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鮫牙襲来! カイマン島の大海戦

#グリードオーシャン #七大海嘯 #鮫牙 #カイマン島

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●迫る大船団
「鮫牙の縄張りに侵入したこと、後悔させてやる。いくぜ! 野郎共!」
 サメの深海人である指揮官の号令を受け、異形の船員達が海賊船を出航させる。
「目的地はカイマン島……邪魔する奴は、皆殺しだ!」
 猟兵達が開放した島を奪い取ろうと、七大海嘯の大船団が襲来する……!

●迎撃準備
「皆、よく集まってくれた。今回の任務の舞台はグリードオーシャン、カイマン島の防衛をお願いする」
 猟書家の侵略が様々な世界で始まっているが、猟書家の標的となっていない世界もまた危機に瀕している。百々の話によれば、グリードオーシャンで七大海嘯の襲撃が予知されたとのことだ。
「このカイマン島は、かつて我が予知によって鮫牙のコンキスタドールから解放した場所だ。だが、鮫牙の縄張りを侵したことに奴らは怒り、大船団を差し向けてきたのだ」
 このカイマン島は名前の通りにワニが沢山住んでいる島であり、住人達もワニと共に暮らしている。

「このカイマン島を護るため、貴殿達にはコンキスタドールの艦隊を海戦にて撃破して欲しい。まずは、そのための準備を整えるのだ」
 鉄甲船『日輪丸』を中心として、島の住人達の船が出撃し、敵船団と海戦を行う。猟兵は鉄甲戦に乗り込んでも、住民から借り受けた船を使っても良い。もし船を持つ猟兵であれば、それを使ってもOKだ。
「船の武装の強化や物資の積み込み、あるいは迎撃に適した海域の選定などの準備をしたり、あるいは歌って踊って英気を養ってもよいだろう。各々の方法で準備を整えてくれ」
 どのような準備をするかは各自に委ねる。その内容によって、海戦の戦況も変化するだろう。ちなみに、島の住民達も一緒に戦ってくれるとのことだ。

「七大海嘯とは大層な名前だが、オブリビオンであることに変わりは無い。皆の力で敵船団を打ち砕き、この島を護ってくれ」
 百々はそう言うと、猟兵達をカイマン島へと送り出すのであった。


夢幻
●マスターの夢幻です。
●過去に猟兵達が解放した島を狙って、『七大海嘯:鮫牙』の大船団が襲撃を仕掛けて来ました。

●カイマン島の出てきたシナリオはこちら。
「https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=28422」

●鉄甲船『日輪丸』は過去シナリオにて一部強化済みです。
・魔力弾の撃てるガトリング砲
・チェーンソー(船首あたり)
・食料庫の拡張
「https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=22539」

●章構成
 1章:日常『七大海嘯迎撃準備』
 2章:集団戦『スターフィッシュアーミー』
 3章:ボス戦『鮫牙の海賊:ルカン』
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第1章 日常 『七大海嘯迎撃準備』

POW   :    港や海岸に防衛陣地を築いたり、鉄甲船を強化したり、島の商船や漁船を戦闘に耐えうるように改造します。

SPD   :    島の周辺の潮の流れや岩礁などの地形を把握したり、島民の戦闘訓練や避難訓練をを行って練度を上げます。

WIZ   :    海戦前に演説で戦意を高揚させたり、酒を飲んだり、宴会を開くなどして島民と猟兵の連帯感を高めます。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ミニョン・エルシェ
【散歩部】
玉藻、能島、品川台場。
名だたる海城、水軍城に負けぬ城…今ここに、普請します。

島を攻めるには無視出来ぬ位置に、【指定UC】で台場の様な砲を備えた稜堡式城塞の海城を普請します。砲撃目標となりうる天守は無し。

船の待避路や修理用ドックを用意し、華蘭さんの応援を背に民間の人々にも大砲や狭間、防壁など、重要度の高い城の要素だけでも使い方を覚えて頂きましょう。
『白兵戦など、相手の土俵で戦う事はありません。あなた方をこの城が護ります。安心して遠距離から嫌がらせしましょう!』
安心して戦えた方が、遠隔攻撃も精度が上がるでしょうしね?

そうそう、リラックスといえば…華蘭さんの踊りを観に行かなくては!
…可愛い


隠神・華蘭
【散歩部】
山育ちのわたくしに海は少々厳しい所がございますが
今回はミニョン様がいらっしゃいますしなんとかなるでしょう!

作業の邪魔にならない場所にがらくたと【化術】を駆使して小さなすてーじをこさえまして、と。

ふ、ついにこの時がきてしまいましたか……。
UC未確認芸達者茶釜、始動ですぅ!
はぁいお手隙の皆様ぁ!ちょいとした芸をさせて頂きますのでご覧になってみてくださいねぇ!
伝承通りに傘を差し綱渡りなどして楽しませます!
勝利した暁にはまた舞わせて頂きますので、皆様頑張りましょうねぇ!
こ、これで少しでもやる気出して頂ければ……。

ちょ、ちょっとミニョン様!?お待ちくださいそんなじっくり眺めないでくださいぃ!



 カイマン島、その岬の突端に幼き少女の姿があった。それは、この島を護るために訪れたミニョン・エルシェ(木菟の城普請・f03471)である。

「海流と地形の関係で、島の裏側からの上陸は困難。ですから、あの浜辺が主な上陸地点となるはずです。その浜辺への接近を防ぐとなれば……この辺りが良さそうです」

 ぶつぶつと呟くミニョンは、何やらこの島の地形を確認して見定めているようだ。そして、これだという場所に辿り着いた彼女は、ユーベルコードを発動する。

「それでは……玉藻、能島、品川台場。名だたる海城、水軍城に負けぬ城……今ここに、普請します! 『我城普請・天守顕現』!!」

 ミニョンの力によって、岬を塗りつぶすかのように海城が出現した。彼女のユーベルコードは自身の理想の城郭を顕現させるものだ。城郭マニアであるミニョンは、山城や平城だけでなく海城にも深い見識を持つ。それを総動員して作られたこの城郭は、台場の様な砲を備えた強力な稜堡式城塞だ。

