エルフの森を『お掃除』に参りましたわ
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アックス&ウィザーズの片隅、エルフのみが住まう森。この森ではエルフのみが住まい、森の中心にはエルフ達が樹上のツリーハウスで生活していた。
決して、ここのエルフは排他的ではなかった。森を訪れた狩人や他の種族の者を排斥する事もなく、この世界で穏やかに暮らしていた……そのはずだった。
しかし、それは招かれざる客によって終わりを告げようとしていた。
「あれがエルフのハウスですわね?」
そう呟くのは光輝くメイド服の女性――幹部猟書家チーフメイド・アレキサンドライトだ。彼女は、優雅にスカートの裾を両手で軽く持ち上げる。見事なカーテシーを見せたチーフメイド・アレキサンドライトの背後に、空中を飛ぶ鳥のような魚のようなオブリビオンが大量に出現した。
『キュウ』
『キュルル』
「ええ、よくおいでくださいましたわ。目標はわかっていますわよね?」
チーフメイド・アレキサンドライトの確認に、ジャガガガガガガガガガガ! とエアティック・フィッシュの群れがアームドフォートを装着していく。エアティック・フィッシュの群れは、まるで雪崩のようにエルフの森へと飛び込んでいった。
それを見送ったチーフメイド・アレキサンドライトは、愉しげに笑っていった。
「ふふ、さあ、キャンプファイヤーの時間ですわよ」
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「アックス&ウィザーズの世界も侵略されておるようじゃ……」
ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は思うところがあるのだろう、厳しい表情で顎髭を撫でた。しかし、私情を押し殺し、ガングランは続けた。
「幹部猟書家チーフメイド・アレキサンドライトは、エルフの森にある世界樹イルミンスールから株分けされた聖なる木を狙っておる。なんでもこの聖なる木は燃えんらしいので、森に火を放って探し出そうとしている」
そんな事をすれば森はもちろん、そこに住むエルフ達も燃やされる――このような凶行を許す訳にはいかない。
「まず、エルフの森の中心にある集落でエルフの協力を得ると良いじゃろう。連中は生粋の狩人が多い、森に関して詳しいじゃろうからな」
エルフ達の情報があれば先行しているエアティック・フィッシュの群れを道に迷わせ、こちらは樹上から一方的に有利な状態で戦う事も可能だ。素早く連中を倒せれば、森の延焼もその分少なくてすむ――そういう意味でもエルフの協力は重要になるだろう。
「何にせよ、連中の目的の阻止はもちろんそこに住む者も救わねばならん。よろしく頼むぞ」
波多野志郎
猟兵さんどいてくださいません? 森が焼けませんわ――あ、どうも波多野志郎です。
アックス&ウィザーズの世界で、幹部猟書家チーフメイド・アレキサンドライトとその配下がエルフの森を襲うのでそれを撃破していただくシナリオとなっております。
まずはエルフ達に協力を取り付け、その上で自身達が有利になる戦場や戦法を選ぶのが重要となります。ここはアイデア勝負なので、皆様のプレイング次第となります。
それでは、エルフの森でお会いしましょう!
第1章 集団戦
『エアティック・フィッシュ』
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POW : キュウ!
【憎悪】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD : キュルルー!!
【瞳を黒くする】事で【緊急撃退モード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : キュゥーン
【尻尾】から【竜巻】を放ち、【風圧】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:白狼印けい
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私/私たち 唯一忍者
対応武器:漆黒風
誰ぞの故郷を滅ぼさせてたまるか。
エルフには、敵を迷わせることと、樹上の案内をお願いしますねー。
忍なので、森は私向きなんですよねー。
さてー、樹上から隠れての指定UC+呪詛+風属性攻撃を。眉間あたり狙いましょう。
一投一投、場所を変えて気取られぬように。
寿命が尽きるか、これにて絶命するか。二つに一つですねー。
エルフには結界術を施しますねー。私自身は四天霊障での防御オーラで万一に備えますー。
レジーナ・ドミナトリクス
クリスタリアン……プリンセス・エメラルドの手の者でしょうか?
