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慈悲の無い悠久の龍は

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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 男が目を覚ました時、そこは何というか、異様な光景であった。
 一見して創りは洞窟、ないしは迷宮を模した場所。そこに、普通ならば置いてあるはずのない物が置いてあったのだ。それも一個や二個でなく、たくさん。
「……なんだ、これは」
 普段目にしないであろうそれを拾い上げつつ、男は興味津々と辺りの有様を眺める。右手でつまみ上げていたのは、1冊の漫画本。それを筆頭に、みかんやこたつ、ゲーム機、カードが点在。
 よくよく目を凝らして周りを見ていくと、なんとそこにはベッドばかりか、スイーツビュッフェ、漫画喫茶……実に数多の娯楽が、その迷宮には散らばっていたのだ。
 なぜこんなものが、と男は問いを投げかける間もなく、ふと後ろを見て数人の子供を視界に認めた。年はそれなりに行っており、なにやら話し込んでいるようで。まるでそれは、見たことのない何かに好奇心を奪われているような、学び人のような感じがしたものだから。
「そうか、アルダワ魔法学園か」
 蒸気と魔法の世界に存在する究極の地下迷宮アルダワ。もし視ている光景に間違いがなければ、ここで起こらんとしている未来の出来事にも想像はつくわけで。
 しかし不幸にも数人の女生徒がこの娯楽を見つけて、すぐにその誘惑に取りつかれる。
「わあっ、この漫画私が読みたかったやつだ!」
「ちょっとうるさい、漫画読むよかゲームやりましょゲーム」
「あ~ん、こたつ気持ちいい~」
 色とりどりの音が男の耳に届く中で、ふと迷宮の奥深くに、視界の端に見えた光の眼光がある。
「なるほどな、おおよその見当がついた」
 姿を現した北方のドラゴンを認め、静かに確信の音色を呟く男は、やがて意識をとぷりと闇に浸からせるのだった。

「……まさに、慈悲もない誘惑だ」
 仕方ない、と目を覚ました糸井・真海はグリモア猟兵として、ゆっくりと姿勢を正す。ぽつりとグリモアベースのどこかに立てかけてあった椅子に座りながら寝て、ゆったりと夢を見ることが真海の日常である。
「アルダワ魔法学園においては、地下迷宮が厄介事の種らしいな。その種子の一つが、今にも花を咲かせそうだ」
 独り言はやがて、言の葉としての重みを増す。丁度居合わせていた猟兵たちが静かな音を聴き逃さないので、真海の周りには人々の集まりが出来ていた。
「学園迷宮の一つで、探索している学生を襲撃するオブリビオンがある。…ただ、これがどうにも面倒なものでな」
 初め、そこには誘惑の数々があるのだという。チャームなど魔法的なものではなく、まさに心理的にも魅惑的にも学生たちの心を掴んで離さない娯楽の数々が点在すると真海は続けるのだ。
 そしてそれは確かに、恐ろしい罠である。
「一度誘惑にはまってしまえば抜け出すのは難しいはずだ。だというのに、オブリビオンはわざわざそれを狙って学生たちを襲撃すると来たものだから…慈悲も何もそこには無い。このまま行けば、あるのは確実な死。それだけだ」
 勿論、それを防ぐためにこの猟兵たちがいることを真海が忘れるはずはない。その力を信じているから、真海もグリモア猟兵としての支援を全開にする。
「俺がテレポートでその近くまで運んでやる。もっともそれが俺にできる唯一のことで、直接的に手を加えることはできないが…お前たちなら、難しくはないだろう?」
 そう言って、僅かに生じる疼きと猟兵としてのプライドの狭間に立つ男は不敵に笑ってみせる。今回の悪に徹底的なまでの鉄槌を下してくれるのは、間違いなく猟兵の勇気と知恵なのだ。
「そうそう、生徒を見かけることが無くはないはずだ。助けるために、手を差し伸べろ。それが叶うとき、お前たちは『転校生』として歓迎されることになる」
 猟兵の現状は、今やアルダワ側の知るところにある。猟兵たちが手を伸ばすなら、あちら側も喜んでその手を掴むだろう。
「さあ、今一度少しの工夫を加える番だ。その閃きで世界を救ってみせろ」
 真海という人間が白銀に光る右腕の指でこめかみを二度叩く音。それは、謎解きがこの瞬間から始まったことを知らせる合図となるだろう。


川内主将
 どうも、川内主将です。
 今回はアルダワで隠しボスを仕留めるというお仕事です。皆様は誘惑に抗ってみたことがありますでしょうか。僕はどうしても抗いきれません。朝起きるのが非常に眠くて辛いです。まだ寝ていたいです。
 そんな気分を噛み殺しまして、第1章では誘惑を絶つために皆さまに頑張っていただくことになります。途中学生さんを見かけることがあると思います、どう対処するかは皆様の判断にお任せします。きっと彼らも助けを求めているでしょう。
 真面目や楽しさ溢れるプレイングは勿論のこと、複数での行動やアドリブでも対応いたします。
 皆様のプレイングを、静かにお待ちしております。
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第1章 冒険 『どうしても抗えないものがある』

POW   :    気合で耐える。見なかったことにして突っ切る。

SPD   :    誘惑に負けてしまう前に走り抜ける。罠の影響を受けない手段を用意する。

WIZ   :    帰った後の自分へのご褒美を想像する。罠に屈しない理屈を組み立てる。

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ソモ・サン
なるほど…これが誘惑ってやね。どいつもこいつもふやけた顔して…だらしがないわね。

(SPD)
こんなの誘惑される前に走り抜ければいいのよ
いちいちあんなものに構っていたら、きりがないわ

ん?何アンタ?怖くてここから動けない?
そう、それじゃ。ってちょっと!掴むんじゃないわよ!

