●崩壊のはじまり
2020年、冬――。
『ヒーッヒッヒッヒ!!!』
木霊する老婆の甲高い嗤い声。
熱帯の如き灼熱の空気、漂うクソ甘い香り。
――世界は、クッキーを焼くオーブンの焔に包まれた。
●BBA黙示録(あぽかりぷす)
……と言う訳で。
「ちょっと世界が滅びそうデース」
ルキヴァ・レイヴンビーク(宵鳴の瑪瑙・f29939)は物凄く軽い口調で曰った。
そんなに簡単に世界滅びてたまるかYO!と言う意見もあるだろうが、カクリヨファンタズムという世界の不安定さを考えると割と日常茶飯事らしい。
「今回のカクリヨで大量発生するもの。それはクッキー、デス」
家事が得意な西洋妖怪シルキー。可愛い女性の姿をした妖精の一種なのだが、その中でもクッキー作りが得意な彼女に、老魔女の骸魂が取り憑いてしまったらしく。
哀れにもその身を乗っ取られ、恐ろしい形相の老婆と化したシルキー。
そして――世界はクッキーで埋め尽くされる。
「まず、空からは雪のように、とめどなくクッキーが降ってきマス」
まぁそれは大体想像が付く。
「農園ではクッキーの花が咲き実が生りマス」
作物全てがクッキーに置き換わり、クッキーファームと化すらしい。
「硬貨(コイン)も全部クッキーに変化しちゃいマース」
経済もクッキーに支配される。
最終的には世界全ての概念がクッキーと化すのだ。
全く以てワケが分からない話だが。世界が滅ぶのはまぁ間違いない。
「事件を解決する為には、迷宮の奥にいるBBA――いえ、グランマをぶっ倒す必要がありマス。しかしその道のりはハードかと思われマース」
まず、彼女を中心に広がる迷宮の建物構造物は全てクッキーに置き換わってしまう。
壁も床も天井もクッキー。つまり……崩壊するのだ、物理的に。
「崩れ落ちていく迷宮を抜けマスと、次は骸魂童子と言う子供姿のオブリビオンの群れが立ち塞がると思われマス」
元々はシルキーの作るクッキーを楽しみにしていた子供の妖怪達だった筈だが、骸魂に飲み込まれて真っ先にオブリビオン化した者達らしい。
無論、戦って倒せば、彼らに取り憑いた骸魂から解放して救う事が可能だ。
「最後が今回の事件のボスであるグランマなのデスが、なかなか凶悪デース」
まぁ見たら解りマスよ、と首を横に振ってルキヴァは締めくくり。
「そんな訳で、カクリヨのワールドをクッキーから救って来て下サイ」
世界が滅ぶとは到底思えない緊迫感の無い笑みを浮かべたまま、ルキヴァはグリモアの光を指先に描くと、猟兵達を転移させるのであった。
天宮朱那
天宮です。クリスマス時期になると可愛いクッキーもいっぱい。
執筆のお供に買い込んでは紅茶と一緒にモグモグしてます。
まず大前提として。『ネタ系シナリオ』です。
真面目なプレイングよりもボケかツッコミに走った方が楽しい系。
アドリブ多用がデフォルトなので敢えて書かなくても大丈夫です。
第一章は冒険。
建築構造物がクッキーと化して崩壊していく迷宮を抜けて下さい。
壁や床が崩れて降って来ます。空からもクッキーが降って来ます。
全てのクッキーは食べてもお腹を壊したりしませんのでご安心を。
第二章は集団戦。
骸魂童子と言う子供のオブリビオンとの戦い。
子供らしい戦い方をしてくると思っておいて下さい。
迷宮を抜けた先なので足場はそこそこマトモ。時々崩壊。
第三章はボス戦。
妖怪BBAです。勝てる気がしない見た目してますが、ちゃんと勝てます。
ユーベルコードが色々ヒドいけど。誰だこんなの作ったの。私だ。
各章、断章追記予定。その前からでもプレイングは受付します。
マスターページやTwitterなどでも随時告知をしますので宜しくお願いします。
適度に人数集まったら〆切目安の告知予定。
複数合わせは迷子防止に相手の名前(ID)かグループ名記載を。最大3人組まで。
技能の『』【】等のカッコ書きは不要。技能名並べたのみで具体的な使用方法の記述が無いものは描写も薄くなります、ご了承を。
第1章 冒険
『崩壊が早すぎる』
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POW : 降りかかる瓦礫を跳ね除けて脱出する
SPD : 崩れ落ちる地形を駆け抜けて脱出する
WIZ : 最も安全な経路を導き出して脱出する
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
崩壊していく迷宮。
それは割れてはボロボロと崩れ落ち、小麦と砂糖の甘い香りを残して粉と化す。
空からはまるで雪の様にゆっくりと降ってくるクッキー達。
手に受け止めて囓れば、何の変哲も無く美味しいクッキー、なのだが。
そう――世界はクッキーと一つになろうとしてる最中なのだ……。
いや、どうしてこうなった。
久遠寺・遥翔
アドリブ歓迎…え、書かなくてもいいって?
なにこれ…なぁにこれ?
やべぇな。世界はクッキーに包まれた…!
生身でこんなところを突っ切る気にはなれない
「来い、イグニシオン!」
キャバリアに【騎乗】しつつUC【ダッシュ】による高速飛行で一気に突っ切る
「行くぜ相棒。一気に駆け抜けるぞ」
崩れ落ちる地形は【第六感】で【見切り】つつ黒焔の太刀による【範囲攻撃】で薙ぎ払い、【焼却】しつくして最短ルートを突っ切るぜ
「邪魔だ! クッキーは火に焼かれるためにあるんだからおとなしくしてやがれ!」
クッキー化の呪い(そもそも呪いなのか?)は【呪詛耐性】【オーラ防御】で機体を覆って防ぎつつ突撃だ!
「アドリブ歓迎――え、書かなくても良いって?」
久遠寺・遥翔(焔黒転身フレアライザー/『黒鋼』の騎士・f01190)はどこか第四の壁に向かって確認を一つする。大丈夫だ、問題無い。
そんな彼の目の前には、クッキー、クッキー、クッキー!!
「なにこれ……なぁに、これ??」
空からは雪の様にふわふわと重力を逆無視してゆっくり降り落ちるクッキー。
目に見える迷宮の壁も床も柱も、ぜーんぶクッキー。
しかも絶賛崩壊中。
「やべぇな――世界は、クッキーに包まれた……!」
世紀末救世主伝説に匹敵する世の末を肌に感じる遥翔。ヒャッハー共のいる世界とはまた違う世界崩壊の姿に戦慄を隠しきれない。
「生身でこんなところを突っ切る気にはなれねぇな……」
何せ、香りが凄まじく甘ったるい。香ばしいとは思うも、ずっと嗅いでいたら間違いなく脳味噌までとろけてしまいそうだ。
「来い、イグニシオン!!!」
そこに颯爽と登場したのは彼の愛機であるクロムキャバリア『イグニシオン』!
彼の得物同様に黒き焔を身に纏ったそれに遥翔は颯爽と乗り込むと、クッキーの雪が降り注ぎ崩壊していく迷宮に向けて高速飛翔を開始する。
「行くぜ相棒――一気に駆け抜けるぞっ!!」
鋼鉄の機体に崩れ落ちる天井。だが、本来であれば木材や鉄骨、コンクリートである筈のそれらは、彼とその愛機にダメージを与える事は無い。
だって、クッキーだし。
「うおぉぉぉっ!!」
それでも直撃を受ければ粉々になったクッキーの欠片が機体の隙間に入る。いくらキャバリアが最新鋭の兵器とは言え、機械は機械。クッキーが故障の原因だなんて余りにも笑えない話だ。
黒焔の太刀が流れる様に横薙ぎに振るわれれば、薄焼きクッキー達はことごとく黒焦げの消し炭と化して宙に四散していく。
「邪魔だ! クッキーは火に焼かれるためにあるんだからおとなしくしてやがれ!」
所詮小麦と砂糖、燃え尽きればただの炭素である。遥翔とイグニシオンの行く手には炎によって道が切り開かれ、直線ルート――即ち最短ルートを切り開き、突っ切る!!
「迷宮がクッキー化してるのは、妖怪ババアの呪いか……?」
物質も概念もクッキーと化していく中、遥翔は大事な愛機までもがクッキーと化す前にと猛然と先へ進むのであった。
成功
🔵🔵🔴
ジェイミィ・ブラッディバック
あっこれすっごい見覚えあります
具体的にはサラリーマン時代に仕事の合間にやってたブラウザゲーmべべべ別にサボってたわけじゃないですよ、部署ぐるみでハイスコア合戦してたとか何の話ですか(震え声)
ただあのゲームの事象が現実に起きるとか笑えませんよ
ゲームだから笑って見てられましたけど
UC発動、スラスター全開の推力移動とダッシュで駆け抜けましょうか
ついでに小腹が空いたので見切りで降ってくるクッキーをキャッチして腹ごしらえです
ほら、糖分摂取しないと頭が働かなくなりますから
あっ金色クッキー! この機を逃すな! マウスを連打です! 専務の約3那由他クッキーの記録を超えるのです! …マウスはどこですか!!!!
空からはとめどなく舞い落ちるクッキー。
よくよく見ると、迷宮の下の方には水面が広がっている。香りと色を見るに、どうもあの液体はミルクのようだ。
「あっ……これ、すっごい見覚えあります」
ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵・f29697)は己の記憶領域の中に鮮明に浮かび上がるアレに懐かしさすら覚えていた。
そう、具体的にはサラリーマン時代に仕事の合間にやってたブラウザゲーm――
「べ、べべ、別にサボっていた訳じゃないですよ!?」
誰ともなしに弁明を始めるジェイミィ。恐らくここに転移させた鴉妖魔の耳には通信か何かで入っていてケラケラ笑っていそうな所であるが。
「部署ぐるみでハイスコア合戦してたとか何の話ですか、ええ……」
震え声で洗いざらい白状して言うジェイミィ。いや、みんなでサボってるじゃねぇかよその会社。良く円満退職出来たものである。
「コホン――ただ、あのゲームの事象が現実に起きるとか笑えませんよ……」
ゲームだから笑って見てられましたけど……そう呟きながら彼は改めて周囲を見回すと。流石に超巨大クッキーの姿は見えないが、それ以外は何か既視感。
農園がクッキーファームと化す……と言う事は、きっと工場もクッキーファクトリーと化し、銀行もクッキーバンクとなり、鉱山からもクッキーが採掘されるようになるのだろうか。
「そうなってしまう前に、何とかしなければ」
『Neuclear Fusion Extra Booster start up.』
女性の合成音声が発せられ、彼のボディはスラスター全開、推力移動に適した形状と化して一気にクッキー資材の迷宮を飛び翔け抜ける。
宙を切って突き進む間も、天井や壁が崩壊し、彼に向かって降り注ぐも見切り回避しながら、その欠片をちゃっかりキャッチするジェイミィ。
「ふむ、良い香りです。丁度小腹が空いていた頃で」
口に運べば謎の光がシュコォッと発せられ、クッキーは掻き消えてしまい。
「これはなかなか。糖分摂取しないと頭が働かなくなりますからねぇ」
いや、電子頭脳じゃないの? ロボットに糖分必要なの!?
