5
渚のコスプレヒーロー!

#キマイラフューチャー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー


0




●コスプレ撮影怪人、現る!
 キマイラフューチャーには、旧人類がかつて存在した海を再現し、一年中いつでも海が楽しめるように作り上げたリゾート施設が存在する。
 広がる青く煌めく人口海、その周りを暖かく柔らかな人口砂浜が包み込み、人口ヤシの木が彩を加える。さらには立ち並ぶ人口海の家をコンコンすれば、旧人類風のフードやドリンクが出てくる等々、ストレスなく楽しく海を楽しめる施設だ。
 そんな施設にはいつもキマイラたちがいっぱいの大盛況、泳いだり、砂の城を作ったり、肌を焼いたり、思い思いの過ごし方をしている。
 だが、今日はいつもと少し様子が違った、人口砂浜のど真ん中に、突如デジカメヘッドの怪人が現れたのだ。
「今からここは!ドキッ!?波打ち際のプリンセス!?コスプレだらけの撮影大会!の会場となるのだーーー!!!」
 現れて早々の怪人の宣言に、なんだなんだと集まるキマイラ達。
「出場者、俺!審査員、俺!被写体は……お前たちだーーーーーーー!!!」
 彼こそはコスプレ撮影怪人アングラーロー、コスプレイヤーを撮影するのが生きがいだったものが怪人化した存在である。怪人は集まってきたキマイラにレンズを向けると、旧人類の高い技術力で実現した高速美女認識オートフォーカスにより的確に美人に狙いをつけ、コスプレ化光線を高速連射し次々と強制的にコスプレさせていく。
「やだ、なにこれ!」
「脱げないんだけどー!」
 チャイナ、ナース、メイド……様々なコスプレに着替えさせられた美人キマイラ達。
「フヒヒヒ!いいね、いいねぇ!」
 アングラーローは、目の前に広がる理想の光景をメモリーに保存するべく、鼻息荒く撮影に臨むのだった。

●脅威……?
「キマイラフューチャーのリゾート海岸で、怪人による襲撃……襲撃?が発生するわ。」
 疑問符を浮かべるベラドンナ・ベルティネッリはこの事件を予知したグリモア猟兵だ。
「コスプレ怪人アングラーロー……っていうらしいわ。美人を強制的にコスプレさせたり、ポーズをとらせたりして、ひたすら撮影する変質者ね。」
 浮かべたグリモアを手で弄びつつ、怪人のプロフィールには興味もないのか淡々とベラドンナは続ける。
「この怪人は放っておいたらリゾートを出てどんどんコスプレ被害者を増加させていくわ。」
 コスプレにされるだけならまだしも、たちの悪いことにこの怪人を倒さなければコスプレ服を脱ぐことはできないという。
 つまり被害者はせっかく着てきた水着をコスプレで上塗りされた挙句、怪人が倒されない限り一生コスプレ衣装のまま生きていかなければならないのだ!じみにつらい。
「被害が広がると面倒だし、早いうちに片付けちゃいましょう。」
 だが、話によるとこの怪人、見た目によらずかなりの実力者らしく、決して侮ってかかっていい存在ではない。
「この怪人は撮影を生きがいにしてるだけあって、ビビッときたコスプレがあれば撮らずにはいられないみたい。別にコスプレ趣味に付き合う必要はないけど、上手くすれば隙くらい作れるかもしれないわね。」
 怪人のコスプレ趣味に乗ったとして、隙を作れるかは猟兵のコスプレ次第だ。

「あ、それと。」
 付け加えるようにベラドンナが。
「同時刻に現場近くの岩場で怪しいマグロ頭の集団がたむろしているらしいわ。時間には余裕があるし、目標の怪人の仲間かもしれないから、探してやっつけてくれると助かるわね。」
 一通り説明を終え、ぐぐっと伸びをしたベラドンナは最後に。
「人口の海岸だけど、人気の通りすごく綺麗なリゾートみたいだし、怪人を倒した後はせっかくだから楽しんで行くといいかもしれないわね。」


いさぶろー
 この前リアルゴスロリ女子を見かけました、いさぶろーです。
 戦争盛り上がってますね!私は出遅れました!
 今回は季節感ガン無視のややネタ気味のシナリオです。

 1章はマグロ怪人ツーナーとの戦闘。
 2章は怪人との戦闘。
 3章は自由に海岸リゾートを楽しんで頂きます。
 コスプレするもよし、されるもよし、断固拒否するもよし。ぜひ頭を空っぽにしてプレイング書いてください。
 ご希望のコスプレがあればプレイングで指定してください。何も書いていなければ怪人の趣味が反映されます。
32




第1章 集団戦 『マグロ怪人ツーナー』

POW   :    止められない止まれない
【食べられるという恐怖心から無限のスタミナ】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD   :    そんなことより助けて欲しい
レベル分の1秒で【腕を振り払うことで自らに噛み付いてる猫】を発射できる。
WIZ   :    水を得たお魚
【水鉄砲】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を水浸しにし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「我々は今まで、走ることであの恐怖の存在から逃げようとしてきた。」
 マグロ頭の怪人の一人が、岩場の向こうにいる存在を指しながら言う。視線の先にいるのは――猫だ。
「だが、気づいたのだ。我々、マグロなんだから泳げばもっと早いんじゃね?と……。」
 マグロの表情の変化はわからないが、彼は今大真面目に語っているのだろう。周囲のマグロ怪人たちは衝撃を受けたかのように固まる者や、うんうんと頷く者など様々だ。
「アングラーローの作戦を手伝えば、我々は猫に侵略されない海という聖域を得るのだ……!」
「おお……!」
 どよめくマグロ怪人たち、盛り上がってきた場に水を差すように、岩を踏みしめる音が響く。
「何奴!」
七鞘・雷華
心情:マグロだかカツオだか知らんが油煮にしてやる



止められない止まらない→むしろオレも止まらないわ。ツナ缶好物だ。

そんなことより助けて欲しい→諦めてオレに喰われろ。 (飛んできた猫を受け止め、猫をつれたままツーナーに襲いかかる。)


野良猫に怯えるツーナーがライオンとトラとチーターのキマイラであるオレに勝てるはずがない。(ドヤ顔


赤星・緋色
ふはははー、猫よりコワイ猟兵さんじょーう!
今からこの岩場よりこっち側は私たちが占拠するよ

技能範囲攻撃でガトリングからの弾をばらまいて端から倒していくね
今回属性攻撃で使用する属性弾は氷かな
炎とかで火を通しちゃうと料理に使えない可能性とか出てきちゃうし
そもそも怪人を料理に使わない感あるけど
「ふぁいやー!マグロはミンチでタタキで、えーとそんな感じ!」
仲間がいれば援護射撃の技能で敵の攻撃をつぶしたり回避の邪魔をしたりしていくよ
マグロ怪人側から猫が飛んでくるかもだけど、見切りでよけていくよ
個体ごとの予備動作とかの癖を読めば行けそうな気が
猫さんならとばされても猫着地があるから多分ほっといても大丈夫だしね!


ラヴィ・パラッツォ
【WIZ】

ホワッホッホッホ!怪人ノ方々ハ面白イ人ばかりデスネ!ワタシも良ク「おかしな奴」ッテ言われマスガ、面白イ奴ッテ事デスヨネ!?

マグロ頭サンは沢山いるみたいナノデ、コチラも仲間ヲ呼ぶとシマショウ!
カモーン!【ラブラヴィッツ】!ハイ、点呼取ってクダサイね~…ア、数多いんでヤッパリ大丈夫デス。
彼ラに突撃してモラッテ私ハ後方カラ【援護射撃】スルとシマショウ!
ミニガンによる掃射デ【範囲攻撃】を行いマス!
最後は我ガ最終兵器エコアームストロングジェットサイクロン砲で全てヲ爆破してシマイマショウ!ラヴィッツ達よ永遠ナレ!


ハーバニー・キーテセラ
何奴と問われれば応えましょ~
猟兵さんですよぉ?
なにやら臭うは悪巧みの臭いぃ
それともぉ、単なる魚臭さぁ?
えっとぉ、どっちにしても成敗してさしあげましょ~

間髪入れずぅ、擬獣召喚~
兎さん&ネコさん達、いらっしゃ~い
だたしぃ、最初は兎さん達の中に猫さんの姿は隠すようにしておきますねぇ
サプライズですよぉ、サプライズぅ
兎さん達に対してぇ、迎撃の構えを取ったりした瞬間にぃ、猫さんには登場願いましょうねぇ~
さぁさ、恐慌に陥るがいいですよぉ

浮足立った集団などぉ、まさに烏合の衆というものぉ
猫さんを主軸にぃ、蹂躙してさしあげましょ~
うふふ~、侵略するは我にありぃ
仲良く、まな板の上の鯉……鮪? になるといいですよぉ


ハルツ・ノウゼン
【POW】
ハルツだよ!ハルツはりょーへいでね、キミたちをやっつけにきたんだ!あっでも、ほんとはこす…ぷれ?怪人をやっつけにきたから、キミたちはついでなんだ……ごめんね!

