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JAEGERS - DESTROY - PRIME

#ヒーローズアース #猟書家の侵攻 #猟書家 #デストロイ・プライム #アームドヒーロー

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#アームドヒーロー


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●INVADE - LAGRANGE - POINT
 ヒーローズアースの大気圏外に存在する、衝突した宇宙船群の上に築かれた文明――ラグランジュポイント。侵略者の時代、宇宙からの侵略者を撃退した「重力の罠」であり、1999年7月のジャスティス・ウォー、そして2019年11月のアースクライシス2019を経た今では、侵略者の奴隷だった善良な人々が、超テクノロジーを活用し住処としている文明である。
 ラグランジュポイントでは、その重力に引かれて様々な物体が飛来する。それらの全てはアームドヒーローのヒーローチーム「マグナス」により観測され、適切な処理により秩序が維持されていた。
「マグナス1よりディクシーチーム、13時31分、ポイント187に飛来物が確認された。現地にて状況を調査せよ」
『ディクシー・マグナス7了解。13と共に向かいます』
『ディクシー・マグナス11了解。合流は現地で』
『17了解、同じく現地合流だ』
 アームドヒーロー・マグナス1はコンソールを叩き、飛来物の解析データに目を通す。飛来物の画像は小さな機械の塊、動力反応無し、最寄りの定点観測カメラは角度を上げ、機械塊が周囲の構造物を手足のように組み上げていく様を映し――。
「ディクシーチーム! ポイント187への進入を中止せよ! この飛来物は特別対処を――」
『マグナス7、13、敵襲を受け交戦中!』
『11交戦中! 数が多すぎる! 撤退どころじゃないわ!』
『17交戦中、機械の魔法少女とか、いつからここはニッポンになったんだよ!』
 マグナス1の耳に飛び込む通信は、いずれも「飛来物への特別対処」で済まない異常事態を告げていた。
「各員、応援を向かわせる! 『フィールド』の形成まで持ち堪え――」
『――る必要はない』
 マグナス1の言葉に被せるように、ノイズに塗れた機械的な声が返答した。マグナス1の視界の隅で、モニターの向こうの「飛来物」の顔は、確実にマグナス1を見下ろしていた。マグナス1が「飛来物」を見上げたのを確認し、飛来物――デストロイ・プライムは告げる。
『特別な日などない。全ての日は、スナークが全ての命を摘む日だ――』
 その言葉を残し、スピーカーはビープ音の中に沈み、ブラックアウトしたモニターには一面に、赤色の文字で規則正しく、ただ一種類の単語が羅列された。

『SNARK』

●GRIMOIRE - BASE - JAEGERS
 グリモアベースの猟兵達は、全身を密着する薄手のフィルムスーツ――ラグランジュ・スタイルの上にヒーローズマントを羽織ったグリモア猟兵の少女、カグラ・ルーラー(バスバリス・f21754)の前に並んでいた。
「よし、大体集まったな。それじゃ、俺の視た予知を言うぜ。例の『世界を喰らう骸の月』とかいう月の陣取りゲームを仕掛けて来やがった連中、猟書家(ビブリオマニア)の一匹、ヒーローズアースのラグランジュポイント侵攻幹部『デストロイ・プライム』のヤマだ」
 カグラの右手の上に浮かぶグリモアには、様々な構造物が巻き上がる竜巻の中で眼光を光らせるデストロイ・プライムが映る。
「こいつをボコりゃ済む話なんだが、いくつか問題があってな。まず、ラグランジュポイントは宇宙にあるだけに広大で、かつ未知のテクノロジーがゴロゴロしてるもんで、この光景がどの辺なのか見当が付かねェんだ。このままテレポートしても、適当なところに飛ばされて態勢も整わねェまま一方的にボコられ各個撃破されんのは目に見えてる」
 カグラはグリモアの映像を切り替え、青・黄・赤色の光の翼を生やした、機械の身体の少女達を映し出す。
「次に、幹部の『デストロイ・プライム』は、テメェの強化パーツとして、機械の魔法少女を呼び寄せながら居住区の住民を襲わせてやがる。こいつらは人々に危害を加えるのは勿論だが、幹部と合体すると光の翼の出力がオブリビオン・フォーミュラのユーベルコード並みに跳ね上がり、ラグランジュポイントを丸ごと薙ぎ払うような超兵器に化けるんだ。このアマ共を先に一匹残さず潰さねェと万一の勝ち目も無ェ。だが――」
 グリモアの映像は視点を移し、アームドヒーロー達を映し出した。
「アマ共は、このラグランジュポイントの超兵器(オーバーテクノロジー)を管理するアームドヒーローチーム『マグナス』と交戦になる。交戦地点は飛び交う通信から割り出せるから、俺はあんたらをそこにテレポートする。管理者たるマグナス・チームはこの辺の地形を熟知してるし、ラグランジュポイントに散らばる宇宙史的に重要なアイテムを共振させて『キャンセル・フィールド』を作り、フィールド内の超兵器を弱体化させるユーベルコード『レゾナンス』の使い手だ。マグナス・チームに加勢してアマ共をスクラップにしてから、共闘で幹部をボコりに行ってくれ」
 さらにグリモアは映像を替え、居住区に溢れる「SNARK」の文字を映す。
「それと、ラグランジュポイントの居住区では、至るところで画面や音声が『スナーク』の単語を発し続け、アマ共の襲撃と合わせてスナークの名の元に恐怖を集めてやがる。住民の救助とかでは、スナークってのは猟兵組織『秘密結社スナーク』のことだと説明して安心させて、奴らの『スナーク』を上書きしてやってくれ。スナークは、俺らで実在させるのさ」
 カグラはグリモアの映像を消すと、グリモアの軌跡で空間に線を描き、フィルムに包まれた指を掛ける。
「以上が今回の喧嘩だ。ラグランジュポイントは重力も大気も地球並みに安定してっから、その辺を気にする必要は無ェ。それでも一応は宇宙だから、何かしらの気掛かりで準備がしてェなら待つぜ。俺が視た喧嘩だ、無闇矢鱈にゃ預けねェよ」
 新たな世界の危機を破壊するため、猟兵達の魂は動き出そうとしていた。