そろそろ中の人の存在を疑うべきなんじゃ無いかと思うこのウォーマシン、飛行するその先に何やら黄金色に輝く何かを発見した。
「あっ、金色クッキー!!」
大量ボーナス(?)のチャンスである。ジェイミィの赤いモノアイの色が変わった気がしたのは気のせいではない、恐らく。
「この機を逃すな! マウスを連打です! 専務の約3那由他クッキーの記録を超えるのです! うおぉぉぉっっ!!!」
1那由多=10の60乗
専務仕事しろ。
「マウスは、マウスはどこですかぁぁっ!!!!」
――いや、ありませんってば。
大成功
🔵🔵🔵
木々水・サライ
【労組】
クッキーで世界崩壊ってマジでわけわかんねえ!!!
いや逆に聞くけどなんでクッキーで世界崩壊しようと思ったの?!
もっと使えるものって他にもあるよねぇ!? アレ、俺がおかしい!?
凌牙、俺おかしい!? おかしくないよね?!
というか、まずはこの迷宮を抜けるのが優先だな。
問題は降り注いでくるクッキーをどうにかしなきゃならねえ。
ってことで【七つ刀の白黒人形】でクッキーをバッキバキに砕いてやる。
ついでに走りながら目の前の壁も砕くぞ。
出口が無いなら出口を作ってやればいいんだよ!!
ツッコミを入れながらな!!
クッキーは食べ物!!!
食べ物は粗末にするな!!!
作るならおかしの家程度にしておけゴラァ!!!
地籠・凌牙
【労組】
安心しろサライ、何もお前は間違っちゃいねえ……
ああ、決して間違っちゃいねえさ……
だがこれが……これがカクリヨファンタズムなんだよなあ……(頭抱え
って言いたいところだったけど食い物を粗末にすんじゃねえええええええええええええ!!!!!
貧乏人に甘いものがどんだけ貴重だと思ってんだ!!!
こんなに大量にあったらちび共が好きなだけ食べれただろうに……うっ……
畜生ォ!!!こんなトンチキな状況で昔の思い出に浸りたくなかったよ!!!!!!
俺のこの怒りぶつけずにいられるかァ!!
【指定UC】に【怪力】を絡めて【鎧砕き】の容量で壁をぶっ壊してやる!迷宮そのものをめちゃくちゃにしてやろうじゃねえかァ!!!
空から止め処なく降り注ぐもの――それはクッキー。
「いや――」
木々水・サライ(《白黒人形》[モノクローム・ドール]・f28416)は眉間を思い切り寄せた顔でその異常気象と言うにもアレな光景を睨み付けた。
「クッキーで世界崩壊ってマジでわけわかんねえ!!!」
絶叫。その様子に隣に立つ地籠・凌牙(黒き竜の報讐者・f26317)はコクコクと頷きを返せば、そんな彼に問い質す様にサライはなおも早口でまくしたてた。
「いや、逆に聞くけど、なんでクッキーで世界崩壊しようと思ったの!?」
その質問はこんな事態を巻き起こしたBBAにぶつけるべきだ。それは解っている。解っているが……言わずには、叫ばずには、ツッコまずには居られない。
「もっと使えるものって他にもあるよねぇ!? アレ、俺がおかしい!?」
ぐるっと視線を凌牙に向けた。そしてぐっと距離詰め寄り、懇願する様にサライは相棒の彼に問いかけた。
「凌牙――俺おかしい!? おかしくないよね!?」
「安心しろサライ……何もお前は間違っちゃいねえ……」
サライの背をポンと一つ叩くと凌牙はゆっくり首を横に振り、一歩進み出る。
目の前には音を立てて崩壊を続ける迷宮。そこら中からクッキーの甘ったるい香りが漂い、凌牙は空から降り注ぐクッキーをそっと両手で受け止めながら、哀愁に満ちた表情で言葉紡ぐ。
「ああ、決して間違っちゃいねえさ……。だが、だがな……これが……」
……これがカクリヨファンタズムなんだよなあ……。
その一言が真実であった。
だって、カクリヨだし。
――で。
頭を抱え込んだ凌牙の哀愁モードの終了と、その復活は早かった。
「って言っちまったけど、そもそも食い物を粗末にすんじゃねええぇぇ!!!」
長すぎて少し割愛させて貰うレベルで絶叫した彼の心からの声が辺りに木霊する。
「貧乏人に甘いものがどんだけ貴重だと思ってんだ!!!」
うっ……と熱くなった目頭を押さえて凌牙は叫ぶ。ああ、こんなに大量にクッキーがあったならば、ちび共が腹一杯好きなだけ食えた事だろうに。
「……と言うか、まずはこの迷宮を抜けるのが優先――だな」
相棒の絶叫っぷりに、サライはつい冷静さを取り戻した。自分より動揺しているのがいれば自ずとそうなると言うものである。
さて、問題はと言うと空から降ってくるクッキーに天井から崩壊して崩れ落ちてくるクッキーをどうにかしながらでなければ先には進めない。
無論、クッキーの崩壊に巻き込まれた所で恐らくコンクリの直撃喰らうよりもダメージは低いだろう。ただし、息が詰まる程の甘い匂いに埋もれて身動き取れなくなるのは目に見えた。野郎二人でクッキーに生き埋めになる図は回避したい。全力で。
「さて、行くぜ凌牙?」
「畜生ォ……こんなトンチキな状況で昔の思い出に浸りたくなかったよ……!!!」
サライは刀を抜きながら促せば、凌牙もぜーはー言いながら拳に力を籠める。
「こんなクッキー如き、バッキバキに砕いてやるッ!!」
「俺のこの怒りぶつけずにいられるかァ!!」
二人のやり場の無いツッコミと怒りがユーベルコードに載せられて、目の前の迷宮の壁をボコスカドゴォッ!と勢い良く穿っていく。
全力疾走しながら、頭上に墜ちてくる床や天井は叩き斬り、立ち塞がる壁は崩壊する前に全力籠めた拳でぶん殴ってぶち破る!
出口が無いなら作れば良い。俺達の目の前真っ直ぐ進んだ先が道だ!
「迷宮だぁ? どうせ崩壊してるんなら、滅茶苦茶にしてやろうじゃねぇかァ!!」
「クッキーは食べ物! 食べ物は粗末にするな!! 作るならお菓子の家程度にしておけゴラァ!!!」
もはや攻撃がこの世界に対する猛烈なツッコミそのものでしかない二人の快進撃は、迷宮の向こう側まで一本のトンネルを形成しながら続くのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
宮前・紅
戎崎・蒼(f04968)と行動
【SPD】
ねえ、蒼くん
このクッキーって持ち帰って良いのかなあ?
美味しいよ♪︎このクッキー!
俺、持ち帰りたい(もぐもぐ)
世界とクッキーが一つになろうとしてるのか、んーーーじゃあ俺止める理由無いや!あはは♪︎
だってクッキー美味しいもん、止める理由とか無いね!
え、おかしいって?お菓子だけに?
……え〜蒼くんオヤジギャグ?さむ〜〜〜い
まあ、蒼くんアラサーだから仕方ない、か………こうやってオヤジ化していくんだね、人って(態と嘘泣き気味に言う)
蒼くんの銃撃を避けながら素早く駆け抜けてくよ
キャーーー蒼くんの人でなし〜!ロクでなし〜!
あ、勿論!クッキーを持って帰るのは忘れずにね♪︎
戎崎・蒼
宮前・紅(f04970)と行動
【POW】
いや、まずはこの状況にツッコミを入れた方がいいんじゃないか!?
どうしたって可笑しいだろ、世界がクッキーと一つにだとか…何故か美味しいクッキーだとか…!
…紅、オヤジギャグでもないし、アラサーも関係ないだろ…というかそんなに僕と仲良くしたかったのか、そうか
ちょっと僕とお話でもしようか(微笑んで銃口を向ける)
降りかかる瓦礫を銃弾で相殺しながら進もう
勿論、紅の奴に銃弾を見舞うことは止めないよ、いや止めてなるものか
…て、待て!拾うな!持って帰ろうとするな!
〜〜ああ!もうツッコミが追いつかない!