あまりしつこいと、殺すわよ!いい加減に…!
は、はぁ!?な、何泣いてんのよ!

っっ!!!あぁもうわかったわよ!!
ついてきなさい!アンタ一人ぐらいは守ってやるわ。
ただし!決してアタシの邪魔はしないこと、その時は…わかってるわね…?

ほら、行くわよ!
『絶望の福音』アタシひとりなら使わなくてすんだのに…
あぁもう何でアタシがこんな事…



 視界をこじ開け、道具やらお菓子やらの散らばる惨状を目にした猟兵1人。
「どいつもこいつもふやけた顔して…だらしがないわね」
 ソモ・サンが誘惑に浸かる数人の学生を心の闇で以って見下す様はその瞳の数々にどう映っただろう。
 やがて走り抜けるのみという結論に至って駆け出す前に。
「こ、怖くて…動けないんだよぉ〜…」
 溢れた甘く鈍い音を拾い、
「そう、それじゃ…って、ちょっと、掴むんじゃないわよ!」
 腕を掴まれて焦れったいので、思わず殺意を込めてしまうなら、女学生の瞳からは一筋の雫。
「は、はぁ!? 何で泣いて…!」
 余談はもうないと痛感する。ソモのやり場のない気持ちは迷宮の壁を跳ね返る。
「っっ!!! ああもうわかったわよ!! ついてきて、アンタ一人ぐらいは守ってやるわ!」
 決して己の邪魔をしないことを条件に、手を引いた猟兵が脳内で描くは10秒先の未来。頭の中で福音は一続きに、仕方なくと決まりを付けて。
「あぁもうアタシが何でこんな事…」
 ため息を続かせて、闇夜の暗殺者が誘惑を切り裂く。

成功 🔵​🔵​🔴​

トール・テスカコアトル
「娯楽の誘惑?……怖くないよ、そんなの」

だって、見たこと無いし。、やったことない

ちょっと興味あるのは本当だけどね
これでもトールは結構真面目なんだよ
お仕事ゆーせんで、頑張るよ!

これが終わったら、アルダワ学園の転校生!だもんね!

……だけどね
「君もやってみない?」とか
「ねえ、一緒に読もうよ!」とか

誘われたら……すごく、うれしい……すごい、こまる

だって、誰かに遊びに誘われるなんて、はじめてだよ

……ちょっとくらいなら

「ごめんね、トールには、やることがあるの。……また今度誘ってね」

幸せそうな人達に、背を向け進むよ

【勇気】が湧いてきた

「絶対、護ってみせるから!」

アルダワ魔法学園転校生、トール!

頑張るよ!



 何しろトール・テスカコアトルはそうした誘惑の類に引き込まれたことがない身であったので。
「娯楽の誘惑?……怖くないよ、そんなの」
 そうは吐いてみても、興味がないわけでもなく。
「これが終わったら、アルダワ学園の転校生!だもんね!」
 遠く、あるいは近くより走る誘惑が一つ二つある。
「君もやってみる? 楽しいよ~」
「ねえ、一緒に読もうよ!」
 そんな女学生の言の葉が、嬉しくもなって困った猟兵の選択。
「ごめんね、トールには、やることがあるの。……また今度誘ってね」
 ちょっとくらいなら、と囁く心にさえ背を向ける。距離が一歩二歩離れる度、勇気が溢れてくるのが自分でも分かる。
 ――絶対、護ってみせるから。
「アルダワ魔法学園転校生、トールッ!」
 大きな声で、道を駆け抜けろ。
「ああっ、待ってよ転校生さ~ん」
「楽しいのにぃ」
 既にトールというドラゴニアンは、転校生として既にその名を刻まれている。
 前目掛けて突っ切るならば、その後にはきっと、未来があると信じたので。
「頑張るよ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

錬金天使・サバティエル
「全く嘆かわしいことだ。この程度の誘惑にさえ抗えないとはね」
……などど言いながら私もこたつで全種類とってきたスイーツを食べながら漫画を読みつつゲームのレベリングもしているんだが。
いや、もちろんこれは作戦だよ?一度に複数の誘惑を受け入れることで飽きるのも早くなるというわけだよ。
それにこうしていれば罠にかかったと勘違いしてオブリビオンがおびき出されるかもしれないだろう?
そういうわけだから私はもう少しゆっくりすることにするよ。



