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村と領主とランジェリー

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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「アタチの身体が何でできてるか知ってるかちらー!?」
「「ブラジャー!紐パン!Tバック!!」」
 筋骨隆々で屈強な肉体に似つかわしくないベビードール姿に独特な口調で問いかけるオブリビオン。それに呼応する村人。
 この世界の領主は圧政を敷くもの。しかし、この村に限っては何故か不思議な一体感があった。

「鞭!」
「蝋燭!」
「「ヨヨイのヨイ!」」

 村人の誰かが叫び、そこから歓声が上がる。もはや正気の沙汰ではない。
「「うひょおおおおおお!!!ランジーリ!ランジーリ!」」
 村の男衆は皆ランジェリー姿を晒し、狂喜乱舞しながら外を闊歩するのだった。


「ダークセイヴァーでオブリビオンが発生しました」
 集まった猟兵達に予知の内容を一言一句間違えることなく淡々と伝えたのはエルデラント・ズィーマ(ロストメモリーズ・f02581)だ。猟兵達も慣れたのか呆れたのか黙って聞いている。
「といっても簡単です。いつもの様に領主を倒していただければ解決です」
 しかしーーと、前置きを付ける。エルデラントが言うには今回の領主が支配している地域は村人も強い影響を受けているようだ。
 具体的には男は皆女性物の下着を身につけ、女もボンテージ姿でいずれも理解不能な言葉を口走るという。
「このままでは村人の半分敵のような状態なのでまずはこちらをどうにかしてください」
 説得方法は任せます、と半ば投げやりに説明する。ただし村人は猟兵達を自分達と同じ思考に引きずり込もうとするので注意が必要とのことだ。
 更に彼らは常に肉体美に餓えている、男女問わず美しい肉体を見ると文字通り舐め回してくるようなのでその辺も気をつけて欲しいそうだ。
「逆に彼らに染まったフリをしてその隙を突く、という方法もアリだと思います。大変危険ですが」
 そう言ってエルデラントはテレポートを展開する。くれぐれも気をつけてください、と念押ししながら勇敢な猟兵達を見送るのであった。


ぷっさん
 こんにちは、ぷっさんです。
 今回は大変人を選ぶシナリオになる予定です。

 フラグメントはごく単純に。
 冒険。
 集団戦。
 ボス戦。
 です。ただし村人やオブリビオンいずれもマトモな思考回路を持った人物がおりません。
 集団圧力に屈しないか、あえて集団に溶け込んで止めるかはプレイヤーの皆様次第です。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『恐怖支配からの解放』

POW   :    熱心に説得する、武勇を示す

SPD   :    敵の偵察を察知して対処する、卓越した技量を示す

WIZ   :    人心を掌握する、勝利への道筋を示す。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

諏訪野・みすず
「みすずちゃんのダンスを見てほしいのだ。美しさは体型などによらないのだ」ダンスを披露して、みんなの心をまともになるようにします。ダンスは扇情的なものにします。みんな「美しさ」に関して勘違いしているようなので、みすずの心尽しのダンスをします。


エコリアチ・ヤエ
なるほど、まずは村人が戦闘に加担してこないようにすりゃいいんだよな?
わざわざ向こうが思考を引きずり込もうとするなら好都合だ。
誘いに乗るふりをして、二人きりで詳しい話しを聞きたいとでもどこかの家の裏手にでも誘い出して、口を手で塞ぎ酸欠で気絶させる。
これをできるだけ繰り返すか。一斉に相手にすると身の危険感じるしな。うん。
ていうかマジで俺のこと見すぎなんだよ、流石にきもちわるい。
おい、近寄んなよ。絶対に近寄んなよ!
[アドリブなど大歓迎]


リーヴァルディ・カーライル
…ん。この世の地獄、かな?
いや、この世界は元々地獄のようなものだけど、そうじゃなくて…
……うん、地獄、ね

事前に魔力を溜め防具を改造
第六感に訴え、私の言葉の存在感を強化する誘惑の呪詛を付与する

…一種のカリスマ、または洗脳で私の言葉が正しいと思わせる
人の心を捻じ曲げる呪は禁忌なんだけど…
彼らの場合、曲げた方がマトモになりそう

…皆、聞いて。貴方達は何時からそうなったの?
今一度、冷静に自分自身を振り返ってみて
ご先祖様が今の貴方を見て、どう想うのか想像して

…恥ずかしくないの?おかしいと思わないの?
良い歳した大人がそんな恰好をして村を闊歩して…

お願いだから…冷静になって


…無理そうなら【見えざる鏡像】で撤退


古都野・はずみ
ボンテージを着用。ただしその上には可愛らしいブラウス、上着、スカートを着用した上で村に潜入。
村人で注目を集めて人が集まるのを待って少し高くなっているところに上り扇情的にゆっくりと一枚ずつじらしながら見せつけるように脱いでストリップショーを開催します。
「踊り子さんには手を触れちゃだめよ♪」
チラリズムと焦らしのテクニックで魅惑のストリップの世界へと魅了させちゃうんだからね♪
そうすれば服を着る大事さ、着飾る大事さを分かってもらえると思うの。
もちろん脱ぐ素晴らしさも(これは余計)♪