いずれ相手がどなたであっても、猟書家の侵攻を見過ごすわけにはいきません。
エルフの皆さんとの交渉は、事実を話せばそれほど難航しないのではないでしょうか。
彼らにとっても一大事のはずですし、香水『Epilimnion』の効果だけでも充分そうです。
いただいた情報を元に敵を迷わせるなら、誘導役がいた方が成功率は上がります。
わたしの場合、樹上から攻撃する手段が乏しいですし、囮になって敵を誘き寄せましょう。
言葉が通じるかは兎も角、フォースセイバーで応戦しつつ【挑発】を試みます。
「早くつかまえてご覧なさいな。
それとも、慣れない装備で動けませんか?」
神咲・七十
アドリブ・連携お任せ
どうも、襲撃されているから救助に行けと言われ派遣されました。
被害が広がる前に終わらせるため、協力してください(お土産のお菓子を渡しながら)
(エルフさん達には、樹上から敵を打ち下ろしてもらい)
(UC『制約:略奪者』を使用。一匹を同じく樹上から大量の蔓で絡めてWIZのUCを奪い取り、他の敵は奪ったUCで動きを止めながら、追加で出した蔓で絡めて捕食、弱らせていき、そこをエルフさん達に討ち取ってもらいます)
やっぱり、地形が分かってると戦いやすくていいですね。(お菓子もぐもぐ)
(いろんな猟書家がいるみたいですけど、今回の人達はやけにいろんなところに・・・いろいろ手に入らないかな~)
●エルフの里にて
アックス&ウィザーズの世界において、エルフの隠れ里は決して少なくない。このエルフの森の隠れ里もまた、その一つだった。
(「エルフの皆さんとの交渉は、事実を話せばそれほど難航しないのではないでしょうか。彼らにとっても一大事のはずですし」)
「……こんな森深くまで、どうしたのですか?」
訪れた外部の者にも、エルフ達は決して敵対的ではなかった。むしろ、気遣いさえ感じられる――レジーナ・ドミナトリクス(密獄の女王・f12121)はそう、出迎えてくれたエルフに思うものの、そこに確かな警戒も感じていた。
森深く、決して迷い込んでいい場所ではない。目的がなければ訪れられない、そういう場所にエルフの里はある。
「どうも、襲撃されているから救助に行けと言われ派遣されました。被害が広がる前に終わらせるため、協力してください」
「あ、どうも……」
これ、お菓子です、と神咲・七十(まだ迷子中の狂食者・f21248)にお菓子を手渡され、エルフの女性は仲間達を振り返る。どう対応していいのか困っている女性に、一人の壮年の男性が前に出た。
「襲撃、ですか? 詳しく教えていただけますか?」
「ええ、実はですね――」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)が、その問いに答える。その内容は、このエルフの隠れ里――ひいては、世界樹イルミンスールから株分けされた聖なる木を狙っている事実。それを聞いて、エルフ達の表情が変わった。
「……そうなると、火を放つつもりですか」
「話が早くて助かります」
レジーナは、一を聞いて十を知った壮年のエルフ――この里の長――の判断に、素直に感心する。決して燃えなる聖なる木、それだけもっとも簡単で確実な判別方法だと認識しているということだろう。
「猟兵の方々のお噂は、帝竜との戦いで聞いております。こちらこそ、是非お力を借りたい」
「ええ。そちらには敵を迷わせることと、樹上の案内をお願いしますねー」
義透――『疾き者』は、そう告げると一言付け加えた。
「私は忍なので、森は私向きなんですよねー」
●蹂躙せしモノ
エアティック・フィッシュの群れが、森の中を駆け巡る。森の上空ではなく、敢えて木々に紛れるように散っていくのは、隠密性を考えての機動だ。
「むしろ、上空を取ってくれた方がいい的だったのに」
レジーナは、一人こぼす。森の上からアームドフォートで爆撃する、それは有効な手段に見えて、遮蔽物のない場所に身を晒す事を意味にしていた。そちらの方が、いくらか対処しやすかったのだが――エアティック・フィッシュに、そこまでの知恵があるとは思えない。それを命令した者の策なのは、間違いないだろう。
「クリスタリアン……プリンセス・エメラルドの手の者でしょうか? いずれ相手がどなたであっても、猟書家の侵攻を見過ごすわけにはいきません」
レジーナが、フォースセイバー・レジーナカスタムの出力を上げる。先行する一体のエアティック・フィッシュが、レジーナの繰り出した光の鞭に切り裂かれ――半瞬後、爆発した。
