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白城駆ける天馬は破滅を招く

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 白城そびえる森の中。
 城を駆ける天馬は嘶く代わりに翼を広げる。
 漆黒の髪を靡かせながらゆるりと微笑を向けるオトメ。
 黒いシルクの様な服を翻しながらゆっくりと城の中を歩いていた。
 天馬は破滅を招く。
 将来した破滅は静かに、静かに、崩壊を望む。

「ダークセイヴァーと言う世界をご存知でしょうか?」
 グリモア猟兵、煌石・庭園水晶(庭園で佇む静寂・f10825)は、にこりと微笑を浮かべて猟兵達へ視線を向ける。
「私が何かはどうでもいいです、えぇ、えぇ。ですので、説明を始めてしまいますね」
 事件が予知されたのはダークセイヴァーと呼ばれる世界。とある村の近くにある日突然白城が出来上がっていたとのこと。問題はその白城。どうやら少しずつ規模を拡げるように、成長しているらしい。
「このままですと、森をもぐもぐと食べると言いますか、浸食した後に村まで白城にとりこまれてしまいます」
 こわいですねぇ、と庭園水晶はクスクスと笑って見せる。
「今回の目的は成長する白城を攻略しその侵攻をどうにかして止めること。そして白城をそこに作ったと思わしきオブリビオンを成敗もしくは討伐してください」
 庭園水晶は宙でくるくると円を描いて、口を開く。
「白城の中にはいくつもの丸いオーブ、えぇ綺麗な赤い宝石ですね。それが配置されています。そのオーブが白城の成長を促しているようです」
 まずは城へ潜入し、赤いオーブを探し壊してまわってほしいと告げる。
「まるで天使が住んでいそうな真っ白で豪華絢爛な城ですが、オブリビオンが作ったモノ。オーブを破壊して回っていれば、あちらから何かしらの接触や警告が来るかもしれません」
 しかし猟兵なら?と庭園水晶は言葉を区切りただ微笑を浮かべる。
「調査や城の攻略方法、オーブの破壊の仕方などは、皆様のご自由にどうぞ。目的を果たしていただけるのであれば、何の問題もありません」
 ではよろしくお願いします。グリモア猟兵は頭をゆっくりと下げて、笑顔で猟兵達を見送った。


阿離磨
 はじめまして、こんにちは。
 5作目となりました、阿離磨(ありま)です。
 今回は、今回は…いったいどんな話になっていくんでしょうか。
 正直私もわかりません。でも楽しみたいです、ホトトギス。
 情報はオープニングで語った庭園水晶の説明の通りです。

 第一章は白城の攻略となります。
 場内のあらゆる場所に設置された赤いオーブをとにかく壊していきましょう。
 どんなふうに壊すか、どんな場所にあるオーブを見つけるか。
 色々工夫してみてください。
 それでは、ご縁がありましたら、よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『天使城ヴァルハラ(主人はヴァンパイア)』

POW   :    力ずくで攻略する

SPD   :    器用さを駆使して攻略する

WIZ   :    知識、魔法を使って攻略する

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アトシュ・スカーレット
【WIZ】

さーて、オーブを壊す作業を始めますかー

えーと、まずはどこにあるのかなー?
大事な【物を隠す】なら、オブジェに紛れ込ませてそうだけどなー…
今まで旅して得たいろんな【世界知識】、役に立つかな?

んー…このオーブ、腐敗の【呪詛】で壊れないかな…?
無理なら、3つの元素を掛け合わせた結果、空間ごと両断できる【時空両断】で切ろうかな?



・赤玉のオーブを壊せ【1】

 白城の中に足を踏み入れたアトシュ・スカーレット(銀目の放浪者・f00811)は目を細める。白を基調とした美しい彫像や壁のレリーフ。何の情報も持たなければ、なるほどたしかに天使が住んでいてもおかしくないと思うほどの、品のいい絢爛豪華な城内だった。
 しかしこの白城を作ったのはオブリビオンということに、かわりはない。
「さーて、オーブを壊す作業を始めますかー」
 くん、と伸びをして、アトシュはキョロキョロと周りの彫像を観察し始める。大切な物を隠すならばオブジェの中に。そう辺りをつけていたアトシュは、すぐに彫像の瞳にはめ込まれている赤いオーブの存在に気付いた。
 もしやと思い、他の彫像も確認すると、数体の白い彫像に同じように赤いオーブがはまっていることが分かった。
 アトシュはふむ、と顎を撫でながらどのようにオーブを壊すかを考える。
「コレ……腐敗の呪詛で、壊れないかな?」
 そう呟き、そっと呪詛を纏わせた指でツンとオーブを突いてみれば、パキリッ、と音を立ててオーブにひびが入り、赤い玉はひびが入った場所から砂のようにサラサラと崩壊をはじめ、塵のようになって消えて行った。
「一応、これで合っているみたいだね」
 壊れたオーブを見て確信した後、アトシュは彫像の赤いオーブに指で触れて、壊していくと言う作業に専念し始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユナ・ニフェトス
成長するなんて驚きです
その先が気になるところですが
危険が迫っているならそうもいきません

私は庭園を調べます
庭園も城内に当たると思います

お城の中の庭園となると噴水があるイメージ
あと絵本で読んだのはフラワーアーチの先にある小さなお茶会の場所…
この暗闇の世界では花は咲くのでしょうか…?
オラトリオもいますし、きっと咲きますよね

はあ、ここがオブリビオンの居城でなければもっと楽しめるのに、残念

何があるかは分かりませんが
まず目の届く範囲にあるオーブを『鈴蘭の嵐』で破壊
その後は【第六感】でオーブの設置されていそうな場所を把握
草木に隠されていないか、お城の外観のどこかにないか
中だけでなく外からも確認を