えっ、村人がストリップに反応しない?
それならそのまま潜入作戦に変更!
村人に紛れ込んで他の猟兵の作戦に呼応して行動します。


ソモ・サン
何この集落の奴ら…
話は聞いてたけど、ここまでとは

対処しろってこんなのに話が通じるとは思えないんだけど…
どうしろとは言われてないし、ここからはアタシ流で行くわ

『絶望の福音』を発動しつつ、相手の背後に回り「先制攻撃」で気絶させるのが得策ね
別に殺すなとは言われてないし、最悪「暗殺」してもいいしね…

(SPD)
そうと決まれば、素早く迅速に。
誰にも気づかれないうちにさっさと済ませるわよ


戎崎・蒼
村人達をも半分敵のような状態にするなんて………酷い洗脳をするオブリビオンもいたものだよね………。

【POW】で判定。出来るだけ平和的に解決したいな………そのまま説得しても聞いてくれるか分からないから、あえてその集団に溶け込んで熱心に説得を試みてみるよ。下着とか着るのは恥ずかしいけど、そうも言ってられなさそうだしね………。

…それでも聞かないようだったら力づくで行かせて貰おうかな。

一人では無理そうなら他の猟兵と連携して解決出来たらと思う。




「今日の朝飯ハイレグ水着!!」
「続いて昼食ビキニの握り!!」
「締めの夕飯総レース!」
「ハァー、フロントホック!フロントホック!フロントホック!」
 現場に着いた猟兵たちが見たのは、村の噴水を村人達が取り囲み、現代でいう『阿波踊り』を四倍速くらいに再生させたような動きと奇声が織り成すステキな空間であった。
「なにこの集落、気持ち悪いわ」
「……この世の地獄、ね」
「いや、地獄に失礼なレベルだろ」
 熱狂する村人の姿にドン引きする三人の猟兵。正直な感想が口から勝手に漏れ出てくる。それ程までにこの村は異常な空気で満ちているのであった。しかしーー
「さぁ、脱ぐわよ!」
「みすずちゃんのダンスを見るのだ!そしてみんな本当の美しさを知るのだ!」
「え、これそういう流れなの?いやでもなりふり構ってる場合じゃないよね、うん」
 何故か妙に張り切っている猟兵が混ざっているのも事実だ。彼等に混ざり強い刺激を与えて正気に戻す魂胆なのだろう。決してノリノリで混ざりたいという気持ちではないはずである。
「さぁストリップタイムよ!」
「みすずちゃんの扇情的動きに惚れるのだー!」
 ボンテージ衣装をじらすように脱ぎ始める古都野・はずみ(オラトリオのスターライダー・f10245)と幼さのせいで微妙に色気の足りない動きで誘いをかける諏訪野・みすず(不思議系ダンサー・f00636)が早速村人達の変態魂を焚き付ける。
「ウオォォォォォ!!!ボンテージ!!嬲って!俺を嬲ってくれぇぇぇ!!」
「あァァァァァァァ!!みすずママァーッ!オギャァァァァァァ!バブゥゥゥゥッ!!」

「誰か村人とコイツらも止めろーッ!!」

 村人の湧き上がる熱情の叫びと色々な意味で止めるべき相手が村人だけとは限らなかったことに絶望するエコリアチ・ヤエ(悪魔の呼び声・f00287)の思いが轟いたのは同時であった……。


 相談する暇もなく始まった村人鎮圧作戦だが意外なことに首尾良く進んでいた。
 既に踊り始めて観客を釘付けにしているはずみとみすず、そして女性物の下着に身を包んだ戎崎・蒼(暗愚の戦場兵器・f04968)が色気、幼女、男の娘のジェットストリームアタックで注目を集める。
 次にエコリアチとソモ・サン(闇夜の暗殺者・f13667)が背後から口を押さえたり頚動脈を一瞬だけ締めて意識が朦朧とした所にリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)が頭の中に呪詛を流し込んで村人の思考を無理矢理上書きするという寸法だ。
「よく聞いて。あなたはいつからそうなったの?今一度冷静に振り返りなさい。ご先祖様が今のあなたを見てどう思うかをーー」
「そうだよな……こんなの間違ってるよな……」
「そうよね……ご先祖様はブラよりふんどし派よね……」
「ちくわ大明神……」
「ーーえっ、待って、今の何?」
 そのまま眠るように次々と倒れていく村人達。リーヴァルディは微妙にズレた上書きのされ方に一抹の不安を感じたものの、鎮圧自体は出来ているので気にしないことにした。そしてもう帰りたい気持ちでいっぱいだった。
「おぉ……おなごの四肢はええのう。わしは特に脇と乳の境目の部位が大好きなんじゃ」
「具体的過ぎて気持ち悪い所悪いがアンタも眠ってもらうぞ」
 手際良く老人を眠らせようとするエコリアチ、しかし彼の視覚からは見えなかったが老人の口を手で抑えた瞬間老人の目の色が変わった。
「ムグッ!?(なんと……この太く逞しい指!そしてわしを包み込むかのような筋肉!それもただの筋肉ではない、これはありとあらゆるものを魅了する魅せの筋!その全てが野生的でありながら繊細でまるで石彫刻のような計算高さすら感じられる……これも、これもまた芸術じゃあ!)」
 気絶直前の老人の甲高い奇声と誘惑釘付け部隊とは別に視線を集めることになったのはその直後である。
「ウヒョオオオオオオオ!!!新鮮な腹筋!背筋!大胸筋!!」
「オヒョオオオオオオオ!!舐め回したい大腿直筋とヒラメ筋だわ!!」
「じいさんアンタはマンドラゴラかよっ!つーかおいっ、お前らも見るな!凝視すん……近寄んな!」
 舌舐めずりしながら四つん這いで這い回る村人に追いかけられるエコリアチ。ある意味オブリビオンよりも醜悪なクリーチャー集団の標的となったことにより彼もまた囮側に回されるハメとなっていった。


