【幹部猟書家戦】悪夢は何度も繰り返す
●悪夢に囚われて……。
「かーっ!寒ぃ寒ぃ!こんな寒い日にこんな辺鄙な所をヴィラン殺しのヴィランが狙うなんざ本当かよ」
『まぁ、そういうなよイーグル。
ウルフなんて別件で他のヴィランとやりあったばかりなのに一番きつい見回りを引き受けてるんだぜ?』
俺のボヤキにこの刑務所の反対側を警備してる相棒、レオが苦笑しながら宥めてくる。
自然を愛する元獣医のこいつは真面目すぎる位真面目な奴だし、困っている人の助けになるならと現状に不満は其処迄ないのだろう。
「……ヒーローとヴィランの戦争の真っただ中現れたヴィランを殺して廻るヴィラン殺しのヴィランか。
……元ヴィランのヒーローどころかウルフみてえなヴィランに操られて人を傷付けちまった被害者迄狙わなきゃ個人的には好きにしろって思うんだけどな」
……娘を辱しめて殺し、妻を傷つけ……息子と俺を残し妻が消えた原因になったヴィラン共なんて信じまえと俺だって思わなくもねえからな。
『……イーグル、お前の過去を考えればそう言いたくなるのは判るが……』
「判ってるヴィラン殺しは止めて見せるさ」
そもそも今はヒーローとヴィランの戦争、ヒーローズウォーの真っ只中。
ヴィラン殺しなんぞ、とっとと倒して此の戦争を早く終わらなきゃなんねえ状況だ。
「じゃねえと俺みたいなヴィランに大切な人を奪われる奴が増えちまうし……此の国の何処かにいるあいつも危険に晒されちまうからな……」
『イーグル……』
俺の溢した言葉を聞いた相棒が気遣わしげに此方に声をかけてくる。
俺はそれに軽口を返そうとして……。
「ストップだ、どうやら奴さん来やがっ……嘘だと言ってくれ……」
『イーグル?どうしたんだ?!』
「だあれ?ひーろーはころさないけどむりょくかはするわよ?」
俺の眼前に顕れたボロボロの服を着た女は……心が壊れて行方不明になった俺の妻、タチアナ……ターニャだった。
「何でだ……何で君がこんな所にいるんだターニャ……」
「ターニャ?タチアナさんが其処にいるのかアリソン?!」
俺から漏れた妻の名に混乱したのかリカルド、レオの奴は俺の本名で呼び掛ける。
何時もなら周囲を巻き込まないためにも本名で呼ぶんじゃねえとはっ倒す所だが目の前の妻の存在には、そんな言葉も浮かばねえ。
「嘘だろう、何でお前が……!」
●グリモアベースにて。
「つまり、ヴィラン殺しは失踪したイーグルの妻であった、という事じゃ。
そして、イーグル、アリソン・イアハートは妻を止めようとボロボロになりながらも奮闘するが彼女は止まらず……彼の助太刀にきたウルフと言う仲間を殺そうとした彼女をイーグルは仲間を守ろうとして……。
そんな過去の悪夢を繰り返しているらしい」
しかも、必死に止めようとした時は駄目だったのに死の間際に正気に戻り、イーグルに止めてくれた礼と自分の分も生きてほしいと言い残したのだと言う。
「誰も妻を殺した自分を責めず、自分を罪人として扱ってくれない。
そして、どれだけ自分が許せなくても妻の遺言があるから自ら死を選ぶ事は許されない」
仲間の支えでどうにか立ち直りはしたが、心の奥底ではそんな想いが渦巻いていたのだろう。
そして唯一残された家族である息子が結婚し独り立ちした事で張り詰めた糸が弛んで其れが爆発し、隙を突かれ悪夢に囚われたという事らしい。
「その状況を解決する為に皆にはイーグルの夢の中に入り彼のトラウマ克服を手伝い、その次に現れる黒幕も倒してほしいのじゃ」
因みにイーグルを襲ってるのは妻ではなく、妻を装った別のオブリビオンとの事。
「ただ、偽物と気付けん様にされとるので偽物だと看破するなら、それなりの工夫が必要であろうな」
他の手段でいくのなら、きちんと罪は罪として扱って其れでも前を向いて諭したり、彼の体が眠る病室で彼の帰りを祈っている仲間達や息子夫婦の事を触れるなり、発覚する前に今のようになったので彼自身は知らないが実は孫が生まれる事を告げるなりすれば良いかもしれない。
「ただ克服の為の説得をせずにイーグルを襲うオブリビオンを倒そうとするのは止めておいた方が無難やもしれぬな」
何せ彼のトラウマは妻を己の手で殺めた事。
最悪、妻が傷付く姿を見て錯乱しオブリビオンを庇い死ぬ事すら有り得る。
なので、イーグルを説得した上で戦いに挑む方が良いだろう。
「因みにオブリビオンじゃがヴィランのテロで夫と妻を喪いヴィランに復讐鬼と化した女性でな。
家族の思い出の品を妖なり触れた者を麻痺させる花なりに変じさせて戦うタイプ故、余り接近戦は得意ではなさそうじゃ」
おそらくは同じヴィランへの復讐鬼と言う事で黒幕にイーグルの妻の代理に選ばれたのだろう。
「それを倒せば邪魔者を排除すべく黒幕、カーネル・スコルピオの登場してくる故、ぶち倒してくると良い。
蒼い炎を操り銃弾等に乗せ放ってくる強敵じゃが、皆ならば大丈夫じゃろうて」
それでは健闘を祈っておるぞ?そう言ってヨナルデは集まった猟兵達をイーグルの元に送るのだった。
久渓洞
はじめまして、或いはお久しぶりです久渓洞です。
今回の依頼は幹部猟書家戦となります。
また、こちらのシナリオには全章共通で「スピリットヒーローにトラウマを克服させる、もしくは共に戦う」ことというプレイングボーナスが存在します。
●第一章:ボス戦ジナリオ
スピリットヒーロー、イーグルの夢の中に入り彼の悪夢の化身であるアゲハと戦います。
イーグルのトラウマ克服の為の説得をしないと戦いが少しきつくなります。
●第二章:ボス戦シナリオ
猟兵の妨害に気付いたカーネル・スコルピオとの戦いとなります。
●救出対象のスピリットヒーローの捕捉。
イーグル。
本名、アリソン・イアハート。
鷲の意匠の黄色いスーツに身を包み、レオ、タイガー、バイソン、シャーク、ウルフ等仲間達と共にスピリットヒーローのチーム、ワイルドフォースをしていた。
元は空軍のパイロットだったが娘を惨殺され妻を汚された挙げ句、行方不明になった為、妻を探し、自分の様な想いをする人を出さない為にヒーローにという経緯を持つ。
口は悪いが根は優しい。
戦隊で言えばブラック。
今も妻子の墓参りは毎月欠かさない。
第1章 ボス戦
『哭死蝶アゲハ』
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POW : あの時ヒーローも猟兵も来なかった!なのに今更!
