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狩りの跡に、また豊かな楽しみを

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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 男はアックス&ウィザーズの夢を見ていた。中世ヨーロッパを思わせるような雰囲気の平原の中で、腰を下ろして静かに呼吸をしながら。
「やけに綺麗な空気だな、ここは」
 そう呟いた声は青空に消え、ただ時間だけが流れようとしていた。ずっと吸っていたくなるような空気、自然と伸びる身体。神経も今は過敏になることをやめ、心地よく、しかしどうしても不機嫌さが残ってしまう感覚の中を心が駆け抜けている。
「……やはりどうしても、昼の空は好きになれない」
 何故だ、とそう零しながらふと自分の髪を撫で、梳く。そんな仕草すら気にすることもないままに、雲がふわふわと通り過ぎていく様を見つめていたところへ。
「うおおおっ、もっと食い物を寄越せェ!」
 叫び。遅れて聞こえる強大な歓声。何事かと思い右を見る。遠くに見えた集団がその音源だと分かると、その異質さを男は感じ取る。
「山賊か…よほど飢えているので、食べ物が欲しいと暴れたがっているんだな?」
 少なくとも黒髪の、可憐な青年にはそう映った。何しろ知性が一方的で、あまりにも協調性に欠けていたものだから。あの連中は恐らく、悪逆の限りを尽くすことしか頭に無いのかも知れない。そう思ってさらに目を凝らした男が認めた存在がある。
「……ほう、なるほど」
 見つめた先は平原ばかりでなく樹海が見える箇所だったが、その先にいたそれは、間違いなくオブリビオンだ。黒い肉体と毛皮に、蒼が目立つ色合いの幻獣。どうやら、その先の樹海を護っていたのだろう。
 二つの存在の出現。それが意味する事柄を、何となく男は理解していただろう。このまま放っておいても、いい影響があるわけではない。だから男は、静かに目を閉じて意識を切った。

「さて、お前たち。仕事だ」
 目を覚ました男――糸井・真海は手足を組みなおして猟兵たちを招集。静かな場所に椅子を立てかけてそこに座っていた青年が何か一つアクションを開始するだけで、いとも簡単に猟兵たちは集まってくる。
「この通り俺はグリモアの力で未来が見える。今見ていた夢はその延長だ――これからすぐにでもアックス&ウィザーズに向かってもらうとしよう」
 伏し目がちに目を擦り、自分が視た未来の説明を行う真海。オブリビオンとそれを取り巻く山賊の集団の出現。この事柄について言の葉を綴り、真海は事態の進展の程度を予想する。
「知性が低下している山賊共は恐らく、オブリビオンが作り上げた集団だろうな。ここの山賊共は人間とは認識されず、モンスターと同等の扱いをされている。だから思い切り蹴散らしても何ら問題はないわけだ。むしろ放置しておいた時の方がひどいはずだからな」
 危険がこれ以上及ばないように。盗み等を犯す山賊たちや、オブリビオンには正義の鉄槌を下す必要がある。そう真海は考える。それをしない限り、世界を救うことが出来ないのはわかり切っていたから。
「…ところで、山賊たちが主に起こす攻撃行動に関してだが、俺が想定しているのは刃物、石礫を投げることによる攻撃だ。分かっていれば対処は簡単だが、集団戦になるので注意はしておいた方がいいかもな。おまけにあの雄たけびの音量だ、奴らは共感して戦闘能力を向上させやすい。あまりにも長引かせていると少し深手を負ってしまう、気をつけておいて損もないだろう」
 盗賊に関してはそんなところだ、と音を吐く男。しかし、オブリビオンに際しては何も攻撃行動を言わなかった。自分で確かめることも猟兵の役目であると、そう思っているからこそ、真海はその判断を猟兵たちに委ねたのである。また世界が救われるように。
「まあ、あの樹海だからな。倒した後には何か食べ物も奥底で見つかるだろう。オブリビオンを相手取るのが疲れるようなら、仕事を終えた後でがっつり食べておくのも悪くはない」
 言えば言うほどに、真海の中でどうしようもない欲望は湧き上がる。しかし彼はそれを無視しながら、あくまでも猟兵たちを運ぶ準備に出る。その力を試すために。
「その力、奴らに示してやれ」
 その言葉を最後に、白銀に光る右腕が猟兵たちに向けて伸ばされるのだ。