鷹橋高希
 オープニングが公開され次第プレイングを受け付けます。
 本シナリオは、「猟書家の侵略」に影響する幹部シナリオで、全2章となります。
 シナリオフレームによるプレイングボーナスは全章共通で、
「アームドヒーローのヒーローチームと共闘する、もしくは猟兵組織『秘密結社スナーク』の一員であると名乗る(敵がスナークの名の元に恐怖を集める企みを妨害します)」となります。

 共闘する「マグナス」(前述のヒーローチーム)の詳細は、アームドヒーローでありさえすれば、種族・年齢・性別等はお客様におまかせ致します(ナンバーは3桁までで任意。4桁は大所帯過ぎると思います)。
 使用ユーベルコードはオープニングでのカグラの言葉通り「レゾナンス」のみです。
 自身のエネルギーシールドジェネレーターの出力を代償に、宇宙史的に重要なアイテムを共振させて『キャンセル・フィールド』を作り、フィールド内の超兵器を弱体化させます。
 そのため、「レゾナンス」使用中は無防備になり、攻撃を受ければ即死し「レゾナンス」も解除されます。
 どんな地形か、どういうアイテム(実在・架空・トンデモ問いません)を共振させるか、どう「マグナス」を守るか、皆様のアイディアをお待ちしております。

 第1章は集団戦で、イラストの集団敵が機械化されたようなビジュアルをしています。これらはカグラの言葉通り「幹部のパーツ」であり、戦いながらも、なるべく建物の隙間等を使い逃走して「幹部との合体」を目指そうとします。ヒーローチームの戦闘力はそれほどでも無いですが、ラグランジュポイントの地形や超兵器を熟知しており、「敵を逃さない」戦い方ができるので、うまく連携しましょう。

 第2章は幹部です。第1章で全ての集団敵を倒していると、幹部はイラスト通りのビジュアルで現れます。逃していればそれだけパワーアップするので、ヒーローチームのメンバーに「強化された超兵器の停止方法」を聞き、実行する必要があります(それをしない限り、幹部は極めて強いです)。
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第1章 集団戦 『魔法少女戦隊・ウィッチスターズ』

POW   :    マジカルアップ(パッション)
【パッショナブルな魔法戦士の姿】に変身し、武器「【魔法のトンファー】」の威力増強と、【光のつばさ】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。
SPD   :    マジカルアップ(クール)
【クールな魔法戦士の姿】に変身し、武器「【魔法のレイピア】」の威力増強と、【光のつばさ】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。
WIZ   :    マジカルアップ(キュート)
【キュートな魔法戦士の姿】に変身し、武器「【魔法のアーチェリー】」の威力増強と、【光のつばさ】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。

イラスト:えんご

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

名雪・瑠珠
む、む、む…(カタカナに疎い文化育ちであることもあり理解に苦しんでいる)
最初は住民を襲ってる少女をぽこーん!するであるな
全部やっつけないと超兵器になる、ならば今は超兵器のことは考えなくていいであるよな
宇宙服は自由に動ける便利なものが全猟兵に支給されていると、以前受け取った
それを着て戦うのである

交戦地点に飛ばされるとマグナスが頑張っているのである
213とかなんとか…男の人のようである
すぐに割り込んで指定UCで少女をバシバシ潰すのである!
マグナス213、逃げ回る少女がどこを通りそうか教えてほしいである!

すなーく?
ははは!それはわたし達の呼び名である
連中はわたし達が乱入してくるのが怖いのであろう!



●POPCORN - POPCORN - POPCORN
「こちらマグナス213、第6新居住区にて交戦、敵多数!」
 アームドヒーロー・マグナス213は黄色い光の翼を生やして飛び掛かる機械の魔法少女戦隊・ウィッチスターズの黄色いトンファーを自動小銃で牽制しているが、徐々に居住区画内へ押し込まれていた。
(敵は銃火器を持たないようだが、住居内に入られては彼らの命はない……しかし、私一人では……!)
「ジャア、ソロソロヤッチャオウカナ☆」
 機械の魔法少女の一人が住居のドアに向け、トンファーを振りかぶる。マグナス213は止めようとしたが、彼にも黄色いトンファーが二対振りかかる。
「やめろ!」
 マグナス213が叫ぶ。それに応じるかのように、どーん! と轟音が響いた。轟音は、住居を狙った一機を、無骨な棘付きの金棒――ユーベルコード「グラウンドクラッシャー」が叩き潰した音だった。金棒は宇宙服に握られており、そのヘルメットの中には黒曜石の角と雪のような銀髪の羅刹、名雪・瑠珠(「ぽこーん!」募集中である!・f25092)の笑顔があった。
「マグナスよ、助太刀するのである!」
「この威力、猟兵か! 感謝する!」
「増援!?」
「強スギジャン! ぷらいむ様ノトコロマデ逃ゲルヨ!」
「逃がさんのである!」
 瑠珠は金棒を振りかぶるが、退避を決め込んだ黄色い翼は金棒をすり抜けていった。マグナス312は銃撃を加えて追い払い、区画内が静まると、住居から住民が顔を覗かせ始める。
「助かった。マグナス・チームとして礼を言います」
「まだ終わってないのである。かの逃げ回る少女達がどこを通りそうか教えてほしいである!」
「勿論です。では、サーチを開始しましょう。この区画は、ジャスティス・ウォー以前に建造されたスペースステーションをオーバーテクノロジーで改修したものであり、各居住区にあるターミナルからのアクセスによるリアルタイムモニタリングが可能です。非常時にはターミナル越しにレゾナンスを発動しキャンセル・フィールドを形成することもできます」
「む、む、む……?」
 明らかにヘルメット内が疑問符で満ちている瑠珠を見て、マグナス312は一つ手を叩いて言い直した。
「私達の思い通りにできます」
「それはすごいであるな!」
 瑠珠、即理解。
「しかし、ターミナルが『SNARK』を表示したまま操作を受け付けない、という事態を解決しないことには」
「すなーく? ははは! それはわたし達の呼び名である! 連中はわたし達が乱入してくるのが怖くて、そんな策を弄したのであろう!」
 瑠珠が笑うと、ターミナルからは「SNARK」の表示が消えた。

