になった様子に乙月も両手をギュッと握りこぶし。
「それじゃあ屋台と機材を用意しないとね、それと材料も分けてもらわないと……ヨウくん何作る?」
「屋台飯ならやっぱ焼きそばは外せね「ところでさ」
 作戦行動に移ろうというとき、キッテンがヨウの肩を掴む。
 ギリギリと万力で締め付けられたように、細い指が肩に食い込んでいく。
「誰が“父親の血が濃い”のかしら、この一件が終わったら聞かせてくれるのよね?」
 二人で。
 み っ ち り と ね?
 無意識に言葉にしていたのだろうか……ホラー映画顔負けの“圧”に死亡フラグの気配を察知!
「ん? どうかしたの――」
 乙月が目を離した隙に傍らではいつもと違う雰囲気が。
 きょとんと見つめた乙月は、
(「……あっ、もしかしてこれ、何かロマンス始まるやつ……!?」)
 赤らむ頬に両手を当ててめくるめく脳内イメージを膨らませる!
 ……恋というか、Dieじゃないですかね。
   

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

フォーネリアス・スカーレット
【キツネさんチーム】
 オブリビオンを前にすれば私の殺意で警戒されてしまうだろう。故に、スシ・ソバ屋台で潜伏する
「四つくれ」
「いや、四つだ。二つと二つで四つだ」
「ソバも頼む」
 ついでに食事を済ませておく。ちなみに、食事の時はこの面頬は下の部分が外れる様になっている。
「ズルーズルズルッ! ズルズルズルーッ!」
 食事も鍛錬だ。飲まず食わずでは戦えん。食事中は隙だらけになるからと言って携行食糧だけでは栄養バランスが問題だ。きちんとした食事を素早く取る事が必要だ。マナー? 知らん、用もない。
「この世界でもおちおち食事はできないな……ドーモ、オブリビオンスレイヤーです」


木霊・ウタ
キツネさんチーム

心情
運動嫌いの少女に骸魂が憑りついたのか
憑りつかれたんで運動嫌いになったのか
判らないけど
どんな奴らなのかちょいと気になるぜ

行動
お勧めの蕎麦を頼んで
少女の隣ですする

いい汗かいた後の飯は最高だぜ
あんたもそうだろ?>少女

……
そっか好き嫌いはそれぞれだからな
悪ぃ

運動はともかく
ダチや仲間と一緒に何かするのは
楽しいぜ?

苦手なら競技には誘わないけど
よければ俺達を応援してくれよ
同席の誼でさ
俺達もあんたのことを応援させてもらうぜ

……
お、チケット
俺ももらえる?
一緒に行こうぜ
と少女を墓地外へ誘導

スペシャルサービスか
今度は拉麺だったら最高だな
あんたは何だと思う?

(まずは骸魂を海へ還すサービスだけど)


叢雲・凪
【キツネさんチーム】
呼び方:衣更着くん 静香さん ウタくん オブリビオンスレイヤー=サン

素顔になり特設ソバ屋台でソバを振舞おう
来店したオブスレ=サンの質問に対して
「二つで十分ですよ」と某ブレード・ラ〇ナーめいた返答!

キョンシーが来店したら笑顔で決断的アイサツ
「イラッシャイマセー!」
居酒屋めいた模範的アイサツである!

オーダーを受けたら
「ハイヨロコンデー!」
と言いつつ ダッシュを用いた高速移動。
ソバ生地は生き物。 【料理】を用いてカラテシャウトしながら生地を作ろう!

「イヤーッ!!!」

ゴウランガ! 出来上がったのは熱々の【ジンライ・キツネ・ソバ】!

厚切りの油揚げが実際非合法的なほど旨そうである!


家綿・衣更着
【キツネさんチーム】

怪しまれない誘導頑張るっす!