「筋肉に負けてられないわ。時代はふわとろなのよ」
「そうなのだ!既に魅惑のボディでメロメロなのだ!」
「村の皆さん!僕はこんなこと間違っていると思います!
「アンタ達の格好も間違いだらけだとアタシは思うんだけど」
 加熱するはずみとみすずのストリップショー。下着姿で腰をクイックイッと動かし、その度に観客がタオル代わりにパンツを振り回し乱舞する。そしてこちらに意識が集中している所へ蒼が説得して村人の意識を変えていく。ブラジャーとガーターベルト式の女物下着をつけたまま。
 サンは冷たいツッコミを入れながら素早く村人達を沈黙させていく。このまま生き恥を晒すならいっそ暗殺してしまおうかーーそんなことも頭をよぎったがぐっと堪える。
 あくまで仲間は囮を引き受けてくれている、頭の中を必死でそう解釈することでどうにか精神を保てている状態であった。
「そこの青年!君も脱がないのかね!?」
「脱ぎません」
 きっぱり断る蒼。
「そこの青年!どうしても脱がないのかね!?」
「脱ぎません!」
 強い口調で断る蒼。
「そこの青年!ならば私のでかいきんの……たぎゃらば!?」
「うるさいわ。願わくばそのまま眠り続けて欲しい」


 しばらくしてあらかた村人の鎮圧が完了した。すっかり大人しくなり、猟兵の敵となることはもうないだろう。マトモな思考に戻ったかどうかは別問題ではあるようだが。
「……やっと終わったわね」
「おい誰か拭くものねぇか?あちこちヨダレだらけなんだが」
「どうぞ、ハンカチですよ」
「みんな大人しくなったのだ。これも全て魅惑のパフォーマンスのおかげだね!」
 猟兵達が呆れつつも村中に散らばっている下着や村人達をどかす作業をしていると女物のブラジャーを持った中年が現れる。
「すまない、あんた達のおかげで助かったよ。俺もこれからは全身タイツで生きていこうと思うんだ。だからこれを渡しておくよ」
 大胸筋を矯正するサポーターだから、と人数分手に持ったブラジャー半ば無理やり渡してくる。
 ブラジャーは紫色に淡く輝き一本の光筋で猟兵達を導き出す。筋の行き先は領主が住む館の方角だ。これを辿れば迷うことはないだろう。なぜブラジャーが光るのかは考えないことにして現実から早く逃げ出したかった猟兵ほど、足早に目的地へと駆け出していくのであった。

「そういえば私の服も片付けられちゃったわね……へっくちゅん!」

 みんなも外でストリップショーをする時は風邪をひかないようにしよう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『闘奴牢看守』

POW   :    ボディで悶絶させてからボッコボコにしてやるぜ!
【鉄製棍棒どてっ腹フルスイング 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【鉄製棍棒による滅多打ち】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    チェーンデスマッチたこのやろう!
【フックと爆弾付きの鎖 】が命中した対象を爆破し、更に互いを【鎖についてるフックを肉に食い込ませること】で繋ぐ。
WIZ   :    嗜虐衝動暴走
【えげつない嗜虐衝動 】に覚醒して【『暴走(バイオレンス)』の化身】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「鞭!」
「蝋燭!」
「リンボーダンス!」
 領主の屋敷の庭まで辿り着いた猟兵を待ち受けていたのは筋肉と変態と地獄絵図だった。
 筋骨隆々の巨漢たちが棒を持ち、恐らく村人の一部であろう人々に暴行を加えている。
 しかし、皆一様にパンツ一丁で腹の上にグツグツに煮えた鉄鍋を乗せ、嬌声をあげながら身体を逸らして跳ねている。
「あぁ……あぁ!ぎぼぢいぃっ!!」
「リンボー!リンボー!ボンバベボンバベ!!」
「おい、お前らもやってかねぇか?くぐれなかった奴にはご褒美をやるからよ」
 巨漢の筋肉ダルマの一人が猟兵達に語りかける。そんなものはゴメンだ!と言わんばかりに猟兵達は各々の武器を構えて臨戦態勢を取った。
諏訪野・みすず
「とにかく奴を倒すのだ!」ユーベルコードもバンバン使って、看守をブチのめします。「ひょっとしたらパパが見てるかもしれない……。みすずちゃんはココだよー!」「筋肉バカは嫌いなのだ。要はバランスなのだ」「バカを相手に喧嘩するのも疲れるのだ」「なんか強くなった気がするのだ」共闘、アドリブ歓迎。


戎崎・蒼
説得するのが終わったと思ったら、今度はリンボーダンス…。──筋骨隆々な、その……ちょっと変わった人ばかりだよね?というか、やっぱり女性物の下着で戦うのは恥ずかしいな…………。