・花の乱舞と煌めく赤砂

 白城の中庭となる庭園を調べているのは、絹の様に艶やかな白い髪を靡かせたユナ・ニフェトス(ルーメン・f13630)だ。
「建物が成長するなんて驚きです」
 好奇心に満ちた目を輝かせて庭園の花のアーチや植え込みを見回す。赤い薔薇と白い薔薇が咲き誇る見事な庭園ではある、しかし。
(気にはなりますが、危険が迫っているならそうもいきません)
 中央に美しいオブジェが建つ噴水に目を向ければ、そこにはいくつもの赤いオーブを用いているにもかかわらず、景観を損ねない鮮やかに翼を広げた大鳥の白い像があった。
「……隠す気はないのでしょうか。見つけやすくはありますが」
 首を小さく傾げる姿は可愛らしいが、その姿を見ているのは白い鳥の像だけだ。
 ユナは噴水の前に立ちクルリと周りを見回し、目に見える位置にある赤いオーブの場所を把握する。
(あそこと、そこの茂みと……)
 胸の中でひとつ、よしっ、と思いをしっかりと抱き、手にした武器を静かに掲げる。
 ユナが小さく言葉を呟くと、掲げた武器が先端から白い花弁へと変わっていく。ひらひらと数多の白い花弁へと姿を変えた武器は、花の嵐となりユナの視認していた赤いオーブを撫でる様に掠り、球体にヒビを作るように吹き荒れる。
 傷がついた赤いオーブはそこから粉のようにぱらぱらと砕け、砂のように砕けると風に乗って消えて行った。
「えぇと、あとは……あの辺りっ!!」
 目に視える赤いオーブを全て破壊したのち、ユナは直感的に怪しいと思う草陰や庭園に並ぶ像の影へと順々に視線を向けていく。白い花の嵐はその視線を辿るように流れ舞う。花弁が通過した後に、赤い砂の様なモノが空へと舞い上がり消えていく様を見、ユナは、やはり他にも隠されていました、と満足げに胸の中で呟く。
「……はあ、ここがオブリビオンの居城でなければもっと楽しめるのに、残念」
 手の中に舞い戻ってきた武器を軽く振り、ユナは他にもオーブはないかと、美しく見える庭園の中を歩きはじめた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

スピレイル・ナトゥア
成長する建物だなんて面白そうです
だけど、それは自分が住んでいる場合であって、その建物が世界を侵略しているというのであれば、そうも言っていられません

どうせ最終的に壊す城ですし、壊しながら進んでいくとしましょう
土の精霊を宿した拳で地面を殴ることで地面を隆起させて、塀や壁を壊しながら白城のなかを進みます
そうですね。闇雲に進んでも迷うだけでしょうし、ここは自分の【第六感】を信じて進むとしましょう
発見したオーブは、精霊印の突撃銃で破壊します
遠い場所にある場合は、精霊樹の弓による【スナイパー】が役に立ちそうです
それにしても、こんな摩訶不思議びっくり城を建築するだなんて、どんな建築家さんが敵なのでしょうか?


アンテロ・ヴィルスカ
ふむ、少々眩しいが悪くない…美しい城だ。住みたくはないが。
で、オーブを壊せばいいのだったね?

ならば取る手段は簡単…【POW】一択だな
おいでムスタ・タンマ、お散歩の時間だ。

さっきすれ違ったお嬢さんが壊していたオーブは、オブジェの瞳だった
ならばムスタ・タンマに【騎乗】して駆け抜けながら双剣で片っ端から壊してみよう。

城なら宝箱や壷があるだろう、多分
あとは甲冑の中とかな。


アドリブ、絡み歓迎



・土を巻き上げる精霊と黒の牝馬

 銀の髪を揺らしながら自分の直感を信じて城内を歩くスピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)は、物珍しそうに白い壁や煌めくシャンデリアを見上げていた。
「成長する建物だなんて面白そうです」
 そう言葉にはするが、それはあくまで自分が住んでいる場合の話。この建物が世界を侵略しているモノのひとつであるならば、そうも言ってはいられない。
 スピレイルがぐっと拳を握ると、その手にふわりと柔らかな土の匂いが絡みつく。自分の足元を確認し、彼女は拳を振りかざす。
『グラウンドバースト!』
 大理石のような建材に叩きつけた拳から土の精霊の力が巻き上がり、前方に隆起した硬い鉱物の槍が無数に生え伸びる。
「どうせ最終的に壊す城ですし、壊しながら進んでいくとしましょう」
 いい考えだ、とスピレイルは頷くと、精霊の力を纏った拳を壁や床に叩きつけて、城内を揺らしながら探索を始めた。
 その地鳴りのような揺れに苦笑を浮かべるアンテロ・ヴィルスカ(白に鎮める・f03396)は、白い荘厳な装飾や壁を見て、ふむ、と顎を撫でる。
「少々眩しいが悪くない……美しい城だ。住みたくはないが」
 綺麗に整った滑らかな壁をひと撫でし、近場から響く破壊の轟音と揺れに困ったように眉を寄せる。
「少々やり辛いな。……おいでムスタ・タンマ、お散歩の時間だ」
 アンテロの呼び声に応じ、嘶きと共に召喚されたのはしなやかで立派な体躯をした黒い牝馬。美しいその馬に軽やかに騎乗し、彼女を撫でる。牝馬はひとつ鳴くと、力強く白い床を蹴って城内を駆けまわり始めた。
「え、馬?……わぁ、力強い走り方」
 すれ違うように目線を一瞬だけ交わしたスピレイルとアンテロは、すぐに己がすべき行動を認識し、向かう方向へと意識を集中する。
 スピレイルが視線を向けた先にあったのは絵画の並ぶ長く広い廊下だった。間近で見なくともわかる赤い煌めきが、破壊すべきオーブであるとすぐに察すると、精霊樹の弓を構え矢を引く。キリキリと耳元で漏れる音を聞きながら、指を放すと鏃(やじり)は風を纏い輝くオーブを撃ち砕く。
「まだまだ、いきますよ!!」
 遠くの的へは風の鏃を向け、視認できる程度の場所に飾られたオーブへは炎の精霊の力が宿る精霊の突撃銃を向け、弾を放つ。
 砕ける音と風を抜く音を遠くで聞きながら、アンテロも双剣を構え、オブジェや赤い飾りのついた装飾的な甲冑を金の瞳で捉える。
 黒い牝馬は勢いを落さず、アンテロの意識した方向へ向かい駆け回る。騎乗と走り抜ける勢いを乗せた剣は切れ味と破壊力を増し、白いオブジェも鋼の鎧も、全て薙ぎ払い、斬り捨てていく。
 白く美しい城内は、赤いオーブが壊されるのに比例するように、人の手の入らないような廃墟を感じさせる壊れ方を見せ始める。
 住まう者が見れば恐らく激怒するような壊れ方であるが、いまだこの白城を作ったと思われるオブリビオンの姿は見えない。
(こんな摩訶不思議びっくり城を建築するだなんて、どんな建築家さんが敵なのでしょうか?)
 そんなことを考えながら、スピレイルは残っていた赤いオーブを撃ち砕き、ふぅ、と息をついた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