自身が【何故家族は助けてくれなかったという怒り】を感じると、レベル×1体の【息子がくれた蝶の髪飾りを模した血吸いの妖】が召喚される。息子がくれた蝶の髪飾りを模した血吸いの妖は何故家族は助けてくれなかったという怒りを与えた対象を追跡し、攻撃する。
SPD : あの人は若くあの子は未だ四歳だった!なのに!
自身からレベルm半径内の無機物を【嘗て家族を喪った時を思わせる業火製の紅葉】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
WIZ : 二人は悲しまない!もう悲しむ事も出来ないのよ!
自身の装備武器を無数の【触れた者を麻痺させる、夫が愛した八車菊】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
イラスト:安子
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠饕・餮」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
黒城・魅夜
「悪夢の滴」たる私の前で悪夢を弄ぶ愚かな猟書家よ
身の程を知らぬ増上慢、すぐに後悔させてあげましょう
ですが、その前に為すべきことがありますね
無様ですよ、ヒーロー
あなたの決意は、あなたの覚悟はその程度のものでしたか
あなたの大切な人はそんなあなたを愛したのですか
無論ヒーローと言えど人間
悲しんでもいい、苦しんでも、哭いてもいい
されどそれを越えて希望の空へ飛ぶ翼をあなたは持っているはず
雄々しい鷲のようにね
思い出してください
あなたの大切な方はあなたを一言でも責めましたか
あなたを一瞬でもそんな目で見ましたか
撃ち砕くのです、虚偽の幻影を
……それはあなたにも言えることですよオブリビオン
せめて夢見ながら逝きなさい
●悪夢を晴らす悪夢の雫。
(「悪夢の滴」たる私の前で悪夢を弄ぶ猟書家よ。
身の程を知らぬ増上慢、すぐに後悔させてあげましょう)
「ですが、其の前に為すべきことがありますね」
そう嘯くと黒髪の少女、黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は己の妻の姿をした『偽物』と対峙するイーグルを一瞥する。
「……っ!其処の嬢ちゃん、とっとと此処から逃げろ!!」
「だあれ?ヴぃらんじゃないようならじゃましないで?」
そんな魅夜の存在を確認したイーグルは『偽物』から庇う様にボロボロの身体を引きずって立ち上がる。
其の姿を見て少しイーグルに対する認識を上方修正しつつ魅夜は彼へと声をかける。
「そうやってずっと繰り返すつもりですか?
無様ですよ、ヒーロー。
あなたの決意は、あなたの覚悟はその程度のものでしたか?
あなたの大切な人はそんなあなたを愛したのですか?」
「あ?あんた、何を……?」
魅夜のかけた言葉に繰り返している認識がないイーグルは戸惑った様な、それでいて何かが引っかかってもどかしく感じている様な表情を浮かべていく。
其の表情に例え記憶は封じられていても、完全に消えている訳ではないと確信した魅夜は更に言葉を重ねていく。
「無論ヒーローと言えど人間。
悲しんでもいい、苦しんでも、哭いてもいい。
されど其れを超えて希望の空へ飛ぶ翼をあなたは持っている筈。
雄々しい鷲のようにね」
そう、貴方は此の痛みも仲間に支えられて飛び越えていったのだから、そう言外に含みながら魅夜はイーグルを見据え……最も伝えるべき核心となる言葉を紡いでいく。
「思い出してください。
あなたの大切な方はあなたを一言でも責めましたか。
あなたを一瞬でもそんな目で見ましたか?
撃ち砕くのです、虚偽の幻影を」
其の言葉と共にイーグルの脳裏に浮かぶのは愛する妻の最期の姿。
『あぁ……ごめんなさい、貴方……其の傷は…私の所為……よね?』
そう言って謝る妻に自分は謝る必要はないと、傷に障るから喋るなと言う。
それに対し自分はもう死ぬのだから言い残せなかったなんて未練を持たせないで、と困った様に笑って……。
『あり…がとう……私を止め…てくれて……貴方を愛してるわ……。
それと……私の跡を追うなんて…考え…ないで……ね?
