栄光の海洋ドラグーン
●海賊ベエスボウラアの掟
グリードオーシャンの大海に浮かぶ島の一つ、リリーフ島。
アルダワ魔法学園のダンジョンの一角を丸ごと落としたかのようなこの島には、殆どの機能を停止した遺跡を地下に、そして地上には遺跡より持ち出された多くの書物――大半は物語や哲学書などで、生活に直接役立てられるようなものは数少ないけれども、それらを元にした文化を受け継ぐ人間やドラゴニアン達が精一杯に日々を送っていた。
だがそんな島の平穏はコンキスタドールにより破られてしまう。
島の地下遺跡、そのまた中心に広がる広大な空間。
周縁部の高い位置に観客席のような構造、そしてその内側に広がる扇形の平地を僅かに機能している外縁の照明が照らしている。
中心に高台を設置すれば演説会場にでもなりそうな場であるが、今は九人の島民連合軍と九人のコンキスタドールの巨人達が勝負を繰り広げていた。
扇の要に設置された白き板、その横に立つ巨人に相対する人間の青年はすでに疲労困憊で、直前にも連続で打たれている。だがその手にしたボールを投げねばならない。
悩み、渾身の一投。だが白球は巨人の手にした専用の太いバットに軽々と投手のはるか後方、観客席へと吸い込まれていった。
そしてフィールドにいた巨人含め三人が真白きホームベースを順に踏んでいく。
「くそっ! こんなのやってられねえ!」
限界だったのか、白球を投げた青年がが地面にグローブを叩きつける。
『……勝負を投げたな?』
巨人達が咎めると同時、バックネット後方に設置された奇妙な形の盤――メガリスより、光線が放たれ青年を炎上させる。
「ああっ! ローダが!」
『HAHAHA! これに懲りたら大人しくトレーニングを続けるのだ!』
「うう……渡り合える程の経験者もいないのに……」
「俺達だけで勝つなんて不可能だ……」
八人となった住民達は地面に崩れ落ち、嘆きの言葉を漏らす。
――ベエスボウル。それを武器とするコンキスタドールと、そして掟として強いられるトレーニングという先の見えない鍛錬を前に、住民達の抵抗の意志は風前の灯となっていた。
「……何じゃこの予知は」
グリモアベース、龍神、水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)は困惑の声を漏らす。
しかし猟兵達が集まってきたことを確認すると、咳払いをしつつ気を鎮めるようにやや季節外れな団扇で自身を扇ぐと得た予知の説明を開始する。
「今回の予知はグリードオーシャンのものとなる。とある巨人の島から出港した鉄甲船が次に辿り着く島は、既にコンキスタドールに侵略され理不尽な悪の掟を強いられてしまっておるようじゃ。このままでは住民の心も折れてしまう。だからそうなってしまう前に住民に力を借りるなどしつつ、どうにかコンキスタドール達を討ち果たしてきてほしい」
そして概要を述べた多摘の話は島の現状の詳細へと移る。
「島の名はリリーフ島といい、アルダワから落ちて来たらしくその地下にはほぼ稼働停止した蒸気迷宮がある。住民達はドラゴニアンと人間が大体半々か。そして悪の掟になるが……岩を括りつけて島中を走り回らされたり至近距離から高速で放たれる白球を手で受け止めたり……わかりやすく言えば特訓の強制じゃ。元々そこまで体育会系な気質ではない住人の心をへし折るには十分。そしてその上近海から群れで上陸してきたサメが住民達を追いまわしておる」
サメ。
「どうも黒幕に惹きつけられているような気配は感じるんじゃが……実際の所はよくわからん。とにかく特訓をサボろうとする住人を狙っているようじゃ。特に強烈な洗脳を受けているわけでもなく猟兵達がてこずる相手でもないが住民には十分な脅威、このままでは力尽きる住民も出て、いずれは人数的な面で試合を成立させることすら危ぶまれるじゃろう」
白球、試合。
「……ああ、このコンキスタドールが強いているのは他の世界で言う野球のようなもの、それを戦の手段にしたベエスボウルという集団戦術への帰属と、それに耐えられる肉体の鍛錬を目標に掲げているようじゃ。無論この島の住人には過酷過ぎて彼奴等の望むレベルには到達できんが、野球勝負のようなもので勝てばこの島を解放すると僅かばかりの希望を与える事で自棄にならないようにし特訓するように仕向けている」
だからそれを逆手に取るのだと、龍神は言う。
「巨人達は常勝無敗を掲げており、自分達が負ける事など想定していない。じゃからこちらが住民達と協力して野球で勝利する事で巨人達の戦意を挫き動揺させる事が出来る。そうして浮足立たせれば集団戦を得意とする巨人達に戦い勝つのも易いじゃろう。黒幕もいるようじゃが其方も恐らく有利に戦えるようになるはずじゃ。……ちなみに野球勝負は指定された領域内にルールと罰則を強いるメガリスを審判とし、成立している。だから暴力行為やズルで勝とうとすると酷い目に合うから注意が必要じゃ」
ユーベルコードはセーフかもしれんが、と多摘は首を傾げつつ呟き、そしてグリモアを取り出し転移の準備を開始する。
「中々難しい戦いになるかもしれんが、皆なら勝利の栄光を掴めると信じている」
頼んだぞ、と話を締め括った多摘のグリモアが輝く。その光の向こうに猟兵達は鉄甲船、そして水平線上の一つの島を見、甲板の上へと転移したのであった。
寅杜柳
オープニングをお読み頂き有難うございます。
ノケットの方で反応される方もいるかもしれませんね。
第一章は悪の掟と近海から現れたサメ達によりトレーニングを強いられている島の住人をどうにか救助する章です。
基本インドア系で学問を愛する島の住人は既にいっぱいいっぱい、そこに空を飛んだり地面に潜ったり、更には透明だったりするシャークだとかコンキスタドールの掟にすっかり染まり切ってしまった鮫っぽい深海人が襲い掛かったりで大ピンチです。メンタル的に。
上手く住民を助ける事が出来ればコンキスタドール達に挑む為のチームを作る為に協力してくれることでしょう。
第二章は巨人のコンキスタドール達とのベエスボウルバトルになります。
ルールに則っている場合は普通に戦えますが、背いた場合メガリスの効果でお仕置きが待っているようです。
一応猟兵なら即死はありませんが、食らった場合の戦闘続行は難しいと思われます。
第三章は黒幕オブリビオンとの戦いになります。
二章以降は冒頭に状況説明を追加致しますのでそちらをご確認下さい。
そして最後に。このシナリオは実在の団体その他諸々とは一切関係ありませんのでご注意ください。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 冒険
『鮫! 鮫!! 鮫!!!』
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POW : もちろん堂々正面突破!
SPD : 物陰に隠れたり見つからないようひっそりスニーキング!
WIZ : 鮫類皆兄弟! 説得して平和的に切り抜ける!?
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●まずはランニング(サメ付き)
これだけ走ったのはいつ以来だろう。
そんな事を考える余裕もごく僅か、少々縦にも横にも大柄な青いドラゴニアンの青年は街中を必死に走っていた。
振り向いた先には地表スレスレを飛行し食いでのありそうな青い尻尾に齧りつこうとしているサメ。
同年代の人派とすれ違うけれども彼の表情も必死、追いかけているのはハンマーヘッドとか言うのだっけとかそんな思考が頭を過ぎりながらも己の尻尾を守るためにとにかくひた走る。
あの試合に負けた日――マウンドで相棒が燃え上がったその時からこの島は巨人の海賊団の掟に縛られている。
毎日只管に限界まで体を鍛える事を強要され、まともな生活を行う体力も残らない。この島はふぁーむだとかなんとか言っていた事を小耳に挟んだけれどもどう考えても育つ前に潰れるのが先だ。
その上今日はサメまで来ている。そういえば巨人はウサギのような謎の生物を連れていたからそれを狙ってやってきたのかもととりとめのないことを考えつつ、曲がり角を鋭く攻略。
あの日よりは体力もついてきている気はするけども巨人と戦うには根本的に力不足、勝負を再び挑もうにもあの惨敗と炎上が思い出されどうしても踏み切れない。
先の見えない絶望――それが青年の心を覆いかけたその時、彼の視界がぱっと拓ける。
サメに追われ走り回った果てに港へと着いてしまったようだ。見た事もないサメ……サメ? が島に上陸を果たそうとしているその光景は強烈。
けれど彼の注意を何よりも惹いたのは水平線からやってくる一つの巨大な影、コンキスタドールのものとはまた違う鉄甲船。
それは絶望の掟に圧し潰されんとする島を救う一筋の光明であることを、この時の竜の青年は知る由もなかった。
阿紫花・スミコ(サポート)
アルダワ魔法学園の生徒。暗い過去を持ちつつも性格は明るい。自信家で挑発的な一面がある。力があれば何をしてもいいというようなダークセイバーの領主達を心底嫌っている。機械系に強く様々な世界の機械知識を広く持ち自作ガジェットの研究・開発を行っている。
からくり人形「ダグザ」:巨大な棍棒で敵を粉砕する。
精霊銃「アヴェンジングフレイム」:黄金に輝くリボルバー。弾丸には炎が宿る。
ワイヤーギア:射出したワイヤーを引っかけ、巻き取りと、蒸気噴出で推進力を得る。
「力があれば何をしてもいいって思ってるんだろう?お前が奪われる立場でも同じことが言えるかな!」
(エロやグロに巻き込まれなければどんな展開でも大丈夫です)
阿紫花・スミコ(ガジェットガール・f02237)は溜息を吐いていた。
理不尽に力を振るい民を虐げる――力があれば何をしてもいいというダークセイヴァーの領主共、心底嫌うそれらに似た性質のこの島の支配者達に容赦をするつもりはない。
そして今島民を追っている存在も力のままに好き勝手暴れている。けれど、
「……なんか違う!」
悪徳領主とか人の世界の悪ではなく、こういうワイルドな災厄は少々別物な気がする。そもそもなぜサメが空を飛んでいるのかもわからない。
透明なのもいたりするらしい超常はメガリスの影響なのだろうか。
ともあれ彼がは鉄甲船の甲板から港へと飛び降りると、そんな彼女の死角から気配を隠していたステルスサメが大口開けて飛び込んでくる。
ああ、危ないと青い竜人が叫ぶがスミコが軽く糸引けば、彼女のスーツケースより棍棒持ったからくり人形『ダグザ』がばっと飛び出し、見事な踏み込みと共に棍棒を真横にフルスイング、大海原へとサメを吹き飛ばす。
ナイスホームラン。そう呟いた竜人だけれども彼自身もサメに追われる身で、スミコの動きに目を奪われ足を止めてしまっていたからその背後に迫るハンマーヘッドとの距離は既にほぼないも同じ。丸かじりにせんと海を泳ぐのと同じような速度で迫っていた。
けれどスミコがガジェットをそのサメに向ければガジェットよりワイヤーが射出、絡みつくようにしてハンマーヘッドをぐるぐる巻きにすれば、巻き取りと蒸気噴射の勢いによりすぽーんと空、そして海の方へと放り出す。
――暗雲立ち込めるリリーフ島、その島民と猟兵の最初の接触であった。
成功
🔵🔵🔴
神崎・伽耶(サポート)
アドリブ連携OK!