小読・灯
お城の中を回って宝石を探し回るだなんて素敵ね、なんて

沢山有りそうだし、色々なところを探索してみましょうか

【WIZ】
・探索法
鞄の中からロープを取り出してナイフにくくりつけ壁に打ち付けたり遠くのものにくくりつけたりして歩くだけでは行けない場所も探索するわ

天井のシャンデリアの上とかにオーブや隠し扉のスイッチがあったりしないかしら?

更に遠くや行きづらい場所には【属性攻撃】で威力を操作して極限まで無害化した【バーニングチェイン】を城の壁や柱に炎の鎖這わせて道を作って探索しましょう

【火炎耐性】があるから良いけど他の人にはオススメしにくい方法ね

とにかく色々なところを回って探し回るわ
だってこれは宝探しですもの


クロウ・タツガミ
他の猟兵と連携、アドリブ歓迎する

【POW】

さて、罷り通らせて貰おう

力ずくで探索するつもりだ。鍵の掛かっている扉や容器も【逆鱗】で破壊し、【情報収集】を行い【地形を利用】して隠されているオーブも見つけ出したいところだ。オーブを発見時は【怪力】を用いてサカホコ(大槌)で【力を溜め】叩き割らせてもらうつもりだな
何で作られているかはわからないが、壊させて貰おう

道中敵が居れば【戦闘知識】を用いて【2回攻撃】を主体に戦わせて貰おう。防御はガンドレットによる【盾受け】で行い、近くに他の猟兵が居れば【かばう】つもりだな



・龍と炎は舞い躍る

――ドンッ、ズン……ッ!!
 鈍い音が白城の中に響き渡る。瓦礫や砕けた石塊のようになった床を起用に歩きながら、クロウ・タツガミ(昼行灯・f06194)はひびの入った白い壁の継ぎ目を目敏く見つけだす。
『其れは、只人の怒りなり』
 翼の生えた白蛇のような小さな竜『サカホコ』は大槌に姿を形とる。槌の柄を握りその先端を振るい下ろす。単純で重い武器の一撃は、ヒビの入った継ぎ目を崩壊させ、奥に隠された空間を曝け出す。
「ほう、コイツは……」
 隠された空間は薄暗く、シャンデリアの明かりが差し込むことで中を照らし出してた。ソコに隠されるように飾られていたのは、材質不明の巨大なレリーフだった。翼の生えた蛇のようなモノが首を上に伸ばし、咆哮しているようにも見える緻密な装飾が掘りこまれたソレには、いくつもの赤いオーブが宝飾として嵌っていた。
(こんな場所でなければ、色んなヤツに見てもらえただろうに)
 ヒトが出すには過ぎだる程の怪力で大槌を引いて力を込めると、叩きつけるようにレリーフを砕き割る。耐久力のない赤いオーブはレリーフから転げ落ちると、床にぶつかった瞬間その重さで粉々に砕け散った。
「……そっちはどうだ」
 壊れた壁から半身をのぞかせ、共に城内を探索していた小読・灯(灯売り・f01972)の動きを確認する。
――お城の中を回って宝石を探し回るだなんて素敵ね!!と楽しそうに語っていた灯ではあったが、するべきことはしっかりとわかっているらしく、ロープを用いて足場の作成や行動範囲の確保を行い、天井に吊るされる豪奢なシャンデリアの上を鳥のように跳び回っていた。
「宝物みつけたよ!!……なんてね。やっぱりシャンデリアの上にも赤くて丸い宝石がいくつかあるみたい」
 蝋燭の焔の代わりのように飾られる赤いオーブの輝きを青い瞳にうつし、身体に赤い炎を纏う。燃え盛る炎はまるで生きた鎖のように細くなると、灯の腕の動きに合わせて音もなく撓りその熱でオーブをパリン、と割っていく。
「上は私に任せて。アナタの方は下をお願い!!」
「あぁ、任せろ」
 互いに言葉による意思の疎通を行い、それぞれの行動範囲で見つかるオーブを、見つけた端から壊してまわっていった。

 その空気の違和感に気付いたのはクロウだった。戦場で得られる知識と経験、そこから感じ取った明らかな空気の違和に、クロウはサカホコを瞬時に投擲に用いる長い槍に形どらせ、灯がいるシャンデリアへと投げつけた。
「え!?」
 突然足場が大きく揺れ、衝撃で砕けたシャンデリアから落ちる灯を、クロウは下でしっかりと受け止める。灯が何事かと口を開こうとした瞬間、頭上からバギンッ!!と大きな鈍い音が響いた。
「悪いな。お行儀の良いかばう方法だと間に合わんと思った」
 手元に戻ってきたサカホコを撫で、クロウと灯はそれぞれの戦闘射程の距離を取る。

 音を聞きつけ集まった猟兵が見たもの。
 それは。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『首無しの天馬』

POW   :    突進
【高速移動】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【突進】で攻撃する。
SPD   :    幽鬼の馬車
自身の身長の2倍の【馬車】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
WIZ   :    飛翔
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 それは、首のない馬だった。
 宙を駆けまわる翼の生えた首なし馬が、ダンスホールの様な広さの空間で駆け躍る。
 嘶きの代わりに背に生えた翼を力強く動かし、壁を、床を、宙を、蹄で蹴りながら猟兵を囲むようにその数を増やしていく。