だって…私の分も生きて……地獄往きで会えない……私の分も…天国のあの子に……沢山のお話を……』
あの子はお話を聞くのが大好きだったもの、なら長生きをして、あの子に会えない私の分もたくさんのお話をしてあげて?
そう言い遺し……妻は死んだ。
「そうだ……妻は……っ!」
「未だ完全に抜け出しきれては居ない様ですが一先ず問題は無さそうですね。
……先程言った事、それはあなたにも言える事ですよオブリビオン」
黒幕の術中にいる影響か、夢から一瞬抜け出しかけるも、頭を抱えだしたイーグルを一瞥すると魅夜は眼前のオブリビオンへと目を向ける。
其の姿は偽りの物とは違う本来の姿へと変わっており、魅夜を憎々し気に睨んでいる。
「ふざけないで!
あの子も、夫も、私を責める様な事をいう事なんて出来ない位、一瞬で炎に飲み込まれていったのよ。
あの時、ヒーローも猟兵も助けてくれなかった癖に……後から判った様な事を!」
そして、オブリビオンは夫との思い出の華であるヤグルマギクの花びらで周囲を満たし……。
「其の怒りに囚われなければ……いえ、オブリビオンである以上、言っても詮無い事ですね。
『肉も鋼も魂までも朽ち果てよ、終焉の赤き闇夜今来たれり』―――」
其の花弁を魅夜の詠唱と共に顕れた無数の血の様に紅き蝶が羽根から振りまく鱗粉によって粉々に崩壊させていく。
「せめて夢見ながら逝きなさい」
そう言って魅夜は妖しく微笑みながら破壊の蝶をオブリビオンへと殺到させるのであった―――。
大成功
🔵🔵🔵
播州・クロリア
イーグルさん、なぜこんなところで寝転んでいるのですか?
貴方は罪を償い、奥さんの遺言をかなえるため
全力で幸せに生き抜く義務があるのですよ?
こんなところで悪夢を見続ける暇などないはずです
(肩幅ほどに足を開き、両手で太ももをなぞりながらゆっくりと上体を起こした後{紅焔の旋律}で『ダンス』を始める)
さぁ貴方の心にくすぶり続ける罪を焚べ、欲望を燃え上がらせ、未来を照らしましょう
({紅焔の旋律}で生み出した炎を纏った『衝撃波』で敵を攻撃しながら話しかける)
イーグルさん、私は悪夢を生み出した黒幕を滅ぼしたいです
ヒーローの復帰戦としてご助力いただけないでしょうか
●情熱の炎は煽られ燃え上がる
「そうだ妻は…いや、ターニャは目の前に……けれど彼女は……」
「イーグルさん、何故こんな所で膝をついているんですか?」
悪夢の中の当時の自分と本来の自分の記憶に混乱し頭を抱え膝をつくイーグルに播州・クロリア(リアを充足せし者・f23522)はそう声をかける。
周囲には敵の姿は見受けられず、イーグル一人の様であった。
「……き…君は……?」
「貴方は罪を償い、奥さんの遺言を叶えるため全力で生き抜く義務があるのですよ?
こんなところで悪夢を見続ける暇などないはずです」
そう言うとクロリアは肩幅ほどに足を開き、両手で太ももをなぞりながらゆっくりと上体を起こし、天を衝かんと燃え上がり鎮まる事なく燃え広がる炎を表現した情熱と欲望のリズムによって踊り始める。
「さぁ貴方の心にくすぶり続ける罪を焚べ、欲望を燃え上がらせ、未来を照らしましょう」
「俺は……そうだ、俺は……!」
其の見る者の心を突き動かさんとする踊りはイーグルが繰り返す悪夢によって喪いかけていた情熱を蘇らせる。
そして、それと同時にイーグルの頭に過るのは過去の記憶。
パイロットを辞し、妻の行方を捜しながら息子と共に暮らしつつ……同時に裏でヒーローとして一人、人々をヴィランの魔の手から護り続けた日々。
相棒、レオ、そして仲間達との出会いが頭を過ぎり、其の思い出を燃料にクロリアの舞という火種によってイーグルの情熱が激しく燃え滾る。
「あいつらに顔向けできない真似なんて出来るか……っ!
特にウルフなんざあの後、ずっと暗い顔してやがったんだ!
此れで俺が戻らなきゃ、あのバカ腹を斬りかねねえぜ!!」
(……効果はあったようですね。
それと敵が補足してきたようです)
敵がクロリアとイーグルがいる場所を漸く探し出したのだろう。
二人に襲い掛かる敵の放った蝶の妖をクロリアは紅焔の旋律による舞踊、其れによって生じる炎の衝撃波で散らし、燃やしながらイーグルの様子を見る。
「俺は俺の様な思いをする人間を増やさない為に……俺の様な思いをした奴を救う為に戦うと決めたんだ……!