「わあっ! 流石ミニョン様! 素晴らしいお城ですっ!」

 その巨大な城塞を見て、歓声を上げたのは隠神・華蘭(八百八の末席・f30198)である。同じ旅団に所属する二人は、揃ってこの任務に参加していたのだ。

「ありがとうございます、華蘭さん。さて、後は施設の使い方を民間の人々にも覚えて頂きましょう」

 自慢の城を華蘭に褒められ、ミニョンは誇らしそうだ。それからミニョンは、一緒に戦ってくれるカイマン島の島民達へ説明を始めた。如何に強力な城塞でも、そこに籠もる者達が何も解っていなければただの張りぼてだ。使いこなすとまでは行かなくても、ある程度の運用が出来てこそ輝くだろう。

「白兵戦など、相手の土俵で戦う事はありません。あなた方をこの城が護ります。安心して遠距離から嫌がらせしましょう!」

 ミニョンの言葉に、これなら大丈夫だろうと島民達も安心した様子だ。これ調子ならばリラックスして戦闘も行えようというものだ。

「そうそう、リラックスといえば……華蘭さんの準備はもう出来た頃でしょうか?」

 そして説明を終えたミニョンは、華蘭を姿を探すのであった。


 時間は少し戻り、ミニョンが島民達に城塞の設備を説明している時、華蘭は城塞の中程で、ガラクタを集めていた。

「さてさて、これだけあれば足りるでしょう。後は化術をつかってちょちょいのちょいと……」

 そうして華蘭が組み上げたのは、小さな特設のステージだ。

「これでよし、と。ちょうどミニョン様の説明も終わった頃合いでございますね。ふ、ついにこの時がきてしまいましたか……」

 周りを見渡せば、防衛戦の準備も一段落付いた様子だ。それを確認した華蘭は、声を張り上げ人を集める。

「はぁいお手隙の皆様ぁ! ちょいとした芸をさせて頂きますのでご覧になってみてくださいねぇ!」

 どろんと茶釜に変化した華蘭は、そこから狸の頭や手足、尻尾を出すと、傘を差して綱渡りの芸を始めた。『未確認芸達者茶釜』の開幕だ。

「そぉれ! よっと!」

 更には綱の上で宙返りなんかも繰り出して、島民達を楽しませる。

「勝利した暁にはまた舞わせて頂きますので、皆様頑張りましょうねぇ!」

 素晴らしい芸を見て、島民達は大歓声をあげて奮起している。士気向上は十分、これならば七大海嘯相手だとしても、島民達は臆さずに戦ってくれるだろう。その結果に満足した華蘭はおまけの踊りを見せるのだが、そんな折に、彼女は観客の中にミニョンの姿を発見した。

「ちょ、ちょっとミニョン様!? お待ちください、そんなじっくり眺めないでくださいぃ!」

 顔を真っ赤にした華蘭は、狸の頭も手足も引っ込めて、茶釜へと籠もってしまった。見せるための芸と言っても、知り合いに見られるのは恥ずかしいらしい。しかし、そんな様子も可愛らしいと、ミニョンは微笑んでその姿を眺めるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『スターフィッシュアーミー』

POW   :    戦法『自己犠星』
レベル分の1秒で【回復する再生能力で粘りつつ、捨て身で銃弾】を発射できる。
SPD   :    作戦『隠忍海星』
【近くに潜伏していた仲間達】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    メガリス銃『スリーディザスターズ』
【氷結呪詛弾】【念力誘導弾】【電撃速射弾】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。

イラスト:猫背

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「あれがカイマン島だな……? へっ、防戦の準備は万端って感じだな」

 遂にカイマン島の沖合に、『鮫牙』の海賊船団が襲来した。その海賊船は鮫牙の名の如く、『船の前面に巨大な牙がを持つ』。海戦の際には、『その牙で船に食らいついてくる』ようだ。そしてその船を動かす船員は、ヒトデ頭の異形、『スターフィッシュアーミー』だ。
 この海賊船団に対し、猟兵の側は鉄甲戦『日輪丸』を中心として、島民達の船が海上に布陣、その背後にはミニョンが普請した海城がそびえ立つ。例え船が突破されたとしても、城からの妨害で上陸を許さぬ構えだ。

「『鮫牙』に逆らうことがどれほど愚かなことか、その身に刻んでやるよ。野郎共! 戦闘開始だ!」

 指揮官であるコンキスタドールの号令を受け、海賊船が進軍を開始した。

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●海戦にて、敵船団を撃破して下さい。
●遠距離からの大砲やユーベルコードの撃ち合い、魔の海域の海流で沈没、ロープで敵船に乗り込んでの斬り合いなど、方法はご自由にどうぞ。
●鉄甲戦や城の設備、島民の船の利用が可能です。
●『スターフィッシュアーミー』 は、海賊船による砲撃、船前面の牙による噛み付き、船上からのユーベルコードによる攻撃などで、こちらの船や猟兵を攻撃してきます。
●ある程度敵海賊船を撃沈させたところで3章に移行し、敵旗艦へ乗り込んでのボス戦となります。(2章でボスへの攻撃は不可)
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ゲニウス・サガレン
広義の故郷の危機と聞いてはせ参じたよ。私のいた島はもっと地味だったけどね

さて、相手は海賊。防備は既に他の猟兵の方が整えてくれたようだから、私は防衛戦の裏方をやろうか……

正面から相手はしない

私自身はアイテム「潜水作業服」で浅瀬に潜み、アイテム「フライング・シュリンプ」、有翅エビの大群を操って操舵手を海に落とし、さらにエビの群れを集めて舵の自由を奪う
暗礁にでもぶつけてやれば派手でいいだろう

いくら海賊船団とはいえ、訳が分からず混乱していれば味方の的だ

私はUC「ゴーイング・マイウェイ」で敵からの発見されないことを祈りつつ、あとは味方の奮戦を期待しよう

このUCのおかげでまた貧乏になるよ(泣)


シノギ・リンダリンダリンダ
可哀想に。ここが誰の島か知らないのですね
鮫牙の島?違います。私達が解放した、私のシマです
誰のシマに手を出したのか、しっかりと覚えてくださいね?
(私の島じゃないだろ的な発言は無視する)

【越流せし滄溟の飛蝗】でシャニムニー号を召喚
持前の航海術と船の性能で縦横無尽に駆け回り、死霊達による砲撃で弾幕を張ります
弾は魔力を籠めた、呪詛に塗れた呪殺弾
他の船の砲撃に合わせた援護射撃や一斉発射などもしていきましょう

あぁ、七大海嘯。どれだけの部下を蹂躙すれば、お前達はやってきてくれますか!?
お前達がやってくるまで、蹂躙し、略奪しましょう!
『強欲』を前に海賊を名乗るのがどれほど愚かなことか、その身に刻んであげます!