 甘いクリームを拭う音。
 漫画本のページを捲る音。
 心地よく響くレベルアップの電子音。
「全く嘆かわしいことだ。この程度の誘惑にさえ抗えないとはね」
 全てが錬金天使・サバティエルの奏でる音である。続けて零れたのが芝居がかった声色。一続きに、誘惑を貪りすぎながらただその時を待つ。
「抗えてないじゃ~ん…」
 呆けた女学生たちの声が通るのに、返答はあっさりと。
「勿論作戦だよ。一度に複数の誘惑を受け入れることで飽きるのも早くなるというわけさ」
 言い得て説得力が滲み出る。女学生たちもやがて複数の誘惑に目を向ける一方で錬金天使はなおも、その時を刻み続け。
 ふと聴こえてくる、一つの咆哮のような、唸るような轟音がアラームとなるならば。
「…!? 今の、ドラゴンの声…だよね!?」
「ほんとだ、早くここから逃げなきゃ!」
 深い呪縛から覚めるように、数人が嘘のように跳ね起きて元来た道を逃げていく。果たして、それが証明された後も、手本を示し続けるように。
「そういうわけだから私はもう少しゆっくりすることにするよ」
 ヤドリガミはしばし、静寂の中に音をこぼし続けたか。

成功 🔵​🔵​🔴​

御宮司・幸村
【WIZ】
漫画ぁ?ゲームぅ?興味ないね!
いやいや…嘘でした!
おじさん、生業がゲーマーで今もゲームの最中な訳
つ・ま・り、落ちきる所まで落ちてるから、落ちようがないって事!
って理屈だよ

まぁ、おじさんは今ゲームの真っ最中だけど…
今やってるゲームは手強くてね?
隠しボスの誘惑を振り切って、探し出して倒さなきゃあ
真のエンディングにはたどり着けないからね!

道中で見かけた学生諸君には、持ち前の『コミュ力』を発揮
なあなあ、面白そうな事してるね?
でも、おじさんの持ってるゲームはもっと面白いよ
折角だから、一緒に遊ぼうぜとか
君たち、何してるのかい、ここに来た目的は?って聞いて
本来の目的を思い出して貰うよ


ルルエリ・エールディール
アドリブ絡み大歓迎

学生さんだ、良いな。わたしも学校行ってみたかった。
助けたら友達ができるかもしれないし、がんばろう。
わたしをこんなもので誘惑できると思わないでほしいな。
蒸気機関のパーツショップでも出てこない限りは…
…本当に出てきそうだから、ここの一帯は急いで切り抜けよう(SPD)。

クーシーを展開して、一目散に走り抜けていくよ。
近場で誘惑に負けてる人が居たら、そうだなあクーシーに銜えて引きずっていこう。


誘惑に負けそうだったら考えるよ。
つい3日前、パーツで散財した今のわたしの財布の中身を!
……………つらい



「…あ、学生さんだ。良いな」
 未だ数が残る女学生たちが誘惑に呑まれ続けている様を見るルルエリ・エールディールの姿を、ふとゲーム機から視線を上げた御宮司・幸村の視界が捉える。
「助けるしかないんじゃない? 友達が出来るよ」
 そう述べる幸村の言葉に、がんばろうという意志が湧いてくる直感を感じたケットシーが見つめるは、依然としてゲーム機などの誘惑が散らばる惨状。
「わたしをこんなもので誘惑できると思わないでほしいな」
「そうそう、漫画ぁ?ゲームぅ?興味ないね!」
 吐き捨てる幸村の、両手に持ったゲーム機が見えたので。
「…嘘だよね」
「嘘でした。おじさん、生業がゲーマーで今もゲームの最中な訳」
 なるほど、それならば落ちるところまで落ちているので既に誘惑を振り切れているのだろう、とルルエリの納得が続く。
「今やってるゲームが手強いもんで、隠しボスの誘惑を振り切って、探し出して倒さなきゃあ…真のエンディングにはたどり着けないからね!」
 そうして幸村が学生たちに近づくのが見えたので。
「なら、わたしはわたしなりに急いで切り抜けるとしよう」
 大型犬人形クーシー。それはルルエリが巧みに操る戦闘人形。だっと走り抜け、未だとぷりと浸かる女学生の一人に、心の中で謝罪しつつ。
「クーシー、引きずって!」
 言葉通り、その眠りに口を差し伸べる人形は共に地を蹴るので。あまりのことにびっくりしたもう一人には、幸村の言の葉が流れ込む。
「あれもあれで面白いけど、おじさんの持っているゲームはもっと面白いよ。さあ、本当のことを思い出して貰うよ」
 やや強引ではありながら、その交友能力は引けを取らない箇所があり。口車に乗せられ、本来の目的を思い出した女学生ににっこりと笑うおじさんがいる。
「せっかくだから、一緒に遊ぼうぜ」
 その先のケットシーは、ちょうど蒸気機関の部品を売っている場所が見えたので、3日程前にパーツの散財で見る影もなくなった財布の中身を脳裏に滑り込ませて。
「……………つらい」
 楽し気な笑いと苦しみの呻きは、今や対比の上に。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ライヴァルト・ナトゥア
【WIZ】

安きに流れるのが人の常とはいえ、これはなかなかに酷いな
(目の前の娯楽の数々を見て)
俺もサブカルチャーは大好物なんだけど、それは普段の生活の糧にするためにあるのであって、それだけで生きていくためのものじゃないからね
(【覚悟】を持って先へと進もう。サブカルに罪はない。あるとすれば、それを悪用しようとする誰かにだ)
黒幕さえどうにかすれば、以前予知したサイクルレースのように、真っ当に楽しむことだってできる
(生徒に手を差し伸べて)
少しだけ、頑張ってみないか
ここでただ過ごすだけなんてもったいないだろ
俺だって、きっとみんなだって、君と話したいと思っているはずなのだから
ここを出て、みんなで