ここで膝をついてたまるか!!」
「……欲望の部分が見られないのは気掛かりですね。
情熱は強く欲望は薄い。そう言うタイプの人ですか?」
だが情熱を燃やし立ち上がろうとする様からして効果そのものはあるので紅焔の旋律は最良の選択なのは間違いない。
ただクロリアの見事過ぎる舞を見ても欲望は燃え上がる事はない程にイーグルの欲、特に私欲の類いは燃え尽き喪われているというだけの話である。
「とはいえ、其の分、情熱はより強く燃え盛っている様ですから問題はないみたいですけど」
なおも自分とイーグルに襲い掛かる蝶の妖を炎で散らしながらクロリアはそう判断。
そもそも、其の辺りはイーグルの仲間達や家族がどうにかする問題だろう。
「イーグルさん、私は悪夢を生み出した黒幕を滅ぼしたいです。
ヒーローの復帰戦としてご助力いただけないでしょうか」
「此の悪夢を生み出した奴か、そいつはもちろ……っぁ!ぐ……っ!」
クロリアの言葉に承諾しようとしたイーグルだが、急に痛みを感じたのか頭を抱え膝をつきそうになる。
「……っ!諦めてたまるか!俺は俺は!
ネバギバだあああああああああああ!!!」
そう叫び立ち上がろうとするイーグル。
其れをクロリアは助けようとするが……。
『ネバギバとか意味が解らないわね。
あの子を助けてくれなかったヒーローなんて再び悪夢の檻に堕とさせれば良いのよ』
「いえ、させません。
其れに私はネバギバ、悪くない言葉だと思いますよ」
そう言いながらやってきた敵とイーグルの間にクロリアは立ち塞がる。
「この旋律、押し通らせていただきます」
この苦しみ続けるヒーローを救う、其の為に。
大成功
🔵🔵🔵
白斑・物九郎
●POW
ココが夢の中の世界っスか
ヘイ、鷲のヒーロー
王の言葉を聞け
(●イーグルの肩なんかを軽く叩く素振りに交えて、魔鍵『心を抉る鍵(小)』をこっそり挿す)
(●軽度の【精神攻撃】で鎮静効果をキメてやる目論見)
よぅく見ててみなさいや
あのアイツから出て来るモンの中に、一ツだっておたくの中の思い出と正しく重なるモンがありますかよ?
(●【ドリームイーター】発動、魔鍵『心を抉る鍵(真)』をアゲハにブチ込みに行く)
(●アゲハの精神を魔鍵で抉り出し具象化、イーグルに見聞させて「妻の偽物」と理解させよう)
(●物質透過/非殺傷攻撃の為、アゲハを致傷/流血させてる風の絵面にはならないというイーグルへの精神衛生配慮付)
幻武・極
へぇ、随分と質の悪いことをしてくるもんだね。
まあ、ボクも人のことを言えないか。
夢とはいえ多くの武術家の心を抉ってきたんだからね。
ボクのことはおいといてオブリビオンは倒さないといけないね。
トリニティ・エンハンスで守りを強化して戦うよ。
炎の魔力で血吸いの妖を焼き払いながら接近していくよ。
ボクの攻撃が敵に届く距離まで近づいたら、
イーグル、キミの奥さんを手にかける役目はどこかの名も知れないヒーローやヴィランでよかったのかい?
と問いかけるよ。
心に深い傷ができてしまったのかもしれないけど、キミは運が良かったとボクは思うよ。
最期に彼女の心を救うことができたのだからね。
他の誰でもないキミにしかできないことだよ
●悪夢喰らいし者 ――― ドリームイーター ―――
「ココが夢の中の世界っスか」
そして最後に顕れたのは超常の猟師達を束ねる百鬼夜行の主、黒猫のキマイラである白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)と……。
「へぇ、随分と質の悪い事をしてくるもんだね。
まあ、ボクも人のことを言えないけど。
夢とはいえ多くの武術化の心を抉ってきたんだから」
夢の世界で自分に合った武術を追い求め、様々な武術家達から武を奪い異形を生み出してきた夢の世界の自分を見て猟兵となる事を決意した少女、幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)。
何の偶然か、重力の鎖が支配する世界の夢喰らいと縁がある二人が共闘する事態になったのであった。
「まあ、ボクのことはおいといてオブリビオンは倒さないといけないね」
「そっスな。
それじゃあさっき話した通りに」
「うん、先ずは僕から行かせて貰うよ!」
そう言うと極は思い出しかけた記憶を再度奪わんとする黒幕の力に抵抗し苦しみ続けるイーグルに迫るオブリビオンへと立ち向かう。
其の身に纏うは燃え盛る炎、彼女に群がり血を啜らんとする血吸いの蝶を焼き払い、極は只只管にオブリビオンへと向かい突き進み、あっと言う間にその拳が届く距離まで到達。
其の侭、彼女はオブリビオンと対峙しつつイーグルへと声をかける。
「イーグル、キミの奥さんを手にかける役目はどこかの名も知れないヒーローやヴィランでよかったのかい?」
「…ぐ…だ、だが…俺はターニャを救えたかもしれないのに……!」
そんな極の言葉にイーグルは反応。
辛そうにしながら其れでも己の想いを吐露するが、極はオブリビオンと拳を交えながら其れは違うと言葉を返す。
「救ったじゃないか、最期に彼女の心を。
心に深い傷が出来てしまったのかもしれないけど、キミは運が良かったとボクは思うよ。
だって彼女の心を救う事すら出来なかったかもしれないんだからね」
「ターニャの…心を……」
イーグルの脳裏に自分に向かって微笑みながら逝った妻の顔が浮かんでいく。
そう、妻の顔は決して苦しそうでは……。
「それは他の誰でもないキミにしかできないことだよ」
「俺にしか……できない……俺は……!」
黒幕の力に苦しみながら、其れでも極の言葉に一歩踏み出そうとイーグルは力を振り絞って呪縛から逃れようとする。
「ヘイ、鷲のヒーロー。
王の言葉を聞け」
そんな彼の肩をポン、っと軽く物九郎が叩く。
其れと同時に今迄自分を縛り付けていた何かが雲散し精神がスーっと落ち着いていった感じがしたとイーグルは後に言う。
(妖しい気配を感じたと思えば……)
結論から言うと其れは物九郎によって黒幕がイーグルを縛る枷、其の高度に偽装され本来なら見つけ得ない核を物九郎が鋭すぎる野生の勘によって見出した故の事である。
其の核を妖しく感じた物九郎はイーグルの肩を叩く際に手に隠し持った小さな魔鍵で破壊。
ついでに軽度の精神攻撃による高ぶり過ぎたイーグルの心の鎮静化のおまけつきだ。
「よぅく見ててみなさいや。
あのアイツから出て来るモンの中に、一ツだっておたくの中の思い出と正しく重なるモンがありますかよ?」
(あ、あっちの準備は終わったんだ。
其れにしても本当に何処かで見た様な鍵だなあ)
巨大な鍵を手にオブリビオン、アゲハへと向かう物九郎。
アゲハと対峙していた極は其れを横目で確認すると戦いながら物九郎が一撃を喰らわせられる様にアゲハを誘導。
物九郎の持つ巨大な魔鍵、心を抉る鍵がアゲハの胸を貫通する!