 大海戦の始まりを前にして、幾人もの猟兵が新たに防衛に参加していた。鉄甲船に乗るゲニウス・サガレン(探検家を気取る駆け出し学者・f30902)もその一人だ。

「広義の故郷の危機と聞いてはせ参じたよ。まあ、私のいた島はもっと地味だったけどね」

 グリードオーシャンの中でも、海運交易と漁業で栄える島で生まれたゲニウスにとって、同じ世界の島が襲われるというのは看過出来ない事件だ。そしてもう一人、不遜な態度で敵船団を睥睨する猟兵がいた。

「ああ、可哀想に。ここが誰の島か知らないのですね。鮫牙の島? 違います。私達が解放した、私のシマです。誰のシマに手を出したのか、しっかりと覚えさせてあげましょう!」
「えっと……解放したからといって、君のものになるわけじゃ無いと思うんだけど……」

 ゲニウスの指摘も無視して、傍若無人に島の所有権を主張するのは、シノギ・リンダリンダリンダ(強欲の溟海・f03214)であった。“強欲”の名を冠する彼女にとって、この島も自分の手に入れたお宝の一つ、ということになるようだ。

「さぁ、蹂躙の限りを尽くしましょう! お前達の前にいるのは厄災たる大海賊です!! 海賊団しゃにむにー、出撃!!」

 シノギは『越流せし滄溟の飛蝗』にて召喚した『海賊幽霊船シャニムニー』へと乗り換え、先陣を切って敵船団へと突撃していく。

「随分と好戦的だね。攻撃は任せてよさそうだ。防備も既に他の猟兵の方が整えてくれたようだから、私は防衛戦の裏方をやろうか……」

 そしてゲニウスは仲間の援護に回るため、『潜水作業服』を着ると海へと飛び込んでいった。

 シノギの操るシャニムニーに続くように、鉄甲船や島民達の船も出撃し、大海戦の火蓋は切られた。

「その程度の操船で、海賊団しゃにむにーと戦うつもりですか?」

 流石は海賊団の船長だけあって、シノギの操船は巧みであった。彼女の操る船は牙による噛み付きを仕掛けてくる鮫牙の海賊船を回避し、死霊達による砲撃で海賊船にダメージを与えていく。戦場を縦横無尽に駆け回るその動きに、敵船は早々に近接攻撃を諦めた様子だ。しかし、代わりに敵船上のスターフィッシュアーミー達は、メガリス銃『スリーディザスターズ』による射撃で弾幕を張ってきた。いくらシノギといえど、ユーベルコードによる遠距離攻撃の全てを回避するのは困難だ。

「さあ、有翅エビの大群達よ。敵を攪乱するんだよ。いくら海賊船団とはいえ、訳が分からず混乱していれば味方の的だろう?」

 ここで援護に回ったゲニウスの操る『フライング・シュリンプ』の群れが、スターフィッシュアーミーへと襲い掛かる。エビの戦闘力は無いに等しいが、纏わり付かれては攻撃の狙いを付けられない。更にいくら弱いといっても、操舵手や舵へと集中して攻撃をすれば、操舵も乱れようというものだ。

「上手くいったようだけれど、おかげでまた貧乏になるよ……」

 潜水服の中で、ゲニウスは一筋の涙を溢した。作戦は成功したものの、それは『ゴーイング・マイウェイ』の発動あっての成果だ。失われる金貨を考えれば、泣きたくなるのも致し方ないことである。ともあれ、敵船団は混乱している。そして、それを見逃すシノギでは無かった。

「今こそ蹂躙の時! 『強欲』を前に海賊を名乗るのがどれほど愚かなことか、その身に刻んであげます!」

 ここぞとばかりに、シノギは全力で敵船を攻撃する。彼女自身が放つ呪殺弾が、死霊達の攻撃が、次々に鮫牙の船を沈めていく。島民達の船も、彼女に続けとばかりに奮戦しているようだ。

「あぁ、七大海嘯。どれだけの部下を蹂躙すれば、お前達はやってきてくれますか!? お前達がやってくるまで、蹂躙し、略奪しましょう!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エミリィ・ジゼル
ほう。あれが海賊船ですね
で、あの中には悪い魚介類がたんまりいると
なるほど。ではサメぐるみをまとう鮫魔術師としていっちょ成敗してくれましょう

今回使うUCはこちら。『鮫魔術を操るメイドの術』
こちらを陸上から放ち、海賊船を一網打尽にしてやります
もちろん発生させる自然現象は『サメ』属性の『流星群』
サメテオです

海賊船めがけて降り注ぐ大量の流星群(サメ)
海中、船上、あるいは空中から、オブリビオンへと襲い掛かるサメの群れ
さながらB級サメ映画のように、この地をオブリビオンの血で染めてやりましょう

「サメイドであるわたくしにサメ対決を挑んだことを後悔させてやる!
いくぜ、サメども!」



「ほう。あれが海賊船ですね。で、あの中には悪い魚介類がたんまりいると……」

 エミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)は、防衛のためにカイマン島に作られた海城より、双眼鏡で沖合の海賊船団を眺めていた。

「なるほど。ではサメぐるみをまとう鮫魔術師としていっちょ成敗してくれましょう!」

 相手は鮫の名を冠する七大海嘯、鮫を操る鮫魔術師としては、やはり思うところがあるのだろう。そして、彼女はその鮫魔術を存分に披露する。

「グリードオーシャン最古の魔術体系である鮫魔術、ご存じであるとは思いますが、これだけの規模のものは見たことがあるでしょうか?」

 彼女が『鮫魔術を操るメイドの術』にて生み出したのは、『サメ』属性の『流星群』である。空より降り注ぐ無数の鮫たちが、鮫牙の海賊船へと襲い掛かっていく。いやはや、何とも凄まじい光景だ。

「これが、『サメテオ』です! サメイドであるわたくしにサメ対決を挑んだことを、後悔させてやる!」

 雨あられの如く降り注ぐ鮫の群れが、さながらB級サメ映画のように海賊船を蹂躙する。制御が難しく細かな操作はできないものの、数多くの船団が布陣しているこの状況であれば、大まかにでも操作出来れば問題ない。

 そして流星群が終わった後には海賊船の残骸が散らばり、海はスターフィッシュアーミーの血に染まった。エミリィは、鮫を模した海賊船も本物の鮫には敵わないということを証明したのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

瀬堀・秋沙
【散歩部】
華蘭ちゃん、ミニョンちゃんたち部活の皆が面白い事やってるって聞いて、遊びに来たにゃ!ゲストも連れてきたにゃ、褒めてもいいにゃ?
それじゃ、UCで濱江丸を呼んでー…
海戦で有効な潜水艦『甲標的』と、虎の子の駆逐艦『松』の霊たちも戦列に加えるにゃ!
スティーナちゃんの乗艦も歓迎にゃ!