取り敢えず【POW】のユーベルコードを使用。UCによる魔弾の一斉射撃で一気に殲滅を試みたいな。
これに応じて相手もPOW系技能を使用してくると思うけれど、初撃さえ避けれればいいみたいだし“見切り”で避けれたら一等いいね。

この集団戦、他の猟兵達とも引き続き協力して解決したい所。


エコリアチ・ヤエ
はぁ、絶対に近寄らねー。本気で(敵味方どっちも)頭湧いてんな……。
というか、体中気持ち悪い……。ただじゃおかねぇ。この憤りを全部こいつにぶちまけてやるか!
近寄りたくないからリザレクト・オブリビオンで対峙する。
死霊騎士は攻撃へ、死霊蛇竜は俺の防衛だ。
あ゛?ご褒美が欲しい?ご褒美なら俺がてめぇらにくれてやるから黙っとけ!(踏む)


ソモ・サン
ホントに何なのよこの村……
気色悪奴ばっかり……

でもこういう手合は遣りやすくていいわね。
あんないかにも自分は強いって思ってるやつほど周りに対する警戒は薄いもの。

特に中途半端な強さのやつなんて特に。
ほんの一瞬でも意識をそらしてやれば、ほら簡単。

「忍び足」で死角に入って、そっと首筋に「怨」を「串刺し」てやれば、「暗殺」完了よ。

オマケに「吸血」と「生命力吸収」まですれば完璧ね。


リーヴァルディ・カーライル
…ん。どれだけアレで変態的で気持ち悪くて
眼を覆いたくなる地獄絵図であろうと相手はオブリビオン
油断して良い相手じゃない…気を引き締めて逝こう

…村人の様子はなるべく目にいれないようにする
このまま村ごと焼却処分したら……いやいや
彼らも犠牲者。彼らも犠牲者。彼らも犠牲者…

防具を改造して小石のように存在感を消す呪詛を付与
気配を消して敵の追跡から逃れ【見えざる鏡像】を発動
第六感が危険を感じたら即座に回避行動をとる

…手早く済まそう。可能な限り、速やかに…

敵の行動を見切り隙を突いて接近
力を溜め怪力任せに生命力を吸収する大鎌をなぎ払い、
直後に銃撃をして傷口を抉る2回攻撃で仕留める

進むも地獄、退くも地獄ね…


古都野・はずみ
さ、流石に玉の肌にやけど後はつけたくないわね。
前回服がなくなったから、適当になにか村で調達してきたものの更なる惨状が待っているとはね。
しかもストリップで魅了するような状態じゃないときた、これは実力を行使するしかなさそうね。
あまり気乗りしないけど…
「ちくわ大明神の教えを思い出させてあげないとね♪」
UCのライオンライドでライオンにまたがってスピードで翻弄してあげましょう。
あら、これって神話に出てくる女神とかそんなイメージじゃない?
やん、美しいかも♪
「さあ、気持ちよくなりたい奴だけ私の前に出てきなさい♪」




「ヒャハハハハァ!いいゼェ!?そういう顔を苦痛で歪めるのも俺達の性癖さぁ!」
 巨漢の一人が振り下ろした鉄の棒が猟兵達に向けて振り下ろされる。しかし、この程度の先制攻撃を躱すことは容易であった。今の彼らの集中力は常人の比ではない。否、ただ何も考えたく無かっただけなのかもしれないが。
「これだから短絡的な筋肉バカは嫌いなのだ。もう少しバランスというものを考えて欲しいのだ」
「俺も今回は絶対に近寄らねぇぞ。つかマジでどうなってやがんだこの村はよぉ……」
「あら?私は意外と好きよ?今回ばかりは脱ぐ余裕が無くて残念だけど」
 最初に動いたのは召喚組である。諏訪野・みすずが機械兵を、エコリアチ・ヤエが死霊騎士と死霊蛇竜を、古都野・はずみがライオンを召喚して騎乗する。みすずとエコリアチは後方で指示を出しつつ、ここでは闘奴牢看守とは名ばかりの変態集団に対して乱戦をけしかけた。
 筋肉ダルマの中に無機物や死霊でないと滾らない個体もいたのだろうか、闘奴牢看守は嗜虐衝動を爆発させて嬉々として得物を振り回し、自分や周りが傷付こうがお構い無しに暴れまわっている。
「みすずちゃんの機械兵が数で押し囲むのだ!だからその隙に各個撃破して欲しいのだ!」
「そうね、そのやり方が一番確実じゃないかしら。さあ、私は前に出るわよ!」
 はずみが颯爽と敵陣の中へ飛び込む。中では無数の機械兵が時にバラバラに粉砕されながらも三体一組で敵を囲い混んでその武器を振り回すだけの空間を与えないように押し込める。その隙を突いてエコリアチの死霊騎士とはずみが騎乗する黄金のライオンが首を裂き頭部を噛み砕き、確実に撃破していく。