人懐こく、底抜けに明るい、マイペースなお姉さん。
一見、何も考えてないかのような突飛な行動が多い。
情報感覚は鋭敏、違和感を感じると突っ込まずにはいられない。
手持ちのアイテム、ユーベルコードを駆使し、手がかりを探しては突撃する。
複雑なことを考えるのはあまり得意ではなく、瞬間的に判断して、反射的に動く。
基本は善良。
困った人がいれば損得抜きで行動しがち。
活動の原動力は、好奇心!
なお、ネーミングセンスは最悪。
悪食で何でもいただくが、味覚は優秀。
遠山の金さん風に動かしていただけると幸甚なり!
何故か島に上陸してきたサメ達は人々を追いかけまわす。それは海から離れた島の中心付近も例外ではない。
この世界にアルダワよりこの島が落ちてきた時からずっと存在していた遺跡――中身こそ長い年月で随分失われてしまったが、大いなる知識を所蔵し継承する為に在った建物の一つは、コンキスタドール達に支配されてからは誰も訪れない無人の場所と化していた。
空より滑空しそのままの勢いで屋上から屋内に飛び込み扉を閉め、息を吐く小柄な一人のドラゴニアン。
この場所ならばしばらくは稼げるだろう。出口は入ってきた扉と、下の階へと続く階段への扉。
空飛ぶサメに追いつかれない速度は出せるが向こうは代わる代わるに追いかけてくるからスタミナ面で勝ち目はない。かといって迎撃するには数が多すぎてどうしようもない。
そんな彼の耳に、下階の方から響く荒っぽい音が届く。どうやらここにも長く居る事はできそうにない。
逃げられる場所ももう浮かばない。
『誰か助けて――』
もう限界だ、少年の嘆きが誰もいない空間に響く。
「よし来た!」
なのに答えが返ってくる。同時、階段の扉が開き探索者風の格好の神崎・伽耶(トラブルシーカー・ギリギリス・f12535)が飛び込んでくる。
「アタシが来たからにはもう大丈夫! 大船に乗ったつもりでどーんと構えてて」
そう言う彼女の背後の階段からは音が響き続けている。けれど近づいてこない。
「ついてきて」
不思議がる竜人の少年に伽耶は自信に溢れた表情で言うと、階段を降り始める。
そして二階分ぐらい降りたところで少年が見たものは、括り罠に縛り上げられた巨大なサメ。
彼女のユーベルコードで複製された木製の罠にワイヤーを組み合わせたそれは酷く頑丈で、暴れてもそう簡単にはびちびち動く様はどこか滑稽にも見える。
言葉で煙に巻いたりできる相手なら別のやり方もあったけれどもちょっとこのワイルドさには物理で止めなければならなかっただろう。
ふらふら飛んでいた少年を見かけ、好奇心に任せて追いかけて辿り着いたこの遺跡。島の状況は転送前にざっと聞いただけだが、こんな風に困っている人がいるなら助けるのが彼女の流儀だ。
とりあえずこの場所を拠点にする為にまずはサメ達をどうにかしよう。話はこの子に聞けばいい。
そんな風に考えつつ、伽耶はいつも通り好奇心と善性に従いながら竜の少年と共に建物に潜入したサメの捕縛と侵入防止の仕掛けを巡らせていくのであった。
成功
🔵🔵🔴
ルク・フッシー(サポート)
こ、こんにちは。ぼ、ボクは、ルクといいます
戦いは怖いですけど…誰かの大切な物を守るために…
大丈夫です。ボク、戦います…!
えっと…ボク、これでも魔法学園で迷宮探索について学んでいるので、罠や魔力の探知はそれなりにできる、つもり、です…
探知の際は現場や探知できた魔力などを絵に描く事で分析、整理する事ができます
簡単な翻訳魔法も使えるので、動物などと話して情報を集める事もできます
知らない人と話すのは…ちょっと苦手、ですけど…
たとえ依頼達成のためでも、他の猟兵や一般人などに迷惑をかけるような事や公序良俗に反する事はしません
よ、よろしくお願いします…!(絵筆をきゅっと抱きしめる)
港から島の内陸側に入った町は大騒ぎ。
人間ドラゴニアン問わずサメに追われて走り回り、時折体を齧られたりしつつも必死に逃れようとしている。
サメの力で建造物がどうこう、という訳ではないけど元よりコンキスタドールに襲撃されて支配された島、壊して支配し、直す時間など与えずこの特訓を強制しているのだろう。
アルダワ魔法学園の学生であるルク・フッシー(ドラゴニアンのゴッドペインター・f14346)、この島の由来を考えるとどこか慣れた雰囲気を感じるけども今忙しくしているのはサメ、鮫、サメ!
住人と勘違いしたか、或いは普通に獲物と認識したのかドラゴニアンの少年に向かいサメ達が一斉に襲い掛かる。
「わー!? や、やめてくださーい!」
翻訳魔法を使いつつサメに向かい叫ぶも、テンションが上がり切ってしまっているからか聞く耳もってもらえていない。
サメの表情が分からないので何とも言えないが、何となくひゃっはーとか考えてそうにも感じる。
このままでは住人達と並んでサメのごはんか特訓耐え抜いてスポーツマンになってしまうか――それはどちらも勘弁で、何よりそれまでに誰かの大切なものがその過程で奪われてしまう。
それを嫌うルクは、まずできる事を整理し、壁が半壊した建物へと飛び込む。
そして即座にユーベルコードを起動、損傷を埋め塗り直すパテを作り出して壁をその絵筆で塗り直し修復する。
硬度は元の壁と同程度、それでも普通のサメであるなら容易には突破できないだろう。
稼いだ時間で状況を整理、頑丈で広い建物を修復し、サメ達の襲撃から身を隠すための避難所を復活させる。
そうすれば人々を誘導して護る事も出来る――人と話すのは少々苦手だけれどもやるしかない。
そして緑竜の少年は再びサメ達溢れる街の中へ、人々を救う為に飛び出していくのであった。
成功
🔵🔵🔴
ニィエン・バハムート
※アドリブ・連携歓迎
これは酷い…同族の誼として助けてさしあげるべきですわね!(←こいつ深海人です)
竜と鮫は親戚!!
私の竜を呼び出しつつ鮫たちに【動物と話す】技能で話しかけます。
厳しいだけの特訓など時代遅れ!時代はスポーツ医学と誉めて伸ばす指導ですの!まずはそのスポーツを好きになってもらわなければ強くなるために頑張ることなんてできませんわ!
と、【威厳】たっぷりに【情熱】を込めて説得。
説得成功ならば鮫たちにもう少し軽めに特訓を手伝ってもらいます。無理だったら竜たちの餌です。
状況が落ち着いたら住民たちを【鼓舞】してなんとかやる気になってもらいます。
結成!ドラゴンz…ごほん!
結成!ドラゴニアンズ!!!