【化術】で猟兵でない一般狸妖怪に変化し【演技】、会場外に料理屋台入りテントを準備っす

食材調達中っぽくキョンシーさんにわざとぶつかり(食べ物をだめにするのは好ましくないので被害は最小限に)、【コミュ力】を生かしてお詫びという形で知り合いのソバをご馳走すると提案
提案に乗っても乗らなくても食欲を褒め称え、もうすぐ準備できる「自分のやってる屋台でスペシャルサービスを受けられるチケット」を渡し、興味を誘って会場の外へさりげない誘導っす

会場外のテントでは『収納鏡』を利用していろいろな【料理】を準備し、いい匂いをさせるっす

(仕事後に)一緒に食べれるといいっすね


九十九・静香
【キツネさんチーム】

ふむ。そういう事ならば人手を集めましょう。
ついでに大会自体にも協力しましょう。
そちらが滞りない事で困ることもありませんし。

UCで80人の筋肉メイド隊を集め、◆集団行動を指示します
ソバの材料を運ばせて、我が筋肉で練り後はそれぞれ分担しソバを作り
大会参加者らに◆奉仕精神で配布していきます
広めれば標的も誘惑できるでしょう
「この後の競技も頑張ってください。ポテンシャルを発揮する為には適度な休息も必要です」

後はとある世界のスポーツドリンク、栄養ドリンクといったものも取り寄せて置き、配布しておきましょう
この世界なら日射病の心配は無いようですが念のために
倒れてしまっては残念ですからね。



「お野菜は切り分けましたら、豚肉を炒めたお鍋に入れてくださいませ。おダシは……運動前後を考慮して少し塩気を強くしましょう♪」
 静香は80人の筋肉従女隊(メイド)を呼び寄せ、屋台用の食材を運搬させる。
 豚の細切れを一口大に切って火を通し。
 根菜は扇に切り、ささぶきにしたゴボウも、白ダシ仕込みのめんつゆでじっくり煮込む。
 めんつゆの準備をしている間に静香はメインとなる蕎麦を打つ。
 そば粉と小麦をふるい合わせ、水回しして水分を行き渡らせたのち、生地を練り合わせていく。
「うふふ、なんだか楽しくなって参りましたわあ♪」

 ――ズシンッ!! ズゥン、ズン……ッッッ!!

 蕎麦をこねているとは思えない衝撃音が響き、通りすがりの妖怪達が店先に集まり始める。
 だが様子が解らないからか、一定距離を保って二の足を踏む姿がチラホラと見受けられた。
「スシ・ソバ、四つくれ」
 そこへ現れるカスタマー第一号、もといフォーネリアス!
 オブリビオンスレイヤーである彼女はオブリビオンを前にし、平常心を保てる自信がなかった。
 ゆえに屋台で潜伏することを選んだ。
「オブスレ=サン、二つで十分では?」
「いや、四つだ。スシとソバの二つと二つで四つだ」
 どこぞの専任捜査官めいた凪の返答にも、フォーネリアスは動じない……面頬で表情は見えないが冷静なアンサーである。
 蕎麦屋で蕎麦がオマケ扱いされた気がするのも、気のせいなのだ。
 フォーネリアスが席に着いたことで、ニオイに誘われてきた妖怪達も少しずつ【キツネさんチーム】の蕎麦屋台に足を運び始めた。

 めんつゆの香りに誘われたのは、例のオブリビオン――キョンシー少女も同様。
「くんくん……なんだか屋台のご飯にしては上品なニオイネ?」
 見回しながら人混みを歩いていれば、衣更着が狙わずとも誰かとぶつかっていただろう。
 信楽焼じみた狸妖怪に変じた衣更着とぶつかり、少女の食べかけの今川焼き……いや、大判焼き?回転焼き?は地べたにポトリ。
「アイヤーーーーーーーーー!? お焼きが、最後の一口のお焼きがっ」
「あわわわすまねっす! 怪我はないっすか?」
「ケガないけどお焼きダメになったネ! エンコつめて落とし前つけるか!?」
 食べ物の恨みは恐ろしい、古事記には書いていなかったが恐ろしい。
『お詫びに知り合いの蕎麦屋を紹介する』と言われ、素直についてくる辺り、かなりの健啖家だ。
 目的地――キツネさんチームのお蕎麦屋台には、既に多くの妖怪が集まっていた。

 化術中の衣更着とキョンシー少女の姿を見つけると、
「イラッシャイマセー!」
 居酒屋めいた模範的アイサツで凪、ファースト・コンタクト!
 0円スマイルで出迎える凪にアイコンタクトを送り、衣更着は少女と一緒に筋肉メイドの案内で席につく。
 ……凪のアイサツで状況を把握したフォーネリアスだが、視線は敢えて向けず。
「ズルーズルズルッ! ズルズルズルーッ!」
 食事も鍛錬。飲まず食わずでは長期戦において圧倒的不利。
 しかし食事中は隙だらけになるからと、携行食糧のみで済ませても栄養が不足する……栄養もバランスが重要だ。
 きちんとした食事を素早く摂取する、それこそが最も重視されるべきポイント。
 ……なので今はスシ二つ、ソバ二つの摂取を優先する。
 フォーネリアスが視線を逸らしていても、衣更着の隣をウタが確保して少女の両脇は固められていた。