横っ面から噛みつかれない様、彼我の距離保て!
海上は航海術を活かし、濱江丸と松を走らせ機銃と砲を撃ち、私は箒に跨って空中戦、空中浮遊、滑空で空から斬り込み誘導弾をばら撒いて撹乱。
その隙に現場で一番偉そうな船目掛けて、甲標的に魚雷を撃ち込んでもらうにゃ!

海賊船に、火矢、火災旋風、ミサイル。此処はどういう時代の戦場にゃ!


隠神・華蘭
【散歩部】
わーい秋沙様ぁ!とスティーナ様!?なんと心強い!
お城と合わせてもやは万人力ですよミニョン様ぁ!

多少ならわたくしも浮けますので、化術で一枚の大布のようにしたはっぱの小判で滑空補助して敵さんの船にじゃんぷしていき鉈で切断攻撃しますね。
あくまで攪乱程度ですが。
ついでに負傷者をスティーナ様の元へお運びします。

ところでひとでさん、貴方達の総大将様はどんなお方ですかぁ?
返答はご自由にです、質問はUC発動の為ですので。
出した火の玉をスティーナ様の竜巻に乗せて撃ち込みます!
これぞ神薙業炎陣!海上での火災旋風など未体験でしょう?
周囲が危険?わたくしもスティーナ様も対象指定できますので被害は最小限です。


ミニョン・エルシェ
【散歩部】
あの船団は…華蘭さん!秋沙さんが援軍に来てくれたのですよ!それにスティーナさんまで!
ええ、部員でなくても大歓迎なのですっ!

この海域は我らの陣、【拠点防御】なら負けません。
私は鉄甲船に乗艦し、鉤縄を用いた【ロープワーク】と、敵を【踏み付け】にして足場にした【空中戦】を行います。
八双飛びや、華蘭さんの踊りほど、華麗ではありませんが…!
ああ、私にあまり気を取られていると…消火、手遅れになるのですよ?
鉄甲船に【指定UC】による足軽隊を展開、火矢で船ごと焼き崩してやるのです。

もし、勇んで深入りした民間の船が狙われている場合には、稜堡から誘導弾機構による【援護射撃】を加えて護ります。


スティーナ・フキハル
口調はずっとスティーナで

【散歩部】所属じゃないんだけどアタシも加勢に来たよー華蘭!
猫ちゃん褒めてあげるぞ~えらい! 撫でたげる!

猫ちゃん、悪いけどアタシも乗せてってもらっていい?
衛生兵やるよ! これが一番得意だからね。

うひー大迫力!こいつはすげぇや!
アタシも誘導弾付きの護符投げで皆の撃ち漏らしを攻め立てるよ!
豆鉄砲クラスだけどアタシも遠距離はいけるからね!
ついでに怪我した人らはこっち寄っといで!アタシの聖痕で治したげるから!

程よく集まってる敵さんの固まり見つけたら……アレいくよ華蘭!
UC発動!アタシの竜巻に華蘭の火の玉を混ぜて敵さんにぶちかます!
これぞ神薙業炎陣!燃えて吹っ飛んで反省してきな!



「華蘭ちゃん、ミニョンちゃんたち部活の皆が面白い事やってるって聞いて、遊びに来たにゃ! ゲストも連れてきたにゃ、褒めてもいいにゃ?」
「散歩部じゃないんだけどアタシも加勢に来たよー華蘭! 猫ちゃんも褒めてあげるぞ~ えらい! 撫でたげる!」

 同じ旅団の仲間達が島を護る任務に参加したことを聞いて、瀬堀・秋沙(都の果ての化け猫船長・f29290)は海戦の加勢をするためにカイマン島を訪れていた。それも、頼もしい援軍としてスティーナ・フキハル(羅刹の正義の味方・f30415)を連れての登場だ。

「仕事をあげるにゃ、濱江丸! 思う存分、働くのにゃ!」
「猫ちゃん、悪いけどアタシも乗せてってもらっていい?」
「スティーナちゃんなら、もちろん乗艦歓迎にゃ!」
「じゃあアタシは衛生兵やるよ! これが一番得意だからね」

 そして秋沙はユーベルコード『その身座礁し朽ち果てようとも』にて貨物幽霊船を召喚すると、スティーナと共にそこに乗り込んで猟兵側の船団の戦列に加わった。

「あの船は……華蘭さん! 秋沙さんが援軍に来てくれたのですよ! それにスティーナさんまで!」
「わーい秋沙様ぁ! とスティーナ様!? なんと心強い!」
「ええ、部員でなくても大歓迎なのですっ!」
「お城と合わせてもやは万人力ですよ、ミニョン様ぁ!」

 見覚えのある濱江丸の船影、そしてその甲板に友人の姿を認めて、ミニョンと華蘭は大きく手を振って応える。頼りになる援軍の出現に二人は大喜びだ。とはいえ、喜んでばかりもいられない。海戦はもう始まっており、敵船は間近に迫っている。

「横っ面から噛みつかれない様、彼我の距離保て! 機銃と砲撃で攻撃にゃ!」

 鮫牙の名の如く、敵海賊船は強力な牙による近接攻撃手段を持つ。それを警戒するように注意した上で、秋沙は濱江丸に攻撃の指示を出す。濱江丸の乗員は、潜水艦『甲標的』と駆逐艦『松』に乗っていた幽霊達、どちらも歴戦の兵士達だ。彼らは秋沙の指示を忠実に遂行し、敵船へと攻撃を開始した。
 そして、濱江丸の攻撃開始と時を同じくして、鉄甲船上の猟兵達も、果敢に敵船へと乗り込んでいく。