「早くつかまえてご覧なさいな。それとも、慣れない装備で動けませんか?」
言葉が通じるか謎だが、敢えてレジーナは言葉で挑発する。通じたのか、あるいはただ脅威を感じたのか近場のエアティック・フィッシュの群れがレジーナへと殺到した。
ドドドドドドドドゥ! と繰り出されたアームドフォートから放たれた砲弾を、レジーナは光の鞭で薙ぎ払い、落としていく。後方へ下がるレジーナを追うように飛ぶエアティック・フィッシュの群れに、不意の矢の雨が降り注いだ。
エアティック・フィッシュの群れの動きが、一瞬止まる。それを見計らって、フォースセイバー・レジーナカスタムの光の鞭が切り裂いていった。
「ありがとうございます」
上を見れば、木の上には二人のエルフが弓を構えている。そこに誘い込んで、援護射撃をしてもらったのだ。
「わたしの場合、樹上から攻撃する手段が乏しいですからね」
だからこそ、援護は助かる。レジーナは再び囮になるべく、森の中を駆け出した。
「eine Rebe, die Kraft isst」
ひゅるり、と七十の制約:略奪者によって伸びた蔦が、エアティック・フィッシュを絡め取る。それをエアティック・フィッシュが尾を振るって竜巻で蔦を切り裂こうとするのを、木陰から射られたエルフの矢が貫いた。
「やっぱり、地形が分かってると戦いやすくていいですね」
もぐもぐ、とお菓子を食べながら、七十が呟く。森の中でどこを抜けて隠れ里にやって来るのが効率がいいのか、そのエルフ達が知っている道順に蔦を控えさせておけば入れ食い状態だ――森という環境を最大限に行かせば、完全に侵攻を止める事も可能であった。
「向こう側に回り込んでいるようです。よろしくお願いできますか?」
「はい、お任せください」
お菓子を食べきり、七十は走り出す。エルフが森の中を把握してくれているからこそ、制約:略奪者を使用するのに集中できて有り難い。七十はエアティック・フィッシュ達の足止めに徹し、止めはエルフが刺してくれる、という役割配分だ。
(「いろんな猟書家がいるみたいですけど、今回の人達はやけにいろんなところに……いろいろ手に入らないかな~」)
エルフの援護に回っているからこそ、七十はそう思考に意識が割ける。いや、もっと正確に言うのならば――エルフ達の身の安全が、保証されているというのが大きい。
「結界術を施しますねー」
エルフ達は、『疾き者』の結界術によって守られていた。だからこそ、樹上とはいえ前衛にも安心して回ってもらえていたのだ。
「――さてー」
そして、結界術が解けたエルフ達にかけ直し終えると『疾き者』は気配を消して森の中に消える。音もなく木の枝を足場に跳び続け、漆黒風を抜いた。
何の変哲もない、棒手裏剣だ。光の加減で、たまに緑色が見える棒手裏剣を『疾き者』が投擲する!
ドン! と一体のエアティック・フィッシュが眉間を撃ち抜かれ、墜落した。それに残りのエアティック・フィッシュ達がそちらへアームドフォートの銃口を向けるが――そこには、何もいなかった。
「私の早業、受けてみますー?」
真上だ――エアティック・フィッシュ達が気付いて銃口を上に構えなおそうとした時には、漆黒風が突き刺さっていく。ドォッ! とまとめて爆発。四天霊障の防御オーラで爆風に乗りながら、『疾き者』は駆け抜けていった。
「寿命が尽きるか、これにて絶命するか。二つに一つですねー」
一投一投――『疾き者』は、止まらない。場所を変えて気取られぬように、確実に狙いを貫いてエアティック・フィッシュ達落としていく。その気配の殺し方と動き、正確無比の投擲は天性の狩人であるエルフでさえ舌を巻くほどだ。
まさに、水を得た魚――忍者である『疾き者』は、進む度に一体足りとも漏らさず撃墜していった……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
姫神・咲夜(サポート)
桜の精の死霊術士×悪魔召喚士、女性です。
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、
片思いの人には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
清楚で女流階級風の口調で、お淑やかな性格です。
基本的に平和的な解決を望みますが
戦わざるを得ない時は果敢に戦いに向かう勇敢さを持っています。
あとはおまかせです。よろしくおねがいします!