「ナンダカスゴク入リ組ンデタネ」
「猟兵モ追ッテ来レナイミタイダシ、アトハぷらいむ様ト合体スルダケ!」
「出口ダヨ。狭イカラ一人ズツ通ルヨ」
「前ニ誰カイルヨ」
「アノ棘ノ棒ヲ持ッタ人影ハ――」
「わ た し で あ る !」
 瑠珠の金棒が、ぽこーん! と気持ちよく反響し、一振りでウィッチスターズが砕け散った。
「マグナス213、猟兵と合流。これより非常事態の対処に向かいます。――あ、こちらです」
「おっと、そちらであるか!」

成功 🔵​🔵​🔴​

黒木・摩那
魔法少女を名乗る不届きもの。狼藉もそこまでです!

マジカルボード『アキレウス』に乗って登場します。

SNARKとは猟兵を召喚する言葉。
正しく発音することでその言葉は猟兵のもとに届き、呼びかけに答えてくれるという。
あ、このことは秘密ね。
と、まずは【言いくるめ】。

ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
ヨーヨーのワイヤーで魔法少女を捕らえて、UC【サイキックブラスト】でダウンを狙います。
そして、しびれた魔法少女を【敵を盾にする】しながら、次々と他の魔法少女達も落とします。
ヨーヨーの軌道は【念動力】で曲げて、回避困難にします。
そして、相手からの矢も同様に曲げて回避します。

マグナスには弱体化のUCお願いします。



●PRIME - YO - YO
 ヒーローズアース・ラグランジュポイントの居住区画では、ラグランジュ・スタイルの居住民の少年が扉でできた袋小路で扉を背に、赤い光の翼を生やして飛ぶ機械の魔法少女達に赤い光の弓矢を矧がれていた。扉にはタッチパネルが備わっているが、いずれも表示は「CLOSE」から「SNARK」に変わったきりで「OPEN」にはならなかった。
「魔法少女戦隊カラハ逃ゲラレナイヨッ♪」
「コレデ、終ワリダヨッ♪」
「開いてくれ! 『SNARK』とかそんなのいいから!」
 恐怖を顔に浮かべたフィルムスーツの少年に、機械音声でキュートに死を宣告する魔法少女戦隊・ウィッチスターズが赤い矢を放つ。その矢は全てフィルムスーツ――の前に飛び込んだマジカルボード『アキレウス』の裏面に突き立った。
「SNARKとは猟兵を召喚する言葉。正しく発音することでその言葉は猟兵のもとに届き、呼びかけに答えてくれるという」
「猟兵……?」
「そう。あなたの呼びかけ、届いたわ。……あ、このことは秘密ね」
 矢を受けたマジカルボードに乗ったまま旋回し黒髪を靡かせるのは黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)。摩那の言葉により「SNARK」の意味を知った少年がタッチパネルに視線を向けると、袋小路の扉が開く。
「私達が来たからにはもう大丈夫。お逃げなさい」
「ありがとう! 頑張って!」
 少年が扉をくぐり駆けていき、再び閉まると、摩那は空中でボードを起こし、眼鏡のレンズ越しにウィッチスターズを見据える。
「魔法少女を名乗る不届きもの。狼藉もそこまでです!」
「ひーろー、イヤ、猟兵ッ!?」
「大丈夫ダヨッ、タッタ一人デ何モデキルワケナイヨッ」
「アノ子モワタシ達ミタイニぷらいむ様ノ部品ニ――」
 機械魔性少女達がざわつく中、一体が赤い矢を矧ぐとその機械の細腕にワイヤーが巻き付き、その先に括られたヨーヨーがぶつかって金属音を上げる。
「キュートなお喋りはそこまでよ」
「キャアァアァア!」
 ワイヤーを高圧電流――摩那のユーベルコード「サイキックブラスト」が走り抜け、感電した機械の魔法戦士からは赤い弓矢と翼が消え、重力と摩那の飛行方向に引っ張られていく。残された少女達は赤い光を矧いで放つが、ヨーヨー『エクリプス』と共に巻き取られた機械の少女が摩那の前に躍り出て全ての矢を受け、崩れ去った。
「壊してくれてありがとね」
「アノ子強イヨッ!?」
「逃ゲルヨッ! ワタシ達ガぷらいむ様ト合体スレバ!」
「させません!」
 一斉に撤退に転じるウィッチスターズを摩那は『アキレウス』で追いつつ、念動力で巧みにヨーヨーを操って撃破していくが、逃げながらの矢が多く――念動力で曲げて当たりはしないが――離されつつあった。しかし、ウィッチスターズの前方地上からビームキャノンが放たれ、彼女達の飛翔は空中で停まる。
「逃がさんぞ! こちらマグナス250! 猟兵、支援する!」
「ありがとう! 『レゾナンス』お願いします!」
「了解だ。こっちも『ヨーヨー』を出す。トドメは任せたぜ!」
 マグナス250の『レゾナンス』は、宇宙船の隙間に埋まった数十センチメートルのアルミニウムの塊を浮かび上がらせる。それは共鳴を始めると、摩那を中心に衛星のように巡り、摩那が特に何も感じないままウィッチスターズだけが赤い光の翼と弓矢を失い、墜落していく。宇宙船の上に這いつくばった機械魔法少女は一矢報いようと全出力を弓矢に集中するが、全て摩那が打ち砕いた。
「マグナス250、猟兵と合流! 非常事態につき『57104』を使わせてもらう! ――助かったぜ、ありがとう」
「非常事態はこれからですよね。案内、お願いできますか」
「勿論だ」
 マジカルボード『アキレウス』に乗った摩那は、アルミニウム塊『57104』を担いだマグナス250と共にポイント187に向けて進み始める。