「安きに流れるのが人の常とはいえ、これはなかなかに酷いな」
 ライヴァルト・ナトゥアもまた、この惨状を眺める一人であった。サブカルチャーが好きな彼にとり、普段の生活の糧になるものと考える彼には、それだけで生きていけるのではないという結論が出来ている。
 サブカルに罪は有らず、されどそれを利用する悪の討伐の為。
「少しだけ、頑張ってみないか?」
 それが叶うならば、彼が以前見た未来…サイクルレースのように、また楽しむことが出来ると信じた。
「ここでただ過ごすだけなんてもったいないだろ。俺だって、きっとみんなだって、君と話したいと思っているはずなのだから」
 そうしたい為に伸ばした手を、一人が掴んだのみならず。
「…そうだ、もうここで止まってられないよ!」
「そだね、私だって転校生さんとお話ししたいも〜ん」
 残存していた心の抜け殻に命を注ぐのは、一人のキマイラが抱く覚悟。誘惑を抜け出し、共にその道を歩んであるべき方向を目指せ。
「ここを出て、みんなで」
 そう呟くライヴァルトの意志は、あまりにも堅い。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『深淵を目指すものたち』

POW   :    息を止める、我慢する等で深部を目指す

SPD   :    素早く泳ぎきる、安全地帯を見つける等活路を見出す

WIZ   :    蒸発させる、凍結させるなどで踏破を可能にする

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 進み出した時計の針は、オブリビオンにとってはあまりにも速すぎた。
 とぷりと留まり続け、そのまま過去に埋めてしまおうと思っていた現在が未来の為に牙をむき出したとなれば、北方の龍に残された選択肢は少ない。未だに現在を置き去りにしてしまうべく動こうとしているその意思は、迷宮の奥深くにおいても、猟兵に立ちはだかるものとして現れる。
 今や猟兵たちの視界には、蒼が見えている。それも一帯どころではない。ここへ来て、水の中で抗うことを要求されていた。
御宮司・幸村
マジか~…地底湖の存在、失念してたわ
嘆いていても、しゃーない
【WIZ】
覚悟決めて、おじさんは能力で乗り切る!
おじさんはゲーマーさんだし、ゲームキャラと一緒に立ち向かってみよう

頼れるパートナー、バトルキャラクターズを召喚しちゃうよ
ほら、おじさんはプレイヤーであって、超人じゃないからさ
今回のキャラクターは水中戦闘のプロ、マーマンのセイドン君!
この水たまり、何とか出来る?と命じる
余裕があったらバトルキャラクターズの重ねがけ
合体させてさらに強化
多分なんとかウエーブとか大海嘯とか、水属性の必殺技があるだろうから
どうにかなるでしょー

学生諸君には「無害な生き物だよ、おじさんの使い魔的な奴だし」って説明しとく



「…マジか~」
 生粋のゲーマーでさえも想定していない地底湖の試練。嘆いていても仕方ないと、幸村が覚悟を決める様は女学生たちの目にどう映っただろう。
「まあ、おじさんはゲーマーだし、ゲームキャラと一緒に立ち向かってみよう」
 その真髄はあまりにも深いものである。呼び出される人魚の水中に熟練している様が垣間見える。名をセイドンというこのキャラは、超人でないプレイヤーにとっては頼もしい存在であった。
「ごめんね急に呼んじゃって。この水たまり、何とかできる?」
 答えの代わりに、セイドンが放つ必殺技がある。目の前に広がる蒼がいきなり逆流を開始し、渦を巻いたならば。
「ななっ、なにこれなにこれ!?」
「すごいっ、どんな魔法かしら!」
 真ん中あたりに空洞を作りながら、ぽっかりと深部への道が拓けた様が見えたので、女学生たちの歓声と好奇心が鳴りやまない。
「大海嘯、なんてね。この子自体は無害なおじさんの使い魔だし、他にもウェーブとか必殺技があるから」
 目の前の現象にさらに興味津々になった女学生を連れ、おじさんはさらに深くへ。
「ね? どうにかなるでしょー」

大成功 🔵​🔵​🔵​

トール・テスカコアトル
「変身は……残しておこう」

あれ使ったら、水なんて怖くないけど……もっと怖いのが控えてるもんね

「温度は……うん、大丈夫なくらい」

これでも、極寒の里の出身だもん
トールは体が丈夫だし、凍えちゃうことはない……はず

……

「ううぅ……」

怖がる事ないって、分かってるけど、深い水の色を見てると、
トールの中の泣き虫が出て来ちゃう

「……大丈夫。やるべきこと分かるもん。トールは、大丈夫」

守るべき人達思い出して
【勇気】だけを抱えて飛び込む!

頑張って力を抜いて尻尾を動かして、深く、深く沈んで行くよ

(……あれだ!)

トール自身と、直感を信じて、暗い水底へ進む!