川内主将
 どうも、川内主将です。
 今回は強大な集団を作り上げたオブリビオンを勢いで倒してしまおうというお仕事です。勿論ボスを倒した後は食べ物を発見できますので、みんなで美味しく食べましょう。腹八分目とはよく言ったものですが、それで足りるかと問われるとまた話は別ですね。何度でも食べたくなってしまうの、本当に不思議でございます。
 何はともあれ、戦闘を重点に置いたシナリオです。皆様の恰好良いプレイングを心よりお待ちしています。
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第1章 集団戦 『山賊』

POW   :    山賊斬り
【装備している刃物】が命中した対象を切断する。
SPD   :    つぶて投げ
レベル分の1秒で【石つぶて】を発射できる。
WIZ   :    下賤の雄叫び
【下卑た叫び】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ユウ・タイタニア
【心境】
「山賊っすか。騎士(注:自称)としても悪党は見逃せないっす。」
騎士道大原則ひと~つ。騎士たるもの悪党を見過ごしてはならない。

【行動】
ドラゴンランスのネメシスに『騎乗』して空中から山賊を奇襲っす。正義は我にありーーーっす。
左手にドラゴンスケイルシールドを持って、敵の攻撃を『盾受け』しながら突撃っす。
右手にルーンソードを装備し、空中から『衝撃波』を『範囲攻撃』で山賊を纏めてブッ飛ばしながら接近し、UC:タイタニアスラッシュっす。
おっと、一旦離脱っす。石つぶてを『見切り』と『フェイント』で回避しながら一旦距離を取って、再度降下攻撃っす。



 騎士道大原則の中に、騎士たるもの悪党を見過ごしてはならないというものがある。さてそれは、ユウ・タイタニアが決めたものであったか。
「山賊っすか。騎士としても悪党は見逃せないっす」
 自称ではあれど、彼女は確かに騎士なのだ。綺麗な空気の中、契約を交わした竜槍のネメシスに乗り、山賊の集団に突っ込んでいく。
「なんだなんだ、バカでかいのが突っ込んできたぞォ!」
 でたらめに振り回される剣や礫がドラゴンスケイルシールドの表面に突き当たり、数個はその顔に掠る音がある。
「まとめてぶっ飛ばすっす。覚悟するっすよ!」
 右手に持て、魔法剣。刀身に描かれたルーンより発せられる衝撃波は山賊たちの勢いを圧し、タイタニア流剣術奥義の太刀筋はその首の数々を纏めて薙ぎ払え。
「怯むなぁ、やつを始末しろォ!!」
 そんな声すら置き去りに、騎士は次に飛んでくる礫の霰を予測し、あえて距離を取る。
「一旦退くことも、再びその力を示すためのステップっす」
 ドラゴンインパルスは再びユウの力量と勢いを増し、山賊たちに強力な打撃を与えたことだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

松永・久秀
時代や世界は変わっても、やはり人という者の本質は変わらぬか。
奪い、壊し、焼き、支配する。欲に忠実に生きるこそ、人としてあるべき姿よ。(薄ら笑いを浮かべながら山賊行為を賞賛する)

「だからこそ、そんな連中を壊し、焼き、潰して絶望に叩き落す事のなんと甘美な事か…!!」
UC:国潰しを敵陣へ放り込み、無差別爆破して回ります。

「折角だ、我は貴様達の絶望と断末魔、そして命を貰おう。変わりといっては何だが、我は貴様達の略奪を許そう。好きにしたまえ。 …尤も、我が許しても、彼等(他の猟兵)がそれを許すかは存ぜぬがね」