「じゃあキツネ蕎麦三つで、頼むぜ!」
「ハイヨロコンデー!」
 オーダーを受けた凪は疾風迅雷のごとく調理場へ飛びこむ。
「イヤーッ!!!」
 遠巻きに聞こえる、凪のダイナミックなカラテ=シャウト!
 静香の蕎麦打ちサウンドと合わさり、
「……なんか騒々しいソバ屋ネ。他の店員も筋肉質なメイドって、新手のコンセプト蕎麦屋か?」
 キョンシーの少女は困惑の色を滲ませた。
 なんだよコンセプト蕎麦屋って。
(「運動嫌いのキョンシーに骸魂が憑いたのか、憑かれて運動嫌いになったのか……まだ解らないな」)
 さすがに今は他の妖怪と大差なく、ウタも人物像は把握できず。
 少女が持ち込んでいた屋台料理を食べ終わる頃に、注文した蕎麦が運ばれてきた。

 ――ゴウランガ! これぞ熱々のジンライ・キツネ・ソバ!
 厚切りの油揚げが食する者、ことごとく中毒(ジャンキー)にする。
 実際非合法なほど旨い、ホット・ヌードルである――!

 しかめっ面のままキョンシーは蕎麦を口に運ぶと、
「ん!? かなりコシのある蕎麦ネ、ツユの絶妙な甘塩っぱさと油揚げも相性がよろしいネ」
 お気に召したようですぐに次の一口。
「よく食べるっすね! これだけ気持ちよく食べる妖怪、滅多に居ないっすよ?」
「いい汗かいた後の飯は最高だもんな、あんたもそうだろ?」
 ウタに話の水を向けられ、少女は「アタシは違う」と断言した。
「屋台のご飯は好き、けど運動は嫌い。特にあのMAYUGE……汗まみれになってもダメな奴はダメ。運動デキる奴しか楽しくない。大勢の前で恥かくだけと解ってて参加とか、愚の骨頂ネ」
 吐き捨てるように言い切り、傍で行列を作る妖怪達を睨みつける。
 その列の先頭には静香の姿……列に並ぶ妖怪達にスポーツドリンクや栄養ドリンクを手渡していた。
「この後の競技も頑張ってください。ポテンシャルを発揮する為には適度な休息も必要です。倒れてしまっては残念ですからね」
 日射病の心配はないだろうが、完走を目指すなら栄養補給は大切。
 柔らかな微笑を浮かべて声援を送る静香と、それを受けて笑顔になる妖怪を少女は忌々しく見つめ。
「……みっともない姿を生温い目で応援されるとか。虚しいの通り越して、殺伐するネ」
 視線を外して少女はまた蕎麦を啜りだした。
 運動(スポーツ)には、優劣を競う『競技タイプ』、楽しむ為の『遊戯タイプ』の二種が存在する。
 ――彼女には、あの巨大アスレチックが『前者』に映るのだろう。

「……そっか。好き嫌いはそれぞれだからな、悪ぃ」
 気まずそうに頭を掻くウタに、少女はチラと目を向けるだけ。
 そんな空気を変えようと、隣から衣更着が助け船を出す。
「じゃあ今日は屋台ご飯いっぱい食べるっすよ! 実はおいらの屋台、こんな『チケット』を用意してたっす」
「なにコレ?」
「『スペシャルサービスチケット』っす。その名の通り、屋台でスペシャルなサービスを受けられるっすよ。ここからちょっと離れてるっすけど……あ、そろそろ交代時間だったんす!」
 衣更着はすぐに戻る必要があったが、それでは案内できなくなる……どうしたものかと悩んでいると。
「ならチケット、俺ももらえる? 後で案内するからさ」
「助かるっす! いっぱい用意して待ってるっすね!」
 口の挟む隙も与えずウタと二人で話を進めて、衣更着は颯爽と離脱。
 衣更着の背が見えなくなった頃、ぽかんとしていた少女は溜め息をこぼした。
「全く、そそっかしい妖怪ネ? ……仕方ないから味見しに行くか、コレ食べ終わったらネ」
「スペシャルサービスか、今度は拉麺だったら最高だな」