小宮・あき(サポート)
申し訳ありません。
シナリオワールドを固定するロールプレイをしています。
『アックス&ウィザーズ』のみ、採用をご検討ください。
です、ます口調の礼儀正しい少女。
悪に対して容赦なく。
困った人を放っておくことはできません。
戦闘は『後衛』『大魔法』
冒険日常は『お任せ』
UC「神罰」
半径レベルmの【範囲攻撃】
強力なスポットライトのような光の【属性攻撃】、物質を透過します。
【祈り】が媒体です。【早業】【高速詠唱】で動かず即座に発動可能。
最後衛で戦います。
聖職者であり、既婚者。
「神」と「夫」に報告できない行動は、絶対に取りません。
アリスラビリンスまでの技能を取得済み(装備💎12個セット)
探索技能も抜かりなく。
椚・みどろ(サポート)
エロ系依頼には使わないで欲しいです
怪奇人間の悪魔召喚士×シャーマン、16歳の娘さん
元奴隷なので身体の発育は悪い
口調は
普段は素(あたし、呼び捨て、か、だろ、かよ、~か?)で
依頼中、他人と関わる時は仕事なので頑張って(私、あなた、~さん、ね、よ、なの、なの?)です
焦ったりすると素が出ます
自分を助けてくれた師匠(今は失踪)の存在が大きく、大抵の行動は師匠の言いつけ通りにやっています
(「師匠が言ってたんだけど~」と引用したり、思い出したり)
ユベコは基本アスモデウス召喚を使います
この契約も師匠譲りです
●エルフの森での攻防
一度開いた戦端は、あっという間に広大なエルフの森各所へと広がっていく。エアティック・フィッシュの群れの優位は、その数だ――エルフの協力を得た猟兵達によって地の利と機動力を失っても、それだけは勝っていた。
だからこそ、遊撃としてその数を引き受ける者もまた重要だった。
「――神罰を与えましょう」
小宮・あき(人間の聖者・f03848)の祈りによって、エルフの森へ広範囲の光の柱が立ち昇る。強力なスポットライトのようなその光は、森の木々をすり抜けエアティック・フィッシュの群れだけを照らしていく。それは水底から海面を見上げたような、神秘的な光景であり――邪な存在を許さない、裁きの光であった。
『キュルル』
アームドフォートの爆発の中を、何体かのエアティック・フィッシュが抜けていく。ドドドドドドドゥ! とあきへ向かって一斉掃射された砲弾の嵐――それを立ち塞がって防いだのは、椚・みどろ(一願懸命・f24873)の召喚したアスモデウスだった。
ゴォ! と眼前に生み出された獄炎の壁に、無数の砲弾が次々と着弾。炎を抜ける事が叶わず、燃え尽きていった。
「大丈夫!?」
「ありがとうございます」
みどろの声に、あきは柔らかな笑みで答える。それに一つうなずき、みどろは改めてアスモデウスを見上げた。
「行け!」
みどろの短い指示に、迷わずアスモデウスは両腕を前に突き出す。獄炎の壁が、真っ直ぐに森の中を駆け抜け行った。獄炎の壁に当たる端から、エアティック・フィッシュが灰となってアームドフォートが暴発した。
細かい指示など、必要ない。師匠譲りのアスモデウスとの契約だ――みどろにとってもっとも共にあった悪魔は、森の中で迫るエアティック・フィッシュだけを焼き払っていった。
「ここから先へは、行かせません」
舞い散る火の粉の中、姫神・咲夜(静桜・f24808)もまた、エアティック・フィッシュの群れへ凛と言い放った。決して戦いを好ましい、とは咲夜は思わない。だが、その先にあるのが平和に暮らす者達の平和を脅かすものだと言うのなら、決して引く気はなかった。
(「向こうでは、エルフの方々と力を合わせ里を守ってくださっています」)
数が数だ、そちらへ通してしまうのは仕方がない。とは言え、今ここで集まっているエアティック・フィッシュの群れを通してしまえば、また里を守りながら戦うのは困難になるだろう。
だからこそ、ここで引きつける意味がある。エアティック・フィッシュの群れは、知ってか知らずかその数で圧殺しようと次々に集ってきた。
『キュゥーン』
「そんなに簡単に当たりませんよ」
エアティック・フィッシュの尾が生み出す竜巻を、咲夜は見切りの極意によって予測しかわしていく。拘束すべく舞い上がる竜巻と竜巻の間。その隙間を、発生したあるいは消失した瞬間を見切って舞うような足取りでエアティック・フィッシュの群れを翻弄し――咲夜はあきへと言った。
「お願いいたします」
「はい」
咲夜が撹乱しエアティック・フィッシュの群れを集めたそこへ、あきの神罰(ジャッジメント)の光が降り注ぎ、群れを消し飛ばしていく。エアティック・フィッシュの群れも、ただやられている訳ではない。攻撃の要であるあきへ散発的な反撃を試みるも、みどろのアスモデウスが獄炎の壁を生み出し盾となった。