爆発で生き残った山賊達は容赦なく首を撥ねます。

アドリブ可・絡みOK。



 こんな世の中で、人間という者の本質が変わらないことを悟る一人の元武将がいる。
「奪い、壊し、焼き、支配する。欲に忠実に生きるこそ、人としてあるべき姿よ」
 その軸は欲。松永・久秀は一人笑みを浮かべ、満足気に山賊たちの暴れ回る様を見届けていた。果たしてその笑顔の色は邪悪か否か。
「だからこそ、そんな連中を壊し、焼き、潰して絶望に叩き落す事のなんと甘美な事か…!!」
 一層酷く染まれ、破壊の眼光。絡繰り仕掛けの茶器『平蜘蛛』を集団に放り込むならば、爆音で悲鳴が掻き消されるまで約数秒。
「折角だ、我は貴様達の絶望と断末魔、そして命を貰おう。変わりといっては何だが、我は貴様達の略奪を許そう。好きにしたまえ。 …尤も、我が許しても、彼等(他の猟兵)がそれを許すかは存ぜぬがね」
 略奪を地獄絵図に染め上げ、戦の場を闊歩するは、赦しを死と共に運ぶ猟兵の一人。着物を纏いて静かにほくそ笑み、爆発に巻き込まれて負傷している山賊の一人の首を刎ねながら。
「さあ、もっと奪うがいい。その度に絶望を味わうのだ」

成功 🔵​🔵​🔴​

メルフローレ・カノン
どうやらオブリビオンが関与しているようですが、
さしあたり目前の山賊を退治ですね。
被害が他に及ぶ前に殲滅しましょう。

私の得物はメインがメイス、サブが剣で必要に応じて使い分けます。
[怪力][力溜め]の上で、[2回攻撃][なぎ払い]を駆使したり、
[気絶攻撃]で敵を気絶させていったりと、
多くの敵に対応するようにします。
「全力で行きますよ!」

敵の攻撃ですが、刃物や石つぶては
[見切り]で回避したり[武器受け]で受けたりします。
叫び声は……[勇気]を持って対抗しましょう。
耐えなければならない状況であれば
[オーラ防御]【無敵城塞】で耐えます。
「ここは堪えてみせます!」



「さしあたり目前の山賊を退治ですね。被害が他に及ぶ前に殲滅しましょう」
 そう零す修道女の名はメルフローレ・カノン。彼女もまた、オブリビオンの退治の為にここへ来た。
 漲る怪力は初めに十分に蓄積され、その上でパワーはメイスを振るうのに使われる。2度薙ぎ、山賊たちの頭を殴って気絶させたりと、確実に山賊を退けていく姿は輝いて映るだろうか。
「全力で行きますよ。覚悟してくださいね?」
 そう述べる笑顔の猟兵は、振りかぶられた刃物を両刃の直剣『グラディウス』で受け止め、逆に斬り付ける。
「どうしたァ、やっちまえェ!!」
 張り上げられる絶叫には有り余る勇気を。断末魔と石礫の飛ぶ中を見切ってかいくぐった先に、山賊たちの更なる猛攻が待ち構えているならば。
「やるしかないですね。ここは堪えてみせます!」
 組み上げろ無敵城塞。全身をオーラに包み、自身を動けなくする程の堅固さで以て降りかかる攻撃の殆どを弾くのだ。
「うわぁぁぁ、何だコイツァ!! やべぇぞォ!?」
 慌てふためく集団を前に、メルフローレはさらに覚悟を決めることだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジノ・シュナイダー
へぇ、剣と魔法と竜の世界…か。
異世界ってまだ行ったことないんだが…なんか楽しそうだな!
遠慮なく蹴散らして良いみたいだし、いっちょ百人組み手でもしてみるかねっと。

【シュナイダーボディβ】を駆使した格闘術で山賊どもをのして行くぜ。
殴って、蹴って、【グラップル】で投げ飛ばす!
囲まれたら厄介だから、一体一体を確実に仕留めていくぜ。
【2回攻撃】の要領で、右ストレートからの左フック、タックルからのソバット、背負い投げからのもう一回背負い投げ!!…ってな具合にね。

とはいえ、時間が経つとやっぱり囲まれそうだよなぁ。
いざとなったら【ヴァリアブル・ウェポン】を発動。
攻撃回数重視でとにかくブッ飛ばしまくるぜ!!