ロクでなし〜じゃない!頭ん中砂糖菓子でも詰まってるのか!?(怒)
表であるUDCアースの日本ではきっと雪が降る季節になりつつあるのだろう。
その裏にあるカクリヨでは雪の様にクッキーが降り注いでいるが。
「ねぇ蒼くん。このクッキーって持ち帰って良いのかなぁ?」
「は?」
あどけない笑みを浮かべた灰髪の青年――宮前・紅(三姉妹の人形と罪人・f04970)はこの崩壊する世界に共にやってきた青年――戎崎・蒼(暗愚の戦場兵器・f04968)にその瞳を向けた。
「いや、その……まずはこの状況にツッコミを入れた方がいいんじゃないか!?」
蒼からすれば常識と照らし合わせても、この世界のこの光景は間違いなく異様を通り越してトンチキにも程があった。
何でクッキーが降ってくるのか。
何でそこらの迷宮全部がクッキーと化して崩壊しているのか。
「だって美味しいよ? このクッキー」
「ちょ、もう食べてるし!?」
「俺、持ち帰りたい」
「いやいやいや、どうしたって可笑しいだろ……!?」
蒼は大きく腕を広げ、この光景を指し示しながら紅に問う。問いかける。
「世界がクッキーと一つになるだとか、何故か美味しいクッキーとか……」
「……そんなに変な事?」
だがしかし、紅にはどうも常識という概念が通用しなかったのか。この世界の有様をすんなりと受け入れてすらいるようにも見えるこの反応である。
「ふぅん……世界がクッキーと一つに……か。んーーー」
首を傾げ、そして紅が結論を口にするのはエラく早かった。
「じゃあ俺止める理由無いや! あはは♪」
「はぁぁぁ!?」
「だってクッキー美味しいもん、止める理由とか無いね!」
「常識的に考えて可笑しいから世界が崩壊するんで止めに来たんだろう僕達は!」
思わず早口でまくし立てる蒼だったが。のれんに腕押しとはこのことか……紅はケラケラ笑い出しながら相手を指で差して煽る様に一言。
「え、おかしいって? お菓子だけに?」
――その瞬間、蒼の中で何かがブチ切れる感覚を覚えた、と本人は後に語る。
「…………」
「……え、蒼くんオヤジギャグ? さむ~~~い。まぁ――」
肩を竦めながら紅はやれやれと、尚もクッキーをモグモグ食べながら続ける。
「蒼くんアラサーだから仕方ない、か……こうやってオヤジ化していくんだね、人って」
袖をわざとらしく目元に押し当て、嘘泣き気味に言ってのけた紅の前……にゅっと差し出されたのはハンカチなんかでは無く、冷たい銃口であった。
「……紅、オヤジギャグでもないし、アラサーも関係ないだろ……というか」
目が据わっていた。バン、と一発銃声が響けば、紅の手にしていた食べかけクッキーが撃ち抜かれて粉々に砕け散る。
「……え?」
「そんなに僕と仲良くしたかったのか、そうか」
人間、本当に怒ると案外冷静に見えるらしい。淡々と次の弾を装填しながら蒼はその口の端を持ち上げて、再び銃口を紅に向けた。
「ちょっと僕とお話でもしようか」
ずだん。再び火を噴く銃口。紅は今度は必死に回避しながら、彼の射程圏内より逃げる様に崩壊を続ける迷宮に突っ込んでいく。
「キャーーッ! 蒼くんの人でなし!? ロクでなし!?」
「ロクでなし~じゃない! 頭ン中砂糖菓子でも詰まってるのか!?」
紅を追って蒼も駆け出す。降りかかるクッキーの瓦礫は銃弾を放ち、撃ち抜いて相殺する様に先に粉々に砕いてしまえば恐れる必要はない。
勿論、その間にも逃げ惑う紅に向けて銃弾を見舞う事は止めない――いや、止めてなるものか、と怒り心頭な蒼は狩人と化していた。
「もうヒドいなぁ、あんなに怒るなんて。ああ、そうそう――」
走りながらも紅はクッキーを拾い集めるのは忘れなかった。
「これ、持って帰らないと!」
「……て、待て! 拾うな! 持って帰ろうとするな!!」
銃弾も足もツッコミも、もう追いつかない。蒼が怒りと呆れを胸に抱えながら追いかけて行けば、いつの間にか迷宮の奥に二人して到達しようとしているのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
大豪傑・麗刃
世界が崩壊している?
あー、ほうかい。
床が崩れて、天井も崩れて、空からなんか降ってくる。
これは実に横スクロールアクションあるいはバラエティ番組。これは楽しまねばなるまい。
ひたすらダッシュ!ダッシュダッシュダッシュキックエンドダッシュ。降ってくるものはかわしつつ、床が崩れたら落ちる前にジャンプ。どっかの赤い服着た口ひげのおっさんのごとく。ちょっと早すぎるかもよBダッシュ。コミックブックの技能がジャンプってつまりは週刊(検閲)
(だがいずれは体を張る系お笑い芸人のごとくな目にあうことは明白。そうなったら)
そ、そな目で見ゆコは麗ちゃんぶつじょ!!
(と変態的衝動発動、身体能力あげて無理やり突破をはかる)
「世界が崩壊している? あー、ほうかい」
大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)のダジャレにツッコミを入れられる存在は今此処にはいない。
周囲にはクッキーで出来た迷宮。しかも床は崩れ、天井も崩れ、空からも何やら降ってくる。そんな状況にいられるのは猟兵とオブリビオンくらいだろう。
「これは実に横スクロールアクションあるいはバラエティ番組に似てるのだ」
突っ立っていたら崩壊する足場に巻き込まれてミルクの海に叩き落とされ、間違いなくゲームオーバー。残機も無ければ1UPも無い。ただただ走り続けるしかない。
「これは楽しまねばなるまい」
しかしこの麗刃と言う男、そんな状況をも楽しむ度量はあった。
「ひたすらダッシュ! ダッシュダッシュダッシュキックエンドダァッシュ!!」
Bボタン押しっぱなし、むしろガムテープで固定されているくらい。
降ってくるものはかわし、床が崩壊したら落ちる前に大ジャンプ。
どこぞのラテン系の面構えした赤いツナギのオッサンの如く。
手にしたコミック雑誌も伊達じゃ無い。だってこの雑誌の技能とその名前ったら――
がすっ。
避けきれなかった天井のクッキーが麗刃の後頭部に直撃した。
白目剥いてびたーんとその辺の壁に勢い良くぶつかれば、麗刃の大きさと同じジンジャーマンクッキーがくり抜かれて出来上がり。
クッキーの壁にめり込んだまま、暫く動かない。だがピクピクしている辺り、生きてはいるらしい。
だが、このくらいでめげるような彼では無い。
「そ、そな目で見ゆコは麗ちゃんぶつじょ!!」
誰も見ていない無観客ライブなのだが、恐らく配信的な何かで彼の活躍は後から見られる事だろう。そう、例えばこのリプレイのように。
変態的衝動にて立ち上がった麗刃は、クッキーの壁と第四の壁をぶち破りながら再び駆ける。無理矢理にも突破していくその様子は、まるで虹色に点滅する星を掴んだかのようであったのだった。
成功
🔵🔵🔴
クロエ・イレヴンス
マディソンお兄ちゃん(f05244)と
※数少ない年上なのでお兄ちゃんと呼んでるだけ
高笑いするBBAとかキャラ被っとんのや!お兄ちゃんもそう思わへん?な?
うち基本煎餅派やしなぁ……まあこっちも旨いな
なんとかせえへんとカクリヨも滅びかねへんし、妖怪のちびさんらもお菓子食べれへんさかい
ここいらは熟年のワテらがなんとかしましょ
お兄ちゃーん!ワテら熟年には寿命でローン踏み倒すいう最終手段があるんや!買いなおせばええ!
食べ物踏みつけるんも心苦しいけど、ここは質量で道開くで
みんな!集まってやー!
召喚したワゴン車に乗ってくで!お兄ちゃんもどっか滑り込んでや!
一気に加速していくで!勝利のVロードや!
Vやねん!!
マディソン・マクナマス
クロエさん(f24879)と参加
その通りだぜクロエさん、競合他社は後ろ汚い手段を使っても早めに排除するに限るぜッ!
まぁーシュールな状況だが、殴って撃てば解決できんならどうにかすっかね
俺も今日の為に洗車してきた自前の暴走アメリカントラックを……ってあぁーッ! クッキーの崩落に巻き込まれて落下して行くゥー! まだローンがぁーッ!
……い、いやッまだ自慢の暴走宇宙ハーレーが……クッキーの崩落に巻き込まれて落下して行くゥー! こないだ新しいエンジンに買い換えたのにィーッ!
……UC【自爆特攻中古ドローン】を呼び出し、ドローンが運搬する爆薬部分にしがみついて移動。空を飛んでクロエさんのワゴンに併走するぜ……
クッキー降り注ぐその様は、文字にすると幻想的かも知れないが、崩壊する迷宮の背景と併せると、途端に世紀末感が激増する。
そんな場所に降り立った二匹の二足歩行をする動物達も、ファンシーではなくてファンキーな出で立ちと空気を身に纏っていた。
「大体、高笑いするBBAとかワテとキャラ被っとんのや!!」
クロエ・イレヴンス(創造論の魔女・f24879)は平長いクチバシをパクパクさせて激昂しつつ、共にやってきたケットシーに同意求める視線を向けた。
「マディソンお兄ちゃんもそう思わへん? な?」
「その通りだぜクロエさん――」
グラサンをくぃっと爪の先で押し上げながら、マディソン・マクナマス(アイリッシュソルジャー・f05244)はニヤリと笑った。
「競合他社は汚い手段を使っても、早めに排除するに限るぜッ!」
お兄ちゃんと言うには初老にも程がある高齢猫だが、猛虎弁の使い方としては間違ってない。多分、お姉さんと呼べばクロエも高速で振り向くし。
「まぁーシュールな状況だが、殴って撃てば解決できんならどうにかすっかね」
やれやれ、と大袈裟に肩を竦めたマディソンは、降ってくるクッキーを掴んで一口。もしゃもしゃ食べて一言。
「……結構イケるぜ、このクッキー」
「ほんまか。いやうち基本煎餅派やしなぁ……まあこっちも旨いな」
ボリボリバリバリ喰らいながらクロエも腹拵えしつつ。
「まずはなんとかせぇへんと、このカクリヨも滅びかねへんし」
ごっくんと飲み込み、クチバシの周りの食べかすを拭いながらちょっと真面目にオバty――クロエ姐さんは言う。
「妖怪のちびさんらも安心してお菓子食べれへんさかい」
ここいらは熟年のワテらがなんとかしましょ――と年の功思わせる台詞を吐いた。
だがこの身長が0.5mも無い二匹がどうやってこの崩壊する迷宮を突破するのか。
「任せろ……! 俺も今日の為に洗車してきた自前の暴走アメリカントラックを……」
マディソンが親指向けてトラックを自慢する。ぴかぴかに磨き上げられ、ワックスもいつもより多めに塗って仕上げてきたそれに、容赦無く降り注ぐクッキー。そして……
――みし。
「え?」
バキバキガラガラガラ……!!
「ってあぁーッ!!!??」
クッキーの床ではトラックの重みに耐えきれなかったのだろうか。崩落に巻き込まれ落下。愛車がどんどん小さく見えていく。
「ノォォォ!!? まだローンがぁーーッ!!??」
膝をつき、頭を抱えて絶叫するマディソン。
「……い、いやッまだ自慢の暴走宇宙ハーレーが……」
振り向いたら。
どーん!! がらがらがら……!!!