「ぐっ……がぁ……っ!」
「へぇ、家族の復讐ね。
俺めのモザイクは晴れませんでしたけども、まあまあ上等な願いっスね」
「うーん……本当に夢の中のボクとか思い出させるなあ」
そして抉り出されたのはアゲハの記憶。
幸せだった家族との日々、そんな日々がヴィランの爆破テロで消え去り、愛した夫も4歳になる位の我が子も喪った事、其の爆破テロは本来ならヒーローの手で防げるはずだった事、助けてくれなかったヒーローに絶望した彼女は家族の復讐の為に復讐鬼と化し、テロの犯人を殺した後もヴィランを殺め続け……。
「……っ!何て惨い……くそっ!
俺達ヒーローが彼女の家族を、被害者を守れていたら……っ!」
其れはイーグルの妻、ターニャとも違う別の人生だった。
彼女は妻ではないとイーグルははっきり確信する。
だが、只の主婦が全てを喪い鬼へ堕ちていく。
血の涙を流しながら幾度死に至っても可笑しくない修練を積み、己の命も尊厳も我が子の遺した髪飾りと写真以外何も顧みず、焼けただれた肌も傷も化粧で隠し……只ヴィランを殺し続ける。
其の余りにも凄惨な光景はアゲハが自分を苦しめ続けた事に怒りを抱いても可笑しくないイーグルが逆に彼女の家族を守れなかったヒーローである自分を責める程であった。
「偽物と理解させるのは出来たっスけど、こりゃちいと荒療治過ぎましたわな」
「でも必要な対処だったと思うよ?うん」
そんなイーグルの姿に物九郎は苦笑いを浮かべるが極は其れをフォロー。
其れに物九郎もそれもそうだと頷くと魔鍵に貫かれたアゲハの方を一瞥する。
其の姿は鍵に貫かれてはいるものの、イーグルの精神衛生を配慮して透過させている為、傷はなく血も流していない。
苦悩しているイーグルを見るに余り時間をかけずに送ってやった方が精神衛生的にも良いだろう。
「王の葬送、感謝して逝きなさいや」
「ぐ、あ…あなた… ……」
そして、復讐鬼と化した女は消えていった―――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『カーネル・スコルピオ』
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POW : パニッシャー・ヴァーリィ
【二挺拳銃から炎を纏った弾丸の一斉掃射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 侵略蔵書「スコルピオインフェルノ」
【自身の侵略蔵書から放たれた蒼い炎】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を炎上させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ : スコルピオン・ブレイズ
【二挺拳銃から放たれた弾丸】が命中した対象を燃やす。放たれた【蒼い】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
イラスト:亜積譲
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠シャオロン・リー」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●悪夢を統べし焔の蠍
「……余計な真似をしてくれたな猟兵達。
あのままならば此の男は悪夢に囚われ、スナークを生み出す事が出来たものを……っ!」
そう言いながら現れた軍服の男の名はカーネル・スコルピオ。
嘗てヒーロー達によって壊滅した犯罪組織を率いていたヴィランは見る者の精神を焼き焦がす蒼い炎を周囲に噴き上げながらイーグル、そして猟兵達をねめつける。
「だが、貴様等猟兵を打ち倒せば作戦は遂行可能だ。
我が炎によって悪夢に堕ちるが良い猟兵共よ!」
「……は、俺は眼中にねえみたいだな。
なら、足元を掬ってやって後悔させてやらあ」
怒りに燃えるスコルピオに対しイーグルはそう嘯く。
「俺は此の周辺の物を嵐に変換する事が出来るからな。
あんたらの援護位は任せてくれよ猟兵さん」
そう言うとイーグルも又戦闘態勢をとってスコルピオに向かって構えを取る。
そして、悪夢の中での戦いが再び始まるのであった―――。
※イーグルはクライシスゾーン相当のUCが使用可能で基本皆さんのプレイングの指示に従い動きます。
何も書いて無い場合は皆さんの攻撃が当たり易い様に援護などを行いますし流れ弾を喰らう事等もありませんので、ご自由に行動なさって大丈夫です。
播州・クロリア
({メトロノーム・コイン}でコインロールしながらイーグルに耳打ちする)