「ヒャハハー!考えるじゃねえか!だが抜け道もあんだよなぁー!」
「幼女は趣味じゃねえが幼女が苦痛に悶えるのは大好きだぜ!勿論屈強な野郎がひれ伏すのもなぁー!!」
 しかし中には乱闘をすり抜けて来る変態もいた。その数は二体。決して多い訳ではないが、後方の二人にとっては致命的だ。もし二人が傷つけば乱戦は一気に不利な方向へと傾き、変態にお仕置き調教されてしまうだろう。鉄鍋を添えて……。
「やめろバカ!こちとら動けないのに来るんじゃねえ!つかおいなんだその目は、気持ち悪い!マジで気持ち悪いぞ!?」
 エコリアチが慌てて死霊邪竜を割って入るように動かし、直撃を免れる。みすずも後ろへ隠れて機械兵の操作に集中をする。邪竜は一人の身体に巻き付き、もう一人の身体に噛み付くことで辛うじて食い止めている状態であった。このままではジリ貧でやられてしまう、そんな覚悟もしていた瞬間ーー。
「グギャアッ!?」
「おい!緊縛されるのが大好きなお前がそんな苦痛……ギャバコペルニクスッ!?」
「ホント、思い上がってるやつはやりやすいわね。無防備、おまけに縛られて丸腰なんて殺してくれと言ってるようなものね」
「……私としては可能な限り早く終わらせて帰りたい。というか村ごと焼き払……今のは聞かなかったことにして」
 首に一撃貰ってから鎌のなぎ払いによって上下真っ二つになった死体を無視して暗殺メインで行動を進めるソモ・サンとリーヴァルディ・カーライル。すぐさま向き直って乱戦の中へと飛び込んでいく。
「よくあの集団の中に飛び込んでいけるよなぁ……」
「パパが見てたとしてもみすずちゃんには無理なのだ……」
 助けてもらってホッとしながらも、そんないらない心配をする二人であった。


 結果としてこの作戦は上手くいっていたーーが、敵の数があまりにも多過ぎた。確かに各個撃破によって少しずつ筋肉の変態は数を減らしてはいたが、どうしても限界はある。何かしら決定打となる一撃を誰もが求めていた。
 サンは乱戦の混乱に乗じて武器である『怨』を振り、リーヴァルディが透明な状態から鎌で薙ぎ払い一掃していく。敵の棒の振り回しは大振りで粗雑だが、破壊力は侮れない。この異常な空間とその緊張感が余計に猟兵たちの精神を摩耗させていった。
「皆待たせたね。攻撃に入るから戦闘領域からの脱出を頼むよ」
 少し遅れて戎崎・蒼が言葉を発する。彼も何もしていなかった訳ではない。むしろ周りが全力で抑えてくれたからこそ、万全の状態で活路を見出す手筈を整えることに集中出来ていた。
言を受けて乱闘中の猟兵がその場からの離脱を試みる。リーヴァルディは透明のまま、ライオンは脚に繋がれたチェーンを強引に引きちぎり、サンは忍びの如く敵の頭を踏み台にして離れる。
 機械兵と死霊騎士だけが抑えと取りこぼしの排除のためにその場に残り、殴打の嵐をその身で引き受けることで一箇所に固めた状態で押しとどめることが出来ていた。
「これで終わりにしよう」
 膨大な魔力が蒼の頭上に集まる。その黒い瞳がただ一点を捉える。闘奴牢看守は加虐嗜好を爆発させているせいで気づいていない。

「クラヴェッタ。…Tiro volley」

 静かに言い放ち、それとほぼ同時に天井から魔弾の雨が一斉掃射される。圧縮された大量の魔弾は範囲内にいる者全てを頭から穿ち、焦がし、全てを飲み込む。
「ギャアアアーッ!?これが優男パワーかぁぁぁぁ!!」
「女物下着をつけた野郎に痛めつけられるのは趣味じゃ……いやこれ案外快感だなぁぁぁぁぁぁ!?」
 己がバカにされたとわかった途端、魔弾の量が増えた。好きでこんな格好してる訳じゃない。全ては村人のため……そういえば村人の説得は終わったのだしもう付けてなくてもいいのでは?そう考えると段々と腹が立ってくる蒼であった。


 結果として筋肉ダルマの集団は一掃された。部屋に残ったのはかつて敵だった『何か』と鉄鍋を腹に乗せたままブリッジをして隅で怯えている村人だけだった。
「おい、もうそんな無茶振りしなくてもいいんだぞ」
「ええ、そうよ。そんな鍋より私をとちくわ大明神を見て欲しいなー。なんて……」
「いえ、案外これが楽しくてーー」
 それを聞いたエコリアチは一発蹴りを入れて、はずみはちょっとだけがっかりした様子で先に進むことにした。もう構っていてもキリがないと判断したのだろう。
「アタシはもう話しかけるのも嫌よ」
「ああっそれもまたいいですねぇっ!?」
「うわ、強烈な毒針殺法。めちゃくちゃ痛い奴だ」
「アンタにも食らわせてやろうかしら?」
「なんで!?」
 女物の下着姿を付けたまま大立ち回りしていたからである。蒼としては大変不服極まりないが、大胸筋を矯正するサポーター……もといブラジャーとガーターベルト付きのちょっと派手な下着、中性的な顔立ちのおかげで多少マシだが良い年の大人の男が身につけているのはやはり違和感満載であった。サンは半ば八つ当たりのように蒼を睨み付けるとそのまま歩いて去っていく。大分この村に対して辟易しているようだ。
「バカ相手に喧嘩をするのも疲れるし更にバカを相手にするのも嫌なのだ」
「幼女に罵られるのも最高ですねグハァッ!!」
「鉄鍋は重いから剣山に差し替えて置いたのだ。逆さに置いちゃった気がするけどみすずちゃん子供だからよくわからないのだ!」
 最早確信犯なのではないだろうか。どこから持ち出したのか生け花用の剣山を逆さまに置いてから律儀に冷えた鉄鍋を戻す。どう考えても悶絶者だが村の男は笑っている。やはりオブリビオンよりやばい敵ではないかと錯覚させられた。
(彼らも犠牲者彼らも犠牲者彼らも犠牲者……)
 自己暗示をかけることで必死に思い留まっている。基本的に無口なリーヴァルディだが、心が冷たいわけではない。鉄鍋と剣山をそっとどかしてあげる。
「さぁ退きなさい。もうすぐ領主猟兵たちのぶつかり合いが始まるわ」
「ぶつかり稽古ですか!?それは俺も参加したいなぁ!ほとばしる汗、肉体美、絡み合う姿……グヘヘ想像するだけでヨダレがジュルルルル」