ほらほら見て見てっ!『キカイ!でっかい!ぼくの斧!』カッコイイでしょ?カッコイイよね!
……残念だなあ。キミたちが機械だったらカッコイイぼくの斧と一つになれたのにね……でも大丈夫!ちゃんとキレイにバラしてあげるからね!

ウラァッ!ドリャアッ!!よっこいしょぉおーっ!!!(『怪力』使用)

※共闘、アドリブ他歓迎


シェルティリア・ヴァーシュ
アドリブと絡み歓迎ですわ!

「折角のビーチリゾートですのに、なんですの変態怪人は!許せませんわ!」
実はビーチリゾートに憧れている乙女な自分を隠しながら、前哨戦に挑みます
素早く倒して安全にリゾートを楽しむ為に最初から全力です!

「折角のビーチリゾートで独り善がりな行動、マグロの神が許しても私が許しませんわ!」
少し高い岩場に乗って両手を組んで登場!
そして口上が終わり次第《光る剣は私に勝利を》を発動!
光の剣をマグロ怪人達に降らせますわ…の前に!

「そして私に隙無しですわ!」
猫ちゃんを巻き込まないように鰹節を用意しますわ!
え、こっちに飛んできて、ひゃー!?



「何奴と問われれば応えましょ~、猟兵さんですよぉ?」
 悪巧みの臭いか、それとも単なる魚臭さを察知したのか、いち早くマグロ怪人たちの前に姿を現したのは、ハーバニー・キーテセラ(時渡りの兎・f00548)だ。
「何ィ!?猟兵だと!?」
 計画を実行に移す前、恐ろしく早いタイミングでの襲来に浮足立つマグロ怪人たち。
「問答無用、成敗してさしあげましょ~。はぁ~い、出番ですよぉ~!」
 ハーバニーの号令に応え、十数匹の兎が召喚され、マグロ怪人たちに突撃していく。
「くっ、前門の猟兵、後門の猫というわけか!」
 引くか攻めるか、猟兵か、猫か。苦渋の決断を迫られたマグロ怪人は、猟兵の方を選んだのか、迫り来る兎を迎撃する構えを取る。
「た、隊長……!あれは、あれは……!」
「どうした!何を見つけた!?」
 その時、マグロ怪人の中でも旧人類の機械の扱いに優れた個体が、目に装着したバイザー型ディスプレイ端末に表示されている数値を見て震えた声で隊長と呼ばれたリーダー格のマグロ怪人へその恐ろしい事実を告げる。
「パ、パターンN……猫です!ねこがいます!」
「な、何ィィィィイイ!!?」
 突撃する兎の一団、その中には1匹、2匹……否、3匹の猫が居た。

「ククク!諦めてオレに喰われろ!ツナ缶共!」
 3匹の中の一人は猟兵だ。ツナ缶が大好物の七鞘・雷華(弾丸ライガー・f04946)の頭の中は、マグロ怪人を油煮にしておいしくいただくことでいっぱいだった。
「野良猫に怯えるお前たちがライオンとトラとチーターのキマイラであるオレに勝てるはずがない。」
 ドヤ顔で告げる雷華の発言に、どよめくマグロ怪人たち。
「ライオンとトラとチーター……だと?」
「ネコ科力止まりません!18000……19000……20000!」
「バカな!まだ上昇を続けるだと!?」
「21000……22000……グワーッ!」
 数値を計測していたマグロ怪人のバイザー型ディスプレイがネコ科力の計測限界値を越え爆発する。
「ニ゛ャ゛ア゛ア゛ア゛」
「ヒィイイイ!!」
「グワアアアーーッ!」
 これほど騒がしくすれば流石に気づかれる。岩場の向こうに居た猫の群れが現れ、マグロ怪人に襲い掛かる。恐慌状態に陥ったマグロ怪人が咄嗟に腕に噛みついた猫を雷華へ射出してくるも、兎さんのモフモフや雷華の華麗なキャッチにより両者無傷でやり過ごし、軍勢に加え、共に襲い掛かる。
「浮足立った集団などぉ、まさに烏合の衆というものぉ。このまま蹂躙してさしあげましょ~」
 畳みかけるような猫ラッシュで恐怖のズンドコに叩き落されたマグロ怪人ツーナーたち。そこに追い打ちをかけるように、少し高い岩場に新たな猟兵が姿を現した。

「折角のビーチリゾートで独り善がりな行動、マグロの神が許しても私が許しませんわ!」
 両手を組み、高所から混沌とした場を見下ろすのは、シェルティリア・ヴァーシュ(ヴァーシュの騎士姫・f12470)だ。
 憧れのビーチリゾートに早く行きたくてたまらないシェルティリアのモチベーションは高い。速攻でカタを付けるべく、己がユーベルコードを発動しようと……する前に。
「そして私に抜かり無しですわ!」
 掲げたのは大きく、硬く、立派な高級鰹節。猫を巻き込まないように用意された心遣いの逸品だ。その圧倒的な威容に、マグロ怪人と乱闘を繰り広げていた猫たちの視線が吸い寄せられる。
「……」
 争いが止み、静まり返る場、思わず空気を読んでマグロ怪人も猫を振りかぶった状態で静止している。
「に……に、ニ゛ャ゛ア~~ン!」
 一匹の猫が声を発したのを合図に、それまで夢中になっていたマグロ怪人には目もくれず、その双眸をハートマークにして一目散にシェルティリアに突撃する猫たち、と雷華。
「鰹節―!」
「え、ちょっと、こっちに飛んできて、ひゃー!?」
 予想だにしていなかった勢いにわたわたしていたシェルティリアは、飛び掛かってきた無数の猫に押し倒され埋もれていく。
「く、《光る剣は私に勝利を》!(クラウ・ソラス)」
 何とか腕だけ出してユーベルコードを発動したシェルティリア。100にも届こうかという聖なる光の剣が呆けていたマグロ怪人たちに降り注ぐ。
「はっ……ぐわああ!」
「ね、猫がいなくなったぞ!これはチャンスでは……ギョエエエ!」
 次々と剣に貫かれ倒されていくマグロ、しかしながら隊長と呼ばれた個体を始め、しぶとい者は生き残り、猫は一時的に戦線離脱。戦況はマグロ側に一歩傾いた……わけではなかった。

「ふはははー、猫よりコワイ猟兵さんじょーう!」
「ホワッホッホッホ!怪人ノ方々ハ面白イ人ばかりデスネ!」
 現れたるは、スチームパンク風衣装に身を包んだ赤髪の少年、赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)と、びっくりするくらい四角い箱型単眼のウォーマシン、ラヴィ・パラッツォ(猛ロボ注意・f13709)の二人だ。
「イヤァ、実ハワタシも良ク「おかしな奴」ッテ言われマスガ、コレッテ面白イ奴ッテ事デスヨネ!?」
「(ちょ、ちょっと違うと思うけど……)」
 同意を求められた緋色は、曖昧に笑って誤魔化すことにした。やさしみ。
「オット、戦いを忘レテハイケマセンネ。ドウヤラ、マグロ頭サンは沢山いるみたいナノデ、コチラも仲間ヲ呼ぶとシマショウ!カモーン!ラブラヴィッツ!」
 ラヴィの掛け声と共に、ラヴィとそっくりな四角いボディの小型機械人形が50体ほど出現する。
「ハイ、点呼取ってクダサイね~…ア、数多いんでヤッパリ大丈夫デス。」
 見た目が同一な四角い箱を数十個数える作業は、点呼アリとはいえ数え間違えると問答無用でやり直しな辺り中々に面倒くさい。早々に諦めたラヴィは『小型ビッグミニガンDX』を構え、様子を見ながらミニラヴィを突っついて待っていた緋色も自身の蒸気ガトリングガン『ミニさん』を構える。
「猫さんがいないから全力で撃てるね!いくよ!ふぁいやー!マグロはミンチでタタキで、えーとそんな感じ!」
「援護シマショウ!」
 二つのガトリング砲が火を吹き、夥しい数の銃弾をマグロ怪人へ浴びせかけていく。ラヴィの銃弾は身を引き裂いていく一方で、緋色の銃弾は氷の属性を込めた特別製だ。着弾と同時にマグロ怪人に出来た傷を凍らせ、時間経過での鮮度低下を防止する。
 火で過剰に炙り料理で使えなくならないようにとの料理人への細やかな気遣いが光る。怪人を食べれるかは別として。