同じように崩落に巻き込まれて消えていく最中であった。
「うぉぉぉっ!!? こないだ新しいエンジンに買い換えたばかりなのにィーッ!!?」
顔文字で言うと「orz」みたいになっているマディソン。だがクロエは彼の背をばしぃ!と叩いて叱咤する。
「お兄ちゃーん! ワテら熟年には寿命でローン踏み倒すいう最終手段があるんや!! 買いなおせばええ!!!」
銀行涙目案件。段々ローンの審査も厳しくなってくるのは間違いない。
「じっとしとると重さで落ちるだけや。食べ物踏みつけるんも心苦しいけど……」
クロエは念を集中し、そしてカッと目を見開いて。
「ここは質量で道開くで――みんな! 集まってやー!!」
彼女が声を上げると、どーんと召喚されたのは色んな種族のオバチャン幽霊が搭乗したワゴン車であった。登場と同時に激走を開始したワゴンの中からキマイラのオバチャンが半身飛び出た状態でクロエに手を伸ばす。
『つかまりッ!』
「おおきに!! お兄ちゃんもどっか滑り込んでや!!」
「え、ええッ!?」
突然のワゴン車にマディソンは反応出来ず、乗り損ねた彼は咄嗟に自爆特攻用のドローンを数体召喚してがしっとそれが運搬する爆薬部分にしがみついた。
「俺はコイツで併走させて貰うぜ……偵察もかねてな」
「ほな、一気に加速していくで! 勝利のVロードや!!」
Vやねぇぇんッッ!!――と。その雄叫びは迷宮の奥底まで響き渡ったのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 集団戦
『骸魂童子』
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POW : 怪力
レベル×1tまでの対象の【尻尾や足】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
SPD : 霊障
見えない【念動力】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
WIZ : 鬼火
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
イラスト:黒江モノ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
崩壊するクッキーの迷宮を抜けた先、急に開けた場所に出る猟兵達。
むせる程の甘い香りとオーブンのじわっとした熱気が周囲に籠もる中、彼らは――童の姿をした妖怪達が此方を見てクスクスと声あげて笑った。
『うわ、来たよ。もう来たよ』
『おばば様のクッキーはもう止まらないよ』
『みーんなみんな、クッキーになっちゃえ』
悪戯じみた子供達の笑み。
小さい姿に惑わされてはいけない。
何故なら、その子供じみた攻撃こそが彼らの恐ろしさなのだから。
――ほんの少し時を遡る。
「詳しく、デスか」
子供らしい戦い方をしてくるだろう。そう告げた鴉の妖魔に誰かが詳細を求めた。
「基本的に子供殺法を駆使してくると思えばノープロブレムかと」
例えば、相手が男であれば股の間をくぐって金的を狙ってみたり。
霊障と言う名の念力でソーシャルウィンドウのオープンだとか、むしろズボンやパンツを下ろしにかかったり。
鬼火も頭部に集中攻撃でアフロにしようとしてきたり。
機械っぽいもの見つけたら十円傷つけようとしたり。
ユーベルコードによる攻撃にこんなことをプラスアルファしてくるらしい。
しかもピンポンダッシュよろしく一撃離脱を繰り返そうとするからタチが悪い。
「ユー達なら何とか出来るデショウ、ええ」
ほぼ子供の悪戯じゃねぇか。誰かがぼやくも。
仕方有るまい。取り憑かれた方も、取り憑いた方も子供なのだから……。
ジェイミィ・ブラッディバック
はっはっは、子供は風の子元気な子とよく言いますが
この私に十円傷など片腹痛い
さぁやってみせるが良いのです
何故ならば私にはこれがある(UC発動して手刀を自らに叩き込み損傷を回復)
十円傷をつけた端から直す、これぞ賽の河原システム!
さらに糖分を摂取したお陰でだいぶ頭が回るようになりました
突進したところを足引っ掛けて転ばせたり、鬼火には足元でミサイルを炸裂させて二酸化炭素を発生させ空気中の酸素を奪って消火したり、さらには足場の崩落に巻き込まれるふりをして推力移動で空中機動を行って騙し討ちしたり、あの手この手で子供たちの裏をかきましょう
覚えておきなさい子供たちよ、大人げないとはこういうことです
『うわぁ、ロボットだーっ!』
『すごーい、かっこいいーーっ!』
如何にもなロボットであるジェイミィ・ブラッディバックのその超格好良いフォルムに、骸魂童子の、それも男の子達の視線は釘付けであった。
思わずその周囲をチョロチョロと飛び回りながらてしてしとその超合金製ボディに指紋を付けまくる子供達。
「いやぁ、こう外観を褒められるとなかなか照れ臭いものがありますね」
『うわぁ、喋った!?』
『誰か乗ってるの!?』
『ねぇねぇ中の人出てきてー!!』
かなり好き勝手な事を言いながらもその周囲をくるくる回り、クッキー食べながら欠片を関節部分に落とす。
「はっはっは、子供は風の子元気な子とよく言いますが」
しかし大人の余裕を見せつけるかの様にジェイミィは彼らをむやみに叱るような事はしない。そのうちに童達はその手に十円玉をしゃきーんと構えた。
『ボク知ってるよ! 超合金には傷一つ付かないんだぜ?』
まるで試すかの様な発言に、ジェイミィは一つ息を吐くような仕草を見せた。
「ほほぅ。だがこの私に十円傷など片腹痛い。さぁやってみせるが良いのです」
無抵抗を示す様に彼はその腕を大きく広げた。そのノーガードさにすっかり気を良くしながら、童達はやいのやいのとこぞってジェイミィのボディに十円をこすりつけ引っ掻いてギギギと傷を付けまくる。
ウォーマシンである彼にとって、そのボディへの十円傷は痛覚的にはともかくとして、生き物で言うとナイフで傷を刻まれるに等しい。
なのに何故平然としていられるかというと――
「何故ならば、私にはこれがある……! ふんぬぅっ!!」
斜め45°のチョップが炸裂した! 己自身に向けて。
すると、何ということでしょう……! そのボディに酷く刻まれた傷が、見る間に消えて行くではありませんか……!
『えー、直った!?』
「機械で困った時は斜め45°と覚えておきなさい少年達」
『ずるいっ! おじさんずるいけどすごい!』
「あと、おじさんではなく、お兄さんと呼んで頂きたいですね」
傷付いた先からユーベルコードで修復する。これぞ賽の河原システムである。
『ちょっと男子!! なにやってるのよー!!』
『遊んでないでやっつけちゃおうよー』
どいつもこいつも同じ顔で良く解らないが、女子らしい童達が抗議の声を上げた。
『いけね、おこられた』
『そんなワケでいてまえー』
気を取り直し、向かってくる童子達。だがジェイミィはその長い脚部のリーチを活かして彼らの足下に咄嗟に爪先を差し入れる!
『えっ!?』
ずべーん、とすっ転ぶ子供達。続いて鬼火を放とうとした童子に向けてその足下にミサイルぶっ放し。
ぼんっ! 炸裂と同時に広がる白い煙はドライアイスの様。灯りかけた鬼火も酸素を一気に奪われては燃えるものも燃えない。
『やーい、こっちにこいよー』
『ビビってるんじゃねーぞー』
何やらひび割れた床の手前で囃し立て挑発してくる童子達。明らかに何か企んでいる顔をしているとジェイミィの電子頭脳は分析するも、さっき糖分摂取をしたお陰で頭は回り、更なる奥の手が即座に計算される。
誘われるままに駆けだし、彼らの手前の床を踏めば予想通りに崩落が始まった。
『引っかかったー!』
『ばーか、ばーか!』
「――それはどうでしょう」
え?と童子達が目を見張るのと、崩落に巻き込まれた筈のジェイミィが推力移動で宙に浮き、彼らの足下のクッキー床を砕いたのは同時。
『あああぁぁぁぁぁ――……!?』
崩落した床からミルクの海に落下していき、小さく見えていく童達に視線向けながら、ジェイミィはフフンと鼻を鳴らすような仕草を見せてこう告げた。
「覚えておきなさい子供たちよ、大人げないとはこういうことです」
――本当にね。
大成功
🔵🔵🔵
マディソン・マクナマス
クロエさん(f24879)と
そうだな、俺も心が痛ぇよクロエさん……奈落の底に散って行ったトラックがッ! バイクがッ! こいつらの血で贖えとヴァルハラで叫んでんだよ……ッ!
ズボンを下す? 成程、子供殺法か。だったらこっちゃぁ大人殺法だ
躊躇わずレザージャケットとジーンズを脱ぎ捨て全裸になる。俺の種族じゃ下半身に何も履いてない奴もザラなんでな、かかってこいよBPO!
と言いつつ敵の悪ふざけを喰らい即座にブチ切れる
ガキが……舐めてると潰すぞ……! こっから先はR20グロ指定だ……!
一撃離脱で逃げるガキにUC【妨害手榴弾全部乗せ支援射撃添え】を放ち、動きが止まった所を容赦なく10mmサブマシンガンで銃撃
クロエ・イレヴンス
マディソンお兄ちゃん(f05244)と
あらぁ、敵はちびさんかぁ
おばちゃんちょこっと心が痛むわぁ。ちょこっとだけやけどなー
おばちゃんはいつでもオールヌードか裸エプロンや!どや?セクシーやろ?
あんたさんらが子供殺法で来るなら、こっちはおばちゃん真拳で行くで。覚悟しぃや!
大人の女は幾つもの顔を持つんやで!覚えとき!
おばちゃん真拳、バーゲンの舞や!
2回攻撃、浄化のサイキックを直接顔面ブチこんだるわ!
こっちの猫のおじいちゃ……おっちゃんはな、ほんまもんの悪党やで
ちびさんら、ナメてかかったらその骸魂即座に砕け散るでぇ~?