 それがオブリビオンであることは明確であり、首なしの天馬が猟兵へ向ける敵意も明確だった。
 猟兵は武器を構え、向かってくる敵意をしっかりと受け止め、戦闘の体勢を整えた。
アトシュ・スカーレット
おーおー、この城の主人の使い魔かなんか?
ま、本人かもしれねぇけど、ぶった切れば問題なしだな

【トリニティ・エンハンス】で二本の刀剣に炎の魔力を付与
【属性攻撃】の準備をする

【空中戦】を仕掛けられないように注意しながら行動
【2回攻撃】で手数を稼ぎ、【傷口をえぐる】ようにする

防御は魔力をオーラの代わりにして【オーラ防御】


ユナ・ニフェトス
首のない天馬…
数が揃うと世界も相まってなかなかホラーですね
小さな子供は泣いてしまいそうな光景です
私は幼子ではありませんので関係ありませんが

さあ、一体残らず眠っていただきましょう

▼戦闘
簒奪者の鎌を使用
【範囲攻撃】【2回攻撃】で複数の対象を攻撃

ダンスホールならば余計な障害物は少ないでしょうし、全力で行きましょう

敵を常に観察し
攻撃前の予備動作があるならばそれを察知、回避
ないなら【第六感】【野生の勘】で回避

回避が難しい場合は鎌で【オーラ防御】

この状況でなければ、たとえ欠損していても駆け回る姿を眩しく思うこともあったでしょう
でもその自由さは今は不要なのです
どうか、安らかに

※アドリブ歓迎



・駆け抜ける天馬と煌めく刃

「おーおー、この城の主人の使い魔かなんか?」
 アトシュ・スカーレット(銀目の放浪者・f00811)は様子を見るように首なしの天馬達から一定の距離を保ちつつ、2本の刀剣を引き抜くと、煌めく刃の周りに赤い焔が絡み付く様に燃え上がる。
「……ま、本人かもしれねぇけど、ぶった切れば問題なしだな」
 天馬の一頭が翼を大きく打つように動かし、嘶きの代わりに蹄鉄を鳴らす。動きの法則などを無視した高速移動から繋がる勢いのある突進が、アトシュ目掛けて繰り出される。
 斬って勢いを相殺するのは難しいと判断すると、すぐさま水と風の魔力を防御の為に変換し、魔力による即席の防御壁を作り出す。
 首のない天馬の人より大きな体躯が防御壁へとぶつかると、強い衝撃が生まれる。それはダメージとして身体に通るものではなかったが、身体を後退させる程の凄まじい勢いがあった。アトシュは小さく舌打ちすると、踏みしめていた足を床から離れさせ、軽やかな跳躍をして後ろに飛び退いた。
(相性が、良くないのでしょうか)
 天馬とアトシュの動きを少し離れた場所から見ていたユナ・ニフェトス(ルーメン・f13630)は簒奪者の鎌を握りながら、胸の内で呟いた。
確証など、どこにもない。しかしアトシュの力が天馬より劣っているわけでも、天馬がアトシュの力を越えるほど強大な力を持っているようにも思えない。
 しかし戦場で気がそれるような自問自答をしている余裕などはない。ユナは再びアトシュへと突進を行おうとする首なし天馬の動きをよく観察する。そして、天馬が蹄鉄を踏み出した瞬間、声を響かせる。
「横に跳んでください!!」
 ユナの言葉に咄嗟に反応したアトシュは、床を蹴って後方ではなく横へ大きく跳躍する。
 天馬はアトシュが先ほどまで立っていた場所を風のように勢いよく駆け抜けていき、勢いを殺せずそのまま壁に激突した。
「攻撃のパターン、もしかして、わかったりしたんだ?」
「前動作はいくつかあるようですが。突進してくる前に蹄鉄を2回鳴らすようです。その後はただ直線に走って、今のように何かにぶつかるまで進むようです」
 横に避ければ問題ないということ、そして上手く動けばすれ違う瞬間を狙って攻撃を仕掛けられるということに、アトシュとユナはそれぞれ気づき、頷きあって武器を構える。
 相手の攻撃手段のひとつを見切ることができた2人は、刃を振るい、瞬きひとつの間に繰り出されるような二度の攻撃を駆使して、手数で天馬の群れを攻めはじめる。
「数が揃うと世界も相まってなかなかホラーですね」
 ユナはそう言葉をこぼす。
(この状況でなければ、たとえ欠損していても駆け回る姿を眩しく思うこともあったでしょう)
 しかし、その自由に駆け回る様は、『今』不要だ。
(どうか、安らかに)
 踊るように鎌を振り回し、天馬の動きを簒奪しながら、ユナは目を細めて微笑んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

小読・灯
さっきはありがとう、クロウさん
いきなりだったからビックリしたけど、もう大丈夫

さて、と
相手は空を飛べて私は飛べない
これで遠くから攻撃してきたら厄介ね。だけど、そうじゃないならまだ戦い方はあるわ

まずは【ウィザードミサイル】で敵を攻撃していきましょう
遠距離で攻撃しつつ、炎の矢の量が薄い所を作ればきっとそこから私に向かってくると思うの

向かって来るのに合わせて鞘に入った状態のフランべルジュの柄に手を掛けて待機

そして敵が近付いてきたら幻の絵の具(【迷彩】)で一瞬私の姿を蜃気楼の様に揺らめかせて距離を錯覚させましょう
直ぐにフランベルジュを引き抜きながら炎を纏わせて敵を斬るわ

お返しよ
少しはビックリしたかしら?