「ええい、反撃だ!反撃するのだ!」
 しぶとくまだ生き残っているマグロ怪人の隊長と部下のマグロ怪人たちは弾幕を岩で防ぎつつ、緋色へ向けて水鉄砲を撃ち放って反撃を加えてくるが、ちょろちょろと足元を駆けまわり無視できない痛みの攻撃をしてくるラブラヴィッツの妨害もあり、余裕を持って避けることができている。
「くっ、かくなる上は撤退を……!」
 そう呟くマグロ怪人隊長の背後から、ざりっと土を踏む音が鳴る。
「まだ来るのか!?ええい何者だ!」
 表情に変化はないが、もはや半泣きの声色で振り返ったマグロ怪人隊長は、こんな状況でも相手に名乗らせてあげる律儀なマグロだった。

「ハルツだよ!キミたちをやっつけにきたんだ!あっでも、ほんとはこす…ぷれ?怪人をやっつけにきたから、キミたちはついでなんだ……ごめんね!」
 ドワーフの幼い少女、ハルツ・ノウゼン(ぅゎ、ドワーフっょぃ・f13678)は、元気いっぱいに応え、続いて申し訳なさそうにと、ころころと表情を変えて話す。年相応な振る舞いにほっこりしそうな場面だが、ハルツの背負った巨大な機械斧がそれを許さない。
「見て見てっ!『キカイ!でっかい!ぼくの斧!』カッコイイでしょ?カッコイイよね!」
 無邪気に武装自慢をするハルツ、製作者本人にも仕組みが謎な機械を喰らうキカイな斧は、残念ながらマグロは取り込む対象外である。自慢の武装に取り込んであげられないことを残念に思い、憐れみを込めてマグロたちを見るハルツ。
「でも大丈夫!ちゃんとキレイにバラしてあげるからね!」
「ヒエエ……」
 恐れおののくマグロ怪人、幼い子供とは時に凄まじい残虐性を発揮するものだ。ハルツは、マグロ怪人にとって嬉しくもなんともない思いやりを見せると、その斧を大きく振りかぶる。
「ウラァッ!ドリャアッ!!」
 その姿、まな板の上の鯉……否、鮪を解体する職人の如し。
「よっこいしょぉおーっ!!」
 力強い声と共に振り下ろされた斧は、断頭台のギロチンのようにすっぱりとマグロと怪人を分かつ。

 2門のガトリングガンにより吹き荒れる鉛と氷の嵐の中を、兎とラブラヴィッツが走り回り、大斧担いだドワーフが自由に暴れまわる。
「う、うぐぐぐ」
 次々と倒れていく仲間たち、猫によって受けた精神的ダメージも後を引き胃痛に唸るマグロ怪人隊長。もう楽にして欲しい、そんな考えが浮かんでは消え、戦場に立ち尽くす。だが、無慈悲にも世界は彼に優しくなかった。

「や、やっと抜け出せましたわ……!」
鰹節を求め纏わりつく猫+雷華を引きずり復活したシェルティリアは、その手に持ったモノを思い切り振りかぶった。
「もうどうにでもなれですわー!」
混沌とした戦場に投げ入れられた新たな火種、マグロ怪人にとっては特級の火薬でもあるソレ――鰹節を求め、土煙を上げながら、目を爛々と輝かせ奴らがやってくる。
「ククク、フハハハハハ!鰹節もツナも両方ともオレが喰ってやるわ!」
 雷華を先頭に波と化した猫の群れが、マグロ怪人たちを飲み込む。
「ア、アババ、アババババーッ!」
 浴びる弾幕、駆け回るロボと兎、暴風と化した斧、降り注ぐ光の剣、そして止めに周りには猫、猫、猫。度重なる精神的ダメージについにマグロ怪人たちの精神は限界を迎え、狂乱のままに走り回る。

「オオ、コレハ混沌トシテキマシタネ、大変デス。」
 ガトリングの掃射を一旦止めたラヴィは、おもむろにその体から巨大な筒状の物を取り出した。
「えーと、ちょっと聞きたいんだけど、ソレはなにかな?」
 生じた嫌な予感に、ガトリングの掃射をしながらも緋色はラヴィへ訪ねた。
「コレデスカ?大砲デスヨ!飛ビ切リ派手ナ!」
「コノ場面を収拾スルニハ、我ガ最終兵器エコアームストロングジェットサイクロン砲で全てヲ爆破するシカナイデショウ!」
 話しながらも準備をてきぱきと進めるラヴィ。強まる緋色の嫌な予感。
「ちょっと待っ――」
「ラヴィッツ達よ永遠ナレ!」

 その日、マグロ怪人ツーナーと共にキマイラフューチャーの海辺の岩場は消滅し、代わりに大きなクレーターができたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『コスプレ撮影怪人アングラーロー』

POW   :    ここがコスプレ会場だーーーーーーー!!
【コスプレ化光線とポーズ指定催眠音波 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    お前は最高のコスプレイヤーだ!(フラッシュ)
【強制コスプレ光線 】【ポーズ指定催眠音波】【撮影されると気持ちよくなる催眠】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    良い! 実に良いアングルだ!
【カメラのレンズ 】から【強制コスプレ光線】を放ち、【ポーズを取らせる事】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠プリマステラ・リコールドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 コスプレ怪人アングラーローが現れると予知された海岸では数刻前に起こった爆発が話題になったりもしていたが、ある程度距離が離れていることもありあまり問題となることもなく、概ね平常通りに多くの人で賑わっていた。
 そんな中、人口砂浜にぽつんとデジタルカメラが置かれているのが見える。誰かの落とし物だろうと考えるのが普通だが、気になって近づいてみればそうではないとわかるだろう。
 ――デカイのだ。人の頭三つ分ほどのデジカメが上向きで砂浜に横たわっている。
「アァ……素晴らしい。」
 ――喋るのだ。レンズはひとりでにズームし、通りがかる水着美女をオートフォーカスで追いかけ、ローアングルで撮影を行う。
 デジカメがもぞもぞと揺れ、微妙に位置を調整する――お分かりだろうか。これこそがコスプレ怪人アングラーローである。
 ジリジリと熱い砂浜に埋まり、水着美女をローアングルで撮影する至福に浸っている怪人。
「飽きたな。」
 ぽつりと一言。水着もコスプレみたいなもの、としばらくは欲求を満たせていたものの、段々と飽きが来ていた怪人の中で、コスプレさせたい欲求がムクムクと湧き上がってくる。
「――やるか。」
 レンズを太陽光でキラリと光らせ、意識的に出した渋い声で呟く怪人。フフヒヒヒと不気味な笑い声で先ほどのかっこつけを台無しにしつつ、砂の中から脱出し始めるのだった。
シェルティリア・ヴァーシュ
コスプレ姿含むアドリブと絡み歓迎ですわ!

「猫…もふもふでしたわ…って!」
幸せな気分だった自分に活をいれ戦闘態勢!
目の前の変態オブリビオンを撃破し最高のビーチリゾートの為に!

「あなたのような変態に絶対に負けませんわ!」
え、フラグ?
と、言うわけできっと遠距離から《光る剣は私に勝利を》で攻撃

「きゃっ!なんですのこの恰好!?」
コスプレ光線を喰らうとなぜかピチピチの新体操用風ハイレグレオタードに
リボンも持って完璧です

「か、身体が勝手に…こんな恰好屈辱ですわ!あぁ!撮らないでくださいまし!」
柔らかな身体でY字バランスを取ってしまうのです
しかも何故かリボンが身体に絡まって食い込んだり?
恥ずかしくて涙目に!