「へぇ、剣と魔法と竜の世界…か」
 この男、ジノ・シュナイダーも異世界での冒険を心待ちにしていた一人。百人組み手でも行わんとするばかりの勢いで集団に飛び込んではいくが。
「全力を上げろてめぇらァ! 今度は素早くだァ!」
 そう叫ぶ山賊の狙いは言葉通り、身のこなしを良くしていくこと。統制の完全に取れていない様子とは違い、身の危険が迫っている山賊たちの馬鹿力。最初こそは刃物をギリギリで避けられず、どうなるかと思ったが。
「思った以上にやばいな。ま、なんとかなるなる」
 傷の入った身体を創るのは未知の技術。お返しとばかりにひっつかんで投げ飛ばすパワーなど、いくらでも湧いてくる。続けて右ストレート、左から抉るような殴り、タックルからのソバット…。
「何をしてんだてめぇらァ!? こいつを始末すりゃ――」
 言葉を続かせる余裕など作らない。内蔵する兵器が窮地を切り開き、囲もうとした山賊たちを次々に吹き飛ばす。後に巻き込まれていない敵なんぞは、二度の背負い投げで締めてみよう。
「ほら、何とかなっただろ?」
 元少年兵の笑顔は、組み手のおかげでいくらか疲れ気味ではあった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加。

真海さんが救援を求めていたからね。遅れてすまないね。山賊共をいつまでものさばらせておくのは気分悪いから、とっとと一掃しようか。

数だけは多いみたいだから真紅の竜を呼び出して【騎乗】正面突破は奏に任せて、【目立たない】と【忍び足】で敵の集団の後ろに回り込んで【ダッシュ】で敵の集団に飛び込んで、【先制攻撃】【二回攻撃】【範囲攻撃】で攻撃。近接攻撃は【武器受け】して【カウンター】を試みる。竜で敵を轢くのも容赦なくやろうか。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

真海さんがお困りのようですので、加勢に来ました。遅参も甚だしいですが、その分、しっかり働いて見せますね!!悪い事する集団倒すべし、です。

響母さんが後ろから回り込みますので、私は正面から敵集団に挑みます!!もちろん、トリニティエンハンスで防御力を強化して、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】で被害を減らして、【属性攻撃】【二回攻撃】【範囲攻撃】で攻撃しますね!!遠距離攻撃が必要なら【衝撃波】を使います


神城・瞬
【真宮家】で参加。

真海さんの救援要請により加勢に来ました。遅すぎるにも程がありますので、しっかり仕事をしましょう。いつまでも山賊を跋扈させている訳にはいきませんしね。

僕は主に遠距離支援を。響母さんと奏が集団に飛び込んでいきますので、【高速詠唱】【全力魔法】で氷晶の矢を【範囲攻撃】で【援護射撃】します。【二回攻撃】で攻撃回数も増やして、【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】も乗せますね。2人の戦いの邪魔はさせません!!