(マディソンお兄ちゃんと、お兄ちゃんのごっつい武器を目線で示しつつ)
「あらぁ、敵はちびさんかぁ」
自分の身長を差し置いて。このオバチャンことクロエ・イレヴンスは僅かに顔しかめた。
「おばちゃんちょこっと心が痛むわぁ。ちょこっとだけやけどなー」
そう言って親指と人差し指で作った隙間はミリも無かった辺り、口先だけの可能性が大である。
「そうだな……俺も心が痛ぇよ、クロエさん……」
マディソン・マクナマスはサングラスで目元こそ見えないものの、その表情には哀愁漂いまくっており、そっとその胸を肉球の手で押さえていた。
「奈落(ミルク)の底に散って行ったトラックがッ! バイクがッ! こいつらの血で贖えとヴァルハラで叫んでんだよ……ッ!!」
このクッキーアポカリプスさえ収まればトラックもバイクも見つかるかも知れない。ただし、落下の衝撃による損傷と、乳脂肪分たっぷりに浸されたエンジンが元に戻る保証は無いのだ……。
『キャハハ! ネコのオジチャンだー』
『そっちはアヒル? カモ? なんだろー』
「鳥ちゃうねん! おばちゃんは立派な哺乳類やで!」
動物二匹の猟兵達を見て、童子達は相変わらずキャッキャとはしゃいで様子を伺っており、ヒソヒソと何人かで相談したかと思いきや、マディソンに向けてそっと指を指し示すと。
ずぼぉっ。霊力にてマディソンの履いていたイカすジーンズが一気に下ろされ、地面と濃密なキスをした。だが彼はそれに慌てふためく事は無く、ふん、と鼻を鳴らすのみ。
「……成る程、こども殺法か……」
堂々とパンツを披露したままマディソンは唸る。
「だったらこっちゃあ大人殺法だ」
男に躊躇いは無かった。身に着けたレザージャケットを脱ぎ捨て、足先からジーンズを抜き、あまつさえパンツも脱ぎ捨て――全裸になった!!
『きゃーーーっ!!?』
女の童子が思わず顔を覆う。【ω】がコンニチワしている生まれたままの姿である。
「俺の種族じゃ下半身に何も履いてない奴もザラなんでな! かかってこいよBPO!」
大丈夫、ネコのふぐりで画像検索してみた所で大体が無修正で見放題である(実践済)。
彼の相方であるクロエなんて、良く考えたらそもそも最初から全裸であった。
「おばちゃんはいつでもオールヌードか裸エプロンや!!」
セクシーやろ?とウッフンポーズを決めるも、悩殺されるような相手はここにはいない。
『わー、かわいい!!』
『見て見て、水かきもある!!』
『珍獣ってやつ? 初めて見た!!』
むしろ動物園に来たみたいに喜んでおりますがな。
そんな間にも、童子の一人がマディソンの後ろにある崩壊したクッキー資材の塊を念動力で音も無く持ち上げると、勢い良く背後から彼の股間にそれをぶつけた。
ドゥクシ!
「――!!?」
マディソンの息子がその一撃を食らう。流石に声も上げずに悶絶する姿。
「あ、ああ゛、あ゛っ……」
「ああ、お兄ちゃん大丈夫かいな! 傷は浅いで!!」
「……くっそ……ガキが!! 舐めてると潰すぞ……!!」
流石の大人たるマディソンも即座にブチ切れ案件であった。
「ひぃぃ……あんた達、とんでもない事しよったで!」
クロエはわたわたとリアクションしながら彼と童子達の間を視線さまよわせて叫ぶ。
「こっちのネコのおじいちゃ……おっちゃんはな、ほんまもんの悪党やで!」
その間にもマディソン(全裸)は片手に10mmサブマシンガンを携えているのをクロエは目線で指し示す。流石に童子達も如何にもなゴツい武器に目を白黒させてわーわー逃げようとするも、もう遅い。
「こっから先はR20グロ指定だ……!!」
フラッシュバンとスモークグレネード、手持ちの妨害手榴弾をごっそり全部投げつければ、視界は閃光に包まれ、煙幕が右も左も解らなくなって童子達は右往左往、ついでにゲホゲホ咳き込む始末。
「逃げる奴はオブリビオンだ! 逃げねぇ奴は訓練されたオブリビオンだ!!」
機関銃が火を噴けば、その先の煙の奥で悲鳴が聞こえる。恐らく骸魂も即座に砕け散って元の子供達が気を失って倒れている事であろう。
『キャー!!』
『くっそー!!』
それでも負けじとイキった童子達が煙幕から抜け出て二人の元に接近してくるものの、そこはクロエが仁王立ちし、拳法の構えの様なポーズを取った。
「あんたさんらがこども殺法で来るなら、こっちはおばちゃん真拳や! 覚悟しぃ!!」
そのずんぐりむっくりなカモノハシのフォルムから、信じられないような所作で繰り出される動きはまさに真拳の名に相応しかったと後にマディソンは語る。
一度に数個もの特売商品を手に取るかのような二連撃、そして無理矢理勉強せぇと店員に値引きを強いるかのような浄化の掌底が童子達の顔面にぶち込まれれば、これはアカンとばかりに彼らに取り憑いた骸魂が剥がれて消え去っていく。
これぞ――おばちゃん真拳奥義・バーゲン乱舞であった。
「大人の女は幾つもの顔を持つんやで! 覚えとき!」
「これが大人だ! 解ったかゴルァ!!」
大人どころか中年の域に達しているハズの全裸二匹の攻撃は、子供相手であっても決して容赦の欠片も無いのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
宮前・紅
戎崎・蒼(f04968)と行動
【POW】
ふふふ………あはははは♪︎(他の猟兵がイタズラをされてるのを眺めながら爆笑)(失礼)
あー面白い!俺も交ざっていーい?
え?やだ?え~~~じゃあいーや、えい!
(話の脈絡を無視して投げつける)
UCを使用して蛍光色カレー投げつけるね!
俺を怪力で持ち上げた瞬間にべちゃ、っと
いっぱい投げるね♪︎(フェイント+暗殺)
相手が子供なら俺一人くらいガキっぽくても大丈夫だよね?
あっはははは!うわー虹色蛍光色でとーーーっても綺麗になったね♪︎
まあまあ、(投げちゃったけど)食べて御覧よ、絶品だから!
甘いもの食べた後にはしょっぱいもの食べたくなるのが人間の性質ってもんでしょ♪︎
戎崎・蒼
宮前・紅(f04970)と行動
【SPD】
下手に戦いが不慣れな子供程、攻撃が読み辛いものもないな…
…て、紅、真逆お前この正気の沙汰じゃない(※ろくでもない)戦い(※遊び)に交ざる気か!?
な!?下げようとするな!掴むな………っ!(妖怪がショートパンツを下げようとするのを止めようとする)
悪戯が過ぎるしさっさと倒して、このタチの悪い子供じみた攻撃を止めよう…
UCを発動
彼等の攻撃を防ぐためにUCで動きを封じられるか試す
念力で悪戯に注力してる分、多分不意打ちには反応出来ない筈だ(暗殺)
さて、君達も余程僕とお話(意訳:説教)がしたかったみたいだね…?
なら楽しいお話でもしようか(滅茶苦茶笑顔で言う)
さて、ここまで猟兵達が色々とヒドいイタズラされている様子を眺めては指をさして笑い転げている不届き者が此処に一人。
「ふ、ふふ――あはははは!!」
宮前・紅の辞書に失礼の二文字は存在しないらしい。その様子を見て戎崎・蒼はジト目で彼を睨み付けるも、さっぱり動じる様子も無く。大きく諦めに似た溜息一つ。
「しかしまぁ、下手に戦いが不慣れな子供程、攻撃が読み辛いものもないな……」
冷静に骸魂童子達の挙動も観察していた蒼は戦術的な感想を述べるも、隣で未だに笑い転げる相方は全く聞いてすらいない。
「あー、面白い! ねぇ、俺も混ざっていーい?」
「……は?」
今何て?と蒼は紅の方に顔を向ける。まるで油が切れたロボットの様な動きで。
「って、紅――真逆お前、この正気の沙汰じゃ無い戦いに交ざる気か!?」
「だって俺、こーいうろくでもない遊びだーい好きだし」
「やめろ。全力で却下だ!!」
言葉を被せる様に蒼は紅に阻止の言葉を叩き付ける。
「え? やだ? え~~……じゃあいーや」
『えー、つまんないー』
『あそんでー、あそんでー』
一旦は引き下がった様に見えた紅。寂しそうに声を上げる童子達。だがしかし、それでもってハイソウデスカと大人しく言う事を効くタイプでは無い。とことこと紅は無造作に童子達に接近して――
「えい!」
『ぶっふ!?』
相手のその顔に至近距離から虹色の蛍光色に輝く何かをぶつけた紅。
『げふっ、ごふっ! なにこれ、カラい……?』
カレーである。モザイクにも見えそうなその有り得ない極色彩を放つそれはカレーなのである。話の脈絡も物理法則も何もかもを無視してカレー投げが開始されたのである。
「相手が子供なら俺一人くらいガキっぽくても大丈夫だよね?」
「いや、大丈夫と言えるのかそれは――」
紅が暴れ出すのを見て止めようと叫びかけた蒼は下半身の違和感に咄嗟に両手を腰にやれば、向こうの童子が念動力で自分のショートパンツを脱がせようとしているではないか。
「な!? 下げようとするな! 掴むな……!!」
『うっふふ★ バレちゃったー!』
童子がテヘっと笑ったのと同時に、ショートパンツを下に降ろそうと掛かっていた力がカクンと抜ける。安堵したのもつかの間。ソーシャルウィンドウが代わりに犠牲になっていた。
「~~~~!!!」
『やーいやーい、引っかかった引っかかったーー!!』
何とも悪戯が過ぎるにも程がある。オマケにこいつらが居る限りは紅の暴走も止まる気がしない。急いでウィンドウをクローズさせ、蒼は決意する。
(「このタチの悪い子供じみた攻撃を止めよう――」)
全力で、全霊で。
「──十戒の遵守を、此処に誓う」
蒼の放った拘束具が容赦無く童子達を襲い、絡め取り、縛り付ける。
『キャーッ!? 動けない!?』
『捕まったーっ!?』
悪戯に夢中で全く回避も出来ずにまんまととっ捕まった童子達。拘束されながらもどことなく明るいのは気のせいだろうか。
「さて、君達も余程僕とお話がしたかったみたいだね……?」
『え、なになに、お話って』
『お説教はイヤだよー?』
引き攣った笑みで告げる蒼に対し、どこ吹く風とケラケラ笑う悪戯っ子達。
「ならばよし、楽しいお話をしようか」
べしょ。そう蒼が告げたのと、紅が彼らの顔面に蛍光色の何かをお見舞いしたのは同時。七色で薄らと光るその奇天烈な物体の食欲減退色加減に、童子達の顔は割と青ざめている。
「あっはははは! うわー、虹色蛍光色でとーーーっても綺麗になったね♪」
「ああ、うん、今ばかりは僕も紅を止めないでおくよ」
『いや、やだ止めてぇぇっ!?』
「――だって! まぁまぁ食べて御覧よ、絶品だから!!」
甘い物を食べた後にはしょっぱい物を食べたくなるのが人間の性質だと喜々として語る紅だが、そもそもこの子達は妖怪であるからして。
カレーの香りと虹色まみれになりながら気を失った童子達からはすっかり邪悪な妖気も消え失せ、可愛そうな程にぐったりした子供の妖怪達の姿がそこにあったとさ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
大豪傑・麗刃
ここは大人としての威厳をもって対応すべきだろう。
昔のわたしは悪い子だったので大人たちからさんざん痛い目に合わされてきた。なのでわたし自身も悪い子には体罰かますと決めているのだ。まさに負の連鎖。
ということで。
わたしは今からおまえたちをなぐる!