――撹乱、殲滅、防衛。話し合ったわけではない、しかし、集まった者達が考え、他人の隙間を埋めていく……それこそが、連携と言うべきものだ。
「師匠が言ってたけど、一人より二人、二人よりたくさんだね」
「ええ、頼もしい限りです」
みどろの言葉に、咲夜は微笑む。平和に暮らす人々を守りたい、そんな想いを抱いてくれる仲間がいる、それだけで頼もしかった。そして、それはここにいる三人だけではない――仲間の猟兵達やエルフ達も同じはずだ。
「決して思い通りにはさせません」
あきはその場の者達の想いを代弁するように、エアティック・フィッシュの群れへと告げた……。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第2章 ボス戦
『チーフメイド・アレキサンドライト』
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POW : カラーチェンジ
対象の攻撃を軽減する【赤紫色のボディ】に変身しつつ、【100発/秒で弾丸を発射するガトリング砲】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD : メイドの嗜み
【カラーチェンジした腕】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、カラーチェンジした腕から何度でも発動できる。
WIZ : 掃除の時間
【ガトリングからサイキックエナジーの弾丸】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
イラスト:サカサヅキミチル
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠月夜・玲」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●メイド、エルフの森に立つ
「これは分が悪ようですわね」
チーフメイド・アレキサンドライトは、取り乱さない。出来るメイドというのは、ただ黙々と職務をこなすものだ。そのために重要なのは何か? それは常に、最悪の事態を想像し対処を練っておく事だ。
「私自身の出番ですわね」
ガチャン、とチーフメイド・アレキサンドライトが優雅な仕草で取り出したのは巨大なガトリング砲だ。配下に荷が重かったというのなら、その上司である自分が失敗を取り戻さなくてはいけない――出来るチーフメイドの最低条件だ。
「では、『お掃除』と参りましょう」
邪魔をする者は、薙ぎ払えばいい。チーフメイド・アレキサンドライトは冷静かつ堅実に、自らの足でエルフの森の中へと――ただの一人で、進軍を開始した。
レイン・ファリエル(サポート)
『さぁ、貴方の本気を見せて下さい』
人間のサイキッカー×ダークヒーロー、15歳の女です。
普段の口調は「クールで丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、機嫌が悪いと「無口(私、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格は落ち着いてクールな感じのミステリアスな少女です。
人と話すのも好きなので、様々なアドリブ会話描写も歓迎です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
一郷・亞衿(サポート)
廃墟探索中に呪われ、その結果として力を得た猟兵です。独自開発した混沌魔術や呪詛を纏わせたカッターナイフ、金属バット、伸縮式の山刀(蛇腹剣)等を用いて戦います。
各種オカルト話を好みますが、オブリビオンに対しては基本的に容赦しません。
外見特徴として、マスクで常時顔を隠しています。
一人称は「あたし」。
年下~同年代にはくだけた感じの口調で話し、年上や偉い人には敬語(さん付け、ですます口調)を使います。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使いますが、寿命が減る系の物はタイミングを見計らい極力短時間の使用で済ませるようにしています。
軽口を叩いたりもしますが、戦闘時は真面目に役割を果たそうとするタイプです。
レイ・キャスケット(サポート)
アルダワ魔法学園の生徒であり謎解きや冒険となると首を突っ込まずには居られない
性格は明るくポジティブ
性善説的な考え方が強く非オビリビオン相手であれば甘すぎる慈悲を与えることも
楽しければ悪ノリする部分もあり、またその場のノリに流されやすいことも
一人称はボク
二人称はキミ
三人称は年上は~さん、年下は~くん、~ちゃん