 ドMの為に音は鳴るーー。その瞬間、館から外に響き渡るくらい大きな平手打ちの音が響いたという……正気を失いそうになりながらも猟兵たちは遂に決戦へと臨むのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『『変態的破滅招来体』ランジーリ』

POW   :    本当の自分と向き合って!
【欲望】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【対象の分身】から、高命中力の【本音】を飛ばす。
SPD   :    あなたの気持ち、わかるわ!
【まるで相手の心をわかっているかのように】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    あなたの欲望を教えて?
質問と共に【視線を向けてウィンク】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ウルフシャ・オーゲツです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「あらぁーん。いらっしゃーい!アタチの肉体を見にきたのかちら?それともこのお洋服が気になるのかちらぁ?」
 館の最奥にはやはりというか、オブリビオンのボスが待ち受けていた。こいつこそが村の狂気の根源、ランジーリである。
 部下に負けない筋肉質な身体。そして身に纏う黒いベビードールが異質さを醸し出していた。
「でもでもぉ。猟兵さんってことはアタチの邪魔をしにきたのよねぇーん。だとしたらアタチの抱擁で愛してあげちゃうわよーん!」
 するとランジーリは手を広げ、ドスドスと音を立てて見た目にそぐわない軽快なタップダンスを披露する。そしてその足取りのまま猟兵に向かって突っ込んできた。
 まるでブレーキの壊れたダンプカーが襲ってくるようだ。この変態が織り成す狂乱に終止符を打つべく、猟兵たちは行動を開始した。
諏訪野・みすず
「変態はやはり許せないのだ。みすずちゃんが倒すのだ!」「オブリビオンの言うことなんか聞く気になれないのだ」ラスボスに対して、切り札的ユーベルコード、【ダンシング・トルネード・アタック】を使います。バーサーク状態になりますが、誰かが抑えてくれると思います。徹底的に動いてランジーリを翻弄します。共闘、アドリブ歓迎。


戎崎・蒼
いよいよボス戦だね。
勿論アレはもう脱いでるよ。ノリノリだったとか思われるの、本っ当に嫌だから!
他の猟兵達と続けて協力して頑張ろう!って言いたい所だけれど、………凄く変態じみてるオブリビオンだし、なんかドスドスいってるんだけど。

取り敢えず、見てるのも色んな意味で辛いから早期決着をつけたい。
【POW】で判定。UCを使用させて貰うよ。
規則は………そうだな、『女物の服を着てはならない』っていうニュアンスのものにしよう。
だって服脱ぐだけだよ?簡単でしょ(迫真)

さっさと終わらせて帰ろう。うん。(※終始なげやり)


リーヴァルディ・カーライル
…ん。これが最後の戦い
私の持てる力の全てを賭けて、吸血鬼を狩る…。
お前を倒して必ず、村の人達を正気に戻す…!

…ん。戻らなかったら…?
速やかにこの変態だらけの村から出ていこう、うん…。

他の猟兵と連携して戦闘
改造した防具の力を維持して小石のように存在感を消す
敵の行動を【吸血鬼狩りの業】と第六感を頼りに見切り、
怪力任せに大鎌をなぎ払いカウンターを試みる

…お前に抱きしめられるぐらいなら、舌をかんだ方が、マシ

一瞬だけ吸血鬼化して【限定解放・血の獄鳥】を発動
自身の生命力を吸収して力を溜めた魔法陣の呪詛を黒鳥に纏わせ、
敵に特攻した後、自爆して傷口を抉る2回攻撃を行う


※欲望…愛して欲しい(本人は否定する)


古都野・はずみ
どんな趣味でも個人で楽しむのは自由なんだけど、無理やり洗脳するっていうのは良くないわね。
それにあなたには黒よりも赤が似合うわ!!
ゴッドスピードライドを使用して宇宙バイクの速力でランジーリのスピードに対抗するわね。
宇宙バイクの方が小回りきくから捕まることはないわね。
攻撃に関しては…
あら? まっとうな攻撃手段がない?
バイクで体当たりかしら?
真正面から加速して突撃。当たればラッキー。
よくあるパターンで捕まえられれば動きを止めれるからみんなが攻撃できるはず。
私は自信は捕まらないよう飛んで逃げちゃいましょう。