クロウ・タツガミ
他猟兵と連携、アドリブ歓迎だ

【POW】

見慣れぬ敵だが、直接攻撃主体ならやりようがある

翼を出し空中を飛び、空中という【地形を利用】して【情報収集】をするつもりだ。他の猟兵に敵の動きを指示しつつ、【戦闘知識】を用いサカホコ(ハルバート)を手に【怪力】による【2回攻撃】で【串刺し】を狙いつつ戦うつもりだな。敵の物理攻撃はガンドレットによる【盾受け】で防御して、近くの猟兵への攻撃は極力【かばう】つもりだ

突進の勢いはあるようだが、力負けするつもりは無い

多数の敵を確認したら、【黒帝九相】で上空から無数の拷問用の杭を降り注がせて攻撃するつもりだ

空を飛ぶ馬とて、地に縫い付けられれば木偶も同然



・黒い雨と熱い雨

 数瞬の間を置いて小読・灯(灯売り・f01972)はクロウ・タツガミ(昼行灯・f06194)の腕から飛び降りる。
「さっきはありがとう、クロウさん。いきなりだったからビックリしたけど、もう大丈夫」
 ニッ、と笑って見せる灯にクロウはひとつ頷いて返す。灯は、さて、とひとつ呟き、戦場の敵を確認する。
「相手は空を飛べて私は飛べない。これで遠くから攻撃してきたら厄介、だけど」
「あぁ。見慣れぬ敵だが、直接攻撃主体ならやりようがある」
 そう言ったクロウの背中から、竜種の翼がバサリと広がり出でる。隣にいた灯はそれを見て瞬きをひとつすると、これは良い巡りだ、と鞘に収まった剣を握る。
「クロウさん。上に行くような敵は任せてもいい?」
「……引き受けよう。そちらは?」
「任せて、しっかりと下で戦わせてもらうよ!!」
 互いに一度目を合わせ頷きあうと、各々が武器を構えて戦闘行動へと入る。

「さぁ!!私の尾を引く流れ焔、とくと味わってみて!!」
 指をパチンと鳴らすと、灯の頭上に数多の炎の矢が発生する。それは美しい尾を引く流れ星のように首のない天馬達へと降り注ぎ焔の壁となる。
 首がないながらに感覚はあるようで、数頭の天馬が燃える壁の比較的薄い場所を探し当て、そこを駆け抜けて灯のもとへと向かってくるが、それこそが狙い。
 幻から作り上げた絵の具を纏い、風景に溶けるように姿を眩ませ、天馬の感覚を一瞬迷わせる。動きが鈍った首のない天馬に音もなく駆け寄ると、その姿は蜃気楼のように揺れる。天馬が気づいた時には、鞘に収まっていた『フランベルジュ』を抜き、波打った刃を美しく煌めかせて、天馬の身体を斬り抜けた。

 ソレを確認しながら、天馬の動きを読みとり灯に言葉を投げていたクロウのもとまで、下よりも少ない数だが天馬達が宙を蹴り、飛翔してくる。オブリビオンであるが馬である、という認識をもち、クロウ自身が知る範囲での戦闘経験や知識から、敵の動きを数パターン思考する。
 宙を強く蹴って、その勢いのままに突進が繰り出されるが、床に足を着けているよりも威力も速度も遅く、それをガンドレッドを用いて盾の要領で受け流すのは難しくはなかった。
 ハルバードに姿を変えた『サカホコ』を振るい、一手の間に二度の斬撃や貫きを繰り出し、宙に跳び上がってくる天馬達を斬り伏せ、自分の頭上を取らせることがないように動き、捌く。

 灯と下にいる天馬の位置をよく確認し、敵をもっとも効率よく攻撃の範囲内に収められる場所へ翼を羽ばたかせて、位置を取る。
「おい!!少しの間離れていろ!!」
 クロウの声をしっかりと聞き取った灯は、天馬達の群れから一度距離を取るために強く床を蹴って飛び退く。
 ハルバードを一度手の中で振るい、切るように刃で宙を薙ぐ。
『滅べば皆、九相に至る』
 薙ぎ斬れた空間から、黒く鈍色をした拷問器具の杭がその姿を見せる。それは幾つも幾つも形となり、数えきれない程になり、まるで床を隠す『雲』の様になる。
 クロウが手を振るった瞬間、その『雲』は『雨』に変わる。無数の杭は彼よりも下にいる天馬達に容赦なく降り注ぎ、その体躯を貫いていく。
「空を飛ぶ馬とて、地に縫い付けられれば木偶も同然」
「なら、その木偶の処理もしないとね!!」
 戦場をしっかりと確認していた灯が、手にした剣を頭上に掲げる。呼応するように招来した炎の鏃(やじり)は、地に縫い付けられた首のない天馬達に再び放たれる。
 杭と炎。
 ふたつの豪雨を立て続けにうけた天馬達は、成す術もなく青白い炎となって消え去った。
「まだ残っているな。油断はするな」
「もちろん。猟兵としての仕事、しっかりこなすよ!!」
 残存する首なしの天馬達を、黒と青、宝石のような目が捉えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

スピレイル・ナトゥア
「役割分担がこういうときこそ大事です」
敵に大ダメージを与える役は他の猟兵さんたちに任せて、私はサポートに回るとしましょう
遮蔽物から遮蔽物へ次々に移動して敵の攻撃を回避しながら、精霊樹の弓による【スナイパー】でみなさんを【援護射撃】します
天馬さんが突撃してきた場合は、咄嗟に炎の精霊を召喚して自分の身を守るとしましょう
「あの天馬さんはどうやら建築家さんではなさそうですね。城を作るような知能があるようには見えません。それにしても、あの首の断面はいったいどうなっているのでしょうか?」
……そもそも、この城って誰かによって作られたものなのでしょうか?
摩訶不思議びっくり自然発生のお城のような気がしてきました



・風裂く鏃は炎を踊らせる

 他の猟兵達の間を縫うように移動しながらスピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)は『精霊樹の弓』と矢を合わせ、構える。
「役割分担がこういうときこそ大事です」
 主体火力となる攻撃を、同じ戦場で戦う猟兵に任せ、スピレイルはそこから漏れ逃げた天馬の足を狙い澄まし、射抜いていた。
 どこからともなく放たれた矢を脚に受け、首のない天馬の多くは失速していく。
 しかし身を隠すには限界がある。スピレイルを見つけた無傷の天馬が蹄鉄を踏み鳴らして突進してくる。
 しかし。
『なっ……驚かせないでください!』
 スピレイルの眼前に焔を纏う精霊が現れ、首のない天馬の身を焼き焦がす。嘶きの代わりに激しく炎と共に駆け回るが、燃え上がる勢いは消えず、火に焼かれた天馬は自身から噴き出た青白い炎と赤い炎を舞わせながら、横に倒れて消えていった。
「それにしても、あの首の断面はいったいどうなっているのでしょうか?」
 攻撃を続けながらも、ふと思いついた疑問を口にする。近くで確認したい気持ちはあるが、それは戦場でなければの話。スピレイルは援護射撃を続けながら、確実に首のない天馬達の数を減らしていった。