戦闘では『ブランクソード』と高速詠唱を軸にした七色の属性攻撃で敵を翻弄するオールレンジラウンダー
得意な戦法は挑発やフェイントを多用したイヤガラセからの主導権奪取
状況に応じ回復も使い分ける万能型だが、体力は並程度を魔力ブーストで補う
明確な弱点は水中、水上行動を極端に嫌うことである
●メイド・サーヴァント
森の中を悠然と進むチーフメイド・アレキサンドライトは、ふと足を止めた。
「おや、奇妙な出迎えですわね」
「んー、お帰りくださいって感じなんだけどね」
アレキサンドライトの前に立ち塞がるように立ちはだかったのは、一郷・亞衿(奇譚綴り・f00351)だった。剣と魔法のファンタジー世界で、灰色の狐の尻尾らしきものが強引な形で先端に括り付けられている金属製のバットを肩に担いでの登場は、確かに奇妙と言うか場違いでさえあっただろう。
「お断りしますわ」
「ですよねー」
ガシャン、とガトリング砲の銃口を向けてきたアレキサンドライトに、亞衿は返す。放たれるサイキックエナジーの弾丸による豪雨、それを亞衿は駆け出す事で回避した。
無数の木が、轟音を立てて倒れていく。銃弾の一発一発が凄まじい破壊力を秘めているからこそだ。
「いや、逆に汚してるから!」
そして、アレキサンドライトの真上からレイ・キャスケット(一家に一台便利なレイちゃん・f09183)が迫った。脚に装着したホルダーから抜く柄、光の刃を生み出して振り下ろされるレイのブランクソードを今度はアレキサンドライトが後退してかわした。
「――ッ!」
直後、一気に間合いを詰めた亞衿の灰色こっくりのバットとガトリング砲が、激突する。ズサァ! と落ち葉と地面を削りながらアレキサンドライトは着地に成功した。
「生ゴミ、粗大ゴミ、資源ゴミ――どれに分類すべきでしょうか?」
「なら、あなたは燃えないゴミ、でしょうか?」
アレキサンドライトの軽口に答えたのは、レイン・ファリエル(クールビューティー・f17014)だ。レインはカーテシーで優雅に一礼、それを受けてアレキサンドライトも同じ礼を返し――同時に言った。
「こちらで判断させていただきますわ」
「小さく砕かないと。回収する人が苦労するでしょうから」
アレキサンドライトの体が赤く染まり、レインの服から無数の暗器が放たれる。エルフの森に激突音を響かせ、両者が地を蹴った。
●激突の先に――
森の中をアレキサンドライトが疾走していく。ガトリングを細い片腕で掴み自由自在に操る様はいっそ冗句にさえ見えた。
(「――猟兵、厄介ですわね」)
ジャガガガガガガガガガガガガガガガガ! と森の木々の隙間から蛇腹の刃――亞衿の山刀10/7 feetだ。まるで飢えた蛇のように迫る刃を、アレキサンドライトは跳躍で回避。その刃の上を迷わず走り出す。
「そこですわね」
繰り出されるガトリング砲の銃弾、しかし、亞衿の姿はそこには既に無かった。
「足元に気をつけて、危ないよ?」
跳躍していた亞衿の警告と同時、10/7 feetの蛇腹の刃が荒れ狂う。元よりとあるUDCの怪物の肉体を素に造られた物だ。その蠢きに足を取られたアレキサンドライトへ、レイは空中を蹴って迫った。
「機動力こそボクの真髄。飛んで跳ねて惑わして、まさに人間カタパルト!」
アレキサンドライトの迎撃の銃弾を、レイは魔法跳躍(エレメントステッパー)によって空中で回避する。風をまとったブランクソードの一閃に、アレキサンドライトは緑色に輝く左腕をかざし――レイの魔法跳躍をコピー、数度虚空を蹴って間合いを開けた。
「――隙ありです」
そのアレキサンドライトに肉薄し、レインはサイレントナイトメアから光線を解き放つ! レインのサイレント・ブラッドは、避けようとするアレキサンドライトを許さない――猟犬のように追いすがり、鉱石の体を捉えた。
「これが猟兵――やはり、危険な存在ですわ」
着地し、メイド服の汚れを払いながらアレキサンドライトは言い捨てる。その千差万別の個性、無限とも言うべき組み合わせの連携、距離や配置を問わない汎用性――これが一対一であれば脅威として高くない。しかし、数が合わされば合わさるほどその脅威度は加速していく……これを厄介と言わず、何を厄介と言うのか。
「ここは最初の目的を最優先させていただきますわ」
「させない――」
よ、と続き、振るわれるはずだった亞衿のカッターナイフとレイのブランクソードが空を切る。一気に跳んだアレキサンドライトの鉱石の体が、赤紫色のボディへと変化した。
「させません――!」
危険だと判断したレインが、亞衿とレイの盾になるように斜線に割り込む――その直後、アレキサンドライトの100発/秒の銃弾の嵐が放たれた。