 ウタと食事を済ませ、キョンシー少女はスペシャルサービスの屋台へと出発。
 ウタが同行する以上、居場所を見失うこともないだろう。
「では、行くか……カタストロフと常に隣り合わせ。この世界でもおちおち食事はできないな」
 根を張ったように待ち続け、フォーネリアスがゆっくり立ち上がる。
 いよいよオブリビオン討伐の時間だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『キョンシー木綿』

POW   :    キョンシーカンフー
【中国拳法の一撃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    百反木綿槍
自身が装備する【一反木綿が変形した布槍】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    キョンシーパレード
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【キョンシー】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。

イラスト:らぬき

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●運動嫌いの骸魂
 賑やかな屋台通りを抜けて十数分。
 墓地の周囲を囲む平原に入ったことで、キョンシー少女からは疑念の気配が強まっていた。
「濃厚ソースの匂いもするし、串焼きの匂いもするけど……これだと会場の様子、わからなくない?」
 拭いきれない違和感を覚え、少女はついに脚を止める。
「というか……屋台出していいのは墓地の中だけ、運営もそう決めてるネ。こんなに遠くまで出したら怒られるよ――――まさか」
 ぼんやりしていた少女の表情は次第に険しくなり、さらに服の下から長い布地がシュルリと伸びる。
 不気味な気配を放つ布きれは、少女の肉体を器用に操っていた……どうやら《一反木綿の骸魂》が取り憑いていたようだ。
「……クタクタなった所でメチャクチャにしてやるつもりだったのにネ。いつから気付いてたか知らないけど、邪魔するならアンタらからボッコボコにするネ!!」

 無気力そうなキョンシーを介して、骸魂はするどく殺気を放つ!
 少女を救出するべく猟兵達も迎撃態勢を開始する。
キッテン・ニコラウス
ヨウ(f03063)とイツキ(f13816)と

さて、ヨウの料理を食べて元気になったことだし!
ここからは……あら?
まったく、やっと真剣になったようね、ヨウ
スロースターターにも程があるわよ?

ええ、行くわよよイツキ!なんてったって世界の危機!
そして世界を救うのはこの私達なんだから!!

ヨウのやる気に免じて主役は譲ってあげる!
どれだけ布切れが来ようがキョンシーが来ようが気にしなくていいわ
だって全部私とイツキが無かったことにするんだからね!
(無数の石の槍を地面から伸ばし放ち、ヨウに放たれる攻撃を全て貫き弾く)

ふぅん……たまには他の人を燃えさせてあげるのも、悪くないわね


寒島・乙月
ヨウくん(f03063)とキッテンちゃん(f02704)と

――熱い

これは、ヨウくんの火……ううん……怒り?
そうか、そうだった。これはあくまでオブリビオンとの戦い
罪もないキョンシーの子を操る卑劣な骸魂に……怒っているんだ

(両手で自分の頬を叩き、リボルバーを構える)

ごめん、ヨウくん、キッテンちゃん。私が馬鹿だった
あの外道、黄泉に叩き返してやろう

一旦木綿を狙い、炎の【呪詛】を纏った弾丸による弾幕でヨウ君たちを援護
なるべく、操られたキョンシーたちは傷つけないように

私達の火を束ねた憤怒の炎
灰の一つも残ると思うなよ、下種野郎

(幼馴染が自分たちのせいで疲弊しているとは完全に発想から抜け落ちています)


美墨・ヨウ
キッテン(f02704)、イツキ(f13816)と

(短い人生だった。
この依頼を終えて帰るまでが俺に残された余生らしい。
思い返せばキッテン(から純粋な妖怪たちを)庇ってイツキ助けて飯作って 忙しない人生……)

(…………いやなんで俺こんな目にあってんだ??
誰の所為だ

……ああ そぉか)

全部お前の所為だなこの野郎ォ アァ゛!!?(※八つ当たり)

(ぶちキレつつ魔髪の力を借りて炎を招聘・鎧装化
攻撃を盾受けで防ぎ火炎の爆発力と相手の力も利用しながらのカウンターをブチかます!!)