 そして、ダンスホールの広さを所狭しと駆けまわっていた首なしの天馬の群れは、最後に青い炎を立ちのぼらせて、すべて消えていた。
 スピレイルは大きく息を吐き、改めて内装を目にする。
「あの天馬さんはどうやら建築家さんではなさそうですね。城を作るような知能があるようには見えませんでしたから」
 ダンスホールから奥へ繋がる長い廊下を進み、壁を触りながら少女は首をひねった。
(……そもそも、この城って誰かによって作られたものなのでしょうか?)
 もしかすれば、自然に発生したものかもしれない。そんな考えを過らせながら、スピレイルは小さな歩みを進め、奥へ奥へと進んでいった。

 猟兵達が、進んだ先にあったのは。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『『変態的破滅招来体』ランジーリ』

POW   :    本当の自分と向き合って!
【欲望】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【対象の分身】から、高命中力の【本音】を飛ばす。
SPD   :    あなたの気持ち、わかるわ!
【まるで相手の心をわかっているかのように】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    あなたの欲望を教えて?
質問と共に【視線を向けてウィンク】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ウルフシャ・オーゲツです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


・招かれざる破滅

 進んだ先にあったのは、白い建材のシンメトリーが美しい、しかし建物としては明らかに不自然なエントランスホールだった。
 いくつものシャンデリアがホールを照らし、そこはまさに天使の住居への入り口の様であった。
「ようこそいらっしゃいましたぁ」
 その美しさの中に現れたのは、絹の様な光沢をもったスカートを翻し、艶やかな2本の黒い尾を靡かせた、陶磁器の様に美しい肌をもつ、ナニかだった。
 そのナニかは腰をくねくねと動かしながら、ゆっくりとホールの中央まで歩いてくると、猟兵へ頭を下げる。
「御挨拶しないといけないけどぉ、でも、この喋り方っ!!やっぱりあわないわぁん」
小指を優しく唇で食み、バチコーンッ!!と破壊力満点のウインクを見せる。反射的にその直線から身を反らしたくなるが、目の前にいるのは間違いなく敵であると言う猟兵の勘が、その動きをしっかりと止めた。
それに気をよくしたのか、目の前でくねくねと動くソレは、にこり、と微笑む。
「それじゃぁ、改めて、ご挨拶するわぁ」

ズドン!!と城が揺れるほど衝撃が、目の前のナニかが踏みしめた足から放たれる。その衝撃は素足のすぐ下の床にヒビをいれ、浅く陥没させている。
 太ましく雄々しい筋肉の腕が振りあげられ、握った拳を床に打ち付ける。砕け散る建材と暴風の様な衝撃の後、快活な低い笑い声が響く。

「よくぞここまで辿り着いた、猟兵どもよ!!名乗らぬは非礼、なれば名乗ろう!!我が名は『変態的破滅招来体』ランジーリ!!骸の海よりあがりしオブリビオン!!」
「試すような真似をした非礼に関しては詫びよう。馬よりもか弱いモノとケンを交える気にはなれぬ故の、手荒い歓迎になってしまったがなっ!!」
「我がオブリビオンとして望む結末は猟兵の貴殿(きどの)らなら知っているであろう。ならば我が我として望むは、猟兵との戦。ただこれのみよ!!」

 纏う気が風となり、危なげな黒い布をバサバサとはためかせる。いろいろ気になってしまうが、ランジーリが放つ闘気は間違いなく本物であり、先にくだした天馬達と同等に扱えばただでは済まぬことになるであろう。
 敵意と戦う意思を感じ取ったオブリビオン、ランジーリは歯を見せてニヤリと笑う。
「では死合おうではないか、『今』に選ばれし猟兵達よ。ここで我を骸の海へ戻さねば、この白城の成長は進み、いずれ近隣の村々をヒトビトごと飲みこむことを忘れるでないぞ」
 言い終えたランジーリは大きく息を吸い込むと、猛々しい獣の様な咆哮をあげた。
 ビリビリと震える空気の中で、猟兵は武器を構え、目の前のオブリビオンを見据えた。
スピレイル・ナトゥア
他の猟兵から噂には聞いていましたが、あれがランジーリ……!
できることなら会いたくなかったオブリビオンでしたが、挿絵に描かれていなかったら避けられないじゃないですか!

「あなたみたいな変態がオブリビオンとして望むことなんて、私知りません!」
いや、知ってますけど
あなたのことを少しでも理解しているような素振りを取りたくなかっただけです!
知り合いだって思われたら恥ずかしい的なアレです!

こんな強烈なのが摩訶不思議びっくり城を造った建築家さんだなんて知りたくなかったです
私の視界から一刻も早く消去するために、精霊の力を1度に1種類ずつしか本来は扱えない私ですが、暴走させることで複数扱うことを可能にしましょう!


クロウ・タツガミ
他猟兵と連携、アドリブ歓迎だ

【POW】

分かり易い敵だな、ならばこちらも武をもって応じさせてもらう

【戦闘知識】を元に戦闘する予定だ。まずは【先制攻撃】としてレプリカの【投擲】をした後に接敵する。

まずは、小手調べ

投擲に続いて、近付きサカホコ(ハルバート)で近接攻撃を仕掛ける。【気合】を入れ【怪力】による【2回攻撃】で【串刺し】を狙おう

さて、どちらの力がより勝っているかな

物理攻撃はガンドレッドの【盾受け】で防ぎ、可能ならば他の猟兵を【かばう】つもりだ

力押しならば、簡単に負けるつもりは無い

足を止め、攻撃を打ち合いつつ【逆鱗】を放つとするか

不毛な問いの答えはこれで十分だろう?


アトシュ・スカーレット
【真の姿を解放します】
髪が伸び、片目が金に変色した半幽霊(浮いてる)

うわぁ…こんなのが城主…?
イメージ違うじゃねぇか!!