「この海域は我らの陣、拠点防御なら負けません! 八双飛びや、華蘭さんの踊りほど、華麗ではありませんが……!」

 ミニョンは鉤縄を投げて敵船に乗り込むと、応戦しようとするスターフィッシュアーミーを踏み付けてジャンプ、華麗な空中戦で敵を翻弄する。海城を作り上げるような深い知識だけで無く、彼女は体術にも通じているようだ。しかし、敵もただやられている訳では無い。体色を変化させて隠れていたスターフィッシュアーミーが、ミニョンの着地に合わせて奇襲を仕掛けようとしていた。

「おっとぉ。ミニョン様の邪魔はさせないです」

 いつの間にやら敵船に乗り移っていた華蘭が、隠密を解除したスターフィッシュアーミーを鉈で切り倒してフォローする。彼女はこっそりと、化術で一枚の大布のようにしたはっぱの小判で滑空して移動していたのだ。乗り込んできた二人への対応で、その海賊船は操舵が完全に止まっていた。

「私にあまり気を取られていると……消火、手遅れになるのですよ?」

 そうしている内に、ミニョンの用意していた策が成立する。『火天装填・火箭燎原』、鉄甲船上に布陣した死霊の弓足軽隊が、海賊船に火箭の一斉射撃を放っていたのだ。炎は燃え上がり、海賊船を撃沈せしめる。

「うひー大迫力! こいつはすげぇや!」

 仲間達の奮戦によって海賊船が次々と沈んでいく様子に、裏方として怪我人の治療を中心に動いていたスティーナが歓声を上げる。後方の海城からも、突破を狙う海賊船の迎撃のために時折ミサイルが発射されており、何とも戦場は賑やかなことだ。

「アタシも続きたいね……アレいくよ華蘭!」

 敵船上に見える華蘭が合図を返したのを確認し、スティーナはユーベルコード『神薙猛風刃』を発動させる。

「吹き荒れるぜー! おまえをぶっ飛ばす大嵐!」

 スティーナの左手から出現した凄まじい大竜巻は、敵船団の中央目掛けて突き進んでいく。

「ところでひとでさん、貴方達の総大将様はどんなお方ですかぁ? あ、返答はご自由にです」
「???」

 そして海賊船の上では、華蘭の発した回答を期待しない問いにスターフィッシュアーミーが困惑の様子をみせていた。だが、その真意はすぐに知れることとなる。問いを切っ掛けとして、『怨絵巻・八百八』が発動、華蘭の身体から無数の青白い火の玉が召喚された。そして彼女は火の玉をスティーナの放った大竜巻へ乗せて撃ち出した!!

「「これぞ神薙業炎陣!」」
「燃えて吹っ飛んで反省してきな!」
「海上での火災旋風など未体験でしょう?」

 二人のユーベルコードを相乗させた神薙業炎陣が敵船団を蹂躙する。これだけ強力な攻撃にもかかわらず、二人の制御は完全だ。そのおかげで、味方への被害は最小限に収っていた。

「アタシも攻撃が出来ないわけじゃないからね。さあ、怪我した人らはこっち寄っといで! アタシの聖痕で治したげるから!」

 攻撃の結果に満足し、スティーナは再び怪我人の治療に戻るのであった。

「みんなすごいにゃ。私も負けていられないにゃ!」

 秋沙も濱江丸を指揮するだけに留まらず、彼女自身も箒に跨って空中戦だ。滑空で空から敵船へと斬り込んでいくと、誘導弾をばら撒いて敵を撹乱している。

「それにしても、海賊船に、火矢、火災旋風、ミサイル。此処はどういう時代の戦場にゃ!」

 混沌としたこの戦場。様々な種族、ジョブの混在する猟兵ならでは戦いの光景であるのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『鮫牙の海賊『ルカン』』

POW   :    血鮫領域
【竜巻に巻き込まれたサメの雨】を降らせる事で、戦場全体が【血に飢えたサメの群れ泳ぐ海中】と同じ環境に変化する。[血に飢えたサメの群れ泳ぐ海中]に適応した者の行動成功率が上昇する。
SPD   :    欲望の銛
自身の【メガリスたる銛】を【欲望を肯定する血牙の捕食形態】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
WIZ   :    奪命の牙
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【生命力を奪い取る分裂した鮫牙型の刃】で包囲攻撃する。

イラスト:白狼印けい

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ヴィクトル・サリヴァンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「馬鹿な……この『鮫牙』が押されているだと!?」

 猟兵達の奮戦によって、鮫牙の大船団もその半数ほどが撃沈という大損害だ。しかし、指揮官である『ルカン』は負けを認めようとしない。

「野郎共! 鮫牙が舐められるなんてあっちゃならねえ! 死んでも沈めろ! 鮫牙の恐ろしさを、思い知らせてやれ!」

 ルカンの号令の元、スターフィッシュアーミーは死兵となる。元より過去より浮かび上がったオブリビオンだ。全滅するまで戦おうとする彼らを相手にしては、共に戦う島民達にも被害が出る可能性は高いだろう。
 故に、この海戦を終わらせるには、敵指揮官を討たねばならない。それを為すために、猟兵達は敵旗艦へと乗り込んでいくのであった!

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●三章は基本的に、敵旗艦に乗り込んだところから描写開始されます。(自分の船で攻撃するとか、乗り込む必要が無い戦闘手段をとることは構いません。乗り込む方法を考える必要は無いという意味です)
●敵旗艦にはスターフィッシュアーミーも乗っていますが、操船のみに従事しています。ルカン単体が相手として、戦闘プレイングをどうぞ。
●ルカンを倒した時点で、指揮系統を喪失した敵船団は瓦解、撤退していきます。
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エミリィ・ジゼル
とうとうでましたね!えーと……名前なんでしたっけ……フカヒレーでしたっけ……?

まあ、いいか。

フカヒレ海賊団!お前たちの悪行もここまでです!
問答無用で死ね!

今回使うUCはシャークサモン・サメダディ。
これで海とサメを司る「すべてのサメの父」、またの名をリヴァイアサンを召喚。

相手がいくら強いサメだろうが、すべてのサメの父にして七大悪魔たるサメダディにかなう道理はありません。
サメダディの大海嘯で海の藻屑に変えてやりましょう。

ゴー、サメダディ、ゴー!