「猫、もふもふでしたわ……」
 最後の爆発で散々な目にあったのは置いておいて、猫に襲い掛かられたあの溺れるほどのもふもふした感触を思い出し幸せな気持ちに浸るシェルティリア・ヴァーシュ。
「フヒヒヒ!お前もコスプレイヤーにしてやろうかぁ!」
「きゃぁ!何よこれ!身体が勝手に!」
 トリップしているシェルティリアの目の前では、勝ち気そうなキマイラの女性がミニスカポリスな服装へ大変身を遂げ、銃を構えたポーズで好き勝手撮られていた。
「もふもふ……って!」
 目の前で事が起こり、ハッとして我に返ったシェルティリアは、コスプレ怪人アングラーローへ向けて戦闘態勢をとりつつ、腰に手を当ててビシッと指を指す。
「私、あなたのような変態には絶対に負けませんわ!」
 向こうの砂浜でビーチフラッグが一つ立った。
 宣言と共に放たれた無数の光の剣が、ローアングル撮影に勤しんではぁはぁと荒い息を吐いていた怪人へ無慈悲に突き刺さる!
「グェーーーッ!」
 響き渡る怪人の悲鳴!舞い上がる土煙!なお、キマイラ女性には当たっていないのでご安心ください。
「やりましたの!?」
 向こうの砂浜でビーチフラッグスの2回戦が始まった。
「ンンン……コスプレンヌッ!ビィィィンム!」
 土煙の中から、声と共にキラリ光ったモノ——カメラレンズから光線が放たれる。当たった対象を強制的にコスプレさせるそれにシェルティリアは反応できず——。
「きゃっ!……なんですのこの恰好!?」
 当たった次の瞬間、シェルティリアはリボンを手に持ち、新体操用風のレオタードに身を包んでいた。ピチピチかつ、ハイレグなソレは、シェルティリアの豊満な肉体を惜しげもなく強調している。
「ンン~~~!逸材発見ッ!」
 光の剣でハリネズミのような有様になっていた怪人だが、素晴らしいコスプレの完成度に興奮した勢いで光の剣を全て抜き、かさかさと素早い動きでローアングルを確保する。ついでにポーズを指定するのも忘れない辺りそつがない。
「か、身体が勝手に…こんな恰好屈辱ですわ!あぁ!撮らないでくださいまし!」
 その柔らかな身体でY字バランスを取るシェルティリア、怪人が指示していないにも関わらず空気を読んで身体に巻き付いて食い込むリボン。
「素晴らしい!とてもいい!フヒヒヒ!」
 気持ち悪い笑い声を放ちながら連写をし続けるコスプレ怪人アングラーローは、動きを止めるユーベルコードを当てながら、逆に動きを止められている状況に陥っていたが、恥ずかしさのあまり涙目になったシェルティリアにはそういったことを考える余裕はなく、一刻も早く解放されたいとただ願うのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ハルツ・ノウゼン
【POW】
コラーッ!もー何やってるのキミ!勝手にひとの服を変えちゃダメ……あれ?カメラ?!わーっすごいすごーい!ねえねえっその頭、どうなってるの?本当に写真が撮れるの?動画は?撮ったらどうするの?容量は?撮った写真を消したらどうなるの?記憶も消えちゃうのかな?分解(バラ)して良い?あっでも、もしかして倒したら普通のカメラになっちゃうのかな?……ざんねんだなあ。
(大斧を片手で振りつつ目を輝かせながら怪人の周りを回り、唐突に『怪力』で『吹き飛ばし』)

○強制コスプレ光線受けた場合
「うわぁあっ何これー!やだやだハルツの服、返してよ!」
(『怪力、力溜め、鎧砕き、吹き飛ばし』を用いて大斧で怪人を殴ります)



「コラーッ!もー何やってるのキミ!」
 強制コスプレ光線を受けた猟兵を撮影することに夢中になっているコスプレ怪人アングラーローへ、ハルツ・ノウゼンはぷりぷりとした様子で怪人へ詰め寄る。
「フヒヒヒ!当然、迸る熱いパトスを解放して……」
 連写を止めずに答えようとする怪人だが、答えは聞いていないとばかりにハルツは続ける。
「勝手にひとの服を変えちゃダメ……あれ?カメラ?!」
 注意を続けようとしたところで、怪人の頭部がデジタルカメラになっていることにやっと気づいたハルツ。
「わーっすごいすごーい!ねえねえっその頭、どうなってるの?」
「本当に写真が撮れるの?動画は?撮ったらどうするの?」
「容量は?撮った写真を消したらどうなるの?記憶も消えちゃうのかな?」
 ガジェッティアとしての性か、ハルツは怒っていた様子から一転して無邪気にマシンガントークを放ち、怪人を質問攻めにしていく。
「エッ、アッ、その……」
 質問を続けながらも、怪人の周りをぐるぐると回り、じろじろと無遠慮に見ていくハルツの片手には大斧が握られている。物騒なソレがぶんぶんと振るわれ、気が気でない怪人!元々コミュ力はそこまで高くない怪人は困惑のあまり硬直してしまう。
「分解(バラ)して良い?あっでも、もしかして倒したら普通のカメラになっちゃうのかな?……ざんねんだなあ。」
「っほ……ホアアアオッ!」
 やたら強いパワーでどつかれながら呟かれた言葉に身の危険を感じたのか、奇声を上げてコスプレ化光線とポーズ指定催眠音波を乱射する怪人。

 辺りが眩しく光り、やがて収まると、ハルツは作業着からスクール水着に変身していた。胸部には白地の布に黒いペン文字で「はるつ」と書かれている。
「フゥッ……!正直ちょっとチビりかけたけど、コイツも逸材だぜ……!」
 やりきった顔で冷や汗を拭う怪人は己のコスプレ力に震えている。
「正直ちょっとどうかと思ったけど、ロリすら俺のシャッターからは逃げられない……!」
「幼女にまでコスプレの餌食にするなんて……なんて恐ろしい怪人なんだ……!」
「はぁはぁ、よくやっ……げふんげふん、おまわりさんが怖くないのか……!」
 年齢守備範囲外だろうと見境無しな怪人に、恐れおののくオーディエンスのキマイラ達。あ、おまわりさんこっちです。

 と、そこでしばし呆然とした様子で自身の変化した服装を見下ろしていたハルツが我に返る。
「うわぁあっ何これー!やだやだハルツの服、返してよ!」
 着ていた作業着は、故郷の仲間達と一緒に作ったハルツ専用の大切な作業着だ。ハルツは思わず目の端に涙を浮かべる。
「ウッ……!」
「ウッ……!」
「ウッ……ふぅ……!幼女の泣き顔……!」
 ちょっとかわいそうで心臓を押さえる怪人とキマイラ。おまわりさんこいつです。
「うわああん!」
 半泣きのままハルツは大斧を思いっきり振りかぶり、腰を入れてフルスイング。
「エッ、ぐわあああああああ!」
 不意を打たれた形、斧が腹にクリーンヒットして吹っ飛ぶ怪人。ぐずるハルツ。そしておまわりさんに連れていかれるキマイラ。混沌に包まれる砂浜を舞台に、戦いは続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラヴィ・パラッツォ
【POW】

ムムッ!ソノお顔…モシヤ、イヤ!モシカシナクテモ!生キ別れタ兄さんデハナイデスカ!?ワタシニ兄はイマセンがソノ単眼ハ間違いナクn(ry(コスプレ化光線を浴びてしまう)
…イヤァー!兄さんにロボットをコスプレサセル趣味がアッタナンテ!!ミンナが見テル前でソンナ大胆ナ!アッ…デモこの視線がナンダカ…カ・イ・カ・ン【恥ずかしさ耐性】

デハワタシの兄弟愛ヲ受け止メテいただきマショウ!チェーンソーと草刈り鎌ニヨル二刀流【二回攻撃】デ届ケ!コノ想イ!
最後ハ【ラブエクスプロージョン】デ兄さんニワタシの愛ヲ伝えマス!
兄さん…コノユーベルコードハ自爆技ト見セかけてワタシは無傷ナンダ…サヨナラ…兄さん…。



「ウググ……幼女恐るべし……!」
 砂浜に頭から突っ込んだコスプレ怪人アングラーローは、猟兵にやられたお腹を押さえながら頭を振って砂を落としていた。
「ムムッ!ソノお顔…モシヤ、イヤ!モシカシナクテモ!」
 そこに現れたのはとにかく四角い単眼のウォーマシン、ラヴィ・パラッツォ。怪人のデジタルカメラヘッドを見て雷を受けた様子のラヴィ、はて、こんな知り合い居たか?と首を傾げる怪人に。
「生キ別れタ兄さんデハナイデスカ!?」
「エッ!?」
 爆弾発言に固まる怪人。
「(弟!?なんかめちゃくちゃ四角いけどこの人俺の弟なの!?っていうか俺に弟なんていたの!?)」
 ぐるぐると怪人の中で思考が巡る。
「ワタシニ兄はイマセンが」
「(エッ、居ないの!?でも俺のこと兄さんだって……???)」
「ソノ単眼ハ間違いナク兄」
 支離滅裂な発言に振り回され、混乱の極致に居る怪人はつい頭を抱えて、意図せずシャッターを押してしまう。放たれるコスプレ化光線とポーズ指定催眠音波。眩しい光が迸り、視界を白く染め上げる。
 やがて、世界は色を取り戻し、そこには……変わらない四角さのラヴィがいた。バニースーツを着て。
「…イヤァー!兄さんにロボットをコスプレサセル趣味がアッタナンテ!!ミンナが見テル前でソンナ大胆ナ!」
 悲鳴を上げてその四角い体を隠すように腕を抱くラヴィ。
「箱にコスプレ……?」
「上級者向けすぎる……!」
「しかも兄弟で……バニースーツのコスプレを……?」
「コフッ……!」
 ざわざわと騒がしくなるオーディエンス、やべーやつ的な目で見られた怪人は、目の前のグロテスクな光景(本人談)に思わずレンズの隙間から吐血する。
「アッ…デモこの視線がナンダカ…カ・イ・カ・ン」
 どうやってやっているのかわからないが、くねくねとした動きをするラヴィに、怪人は視覚的暴力を喰らい、ダメージのあまり膝をつく。ポーズを指定するだけの余力もない。
「デハワタシの兄弟愛ヲ受け止メテいただきマショウ!」
好機と見て、体の内部からチェーンソーと草刈り鎌を取り出したラヴィは、膝をついた怪人——兄さんを滅多切りにしていく。
「ま、マテ弟よ!あ、いや弟じゃないが!ここは兄さんのためを思って止めてくれないか!いや兄じゃないが!」
 だが、悲しいことに怪人の制止はラヴィには届かない。
「イイエ、止マリマセン!コレハ愛故ノ行イデスカラ!」
 届け、この想い!そう叫んで怪人へ抱き着いたラヴィは、集音マイク元にそっと囁いた。
「兄さん…今カラ放つコノユーベルコードハ自爆技ト見セかけてワタシは無傷ナンダ…サヨナラ…兄さん…。」
 ラヴィの愛が大爆発を引き起こし、怪人諸共木っ端みじん……と見せかけて自分だけ無傷でそっと戻ってくる。
「チャオ……」
「ず、グワーーーッ!」
 ラヴィの別れの言葉に続くように、怪人の叫びが砂浜に響き渡った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルナ・ステラ
嫌な予感もしますが、人の楽しみを台無しにする怪人を放っておけません!