ルルディが物凄い顔で「ご主人!アレはこの世から滅するべきです!!目の毒!」と言わんばかりにきゅーきゅー鳴いてる…(動物と話す)
うんうん、なら、いつも通りに変身してね

【トリニティ・エンハンス】で炎の魔力と腐敗の【呪詛】を付与
【属性攻撃】と【鎧砕き】をやりやすくする準備をする

防御は魔力をオーラ代わりにして【オーラ防御】をした上で、ルルディで受け止める(武器受け)

共闘、アドリブ大歓迎



・認められない望みと思い

「うわぁ…こんなのが城主…? イメージ違うじゃねぇか!!」
 重量くなく浮き上がり、背中に黒い髪を伸ばして片目を金の色に変え真の姿を解放したアトシュ・スカーレット(銀目の放浪者・f00811)は目を細めて、隣にいるクロウ・タツガミ(昼行灯・f06194)とスピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)を見る。スピレイルは力強く頷き、握った手を震わせ、クロウもサカホコをハルバードに形どらせ、構えをる。
「他の猟兵から噂には聞いていましたが、あれがランジーリ……!」
「分かり易い敵だな、ならばこちらも武をもって応じさせてもらう」

 クロウは違和感のない動きで、指の間に挟んだ『レプリカ』のナイフを無駄のない所作でランジーリへ投擲する。一切の迷いもなくランジーリへ吸い込まれるように放たれた暗器のナイフだったが、にたりと笑ったオブリビオンはソレを難なく手でつかみ取り、落す。
「まずは、小手調べのつもりだったが」
「武をたのしむモノであるなら、この類もキライではないがな。我が望みには足りぬ」
 ランジーリの言葉に、拳を震わせていたスピレイルが、言葉を放つ。
「あなたみたいな変態がオブリビオンとして望むことなんて、私知りません!」
 表に出すには少々色々なモノが多すぎて、言葉にすることができず、スピレイルはそれを攻撃にすることで、ランジーリへとぶつける。
『荒れ狂う力を野に放て!』
 本来は複数同時に扱えない炎、土、雷の精霊の3種の精霊だが、力を暴走させることによってそれを可能にする。土の力で砕かれた建材の礫(つぶて)に炎を纏わせ、雷の力を用いて勢いよく弾きだすそれは、まるで精霊の弾丸。
 しかしランジーリは、その動きはまるで分っていたかのように黒いスカートをはためかせて、初撃を軽やかにかわす。
 そこへ斬り込んできたアトシュは武器に炎の魔力と腐敗の呪詛の力を纏わせて、目の前のオブリビオンへと剣を叩きつける。
「むぅっ!?」
 多少のリスクを犯しつつ、素手による白刃取りをみせたランジーリだったが、じわりと熱を持って手に侵食してくる呪詛と炎の熱に、顔を歪めて勢いよく飛び退き、手を振るう。
 間近でそれを見たアトシュは、何とも言えない気持ちと、何とも言い難い表情を、すんっ、と真顔になることで飲みこむ。
(確かに、目の毒だな)
 あらゆる意味で視覚への暴力が半端ないランジーリから目をそらしたい気持ちを抑えつつ、アトシュはもう一度、剣を宙で振るい、体勢を整える。

「力押しならば、簡単に負けるつもりは無い」
 クロウの言葉に、ランジーリは、ほう、と呟く。
「なにか楽しめる術を持っているようだな、見せていただこうじゃないか」
「見せろと言われて見せるのも、少々癪だが」
 下手な小細工で時間と体力を浪費するよりも、一撃でも入れたほうが良い。クロウはそう判断し、ハルバードを斜めに構え、刃を上に振るいあげ、床を強く踏みしめ、跳ぶ。
『其れは、只人の怒りなり』
 単純で重い武器による一撃。それはランジーリが打ち上げた拳とぶつかり、強い衝撃波を生み出し、鈍く重い音を立てて床を、手すりを、シャンデリアを揺らし、崩壊させる。
 ランジーリは力を逃がすために腕を振るって、宙へ余分な力を受けながし、ニタリと笑って見せる。
「中々に心地よい痛みだったな」
「そいつはどうも」
 抑揚のない声で淡々と呟き、再び武器を構えるクロウと、ランジーリを衝撃の届かない場所から見ていたアトシュが、こそりとスピレイルに訊ねる。
「なぁ。おまえ、だいぶあのオブリビオンに嫌な思い出があるのか?」
「い、いえいえ!? 知り合いだって思われたら恥ずかしい的なアレです!!」
 スピレイルはぎこちない引きつった笑いを浮かべて、首を振って見せる。アトシュはそれ以上は追及せずに、スピレイルの肩をポンとたたいて、クロウとランジーリの間に走っていった。
「……こんな強烈なのが摩訶不思議びっくり城を造った建築家さんだなんて知りたくなかったです」
 スピレイルの大きなため息が、ぐらぐらと揺れるエントランスホールに、むなしく吸い込まれた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ユナ・ニフェトス
ならばこちらも名乗りましょう
私はユナ・ニフェトス
貴方の命を貰い受けに来ました

▼戦闘
肉体だけじゃなく精神的ダメージも大きそうなので
エレメンタルロッドで光の【属性攻撃】を【全力魔法】
出し惜しみなしで行きましょう

回避できるなら【オーラ防御】
出来ないなら素直に答え、すぐさま攻撃に転じます

戦闘終盤、敵のダメージが重なってきたら
【ジャッジメント・クルセイド】を使用

昔と違い、今の私は欲望に塗れているんです
既に自分と向き合えているので、貴方の存在は今の私には必要なかったみたい
残念でしたね


アンテロ・ヴィルスカ
煌石君は予知で先にこれを見ていたのだよなぁ………まぁいいが

君がどんな姿であろうと元より手加減などする気はない
いや…その必要もないな?
お相手願おう、城の主よ。

先ずは双剣と鎧を武器・防具改造
俊敏に動けるよう軽装化、外套も外しておこう

一撃一撃が重そうだ、君は立派な身体をしているものな。
俺の本体はこの小さくて脆いロザリオでね?羨ましい限り…

敵がおびき寄せに乗り、俺の間合いに踏み込めば
刻印から出現させた血の棘でカウンター、串刺しで致命傷を狙う

敵の勢いを殺せなければ【POW】Musta linna
君の城ほど立派ではない…だが堅牢だぞ?