(嗚呼 やっぱりお前ら俺の自慢の幼馴染だ
……出来ればもっと もっと早くその本気を出して欲しかった……)

……何でもねぇ
何でもねぇよ……



 オブリビオンと接敵する数十分前。
「はー、ごっちそーさま! ヨウの料理を食べて元気になったことだし、張り切っていくわよ!」
 楽しい食事を満喫し、不敵に笑うキッテンの号令に「おー!」と乙月も拳を掲げる。
 ……意気昂揚する中。先ほどからヨウはどんよりオーラを背負ったまま。
(「短い人生だった……この依頼を終えて帰るまでが俺に残された余生らしい」)
 さっきのキッテンの目はガチギレしてる時のヤツだ。
 幼なじみ故に解ってしまう“予測可能、回避不可能”な予感。
 ヨウの脳裏には自然と走馬灯がよぎっていく。
(「思い返せばキッテン(から純粋な妖怪達を)庇って、イツキ助けて、飯を作って、忙しない人生――いやまて」)
 思い返してみれば。
(「…………なんで俺こんな目に遭ってんだ??」)
 今日は遊びに来ただけではない。
『猟兵』としての仕事で来たはずだ、会場から引き離す必要があるとも。
 ならば、一体ぜんたい誰のせいだ? ……ああ、そうか。

 ――そして、現在。
「全部お前の所為だなこの野郎ォ アァ゛!!?」
 ヨウの怒りの炎で赤熱する頭髪が天高く燃え立つ。
 炎を鎧のようにまとったヨウは爆発的な勢いで突撃をかけた。
「いきなり出てきてなにさコイツ!?」
 身に覚えのない非難にはキョンシーも抗議し、中国拳法で迎え撃つ……これまで接触していないのだから当然だろう。

 そう、ただの《八つ当たり》である!

 “運動嫌い”を自称していたが、その拳の冴えは盾越しにもヨウに強烈なインパクトを与え、数メートル後方へ押し返す。
「――熱い。これは、ヨウくんの火……ううん……怒り?」
 アン●ャッシュ状態の乙月に『状況を正確に把握してくれ』というほうが無理な話だった。
 彼女の目には、ヨウがオブリビオンへの怒りに燃え、熾烈な戦いを繰り広げているよう映っている。

 ……もう一度言おう、ただの《八つ当たり》である!

「ごめん、ヨウくん、キッテンちゃん。私が馬鹿だった……あの外道、黄泉に叩き返してやろう!」
 自身の両頬をはたいて気合を入れ直し、乙月はリボルバーを一反木綿に向けた。
 銃口から飛び出すのは、呪詛を帯びた特別製の弾丸。
 燃え盛る弾幕となって放たれたそれは、少女の肢体から伸びる木綿を焼ききっていく。
「まったく、やっと真剣になったようね、ヨウ……スロースターターにも程があるわよ?」
(ここまでヨウが気を抜けた時間は0.1秒たりともないが)
 ようやく“マジ”になったとキッテンは嘆息をこぼす。
「行くわよイツキ! なんてったって世界の危機! ――そして世界を救うのはこの私達なんだから!!」
 よく解らんけど盛り上がっているキッテン達の様子に、
「ふん、ヒーロー気取りのごっこ遊びなら公園でやるヨロシ! 遊びでやってんじゃないんだよ!!」
 イラッとした憑依体は無数の布槍を周囲に広げていく。
「ヨウ、やる気に免じて主役は譲ってあげる!」
 どれだけ来ようと、彼女の視界に入ってしまえば射程範囲内――キッテンが地面に魔力を送ると、数多の石の槍が地面から突き出した。
 ちぎれ落ちた布槍の先は消失して、本体に繋がる布は元の形状に変わっていく。
「どれだけ布切れが来ようが、キョンシーが来ようが、私とイツキが無かったことにするんだからね!」