 一方で、遅れてやってきた三人の家族の猟兵は、数が少ないながらまだのさばっている山賊共の暴れる様を見ながら、遅延を痛感する所にあった。
「いつまでもこのままにしておくのは流石に気分が悪いから、とっとと一掃しようか」
 真宮・響がそう言うならば、二人も応じる形で武器を構える。
「さて、一緒に行くよ!!気張りな!!」
 呼び出せ、真紅の竜。身長差が余りにも有り過ぎるが、それを以て静かに敵の集団に回り込むことを難なくこなしてみせるその技術は、洗練されているように思える。
 そのまま機を見つけると、一気に接近するなりブレイズフレイムを掲げ、集団を二度、真っ先に斬っていくのだ。
「しっかり働いて見せますね!! 悪い事する集団倒すべし、です!!」
 反対に正面から割り込みに行くのは娘の真宮・奏だ。炎、水、風の魔力が彼女の元気を彩り、十分に防御を固める準備を整えた絢爛の星がブレイズセイバーを振るう。
「うあああァァ!? 何なんだこいつらはァ!」
 突然真正面から割り込まれたので、唐突に来た動揺を隠せない山賊たちは上手く応戦が出来ていない。
「気を付けて。僕も遠くから援護しましょう」
 神城・瞬もまた家族の一人であり、精霊術を駆使する清光の月。全力を駆使し、速い魔力の回転を以て100本の氷晶の矢と為す。降り注ぐ氷の雨が山賊の集団に激突していき、山賊たちは痛い目に遭う。
「ありがとうございます! これで押し切りますよ!」
 オーラを纏い、愛用の剣や白銀の小盾で振り上げられる刃物を防ぎ、飛んでくる石礫を確実に弾く等、組み上げられた防御は伊達ではない。そのまま奏は再度、山賊たちの数人を炎の属性の斬撃で斬り伏せる。
 熱き信念の証は確かに、実在した。
「ひ、怯むんじゃねえぞォ! ウォォォォォォ!!」
 下賤な叫びが辺りに木霊するも、その勢いは若干弱く。明らかに山賊たちが、少ない数で押し負けている証左だったか。
「勢いが弱くなっているよ! そんなものかい!?」
 山賊斬りすら、赤い光の輝きに防がれ、逆に真紅の一閃がその敵を貫いて。それでも諦めない者共に対しては、さらに瞬が邪魔をさせまいと再び氷晶を降り注がせる。「2人の戦いの邪魔など、させません」
 呻きを上げながら痺れる者たちに、穏やかながら冷たい視線を向ける精霊術士の姿は、とてもクールなものである。
「響母さん、終わらせましょう!」
「ああ、そうしようか!」
 同時に叫ぶ2人は、今やこの場の誰にも邪魔出来ない。真紅の竜に乗ったままの母は、集団目掛けてその竜の巨体をまともに山賊たちにぶつけて、後はそのまま派手な音と共に、通り過ぎるように。
 娘はと言えば、衝撃波を放ち、それでも残っていた一人の山賊の身体を、激しく吹き飛ばしていた。
「グホォッ!! クソッたれ共め、覚えてろよォォォ……」
 捨て台詞を残して最後の一人が地に伏した後、平原には静寂がある。
「これで全て、ですね。とりあえずはどうにか出来たでしょうか」
 仕事を終え、素晴らしい家族の絆を見せた三人は武器をしまう。だが、まだ山賊以外にも問題は残っている。
 それらも解決することが出来るはずと、そう信じる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ヒューレイオン』

POW   :    ディープフォレスト・アベンジャー
【蹄の一撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【自在に伸びる角を突き立てて引き裂く攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    チャイルド・オブ・エコーズ
【木霊を返す半透明の妖精】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
WIZ   :    サモン・グリーントループ
レベル×1体の、【葉っぱ】に1と刻印された戦闘用【植物人間】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ミレイユ・ダーエです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 もう少し平原の先の、樹海のところへ行こう。取り巻く山賊どもが撃退され、今やオブリビオンは盾を無くした状態、と言ったところだろうか。
 さて、ヒューレイオンというのはつまるところ樹海の守護者であり、早急に退治すべきオブリビオンである。
 猟兵たちを見つけるならば、樹海を脅かす危険存在としてオブリビオンはみなすだろう。逆に延々と樹海が広がってしまうことも、それはそれで美しくも残酷なものだから。
 一体どちらが危険なのだろう。思わず疑ってしまう程に、その獣たる過去の存在は、蹄を鳴らして鋭い眼差しを猟兵たちに飛ばす。
真宮・響
【真宮家】で参加。

これまでヒューレイオンとは3回戦った。いずれも自然に根差した存在を従えていたね。今回の奴は流石に従えてるのに違和感あるね。明らかに、人を害する意志を感じられる。そうだったら、戦うのに躊躇いはいらないね。

植物人間の対応は瞬に一任。半透明の妖精が厄介だね。まず真紅の竜に騎乗、こちらも【忍び足】と【目立たない】で敵の視線から逃れつつ、【ダッシュ】で妖精に追いついて【二回攻撃】と【範囲攻撃】で攻撃。言葉を発すると攻撃方法を返される危険性があるので、子供達も併せてお口チャック。アイコンタクトとボディランゲージでコミュニケーションを取るよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