成功 🔵​🔵​🔴​

青原・理仁(サポート)
人間
年齢 17歳 男
黒い瞳 金髪
口調 男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)

性格面:
やさぐれ、ぶっきらぼう
積極的な人助けはしないが、見捨てきれずに手を貸してしまう

戦闘:
武器は使わず、殴る・蹴る・投げるなど、技能「グラップル」「怪力」を生かしつつ徒手空拳で戦う
構え方は古武術風

雷属性への適性があり、魔力やら気やらを雷撃に変換し、放出したり徒手空拳の際に纏わせたりします


バスティオン・ヴェクターライン(サポート)
戦闘スタイルは盾群付右義腕による【盾受け】や剣による【武器受け】で敵の攻撃の受け止め+気迫と鬼気迫る眼力で【恐怖を与える】事による敵の注意の引きつけ
護りに徹し味方に攻撃が向かないように立ち回る
集団戦の場合出来るだけ多くの敵を自分に引きつけるようにする、または自分を越えなければ先に進めない状況を作る。
UC【テリトリー・オブ・テラー】で広範囲を一気に威嚇したり、UC【フォーティテュード・フォートレス】で作った壁で通れる場所を制限したり、護りに徹するならUC【バリアブル・バリアー】で作った盾ドームで安全地帯を作ったりする

その他お任せ・他猟兵との絡みやアレンジ歓迎



●SIERRA - SHIELD - THUNDER
 ヒーローズアースのラグランジュポイントを襲う猟書家幹部「デストロイ・プライム」。その部品と化した機械の魔法少女「ウィッチスターズ」と、ラグランジュポイントの管理者たるアームドヒーローチーム「マグナス」の闘いは激しさを増していた。
「こちらシエラチーム! 増援はまだか! 数が多く頭上も取られていて分が悪い!」
「ふむふむ、三人ね。それなら何とかなるかな」
「誰だっ!?」
 シエラチームと名乗る三人のマグナスは背後から掛けられた声に一斉に銃口を向ける。その先に立つのは、彼らと同じように機械化された右腕を持つ男、バスティオン・ヴェクターライン(戦場の錆色城塞・f06298)。その大きな義腕には大量の盾を携えている。
「おっかないなぁ。俺は味方だよ。そして――」
 バスティオンの携えた盾が――ユーベルコード「バリアブル・バリアー」で――ひとりでに動き出すと、盾群が円蓋状に展開され、シエラチームを覆う。間もなく、トンファーが殴り付けるような音。シエラチームは振り返る。
「本当の敵に背を向けちゃいけないねぇ。ま、護ってやろうじゃないさ……護れる限りな!」
「この強力なユーベルコード……猟兵か!」
「助かる! 恩に着るぞ!」
「よし、反撃しよう! 猟兵殿、援護をお願いします!」
 この守りがあれば百人力と気概溢れ始めるシエラチームだが、無気力脱力系専守防衛おじさんのバスティオンは微妙な表情を浮かべ、ユーベルコードも解除しない。
「へ? 戦うの? 俺が? いやいや、ここは若い者に任せた方が良いって」
「そんな事を言っている場合では――」
 シエラチームの反論を遮るように、盾の円蓋を駆け上がる足音が響いた。
「ほらね」

「防戦一方のシェルターってとこか。なら――」
 潰れる前に俺が追い払うしかねぇ、と盾の円蓋を駆け上がるのは青原・理仁(青天の雷霆・f03611)。円蓋の頂点から飛び降りると、そのまま着地点に居座る、黄色い光のトンファーで盾を殴る機械魔法少女を蹴飛ばした。着地すると古武術風の構えを取り、周囲に展開する同じような機械魔法少女達を見遣る。
「サッキノおっさんダケデナクコイツモ猟兵!?」
「相手ハ聖者ミタイニ光ル男一人! 囲メバ終ワリダヨ!」
「柄じゃねぇんだよ! 聖者って言うんじゃねぇ!」
 理仁は黙れと言わんばかりの徒手空拳で殴って、蹴って、投げて、トンファーをいなしてと機械魔法少女を次々に沈めていく。
「チョット! コイツ強クナイ!?」
「一旦空中ニ退クヨ! コッチハ逃ゲタッテイインダカラ!」
 黄色い光の翼で飛び上がり、理仁の手の届かぬ空中へ逃れたパッショナブルな機械魔法少女達。しかし、彼女達は致命的な勘違いをしていた。理仁の光は雷光でもあることだ。
「逃がすかよ……食らいやがれ!」
 理仁が演武のように回し蹴りを繰り出すと、その足の軌道から無数の稲光――ユーベルコード「ライトニングバースト」が走り、魔法少女達を撃ち抜いた。機械の身体を雷光で焼かれ、光の翼を失い墜落していく彼女達は、二度と起動しないまま、理仁と盾兵が護り通したマグナス達により一掃された。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ネオン・キャメル(サポート)
『楽しませて頂戴ね。』 
西洋妖怪の神器遣い×ウィザード、女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 嘘をつく時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
 戦闘では、ウィザードロッドを用いて魔法のUCを使用して
戦う事が多いです。
また、色々な事に興味津々で、楽しそうな事柄には
積極的に関わろうとします。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


緋月・透乃(サポート)
『今日も元気に食べて楽しく戦おうね!』
 人間で22歳の女性です。
いつも元気で、強敵との戦闘、食べる、スリルを味わうことを好みます。

基本的に自分の楽しみのために行動し、敵味方問わず他人の心情等には配慮しません。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用します。
戦闘では真っ正面からの突撃を好み、負傷は気合いで耐えれば良いと考えています。
戦闘以外のことも大体気合いと力でなんとかしようとします。
脳筋です。