なんか不気味な笑いですね...
えっ!?
『魔女っ子のコスプレもいいが、控えめな胸な君にはもっと相応しい衣装がある』
って、これはコスプレじゃないですよ!
しかも、何気に失礼な事を言われてる気が...

きゃあ!!眩しい...
ー服が!?
うぅ...これは巫女さんですか?
でも、なんか丈が短いし、着崩れてる...
『ポーズ取って』
って嫌で...!?動けないです!!

何で下から撮ってるんですか!?
恥ずかしいよぅ...
やめてください...

ーあれ?今なら動ける?
撮影に夢中になっている隙に【高速詠唱】でUCを!!
覚悟してください!

アドリブ・絡み等歓迎です



「そこまでです!」
 猟兵たちの攻撃を受け膝をつく怪人を、ルナ・ステラ(星と月の魔女っ子・f05304)は油断なく見据える。
「ゴホッ、ごほっ……フ、フヒヒヒ」
 爆発で全身を煤けさせ咳き込む怪人に、追い打ちをかけるような新たな猟兵の登場。しかし、コスプレ怪人アングラーローは嬉し気に笑みを深めた。
「なんか不気味な笑いですね……」
 そこはかとなく嫌な予感を感じつつも、ビーチに来た人々の楽しみを台無しにする怪人を放ってはおけないルナは、魔法の箒『ファイアボルト』を構える。
「魔女っ娘コスプレ……イイ。フリフリの衣装に大きなリボン、月や星の意匠がそのコンセプトを如実に表している。わかりやすく可愛らしい、魔女っ娘には重要な要素だ……いいセンスだ……!」
 俯いてぶつぶつと呟く怪人は、突如顔を上げてルナに強い語気で語り掛ける。
「しかしだ!魔女っ娘のコスプレもいいが、控えめな胸な君にはもっと相応しい衣装がある!控えめな胸の君には!」
 大事なことなので2回言いましたとばかりに強調した怪人。
「これはコスプレじゃないですよ!」
「フヒヒヒ!問答無用!」
 レディに胸の話を振るとても失礼な怪人に、ムッとしながらも反論するルナだが、怪人の中では既にコスプレさせることは確定事項。不意打ち気味にカメラレンズより放たれた強制コスプレ光線がルナを襲う。
「うぅ……これは巫女さんですか?でも、なんか丈が短いし、着崩れてる……」
 フラッシュの眩しさから視界を取り戻したルナは、ファンタジーな魔女っ娘衣装から一転、和風のミニスカ巫女服に身を包んでいた。
「ンンン~~~!マーベラス!!いいよいいよ!ポーズもとっちゃって!」
 自分好みのコスプレに大興奮の怪人は、喜び勇んでポーズを指定し、砂浜を頭からスライディングしてローアングル撮影のポジショニングをする。
「何で下から撮ってるんですか!?恥ずかしいよぅ、やめてください……うう……嫌なのに動けないです!」
「おほー!素晴らしい眺めだぁ!この見えるか見えないかの瀬戸際、魅惑の絶対領域……!よしんば見えちゃってもそれはそれでオイシイ……!」
 恥ずかしがるルナを撮る怪人は、完全に自分の世界に入ってしまっている。ポーズを指定されていて全く動けないルナだが、ふとあることに気づく。
「(あれ、動けないけど喋れるなら……)覚悟してください!……お星さんたちわたしに力を! 悪しきものに降り注げ! シューティングスター☆」
 高速詠唱により、怪人が反応する間もなく放たれた魔法、光の流れ星が砂浜に横たわる怪人に降り注ぐ。
「エッ、ウオッ眩しっ!……グオッフエッッ!」
 流れ星がモロに腹に直撃してしまった怪人は、強烈な腹パンを受けたような痛みに悶絶して砂浜を転げまわるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

赤星・緋色
え、なんか変なのが出てきた
とりあえず放っておくと皆んなが被害もらいそうだし退治しておこ

今回もガトリングの出番かな
今度使う属性弾は雷属性!
なんかカメラだし電気とかが効きそうっていうかそんな予感

コスプレさせられても私はあんまり困らないかな
バーチャルキャラには普通なのかも?
一応技能で恥ずかしい耐性はあるんだけど
私が着てるスチームパンク衣装の時点で何となくコスプレ感あるし
ポージングはコスプレ衣装でガトリング構えるのとかどうかな
構えるだけじゃ無くて、そこのカメラっぽい怪人は撃つんだけどね!

近くで他の猟兵が戦ってたら援護もするよ


セイス・チェイナー
フィンさん(f00295)と行動

…なんか変わった人だね。なるほど、あれが変態か。
でもほら、ね?戦わないといつまでもあの変態がいるんだよ?
困るでしょとか言いながら何気なく前へ押し出す

戦闘中はバトルキャラクターズとフィンさんに任せて後ろでがんばれーとか応援
フィンさんが技を受けていたらバトルキャラクターズに声援を送らせる
わー、可愛いーとか面白そうに笑いながら十分にからかってから正気に戻す
自分が受けた場合はやけにナルシストちっくなポーズをとる
戻ったら、真顔になってバトルキャラクターズに全力で攻撃させる
…何も見なかった、いいね?データも廃棄してね?ね?


フィン・クランケット
セイスさん(f09751)と参加
【SPD】
うわあああああ!!! 変態ですぅううううぅ!!!!
や、やなんですけどぉ!私あの人と戦うの!!とかセイスさんに泣きつきます

うぅ…分かりましたよぉ
戦えばいいんでしょう、戦えば…っ
サクサクっと膾にして、海の藻屑にしてやるんですからぁっ
UCを発動
人をポーズで固める貴方こそ、カッチンコッチンになっちゃってください!

敵の攻撃を受けたら、(衣装はノーお色気でお任せします)
あれ…何か、はれ??私、可愛く撮ってもらってる…!?(おめめぐるぐる)
はぅっ、いけない、やっぱりあの人危険です…!
早急に倒さないとっ

セイスさんが洗脳されたら、生温くにこってして撮影してから助けます



「なるほど、あれが変態か」
お腹を押さえて砂浜を転げまわる変態——コスプレ怪人アングラーローを見て、セイス・チェイナー(バーチャルキャラクターのバトルゲーマー・f09751)は納得したように頷く。
「うわあああ!見るからに変態ですぅうう!や、やなんですけどぉ!私あの人と戦うの!!」
 よほど怪人に近づきたくないのか、セイスに泣きついているのはフィン・クランケット(蜜柑エルフ・f00295)だ。
「でもほら、ね?戦わないといつまでもあの変態がいるんだよ?困るでしょ?」
 背中に隠れようとするフィンを優しく諭して引きはがすと、さり気なく背中を押してフィンを前へと押し出すセイス。
「うぅ…分かりましたよぉ……!戦えばいいんでしょう、戦えば…っ!サクサクっと膾にして、海の藻屑にしてやるんですからぁっ!」
 流れで自然と前衛を務めることになってしまったフィンは、目の端に涙を浮かべながらも開刀『幻世』を構え、怪人へと斬りかかる。
「そういうわけだから、頼んだよ」
 セイスの生み出した15体の戦闘用ゲームキャラクターも、フィンに続いて怪人へ飛び掛かって行く。