あれ、ヒューレイオンって、自然を護る守護者ですよね?山賊従えるのは流石に凄い違和感ありますね。最早在り方が間違ってるようなので、倒すべきですね。

トリニティエンハンスで攻撃力を強化することを選択、響母さんの言う通りお口チャックを徹底しながら、【衝撃波】と【二回攻撃】【範囲攻撃】で母さんと兄さんの攻撃をサポート。もし2人に蹄の攻撃が行くようなら、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】で代わりに受けます。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

樹海の守護者が略奪する存在を盾にするようではいけませんね。最早人を害する意志ありという事で倒させて頂きますね。こちらにも譲れないものがありますので。


僕は合体されると不利になるので、植物人間の対処をしましょう。【高速詠唱】【全力魔法】で氷晶の矢を【範囲攻撃】で撃ちます。木霊による攻撃を警戒し、家族とはアイコンタクトとボディランゲージで合図を。必要ならば、【援護射撃】で2人の攻撃を支援します。



 一つ致命的な問題点があるとすれば、まずそこからだろう。
「…あれ、ヒューレイオンって、自然を護る守護者ですよね?」
 先の戦闘で山賊たちを退けた家族【真宮家】の娘であるところの奏が発する疑問には、響と瞬も頷くだろう。特にヒューレイオンとの戦闘の経験を複数有しているものだから、自然の守護者がこともあろうに略奪の攻撃者を多数従えているようでは、もはや守護者としての体すらも為していないのだ。
「流石に躊躇いはいらないね、これは」
「ええ、樹海の守護者が略奪する存在を盾にするようではいけません」
 果たして、蹄を鳴らす音が響くと同時に、家族も敵も行動を開始する。目の前に現れる半透明の妖精に、それを覆ってしまうような数の植物人間の群れ。
 家族が攻撃の間一言も発さずアイコンタクトやボディランゲージに徹するのは、この木霊を返すチャイルド・オブ・エコーズが極めて発見しづらく、執拗に猟兵たちを追跡する為である。
 それを振り切るが如く、母の響が無言で呼ぶは真紅の竜。その背に乗り、瞬と奏に向け頷けば静かに敵たちの視線から外れて行こう。
 瞬が隙も与えず近くの植物人間たちに素早く氷晶の矢を叩き込めば、合わせて奏が揃える炎・水・風の魔力。それらを纏めてブレイズセイバーの刃に乗せ、引き上げられる攻撃力と共に衝撃波を飛ばせ。
 意外にも早いペースで植物人間たちは次々と倒れていくが、その分動きやすくなるのは家族のみならず木霊も一緒で。
(どうです、追いつけますか?)
 攻撃の合間に一旦母に合図を送る瞬。静寂を保ちながら迅速に妖精を追う事は意外にも有効だったようで。
(もうすぐで行けるよ。そっちも気張りな)
 だが当然ながら、何事もそのまま、というわけでもない。植物人間たちの勢いが弱まることで焦っているのかどうかは分からないが、ヒューレイオンの響かせる蹄の音は、母の横から迫って来る。
(危ない、響母さんっ!!)
 危険を察知した奏の、対応の速度の方が早かった。直ぐに割って入りながら、剣を横に薙いで蹄と交差させる姿を見た瞬も、氷の矢の雨を創り出して撃ち出していくことで援護していくのである。
(私が、守ってみせますよ!!)
 そのまま、魔力はオーラとなり奏を包む。そこに伸びてくる蒼の輝きを宿した角は、奏の突き出す白銀の小盾にその勢いをせき止められ、害さえも与えることが出来ずに逆にヒビが入る。
(ありがとう。さあ、行こうか!)
 感謝の心は無音のまま伝わりながら、奏が作ってくれたラグにすっと入って行くように、木霊の妖精に追いつくまま、ブレイズフレイムの紅い熱で斬り裂いていけ。勿論、残りの植物人間だって纏めてその口を黙らせてしまうのだ。
 そして念入りに、奏の二度の斬撃によるサポート。瞬も変わらず、氷晶の矢を描き続け、もう130本では足りなくなっている感覚さえもある。
 家族同士で支え合う絆の力は、自然の守護者が打ち砕くには余りにも固く強過ぎるものであった。
(このまま押していきましょうか。あと少しです)
 やがて、幾ばくかの時間が、猟兵たちの方向へ通り過ぎていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユウ・タイタニア
【心境】
「あっしたちは負けないっす。」
賊は退治したっす。あとはオブリビオンだけっす。
みんな頑張ろうっす。