私が奴の気を引き付けるのでコインを嵐に変え不意打ちしてください
私も攻撃に参加しますので
(敵に振り返り)
心の傷を抉り続け高みの見物をする
その性根が気に入りません
(敵に向けてコイントスした後、肩幅ほどに足を開き、深く息を吐きながら全身の力を抜いた後{霹靂の旋律}で『ダンス』を始める)
ネバギバの心を持ったヒーローを
貴方ごときが堕とせるなどと
思うことが不愉快です
(イーグルが不意打ちを仕掛けると同時にUC【蠱の共犯者】を発動し{霹靂の旋律}で生み出した雷を纏った{錆色の腕}で『属性攻撃』を行う)
不愉快な炎と共に
嵐に飲まれ消え去りなさい
●雷鳴伴いし暴風の輪舞
猟兵達に怒りの眼差しを向けるスコルピオ。
其れに対し播州・クロリア(リアを充足せし者・f23522)は其の色とリズムを見極め同調せんが為に軽く握った手の上に魔道具のコインを転がす、所謂コインロールをしながら敵を見据えていた。
(此の敵に合うリズムは……)
炎と言えば紅焔の旋律だがあれは情熱と欲望のリズム。
欲望は兎も角、情熱は眼前の敵に適合するとは思えない。
散りゆく様の寂寥感、喪失感、退廃的な死を表現した晩秋の旋律も合わない。
ならば……。
そうやって敵に合うリズムを選び取るとクロリアは隣に立ちスコルピオの動きを警戒するイーグルに耳打ちする。
「私が奴の気を惹き付けるのでコインを嵐に変え不意打さい。
私も攻撃に参加しますので」
「了解。あれだけ助けて貰ったんだ。
恩を返す為にもきっちりやらせて貰うぜ!」
そして、クロリアはスコルピオに向き直り見据える。
「心の傷をえぐり続け高みの見物をする、其の性根が気に入りません」
「はっ、気に入らなければ何だというのだ!」
クロリアの言葉を嘲笑うスコルピオを彼女は一瞥。
其の侭、コインロールをしていたコインをコイントスすると、肩幅ほどに秋を開き、深く吐きながら全身の力を抜き、踊り始める。
其れは瞬く間に広がる雷光と心を怯ませる轟音を表現した刹那と畏怖の霹靂の旋律と共に齎される舞踊。
「ネバギバの心を持ったヒーローを……貴方如きが堕とせる等と思う事が不愉快です」
「はは、立ち直れたのは嬢ちゃんたちのお陰だが……その信頼に応えなきゃ……ヒーローじゃねえわな!!」
「ぐ、な、何だ此の嵐は!!」
イーグルの言葉と同時にクロリアが投げたコインはスコルピオの眼前に堕ちてきて……イーグルの叫びと共に暴風へと変換される!
「私だけを警戒しヒーローを甘く見ていたのが貴方の敗因です。
ついでに閲覧料も徴収しますね?」
「ぐっ!がぁぁぁ!!」
そして、スコルピオが嵐に拘束された瞬間に霹靂の旋律に合わせ踊りながらもクロリアは肉薄。
金属に変質させた右腕に雷鳴を纏い殴りかかる!
「情熱も感じさせない不愉快な炎と共に……嵐に呑まれ消え去りなさい!」
「ぐ、がああああ!!猟兵めがあああああああ!!!!!」
そして、嵐の如き拳の連打によってスコルピオは吹き飛ばされるのであった―――。
大成功
🔵🔵🔵
幻武・極
やれやれ、悪夢からスナークを作り出すか。
身に覚えがあるというより、夢に覚えがあるという感じだけど
あの蒼い炎もうっすらと記憶をよぎる部分があるんだよね。
まあ、偶然だろうけどね。
さて、その侵略蔵書から放たれた蒼い炎だけど、躱してもキミを強化し続けるんだよね。
じゃあ、これでも強化できるかな。
イーグル、例の技を頼むよ。
この嵐の中をその蒼い炎は炎上し続けることができるかな?
ボクはこの嵐に乗り常在戦場でウォーミングアップをして最速の一撃を打ち込むよ。
●夢に触れ鍛えられた拳
「やれやれ、悪夢からスナークを創り出すか。
身に覚えがあるというより、夢に覚えがあるという感じだけど」
傷付いた状態で憤怒の炎を纏っているスコルピオを一瞥し幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)はそう嘯く。
「あの蒼い炎もうっすらと記憶を過ぎる部分があるんだよね。
まあ、偶然だろうけど」
「さっきから何の話だ猟兵がっっ!!」
冷静に自分を見据える極にイラついたのか、それとも脅威とすら思わず只の餌と認識していたイーグルに一杯喰わされたのが余りにも腹立たしいのか、それとも両方か、スコルピオは荒い口調で言葉を返し極をにらみつける。
「さて、その侵略蔵書から放たれた蒼い炎だけど、躱しても君を強化し続けるんだよね」
「……貴様等猟兵は我等の力を把握していると噂には聞いていたが事実だったか。
だが、其れを知っていても何とかできると思うな!」
極の冷静に紡がれる言葉に対しスコルピオは怒りの侭に侵略蔵書から炎を繰り出さんとする。
其れを極は冷静に見据え……。
「じゃあ、此れでも強化出来るかな?