緑竜の絵描きの少年がその絵筆を振るい建物を修復している頃。
人間ドラゴニアン問わずサメに追われて走り回り、時折齧られたりしつつも必死に修復の完了した建造物へと飛び込み一息ついている。
だが今追われている人々は多く、追う側の数も多い。
「これは酷い……」
その光景にニィエン・バハムート(竜王のドラゴニアン(自称)・f26511)は言葉を漏らす。
ただでさえスパルタな上に年齢や性別種族など全く考慮しない負荷をかける時代遅れな特訓、避難場所に逃げ込む前に限界を迎える人が出てくるのにもそう時間はかからないだろう。
追いかけるサメ達――中にサメの深海人っぽいのも混ざってる気がするそれらのスタミナは、明らかに島民を上回っている。
「同族の誼として助けてさしあげるべきですわね! 現れよ! 竜の群勢! バハムート・レギオン!」
そう決意しユーベルコードを起動するニィエン――実はドラゴニアンでなく深海人なので同族というには疑問符はつくが、まあささいな事である。
ユーベルコードにより召喚された翼広げたちょっと変わった外見のサメもとい竜の軍勢、それらに指示して人の青年を追っていたサメ達を空から鋭い手足の爪で一斉に抑え込ませた。
『サメの次はナマズ!?』
「竜の群勢だっつってんですの!」
人の青年の言葉に声を荒げるニィエン。
彼女の言う竜の軍勢、外見はどう見ても手足を生やしたナマズだけれども異論は認めない。ええ、竜の軍勢ですもの。
そしてニィエンは抑え込ませたサメと対話を試みる。
「時代はスポーツ医学と誉めて伸ばす指導ですの! まずはそのスポーツを好きになってもらわなければ強くなるために頑張ることなんてできませんわ!」
『すぽーつ? おいしい?』
あ、これ根本的な部分で話が通じてない。ちょっとニィエンが脱力しつつ、根気強く情熱的に話を聞けば、このサメ達も何故人々を襲っているのか分かっていないようだ。
島へは何かに誘われる感じに呼ばれてきたけれど特に何かをするよう駆り立てられるわけでもなく。
ただ、その場所に逃げ回る獲物もとい人間達がいるなら追いかけたくなるのも無理はないのかもしれない。
ニィエンの情熱的な説得、そして協力してくれた時のささやかな対価を提示すると、サメ達はあっさり人を襲わない事、それから落ち着かせてからのお手伝いを約束して仲間にも伝えてくれると意思を伝えてくれた。
『姐さん! 俺も手伝いますぜ!』
「誰が姐さんですか!」
正気を取り戻したのか、サメ達に紛れ追う側になっていた深海人も参戦してくれるようだ。拘束を解かれたサメ達は街のあちこちへと散開し、暴れるサメ達を宥めに向かう。
そしてニィエンの情熱的な説得を横から聞いていた青年も感銘を受けたのか、どことなく彼女に尊敬の視線を向けつつ、一先ず避難の為に修復された建物へと飛び込んでいく。
ここの騒ぎは収まったが、他の場所のサメ達の騒動が収まるには時間がかかるだろう。
特訓も巨人達への反攻もそれから、そしてニィエンは追われる島民を救う為、眷属達と共に駆け出した。
大成功
🔵🔵🔵
イスラ・ピノス
島を支配したコンキスタドールが好き勝手するのはそうなんだろーけど。
ゲームの相手させられるのも大変だねー…
常勝無敗とか言っている以上、生かさず殺さずは徹底してそーだし。
でもルールは分かりやすいよね。
まずは住民の救助して、試合の場所まで行こー!
上陸にあたって、そーちゃんおいでー!
ソーダジャイアントを呼んで海辺や港まわりにいる鮫を追い払いつつ水チャージ!
その為に時間はかけないけど、強化を出来るだけした上で島の方に行くよ。
飛んでる鮫とか深海人は殴り飛ばし、透明なのも軽く水撒いてみれば分かるかな?
潜ってるのは出てきたら考える!
ほらほらさっさと出ていかないと商品になるか試しちゃうよー?
理不尽に追われる竜人の島民達。海岸付近を走り込みさせられるように追われている彼らは息も絶え絶え。
そんな彼らを追う巨大なサメは獰猛とされる種類、鋭く牙の並ぶ大口は、被害者たちを丸呑みにすることもできるだろう。
港から上陸し、海岸付近の島民の救助に当たっていたイスラ・ピノス(セイレーンの冒険商人・f26522)が遠目に確認できたのはそんな光景。
(「ゲームの相手させられるのも大変だねー……」)
無茶な掟を強いる、それはコンキスタドールだから心を折る為に当然なのだろうけれども。
けれど敷いた掟、そして常勝無敗を掲げる以上生かさず殺さずを徹底しているのはまず間違いだろうと計算高い彼女はそう勘定する。
分かりやすいルール、その目的はきっと特訓の成果を完膚なきまでに叩き潰す事だろうから。
その為には試合以外の形で殺しては意味がない。
そんな事を考えているうちにサメが近づいて――あっ、ちょっと竜の翼の端が齧られた。
巨人自身はともかくサメの方には制御あまり効いていないのかもしれない。
とにかくまずは人々の救助、それから試合で巨人達に目にもの見せてやろうとイスラはユーベルコードを起動。
そーちゃんおいで、その呼びかけと共に海から現れたのはソーダ水の巨人。本来3メートルほどの体だが海水を吸収して更に巨大化した体は巨大サメをも抱え込める大きさ。
ざばんと突如現れたソーダ水の巨人に闘争本能を刺激されたサメが喰らいつこうとするが、イスラがそれを殴りつける動作に合わせ巨人はソーダ水を散らしながらサメに拳を叩き込み、突き上げる。
高々と空に舞い上がり、海へと大きな水飛沫を上げて墜落する巨大サメ、けれどイスラはすぐに振りむき何もない虚空に拳を振るう。
巨人がその行動をトレースすれば、何もない空間で何かに衝突した感触。そこに居たのは透明サメ――ソーダ水の巨人の水飛沫の不自然な散り方でその存在を見切っていたのだ。
なんだなんだとばかり、海からぞろぞろと現れる大小さまざまなサメ達。
怯え震える住民達の前に立ち、イスラは笑顔を向けてからサメ達に向き直る。
「ほらほらさっさと出ていかないと商品になるか試しちゃうよー?」
舵輪を構え、向かってくるサメ達に彼女は言ってのけた。
――そして数分後、海岸からの上陸を狙っていたサメ達は一匹残らず海へと叩き返されたのであった。
成功
🔵🔵🔴
バン・クロスハート(サポート)
【冒険。調査ですね!任せてください!】
「どんな調査も基本は足です!」
探索、調査が必要な際は基本的に走り回って情報を集めます
罠を踏んでも耐えたり避けます
調査の際も走り回って聞き込みです
怪しい人物は拘束服、物は袋で確保します
<サイレンコンテニュー>
デストラップでしたらコンテニューします!
【救助、人命第一です!】
「大丈夫ですか?こちらにどうぞ!」
救助対象を体を張って守ります
救助対象が動けない場合等は拘束服で確保して安全な場所まで運搬します
「任せてください、安全な所まで僕が頑張ります!」
<セイブエリア>
安全なエリアをブロックで作成します!