…ところで着替えて来たらどうだ、正直正視に耐えない。

アレンジ歓迎



・従事の騎士と欲知る聖者は破滅を退け……

(煌石君は予知で先にこれを見ていたのだよなぁ……まぁいいが)
 アンテロ・ヴィルスカ(白に鎮める・f03396)は俊敏に動けるよう、不要な部分の防具や外套をその場で脱ぎ捨てながら、ここへ送り出したグリモア猟兵の姿を思い出していた。
「オブリビオンに礼を失して笑われるは恥……ならばこちらも名乗りましょう」
 白い絹糸のような艶やかな髪を靡かせて、少女は凛とした空気を纏い言葉を口にする。
「私はユナ・ニフェトス。貴方の命を貰い受けに来ました」
 そう告げたユナ・ニフェトス(ルーメン・f13630)の言葉に続くよう、アンテロも小さく名乗る。
「君がどんな姿であろうと元より手加減などする気はない。いや…その必要もないな?」
「黒の騎士と天舞う聖者か。無論、加減など互いに必要があるか」
「否。で、あるならば……お相手願おう、城の主よ」
杖を構え、剣を構え、拳を構える。脆く崩れ落ちてくる天井を支える建材の欠片がぱらぱらと音を立てて床に転がる。
「では」
 ズンッと音を立てて踏み込んだランジーリは跳ぶようにアンテロへと肉薄し、拳を振るう。太く硬い筋肉質の腕から繰り出される重い一撃を、黒の騎士は双剣を振り払う勢いで相殺し、防ぎきれなかった衝撃を殺すために後ろへと飛び退く。
「一撃一撃が重そうだ、君は立派な身体をしているものな」
「肉体、経験、知識、そして統合する勘。戦場においてどれが欠けても長くはあれぬ」
「なるほどな。俺の本体はこの小さくて脆いロザリオでね?羨ましい限り……」
 その言葉は誘い。ランジーリを再度自らの間合いに誘導するための言葉だったが、目の前のオブリビオンはドスン、と音を鳴らして後方へ退く。
「十字架に従事する騎士よ、今、貴殿(きどの)は『欲』を抱いたな」
 ランジーリの言葉に、アンテロは表情を崩さないが内心で眉を寄せる。
 欲。間合いへ誘い込み、敵の致命傷を狙う。戦場であれば誰しもが狙い、望む、欲。それを指摘された瞬間、ぶわりとランジーリの影から黒い靄が立ち上り、それはアンテロと同じ形を作り出す。
 それは何事か、言葉にも文字にもならぬ音を発して槍のように形を変えた靄がアンテロめがけて飛んでくる。
「ふむ。君の城ほど立派ではない……だが堅牢だぞ?」
 肩幅に足を開き重心を安定させ、双剣を構える。
『聳える要塞、眠り姫を囲う茨の城…英雄でもなければ越えられまい』
 次の瞬間アンテロの全身が、鋭い棘を纏った鎧の姿に変わる。
不動の城。そこに向かった靄の槍は、堅牢な城壁にぶつかり衝撃に耐えきれず霧散する。
 その反動はランジーリにダメージとなって重なった。鈍い声を出して、腹部を抑えニタリと笑う姿は、なかなかに無気味であった。
「あまり長引かせたくはないですね」
 ユナはゆらりとエレメンタルロッドを揺らし、淡い光の魔力を身体に纏い、防御の力を高める。
「どこかの言葉にあったな。兵は速さと確実さを尊ぶ、だっただろうか」
「それは私にはわかりませんが、正直に言いましても」
「まぁ、見るに堪えん姿ではあるな」
 動かずにいたアンテロが、ユナの言葉を続ける。姿をけなされたが、ランジーリはカカッと笑い飛ばす。
「それは失礼。しかしお綺麗な荒事は得意ではない。姿や振る舞いに美しさを求めるのであれば、他のモノに任せよう」
「これ以上、オブリビオンの脅威は広げません」
「ならば、止めて、見よッ!!」
 ふんっ!!と力強い目力で片目を閉じ、視線と共に闘気とあまり受けたくない何かをランジーリはユナへと飛ばす。
「貴殿が今!!求めているモノはなんだ!?」
 その質問と共にユナの動きが止まる。少女は少し思考するように口に指を当て、思案するように目を細める。長い睫が揺れ、静かにランジーリへと視線が向けられる。
 次いで、ユナの顔にあったのは、静寂を凍らせるような、笑顔だった。
「私は先程も言ったはずです」
 綺麗な指先をそっとランジーリへと向ける。その質問は愚問であると。
「私はユナ・ニフェトス。貴方の『命』を貰い受けに来ました」
 向けられた指先がランジーリをしっかりと捉えた瞬間、ランジーリに雷の様な光が命中する。それは陶器のような肌を引き裂き、シルクのような黒い衣服を爆ぜさせる。
「……見事っ!!」
 ランジーリは床に膝をつく。すでに身体を支えるだけの力を持ってはいないらしく、傷を負ったか所からガラスが砕ける様にヒビが入っていく。
「昔と違い、今の私は欲望に塗れているんです」
「欲を隠さず曝け出すか」
「さぁ?ですが、既に自分と向き合えているので、貴方の存在は今の私には必要なかったみたい」
――残念でしたね。ユナはそう言って微笑を向ける。
――見事なり、猟兵。オブリビオンはその言葉お残し、ガシャン、とガラスを割るような音共に欠片となって消えていった。

 オブリビオンが消えると同時に、白城がサラサラと砂の様に崩壊を始める。城から脱出した猟兵達が見たのは、白い砂塵が翼のように風に舞い広がり、まるで巨大な天使が降臨したかのような、異様であるが、それでも、美しいと思えかもしれない光景だった。
 やがて白城は完全に消え去り、猟兵は胸にオモイを抱いて、その場を後にするのだった

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月15日


挿絵イラスト