「サメダディ!あいつ、サメの癖にわたくしたちに盾突いてくるすよ!いっちょやっちゃってくだち!!」


ゲニウス・サガレン
海でサメと戦いたくはないな。これほど捕食者らしい捕食者はなかなかいない。

だが、サメを捕食するタコもいる。

UC「ガジェットショータイム」

私のアイテム「C式ガジェット」を起動する。

さぁ、行くんだ。私のガジェット……

ガジェットをタコに変身させる。タコなら色を変え、質感を変え、「ルカン」に接近できる。そして十分に接近したら、「ルカン」の脚にからみつかせる。相手が怒ってガジェットタコを引きちぎろうとしたら、墨を吐いて逃げ、別の角度からまた脚を狙う。

あんまりダメージ受けるとガジェットも一時行動不能になる。それまでに時間を稼ぎ、他の猟兵の攻撃の隙を作れれば!



「……海でサメと戦いたくはないな。これほど捕食者らしい捕食者はなかなかいない」

 敵旗艦へと隣接する程に近づいた鉄甲船の上で、ゲニウスはかぶりを振った。学者である彼にとって近接戦闘は不得手である。それ故、彼は仲間の援護を行うべく、ユーベルコードを発動させた。

「さて……上手く使えそうなものが出てくれるといいんだけど……」

 『ガジェットショータイム』で召喚されるガジェットは何かしら状況に適したものが選ばれるとは言え、何が出てくるかはランダムだ。

「これは……タコかい? キュビエ派に属するガジェッティアの発明したもののようだね」

 出てきたそのタコ型のガジェットをどうやって援護に生かすか。ゲニウスは思考を巡らせる。


 そして、ゲニウスがガジェットを召喚している間に、敵船に乗り込んだエミリィはこの船団の指揮艦である『ルカン』と対峙していた。

「とうとうでましたね! えーと……名前なんでしたっけ……フカヒレーでしたっけ……?」
「『鮫牙』だ! 偉大なる七大海嘯の名を馬鹿にするつもりか!」

 エミリィにとって、相手の名前などさして興味も無いようだ。しかし、そのことにルカンは怒り心頭の様子だ。

「フレヒレだろうが、鮫牙だろうが、そんなのはどうでも良いです。やい、海賊団! お前たちの悪行もここまでです! 問答無用で死ね! カモーン! サメダディ!」

 理不尽にも相手の言い分は無視して、エミリィは『サメ召喚「すべてのサメの父」』を発動する。そして、謎の空間より強大な悪魔が顕現しようとしていた。

「死ぬのはてめえだ!」

 しかし、その召喚のタイムラグの間に、ルカンは『奪命の牙』にて鮫牙型の刃を操り、エミリィに攻撃を仕掛ける。悪魔の顕現の前に勝負を決めるつもりのようだ。だが、そんなルカンが、突然その場ですっ転んだ。

「ぬわっ!? なんだこいつは? うわっぷ!?」

 見れば、ルカンの脚にはタコのガジェットが絡みついていた。ルカンが怒って引き剥がそうとすると、タコはルカンの顔目掛けてスミを吐き出してきた。

「色を変え、質感を変え、タコは忍び寄るのは得意なんだよ。サメを捕食するタコだっている。しばらく付き合って貰うよ」

 そう、そのタコは先ほどゲニウスが召喚したガジェットだ。攻撃能力はさほど持っていないが、奇襲と時間稼ぎであれば頼りになる。そうしてゲニウスが時間を稼ぐ間に、遂に謎の空間より大悪魔が降臨した。

「サメダディ! あいつ、サメの癖にわたくしたちに盾突いてくるすよ! いっちょやっちゃってくだち!!」

 エミリィの言葉を受けて、すべてのサメの父(通称リヴァイアサン)はそれはとんでもないと、強力な術を発動させる。

「相手がいくら強いサメだろうが、すべてのサメの父にして七大悪魔たるサメダディにかなう道理はありません! ゴー、サメダディ、ゴー!」
「くそっ、何で俺が、こんな津波如きで……!」

 サメダディの操る大海嘯が、ルカンを呑み込む。本来であればこの程度、鮫の深海人であるルカンにとっては何てことのない水流だ。しかし、このサメダディは『サメ』をも操る大悪魔だ。ルカンの能力は弱体化し、荒れ狂う波に翻弄されている。

「サメダディの力で、海の藻屑になるのです!」

 サメぐるみを纏ったサメイドは、サメダディの力でボロボロにされるサメを見て勝ち誇るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シノギ・リンダリンダリンダ
お前が指揮官ですね?
ブッ殺される前に教えてください。あとどれくらいお前みたいな奴を倒したら、お前たちのボスはやってきますか?
七大海嘯の名前の略奪には、あとどれくらいのお前達の犠牲が必要ですか?

答えようがいまいが、【強欲の右腕】を起動
船上戦は得意ですが、攪乱の意味も含めて空中戦と行きましょう
相手の攻撃には呪いの黄金の弾で弾幕を張り相殺
その合間合間で四肢や急所を中心にスナイピング
強力な呪詛を込めた銃弾は相手の体内をハッキングし、呪詛を染み渡らせる
動きが鈍くなったら、後は黄金の右腕で【力いっぱい殴るだけ】

お前達が折れるまで、私は何度だって蹂躙し、略奪します
あぁ、七大海嘯。早くその姿を見せてください



「お前が指揮官ですね?」
「おう! 俺がこの『鮫牙』の船団を率いる『ルカン』様よ!」

 続いて敵船へと乗り込んでいったのは、シノギであった。不敵な笑みを浮かべる彼女は、ルカンへと問いかける。

「なら、ブッ殺される前に教えてください。あとどれくらいお前みたいな奴を倒したら、お前たちのボスはやってきますか? 七大海嘯の名前の略奪には、あとどれくらいのお前達の犠牲が必要ですか?」
「ああん? 此処で死ぬのはてめえだ!」

 シノギにとって、この戦いは七大海嘯との戦いまでの単なる通過点に過ぎない。しかし、それを隠そうとしない態度は、ルカンの神経を逆撫でした。

「鮫の牙で、グチャグチャに切り裂いてやるよ!」
「強欲の右腕を起動します。空中戦と行きましょう!」

 迫り来る『奪命の牙』に対して、シノギは光り輝く黄金色に変じた右腕から呪詛のエネルギーを放って空中へと逃げる。それを追いかけるように飛来する鮫の牙を、シノギは『Midās Lich』から黄金の呪弾を放って迎撃した。シノギは海賊だけあって海上戦を得意とするが、空中戦もなかなかのものだ。