使用技能:激痛耐性、ハッキング、救助活動、運搬、ダッシュ、逃げ足
四王天・焔(サポート)
『こんにちは、焔だよー。』
妖狐の人形遣い×ガジェッティアの女の子です。
普段の口調は「無邪気(自分の名前、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、家族には「甘えん坊(自分の名前、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
無邪気で感情の起伏が激しい性格の少女、
武器はからくり人形とドラゴンランスを主に使います。
植物、特に花が好きです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
サメ達に追われるままに街外れの広場――元々は宴などを開くための場所だったが、今は平たく白線を惹かれたグラウンドと成り果てた場所へと島民が追い詰められていた。
街の方ではサメも説得により落ち着いてきているのだが、ここにまではまだ伝わっていないからサメは変わらず凶暴性を発揮し人々を追い回している。
広場に合ったものは勝利したコンキスタドール達が傲慢に笑いながら置いていったベエスボウルの道具、すなわち白球、グローブ、バット、あとプロテクター。
その身一つでサメ達と戦う選択肢はない。サイズはともかくそれなりに品質はいいらしい道具を手にした島民達が白球を投げ打ち或いはバットで直にしばいて退ける。それはさながら陣地防衛。
しかし勢いは圧倒的に向こうが上、このままではサメのゴキゲンなお昼ご飯にされてしまうのも時間の問題だ。
だが、そこにバン・クロスハート(一×十Χのガーディアン・f23853)と四王天・焔(妖の薔薇・f04438)が颯爽と現れる。
どんな調査も基本は足、それがモットーのパンの走力はサメの速度を上回るもので、島民たちを庇うように割って入ると、
「セイブエリアを展開します! 負傷した方や救助された方はこちらへ来てください!」
ゲームキャラクターである罰天従者『サイレン・スー』を介してデータサーバーにアクセス、レンガの壁の囲いを作り帆セイブエリアを作成していく。
人命第一、そんな彼がサメに追われ傷ついた住人達の救助へと集中する間この壁が消え去る事もない。
何度も突撃してくるランナー、もといサメ達。だがセイブエリアを守るブロッキングブロックは完璧で一匹たりとも突破を許さない。その間に手早くパンは島民達の救護へと取り掛かる。
そしてパンが上手く仕事して島民達の安全を確保した事を横目に見つつ、和風メイド服の裾を揺らしながら焔がサメを回避しつつ広場の中心へと飛び込む。
広場は整備されたグラウンド、ここなら全力で暴れても植物に被害は及ばない。
そして焔が手にした竜槍【フローレ】を放れば、それは小さな青のドラゴンの姿へと変化する。
「大きくなってー、いっけー!」
焔が呼びかけユーベルコードを起動した事により小さな竜は青き巨竜へと変化、無造作に尻尾で薙ぎ払いサメの群を吹き飛ばす。
この場にはセイブエリアに守られている島民とサメの群、つまり無差別に攻撃して問題ない。焔を中心に巨竜が三度その尾を振り回せば広場に居たサメはスタンド外へとご退場。セイブエリアも余波を受けたがびくともしていない。
ほっと一息を吐く焔。一先ずは危機を脱したようだがこの島を支配するコンキスタドールは健在で、それを打ち倒す為に何を為すべきか――思案しつつ、一先ずは解除されたセイブエリアにいた島民の応急処置に合流するのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
黒影・兵庫(サポート)
飲酒・喫煙・性的描写はNGでお願いします。
●兵庫
『○○さんは□□と仰ってましたねー。せんせー』
『強襲兵の皆さん!』
『アンタなんかに負けるかよ!』
●せんせー
『アタシは○○と思うけど黒影はどう思う?』
紹介画像のせんせーはUCで召喚した抜け殻なので基本、兵庫一人で行動します。
誰にでも礼儀正しい元気で素直な子です。
会話と賑やかな場所が好きです。
人を傷つける奴は見た目関係なく怒ります。
「自分か虫を囮に使い罠を仕掛けて攻撃する」戦法を得意とします。
精神攻撃はせんせーが脳を弄るので効きません。
誰かを犠牲することが不可避なら、せんせーが意識を乗っ取って行動します。
よく使うアイテムは「皇糸虫」です。
猟兵達が地上で住民達を救助していく一方、黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)は地下に潜っていた。
正確に言うならこの島の地下に眠る遺跡、その中へと逃れた人々を救出するためにその気配を辿って彼は遺跡を走っていく。
降りてくる際に確認した限り、地上は大分落ち着き始めたようだが虫の報せかこちらの方に不穏な気配を感じる。
「それにしても随分木の根が伸びてますねー、せんせー」
誰もいない虚空に語りかける兵庫、その言葉は彼の頭に棲みつかせた教導虫に向けてのもの。
答えがあったのかうんうんと頷く彼。ふと、暗闇の方へと顔を向ける。
「あっちの方で悲鳴が聞こえました! 助けに行きます!」
アホ毛をぴこぴこゆらしつつ、兵庫は一直線に暗闇に飛び込んでいった。
そのドラゴニアン達はサメの脅威にやむを得ず、巨人が陣取る遺跡と知りながらこの場へと逃げ込んできていた。
流石に地底ならサメも追いかけてこないだろう――そんな甘い目論見は固い遺跡の天井をまるで水のように泳いで降ってきたサメに崩された。
遺跡の中は入り組んで逃げ場が少ない。それでもはぐれることなくどうにか逃げていたが、
『行き止まり……!』
彼らが見たものは進路にびっしりと生え通り道を塞いだ樹々の根。振り返ればサメはもうすぐ近く、そして逃げ込める分岐ももうない。
もう終わりか――そう思った瞬間。
「伐採兵の皆さん! 一切合切、刈り取っちゃってください!」
塞がれた通路の向こうから声が響き、樹々の根があっという間にばらばらにされる。
それを為したのは兵庫の召喚した蟷螂、鎌の代わりに回転鋸を両腕に装着したその蟷螂にとってこのような障害を片付けるなど朝飯前。
そしてドラゴニアン達の前に飛び出した兵庫が飛び込んできたサメに向かい、警棒をバット代わりに思い切り叩き付け吹き飛ばす。
吹き飛ばされ天井に突き刺さったサメ、他に追ってくるサメはいないようだ。
「皆さん、大丈夫ですか?」
礼儀正しく兵庫が問えば、突然の救援に呆気に取られていたドラゴニアン達の思考がようやく現実に追いつき礼を言う。
だがこの場所に長居するのも危険だろう。伐採兵である蟷螂の群を連れた兵庫はドラゴニアン達に状況を説明し、護衛しつつ地上へと導いた。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『巨人海軍』
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POW : 鉄の掟『常勝不敗』
【常勝不敗という掟を掲げた巨人海軍団員】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[常勝不敗という掟を掲げた巨人海軍団員]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD : 愉快で楽しいマスコットのロジャー・兎くん
戦闘力のない、レベル×1体の【橙色のロジャー・兎くん(結構でかい)】を召喚する。応援や助言、技能「【パフォーマンス・鼓舞・ダンス・ジャンプ】」を使った支援をしてくれる。
WIZ : 永久不滅の巨人海軍
【野球道具(巨人用のオーダーメイド)】で武装した【伝説の巨人海軍OB達】の幽霊をレベル×5体乗せた【水陸両用選手バス】を召喚する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ゴーゴードラゴニアンズ!
サメ達の襲撃から救われたリリーフ島住人は町の広場へと集まっていた。
厳しく果てのない特訓という名の拷問から解放された彼らの表情は心なしか晴れやかに見える。
――影を落とすのはこの島を支配する海賊の存在だろう。
「とりあえず、この島を支配する海賊と試合について教えてくれない?」
ソーダ水の髪の冒険商人が問えば、翼の端が少し欠けた竜人の青年、ドラコが説明を始める。
彼曰く。この島を支配する海賊は戦力を求めており、島民に特訓を強いては見込みのある者を地下の遺跡で鍛え上げているらしい。
選手も島も返してほしければ試合で勝てば返す、いつでも誰でも挑戦ウェルカムだとか言っているが、実際はこちらが挫ける様を見たいだけのようだ。
「試合とはなんですの?」
ちょっと個性的な外見の竜の眷属とサメ達を後ろに連れたドラゴニアン(きっと)が問えば、ふくよかな青いドラゴニアンが説明を継ぐ。
彼、ブルという竜人の説明を纏めると、ベエスボウルという名の競技――他の世界出身の者なら野球とほぼ同じルールと理解すれば問題ないようだ。
相違点は選手交代が無制限、そしてユーベルコードの使用が可能という事だ。
前者は恐らくそうしなければ人数不足で試合が回らなくなるからだろう、とブルは言う。
「それ、死なない?」
巨人のコンキスタドールと普通の人間やドラゴニアン、強力なユーベルコードをまともに受けてしまっては当たり所が悪ければ酷い事になってしまうだろう。
「……メガリスだよ。コンキスタドールの持ってる遊戯盤のメガリス、アレが試合中のダメージを一時的に肩代わりするんだ」
その疑問に小柄な竜の少年、ワイアが答える。彼によればあくまで試合中限定、試合後に全ダメージに応じた攻撃が敗者にされてしまうらしい。
実際この間の試合ではリリーフで抑えきれなかったローダが文字通り炎上させられてしまったのだとか。
それらの説明を受けた猟兵と島民は作戦を練る。
先の試合の敗北で心を折られていた島民も多く居るが、救助された事で再度巨人達に反抗しようとする意志が燃え始めた島民もいる。
最終目標は島を支配する巨人達に勝ち奪還する事。その為にまず、引き抜かれた選手を試合で勝ち奪還、その戦力を加えた上でこの島のボスへ試合を挑むという作戦になった。
島民達の話から推測するに、最初から荒事で仕掛けるにはどうにも数が多い。相手のルールに乗った上で勝つのが一番スマートだという結論。
その為にまずは特訓。猟兵達の知識と助力もありめきめきとベエスボウルの腕前が上達していく。
おとなしくなったサメ達の助力で見た目はこれまでの強いられていた特訓と差はないように思えるが、彼らの表情には希望が溢れている。
「ちなみにチーム名はなんですの?」
『元はドラグーンだったが……今の俺達だと別の名前にした方がいいかもしれない』
縁起という物はあるようで、変えた方がいいかもしれないとの事。
「それならドラゴンz……」
『姐さんそれはマズイ気がします!』
何かを言いかけたが鮫の深海人ティブロンに遮られる。故郷にも今はまだ戻れないので助っ人してくれるらしい。
『だから姐さんじゃないっていってるんですの! ……ごほん! 結成! ドラゴニアンズ!!!」