……光を目指して



「変身は……残しておこう。温度も……うん、大丈夫なくらい」
 もともとトールは、身体が丈夫な方であった。極寒の辺境よりいでし肉体を持ちながら、震えがどうしてか止まらない。
 寒いのではなく、泣き虫であった為に。
「ううぅ……」
 水の色はドラゴニアンには一層深く見え、恐怖がどうしても出てしまうのだ。だが、振り払うことは出来る。改めて怖がる必要など、そこにはもう無い。
「……大丈夫。やるべきこと分かるもん。トールは、大丈夫」
 守るべき人々を思い描く後、迸る勇気に続けて、ざぶんと水音。不要な力を抜き、尻尾を動かすままに深く深く、深淵を目指せ。
 やがて、それが見えたのであれば。
(……あれだ!)
 自分が見たものを信じること。直感し、理解すること。そして何よりも自分自身を理解すること。
 それが出来て初めて、猟兵は試練を乗り越えるに至るのだ。抱えた勇気は手放さず、思いのままに沈み込んでいけ。
(……光を目指して)
 実際、彼女が恐れるものは何も無かった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ソモ・サン
み、水!?
アタシ一人なら無理にでも泳ぎ切るし、何より不測の事態にすぐ対応できる自信がある
けど、コイツを連れてたらちょっと……

ここに来てコイツを連れてきたのが仇になったか……

いや、ちょっと待って…
ねぇアンタ、ここの生徒なんでしょ?
魔法の一つでも使って空とか飛べないの?

アタシの(第六感)がアンタなら何とかできるって告げてるんだけど?
一人で無理ならアタシを使ってもいいわよ

力仕事は得意じゃないけど、「怪力」のスキルである程度ならいけるから

まさかこのアタシが他の人間を頼ることになるなんてね…



 一面の蒼を見ながら、ソモが頭を抱える姿がある。
「ここに来てコイツを連れて来たのが仇になったか……」
 不安そうに暗殺者を見つめる女学生。一人であったならば、不測の事態にも対応が効きやすく、何より体力で押し切れる自信があった。
 されど二人で出来ることも同様に。
「ねぇアンタ、ここの生徒なんでしょ? ほら、魔法の一つでも使って…」
 告げる第六感の示す先が協力の魔法。女学生が自信なさげに出来るかな、と零す音にはまた手を差し伸べろ。
「難しいならアタシを使ってもいいわよ。力仕事は得意じゃないけど、ある程度なら怪力で行けるから」
 身のこなしが素早いだけでなく、力でもその追随を許さぬ手段。ややあって女学生は、その言葉を信じ。
「うん……じゃあ、やってみる〜」
 ややあって、ぎこちないながらふわりと浮かぶ二人の女。不安定な感覚で空を飛び、落ちそうになれば底から湧き上がる怪力でどうにか修正せよ。
「まさかこのアタシが他の人間を頼ることになるなんてね…」
 蒼を超え行く闇夜の暗殺者の苦悩に、終わりはない。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルルエリ・エールディール
アドリブ絡み大歓迎。

だめだね、これ、わたしを殺しに来てる。
クーシーにトランクに、重くてどうやっても浮かないだろうし。
でも銜えてきた子がいる手前、引き返すわけにも行かないし。
うん、悪いけどもうちょっと付き合ってもらおう。
…わたしも、あんな風に飛べたりできたらよかったんだけど、ごめんね?

【SPD】

現地改修するよ。
【メカニック】で少しでもクーシーに防水性を持たせよう。
ほぼ材料が無くて、トランクの中のものだけだから付け焼刃なんだけどね。
後はクーシーを水に沈めてゆっくり歩かせて、進ませてみよう。
浅い所をしっかりと確認しながら…私が先導してれば、学生の子もまあ少しは大丈夫…あ、トランクは持ってきてね?



 窮地に立たされたケットシーはどうするだろう。
「だめだね、これ、わたしを殺しに来てる」
 大型犬であるところのクーシーは人形で、水を吸ったところで沈むだけ。トランクでも浮きようがない。
 しかし、退路も無いのだ。特に女学生を引きずらせた手前、置いて行く理由も作ってはならない。
「…よし、悪いけど付き合って。あんな風に飛べたら良かったんだけど、ごめんね?」
 首を傾げる女学生をよそに、ルルエリはトランクの中を漁り、僅かな部品を取り出して改修に取り掛かる。
 工夫を凝らせ。メカニックであるその頭脳を高速で取り回し、人形をさらに頼もしく彩れ。
「……出来た」
 零れ落ちる3文字に続けるように、クーシーを水に。
「わあっ、あなた凄いね!」
 嬉しそうな女学生の瞳に映る大型犬人形は、付け焼き刃ながら、しっかりと沈むことなく水を進もうとしていた。
 確信を得たルルエリは先導に回る。深いところに足を踏み入れないように、女学生を導くべく。
「……あ、でもトランクは持って来てね?」

成功 🔵​🔵​🔴​

ライヴァルト・ナトゥア
【WIZ】、第六感、覚悟、勇気を使います

泳ぎは嫌いじゃあないんだが、ただ泳ぐのも芸がないな
(ユーベルコードを起動して狼の群れを召喚。七つ道具“備有憂無”から取り出したロープを括り付け、その反対側をさらに自分に括り付ける。狼を泳がせ、数を頼りに速度を出してゆく)
おお、速い速い。やはり数は力だな。犬ぞりとかの類みたいにも見えるが
俺の直感からすると、あの底が怪しいんだが、いかんせん深いな
しかし、虎穴に入らずんば虎子を得ず、か。覚悟決めていくとしよう
(潜っていくと不思議な感覚がしてくる)
そろそろ水圧もやばいと思うんだが、意外に平気だな。やはり、普通の水ではない。なら抜けるのもそう難しくはないはずだ