お子様へのお仕置きの基本はおしりペンペン。がんばって捕まえてひっぱたく。
それでも反省しない子には
七年殺し!!(=カンチョー)
悪い子のままでいるならきみは七年後に死ぬのだ!
これは暴力ではない。もし、暴力だと呼ぶ者があれば、出るところへ出てもよい。麗刃はそう思っていた。
もっとヒドい目?あってもいいけどその分おしおきもきつくするのだ。
(注:リアル体罰はやめよう!)
『わー、おじさんへんなかおー』
『おもしろそうなおじさんだー』
「うぐぐ、そこはおにーさんと呼んで欲しいのだ」
童子達が好き勝手な事を言っているが、大豪傑・麗刃はそこでいきなりブチ切れて怒る様な真似はしない。この場は大人としての威厳をもって対応すべきなのだろう、と。
そう、今まさにおさげ髪をぐいぐい引っ張られてようと、スカートめくりどころか着物の裾を捲り上げられようと、ましてや茶巾にされようと。
「ええぃ、いい加減にしないと麗ちゃん怒るじょ!!」
『きゃーーっ!!』
『おこられたーおこられたー』
振り払えば、蜘蛛の子を散らしたかの様に逃げる童子達。
「まぁ悪戯したい気持ちは解るのだ。昔のわたしも悪い子だったので、大人達から散々痛い目に遭わされてきたし……」
割と今でもそんなに変わってないというのはご愛敬ということにしてだ。
「なのでわたし自身も悪い子には体罰かますと決めているのだ」
まさに負の連鎖。教育委員会も児相も真っ青な奴だ。
「ということで。わたしは今からおまえたちをなぐる!」
一昔前の青春熱血ドラマみたいな台詞が飛び出やがった。勿論それでしっかり整列して歯を食いしばる様なガキンチョ共ではない。
『『きゃーー!!?』』
「あ、こら、逃げるなーーっ!?」
まずは一人捕まえ、横に抱え込むと。
ッパァンッ!!!
おしりペンペン。にしてはパワーが籠もってる。
まず一人のお尻を真っ赤に腫らし、ついでに骸魂も祓った所でそこらに捨て置けば、違う童子が仲間への仕打ちに恐れる事無く着物の帯を狙ってきたので。
「反省する気は無いのかね!」
がしっと捕まえ、地面にずざーっと放り投げるとうつ伏せになったその子の背後を素早く確保し、麗刃はその手に秘技の印を結んだ。
「七年殺しぃっ!!」
『アッーーー!!?』
ズギュオォッ!! 両手の揃えた人差し指が童子の*目掛けて突き刺さる。
秘技・七年殺し――俗に言うカンチョーである。
「悪い子のままでいるならきみは七年後に死ぬのだ!」
気を失い、悪い子成分である骸魂が抜けていったと思われる童子に向けて麗刃は颯爽と言い放つがやってる事はなかなか大人げないしえげつない。
これは暴力ではない。もし、暴力だと呼ぶ者があれば、出るところへ出てもよい。麗刃はそう思い、自分の信念の元に妖怪童子達相手と向き合っていた。
『くっそー……おにーさんやるなぁ』
『もっとヒドい目に遭わせてやるんだから!』
それでも、こいつら懲りねぇ。
「もっとヒドい目――? あってもいいけど――」
麗刃はにやりとその言葉に対して不敵な笑みを作った。
「その分おしおきもきつくするのだ!!」
ただしリアル体罰はやめよう。麗刃おにーさんとの約束だ!!
大成功
🔵🔵🔵
地籠・凌牙
【労組】
あーよくやるよくやる。うちのちび共もよくやってたわ。
流石にマジで金的した時はお説教だったけどな。
お、サライそれいいな。やるか。
安心しろ、俺はキャバリア用武装を片手でぶん回す程度には力あっから。
だが多分アレだな、一気に何人かたかいたかーいしてやれる方が子供は釣れる(確信)
てなワケで【指定UC】で黒竜召喚して、まずはちびサライに構ってやろう。
そーらたかいたかーい。楽しいだろー。
え、黒竜の方がでかいからそっちがいいって?ほっとけ!
わーったわーったやるから一列に並べ!いい子に並んでた奴から順番だぞ。
って感じで【おびき寄せ】だ。
……子供の遊びに構ってやってたら自然と骸魂剥がれそうだな?
木々水・サライ
【労組】
あー、ガキ共が相手かぁ……。
となると、子供には子供を相手にさせたほうが良さそうだ。
(そう言うとシースルーコートを翻して、UC【チビサライ軍団出動!】使用して子供以下のサイズの小さい複製義体を呼ぶ)
(このチビサライ達は「さら!」とか「らいらい!」と鳴いて言葉は喋らない)
……ん、そうだな。チビ共を高い高いしてりゃガキ共もつられてやってくるんじゃねえの?
というわけで凌牙、頼んだぞ。こいつら結構重たいけど。(複製義体なので重たい)
俺のやることはー……まあ、落ちても反抗するやつにげんこつブチかますぐらいか。
俺のげんこつは痛いぞー? なにせサイボーグの腕だからな!
「あー……ガキ共が相手かぁ……」
木々水・サライはどこか気怠そうな気まずそうな表情で頭をかいた。
ここまでの猟兵達に対するお子さまたちの暴挙とも言えるえげつない子供殺法の数々にを見てきた地籠・凌牙も、物凄く納得した表情で赤べこ宜しく頷いていた。
「あーよくやるよくやる。うちのちび共もよくやってたわ……」
「……そうなのか?」
「流石にマジで金的した時はお説教だったけどな」
凌牙はついその時の痛みを思い出す。あれは痛みという言葉では済まされない。地獄の激痛に良く意識持って行かれなかったなと思うくらいである。
それを聞いたサライは然程表情を変えぬものの、想像だけして軽く首を横に振った。人並みの幼少期とは無縁だった部分も多少あったが、子供の無邪気さ残酷さは想像が付く。
「となると、子供には子供を相手にさせたほうが良さそうだ」
ぽつりと呟いたサライがコートをバサッと翻せば、わらわらとちっこいサライが溢れ出した。
「さらっ!!」「らいらいっ!!」
サライをショタ化したらこーなるんだろうというちみっこいのが沢山。
『わー、わー、なんかいっぱい!!』
『ねぇねぇ、その子達、おにーさんの子?』
遠目に見ていた童子達が興味津々にそんな事を聞いてきた。このちびサライ達は複製義体――つまりはメカである。
「普通に遊びたがってそうにも見えるし……チビ共を高い高いでもして遊んでやってるのを見せつけてやりゃ、ガキ共もこっちにやってくるんじゃねぇの?」
「お、それいいな。やるか」
「というわけで凌牙、頼んだぞ」
こいつら結構重たいけど。そう苦笑いするサライ。しかし凌牙は気にするまでも無く、むしろ腕まくりしながらニッと笑って見せた。
「安心しろ。俺はキャバリア用の武装を片手でブン回す程度には力あっから」
腕力には自信がある。そう告げる凌牙は、ふとそこで更にアイデアを閃いた。
「……多分アレだな。一気に何人かたかいたかーいしてやれる方が子供は釣れる」
そして少し経った時には。
「さーらー!!」
「らいらーい!!」
凌牙の喚び出した黒竜がまるで遊園地のアトラクションさながらにそこに鎮座し、まずはちびサライ達を凌牙と一緒にポンポンひょいひょいとお手玉よろしく空高くぶん投げていた。
「そーらたかいたかーい。楽しいだろー」
「らいっ」
凌牙に投げられていた一個体が不満げな一言。
「え、黒竜の方がでかいからそっちがいいって?」
「らい」
「っるせーよ、ほっとけ!」
良く言葉通じるな君。
『たのしそー』
『ねぇねぇ、おにーちゃん、僕達も一緒に遊んでいーい?』
「わーったわーった……やるから一列に並べ! いい子に並んでた奴から順番だぞ!!」
『『やったーっ!!!』』
あっさり釣られ、ジェットコースターの列に並ぶかのように綺麗に並ぶ童子達。
「ほらほら、そっちハミ出すな……ってチビじゃねぇか」
サライは列整理をしつつ反抗する悪い子には一発ブチかまそうとすら思ってたが。
どうやら遊びに貪欲な子供達は、その為なら良い子にだってなれるらしい。
『せんせー、この子が横入りしてきましたー』
「さらー」
「俺は先生じゃない――って、ちび、お前って奴は……!?」
むしろ自分の複製義体達がフリーダムで鉄拳制裁するハメになった件。
やがて、満足した骸魂は浄化されていき――そこにはスヤスヤと遊び疲れた子供の妖怪達の安らかで健やかな寝顔が沢山転がっていたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『最恐・妖怪ババア』
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POW : 千歳たる年の功
全身を【見るからに凶悪な攻撃的オーラ 】で覆い、自身の【これまで生きてきた年月】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : スーパーBBAチョップ
【触れた者を畏怖させる禍々しく邪悪な妖力 】を籠めた【死角への瞬間移動による接近から続く手刀】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【戦おうとする意志】のみを攻撃する。
WIZ : 老人会強制加入の呪
攻撃が命中した対象に【突然の耐えがたい腰痛や膝などの痛み 】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【身体の急激な老化とそれに伴う体調不良】による追加攻撃を与え続ける。
イラスト:スダチ
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ミカエラ・マリット」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「あれ、ボクたち……」
取り憑いていた骸魂から解放された子どもの妖怪達は気絶状態から目を覚まし、自分達が置かれている状況に気が付いたらしく、目の前の猟兵達に頭を下げてお詫びを始めた。
「ご、ご、ごめんなさい!」
「アタシ達、骸魂に取り憑かれて……みんなに悪いことしちゃった……」
しかし悪いのは彼らのせいではない。あくまで取り憑かれていたが為であり、原因はこの崩壊しそうな世界のせいなのだ。
「そうだ、シルキーは!?」
「ボクたち、シルキーのおうちにお菓子もらいに向かってたんだ」
妖精シルキー……今回の事件を引き起こした凶悪な骸魂に飲み込まれたと言う、本来で有れば美しく可憐で清楚な女性の姿をした西洋妖怪なのであるが。
『ヒィーーッヒッヒェッ!!!』
ど、ばーーーーん!!