どこからかアカンという気配を感じたのか、言い直したドラゴニアン(多分)。
こうしてドラグーン改めドラゴニアンズが始動したのであった。
そして一週間後。
地下遺跡のグラウンドではドラゴニアンズと巨人軍が相対していた。
見上げるような巨人達、その中には巨人以外も混じっていて。
小柄な黒猫、レトロなロボにも見えるミレナリィドール、そして強打者の風格漂わせる黒鱗のドラゴニアン――いずれもドラグーンとして戦い敗北した島民だ。
『この試合で勝ったらスカウトした仲間を返してもらうぞ!』
「HAHAHA! 身の程を教えてあげまショウ! メガリスお願いしマス!」
ルールを定め空気が変わる。
そしてドラゴニアンズの緒戦がここに始まる。
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●マスターより補足
プレイングについては打撃守備の希望を書いて頂ければ判定を踏まえていい感じに調整いたします。
思ったようにプレイングかけて頂いて大丈夫です。
・ルールはユーベルコード使用可能と控え人数・交代無制限以外は9人制(DHなし)の野球とほぼ同じ。
打撃はボールが地面についた位置でヒット、ファール、ホームラン等の判定。
走塁は一塁、二塁、三塁、本塁を順に踏んで一点。ラインから極端に離れるとアウト。
ただし守備でのフライについては本人が装着したグローブで取らなくてはならない。
道具はユーベルコードに必要なものなら許可されることもある。
・メガリス
遊戯盤のメガリス。定めたルールに反しない限り領域内の競技者が最後までプレーできるようダメージを肩代わりする。
敗北、或いはルールに背いたものには肩代わりしたダメージに応じた攻撃を喰らわせる。
・ドラゴニアンズ
特訓の成果もあってどうにかベエスボウルにはついていけるようになったみたいです。
基本的に猟兵の希望しないポジションを埋めてくれています。無茶してもメガリスの力で試合に勝てば死にはしませんが気絶はします。
名前の出たメンバーの基本的なポジションは大体決まっていますが、プレイングかける分には気にしなくて大丈夫です(交代の制限がないので)。
・巨人海軍(二軍)
ベエスボウルを修得した巨人コンキスタドールが基本メンバーです。
島民の中で有望とみなされた三人が無理やり従わされてますが、上手い事説得するなりKOするなりできれば次の島を賭けた決戦に参戦してくれるかもしれません。
カモ…真っ黒なケットシー、隙を見出す能力が異常に高く、並みの速度では影すら踏ませない程に足が速いライト。
オキサト…どう見ても古き良き人型ロボなミレナリィドール、見た目によらずオールラウンダーなセンター。
クロガネ…黒鱗のドラゴニアン、ドラグーンでは四番エースを務めていた強打者で現在はファースト。
巨人たち…一般的な巨人海軍のメンバー。攻めは強いが守りが甘く、足でかき回すのもされるのも苦手。
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イネス・オルティス(サポート)
『この鎧は一族伝統のもの、恥ずかしくなんて……』
アックス&ウィザーズ辺境のどこかにある隠れ里に住む一族の女戦士
〔一族伝統の鎧〕のビキニアーマーを愛用し主に〔巨獣槍〕という槍を使う
”ダッシュ”で近づき”なぎ払い”、”串刺し”等をよく行う
ボン・キュ・ボンのナイススタイルで、ビキニアーマーを普段使いしているため
無意識に周りを”誘惑”している事があるが本人は気づいていない
また”恥ずかしさ耐性”があるためか自分の格好より任務の達成を優先する傾向がある
アドリブ・絡み・可 ””内技能
描写はセクシーレベルまで
キャバリアには乗りません
迅雷・電子(サポート)
人間のバーバリアン×力持ち、16歳の女です。父親が相撲取りだったのが切欠で相撲にはまり、夢は女横綱です。
普段の口調は「男勝り(あたし、あんた、だねぇ、だよ、だよねぇ、なのかい?)」です。普段は女子高生なので制服ですが戦闘になると脱いでイェーガーカードの姿になります。基本相撲の動きで戦います。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
序盤は小手調べ、単打は出るが打線は繋がらず、お互いに無失点のまま三回を迎える。
ワンナウト、打者として構えているのは捕手の竜人ブル。
巨人の剛球を彼は何とかバットに当て前に転がした。普通に処理すればゴロで片が付く打球だが、ここでアクシデント。
処理した投手の巨人が暴投し黒鱗のドラゴニアンの遥か上に送球してしまいフィールドを転々と転がっていく。
そのチャンスを見逃さず意外と速く走塁するブルは一塁を蹴り二塁を狙う。カバーに入ったライトの黒猫がそれを阻止せんと二塁へ送球、巨人とヘッドスライディングを狙う青い竜人が交錯する。
タイミングは完全にセーフ、だがタッチを狙う巨人の一撃がブルを撃ち、竜人は倒れたまま動かない。
『常勝不敗』――鉄の掟を掲げ強化された巨人海軍の荒っぽいタッチは一般人には相当厳しかったようだ。
完全に伸びているブルの代走としてグラウンドに出たのはさらしにレギンス、その上にまわしをつけた女子相撲スタイルの女子高生、迅雷・電子(女雷電・f23120)。
巨人のやり口とルール上かなり荒っぽい戦いになると予想される。本塁でのクロスプレーなど特に激しいものになると考えられる中、電子は全く気負いもせずに塁上からバッターボックスを見ている。
『ヘーイビキニなんて』
バッターボックスに立つ猟兵に心無い野次を飛ばす巨人の軍勢。
「この鎧は一族伝統のもの、恥ずかしくなんて……」
巨人達の罵声に微妙に顔を逸らしながら呟く彼女の名はイネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)。際どい恰好ではあるがこれは一族伝統の鎧、そこに羞恥の介在する余地などないはずである。
けれども、巨人に猟兵、そして島の住人に見られ更に囃し立てられればどうにもこみあげてくるものがある。
「……今、伝統の鎧は伝説の鎧へ進化する」
巨獣を狩る為の一族伝統の槍を構え、一族の精霊への信頼と信仰、そして勇者達への畏敬の念を強く念ずれば、纏う鎧が仄かに輝き――、
『ホワァッツ!? アレは幻の――』
それはどこかの世界の超大国の旗をモチーフにしたような赤と白と青の光が混じった光、なぜか戦慄している巨人たちを他所にイネスは集中を取り戻していた。
羞恥は多少感じるけどもそれは動きを妨げるようなものではない。己の格好は気にせずに今向き合うは投手。
光に臆さぬ巨人の一投、しかしその外角高めの球は速さこそあれどコースは甘い。藍色の瞳は白球を見切っている。
「せぇい!」
気合と共に女戦士は構えた槍の先、巨獣の爪牙より作り出した穂先を白球に叩き付ける。
球威に圧されそうになるがそこは戦士たるイネス、真っ向勝負の腕力で白球を右中間に弾き飛ばす。
ワンバウンド直後に回り込んだ黒猫がキャッチし送球。イネスは既に一塁を悠々と踏んでいるが、同時二塁から走る電子が三塁を蹴りホームを狙う。
三塁を回り走る電子、本塁に向けて加速すると共にユーベルコードを起動すれば電撃が彼女の体を覆う。
「あんたに止められるかい!?」
摺り足ながら速度は全力疾走にも比肩する程。
本塁の巨人が返球を掴んだと同時、電子の強烈な体当たりが体が泳いでいる巨人に炸裂する。
体格差は三倍、その上鉄の掟を掲げている為強化されてもいるが、女横綱を目指す電子の突進による衝撃はそれをひっくり返すほどに強烈。
衝撃に巨人が本塁から弾き飛ばされ落球した合間に電子は本塁をしっかと踏みしめる。
ドラゴニアンズのベンチから歓声があふれ、クロスプレーの間に二塁へと到達していたイネスは仕事を果たせた事に僅かに安堵する。
ベエスボウルの戦いはまだ始まったばかり、ゲームセットまでは何が起こるかは分からない。
だが、間違いない先制点をドラゴニアンズは奪取したのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
宇良潟・伝助(サポート)
わたくしは裏方メインの黒子ですから前線に立っての戦闘は致しません。
戦闘になると【目立たない】技能を使って存在感を消し、罠にも使えるアイテム【戦闘用舞台装置】と【罠使い】技能を使って敵の行動の妨害し、罠を使って攻撃をします。
あとは舞台演出のユーベルコードを使って猟兵達を強化して気持ちよく戦って貰います。
日常、冒険ではユーベルコード【黒子の団体】を使っての情報収集、探し物、救助などをします。
口調 は裏方作業中の時は(わたくし、~様、ございます、ございましょう、ございますか?)でございます。
そして回は進み五回。
三回に連打で二得点を挙げたドラゴニアンズだがその次の回の裏に強烈な一発をスタンドに放り込まれ一点を返されている。
しかしそれ以上の追加点はならない。
『オウ、シット! やり辛い相手達ネ!』
三振に倒れた巨人のスラッガー、彼の苦手なコースを徹底的に狙うドラゴニアンズの配球にその自慢の腕力も発揮できない状態だ。
ふと、視線を感じたように巨人がスタンドを見上げるが何もそこには見えない。
気のせいだろうと巨人はベンチに戻り守備の準備へと移る。
――広い地下のグラウンド、けれどよくよく目を凝らせば限りなく気配は薄いけれども黒子がグラウンド、そしてスタンドの各所に控えている。
「皆さん、協力をお願いします」
それはドラゴニアンズのベンチに控える宇良潟・伝助(裏方大好きな黒子猟兵・f21501)の召喚した黒子達、彼らの助けを借りて巨人達の癖を試合中に読み取りその情報を選手たちに提供しているのだ。
黒子達の存在感は舞台装置を上手く使い注意を選手の方に向けさせることで薄れさせ、効果的に情報収集を行っている。
巨人海軍の投手は外角のコントロールが甘いからそこが狙い目、レフトはゴロ処理が苦手、捕手は肩は強いがたまに送球が乱れる――そのような情報を集め共有し、突破口とする。
打者の竜人が巨人の球を上手くバントで転がしエラーを誘えば慌てた捕手はその狙い通りに暴投してしまう。
そんな光景を見ながら伝助はあくまで裏方に徹し、スコアラーとして巨人海軍の観察を継続する。
彼の縁の下の支えによりドラゴニアンズは中盤まで大量失点を防ぎつつ終盤を迎えたのであった。
成功
🔵🔵🔴
蛇塚・レモン(サポート)
いつも元気で優しく快活な性格
その身に蛇神と妹の魂を宿す20歳の娘
霊能力と保有する技能及びアイテムを駆使して事件解決を試みます
普段の口調は語尾に『っ』を多用します
時々「蛇神オロチヒメ(裏人格)」ですが老人口調NG
UCで召喚されると巨大な白蛇として顕在化
戦闘スタイル
召喚術士だけど前衛役も出来るパワーファイター
武器は蛇腹剣と指鉄砲から放つオーラガン
基本的に脳筋だけど、左目の蛇神の眼力の催眠術で敵に幻覚を見せたりUCで行動不能に陥らせたり絡め手も得意
多少の怪我は厭わず積極的に行動
また、例え依頼の成功のためでも、他の猟兵に迷惑をかけたり、公序良俗に反する行動はしません
あとはお任せ
よろしくおねがいします!