「しゃらくせえ! 力尽きるまで襲ってやる!」

 威力こそシノギの呪弾の方が強力であるものの、奪命の牙の圧倒的な刃の数を前にしては、その全てを完全に相殺するのは不可能だ。シノギはなんとか合間合間に牙の刃を貫いてルカンに呪弾を命中させるも、その傷は牙が奪った生命力ですぐに回復されてしまう。

「ガハハハハ!! そんな豆鉄砲が効くもんか!」
「果たして……それはどうでしょうか?」
「んなっ!? 身体が重い……!」

 傷自体は回復されても、シノギの撃ち込んだ呪詛が消え去るわけでは無い。呪いはルカンの身体をハッキングするかのように蝕み、その動きを鈍らせる。

「当たりさえすれば、これが一番早いでしょう。 思いっきり、ぶん殴ります!」
「ちょ、待っ……!」

 呪詛の発動に合わせて空中を突進したシノギは、黄金の右腕を振りかぶり、ルカンを全力で殴り飛ばした。吹き飛んだルカンは海賊船のメインマストに激突、その衝撃でマストは傾いで倒れていった。

「お前達が折れるまで、私は何度だって蹂躙し、略奪します。あぁ、七大海嘯。早くその姿を見せてください」

大成功 🔵​🔵​🔵​

瀬堀・秋沙
【散歩部】
退き時、見失ったにゃ?逃場は与えないにゃ。みんな、いっくにゃー!

空中戦で誘導弾をばら撒いて、牽制射と攻撃弾を織り交ぜて、散歩部のみんなが攻撃しやすいように敵の動きを制限するにゃ!

『泳ぐのは猫だから駄目にゃー!?』
刃は回避に専念するけど、回避しきれなかったら海に墜落しちゃうかもにゃ。
だけどそこからが私の本領発揮っぽいにゃ?
『…あなたの怨念の一欠片が、ただの猫の亡骸だった私を、化けて出させたのね。』
このUC、負担がもの凄いけど…白鯨はサメには負けないにゃ!

飛んでくる刃、ついでにスティーナちゃんの攻撃で飛んでくるルカンも『うた』の超音波で吹き飛ばしてやるにゃ!

散歩部の臨海学校の拠点かにゃ?


スティーナ・フキハル
【散歩部】
口調はスティーナ

アタシと華蘭の神薙業炎陣見せたら引いてくれっかなーと思ったんだけど、
さすがにそう簡単にはいかないか。

気を取り直して。
猫ちゃんが上からだしアタシは下からだね!
護符の誘導弾でサメの群れを撃ち落としていくよ!

あーあれ命削る系かぁ……ソッコー決めた方がいいっぽいね。
猫ちゃんが鯨になったところに合わせてアタシ達もUCやるね。いっくぞミエリ!
あたし達に限界はねぇ!
6倍パワーでルカンを掴んで猫ちゃんの目の前に向けて投げ飛ばしてやる!
例によって華蘭回収よろしくねー。

どうよ、降参するかい? ヒトデ達のこと考えなくもないよ。

そういうときはどーんと散歩部城でいいんじゃない?派手にいこうぜぇ


隠神・華蘭
【散歩部】
あやつはわたくしがこの鉈にてお相手いたします。
ミニョン様は周りの鮫めをお願いいたします。

逃げ足を踏みつつ武器受けで銛を捌きます。
めいん火力ではないので防御優先で。
危なくなったら化術で鮫に変化です。お仲間のふりですよぉ、ふふ。

秋沙様ぁ!! な、あのお姿は一体……!?

打綿様、ふわふわしたやつ頼みます!
意識を飛ばしたスティーナ様を回収してUCにて飛翔力を高め、空中に一時避難です。
秋沙様ぁ! 一緒に連れて行きますので戻ってくださぁい!

スティーナ様の話に応じないようでしたら、鉈切断にて止めを行います。
我が主は優しいといいますか、少々甘いのです……。

いやぁこれで海へ進出ですねぇ我らが散歩部も!


ミニョン・エルシェ
【散歩部】
サメは任されました、華蘭さん。狂乱索餌、それに目を閉じて捕食するのでしたね、サメ。

戦場の環境を【地形の利用】で逆利用、【敵を盾にする】でサメたちも守りに使いましょう。さらにはサメを【踏み付け】で足場にして、大将に一槍馳走してやります。

っ、秋沙さんっ!?…くっ、探しに行ける状況では…!
クジラ…?秋沙さん、なのです…?

さて、スティーナさんの豪快な投げが決まったら、敵が空中を飛んでいる最中で【指定UC】を発動。UCごと敵を断つ必殺の一斬を与え、時間停止を解除。
無防備なまま、秋沙さんまで飛んでいくといいのです…!

そう、城!名前、鰐島城とか如何でしょう!…別名、散歩部城でも良いのですよ?



「鮫牙に逆らう奴らは、皆殺しだ! 『血鮫領域』!」

 ルカンは次々と襲撃をかけてくる猟兵に対抗するため、ユーベルコードを発動する。それによって生み出されるのはサメの暴風雨、戦場は血に飢えたサメの群れの泳ぎ回る死地と化した。

「アタシと華蘭の神薙業炎陣見せたら引いてくれっかなーと思ったんだけど、さすがにそう簡単にはいかないか」
「その代わりに、退き時、見失ったにゃ? 逃場は与えないにゃ。みんな、いっくにゃー!」

 配下を多数失ったとしても、ルカンの戦意は衰えていない。しかし、逆にそれは退くべきタイミングを逃したと言うことだ。ここで撃破すれば、『鮫牙』の戦力の減少に繋がる。秋沙の号令を受けて、散歩部の面々が戦闘を開始する。