それにしてもこのノリのいい仲間とこれでお別れだと思うと寂しいわね。


エコリアチ・ヤエ
うぉぉ予想斜め上の強烈なオブリビオンがでてきたんだが。
いや、でもよく見たら手入れの整った艶やかな長髪だし、ワンピースが隠すとこはちゃんと隠してる上でこの筋肉はなかなか……はっ?!俺は何を考えて?!
なぁ……俺、帰ってもいいか?だめか?そうか……。
あまり近寄りたくないんでファイブエレメンツソードを飛ばして呪いの契約を発動するための血を頂いて武器を強化。それでまた攻撃をしかけていく。
しかしどう鍛えればその筋肉がつくのか……気になる……。
[アドリブ絡みなんでもOK]


真田・さな
【アドリブ・他の方との絡み大歓迎です!】
「ヒーロは遅れてやってくるものよ。北の魔道王真田さな、参上よ! あなた、少し目の毒だわ! ちょっと見てると可愛く見えてきちゃう...あれ? 私、ちょっと毒されてるかも・・・」

序盤は仲間と協力しながら、ウィザードミサイルで敵をけん制します。
戦いの中で、敵に疲れが溜まり、相手に動きの中で隙が生じた場合は必殺の龍鱗砕きで大ダメージを狙っていきます。

*欲望だらけの私です...『あなたの欲望を教えて』を使われたら、質問内容によっては、真実をしっかりと語る自信がありません。




 ドガァァァン!とランジーリが思い切り壁にぶつかる。壁はランジーリの形に窪みパラパラと破片が落ちている、しかし当の本人はその程度の傷を物ともせずゆっくりと振り返る。
「いやん、アタチの愛が大きすぎて受け入れられないのね!うんうんそれも愛の活動、略してアイカツよね!」
「いやもう意味が分からないんだけど。それに僕はお前のせいで変態に思われて最悪なんだけど!」
「……あれに抱かれるくらいなら舌噛み切って死んだ方がマシ」
 ここまで醜悪な敵を前にしても自己を見失わない元の格好に着替え直した戎崎・蒼とリーヴァルディ・カーライル。強い意志を持つ二人は折れかけの心を必死に縫合して正気を保ち続ける。
 まともに取り合っちゃダメだ。もう帰りたい。そんな気持ちを抱えながらも必死で振り払い目の前の倒すべき敵に集中する。

しかし――

「いや、でもよく見たら手入れの整った艶やかな長髪だし、ワンピースが隠すとこはちゃんと隠してる上でこの筋肉はなかなか……」
「ちょっと可愛く見えて来たかも……」
「無理やり洗脳っていうのは良くないわ。ただ趣味を楽しむのは自由よ。でもあなたは黒より赤が似合うと思うわ」
 空気に毒されている者もいた。エコリアチ・ヤエと真田・さな(捨てられ王女・f05145)は半分正気を失ったかのような言動を漏らす。古都野・はずみは一見正論を言っているように見えるが、敵のファッションチェックをし始めている辺りに微妙な頭のネジの緩みを感じる。
「もう嫌なのだ!オブリビオンの言葉なんて聞きたくないのだ!」
 そして遂に諏訪野・みすずが我慢の限界に達した。10歳、いくら猟兵といえどこの惨状は幼い身には耐え難いものがあったのだろう。首を横に振ってあらゆるものを拒絶する姿勢を見せるとランジーリに向かって突貫し始めた。
「吹けよ嵐、すべてを破壊せよ!」
「あらぁ!直球なのも素敵よぉーん!」
 ユーベルコードで最終武装モードになったみすずの渾身の体当たりとそれを真正面から受け止めるランジーリの腹筋と大胸筋。直撃を受けているにも関わらずその顔はアルカイックスマイルの如く全てを受け入れる微笑みに包まれていた。
「ぐぬぬぬぬぁぁー!」
「良いわよ良いわよ良いわよーん!アタチの大胸筋がピクピク喜んでるわー!」
 当人たちは真面目にぶつかり合っている筈、しかし向かい合って両手を繋いでぐるぐる回っている姿には親子が遊んでいるような光景にしか見えなかった。


「どう鍛えればあれだけの筋肉が付けられるのだろうか……」
「エコリアチさん、形から入ればいいと思うわ!」
「私達も応援するわ!奴の気を引けるようにユーベルコードで攻撃しながら筋肉アピールよ!」
 戦闘意欲とはどこへやら、筋肉への対抗心を燃やすエコリアチとそれを応援しようとするさな、はずみ。エコリアチとさなは、それぞれファイブエレメンツソードと炎の矢を作り出し、はずみは宇宙バイク(地上なのでちょっと速いバイク)に騎乗。それぞれ攻撃を仕掛けた。