終盤、八回。
小柄な竜の少年が巨人の剛速球になんとかバットを当てたものの、球威に押し負けて体ごとバックフェンスに叩き付けられノックアウト。
その次の翼の一部が齧られたような竜のドラコが左打ちの打席に立つ。
放たれた白球の軌道は鋭く打者から逃げるように変化するが、ドラコはそれを見極め上手く流しレフト側ライン際へと跳ね返すと左翼手が追いかける間に二塁まで到達する。
そして一死二塁の状況でバッターボックスに立ったのは金色の髪の活発そうな蛇塚・レモン(蛇神憑きの金色巫女・f05152)。
「それじゃあたいが返しちゃうよっ!」
『そんな細腕ヘシ折ってやりマース!』
宣言する細身の彼女の深紅の左目を見て言い返し、初回から投げ通しの巨人の投手は投球する――が、これまでの球と比べ物にならぬ程に緩い球。
全力で打者に集中するために目を合わせた瞬間、レモンの左目に宿る蛇神の力で投手に催眠術をかけて動きを鈍らせたのだ。
その球をレモンは全力で打てば左中間を切り裂く鋭い打球。ロボめいたセンターのオキサトが処理せんとするが、それよりもレモンの術のが速い。
バットを振りぬいた直後、レモンの周囲に光の魔法陣が浮かび上がると、そこから巨大な白蛇が姿を現しセンターに念動力を向けその機体を拘束する。
その白蛇は愛娘たるレモンの為に力を振るうもの。罪なき島民であるため愛娘を悲しませぬよう加減しているが、それでも逃れる事は出来ぬ程に強力。
その間にドラコは悠々と本塁へ帰還、レモンも三塁まで一気に進むことに成功。
打点をあげた彼女はベンチに向かって得意げにVサインしたのであった。
成功
🔵🔵🔴
ニィエン・バハムート
UC使用可能…そちらが優位に立つためのルールなのでしょうが、この私が来た時点でこのルールはドラゴニアンズを勝利へと導く福音に変わりましたわ!
敵ピッチャーが投げようとした瞬間に大地震!敵バッターが打とうとした瞬間に大地震!敵ランナーが走り出せば大地震!敵守備陣がボールを捕りそうになったら大地震!
まともにベエスボウルができるならやってみるがいいですわ!
はあ?卑怯?ルールに則った卑怯は褒め言葉ですの!
この力を直接叩き込んでやらないだけ、あなたたちは私に平身低頭して感謝すべきですのよ!うふふ、あはははは!おーっほっほっほっほっほっ!
自分は翼使ってちょっと飛んだりしながらプレイしますわ。
【蹂躙】ですの!
そしてその裏。
一死一塁二塁とドラゴニアンズがランナーを背負う状況で打席に立つのは黒き竜人。
彼を観客席から応援するのは橙色のマスコットと思しき兎だ。鳴り物と奇妙な応援歌、盛り上げる為の愉快なダンスに鼓舞され、彼の纏う雰囲気が異様さを増す。
ドラゴニアンズの竜人の投手が投げた球を、黒の竜人はその剛力ではじき返す。
地面に叩きつけられた白球はワンバウンドしたにも拘らず投手を越えて遥か高くに跳ねあがり、その間に巨人は一気に進塁する。内野を越え外野の処理になるだろうその打球。
「なんの!」
だがセカンドで守備を行っていたニィエンが跳躍、その打球をしっかり掴むとそのまま二塁に着地、更に一塁へ送球して併殺で仕留める。
『流石っす姐さん!』
三塁の方から聞こえる尊敬の声、姐さん呼びは正直どうかと思いつつナイスプレーを決めたニィエンは今はツッコまない。
「……このユーベルコード有りのルール、確かに厄介ですわね」
ユーベルコードによるドーピング、もとい能力強化。その恩恵を受けた島民である竜人の打球は確かに強烈だった。
天変地異すら起こすものもあるユーベルコード、この場でのその使用を許容するルールは恐らくベエスボウル向けのユーベルコードを持つコンキスタドールが優位に立つ為のルールなのだろう。
だが。
「この私が来た時点でこのルールはドラゴニアンズを勝利へと導く福音に変わりましたわ!」
今ここには猟兵達がいて、そのユーベルコードは奴らに勝るとも劣らないもの揃い。
ニィエンの鼓舞に島民達は沸き立ち、疲労すら感じさせぬ程の熱気に満ちたまま最終回を迎える。
そして攻守入れ替わりドラゴニアンズ最後の攻撃。
トップバッターのサメの深海人がショートとサードの間を抜けるヒットを打ち、次いで自信満々に打席に立つニィエン。
ここで追加点があればダメ押しになるだろう。故に、ニィエンは巨人が投球モーションに入った瞬間、これまで隠していた彼女のユーベルコードを起動する。
途端グラウンド全体が跳ねる。鯰の持つという地震を呼び寄せる能力、それを行使する彼女のユーベルコードによる地震に巨人の体勢が乱れ、投げられた白球は速度も回転も今一つな棒球。
それをニィエンは鋭く右中間へと弾き返せば、黒猫とロボの代わりに守備に入った巨人との間をワンバウンドし間を抜ける。
フェンスにぶち当たった球を即座にケットシーとレフトの巨人、そして巨人の召喚した妙に大きな橙の兎マスコットたちがカバーに入ろうとするも、再び地面が揺れ白球がイレギュラーバウンド。
地から突き上げるような衝撃に、全力疾走していた守備二人のバランスも崩れ二者は派手に衝突――というより、黒猫が巨人の下敷きにされてしまう。
中継の態勢を取っていたセカンドがその惨状に慌ててフォローに走るも、彼が捕球し振り向いた時には既にニィエンは三塁を踏んでいた。
『卑怯者! ベエスボウルマンシップを忘れまシタカ!?』
「はあ? 卑怯? ルールに則った卑怯は褒め言葉ですの!」
顔を真っ赤にして怒る巨人の抗議にニィエンは一歩も引かない。実際、メガリスは反応していないのでニィエンのユーベルコードもルールには則っている扱いで間違いないのだろう。
「この力を直接叩き込んでやらないだけ、あなたたちは私に平身低頭して感謝すべきですのよ! うふふ、あはははは!」
おーっほっほっほっほっほっ! と、悪役な令嬢の如き高笑いを上げるニィエンに巨人達は言い返せず、悔し気に睨むだけであった。
最終回裏。
怒りに燃える巨人海軍の攻撃は封殺されていた。
打者の巨人がバットを振るう瞬間に揺れが起き、バットのコントロールを妨げ凡打となってしまう。
一応地下なので地震の乱用で崩れないかという不安もあった為使う場面をギリギリまで絞っていたが、どうやら崩落はなさそうだ。
そのまま難なくドラゴニアンズは三者連続で打ち取り、終わってみれば5対2。
そして、試合終了を告げる合図。
ドラゴニアンズの快勝と共にメガリスが輝きだして――。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『鮫牙の海賊『ルカン』』
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POW : 血鮫領域
【竜巻に巻き込まれたサメの雨】を降らせる事で、戦場全体が【血に飢えたサメの群れ泳ぐ海中】と同じ環境に変化する。[血に飢えたサメの群れ泳ぐ海中]に適応した者の行動成功率が上昇する。
SPD : 欲望の銛
自身の【メガリスたる銛】を【欲望を肯定する血牙の捕食形態】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
WIZ : 奪命の牙
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【生命力を奪い取る分裂した鮫牙型の刃】で包囲攻撃する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ヴィクトル・サリヴァン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●逆襲の時、来たれり
輝きは光線となり、敗者を次々と貫いていく。
それまで肩代わりしていた試合中のダメージを巨人海軍達に与えてメガリスの光は徐々に弱まり、そして消失する。
比較的穏やかに試合が進んでいたけれども光線を受けた巨人海軍達は立ち上がる様子を見せない。
けれどその中で立ち上がる選手がいた。
『……何でこんな格好?』
黒いケットシーが頭を振りユニフォーム姿の自分の姿に疑問を口にし、その隣ではロボめいた姿のミレナリィドールが蒸気を吹き出し戸惑っている模様。
カモとオキサト、試合後半で動きを縛られたり不慮の事故で意識を失って洗脳が解けていた彼女らはメガリスの攻撃の対象外になっていたようだ。
黒竜のドラゴニアン、クロガネも『勝った場合スカウトした仲間を返す』という条件が定められていたからか、意識は失っているものの傷はかすり傷程度。
勝利と仲間の奪還、それを成し遂げたドラゴニアンズが歓喜に湧き上がる。
だが、そこに。
『何だぁテメェら情けない試合をしやがって!』
荒々しい声がスタジアムに響く。その声に島民達がびくっと怯える。