ガガガガガガガガガガガガガガガ! と銃弾の一発一発が、当たった物質を穿ち削っていく。まるで自然の岩場が風化して谷を創るのを早送りで見ているかのような暴威が、文字通り刹那で吹き荒れた。
その射撃の勢いに逆らわず、アレキサンドライトは魔法跳躍を併用して森の奥へと跳んでいく。刹那、レインがダーク・ヴェンジャンスの漆黒の粘液をまとって耐え抜いた姿が見えたが、追撃はしない……メイドは、決して順番を間違えないのだ。
「申し訳ありませんが、次の機会をお待ちいたしますわ」
アレキサンドライトの呟きは、三人に届かない。ただ、ため息と共にレインはこぼした。
「……誘導できた、それでこちらも最低限の目的は果たせましたか」
「そうだね、後は任せようか」
レインの言葉に、レイも同意する。決して、無策で行かせた訳ではないのだ――彼女達の成否は、次に控えた仲間達の手に委ねられた……。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。
引き続き『疾き者』
ああ、やっときましたねー。…本当に猟書家というものは。
さてさてー、今まで通りに動きましょうかー。
エルフには結界術を施しまして、憂いを絶ちましょう。
一投一投場所を変えつつ、指定UCを呪詛+風属性攻撃で。腕、関節、ガトリング砲の発射口でも狙いましょうかねー。
コピーされたって、脅威ではないんですよ。すでに皆の前に姿を現してるんですから。ただの投擲ですね。
私が気づかれたら、漆黒風を近接武器として扱い、暗殺要領で動きましょう。
私自身は、四天霊障で四重防御オーラしてますよー。
神咲・七十
アドリブ・連携お任せ
あ~、居ましたね。猟書家の人。
う~ん、なかなかうまくいってませんが、今回もやってみますか(お菓子もぐもぐ)
(エルフさん達には、接近するまで、樹上から攻撃してもらう。)
(UC『万花変生』を使用。異常なまでに強固な木製盾を出して上に攻撃が向く前にガトリングが打てないほど接近し、大剣と尻尾の連帯攻撃で攻撃していき)
2方向だと注意が分散して戦いにくいですよね。
(途中、アレキサンドライトの立つ地面から根を飛び出させ、体に絡ませて胴体部分まで地面に引きずり込み拘束)
身動き取れないですよね?
やりたい事、やりますね。
(隷属させる植物を植え付けて、隷属させて取り込み自分のものにしようと)
レジーナ・ドミナトリクス
先程のアームドフォートにガトリング砲……元はスペースシップワールドの住人であることは間違いなさそうですね。
でしたら、その尊さは感じられずとも、
「あなたも自然物の価値は理解できるでしょう。
目的のためとはいえ、本当は『森の木を傷つけるべきではない』。
そうは思いませんか?」
当然ながら周囲は一面の木々、この【片利矯聲】で僅かでも攻めが鈍れば好機です。
フォースセイバーで接近戦に持ち込み、隙があれば【武器を叩き落とし】ましょう。
森を盾にするかたちになるのは心苦しいですが、片利矯聲の効果次第では被害を抑えられるという期待もあります。
誰に仕えているのか存じませんが、次に帰る場所は主の元ではなく骸の海です。
●森の守護者達
ズサァ! とチーフメイド・アレキサンドライトはスカートを片手で抑え、降り立った。そして、小さく息をこぼす。自分が逃げ切れなかった……いや、誘導されたのだという事実に気付いたのだ。
「なるほどですわ。まだ、いましたのね」
砂煙の向こう、アレキサンドライトは見る。馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は、視線に答えた。
「ああ、やっときましたねー……本当に猟書家というものは」
「あ~、居ましたね。猟書家の人。う~ん、なかなかうまくいってませんが、今回もやってみますか」
義透、『疾き者』の隣でもぐもぐとお菓子を食べながら神咲・七十(まだ迷子中の狂食者・f21248)が呟く。アレキサンドライトは、より赤紫色を濃いものにしながら言い捨てた。
「……あまり時間をかけていられませんわ。とっとと終わらせますわよ!」
カラーチェンジによって、寿命を削り続けていたアレキサンドライトはそう言葉と同時、ガトグング砲の一斉掃射で眼前を薙ぎ払った。
ガガガガガガガガガガガガガガガ! と容赦のないガトリングの銃弾が、エルフの森を砕いていく。それに反撃するように、木の上からエルフ達の矢が降り注いだ。
「防御フィールドを張っているようですわね」
雨の矢を掻い潜りながら、アレキサンドライトは射撃を続ける。それにレジーナ・ドミナトリクス(密獄の女王・f12121)が告げた。
「先程のアームドフォートにガトリング砲……元はスペースシップワールドの住人であることは間違いなさそうですね」
「それが何ですの?」