イーグル、例の技を頼むよ」
「応!!」
轟っ!
イーグルの言葉と共にスコルピオは暴風の檻に包まれ、侵略蔵書から放たれるはずだった炎は嵐によって散らされていく。
「ぐっ!又貴様かヒーロー如きが!!
死する前の私を打ち倒した様に私を如何にかできるとでも思ったか!!」
「実際、炎を散らされてるのによく言うなあ、よっ、はっ、っと」
「ぐっ!貴様も馬鹿にしているのか猟兵いいいいいいいいいいいいいい!!!!」
憤怒の侭に炎を吹き出し、そして其の炎をイーグルの嵐によって散らされ続けるスコルピオの姿に極は呆れたように言いながら、己の身体をほぐしていく。
「別に馬鹿になんてしてないよ。呆れてるけど。
さて、ボクはウォーミングアップは充分だけど……ボクのスピードに付いてこれるかな?」
「ぐっ、なっ……?!い、何時の間に?!!」
極は言葉と共に一瞬でスコルピオの懐に潜り込む。
そして、其の侭拳を振りかぶり……。
「ぐっ、避けれな……!」
「夢の世界でボクは武術家達其々の最高の『武術』に触れてきた……そんな武術に触れ、鍛えられたボクの武術を見せてあげるよ!!」
「ぐっ!ガアアアアアアアアあああああああ!!!!!」
その拳は轟音と共にスコルピオを討ち貫く―――!
大成功
🔵🔵🔵
黒城・魅夜
ふふ、私は律義なたちなので、言ったことは守るのです
前言通りあなたを引き裂いてあげましょう猟書家
私の前で悪夢を弄ぶことは己の破滅を望むと同義だと知りなさい
そのつまらぬ炎があなたの自慢ですか
私が鎖を舞わせ「早業」「範囲攻撃」で周囲のものを破壊しますから
イーグルさん、風を起こして、チリでもゴミでも構いません、吹き飛ばしてください
そう、あなたの炎は「何かに命中すれば」そこで効力が止まるだけのもの
ゴミに炎が当たり燃やしてしまえばそれでおしまい
私を傷つけることもあなたを強化することもできません
その炎が作りだした明暗を利用し
「闇に紛れ」「暗殺」のように間合いを詰めUCを発動
知りなさい、本物の悪夢の意味をね
白斑・物九郎
●POW
ヘイ、鷲のヒーロー
おたくの思うように、あのアイツにやってやりてえように、得意の嵐を呼ばわりなさいや
ワイルドハント、白斑物九郎
人呼んで嵐の王――『砂嵐の王』
嵐の類が吹き荒れるなら、そこは俺めの進軍路ですわ
・スコルピオからの銃撃、イーグルの操る嵐、それらの迸る先悉くを【野生の勘】で予期
・敵射線を掻い潜り、援護の嵐に乗り、スコルピオ目掛け【ダッシュ】で接近を
・接近次第【ドリームイーターⅡ】発動、肉体を透過し心を貫く魔鍵をブチ込まん(鎧無視攻撃+串刺し)
・【精神攻撃920】の出力を以って、スコルピオを悪夢の世界にハメて心を【蹂躙】せん
・見せる悪夢は「犯罪組織壊滅の瞬間」
・悪夢は、何度も繰り返す
●鋼を介して咲く紅き華
「ふふ、私は律儀なたちなので、言った事はまもるのです。
前言通りあなたを引き裂いてあげましょう猟書家」
「っ!よくもほざいてくれたな猟兵っ!」
余裕の表情でスコルピオに対し、そう宣った黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)に対し、スコルピオは憤怒の表情を浮かべ、彼女に対し蒼い炎を放つ。
「そのつまらぬ炎があなたの自慢ですか。
私の前で悪夢を弄ぶことは己の破滅を望むと同義だと知りなさい」
そう言いながら魅夜は『悪夢』の中で自身を拘束していた鎖を舞わせ炎が触れる前に周辺を破壊していく。
(「私が鎖を舞わせ周囲のものを破壊しますから、イーグルさんは風を起こして吹き飛ばしてください」か)
其の光景を見据えつつ、イーグルは魅夜と合流した時に交わした会話を思い返し地面を其の侭嵐へと変換。
嵐は魅夜の砕いた欠片を舞い上げ、舞い上がった欠片は炎に当たり、其の侭燃え尽きていく。
「っ!貴様……!」
「そう、あなたの炎は『何かに命中すれば』そこで効力が止まるだけのもの。
ゴミに炎が当たり燃やしてしまえば其処でおしまい。
私を傷付ける事もあなたを強化することもできません」
そう魅夜は冷然と微笑みスコルピオを見据える。
そして其れに乗っかり挑発も兼ねてイーグルも言葉を重ねていく。
「作戦成功だな嬢ちゃん!
はは、スコルピオだったか?