「お……おっふ。フ、フヒヒヒ……ヘヴィーな一撃だったが……まだ俺は満足していないぞぅ!」
 身体はボロボロ、お腹を押さえた状態の満身創痍な怪人だが、コスプレへの飽くなき欲望が彼の身体に力を与える。セイスの応援をバックにフィンの薙刀と、バトルキャラクターズたちにより繰り出される連撃を避け、耐えながらも、怪人は渾身のユーベルコードを放つ。
「お前に相応しいコスプレは決まった……!」
 ずびし、と指をさした怪人の強制コスプレ光線によって、フィンの衣装はセーラー服へと変化し、(はち)じゅうななさいJKへと変貌を遂げる。
「追撃のセカンドフラッシュゥ!」
 纏わりつくバトルキャラクターを振り切るように、流れるようなスライディングでローアングルを確保した怪人。ポーズ指定催眠音波により、動きが多くチラリズムを刺激されるようなポーズを取らされつつも、撮影されると気持ちよくなる催眠によってフィンは徐々に抵抗心を無くされていく。
「フヒヒヒ、いいよいいよぉ!お前は最高のコスプレイヤーだ!」
「わー、可愛い可愛いー」
『カワイイ!』『ウヒョー!』『似合ウ似合ウ!』『見エ……見エ……』『BBA無理スンナ』
「あれ…何か、はれ??私、可愛く撮ってもらってる…!?」
 はたしてどっちの味方なのか、けらけらと笑いながら褒めちぎるセイスと、それに同調するようにめいめいに声援を送るバトルキャラクターズ、撮られる気持ちよさによって徐々に正常な判断能力を奪い取られ、目とアホ毛を回しながらも段々と積極的になっていくフィン。

「ローアングラーさんの最強コンボが決まったぁ!」
「撮ったな!海入ってくる。」
 外野のキマイラが好き勝手に盛り上がる中、駆け付けた赤星・緋色は撮影に夢中になった怪人へガトリングガンの『ミニさん』の銃口を向けると、躊躇なくトリガーを引いて撃ち放つ。
「放っておくとみんなが被害もらいそうだし、ここで退治しておかなきゃだね」
「ぐおおお……あがががが!?」
 今回、緋色が選んだ属性弾は雷属性、デジタルカメラヘッドの怪人だし何となく効きそうという安直な理由で選ばれたそれは、しかして怪人へ絶大なダメージを与えた。ヘッド裏の液晶が一瞬ブラックアウトし、再点灯。動作は問題なく、強制コスプレ光線も放てる。だが――。
「カードが……認識できません……だと……!?」
 慌てて頭のカートリッジから記憶媒体たるカードを取り出し新しい物と交換した怪人だが、古いカードは磁気の部分が焦げ付いており、もう使用することができないと一目でわかる状態だった。
「オオ……オオオ……!!」
 これまで撮影してきた数々の黄金にも勝る宝……戦果たるベストショットの数々が無慈悲にも一瞬で失われ、嘆きと共に絶望に沈み、崩れ落ちる怪人。

「さて、頃合いだね。」
 セイスは強制効果が解けながらも催眠により未だポーズを取り続けるフィンの耳元で手を一叩き、小気味いい炸裂音が響く。
「はうっ!はれ……?」
「おはよう、可愛かったよ。」
 我に返り、ぼんやりとした様子で周りを見渡すフィンは、セイスの言葉に段々と状況を理解してきたのかその顔を真っ赤に染める。
「やっぱりあの怪人は危険です…!早急に倒さないとっ!」
 威嚇するようにアホ毛を荒ぶらせ、フィンは詠唱を開始する。
「『魂すらも凍てつき砕ける。この森の命は斯くも儚き』」
 じりじりと熱い日差しと大地に、涼やかな潮風が吹く常夏の海岸が塗り替えられていく。常夏から常冬へ、フィンを中心に怪人を飲み込む凍てついた世界に、氷の花弁が舞い散る。
「『Valkoinen hautakivi』」
「オオオ……何たる、何たるうううう!」
 宝を失った喪失感による怒りで怪人が立ち上がるが、既にその勝負は決していた。吹雪と共に飛来した凍てついた氷の花弁が怪人を切り裂き、触れた所から次々と凍らせていく。
「俺にはまだ撮りたいコスプレが沢山あるんだ……!こんな所で負けるわけには……!」
 まだ見ぬコスプレに向けて手を伸ばす怪人だが、伸ばした手すら凍り付く。
「せめて、せめて最後に……縦セタ眼鏡のちょっとエッチで優しい家庭教師のお姉さんコスをオオオオッ!!」
 ——叫びも虚しく、ついには身体の全てが凍りついた怪人。
「人をポーズで固める貴方は、カッチンコッチンになるのがお似合いです!」
「ひっさーつ!」
 とりゃー!とセイスのバトルキャラクターズを引き連れ薙刀で完全なる止めを刺しに行くフィンを、『ミニさん』による命中重視のセミオート射撃で援護する緋色。
 氷像と化したコスプレ怪人アングラーローにそれを防ぐ術はなく、あまりにもあっけなく、その尽きぬ欲望ごと砕かれるのだった。

「これで一件落着だね。」
 一歩引いた位置で怪人が砕かれる様子を見ていたセイスは呟きの後、その手に持ったカメラに視線を落とすと、からかいがいのあるいいネタを手に入れたと、これからのことを思ってくすくすと楽し気に笑うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『ドキッ!?猟兵だらけの水泳大会!』

POW   :    健康的な水着姿を披露/体力を生かしたパワフルな泳ぎに挑戦!

SPD   :    スタイリッシュな水着姿を披露/技巧を駆使したクールでテクニカルな泳ぎを魅せる!

WIZ   :    気品あふれる水着姿を披露/ペース配分を考慮したクレバーな泳ぎで挑む!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

セイス・チェイナー
フィンさん(f00295)と行動するよ

さっきはあまり見る暇なかったけど、これは壮観だねぇ
これが海かぁ…
へぇ、泳ぎも得意だなんて意外だな…ん?見たことないよ?

んー、まぁ、そうかも?(抵抗せずについていく)(泳ぎ方のデータはインストール済み)
本当に水も塩辛いんだね…うん、泳ぎ方のコツも掴めたかな?面白いね、潜ってもみようか?潜水ってこうやるんだよね?
…あぁ、ほら、中も綺麗だよ(手を引いてみようか、海の中を見せるために。綺麗なものは共有したいから)

ん?何を探してるの?
…あー、うん、なるほど、うん(言ったのは僕のバトルキャラクターズだけど、言わない方がいいかなこれ)
まぁ、うん、気にせず泳ごうよ


フィン・クランケット
セイスさん(f09751)と海遊びですっ
【SPD?】
わーい!海です!!
私、こう見えて旅商人っ
生まれは森ですが、泳ぎも海遊びも得意なんですよぉ~
セイスさんは海来たことあります?

ない!
それはすっごぉ〜く損をしてますよぉ
まぁまぁ、何事も百聞は一見に如かず
一緒にレッツスイミングです~
(ふふふ、さっきの弱みをカナヅチセイスさんで挽回するのです)(黒蜜柑)
セイスさんをつれて沖にざぶざぶ
ん?何か普通に泳いでますね?
ぶーぶー、ずるい!

でも、手を引かれたら素直に潜り
わー!すごい綺麗ですねぇ!と、不満も忘れてにこにこ
今日は満喫しましょうねぇ

※遊びついでに、さっきどさくさ紛れに「BBA」呼びしてた方を探します!