 激励とともに後押しするキッテンの魔法。
 骸魂を祓おうと放たれる乙月の銃撃。
 追撃を阻む二人のアシストに、ヨウの口元には自然と笑みが浮かんだ
(「嗚呼、やっぱりお前ら……俺の自慢の幼馴染だ。最高にやってくれるじゃねーか」)
 ……強いて言うなら。
(「……出来ればもっと もっと早くその本気を出して欲しかった……」)
 いや、今はうなだれている場合ではない。
 キッテンと乙月の作った“花道”を、ヨウは一気に駆け抜けていく――!
「私達の火を束ねた憤怒の炎――灰の一つも残ると思うなよ、下種野郎!」「誰が“野郎”ネ!? どこからどう見ても乙女なアタシに失礼極まりないよ!!」
 憤慨するキョンシー木綿が乙月に矛先を向けた直後。
 限界まで拳を引き絞ったヨウが飛びこんだ。
「――てめぇはどうあれぶっ飛ばす!!」
 先ほどのお返しと言わんばかりに、ヨウは勢いを乗せた拳でオブリビオンを殴り飛ばす。
 くの字に曲がったまま吹き飛び、失速した直後に少女は地べたを転がっていく。
「ふぅん……たまには他の人を燃えさせてあげるのも、悪くないわね」
 新鮮な感覚を覚え、キッテンは楽しそうに呟いた。
 幼なじみ三人組――なんやかんやあっても、呼吸が合うのは“長い付き合い”の賜物である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

叢雲・凪
【キツネさんチーム】

「どうも… ジンライ・フォックスです」

キョンシー少女は本質的には善人だ… しかし… 彼女を救うにはこれしかない!。(決断的なカラテを構えつつ)

ダッシュ+残像を用いた高速戦闘を仕掛けつつ距離をつめる。
彼女は何かしらの範囲攻撃をするだろう。

その瞬間を見計らってウタくんから教わった秘奥義【雷音】を使う!
ボクのマフラーを四散させ範囲攻撃の相殺を試みる。

「今こそ… ウタくん… キミに教わった『マホウ』の力使わせてもらう!」(マフラーを霧散させ 桜の花弁に変質させる)

「さすがに カラテとは勝手が違うか… しかし!」

彼女の攻撃を相殺できれば十分だ。無力化は仲間に任せよう。
 


木霊・ウタ
心情
骸魂を海へ還し
少女を助けるぜ

戦闘
獄炎纏う焔摩天で薙ぎ払う

破魔の獄炎で
キョンシーへ変じさせた力を焼却し
対象を元に戻す

空からの急降下攻撃で焔刃一閃
紅蓮の渦を放ち一反木綿を焼き尽くす

骸魂
自分がもう皆と一緒に運動を楽しめないから
生きて体を動かしてる奴らを妬んでるのか?
色々未練はあるだろうな
可哀そうに
今、海へ送り届けてやる

事後
骸魂へ鎮魂曲
安らかにな

少女を会場へ戻しつつ誘う

よければ俺たちのチームで一緒に参加しようぜ
玉入れとか綱引きとか
きっと楽しいぜ

皆と一緒なら恥ずかしくないだろ

それに頑張ってる姿はカッコいいんだぜ?

運動後の飯がどんだけ美味いか
気になるだろ
ぜひ確かめてみてくれよ(にやり


九十九・静香
【キツネさんチーム】

運動は良き肉体を鍛え、そして精神も育むもの
嫌いだからと無茶苦茶にさせる訳には参りませんからね

◆グラップルで中国拳法を捌き、軽い一撃は超筋肉で◆盾受けして動きを見極めます
他のチームメンバーの方の攪乱や攻撃に合わせ、
相手の隙を見てRXS巨大鎖付き嘴鉄球『鵤』を◆投擲
開いた鉄球の嘴で挟み込んだ相手を◆捕縛し
UCを発動
◆怪力で空中へと投げ飛ばします

「中国拳法は足運びが1つの要。ならば、踏ん張りの出来ぬ空中ならばその防御や受け流しは地上ほど上手くはいかぬもの!」
◆力溜めからの、空中へと急所に打ち込む対空ドロップキックを放ちます

「次は是非純粋に選手として参加したいものですね♪」


家綿・衣更着
・キツネさんチーム

【化術】で【迷彩】から奇襲で手裏剣【乱れ撃ち】
「どうも、打綿狸の忍者、衣更着と申しまっす。骸魂除去のスペシャルサービスをぜひ堪能してくっす!」

「狸忍法、煙分身!『綿ストール・本気モード』!打綿狸と一反木綿の布槍どっちが上か勝負っす!」
どろんと出した妖怪煙を【化術】で自分や仲間の【残像】に変化しかく乱
攻撃を【見切り】手裏剣での迎撃と残像で誘導する事で敵の布槍を集めストールで【なぎ払い】