「肉!」
「体!」
「美!」

 三人がそれぞれ思い思いのボディビルポーズを取りながら……はずみに至っては速度の乗ったバイクの上に立ってポーズを取っている。
「はずみさーん!!前、前!そのままだと……」
「止まれるわけないじゃなーい!ハンドル足下なのよー!」
 そのままぐるぐる回るみすずとランジーリに向かって加速したバイクが割って入るように突進していく。風を切る音、エンジンの唸る音、バイクが激突した派手な音、吹っ飛ばされるはずみの声が部屋中にそして筋肉中に響く。
「いやぁーん!アタチの五臓六腑がマイクロビキニよー!」
 ぶつかったバイクは粉々になり、傷を負ったランジーリの上から属性を纏った剣と炎の矢が追い打ちを掛ける。血を流し、肌が焼け焦げてもなお輝き続ける筋肉。
「ボケのベクトルを筋肉にするのかランジェリーにするのかハッキリするのだー!!」
 そして頭上から逆さまの状態で垂直に落ちてくるみすず。流石のランジーリもこの連続攻撃に組み伏せられるのであった。


「……なにこれ」
「僕達が軽々しく踏み入ってはいけない領域なんだよ」
 完全に置いてけぼりを食らっていたリーヴァルディと蒼だったがそこは猟兵、すぐに我に返り混乱に乗じた今こそがチャンスではないかとすぐにユーベルコード発動の準備を整えた。
「はいはい、これ君に課す規則ね。女物の服着るの禁止だよ。Pallottola magica ed infinita.」
「……限定解放。呪いを纏い翔べ、血の獄鳥……!」
 どこか投げやりな様子の蒼が銃弾を放ち、それを黒炎が包み込む様に重なり弾丸という核を得た不死鳥が翼をはためかせ標的に向けて一直線に突き抜けていく。
「いいわ!それもアナタ達の欲望なのねん!受けてあげるわ!」
「なっ!?自ら受けるって!?」
 伏した状態から素早く起き上がると両手両足を大きく広げ、大の字の状態で炎と弾丸を受け止める。
 直後、ランジーリの全身が黒い炎に包まれ燃え盛る。その姿が外から分からなくなるほど激しく燃え上がり、もはやシルエットでしか形が分からない程となっていた。
 そして炎が徐々に弱まり、姿が露わとなる。その結果は――

「これがアタチが求められていた姿がなのねぇーん!!ちょっと過激過じゃないかちらぁん?」

 黒いベビードールは焦げて焼け落ち、肌に身に付ける物が全くなくなったランジーリ。有り体に言えば全裸の筋肉オブリビオンが身体をクネクネさせながら立っていた。
「最悪だぁぁぁぁぁぁ!!」
 ユーベルコードの反撃を食らっていないのにも関わらず膝を突いて倒れこむ蒼。精神的ダメージがあまりにも大き過ぎた。リーヴァルディも黙って目を背けている。口には出さないものの、今までの戦いの中で最低最悪であろうことは記憶に深く刻まれてしまうのであった。

「あれはちょっと可愛くないわね……」
「よせ!さな!それ以上の言及は危険過ぎる!」
「そうよさなさん!触れてはいけない話題よ!」
「はずみお前いつのまに戻ってきたんだ」
「……ダークセイヴァーは広かったわ」
 ハンドルから手を離して運転するのは絶対にやめようと思うはずみであった。


「流石猟兵さん達ねん。アタチをここまで追い詰めるなんて。でも……」
 ランジーリがユラリと動き出す。皆が大技が来るかと身構えたその時。
「アナタ達の欲望を教えて欲しいわぁーん!」
 ランジーリのウインクが炸裂する。欲望を口にはすれば回避出来るが、出来なければならダメージを負うというものだ。
「筋肉!俺はもっと自分の筋肉を見てもらうんだ!」
「そうよ!私も自分の美しい肌をもっと見てもらいたいわ!」
 エコリアチとはずみが自身の肉体について口にする。一瞬の恥を捨てた回避。懸命な判断である。
「僕は……くっ!言えない!」
「……私には、そんなもの」
 逆に口に出来ない蒼とリーヴァルディ。自分のプライドを守る。それもまた懸命な判断だ。代償として全身に痛みが走るが失うものに比べれば些細なものだった。
「パパに会いたいのだぁぁぁぁぁ!!」
「えっと、そうね……○○と××がピーしてピーのピーでピーがピー……」
「あらぁーん!!二人とも過激ゴファアッ!?」
 ジェットスピードでドリルキックをかますみすずとちょっと放送出来ない単語が連発されるさな。欲望まみれなのだそうだが、質問の内容が抽象的のため答えられる範囲での回答であった。それでも尚やや刺激が強いが。

「アチシは……アチシは絶対また帰って来るわよーん!!」
 キックを食らって上空に吹っ飛ばされた全裸のランジーリは天井を突き破り何故か打ち上げ花火の様に爆発する。暗い空には『ハイレグ』の文字。不気味な捨てゼリフを残しながらもオブリビオンの爆発によって当面の平和は保たれたのだ。ありがとう猟兵たち!村の平穏と鞭と蝋燭と喘ぎ声はこうして守られた!

「倒した……のか?」
「そうだね、僕はもうそういうことにして帰ろうと思う」
「……私もここから早く帰りたい」
「言っちゃった……私とんでもないことを言っちゃった気がするわー!?」
「あら?私はそういうの素敵だと思うわ?」
「変態の相手はもうしたくないのだ……」
 猟兵の明日は続く。どんな現実が待ち構えていようとも彼らは戦い続ける。襲い来る過去を討ち払う為、あるべき未来を守る為、彼らは今日を生きていくのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月11日


挿絵イラスト