 怪人を打ち倒し、平和を取り戻したリゾートビーチ。
「わーい、海です!」
海遊びにテンションが上がった様子で、波打ち際へ向けて駆けていくフィン・クランケットを、セイス・チェイナーはゆっくりとした足取りで追いかける。
「さっきはあまり見る暇なかったけど、これは壮観だねぇ。」
 人工の海とはいえ、旧人類の技術力が惜しみなくつぎ込まれたそれは、本物と比較しても謙遜ないほど美しく雄大な景色だった。
「そうか、これが海かぁ……」
 セイスはしみじみと呟きながらも歩み、やがて波打ち際で立ち止まったフィンに追いつく。フィンは心なしかジトっとした目つきで、きょろきょろと周囲を見渡し、何かを探していた。
「ん?何を探してるの?」
「さっき私をどさくさ紛れにBBA呼ばわりしていた方です!どんな方だったかはわからないですけど、言われたことはちゃーんと覚えてますからねぇ~!」
 少しばかり根に持った様子で犯人を捜すフィン。
「…あー、うん、なるほど、うん。」
 実の所、それを言ったのはセイスの召喚したバトルキャラクターズの一体であり、心当たりどころの話ではない。
「まぁ、うん、気にせず泳ごうよ。」
 これから海遊びという時に、あえて言うことでもないと判断したセイス。フィンも海遊びの方に気が向き直ってきた様子。
「私、こう見えて旅商人っ!生まれは森ですが、泳ぎも海遊びも得意なんですよぉ~。セイスさんは海来たことあります?」
「へぇ、泳ぎも得意だなんて意外だな…ん?見たことないよ?」
 電脳世界の住人な上、過去の記憶がないセイスにとって、人工とはいえこれが初めての海となる。
「ない!それはすっごぉ〜く損をしてますよぉ。」
 何事も百聞は一見に如かず、とりあえず一緒に泳いでみるべしと腕を引っ張るフィンに、生返事を返しつつ抵抗せずについていくセイス。
「(ふふふ、さっき握られた弱みをカナヅチセイスさんで挽回するのです!)」
 入水し、沖へ沖へと引っ張りながら黒い笑みを浮かべるフィンの予想では、初めての泳ぎで沖まで連れていけば、セイスは悪戦苦闘するだろう、となっていたのだが——。
「うん、泳ぎ方のコツも掴めたかな?面白いね、潜ってもみようか?潜水ってこうやるんだよね?」
 最初はぎこちない動きながらも、スポンジが水を吸うように凄まじい速度で上達していくセイス、それもそのはず、電脳世界を通して事前に泳ぎ方のデータはインストール済みなのである。
「あれー?何か普通に泳いでますね?ぶーぶー、ずるい!」
 バーチャルキャラクターであるセイスならではの手段、初心者詐欺とも言えるその方法を生身のエルフが察知できるはずもなく。
「……あぁ、ほら、中も綺麗だよ。」
 そう言って手を引くセイスに、ささやかな目論見が失敗に終わり、不満そうに文句を垂れながらも素直に従い、澄み渡るコバルトブルーの海へと潜るフィン。
 潜った二人を迎えたのは、色とりどりのサンゴ礁と、鮮やかな体色の小魚たち。差し込む日の光は水中で柔らかなカーテンのように広がり、幻想的な光景を作り出している。
 しばし、ゆらゆらと漂ったまま時を忘れて見入る二人、息継ぎのために水面へと
上がると、先ほどまでの不満はどこへやら、綺麗な光景に目を輝かせ、ニコニコ顔のフィン。
「ねえ、次はあの辺りまで行ってみようか、大きなサンゴ礁が見えたから、もっと綺麗なものが見れるかもしれない。」
「いいですよぉ!よーし、今日は満喫しましょうねぇ!」
 あそこまで競争です!と勢いよく泳ぎ出すフィンを、マイペースに追いかけるセイス。
二人の海遊びは始まったばかりだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シェルティリア・ヴァーシュ
アドリブと絡み歓迎ですわ!

「うぅ…屈辱でしたわ…」
大した活躍も出来ずにただ浜辺で新体操をしていた自分が情けないです
しかし、終わりは終わり!
そして念願のビーチバケーションです!

「このウサを晴らしますわ!」
このために買っておいた新品の水着を着てリゾートを満喫します!
水着は白を基調に金で縁が彩られた豪奢でセクシーなビキニ
浜辺でゆっくりと休んでみたり、泳いでみたりと存分に自由に楽しみます!
ハプニングなんてない…ですよね?


ルナ・ステラ
もうさっきの怪人さんみたいなのはいないですよね...?
恥ずかしい思いをしました...
気を取り直して、海岸リゾートを楽しみましょう!

すごい綺麗な海ですね!
泳いでみたいですが...
海で泳いだことがないので、どのような格好でどのように楽しめばよいのかがいまいち分かりません...
歳の近そうなキマイラさんか猟兵さんに聞いてみましょうか

水着というものを着て海に入ればよいのですね...(どんな水着かは、聞いた相手によって変化?)

冷たくて気持ちがいいです♪
海には動物もいるんでしたっけ?
イルカさん、鯨さん、お魚さんなど...一緒に楽しめるかな?


ハルツ・ノウゼン
ぼくの作業着っ!!ちゃんと戻ってきた……良かったぁあ……!これ、ぼくの宝物なんだ。えへへっ、もう離さないからねー!

えっ、水着?……水着って、さっきぼくが着せられたやつだよね?……やだ!ゼッタイ、やだ!着ない!ぼくはゼッタイ着ないからね!!だってあの服?スースーして落ち着かないんだもん!!

(作業着を捲って波打ち際辺りで水遊びします)


ラヴィ・パラッツォ
ホワッホッホッホ!兄ヨリ優レタ弟ナド存在シマセン!ツマリ兄さんはワタシの弟だったのデスネ!弟もイマセンガ!
是非皆サンに私ノ水着姿(ハイレグ)ヲ披露シヨウと思ッタのデスガ、何故か止メられたノデ断念シマショウ…。
マ、ワタシはロボなので普段カラ裸みたいなモノですガネ!ホワッホッホッホ!

恥ズカシながらワタシのボディは防水仕様ではアリマセンので…どなたかこの『防水コーティング剤』を塗ッテクダサル?(周りにアピール)

防水加工ガ完了シタナラバ、レッツスイミング!
【ラブラヴィッツ】モ呼ビ出シて華麗にシンクロナイズ!
ソウイエバ、ワタシの体ハ1トン以上アルシ浮力もナイし、水泳ノ経験もナカッタヨウナ…(沈みながら)


赤星・緋色
へいへいへーい、ここは私の華麗でエクセレントスピーディな泳ぎを披露しなきゃかな!
うん。そんな感じのなんやかんや

この浜で猟兵最速のタイムで新記録を叩き出すよ!
記録があるかどうかは知らないけどね
あとついでに猟兵水泳のタグがあるやつで再生数の一番とかも
という訳で泳ぐのは任せろー
うぉぉぉぉぉぉっ!

一通り泳ぐの楽しんだらリゾート的な楽しみ方もしておこ
ほら形から入ったほうが楽しいかもだし
ビーチパラソルの下、サングラスかけて、トロピカルなフルーツの盛り合わせでのんあるカクテルで
なんか、そんなかんじ!



 ●
「うぅ……屈辱でしたわ……」
「恥ずかしい思いをしました……」
 シェルティリア・ヴァーシュとルナ・ステラの二人は、平和を取り戻した砂浜で顔を覆っていた。怪人との戦いにおいて、光の剣や流れ星により怪人の身に物理的な傷を刻み、その打倒に大きく貢献した二人だったが、その過程で受けたコスプレ攻撃によって羞恥心に大きなダメージを負っているのだ。
「ぼくの作業着っ!!ちゃんと戻ってきた……良かったぁあ……!これ、ぼくの宝物なんだ。えへへっ、もう離さないからねー!」
 顔を覆って俯く二人とは対照的に、大切な作業着が戻ってきたことに安堵と喜びの声を上げるハルツ・ノウゼン。
「嘆いても仕方ないですわ、色々ありましたが、終わりは終わり!後悔は後にして、まずは念願のビーチバケーションです!」
「……そうですね!気を取り直して、海岸リゾートを楽しみましょう!」
 その無邪気な姿に少し癒され、気持ちを切り替えた二人だが、すぐにでも海に、というわけには行かなかった。
「とは言ったものの、海で泳いだことがないので、どのような格好でどのように楽しめばよいのかがいまいち分かりません……」
 海そのものが初めてなルナにとって、ビーチでの楽しみ方はもちろん、どんな服を選べばいいか、右も左もわからない状態だ。
「どんな服を着ればいいか……ですの?そうですわね……私の着ている水着はルナさん向きではありませんし、もっと可愛らしい水着がいいと思いますわ。」
 近くにいる猟兵の中で一番ビーチ慣れしていそうなシェルティリアの着ている水着は、グラマラスな身体をより魅力的に見せる、白を基調に金で縁が彩られた豪勢なデザインの三角ビキニだ。この日のために新品をバッチリ準備して来ている辺り、その気合の入りようが伺える。
「水着というものを着ればいいのですね。……確かに、シェルティリアさんの着ている水着は私にはちょっとセクシーすぎる気がします……ハルツさんは水着を着ないんですか?」
「えっ、水着?……水着って、さっきぼくが着せられたやつだよね?……やだ!ゼッタイ、やだ!着ない!ぼくはゼッタイ着ないからね!」
 可愛らしい水着といっても、どういったものかイメージがつかないルナは、年の近いハルツに話を振ってみるが、水着=スースーして落ち着かない服、という認識で水着を着たがらないハルツでは正直参考になりそうもない。