【行動】
ネメシスをランス形態で右手に、ドラゴンスケイルシールドを左手に向かうっす。
自前の翼で飛んで『空中戦』っす
あっしの最大戦闘形態っす。馬は騎士に跨られるにあって、決して蹴ってくるものじゃないっす。

敵の攻撃をドラゴンスケイルシールドで『盾受け』して『カウンター』でネメシスを『串刺し』っす。
あっしは『激痛耐性』で簡単には倒れないっす。
そして、あっしの一撃は自慢の『怪力』で肉も骨も砕く必殺の一撃っす。

UC:ドラゴニック・エンドを発動っす。
召喚したネメシスパパにそのまま焼き殺されるっす。



 騎士の場合、そこには絶対に屈しないという闘志がある。
「あっしたちは負けないっす」
 契約の竜ネメシスはランスの形態を取りながら右手に握られ、左手には竜燐より創られしドラゴンスケイルシールド。
 竜騎士ユウは己の翼で飛び、自然の守護者に空中戦を挑む。
「馬は騎士に跨られるにあって、決して蹴ってくるものじゃないっす」
 その言葉を否定するかのように鳴らされる蹄の軽快な音。飛んでくる蹴りの衝撃は、フェアリーにとっては並々ならぬものではある。しかし騎士は臆さず、その盾で受け止める。
「さあ、喰らって串刺しになるといいっす!」
 返す刀、というよりは返す竜、あるいは返す槍なのだろうか。そんなことはどうでも良く、彼女のカウンターは確実に精霊の肉体を捉えるのだ。
 激痛にも耐え得るその心のまま、一気にその肉ごと骨さえも砕いてしまえば、後はそのまま、ドラゴンを召喚するのみ。
「そのまま焼き殺されるっすよ、ヒューレイオン」
 白き竜の吐いた炎はどこまで焼いただろうか。限りなく、時間の奥深くまでも、精霊を黒焦げにしてしまったに違いない。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 日常 『宴会をしよう』

POW   :    気合で食べ物を食べる。

SPD   :    速く食べ物を食べる。

WIZ   :    ゆっくりと食べ物を食べる。

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 守護者を無くした場所の奥底。少し調べてみると、そこにはたくさんの食べ物があるのだ。
 肉や魚など、遺されているものは多くあるようで、きっと、宴会でも開ける程だったのだろう。
 次なる戦いの為に、猟兵たちはどのようにこれらを楽しむのか、それはきっと猟兵たち次第なのであった。
真宮・響
【真宮家】で参加。

これは随分ため込んだものだ。真海さんの話だと遠慮なく頂いて構わないということだから(奏のお腹の音を聴いて)アタシたちで頂こうか。奏、瞬、薪と石を集めておいで。かまどを設えるからね。2人とも頑張って戦ってくれたから、私がご褒美に食事を拵えようかね。調理器具は持ち歩いてるもので間に合わせるよ。

さあ、出来た。山賊鍋にいろんな具材がのったオープンサンドだ。こうして家族三人で食事をすると何より元気が出るよ。奏と瞬においしいご飯を沢山食べさせることが母親の責務だ。2人が笑顔でいつまでもご飯を食べれるように、アタシは全力で戦うよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

(ヒューレオンが食べ物を護っているところを想像してみる)うわあ、沢山の食べ物がありますね。これだけの量があると圧巻です。あ、遠慮なく食べちゃっていいんですね。お腹すきました!!はい、薪と石集めてくるんですね。了解です!!