武器は主に『重戦斧【緋月】』を使用しますが、他の武器の方が有効そうならそちらを使用することもあります。

クロムキャバリアでも生身で戦います。

不明な点はおまかせします。よろしくお願いします。



●SPACE - MUSEUM - WOMEN
 猟書家幹部「デストロイ・プライム」が侵攻するのは、ヒーローズアースの大気圏外、ラグランジュポイント。衝突した宇宙船群の上に築かれ、その重力により今なお様々な超テクノロジーのアイテムを寄せ付ける博物館とも呼べる地で、激しい闘いが繰り広げられていた。
「こちらタンゴチーム、マグナス10! 分断された! 応援を!」
 この地を管理するアームドヒーローチーム、マグナスの一人は、光の翼で飛翔する機械化された魔法少女「ウィッチスターズ」に包囲されていた。黄色く光る翼の前衛は同じく光で出来たトンファーでいつでも格闘戦に持ち込める構え、さらに後衛は赤い翼とアーチェリーで光の雨を降らせる用意が出来ていた。
「ヨーシ、ジャア殺スヨ! ミンナ、カカレーイ!」
 機械魔法少女の一機が発したパッショナブルな号令で、前後左右上方から飛び掛かるトンファーに、マグナス10がせめて一太刀と自動小銃の引き金を引く――よりも速く、超高速で飛来した何かが機械魔法少女達を殴り飛ばし、同型機に叩き付けた。
「いっぱいいて戦い甲斐があるね! それじゃ、今日も元気に食べて楽しく戦おうね!」
 飛来したのは、和風の大斧を左手一本で軽々と担ぐ、赤いマイクロビキニの女性――緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)。アームドヒーローをして桁外れと言えるパワー、そして奇抜とも言える格好。つまり彼女は――。
「猟兵か! 有難い!」
「はい次! まだまだ戦い足りないよ!」
 とにかく強敵と戦いたい透乃にマグナス10の感謝が届くかどうかのタイミングで、透乃はどこからか人参を取り出し、美味しそうに平らげて飛翔し、頭上に浮かぶトンファーの機械魔法少女に人参の残り香を振り撒きながら――ユーベルコード「沢山食べよう!」による――空中戦を仕掛けた。黄色い光の翼を吹かしたまま大斧に殴られた機械魔法少女は、姿勢制御もままならぬ間に同型機と衝突し次々と墜落していく。

「ぱっしょんゆにっとガ攻撃サレテルヨ!」
「コッチモ攻撃スルヨ!」
 目下の乱入者に向けて赤い光のアーチェリーを構えるウィッチスターズ・キュートユニット達。彼女達が矢を放つ――前に、炎の魔法の矢が数体の身体に突き刺さり、ノイズのような悲鳴を上げながら跡形もなく燃え尽きた。機械魔法少女達が構えたアーチェリーを解いて周囲を見渡すと、特別速いわけではないものの、飛んで接近する何者かの姿。
「まるで博物館のようなこの地を壊す真似は許せないよ」
 その姿は、箒型のウィザードロッドに脚を揃えて横乗りで飛翔し、ゴシックなドレスと黒髪を靡かせる赤い瞳の少女、ネオン・キャメル(西洋妖怪の神器遣い・f27957)。機械化された魔法少女達よりも魔法少女らしい姿で、ウィザードロッドからほうき星のように50本弱の炎の魔法の矢――ユーベルコード「ウィザード・ミサイル」を展開するネオンは、自分を狙う攻撃の流れ弾が地上に行かぬよう、機械魔法少女達よりも上へ飛ぶ。
「アノ子カラ倒スヨ!」
「さあ、楽しませて頂戴ね」
 魔法少女達の撃ち合いが始まると、ネオンは大気を操作して大量のアーチェリーを一本も受けずに躱していく。一方、ウィッチスターズはネオンが放つ一本一本の炎の矢を躱せず、次々と燃え落ちていった。

 たった二人の応援で窮地を切り抜けたマグナス10は、彼女達に礼を述べた。
「私達も目的があるのよ。『デストロイ・プライム』という――」
『マグナス1より全マグナス! ポイント187の飛来物の異常反応が増大している! 猟兵もそれの対処が目的と聞いている! 猟兵と合流しつつ、大至急現場に急行せよ! オーバー!』
「……そういうことか。では案内しよう。頼むぞ、猟兵」
「強敵との戦いだね! 楽しみ!」

 マグナス達に導かれ、猟兵達は敵陣の拠点へと歩を進める。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『デストロイ・プライム』

POW   :    グラウンド・ゼロ
単純で重い【足や尻尾】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ジェノサイド・ブラスト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【全身のビーム砲】から【破壊光線の雨】を放つ。
WIZ   :    トリニティ・バースト
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【悪】属性の【破壊光線】を、レベル×5mの直線上に放つ。

イラスト:aQご飯

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ミネルバ・アレキサンドリアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●BLUE - YELLOW - RED
 猟兵達はヒーローズアースのラグランジュポイントを侵攻する猟書家幹部「デストロイ・プライム」を倒すため、この地の超兵器を管理するアームドヒーローチーム「マグナス」と共に、幹部の部品として機械化された魔法少女戦隊・ウィッチスターズを撃破、あるいは居住区住民を救助し、各地からデストロイ・プライムの待ち受ける地――ポイント187へと集結する。
 ポイント187に辿り着いた猟兵達を待ち構えていたのは、ほぼグリモア猟兵の予知した通りの姿のデストロイ・プライム。三つ首の額に一体ずつウィッチスターズの機械魔法少女がうつ伏せで組み込まれているのを、猟兵達は見逃さなかった。
「来たか猟兵。しかし書に記された結末は変わらない。全ての日は、スナークが全ての命を摘む日だ――」
 デストロイ・プライムの発した「スナーク」に反応するかのように、三つ首に組み込まれた機械魔法少女は急激に――それぞれ青・黄・赤色に――発光する。
「いかん! 全員伏せろ!」
 叫び、飛び出したのはマグナス1。自身のアーマーに仕込まれた隠し腕を展開し、三つ首をまとめて上空に向けさせる。その直後、機械魔法少女の光の翼が上空に放たれ、三色が混じり合い虹のように宇宙の彼方へ伸びていった。程なく虹は消え去るが、虹の麓で三つ首を押さえたマグナス1もまた、足だけを残して消えていた。
「マグナス1、信号ロスト……!」
「これは強すぎる。我々も死を覚悟せねばならないな……!」