 このように広がる蒼の中をただ泳ぐのでは芸がない。ライヴァルトはそう考えたようで。
「汝らは影の映し身、地に満ちたる狼の軍勢、意に従いて万里を駆けよ」
 複製召喚・天地満たす狼の軍勢。左手より解放されし数多の狼に、備蓄憂無の名が示すは、ロープを始めとする備えの多彩さ。一方で狼の群れを、他方に自分を。結び合せて繋げ、数の力。
「おお、速い速い。しかしなるほど、俺の直感ではあの底が怪しいんだが、いかんせん深いな」
 より染まる蒼。犬ぞりのようにも見える様で潜るとどうなるだろう。
「虎穴に入らずんば虎子を得ず、か。覚悟を決めて行くとしよう」
 やがて、とぷり。不思議な感覚がキマイラと犬を襲う。
 しかして、押し返す水の圧は意外にも軽い。深度が増すにも関わらず、抵抗が比例するような感覚も無いことで、逆に終わりの見えないかのような困難を切り抜ける自信がライヴァルトの中に生まれるのだ。
「やはり普通の水ではない。なら抜けるのもそう難しくはないはずだ」
 深く続く蒼にも、終焉が見えて来た。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『『慈悲なき』ニドアーズ』

POW   :    冬の暴風
【氷のブレス】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    石の記憶
対象のユーベルコードを防御すると、それを【頭部の宝石に吸収し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    凍てついた魂達凍てついた
【かつて使役した下僕たちかつ】の霊を召喚する。これは【槍】や【炎】で攻撃する能力を持つ。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はドロシー・ドロイストラです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 蒼を抜け、飛んで超え。猟兵たちはついにその最深部まで辿り着く。
 果たして時計の針はどれ程進んだか。進み過ぎた刻を止めるべく、北方の慈悲無き龍は姿を現す。
「グオオオオオオオオオッ!!」
 名を、二ドアーズ。踏み締める地面から氷の破片が砕け、飛び散る様が美しく。
 蒼の向こうには、より輝く氷点下の世界が待っていた。
トール・テスカコアトル
「おっきくて、立派なドラゴンさん……でも、強いからってなにしてもいいっていうの、トールは嫌い」

トールもドラゴニアンだからニドアースさんが強いのは分かる……怖いな、足が震えちゃう……

【勇気】を出して、その恐怖を追い出して

「輝け!ニギ=アラ!……変身!!」

説明しよう!勇気をもって恐怖に打ち克ち、何かを護らんとして立つ時、トールは勇気の戦士として覚醒するのだ!

「トールの勇気は防御力だよ!吹雪なんかで、燃える心は消せないもん!」

ブレスを意に介さずに接近して

「トールの勇気は攻撃力!くらえぇーーー!!ブレイブ・バーニング!」

燃える勇気を具現化して叩きつけるよ!

「うおぉーーー!!」

竜の!おたけび!勝つぞー!



 先のトールが、北方の龍を前にしてその迫力と攻勢を実感する。
「おっきくて、立派なドラゴンさん……でも、強いからってなにしてもいいっていうの、トールは嫌い」
 同じ竜でも、立場は違う。傲慢なる悪意か、純粋な正義か。だからトールは、その恐怖を心で振り払う。
「輝け!ニギ=アラ!」
 古より伝わるかは別として、言伝がある。勇気を以て恐怖に打ち勝ち、護るべきものの為立ち上がる時、覚醒して前進する勇気の戦士在り。
「……変身!!」
 一つの石。右手に掴む無限中の無限を、勇気を力に変える為に斜め左上に突き上げろ。光を纏い、突き進むは超戦士ブレイブトール。
「トールの勇気は防御力だよ!吹雪なんかで、燃える心は消せないもん!」
 吐き出される無慈悲な冬の暴風の中を、鼻先やブレイブ・アーマーの凍る音が響くのも意に介さず。
「トールの勇気は攻撃力!くらえぇーーー!!ブレイブ・バーニング!」
 一声がある。勇気は炎となり二ドアーズの肉体に叩きつけられ。大きく後退し唸りを上げる北方の龍の有様。
「うおぉーーー!!」
 勝利の竜の雄叫びは、迷宮の奥深くまで。

成功 🔵​🔵​🔴​

ソモ・サン
遂にお出ましね、ターゲット!

アンタは下がりなさい
自分の身を守ることだけに集中なさい。
大丈夫、あの水を飛んで超えられたんだもの。アンタなら出来るわ。

アタシは、アタシのお仕事をしないとね。
我が血を代償に、よこせ!『降鬼顕彰』
アタシの「毒耐性」と「激痛耐性」があればこの戦闘中は持たせられる

皮膚が硬そうだけど「怪力」と「鎧無視攻撃」があれば簡単にダメージを与えられそうね。

その上、「生命力吸収」と「吸血」も出来れば弱らせられる。

そうと決まれば「先制攻撃」よ!
アイツが準備する前に一気に行く!
狙いは、アイツの首筋アタシの「恨」と「死念」突き刺してやる!

その後、余裕があればアイツの眼球にも攻撃してやるわ!