最後はストールでスキーの様に滑って加速、ストールを布槍にして【ランスチャージ】で【串刺し】

戦闘後はキョンシーさんを【救助活動】して料理をごちそう
「運動後のご飯はおいしいっすよ」
一反木綿にもお供えを


フォーネリアス・スカーレット
【キツネさんチーム】
「ドーモ、オブリビオンスレイヤーです。安心せよ、もう二度と動く必要はない。オブリビオンは皆殺しだ」
 丼片手にエントリーだ……丼は要らないな、返そう。
「イヤー!」
 【千撃ち】で布槍は迎撃する。衣更着と連携し投擲による牽制を主体。ジンライ・フォックスが自由に動ける空間を作る。
「イヤー!」
 牽制と見せて【貫キ殺ス】も一本投げる。隙は作らん。
 そして、決定的な隙を見付けたら一気に踏み込む。腰に下げた二刀の右で【芯断ち】を当てて動揺させ、骸魂と妖怪の境界を測る。
「そこに在るなら、斬れぬ道理は無い」
 左の【電磁居合斬り】で骸魂と妖怪の接続を断ち切る。
「オブリビオンでなければ用は無い」



「ドーモ、オブリビオンスレイヤーです。安心せよ、もう二度と動く必要はない」
 フォーネリアスは片手にもつ丼をその場に置くと、
「――オブリビオンは皆殺しだ」
  クラウチングじみたロケットスタートをみせる。
 一直線に迫るフォーネリアスに再度木綿を放ち、キョンシー木綿は遠距離で返り討ちにせんと仕掛けるが、
「イヤー!」
 フォーネリアスにとって、その動き――あまりに鈍重!
 スモトリほどのツッパリでないと解れば、この程度の攻撃の対処は造作もない。
 フォーネリアスが目を引く隙に、木綿の少ないルートを突っ切った衣更着は手裏剣乱撃の奇襲をかける。
「どうも、打綿狸の忍者、衣更着と申しまっす。骸魂除去のスペシャルサービスをぜひ堪能してくっす!」
 手裏剣の雨は鋭く少女の肌を切りつけ、衣更着の姿を見つけたキョンシーは、
「アンタ、さっきの……やっぱりグルだったネ。ミンチより酷い目に遭わせてやる!!」
 濁った眼球を血走らせ、木綿の攻撃範囲をさらに拡大させていく。
「狸忍法、煙分身『綿ストール・本気モード』! 打綿狸と一反木綿の布槍どっちが上か勝負っす!」
 どろんと妖怪煙を出せば、そこには衣更着はじめキツネさんチームの幻が。
 迫り来る木綿の津波の真上に調薬し、衣更着は上から薙いで断ち切る。

 範囲を広げると言うことは、威力を落とすことになる。
 それでは静香を止められない――超筋肉で受け止めて木綿を千切っては投げ捨てた。
「運動は良き肉体を鍛え、そして精神も育むもの。嫌いだからと無茶苦茶にさせる訳には参りませんからね」
「だから皆でやろうとでも言うか? そういうとこが嫌になるネ!」
 青筋を立てて怒りを叫ぶ骸魂の意に呼応し、伸びる一反木綿の動きが鋭さを増す。
 ――その上空、隕石めいた獄炎が上空より迫る。
 縦横無尽に暴力を振るうそこへ、直上に現れた炎は飛びこんでいく。
「その力、焼却させてもらうぜ!」
 獄炎を纏うウタは《焔摩天W》で瞬く間に距離を詰め――。
 キョンシーが頭上を見たときには、大剣は振り下ろされていた。
 ミシリ、少女を中心に地べたに亀裂が走る。間合いをとろうと強引に飛び退くも、傷を庇うように肩口を抑えていた。
「骸魂……自分がもう皆と一緒に運動を楽しめないから、生きて体を動かしてる奴らを妬んでるのか?」
 未練があるのだろう……同情するウタに口元を歪め、
「言ったネ、“運動は嫌い”だって。運動が苦手なだけでダメな奴扱い! 反応できなきゃ邪険にされ、足が遅いだけで見下され……そんなに運動デキる奴が偉いか!?」
 腹の底に溜めていた怒りの咆吼をあげ、拳術を繰り出していく。
 その叫びに凪は思う。
(「彼女は本質的には善人だ……しかし、骸魂に支配されていることは明白」)
 何故、このキョンシーが憑依されたかは解らない。
 いま断言できることは、彼女を救うにはこれしかない――!
「どうも……ジンライ・フォックスです」
 動機は把握した――さりとて容赦はしない。慈悲もない。
 得物を構え凪は素早く木綿の嵐に潜りこむ。