スタジアムの入り口に姿を見せたのはサメの姿のコンキスタドール、そしてその背後に引き連れた巨人海軍。
奴らこそがこの島に恐怖の掟を敷いていたこの島の支配者だ。
一触即発の空気、だがサメのコンキスタドールは隙を見せぬ様子で銛のメガリスを片手に遊戯版のメガリスの元へと歩み寄り。
『面倒な事は言わねえ、ベエスボウラーとしてこれで叩き潰してやろうじゃねえか』
そのメガリスが起動し仄かに輝きを帯びる。
『『ドラゴニアンズ』と『ティタノルカンズ』、勝った方が総取りだ! 野郎どもやるぜ!』
試合の為の空間へと空気が変じていく中、巨人達にサメのコンキスタドールが叫び、それに応ずる。
地響きの如き轟音――けれどドラゴニアンズは怯まない。先程まで巨人海軍として洗脳を受けていた二人も眼前のコンキスタドール達に対する闘志を静かに燃やしている。
――退くことのできない連戦。けれどここで勝利すれば島は解放される。長く苦しい拷問のような特訓を終わらせ、穏やかな日々を取り戻すことができる。
その希望を胸に、島民達と猟兵の連合軍『ドラゴニアンズ』と鮫牙のコンキスタドール率いる巨人海軍『ティタノルカンズ』の最終決戦がプレイボールの掛け声とともに始まった。
====================
●マスターより補足
ルールについては第二章冒頭にあるものと同一です。
勝利すればコンキスタドール達は消滅する為、戦闘プレイングはなくても大丈夫です。
・ドラゴニアンズ
救出されたカモとオキサトが合流しています。クロガネは気絶しており暫くは目を覚まさなそうです。
先の試合でのダメージはすべて巨人海軍(二軍)に押し付けられている為、吹っ飛ばされたりしていた島民も無事です。
・ティタノルカンズ
ベエスボウルを修得した巨人コンキスタドール達を率いる鮫牙の海賊のチームです。
基本的な部分は二軍と同じですが練度が高く、さらにキャプテンのルカンがユーベルコードで妨害なりしてきます。
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ニーヤ・カト(サポート)
『色々冒険していくにゃ!』
ケットシーの探索者×ヴィジランテの男です。
普段の口調は「猫(おいら、お前、呼び捨て、にゃ、にゃん、にゃあ、にょ?)」、偉い人には「丁寧(私、あなた、~さん、にゃ、にゃん、にゃあ、にょ?)」です。
お前が「おみゃー」となってしまいます。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。基本的には女好きなケットシーです。昔は金持ちの見せ物になっていたという過去があります
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
初回、先攻はティタノルカンズ。
先頭打者、二番と順に打ち取り三番打者にセンター前に運ばれ二死一塁。
その場面で打席に立つのは島を支配するコンキスタドール、鮫深海人の姿をした鮫牙の海賊ルカンだ。
チームメンバーは全員巨人でその威圧感をドラゴニアンズは先の試合からずっと感じながら戦ってきたが、巨人海軍と比べこのルカンは小柄なのにその威圧感は同等以上。
「負けるんじゃないにゃ! ガンガン攻めてくにゃ!」
やや気圧されかけた投手の右手背後から聞こえる声、檄を飛ばした小柄な冒険者ルックのケットシーの彼はニーヤ・カト(猫の冒険家・f17782)という名の猟兵だ。
銛を背負いバットを構える島の主、だが竜の島民は背後からの声援に助けられて敵の圧に負けずに白球を投ずる。
その球をサメのコンキスタドールは打ち返す、が、上っ面を叩かれた白球は遊撃手の方向にぼてぼてに転がる。
だがルカンの背負った銛が妖しく輝くと、その銛から鮫の牙の形をした刃の群れが飛び立つ。
幾何学的な機動で飛行するその牙は白球の向かう先、ニーヤを包囲し突き立ちその生命力を奪いそのプレーを阻止せんとする。
けれどニーヤも負けてはいない。無数の牙の飛来を視認して即座にユーベルコードを起動し、手元に小型爆弾を作り出す。
「ほいっとにゃ!」
数は刃に比べ少ないものの、猫の顔の形の爆弾を牙の群れに放り起爆。するとその爆炎は規則正しい軌道で飛行する牙を吹き飛ばし、間隙を作り出す。
その隙間に飛び込み包囲を突破した白のケットシーは冒険で鍛えた運動能力を活かして白球をダイビングキャッチ、そして二塁に投じて一塁走者をアウトに仕留める。
「どんなものにゃ!」
ふんすと得意げなニーヤに投手はナイスプレーと労った。
最初の島の主の攻撃は凡打に終わる。しかしこれで簡単に終わるようなコンキスタドールではない。
その鋭い目つきでドラゴニアンズを睨みながら、彼らは反撃の時を虎視眈々と狙っていた。
成功
🔵🔵🔴
赤星・緋色(サポート)
なんやかんやで事件を解決に導こうとします
フリーダムかつアグレッシブなアドリブも可
合わせ等も自由にどうぞ
ミカエラ・マリット(サポート)
好奇心旺盛な少女
世間知らずなところもあるのでどんな事も割とすぐに受け入れるけど、ツッコむ事も知っている
どんなことも力づくでどうにかできるという思考回路
基本的にギャグ漫画の様に人間離れした力持ち
自分より遙かに大きいものを持ち上げたり、ぶん投げたりして戦う
愛用はイラストにあるハンマー
近接戦は大体これでピコハンのように殴る
遠距離の時は自分より大きなアンカーを鎖掴んで振り回す
足元が不安定な場所や冷気に弱い敵にはあずきソード
いずれにしても鈍器
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用
多少の怪我は厭わず積極的に行動
他の猟兵は大体年上なので懐くし頼りにしてる
エロは禁止
そして回は進み四回。
ワンアウトから上手く四球を選んだ赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)を一塁に、打席に立つのは小さな少女ミカエラ・マリット(撲殺少女・f23163)。
なぜ野球をやっているのかツッコむべきなのかもしれないが、それがルールなら仕方ないと急ぎで素直にルールを読み込んだ二人。
走者の緋色から合図を受けたミカエラはこくりと頷いて打席に立つ。
そしてルカンが投球フォームに入った瞬間、緋色が走りだす。
打者である豪快に少女がハンマーで空振り、その勢いに巨人の捕手が僅かにのけぞる。
その瞬間を見逃さず緋色が走る。真っ赤なインラインスケートは大気を圧縮し彼を加速させ、巨人の強肩でも刺し切れない。
そして次の投球、トルネード投法から投じられた一球は竜巻のような――というより、本当に竜巻を発生させている。
竜巻纏う剛球をミカエラはバット代わりに構えたハンマーを真上から叩き付け撃ち落とす。
バウンドは――しない。白球はグラウンド深くに突き刺さっている。
ミカエラの金剛力による速度にグラウンドの方が耐えきれなかったのだ。
思わぬイレギュラーに混乱する巨人の捕手とルカン、その隙にハンマーを持ったままミカエラは走る。
彼女を阻止せんと空からサメの群れが雨の如く降り注ぐ。
けれどミカエラは彼女の数倍はある巨大サメの鼻面を掴むと一塁に向けて全力でぶん投げ、進路上に立ち塞がろうとしていたサメを吹き飛ばしつつ巨人の一塁手に叩き付け後退させた。
サメ如きの妨害は力づくでどうにかなるといわんばかりの彼女が一塁に到達、更に二塁走者の緋色はとうに三塁を蹴っている。
『畜生め! 俺が処理するからお前は本塁で構えてろ!』
ルカンのメガリスである銛が輝き埋まった白球を強化された力で強引に引っ張り出し緋色に腕を伸ばす。
しかし緋色はタッチアウトを狙うその速度よりも早く空へと跳ねる。
普通ならば逃げ場のない空中、だが緋色はユーベルコードで空を蹴る事ができる。
白線の上から外れないように連続で空を蹴る彼をルカンは捉えきれず、そして少年は鮮やかに本塁を真上から踏む。
セーフの声に緋色はよし、とガッツポーズ。その交錯の間にミカエラは二塁へと到達していたからだ。
一点を得てなおワンアウト二塁、ドラゴニアンズのチャンスは続く。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
七詩野・兵衛(サポート)
『アルダワ魔法学園応援団『轟嵐会』団長 七詩野兵衛である!』
アドリブや他の猟兵との連携と絡みは歓迎だ。
多少の怪我は厭わず積極的に行動する。
よほどの事情でやらなければいけない時以外は、
他の猟兵に迷惑をかける行為や、公序良俗に反する行動はしないぞ。
戦闘は応援団としてバーバリアンの力強さと、
スカイダンサーの身のこなしを駆使して応援するのだ。
我輩の「ダンス」と「パフォーマンス」で皆を「鼓舞」するのだッ!