 お出ましのターゲットを捉える一つの視線がある。
「アンタは下がって、自分の身を守ることだけに集中なさい。あの水を飛び越えられたんだもの。アンタなら出来るわ」
 自信を持てと言葉を継ぎながら。
「我が血を代償に、よこせ!鬼神の如き力!」
 切り札は右手首を裂け。流れ出す血を置き去りに、邪鬼、悪鬼、幽鬼が宿る実験の産物。
 毒と激痛を負う準備など完了し、氷河よりも蒼く染まるその肉体は柔く見え。
「準備の前に――アタシの『恨』と『̪死念』を突き刺してやるッ!」
 暗殺者は荒く、必中の手裏剣を手首を滑らかに動かして放ち、後に教団製の吸血ダガーを刺し込め。
 記憶の流れる前に、龍の首筋より飛び散る紅。まるで護りなど破ってしまうように、奥深くまで食い込む刃から伝う生命と血はソモの元へ。点々と刺さる恨からは、邪悪の呪詛が龍の元へ。
「……すご~い」
 危害の及ばない場所に行っていた女学生からの呆然とした称賛。引き抜かれる死念から溢れる芸術はとても美しい。
「存外、そんなものかしら? 簡単なお仕事、ね!!」
 派手に眼球の、破れゆく音が迷宮に木霊した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御宮司・幸村
おっ?もうドンパチ始まってやがる!
…と、学生諸君には先に言っておこう
おじさん、戦闘中はちょ~っとワイルドになるから驚かないでね~?

ソロならセイドン呼んでも良いが、パーティー戦なら訳が違う
見たトコ、目がやられてるようだから念の為敵の行動を制限しとくか

コマンド『ユーティリティ☆マウス』!
ルールだ、防御回避逃走を含む全ての行動を禁止
シンプルに言えば、動いたらドカンッ、だぜ?

嬢ちゃん達、良いか?
攻撃だけが戦闘じゃねえ、サポートとか回復も立派な役割だ
俺が足止めしてる今、嬢ちゃん達が攻撃するんだ
遠距離魔法とか、行けるか?
奴は氷竜、定石なら炎に弱い筈、出来れば炎属性魔法ならありがたい

OK、これがパーティーだ



 広がる光景を見、それが戦闘の風景と理解した幸村の行動は早いものである。
「…と、学生諸君には先に言っておこう。おじさん、戦闘中はちょ~っとワイルドになるから驚かないでね~?」
 一人で挑むならセイドンを呼べばいい。しかし連れている女学生たちは、皆が皆――。
「やられてるのは目か。ふむ、だとしたら!」
 おじさんが放つはワイヤレスのネズミ。カーソルを辿るように、真っ直ぐに北方の龍まで飛ぶ。龍が吐く白銀の吐息を通過し、その蒼を左右の凍りかけたボタンが叩く。
「ルールだ、防御回避逃走を含む全ての行動を禁止。シンプルに言えば、動いたらドカンッ、だぜ?」
 ユーティリティに縛られた二ドアーズは身動きできない。その間にもゲーマーの頭脳は回り続ける。
「攻撃だけが戦闘じゃねえ、サポートとか回復も立派な役割だ。俺が足止めしてる今、嬢ちゃん達が攻撃する。遠距離行ける? 定石通りにいくなら炎属性だとありがたいね」
 応えるように、女学生たちの詠唱、解放が魔法を読み出し。雨霰のように、北方の龍を焼く。たまらず身を捩った瞬間、次いで爆発に見舞われる二ドアーズを眺めながら、全てはゲーマーの計画通り。
「OK、これがパーティーだ」

成功 🔵​🔵​🔴​

ルルエリ・エールディール
わたし、完璧に出遅れてる。皆凄いなあ
でも、ただ遅かったんじゃないよ。
水吸って重くなった毛皮と服じゃ動けないし簡単に凍るだろうから、クーシーの排熱蒸気をドライヤー代わりにして乾かしてたんだ。

リンチっぽくて嫌だけど炎に紛れて、クーシーを突撃させる。
一回攻撃したら【フェイント】、フェイント、重ねてフェイント。
攻撃に動けば、イトグルマの蒸気機関で糸を巻き取ってわたしの方へ【逃げ足】。
相手の意識がそれたらまたクーシー突撃

わたしの必殺技、全部使い勝手が悪いんだよね。
でも、相手の攻撃タイミングを絞れれば、少しはマシかも。
この単調でうっとおしい攻防、打破したいよね?
オペラツィオン・マカブル、いつでもいけるよ。



 汗を拭うケットシーの姿がある。
「わたし、完璧に出遅れてる。皆凄いなあ」
 纏う服や毛皮の水分の、綺麗さっぱり乾いている様が見れたのは大型犬人形クーシーの排熱蒸気に当てられていた為。
 遅れて来た事にこそ、価値がある。
「クーシーッ!」
 炎に紛れて駆け抜ける犬の速度は中々の物である。体当たりを直撃させ、振るわれる龍の無慈悲な爪や圧を、まるで踊るように誘い躱し。
「わたしの必殺技は使い勝手が悪いんだよね。でも、タイミングが絞れたならマシになる、かな」
 見当を付け、蒸気機関の回るままに、イトグルマなる手袋でクーシーの逃げ足を手繰れ。
 それを追うように、意識のルルエリに逸れる感覚。
「オペラツィオン・マカブル、いつでもいけるよ」
 脱力、衝撃、反発。互いが互いの技を記憶し合い、発生する矛盾の羅列。
 その解れを破る事が出来たのは…。
「これで十分だね。さあ行こう、クーシー」
 人形犬は迅速に野蛮に龍に飛びかかり、その堅い肌を砕き、引き千切る。無慈悲な龍の時間が、再度過去に向かい解け始めている。
 一息をつくルルエリの肉体に、傷など一つも無い。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・響
【真宮家】で参加。