「うーん、どうしましょう……」
 水着と言ってもどんなものがあるのか、とりあえず売店へ見に行ってみるのも手かと歩き始めたルナの視界に、キマイラ達の人だかりが映る。
「なんでしょう?」
 気になって人だかりの隙間から覗き込んだルナの視線の先、そこには一つの四角い箱——怪人と戦った猟兵の一人、ラヴィ・パラッツォが鎮座していた。
「ホワッホッホッホ!兄ヨリ優レタ弟ナド存在シマセン!ツマリ兄さんはワタシの弟だったのデスネ!弟もイマセンガ!」
 相変わらず意味不明かつ支離滅裂な言動で怪人戦の振り返りをしながらも、握手を希望するキマイラ達に囲まれたラヴィは、箱から手を生やして応じていく。このままでは無限に続いてしまいそうなため、適当な所で一区切りつけたラヴィは、ボディから琥珀色の液体の詰まった瓶を取り出した。
「サテ、ソロソロ海へ泳ぎに行キタイのデスガ……恥ズカシながらワタシのボディは防水仕様ではアリマセンので…どなたかこの『防水コーティング剤』を塗ッテクダサル?」
 妙な口調で周りへアピールしたラヴィ、気分はサンオイルを塗ってと懇願する水着の美女である。
「えっ、どうしようか」
「握手はしてほしいけど塗るのは何か抵抗が……」
「手をあげちゃってもいいのかな?」
 だが、憧れの猟兵に液体を塗りたくっていいのか、がっついて手をあげるのもな、一人だけ抜け駆けするわけには……等々、キマイラ達に様々な心理が働いた結果、平等に誰も手をあげないというラヴィにとって予想外の事態に発展してしまう。
「ウーン、コノ結果はワタシの目をモッテシテも読めマセンデシタ!」
「あの、私が塗りましょうか?」
 困ったラヴィに、様子を見ていたルナが不憫に思ったのか塗る役を買って出る。
「オオ!アナタは兄さんの毒牙に掛カッテいたルナさん!」
「変な覚え方しないでください!」
 もう、呆れながらも防水コーティング剤を塗り進めるルナ。ウォーマシンたるラヴィの身体は相応に大きい上、正六面体のボディであるため塗る面積が広い。瓶の液体を全て使ってやっと塗り終えたルナはふと、当初の目的を思い出す。
「実は……」
「ホウ!ドンナ水着を選べば良イカ迷ッテイルのデスネ?任セテクダサイ!」
 ダメで元々、試しに聞いてみると、意外にも自信ありげなラヴィ。「フーム」とその単眼を動かしてルナを上から下まで流し見たラヴィは、突然自身の内部収納スペースをごそごそとあさり始める。
「ハイ!コレデス!」
 収納から抜き出し、高く掲げたラヴィの腕の先には——エグい角度のハイレグ水着(女性用)。
「オット失礼、間違えマシタ。コレハ是非皆サンに私ノ水着姿ヲ披露シヨウと思ッテ用意シタのデスガ、何故か止メられたノデ断念シタノデス。」
 ラヴィの四角い体でどうやってハイレグ水着を着るのか、そもそもなぜ女性用なのか、疑問は尽きないが、とりあえず止めた奴はよくやった。再び収納をあさり始めたラヴィに不安を覚えつつも見守るルナ、今度こそはと取り出したラヴィから渡されたのは。
「わぁ、かわいいです!」
 ふんわりと可愛らしい青い水玉のフレアビキニに思わず警戒していたルナも顔を綻ばせる。
「最後マデカワイイ路線とセクシー路線で迷ッテイタ甲斐がアリマシタ。ソレは差し上げマショウ!」
「いいんですか?」
「コーティングのオ礼デス!ホワッホッホッホ!さあ、防水加工モ完了シタコトデスシ、レッツスイミングデス!」

 ラヴィの身体から足が生え、その四角い体が持ち上がる。さあ、海へ——と、そこへ砂浜全体に拡声器によるアナウンスが入る。
『ただいまより、本日開催の水泳大会の受付を開始します!泳ぎに自信のある人もない人も、集まれー!猟兵さんも大歓迎!ぜひ参加してくださいね!』
 ビーチバケーションは、始まったばかり。

 ●
『さあ本日もやって参りました!ドキッ、キマイラだらけの水泳大会の時間です!なんとなんと、今回は猟兵さんたちもいっぱい参加してくれます!これはドキッ、猟兵だらけの水泳大会に名を改めるしかないですね!』
「ここは私の華麗でエクセレントスピーディな泳ぎを披露しなきゃかな!」
 ハイテンションな実況の声が響く中、気合十分といった様子で赤星・緋色は準備体操を行う、大事。
「思いっきり泳いでウサを晴らしますわ!」
「ホワッホッホッホ!」
「……私、泳ぐの初めてなのにどうしてここに居るんでしょう?」
「みんながんばれー!」
 多くのキマイラでごった返すスタート地点には、シェルティリアにラヴィ、初心者のルナも居るが、流石に作業着で参加するわけにはいかなかったのか、ハルツは応援組だ。
『さあ、いよいよ運命のカウントダウンが迫って参りました!』
 水泳大会の内容は単純明快、沖にある、目印となる浮袋ラインまで直進し、引き返してくるだけ、一番早かった者が優勝だ。
『いちに着いてー……用意——スタートでーす!』
 実況の合図と共に発砲音がなり、参加者が一斉に前へ前へと泳ぎ始める。
『おーっと早い!早速先頭集団が出来上がっていくー!先頭を泳ぐのは——赤星・緋色選手とシェルティリア・ヴァーシュ選手の二名だぁーっ!流石現役の猟兵です!水泳大会常連のキマイラに負けない……いえ、それに勝る勢いです!!』
「新記録を叩き出して、この浜最速の猟兵の称号を貰っていくよ!」
「いいえ、優勝するのは私ですわ!」
 猛然とした泳ぎで、並みいるキマイラ達をグングンと追い抜き先頭を引っ張る緋色と、それを追うシェルティリアによって、熾烈なデッドヒートが繰り広げられる。

「タダ泳ぐダケではツマラナイデスネ、カモン!ラブラヴィッツ!シンクロナイズ!」
 少しばかり出遅れたラヴィも、自身そっくりの小さな機械人形達と共に海へと入る。
「パフォーマンスにヨル芸術点はイタダキデス!」
 水泳大会にそういったパフォーマンス評価制度はない。
 勢いよく飛び込み、潜水と浮上を繰り返しながらシンクロナイズ泳法を行おうとしたラヴィだったが……。
「ソウイエバ、ワタシの体ハ1トン以上アルシ浮力もナイし、水泳ノ経験もナカッタヨウナ……?」
 沖まで進んで今更気づいた事実、意外と泳げてしまったせいで足もつけず、沈んでいくラヴィ、ラヴィッツ達も機械人形な上、浮力がないため同じく沈んでいく。
『おーっと、ラヴィ選手沈んだーッ!コレ大丈夫なんですかね!』
 防水コーティングはされているため大丈夫だと思います。多分。

「冷たくて気持ちがいいです♪」
 一方その頃、集団の流れには乗らず、というより乗れず。ルナはゆっくりと水に慣れながら泳いでいた。
 
『さあ、折り返し地点も過ぎ、ゴールまであとわずか!試合は赤星選手とヴァーシュ選手の二人の独走状態となっています!流石猟兵です!水泳大会の公式配信が過去に類を見ないほどの再生数を稼ぎ出して時間帯トップに躍り出ていることからもそのすごさがわかります!』
「うぉぉぉぉぉぉっ!」
 ラストスパートをかける緋色、それに負けじとシェルティリアも速度を上げる。
「抜きましたわ!……きゃっ!」
『おっとぉ!トラブル発生か!?シェルティリア選手が止まったぁーッ!』
 速度で勝ったシェルティリアが緋色を追い抜き、その勝利を確信した瞬間、水着の紐が緩み外れてしまったのだ。咄嗟に抑えてポロリは防いだが、その隙は致命的だった。
『ゴォォール!熾烈な勝負を制し、優勝の栄冠を手にしたのは猟兵の赤星・緋色選手です!』

 ●
 大会も終わり、後は各々が自由にゆったりと過ごす時間に。
「くう……最後のアレがなければ……悔しいですわ!」
 ビーチパラソルの下で、ゆっくりと休みながらも先ほどのハプニングを引きずるシェルティリア。
「あれは運が悪かったねー。まあ今回は運も実力の内ってことでひとつ。」
 一つ隣のビーチパラソルには、優勝者である緋色が、サングラスをかけてビーチチェアに背中を預けている。傍らのテーブルにはマンゴー、バナナ、パイナップルにドラゴンフルーツなど様々なトロピカルフルーツの盛り合わせがあり、ブルーハワイのノンアルコールカクテルが添えられている。
 サングラスに遮られた緋色の視線の先の波打ち際では、ルナが大会中に遭遇しいつの間にか仲良くなっていたイルカを連れ、ハルツと二人と一匹でビーチボールで遊んでいる様子が見える。
「んー、なんか。」
 照り付ける日差しをパラソルで防いだ熱いような涼しいような空間で、思いきり運動した後の心地よい疲労感に包まれる。ノンアルカクテルのグラスをゆらゆらと揺らしながら一言。
「海―、って感じ!」

 広がる青空、四角い箱のような形をした雲から、ホワッホッホッホ……と聞こえた気がした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月16日


挿絵イラスト