応援する相手がいなければ仕方ない、自分で戦闘する。
後はおまかせだ。よろしくおねがいしよう!
ミラリア・レリクストゥラ(サポート)
やや戦いの不得手なクリスタリアンの旅人です。唄を得意とし、必要であれば口だけではなく全身を震動させ発声します。また、ユーベルコードとして唄う場合は様々なサポートをします。
性格としておっとりしている所はあるものの、尊厳を卑劣に踏みにじる行為を見ると許せないと憤怒します。
ビーストマスター適性はかなり限定的で、『地母の恵み』で活性化した大地の恩恵を求め集まったものと一時的な協力関係が築かれます。
食事も呼吸も不要で、大地の放射エネルギーを糧とします。このためスペースシップワールドには適性がありながら苦手意識が強く、近寄りたがりません。
『お祝いですね!一曲唄わせてください!』
『あら?お困りでしょうか…』
四回に二点を追加したドラゴニアンズは終盤、八回表でピンチを迎えていた。
先頭打者の巨人がまずヒット、続くルカンが左中間を破る長打を放ち無死二塁三塁の状況でなお五番打者。
鮫牙の刃は生命力を奪う、メガリスの効果でもその回復までは対象外なようで、プレーの最中に刃に傷つけられた選手の中には調子を落とす者も出始めている。
そんな窮地に陥ったドラゴニアンズを応援する声があった。
アルダワ魔法学園応援団『轟嵐会』団長である七詩野・兵衛(空を舞う熱血応援団長・f08445)、そして旅のクリスタリアンであるミラリア・レリクストゥラ(目覚めの唄の尖晶石・f21929)の二人である。
ベエスボウルには応援は付き物、赤髪に気合の入った応援団衣装をに深紅のハチマキ巻いた兵衛が応援団長として試合の趨勢を固唾を呑み見守る島民達を纏め上げ、選手達へ声援を送っているのだ。
「ここが踏ん張りどころじゃーッ! 我輩の応援で、貴様らの『気合』と『情熱』見せるがよい!」
自信溢れる彼の応援に続く島民達の応援も終盤にかけて熱気と統一感を増してきており、巨人OB(幽霊)達やマスコットのオレンジのウサギによるパフォーマンスにも劣らぬ程。
ちなみにこの島に応援文化は書物に伝えられる程度だったが、熱意溢れる指導により割とすぐに島民たちは適応しているようだ。
そして唄を得意とするミラリアも、兵衛に負けぬ声量で応援歌を歌い上げる。
「♪ いのーちぃの 叫び 伝えられたなら! あしーたはっ きっと 輝くからぁ!」
それは生命あるものの原初の衝動に訴えかけ鼓舞する唄。
歌での支援は得意とする彼女は紅き尖晶石の全身を振動させて歌い上げ、その声は兵衛が剛ならば柔。華やかさを以て島民達の応援を纏め上げ調和させていた。
そしてこの場所は遺跡の中とはいえ地下で、大地の息吹も感じられて調子よく唄えている。
戦いをやや不得意とするクリスタリアンの彼女だけれども、彼女にとって尊厳を踏みにじる行為はけして認められないもの。
生活を縛り意志に反した修行を強いるこのコンキスタドール達への反抗心も歌声に僅かに滲み、それも選手達の共感を呼ぶ一助となっている。
更に兵衛の暑苦しい程に熱意を込めた声援、そして堂に入った演舞は正に一流。その情熱に選手達の心は奮い立たせられ鮫牙の刃に奪われた生命力が取り戻されていき、更に歌声がこの状況下で選手たちの能力を高めていく。
二つの異なる歌声、そして島民達の応援は一つとなりドラゴニアンズを励まし力を高めていく。
――アウト、アウト、そして最後にキャッチャーミットに白球が収まりスリーアウト。
思わずマウンドで島民の竜人がガッツポーズ。
見事応援に応える形でドラゴニアンズはこの八回のピンチを無失点で無事切り抜ける事に成功したのであった。
成功
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バン・クロスハート(サポート)
【ボス戦、サポートします!】
「世界を乱すオブリビオンは許しません!」
「貴方は、削除します!」
僕の得物はダブルセイバーですから
前衛に回ってユーベルコードで支援しますね!
【前衛】
ダブルセイバーと具現化するレンガで敵の攻撃を凌ぎます!
動き回って攪乱も狙います
技能:残像、激痛耐性、武器受け、ダッシュ、逃げ足
【支援】
<クローズサイクロン>
武器を回転させて生み出す竜巻で相手の動きを封じます!
<インフィニティクロッサー>
手数が不足している時ならこちらで!
ダブルセイバーを複製し、敵にぶつけます!
<ドラッグオンチート>
強大な相手には身体能力を上げて対応します!
技能:念動力、部位破壊、二回攻撃、ドーピング
そして最終回。現在二対一でドラゴニアンズリード。
この回を凌げばドラゴニアンズの勝利――そしてコンキスタドールの破滅は確定している。
ルカンと巨人海軍、更に猟兵達の使用してきたユーベルコードは先の試合と比べても激しく負傷者も多い。
メガリスの作用で試合中は傷も消えて問題なく活動できるものの、その負債は今度こそ致死の物として敗者に降り注ぐだろう。
「最終回です! 頑張って勝ちましょう!」
プロテクターを装着し投手の竜人を励ましているのはバン・クロスハート(一×十Χのガーディアン・f23853)。
混乱の元であるコンキスタドール――ベエスボウルという独特なルールはあるものの、それを強いて世を乱す事は彼の正義感に反する行為で決して許せはしない。
バーチャルキャラクターでも特に規律に厳しい彼は一応はこのベエスボウルというもののルールを理解し周りとの連携も上手くやれている。
しかしここでコンキスタドール達も必死の反撃に出る。
ツーアウト一塁二塁の状況から一度ベンチに下がっていたルカンが代走で塁に出る。
そして竜人の一投を巨人がセンターにはじき返した瞬間、ルカンがグラウンド全体を血に飢えたサメ泳ぐ海中と同じ環境に変えてしまう。
暫くの間追われ続けていたトラウマに島民達は一瞬体が竦んでしまう。このままでは中継もできない中、
「大丈夫です! 僕に任せてください!」
本塁から叫ぶ声に我に返ったセンターのオキサトが打球を処理、そして島民でなくサメへのトラウマがなかった三塁のサメの深海人が中継に入り本塁へ返球しようとする。
だがこの環境でのルカンは速い。泳ぐような速度で三塁を蹴り、恐るべき速度で本塁へ向かう。
その間、バンは三塁から本塁までに煉瓦を具現化させ壁を構築していた。
勢いあるサメを止める程ではない、だがほんの僅か止める事ができれば十分。手元にサーバーより具現化させた両剣を振り回す時間を稼げれば。
バンの役割は本塁を守る事、あのサメのコンキスタドールに本塁を踏ませない事なのだから。
ルカンが煉瓦の壁を破り突撃してきて、そこにカウンター気味に振り回していた両剣を真下から切り上げルカンを弾き飛ばす。
海中のような環境で浮き上がったルカン、彼が真下に軌道を戻す前にバンのキャッチャーミットに白球が届き、ルカンの横っ面にそれが叩きつけられる。
本塁にルカンの手は届いていない。スリーアウト。
ゲームセット、その宣告と同時にメガリスより放たれた光がルカンおよび巨人海軍を撃ちぬいた。
光が薄れ消えた後にコンキスタドール達の姿は一つたりとてなく、静寂がグラウンドを支配する。
直後、応援していた島民達、そしてドラゴニアンズの区別ない歓声が響き渡る。
長きに渡る支配も終わり、これで本来の島の在り方に戻るのだ。
そんな光景を見ながら、猟兵達はグリモアベースへと帰投するのであった。
成功
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