「猟兵よ、よく聞いてくれ。我々は宇宙的なアイテム、あるいは我々自身を奴の周囲で同時に『レゾナンス』し、上位効果の『テセレート・フィールド』で奴を覆う。これならば奴の『虹』をも封じられるだろう。しかし、このフィールドは我々も動けず無防備になる。奴も『虹』のみが攻撃ではあるまいし、『フィールド』の仕組みも悟るだろう。我々はこの地を守るためなら命など惜しくないが、猟兵はそうではないはずだ。奴の立ち回りには充分に気を付けて欲しい」

「では行くぞ。我々が愛する、誇りのこの地のために」
 凶々しい虹の麓で、猟兵達、そしてマグナス・チームの決死の戦いが始まる。
双海・忍
銀色のキャバリアで出撃します。(コクピット内の本人の服装はメイド服)
「例え相手が強大でも、みんなが力を合わせて戦えばきっと勝てます。」「いざとなったら、この機体でアームドヒーローさん達をかばいます。」
【POW】で攻撃です。
攻撃は、無敵斬艦刀を構え【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡め【限界突破】した【一撃必中】で、『デストロイ・プライム』を攻撃します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】【盾受け】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも、ダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。



●SILVER - SHOOTING - STAR
「例え相手が強大でも、みんなが力を合わせて戦えばきっと勝てます。参りましょう」
 アームドヒーロー達のバイザーに小さなウィンドウがポップアップし、メイド服の上にシートベルトを締めた少女――双海・忍(人間のクロムキャバリア・f04566)が映し出され声を発した。彼らマグナス・チームの通信チャンネルを通じて語り掛けた忍は、彼らの頭上を翔る銀色の人型兵器――キャバリア・シルバースターのコックピット内で彼らの士気溢れる肯定を聞いていた。
(いざとなったら、この機体で彼らをかばいましょう)
 彼らは死を覚悟している。しかし、だからといって何もせず死なせるわけにはいかない。猟兵である忍は、その力を駆っている。
「双海・忍、シルバースター、先行します」
 彼らのバイザーに映らないストッキングとハイヒールの爪先にあるペダルを踏み込むと、シルバースターは銀色の光の翼を広げ、キャバリアよりも巨大に組み上がったデストロイ・プライムへ吶喊する。
 デストロイ・プライムは高速接近する反応に対し、自らの構造物の重火器や構造物自体を発射するが、異世界の最精鋭機――クロムキャバリアであるシルバースターは、忍の操縦桿とペダル捌きで縦横無尽に空間を翔け、最適解としての被弾は銀色の大盾とサイキックエナジーの翼で防ぐ。だが、それらを牽制にして飛来するキャバリアを超える質量の塊、宇宙ステーションの一部位がシルバースターに衝突した。
「呆気ないな猟兵――」
「残念、それは残像です」
 宇宙ステーションに押し流されていく機影は銀色の光の粒子となって散り、粒子が風に靡くように連なった先には、その粒子の源である銀翼で翔けるシルバースター。
「時間稼ぎは済んだということだ――」
 デストロイ・プライムは、それぞれ青・黄・赤色に発光する三つ首の額をシルバースターが翔ける宙域に向けていた。忍はコックピット内に鳴り響くロックオン・アラートを振り切ろうとするように機体を操り、時にフェイント機動も仕掛けるがアラートは鳴り止まない。レーダー上に映る射線予測範囲の二本線は遠く、エネルギー反応インジケーターによる損傷率予測パーセンテージは五桁を数えてなお上昇が止まらない。シルバースターはやがて、デストロイ・プライムの頭上で制動した。
「せめて地表に撃たせまいとするか。健気だな猟兵。ならば望み通り星屑と変えてくれる――」
 三色の光は極限とも言えるほど光り輝き、「虹」が放たれる――前に光は急激に収束していく。
「時間稼ぎが済んだのはあなただけではありません」
 忍はコックピットのモニターに映る、デストロイ・プライムを取り囲むマグナス達と、彼らのユーベルコード「レゾナンス」により生成された「テセレート・フィールド」によりエネルギー反応インジケーターが急速に減少する様子を確認し、ペダルを踏んで急降下する。
「確実に当てます……はぁぁぁぁっ!」
 急激なGに対抗するかのように上げた裂帛の声と共にトリガーを引く忍。シルバースターはキャバリア用の日本刀を抜き、ロックオン・サイトに捉えたデストロイ・プライムの本体目掛けて「一撃必中」――忍のユーベルコード――の斬撃を浴びせ、流星の如く銀閃と共に翔け抜けた。
「ぐっ……!」
 デストロイ・プライムは本体中枢を僅かに避けたが、切断された上半身は傾ぎ、地表のマグナス達を――そのユーベルコードを見る。
「貴様らの力か……!」
 自身の絶対的な力を封じたアームドヒーロー達に、デストロイ・プライムは忌々しげに尻尾を振り下ろす。彼らは死を覚悟している。しかし――。
「させません!」
 その間に忍がシルバースターを割り込ませ、大盾を翳す。強大な運動エネルギーを受け止めた銀色の大盾には次第に亀裂が走るが、大盾が砕け散るのとほぼ同時にシルバースターは尻尾を払い除ける。
「済まないな猟兵! 我々は『レゾナンス』のリチャージのため退がらせてもらう!」
「次は俺達だ! 凄いロボットだな! ニッポンのアニメみたいだぜ!」
(シールド消失、衝撃による駆動部の過負荷が認められるも自己診断上の損傷は軽微。まだ戦えますし、他の方の援護も可能そうですね。次は――)
 マグナス達の賞賛で賑わうコックピット内で、忍は次の手を考える。

成功 🔵​🔵​🔴​

緋月・透乃
ほー、いきなりぶっ放してくるとはやる気満々って感じだね!
あっさり一人葬った容赦の無さにもワクワクしちゃうね!
全力でぶつかって楽しい戦いにするぞー!