向こうに見えた家から扉を開けて現れたのは、見るからに強そうなババアの姿。
というか、その強烈すぎる圧――。
『この世は全てクッキーになるがエエのじゃ! どいつもこいつもクッキーじゃ!』
その背後で燃え上がる様な熱風。ババアが叫ぶと同時にオーブンが開け放たれ、煙突から火山の如くクッキーが発射され、世界に降り注ぐ。
『貴様らぁ! クッキーを食えぇぇっ! 儂のクッキーが食えぬと言うかぁぁっ!』
そんな事言ってないし、伝えたところで色々聞いてねぇし。
そもそも、勝 て る 気 が し ね ぇ。
いや、勝たないと世界崩壊するんだけど、砕けたクッキーの如く。
『儂に楯突こうとは千年早いわぁぁぁっ!!!』
世界が暗雲に覆われ、クッキーが降り注ぎ、オーブンの熱気に包まれる中。
見るからにラスボス感漂うババアとの決戦が始まる……!!
地籠・凌牙
【労組】
じ ゃ か ァ し い わ ク ソ バ バ ア !!
子供たちが怖がってんじゃねーか!!
クッキーで世界滅ぼす暇あったら少しでも子供たちに分けるとか慈善事業でもしやがれ!!
甘いモンがどんだけ貴重かも知らねえで偉そうに世界崩壊なんざ目論んでんじゃねえぞゴラァ!!
子供たちを避難させねえと……サライ、その間任せてもいいか!すぐ戻る!
【ダッシュ】で子供たち抱えて避難させるぜ。
戻ってきたら【指定UC】発動!
【火炎耐性】のおかげで熱には強いんでな……サライが持ち堪えていてくれた分たっぷりお返しだ!
パイルバンカー片手に【貫通攻撃】の【零距離射撃】をくれてやるぜ、【傷口をえぐる】ようにブチ込んでやらァ!!
木々水・サライ
【労組】
ババアァーーッ!!!!
お前その理論でいったらお前もクッキーだろうがよぉ!!
…………お"え"っっ 考えたくないこと考えちまった……。
ババア顔のクッキーとか……誰得……??
くっそ、仕方ねぇな! さっさとガキ共逃してやれ!!
この熱気じゃ俺の身体はもって30分ってところだぞ!!
UC【無謀な千本刀の白黒人形】でサクッとそのクッキー全部砕いてやらぁ!
あっ、ダメだ!!
熱気で腕と足が超しんどい!凌牙パス!!
ちょっとサイボーグにはしんどい環境なんで!!!!
『クッキーじゃあぁぁぁっっ! この世の全てはクッキーなのじゃあぁぁっ!!』
「じ ゃ か ァ し い わ ク ソ バ バ ア !!」
『ぶべぇぇっ!!?』
地籠・凌牙の猛烈なツッコミと言う名の鉄拳がババアの顔面を捉えたのは一瞬。
クソ目立つタマネギ頭が軽く吹っ飛んだのを睨み付けながら、凌牙はずびっと先程まで骸魂に取り憑かれていた妖怪のお子さま達を指さして叫ぶ。
「その不気味な面と嗤い声で子供たちが怖がってんじゃねーか!!」
彼の言う通り、子供妖怪達はババアの恐怖溢れる圧におののき、身を寄せ合ってぷるぷる震えているのが見えた。
「大体クッキーで世界滅ぼす暇あったら、少しでも子供たちに分けるとか慈善事業でもしやがれ!!」
『フェフェフェ……世界がクッキーになれば食い放題じゃと思わぬかぇ?』
「思わねぇよ!!」
ふわりと直立姿勢のまま身を起こすババアに対し、凌牙は拳を握りしめながら反論する。
「甘いモンがどんだけ貴重かも知らねえで偉そうに……!!」
孤児院で育ってきた凌牙には甘味は何より得難い価値あるもの。それをこう簡単に埋め尽くすだの何だのと言うのがどうにも許せぬようで。
「世界崩壊なんざ目論んでんじゃねえぞゴラァ!!」
『ギヒヒヒ、黙れ小僧! 貴様もクッキーにしてやろうかぁ!!』
オーブンより熱い凌牙の叫びもババアにはミリも届かない。耳が遠いとかじゃなく、自分に都合の悪い事は聞こえない系のババアのようだ。
「いや、待ちやがれババアァーーッ!!!!」
怯える子供達を落ち着かせる為にそっと庇う様にしていた木々水・サライが叫ぶ。
「お前その理論でいったらお前もクッキーだろうがよぉ!!」
『ヒッヒッヒ、そうよ!! 世界がクッキーに成り果てた暁には、このババアのチャーミングなクッキーが出来上がるのじゃあぁぁぁっっ!!』
――想像してみよう。
「……お"え"っっ」
サライは今にもモザイクを吐き出しそうな表情した。壮絶すぎる自爆。
「てめぇ、何てこと想像させやがる!!」
「くそっ、考えたくねぇこと考えちまったぜ……」
凌牙の抗議の声に耳を貸す余裕も無く、サライは己の想像力を呪う。何だよババア顔のクッキーとか。誰得なんだよ。
「とりあえず、だ……! 子供たちを避難させねぇと!」
足が竦んで動けない子供妖怪を抱きかかえながら凌牙は告げる。
「……サライ、その間任せてもいいか! すぐ戻る!」
「くっそ、仕方ねぇな! さっさとガキ共逃してやれ!!」
刀を抜きながらサライは応じ、その間にも凌牙は猛ダッシュで子供妖怪を引き連れてその場を離れ避難させる。
『若造一人で儂を止められるとでも思うたか……!』
ゴゴゴゴ……! 不気味な嗤い声を上げながら迫るババア。身に纏うは恐ろしい程の殺気と熱気。まさにオーブンの中の如し。
(「この熱気じゃ俺の身体はもって30分ってところだぞ!!」)
サライは自分の両手両足があっという間に熱を帯びるのを感じる。サイボーグたる己には余りにも過酷な環境。だがやるしかない。
「サクッとそのクッキー全部砕いてやらぁ!」
七色の刃が躍る。敵の武器は肉体のみとなれば、得物の数で言えば遙かにサライの持つ刀の数は多かった。瞬時に切り替わる武器の攻撃にさしものババアもたじろいだ。
『なかなかやるのぉ!! どれ、儂の攻撃も受けてみるかの!?』
ババアが 飛 ん だ。
「なぁっ!?」
『ヒーッヒッヒッヒ!!』
その衝撃的な図にサライが一瞬動きを止めた隙に、ババアがドレスの裾から枯れたおみ足にて彼の横頬に蹴りを食らわせた。
後に彼は語る。瞬間、スカートの中にとんでもなく見たくない物が見えた、と。
更にその攻撃を受けた途端、機械化された足が軋みをあげた気がした。
(「あ、ダメだ」)
サライは一瞬で判断する。熱気で腕と足がしんどい。いや、それだけじゃない何かが己の四肢を襲った事に。
「すまん、待たせた!!」
そこに戻ってくる凌牙。がくりと膝を付きながらサライは思わず叫ぶ。
「遅ぇっ! こっちは既に限界だ!!」
パス、とハイタッチしながら。サライの横を駆け抜けて凌牙はその手にしたパイルバンカーをババアに向けた。
「サライが持ち堪えていてくれた分、たぁっぷり百倍返しにしてやらぁっ!!」
『ヒッヒッヒ、かかって来い小僧!!』
その身に凶悪なオーラを纏うババア。だがサライが受けた攻撃の分、凌牙が身に纏う黒荊棘が彼に力を与える!
「うおりゃあぁぁぁっっ!!!」
ドラドラドラとパイルバンカーの限界を超えた連撃が、ババアの身を穿つ様に放たれた。
『ふごおぉぉっ!!?』
その攻撃の勢いに呑まれる様に、ババアの干涸らびた身体が吹っ飛ばされたのを凌牙は満足げに視界に入れたのだった。
「……やべぇ、ドレスの中見えちまった」
直後の嫌悪感に襲われながら、も。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジェイミィ・ブラッディバック
これが……リアルババアポカリプス!
しかし逆に考えるのです、冷静に考えるのです私。
つまりですよ、クッキーに対抗するには……クッキーをぶつけるしかありませんね!?(支離滅裂な思考)
すべての概念がクッキーになるのであれば、私の放つ弾丸やミサイルもクッキーになる、ならば!
全力のクッキー掃射でクッキー同士をぶつけて対消滅させれば良いのです!
キャバリアに搭乗、マウス型デバイスで操縦。
そうか……こんなところにあったのですね、マウス……!
指定UCを起動、全力でクッキーを射撃してクッキー同士を対消滅させ、世界のクッキーを減少させます!(マウス乱打)
金色クッキー確保!
負けませんよ……専務! その首貰った……!