 二刀を振るって布の群れを払い飛ばし、フォーネリアスはあからさまに巨大な突撃槍を構えた。
「イヤー!」
 布きれをまとめて抑えるためではない。
 ――本体ごと穿つためだ!
 力任せに投擲した大槍は、布の隙間をくぐって少女の元へ――キョンシー木綿はウタに向ける拳を突撃槍に返ると、穂先の勢いで片腕を大きく裂かれる。
 木綿の勢いが落ちた瞬間、
「今こそ……ウタくん、キミに教わった『マホウ』の力……使わせてもらう!」
 凪のマフラーが霧散し、桜の花弁に変じていく。
 風に流され花びらは舞い上がり、木綿の束に雷火が広がっていく。
(「さすがに、カラテとは勝手が違うか……しかし!」)
 慣れないマホウの扱いに戸惑うが、今は相殺できれば十分。
 骸魂にとって“本体”ともいえる木綿は、ここまででもかなり削られていた。
 そこに、凪の《雷音(ライオン)》が放たれたのだ。
「やっぱり、デキる奴にはアタシの気持ちわかる訳ないネ……好きでニブくなった訳じゃないのに!」
 肩で息をするほど疲弊していたが、攻撃を止める気配はなく。
「では、運動をしないことで生じる結果――僭越ながらわたくしがお教えいたしますわ」
 静香の背後にあった“それ”は、月明かりのみの平原では周囲の暗闇に紛れてしまうだろう――それは、巨大な嘴だった。
  鎖で繋がれた鉄の嘴を豪快に振り回し、周囲に砂ぼこりが立つ。
 陸上競技のハンマー投げを彷彿させるフォームで、静香が鉄球を投擲すると開いた嘴が少女を捕らえ――。
「中国拳法は足運びが1つの要。ならば、踏ん張りの出来ぬ空中ならば、その防御や受け流しは地上ほど上手くはいかぬもの!」
 一人分の重量が増した鉄球を空中へ放つ!   
「アイヤーーーーーーーー!!?」
「重心がぐらついておりましたわ、体を支える土台――」
 自由落下に身を任せるしかないキョンシー木綿を追い、静香は走りだす。 それを追って衣更着が綿ストールで滑走し、さらにフォーネリアスが静香を追う。
 大岩の如き筋肉令嬢は平原を駆けて、
「――それも筋肉ですわよ!」 
 全体重を乗せた対空ドロップキックで豪快に蹴り抜いた。
「チャンスっすね、一気に畳みかけるっす!」
 加速する勢いのまま、衣更着はストールから飛び降りる。
 膝をつくキョンシー木綿は、アクロバティックな動きにすぐさま対処できなかった……宙で身を翻す衣更着のストールが肢体を貫く。
「そこに在るなら、斬れぬ道理は無い」  
 動きを止めたキョンシー木綿めがけ、フォーネリアスは一気に踏みこんだ。
 右の太刀で伸びる木綿を地べたに釘付け、火花を散らす左の太刀で骸魂と少女の繋がりを断つ。
 ……ぐらりと倒れ伏す姿を確認し、フォーネリアスは背を向けた。
「オブリビオンでなければ用は無い」

 気絶した少女を会場の救護テントへ運びこむと、救護担当の妖怪達はビールケースに座布団を乗せた簡易ベッドを用意。
 そのまま寝かせていると、小さく唸り声が聞こえてきた。
「あれ、ここどこ?」
「大丈夫? さっき具合悪そうにしてたから」
 凪は救護テントに来るまでの状況を覚えているか、少女に尋ねてみたものの本人は首を傾げたまま。
 憑依されている間の記憶はないらしく、自分が寝かされた状況も疑問しかないようだ。
「よければ俺たちのチームで一緒に参加しようぜ? 玉入れとか綱引きとか、きっと楽しいぜ!」
「運動後のご飯はおいしいっすよ。空腹は最高のスパイスっすから!」
「アタシを勧誘するとは中々見所ある坊ちゃんネ、ちょっと待つヨロシ」
 すっかり元気な様子の少女は袖をふりふり、受付の砂かけお姉様の元へ。
「次はぜひ純粋に選手として参加したいものですね♪」
 妖怪達の運動会。
 その奥深さをもっと楽しみたいと静香は力こぶを作る。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年12月22日


挿絵イラスト