武器は重戦斧【緋月】を使うよ。
マグナス達が攻撃されるとまずいけれど、虹が無くても敵の攻撃は強そうだし、何より私の性に合わないから守りながら戦うようなことはしないよ。
私を先に倒さなければやばいと思わせるように、一気に突っ込んで極力間合いを離さずに、徹底的に攻め続けていくよ!できるだけ足や尻尾を狙って攻撃し、ダメージついでに敵のユーベルコードを弱体化させたいね。
いけそうな感じがしたら緋迅滅墜衝を胴体辺りにぶち込みたいね!



●SCARLET - LEFT - HAND
 マグナス達の間を縫って飛び出したのは、アームドヒーローの彼らとは対照的に肌を多く露出させた女性、緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)。
「いきなりぶっ放してくるとはやる気満々って感じだね! あっさり一人葬った容赦の無さにもワクワクしちゃう!」
 透乃はマグナス1の死をも敵の強さの指標と捉え、宇宙での活動にはあまりにも薄手過ぎるマイクロビキニとホットパンツに自身の誇るスタイルを包み、左手で和風の大斧――重戦斧【緋月】を担いでブーツで宇宙船外壁の大地を蹴り、デストロイ・プライムの懐に駆け込む。
「貴様らから摘み取ってくれる……!」
 一方、マグナス達のユーベルコード「レゾナンス」により「虹」を無力化されることを知ったデストロイ・プライムは、「レゾナンス」中で動けないマグナス達から亡き者にしようと左足を上げ、マグナス達を踏み潰す――前に右足に強い衝撃を受け、体制を立て直すべく右足を下ろし、マグナス達は塵と轟音を浴びただけで済んだ。
「よそ見してる場合じゃないよ! あんたの相手は私!」
 三つ首のうちの一つが声の方を見下ろすと、透乃が右足に取り付いて重戦斧を振り回している様が見えた。右足の構造物は打ち壊される度に元の形へと組み直ろうと集まるが、圧倒的な怪力と気合で攻め続ける透乃のペースには追い付いておらず、透乃はマグナス達を守るつもりなどないものの「攻撃は最大の防御」を体現する存在となっていた。
「鬱陶しい……! 猟兵、やはり貴様からだ……!」
 右足で自重を支えるのも不安定になりつつあるデストロイ・プライムは、左足と尻尾に重心を預けて右足を振り上げ、透乃の真上に振り下ろす。
「とりゃあぁー!」
 透乃は大股で踏ん張りを利かせ、両手で大斧を振り上げた。「テセレート・フィールド」を展開するマグナス達の見守る中、鋭い金属音で幕を開けた力比べは、デストロイ・プライムの右足、透乃の大斧、透乃が踏む宇宙船外壁と多数の金属が軋む音を奏で――。
「たぁぁーっ!」
 透乃が大斧を振り抜く形で決着した。デストロイ・プライムの右足は、多数の部品や金属片となって砕け散る。透乃はその金属の靄の中に右腕で目元を庇いながら跳び上がった。
「何だと……!」
 デストロイ・プライムにしてみれば、猟兵を屠るための本命の一撃――ユーベルコードを打ち砕かれたのだ。にも関わらず、その猟兵は尚も向かってくる。その理由など、一つしかない。
「必殺の左! 『緋迅滅墜衝』!!」
 透乃の――ユーベルコード名の――叫びと共に、溜めた腰の回転を乗せた左手一本での大振りな右薙ぎがデストロイ・プライムの胴体に叩き込まれる。その一撃は寄せ集まった金属の集合体を、薄氷のように易々と粉砕した。
「猟書家幹部だよね? まさかこれで全力じゃないよね? 全然足りないよ、次やるよ次!」
 大地に降り立ち、左手で大斧を担ぎながら、爛々と輝く緑瞳で透乃は、真っ二つになったデストロイ・プライムの胴体が新たな構造物で組まれていく様を見上げていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
マグナス1が往ってしまいました……
せっかくここまで来たのに。
残念ですが、救ってもらった命です。
ここで恩返しをせずに何をする、です。

さすがは猟書家幹部、強力です。
テセレート・フィールドはお任せします。

マジカルボードで移動しながら、すれ違いざまに魔法剣『緋月絢爛』で首を一閃。
傷を付けます【衝撃波】【鎧無視攻撃】。
そして、傷つけた首にヨーヨー『エクリプス』を絡めたところで、UC【獅子剛力】を発動。
首ごと本体を持ち上げ、振り回すことで、傷を広げて、首を落とします。