久し振りに母さんの手料理が食べれます。(山賊鍋とオープンサンドに目をキラキラ)戦いの日々ですけど、こうして母さんの手料理を食べるとホッとします。はい、こうして家族3人で仲良く食事食べれる時間が取れるなら、私、頑張って戦います!!今、凄く幸せです!!


神城・瞬
【真宮家】で参加。

これはこれは、大変大量の食糧をため込んでますね。(響の言葉にうなずき)はい、有難く頂きましょう。(奏のお腹の音を聴いて)お腹すかせている人もいますし。薪と石を集めてくるのですね。分かりました。

美味な料理は幾らでもありますが、響母さんの手料理程美味しいものはありません。山賊鍋とオープンサンドを頂きながら、こうして三人で暖かな時間を過ごせるなら僕はなんだって出来る、これからも母さんと奏を護り続けようと心に誓います。



「うわあ、沢山の食べ物がありますね。これだけの量があると圧巻です」
 見つけたたくさんの食糧に感嘆の声を漏らす奏。先ほど相手にしたヒューレイオンがこれらの食糧を護る場面をつい想像してしまうのだ。
 なので必然的に腹の虫が鳴き始める。
「遠慮なく頂いて構わないということだから、アタシたちで頂こうか。奏、瞬、薪と石を集めておいで」
 そう言うのが響である。家族は三人で調理の術を整える為、またひと頑張り。響がご褒美を与えようというので、娘と息子であるところの2人もそれを楽しみにしているのだ。
「お腹すかせている人もいますし、もうひと頑張り、ですね」
 響の言葉に頷きながら応答する瞬も、また家族の一員である。薪と石を十分に集めたのなら、かまどを形成する準備が完了するのだろう。
 その間に、響は持ち合わせの料理器具の状態を確認する。美味しい料理が作れるように。
「2人とも頑張って戦ってくれたから、私がご褒美に食事を拵えようかね」
 ご褒美とは、響の手料理であった。心を込めて作る食事は、きっとその味も素晴らしいものになるに違いない。
 しばらくして2人が薪や石を集め終わると、今度はかまどをセッティングし…食材を駆使して、響が料理を進めていくのだ。
 手際よく響く包丁の、肉や野菜を切る音。それらの音が調理の中で飛んで跳ねるように、心をどんどんと豊かにしていくのが分かった。持ち合わせであったとしても、しっかり丁寧に器具を扱うことで、さらに料理の深度は深まっていくのだった。
 やがて時は流れ、有り余る食材を使って出来上がった料理は、御覧の通り。
「さあ、出来た。山賊鍋にいろんな具材がのったオープンサンドだ」
 山賊が盗ろうとしていたものでもあったのだろう、しかし結果的にそのまま山賊たちの手に渡ることはなく、こうして美味な食事の一部と化している。
 鍋はとても良いもので、身体が温まり、絆を深められる。サンドの方も、完成度がかなり高く、食べ応えに富むのである。
「わあっ、美味しそうです! 久し振りに母さんの手料理が食べれます!!」
 喜びの色に笑顔を染める奏。瞬も頷いたことだろう。いただきますと挨拶を添えて、三人で一緒に味わう料理の美味しさはとても素晴らしい。
「美味な料理は幾らでもありますが、響母さんの手料理程美味しいものはありません。山賊鍋とオープンサンドを頂きながら、こうして三人で暖かな時間を過ごせるなら僕はなんだって出来る」
 ゆったりとした時の流れの中、瞬はこれからも2人を護ろうと心に誓い。
「ああ、2人が笑顔でいつまでもご飯を食べれるように、アタシは全力で戦う。奏と瞬においしいご飯を沢山食べさせることが母親の責務だからね」
 家族三人での食事に元気を見出した母も応え。
「はい、こうして家族3人で仲良く食事を食べれる時間が取れるなら、私、頑張って戦います!! 今、凄く幸せです!!」
 戦いの日々の中でも、こうして幸せを感じていられることが大事なんだと思った奏の浮かべた笑顔は、とびっきりのものだったので。
 豊かな楽しみは、今日もまた一つ満ち溢れて、想い出となって刻まれていくのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年03月11日


挿絵イラスト