『ヒーッヒッヒッヒ!! 今度はガラクタがおいでのようだねぇ……』
BBAの高笑いを捉えたジェイミィ・ブラッディバックの音声認識に甲高いノイズ音が突き抜けた。彼がヒューマノイドの様に表情を作れたのであれば苦い顔を見せていた事は間違い無いだろう。
「これが……リアルババアポカリプス!!」
何という禍々しさだろうか。天より降り注ぐクッキーの雨。そこにいるだけで不気味な程の威圧感を与えてくるババア。一人しか居ないのに数百人もいるかの存在感。
「しかし逆に考えるのです、冷静に考えるのです私」
ジェイミィの電子頭脳がフル稼働の演算を開始する。そして、導き出した答えは。
「つまり、ですよ。クッキーに対抗するには……クッキーをぶつけるしかありません、ね!?」
どうしてそうなった。余りにも支離滅裂な思考に達した辺り、きっとデータを構築する0と1も全部クッキーに置き換わってバグったに違いない。
『フェッフェッフェ……貴様もクッキーにしてくれようぞ!!』
「すべての概念がクッキーになるのであれば、私の放つ弾丸やミサイルもクッキーになる――そういう事ですね!!」
ジェイミィがシグナルを発すればそこには遠隔操作により彼と全く同型のクロムキャバリアが姿を見せる。
「ならば、全力のクッキー掃射でクッキー同士をぶつけて対消滅させれば良いのです!」
地を蹴ってキャバリアに颯爽と乗り込み、コクピット席に身を預けたジェイミィ。
そして、彼はたった今になって気が付いたのだ。
「そう、か……!」
搭乗したキャバリアの操縦に使うデバイスの形状に、思わず声を上げた。
「……こんなところにあったのですね、マウス……!!」
人差し指を軽く動かしてクリックすれば懐かしい感覚がメモリの奥底から蘇る。
「ああ、そうだ。これは、あの時の……」
『デカブツに乗った所で儂のクッキーを止められるとでも思うてか!!』
ババアが飛んだ。そして降り注ぐクッキーをその拳や蹴りで次々とジェイミィのキャバリアに向けて打ち飛ばす。その速度は音速に近く、摩擦熱で炎すら纏う。
『ARTEMIS Fire Control System ver.9.3.0 Over Drive mode Authorize.』
しかしジェイミィは怯む事は無かった。女性音声が木霊すると同時に走るプログラム。射撃特化フォルムに変形した彼と彼のキャバリアは連動し、多くの銃口がBBAを標的としてロックオン完了。
「発射ぁぁぁっっ!!
叫ぶと同時に、彼はマウスを全力でクリック開始する。その連打と共にキャバリアの装備した銃火器から次々とクッキーが発射され、ババアの放ったクッキー弾とぶつかり、粉々に砕けて対消滅していくではないか。
『おのれぇぇ、絡繰り風情が生意気にも!!』
マウスを乱打し続けるジェイミィの耳に、ババアの恨み声は聞こえない。とにかく画面に映るクッキーにポインタを合わせてクリック、クリック、クリック!!
『喰らえ、我が必殺のクッキーをぉぉ!!!』
ババアが腰を落として両手を脇に構え、そして手を前に突き出せば、生成された巨大なクッキー弾がジェイミィのキャバリアを襲う!!
「――あ、金色クッキー……!」
その必殺のクッキーは黄金の輝きを有していた。早く捉えねば。全力を以て、彼はその金色クッキー目掛けてマウス連打していた。
BANG!!! 互いの攻撃がぶつかり、弾けて消滅し、その衝撃がババアとキャバリアを吹き飛ばす……!!
『ひぎゃああっ!!?』
「負けませんよ……専務! その首貰った……!!」
完全にサラリーマン時代(※ただしサボり中)に戻っているジェイミィは尚もマウスを乱打し続けるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
クロエ・イレヴンス
マディソンお兄ちゃん(f05244)と
出たな、ババア!!キャラ被っとんのや!
ま、おばちゃんの方が100000000倍美魔女やがな
行こうやお兄ちゃん!おばちゃんとお兄ちゃんの歳を足したらあのババア越えるで!
ろ、老人会強制加入やと!?
お兄ちゃんはともかくおばちゃんまだギャルサーのお年頃やろ!見てみい、白髪一本もないで!
いや、お兄ちゃんの歳でもまだ早いわ!
クライシスゾーンを盾みたく展開して呪を塞ぎつつ、ババアに喰らわせたるわ!
2回攻撃で再度ぶちかましたるで!
お兄ちゃん!ごっつい重火器であんなキャラ被りババアやっちまってやー!
サポートとして、念動力でその辺の物浮かしてぶつけたりも抜かりなくやってくで!
マディソン・マクナマス
クロエさん(f24879)と
うへ、あっち。年寄りにこの暑さは堪えるわ
こっちより歳はなんぼか上だろうが数はこっちが上なんでね、とっとと片付けようぜクロエさん
老人会ねぇ……とはいえ今は一億総活躍社会、おじさんやクロエさんもまだまだ働かねぇとな?
『死角への瞬間移動』に『接近から続く手刀』ね……Okey-dokey
そんならクロエさんとお互いの視界をカバーし死角を限定、ババァが瞬間移動すると同時に決め打ちで死角に向かいUC【猫の毛づくろい2.0】を叩き込む。そう、高圧噴射で吐き出された唾液を
ハッハァー! 10tトラックとバイクの仇よォー!
へっ、ご老体に軽機関銃をフルオートでぶちまけるのは心が痛むぜッ!
『おのれ……儂の邪魔ばかりしくさりおって!!』
ゴゴゴゴ……!!
BBAが絶叫すると大地が揺れてクッキーと化して割れ、空からは更にクッキーが降り注ぐ。正直意味が解らないがとにかく凄い状況である。
「出たな、ババア!! そもそもワテとアンタ、キャラ被っとんのや!」
クロエ・イレヴンスは水かきの指を突きつけながらそのクチバシをパクパクさせて叫んだ。まだまだ51歳。女の盛りではあるが、強烈な妙齢女性という点では成る程確かにダダ被りだ。
「ま、おばちゃんの方が100,000,000倍も美魔女やがな」
胸を張って言ってのける辺り、流石は猛虎弁を操るだけあって厚顔無恥とでも言うか。正直ツッコみ要員必要じゃ無いだろうか、これ。
「うへ、あっち……」
周囲を焼く様なオーブンの熱に、マディソン・マクナマスは全裸フォルム――つまりはうまれたままのすがたで掌に貯まる汗を拭う。
「年寄りにこの暑さはなかなか堪えるわ」
御年60歳の老ケットシーが熱いのはその身に纏う毛皮のせいもありそうだ。
『ヒッヒッヒ、儂から見たら中年の貴様等なんぞ、まだまだガキの範疇よ』
「なぁに、こっちより歳はなんぼか上だろうが、数はこっちが上なんでね……とっとと片付けようぜクロエさん!!」
「おう、行こうやお兄ちゃん! おばちゃんとお兄ちゃんの歳を足したらあのババア越えるで!!」
51歳+60歳=111歳の見事なゾロ目であるが、妖怪BBAの自称千歳と比べれば十倍近い差を付けられている。
『まぁ良いわ。お主等纏めて老人会へご招待してくれようぞ、ヒッヒッヒ!!』
そう言ってババアはそのデカイ頭を振り乱しながらクロエに向かって真正面より呪いを纏った手刀を繰り出してくる!!
「ろ、老人会強制加入やと!?」
ひぃっ!と声を上げながらクロエは辛うじてその直線的な攻撃を回避すると、首をブルブルと横に振って叫ぶ。
「お兄ちゃんはともかく、おばちゃんまだギャルサーのお年頃やろ!」
――ギャルサーのお年頃と言い張るには多少無理がある気がするが、オバチャンパワーにそんなツッコみが通用する気がしねぇ。
「見てみい、白髪一本もないで!」
『ほほぉ……ってよぉ見えぬわ!!』
カモノハシの被毛から白い毛を探す方が老眼にはキツいと思われる。
「老人会ねぇ……とはいえ今は一億総活躍社会」
ふっとマディソンはニヒルな笑みを浮かべてキメる(※注:全裸)。
「おじさんやクロエさんもまだまだ働かねぇとな?」
「いや、お兄ちゃんの歳でもまだ早いわ……!」
確かにマディソンの年齢如きではまだまだ前期高齢者とも言える。
『なに、老人会はいつでも人が足りぬでのぉ……若造でも歓迎じゃあ!!』
「じゃかあしい! コイツでも喰らい!!」
再び迫るババアに対し、クロエは辛うじてクッキー化から残った崩壊資材を竜巻に変換させてぶつけた。
『ぬおぉぉぉっっ!!』
「ほぉれ、大出血サービスでおかわりもくれてやるさかい!」
竜巻第二陣に空高く巻き上げられるババア。だが、落下してくる彼女がその瞳を恐ろしく輝かせたのをクロエは見逃さなかった。
「お兄ちゃん、来るで!!」
「Okey-dokey!!」
二人は咄嗟に互いの死角を補い合う位置を取る。限定された死角。その位置をマディソンが把握したのと、ババアが落下しつつその姿を消したのはほぼ同時。
『ちぇぇすとぉぉぉ!!!』
「フシャァァァァ――ッ!!!」
突如現れたババアがマディソンにその高速手刀を叩き込む寸前、彼は決め打ち見切りで唾液を高圧噴射にて吹きかけたのだった。
『ひぎゃああっっ!!??』
ババアが振り下ろした手刀は摩擦抵抗を失った事でマディソンの毛並み表面を滑るに留まった。そして唾液のついた箇所を必死でハンケチで拭き取り出す。
『なんと不衛生で御下劣な攻撃をしてくるんじゃ貴様は!!』
「ハッハァー!! 薄汚えババアに言われたくねぇぜ!!」
軽機関銃を構えながらマディソンは高笑いをあげ、その銃口をババアに向ける。
「お兄ちゃん! ごっつい重火器であんなキャラ被りババアやっちまってやー!!」
『何の、そんな豆鉄砲受ける訳には……ぬぉぉ!?』
応援しながらクロエはそこら中のクッキーの塊をババアにぶつけて身動き一つ許さない。そう、手抜かりなど絶対に有り得ぬのだ、女の意地にかけても。
「10tトラックとバイクの仇よォー!!!」
フルオートでぶっ放される機関銃。その銃撃に蜂の巣にされたババアの強烈な圧がどんどん消えていくのを感じながらも彼はそれが消え去るまで撃つ事を止めない。
「へっ、ご老体相手に心が痛むぜッ!」
弾を全て撃ちきったのと、空から降り注ぐクッキーが突如消え去ったのはほぼ同時。
「お兄ちゃん、あれ見ぃ!!」
クロエが指さした先、普通の地面に戻ったそこに横たわるは美しい緑色の髪をした女性の姿。ババアの骸魂から解放された西洋妖怪・シルキーの姿がそこにあった。
そして世界は救われた。
クッキーと化した世界は元に戻り、シルキーは子供妖怪達と無事再会を果たした。
――ただし。
「俺のトラックとバイクよぉぉぉぉ!!!!」
落下の衝撃でひしゃげたマディソンの二台の愛車は、元の世界で修理をするまで元に戻る事は無かったのだった。
大成功
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