マグナス1のために首ひとつも獲っていきましょうか。



●WE - LIVE - FUTURE
「マグナス1は自身の命と引き換えに私達を救ったのですね……」
 その救われた命――黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は誓う。
 ――その恩を返さねばならない。それはつまり、摩那の出会ったマグナス250、この地に集まったマグナス・チーム……それだけではない、このラグランジュポイントの全ての命を、デストロイ・プライムから守り抜き未来へ繋ぐと。そうでなければ、マグナス1の死は報われないと。
「書に記された結末は変わらない。全ての日は、スナークが全ての命を摘む日だ――」
 その誓いを知ってか知らずか、猟兵達との度重なる交戦を経てなお牙の折れぬデストロイ・プライムは、改めて生命に対する脅威を自称する。
「確かにそれを為せるほどに強力です。それでも、そうはさせません」
「――だな」
 隣に立つマグナス250と頷き合い、摩那はマジカルボード『アキレウス』に乗り先行しつつ高度を上げていく。アルミニウム塊『57104』を担いだマグナス250は猟兵に続け、と他のマグナス達を率いて摩那を追った。摩那はデストロイ・プライムの首を狙い、懐に飛び込むタイミングを見計らうためその周囲を飛び回る。
「小賢しいぞ猟兵――」
 デストロイ・プライムは、三つ首の額を摩那に向ける。この三つ首を揃えなければならないのであれば、最も動きが小さいのは中央の首だろう。摩那は黄色い光を湛え始める頭を掠めるように飛び込み、細身の魔法剣『緋月絢爛』を振るう。刀身のルーン文字の輝きは、金属の塊である首にバターナイフを入れたかのように深々と入り、確かな深さを傷を刻んだ。
「追い付いたぞ! 各員『レゾナンス』! 『虹』を撃たせるな!」
 マグナス250以下マグナス・チームもデストロイ・プライムを囲み、次々とユーベルコード「レゾナンス」を発動する――よりも早く額の光を消し、尻尾を振り上げる。
「それを待っていた……貴様らからまとめて摘んでくれる――」
 マグナス達が動けなくなるのを狙って尻尾で薙ぎ払わんと巨躯を捻るデストロイ・プライム。無慈悲な質量の塊がマグナス達に襲いかかり――その頭上を通り過ぎた。そしてマグナス達が目にしたのは、デストロイ・プライム自体が持ち上げられる光景である。
 マジカルボードに摩那の細い脚を乗せる靴に取り付けられた、呪力型加速エンジン『ジュピター』。それが眩く光りフル回転し、先程の首の傷にヨーヨーを巻き付けて捕まえた摩那のユーベルコード「獅子剛力」により、その巨躯自体が彼女の「ヨーヨー」と化して空中で振り回される。
「あいつを持ち上げるのか……とんでもないな。各員中断! あれの墜落に備えよ!」
 最早「テセレート・フィールド」が意味を成さないほどの高高度で繰り広げられた「ヨーヨー」は、巻き付けられた首への食い込みが限界を迎え、遠心力のままにポイント187のさらに奥地に墜落する。本体と離れた首は、空中分解しながらラグランジュポイントの重力を振り切って宇宙の彼方に飛んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

名雪・瑠珠
むむ…目の前で誰かが死ぬのを見るのは辛いのである
もうこれ以上誰かを死なせたりはしないであるぞ!

覚悟しろデカブツ!
叫びながら突撃する
怒りはある、だがマグナスに考えが及びにくいよう自分が騒ぎ囮になるのだと冷静な考えも同居している
ジャンプして金棒を力任せに脚にお見舞いさせてやるのである

敵が足で攻撃してくるなら、わたしも足で応えようではないか
UC足棍!
敵の身体はでかい、当てやすいはずである
金棒で殴り弱らせた箇所を狙い、踏みつけてボロボロにしてやるのである
足を砕かれて転がってしまえ、である!

鉄の塊を踏み抜くのだ、わたしも痛いが知らん!
もっと命がけで戦っている者もいるのだ、痛いなど言ってられぬである!



●JAEGERS - DESTROY - PRIME
 ポイント187の奥地に、中央の首を失って墜落したデストロイ・プライムが巨躯を起こす。
「まだやるであるか?」
 金棒を突き付ける名雪・瑠珠(「ぽこーん!」募集中である!・f25092)は、マグナス213を始めとしたマグナス・チームを引き連れて問う。
「全ての命はスナークが摘む。あのヒーローもスナークが摘んだのだ。貴様らも――」
「その気なら……覚悟しろデカブツ! もう誰も死なせたりはしないであるぞ!」
 瑠珠は叫びながらデストロイ・プライムに向けて突撃する。
(しかし、こういうものでも手負いは怖いのである。怒りに駆られてばかりでは、本当に死なせかねん……! なれば!)
「たぁぁぁ!」
 マグナスに注意が行く前に跳躍して肉薄し、その勢いのままに金棒を振り抜く。あるはずの首を一つ失って全体に狂いが生じているのか、金棒を受けた脚部は容易に砕け散り、デストロイ・プライムは再び倒れ伏した。最後の悪あがきのように、二つだけの首の額を赤と青に光らせるが、それはマグナス213達のユーベルコード「レゾナンス」により封じられ――ることなく眩さを増していく。
「何だと……まさか!」
「全ては『ミストレス・バンダースナッチ』のためだ。道連れにしてくれる――」
 無理矢理にでも額のパーツを動かすため、全てのエネルギーを集中させるデストロイ・プライムは、首二つと本体を残し瓦解していく。
「させぬである!」
 ならば先に本体を潰さんと、元々あった三本目の首から内部に飛び込む瑠珠。金棒を投げ捨て、ユーベルコード「足棍」で本体の小さな機械の塊目掛けて踏み進むが、それを拒むように身体の機械は狭まり、引っ掛かった宇宙服は裂け、瑠珠の肌も傷を帯び、痛みに顔が歪む。しかし、
「もっと命がけで戦っている者もいるのだ! この程度、痛みとは――」
 足元の禍々しく赤黒い明滅を繰り返す小さな機械を睨み付け、
「言わぬ!」
 足袋をも裂かれながら、直に踏み抜いた。その瞬間、二つの首が湛えた光は消え失せ、デストロイ・プライムの最低限を構成していた機械群も重力に従い崩れ落ちていく。
「異常反応の消失を確認! 状況終了です!」
「やったであるな! あたた……」
 機械群の向こうで起こる勝ち鬨に瑠珠も笑顔を覗かせるが、足が傷だらけで痛み、しばらく出られなかった。

 その後、ポイント187は「ポイント・マグナス1J(ワンジェイ)」と改称され、今後もアームドヒーローチーム・マグナスにより管理されていくこととなる。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年12月29日


挿絵イラスト