レジーナの前置きに、アレキサンドライトは銃口を向ける。その銃弾をフォースセイバー・レジーナカスタムの光の鞭で、当たる銃弾だけを払い言った。
「でしたら、その尊さは感じられずとも、あなたも自然物の価値は理解できるでしょう。目的のためとはいえ、本当は『森の木を傷つけるべきではない』。そうは思いませんか?」
レジーナの呟き、片利矯聲(インプリンティング・トーン)のフォースを込めた催眠声音で紡ぐ暗示は、木々のざわめきを罪を苛む声へと変える。一瞬の躊躇、しかし、アレキサンドライトは止まらない。
「必要な事ならば、躊躇わないのもメイドの務めですわ!」
だが、その一瞬の躊躇で十分だった。『疾き者』の投擲した漆黒風が、大きくアレキサンドライトのガトリング砲を弾き、銃口を上へと向けさせた。
「今です」
漆黒の大剣を手に、七十がアレキサンドライトに迫る。繰り出される下段からの斬撃、それにアレキサンドライトは切っ先に乗って、大きく後方へと跳び下がった。
「失礼、ですわ」
宙返りし、アレキサンドライトは着地に成功する。降り立つと同時、アレキサンドライトは駆け出した。
「我が主のため、必ずお掃除を完了させていただきますわ」
「いえ、させませんとも」
メイドの宣言を『疾き者』は、真っ向から否定する。意見の違いを現すように、両陣営は激突した。
●メイドの忠誠――
銃弾と棒手裏剣が、火花を散らす。エルフの援護射撃を受けた猟兵達は、徐々にだがアレキサンドライトを押し始めていた。
(「思ったよりも早く、限界が来そうですわね……」)
だが、アレキサンドライトは緩めるつもりはない。カラーチェンジの寿命の問題だけではない。要所要所のレジーナの片利矯聲(インプリンティング・トーン)による、森の木々への攻撃の禁止、それを破っているダメージの蓄積も馬鹿にはなっていない。
だが、このオブリビオンとしての一個体、その生命を削りきってでも目的は果たす――メイドの矜持にかけて、それだけは譲れなかった。
「誰に仕えているのか存じませんが――」
レジーナが、間合いを詰める。それを迎え撃とうとするアレキサンドライトの銃弾が放たれるが、レジーナに届く前にガトリング砲が弾かれる――『疾き者』の投擲とエルフの矢が防いだのだ。アレキサンドライトは、気付いている。既に何発か、エルフにも当たっているはず――しかし、それが致命傷になっていないのは、『疾き者』の結界術でエルフ達が守られているからだ。
(「対処は、万全ですのね――!」)
アレキサンドライトは、大きく後方へ跳ぶ。だが、低く駆け込んだレジーナの動きの方が、一瞬速かった。
「次に帰る場所は主の元ではなく骸の海です」
切り上げるレジーナのフォースセイバー・レジーナカスタムが、メイドのガトリングを跳ね上げた。アレキサンドライトが息を飲む、光の刃に跳ね上げられたガトリングを強引に振り下ろそうと全力を込めたその時だ。
「今日はそういう日で、今はそういう気分」
アレキサンドライトを、多種多様な未知の植物な植物が飲み込んでいく。ミシミシミシ――! とアレキサンドライトの体が軋む。万花変生に飲み込まれていくメイドへ、七十が告げた。
「身動き取れないですよね? やりたい事、やりますね」
七十が埋め込む植物、それを片腕で受け止めたアレキサンドライトは強引に自らの左腕を粉砕――植物に飲まれていく左腕をかえりみず、アレキサンドライトは飛び出した。七十も、その残された腕だけが自分に服従した感覚を感じていた。
敗北の感情を残した左腕に押し込めるように、アレキサンドライトは歯を食いしばり――叫ぶ!
「させ――ませんわ!」
アレキサンドライトはコピーした万花変生で、未知の植物を召喚していく。伸ばしていく枝葉、それは遮蔽物であると同時にアレキサンドライトの移動手段だ。伸びていく枝に乗りながら走り抜けようとするアレキサンドライトの前に、『疾き者』が姿を現し――。
「私の早業、受けてみますー?」
まさに疾風――姿を現した瞬間には、『疾き者』の漆黒風がアレキサンドライトの額を貫いていた。バキン、と決定的な音を、メイドは聞いた。破壊された外側から、敗北を悟った心の内側から――。
「……あ、あ……もう、し、わ、け……」
謝罪の言葉は、最後まで紡がれない。ガラガラと砕け散ったアレキサンドライトは、メイド服だけをその場に残し、輝く風となってエルフの森へ散っていった……。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2020年12月19日
宿敵
『チーフメイド・アレキサンドライト』
を撃破!
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