「空から行くにゃ! 乱れ撃ちにゃあ!」

 『ウィンドブルーム』で空に舞い上がった秋沙は、敵将の動きを制限すべく、ルカン目掛けて魔法弾を撃ちまくる。 

「猫ちゃんが上からだしアタシは下からだね! サメの群れを撃ち落としていくよ!」

 スティーナは護符を放ち、仲間達へと迫るサメを迎撃する。護符はサメを追尾し、確実に撃ち落としていく。

「あやつはわたくしがこの鉈にてお相手いたします。ミニョン様は、周りの鮫めをお願いいたします」
「サメは任されました、華蘭さん。狂乱索餌……それに目を閉じて捕食するのでしたね、サメ」

 遠距離攻撃を得意とする二人に続いて、華蘭とミニョンも行動を開始した。役割を分担し、ミニョンは周囲のサメの相手だ。スティーナの護符で倒しきれなかったサメを、ミニョンは『鐵貫』で一突きにしてやっつける。

「わたくしが相手ですよぉ」
「てめえの肉を喰らい尽くしてやるよ!」

 ルカンは近づいて来た華蘭に対し、捕食形態に変化させた『欲望の銛』で襲い掛かってきた。奪い、喰らう、その欲望の元に強化された銛の一撃は非常に重い。秋沙の援護を受けた上で、華蘭が防御に徹してようやく捌ききれるかどうかといった所だ。それでも、猟兵達はなんとか戦いを均衡に持ち込んでいた。

「チッ、埒が開かねえか。なら、こいつも追加だ!」

 その状況に焦れたルカンは、戦闘の合間を縫って『奪命の牙』を発動させる。周囲を舞うサメはその数を大分減らしていたが、ここで牙の刃が加わったことでその脅威は一気に増加した。

「うにゃにゃ!? 避けきれなっ! 泳ぐのは猫だから駄目にゃー!?」
「っ、秋沙さんっ!? ……くっ、探しに行ける状況では……!」

 ミニョンはサメを盾に使って、どうにかスティーナは護りきったが、空中の秋沙までは届かない。秋沙は迫る無数の刃を避け損ない、海へと転落してしまった。

「ギャハハハハハ!! これが鮫牙に逆らった奴の末路だ!」

 猟兵を一人倒し、ルカンは得意げに笑い飛ばす。仲間の危機に不安そうな顔を見せる3人とは対称的だ。しかし……秋沙がこの程度でやられるだろうか? と、その時、秋沙が落ちたあたりの海中より、巨大な白鯨が姿を現わした!

「クジラ……? 秋沙さん、なのです……?」
「秋沙様ぁ!! な、あのお姿は一体……!?」
「なんだとお!?」

 その光景に、ミニョンや華蘭だけでなく、ルカンまでもが驚愕の表情を見せていた。

「……あなたの怨念の一欠片が、ただの猫の亡骸だった私を、化けて出させたのね」

 『白鯨のうた』、秋沙はその姿をユーベルコードで巨大白鯨へと変えて戦線に復帰した。巨大なその姿は頼りになるが、それだけに消耗も激しいであろう事は間違いない。

「あーあれ命削る系かぁ……ソッコー決めた方がいいっぽいね」

 それを察したスティーナは、一気に勝負を決めるべく、白鯨の姿に呆然としていたルカンへと突っ込んでいった。

「いっくぞミエリ! 『姉妹の魂の完全同期』! あたし達に限界はねぇ!」
「しまった!? く、くそっ!」

 羅刹と聖者、スティーナは身体を共有する妹と2つの魂の重ねることで、その身体能力を何倍にも引き上げる。そして、ルカンを掴んで思いっきり投げ飛ばした!

「華蘭、例によって回収よろしくねー」
「打綿様、ふわふわしたやつ頼みます!」

 そのあまりの勢いにスティーナも吹き飛んでしまうが、そこは『打綿狸』へと変化した華蘭がしっかりと回収する。そして二人は、一時空中へと避難する。

「邪視起動……『木菟ノ凶爪』!!」
「ぐっ……ぐわあああ!!」
「無防備なまま、秋沙さんまで飛んでいくといいのです……!」

 そして空中を吹っ飛び回避のしようのないルカンへと、ミニョンは必殺のユーベルコードを見舞う。時を止める邪視からの斬撃、更に重ねての渾身の二ノ太刀は、欲望の銛を両断してルカンの身体を大きく切り裂いた!
 二ノ太刀と共に時は動き出し、大ダメージを負ったルカンは白鯨目掛けて吹っ飛んでいく。

「白鯨は、サメには負けないにゃ! Laaaaaa♪♪」
「ぎゃあああああ!!」

 そして最後に、白鯨の『うた』がルカンを直撃する。それは、超強力な指向性音波だ。音波に吹き飛ばされ、ボロボロになったルカンは再び海賊船の甲板へと墜落した。

「どうよ、降参するかい? ヒトデ達のこと考えなくもないよ」
「うるせえ! 死――」

 最早勝負は付いた。甲板の上に降ろして貰ったスティーナは、せめてもの慈悲でルカンへと降伏勧告をする。しかし、ルカンは聞き耳を持たず、スティーナの喉元へと食らいつこうとしてくる。その動きを察知して、華蘭は鉈でルカンの首を切断。容赦なくトドメを刺したのであった。

「我が主は優しいといいますか、少々甘いのです……」

 敵へ情けを掛けるのは悪いことでは無いだろうが、このルカンは配下に死ぬまで戦わせようとする血の涙も無い海賊だ。元より説得の目は無かったであろう。

 四人によってルカンが討伐されたことで、残る鮫牙の船団は総崩れになり撤退を始めた。猟兵達は、このカイマン島を護りきったのだ!


 そして戦いに勝利した散歩部の面々は、カイマン島へと戻ってきた。そこには、ミニョンが普請した海城が立派にそびえ立っている。

「そう、城! 名前、鰐島城とか如何でしょう?」
「そういうときは、どーんと散歩部城でいいんじゃない? 派手にいこうぜぇ」
「……別名、散歩部城でも良いのですよ?」

 自分で作った城だけあって、やはりミニョンとしては名前も立派なものが良いのだろうか? スティーナの案を聞いて、少々憮然とした表情だ。

「いやぁこれで海へ進出ですねぇ。我らが散歩部も!」
「散歩部の臨海学校の拠点にするかにゃ?」

 この海城は戦いのために作られたものであるが、今度は戦いでは無く、遊びに訪れることが出来れば幸いだ。今回のように、コンキスタドールの脅威を猟兵が退け続ければ、きっとそんな未来も生まれるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年12月14日


挿絵イラスト