真海の支援要請を聞いたよ。もう一息だと聞いて手伝いしに来たよ。なるほど、この竜は討伐しとかないと学園の生徒が危険だね。一肌脱ぐとするか。

敵の視線上に入ると手痛い攻撃を受けそうだね。【目立たない】と【忍び足】で敵の視線から逃れつつ、【槍投げ】を当てる隙を伺う。奏と瞬の作ってくれた隙を利用して槍を当てる。上手く槍を当てれたら、ドラゴニックエンドで攻撃するよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

真海さんから力を貸して欲しいって要請がありましたので、お手伝いに来ました!!こんなに大きくて強そうな敵を迷宮外に出す訳には行きませんので、確実に仕留めます!!

竜の攻撃は火力がありそうですので、【オーラ防御】【武器受け】【盾受け】を使った上で信念の盾を使用、家族の盾になります。【激痛耐性】【炎耐性】【氷結耐性】もありますので、不屈の盾となってみせますよ!!攻撃は響母さんと瞬兄さんにお任せです。


神城・瞬
【真宮家】で参加。


真海さんの支援要請で来ましたが、これは・・・この竜の属性は氷、つまり僕が得意とする精霊術と同じ属性ですか。これはいつもと違う戦法で行った方がよさそうです。

【高速詠唱】【全力魔法】でエレメンタルファンタジアを発動、地面の一部を杭状に隆起させて敵の動きを鈍らせます。【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】も併用して確実に敵の動きを拘束、本命の響母さんの槍での攻撃が確実に当たるように援護します。



 グリモア猟兵の支援要請に導かれて龍の前に出向く三人の家族がある。
「これは・・・この竜の属性は氷、つまり僕が得意とする精霊術と同じ属性ですか」
 いつもと違う対策の構築に追われる神城・瞬。その言葉には母親のように慕う人物、真宮・響が応える。
「ああ。でもなるほど、この竜は討伐しとかないと学園の生徒が危険だね。一肌脱ぐとするか」
 気合いが自然に入るのをその心に垣間見た娘の真宮・奏は、
「やりましょう! こんなに大きくて強そうな敵を迷宮外に出す訳には行きませんので!!」
 確実に目の前の龍を仕留める意志を見せるのだ。その家族が視界に入ることで静かな唸りに喉を震わせる北方の龍。その姿を正面に捉えて数秒。誰からともなく、動き出す面々。
 繰り出される爪の重い一撃には奏が前に出、武器と盾で以て、オーラを纏いて防御、爪を押し退ける。
 ずるっと音を立てて後退するニドアーズの、口を開けたのが見えたなら。
「私は不屈の盾! 目の前のものは、絶対護ってみせますよ!!」
 信念の盾は顕現し、全身で超防御を実現せよ。ブレスは受け止められ、動けないが確かに味方の攻撃に余裕を作る。
「ありがとう。では僕も、僕に出来ることを」
 感謝の意を述べる瞬が続けて高速詠唱を行う。高速であるとはいえ、無慈悲な龍もただでは死なず。過去より呼び出されし、凍てついた魂の下僕が数を成して炎を飛ばし、槍を突き出そうと迫る。
「いつもと違う精霊術の使い方、試させてもらいます」
 属性と自然現象を合わせて意のままにするエレメンタル・ファンタジア。この魔法を全力で行使するならば、地面を杭状に歪めてしまうことも困難ではない。それは鋭く磨き上げられ、敵たちの肉体を確実に抉る。組織がマヒし、槍の転げ落ちる音と炎の雫がボタボタと落ちるのだ。
 今までのダメージが重なったせいで、次々と突きあがる地面に、北方の龍も今や手足を上手く動かせないでいた。それでも足掻く龍は勢いを取り戻すと、もう一度絶対零度のブレスを猟兵たちに向けて吐き出す。
「っ! 諦めるわけには……いかないんです――響母さん!!」
 激痛と凍結をしのぎ続ける娘の声に応えるように、いつ離れていたのか、敵の視界の外から槍の投げられる音が響いただろうか。
「任せて。ここで終わらせよう」
 呟いた決意が決定的な色を帯びたのは、投げた槍が見事にドラゴンの肌に突き刺さったから。
 ややあって、娘と息子の想いを受け取った母が召喚するは、氷を解かすような、そんな圧を纏うドラゴン。
「氷は溶かしてしまおうか、同じ龍の炎で!」
 あまりにも正確な爪の一撃は、北方の龍の皮膚を抉り。終焉を飾るは、熱き炎のブレス。高火力の炎に砕け散る氷の音と、生命を焼き焦がされるニドアーズの咆哮が響いた。
 後には、ずしんとその身が倒れ伏す振動。
「…終わりましたね。上手くいったようでよかった」
 精霊術士のほっと胸を撫でおろす様を見て、響も奏も安心の色を浮かべる。無慈悲なる誘惑がその姿を保てない今、この迷宮に学生たちが引きずり込まれる心配は消えたのだ。
 差し伸べた手は必ず届く。その証明式が確実に、成り立った瞬間である。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月07日


挿絵イラスト