そんな風に嬢ちゃんの策に嵌って対抗策も咄嗟にひねり出せねえとか、力頼りじゃなかった生前の方が余程、強かったんじゃねえかよ、おい」
「おのれおのれおのれおのれおのれえええええええええええええええ!!!」
己がユーベルコードを無力化され、更に戦力とすら見ていなかったイーグルにこうも侮辱された事でスコルピオは激しく激怒する。
そして、そうしたやり取りをしている間にも戦いは続き、魅夜とイーグルによってスコルピオの炎は無力化され続ける。
そうしていけば塵が燃え尽きる際に生じる炎の灯りも大量に生じ、其れによって影も多く生じていく。
其れは魅夜にとって何より有利な状況であり、本来スコルピオの有利な環境を生み出すユーベルコードによって魅夜の有利な環境が生み出されたという状況が生じていた。
彼女は闇に紛れまるで暗殺者の様に気配を消すと怒りイーグルの挑発で彼の方へ注意が向いたスコルピオへと間合いを詰めていく。
「はっ、本当に力に溺れて弱くなってんだろ、手前はよ」
「っ!力弱きヒーロー如きがよくも言ってくれたな。
楽に死ねると「死なせませんよ」……っ?!」
「ほら、そうやって嬢ちゃんから目を逸らすから弱くなったっていうんだぜ?」
気付いた時には既に至近距離まで魅夜に距離を詰められていたスコルピオに対し、イーグルは呆れたように声をかける。
だが、そんな声も危機に焦ったスコルピオは気付かない。
「愚か者の骸を糧に咲き誇れ鋼の血華。
そして、知りなさい、本物の悪夢の意味を―――」
「ぐ、が、がああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
其の言葉と共に魅夜と共に在る108本の鎖はスコルピオに襲い掛かり……紅い花を周囲に舞い咲かせていくのであった―――。
●そして、ヒーロー『の』悪夢は終わりを告げる
「ヘイ、鷲のヒーロー。
おたくの思う様に、あのアイツにやってやりてえように、得意の嵐を呼ばわりなさいや」
「どういう嵐だとかそういう指定とかもねえのか?
そう言うなら、こっちはお前さんの事なんざ気にせずにやってやるぜ?」
そうぶっきらぼうに言い放つ白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)の言葉にイーグルは苦笑しつつそう返す。
其れに対し物九郎ははん、と余裕の笑みを浮かべて更に言葉を返す。
「ワイルドハント、白斑・物九郎、人呼んで嵐の王―――『砂嵐の王』。
嵐の類いが吹き荒れるなら、そこは俺めの進軍路ですわ」
「ワイルドハント、王に率いられ空を歩む猟師の一団ねえ。
ま、それだけ言うのなら……俺もワイルドフォースのサブリーダーとして全力の嵐を見せてやるさ!」
イーグルの其の言葉と共に周辺は最早立つ事すら難しい激しい嵐に見舞われる。
其の嵐を見て物九郎は楽しそうに嗤うとスコルピオへと向かって駆けていく。
「ぐぅっ……厄介な……!
だが、せめて一人位は道連れにしてやろう!」
「はん、狙いがブレブレでさあ」
それに対しスコルピオは二丁拳銃による銃弾で応酬。
イーグルの嵐によって体勢を崩しながらも炎を込めた弾丸を物九郎に向かって放つが物九郎は其の優れた野生の勘により僅かな動きで回避。
更に銃弾を避け続けながら嵐の勢いの弱い箇所を見切って駆け抜け、逆に自身の勢いを後押しする風に乗って跳躍。
其の侭、物九郎はスコルピオへと肉薄。
「牢に鎖す」
「ぐっ、がっ……何だ此の鍵…は……!」
肉体ではなく心を貫く魔鍵によってスコルピオを刺し穿つと魔鍵は物九郎の詠唱に応え先端をスコルピオの心をえぐり取る形状へと変化していき……。
「ぐぁ……やめろヒーローめが……!
我が組織が……資金源とする為に洗脳した者を開放し、誘拐した子供を取り戻し、我が配下を潰し……最後は我が身迄討ち滅ぼすというのか……っ!!」
「は、因果応報でしょうに。
何、被害者面してんすかね」
スコルピオは悪夢の檻へと投獄される事となる。
その顔に浮かぶのは怒り、嘆き、絶望、苦しみ、ありとあらゆる負の感情が浮かんでは消えていき、更にスコルピオは其れを繰り返し続けていく。
「……こりゃまた、何をやったんだ?」
「悪夢の世界にハメてやったんですわ。
こいつは生きてた頃、死ぬ間際の『犯罪組織壊滅の瞬間』を何度も見続けてる筈でさあ」
其の言葉の通り、スコルピオは何度も何度も地獄の苦しみを受けているのが表情から見て取れた。
スコルピオの心は蹂躙され尽くし、苦しみ続け精神が削れていっているのだ。
「悪夢は、何度も繰り返す。
コイツのやった事を其の侭返したんすが……まさか、自分がした事に此処迄耐性がないとは思いませんわ」
そう言って物九郎は呆れたような表情を浮かべ……悪夢に囚われた侭のスコルピオの首を一閃。
首と別れ別れになった胴体は倒れ、首と胴体は徐々に塵となって消滅する。
其れは幹部猟書家でありながら余りにも呆気ない戦いの終わりであった―――。
●エピローグ、戦いの終わりの補足
悪夢から解放されたイーグルは目覚めた後、猟兵達に仲間や家族と共に礼を言うと其の侭リハビリを開始。
自分の様な思いを誰にもさせたくない、そんな思いを再認識した彼はリハビリを完了後、ヒーローとして活動を再開する事となる。
自分達を助けてくれた猟兵達への感謝と過去への後悔と思い、其れを胸に悲劇を覆す為に。
そんな彼の傍らには仲間達、そして息子夫婦や孫と言った家族達がずっと傍にいたという―――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2020年12月16日
宿敵
『哭死蝶アゲハ』
『カーネル・スコルピオ』
を撃破!
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